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温熱の災魔

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 かつては迷宮探索中の学生たちが中継拠点のひとつとして使っていた、アルダワ魔法学園地下の温泉つき休憩所。けれども今はその施設は、災魔の巣窟と化していた。
 際限なく上昇する水温。沸騰するのは湯のみならず床までも。蠢く泥の災魔が侵入し、全てを汚し尽くしてゆく……もはやかつての『憩いの場』としての姿は消え失せ、ただ人々の記憶から薄れゆく時を待っている。

「……とは申せ、皆々様が力をお貸し下されば、休憩所を取り戻すのも決して不可能ではあるまいの」
 そうなのだ。ヤクモ・カンナビ(スペースノイドのサイキッカー・f00100)の予知を信じるのであれば猟兵たちこそ、この休憩所を災魔――すなわちオブリビオンどもから取り戻すための鍵となりうるであろう。
 かといって、それが猟兵たちにとって容易い仕事であることまでは意味しなかった。今や温泉に繋がる通路は姿を変えて、鉄板の壁に囲まれて、煮えたぎる溶岩の上に張られた金網を床とする迷路となってしまった。さも当然のように壁は天井まで続いているので、壁の上を乗り越えることもできない……しかもそんな中、時おり溶岩が床を越えて噴き出したり、天井から赤熱した鉄板が落ちてきたり、焼けた大岩が転がって追いかけてきたりするのだ。気を抜けば……おそらくは、タダでは済むまい。
 けれども災魔たちすら倒してしまえば、帰る頃には元通りになってくれているだろう、ともヤクモは付け加えるのだった。
「小さく弱い、『生きた泥の塊』とでも形容すべきオブリビオンどもじゃ……数が厄介ではあるものの、一網打尽にしてしまうのも難しくはなかろうの。なぁに、一たび集めてしまえば、外の溶岩に捨ててやるのでも構わんぞえ」
 そうして泥たちを全て処分してしまえば、おそらくは溶岩の迷宮は元通りに……んん?
 何か、全てを予知しきれていないような引っかかりがある、といった様子のヤクモは、最後にこうもつけ加えるのだった。
「……休憩所には、それだけに限らぬ何かまで出て参るやもしれん。皆々様、くれぐれもお気をつけ召されませ」


あっと。
 あっと。でございます。
 第1章の灼熱ダンジョンを越えれば、その先には温泉が待っています! 第2章では泥オブリビオンを倒すのも大切ですが、あえて任務は他の人に任せて、温泉を楽しむだけ楽しんでくださってもかまいません(泥オブリビオンに邪魔されることなくお楽しみいただけます)……判定としては失敗🔴🔴🔴にはなってしまいますが、この🔴は温泉によるリフレッシュパワーです。きっと第3章に登場する『何か』と戦う際、全力を出しやすくなることでしょう。
 ……あ、もちろん全力で温泉を楽しんだ人のせいでシナリオが失敗になるようにはいたしませんので、その点はご安心ください!
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第1章 冒険 『地獄の灼熱ロード』

POW   :    気合いで熱気を吹き飛ばす! トラップなんぞ、根性で突破だ! マグマよりも熱く叫んで駆け抜けろ!

SPD   :    こういう時こそ、冷静になるべき。熱風の向きやマグマの流れから、最短経路を割り出し進め!

WIZ   :    熱さに耐えるなんて馬鹿らしい。冷却魔法や機械の力を借りて、涼しく快適に突破しよう!

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セルヴィ・アウレアム
「鉄板の壁なぁ。緊急時なら『食って』道を作るんが一番手っ取り早いんやけど…」
「不味いもん食うてまで急ぐ理由もあらへん。ここは素直に探索するんが吉やな。」
●行動「SPD:こういうときこそ冷静になるべき。最短経路を割り出して進む」
元は中継地点、憩いの場出会ったのであれば、そこに至るまでの通路はマッピングされているはず。
わざわざ鉄板で隔離するような迷宮である以上、迷宮自体に大きな変化があったわけではなく、元の構造物を利用した迷路を作り上げたと推測。
迷路になった現在でも、重要拠点やそれにつながる通路に関しては変化がないと考え、奥地へと進むための道のりを割り出し進む。



 左右に聳え立つ黒い鉄壁。足元で煌々と輝く赤い溶岩。
 いつしか迷宮に住み着いてしまったセルヴィ・アウレアム(『迷宮喰らい』セルヴィ・f14344)にとっても、ここは見覚えのない場所になっていた。
「緊急時なら『食って』道を作るんが一番手っ取り早いんやけど……」
 少し辺りを見回した後に、無造作に足を一歩踏み出す。
「不味いもん食うてまで急ぐ理由もあらへん。ここは素直に探索するんが吉やな」
 確かに、暑かった。けれども彼女は、迷宮探索用に設計されたミレナリィドール。彼女の頭脳は今も平静なままで、最短経路を割り出すためにクールに回る。
「こういった類の迷宮は、元の構造物を利用して作られるもんや。なら、休憩所時代のマップを参考にすれば……」
 ほら、なんとなく更衣室に続きそうなこの道の先に……?
「……ありゃ、行き止まりやん」
 確かに大まかには元々の地形を基本としていたようだが、捻じれ、分岐し、妨げる迷宮の悪意は、どこかでセルヴィの感覚を狂わせていたようだった。
 だが……そんなのは迷宮じゃ日常茶飯事だ。まるで散歩でもしているかのように、再びセルヴィは歩きだす。
「考え方自体は間違うとらんのや。ほな、ゆっくりと攻略させてもらうで」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

須藤・莉亜
「温泉って聞いてたけど、まずはサウナからなのかな。」

大鎌を26本に複製、浮かせた大鎌を足場にして進んで行こう。
頭上にも何本か展開して、鉄板をくらわないようにもしとけば安心かな?

