ヤジュル・ヴェーダは織り成すか
ソフィア・エルネイジェ
ソフィアがインドラ・ナイトオブリージュに乗ってキャバリアバトルするノベルをお願いします!
アドリブ・改変歓迎です。
困難・不明な点の解釈はお任せします。
●場所
クロムキャバリアならどこでもOKです。
海鶴マスター様のシナリオで登場した舞台だったりNPCが登場したりしても面白いかも知れません。
●友軍と敵軍
特に指定はありませんのでいい感じに見繕ってください。
●ノベルの大まかな流れは?
猟兵として依頼を受けて戦場に立ちます※開幕で既に戦闘中でもOKです。
↓
いい感じに戦います。
↓
敵を全滅させた後に周囲を見渡して「ここにもいませんでしたか……一体どこに行ってしまったの?」
↓
最後にナイアルテさんに妹の写真と手紙を預けます。
より具体的な内容はお任せします。
「ナイアルテ様、この写真の者を見掛けましたら、どうかこちらの手紙を渡して頂けないでしょうか?」
ナイアルテさんの出演に問題がある場合はいい感じに誤魔化してください。
●写真と手紙って?
現在家出中の妹の写真とその妹に宛てた手紙です。
内容は「戴冠式を執り行うので帰ってきなさい」
妹以外の者に中身を読まれても問題ありません。
●何故ナイアルテさんに頼んだの?
猟兵になった妹がクロムキャバリアの各地で奇行に及んでいるらしい事をソフィアは予め把握していました。
猟兵は依頼を受諾する際には基本的にグリモア猟兵の元を訪れるので、クロムキャバリアの依頼を頻繁に斡旋しているナイアルテさんなら妹と出会う可能性も高いと考えました。
●妹って?
エルネイジェの第三皇女です。
ソフィアと同じピンク髪でインドラによく似た黒いキャバリアに乗っています。
●その他
以下は執筆時の参考としてください。
全部反映しなきゃダメとかそんな事はまったくありませんのでネタに迷った際のヒント程度に扱ってください。
●ソフィアとは?
エルネイジェ王国の第一皇女です。
正義感が強く誇り高い姫騎士です。
普段は穏やかなあらあらうふふ系お姉さんです。
極端に頭が悪い訳ではありませんが脳筋気味です。
「罠は踏み潰して進むまで!壁は突き崩して進むまで!」
肝が据わっており危機に陥ってもあまり動じません。
敵を貶すより称賛するタイプです。
「その狡知や見事!それでこそ挑み甲斐があるというものです!」
国宝のキャバリアであるインドラを継承しました。
「我が王家の名に懸けて!インドラ、いざ参りましょう!」
ソフィアにとってインドラは戦友です。
「キャバリアとは心で乗るものです」
時折傭兵兼猟兵として国外に赴き、オブリビオンを駆除するついでに国宝を盗んで出奔した妹を探しています。
執筆頂いたノベルの結果でキャラ付けしたいと考えておりますので、口調や性格の解釈違い等はあまり気にせず直感的に動かして頂ければ幸いです。
●インドラとは?
エルネイジェの王家に伝わるキャバリアの一機です。
分類はサイキックキャバリアで自我があります。
一応女の子らしいです。性格は傲岸不遜。我は断罪の竜帝なり。
継承者とは意思疎通が可能です。
「インドラ、どうかしましたか?罠の気配がすると?」
アーレス大陸では断罪を司る機械神の一柱とされており国宝の扱いを受けています。
国宝なので無許可で国外に持ち出すと大問題になりますが、ソフィアは正式に継承しているのでどこに持ち出そうと自由です。
運動性能が高く装甲も頑丈で格闘戦が得意です。
顎の内部には強力な荷電粒子砲のライトニングバスターを内蔵しています。
●ナイトオブリージュ?
インドラの強襲仕様です。
両腕部にショットガン、背中に副腕を介して突撃槍と実体盾、両太腿部にブースターを備えています。
●基本的な戦法は?
小〜中出力のライトニングバスターで砲撃し敵の陣形を崩します。
各推進装置で加速してランスチャージします。
敵の群れに突っ込んだらショットガンや各種格闘兵装で接近戦に持ち込みます。
格闘は噛み付く、殴る蹴る、引っ掻く、体当たり、尻尾で薙ぎ払う等と動物的で荒々しいです。
機体が頑丈なので被弾を気にせず積極的に攻勢に出ます。
●やんごとなき御身分の方が戦場に出てきちゃって大丈夫?
