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竜へと導く爆走トロッコ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●迷宮に張り巡らされたレール
 アルダワ魔法学園。
 所属する学生達は皆、地下迷宮へと封じ込められた災魔と呼ばれるオブリビオンの討伐に日々当たっている。
 この世界を訪れる猟兵達もまた転校生として来訪し、災魔の討伐の為に尽力することになる。

 最下層に現れた大魔王の影響で、常に変わり続ける地下迷宮。
 いつしか、見渡す限りレールの敷かれた空間が出現していた。
 左右に蛇行し、上下にうねり、あちらこちらへとレールが入り組み、交差する。
 これも、蒸気機械と魔法が作り上げた遺物なのだろう。
 その上を、いくつかの魔導トロッコが爆走している。
「ひゃっほーー!!」
 中には、ものすごい速さで疾走するこのトロッコに乗って遊ぶ学生の姿も見受けられる。
 このトロッコは別所への移動手段。
 その行き先には、災魔が待ち受けているようだ。
 オブリビオンがいるのであれば、討伐したいところ。
 果たして、その先に待ち受けている敵とは……。

●爆走トロッコに乗って
 グリモアベースにて。
 依頼を求めて情報収集する猟兵達へと、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が呼びかける。
「戦争お疲れ様。一つの世界を救えたことは、とても喜ばしいことね」
 しかしながら、こうしている間にも、他の世界では新たなオブリビオンが次々と生み出されている。
 本当の意味で、猟兵達がのんびりできるのはまだまだ先になりそうだ。
「それで、アルダウ魔法学園でのオブリビオン退治をお願いしたいのよ」
 彼女が予知したのは、暴走トロッコの先にいるドラゴンの姿。
 そいつは『慈悲なき』ニドアーズと呼ばれている災魔だ。
 直接、その討伐に向かいたいところだが……。
 乗るべきトロッコとその場所は分かるものの、複雑に絡み合うレールと、その上を行くトロッコの速さもあって、どこに向かうべきかが予知では分かりづらい状況なのだという。
「……本当にごめんなさい」
 このことを、セレインはまず謝罪して。
「でも、そのトロッコに乗りさえすれば、竜の元まで導いてくれるはずよ」
 とはいえ、状況はそう簡単にはいかない。

 まず、その爆走トロッコにどうやって乗るのか考える必要がある。
 基本的にはホームとなる場所から、目的のトロッコへ乗り込むことになるだろう。
 多人数が乗ることのできる程度には十分な大きさはあるが、停止しないので強引に乗り込まねばならない。
「乗りさえすれば、ポイントを切り替えて進むべき道へと一直線のはずよ」
 ただ、水平に走る通路までやってくると、その両サイドに並ぶ無数の石の巨竜像が自らの石化を解いて動き出す。
 それらはいわば通路の番人であり、トロッコの破壊、そしてそれに乗る者の命を奪おうと襲い掛かってくる。
 様々な竜に変身できるこの像は、数もあって面倒な相手となるだろうが、なんとかトロッコを破壊されぬようやり過ごしたい。
「通路の先に待ち構えているのは、『慈悲なき』ニドアーズという名のドラゴンよ」
 そいつはかつて使役した竜人のような姿をした下僕を引き連れ、自らの王国を築きつつ地上への侵攻の機を窺っている。
 さほど戦力が整っていない今のうちに二ドアーズを叩き、骸の海へと追い返してしまいたい。

「大変かもしれないけれど……、トロッコはなんだか楽しそうね」
 状況が許すなら私も乗りたかったなと呟きつつ、セレインは猟兵達を現地へと送り出すのである。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。

 いつの間にか、アルダウ魔法学園の地下迷宮の一角に張り巡らされていたレール。
 そこを爆走するトロッコに飛び乗り、先に待ち構えるドラゴンの討伐を願います。

 こちらのシナリオでは、
 第1章は、どうにかして爆走トロッコに飛び乗り、迷宮内を複雑に絡み合うレールを疾走して先を目指します。
 第2章は、レールが安定して水平な場所をトロッコが走る中、襲い来る石化状態の解除した巨竜像からトロッコが破壊されぬよう戦います。
 第3章は、トロッコの終着点に待ち受ける、『慈悲なき』ニドアーズの討伐を願います。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
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第1章 冒険 『爆走魔導トロッコ』

POW   :    気合でトロッコにしがみ付く

SPD   :    トロッコと並走し跳び移る

WIZ   :    走行ルートを割り出し待ちぶせる

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

日隠・オク
トロッコ……乗ってみたいです!
あの、その、乗ってみたいって思ってました。

WIZ
待ち伏せ作戦で。

トロッコの通るレールを見て、通りそうなレールの近くで待ち伏せして乗る作戦です。
少し高めに飛び折れそうなところで待つのがいいでしょうか。
最悪飛んで上から着地という手も……。

複雑に絡み合っているようですが、よく、見ます!
そして乗らせてください。

乗れたら早さに驚くと思いますが風を感じて楽しい気分になるかもしれません。
がんばります。


アンシェ・ローム
乗り物に乗って討伐~なんてドキドキワクワクですの!まさにわたくしが求めていた冒険!
さてチュー助、チュータ(操り人形)出番ですのよ。しっかりあれにくっつくのですわ!

…その前に、近くに大きめの木の板はないかしら?廃線になった枕木とか、壊れてバラバラバラになった樽とか…えっと一枚だけでいいんですの。
向かってくる目的の爆走トロッコに向けて一匹二匹三匹とネズミたちを飛ばし入れて、トロッコが通過したらさっき拾った板に乗って、トロッコに引っ張られて線路を走る・・・なんてやってみたーい!ですわ(犬ぞりみたいな感じ)その後は人形の糸を手繰り寄せて乗り込みましょ!


マルグリット・ブルターニュ
POW
まずは乗りさえすれば良いとの事ですが・・・

どの程度の爆走なのか見てみない事には何とも言い難くありますので、どこかのレールで張り込んで通過するトロッコの状況を見物させて頂きましょう。

通過してゆくトロッコを眺めながらその中で速度が変則的では無いものを見繕って飛び乗ってみる事にします。上手く乗る事が出来れば良いですが、猟兵としてまだまだ未熟者ゆえあまり自信がありませんね。

失敗してしまった場合はどなたかのお手を借りられるか周囲を見渡してみる事といたしましょう。


ラッセル・ベイ
ほう、トロッコか
昔はよく乗っていた物だが、最近は地下に行く事が減ったからな
うむ、偶には童心に帰るのも良いかもな

●行動(WIZ)
さて、どう乗るとしようか
待ち伏せるのが良いだろうが、どこに来るか分からない事にはな

ふむ……「ポイゼ」、飛び回ってトロッコの通り道を突き止めてくれ
私の「雷鐘ボルテック」を渡して置こう
通り道が分かったら先のホームで軽く鳴らしてくれれば良い。私なら聞こえるからな
その間、私はその間に武具の手入れ(武具改造)をしているぞ
……そう渋るな、後で欲しい物を買ってやるから

良し、トロッコの通り道が分かるまで「氷剣フロス」を氷結ポーションで強化しておこう


闇之雲・夜太狼
WIZ行動
アドリブ・絡み歓迎

うわぁ……猛スピードで走り回るトロッコだなんて……
そんなの、絶対楽しいに決まってるじゃないか!!
こんな面白そうなもの、見逃す手はないよね~♪

でもでも、強引にしがみつくのも、走って乗り込むのも疲れちゃうよね
だから俺は待ち伏せ作戦でいくよ
ホーム的な場所はあるみたいだし、そこでトロッコを待つとしようかな
CODE:BBをホームの線路上に吹いて、シャボン玉を待機させておくよ
ところでここ、ちゃんと「この線まで下がってくださいね」って線ある?危なくない?

