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ベリー・スイート・ベリー

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 迷宮内に、甘い香りが満ちる。
 それは学園の学生たちの間で密かに話題になっている、『迷宮イチゴ』のものだ。
 摘みたてのイチゴをそのまま食べてももちろん美味しいし、パフェやケーキなど、色々なスイーツに使うのもいい。
 迷宮イチゴが自生する、温室のようなフロア内は、今日も学生たちで賑わっていた。

 一方その頃、迷宮の下層では。
 迷宮イチゴの甘い香りに惹かれたかのように――『女王』が、地上を目指して動き出していた。

●ベリー・スイート・ベリー
「みんな、イチゴ狩りの季節よ!」
 グリモアベースの一角で、キトリ・フローエは集まってくれた猟兵たちへそう切り出した。
 何でも近頃、迷宮の一角に自生する迷宮イチゴを使ったスイーツが学園で大人気なのだという。そこで転校生の皆にも是非イチゴ狩りを楽しんでほしい――という話かと思いきや、どうやらそう簡単にはいかないらしい。
「ええ、……ちょうど運悪く、災魔――オブリビオンたちが、地下の階層から侵攻してくるのを予知したわ。そこで、みんなにその対処をお願いしたいの」
 このまま放っておけばイチゴ狩りが出来ないだけでなく、非戦闘員も多くいる学園施設への侵入を許してしまう。そうなっては大惨事は避けられないため、その前に侵攻を食い止める必要があるということだ。
「ちょうど迷宮イチゴが生えている部屋の前が広いスペースになっているみたいだから、そこで迎え撃つのがいいと思うわ。まずやってくるのは……ユキウサギウミウシっていう、白くて丸い生き物の群れ」
 その見た目はとても可愛らしく、一見すると無害そうではあるが――数がとても多い。
 何より、どのような姿をしていても災魔であることに変わりはなく、学園への侵入を許すことは絶対に出来ないため、必ず倒してほしいとキトリは続ける。
「ユキウサギウミウシの群れを撃破したら、すぐに『女王』が姿を見せるわ。それこそ迷宮イチゴに紛れていそうな、花のオブリビオンよ」
 学生たちでは到底叶わない相手だが、転校生である猟兵たちならば話は別だ。
 速やかに討伐を終え、ひとときの平和を取り戻すことが叶ったなら。
「せっかくだからみんなも、イチゴ狩りを楽しんでくるといいと思うの。だって、摘みたてのイチゴなんて絶対に美味しいじゃない!」
 キトリは瞳を輝かせ、楽しげに告げる。
 詰んだイチゴは新鮮な内にその場で味わうのもいいし、調理室を借りてスイーツを拵えてみるのもいい。
 いずれにしても、戦いの後の時間をどうか有意義に楽しんでほしいと締めくくり、キトリはアルダワ魔法学園へと通じるグリモアを発動させるのだった。


小鳥遊彩羽
 ご覧くださいましてありがとうございます、小鳥遊彩羽です。
 今回は『アルダワ魔法学園』でのシナリオをお届け致します。

●シナリオの流れと補足など
 第1章:『ユキウサギウミウシ』(集団戦)
 第2章:『迷宮温室の女王』(ボス戦)
 第3章:『迷宮イチゴ狩り』(日常)
 となっております。

 オブリビオンの討伐が無事に終わった場合、第3章の日常パートで、イチゴ狩りorイチゴを使ったスイーツ作りを楽しむことが出来ます。
 その際は【POW】【SPD】【WIZ】の判定については気にせずプレイングを掛けて頂いて大丈夫です。

 ご一緒される方がいらっしゃる場合は【お相手の名前(ニックネーム可)とID】もしくは【グループ名】をご記載下さい。
 また、第3章ではお声がけを頂いた場合のみ、キトリもご一緒させて頂きます。
 なるべく多くの方を描写できるよう頑張りますが、ご参加いただく人数によってはプレイングに問題がなくともお返しする可能性があります。
 シナリオの進行状況、及びプレイングの受付タイミングなどにつきましては、個人ページにて随時ご案内させて頂きますので、ご確認頂ければ幸いです。

 以上となります。どうぞ宜しくお願い致します。
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第1章 集団戦 『ユキウサギウミウシ』

POW   :    あそんで
【ミニぷにぷに】【ミニもちもち】【ミニつるつる】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    ともだち
自身の身長の2倍の【めっちゃ移動が早いシロイルカ】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    ぶんしん
レベル×1体の、【背中】に1と刻印された戦闘用【自分の分身】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――迷宮の奥から、丸くて白い生き物の群れがやってくる。
「みゅー……」
「みゅみゅっ!」
 ぷにぷにして、もちもちして、つるつるしたその生き物――ユキウサギウミウシたちは、ウサギの耳のような黄色い触覚をふるふると動かしながら、地上を目指し動いていた。
 愛らしい見た目そのままに、とても害があるようには見えない。
 人を見れば、みゅーと鳴きながら懐っこく寄っていきそうですらある。

 だが、彼らは紛れもなくオブリビオン。現に、動きながら凄まじい勢いで――それこそ、放っておけば迷宮を埋め尽くさんばかりの勢いで、増殖を繰り返している。
 どれほど剣を振るうことを躊躇おうとも、倒したくないと思っても、最後には――猟兵として、覚悟を決めて、倒さねばならないのである――。
ルル・ル
ぴゃあ~!るるる、いちごすきー!
迷宮いちご、たべたーい!
いちごのためにも、がんばろっ

ふっふーん
るるるのおともだち、ガジェットのくじらちゃん!
ゆきうさぎうみうしちゃんより、
ひゃくまんばい、かわいいんだからねっ
もちろん、つよさだってまけないよ~
それゆけ!くじらちゃん!

…え。しろいるかちゃん?
ゆきうさぎうみうしちゃんのおともだち?
るるるとキャラかぶってない?
だめだよ!しろいほうが、いいやつっぽいじゃん!
るるる、くろいけど、わるいやつじゃないもん
…ゆきうさぎうみうしちゃん、ぜつゆる

みゅーってないても、だめ!
いちごのため、るるるのため、
おもいっきりやっつけちゃうよ!

もし近くに人いたら、たたかうの手伝うね



「ぴゃあ~! るるる、いちごすきー! 迷宮いちご、たべたーい!」
 囀るような愛らしい声を響かせながら、ルル・ルは漣のように押し寄せてくるユキウサギウミウシたちの群れと対峙する。
「……みゅ!?」
 小さな波が、不意にぴたりと止んだ。ユキウサギウミウシたちのつぶらな瞳が、ルルと彼女が駆るガジェット――巨大なくじらを映し出す。
 驚いているらしいユキウサギウミウシたちを前に、ルルはふっふーんと得意げに。
「このこはるるるのおともだち、ガジェットのくじらちゃん! ゆきうさぎうみうしちゃんより、ひゃくまんばい、かわいいんだからねっ」
「みゅっ、みゅみゅー!」
「もちろん、つよさだってまけないよ~。――それゆけ! くじらちゃん!」
 たぶん可愛さでは負けないぞとばかりに、その場でぴょんぴょん跳ねるユキウサギウミウシたち目掛け、ルルはどーんとくじらちゃんをけしかける。
 宙を自在に泳ぐくじらが、ぱかっと大きな口を開けてユキウサギウミウシを呑み込み、時に尾鰭で薙ぎ払い。ルルとくじらちゃんのぴったり息を合わせた攻撃に、ユキウサギウミウシたちはみゅー! と悲鳴を上げながらあっさり散ってゆく。
「まだまだ、いくよ~!」
 だが、ユキウサギウミウシの数はまだまだ多い。――多い、と言うよりも、現在進行形で増えている、ように見える。
 ――その時。
「みゅみゅみゅっ、みゅみゅー!!」
 ユキウサギウミウシが己の倍の大きさのシロイルカを召喚してぴょんと騎乗し――それを見たルルが動きを止めた。
「……え。しろいるかちゃん?」
「みゅ!」
「ぴゅーい!」
 そうだ、と胸を張っているように見えるユキウサギウミウシに加え、シロイルカまでもが鳴いて応える。

 ――可愛いルルとガジェットのくじらちゃん。
 ――可愛いユキウサギウミウシとシロイルカちゃん。

 暫し見つめ合う両者、先に口を開いたのはルルだった。
「……るるるとキャラかぶってない?」
「みゅ?」
「だめだよ! しろいほうが、いいやつっぽいじゃん!」
「みゅみゅ!?」
「……」
「……みゅ?」
「……るるる、くろいけど、わるいやつじゃないもん。……ゆきうさぎうみうしちゃん、ぜつゆる」
 次の瞬間、ぱかっと大きく開いたくじらちゃんの口から、青く澄んだ海色のビームがずどんと放たれた。
「みゅみゅみゅーーー!!?」
「みゅーってないても、だめ! いちごのため、るるるのため、おもいっきりやっつけちゃうよ!」
 シロイルカに乗ったユキウサギウミウシは、ものすごい速さで部屋中を逃げ回るけれど。
 怒りみなぎるルルとくじらちゃん、そしてスクラップのやどかりちゃんずによって、ものすごい勢いで殲滅、もとい駆逐されてゆくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小読・灯
これも一種の精神攻撃なのかしら。可愛らしい姿、仕草。倒れていく
姿を見るのは苦しいけれど、私たちの後ろには守らなければならないものがあるんだからやるしかないわね。

マッチを擦って火種を作ったら、【属性攻撃】で力を増した【バーニングチェイン】で炎の鎖を出して、鎖を紡いで、バリケードを作るわ。飛び越えてこようとしたり、みんなで一緒に無理やり進もうとしてきたなら、鎖の位置をずらして層を厚くしたり、追加の炎の鎖で一匹一匹お相手するわ。

(ユキウサギウミウシに対して)
見ての通り本日の地上への道は通行止め、よ。
だからお帰りくださいなウサギさん。それでも、どうしても進むというのなら、過去に還っていただきましょう。


レクト・ユグランス
む、ウサギ……ウミウシ……むう。
……仕方ない、行くか。
(足元でオラついている槍竜を拾って槍に)

まずは前線に出てウミウシの群れに『ドラゴニアン・チェイン』を撃ち込み、
鎖で繋いだ個体に『ドラゴニック・エンド』を使用する。
暴れてこい、リディアコール。

……元々分かってはいることだが……うむ……
(かわいいのを倒して少し気持ちしょんぼり)(俺を構え構えしてる槍竜)



「みゅー! みゅみゅっみゅー!」
「みゅみゅー!」
 壁、床、天井までも伝いながら、ユキウサギウミウシの群れが地上を目指しやってくる。
 行く手に現れた猟兵たちを前に、進軍を止めたユキウサギウミウシたちは、ウサギの耳のような黄色い触覚をふるふると揺らし警戒しているよう。
(「……これも一種の精神攻撃なのかしら」)
 その可愛らしい姿や仕草のひとつひとつに思わず思考を巡らせながらも、小読・灯は魔法のマッチを擦って火種を作る。
 次の瞬間、灯の全身から炎が膨れ上がった。
 あらゆる命を、命なき物を、僅かな片鱗すら残さず燃やし尽くしてしまいそうな程の、凄まじい熱が踊る。燃え盛る灯の炎はまるで生き物のように灯の意のままに舞い、瞬時に炎の鎖となって、バリケードのような壁状に連なり編み上げられていった。
「みゅっ!?」
「……見ての通り本日の地上への道は通行止め、よ。だから、お帰りくださいなウサギさん」
 炎の壁越しに、灯は呼び掛ける。立ちはだかる圧倒的な熱量を前に、ユキウサギウミウシたちはその場でぴょんぴょん跳ねたり床をくるくると這い回ったりしながら迷う素振りを見せた――けれど。
「みゅーーー!!」
 意を決したように分身を生み出し――と言うよりは、分裂し、次々に合体してその大きさと強さを増していくのがわかった。
「む、ウサギ……ウミウシ……むう。……仕方ない、行くか」
 今にもバリケードの炎を飛び越えようと一斉に身を屈めたユキウサギウミウシたちを見つめ、レクト・ユグランスは足元で威勢よく牙を剥いている小竜を拾い上げると、炎の壁の向こう側へ。
 レクトの手の中で、小竜は瞬く間に長い槍へと姿を変える。その穂先を真っ直ぐにユキウサギウミウシへ向けながら、レクトは一歩踏み込み、掲げた手から竜の気を放った。
 合体し強大化した個体のひとつに喰らいつくように衝突した竜のオーラが爆ぜる。それと同時にオーラが鎖へと変じ、互いを強固に繋いだのを確かめてから、レクトは槍を握り締めて、告げた。
「暴れてこい、リディアコール」
「では、私も」
 リディアコール――名を呼ばれた槍竜が、喜色の滲む咆哮を上げながら鋭い牙でユキウサギウミウシを穿ち、灯が自在に操る炎の鎖が狙い澄まして追い掛ける。
「みゅー……!」
 哀しげな声を残し、儚く散ってゆくユキウサギウミウシ。
 いかにも害のなさそうな生き物が消えていく姿に、胸が全く痛まないと言えば嘘になるけれど。
「私たちの後ろには守らなければならないものがあるんだから、やるしかないわね」
 災厄を齎す魔物を、野放しにしておく訳にはいかないから。
「……元々分かってはいることだが……うむ……遊ぶのは後だ、リディアコール」
 可愛い生き物を倒してしまったことに、レクトは若干しょんぼりした様子を見せつつ、まだ終わらぬ戦いに再び槍を構えた。
 そして、灯もまた、美しく華やかな炎を踊らせる。
 戦いが終わるまで、――否、終わっても、この想いは決して燃え尽きることはない。
「――どうしてもこの先に進むというのなら、過去に還っていただきましょう」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

オウカ・クヴェル
嗚呼、甘く心地の良い春の香りだ
これは腹の虫が刺激されるのも頷ける
…しかし、あの赤い果実はどんな味だったか
すっかり忘れてしまったな

…おや、これは
想像よりもずっと可愛らしい様相と鳴き声だ
俺はオウカというよ。宜しくユキウサ君

聞き及んでいた名前すら既に覚えちゃいないけど
その姿形には好奇心を擽られ、暫し観察者の姿勢

お前達も苺の香りに釣られた口かい?
俺もそうだったんだけどね。少し気が変わったよ
…だってほら、君達も充分美味そうだ

穏やかな微笑みと共に【トリニティ・エンハンス】を使用
風の魔力で攻撃力を強化し、
躊躇いなくルーンソードを一振り

ご馳走様。いい物語の種を有難う
苺と地上への行進は夢物語の中で、気の済むまで



「――嗚呼、甘く心地の良い春の香りだ」
 部屋の前に満ちる甘い香りにこれは腹の虫が刺激されるのも頷けると、オウカ・クヴェルは笑みの形に緩めた薔薇輝石の双眸を前方――迷宮の奥から這い上がってくる群れへと移す。
 つぶらな瞳できょろきょろと辺りを見回しながら前へ前へと進んでくる、ぷにぷにして、もちもちして、つるつるした生き物――ユキウサギウミウシ。
「……おや、これは。想像よりもずっと可愛らしい様相と鳴き声だ。俺はオウカというよ。宜しくユキウサ君」
「みゅっ!」
 予め聞き及んでいた名前さえオウカは既に覚えておらず、けれどその丸くてつるつるした姿形には好奇心を擽られ、観察するようにしげしげと眺めやり。
 その間にも、ユキウサギウミウシたちはじわじわと数を増している。
「お前達も苺の香りに釣られた口かい?」
 穏やかな微笑みと共に、オウカは穢れ無き水晶の刀身煌めく剣を抜き、その一振りを媒介に招いた精霊たちの魔力で自らの力を高めた。
「俺もそうだったんだけどね。少し気が変わったよ」
 春の香りを運ぶ風に背を押されるように敵群の只中へ踏み込んだオウカは、表情を変えぬまま一切の躊躇なく剣を振り抜いた。
「みゅー!?」
 剣が生み出す風に裂かれ、ユキウサギウミウシたちが瞬く間に吹き飛んだ。
「みゅみゅっ、みゅー!」
 突如として襲いかかった嵐に対抗するように、ユキウサギウミウシたちは遊んでとばかりに小さなぷにぷにだったりもちもちだったり、つるつるだったりする物を飛ばしてくるけれど。
「――だってほら、君達も充分美味そうだ」
 それらを難なく斬り捨てて、オウカは戦場を舞った。増えてゆくならそのぶん手数を重ね、最後にはその僅かな隙さえ与えずに。
 ――苺と地上への行進は、永遠に醒めぬ夢物語の中で、お気の済むまで。
「ご馳走様。いい物語の種を有難う」
 ひとときの静けさを取り戻した空間の中、オウカはふと思い出したように呟き、小さく肩を竦めた。
「……しかし、あの赤い果実はどんな味だったか。すっかり忘れてしまったな」

成功 🔵​🔵​🔴​

終夜・嵐吾
せーちゃん(f00502)と

キトリの頼みじゃからな!わしがいかんで誰が行く!
他にも、協力できる猟兵おれば。

……なにあれかわいいの!
ひぇ、ぷにぷに? もちもち? つるつる?
どれもわしの属性にはないもんじゃ……せーちゃんにもないの。
わしもふわもこならここに!(しっぽふって)

どんなにかわゆいものでも、退治せねばならぬからの…
……めっちゃ多ない? 怒涛の勢いじゃよ?
押し流されんようにってア~~!せーちゃーん!(咄嗟に腕をつかみ)
流されるときは、いっしょじゃ!

