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美食倶楽部~丸々太ったヒトは美味い

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●ダークセイヴァー
 その街は美食思考のヴァンパイアによって、支配されていた。
 街のまわりは高い壁に覆われ、外に出る事が出来るのは、死ぬ時のみ。
 無理に街から出ようとすれば、ヴァンパイアの眷属である蝙蝠達に襲われ、骨と皮しか残らない。
 そうやって死んだ人間達は見せしめとして、街の広場にさらされ、他の人間達に対して、絶望の種を植え付けていた。
 それを目の当たりにした人間達は逃げる事を諦め、ヴァンパイアに逆らう事が出来ず、家畜のような扱いを受けていた。
 そこには希望がなく、未来もない。
 ……あるのは、絶望のみ。
 半ば思考停止状態に陥った人間達は、ヴァンパイアに言われるがまま、家畜が食べるような食事を喰らい、みんな丸々と太っていた。

●ココアからの依頼
「今回の目的は黒幕のヴァンパイアを倒す事。手段さえ選ばなければ、簡単な依頼だけど……。街の人達を助けるつもりなら、難易度が一気に上がるわね」
 生乳・ココア(人間の聖者・f14331)が複雑な気持ちになりながら、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は黒幕であるヴァンパイアを倒す事。
 ただし、正面突破をする場合は、門番だけでなく、街に住むヴァンパイアや、蝙蝠達を相手にする事になる。
 その分、ヴァンパイア達の注意を引く事が出来るため、仲間達が潜入しやすくなるだろう。
 また街にはペストマスクを被った黒ずくめの商人が出入りしており、街の中で奴隷や血液の取引をしているようだ。
 そのため、ペストマスクを被った黒ずくめの商人に扮するか、奴隷として売られてくる事で街の中に入ると言う手段もある。
 その代わり、商人として潜入する場合は、必ず売るものが無ければならない。
 最悪、自分の血を瓶詰めにして売るか、同行した仲間を奴隷として連れて行くしかないだろう。
 ちなみに、街の住民達はヴァンパイアに対する恐怖で、冷静な判断力を失っているため、彼らを安心させるだけの理由が必要になってくる。
 街の中にはヴァンパイア達が生活している上に、その眷属である蝙蝠もいるため、迂闊な行動は死に直結するだろう。
 とにかく、黒幕のヴァンパイアさえ倒せば問題ないため、その目的を果たすためであれば、多少の犠牲も仕方がないという事だった。


ゆうきつかさ
 今回の依頼は黒幕のヴァンパイアを倒す事が目的です。
 POWを選んだ場合は、ヴァンパイアとの戦闘がメインになります。
 ただし、ヴァンパイア達の数が多いため、途中で逃げる事も考えておきましょう。
 SPDを選んだ場合は、商人か、奴隷として、街の中に入る事になります。
 奴隷として潜入した場合は、自由に行動する事が出来ないため、注意が必要になります。基本的に、こちらは黒幕探しがメインになります。
 WIZを選択した場合も、商人か、奴隷として、街の中に入る事になります。
 ただし、街の住民は恐怖によって支配されているため、説得に失敗すると猟兵達を裏切るかも知れません。
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第1章 冒険 『美食倶楽部』

POW   :    片っ端から施設の破壊

SPD   :    先行侵入して街の絡繰を調査

WIZ   :    街の人を説得して逃す

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

コノハ・タツガミ
アドリブ・連携歓迎だよ

【WIZ】

どうしたものかね、説得と言うのはあまり得意ではないんだけどね

【世界知識】を利用して、商人に扮して町に潜入するとするかい。【指定UC】を使って、辺りの無機物を吸血鬼の眷属の蝙蝠に似せてた使途に変換しようか、蝙蝠を操る姿を見せて吸血鬼側と村人に誤認させて、吸血鬼の命令での移動を装って、脱出させるとするか

さあさあ、主の命だよとっとと移動だよ

蝙蝠たちには、吸血鬼の蝙蝠の撹乱も合わせて頼むとするかね。

他の猟兵には吸血鬼側と勘違いされないように、従者のミズチに手紙でも括りつけて作戦の内容を伝えておくとするかね


ハララァ・ヘッタベッサ
贅肉を美味など三流以下、程よい運動に脂を乗せてこその人肉よ。
が、恐怖に縛られ冷静な判断力を失っている愚民どもなら、利用しない手はないのう。
町の内外の蝙蝠どもは主様の動物とレイヤの言いくるめ3技能併用で美味い肉にするため運動が必要と教えてやろう。
町に入る時は主様を奴隷商、レイヤが奴隷役じゃ。
眷属ども、愚民どもを説得する時はヴァンパイアを演ずる。主様をまとい信じぬ者はUCや他の力で超常の者と見せるのじゃ。
猟兵を知らぬ愚民どもも闇の者と信じこみ、美味い餌になるためと外へ出るじゃろう。目的地は縁者のいる町にでもするかの。
精神支配が解ければ戻らぬし、戻って来る頃には件の者など塵芥よ。
カーカッカッカッ!


ロマナ・ブラックバート
ほう、人間を家畜のように……ねぇ。
人を食ったことはないが、太ってる方が美味いのかねえ……?