うまくトロッコを捕まえたら、悠々と乗らせてもらおうじゃないか
乗り込んだあとは、なんか襲われるまでエンジョイだ!


シン・コーエン
ドラゴン退治も面白そうなので参加してみよう。

まずは爆走トロッコに乗らないとダメなのだが・・・。
ここはユーベルコード:サイコキネシスを使用。

トロッコが視界に入った時点でサイコキネシスでトロッコを掴んで、
自分の身体とトロッコを結び、且つ、トロッコが近づいてきた時に
【地形を利用】しつつトロッコに【騎乗】する。
乗りきれない時は【怪力】でトロッコにしがみ付き、サイコキネシス
と合わせてトロッコの中に乗り込む。

乗り込んだ後は同じ任務に就くメンバーに、「シン・コーエンという。
よろしく頼むよ。」にっこり笑って挨拶する。

シンの後に乗り込む人がいれば手を差し出して、相手の手を掴む
等して行動をサポートする。


シャルドール・プリマビスタ
広大に広がる空間にレール、まるで迷路の様ですね。
この先に待ち構えている敵へ行くのに、このトロッコは避けられないところですね。
ただ皆様の様子を伺うに、これは楽しいものなのでしょうか…?

・WIZ
トロッコは非常に高速で走行しています、無闇に飛び移るのは難しそうです。
私はユーベルコード「エレクトロレギオン」を使い機械兵器を召喚します。
機械兵器を分担し調査を行い、走行ルートの割り出しを手伝って貰いルートを確定。その地点で待ち伏せを行います。
「この地点ならば行けそうですね。」

●補足
表情など変化はありません。
キャラの口調は基本的に物静かなもの。
性格を大きく崩す事が無ければアドリブや他者への絡み等大丈夫です。


ミレニカ・ネセサリ
【WIZ】
わーお、ここからでもめっちゃ爆走している音が聞こえてきますわね
わたくし力は強くありませんし、ルートを計算して飛び乗り乗車と参りましょう

トロッコエンジョイしてらっしゃる生徒さんたちから、情報を得られませんかしら
お話するときは【礼儀作法】を忘れずに
お話を聞けたら【学習力】、それから【第六感】でルートを割り出しますわ

待ち時間はDainty Dahliaを握って【力溜め】
何事も無駄にできる時間なんてありませんもの
トロッコが来たら飛び乗り、溜めた力を使った【怪力】で落ちないように
ふっふっふ、来やがりましたわね……暴走トロッコなんて楽しそうと思ってましたのよ
……ぜぇりゃッ!(飛び乗り)

アドリブ可



●トロッコに心までものせて
 アルダウ魔法学園の地下迷宮。
 依頼を受けた猟兵達は、指定された場所へと向かうのだが……。
「わーお、ここからでもめっちゃ爆走している音が聞こえてきますわね」
 その音を耳にしていたのは、黒髪に緑のリボンを付けたミレナリィドールのミレニカ・ネセサリ(ひび割れドール・f02116)だけでない。
 この依頼に当たる皆が等しく、トロッコがレール上を走る軽やかな音を聞いていた。
 こちらもミレナリィドール、赤髪ゴシック服のシャルドール・プリマビスタ(empty doll・f05369)。
「広大に広がる空間にレール、まるで迷路の様ですね」
 黒い眼帯で視界を遮っているものの、シャルドールはこの空間の状況を正しく把握する。
 猟兵一行の目的は災魔討伐だが、その為にはこのトロッコに乗って向かう必要がある。
「ほう、トロッコか」
 金髪の髪と髭の長さから、20代にもかかわらず老人にも見える容姿のラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)は、子供の頃は地下でよくこの手のトロッコに乗っていたとのこと。
「うむ、偶には童心に帰るのも良いかもな」
「トロッコ……乗ってみたいです!」
 爆走するトロッコを直に見て、大きな垂れ耳と翼を持つ少女、日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)が目を輝かせる。
 その為にも頑張りたいと、オクは気合を入れていた。
「うわぁ……、猛スピードで走り回るトロッコだなんて……そんなの、絶対楽しいに決まってるじゃないか!!」
 紫がかった黒髪の人狼、闇之雲・夜太狼(クライウルフ・f07230)もまた、あちらこちらを駆け回るトロッコに乗りたくてうずうずしていた。
「こんな面白そうなもの、見逃す手はないよね~♪」
「乗り物に乗って討伐~なんて、ドキドキワクワクですの!」
 小柄な白いケットシーのアンシェ・ローム(うららかレディ・f06211)も、これぞ求めていた冒険と心躍らせる。
 トロッコが行きつく先には、災魔……『慈悲なき』ニドアーズなるドラゴンが自らの王国を築こうとしているらしい。
「ドラゴン退治も面白そうなので、参加してみよう」
 好奇心旺盛なスペースノイドの少年、シン・コーエン(灼閃の・f13886)はトロッコだけでなく、そのドラゴンがどんな相手なのか楽しみにしていたようだ。
 しかしながら、シャルドールはそんな仲間達の様子を見て。
「これは楽しいものなのでしょうか……?」
 視界のあちらこちらを走る木の枠組みをした物体。
 どれだけの魅力があるのか首を傾げつつも、彼女はそれに乗るべく動き出すのである。

●乗る為の下準備
 災魔の元を目指す猟兵達は、個々にトロッコに乗る為の手段を模索する。
「まずは、乗りさえすれば良いとの事ですが……」
 一見普通のメイドのマルグリット・ブルターニュ(メイドラゴニアン・f14691)は、間近でトロッコが駆け抜けるのを見た。
「中々の速さですね」
 全力で走れば人によっては追いつけるだろうが、かなりの身体能力が要求されそうだ。
「せめて、線まで下がってくださいねって印が欲しいね」
 このトロッコの状況に、危なさを感じる夜太狼である。
「さて、どう乗るとしようか」
 待ち伏せを考えるラッセルはお嬢様精霊の「ポイゼ」を呼び出し、『雷鐘ボルテック』を渡す。
「飛び回って、トロッコの通り道を突き止めてくれ」
 通り道がわかったら、先のホームで軽く鳴らしてくれればラッセルは気づくとのこと。
 なお、彼はその間、武器の手入れを行うそうで、『氷剣フロス』に氷結ポーションで強化を施すつもりらしい。
「……そう渋るな。後で欲しい物を買ってやるから」 
 不承不承といった態度で、ポイゼは主のラッセルが言うようにトロッコの経路の確認に当たっていたようだ。

 トロッコやレールの調査に当たる猟兵は多い。
 例えば、マルグリットなどは、じっとトロッコの状況をじっと見物していた。
 少し離れた場所で、シャルドールが小さく首を横に振って。
「トロッコは非常に高速で走行しています。無闇に飛び移るのは難しそうです」
 走行ルートを割り出すにあたり、シャルドールはユーベルコード「エレクトロレギオン」で80体ほどの機械兵器を呼び出す。
 シャルドールは分担してこの場のトロッコ、レールの調査を機械兵器達に行わせていく。
 そんな中、オクは自らの翼を羽ばたかせる。
 宙を飛べるというのは、こういった中では非常に有益だ。
 ある程度見ていた彼女は乗るべきトロッコを捉え、待ち伏せして飛び乗ろうと翼を羽ばたかせる。
 ミレニカは力も強くないと自認していた為か、ルートを計算してから飛び乗ろうと考えていた。
「少し、よろしいかしらー?」
 その際、近場でトロッコを楽しむ学生達へと声を掛ける。
 礼儀作法を忘れずに応対するミレニカと話すべく、彼らはホームへと捕まる形でトロッコから降りてみせた。
 話によると、彼らは割と気合でしがみついたり、ダッシュして飛び乗っていたようである。
 ルートに関しても、学生達はかなり把握していた。
「なるほど……」
 ミレニカは学習力を働かせて、ある程度乗るべきトロッコのルートを割り出すことができていたようだ。
 夜太狼もまた、強引にしがみつくのも、走って乗り込むのも疲れると感じ、待ち伏せをすることにする。
 幸い、仲間達がルートを調べてくれている為、乗り込む場所は程なく発見できるだろう。
 それまで、夜太狼は一旦待機することにしていた。