可愛い思うて余裕こいとる場合ではないな!
わしは炎広げて燃やして行こ。とびだしてきたんはせーちゃんにお任せじゃ
それ相応の炎をお見舞いしよう


筧・清史郎
らんらん(f05366)と参ろう

ふむ…ぷにぷに、もちもち、つるつる、とは
これはまた未知の感触だ
油断せず、新感触も堪能しようか(興味津々)

確かに、俺たちにはない属性だが…ふわもこならあるぞ(ひよこブレイド出し)
うむ、らんらんの尻尾も確かに極上のもふもふだ(微笑み)

(みゅーと鳴く声聞いて)どれ、少々会話をかわしてみよう
…ふむ、成程(何か通じ合った)
しかし俺たちは相容れぬ関係…っと、危ない(雅に身を翻し)
危うく可愛いの大群に押し流されるところだっ…
…!?(嵐吾に不意に腕引かれ結局一緒に流される)

可愛いや新感触を存分に堪能したら
俺はひよこブレイドで飛び出してきた敵の対処を
【空華乱墜】の桜吹雪で見送ろう



「キトリの頼みじゃからな! わしがいかんで誰が行く!」
 ゴゴゴゴゴ……とか効果音がつきそうな誰にも見えぬオーラを背負い、終夜・嵐吾は戦いの場へと足を踏み入れた。
「おお……らんらんがいつになくやる気に満ち溢れている……」
 その隣で筧・清史郎が謎の見えないオーラに圧倒されつつ、改めて目の前へと向き直れば。
「みゅみゅ!」
「……なにあれかわいいの!」
 二人の前に現れたのは、ぷにぷにしてもちもちしてつるつるした生き物――ユキウサギウミウシたちの群れだ。
「みゅっ?」
「みゅみゅっ??」
 二人の目の前でぷにぷにもちもちと弾むように動く、つるつるとしたフォルムのユキウサギウミウシたちへ、清史郎が向けるのは興味深そうな眼差し。
「ふむ……ぷにぷに、もちもち、つるつる、とは、これはまた未知の感触だな」
「ひぇ、ぷにぷに? もちもち? つるつる? どれもわしの属性にはないもんじゃ……せーちゃんにもないの」
 清史郎と嵐吾は互いに顔を見合わせ、しみじみと頷くも。
「確かに、俺たちにはない属性だが……ふわもこならあるぞ」
 そう言って清史郎はすちゃっ……とふわもこなひよこさんの意匠が施されたサムライブレイドを構え。
「そうじゃな、わしもふわもこならここに!」
「うむ、らんらんの尻尾も確かに極上のもふもふだ」
 嵐吾が灰青のもふもふ尻尾を振って返せば、清史郎は柔らかく微笑んでみせる。
「しかし、どんなにかわゆいものでも、退治せねばならん……」
 言いかけた嵐吾の視界を覆い尽くさんばかりの、ぷに……もち……つる……に加え、全く悪意がなさそうな無数のつぶらな瞳が、二人をじいっと見つめている。
「……のうせーちゃん、これめっちゃ多ない? 怒涛の勢いじゃよ?」
「「みゅ!」」
「どれ、少々言葉を交わしてみようか。……、……?」
「「みゅっ!」」
「……!」
「「みゅみゅー!!」」
「……ふむ、成る程。しかし俺たちは相容れぬ関係……っと、危ない」
 何故だか何か通じ合った――のも束の間、清史郎がふわり、優雅に身を翻すと同時。
「みゅーーー!!!」
 突撃ーーー!!! とばかりに動き出したユキウサギウミウシたちが、巨大な波となって襲いかかってきた。
「ふう、危うく可愛いの大群に押し流されるところだっ……」
「ア~~! せーちゃーん!!」
「……!?」
 お約束のようにユキウサギウミウシの波に呑まれた嵐吾が、流される時は一緒じゃとばかりに清史郎の腕をがしっと掴み。
 そして結局、二人仲良く一緒に流されてしまうのであった――。

 ――それから、暫くして。
「……可愛い思うて余裕こいとる場合ではないな!」
 こんもりと盛り上がったユキウサギウミウシの山がもぞもぞと動き、中から嵐吾が顔を出す。
「そうだな、だが、とても良い感触だった」
 同じく――何事もなかったかのようにすっと立ち上がった清史郎は、ほんの少しだけ名残惜しそうにひよこブレイドを構えて――。
 嵐吾が狐火の炎を広げ、それにびっくりして飛び上がった個体を清史郎がひよこブレイドで斬り伏せていく。その、最中。
「せーちゃん、わし、アレが見たい」
「――わかった」
 嵐吾の期待の眼差しに頷き、清史郎はひよこブレイドを一振り。
「舞い吹雪け、乱れ桜――」
 刹那、ひよこブレイドが淡く輝いたかと思うと、刃の先が静かに綻び、無数の桜の花弁へと変じる。
 嵐吾の狐火が踊り、清史郎の桜花が舞って――。
「みゅーーー!!」
 空間を染める絢爛の彩が、ユキウサギウミウシたちをひといきに呑み込んで、在るべき場所へと還していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リル・ルリ
■櫻宵(f02768)と
✼アドリブ等歓迎

僕は可愛いものが好き
「可愛い
ゆきうさぎうみうし!櫻宵、ぎゅって抱き締めたくなるくらいかわいい。f」
フレズローゼのような愛らしさだと言おうとしたらうさぎは串刺しに

「……、……あ、うん
そう。可愛くても敵。外に出ては皆が困ってしまう」
そう敵
だから倒さねばと内なる闘魚の心を呼び起こそうとするも可愛いくて躊躇
…間にどんどん斬られる
櫻宵、楽しそうだ

せめてと歌うのは彼を支援する「凱歌の歌」
歌っていたら寄ってきてくれた
抱っこ…
うさぎが爆ぜた!?
少し涙目で抗議

苺の一言に唇を尖らせつつ機嫌を直す
苺、僕も食べる
甘くて美味しい真っ赤な宝石
うさぎを撫でられない分沢山
食べさせてよね


誘名・櫻宵
🌸リル(f10762)と
アドリブ等歓迎

見て、リル!
ユキウサギウミウシですって!
少しデフォルメしたフレズローゼみたいじゃない?(突き刺す
ぷにぷにで愛らしいわ(撫で斬り
鳴き声も可愛くて抱き締めたくなる
わかるわ(真っ二つ
はぁ……斬り心地も新感触
斬り放題だなんて

リルの歌は最高ね
力が湧いてくるわ
あらやだわ
あたしの可愛い歌姫に近寄らないで?(グラップルに怪力を乗せ叩き潰す

涙目のリルも可愛いわ
あたしだって心を鬼にしているの(衝撃波を込めてなぎ払い
攻撃は見切り躱して

可愛い子を斬るのは心が痛むけれど
仕方ないのよ
リル(傷口を抉りまとめて散華で斬り捨てる

美味しい苺
あなたと食べたいんだもの
勿論!沢山食べさせたげる!



「見て、リル! ユキウサギウミウシですって!」
「……可愛い」
 きゃあとはしゃぐ誘名・櫻宵の隣で、リル・ルリは思わずぽつり。
 辺り一面でぷにぷにしている可愛い生き物が、二人の存在に気づいてウサギの耳のような触覚をふるりと揺らす。
「ゆきうさぎうみうし! 櫻宵、ぎゅって抱き締めたくなるくらいかわいい。――ふ」
「少しデフォルメしたフレズみたいじゃない?」
 ざくっ!!
「みゅ……っ!」
 ――フレズのような愛らしさだと言おうとしたリルの目の前で、串刺しにされ一瞬で霧散するユキウサギウミウシ。
「ぷにぷにで愛らしいわ♪」
 ずしゃっ!!
「鳴き声も可愛くてぎゅって抱き締めたくなっちゃう。わかるわリル!」
 すぱーん!!
「……、……あ、うん。そう。そうだね、可愛くても敵だ。外に出ては皆が困ってしまう」
 そう、どんなに可愛くても敵は敵。だから倒さねばと内なる闘魚の心を呼び起こそうと健気に頑張るリルだったが、その可愛さの前にどうしても躊躇いが生じてしまい。
「みゅー!」
「みぃー!」
「はぁ……斬り心地も新感触。斬り放題だなんて素敵……」
 ――その間にどんどん、櫻宵の手によってユキウサギウミウシが斬られまくっていた。
(「……櫻宵、すごく楽しそうだ」)
 消滅する瞬間のユキウサギウミウシたちの悲鳴に、リルは自分が手を下したわけでもないのに罪悪感を覚えながら、せめてもとばかりに口を開いた。
 聞く者の心を昂らせ、希望と勇気を喚ぶ――儚くも力強い歌声が空間に響く。
 希望の鐘を打ち鳴らす絢爛の凱旋。“君”の勝利を、歌に託して――。
「みゅみゅー♪」
 ――いたら、リルの歌声に惹かれたらしいユキウサギウミウシがぴょこんと近づいてくる。
「……! 抱っ……」
「あらやだわ。あたしの可愛い歌姫に近寄らないで?」
 ぐしゃっ!!
「……!!」
 抱っこしようと伸ばした手は届かなかった。目の前で爆ぜ、もとい櫻宵の怪力で握り潰されたユキウサギウミウシを見て、リルは思わず涙目になりながら無言で抗議。
「涙目のリルも可愛いわ。でもね、あたしだって心を鬼にしているの。わかって頂戴」
「みゅーーー!!!」
「可愛い子を斬るのは心が痛むけれど、仕方ないのよ」
 すぱぱぱぱーん!!

「櫻宵、容赦ない……」
 二人を取り巻いていたユキウサギウミウシは、もはや影も形もなく。
「だって、早く美味しい苺をあなたと食べたいんだもの」
 刀を納めた櫻宵は、ね? と、少し唇を尖らせているリルへ振り返る。
「……苺、僕も食べる。うさぎを撫でられなかった分、沢山食べさせてよね」
 この先に待つ、甘くて美味しい真っ赤な宝石。
 どうやら機嫌を直してくれたらしいリルに、櫻宵はぱあっと笑みを輝かせた。
「勿論! 沢山食べさせたげる!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

秋遊・空桜
イチゴ狩り…!ええな、ええな…!
宇宙だと新鮮な果物ってあんまり食べられへんし、迷宮イチゴって名前もロマンあるし、興味津々やわぁ

ほわ~、大福みたいでおいしそ…やない、かあいい敵さんやねぇ
でも、迷宮が埋まったらイチゴも埋まってまう
それは絶対止めなあかん

ただでさえ多いのに分身されたら厄介やね
ウサギちゃんにはウサギちゃんで対抗や
【大きな森の小さな仲間たち】…やんちゃな「ドワーフホト」のロボを呼び出そ
…あかん、めっちゃかあいい
この子たちが倒れる所、見とうないわ
この子たちを守るつもりでうちも戦お
万華散鏡・空の氷の礫で【援護射撃】
数が多ければ【2回攻撃】、近くの敵には【零距離射撃】と臨機応変に使い分けるんよ



「イチゴ狩り……! ええな、ええな……!」
 隣のフロアから漂ってくる甘い香りを胸いっぱいに吸い込んで、秋遊・空桜は隠し切れない興味と期待の色を覗かせる。
 宇宙ではあまり新鮮な果物が食べられないこともあり、何より“迷宮イチゴ”という名前にはある種のロマンも感じられる。
 だが、心ゆくまでイチゴ狩りを楽しむためにも、まずは目の前に迫る脅威を排除しなければならない。
「みゅ!」
「みゅみゅー!」
 目の前に迫る脅威――それは、見るからに愛らしい姿のユキウサギウミウシの群れ。
「ほわ~、大福みたいでおいしそ……やない、かあいい敵さんやねぇ」
 空桜は思わずそう零すけれと、でも、と小さく首を横に振る。
「迷宮が埋まったらイチゴも埋まってまう。それは絶対止めなあかん。――ウサギちゃんにはウサギちゃんで対抗や!」
 ただでさえ数が多いのに、更に分身までされたら厄介。そこで、空桜は大きな森の小さな仲間たちの力を借りることにした。
「みんな、うちと一緒に頑張ろうなぁ。無茶したらあかんよ」
 空桜の声に応えて現れたのは、小型でもふもふの戦闘用動物型ロボット――やんちゃな“ドワーフホト”の群れだ。
(「……あかん、めっちゃかあいい」)
 耳をぴんと立てて、きょろきょろと大きな瞳で辺りを見回しながら、敵の姿をしっかりと見定めるふわもふのドワーフホトたち。程々の強さを持ちながらも、ひとたび攻撃を受ければ呆気なく消滅してしまう彼らが倒れる所は見たくないと思いつつ、空桜は彼らを守るつもりで自分も戦おうと決意する。
 任せろとばかりにぴょーんと、ユキウサギウミウシへ一斉に飛び掛かっていく空桜のウサギたち。
「みゅ!」
 早速ウサギたちに対抗すべく分身を召喚するユキウサギウミウシ。それらが合体するより先に、飛び掛かったウサギが強烈な後ろ足キックを見舞い、すかさず空桜がブラスター銃の引き金を引いて、水粒子の礫で援護射撃を行う。
「みゅー!」
「そんな可愛く鳴いてもあかんよ!」
 万華鏡の模様のように、形を変えて煌めく結晶の礫。
 それはまるでダイヤモンドダストのように空間を彩り、ドワーフホトたちと共にユキウサギウミウシを倒していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スノウ・パタタ
みゅーみゅー!かわいいねえ。ふえすぎちゃうと困るから、ここではあそべないのよ。ごめんね?

WIZ【エレメンタル・ファンタジア】範囲攻撃、全力攻撃
体内に収納していた【DROPS】をロッドの形に戻し
「ふえちゃう時は先に凍らせた方がいいかもなの。…いっぱいぷるぷる、かわいいねえ…うう。(良心の呵責)…水が多いから、すぐ固まりそうなのよ」
広範囲に氷属性の精霊魔法を展開、増殖と進行の妨げを。
宿敵を凍結のち、地の精霊魔法で周囲ごと揺さぶり氷付けを粉砕して討伐を。

なるべく、ユキウサギウミウシさんたち、痛くないよーに。



「みゅーみゅー! かわいいねえ」
「みゅー!」
「みゅみゅ!」
 スノウ・パタタは空色の瞳をきらきらと煌めかせ、ウサギの耳のような黄色い触覚をふるふると揺らしながら動き回るユキウサギウミウシたちをじいっと見つめ。
「でも、ふえすぎちゃうと困るから、ここではあそべないのよ。ごめんね?」
 そう、どんなに可愛い姿をしていても、彼らが学園にとっての脅威たりうる災魔であることに変わりはない。
「ふえちゃう時は先に凍らせた方がいいかもなの」
 スノウは体内に収納していた宝石を取り出してロッドの形に戻し、精霊たちへ呼び掛ける。
「みゅみゅー♪」
「みゅー♪」
「……みゅー。いっぱいぷるぷる、かわいいねえ……うう」
 倒さなければいけないとわかっている。
 そして、そうすることで守られる命や未来があるということも。
 なのに、良心が咎められているような気持ちになるのは何故だろう。
 しばしそんな葛藤を繰り広げた後、スノウは意を決したように杖を振るう。
「……水が多いから、すぐ固まりそうなのよ」
 スノウを――彼女が持つ杖を中心として、瞬く間に床が凍りついていく。
(「なるべく、ユキウサギウミウシさんたち、痛くないよーに」)
 スノウの想いと全力の魔力を受け取った精霊たちは、地上へ進軍しようと動くユキウサギウミウシを――分身を生み出す隙さえ与えずに捕らえ、出口のない氷の檻に閉じ込めた。
 暴走する力をそのままに大地の精霊の力を加えれば、空間ごと揺さぶりをかけられた氷漬けのユキウサギウミウシたちが、苦しむ間もなくばらばらに砕け散っていく。
 躯の海へ還っていく煌めきに、スノウはぽつりと告げた。
「みゅー、ごめんね? 次は、……悪さをしない姿に、生まれ変われるといいね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

浮世・綾華
【軒玉】
こないだヴァーリャちゃんと食べたチョコパフェ美味しかったし
アルダワのスイーツ、美味いって知った
そーそ、好き
迷宮イチゴでパフェとか作ったらぜってー美味いっしょ

で、その為にはまずこの子らをどうにかしないといけないワケか
フツーにちょっと可愛いんだよな…
大福、分かるとオズに頷き
中にいちご入ってそー…
いちご大福、うまいよな

なーお前ってウミウシなの?うさぎなの?なんて問いかけて
【黒猫道中】で召喚した仔猫のヒカゲで敵を集めるように誘導
オズとヴァーリャちゃんが攻撃しやすいよーにすんネ

(本当はふたりみたいな奴に
こんな可愛い敵倒させたくないケド
――猟兵、だもんな)

っし、俺も
【鬼火踊ル…】で
焼きマシュマロ?


オズ・ケストナー
【軒玉】
アヤカはいちごが好きって言ってたものね
ヴァーリャはやっぱりものしりだ

なんだか大福みたい
いちご大福?(ってこと?とアヤカの声に反応)
マシュマロもわかるなあ
いちごマシュマロかな

かわいい
けどだいじょうぶ、倒さなきゃいけないのはわかってるよ

攻撃を、わわっと武器受けで止めて
ぷにぷにだ(ほわ
ってちがう(ふるふる
ちゃんとまじめにやるよ
2人にケガしてほしくないもの

わーっ、ふえてる
なるべく痛くないようにするからっ

斧を構え【範囲攻撃】
攻撃対象から目をそらさずに斧を振り回すね
ごめんね
この先に進ませるわけにはいかないんだ

アヤカが集めてくれた子を薙ぎ払い
ヴァーリャ、と声掛け
鮮やかな攻撃に
すごい
わたしもがんばるっ


ヴァーリャ・スネシュコヴァ
【軒玉】

迷宮イチゴ! 俺も噂に聞いているぞ!
そのまま食べても美味いらしいが、ここはスイーツにして…
だが、目の前の仕事を優先しなければな!

なんかみゅーみゅー言ってて可愛いな、俺はマシュマロを思い出すのだ…って、どんどん増えてるぞ!?
こ、これはマズイのでは…!?

【2回攻撃】で増殖するウミウシたちを手数で攻撃! とにかくバッサバッサとメチェーリで斬り倒す!

でも敵が多くてキリがないとき…綾華に敵を集めてもらい、オズが数を減らしたところを狙い、2人に攻撃が及ばない距離まで【ダッシュ】で引きつけ、『霜の翁の怒り』で一気に攻撃!
凍ってしまえば、増殖することもできまい!

恨みはないが、これもイチゴのためなのだ!