とりあえずはここがどんな街なのか、探ってみたいところだ。ちょっくら奴隷に扮して紛れ込むとするかね。

・街のヴァンパイアがどんな奴らか
・出入りしてる商人は何者か
・如何にして街を支配しているか
・人間の餌にも仕掛けがあったりするか
まずはこのあたりから調べてみるかね。

商人に化ける仲間がいるなら、あたしが商品を買って出るかね。
ジャケットや帽子、武器にアクセサリは一旦預けておくよ。
下着にミニスカみたいな格好になるが、変に着飾ってるよりも奴隷らしくはなるだろうさ。

たまには奴隷の立場になってみるのもまた一興ってね。



●吸血鬼の街
「贅肉を美味など三流以下、程よい運動に脂を乗せてこその人肉よ。……が、恐怖に縛られ、冷静な判断力を失っている愚民どもなら、利用しない手はないのう」
 ハララァ・ヘッタベッサ(亡霊の纏う黒き剣布・f18614)は吸血鬼に支配された街を見下ろす事の出来る高台に立ち、物思いに更けていた。
 街のまわりには沢山の蝙蝠が群れを成して飛び回っており、まるで辺りを監視しているようだった。
 ハララァはペストマスクを被った奴隷商に扮すると、レイヤ・イリシュツバリ・ヒンメンベルクを奴隷として連れて行き、街の中に入っていった。
 街の中には同じような恰好をした奴隷商が歩き、犬の散歩をするような感じで裸に近い格好の奴隷を歩かせていた。
「……」
「……なんじゃ?」
 レイヤがハララァの視線(?)に気づき、怪訝そうな表情を浮かべた。
 何やら言いたげな様子ではあるものの、あえて語らないスタンスのようである。
 もちろん、まわりから怪しまれないようにするためには、わんこスタイルでレイヤを歩かせる必要があるものの、それを言わせない勢いで、レイヤが睨みを利かせていた。
「……ん? まだ調教が終わっていないのか?」
 それに気づいた奴隷商が首輪をつけた全裸の美少年を連れ、ハララァの傍にやってきた。
「まあ、随分と上物のようだし、こういうのが好きって奴もいるしなァ」
 奴隷商が妙に上から目線で、フンと鼻を鳴らす。
 何やら気に食わなかった様子ではあるが、怪しまれたという訳ではないようだ。
(「この状況では、愚民どもを説得するのは難しそうじゃ。何処か人気のないところに連れ込むか。……何か策を考えねばな」)
 そんな事を考えながら、レイヤが険しい表情を浮かべるのであった。

●街の様子
(「人間を家畜のように……ねぇ」)
 ロマナ・ブラックバート(陸に上がった海賊・f15038)は下着にミニスカート姿で、奴隷として吸血鬼の街に潜入していた。
 彼女は他の奴隷と共に奴隷商に連れられ、納屋のような場所に閉じ込められているのだが、他の奴隷はみんな目が虚ろで魂が抜けているような感じであった。
 どうやら、この街では丸々太らせた後に、美味しく血を戴くのが、トレンドになっているらしく、家畜が食べるようなモノを無理やり食べさせられている奴隷もいるようだ。
 幸いロマナは吸血鬼に売られていないため、そう言った扱いは受けていないものの、このまま何もしなければ誰かに売られてしまう可能性が高かった。
 いまのところ、ペストマスクを被った商人が何者なのか分からなかったが、吸血鬼を相手に商売をしている事だけは間違いない。
 もしかすると、その中には人間も混ざっているのかも知れないが、ペストマスクを被っているせいで、種族どころか、性別を見分ける事すら困難であった。
 また奴隷を買っている吸血鬼達は、この街でも上流階級に位置しているらしく、ペット代わりにしていたり、暇つぶしの道具として利用したりしているようだ。
(「さて、問題は此処からってカンジだねぇ」)
 ロマナが警戒した様子で、奴隷商に視線を送る。
 おそらく、ロマナが本気を出せば、奴隷商を黙らせる事は難しくない。
 だが、問題はそこから……。
 奴隷達を決起させるにも、みんな死んだ魚のような目をしているため、我が身可愛さから吸血鬼の味方をする可能性も高かった。
 納屋から脱出する事自体は難しくないものの、見張りをしている吸血鬼達を倒せば、確実にまわりが騒がしくなるため、覚悟を決める必要がありそうだ。

●街の中
(さて……、どうしたものかね。説得と言うのは、あまり得意ではないんだけどね」)
 コノハ・タツガミ(放蕩亜神・f17939)は複雑な気持ちになりながら、世界知識を利用し、奴隷商に扮して街の中に入っていた。
 だが、何も売るモノが無い。
 このままでは怪しまれてしまうため、【Dominus tecum(ドミヌス・テクム)】を使い、辺りの無機物を吸血鬼の眷属である蝙蝠に似せた使徒に変えた。
 これで少なくとも、吸血鬼だとは思われている……はず。
「……」
 そんな中、コノハの前に現れたのは、ボロ布を纏った少女であった。
 少女はまったく太っておらず、骨と皮だけ。
 何か言いたい事があるのか、虚ろな表情を浮かべたまま、コノハのローブをギュッと掴んだ。
「さあさあ、主の命だよ。とっとと移動だ」
 コノハが吸血鬼を装い、少女を街の外に連れ出そうとした。
「……駄目。ここからは誰も出られない。誰も……。誰ひとりとして……」
 少女が録音した言葉を吐き出すようにして、棒読み口調で答えを返した。
(「……まさか」)
 コノハは嫌な予感がした。
 ……何か、おかしい。
 奴隷のような恰好をしているが、何か引っかかる。
 それ故に思った。
 ひょっとして、この少女は吸血鬼側なのでは……と。
 だが、上手く説得する事が出来れば、心強い味方になる。
 ……それだけは間違いない事だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

尾守・夜野
【SPD】
商人として潜入する
商品はスキットルの中身
数日持つだけ残して後は売る

俺より【情報収集】は僕(腹黒別人格、男より口調お任せ)のが交渉だとか【コミュ力】が必要な事には向いているからな
変わるぞ

(うーん…
どこ向いても見えるのはペストマスク…

この町の外で地位あるのが紛れてやってる可能性あるかな?