大岩が転がってきたら、大鎌をぶつけて少しでも勢いを殺してから回避…出来れば良いな。

うーん、温泉が生きてるんなら、流石に今いるとこよりは涼しいはずだし、暑くない方へ進んでみようか。

「お酒…はダメか。喉乾いてきちゃった…。」
温泉入る時に飲むためのお酒しか持ってないんだけどなぁ。



 そんな気ままな探検タイム。けれども須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)の迷宮探索も、負けず劣らず気楽に見えた。
「温泉って聞いてたけど、まずはサウナからなのかな」
 金網の隙間から噴き出てくる溶岩の熱気を、念力で浮かべた大鎌を足場にして避けて。さらに傍らにはもう一本の鎌――その先には、何やら大きなクーラーボックスがぶら提げられている。中には何が入ってるって? そりゃあ、温泉で飲むものといえば……。
「お酒……はダメか。喉乾いてきちゃった……」
 ……牛乳も持ってくればよかったかもしれない。莉亜の視線がチラチラと、時おりクーラーボックスに向いた。
 まあでも、今は我慢我慢。自らの周囲に檻のように浮かべたさらに幾本かの鎌のお蔭で、幸いにも激しい運動からは解放されているんだから……たとえば、こんな風に。

 じゃりじゃりじゃり……。
 突如として鎖の鳴る音が鳴りはじめたかと思ったら、熱気が莉亜の頭上から押し出されて来はじめた。
 吊り天井だ……だけれど莉亜の足音は、のんびりしたまま変わらない。そして、ゴウン、という重い音が辺りに響く!!

 ……残響が通路の奥へと消えてゆき、辺りは静寂に包まれた頃、ゆっくりと莉亜の姿が吊り天井の下を潜り抜けてきた。
 直後……一時のつっかえ棒となった鎌たちが、金網を突き破って溶岩の中へと消えてゆく。

 莉亜の旅路はまだ続く……必ずや、お目当ての一杯を堪能するために。

成功 🔵​🔵​🔴​

涼風・穹
【内心】
……熱源の上に金網、周囲は金属で覆われているって…要するにオーブンの中にいるようなものじゃないか…

【迷路】
面倒なので俺専用の真紅の宇宙バイク『スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ』で乗り込んで一気に走破する
壁も天井まであるというのは好都合、狭い通路や鋭角の曲がり角なんかも床面だけではなく壁走りも駆使して突き進み、状況によっては壁と天井も利用して通路を螺旋を描くように駆け抜ける

吊り天井や大岩が迫ってくるような罠はスピードで逃げ切れるなら加速を、難しそうなら『贋作者』で大きなつっかえ棒や楔を作り出して対処

道の先に大穴があったりするなら『贋作者』でジャンプ台を作成して一気に飛び越える


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
んー、あたしは熱には強い方だけど、だからといって長居したい場所でも無いねえ。
余計熱く感じそうでちょっと嫌だけど、【鋭敏感覚】を使ってさっさと抜けちゃおうか。

トラップの類は大体音に聞き耳を立てていれば予兆は感じ取れそうな奴っぽいからいいとして、出口はどうやって探そうかねえ。
硫黄の匂いとかがする種類の温泉なら簡単に辿れるんだけど、匂いがある泉質とは限らないしなあ。
お湯が常に沸騰してるなら、湿気が多いほうを辿ってみるか、泥の災魔が汚しているなら、汚れが酷い方に進むか。

まあ、最悪体力任せに総当たりしてもいいし、気楽に探してみようか。
いい温泉だと嬉しいんだけどなー。


スピレイル・ナトゥア
「まるで焼き網のうえのステーキになった気分です……」
焼き豚さんになっちゃう前に、休憩所を探さなければ!
そんなことを呟きながら、気合と根性で迷路を突破します
「心頭滅却すれば、溶岩だって熱くありません!」

しかし、溶岩のうえを進むというのは、昔読んだ某レーシングホビーの漫画のことを思い出しますね
たしか、あの漫画では下からの熱気でマシンが持ち上がって不安定になっていたはずですが、私のスカートは果たして大丈夫なのでしょうか?
プリーツスカートですし、熱気で持ち上がらないように気をつけつつ【第六感】を駆使して進むとしましょう
もし獣使いのお姉様がこの迷路に迷い込んでいたら……そんな想像をして気をまぎらわせます



 そんなのんびり旅路とは別の通路を、真紅の宇宙バイクが駆け抜けていった。
 床の下には真っ赤な熱源、周囲は黒い金属の箱……それってつまり、オーブンの中にいるようなものじゃないか。あるいはスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)の言葉を借りれば、『焼き網の上のステーキ』だろうか?
 何にせよ美味しい食材にさせられないために、涼風・穹(人間の探索者・f02404)は『スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ』のグリップを回す。ぐうんと加速を始めたバイクは、吹きつける熱風を涼しい風へと変えてゆく。

 だが……迷宮の悪意はそんな穹を捕らえんと、次々に罠を繰り出してくる。
 落ちる天井。転がる大岩。灼熱に灼熱とさらなる灼熱を重ね、穹をエクセレントガンマごと轢き潰さんと欲す。まだまだ手ぬるい……これしきの悪意なんぞが束になっても、俺から学生としての日常を奪ったUDCどもと比べれば可愛いものだ。
 前方に直角の曲がり角。だが穹がぐいと身を脇に乗り出したなら、エクセレントガンマは壁へと近寄っていった。そこで……。
「投影」
 ユーベルコード、『贋作者(フェイカー)』。床と壁、曲がり角、はたまた壁と天井の間に仮初めの円弧が生まれ、エクセレントガンマの軌道はその上へと移る!
 穹を追わんとしていた迷宮の悪意らは、滑らかに曲がり角を越えていった穹から次第に引き離されていった。このまま……ゴールを目指してやるだけだ。穹は、さらに加速する。