 ルートの把握に当たるメンバー達がいる傍らで、アンシェはすぐ乗ろうと構える。
 ネズミのからくり人形を飛ばして、彼女は乗ることを考えていたのだが……。
「その前に、近くに大きめの木の板はないかしら?」
 明らかに使われていないレール傍に、アンシェは積まれた枕木を発見して。
「……えっと、1枚だけでいいんですの」
 アンシェは1枚だけ、その板を拝借していた。
 その近くでは、シンがユーベルコード「サイコキネシス」をつかって強引に乗り込もうとしていた。
 まず、彼はサイキックエナジーで目的のトロッコへとつかみかかる。
 下手すれば、トロッコに引きずられてしまう危険すらある。
 しかしながら、シンはその危険を顧みずに自らの体とトロッコをサイキックエナジーで結びつけた。
 すぐに、迫るトロッコへ、シンは飛び移ろうとする。
 思った以上に速度が速いが、彼はその縁に怪力でしがみつく。
 さらにサイコキネシスを働かせ、トロッコをつかんだシンは最初に飛び乗ってみせたのだった。

●トロッコに乗り込めー!
 乗るべきトロッコは現在、決まったルートを周回している。
 ポイントさえ切り替えれば、災魔の元に直行できそうだが、その前に参加しているメンバー全員が乗れるようにしたいところ。

 下準備を整えた猟兵達は、後は各自乗り込むだけ。
「チュー助、チュータ、出番ですのよ」
 アンシェはからくりネズミ人形を糸で結んだ指で操り、爆走するトロッコの中へと飛ばし入れる。
 トロッコが目の前を走り抜けたタイミングで、アンシェは先ほど拾った板に乗り、線路を疾走し始めた。
 その見た目は、犬ぞりやボートサーフィンを思わせる。
 アンシェはその後、人形の糸を手繰り寄せ、2番手で乗り込んでいく。
(「猟兵としてまだまだ未熟者ゆえ、あまり自信がありませんが……」)
 トロッコを眺めていたマルグリットは、加速減速こそすれどルートごとにトロッコの速さが規則的なことを確認し、飛び乗る。
 ただ、運良くトロッコの縁をつかめたマルグリットは、中のメンバーの手を借り、3番手で乗り込んでいった。
 失敗も想定していただけにホッと一息つくマルグリットへ、手を差し伸べていたのはシンだ。
「シン・コーエンという。よろしく頼むよ」
 彼はにっこりと微笑み、挨拶を交わしていた。

 マルグリットの後も続々と、メンバー達はトロッコへと乗り込んでいく。
「この地点ならば、行けそうですね」
 乗りやすい場所を割り出していたシャルドールは待ち伏せし、仲間の手を借りながらも飛び乗る。
「ふっふっふ、来やがりましたわね……。暴走トロッコなんて楽しそうと思ってましたのよ」
 ミレニカも別の場所で、ダリアのような模様の玉『Dainty Dahlia』を握り、力を溜める。
 そして、タイミングを見計らい、溜めた力を使って怪力を活かしてトロッコにつかみかかる。
「……ぜぇりゃッ!」
 溜めた力を無駄にせず、ミレニカもうまく乗ることができたようだ。
 一方で、宙を飛んでいたオクは思った以上に苦戦していた。
(「少し高めに飛んで、降りられそうなところで待つのがいいでしょうか」)
 トロッコの軌道を注視していたオクだったが、タイミングがなかなかつかめず乗ることができない。
 最悪の手段として、飛んで上から着地しようとした彼女はトロッコに激突してしまい、手痛いダメージを喰らっていたようだ。
 ポイゼが鳴らした鐘の音を受け、そちらのホームへと向かうラッセル。
 共に待つことにしていた夜太狼は予め、シャボン玉を待機させていた。
 そして、彼はトロッコの接近を見てシャボン玉投擲していたが、タイミングが合わず幾度か繰り返していて。
「よし、今度こそ捕まえたぞ」
 中にいるメンバーごと動きを止めたトロッコへ、夜太狼はラッセルと共に乗り込んでいく。
「乗らせてください」
 オクも仲間を呼び止め、ようやくトロッコへと乗ることができたようだった。

 依頼に当たるメンバー全員が乗り込んだのを確認し、夜太狼はシャボン玉を解除する。
 その直後、トロッコが何事もなかったかのように走り出す。
「わわっ」
 その速度に驚くオクだったが、次第に慣れてきたのかその風を感じ、仲間と共に疾走感を味わい、楽しい気分に浸っていた。
「あとは、しばらくエンジョイタイムだ!」
 夜太狼は疾走感を感じて楽しげに叫びつつ、仲間の了解を得てから射出・巻き取り用の専用銃『MAG(マジックアームガッチャー)』を使う。
 そうしてポイントを切り替え、メンバー達は通路の先へと進んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『佇む巨竜像』

POW   :    石化解除
【石化状態】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【「雷」と「風」を纏い操る巨竜】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    石化解除
自身に【「炎」と「冷気」】をまとい、高速移動と【翼から「炎」と「冷気」】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    石化解除
対象の攻撃を軽減する【「水」と「岩」を漂わせる巨竜】に変身しつつ、【「水」と「岩石」の放射】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●トロッコを襲う石像達
 爆走するトロッコ。
 しばらくは広い空間を大きくうねるように上下に、そして、蛇行するように左右に、それに乗る猟兵達は揺られる。
 メンバー達は気持ち良く風を切り、先へと進む……が、そのまま快適に進む状況とはならないようだ。

 疾走するトロッコは程なくして、通路へと入っていく。
 そこは、どこまでも真っすぐな空間。
 しばらくは代り映えしない景色が続いていたが、気づけば左右に不気味な石像が並んでいた。
 それらは、全長3mほどの巨竜を象ったもの。
 一定間隔で並ぶそれらに挟まれ、トロッコは爆走を続けていたのだが……。
 突然、石像達の目が輝き始める。
 石化状態を解いたそれらの石像……いや、巨竜達は大きく翼を羽ばたかせ、トロッコへと近づいてきた。
 多数の巨竜達は、様々な属性を持っているらしい。
 雷と風を操ってトロッコを破壊しようとしてくれば、別の個体は水や岩石を放射してトロッコを横転させようとしてくる。
 トロッコばかりを狙うだけでなく、翼から炎や冷気を放ってトロッコに乗る猟兵を狙い撃ってくる巨竜もいた。
 ともあれ、この通路を走り切るまで巨竜をやり過ごさねばならない。
 ここでトロッコが破壊されるようであれば、先にいるドラゴンへの道が断たれてしまうのだ。
 いつしか新たな転移先としてこのトロッコが指定されたらしく、新たな猟兵が参加できる状況も整う。
 猟兵達はトロッコを、そして己を守る為に武器を構え、ユーベルコードを使って飛来してくる巨竜達の撃ち落としに当たるのだった。
フローリア・ヤマト
「壊されるのはとりあえず阻止しないとね」
フローリアは自身の能力・深黒化(ダークコンバート )でトロッコ全体をコーティングしようと考える。
呪いを纏わせるゆえに熱や電気は通さない、形状も自由で色々な物理攻撃へも応用が利く。
「でもこれ使ってる間は他の能力は使えないから、みんなに攻撃とかは任せないと…」
防御に徹しようと考えるフローリアだった。