なら商人の通用口があるかもしれない…
それなりに警戒はあるだろうけど町の人を逃がすのに使えるかな)

「ふむ…僕もなかなかの品を用意してきたと自負していたけどこの町には負けるね
別の場所で売りに出たいんだが…なるべく活きがいいのが欲しくてね」
奴隷購入し宿等人目のない所でそいつから情報収集

人が集まる場所等確認しとく



●ペストマスクの商人達
(「……うーん。どこ向いても見えるのは、ペストマスク……」)
 尾守・夜野(墓守・f05352)はペストマスクを被った商人に扮して、吸血鬼の街に足を踏み入れた。
 街の中は、右を見ても、左を見ても、ペストマスクを被った商人ばかり。
 彼らが売る商品は様々だったが、その中でも奴隷や血液は高値で取引されているようだ。
 夜野もスキットルの中に入っていた血液を売っていたのだが、思いのほか商人達の受けが良く、数日分を残してほとんど売れた。
 商人達の話では、宮殿のような屋敷に吸血鬼の女性が住んでおり、その女性がこの街を支配しているようである。
 彼女は、ボロ切れのような服を纏った少女達を従えているらしく、何か怪しげな行動を取るような者がいれば、少女達を通じて情報が入って来るようだ。
 残念ながら夜野が興味を持っていた商人用の通用口は存在していなかったが、それとは別に有力な情報を得る事が出来た。
「……僕もなかなかの品を用意してきたと自負していたけど、この町には負けるね。別の場所で売りに出したいんだが……。なるべく活きのいい奴隷って何処に行けば、手に入るかな?」
 夜野が思わせぶりな態度で、ペストマスクの商人に語り掛けた。
「なるほど、活きのいい奴隷……ねぇ。確かに、ここの奴隷は、どれも売り物としてはアレだからな。太り過ぎたヤツ、ガリガリのヤツ、度重なる拷問で自我を失ったヤツ……そんなモノを買い取ったところで、売り物にならんしな。だったら、入口で張っておくのが一番だな。そもそも、活きのいい奴隷は、みんな街の中心にある屋敷に連れて行かれるしな」
 そう言ってペストマストの商人が、街の支配者が住む屋敷に視線を送るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロマナ・ブラックバート
とりあえず奴隷の中に紛れ込むことはできたが……このまま閉じ込められたままじゃ何にもならないな。
しかし……奴隷から情報を集めようにもこの状態じゃあダメそうだ。
何か魔法みたいなもんでもかけられてるのかねぇ……?

ここまで来ちまった以上は、腹くくって吸血鬼側と接触する方に行くか。
今はまだ騒ぎは起こしたくないし、抵抗はしない。
だが、奴らが暇つぶしに奴隷を買い漁ってるんであれば、それなりに活きが良い奴隷を欲しがるだろうから、反抗的な態度は見せておくよ。
上手いこと上流階級のヤツの元にたどり着ければ、この街の支配者にも近づけるかもしれないしね。

しかし、ヤツらは奴隷に何をどれくらい食わせてるのかね……?



●納屋の中
(「とりあえず、奴隷の中に紛れ込むことはできたが……このまま閉じ込められたままじゃ、何にもならないな」)
 ロマナ・ブラックバート(陸に上がった海賊・f15038)は他の奴隷達と一緒に薄暗い納屋の中に閉じ込められ、複雑な気持ちになっていた。
 まわりにいる奴隷達も、死んだ魚のような目をしており、すべてを諦めているような感じであった。
 もしかすると、何らかの力によって、自我を失っている可能性もあるため、この状況では何を言ったところで無駄である可能性が高そうだ。
(「ここまで来ちまった以上は、腹くくって吸血鬼側と接触する方に行くか」)
 ロマナが何やら考え事をしながら、辺りの様子を窺った。
 ここで騒ぎを起こせば、自分だけは逃げる事が出来るかも知れない。
 その代わり、まわりにいる奴隷達は、確実に巻き添えを喰らってしまうため、最悪……命を落とす事になるだろう。
 それ故に、あえて騒がず、奴隷商に言われるがまま、まったく抵抗しなかった。
「どいつもコイツも、シケたツラをしやがって!」
 そんな中、現れたのは、吸血鬼の貴族であった。
 吸血鬼の貴族は自らの服を貴金属で飾り立て、かなりナルシストな感じであった。
「コイツも駄目、アイツも駄目。みんな駄目だ! もっと活きのイイ奴隷はいないのかッ!?」
 しかも、気に入った奴隷が見つからなかったのか、何やら悪態をつきながら、ロマナの傍までやってきた。
「……ん?」
 その途端、吸血鬼の貴族がロマナと目が合い、不気味な笑みを浮かべた。
「おい、お前! イイ目をしているじゃねえか! こりゃあ、調教し甲斐がありそうだな」
 そう言って吸血鬼の貴族が奴隷商を呼び寄せロマナを買うと、首輪に縄をつけて自分の屋敷まで引っ張っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『隷属から逃れる術を知らない少女達』

POW   :    命より重い忠誠を誓おう
【忠誠を誓った者から授かった力】に覚醒して【命を省みず戦う戦士】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    主のためなら限界すら越えて戦い続けよう
【主の命令書を読み限界を超えた捨て身の攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    主人に永遠の忠誠を誓おう
【忠誠を誓う言葉】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