エルネイジェでは社会的地位の高い者こそ率先して戦場に立ち武勇を示すべきとの風習があります。
武勲無き王に玉座無し。
●外交問題にならない?
先述の風習により、王族が武勲を立てる為に他国で傭兵の身にやつして戦う事は一般的とされています。
相手側からすると大問題になるかも知れませんが、エルネイジェ側からすると何故問題なのか理解出来ないという認識です。
●機械神とはなんぞや?
エルネイジェが属するアーレス大陸では特別なキャバリアを神様として信仰する宗教があります。
それらを纏めて機械神教と呼んでいます。
機械神は八百万存在するとされています。
国家にとっては保有する機械神が多いほどその宗派の求心力と観光収入を得られますが、対立する宗派からは反感を買います。
エルネイジェは機械神と目されるキャバリアを実戦稼働させる事で周辺国に対する威信を高めようとしていますが、冒涜だとしてよく思わない人々もいます。
●鮮烈苛烈戦線
雪原に駆けるものがあった。
まっすぐに。
それこそ曲がることを知らぬ正道を知らしめるように。
その鮮烈さは、人の心にああであれたのならばと思わせるものであったし、また正道に無き者にとっては、疎ましく思えるものであったことだろう。
あらゆるものを断罪する。
「『インドラ』、どうかしましたか?」
搭乗者のみに伝わる声。
雪原を疾走る一騎の竜機の名を『インドラ』。
知る者が居るのならば、それこそがアーレス大陸西部に位置するエルネイジェ王国の機械神の一柱である目を見開くことであろう。
機械神とは即ち柱。
王国の力を支える折れてはならぬ柱であり国宝。また駆る者は王族。
「罠? この先に罠が仕掛けられていると?」
『インドラ』を駆るは、ソフィア・エルネイジェ(聖竜皇女・f40112)。
彼女は己の乗騎たる『インドラ』が罠の存在を感知していることを知り、しかして構うことはなかった。
確かに罠にかかれば己の機体への損害は伺い知れぬものであるだろう。
窮地に至ることもあるだろう。
生命を喪うこともあるあろう。
王族たる己が生命を落とすことは即ち王国に生きる民たちの生活を脅かすものである。ましてや、今彼女は己の王国の領土の範囲ではなく、他国の雪原を疾駆している。
遠き異国の地においてエルネイジェ王国の第一皇女が没命したとなれば、それこそ外交問題になるだろう。争いは広がり、戦火が飛び火していく。
「かかったな!」
敵キャバリア……量産型サイキックキャバリア『武甲・数重』が散開する。
突如として『インドラ』の前に雪原を割って現れたのは鋼鉄の檻の如き柱であった。
「黒い竜型キャバリアではないが、同じ機種と見た。ここでこれを捕らえることができれば!」
『武甲・数重』は量産型でありながら、短距離の虚空潜航によって瞬間移動めいた強襲攻撃を可能としている。それによって鋼鉄の檻へと『インドラ』を誘い込み、機体を鹵獲しようとしているのだと知れる。
これが『インドラ』のいう所の罠であることをソフィアは知る。
鋼鉄の檻は容易く引き裂くことはできないだろう。
「機体の性能を十全に引き出した見事な戦法です。虚空潜航。初見殺しとでも言いましょうか。確かに私も見事に誘導されてしまいました」
だが、彼等は知るベきであったのだ。
彼等が鹵獲しようとしていたキャバリアがただの傭兵の駆るキャバリアではないことを。いや、知っていたのかもしれない。
エルネイジェ王国の至宝。
機械神と呼ばれる柱。その機竜たる存在。
咆哮する『インドラ』の内部に秘められたジェネレーターが過剰なるエネルギーを大腿部イオンブースターから噴射する。
「さらに速度が上がるだと!? 馬鹿な、檻に突っ込むつもりか!?」
「奪われる位ならば自壊するとでも……!」
「いいえ、そのつもりはございません。罠があるのならば、それを踏み抜いて、つぶし、越えてこそ!」
加速した機体が掲げる大型突撃槍の鋒が鉄柱の檻へと叩き込まれる。尋常ならざる加速によって得られた突進力は機竜たる『インドラ』の出力と相まって凄まじ衝撃波を生み出す。
突き破るのではなく。
押し広げる。
それがソフィアの選択だった。
突撃槍の一撃が檻を拉げさせ、さらにラウンドシールドが押し広げる。並のキャバリアでは機体のほうが拉げ、砕けるところであっただろう。
しかし、『インドラ』は違う。
檻をこじ開けてなお咆哮する。顎が開き、口腔に光が讃えられる。