「アヤカはいちごが好きって言ってたものね」
「そーそ、好き」
 オズ・ケストナーがふと問う声に、浮世・綾華は期待を隠しきれない様子で笑い。
「迷宮イチゴ! 俺も噂に聞いているぞ! そのまま食べても美味いらしいが、折角だからスイーツにするのも悪くなさそうだな!」
 待ち受ける甘味にこちらも声や表情を弾ませるヴァーリャ・スネシュコヴァに、「ヴァーリャはやっぱりものしりだ」とオズは感心したように微笑んで。
「こないだヴァーリャちゃんと食べたチョコパフェ美味しかったし、それでアルダワのスイーツ、美味いって知った。迷宮イチゴでパフェとか作ったらぜってー美味いっしょ」
「ふふ、わたしもたのしみ。いちごも、スイーツも」
 綾華が楽しげに片目を瞑ってみせるのに、オズも肩を揺らし。
「ああ、パフェも美味いだろうし、他にも色々作れそうだぞ! ――そのためにも、まずは目の前の仕事を優先しなければな!」
 力強く頷きながら、ヴァーリャは改めて正面へ――綾華とオズと共に向き直る。
「まずこの子らをどうにかしないといけないワケか。フツーにちょっと可愛いんだよな……」
「みゅー!」
「みゅいー!」
 三人の目の前にやって来た、白くて丸いユキウサギウミウシの群れ。
「……かわいい。なんだか大福みたい」
 思わずぽつりと零すオズに、綾華が頷く。
「大福、分かる。中にいちご入ってそー……」
「みゅみゅ!」
「いちご大福?」
「ああ、いちご大福、うまいよな」
「うん、いちご大福もおいしそう」
「みゅー!」
「なんかみゅーみゅー言ってて可愛いな、俺はマシュマロを思い出すのだ……って、どんどん増えてるぞ!?」
 ユキウサギウミウシの姿も相俟って、ここが迷宮であることを忘れてしまいそうなほどのほのぼのした空気で満たされつつあったが。
 ヴァーリャが慌てた様子で二人へ振り返れば、視線の先で少しずつ、だが確実にユキウサギウミウシたちが増えつつあるのがわかって。
「マシュマロもわかるなあ。いちごマシュマロかな……わ、わーっ、ふえてる!」
「綾華、オズ! こ、これは非常にマズイのでは……!?」
「おー、手に負えなくなる前にさっさと倒すか」

 ――気を取り直し、三人はユキウサギウミウシたちと対峙する。
「なーお前ってウミウシなの? うさぎなの?」
「みゅ?」
 綾華が首を傾げれば、ユキウサギウミウシの頭とウサギの耳のような触覚も同じ方向に揺れて。
 その姿に思わず吹き出しそうになりながらも、綾華は黒い仔猫を喚び出した。
 行っといで、と送り出せば、にゃあと応えた黒猫のヒカゲが、ユキウサギウミウシの群れの方へ歩き出す。
「みゅ!」
「みゅう……にゃあ」
「みゅー!」
 対抗すべく分身を生み出しながら、ユキウサギウミウシは黒猫の後をついて動き出す。
 いつもならば影に隠れて対象の追跡を行うことが多いヒカゲではあるけれど、今日は隠れることなく、綾華の意に従って――“敵”の誘導を。
 オズとヴァーリャが少しでも攻撃しやすいように、一つの場所に集めようとフロア内を歩き回って。
(「……本当はふたりみたいな奴に、こんな可愛い敵倒させたくないケド」)
 ふと胸裡に灯った想いを、綾華は鍵を掛けた扉の奥に仕舞い込む。
(「――猟兵、だもんな」)
「だいじょうぶ、倒さなきゃいけないのはわかってるよ」
 綾華の心を汲んだかはわからない。けれどオズはいつものように笑って、ガジェットの斧を構える。
 集められた群れの元に踏み込み、キトンブルーの瞳を決して逸らすことなく前を見据えて。
「みゅー!」
「わわっ」
 その時、黒猫の誘導に応えず不意に飛び掛かってきたユキウサギウミウシを、オズは斧でしっかりと受け止めた。
「ぷにぷにだ。……って、ちがう。――なるべく、痛くないようにするからっ」
 触れた感触に一瞬ほわっとしてしまったのはご愛嬌。
「増えるというのならば、こちらも手数を増やすまでだ!」
 強い意志を抱いて振るわれるオズの斧刃から逃れたユキウサギウミウシを、ヴァーリャが吹雪の名を冠するチェーンソー剣でばっさばっさと斬り倒していく。
 一度、二度、鮮やかな剣捌きによる連続攻撃に、オズの瞳が煌めいた。
「すごい、わたしももっとがんばるっ」
「っし、俺も。――ほら、喰らいな」
 声に応えて、綾華の得物である鍵刀が無数の緋色の鬼火と白菊の花弁に姿を変えて舞い上がり、踊るように空間を駆け抜けていく。
「……焼きマシュマロ?」
「みゅーっ!」
 鬼火に焼かれてこんがり焦げ色をつけながらも、最後は跡形もなく散ってゆくユキウサギウミウシたち。白菊の花弁に視界を覆われ動きを止めた一体を、オズの斧が叩き伏せる。
 しかし、大分数は減ってきているものの、減ったそばから増殖を繰り返していて。
「ヴァーリャっ、」
「よし、二人共、離れるんだ!」
 振り返ったオズの呼び掛けに頷き、ヴァーリャは単身、群れの中へ飛び込んでいく。
「――こっちだ!」
 そのまま二人から離れるようにユキウサギウミウシたちを引き連れてフロア内を駆け巡り、そうして壁を背に振り返ったヴァーリャは、集まったユキウサギウミウシたち目掛けて大きく息を吸い込んだ。
「全部、凍ってしまえ……!」
 力強い声に乗せて吐き出された吐息すら、瞬く間に凍りつく。
 瞬時に降った霜が生物が凍結するほどの冷気となって放たれ、集まったユキウサギウミウシたちを一気に凍らせた。
「凍ってしまえば、増殖することもできまい! ――恨みはないが、これもイチゴのためなのだ!」
 タンッ、とヴァーリャが軽やかに踵を打ち鳴らせば、凍りついたユキウサギウミウシたちが砕け散る。
 その欠片は、まるでダイヤモンドダストのように宙を舞い、一瞬の煌めきを残し消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリア・アクア
イチゴ!大好きです!
学園の皆様もお困りでしょうし、災魔退治、頑張りましょう!

えっ……はわ、ユキウサギウミウシさん、おかわいらしい……!
触ったらどんな感触なのでしょうか……気になります
ちょっとだけ、ちょっとだけならいいですよね

フルートを使い楽器演奏で、ユキウサギウミウシさん達の気を惹きます
まあ、お歌が歌えるんですか?ますますおかわいらしいです!
警戒心を解くことができたら、そっと触れてみたいです
はわわ、ぷにぷにで、もちもちで、つるつる……心地いいです……!

思わず無心で撫でてしまいますが、はっと我に返り
うう、だめです、これ以上情が移っては……!
ツバメさんを召喚し、つついて退治しましょう



「イチゴ! 大好きです! 学園の皆様もお困りでしょうし、災魔退治、頑張りましょう!」
 アリア・アクアはぎゅっと両手を握り、気持ちも引き締める。
 そうして、いざ。アリアは地上を目指しやって来るユキウサギウミウシたちへと向き直った――のだが。
「みゅ?」
「えっ……はわ、ユキウサギウミウシさん、おかわいらしい……!」
 その可愛さに、一瞬でハートを射抜かれてしまっていた。
「みゅー♪」
 一方、ユキウサギウミウシたちもアリアに敵意がないことを感じ取ったのか、警戒心の欠片もない様子でアリアを見つめている。
「触ったらどんな感触なのでしょうか……ちょっとだけ、ちょっとだけならいいですよね」
 見るからにぷるぷるとしているユキウサギウミウシ――その感触が、気にならないはずはなく。
 アリアは四葉の装飾が施された愛用のフルートに唇を当てて、そっと息を吹き込んだ。
 優しくもあたたかな旋律に、ユキウサギウミウシたちが耳のような黄色い触覚を揺らしながら近づいてくる。
「みゅー♪」
「みゅみゅー♪」
 響く鳴き声は、まるでアリアが奏でる旋律に合わせるかのよう。
「――まあ、お歌が歌えるんですか? ますますおかわいらしいです!」
「みゅっ」
「あの、少しだけ……触らせていただいてもよろしいですか……?」
「みゅー♪」
 どうやら、ユキウサギウミウシたちはアリアのことが気に入ったらしい。そうして、そっと手を伸ばして触れてみると。
「はわわ、ぷにぷにで、もちもちで、つるつる……心地いいです……!」
「みゅっみゅー♪」
 ユキウサギウミウシも撫でられてとても気持ちよさそうである。

 ――そうして、しばしのふれあいタイムの後。
「……はっ! うう、だめです、これ以上情が移っては……!」
 我に返ったアリアはふるふると首を横に振ると、きっ、とユキウサギウミウシたちを見やり。
「みゅー?」
「ごっ、ごめんなさい……! 学園の平和のために、見逃すわけにはいかないのです……!」
 ユキウサギウミウシたちを倒すべく、アリアは白い指先から小さなツバメを飛び立たせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウトラ・ブルーメトレネ
【SPD】
ユキウサギウミウシさん……っ(きゅんっ
かわいいの、かわいいの、かわいすぎるのっ
けどけど、ユキウシさん(勝手に略した)さんはオブリビオン
こういう時は……そう、ぎゅってすればいいの!

抱き潰してしまえばいいと悟った娘は、喜々としてぷにぷにもちもちつるつるの海へダイブ
めっちゃ動きが早い白イルカへUC『咎力封じ』の拘束ロープを放ち、捕獲を試みる
おともだちー! わたしもおともだちなの!
きゅんっとして、ぎゅっとして、きゅっとする
一人で倒せそうになければ、猟兵のお友達(仮)に助けを求める

消え逝くぷにつるもちに、ちょっぴりセンチメンタル
ごめんね、ユキウシさん
いっしょに苺、食べたかったの……!(苺!!



「ユキウサギウミウシさん……っ、かわいいの、かわいいの、かわいすぎるのっ」
「みゅー!」
「みゅみゅっ!」
 ユキウサギウミウシの群れを前に、ウトラ・ブルーメトレネの胸はきゅんきゅんとときめくばかり。
 だが、ウトラはちゃんと知っている。
 悲しいかな、ユキウサギウミウシは――共に手を取り合って生きることの叶わない、オブリビオンであるということを。
 そして、つるつるでぷにぷにでもちもちしている相手に対して、どうすればいいかということも。
「こういう時は……そう、ぎゅってすればいいの!」
「……みゅ!」
 ウトラの企みに気づいた――もとい、危険を察したのか否か、ユキウサギウミウシたちのウサギの耳のような触覚がふるふると震える。
 彼らの反応も何のその、ウトラは嬉々として駆け出し――ぷにぷにもちもちつるつるの海へダイブ!
「みゅーっ!?」
 辛うじて逃れたらしいユキウサギウミウシがみゅー! と鳴いて喚び出したシロイルカに対しては、すかさず拷問具――もとい、拘束ロープを放ち捕獲を試みて。
「きゅーん!?」
「おともだちー! わたしもおともだちなの!」
 ユキウサギウミウシはユキウサギウミウシでそれはそれは愛くるしいものだが、彼らの“おともだち”である真っ白でつるつるなボディにつぶらな瞳のシロイルカもまた、程よい大きさなのも相俟ってか、ウトラの心をますますときめかせてゆく。
 きゅんとときめく心そのままに、ぎゅっとして、ぎゅっとすれば、とっても弱いユキウサギウミウシは、シロイルカごと儚く消えてゆく――。
 そんなこんなでぎゅっとしたり、追いかけっこをしたりを繰り返しながら、ユキウサギウミウシを少しずつ倒していくウトラ。
 消えゆくユキウサギウミウシたちを、ちょっぴりセンチメンタルな気持ちになりながら見送って――。
「ごめんね、ユキウシさん。いっしょにイチゴ、食べたかったの……!」
 たとえ、それが叶わぬ夢だとわかっていても。
 ユキウサギウミウシさんたちの分も美味しいイチゴを食べてみせると誓いも新たに、ウトラは真っ直ぐに前を見据えて歩き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミュウシャ・シャラノワ
ニケ(f02710)と一緒だよ


へえ、迷宮イチゴか
噂は予予きいているけれども
食べた事はないかな

噂に対して単純明快なニケを見て思わず笑い零し
彼女はいつだって楽しそうだ

ボクもだよ
終わったら、うんと、たくさん、好きなだけ、イチゴを食べよう
けれど、一先ずは彼らを迎い入れないと、だね?

腰に付けていた黒い革鞭を勢い良く引き伸ばし
音を響かせ戦闘体勢に入る

……っ!いけないニケ!駄目だ!

甘い誘惑、好奇心に負けた彼女を守ろうと
【sans retour】を使って敵を封じようと試みる

いいかい、彼らはどんなに可愛くても敵だ
油断はしちゃいけないよ

仲間にも、ニケにも注意を促す
ボクは誰かが傷付く事だけは許せない
みんなを守るよ


ニケ・セアリチオ
ミュウシャさん(f00770)とご一緒に!

イチゴ、迷宮イチゴですって
迷宮にも苺が生るのね、初めて知りました!
ミュウシャさんはご存知でしたか?

噂が広まるくらいですもの
きっと、とても美味しい苺なんだわ
苺狩り、今から楽しみです!


――あら、あら? まぁ!
お話に聞いてはいたけれど
とても、とっても可愛らしい方々ね……?

きゅんと高鳴る胸を抑えつつ
気を取り直すよう杖を構えて

でも、でもね
あそんで。と近づかれてしまっては
わ、私、触れないでいる自信が無いわ……!

――!
ご、ごめんなさい、ミュウシャさん!
あまりにも可愛らしくて、つい

お礼と反省を述べ
動きが止まった彼らへ
ぎゅっと目を瞑りながらも鳩の花を

……ごめんなさい!



「――イチゴ、迷宮イチゴですって」
 鼻孔をくすぐる甘い香りに目を細めながら、ニケ・セアリチオは共に戦いの場に足を踏み入れたミュウシャ・シャラノワへと振り返る。
「迷宮にも苺が生るのね、初めて知りました! ミュウシャさんはご存知でしたか?」
 ニケの真っ直ぐな眼差しに、ミュウシャはそうだなと頷くも、
「迷宮イチゴ、か。噂はかねがね聞いているけれども……食べたことはないかな」
 その答えに、ニケは私もです、と朗らかに笑って。
「でも、噂が広まるくらいですもの。きっと、とても美味しい苺なんだわ。――苺狩り、今から楽しみです!」
 弾む心そのままに、声まで弾んでいる様子のニケ。
(「――彼女はいつだって楽しそうだ」)
 噂に対して単純明快、とてもわかりやすい反応を見せる少女を、その好奇に煌めく金色の瞳を見て、ミュウシャは思わず笑み零し。
「ボクもだよ。終わったら、うんと、たくさん、好きなだけ、イチゴを食べよう。――けれど」
 一先ずは、“彼ら”を出迎えなければならない。そうして向き直れば、前へ上へ、進めとばかりに前進してくるユキウサギウミウシの群れ。
「……あら、あら? まぁ!」
 ぷるぷると震えながらやってくる、見るからに愛らしい姿の生き物。
「お話に聞いてはいたけれど、とても、とっても可愛らしい方々ね……?」
 ニケは目を丸くしつつも、きゅんと胸を高鳴らせて――それから、いけない、と気を取り直すように風纏う杖を構えた。
 一方のミュウシャも、腰に帯びた黒い革鞭を勢い良く引き伸ばし、小気味良い音を響かせながら戦闘態勢へと移行して。
 ――しかし。
「みゅー、みゅー!」
 遊んでほしそうに、つぶらな瞳をきらきらさせながら近づいてくるユキウサギウミウシ。とても災魔とは思えぬその愛くるしい姿の甘い誘惑に、ニケは思わず手を伸ばしてしまいそうになり――。
「……っ! いけないニケ! 駄目だ!」
 切迫したミュウシャの声に、ニケははっと我に返る。同時にミュウシャが伸ばした黒と金、そして青の三色のリボンが、ニケへ近づいた一体を絡め取っていた。
「いいかい、ニケ。彼らはどんなに可愛くても敵だ。油断をしてはいけないよ」
 誰かが傷つくことだけは許せない――そう強く想うミュウシャは、ニケを守るように一歩前に踏み出し、鞭を振るって。
「――! ご、ごめんなさい、ミュウシャさん! あまりにも可愛らしくて、つい」
 守ってくれたことへの礼と反省を述べ、ニケは動きを止めたユキウサギウミウシたちへ振り返った。
「……ごめんなさい!」
 ぎゅっと目を瞑りながらニケが解き放つのは鳩の花。
 杖が変じた無数の真白いペリステリア・エラタの花弁が、押し寄せてきていたユキウサギウミウシたちを一息に呑み込んで、在るべき場所へと還していく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

斎部・花虎
【POW】
白くて丸くて可愛い生き物…か
幾ら無害そうに見えるとはいえ、放っておけば学園に至る
きっちり仕留めておかねば

――おれは確かにそう決意して臨んだはずなんだ
こ、こんなに可愛いだなんて聞いてな…う、うう
顔を覆ってちょっと震えたりするかもしれないが
おれとて猟兵、やるべきことは見誤らない

ぱちんと己の頬を叩いて気合を入れる
――恨んでくれるなよ、
少し眉尻を下げて呟いて、己が影より追跡者たる獣を喚ぶ
さあ仕事だ、あの白いのを喰らってくれ
逃げられようとも、逃してはいけない

分身が出れば、合体される前に倒してしまえないか尽力しよう
強化されれば周りとも声を掛け合って、協力して挑む様に



「白くて丸くて可愛い生き物……か」
「みゅー?」
「みゅみゅー!」
 ――ユキウサギウミウシ。
 ぷにぷにして、もちもちして、つるつるした、白くて丸くて可愛い、生き物。
 幾ら無害そうに見えるとはいえ、彼らがれっきとしたオブリビオン――災魔であることに変わりはなく、このまま放っておけばやがて学園にまで至ってしまう。
 ゆえに、ここできっちり仕留めておかねばならない――。

 ――おれは、確かにそう決意して臨んだはずなんだ。
 だが、その白くて丸くて可愛い生き物と相対した途端、斎部・花虎は、思わず両手で顔を覆い、ふるふると震え出した。
「みゅみゅみゅ?」
(「こ、こんなに可愛いだなんて聞いてな……う、うう、」)
「みゅっ、みゅー!」
 どうした、どこか痛いのかとばかりに周囲に集まってくるユキウサギウミウシに、花虎は良心がざくざく刺されるような心地になりながらも、ぱちんと両手で頬を叩いて気合いを入れ直す。
「おれとて猟兵、やるべきことは見誤らない。――恨んでくれるなよ、」
 少しだけ眉尻を下げて、花虎は告げる。けれど、その先は迷わずに、己が影より“追跡者”たる影の獣を喚び出して。
「さあ仕事だ、あの白いのを喰らってくれ」
 ――逃げられようとも、逃してはいけない。
 刹那、影の獣は牙を剥き、災魔たる白い生き物の群れへと襲い掛かった。

「みゅー!」
 消える間際のか弱い悲鳴に、やっぱり心のどこかがほんの少しだけ痛むような心地はするけれど。
 猟兵として力を振るう花虎に、もう、迷いはない。
 影の獣が獲物を喰らうように、花虎もまた、分身を編み出して力を増そうと試みる災魔を星宿す“手”で握り潰す。