コノハ・タツガミ
アドリブ・連携、歓迎だよ

【WIZ】

さて、この少女達は敵・・・なんだろうね

思わず溜息をつきたくなるけど、この子達を止める事は出来るのだろうかね。ま、とりあえずは黙ってやられる訳にも行かないね。【指定UC】を使って、ミズチの分霊を召喚するよ。

ミズチ、とりあえず足を止めるよ

止めた後についてはまた後で考えるとするかい。分霊による【属性攻撃・範囲攻撃・全力魔法・二回攻撃・誘導弾】で、敵の動きを凍らせて止めていくよ。敵の攻撃は【オーラ防御】で防ごうかね

ま、後で話が出来るようなら治療をすればいいさね。そうでなければ、申し訳ないけど死んでもらおうかね



●吸血鬼の街
(「おそらく、この少女は、敵……なんだろうね」)
 コノハ・タツガミ(放蕩亜神・f17939)は複雑な気持ちになりながら、ボロ布を纏った少女に視線を落とした。
 奴隷商を装って少女を連れ出す事が出来たものの、何から何まで上手く行き過ぎているため、喉元に骨が突き刺さっているような違和感があった。
 おそらく、少女は吸血鬼側の人間。
 それが自分の意志なのか、操られているのか分からないが、どちらにしても厄介である事は間違いない。
 何とも言えない状況に、思わず溜息をつきたくなった。
「困っているなら、助けてあげる。私についてきて……」
 そんな空気を察したのか、ボロ布を纏った少女が、不気味に笑う。
 まったく焦点の合わない目で、ユラユラと頭を揺らし……。
 そのまま人気のない裏路地まで歩いていった。
(「このまま、黙ってやられる訳にも行かないね」)
 すぐさま、コノハが【Draco salto glaciei(ドラコ・サルト・グラキ)】を使い、小型で戦闘用の蛟の分体を召喚した。
 召喚された蛟の分体は、ボロ布を纏った少女を威嚇するようにして、鎌首をもたげた。
「私を……殺すの……?」
 ボロ布を纏った少女が、不思議そうに首を傾げた。
「生かしておけば、何かと便利なのに……。まあ、いいわ……。あなたを利用しようとしていたのは……事実だから……」
 それが本音なのか、嘘なのか、その表情からは分からない。
 だが、すべて嘘とも思えなかった。
「ミズチ、とりあえず足を止めるよ」
 それでも、完全には信用する事が出来なかったため、蛟に対して指示を出して、少女の脚に噛みつかせ、身体を凍りつかせた。
 後は少女をどうするかによって、運命が決める。
 上手く利用する事が出来れば、黒幕と思しき吸血鬼の女性が住む屋敷まで行く事が出来そうな感じであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

尾守・夜野
(ここがさっき聞いた屋敷かな?)
「っと…おやや?
やぁっと…挨拶もなしか
そんなんじゃあ君らの主人も程度が知れる」

挑発してこちらに【誘き寄せ】ようか
荒事は【俺】のが得意だからね
変わるよ

「やるだけやって後片付けは俺かよ…どれも俺だけどよ…」

ため息つきながら
相手をするぜ

触媒は俺に向かってくる筈の彼女達の後方に投げ挟撃の姿勢を取る

彼女達がオブビリオンか、洗脳・調教を受けた一般人か判断がつかないからな
手足の腱を犬に噛み切らせるに留める

どんなに戦闘力が上がろうと、動けなければ、持てなければ何もできない事は知ってるしな

事が終われば治療はするさ

オブビリオンなら…終わらせるしか出来ねぇがな



●吸血鬼の屋敷
(「ここが、さっき聞いた屋敷かな?」)
 尾守・夜野(墓守・f05352)はペストマスクを被った商人から話を聞き、街の中心にある吸血鬼の屋敷にやってきた。
 目の前にある屋敷は宮殿のような造りをしており、他の屋敷とは比べ物にならない程、金が掛かっているような感じであった。
「……」
 そんな中、物影から顔を出したのは、屋敷の雰囲気とは不釣り合いなボロ布を纏った少女達であった。
 少女達は何やら警戒しているらしく、ふたりでコソコソと話をしていた。
 一体、何の話をしているのか分からないが、歓迎されているような感じではない。
「まさか、俺の存在に気づいていながら、挨拶もなしか? そんなんじゃあ、君らの主人も程度が知れる」
 夜野が、わざと挑発的な態度を取って、ボロ布を纏った少女達に対して、冷たい視線を送る。
 しかし、少女達はまったく反省しておらず、再びコソコソと話をし始めた。
「……って、おい! 聞いているのか?」
 夜野が呆れた様子で溜息をもらす。
 一見すると、少女達はこの辺りで、よく見る奴隷。
 生気のない目に、ガリガリの身体。
 誰かに洗脳されている訳ではないようだが、半ば思考停止状態に陥っており、誰かの指示が無ければ行動する事が出来ないような印象を受けた。
「……あら? ウチの子達が失礼をしたようね」
 その言葉は夜野の背後から聞こえた。
 完全に油断していたたため、背筋にゾッと寒気が走った。
「まあ、確かに……これは主人である私の責任ね。この子達には、きちんと責任を取ってもらう事にするわ」
 それは屋敷の主である吸血鬼の女性であった。
 吸血鬼の女性は思わせぶりな態度で少女達を見つめ、ニンマリと不気味に笑った。
「……!」
 その途端、少女達がビクッと身体を震わせ、身を寄せ合うようにしてガタブルと身体を震わせた。
(「ひょっとして、この女が黒幕か。だったら、何かと都合もいいが……」)
 夜野が警戒した様子で、吸血鬼の女性に視線を送る。
 吸血鬼の女性は笑顔を浮かべているものの、喉元の刃物を当てられているような錯覚に陥るほど殺気が鋭く、どす黒い感情が心の中に渦巻いているような感じであった。
「それじゃ、お詫びも兼ねて、私の屋敷で御茶でも、どう? アナタ……とっても美味し……いえ、美味しいケーキもあるから、一緒に食べましょう」
 そう言って吸血鬼の女性が上機嫌な様子で、夜野を屋敷の中に案内するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロマナ・ブラックバート
チッ……生意気に悪趣味な首輪なんざつけやがって。
まぁいい。ブチのめすのは後にしてやるよ。