 そうやって穹が金網の隙間を跳んでいった様子が、不意に現れた鉄板の隙間から、スピレイルの視界に映るのだった。
 それを見て、そういえば……とひとつの記憶がよぎる。溶岩の上を駆け抜けるだなんて、昔読んだレーシングホビー漫画の一コマみたい。
(「たしかあの漫画では、下からの熱気でマシンが持ち上がって不安定になっていたはずですが……」)
 そんなことまで思い出したなら、思わず彼女は自分のスカートへと手を当てた。力強く邪悪な上昇気流が彼女を狙えば、風は彼女のプリーツを押し広げて高くはためかせるだろう。幸いにも彼女の第六感は、周囲には覗き見る不届き者はいないと告げる……だが彼女の隣には、いつでも双子の姉の大鷲が寄り添っている。はしたない姿など見せられない。
(「もし獣使いのお姉様がこの迷路に迷い込んでいたら……」)
 想像の中で目の前をゆく姉を追いかけて、スピレイルは思い切ることにして、スカートから手を離して駆けはじめた。必要以上の裾への不安も、暑さで火照る手足や顔も、それで意識から離れてくれる。
「心頭滅却すれば、溶岩だって熱くありません!」
 そんな彼女を迷宮は狙う。でも大丈夫、彼女のことはいつも姉の大鷲が見守ってくれる。

 スピレイルが迷宮のどこかで駆ける足音を、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(蛮族キマイラ・f07620)の鋭敏な耳は捉えていた。
 化け物じみたその全身に纏うのは、獣すらをも上回る野生。全身の皮膚の温点が、激しく彼女に警鐘を鳴らす……だが同時、彼女の肉体はその苦痛に耐える術をも知っている。
「……だからといって、長居したい場所でもないけどねえ」
 ならば……どうするか?
 全身の感覚を今以上に尖らせて、とにかく、出口に近い通路を探してゆく。温泉の匂い……溶岩から湧く火山ガスが強くてよく判らない。湿気……これもやっぱり似たようなものだ。じゃあ、嗅覚も効かず、触覚も役に立たないのなら、素直に視覚に頼ってみようか?
 そうやって目を凝らしてやったなら……黒い鉄壁の表面に違和感があった。
 壁よりは微かに白みがかった帯。何かの意思があって描かれたものには見えない……だとすれば、これは猟兵の誰かの仕業ではない。
「そういえば、この先にいるのは泥の災魔なんだっけなー」
 きっとうっかり者の泥の災魔が、迷宮に迷い込んでしまったのだろう。けれども災魔はそこで力尽きたらしく、帯はペトのすぐ傍で垂直に向きを変えている……ペトが見下ろした先の溶岩に向けて。
 もっとも災魔の痕跡を追っていったなら、帯はいろんなところを行ったり来たりしていたようだった。だが……ここまで来れば残りは総当たりでも十分だ。
 ペトの歩みは意気揚々と進む。ゴールまでは……残り僅かなはずだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

メンカル・プルモーサ
……ん、温泉温泉……ごーごー……

その前にこの灼熱地獄を越えないと……
足を踏み外すと不味いし箒に乗って……冷却術式で体冷やしてるけど汗出るな……
熱さもそうだけど温泉近いから湿気も凄い……(胸元ぱたぱた)
……汗を流すために汗をかいて温泉目指す……ううん、哲学的(?)

……ひとまず、近寄れない程熱い場所や吹き出す溶岩は【天より降りたる静謐の魔剣】で一時的に凍結させつつ溶ける前に急いで通過……

溶けてるとは言え多少は道が原型とどめてるだろうし……そこから推測して先を目指そう……

…温泉見つけてオブリビオン倒して早く温泉タイムにしたいな……



 ……その時、急に辺りの空気が冷え込んだのが判った。
 もっとも、冷えたとはいえまだまだ熱い。学園制服の胸元を摘まんで、ぱたぱたと上下させてみせるメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)……さしもの彼女の冷却術式も、溶岩の熱気と湿気の前には効ききらない。
「……汗を流すために汗をかいて温泉目指す……ううん、哲学的(?)」
 平叙文と疑問文の間ほどの語調で独りごちてから、メンカルは横乗りに腰掛ける『リントブルム』――彼女の飛行箒の名前だ――に手を戻した。しっかりと柄を握ったのならば、とっととこんな空間からは抜け出るために加速する。
 涼しい――が、迷宮は比較的快適そうに進むメンカルが気に入らなかったらしかった。遥か足の下で溶岩が沸き立って、真っ赤にどろつく柱が彼女めがけて伸びる!!