 ――やがて、白き災魔の群れが残らず姿を消したその時。
 花虎は、彼らが登ってきた迷宮の向こう、その更に奥深くより這い上がってくる、悍ましき気配を感じ取ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『迷宮温室の女王』

POW   :    百裂蔓撃
【髪のように見える無数の蔓】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    捕縛液噴射
【腹部の食人植物】から【刺激臭のする液体】を放ち、【空気に触れると凝固する性質】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    女王の花蜜
レベル×5体の、小型の戦闘用【昆虫型モンスター】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・夢瑪です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして、ユキウサギウミウシたちを退けた猟兵たちは、さらなる脅威の源である災魔――オブリビオンの気配を、その身で感じ取ることになる。
 同時に、隣のフロアから漂う迷宮イチゴのそれとは明らかに違う、人の心を惑わすような濃密な甘い花の香りが鼻を突く。
 やがて、猟兵たちの前に“それ”は姿を現した。
 昆虫の群れと共に、髪のように見える無数の蔓を揺らしながら現れたのは、腹部に人を喰らう花を咲かせる植物型のオブリビオンだ。
「――、……!」
 迷宮温室の女王――そう呼ばれる災魔は、行く手を塞ぐ猟兵たちの姿をその目で捉えるや否や、甲高い悲鳴のような威嚇じみた声を上げながら襲い掛かってきた。
小読・灯
目を閉じれば良い香りだけれど、こうも耳障りな声を上げられると魅力半減ね
それに、抱いていたイメージと違うわね
せっかく女王なんて言われてるんだから
お姫様・女王様は憧れる女の子も多いのだからもっと優雅にして欲しいわ

フランベルジュを抜き放ち
その刀身に炎を宿らせて【ブレイズブレイド】で攻撃してくる蔦を斬り払いながら女王様にお近付きになりに行きましょう

剣で蔦を切り払いながら思うわ
「私も人のことは言えない戦い方ね、お姫様になんてなれないわ。演じるならば騎士様かしら」なんて

では、女王様
ここは(大体貴方のせいで)危険な場所です
この炎の剣にかけて、私が貴方を本来あるべきところまで送って差し上げましょう。なんてね



 目を閉じれば、その“香り”は心地よくすらある。
 だが――、
「……こうも耳障りな声を上げられると魅力半減ね」
 小読・灯はそう呟いて、澄んだ水色の瞳に女王――災魔の姿を映す。
「それに、抱いていたイメージと違うわね。せっかく女王なんて言われてるんだから――お姫様や女王様には憧れる女の子も多いのだから、もっと優雅にして欲しいわ」
「――、……!」
 女王が、そして女王の腹部に咲く食人花が、灯の言うところの耳障りな奇声を上げ、髪のように見える無数の蔓草を鞭のように踊らせた。
 絡め取られてしまえば、無傷では済まないだろう。
 けれど灯は怖じることなくすぐさまフランベルジュを抜き放ち、波打つ刀身に自らの胸裡に灯る炎を纏わせる。
 まるで刀身そのものが灯の心を映す炎へと変じたような一振りは、蔓の勢いを殺すには十分だった。
 襲い来る蔓の群れを炎剣で切り払いながら、灯は迷わず女王の懐へと踏み込んで。
「私も人のことは言えない戦い方ね、お姫様になんてなれないわ。……演じるならば騎士様かしら?」
 戯れのように紡がれた言葉と、灯の口元に綻ぶ微かな笑み。同時に振り抜かれたフランベルジュの炎から逃れようと大きく後方へ飛び退った女王へ、灯は静かに切っ先を向ける。
「女王様、ここは危険な場所です。――この炎の剣にかけて、私が……いえ、私たちが貴方を本来あるべきところまで送って差し上げましょう」
 何故危険な場所なのか――その最たる原因である災魔の女王へ向けて、灯はなおも戯れめいた言の葉を綴り、想いを灯して燃え上がる剣を高く掲げる。
 刹那、一層激しく噴き上がった鮮やかな炎が御旗のごとく風に揺らめき、続く猟兵たちへの標となった。

成功 🔵​🔵​🔴​

スノウ・パタタ
んん!初めてかぐ匂いなのよ、あのおねーさんは…草系?ヘビと…ちょうちょ?すごくおこってるねえ。先に進みたいのよー

【攻撃】エレメンタル・ファンタジア(全力攻撃・属性攻撃)
体から【DROPS】をひとつ取り出して氷の精霊を展開
液体を凍らせて激臭の拡散を防ぐ。
味はまだわからないのだけど、においはすのー分かるです、臭いのはやーなのー!どうせなら、お花のいいにおいとかを広めて欲しいのよ…

【回避行動】ブラックタールの体をびょんびょん縦横無尽に伸び縮みさせて、跳ねまくって照準を反らします

みんなのいちご狩りのお手伝いしたい、です!だから退いてほしいのー。


レクト・ユグランス
迷宮温室の女王……。
何であっても俺のやることは変わらん。行くぞ。
(槍化した槍竜を握る)(槍竜はすごく相手を威嚇してる気がする)

前線に出て『無敵城塞』を使用。
槍で【武器受け】しつつ盾になっておく故、その間に味方猟兵に攻撃して欲しいところだ。

甘い香りはいいものだが、まだ和むわけにはいかんな……。
もう少し気張れよ、リディアコール。
あとで苺が待っている。


※絡み・アドリブ歓迎です



 鮮やかな炎の御旗を睨め付ける女王の顔は、怒りに満ちているようだった。
「すごくおこってるねえ。でも、ここはすのーたちが通さないのよー」
 くん、と小さく鼻を動かしたスノウ・パタタが捉えたのは、焼けた草の匂い――だけではなく。
「んん! 初めてかぐ匂いなのよ。あのおねーさんは……草系? ヘビと……ちょうちょ?」
 思いつく限りのものをすべて取り込んでそこに在るような、そんな“女王”が放っていたのは、明らかに異臭と感じられるもの。
 まだ味がわからないスノウではあるけれど、匂いはわかる。そして、女王が放つそれが快いものではないということも。
「臭いのはやーなのー! どうせなら、お花のいいにおいとかを広めて欲しいのよ……」
 そう、例えば、すぐ側から漂う迷宮イチゴの甘い香り。
 それを皆で存分に楽しむためにも頑張らなければと、スノウは黒い液体の身体に内包する宝石の一つを取り出し祈りを込める。
「氷さん、力をかしてほしいのー」
 スノウの声に応えて杖へと姿を変えた宝石から、氷の精霊たちが舞い踊る。吐息から瞬く間に広がった氷が、女王の腹を――そこに咲く食人の花を凍らせて、悪臭を閉じ込めた。
「迷宮温室の女王……何であっても俺のやることは変わらん。行くぞ」
 続いて地を蹴ったのはレクト・ユグランスだ。相棒たる銀の竜は、既にレクトの手の中で槍へと変じており。けれども威嚇するようにその穂先を鋭く光らせながら、真っ直ぐに女王を目指し、そして――。
 前線へと躍り出たレクトは、そこで、全身を超防御モードへと変じさせた。
 すぐさま女王は髪のような無数の蔓でレクトを縛り上げようとするが、全く動けぬ代わりに無敵の城塞の如く聳え女王の眼前に立ち塞がるレクトにはあらゆる攻撃が通じない。
 ――攻撃出来ずに、一緒に超防御モードになっている槍竜はちょっぴり不満げではあったかもしれないが。
 けれども女王の攻撃の手を一つ削いだ僅かな間は、大きな好機となって他の猟兵たちに伝わる。
「みんなのいちご狩りのお手伝いしたい、です! だから退いてほしいのー」
 そう言って懸命に精霊の力を振るうスノウや同胞たちが次々に攻撃を重ねてゆく姿を追いながら、レクトは槍竜へ呼び掛けた。
 漂うイチゴの甘い香りはいいものだが、まだ和むわけにはいかない。
「もう少し気張れよ、リディアコール。あとで苺が待っている」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

終夜・嵐吾
せーちゃん(f00502)と頑張る
この後の楽しみのためにも

ユキウサギウミウシは可愛らしかったがこちらとは戯れる余裕はなさそうじゃな
戯れたいとも、思わんのじゃがな

さてせーちゃんどうするよ
あの甘い香りを厭うてここにおる主はいやだとごねとる
どうやら手伝ってはくれんようじゃ
仕方ない……盛大に燃やしてしまうかの!やっちゃってよいかの!

蔦やらなにやら、斬るのはせーちゃんにお任せ
その見事な刀捌きに負けず、わたしも狐火操ろう
女王に狙って特大の炎を送ろう
その前に昆虫が飛ぶならば、それも燃やして落とす

あっちの迷宮イチゴのもとにはいかせんよ
なれが通れば果ててしまいそうじゃしそうはさせんのじゃよ


筧・清史郎
らんらん(f05366)と参ろう

ユキウサギウミウシさんの感触は十分に堪能した(満足気)
イチゴ狩りも楽しみだが、その前に、あともう一仕事するとしようか
「お気に召さないとごねるのであれば、女王には躯の海に還っていただくほかあるまい」

昆虫の群れを巻き込むよう位置取り【空華乱墜】で叩き落す
「一匹たりとも逃しはしない」
無数の蔓も、範囲攻撃や衝撃波等を使用しなぎ払おう
俺は邪魔な昆虫や蔦を斬り払う役を担う
払えぬものは残像を駆使し見切り躱すか、扇で武器受け
女王への攻撃はらんらんに任せよう
「女王は任せた。災いを及ぼす花は、狐火に焼かれ散るがいい」

学園の平和は勿論、迷宮イチゴの甘い香りも、決して穢させはしない



 猟兵たちの猛攻に怒りをあらわにする女王を、終夜・嵐吾は少しだけ冷えた瞳で見つめていた。
「ユキウサギウミウシは可愛らしかったが、こちらとは戯れる余裕はなさそうじゃな」
 もっとも、戯れたいとも思わないのだが――取り留めもなくそんなことを思いながら嵐吾は何かを問うように右目を封じる花の香へと触れ、小さく溜め息をつく。
「さて、せーちゃんどうするよ? あの甘い香りを厭うてここにおる主はいやだとごねとる」
 傍らの筧・清史郎へ流す眼差しは、常の柔らかなそれへと戻っていて。どうやら主は手伝ってはくれんようじゃと肩を竦めてみせる嵐吾に、清史郎は微かな笑みを浮かべて頷いた。
「主がお気に召さないとごねるのであれば、女王には躯の海に還っていただく他はあるまい」
 ユキウサギウミウシさんの感触は先程十分に堪能した。この後に待っているイチゴ狩りも楽しみではあるが、その前にもう一仕事――。
「――、……!!」
 心を読む力を持っているわけでもないだろうに完全に“ついで”扱いされていることを察したのか、女王が金切り声を上げて羽虫の群れを喚ぶ。
 同時に、清史郎が女王へと向けた切っ先が綻び、無限、あるいは夢幻の桜花へと姿を変えて舞い上がった。
「一匹たりとも逃しはしない」
 乱れ舞い散る桜の花弁が羽虫の群れを彼方へ攫う。一瞬の桜吹雪の美しさに魅入りながらも、嵐吾は至極楽しげに清史郎へ告げた。
「仕方ない……盛大に燃やしてしまうかの! やっちゃってよいかの!」
 この後の楽しみを思えば、自ずと気合いも入るもの。
「ああ、心ゆくまで存分に」
 再び清史郎の手に戻った桜花は、既に元の桜の意匠持つ蒼き刀の姿を取り戻していて。そのまま女王との距離を詰めながら、清史郎は桜花を纏う一閃で鮮やかに華麗に、何より的確に、伸ばされる蔓を斬り落としてゆく。
 清史郎の見事な刀捌きに負けてはいられないと、嵐吾も揺らめく狐火の群れを踊らせた。
「あっちの迷宮イチゴのもとにはいかせんよ。なれが通れば果ててしまいそうじゃし、そうはさせんのじゃよ」
 嵐吾の意のままに一つ二つと重なり合わさって次第に巨大化していく狐火に、惹かれたように近づいた羽虫が灰と化す。
「……!」
 女王の表情が驚愕で彩られるも、一瞬のこと。唸る蔓と羽虫が明らかにその数を増して二人を襲う。
 蒼天に桜舞う扇で斬りそこねた蔓をいなし、衝撃波を伴う斬撃を広範囲に見舞って羽虫を撃ち落としながら、清史郎は嵐吾へ振り返った。
「女王は任せたぞ、らんらん」
「うむ、任された。――女王よ、受け取るがいい」
 そうして女王へ向けて放たれるのは、全てが合わさった特大の炎。
「――ア、……!」
 呑み込まれた女王の口から、悲鳴のようなか細い呻きが漏れる。鮮やかな炎の柱を見つめながら、清史郎は静かに告げた。
「災いを及ぼす花は、狐火に焼かれ散るがいい。……学園の平和は勿論、迷宮イチゴの甘い香りも、決して穢させはしない」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

浮世・綾華
【軒玉】
勘違いには笑って訂正はせず
やる気があるのはいーことだよネ

黒鍵刀振るいフェイントやなぎ払いで隙狙いカウンター
月華ノ刃で暁月の影を敵へ
――なあ、お前の弱点ってどこ?
話せないなら答えらんねーじゃん?
答えてくれりゃ弱点狙えっし
むしろこうゆうセコい使い方するもんだと思ってた

おー、見事に凍ったじゃん
やっぱヴァーリャちゃんの氷技はすげーや

俺の攻撃の威力は多分そんなに強くねーケド
オズのと合わさりゃそこそこいけるか?
っし、行くぞと目で合図して

鬼火踊ル、花ハ舞ウで花びらで目眩し
オズが上手く隠れて向かいやすいように
後は鬼火を浮かべ
冷たかったり熱かったり悪いな?
大人しく燃えてくれ

二人との連携を重視し対応


ヴァーリャ・スネシュコヴァ
【軒玉】

なるほど、こいつが原因か…。イチゴは渡さんぞ!(勘違い)
オズ、露払い感謝なのだ! 綾華、なんで質問を…って、すごいな!?

ここは二人の攻撃が当たるよう、凍らせて敵の動きを止める! 任せてくれ!
『トリニティ・エンハンス』の水の魔力で状態異常力を上げ、氷の【属性攻撃】と【2回攻撃】を組み合わせ、カチンコチンに凍らせるのを狙う 敵がみんなを攻撃する前に、【先制攻撃】でだ!

凍らせたら、後ろに下がり2人の目を見て合図を送る
綾華、オズ、全力でやってくれ! 頼んだぞ!

いつもは前に前に動いていたから、サポートは初めてなのだ
でもこれも背中を任せられる仲間がいるからこそ! オブリビオンのお前とは違うのだ!


オズ・ケストナー
【軒玉】
弱点を聞いちゃうアヤカにびっくり
わ、そういうのもあるの

昆虫型には範囲攻撃で対応するね
お礼には笑顔で応えて

ヴァーリャ、すごい
次は任せてっ

二人の視線に頷き
花びらに紛れて走って近づく
足のはやさにはちょっと自信があるんだよ

【ガジェットショータイム】を叩き込むよ
攻撃は武器で受け止めて、下がらず攻撃し続けられるように
フェイントも交えて時間稼ぎ
二人の次の攻撃に気づかせないよう釘付けにするね
シュネーも手伝ってっ

炎が生まれたら巻き込まれないようぱっと下がって
属性攻撃で氷を付与して後押し
あついのあとのつめたいは、壊れやすくなるんでしょう?

振り返れば頼もしい二人がいる
みんなで戦うのって、すごく心強いんだね



「なるほど、こいつが原因か……イチゴは渡さんぞ!」
 未だ倒れることなく佇む“女王”へ勇ましく告げるヴァーリャ・スネシュコヴァであったが、女王の目的はあくまでも迷宮の外に出ることであって(今のところ)イチゴではない。
「やる気があるのはいーことだよネ」
 そんな可愛らしい勘違いを敢えて訂正せずに笑いながら、浮世・綾華が隣に並び立ち、そして――。
「――なあ、お前の弱点ってどこ? 言ってみろよ」
「……ッ!?」
 問い掛けと共に綾華の手から放たれた暁月の影が、女王の答えを得られぬまま強固な戒めとなって絡みつく。
「綾華、なんで質問を……って、すごいな!?」
 ストレートな、ある意味簡単すぎる質問ゆえに思わぬ威力を発揮した技に、ヴァーリャが目を丸く。一方、綾華は飄々と肩を竦めてみせる。
「話せないなら答えらんねーじゃん? 答えてくれりゃ弱点狙えっし。むしろこうゆうセコい使い方するもんだと思ってた」
「わ、そういう使い方もあるの」
 と、オズ・ケストナーもヴァーリャと並んでびっくりした様子で。
「――、……!」
 影を振り払いながらも無傷では済まなかった女王が、怒りの形相で三人を睨む。同時に腹部に咲いた食人の花が大きく口を開けようとしたが、それよりも速く、ヴァーリャが動いていた。
「俺が凍らせて敵の動きを止める! 任せてくれ!」
 今度は己が露払いをする番と、先手を取ったヴァーリャは自らに纏わせた水の魔力を氷に変えて、女王へと放った。
 収束した魔力が、忽ちの内に食人花を凍らせる。ヴァーリャはさらに刀身に雪舞う氷の剣を手に女王の懐へ踏み込み、唸りを上げながら襲い掛かってきた無数の蔓を斬り落とした。
「おー、見事に凍ったじゃん。やっぱヴァーリャちゃんの氷技はすげーや。……っし、行くぞ」
「ヴァーリャ、すごい。次は任せてっ」
 綾華がひゅうと口笛を鳴らし、オズも楽しげな笑みを覗かせ。
「綾華、オズ、全力でやってくれ! 頼んだぞ!」
 三人は視線を交わし、そしてしっかりと頷き合う。
 ヴァーリャが下がると同時に、綾華とオズが動いていた。
 二人を狙って放たれた昆虫型のモンスターを、綾華は鍵刀でなぎ払い、オズもガジェットの斧で纏めて叩き落とす。
「――ほら、喰らいな」
 不意にオズは鍵刀を無数の白菊の花弁に変えると、それを女王の視界に散りばめるように放った。
 オズが上手く身を隠して女王へ近づきやすいよう――その狙い通り、オズは花弁に紛れて駆けていく。
「足のはやさには、ちょっと自信があるんだよ」
 そうして女王の元へ辿り着いたオズは、喚び出したガジェットの鋏で女王の蔓髪を斬り落とし、
「シュネーも手伝ってっ」
 オズの声に、雪のような白い髪と桜色の瞳持つ人形が、オズに向けられた女王の怒りを逸らすように死角から攻撃を加え翻弄する。
 ――すると、
「冷たかったり熱かったり悪いな? 大人しく燃えてくれ」
 綾華の手により、白菊の花弁が瞬く間に緋色の鬼火へと変じて激しく燃え上がった。
「――アァ、ア……!」
 言葉を持たぬ女王の口から、悲鳴が溢れる。それを見たオズは炎に巻かれぬよう、シュネーと共に素早く距離を取った。
「あついのあとのつめたいは、壊れやすくなるんでしょう?」
「そうだ、オズ、思い切り凍らせてやれ! 俺の氷も一緒だ!」
 オズの手から生まれた氷が綾華の炎と共に舞い、さらに後方から、ヴァーリャが重ねた冷気のヴェールが二人の炎と氷に彩りを添える。
 炎の熱と氷の冷たさに呑まれ、苦悶の声を上げながら崩折れる女王へ、ヴァーリャは得意げに告げる。
 いつもは前に前にと動いていたから、後方からの支援を行うのはヴァーリャにとっては初めてのことで。でも、
「これも背中を任せられる仲間がいるからこそ! オブリビオンのお前とは違うのだ!」 
 その声にオズは振り返り、ヴァーリャと綾華の姿に自然と笑みを綻ばせる。
「みんなで戦うのって、すごく心強いんだね」
 噛み締めるように呟いたオズを見て、綾華はそうだなと破顔した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウトラ・ブルーメトレネ
……
(とんでもないショックを受けて青褪める)
ひ、どい……ひ、どい……ひどい、のっ
ユキウシさんたちはあんなにかわいかったのに……
こんなにあまい匂いをさせてるのに、ぜんぜん、ぜんぜん、かわいくない……
(ほろほろと静かに落涙