もうしばらくは「ご主人様」の機嫌は損ねないように動かないとな。
癪ではあるが、命令は聞いてやるさ。

──っと、このガキンチョは……。
着てるボロ布と、鎖の付いた首輪は奴隷のようだが……何か、違うね?
……「ご主人様」にはバレないよう、少し接触してみるか。

「なあ、あんたもここのご主人様に買われた奴隷なのかい?」
「奴隷がこの後どうなるかとか、この街の一番偉い奴のこととか、教えてもらえないかね?」

……もし襲ってくるようなら最低限身を守りたいが、今は武器一つないんだよな。死角を取るなりして避けるくらいしかできないかねぇ。



●貴族の屋敷
「さて……、まずは着替えだ。私に相応しい奴隷になってもらわねば困るからな。……おい、コイツの服を着替えさせろ!」
 吸血鬼の貴族はロマナ・ブラックバート(陸に上がった海賊・f15038)を自分の屋敷に連れて行くと、ボロ布を纏った少女に声を掛けた。
「……こっち」
 ボロ布を纏った少女は生気のない目でフラフラと歩き、ロマナを屋敷の中にある衣装部屋まで案内した。
(「……チッ、生意気に悪趣味な首輪なんざつけやがって。まぁ、いい。もうしばらくは『ご主人様』の機嫌は損ねないように動かないとな。癪ではあるが、命令は聞いてやるさ。ブチのめすのは後にしてやるよ」)
 ロマナは心の中で悪態をつきつつ、ボロ布を纏った少女に続いて、衣裳部屋に入っていった。
 衣裳部屋の中には沢山の服が並んでおり、同じようにボロ布を纏った少女達が、そそくさをロマナに駆け寄り、ゴスロリ衣装に着替えさせた。
(「──ここにいるガキンチョ達は……。着てるボロ布と、鎖の付いた首輪を見る限り、奴隷のようだが……。何か変だな‥」)
 そんな中、ロマナが違和感を覚え、ボロ布を纏った少女達に視線を送る。
 先程、吸血鬼の貴族が『私に相応しい奴隷』と言っていたのだが、ボロ布を纏った少女達はどう見ても、彼に相応しいとは思えない。
 むしろ、自分だけ特別な扱いを受けているような印象を受けた。
「なあ、あんたもここのご主人様に買われた奴隷なのかい?」
 その違和感を払拭するため、ロマナがボロ布を纏った少女達に問いかけた。
「……」
 ボロ布を纏った少女は何も答えず、小さくコクンと頷いた。
「だったら、このあと奴隷がどうなるかとか、この街の一番偉い奴のこととか、教えてもらえないかね?」
 ロマナが言葉を選びながら、ボロ布を纏った少女に再び問いかけた。
「あなたは、この後……主様のところに行くの。そこには沢山の奴隷がいて、血の宴をするの。みんな美味しく戴かれ、満足してもらわなきゃいけないから……。綺麗にしなきゃ……いけないの……」
 そう言ってボロ布を纏った少女達が、匂いのキツイ香水をロマナに向かって噴き掛けた。
 そして、ロマナは吸血鬼の貴族に連れられ、この街を支配している吸血鬼の女性が住む屋敷に向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐藤・和鏡子
彼女たちも脅されてヴァンパイアに従ってるだけの奴隷なので、無用に危害は加えたくありませんし、余計な騒ぎは起こしたくありませんので、新しく連れてこられた奴隷のふりをして彼女たちをやり過ごせないかやってみます。
いかにも奴隷、といったぼろ切れのような服を着て体も汗や垢や泥で汚し、ガジェットショータイムで作った頑丈そうな鎖のついた手枷や重そうな鉄球のついた足枷を付け、常に恐怖におびえ、従順になった無力な奴隷、になりきります。
『どんなことでも言われたとおりにしますから、どうか、もうこれ以上乱暴しないでください』