ラッセル・ベイ
時間一杯に武器を改造出来たな。フロスも十分に強化された
良くやったぞポイゼよ、少し休むといい

来たか、石像の竜。一昔前に戦ったガーゴイルを思い出すな
フロスよ、暴れるぞ

●戦闘(WIZ)
水と岩か。大地耐性ポーションを飲んで抵抗を上げておこう
ははは、「地盾グラウンド」との相性が最高と言っても良い相手だ
大地属性のグラウンドならば、水と岩石はほぼ無効化できる

【ウェポンブレイク】でフロスの封印を解放
凍て付かせよ、氷の花
水を漂わせた巨竜像ならば、通常時よりも遥かに凍らせ易い
凍らせるのは僅かな時間でも十分
この速度のトロッコならば、地面に落とせば一瞬で置き去れる筈だ

トロッコ上での戦闘は、これが最初で最後だろうな……


ミレニカ・ネセサリ
ヒャッホーウ!
トロッコマジ楽しいですわ……!
もう少し楽しんでいたいのですが、そうもいかないようで
邪魔されるのはマジ嫌いですの

水と岩の竜に対処致しましょう
Tec_Makeupで、Diamond Damsel(クランケヴァッフェ)に
Duple Dancerの片方を変形装備
もう片方は銃のまま使い、
氷の【属性攻撃】を水へ撃ち込みますわ

岩も凍らせた水も、此方に飛んでくるものは、
【怪力】【鎧砕き】を使ったクランケヴァッフェでまとめて殴り砕きます
水も岩もこうなってしまえば同じこと
ついでに破片を殴り返し、
【スナイパー】のように竜の翼や顔にぶつけてやりますわ
贈り物です、くらいやがりなさいませーッ!

アドリブ連携可


シン・コーエン
多数の竜とは手強いが、トロッコと仲間は護り抜く!

真っ直ぐで見晴らしの良い空間なら遣り様も有る!
と、UC(灼星剣皇)で愛刀の灼星剣のコピー:
灼星剣皇を前方に向けて創造。
大きさは縦10cm*横10cm*(刀身の長さ)50m
(最大1900mだが、今回は短め)。
灼星剣はサイキックエナジーでできた光の剣ゆえ、
大きさに関係無く振れる。

「前方は任せろ」と【騎乗】でバランスを保ちつつ前側に立ち、
灼星剣皇に【衝撃波】を纏わせて【範囲攻撃】を可能とし、
UC(万物両断)にて【2回攻撃】し、前方の竜達をまとめて切断!
これを繰り返す。

防御では【オーラ防御】を纏い、【見切り】【盾受け】で
攻撃を凌ぎ、【激痛耐性】で耐える。


マルグリット・ブルターニュ
どうやら見逃しては頂けないご様子ですね。

トロッコに潜みながら直撃しそうな攻撃を紅茶のドラゴンブレスで逐次相殺させて頂きます。所持品の茶葉にも限りがありますので専守防衛に努めさせて頂きましょう。

相殺出来ない時もあると思いますので加速、減速する機能があるかどうか確認します。あるとすれば回避が幾分楽になりそうです。


シャルドール・プリマビスタ
意外にトロッコというものは悪くないものです…。
何と言いますか…普段では味わえない感覚です。
だがそれを阻む者が現れたのならば排除するまで。
「戦闘モード、移行…シマス…。」

SPD
「咎力封じ」を使用シマス
威力の軽減、または相手の動きを封じる事を目標とシマス
「大人しくしてくだサイ…。」

「今デス。仕掛けマス…。」
相手に隙が生じれば、反撃を打ち込みマス


●補足
口調の変化:
戦闘モード中
一人称、二人称と語尾(デス、マス等)のみカタカナに変化

一章同様にアドリブや絡み等大丈夫です


アンシェ・ローム
『キャっ!?』
魔法にちょっとびっくりしましたけど、なんてことないですわよ!
さーて、これ(リフレクトシールド)を【カケルカケルカ】で増やして増やして〜……トロッコの周りに配置いたしますわ!攻撃は他の方に任せて、トロッコの中央で盾を操り防御に専念しましょう。
『えいっ、みんなをお守りいたしますわ!』

攻撃がキツイですわ!早くこの通路抜けてくれればいいのに〜!


闇之雲・夜太狼
アドリブ・絡み歓迎

あっは!爆走する乗り物上で敵を追っ払うなんて、いよいよゲームみたいだね!
壊されちゃたまんないから受けて立つよ!

手近な巨竜ちゃんを狙って、CODE:TAを【2回攻撃】でたんまりぶつけてあげるよ!
よーく狙いを付けて(【スナイパー】)、追っかけてくるのに必要な翼に当てたいね
成功したら、俺たちを追走するスピードで急に身動き取れなくなるんだ
きっと地面と擦れて大変なことになるだろうね……おー、痛そう♪

粘り気をぶつけただけでも追ってくるようなら、E.S.で氷の精霊の魔法力を放出して冷気の【属性攻撃】!
言ってなかったっけ?俺のCODE:TA、温度変化ですぐに固まっちゃうんだ♪



●動き出す石像達
 トロッコはそれまでの周回する景色とは違い、大きく揺られながらも爆走を続ける。
「ヒャッホーウ! トロッコ、マジ楽しいですわ……!」
 技術屋のミレナリィドールの少女、ミレニカ・ネセサリ(f02116)は普通の少女らしくはしゃぐ。
 同じくミレナリィドール、素顔を隠すピンクの長髪のシャルドール・プリマビスタ(empty doll・f05369)はほとんど表情を変えぬものの。
「意外に、トロッコというものは悪くないものです……」
 普段では味わえない感覚を、彼女なりに楽しんでいたようだ。
 トロッコで楽しむメンバーを尻目に、眼鏡着用の老人を覆わせる容姿をしたラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)は、お嬢様然とした毒精霊ポイゼの方を見て。
「良くやったぞ、ポイゼよ。少し休むといい」
 ラッセルが労うと、その精霊は安堵したような仕草をして、その場から姿を消していく。
「時間一杯に武器を改造出来たな」
 氷剣フロスを手にしたラッセルは満足気に頷き、敵との邂逅の時を待つ。