出来たら近寄りたくないが、他の猟兵たちの頑張りを目にすればそうもいかず
涙乾かぬまま、剣刃一閃
直視したくない現実ごと斬り捨てるよう、えいえいえいっと必死に愛刀を振るう
これはわるいものをたち斬る剣
きもちわるいも、わるいとおなじだから、バッサリいくのっ

伸びて来る蔓に一度掴まれたら、ショックに硬直
二度と触れられたくない一心で状況注視
【空中戦】を用い飛んで逃げ回りながら、やっぱり剣刃一閃



 ユキウサギウミウシさんたちに涙の別れを告げて、いよいよボスオブリビオンとの決戦の時――だったのだが。
「……ひ、どい……ひ、どい……ひどい、のっ……!」
 ユキウサギウミウシたちを率いて(?)いた“女王”を前に、ウトラ・ブルーメトレネはお気に入りのぬいぐるみを汚してしまった時のような衝撃を受けて青褪めながら震えていた。
「ユキウシさんたちはあんなにかわいかったのに……こんなにあまい匂いをさせてるのに、ぜんぜん、ぜんぜん、かわいくない……」
 ふしゃー……とかいう、お腹の食人花の声が聞こえてくる。女王の顔だけならまだ綺麗と言えるかもしれない(可愛くはない)が、その災魔――魔物としか呼べない全体像は、ウトラでなくとも可愛さを求められるような姿ではなかっただろう。
 あまりにもショックでほろほろと泣き出してしまうウトラであったが、猟兵としてこの場に訪れた以上、そして、他の猟兵の皆が真剣に戦っている以上、(現実と)向き合わないわけにもいかず――。
 ぐいっと半ば強引に涙を拭いながら、ウトラはカレンデュラの花のような鮮やかな橙色の刃を抜き放つ。
「これはわるいものをたち斬る剣……きもちわるいも、わるいとおなじだから、バッサリいくのっ」
 まるで、女王を直視したくない現実ごと斬り捨てるように、ちょっぴり薄目になりながらも――その切っ先は迷うことなく女王を捉えていた。
「えいえいえいっ! はやくいなくなれっ!」
「……!」
 次の瞬間、女王の蔓草の髪が大きく唸り、明確な意思を持ってウトラに襲い掛かった。
「い、っやあああああっ!」
 無数の蔓にぴしぴしと鞭のように打たれ、ウトラはショックで一瞬硬直しながらもすぐに全速力で真紅の翼を広げ後退して。
「いやーっ、さわらないでーーーっ!!」
 それは少女の心の底からの、叫び。
 二度と触れられたくない一心でしっかりと両目を開き蔓の動きを追い掛けて、そうして飛んで逃げ回りながらも、ウトラは果敢にカレンデュラの刃をふるい続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

秋遊・空桜
かあいいウサギちゃんたちの女王様っていうから、どないなんやろと思たら…
毒々しいし、見るからに悪そうやなぁ
そない闘争心をむき出しにされたら…うちも本気出さなな
ふたつの愛銃を構える

万華散鏡・空の設定温度を最高値にする
植物は熱湯にも弱いって本で見たことあるんよ
狙うは蔓や
二次被害がないように精密に、でも手数多くを意識して戦お(【スナイパー】【2回攻撃】)
少しでも蔓を減らせれば、きっと他の猟兵さんも戦いやすくなるやろね

大きく隙ができたら、すかさず万華散鏡・桜を向ける
【夢幻万華鏡】や
イチゴの花びら…白とピンクが織りなす一撃をお見舞い
うちの花はまやかしやけど…
それでも、あんたの毒々しい花よりは綺麗やと思うよ



(「……あの子、大丈夫やろか」)
 空中から届く、真紅の竜の少女の涙混じりの声に若干はらはらしつつも。
 秋遊・空桜は静かに、女王――災魔へと向き直る。
「かあいいウサギちゃんたちの女王様っていうから、どないなんやろと思たら……毒々しいし、見るからに悪そうやなぁ」
 掛けられた声に、女王の瞳が空桜の姿を捉えた。
 女王はこの場で共に戦う同胞たちの攻撃により、既に深手を負っているものの、侵略を阻む猟兵という存在を前に怒りを漲らせていて。
「そない闘争心をむき出しにされたら……うちも本気出さなな」
 空桜はそう言うと、ふたつの愛銃を構えた。
 万華散鏡――“空”と“桜”。空桜はそのうちの“空”の設定温度を最高値まで引き上げた。
 本来ならば水粒子を礫として放つため、温度は低く設定されている。それが高温に変われば、出てくるのは水ではなく熱湯。
「植物は熱湯にも弱いって、本で見たことあるんよ」
 空桜の狙いは蔓の髪。少しでも蔓を減らせれば、皆が戦いやすくなるだろうと思ってのこと。
 だが、万が一にも外すことがあれば、他の猟兵が火傷を負ってしまうかもしれない。
 ゆえに精密に狙いを定め、けれど手数を少しでも多く稼げるよう意識しながら、空桜は銃の引き金を引く。
「――、……!」
 明確な意思を持って蠢いていた蔓が、熱湯を浴びて忽ちの内に萎れていく。
 それでもなお、女王は空桜の持つ銃を捉えようと蔓を伸ばし――そして、その蔓もまた熱湯の弾丸を受けて崩れ落ちた。
 次の瞬間、見出した好機を逃さず、空桜はもうひとつの――“桜”の銃を構える。
「二度と見られない、一瞬のとっておき……目に焼きつけるとええよ!」
 夢幻の万華鏡が魅せるのは、甘い、イチゴの花びら。白とピンクの礫が混ざり合い、織り成す一撃が、凍りついた腹部の食人花を穿ち風穴を開ける。
 空間に散りばめられた煌めきに目を細めながらも、空桜は誇らしげに告げた。
「うちの花はまやかしやけど……それでも、あんたの毒々しい花よりは綺麗やと思うよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルル・ル
うわーん!なんかこわいのでたー
でもでも、迷宮いちごのため!
おじゃまむしは、こらしめちゃうよっ

近くに人がいたら協力したりも、がんばるよー
まかせて!

もったいぶる必要なーし!
いけいけ、くじらちゃーん!(ガジェットショータイムどどーん)
ふええ。女王のおねーさん、近くでみるとやっぱりこわいね
わあ、こっちみないでー
くじらちゃん、かえんほうしゃ!
ふっふーん
こんなこともあろうかと、くじらちゃんは属性攻撃搭載なのだ!
(えらそうにいって、効いてなかったらどうしよ…)
いちごのほうまで燃やさないよーに
めちゃくちゃ気をつけるよ!

動きを封じられちゃったら、助けを呼ぼ
ぐぬぬ~
動けるようになったら、倍にして返しちゃうもんね!



「うわーん! なんかこわいー」
 蔓の髪を斬られ、焼かれ、腹に風穴を開けられてもまだ猟兵たちへ牙を剥かんとする女王を見て、ルル・ルはぴゃーとタールの黒髪を跳ねさせる。
「でもでも、迷宮いちごのため! おじゃまむしは、こらしめちゃうよっ」
 きゅっと心を引き締めて、ルルは相棒のガジェットと共に地を蹴った。
「もったいぶる必要なーし! いけいけ、くじらちゃーん!」
 ――くじらちゃん(ガジェット)ショータイム!
 ルルの元気な声に応えるように、ふしゅー! と勇ましく蒸気を吐き出しながら、ルルを乗せたくじらちゃんが全力で飛び込んでいく。
 舞うように空を駆け、空中から流星のように一直線。くじらちゃんの巨躯に押し潰された女王が、言葉にならない呻きを漏らす。
「ふええ。女王のおねーさん、近くでみるとやっぱりこわいね。わあ、こっちみないでー!」
 ぎろり、と、女王が瞳をぎらつかせてルルを捉える。すぐさまルルはぴっと女王を指差し、高らかに命じた。
「くじらちゃん、かえんほうしゃ!」
 号令と共にぱかっとくじらちゃんの口が開き、凄まじい勢いで吐き出された炎が瞬く間に女王を包み込む。
「――、ア……!!」
 業火に呑まれた女王に向けて、ルルはふっふーんと胸を張り、
「こんなこともあろうかと、くじらちゃんは属性攻撃搭載なのだ!」
 ――と、ちょっぴり偉そうに言ってみたけれど、内心効いていなかったらどうしよう、なんてこっそり思ったりもしていたルルではあったが、そんな心配は元より無用とばかりにくじらちゃんが放った炎はごうごうと燃え盛っていた。
 もちろん、フロアを隔てる強固な壁のおかげで、くじらちゃんの炎がイチゴに及ぶ心配もまた、無用なのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミュウシャ・シャラノワ
ニケ(f02710)と一緒だよ

あの愛らしい子達が恋しくもなる
けれど大丈夫、ボクは花の女王である君を歓迎するよ
精一杯、持て成すとしようか――ね、ニケ?

ボクの大切な友人を傷付ける悪い子には
”おしおき”が必要だね…?
黒革の鞭で相手にダメージを与えたり攻撃を捌こう
味方が危ない時は率先して助けに入るよ
相手の使役が放たれた時には
【sans retour】を使って結び留めようか

女王だろうが許しはしない、君も”花の女王”なのだろう?
さあ、君の矜持を見せておくれ!
毒々しい色でも君は花の女王様だ
花は花らしく、綺麗に散らせてあげよう
行くよニケ、サポートは頼んだからね

……ありがとう、君はとても綺麗だったよ


ニケ・セアリチオ
ミュウシャさん(f00770)とご一緒に

! びっくり、びっくりしたわ
轟く女王さまの悲鳴に驚くけれど
すぐに気持ちを切り替えましょう
ここで彼女を倒さねば
噂に誘われた誰かが傷ついてしまうから

ええ、ええ
参りましょう、ミュウシャさん
率先して前に立ってくれる大切な友人
優しい彼に報いる様、精一杯の援護を

視力と第六感を駆使し
後方からの視野を活かして
蔦の迎撃と回避の声掛けをしサポートを
有事には鋭い風の属性攻撃を使ってカバーします
私も回避をまず一に専念するわ

お願いします、力を貸して……!
祈りを込めて杖を翳し
【サモニング・ガイスト】を

木々を相手取るならば炎の力
ミュウシャさんと連携して
女王さまへ炎の槍を手向けましょう



「……、――ア、ァアッ……!!」
「っ!」
 全身を蝕む炎の衣を払うように、空間を震わせるほどの奇声を上げた女王の姿に、ニケ・セアリチオは驚き息を呑む。
 そのおぞましい姿を少女の瞳に映すまいとするかのように、ミュウシャ・シャラノワが一歩前に出た。
 先程自分たちを出迎えてくれた可愛らしい“彼ら”とは違い、女王の姿は迷宮に巣食う災魔そのもの。
「……愛らしいあの子達が早速恋しくもなるけれど。大丈夫、ボクは花の女王である君を歓迎するよ」
 女王の瞳が、二人を捉える。既に多くが焼け爛れていても、行く手を阻む猟兵の存在だけは決して見失わないとでもいうように。
 さりとて、退くつもりがないのはこちらも同じ。
「精一杯、持て成すとしようか――ね、ニケ?」
「――ええ、ええ! 参りましょう、ミュウシャさん」
 率先して前に立ってくれる大切な友人へニケは明るく告げながら、胸元に輝く金のコインを指先でなぞり、そっと握り締めた。
 ここで“彼女”を倒さなければ、噂に誘われた誰かが傷ついてしまうかもしれない。その想いもまた、ニケの心を奮い立たせる。
「女王だろうが許しはしない、君も“花の女王”なのだろう? ――さあ、君の矜持を見せておくれ!」
 ミュウシャが操る黒革の鞭が、女王が振るう蔓を絡め取る。それでも彼の側をすり抜けた幾本かの蔓は、迷うことなく後方に控えていたニケへと迫った。
「ニケ――」
「ミュウシャさん、大丈夫、大丈夫です。そのまま前へ!」
 振り返ろうとしたミュウシャを制し、ニケは第六感を頼りに蔓から逃れるように更にもう一歩後退しながら、そっと真白の翼抱く杖を振るう。
 すると、ニケを中心に巻き起こった風が鋭い刃のような嵐となって、襲い掛かってきた蔓を切り裂いた。
 ニケに大事がなかったことに小さく安堵の息をつき、それから、ミュウシャは幾許か冷えた眼差しを女王へと注いだ。
「ボクの大切な友人を傷付けようとする悪い子には“おしおき”が必要だね……?」
 紡ぎ、結び、留めよ。――ボクは君を歓迎する。
 言葉を乗せた音を紡ぎ、ミュウシャは戯れのように女王へ向けてリボンを放つ。
「――、……!」
 直線を描いて女王の全身に絡みつきその存在を結び止める、黒と金、そして青の気高くも鮮やかな三色に、蔓の動きまでも封じられ、羽虫の群れを招くことも叶わず、女王が苦しげにもがき始めた。
「毒々しい色でも君は花の女王様だ。花は花らしく、綺麗に散らせてあげよう。――さあ、ニケ!」
「はい、ミュウシャさん! ――お願いします、力を貸して……!」
 ミュウシャの呼び掛けに力強く頷き、ニケは風宿す杖を高く翳した。
 ニケの呼ぶ声と祈りに応え、古代の戦士たちが世界を隔てるように吹く風の中から現界する。
 居並ぶ戦士たちは己が得物である槍に炎を纏わせると、ミュウシャのリボンに捕われた女王へと一斉に攻撃を仕掛けた。
 木々を相手取るならば炎の力――槍の先から炎を移された女王が、焼け爛れた喉から声にならない悲鳴を零す。
 その姿を見つめながら、ミュウシャが贈るのは手向けの言葉。
「……ありがとう、君はとても綺麗だったよ」
 戦いは、間もなく終わりの時を迎えようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

斎部・花虎
【POW】
成る程、之が首魁か
折角の苺の良い香りが台無しだな
さあ、疾くご退場願おう

蔓の動きには気を付けておく
どれを強化されても手痛い攻撃には違いない
おれだけが狙われる様ならば、避ける択を取る……が
おれ以外の誰かが狙われる様であれば
身を割り込ませて庇いに走ろう

番えた符と小刀を、その額に突き立てる
今宵はおまえの口には合わぬやもしれない――何せ植物だからな
それでもあれを餐っておくれ、屠っておくれ
さあ、いらせられませ我が獣
影より出たる闇御津羽

協調出来そうならば他の猟兵とも共に駆けよう
早めに斃してしまえるならそれが良い
……何せ、苺が待っているからな



 猟兵たちの猛攻に、“女王”の姿はもはや見る影もなく。
「折角の苺の良い香りが台無しだな」
 それまで重ねてきた攻撃の手を緩め、けれど一分の隙もない眼差しで女王を見据えながら、斎部・花虎はふ、と息を吐き出した。
 まだ息をつくには少しだけ早いとわかっている。けれど、それが許される時が間もなく訪れることも、また。
「――さあ、疾くご退場願おう。……苺が待っているからな」
「……ッ、ア、ァ……!」
 最後の力を振り絞るように、女王が束ねた蔓を花虎へ差し向ける。
 既に終焉が視えているとは言え、喰らえば無事で済まないだろうと察するのはそう難しいことではなく。
 幸い、その狙いが己だけに向いているのを見て取った花虎は、槍の穂先のように鋭く伸ばされた蔓を手の動きで受け流しながら、ひといきに女王との距離を詰めた。
 そうして地を駆けた勢いそのままに跳び上がり、番えた符と小刀を、女王の額に突き立てる。
「今宵はおまえの口には合わぬやもしれない。何せ、植物だからな」
 花虎は薄く笑って、小刀を深く捩じ込んだ。
「それでもこれを餐っておくれ、屠っておくれ。――さあ、いらせられませ我が獣」
 刹那、花虎の小さな影より躍り出るのは闇御津羽。全てを覆い尽くす闇と影、その姿は躯の海に引きずり戻されかけていた女王の目には、さぞ悍ましきものに映っただろう。
「――、……!!」
 開いた口から音が紡がれることはなく、女王を形成するもの、していたものの全てが闇に覆われ喰らい尽くされてゆく。
 やがて獣が影に戻った後には、星の瞬きのような光がきらりと散って――災魔の残滓は消え失せていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『迷宮イチゴ狩り』

POW   :    いちごを食べます

SPD   :    いちごをお土産などにして持って帰ります

WIZ   :    いちごでスイーツを作ったりします

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 迷宮からの侵攻は、猟兵たちの手によって無事に食い止められた。
 その報せを受けた学園の生徒たちが、早速迷宮イチゴのなるフロアへとやって来る。
 ――目的は勿論、迷宮イチゴ狩りだ。
 一歩足を踏み入れれば、先程の戦いの間に感じていたものよりも濃密な甘い香りが、猟兵たちを出迎えてくれることだろう。
 件の迷宮イチゴはというと、壁に床にと張り巡らされた蔓に鈴なりに実をつけている。
 学生たちによってフロア自体の手入れがそれなりに施されているのか、人が歩くための通路が作られていたりもするので、誤って実を踏んづけてしまう心配はなさそうだ。
 摘んだイチゴはその場で早速味わうのもいいだろう。あるいはたくさん摘んでお土産に持ち帰ってもいいし、イチゴのスイーツを拵えるのであれば家庭科室も利用できる。
「転校生の皆さんも、どうぞ遠慮なく楽しんでいってください!」
 そう言って笑う学生は、必要なら練乳もありますから! などとちゃっかり添えて。
 甘い香りに誘われて過ごす休息のひととき。それはきっと、素敵な時間になることだろう――。
小読・灯
そういえば、そもそも今回は「イチゴ狩り」ができなくなると言った話だったわね
イチゴって何なのかしら?キトリさんに聞いてみましょう