●主の館
(「……思ったよりも、ヴァンパイアの数が多いですね……」)
 佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)は、でっぷりと太った吸血鬼の貴族に連れられ、街の主である吸血鬼の女性が主催するパーティにやってきた。
 その中には商人や奴隷に扮した猟兵達の姿もあったが、今のところ何か行動を起こす素振りはない。
 むしろ、みんな様子見をしているらしく、その場で何が行われているのか、状況を把握している途中のようだ。
 どうやら、奴隷達はここでの地位を保証してもらうため、吸血鬼の女性に献上する事になっているらしく、みんな綺麗に着飾っていた。
 だが、手枷と足枷と首輪は嵌められたままになっており、吸血鬼の女性が興味を示さなかった場合は、そのまま餌になるらしく、みんな怯えている様子であった。
 それとは対照的に、吸血鬼の貴族達はテーブルの上に置かれた料理を食べながら、会話に花を咲かせていた。
 デーブルの上に置かれた料理や飲み物は、かつて奴隷だったモノ達の肉や血が使われており、それを料理した吸血鬼が誇らしげに胸を張っていた。
 その場にはボロ布を纏った少女達もいたが、なるべく目立たないようにしており、物陰に隠れてこちらの様子を窺っているようだった。
(「余計な騒ぎを起こす訳にはいきませんが、このまま何もしない訳にも行きませんわね……」)
 和鏡子が【ガジェットショータイム】で作った手枷と、重そうな鉄球を眺め、複雑な気持ちになった。
 その気になれば、どちらも外す事が出来るものの、問題はそこから先……。
 限られた人数で、行動を起こす事を考えれば、狙いは吸血鬼の女性のみに絞り込むべきだろう。
 おそらく、吸血鬼の貴族達は我が身可愛さから、吸血鬼の女性を守る事無く、この場から逃げ出す事はず。
 その状況で助ける事が出来る奴隷は限られているものの、状況的に考えれば、それも仕方のない事だった。
「ぶっひっひっ! そろそろ主様に品定めをしてもらうか。気に入ってもらえれば、宴の肉になるまで長生きする事が出来るぞ!」
 そんな中、吸血鬼の貴族が不気味な笑みを浮かべ、和鏡子の身体を優しく撫でた。
 一体、何を考えているのか分からないが、邪な事を考えている事は間違いない。
「どんなことでも言われたとおりにしますから、どうか……それだけは……」
 そう言いつつ、和鏡子は攻撃を仕掛けるタイミングを窺うようにして、吸血鬼の女性に視線を送るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ヴァンパイア・レディ』

POW   :    肉体変化
対象の攻撃を軽減する【魔力で出来た霧状の肉体】に変身しつつ、【時折実体化しては、鋭く伸ばした爪や牙】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    魅了の魔眼
【魅了の魔力を込めた視線を放つ事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【瞬時に篭絡し、同士討ちをさせる事】で攻撃する。
WIZ   :    闇夜の眷属
レベル×5体の、小型の戦闘用【の『眷属』、吸血コウモリ達】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

尾守・夜野
(この状況はひっじょーにやばいな

とりあえず、ケーキや紅茶は確かにあるが

どうみても何か仕込まれてるよなぁ
しかもこのニコニコ顔…
どうみてもわかってる事をわかってんだろうなぁ
)
それに気づいてねぇように【騙し討ち】振る舞いつつ【毒使い】の経験から毒等の種類の特定、及び俺の耐性抜けるかどうかを判断

抜けないなら食べてその症状で倒れる振りしてこの状況を動かそう

抜かれるなら振り

倒れてから地表にそってゆっくりと確実に毒を広げよう…気づかれぬようにな

そして麻痺させ…少女奴隷はまとめて【俺の世界】に避難させる

吸血鬼に対しては起き上がりこちらから【吸血・生命力吸収】を仕掛けよう

「残念だったな?お前が喰われるんだよ!」



●街の主
(「……この状況はひっじょーにやばいな」)
 尾守・夜野(墓守・f05352)は商人に扮したまま、街を支配している吸血鬼の女性の屋敷で持て成しを受けていた。
 テーブルの上にはケーキや紅茶などが置かれていたものの、今までの流れから考えて何か仕込まれている可能性が高かった。
 だからと言って、このまま何も食べなけれけば、間違いなく怪しまれてしまう。
「どうしたの? 早く、食べてしまいなさい」
 吸血鬼の女性が夜野の顔色を窺うようにして、にこやかな笑みを浮かべていた。
 もしかすると、気づかれているのかも知れない。
 気づいた上で、動揺する夜野の反応を楽しんでいるような感じであった。
 幸いペストマスクを被っているおかげで、感情までは読み取られていないはずだが、それでも嫌な予感しかしなかった。
 だが、状況的に考えて、食べても最悪。
 食べなくても、最悪と言った感じであった。
 それでも、状況的に考えれば……食べるしかない。
 その間も、紅茶からは独特なニオイが漂っており、それを嗅いだだけで、酔ったような錯覚に襲われた。
 おそらく、普通の人間であれば、この感覚を愉しむようにして、紅茶を口に含んでしまうかも知れない。
 しかし、毒使いである夜野には分かる。
 これは毒……一口でも口にすれば、身体が痺れ、何も考える事が出来なくなってしまう。
 そんな事になれば、ここに来た目的を、ベラベラと話してしまうかも知れない。
 それだけは何としても避けたかったため、夜野は迷わず賭けに出た。
「うっ……!」
 完全に油断した素振りを見せつつ、紅茶を口に含むと、苦しみながら倒れ込み、【縲絏呪毒(マーキング・アナフィラキシー)】で広域散布した停滞する毒煙を撒いた。
「な、なんだ、これは!」
 それと同時に、吸血鬼の貴族達が毒煙に包まれ、呪詛、麻痺毒、神経毒等の影響で、悲鳴を上げて崩れ落ちていく。
 その間に、夜野が【俺の世界(マイワールド)】で大きな魔方陣を出現させ、奴隷達を次々と吸い込んでいった。
「な、何よ、これ!」
 それを目の当たりにした吸血鬼の女性がヒステリックな悲鳴を上げ、殺気立った様子で夜野を睨みつけるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐藤・和鏡子
トイレに行く振り(いくらヴァンパイアでもトイレなら断れないでしょうから)をして、ガジェットショータイムで作った偽物の時限爆弾(派手な爆発音や盛大な煙だけ出ます)を仕掛けて騒ぎを起こし、それに乗じて奴隷たちを屋敷の外に逃がします。
トイレをお願いする時は真っ青な顔で今にも、という感じを出してお願いします。
(断られたらおしまいなので)