 ……そして黒い石柱へと変わり、そのまま元の溶岩プールの中へと倒れ込んだ。
 無感動なメンカルの指の先で、役目を終えた魔法陣の光が消えてゆく。魔女が望み、虚空より生まれし蒼の剣たちは、溶岩柱を凍らすのみでは飽き足らず、溶岩プールにまで凍結の力を及ぼしてゆく。

「……温泉見つけてオブリビオン倒して早く温泉タイムにしたいな……ごーごー」
 何事もなかったかのように出口を求めて先を目指すメンカルが、その曲がり角を覗きこんだなら……。

 ……そこには茶色い泥に覆われた、かつての大浴場の姿が横たわっていたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『温泉を守れ!』

POW   :    力押しでガンガン倒していく

SPD   :    罠を作り一気に駆除

WIZ   :    策を講じてうまく殲滅

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 辿り着いたのは、開放的なまでに広い浴室だった。
 木枠で幾つかものエリアに仕切られた、趣のある石造りの大浴槽。
 壁際にずらりと並ぶシャワーと鏡の前には、幾つもの湯桶が積み上げられている。
 そして……大浴槽の向こうには広いスペース。おそらくは庭園なのだろう、木々らしきものが幾本も生えている。

 ここで木々『らしき』、と述べた理由は、それらが一見して木々であるとは判らなかったせいだ。
 茶色い泥が枝葉にこびりつき、潅木はただの泥の塊に、高木も泥のキノコになりかけている。
 同様にシャワーも鏡も湯桶も、泥にべっとりと覆われていた。まるで、チョコで作った浴場のようだ。
 そして……肝心の浴槽も。周囲では泥の災魔たちが好き放題に遊び、随所にべっとりと泥を残す。男湯も、女湯も、似たようなものだ。

 ……が、男湯も女湯も浴槽の中にたった1つだけ、泥が一切ないエリアを残していた。調べればすぐに理由が判る。そのエリアには壁の獅子の口から清浄な湯が流れ込んでおり、泥災魔たちの汚れを洗い流してしまっているのだ。
 少なくともこのエリアに限るのであれば、安心して温泉を楽しめるに違いなかった。もっとも、周囲にべっとりとついた汚れが気にならないのなら、の話ではあるし、女性についてはそれに加えて、不届きな男が庭園の間の仕切りを乗り越えて、女湯を覗きに来ないかも心配しなければならないかもしれない……きっと、より酷い目に遭うのは男のほうな気がするが。

 だがとにかく、ここは待ちに待った温泉なのである。猟兵たちは目的を忘れすぎない限り、好きに楽しんでやればいいのだ!!!
メンカル・プルモーサ
……うーん……そこかしこに泥がべっとり……

…先に泥災魔を倒して…軽く掃除して…それから温泉…かな…
【尽き事なき暴食の大火】で泥の災魔と泥にだけ延焼するように指定してざっくり焼いて……
残った泥は術式で水を呼び出して洗い流す……
……浴槽の水張り替えてる時間もないから……はいるのは無事だった浴槽になるね……

ざっときれいになったら圧縮術式からお風呂用具引っ張り出していざお風呂……
わりと無頓着に服ぬいで【愚者の黄金】で作った籠に入れてお風呂にゴー…

(お風呂では誰かに話しかけられない限りはほふー…とゆったりあったまるつもり。覗きも気にしない。アドリブ・絡みなどはご自由に)


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
さて、どうにか温泉に辿り着いた訳だけど。
一応名目上は掃除に来たんだし、そっちもちゃんとやらないとね。

【獣相変貌】で全身がモップのような毛で覆われた犬に変身して、あちこち走り回って汚れを毛で拭き取って掃除しつつ、泥の災魔を蹴散らしていこうか。
体が汚れて掃除がし難くなったら、清浄なお湯に浸かって温泉を楽しみつつ汚れを落として、毛が奇麗になったらまた走り回って掃除を再開するよ。
お湯を汚したら他の人の迷惑になるから、お湯に入るときはなるべく端っこの方がいいかな。

大体掃除が終わったら、あらためてのんびりお湯に浸かろうか。
あー、ゆったりしてたら…だんだん眠くなってきたなあ…。


スピレイル・ナトゥア
「溶岩のうえを歩いてかいた汗を流すのにお風呂は最適……なのですが、目の前の光景を見ていると、お風呂を楽しむにも景観が大事だってことが良くわかります」
浴槽から、ゴーレムさんたちに退治するように命じた泥災魔さんたちの様子を見て言います

泥災魔さんたちがこんなに近くにいると、なにかの拍子に浴槽に飛び込んできてしまうかもしれませんし、この浴槽が本当に清潔なのかどうか疑わしくなります
男のひとの視線は気にならないので、男湯を警戒するぐらいならそのぶんゆったりと自前の褐色肌を浴槽に沈めたいところですが、お姉様が気にされてしまうことでしょう
ひとつ伸びをして、とりあえずいまはお姉様のことは忘れてしまうとしましょう



 手桶で汲んだ清浄なお湯が、褐色の肢体を滑り落ちていった。足元に近寄らんとしていた不届きな泥の災魔が、慌てて身を縮こませて逃げてゆく……その先で『仲間』を見つけて飛び込んでいった彼を傍目に、スピレイルはもう一度お湯を丁寧に全身に浴びせ、溶岩の熱気で疲れ果ててしまった体から、汗と埃を取り除いていった。
 すっかり綺麗になった体を爪先から湯船に滑りこませた少女がもう一度見ると、災魔は、彼が仲間だとばかり思っていた土の塊――スピレイルの喚んだ、土の精霊を宿したゴーレムだ――に、太い土色の指で摘まみ上げられていたところだ。ゴーレムは……そのまま災魔を傍らにぽーい。
「……汚れた浴場を見ていると、お風呂を楽しむにも景観が大事だってことがよく解ります。この浴槽も……本当に清潔なのか疑わしくなってしまいそうです」
 ゴーレムたちは主からそんな心配を取り除こうと、せっせと仕事に励んでくれていた。ぽーい……それからまたぽーい。災魔たちは投げつけられた先で燃え上がる炎に焼かれ、泥ごと骸の海へと還ってゆく。メンカルが放った暴食の大火だ……不燃物も、オブリビオンすらも燃料として燃え盛る、尽きる事なき魔法の炎は、ただ災魔が投げ込まれるのを待つのみならず、自らも焼くべき相手を探して浴場じゅうを嘗め回っている。自らの中の犬の相を強化して、全身を覆うモップのような毛をあちこちにこすりつけながら駆けずり回っているペトに、対抗心さえ燃やしているかのように。
 そんなゴーレムや炎たちは随分と頼もしそうではあったが、ペトとしては、掃除はそれら任せにして自分はゆっくり……という気分にはなれなかった。
「あたしだって一応、名目上は掃除に来たんだし、ね」
 真っ白い湯気を立てる湯船に後ろ髪を引かれながらも、意気込んで再び駆け出していったペト……けれどもいつしか彼女の駆けた後方に、うっすらと茶色い筋が残りはじめていたのに気がついたのは、その後すぐのことだった。
「うーん……そろそろ、体の汚れを落とさないとねえ」
 だとすれば……汚れを他につけないように、抜き足差し足忍び足。それから汚して皆の迷惑にならないように、そっと湯船の隅っこに陣取ろうとする……そして、勢いのいい水流を全身に浴びる羽目になる。