ねえキトリさん、イチゴって何?お話を聞いた時にはこの季節に出る物という話だったけど、狩りをする必要があるということは、イチゴというのは逃げ回る生き物なのかしら?
それなら【発火ナイフ】を持って私の【ブレイズブレイド】でもうひと頑張りするのだけれど

え?果物だったの。(慌てたように)なるほどね、うん、実はそうじゃないかと思っていたわ、本当よ?折角だから、イチゴ狩りにご一緒していただいてもかまわないかしら?
初めて食べたけど、瑞々しくて甘くて美味しい果物ね
頑張って守って良かったわ



「……そういえば、そもそも今回は“イチゴ狩り”が出来なくなるといった話だったわね」
 甘い匂いがまさに出迎えようとしているフロアの入り口で、小読・灯は思案顔。
「どうしたの? 灯、イチゴは嫌い?」
「はっ、キトリさん。いえ、あのね聞きたいことがあって」
「うん、なあに?」
「ねえキトリさん、イチゴって何? お話を聞いた時にはこの季節に出る物という話だったけど、狩りをする必要があるということは、イチゴというのは逃げ回る生き物なのかしら?」
「えっ?」
「それなら発火ナイフを持って私のブレイズブレイドでもうひと頑張りするのだけれど……」
 と灯はイチゴを文字通りの意味で“狩る”気満々である。
 ――イチゴ狩り。魔物狩り。猛獣狩り……おそらくはそんな連想から行き着いてしまったらしい灯に、キトリはその言葉の意味を理解するための間を挟んでから、勢いよく首を横に振った。ぶんぶんと。
「ちっ、ちがうわよ、このフロアにいるイチゴは襲ってきたりしないわ! あのね、果物のイチゴ。わかる? それを摘むことを、狩るっていうんですって」
 詳しいことは彼が教えてくれたと、一緒に来ていた学生の一人が会釈する。
「そもそも、“狩る”という言葉には、本来は“狩猟”ではなく“探し求める”という意味があるんですよ。それで、イチゴを探すことをイチゴ狩りというようになったのだとか」
「ぶどうもぶどう狩りだし、梨や林檎も梨狩り、林檎狩りだものね。あたしも何だかひとつ賢くなったわ」
「く、果物だったの?」
 慌てたようにナイフをしまい、こほんと誤魔化すように息をついて。
「なるほどね、うん、実はそうじゃないかと思っていたわ、本当よ?」
「大丈夫、あたしたぶん灯が話してた大事なところは聞いてなかったから!」
 キトリはさり気なくフォローにならないフォローを入れる。
「折角だから、イチゴ狩りにご一緒していただいてもかまわないかしら?」
「ええ、もちろん。さー、いっぱい食べるわよー!」
 そうして甘い匂いに惹かれるままに、奥の人がいなさそうな場所へ。
 赤く熟した迷宮イチゴを早速摘んで、互いに一口。
「本当だわ、すごく甘いイチゴの味がする……!」
 イチゴを知るキトリは納得顔でもぐもぐ。一方ゆっくりと咀嚼している灯はというと、
「……初めて食べたけど、瑞々しくて甘くて美味しい果物ね。――頑張って守って良かったわ」
 灯がほっとしたように微笑むと、キトリもにっこりと笑ってみせた。
「うん、守ってくれてありがとう!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウトラ・ブルーメトレネ
「キトリさん……キトリちゃんって呼んでいい?」
キトリさんをお誘い出来たら、是非ご一緒に

赤はあまり得意じゃないけど、いちごはステキな赤
でも、いちごがりははじめてなの
どんないちごがいいのかな?
赤いの? おおきいの? ちいさいの?
あまいにおいがするの?

恐る恐る捥いでは味見を繰り返す
とびきり甘いのに出会えたら、同じような苺を一生懸命探して、キトリさんへ
これ、とっても美味しいとおもうの!
いちごの赤は、しあわせの赤なのね

たくさん摘んで持って帰りたい
今、お家で料理を練習中
この苺でなら、きっと美味しいジャムが作れちゃうと確信
けど、自信はまだなくて
じょうずにできたら、いいな
キトリちゃんは、おりょうりするの?


ジャスパー・ジャンブルジョルト
いやー、厳しい戦いだったぜ(とか言ってるが、JJはなにもしていない)。だが、激闘の後で食うイチゴは美味い! 最高に美味い! (もぐもぐ)
とはいえ、食い続けてると飽きが来るから、味に変化を持たせようっと。
定番の練乳も悪くないが、俺のお気に入りはブルーベリージャムとクランベリーソースさ。この二つをイチゴに絡めて……(もぐもぐ)……うぉーん! 三種類の甘酸っぱさが口の中で弾けるぅーっ!
これぞ、トリプル・ベリー・ボム!
ほら、キトリたちも試してみ? 病みつきになるぜ(呆れ顔されても気にせずというか気付かずに勧めまくる)。

他の猟兵の引き立て役や調子に乗って痛い目を見る役など、お好きなように扱ってください。



「キトリさん……キトリちゃんって呼んでいい?」
 おずおず、もじもじ、ウトラ・ブルーメトレネがそっと首を傾げるのに、キトリはもちろんよ! と満面の笑み。つられ、ウトラも満面の笑み。
 赤はあまり得意ではないけれど、いちごの赤はステキな赤だとウトラは思う。
「いちごがりはね、はじめてなの。どんないちごがいいのかな?」
 赤いの? おおきいの? それともちいさいの?
 あまいにおい――がするものならば、きっと、間違いはないだろう。
「あたしは真っ赤に熟していて、宝石みたいにつやつや……ぴかぴかしているのが美味しいと思うわ!」
 ちょうどあの猫さんが食べているような――と示した先にはジャスパー・ジャンブルジョルトの姿。
「いやー、厳しい戦いだったぜ。だが、激闘の後で食うイチゴは美味い! 最高に美味い!」
 やりきった笑顔で迷宮イチゴをもぐもぐしているジャスパーは、――戦いの時には影も形もなかったような気がしないでもないけれど、きっと、たぶん、陰ながら他の猟兵たちの戦いをサポートしてくれていたはず。
 口の周りがほんのりイチゴ色に染まってしまうくらいには堪能していたようだが、食べ続けていれば飽きが来る。
 ゆえに味に変化を持たせようとジャスパーが取り出したのは、ブルーベリージャムとクランベリーソース。
「この二つをイチゴに絡めて……うぉーん! 三種類の甘酸っぱさが口の中で弾けるぅーっ! これぞ、トリプル・ベリー・ボム!」
「……ちょっとすっぱそうね」
「……すっぱそうなの」
 そのままそっと離れようとしたキトリとウトラであったが、きらり、煌いたジャスパーの琥珀色の瞳は、しっかりと少女二人の姿を捉えていた。
「ほら、キトリたちも試してみ? 病みつきになるぜ」
「……」
「……」
「……ぜ!」
「こ、ここで逃げたらレディじゃないの! わたし、がんばる!」
「そうね、あたしも――受けて立つわ」
 まるで戦場に赴くような顔でトリプル・ベリー・ボムいちごを受け取った二人は、顔を見合わせ、せーの、で口に。
「……っ!」
 口の中で弾けたお味はいかほどか。もぐもぐ、もぐもぐ、キトリは無事にごっくん出来たようだが――。
「す、すっぱいの~~~~~!!!」
 幼いウトラには、少々刺激が強かったらしい。

 ――気を取り直し、ウトラは甘いイチゴを探しておそるおそるといった風にもいでは味見を繰り返し。
「……! すごくあまいの!」
 ようやく出逢えたとびきり甘い一粒にきらきらと銀色の瞳を輝かせながら、同じようなイチゴを一生懸命に探し出す。
「はいっ、キトリちゃん! これ、とっても美味しいとおもうの!」
「えっ、あたしに?」
 そうして受け取った大切な一粒を一口。その甘さは言うまでもなく。
「うん、とっても甘い! ウトラ、ありがとう!」
 ――いちごの赤は、しあわせの赤。
「あのね、このイチゴならきっと、美味しいジャムが作れちゃうとおもうの」
 今、お家で料理を修行中のウトラはそう確信して、うん、と頷き、
「でも、でもね、まだじょうずに作れるかわからなくて。じょうずにできたらいいな、って」
 願うようにぽつりと紡ぐ少女に、妖精は笑う。
「ウトラならきっと出来るわよ。だってお料理って、真心を込めれば美味しくなるものだもの」
「まごころ? キトリちゃんは、おりょうりするの?」
「あんまりいっぱいはしないけれど、でも、パンケーキとかなら作れるわよ!」
 それこそ、パンケーキに迷宮イチゴで作ったジャムソースをかけたら、きっと美味しいだろう。
 甘いティータイムに想いを馳せれば、互いの顔にまた一つ、おひさまのような笑みが咲く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

青葉・颯夏
セフィリカさん(f00633)と同行

持って帰ったり、いちごのスイーツも作れるみたいだけどどうします?
ふふ、じゃあここで摘みながら食べ放題ですね
セフィリカさんはそのものずばり、っていう感じ
あたしは……あたしの世界でなら平均的、だと思います
自分で作ることはなくても、こんな風にいちご摘みをする機会はありましたね

セフィリカさんはいちご摘み、やったことはあります?
こうやって採って、へたを取って上側から食べると
最後まで美味しく食べられるんです
ホイップクリームとか、練乳もあるから
よかったらかけてみてくださいね


セフィリカ・ランブレイ
颯夏(f00027)とイチゴ狩り!

なんかこう、ラフな感じな事いっぺんやってみたかったんだよね
お野菜フルーツはお皿に乗ってるもの!……ってワケじゃないけど、自分で栽培!とかとは割と縁遠かったしさ
割と良いトコのお嬢さんだしね、私ってば
颯夏も結構良いトコな感じするけど、土との縁具合ってどんなものだった?

私は初めてだけど、颯夏は手馴れてる?そのうえ準備もいい!
おーおー、こうかな……っと!

うん、酸味と甘みのハーモニー……まさにとれたてイチゴっ
こういう恵みに携わる事には門外漢だからなぁ、世界の広さを感じるよね
次はクリーム試してみようかなっ。たくさん回っておなかの中イチゴで一杯にしよ―!



 ――扉を潜れば、そこは迷宮イチゴに彩られた世界。
「いちご、いっぱいですね。持って帰ったり、いちごのスイーツも作れるみたいだけどどうします?」
 青葉・颯夏の問う声に、セフィリカ・ランブレイは楽しげに、視線を迷宮イチゴの生い茂るフロア内へ巡らせて。
「なんかこう、ラフな感じなこといっぺんやってみたかったんだよね」
 お野菜やフルーツは予めお皿に乗っているものと決めつけていたわけではないけれど、かと言って自分で一から育てるという経験があったわけでもなく。
「こう見えて割と良いトコのお嬢さんだしね、私ってば。颯夏も結構良いトコな感じするけど、土との縁具合ってどんなものだった?」
 そのものずばりという感じだと納得するように頷きながら、颯夏はセフィリカの視線を辿るように鈴なりのイチゴたちに目をやった。
「あたしは……あたしの世界でなら平均的、だと思います。自分で作ることはなくても、こんな風にいちご摘みをする機会はありましたね。セフィリカさんはいちご摘み、やったことはあります?」
 こうやって採って、と颯夏は慣れた手付きでイチゴを摘み、ヘタを取ってセフィリカに差し出した。
「上側から食べると、最後まで美味しく食べられるんです。どうぞ、召し上がってみて下さい」
「へえ、私は初めてだけど、颯夏は手馴れてるね。うん、酸味と甘みのハーモニー……まさにとれたてイチゴっ」
 颯夏が摘んでくれた迷宮イチゴを受け取り、口へ。広がる甘酸っぱさにセフィリカは落ちそうな頬を押さえるように手を添えて笑う。
「こういう恵みに携わる事には門外漢だからなぁ、世界の広さを感じるよね。……私も上手に採れるかな。おーおー、こうかな……っと!」
 今しがた颯夏が見せてくれたお手本の通りに、セフィリカも自分の手で迷宮イチゴを摘んでみる。ヘタを取り、上側からもう一度。美味しい、と笑み深めるセフィリカに、颯夏も良かったですと微笑みながら、持参したバスケットから色々取り出して。
「ホイップクリームとか、練乳もあるから、よかったらかけて食べてみてくださいね」
「さっすが颯夏、準備もいい! 次はクリーム試してみようかなっ」
 たくさん回って、味わって、今日この時だけは、お腹の中を甘いイチゴで一杯にしてみるのも、悪くないだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レクト・ユグランス
(生りまくりの迷宮イチゴにテンション上がりまくりの槍竜)
……いつも楽しそうだな、お前は。

(イチゴを食べたそうにしている槍竜)(上手く摘めない)
……不器用だな、あいつ……。
上手いことイチゴを摘めていない槍竜の代わりにいくつか摘んでやって、手の上に乗せて差し出しておく。
リディアコール、ほら。

槍竜がイチゴ食べてるのを眺めたり、自分もイチゴを摘まんだりしつつ、のんびりと。
……何もなくとも美味いな。甘い。

緑の匂いは落ち着くな。自然と気が安らぐ。
……お前もか、リディアコール。
(いつの間にか眠った槍竜を撫でながら)


※アドリブ歓迎



 あっちを見ても、こっちを見ても、鈴なりの迷宮イチゴ。
「……いつも楽しそうだな、お前は」
 華やかで甘い空間にテンション高くはしゃいでいる様子の槍竜――リディアコールの背にぽつりと零しつつ、レクト・ユグランスはぐるりと周囲を見回して。
 そうこうしている間にも、リディアコールはどうやらイチゴが気になっている様子。甘い香りにふんふんと鼻を寄せ、艷やかな実をペロリ。何も味が感じられないことにかキュッと首を傾げつつ、イチゴを取ろうと手をちょいちょいと動かしているが――上手く摘むことが出来ないようで。
(「……不器用だな、あいつ……」)
 仕方ないとばかりにレクトはいくつか、甘く熟していそうな迷宮イチゴを摘んで、手のひらの上に。
「リディアコール、ほら」
「!!」
 差し出された迷宮イチゴにリディアコールはぱあっと瞳を輝かせ、もう一度すん、と鼻を寄せてから、そわそわしつつ、ぱくりと。
「! ……! ~♪」
 甘い! と、言葉はなくとも十分に伝わってくる。手のひらのイチゴはあっという間になくなって、もっとないのかと催促するような眼差しを受ければ、
「食べたりないのか? しょうがないな……」
 やれやれと小さく肩を竦めながらもレクトはリディアコールのためにさらにイチゴを摘んでやる。
 その傍らでレクトは自身も迷宮イチゴを摘んで、味わい。
「……何もなくとも美味いな。甘い」
 そうしてゆったりと過ぎていく、穏やかなひととき。
「……お前もか、リディアコール」
 緑の匂いに自然と心が安らぐのを感じながら、レクトはいつの間にかすやすやと寝息を立てているリディアコールをそっと撫でてやるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夏目・晴夜
ユタカさん(f00985)とイチゴを摘みつつ摘まみます
旅団メンバーへのお土産に沢山摘んで帰りましょう

そのまま食べるも美味しいですが、確かにお菓子にするのもありでしょうね
私も料理できませんけど
イチゴがゴロゴロ入ったジャムに、イチゴ山盛りの生クリームケーキ
それとイチゴのムースにしてもらっても絶品でしょうね

しかし摘みたてのイチゴって初めて食べましたが、ちょっと美味しすぎませんか…!
練乳なしでも凄く甘くて瑞々しくて止まりません
これは、どれだけ摘んで帰ってもすぐに無くなりそうな気がしますね

ああ、このイチゴが取りたいんですか?
へえーこのイチゴをね……うわこれメチャクチャ美味しいですよ、今日一の美味しさです


柊・雄鷹
ハレちゃん(f00145)と美味しく苺を頂きやっ!
おっ、確かに皆へのお土産にも最適やなぁ
たくさん持って帰って、お菓子にして貰ても良ぇかも!
ワイ料理できんけど

なんや、ハレちゃんも料理できん口かい
ほなやっぱり作って貰う一択やなぁ
けど苺盛り盛りのタルトとか……ケーキとか……
それ最っ高やなっ!!苺の良さが5倍にも10倍にもなるやん!!

苺も見た目からして、デカくて美味そうよな…いただきまっす!
……んー!甘くて美味い!やばい、手が止められへん
え?ハレちゃん練乳要らんのか?ほなワイだけで使い切ってまうでー!
あっ、ハレちゃんちょっとそこ退いて、そこの苺取りたい
おう、それそれ。あー!!横取りすんなや!