それは『断罪の雷』。『インドラ』とは断罪の竜帝と知れ。
吹き荒れるようにして放たれる荷電粒子砲の一撃が『武甲・数重』たちの機体を撃ち抜く。
辛うじて虚空潜航によって逃れた機体があれど、次の瞬間には腕部に装備されたショットガンから放たれた散弾の一撃によって沈黙するしかなかった。
「馬鹿な……これだけの数で囲んでなお、食い破る、だと……?」
「見事な采配でした。『第三帝国シーヴァスリー』の将。機体特性を知り、それによる運用の妙。我が身でしかと味わいました。『インドラ』も言っております。食いでのある罠であったと」
ソフィアは己が打倒した者達に称賛を送る。
嘲るでもなく。謗るでもなく。
敵であれど、其の技量、戦術、そうしたものを彼女は称賛する。貶めることに意味は無いとも言えるのかもしれない。
ともすれば、それは敵対する者にとって傲岸不遜たる尊大たる態度に思えた。
だが、そこに偽りはない。
皮肉でもなければ、嫌味ですらない。
ソフィアは誇り高き姫騎士として告げる。
「我が王家の名に懸けて戦ったのです。『インドラ』、そしてソフィア・エルネイジェこそ貴方がた『第三帝国シーヴァスリー』に槍を向けた相手と知りなさい。この先にある小国家……『ビバ・テルメ』と言いましたか。それとは無縁なる者」
そう、ソフィアはこの雪原に己の妹であるメサイア・エルネイジェを捜索に来ていたのだ。
だが、何の因果かこうして『第三帝国シーヴァスリー』と事を構えることになったのである。
「無縁、だと……?」
討ち倒された『武甲・数重』のコクピットからパイロットが這い出し、白き機竜型キャバリアを見上げる。
「偽るな。我らは知っている。色こそ違えど、機竜型のキャバリアを! あの暴竜の如き機体を……!」
「……黒い、機竜」
「そうだ! あの機体こそ我らが手に入れられれば、一層我らは……!」
『第三帝国シーヴァスリー』はいくつかの小国家を滅ぼし、争いを拡大させようとしている小国家である。
かつて、この地において栄華を極めた小国家『サスナー第一帝国』と同じように、覇道を歩もうとしていたのだ。
けれど、それは多くの事件を経て猟兵たちと戦うことで退けられてきたものでもあるのだ。その戦いの一端において彼等は機竜型のキャバリアに目を付けていた。
あの強大な破壊の力さえあれば、時折戦線に現れる異様なる傭兵たちを退けられるであろうと。
「その黒い機竜は此処に居た、と?」
「どういうことだ。貴様たちの開発した機体ではないのか?」
『武甲・数重』のパイロットの言葉をソフィアは考える。己の駆る『インドラ』と同一の如き機体。黒い機竜。
それが示すのは己が探し求める存在とおそらく同一なのだろう。
もっと詳しく、と言葉を紡ごうとした瞬間『インドラ』の四方に突如として『武甲・数重』が虚空潜航により出現する。
「二段構えですか」
見下ろすパイロットにとっては、預かり知らぬことであったことだろう。
しかし、それは見事にソフィアの虚を突く形になった。四方より現れた『武甲・数重』が『インドラ』の機体へと掴みかかる。
四体ものキャバリアによって取り押さえられた『インドラ』が雪原に沈む。
膝折れ、頭部がパイロットの前に落ち、雪を舞い上げる。
散る雪の結晶の最中、パイロットは驚愕する。
彼の『エース』としての技量が、そして経験が知らしめるのだ。確かに四機のキャバリアによって『インドラ』は取り押さえられた。
けれど、それは間違いである。
「今すぐ武装を破壊しろ!」
「何を言う。貴様が失敗したから、その尻拭いをしてやっているというのに」
「異なる部隊。それも失敗した貴様の言うことか。戦果たるこの機体は我らが頂く」
新たに現れた『武甲・数重』たちは、機体を喪ったパイロトットとは異なる指揮系統で行動していたのだろう。
先んじて捕獲しようとしていた部隊が全滅し、『インドラ』が消耗したと見た瞬間にこうして虚空潜航で迫ってきていたのだ。
それは正しいと言える。
「ええ、戦法として正しい」
「四機のキャバリアで抑え込んでいるのだ。悪あがきはよせ」
ソフィアは其の言葉に笑む。
「ただキャバリアを道具としてしか見ていないのならばこそ、言える言葉ですね。良いですか。確かに見事でした。虚を突く。味方すら欺く。味方すら捨て駒にする。大局を見据えている、とも言えるでしょう。ですが――!」