 驚いて両目をぱちくりさせれば、ちょうど水流の術式を発動中のメンカルと目が合った。
「……唯一の泥の入ってない浴槽……端だけでも汚されるわけにはいかないから……」
 それだけペトに聞こえるように呟いて、また新たな精神集中に入った彼女は、水流に自動往復術式を加えてまた幾度もペトをずぶ濡れにしつつ、自身はさらに次の術式を紡ぎはじめる。
「世に漂う魔素よ、変われ、転じよ」
 練成したのはひとつの竹籠。その中に無頓着に脱いだ服を雑に放り込んだなら、メンカルは肩から湯を浴びた。それから空間圧縮術式の中から入浴道具を引っ張り出して、それを抱えて湯船の隅へ。
「ほふー……」
 幸せそうに溜め息を吐いた後、メンカルは黙って目を瞑って肩まで湯に潜った。その半ば飛び気味の意識に届くのは、特徴的な爪音を響かせながら駆けるペトの足音。そして……葉と葉が擦れ合うようながさがさ音?
 ……その音の正体が何であるのかに最初に気付いたのは、スピレイルだった。
(「これが……覗きというものですね」)
 けれども今の彼女にとっては、お湯を楽しむほうがよっぽど大事だ。この場にお姉様がいればきっと無防備すぎると叱られるだろうが、んっ……とひとつ伸びをすると同時に、姉のことを頭の中から追い出してしまう。
 それから、メンカルも理解したらしい……だが何もしない。誰かに覗かれたからといって、別に何かの影響があるわけでもない。ならば無視して放っておくのが、研究者の尊ぶ合理性というものだ。
 ……ペトは?
 彼女は汚れを拭いては自ら水に当たって、綺麗になったらまた掃除して……を繰り返した結果、すっかり気持ちの良い疲労に襲われたらしかった。幾度かの拭き掃除で浴場をすっかり綺麗にしてしまった彼女は、ちゃぷんと体を湯船に預け、その後は音らしい音を立ててはいない。しばらくすれば聞こえてくるのは、微かな、心地良さそうな寝息……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

涼風・穹
【覚悟完了】
全力を持って女湯の覗きを敢行します

【行動】
汚れても直ぐに温泉に入って身体を洗えそうだし、泥で汚れようとも気にしない

まずは女性陣が女湯へ向かうのを確認したなら『影の追跡者の召喚』で追跡
五感を共有した影の追跡者(シャドウチェイサー)の視覚を通して、男湯で温泉に浸かりながら女湯の光景、主に女性陣の艶姿をしっかりと見るのだ

次は正道、仕切りを乗り越える
適当なものを足場にして挑む
仕切りの上から覗く以上直ぐに迎撃される可能性が高いし、恐らく勝負は一瞬
僅かに覗けたその瞬間に望むものを視界に収めて、一瞬で超記憶する

次は仕切りに何か尖ったもの、無ければ『風牙』で小さな穴を開けて覗き穴にして女湯を覗くぜ



(「ようやく『ツキ』が回ってきたらしい……どうやら『影の追跡者』には気付かれなかったみたいだな」)
 男湯の湯船の中で悠々と構えつつ、穹は勝利を確信していた。
(「『影の追跡者』に女湯に向かった女性陣を追跡させて幾星霜。追跡対象の選択を間違えたせいで延々と災魔処理の様子を見させられる羽目にはなったが、効果時間切れまで追跡しつづけられたということはつまりそういうことだ」)
 今の穹の脳裏に刻まれているのは、『追跡者』の視界の中に時おり入った、湯気の向こうの朧げな人影。肝心なところはぼやけて映らない。それどころか人影が誰だかすらも判らない。
 だが穹は、たった1つだけ確信している……すなわちこの壁の向こうの楽園に、その果実は実っているのだということ!
(「……いくぜ! 今度は正々堂々と、生身で勝負に挑んでやる!」)
 湯から上がって、仕切りに手をかけ、近くの木を足場にして跳躍してみせる! がさり……木の葉が揺れて音を立て、穹の全身が強張るが、一瞬だけ映った女湯の光景は、まさしく彼女らの自然体!
(「よし……! 迎撃もなかったな……ということは、もう少しいけるな?」)
 霊刀『風牙』の刃をそっと仕切りに立てて、緊張の面持ちで覗き穴を開けようとする穹。興奮が彼を元気にさせる……だがよーく考えてほしい。彼は、本来の目的である災魔退治をまだ『一切何も』していないのである。