「美味しそうやなあ、ハレちゃん!」
「ええ、私たちで責任持ってしっかりと味見しつつ、お土産に沢山摘んで帰りましょう」
 柊・雄鷹は満開の笑みを覗かせ、夏目・晴夜もきらきらと目を輝かせて。
「おっ、確かに皆へのお土産にも最適やなぁ。たくさん持って帰って、お菓子にして貰ても良ぇかも! ワイ料理できんけど」
「そのまま食べるも美味しいですが、確かにお菓子を作っていただくのもありでしょうね。私も料理できませんけど」
 イチゴがゴロゴロ入ったジャムに、イチゴ山盛りの生クリームケーキ。それから、イチゴのムースにしてもらうのもきっといいだろうし、イチゴたっぷりのタルトも捨てがたい。
「それ最っ高やなっ!! 苺の良さが5倍にも10倍にもなるやん!! ……ってなんや、ハレちゃんも料理できんクチかい。ほなやっぱり作って貰う一択やなぁ」
“サイハテ”の晴れた空の下に集う仲間たちの顔を思い浮かべれば、きっと誰かしら何か作ってくれるだろうという期待に胸を膨らませながら、二人はいざ迷宮イチゴの園へと踏み出した。
 迷宮の中に自生している迷宮イチゴ。見た目からして大きくて美味しそうな真っ赤なイチゴを雄鷹は摘んで、
「……いただきまっす! ……んー! 甘くて美味い!」
 満足気にほほ緩めながらもぐもぐと、次から次へ、摘んだイチゴをひょいぱくもぐもぐ。
 練乳を垂らせば絡まる甘さがより一層イチゴの甘酸っぱさを引き立てて――。
「やばい、手が止められへん……」
 もぐもぐと迷宮イチゴを噛み締めている雄鷹を横目に、晴夜も熟したイチゴを摘んで、ぱくり。
「……! 摘みたてのイチゴって初めて食べましたが、ちょっと美味しすぎませんか……! これは練乳なしでも凄く甘くて瑞々しくて止まりません」
「……え? ハレちゃん練乳要らんのか? ほなワイだけで使い切ってまうでー!」
「それはずるいです。少し下さい。……これは、どれだけ摘んで帰ってもすぐに無くなりそうな気がしますね」
 いつもながら仲良く分け合って、雄鷹と晴夜はイチゴ狩りを満喫するのであった。
 ――しかし。
「あっ、ハレちゃんちょっとそこ退いて、そこの苺取りたい」
「ああ、このイチゴが取りたいんですか? へえーこのイチゴをね……」
 ――ぷちっ。ぱくっ。
「おう、それそれ。あー!! 横取りすんなやー!」
「うわこれメチャクチャ美味しいですよ、今日一の美味しさです」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルル・ル
おまたせ、るるるのいちごちゃんたち!
もりもりいっぱい、たべるよー!
あ。お顔のドクロちゃんマスクは外さないとねー

わあ、練乳もあるの?
がくせーさん、すてき!
でもでもまずはそのままでっ
(目の前でつやつや輝く真っ赤ないちご)
(やさしく摘んで)
うひゃあ~かわいい!いただきまーす!

ぴゃあ!あまあま、おいひい!
つぎは練乳つけてー
んむむ。もっとあまあま、とろけちゃう~
しあわせすぎる!

(星色の妖精さん、見つけたら)
きとりちゃ~ん!
ありがとー、おつかれさまっ
あのね。ちいさめのいちご、きとりちゃんにとおもって…
(それでもまだ大きいかな?)
無事にいちご狩りできるよーになった、おいわいに
摘みたてのいちごで、かんぱーい!



「おまたせ、るるるのいちごちゃんたち! もりもりいっぱい、たべるよー!」
 トレードマークの一つでもあるお顔のドクロちゃんマスクもしっかり外し、ルル・ルはきらきらのエフェクトを放ちながら迷宮イチゴの楽園へ足を踏み入れる。
「わあ、練乳もあるの? がくせーさん、すてき!」
 ご自由にどうぞと笑顔で勧められ、摘んだイチゴを入れる用のバスケットも受け取ったルルはきゃあとはしゃぐように。
 ――でもでも、まずはそのままで!
「うひゃあ~かわいい!」
 目の前でつやつや輝く真っ赤なイチゴを優しく摘んで、ためつすがめつ眺めやってから、――いただきます!
「ぴゃあ! あまあま、おいひい!」
 ぱくりと一口、ゆっくりもぐもぐ。口の中いっぱいにじんわり広がる甘酸っぱさに、ルルは思わず両手で頬を抑えたりもして。
“そのまま”を味わったら、次はいよいよ練乳をつけて、ぱくり。最初の一粒とは違う、まろやかな優しい甘さが加わったイチゴに、ますます頬が落ちそうになる。
「んむむ。もっとあまあま、とろけちゃう~! しあわせすぎる~! あっ、きとりちゃ~ん!」
 そんな風に幸せいちごタイムを満喫していたルルがふと見つけたのは、視界に瞬く小さな星色の影。名を呼ぶ声にぱっと振り返ったキトリが、笑顔でひゅーんと飛んでくる。
「ルルーっ、お疲れ様!」
「きとりちゃんもありがとー、おつかれさまっ。あのね、ちいさめのいちご、きとりちゃんにとおもって……」
「あたしに? とっても嬉しいわ、ありがとう!」
 ルルが探した小さなイチゴは、それでもまだ少しだけフェアリーのキトリには大きかったけれど。そのぶん気持ちがぎゅぎゅっと詰め込まれているのがわかるから。
 両手で大事そうにイチゴを受け取ったキトリは、それはもう心の底から嬉しそうな満開の笑みを覗かせて。
「無事にいちご狩りできるよーになった、おいわいに、摘みたてのいちごで、かんぱーい!」
「かんぱーい!」
 ――高く掲げられたふたつのイチゴに、重なる喜びの声ふたつ。一緒に味わえば甘酸っぱいイチゴの美味しさも、笑顔も二倍。

大成功 🔵​🔵​🔵​

斎部・花虎
いちごを。
食べに、きた。
(無表情だが無表情なりに)(きあいをいれている)

キトリ、キトリ、一緒に苺を食べよう
他の子も、ご一緒出来そうならば如何かな
折角の機会だ
大勢で食べる方が、きっと美味しい

摘みたての苺を、まずはそのまま
甘酸っぱく広がる風味と旬の甘さに
キトリと顔を見合わせたりもして
おい、おいしい、おいしい…!
はわはわしてしまう

ここにな、
練乳を合わせてしまったら…どうなると思う…?
――そう、罪だな わかるとも
でもおれはこの罪を犯さねばならん

摘んだ苺に練乳をちょっぴり垂らして、ぱくり
――あっ、あっ、だめだ
おいしすぎる…これは…いけない…
呟きながらも、指先はもう一個目に伸びている



 一面に連なる迷宮イチゴ。一面に漂う甘い香り。
 ――そう、おれは。
「いちごを。食べに、きた。のだ」
 斎部・花虎はきあいをいれている。
 無表情だが、その表情からはとても力強いオーラ的なものを感じさせる。
「というわけで、キトリ。一緒に苺を食べよう」
「ええ、食べましょう」
 あまりにも真剣な花虎につられたのか、キトリもきりりと表情を引き締めて。
 ――いざ、迷宮イチゴの花園へ。

「ねえ花虎、この子とかこの子とか、美味しそうよ!」
 鮮やかな赤い色に染まった、つやつやの迷宮イチゴ。
 摘みたてのイチゴを、まずはそのまま――ぱくり。
「……!」
「……!」
 口の中に甘酸っぱく広がる風味と旬の甘さに、二人は顔を見合わせこくこくと頷いて。
「おい、おいしい、おいしい……!」
「こっ、これ以上ほっぺたが落ちちゃったらどうしましょう……!」
 その美味しさといったら、思わずはわわ……と溢れてしまうほど。
 そして唐突に、花虎は先程よりも真剣な眼差しでキトリを見た。
「なあ、キトリ。ここにな、練乳を合わせてしまったら……どうなると思う……?」
 ――ごくり。
「それは――、それはいけないわ、花虎。とてもつみぶかい味に違いないわ……っ!」
「――そう、罪だな、わかるとも。だが、キトリよ。……おれは、敢えて自らの手でこの罪を犯さねばならん」
「罪だとわかっていても……手を伸ばさずにはいられないのね……」
 それなら止めないとばかりにキトリが(そわそわと)見守る中、花虎は摘んだイチゴに練乳をちょっぴり垂らして、ぱくり。
「……!」
「……!」
 二人の周りにいくつもの花がぱあっと咲いたように見えたのは、きっと気のせいではない。
「――あっ、あっ、だめだ。おいしすぎる……これは……いけない……キトリも食べよう」
 そう呟く間にも、花虎の手は新たなイチゴに伸びていて。
「花虎……だめよそんな……っ、――いただくわ……!」
 ゆうわくにまけてしまったような顔をしながら、キトリもイチゴと練乳に手を伸ばす。
 ――今だからこそ楽しめる、背徳の味。
 心ゆくまでさあ召し上がれ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
いちご狩りじゃー!せーちゃん、ほらいちごじゃ!
あ、おったおった。キートリー、一緒につむぞい!
沢山摘んで、後で食べよ。いやもちろん、ていすてぃんぐもするんじゃけど。

おお、このへんなぞ、粒も揃って居るし大きい。
ぷちっと、このへんでこう上手に摘むんじゃよ。
しかし良いイチゴじゃ……まずは味見をせねば。
キトリ、どれがよいかの?
よくよく育ったものを選んで、ひとつ口へ。
……んまい。なんぞこれ、うまい!
せーちゃんもひとつ食べてみるとよいんじゃよ!

はー、これで何作ろうかの。
そのままでも美味しいんじゃが……
いちご……いちごショートケーキ……
おお、良いの!一緒に作ろか。
キトリも手伝っておくれ。味見と、最後のデコをな


筧・清史郎
らんらん(f05366)と
キトリも一緒に

いちご詰みか、初めての経験だ
キトリ、らんらん、詰むコツなどあればご教授願いたい
……ふむ、そのように詰むのか(二人に倣いそっと丁寧に詰んでみる)
これなど真っ赤に熟していて美味しそうだ

確かに、その辺のいちごは粒揃いだな
味見か、どれ……(熟れたいちご選んで)
いちごは先端の方が糖度が高いと聞いた
なので、ヘタの方から食してみようか(ヘタ取り雅に口へ)
おお……これは美味だな

確かに、そのままでも十分美味しそうだが
ショートケーキか、良いな(甘党)
俺も料理は多少嗜みがあり好きだ
らんらんと作業を手分けしようか
キトリも一緒に、ふわふわで甘いケーキを作ろう(たすきがけしつつ)



「いちご狩りじゃー! せーちゃん、ほらいちごじゃ!」
 終夜・嵐吾はふさふさの尻尾を機嫌良く揺らしそうな勢いで、迷宮イチゴで彩られた空間を物珍しげに見回す筧・清史郎を振り返る。
「凄いな、いちごとはこのように生るのか……」
 真っ赤に熟したつやつやなイチゴを前に、清史郎の瞳は心なしかきらきらと。そうこうしているうちにふと顔を上げた嵐吾が、星の尾を引きながらこちらへと飛んでくる小さな影を捉えていた。
「あ、おったおった。キートリー、一緒につむぞい!」
「嵐吾ー、清史郎ー! お待たせー! ちゃんと入れ物も持ってきたわよー!」
 キトリが持参した壺の中身はフェアリーランド。きちんと整頓されているらしい空間に、お持ち帰り用の瓶やら籠やらが入っているらしい。……ついでに練乳も。
「うむ、沢山摘んで、後で食べよ。いやもちろん、ていすてぃんぐもするんじゃけど」
「いちご詰みか、初めての経験だ。キトリ、らんらん、詰むコツなどあればご教授願いたい」
「コツって言っても、あれよね、赤くて美味しそうなのを……こう、きゅっと、」
「そう、ぷちっと、蔓をこう挟んでな、こうくるっと上手に摘むんじゃよ。このへんなぞ、粒も揃って居るし大きい。どれも甘かろ」
「……ふむ、そのように詰むのか。確かに、その辺のいちごは粒揃いだな。これなど真っ赤に熟していて美味しそうだ」
 キトリと嵐吾の感覚的な説明に頷きながら、清史郎は教えられた通りに指先で蔓を挟んでくるっと丁寧にイチゴを摘んでみる。
「どうだ?」
「初めてにしては上出来じゃの、せーちゃん」
「ああ、何となくわかった気がする。二人共、ありがとう」
「しかし良いイチゴじゃ……まずは味見をせねば。キトリ、どれがよいかの?」
「あたしはその大きいのー……だとすぐお腹いっぱいになっちゃうから、小さめのやつにするわ!」
 そうしてよく熟した一粒を選び、嵐吾とキトリは早速味見を。噛み締めた瞬間に口の中に広がる甘酸っぱさに、思わずふるりと。
「……んまい。なんぞこれ、うまい! せーちゃんもひとつ食べてみるとよいんじゃよ!」
「味見か、どれ……いちごは先端の方が糖度が高いと聞いた。なので、ヘタの方から食してみようか」
 清史郎もまた、熟れた一粒を選ぶと、丁寧にヘタを取り、雅に口へ。
「おお……これは美味だな」
(「せーちゃんは相変わらず雅じゃの……」)
(「よくわからないけど、あれが雅っていうのね……」)
 食べ方一つとっても雅な清史郎の所作に、嵐吾とキトリは思わず心の中でそう呟かずにはいられなかった。
 ――やがて、カゴいっぱいに迷宮イチゴを収穫した三人はというと。
「はー、これで何作ろうかの。そのままでも美味しいんじゃが……」
「確かに、そのままでも十分美味しそうだが、ショートケーキか、良いな」
 甘党な清史郎の提案に、嵐吾がカッと閃いたよう。
「いちご……いちごショートケーキ……おお、良いの! 一緒に作ろか」
「ああ、俺も料理は多少嗜みがあり好きだ。らんらんと作業を手分けしようか」
 自分もなにか手伝えないかとそわそわ二人の周りを飛んでいるキトリに、二人の(一方は雅な)笑みが向けられる。
「キトリも手伝っておくれ。味見と、最後のデコをな」
「そうだ、キトリも一緒に、ふわふわで甘いケーキを作ろう」

 ――甘いお話の続きは、調理室の片隅で。
 それはもう見事な襷掛け姿の清史郎にまた嵐吾とキトリが(「雅……」)と心の中で呟くのは、また別の話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スノウ・パタタ
【SPD】ちょうりしつを借りてもいいですか?
作りたいものはちょっと時間かかっちゃうのだけど、切って少し乾かして、持って帰りたいのー!
うすーくスライスして、水気を吸う紙で押花フルーツを作ります。
ドライすると長く保存できるから、かわいいイチゴのしおりとかアクセサリーにしたいのよー。
しおりにしたら手帳に挟んで持ち歩けるの、えへへ。少し香っるのがいいにおいなのよー。

乾くのを待ってるあいだ、カゴが足りなかったり人手が必要な人がいたらお手伝い出来ないかなーって見て回るのよ、いつかわたしもおいしい、がわかるかなあ。

(アドリブ歓迎)



「ちょうりしつを借りてもいいですか? 作りたいものはちょっと時間かかっちゃうのだけど、切って少し乾かして、持って帰りたいのー!」
 ――“転校生さん”の頼みとあれば、誰もが二つ返事で頷くだろう。
 そんなこんなで迷宮イチゴ狩りが始まってからしばらく経った頃、調理室の一角にスノウ・パタタの姿があった。
 スノウはふんふんと鼻歌交じりに体を揺らしながら、収穫した迷宮イチゴをうすーくスライスしていく。
 スライスされたイチゴは水気を吸う紙の上に一枚一枚丁寧に並べて、押し花のように上から重い辞書で押してぎゅっと固定。
 そう、スノウが作ろうとしているのは、押し花のように薄い、いわゆる押しフルーツのイチゴだ。
 乾くのを待つ間に周りを見れば、どこも甘いイチゴの香りを漂わせていて。
 そして幸いにも、お手伝いの手は間に合っているようだった。
(「……いつかわたしもおいしい、がわかるかなあ」)
 スノウは手元の、自分の作業に集中する。
 紙が湿ってきたら新しい物と取り替えて、イチゴを丁寧に並べ、また重い辞書でぎゅっと固定――何度かそれを繰り返した後に、ようやく出来上がる、押しイチゴ。
「んん、かんぺき」
 イチゴはどれも真っ直ぐに、すっかりからからに乾いていて。これなら大丈夫だろう、とスノウはイチゴを用意していた袋に入れる。
 ドライイチゴにすれば、その分長く保存ができる。可愛いイチゴの栞やアクセサリーを作るのも、悪くないだろう。
 栞にすれば、手帳に挟んで持ち歩くことも出来る。そう思えば、スノウは嬉しそうに頬を染め。
「栞から少し苺が香るの。いいにおいなのよー」

大成功 🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
🌸リル(f10762)
アドリブ等歓迎

さぁリル!苺、たくさん食べるわよ!
可愛いあなたのオネダリならなんでも聞いてあげちゃう
ええ、作りましょう
美味しい苺のお菓子!

リルは初めてかしら?
なら苺のムースの方が作りやすいかも
手を切らないようにね、リル
たどたどしく苺を刻む手つきが心配ながらも愛おしい
細かい砂糖菓子のユキウサギウミウシを作りながら目が合えば――ああ本当に可愛いらしい人魚だこと

よくできたわね!上手よ
嬉しそうな顔を見ればあたしも嬉しくて
え、あたしにくれるの?
ありがとう
あたしのはあなたに
ウミウシ付きよ
抱っこさせてあげられなかったから

苺を1粒、リルの唇に当てて
それからパクり
ストロベリーキス、なんてね


リル・ルリ
■櫻宵(f02768)
✼アドリブ等歓迎

「櫻宵!苺がたくさんだ。どれも美味しそう」
沢山つんでお菓子作りが得意な櫻宵に苺のお菓子の作り方を教えてもらう
そしたら湖でも食べれる

「こう?櫻宵」
いちごのむーす、を作る
美味しそう
言われた通りにたどたどしく苺を切って
ふと櫻宵を見上げれば真剣な顔
思わず見蕩れてしまい
目が合えば顔が熱い

けれど――幸せ

「上手くできたかな」
褒められれば嬉しくて
「これは君に」
初めて作ったむーすは櫻宵に食べて欲しい
櫻宵のはやっぱり綺麗で上手
櫻宵が作ってくれた砂糖菓子のユキウサギウミウシも可愛い

悪戯な微笑みと
ふと唇に押し付けられた苺
それを彼が食べて――

ああもう、本当に
僕が苺になってしまいそう



「櫻宵! 苺がたくさんだ。どれも美味しそう」
「さぁリル! 苺、たくさん食べるわよ!」
 迷宮で摘んできたたっぷりのイチゴを前に、リル・ルリはあまり動くことのない表情からも伝わるくらい、きらきらと楽しげにはしゃいでいる様子。
 一方、誘名・櫻宵は気合十分。他の誰でもないリルと迷宮イチゴを楽しむこのひとときのために、災魔退治を全力で頑張ったのだから。
「可愛いあなたのオネダリならなんでも聞いてあげちゃう。さあ、リルはどうしたいかしら?」
「それなら……僕は、お菓子作りが得意な櫻宵に、苺のお菓子の作り方を教えてもらいたい」
 そうすれば、塒の湖でもイチゴを楽しめるから。そんなリルのささやかなお願いに、櫻宵は勿論、とにっこり笑って。
「ええ、まっかせて! たくさん作りましょう! 美味しい苺のお菓子!」

「リルは初めてかしら? なら苺のムースが作りやすいかも」
 手を切らないようにねと念押しつつも、たどたどしく苺を刻むリルの手つきが心配ながらも愛おしく。
「こう? 櫻宵」
「そう、ゆっくりとね、包丁は基本、手前に引くように動かしていくのよ」
 リルに丁寧にアドバイスをしながら、櫻宵が拵えるのは細かい砂糖菓子のユキウサギウミウシ。
 それは先程戦った彼らとうり二つなほどにそっくりで――ふと視線を感じて振り向けば、重なる瞳に瞬く。
「ああ――本当に可愛いらしい人魚だこと」
「だっ、だって、そんな真剣な顔でお菓子を作ってる、初めて見た……っ」
 見惚れて、我に返ったリルの頬が熱くなる。けれど――幸せだ。

 ――やがて。
「上手くできたかな」
「勿論! よくできたわね! 上手よ」
 リルは褒められて嬉しく、その嬉しそうな顔に櫻宵もまた、嬉しくて。
「これは櫻宵、君に」
「え、あたしにくれるの? ありがとう」
 リルが差し出すのは彼が自分の手で初めて作ったムースだ。
 教えてもらって初めて完成させられたものだから、やはり教えてくれた彼に食べてほしい、と。
 櫻宵が作ったものはやはりとても綺麗で上手で、そっと寄り添っている砂糖菓子のユキウサギウミウシもとても可愛く出来ていた。
「じゃあ、あたしのはあなたに。ウミウシ付きよ」
 抱っこさせてあげられなかったからね、と悪戯っぽく添えてから、櫻宵は徐に取り出したイチゴを一粒リルの唇に当てて、それからぱくり、と。
「……!?」
「ストロベリーキス、なんてね」
 途端に染まる、リルの頬。
「ああもう、本当に」
 僕が苺になってしまいそう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

浮世・綾華
【軒玉】
お疲れ
やっとごほーびタイムだな

二人のもあるから控えめに
刻んだ苺を練り込んだ小さめパンケーキを
片側には薄切り苺を花の形のように飾って
片側には苺ほいっぷにチョコレートの網
まるごと苺をひとつ乗せて完成
(ただただ几帳面に作られている)

おおお…(そっくり…)(じ、とみつめ)
ふふ、うん、そっくりだ
彼女の言葉にこくこく頷き、笑う
――ありがとな、オズ
それでも本当に嬉しそうに

ふは、ゆきいちごタワー
ヴァーリャちゃんらしくてかわいー
雪だるまもいるじゃん、すご
しかも美味い
一生懸命さが伝わる感じに少し感動すらして

そーかもネ
よっし、二人の愛情もっと頂きー!