 しばらく、爆走するトロッコに揺られる猟兵一行。
 やがて、レールの蛇行やうねりがなくなり、トロッコは一直線に走行していく。
 両サイドに立ち並ぶ『佇む巨竜像』達。
 それらは、不気味な視線を猟兵達へと投げかけてきていた。
 事前に話を聞いていたメンバー達が構えを取っていると、巨竜像の石化状態が突如解け、翼から炎を発してきた。
「キャっ!?」
 飛んでくる炎に、真っ白な毛並みのケットシー、アンシェ・ローム(うららかレディ・f06211)が驚きの声を上げる。
 しかし、アンシェはすぐ気丈な態度をとって。
「ちょっとびっくりしましたけど、なんてことないですわよ!」
「……どうやら、見逃しては頂けないご様子ですね」
 礼儀正しい佇まいをするマルグリット・ブルターニュ(メイドラゴニアン・f14691)は、素早く戦闘態勢を取る。
 石像は次々に石化状態を解き、後ろから飛来してくる。
 同時に前方からも続々と、巨竜達が猟兵達の乗るトロッコへと向かってきていた。
「来たか、石像の竜」
 ラッセルは一昔前に戦ったガーゴイルを思い出す。
「あっは! 爆走する乗り物上で敵を追っ払うなんて、いよいよゲームみたいだね!」
 紫がかった黒髪の人狼少年、闇之雲・夜太狼(クライウルフ・f07230)はこの展開を楽しみながらも、相手が自分達のトロッコを狙って攻撃していることに気づいて。
「壊されちゃたまんないから、受けて立つよ!」
「もう少し楽しんでいたいのですが、そうもいかないようで」
 こんな楽しい一時を邪魔され、ミレニカは癖になった荒れた口調で相手にこう告げる。
「……邪魔されるのはマジ嫌いですの」
「戦闘モード、移行……シマス……」
 シャルドールもまた、この心地良い感覚を邪魔する者が現れるならば排除するまでと、迎撃態勢を取っていた。
「フロスよ、暴れるぞ」
 先ほどまで手入れしていた氷剣へとラッセルが呼びかけると、剣は刹那煌めいて応えたようにも見えた。
 飛来してくる石像、いや、巨竜達は奇怪な鳴き声を上げ、様々な属性の力を使って襲ってくる。
 そして、珍しい者に惹かれてこの場にやってきているシン・コーエン(灼閃の・f13886)は、愛用の武器『灼星剣』に手をかけて。
「多数の竜とは手強いが、トロッコと仲間は護り抜く!」
 頭上まで飛んできた敵を見ながら、シンはユーベルコードを行使する為の準備を始めるのだった。

●トロッコを守れ!
 動き出した巨竜像達は、この場所を通る者を襲うべく設置された罠だろうか。
 この先にいるというドラゴンは、自らの王国を築こうとしているという。そいつが巨竜像を設置したとしても、何ら不思議ではない。
 実際どうなのかはわからないが、間違いないのは石化状態を解いた巨竜達がこのトロッコを破壊すべく、様々な属性の魔法を放射してきていることだ。
「さーて、これを【カケルカケルカ】で増やして増やして~……」
 アンシェが示すは、リフレクトシールド。
 その盾をトントントンと叩くことで、彼女は20個ほど複製する。
 そして、アンシェはそれらを個別に操り、トロッコの周りへと配していく。
「えいっ、みんなをお守りいたしますわ!」
 アンシェは防御に専念し、攻撃を皆に任せる心づもりだ。
 また、この場へと新たに、指輪の力によって形状自在の呪いを纏う、フローリア・ヤマト(呪いと共に戦う少女・f09692)が駆け付けていた。
「壊されるのは、とりあえず阻止しないとね」
 早速、フローリアは黒い影を行使していくが、それを纏わらせる対象は武器ではなく、自分達が乗っているトロッコ。
 呪いを纏わせるがゆえに、トロッコへと熱や電気を通すことはない。
 影の形状はフローリアも自由に操ることができる為、敵がいかなる物理攻撃を行ったとしても応用が利く。
「でも、これ使ってる間は他の能力は使えないから、みんなに攻撃とかは任せないと……」
 フローリアもまた、しばらく防御に徹することとなる。
 さらに、マルグリットもトロッコに潜みつつ、アールグレイの茶葉を口にしていく。
「紅茶をお出しします」
 ドラゴニアンである彼女は危険と判断した雷、風といった攻撃を、紅茶のブレスで逐次相殺を試みる。
 缶で持参しているが、茶葉の数にも限りがある為、マルグリットは専守防衛に努める構えだ。

 こうして、3人がかりで鉄壁の防御を築く猟兵達。
 他のメンバー達は彼女達の助けを借りながらも、群がり、魔法を放射する巨竜どもの撃墜へと当たる。
 ラッセルはミレニカと共に、水と岩を漂わせる巨竜を見定め、まずは迎撃準備。
 大地耐性のポーションを飲んで抵抗を高め、『地盾グラウンド』との相性も抜群の相手。
「援護も完璧すぎて、ちともったいなく感じるくらいだな」
 これなら、水と岩石はほぼ無効化できると彼は胸を張る。
「美しい一撃には、美しい装いを」
 一方、ミレニカもまた手早く準備し、ガントレット『Diamond Damsel』に一対の銃型ガジェット『Duple Dancer』の片割れを変形装備させる。
 自作ガジェットによって、破壊力を増した一撃を。
 ミレニカは素早く、水を纏う巨竜へと氷の弾丸を発射していった。
「真っ直ぐで見晴らしの良い空間なら、遣り様も有る!」
 トロッコの前線に立つシンは、ユーベルコード『灼星剣皇』を使用する。
「我が剣よ、無限の想念の元、全てを超越せし剣皇として顕現せよ!」
 愛用の剣、灼星剣のコピーをシンは前方に向けて創造するが、大きさは縦横が10cm四方、その長さはなんと50m。
 その気になれば2km近くまで伸ばせるが、シンは調節した光の剣で巨竜と応戦する。
 その剣に多少怯むも、トロッコに属性魔法を放ってくる巨竜へとシャルドールは告げる。
「大人しくしてくだサイ……」
 シャルドールは巨竜に手枷、ロープといった拘束具を絡ませていき、相手の攻勢を削いでいく。
 それでも、近づいてくる敵を夜太狼が見据えて。
「遠慮しないで、全部受け取ってよ!」
 夜太狼はユーベルコード『CODE:TA(コード・トライアドヒージョン)』で、相手の拘束をはかる。
 投げつけていくのは、『ベトベ・トラバサミ』、『ドロド・ロック』、『ネバネ・バインド』と粘り気のある物ばかり。
 特に夜太狼は、相手の翼をよく狙いすませて投擲していく。
 追走してくる巨竜達もそれらを浴びてしまえば、急に身動きが取れなくなって地面に下半身が擦れて大変なことに。
「……おー、痛そう♪」
 思った以上に効果があり、夜太狼も気を良くしていたようだった。

●巨竜達を蹴散らせ!
 準備に時間をかけるメンバーもいた為、防御に当たる猟兵達も決して楽とは言えぬ状況が続く。
 トロッコの強化の為、防御に徹するフローリア。
 マルグリットは相手の放つ魔法を撃ち落としながらも、トロッコに加速、減速する機能があるかと確認する。
 それらしきものがあるにはあるが、どうやら蒸気機械や魔法によって自律走行を行っている様子。
 制御できるなら、回避が楽になるとマルグリットも考えたのだが……。
「……やむをえませんね」
「攻撃がキツイですわ! 早くこの通路抜けてくれればいいのに~!」
 アンシェは群がる敵を抑えるのに、限界を感じてきていたようだ。