●トイレの中で
 一方、その頃……。
「おいおい、マジか!? せっかくのチャンスだって言うのに……」
 吸血鬼の貴族は、絶体絶命のピンチに陥っていた。
 吸血鬼の女性に佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)を売り込もうとした途端、突然のトラブル。
 いきなり和鏡子が小動物のような目で瞳をウルませ、『……トイレに行きたい』と言い始めたため、吸血鬼の貴族も無視する事が出来なくなった。
 それが原因で、売り込む順番は、最後ッ!
 他の吸血鬼達に馬鹿にされ、ストレスは最高潮に達していた。
 だからと言って、あのまま我慢させ、何かの拍子に漏らされてしまっても、シャレにならない。
 そんな事になれば、ここまで築き上げてきた地位が剥奪され、死ぬよりも恐ろしい目に遭ってしまう事だろう。
 それだけは何としても避けたかったため、トイレまで同行したものの……とにかく長い。
 その上、会場の方は何やら盛り上がっているらしく、先程と比べて騒がしくなっていた。
「おい、まだか! 早くしろ!」
 吸血鬼の貴族が、イラついた様子で叫ぶ。
 出来る事なら、トイレのドアを蹴破り、和鏡子を引きずり出したいところだが、そう言う訳にも行かないのが現実であった。
「あ、あの……これを……」
 次の瞬間、和鏡子が勢いよくトイレのドアを開け、【ガジェットショータイム】で作った偽物の時限爆弾を吸血鬼の貴族を手渡した。
「……ん? なんだ、こりゃ!? お、おい! これ、妙な音がするぞ! ま、まさか、爆発したりしないよな! お、おい! 何か答えてくれぇ!」
 それを受け取った吸血鬼の貴族が、半ばパニックに陥った様子で悲鳴を上げた。
 だが、そこに和鏡子の姿は既になく、代わりに奴隷達が逃げていく姿が見えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイチェル・ケイトリン
ブットバースで参加します。
奴隷にされた人たちをにがすために和鏡子さんがおこしてくれたさわぎにまぎれるよう、衣装「サイコクローク」を「念動力」でみつかりにくい外見にしてはいりこむね。
もちろん、にげおくれた人がいたらたすけてあげるの。

ハイトさんがエレメンタル・ファンタジアをつかったら、「念動力」で「テレキネシス」をつかって制御のおてつだい。そのまま、敵を「範囲攻撃」の技能もつかって攻撃するね。
敵がへんな目をしてきたら「目潰し」してふせぐよ。
仲間への攻撃もおなじようにふせぐね。「かばう」技能もつかえるから。

敵が霧になったら、チープウェポン、ありあわせの武器にした空気でバラバラに「吹き飛ばし」てくね。


純・ハイト
ブットバースで参加

狙うは狩りターゲットただ一つ!

ユーベルコードのエレメンタル・ファンタジアの発動準備を開始して、小天体落下・衝突の隕石を風の力で大気圏突入の摩擦を減少させながら速度を上昇させてヴァンパイア・レディを狙い、落とす。

基本は迷彩で目立たないようにしながら忍び足で行動、味方がピンチなら殺気・恐怖を与える・存在感でカバーする。


エメ・ボンブ
※ブットバースで参加
おれ自身や仲間に纏わり付くコウモリを【インターセプト・ボルト】で迎撃する。
だが本体であるレディを退治するには力不足なので、本命であるハイトくんのエレメンタル・ファンタジアが命中する直前まで時間稼ぎに徹しよう。
逃げ出すタイミングは問題ない。
事前に打ち合わせをしているし、万が一おれが戦いに熱くなりすぎるあまり攻撃に巻き込まれそうになった時には、ハイトくんが殺気等で警告してくれる。
これとて「味方のピンチ」には違いあるまい?
いよいよとなったらレイチェルくんも助けてくれるさ。
「さあ、おれと勝負だ! それともこの老いぼれが恐ろしいか?」
(使用技能:範囲攻撃、挑発、武器受け、時間稼ぎ)


ロマナ・ブラックバート
……っと、大人しくしてる間に色々騒ぎを起こしたヤツらが出てきたか。
状況とタイミングから見て、味方という事でいいんだよな?

この機に乗じて大暴れと行きたいが、武器一つ手元にないときた。
味方から武器を寄越してもらえたらそれでいいが、そうでないなら毒煙やら爆弾やらでぶっ倒れてたり混乱してる貴族共から【盗み攻撃】で武器を奪えないか試してみるかね。

どうにか武器を奪うことができりゃ、この騒ぎの中でならあの偉そうな女のヴァンパイアにも一撃かますこともできるかもしれんしな。
気絶してるフリして、背後から不意打ちで一撃ってとこか。