『インドラ』のアイセンサーが青き輝きを解き放つ。
きしむフレーム。
それは己の機体ではなく『武甲・数重』たちのフレームから響く音であった。強靭なるフレームに支えられた『インドラ』の機体が首をもたげ、雪原に脚部を持って支えるようにして立ち上がる。
四機分のパワーすら物ともせず、『インドラ』が咆哮する。
「逃げろ!」
雪原に放り出されたパイロットが叫ぶ。
けれど、それは遅きに失するものであったと言わざるをえないだろう。
「――キャバリアとは心で乗るものです!」
唸りを上げて四機のキャバリアを振りほどく『インドラ』。尋常ならざるパワーである。嵐のような力。
「あら、『インドラ』。組み敷かれたこと、そこまで……ああ、確かに。それは怒って当然かと思います」
「……本当に、意志がある、というのか……? こいつは」
見上げる『エース』。
彼は見ただろう。
白き体躯を震わせ、生きているかのように咆哮する機竜を。
その咆哮が呼び寄せるのは嵐にして雷。
己を組み敷く罪を断つと叫ぶようにして吹き荒れる弾丸と荷電粒子ビーム。そして、振るう槍の鋒が烈風のように雪原に戦場の痕を色濃く刻み込んでいく――。
●戦禍
雪原に『インドラ』は無傷で佇む。
「あのパイロットは……すでに居りませんか。黒き機竜……あの子のこと『ヴリトラ』と槍を交えたように言っておりましたのに」
横槍さえ入らなければ、メサイアの所在について何か手がかりを知ることができたかもしれないと彼女は悔いていた。
「小国家『ビバ・テルメ』……温泉による観光資源を持って再興した『フォン・リィゥ共和国』の成れの果て。此処に来れば何か情報がと思ったのは正しかったようですが」
雪原の向こうに見える湯煙。
己と同じ猟兵たちによってオブリビオンマシンの驚異から立ち直り、名を変えた小国家である。
「となれば、すでに留まっている、とは考えがたいですね……一体何処に行ってしまったの?」
ソフィアの瞳には憂いが浮かぶ。
己の手に行方を追う妹の手かがりが転がり込んできたかと思えば、指の間からこぼれ落ちてしまったのだから。
彼女の手には己と同じ髪色をした少女の姿が映る写真があった。
闊達な笑顔。
昔から彼女は自分の度肝を抜くような行いばかりしていた。それは褒められたことばかりではなかったけれど。
けれど、それでも己の妹なのだ。
王国から機械神、至宝たる『ヴリトラ』を持って出奔した妹。それを彼女は探し続けている。
今回のことで、僅かに手がかりのようなものを得ることはできた。
けれど、それでも影を踏むことすら未だできていない。
「あら……?」
そんな彼女の視界に映るものがあった。雪原に佇む者。戦いの気配に『ビバ・テルメ』の兵が偵察に来たのかと思ったがどうやら違うようである。
あれは、とソフィアは気がつく。
グリモアベースで幾度か見た顔である。
「……あれはグリモア猟兵の」
同じ猟兵であれど、グリモアを持つ予知行なう猟兵はひと目で認識することができる。故にソフィアは『インドラ』より降り立ち、その猟兵へと駆け寄るのだ。
「戦いの音が聞こえる、と思ってきたのですが……一体、これは……?」
ソフィアはグリモア猟兵である眼の前の女性、ナイアルテの手を取って経緯を説明すると同時に彼女のならばと思ったのだ。
同じく猟兵として活動する妹。
彼女はクロムキャバリア、それもこの地方において奇行に及んでいると知っている。
ならば話は速い。
グリモア猟兵の呼びかけに猟兵は応えて、グリモアベースにやってくる。
ならば、目の前のナイアルテは妹であるメサイアと出会う買う農政も高いだろう。自分が各地を転戦しているより疾く妹と邂逅するかもしれないと思ったのだ。
「ナイアルテ様、この写真のものをみかけましたら、どうかこちらの手紙をワタシては頂けないでしょうか?」
「これを……?」
差し出す写真。
そこに写った少女の姿を見て、ナイアルテは目を見開く。
それは彼女にとって良く知る者であり、頼もしい猟兵の一人であった。多くの戦場に果敢に飛び込み、時に華々しい戦果を。時に尋常ならざる破壊を齎す者。
ソフィアとナイアルテは互いに顔を見合わせる。
「これは、メサイアさん……?」
新たなる物語の幕が上がる。
其れは暴竜と竜帝の織りなす物語――。
成功
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