 猟兵達は次々に、巨竜を空中から叩き落とす。
 シンは巨大化した灼星剣を振るい、向かい来る巨竜達を薙ぎ払い、断ち切ろうとしていく。
 元となった灼星剣がサイキックエナジーでできた光の剣とあって、彼は大きさに関係なく振るうことができる。
 防御面を仲間達が負担してくれているのは、シンにとって非常にありがたいところ。
「前方は任せろ」
 同乗する仲間達へ呼びかけた彼は、光る剣を振り上げて。
「灼光の刃よ、全てを両断せよ!」
 その刃を連続して振るい、シンは前方の敵を片っ端から纏めて切断していく。
 ラッセルも側面から襲い来る水を纏わせた敵を狙う。
「凍て付かせよ、氷の花」
 相手を水ごと凍り付かせることで、そいつの体を地面へと叩きつけることになる。
 爆走するトロッコが戦いの舞台だ。地面を転がるその巨竜がトロッコについて来られるはずもない。
 一方で、逆サイドでミレニカが力任せに武器を振るい、竜の翼や顔目掛けて殴りかかっていく。
「贈り物です、くらいやがりなさいませーッ!」
 浴びせかける銃弾、そして拳。
 その巨竜は溜まらず大きくのけぞり、速度について来られずに脱落していく。
「今デス。仕掛けマス……」
 シャルドールも後方から迫りくる敵へ、拘束具を投げつけ続ける。
 手枷に猿ぐつわ、拘束ロープ。
 それらを全て食らった巨竜像は己の姿を維持できず、元の石像へと戻ってしまい、地面に激突して粉々になっていたようだ。
「次の目標に移行しマス……」
 事もなげに、シャルドールは次なる敵に狙いを定める。
 そして、夜太狼。
 粘り気で攻め立てる彼だが、それでもしつこく追ってくる敵に微笑んでみせる。
 手首の『E.S.(エレメントシューター)』を使い、夜太狼は氷の精霊の魔法力を放出し、粘り気ごと相手の体を凍り付かせて。
「言ってなかったっけ? 俺のCODE:TA、温度変化ですぐに固まっちゃうんだ♪」
 当然ながら、翼が凍れば飛ぶのに障害となる。
 そいつが地面へと落ちていくのは、自明の理と言えた。

 猟兵達の攻撃もあって、次第に数を減らす巨竜達。
 通路を走り抜ける頃には襲い来る巨竜をあらかた落としてしまい、護りに徹していたフローリア、アンシェ、マルグリットもようやく一息つくことができていた。
 ただ、トロッコの手前に残るレールは残り僅か。
「トロッコ上での戦闘はこれが最初で最後だろうな……」
 ラッセルは前方を見て、終着点が近いことを察していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『慈悲なき』ニドアーズ』

POW   :    冬の暴風
【氷のブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    石の記憶
対象のユーベルコードを防御すると、それを【頭部の宝石に吸収し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    凍てついた魂達凍てついた
【かつて使役した下僕たちかつ】の霊を召喚する。これは【槍】や【炎】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はドロシー・ドロイストラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地下に王国を築きし者
 終着点が近づくと、トロッコの下部から蒸気が吹き出す。
 あれだけ爆走していたトロッコにブレーキがかかり、ゆっくりと停止していく。
 乗り込むときにはかなり荒々しく乗ったものだが、意外にも降りるときはゆっくりと足元を見る余裕すらあった。

 さて、トロッコを降りた猟兵達を出迎えるのは、全長5~6mほどの巨体を持つドラゴンだった。
 4本の足で歩く度に地響きを鳴らすそのドラゴンは、頭部と背に宝石が埋め込まれており、怪しく煌めかせている。
「あれだけの巨竜の群れを突破してくるとはな……」
 爛々と目を輝かせ、獲物を見定めるように猟兵達を睨みつけてくるそのドラゴンは、『慈悲なき』ニドアーズと呼ばれる。
 背後には、かつて二ドアーズが下僕として従えた竜人達の姿があり、槍を手にして主の命を待っている。
 気づかぬうちに勢力を伸ばしているこのドラゴンは、着々と自らの王国を築き上げようとしていたのは間違いない。
「我らの野望を砕きに来たのであらば、こちらも全力で抗わざるをえまい」
 口元から吐き出される氷のブレス。
 それは、邪魔する者を全て凍らせ、氷像と化してしまうのだろう。

 対する猟兵達の想いは様々。
 二ドアーズ打倒の為にこの場へとやってきた者も多いが……。
 メンバーの中にはもう一度トロッコに乗りたいと思っている者もいるらしく、手早くこのドラゴンを片付けて、またあの感覚を味わいたいと考える者もいたようだ。
 ともあれ、目の前の災魔……オブリビオンはこのアルダウ魔法学園の世界の為に倒さねばならない。
 猟兵達は武器を手に取り、二ドアーズへと立ち向かっていくのである。
コロッサス・ロードス
●戦術
自身の『武器受け、盾受け、オーラ防御、見切り等の防御技能を活かす為、また仲間を『かばう』事で被害を抑える為にも、敵に肉薄して攻撃を誘う
但し闇雲に突出する愚は冒さず、他の猟兵達と連携支援する為、自身は確実な戦線維持や『拠点防御』に重点を置いた闘いに徹す

●攻撃
己の『怪力』と『鎧砕き』の技で敵の防御を崩し、二の太刀でその隙を穿つ『2回攻撃』を基本とする

●冬の暴風対策
氷のブレスを吐く動作を素早く『見切り』、【無尽禁戒】で「口を開くな」とルール宣告

「オブリビオンに呼吸が必要かは知らぬが、鼻があるのだからそっちでも可能だろう? まあ口以外からブレスを吐けるのならばこのルールに意味はないが……さて?」


ラッセル・ベイ
ふむ、言語を解するか。かなり高位のドラゴンの様だな
更に氷の息を吐くと来た……さて、フロスの氷と何方が上かな?

●戦闘(POW)
取り敢えずは氷結耐性ポーションを飲んで置こう
「ストレングス・ルーン」を起動し、近接戦闘力の向上
「エレメントリング」でフロスの氷結属性を更に引き上げる
行くぞニドアーズ、氷の彫像にしてくれようぞ

剣技【フロストスラッシュ】
重視するは攻撃力、同時に属性攻撃力も向上する

放たれた氷のブレスに向けてフロスを振り、その冷気を奪い取る
魔法薬、指輪、ルーン、ユーベルコード、更には竜の吐息
極限にまで高めたフロスの一撃
例え、氷を司る者ですらも凍結させてしまうだろうよ


フェル・ドラグニエル
「とても大きなドラゴン…!」
「トロッコにまた乗りたいし!こんな奴を野放しには出来ない!」


敵が氷のブレスを仕掛けた時に備えて
左腕の〈竜腕の籠手〉を展開 そのまま味方への攻撃を[激痛耐性/氷結耐性/盾受け/かばう/勇気/ダッシュ]を用いて庇っていきます
「貴方は大丈夫?怪我とかはない? 私は大丈夫だよ!」
「ニドアーズ!これぐらいの攻撃で私を倒せると思わないで!」


〈永遠の蒼〉を構えて敵にと[ダッシュ]で突撃
そのまま[空中戦/ジャンプ]を用いて飛翔と同時に切り上げ、そのまま斬り下ろす!
これが私の奥義の一つ!
【竜技・天竜牙斬】だ!
[2回攻撃/カウンター/力溜め/鎧無視攻撃/生命力吸収]の技能を使用します


シン・コーエン
こいつがニドアーズか、堅くてパワーがありそうだな。
手下もいるし慎重にいかないと危険だな。

UC:刹那の閃きを使用。
【第六感】【見切り】と併せて、ニドアーズや手下の攻撃
を躱しつつ、【カウンター】による攻撃で確実に追い詰める。

手下相手には灼星剣の【なぎ払い】【2回攻撃】で【衝撃波】
を生んで【範囲攻撃】と化し、まとめて倒す。

ニドアーズには【地形の利用】を活かして【迷彩】しつつ
【空中戦】を仕掛け、頭上から【衝撃波】を伴う【2回攻撃】
を放つ。
それ以外にも、【戦闘知識】【地形の利用】でニドアーズの
死角を突いて【串刺し】にする等、様々な手を使い、
ダメージを与える。

攻撃を受ければ【盾受け】【オーラ防御】で凌ぐ


マルグリット・ブルターニュ
近しい種として思うところが無い訳ではありませんが脅威となり得るというのでしたら排除する他ありませんね。

私は下僕達を装備品の椅子や鍋で黙々と殴り倒す事と致しましょう。椅子や鍋も消耗品ですので使いものにならなくなりましたら倒した下僕の槍を拾って投擲に利用させて頂きます。敵を捌ききれない時は目からビームで隙を作り回避や反撃の足掛かりとさせて頂きます。※詠唱不要


ミレニカ・ネセサリ
到着まではトロッコに乗る時と同じく【力溜め】していましょう

ははぁ、あれがニドアーズと
採掘したらいい石が採れそうでやがりますわね
またトロッコエンジョイしたいのです、さっさと退場願いますわ!