迷宮いちごの甘酸っぱさと
二人の優しさに心もお腹もいっぱいに


オズ・ケストナー
【軒玉】

いちごのパンケーキづくり
おかしつくるのはじめて
わくわく
わたしは3枚焼くよ

よーし
苺で目を
チョコペンで口
チョコソースで髪
クッキーの髪飾り

こっちはブルーベリーの目
苺の口
生クリームで髪
アラザンで飾り付けて

周りに苺をいっぱい

でーきた
アヤカとヴァーリャのパンケーキっ

ヴァーリャのいっぱい重なってる、すごい
雪の上に雪だるまがのってるんだね
ヴァーリャがとくいな氷のせかいだ
ふふ、かわいい

アヤカの、お花が乗ってるよっ
いちご?
いちごで作ったの?
すごい、きれいっ

ふたりのを崩すのもったいないけど
たべちゃうっ
わ、アヤカの、中にもいちごが入ってるの?
おいしい

ふたりに喜んでもらえたらうれしくて
おいしくて
にこにこしあわせ


ヴァーリャ・スネシュコヴァ
【軒玉】

パンケーキとはナイスアイデアだ!

いっぱい焼いて重ねて、パンケーキタワーを綾華とオズに振る舞うのだ

ううむ…綺麗に焼くのは難しいな…
形が崩れたり、ちょっと焦げてしまったり

飾り付けで挽回だ!
雪のような、ふわふわの生クリーム。そこにたくさんのイチゴ
雪の形のホワイトチョコや、雪だるまのクッキーも
特製、雪のイチゴパンケーキタワーだ!

オズ、それは綾華と俺か? 
そっくりだし可愛い…! オズは本当に器用で尊敬するのだ
綾華は職人か!? 花畑みたい…綺麗なのに美味そう…
どれも勿体無くて食べられない…だが食べる!

どれも甘くて美味くて…心があったかほわほわする
きっと心が篭ってるのが、一番のスパイスなのだろうな!



 ――戦い終えて、待ちに待ったご褒美タイム。
 調理室の一角には、揃えられたパンケーキの材料と器具がずらりと並んでいる。
 ふと向こうへ目をやれば、見覚えのある姿がちらほらと確認できたりもして。
「パンケーキとはナイスアイデアだな!」
 いっぱい焼いて重ねて、パンケーキタワーを二人に振る舞うのだとヴァーリャ・スネシュコヴァはファイトを燃やし。
「おかしつくるのはじめてだから、わくわくするな。わたしは3枚焼くよ」
 ヴァーリャはすごいなあ、なんて楽しげに隣へ笑顔を向けながら、オズ・ケストナーもがんばる、と気合いを入れる。
「うーし、作っか」
 浮世・綾華はそう言って、早速とばかりにパンケーキを焼き始める。
 二人が作るパンケーキも皆で食べることを考えて、綾華は少々控えめに。
 刻んだイチゴを生地に練り込んだ小さめのパンケーキを三人分。
 片側には薄切りのイチゴを花の形のように飾り、片側にはイチゴホイップにチョコレートの網を掛けて、さらにイチゴをまるごとひとつ乗せて――完成。
 綾華の持ち前の几帳面さゆえか、ひたすら丁寧に繊細に――いわゆるフォトジェニックなパンケーキが作り上げられてゆく傍らで、オズは焼き上げた三枚のパンケーキそれぞれに、“顔”を描いていく。
 イチゴで目を、チョコペンで口を描き、チョコソースで髪型を整えたら、クッキーの髪飾りを添えて。
 もう一枚のパンケーキには、ブルーベリーの瞳を二つ、イチゴで笑顔の口を作り、生クリームたっぷりのふわふわの髪に、アラザンを雪のように散らし飾って、更に周りにイチゴをいっぱい並べて――出来上がり。
「でーきた。アヤカとヴァーリャのパンケーキっ。……ヴァーリャ、だいじょうぶっ?」
「ううむ……綺麗に焼くのは難しいな……」
 ヴァーリャはちょっぴり渋い顔で、形が崩れたり、ちょっと焦げてしまったりしているパンケーキの山を見つめていた――が。
「よし、ここは飾り付けで挽回だ!」
 雪のような、ふわふわの生クリームに、たくさんのイチゴ。
 雪の形のホワイトチョコや、雪だるまのクッキーも一緒に見上げる中、積み上げられたパンケーキタワーには上から粉砂糖が雪のように散らされて。
「――特製、雪のイチゴパンケーキタワーだ!」
「ふは、ゆきいちごタワー。ヴァーリャちゃんらしくてかわいー。……雪だるまもいるじゃん、すご」
 ヴァーリャの一生懸命さまでもが伝わってくるようで、綾華は少し感動したりもして。
「うん、ヴァーリャのいっぱい重なってる、すごい。雪の上に雪だるまがのってるんだね。ヴァーリャがとくいな氷のせかいだ」
 ふふ、かわいい、と、オズもふわりと笑みを綻ばせる。
「わたしも、アヤカとヴァーリャのパンケーキ、つくったよっ」
 綾華とヴァーリャの前にすっと差し出される、オズお手製のパンケーキに、二人の視線は釘付けに。
「おおお……」
「オズ、それは綾華と俺か?」
「うん、そうだよっ。ちゃんとにてるかなあ」
 オズが作った、二人の顔のパンケーキ。そっくりだ、と綾華がじっと見つめる横で、ヴァーリャも顔を輝かせ。
「ふふ、うん、そっくりだ。――ありがとな、オズ」
「そっくりだし可愛い……! オズは本当に器用で尊敬するのだ」
 本当に嬉しそうに笑う綾華も、自分が作ったパンケーキを二人へと。
「アヤカの、お花が乗ってるよっ。いちご? いちごで作ったの? すごい、きれいっ」
「綾華は職人か!? 花畑みたい……綺麗なのに美味そうだ……」
 今度はオズと、そしてヴァーリャはますます顔を輝かせ、
「どれも勿体無くて食べられない……だが食べる!」
 躊躇いながらも決意したヴァーリャに、オズもうんうんと頷いた。
「ふたりのを崩すのもったいないけど、たべちゃうっ。……わ、アヤカの、中にもいちごが入ってるの? おいしい」
 ――ふたりに喜んでもらえたらうれしくて。二人が作ってくれたのもおいしくて、オズはにこにこと幸せな気持ちがいっぱいで。
「どれも甘くて美味くて……心があったかほわほわする。――きっと心が篭ってるのが、一番のスパイスなのだろうな!」
 ヴァーリャの言葉に綾華は笑って、自分もナイフとフォークを手に取った。
「そーかもネ。よっし、二人の愛情もっと頂きー!
 迷宮イチゴの甘酸っぱさと、二人の優しさに。
 心もお腹も満たされながら、また一つ、想い出の一頁を彩ってゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミュウシャ・シャラノワ
ニケ(f02710)と一緒

お待ちかねのご褒美タイム
摘みたての迷宮苺を使ってスイーツ作りに挑戦
ニケが不安そうだけれど、大丈夫。ボクがいるよ
楽しく一緒にジャムやタルトを作ろう、ね?

ニケ、君には重大な仕事を任せたいのだけれど…
焦げないように、鍋の中のジャムをゆっくり混ぜ続けるんだ
お願いしてもいいかい?

そう、上手。ニケは出来る子だね
少し疲れただろう?少し苺を残しておいたんだ
ほら、ニケも食べてごらん
君の笑顔を見てると幸せな気持ちになるよ

冷まして作ったジャムを瓶に詰めて
ラッピングは任せてもいいかい?
皆へのお土産、幸せのお裾分けだ
その前に、休憩がてらに2人でお茶会でも開こうか
お誘い、受けてもらえるかい?


ニケ・セアリチオ
ミュウシャさん(f00770)とご一緒に!

まぁ、まぁ!
どれもとってもいい香り
きっと美味しいお菓子ができますね!

家庭科室をお借りして
初めて見る、たくさんの器具に目を白黒させながら
ええと、これってどう使うのかしら……?
お菓子作りはまだあまり経験がなくて
でも、でも
器用なミュウシャさんもいらっしゃるもの
きっと大丈夫ね!

真摯な声音に応えるように
私も真剣に取り組みます
ええ、ええ、しかとお任せを!

ゆっくり、ゆっくりと意識して
慣れない作業ですから
ちょっぴり緊張で疲れそう
一息のお誘いには喜んで
甘酸っぱさに、思わず綻んでしまいます!

皆さんへのお土産、喜んでもらえるかしら?
まぁ、お茶会ですか?
それはもう、喜んで!



 摘みたての迷宮イチゴを使って、お待ちかねのご褒美タイム。
 ――だったのだが。
「ええと、これってどう使うのかしら……?」
 調理室の一角で、初めて見るたくさんの器具を前にニケ・セアリチオは目を白黒と。
「……ふふ、不安かい?」
 ミュウシャ・シャラノワの問う声に、ニケは視線をぎこちなく彷徨わせながらも小さく頷いて。
「お菓子作りは、その……まだあまり経験がなくて」
「大丈夫、ボクがいるよ。楽しく一緒にジャムやタルトを作ろう、ね?」
 ミュウシャが優しく告げれば、ニケの表情に安堵の色が宿る。
「そう、そうですね、器用なミュウシャさんもいらっしゃるもの。きっと大丈夫ね!」

 摘んだイチゴのヘタを取り、砂糖と一緒に鍋に敷き詰めて火にかける。
 木べらで優しく混ぜ合わせながら煮詰めてゆけば、濃縮された甘い香りが鼻腔をくすぐるのを感じて。
「まぁ、まぁ! どれもとってもいい香り。きっと美味しいジャムができますね!」
 そこで、ふとミュウシャは顔を上げてニケを見た。
「ニケ、君には重大な仕事を任せたいのだけれど……」
「はい、ミュウシャさん……!」
 真摯な声音と眼差しに、ニケは思わず小さく息を呑む。
「焦げないように、鍋の中のジャムをゆっくり混ぜ続けるんだ。……お願いしてもいいかい?」
「ええ、ええ、しかとお任せを!」
 ふつふつと泡立つ鍋の中身を、ゆっくり、ゆっくりと意識しながら、ニケは木べらでかき混ぜる。
 そうして慣れない作業と緊張で少しの疲労感を覚えた頃。別の作業が一段落したらしいミュウシャが、声を掛けてきた。
「上手だ。ニケは出来る子だね。……疲れただろう? 少し、苺を残しておいたんだ」
 食べてごらん、と勧められるままに、イチゴを一粒。まぁ、とその甘酸っぱさに思わず笑みが綻んだなら、ミュウシャも釣られるように笑って。
「君の笑顔を見てると、幸せな気持ちになるよ」

「皆へのお土産、幸せのお裾分けだ」
 やがて無事に出来上がったジャムは、冷まして瓶に。綺麗にラッピングをする――その前に。
「……折角だから、休憩がてらお茶会でも開こうか。――お誘い、受けてもらえるかい?」
「ええ、ええ、それはもう、喜んで!」
 悪戯っぽく笑んで誘いをかけるミュウシャに、ニケは淑女のようにスカートの裾を摘んで一礼を。
 ――春色のイチゴとあたたかな紅茶を傍らに。互いの顔に、交わす言葉に、いくつもの淡い花が咲く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユニ・エクスマキナ
メーリちゃん(f01264)と

わぁぁ、あっち見てもイチゴ!こっち見てもイチゴ!
すごい、どこ見てもイチゴだよ、メーリちゃん!
え?ユニ?(イチゴ摘み上げて見つめ
ユニがイチゴ食べたら、共食い…?

まぁいいや!
美味しそうな匂いに負けてパクリ!
あまーい!幸せなのねー!
練乳不要な甘いイチゴにメロメロ

わぁい、ありがとう!
ユニもこの真っ赤なイチゴ、メーリちゃんにあげる!
交換こしよ♪

イチゴもぐもぐ
お土産用の籠にもいっぱいのイチゴ
コンポート?わぁぁ、いいなぁすっごく美味しそうなのね!
パンケーキと一緒に食べたら絶対に美味しい!
ねぇ、アイスもつけちゃおうよ!

お誘いにはもちろん!と笑顔
お約束といえばコレもね(小指差し出し


メーリ・フルメヴァーラ
ユニ(f04544)と

迷宮イチゴ!ずっと気になってたの!
鈴なりに生るイチゴの赤に目を輝かせて
視線をうろちょろ動かしちゃう
イチゴって可愛いし赤いしユニみたい!

って言ったら心情的に食べれなくなっちゃう…!?(はたと)
ううん、美味しく食べるって決めてたの
春って感じの甘酸っぱい匂いに頬綻ばせ
まずは一粒頂きます

甘い!美味しい!すごーい!!
思わずめろめろになっちゃうよ
練乳つけてもいいけどなくてもいいかも
大きいの見っけ、ユニにあげるね!

籠にもいっぱいイチゴを摘んで
あとでイチゴのコンポートを作ろうと思うの
パンケーキに添えてもきっとしあわせ
ねえ作ったら一緒に食べてくれる?
いつだって新しい約束が欲しくなるんだよ



 アルダワ魔法学園の生徒としても、ずっと気になっていた迷宮イチゴが――今、メーリ・フルメヴァーラの目の前に在る。
「わあ、すごーい! イチゴだー!」
「あっち見てもイチゴ! こっち見てもイチゴ! すごい、どこ見てもイチゴだよ、メーリちゃん!」
 ユニ・エクスマキナはイチゴのような薔薇色の瞳を輝かせ、メーリもまた、澄んだ空色の瞳をきらきらと。
 鈴なりに生るイチゴの赤はそれだけでもう二人のハートを掴むには十分で。視線をあちらこちらへ動かしていたメーリが、ふと瞬いた。
「イチゴって可愛いし赤いし、なんだかユニみたい! ……って言ったら心情的に食べれなくなっちゃう……!?」
 はたとメーリが気づいた時には、既にほんの少しだけ遅かった。
「え? ユニ? ユニがイチゴ食べたら、共食い……?」
 メーリの言葉に、ユニは摘み上げたイチゴをじっと見つめて思案顔――も、長くは続かず。
「まぁいいや!」
 美味しそうな匂いに負けて、ぱくり! イチゴを食べたユニの顔には、見る間に幸せの色が満ちていく。
「あまーい! 幸せなのねー!」
 練乳もいらないほどに甘いイチゴに、ユニはすっかりメロメロで。それを見たメーリもまさしく春を思わせる甘酸っぱい匂いに頬を綻ばせ、まずは一粒――いただきます!
「――! 甘い! 美味しい! すごーい!!」
 すると、メーリもすぐにメロメロになって、次のイチゴへと手が伸びる。
「練乳つけてもいいけど、なくてもいいかもね。あっ、大きいの見っけ、ユニにあげるね!」
「わぁい、ありがとう! ユニもこの真っ赤なイチゴ、メーリちゃんにあげる! 交換こしよ♪」
 そうしてイチゴを交換したら、幸せも笑顔も一緒に交換こ。

 新鮮な迷宮イチゴを味わいながら、メーリはお土産用の籠にもいっぱい摘んで。
「あとでね、イチゴのコンポートを作ろうと思うの。パンケーキに添えてもきっとしあわせだよ!」
「コンポート? わぁぁ、いいなぁ、すっごく美味しそうなのね! パンケーキと一緒に食べたら絶対に美味しい! ……ねぇ、アイスもつけちゃおうよ!」
 いたずらを思いついた子供のように無邪気な笑みを覗かせるユニに、名案! とメーリも満面の笑み。
「ねえ、作ったら一緒に食べてくれる?」
「うん? もちろん! ……メーリちゃん、どうしたの?」
 ふと、いつも明るく笑顔の少女の笑みが、寂しげに揺らいだように見えたから。目をぱちぱちと瞬かせて問うユニに、メーリは力なく笑ってから、あのね、と、内緒話のように囁いた。
「いつだって、ね、……新しい約束が欲しくなるの」
「じゃあ、いつだってユニはメーリちゃんと新しい約束をするのよ! お約束といえば、コレもね」
 そう言って、ユニは小指を差し出した。瞬いたメーリは、くしゃりと笑って――ユニの小指に、自分の小指をそっと絡める。
「……うん、約束っ」
 一つ、約束を叶えたら。もう一つ、新しい約束を紡いで。
 そうして重ねてゆく時間の全てが、かけがえのない、愛おしいものになる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月14日


挿絵イラスト