どうしても武器が手に入らないなら、混乱してる貴族共の拘束あたりに徹しておくさ。



●混乱の中で
(「……っと、大人しくしてる間に、色々と騒がしくなってきたな。状況とタイミングから見て、味方という事でいいんだよな?」)
 そんな中、ロマナ・ブラックバート(陸に上がった海賊・f15038)は状況を把握するため、しばらく様子を窺っていた。
 その視線の先にいたのはガジルの依頼によって、この場にやってきたブットバースの面々であった。
「みんな、こっちなの!」
 その間も、レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)が、思考停止状態に陥っていた奴隷達を避難させていた。
 奴隷達は訳が分からず、混乱しているようであったが、今より悪い状況に陥る事が無いと判断したのか、レイチェルの誘導に従って屋敷の外に出ていった。
 先程までロマナと一緒にいた吸血鬼の貴族も、我が身可愛さから彼女を見捨て、この場から逃げ出してしまったようである。
 おそらく、貰うモノだけ貰って、街から逃げ出すつもりだろう。
 そういった意味でも、この機に乗じて大暴れしたいところだが、手元に武器がひとつもない。
 だからと言って、今から武器を取りに行くだけの余裕も無いため、傍にあったテーブルナイフを手に取った。
 これで何が出来るか分からないが、何もないよりはマシ。
 少なくとも、自らの身を守る事くらいは出来るはずである。
「次から次に……忌々しいッ!」
 吸血鬼の女性が恨めしそうにしながら、ギチギチと歯を鳴らす。
 あれほど愛敬を振り撒き、擦り寄ってきた吸血鬼の貴族達は、既にいない。
 みんな偽りの忠誠心を捨て去り、この街も捨てた。
 それが腹立たしく、悔しくもあったが、いまさら何を思ったところで、現実が変わる事はなかった。
「……安心しろ。狙うのは、お前だけだ!」
 そんな空気を察したのか、純・ハイト(数の召喚と大魔法を使うフェアリー・f05649)が吸血鬼の女性に冷たい視線を送る。
 逃げ出した吸血鬼達は、いずれ誰かが倒すはず。
 吸血鬼の女性は、自分の財産を狙って、猟兵達が現れたものだと思い込んでいるようだが、そんなモノには興味もない。
「随分と強気じゃない。でも、残念ね。私は強いわよ」
 吸血鬼の女性が必要以上に強がりながら、小型の吸血コウモリ達を呼び寄せた。
 小型の吸血コウモリは、その場を埋め尽くす勢いで集まり、猟兵達に襲い掛かった。
「……殺気が漏れているぞ!」
 それよりも速くエメ・ボンブ(放浪魔術師・f12562)が【インターセプト・ボルト】を使い、小型の吸血コウモリ達の中に紛れた吸血鬼の女性を、魔法の矢で撃ち抜いた。
「うぐっ!」
 それは吸血鬼の女性にとって、屈辱的な一撃。
 小型の吸血コウモリに紛れて、この場から逃げ出そうとしていたため、余計に腹立たしかったようである。
(「さすがにテーブルナイフじゃ、頼りないな」)
 その間も、ロマナはテーブルナイフで、小型の吸血コウモリ達と戦っていた。
 さすがに、これではキリがない。
 故に、武器を使わず、吸血鬼の女性にダメージを与える方法を考える必要があった。
「なるべく敵の注意を引き付けてください」
 それに気づいたハイトが、迷彩で目立たないようにしながら、小型の吸血コウモリ達に紛れ、ロマナに小声で話しかけた。
「さあ、おれと勝負だ! それともこの老いぼれが恐ろしいか?」
 エメが小型の吸血コウモリを蹴散らし、吸血鬼の女性を挑発した。
「よほど死にたいようね。……いいわ。あなたから血祭りにしてあげる」
 吸血鬼の女性が小型の吸血コウモリを呼び集め、不気味な笑みを浮かべた。
「それじゃ、ここでルール追加だ。あたし達の攻撃は避けない。簡単な事だろ?」
 ロマナが思わせぶりな態度で吸血鬼の女性に手袋をぶつけ、【デュエリスト・ロウ】でルールを課した。
「ば、馬鹿な事を言わないで、そんなルール……守る必要も……うぐっ! ぐはっ!」
 その途端、吸血鬼の女性が激しい痛みを感じて、崩れ落ちるようにして膝をついた。
 しかし、吸血鬼の女性は自分の身に何が起こったのか、まったく分かっていないようだった。
「そろそろ、時間だ。迷わず、逝ってくれ」
 ハイトが【エレメンタル・ファンタジア】で呼び寄せたモノが接近してきた事に気づき、何やら察した後ろに飛び退いた。
 それと同時に、屋敷の屋根を突き破って、炎を纏った巨大な岩が現れた。
「な、何よ、あれ!?」
 吸血鬼の女性にとって、それは予想外のモノだった。
 初めて見るソレは、吸血鬼の女性にとって、恐怖の対象そのもの。
 即座に逃げ出そうとしたものの、全身に激しい痛みが走って、まったく身動きが取れなかった。
「なんなのよ、あれは!」
 半ばパニックに陥りながら、小型の吸血コウモリを盾代わりにしたものの、全て消し炭と化して床の落下していった。
 そして、炎を纏った巨大な岩はレイチェルのテレキネシスによって、吸血鬼の女性に直撃した。
「ぎゃああああああああああああああああ!」
 その一撃を食らった吸血鬼の女性が断末魔を響かせ、炎を纏った岩ごと床を突き破って地面にめり込んだ。
「……これで二度と蘇る事もないでしょうね」
 ハイトが足元に気をつけながら、クレーター状になった地面を見下ろした。
 吸血鬼の女性は、跡形もなく消滅。
 街に住んでいた吸血鬼達は散り散りになって逃げ出し、彼らが住んでいた屋敷は、もぬけの殻。
 街に残った奴隷達は不安げな表情を浮かべていたものの、今までよりはマシな生活を送る事が出来るはずである。
 奴隷達にとっては、これからが本番。
 そして、自分達を閉じ込めていた檻は、彼らの身を守る砦となった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月25日


挿絵イラスト