失敗 🔴​🔴​🔴​

須藤・莉亜
「温泉着いたぞー。よし、飲もう。」
まあ、かるーくお仕事もしとこうかな。

眷属の狼くんを召喚、泥の相手をしてもらっとこう。
狼くんには出来るだけ泥を一箇所に集めてもらい、僕は温泉に浸かりながら悪魔の見えざる手で集まった泥をぶん殴っときます。

だがメインは温泉。のんびり温泉に浸かりながら、お酒をたらふく飲んで楽しもう。

「あー、ビール美味しい。まあ、ちっと眺めが悪いけど。」
狼くんがんばー。さて、次は日本酒かな。それともスコッチにしようか…。迷うねぇ。



「まったく、何をやってるんだかー」
 そんな穹の様子を眺めつつ、呆れたように独りごちた莉亜も、実のところ大した仕事はしてなかったりして。彼の手の中にあるのは武器でも掃除用具でもなく、キンキンに冷やしたグラスに注いだビール。うーん、熱いお湯との温度差が実に不健康で最高。
「あー、ビール美味しい。まあ、ちっと眺めが悪いけど」
 けれども両腕を広げて湯船の縁に寄りかかったら、すっかり目に入る汚れより、全身を包む気持ち良さのほうが莉亜を支配してしまった。でも……ああ、なんだか浴場の中がうるさい。漆黒の毛並みの狼くんが、泥災魔を追いかけては主人に何か言いたげに吠えている。
「仕方ないなーもう」
 莉亜は面倒くさそうに片手を振って、宙に浮かぶ透明な悪魔の両腕に向けて、災魔を殴るよう指示してやった。ぐちゃり……狼くんに追われて同じ場所に寄り集まっていた泥は、その一撃で纏めて骸の海に還る。
「仕事終わったぞー。よし、また飲もう」
 ぐいっとグラスを一気に呷れば、ビールは微かな泡だけを残してなくなってしまう。困ったなー、次のお酒を開けなくちゃいけないじゃないか。
「次は日本酒かな。それともスコッチにしようか……。迷うねぇ」
 クーラーボックスの中を覗き込んだ莉亜。
 その間も健気な狼くんは、がんばってお仕事をしてくれている。

成功 🔵​🔵​🔴​

陰白・幽
温泉、温泉〜♪
入浴セットは桶に入れて頭に乗っけて持ってくるよー
温泉に入るための入浴セットに、着替えにえーっと、そうだ、忘れちゃいけない温泉卵用の卵も忘れずに持ってきてるよね。
……あ、あと、温泉に入る前にかるーく運動をしなくっちゃ。

バスタオルくらいありそうな雑巾を使って、雑巾掛けの要領で泥を集めて、取れにくい汚れは【怪力】を使って強引に集めて、集めたところでまとめて猫眠拳で一気に綺麗にするよー。

ふー、仕事も終わったし一休み一休み、まずわ体を洗って掛け湯をしてから……えいっ!(温泉に飛び込む)
……プハー、いいゆだね〜疲れたのもあるし、今は寒いからかな、はわぁーゆっくりやすも〜……zZ



 そんな健気な狼くんと一緒に、陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)の小さな体は忙しなく動き回っていた。
「温泉、温泉~♪」
 鼻歌交じりの雑巾掛けは、入浴前の軽い運動。バスタオルくらいの大きな雑巾を広げて、えいやっ、と一気に拭いてゆく……あっ。
「端っこのようもしっかり抑えておかなくっちゃ」
 雑巾の隅から零れていった泥を、幽は慌てて戻って拭き取っていった。そうやってしっかりお掃除していると、雑巾の中にはいつの間にか、泥災魔たちの小さな山が出来ている。
「それじゃあ、おやすみ~」
 そんなお別れの挨拶とともに、幽は雑巾と災魔たちの上に身を投げ出した。次々に潰れてゆく災魔……けれども幽の服は汚れない。だって、気付けば幽と雑巾の間に、猫の手足と耳尻尾のついた抱き枕が横たわってるんだもの。
「ふー、仕事も終わったし一休み一休み」
 抱き枕は再び虚空に消してから脱衣所に戻り、入浴セットを入れた桶を頭に乗っけてやって来て。綺麗になった洗い場で体を洗って掛け湯したなら……えいっ、と温泉に頭からダイブ!
 ざばーん、と大きな波が立ち、その中央から再び顔を覗かせたなら、幽は、はわぁー、と気持ち良さそうに伸びをした。
 外は寒い。けれどもお湯はあったかい。うとうととしはじめる幽だったけれど……せっかく温泉卵用に持ってきた生卵、寝ちゃう前に食べなくってもいいのかい?

成功 🔵​🔵​🔴​


 泥なんて、すっかり綺麗になってしまった浴場。
 これで猟兵たちは全ての災魔を倒したことになる……はずだ。

 だが……本当にそうなのだろうか? 何か見落としているものはないのだろうか?
 大浴槽に綺麗な湯を吐き出す獅子の口……その中で何かゴポゴポと音が立ったように聞こえたのは、はたして空耳に過ぎないのだろうか?
メンカル・プルモーサ
……んー……気持ちよかった……でもなんか変な音が……こっちかな…?
念のため杖だけ持って…
(獅子の口を見に行く)
この辺からだったような…?
何かあるのかな……うーん…流れるお湯で奥の方よく見えないけど…泥、じゃないような…?
変な異常がなければいいけど…あったらみんなに伝えて注意を促す……