Tec_Makeupでガジェットをクランケヴァッフェに両方変形装備します

竜人霊たちはクランケヴァッフェで殴り、
爆風で【吹き飛ばし】てやりますわ
あーもう邪魔でやがりますわね!

ニドアーズへは溜めた力を解放し、
【怪力】でのAtk_Jubileeでぶん殴ります
はっはァ!
国も玉座も形無しですわね、ざまぁ!

攻撃?
【覚悟】【激痛耐性】【オーラ防御】で耐えますわ
凍らされたら炎の【属性攻撃】と【怪力】で内側から割り砕いてやります


闇之雲・夜太狼
アドリブ・絡み歓迎

やあやあ、ニドアーズちゃんならびに下僕のみなさん!
アポ無しだったけど、どうやら歓迎の準備は整ってるみたいだね
せっかく踏み込んだことだし、させてもらっちゃおうか
文字通り「お邪魔」をね

野望を砕きに来たのかって?違うね、燃やしに来たのさ!
数には数で勝負、ってことでCALL:RHWを使って戦うよ
まずは合体無しの20体に暴れ回ってもらおうか
突撃前に、ESから火の【属性攻撃】を火群狼に喰らわせて、火力を足してあげようじゃないか
下僕の数が減る度に合体させて、最後は一つにまとめてニドアーズちゃんにけしかけるよ!

ちなみに自分への攻撃は【逃げ足】を活かしたりユラリマントで防ぐよ

帰りも楽しみだね!


シャルドール・プリマビスタ
目的地に到着シマシタ。
速やかな目標排除を優先とシマス…。

WIZ
CODE:『Executioner Blade』
→『慈悲なき』ニドアーズ

掃討作戦、殲滅完了目標
自身肉体継続、稼働限界突破迄

●補足
口調の変化
殲滅モード、目隠しで隠れていてほぼ素顔は見えないが表情は無表情で固定
簡素な漢単語のみ、若しくは全てカタカナ
戦闘が終われば通常の口調に戻ります。

これまで同様にアドリブや絡み等大丈夫です。



●迫りくる巨大なドラゴン
 爆走していたトロッコから蒸気が吹き出し、停止する。
「目的地に到着シマシタ」
 ピンクの髪、黒いゴスロリ衣装のシャルドール・プリマビスタ(empty doll・f05369)が仲間達へと告げると、猟兵達は皆降車していく。
 その一行の前に程なく、地響きを立てて現れたのは、1体のドラゴンだった。
「とても大きなドラゴン……!」
 白髪に青い翼のドラゴニアン、フェル・ドラグニエル(蒼翼の竜騎士見習い・f01060)が全長5~6mもある災魔を見上げ、身構える。
「近しい種として、思うところが無い訳ではありませんが……」
 メイド服姿のドラゴニアン、マルグリット・ブルターニュ(メイドラゴニアン・f14691)は凛とした瞳で相手を見つめて。
「脅威となり得るというのでしたら、排除する他ありませんね」
 一方で、目の前のドラゴン、『慈悲なき』ニドアーズは凍てつく吐息を漏らしつつ、低い声を発してくる。
「あれだけの巨竜の群れを突破してくるとはな……」
「ふむ、言語を解するか。かなり高位のドラゴンの様だな」
 金髪に金の髭を生やすラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)が眼鏡を吊り上げながら敵を注視する。
「ははぁ、あれがニドアーズと」
 十分に道中のトロッコ内で力を高めたミレニカ・ネセサリ(ひび割れドール・f02116)が敵の姿を前にし、相手の額や背に埋まった緑の宝石に目をつける。
「採掘したら、いい石が採れそうでやがりますわね」
 なお、その口調は不機嫌だからではなく、ミレニカの地らしい。
「堅くてパワーがありそうだな」
 金髪を纏めた少年、シン・コーエン(灼閃の・f13886)は宝石だけでなく、相手の体表の硬い鱗にも着目する。
 また全身から威圧する迫力あるオーラや、二ドアーズ背後の竜人にもシンは気づいて。
「手下もいるし、慎重にいかないと危険だな」
 しかしながら、そこで進み出た赤目黒髪の人狼、闇之雲・夜太狼(クライウルフ・f07230)が軽い口調で挨拶する。
「やあやあ、ニドアーズちゃんならびに下僕のみなさん!」
 アポ無しで攻め込んできた猟兵一行に対し、二ドアーズ陣営も臨戦態勢だと夜太狼は指摘した。
「せっかく踏み込んだことだし、させてもらっちゃおうか……文字通り、『お邪魔』をね」
「我らの野望を砕きに来たのであらば、こちらも全力で抗わざるをえまい」
 二ドアーズは口から氷のブレスを吐いて、猟兵達を牽制してくる。
「更に氷の息を吐くと来た……。さて、フロスの氷と何方が上かな?」
 氷剣に手をかけるラッセルは、氷結耐性ポーションを飲んで戦いに備える。
「速やかな目標排除を優先とシマス……」
「野望を砕きに来たのかって? 違うね、燃やしに来たのさ!」
 口調を変化させ、殲滅モードへと切り替わるシャルドール。続いて、意気揚々と言い放つ夜太狼は、必勝の策を用意しているのだろう。
「トロッコにまた乗りたいし! こんな奴を野放しには出来ない!」
「また、トロッコエンジョイしたいのです。さっさと退場願いますわ!」
 フェル、ミレニカは仲間と共に布陣し、二ドアーズとその配下どもとの交戦を始めるのである。

●慈悲なきドラゴン
 仕掛ける猟兵達に対し、二ドアーズも後方に従える竜人の霊達へと呼びかける。
「行け、我が下僕どもよ」
「「「……はっ」」」
 かしこまる竜人達は槍を手に、炎を吐き掛けながら突撃してくる。
 数で攻め来る敵に対し、夜太狼はすぐさま応戦すべく、大声を上げた。
「『オオカミがきたぞ!!』……な~んてね♪」
 彼が呼び寄せたのは、ホムラオオカミと呼ばれる狼型の炎の群れ。
 予め、夜太狼は魔導装置『エレメントシューター』から発した火の力を、そのホムラホオカミに達に食わせていた。
 十分に強化した炎が竜人どもを蹴散らすべく、戦場内を暴れ回る。
 対して、向かい来る下僕どもが突き出す槍や吐き出される炎。
 シンはそれらを直感で避けつつ、愛刀『灼星剣』で敵陣を薙ぎ払い、衝撃波で群がる敵を纏めて倒そうとする。
 流石に全ての炎を避けるとはいかぬが、シンはうまくビームシールドや展開するオーラで凌ぐ。
 その上で、シンはしっかりとカウンターを叩き込み、竜人の霊を切り裂いていく。
 近場では、自前の椅子や鍋を使い、相手を黙々と殴るマルグリットの姿がある。
 序盤、多すぎる敵の攻撃を捌ききれないと判断したマルグリットは、目からビームを発して反撃の足掛かりとしていた。
 その上で、また自身の道具で相手を殴り倒していくのだが、どうやら、彼女はそれらを消耗品として扱っているらしい。
 道具が燃やされたり壊れたりして使い物にならないと判断したら、マルグリットは倒した敵の槍を使い、投げつけたりもしていた。
「美しい一撃には、美しい装いを」
 ミレニカはガジェットをガントレットへと変形装備し、相手へと殴りかかっていく。
 殴りかかるタイミング、ガントレットが爆発を巻き起こし、敵を吹き飛ばしていく。
「あー、もう邪魔でやがりますわね!」
 しかしながら、それでも群がるほど多い敵に、ミレニカは辟易としていたようだ。