災魔の類が出てきたら……【鳴り止まぬ万雷の拍手】で動きを止めて一時退避退避……
最悪、防御力があるローブだけでも身に纏って迎撃態勢に入る…



 その時女湯の真っ白な湯煙の中で、勢いよく誰かが立ち上がる音がした。色白の肢体に力を入れて伸ばし、自身の手で肌についた水滴を拭ったのはメンカル。
「……んー……気持ちよかった……」
 それから再び力を抜いて、湯の中をしばらくうろついたところで……ふと彼女の視線が斜め後ろを振り向いた。
「……でも……なんか変な音が……」
 念のため、傍らに置いた杖を手に取って、じっと様子を窺う彼女。確かに、変な音が庭園の仕切りのほうから聞こえる……けれどもさっき聞いたのはそれじゃない。
「……こっちかな……?」
 メンカルは清浄な湯の出てくる獅子の口へと、杖を少しばかり突っ込んでみせた。手応えはない……ならば、覗いてみれば?
 光の術式で照らした先には……流れる湯のため解りにくいが、やはり何もなかったように思えた。けれども念のため、もう少し分析術式をかけてみる。流路の左右で奇妙な速度差を発見。まるで湯の中に湯が詰まっているかのように見える。だとすれば……そんな奇妙な現象が起こるのは、おそらくは何らかのユーベルコード!

 瞬間、その『詰まっていた湯』は存在を気付かれたことに気付き、勢いよくメンカルへと跳び掛かっていった。が……。
「観測せし虚像よ、沸け、轟け。汝は観客、汝は賞賛。魔女が望むは舞台を止めし大喝采」
 誰の耳目にも届かぬ轟音と閃光が、四方から『湯』を襲って一時動きを止める。
「……災魔……」
 その間に防御術式を織り込んだローブを羽織ると、メンカルは目の前で滝のような姿を現した水の災魔――が、温泉効果で気持ちのよいお湯になったもの――に有効そうな術式を検索しはじめるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『滝業の呪』

POW   :    打ち付けるは神聖なる滝
【畏怖】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【幾重にも巻き付いた縄】から、高命中力の【神聖なる滝】を飛ばす。
SPD   :    水流放出
【激しい水流】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    篠突く雨
【縄】を向けた対象に、【天からの水撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はユースティティア・ルザライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スピレイル・ナトゥア
「お湯のなかに災魔が……!? やっぱり、こんなところにある温泉なんて信用できたものじゃありません!」
まさに、景色が最悪だったこの温泉に相応しい展開です
まあ、温泉自体は気持ちよかったですけど!

さて、私たちは汚れじゃないので泥災魔さんたちと違って洗い流されてしまうわけにはいきません
土の精霊の力を込めた拳で地面を殴って、地面を隆起させることで『滝業の呪』の激しい水流から身を守る盾を作ります
しかし、この戦いが終わったら、戦いで荒れてしまった休憩所を再び掃除することはもちろん点検もしなければなりませんね
隠れていた災魔が一体だけとは限りません
もしかしたら、まだ他の災魔も隠れているかもしれません


陰白・幽
……zZ……ふわ〜あ……ん……あー!卵忘れてた。急いで食べれるように……あれ、なんか変なのがいる。まだお仕事が残ってたなんて、卵の前にあの変なのをどうにかするよー。

といってもあれ叩けるのかな?
取り敢えず始めはいつものように鎖を使った攻撃で攻めていくよー。鎖を横に払うように使って敵を切り裂いたり、縛れないかを試して見るよ。
敵の水流攻撃には飛びながら避けていくよ、濡れた水場に足を取られないから全力で動けるはずだね。
形がなさそうだし効果が薄いかも。もしそうだったらUCを使って自分を強化して、炎のブレスで攻撃をしていくよー。水の怪物なら蒸発させれば問題なし、卵の恨み、全力のブレスをぶつけていくよ〜。


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
「せっかく気分よく寝てたのに、何かと思えば災魔かあ。
仕方ない、さっさと倒してもう一回入りなおすとしますか。」

(とはいえ、縄が本体ならいいけど、水が本体だと物理攻撃はあんまり効かかない可能性がある。
電撃は周りの人が感電するかもしれない、となれば【空雷火球】で削るのが一番か。)

水流は出来るだけ範囲を見切って避けて、避けきれなかったら泳いで脱出しようか。
反撃は、攻撃を避けながら【空雷火球】を縄と水両方に撃ってみて、ダメージを与えられてそうな方を重点的に狙おうかな。
もし他の人が水流に呑まれたときは、手から蜘蛛の糸を伸ばして一本釣りの要領で救助しよう。


メンカル・プルモーサ
……あれ、なんか温泉取り込んでる…なかな?
綺麗だったのはこれのせいだった気もするけど…取り合えず倒さないと……

……まず、他の皆が体勢整えて駆けつけてくるまで【鳴り止まぬ万雷の拍手】での動きを止めたり
【空より降りたる静謐の魔剣】を円状に束ねて盾にして水流や滝から身を隠して時間稼ぎをする……
皆が駆けつけてきたらそのまま援護に移る……
引き続き【鳴り止まぬ万雷の拍手】で動きを止めて……静謐の魔剣を攻撃に回して滝業の呪に射かけて凍らせて動きを制限させるよ…

全部終わったら……もう一度(たぶん冷えてる)お湯を温めなおして温泉入り直しかな……動いて汗かいたし……



「お湯のなかに、災魔が……!?」
 思わず上がったスピレイルの悲鳴。災魔――『滝業の呪』はメンカルの術が解けた途端に、その体内に蓄えた湯を、存分に辺りにぶち撒け始めた。
「やっぱり、こんなところにある温泉なんて信用できたものじゃありません! まさか別の災魔まで出てくるなんて、泥だらけの最悪な景色に相応しい展開です!」
 お湯だけは気持ちよかったのが逆に許せない。激しい水流に押し流されないように、足を踏み締めて精霊に祈る。そして床に拳を叩きつけ、大地にその祈りを伝えたならば、土霊は庭園の地面を突き破り、彼女の目の前で盾と化す!
「これで、泥災魔さんたちのように洗い流されたりはしません……」
 土壁はスピレイルに安息の地を作ってくれてはいたが……けれども守ってばかりではいられないこともまた確かではあった。
 怒涛の水流を見つめるスピレイル。だがそんな覚悟をしてみせた時には既に、メンカルは再び同じ術を完成させている。
「観測せし虚像よ――」
 更なる幻の閃光と爆音。呪の吐き出す怒涛の水を、それを超える擬似感覚の量で圧し潰してゆく。そうして水がわだかまったのならば……ひとつの咆哮が浴場内を震わせる!
「せっかく気分よく寝てたのに……燃やしちゃうよー!」
 ペトが叫んだ口からは、激しい奔流がほとばしっていた。空気をプラズマ化させるほどの激情は、せっかくの微睡みを邪魔された怒り。相手の本体が縄なのか水なのかはよくわからないけれど、どっちにも効く攻撃をしておけば手っ取り早い。この技でさっさと原子レベルまで分解してから、お湯にもう一度入って寝よう。

 瞬く間に蒸発した水と縄の混合物が、あまりの熱量に爆発を起こした。ドーンという激しい音に驚いて、男湯にいた幽までもが目を覚ます。
「……zzZ……ふわ~あ……ん……? 何の音……?」
 きょろきょろと辺りを見回して、とある一点で目が留まり……そこで幽は思わず目を見開いた。
「あー! 卵忘れてた……急いで食べないと固まっちゃう!」
 だが慌てて卵を湯船の角にぶつけて食べようとした時……女湯のほうから再び大きな音が聞こえた。続いて聞こえてくるのは詠唱だ……それは幽も聞いたことのあるメンカルの声。
「停滞せしの雫よ、集え、降れ。汝は氷雨、汝は凍刃。魔女が望むは数多の牙なる蒼の剣」
 まさか、まだお仕事が残ってたなんて。せっかくお楽しみの温泉卵タイムにそわそわしてたのに、とんだ水を差されてしまった。
 急いでお風呂から上がって服を着て……本当に女湯に突入していいのか迷ったけれど、緊急事態なので仕方なく庭園の垣根を越えた。

 そしてそんな彼が見たものは……重なるユーベルコードにすっかり水流を留められた、哀れな災魔の姿だった。
「――蒼の剣」
 ひとたび水が動きを止めれば、容易く氷に閉ざされるものだ。虚空に生まれし氷の剣は、流れを阻まれた滝業の呪が再び流れ出さぬように、当たった先から凍結してゆく。
 そうなれば幽の龍皇の力も、余すところなく敵へと振るえる。濡れた床に足を取られないよう、龍の翼を大きく広げ……袖から幾本もの鎖や鋼糸を放つと氷を斬り刻む!
「卵の恨み……忘れないよー!」
 滝業の呪は、どうにか水の流れを取り戻そうと縄をくねらせていた。けれどもその間にもメンカルの術式は次々と完成してゆくばかり。
 幻に圧倒されて流量を失い、残るもやはり凍らされてしまったオブリビオンを、今度はスピレイルの土の精までもが、石の槍を伸ばして砕いてゆく……。

 次々に無秩序に隆起してゆく石の槍。その上を、ペトは半ば魔獣化して駆けた。
 たとえ水流があろうとも、彼女の野生の力は止められなかっただろう。ならば敵が水を吐けぬなら、どうして止めることができるだろうか?
 再び、プラズマの咆哮が奔る。縄と水、ペトとしてはより効果的なほうに集中的に攻撃するつもりだったようだが、気持ちの良い眠りを妨げられた怒りに、すっかり動きを封じられたオブリビオン……その差はもはや誤差も同然だ。
 滝業の呪を形作っていた縄も水も、全てがプラズマの中へと掻き消えていった。そして、縄と水の間に浮かんでいた岩が、力を失って床に落ちたのと同時……ペトは今度は大欠伸をして、もそもそと湯船内の定位置に戻ると再び居眠りしはじめた。

 ――庭園の獅子脅しがカツンと鳴れば、温泉は再び静寂に包まれた。せっかくお風呂に入ったばかりだというのに、また汗をかく運動をしてしまった――メンカルが再び無造作に服を脱ぎだしたのに気付いて、慌てて男湯へと戻ってゆく幽。
「あー、卵は……」
 おそるおそる先程の続きをしてみれば……あれっ、暖かいだけでまだ生……? 温泉卵に必要な温度の65~70℃には、残念ながら人間用の温泉施設の湯では足りぬのだ! ……まあ災魔を倒して迷宮を元通りにしたら、更衣室の外に温泉卵作成コーナーが復活するんだけどね。
 だがそんな幽の悲喜こもごもなどさっぱり感知せず、今度は鼻の下まで湯に漬かるメンカル。きっとこの区画だけ泥災魔がいなかったのは、滝業の呪から漏れ出ていたユーベルコードが、彼らを追い出していたせいなのだろう、などと分析しながら……。

 ……うん。でもそうやって再び温泉を楽しむ前に、戦いで荒れた休憩所を再び掃除しないといけないよね。再び掃除をしなくては、とスピレイルが周囲を見回してみると……誰もが既に微睡んでいて、どうにも手伝えそうにない。
 そりゃそうだ。まさかせっかく綺麗にした欲情が、土の術でまた汚れるとは誰も思っていなかった。
(「次に温泉で戦う時は、他の精霊さんにお願いしたほうがいいかもしれませんね……」)
 小さく拳を握るスピレイル。
 そう。そうやって失敗を繰り返しながら、人は成長してゆくものなのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月11日


挿絵イラスト