 他メンバーが下僕達の気を引く間、二ドアーズの前に立つのは、遅れて馳せ参じた巨漢の偉丈夫、コロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)だ。
 彼は自らの守りの硬さを生かして仲間を庇うべく、剛剣『終焉砕き』と大盾『不退転』を構えて接敵していく。
 すぐに二ドアーズまで近づきたいところだが、コロッサスは突出しすぎぬようには注意し、仲間と足並みを揃えてカバーへと当たる。
 その上で、コロッサスは怪力を生かして刃を一閃させて近づく敵の防御を崩し、さらに返す刀で竜人の霊を切り裂いていく。
 前線メンバーが交戦を開始する間、ラッセルはしっかりと準備を整える。
 鋼鉄の球『ストレングス・ルーン』に刻まれたルーンを起動し、ラッセルは近接戦闘力を高める。
 その上で、彼はさらに『エレメントリング』で手にする氷剣フロスの氷結属性を高め、一撃に備える。
 シャルドールもまた無表情なまま、敵陣へと大鋏『Scharfrichter schere』を差し向けて。
「掃討作戦、殲滅完了目標。自身肉体継続、稼働限界突破迄――」
 召喚した拷問具で淡々と竜人の霊を倒し、シャルドールは二ドアーズへと迫る。
 フェルも左腕の『竜腕の籠手』を展開し、敵の氷のブレスに備える。
 その上で、蒼く輝く刀身を持つ剣『永遠の蒼』を握り、フェルは直接、巨大ドラゴン目掛けてダッシュする。
「我が刃は天空舞う竜の牙の如く……立ちふさがる壁を、敵を切り断ち道を切り開く!」
 相手の間近でジャンプし、彼女は刃を振り上げて。
「これが私の奥義の一つ! 【竜技・天竜牙斬】だ!」
 刃は振り下ろされ、致命打を与えたかに見えた。
 だが、その一撃は相手の宝石へと吸収されてしまって。
「残念だったな……!」
 そいつは逆に刃の一撃をそのままの形で借り受け、刃へと変形させた宝石でフェルへと返してみせる。
 斬撃をとっさに左腕の籠手で受け止めながらも、彼女は勢いで地面に激突し、しばし苦痛に悶えてしまうのだった。

●その王国は築かれることもなく
 竜人の霊は瞬く間に減ってはいたものの、さすがに二ドアーズはすぐに切り崩せる相手ではない。
 この竜が呼び出した下僕の竜人の数を減らし、攻め込もうとする猟兵達目掛け、氷のブレスを吹き付けてくる。
 各自、それにすぐ応じた動きを見せるが、その攻撃をいち早く察したコロッサスが素早く見切り、衝撃波を飛ばす。
 そして、彼は『口をひらくな』と二ドアーズに宣告した。
「オブリビオンに呼吸が必要かは知らぬが、鼻があるのだからそっちでも可能だろう?」
「……何?」
 コロッサスのそのユーベルコード『無尽禁戒』は、相手に告げたルールを破ると、ダメージを受けるというもの。
「まあ、口以外からブレスを吐けるのならば、このルールに意味はないが……さて?」
「よかろう、試してみようぞ」
 再び、氷のブレスを吐き出す二ドアーズ。
 だが、確かに口からブレスを吐き出しはしたものの、体はコロッサスのルールに縛られて拒絶反応を起こし、耐えがたい苦痛が走る。
「何……!?」
 とはいえ、立て続けに浴びせかけられるブレスに、猟兵達もじっと耐えることとなる。
 左腕の籠手を使い、フェルはできる限り仲間を庇って。
「貴方は大丈夫? 怪我とかはない? 私は大丈夫だよ!」
「助かりましたわ」
 ブレスを一度まともに浴び、体力を大きく削がれたミレニカ。
 オーラを展開してなお激痛に耐える彼女は、凍った体を炎で燃やして内側から割り砕いて見せる。
 ミレニカは勢いのままに、両腕のガントレットで二ドアーズを正面から殴りつけていく。
「ぬう……!」
「はっはァ! 国も玉座も形無しですわね、ざまぁ!」
 それを機として、一気に畳みかける猟兵達。
 1度目は逃げ足を生かし、2度目は魔逸らしの外套『ユラリマント』を使ってブレスをやり過ごしていた夜太狼。
 彼もダメージ皆無とはいかなかったが、それでも先ほど竜人に浴びせていた炎を相手の数が減るのに合わせ、1つに纏めて。
「これはどうかな、二ドアーズちゃん!」
 大きく燃え上がるホムラオオカミは戦場を駆け抜け、二ドアーズの体を燃やしていく。
 さらに、地形を活かして自らに迷彩を施していたシンが相手の頭上へと跳ぶ。
 灼星剣を振るい、衝撃波を伴ってシンは攻撃を仕掛ける。
 いかに硬い鱗を持つ二ドアーズとはいえ、斬撃の直後にその刃で頭上から突き刺されれば、致命傷は間違いない。
「ニドアーズ! これぐらいの攻撃で私を倒せると思わないで!」
 フェルも激痛に耐えて構えを取り、再度飛翔して相手の胴体を斬り下ろす。
 失った体力を吸い、さらに渾身の一撃でフェルはその身を裂く。
「やらせは……ぐうっ?」
 再び、竜人を呼び出そうとする二ドアーズだったが、マルグリットがすかさず目からビームを発してそれを遮る。
 その瞬間、シャルドールが相手の全身に様々な拷問具を展開した。
 巨竜の四肢と首を拘束し、鞭で打ちつけ、火責めに電気ショックが相手を苛む。
 それと同時に、ラッセルも仕掛けて。
「行くぞニドアーズ、氷の彫像にしてくれようぞ」
 その一撃に全てを駆けていたラッセルは、氷剣フロスの力を解放し、相手のブレスさえ吸収して極限にまで高めた一撃を二ドアーズへと突き入れ、その身を凍てつかせる。
「この我が凍る……だと……!」
 その身は完全に凍り付いていき、氷像となり果てる。
 だが、それで猟兵達は止まらず、各自が渾身の力でその氷像へと一撃を浴びせかけて。
 二ドアーズの体は砕け、下僕の竜人共々地下迷宮から姿を消していったのだった。

●帰りもまた楽しみながら
 目的の二ドアーズを撃破した猟兵達。
 再度、夜太狼はにこやかにトロッコへと乗り込んでいく。
 フェル、ミレニカもその乗り心地をエンジョイすべく、早速トロッコに勢いを付けてレールを走らせる。
 蒸気を吹き出し、再び爆走を始めるトロッコ。
 しばらく走れば、最初の周回ルートまで戻ることだろう。
 彼らは心行くまで、その乗り心地を堪能するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月08日


挿絵イラスト