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動画『GOATia・A&W支店にお邪魔しました!』

#アックス&ウィザーズ #ノベル

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リダン・ムグルエギ





「こんちょこわー! ちょこたんだよー!」
 ここは愉快なキマイラフューチャー。そのネットワークの一角で、それなりに人気チャンネルの新作動画がお披露目された。
「今日はなんと! 取材案件を頂きました! わーどんどんぱふぱふー!」
 映っているのは、魔改造した巫女服らしきものを纏ったピンク色の狐獣人である。
 ぴょこぴょこ跳ね回って、愛らしいと言えば愛らしい――うざったいと言えばうざったい、などと言うと泣いちゃうのでやめておこう。
「というわけで、やってきましたアックス&ウィザーズ! うーん、剣と魔法のファンタジー! 進みすぎたキマフューのみんなには、むしろ一周回って未来なのでは?」
 その名を桜咲智依子。通称ちょこたん。元炎上系にして、現在はそこそこ大人しく愛嬌を振りまく自称アイドル巫女狐である。

 と。
「やーね、ちょこたん。ポストアポカリプス呼ばわりは、両方の世界に喧嘩売ってるわよ?」
 青い髪をした山羊獣人――尻尾はイルカめいたヒレになっている――の女性が、容赦なく失言を指摘した。
「あっ」
 さっ、と智依子の顔に影が差す。またやっちまった、と言わんばかりの涙目だ。
 そんないつもの様子を見て、青い女はきしきし笑う。そしてカメラに向き直り、ひらひらと気だるげに手を振った。
「はぁい、リダンよ。今日はちょこたんにうちの|領《・》|土《・》を取材してもらうことにしたわ。何でって? 気が向いたから」
 宇宙山羊を名乗る女性――リダン・ムグルエギはへらりと笑う。全体的に気だるげな雰囲気が漂っているが、纏った衣装がだらしなさを感じさせない。不思議なバランスで成り立っていた。
「えっ、そんな雑な理由なの!?」
「冗談、じょーだん、半分はね。もちろんGOATia・A&W支店の宣伝も兼ねてるわよ。ほら、ちょこたんは人気配信者なんでしょ?」
「そ、そうだけどー……ちょこにかかれば宣伝効果もわっほい! ちょこも動画が回ってわっしょい! そりゃあWIN-WINかもだけどお……」
「え、なーに? それとも、オトモダチを自分の国に招待したい、じゃ駄目なわけ?」
 リダンがにまにま笑いながらそう言う。
 すると智依子はきょとんと呆けた顔をした。

「……どしたの?」
 山羊の女が訝った瞬間、狐の女は目をきらきら輝かせた。
「お、おともだち……!」
 まるで憧れ続けた宝物を手にしたような、そんな純な瞳であった。

「何よ、今更じゃない――くっ、そんな反応されるとやりづらいわ……! ほら、巻いてってカンペ出てるわよ! 次行くわよ次!」
「おともだち……えへへ……ちょことリダンさんは……おともだち……」

 コメントを抜粋。
『闇が深い』『ええ話やなー』『あれ、確かもう数年来の付き合いのはずでは?』


 時蜘蛛の峡谷、というのがこの土地の名前であった。
「おおお……断崖絶壁……」
 見下ろして智依子がおののく。底まではとても深くて、転落したらえらいことになるのは確実である。
「安心しなさいな。この程度で落ちるような柔いロープ、作ってないから」
 その様をへらへら笑うリダンである。何年猟兵やってるんだ、という指摘はひとまず飲み込んだ。

 二人と撮影スタッフは、ロープウェイで移動していた。
 崖から崖へ、横穴から洞穴へ、あるいは谷底まで。まるで蜘蛛の巣のように幾重にも張り巡らされた縄が、この領土を支える|足《インフラ》であった。

「蜘蛛の巣といえば。ここで作られている糸は、まさしく蜘蛛の怪物から取られているとか?」
 ともあれ、狐はそんな話題を振った。すると山羊はわざとらしく驚いた顔を作る。
「え、すっごいまともなリポーターぶり……大丈夫? ちょこたん、無理してない?」
「あんだよー! 悪いかよー! ちょこたんだってやれば出来る子なんですぅー!」
 想定通りのリアクションにリダンはきしきし笑う。そしてゆったりと姿勢を変えながら答えた。
「そうよ。|時蜘蛛《ときぐも》って言ってね。吐いた糸に触れると、なんと幼児化しちゃうのよ」
「よ、幼児化……」
 智依子がごくりと喉を鳴らす。それだけ聞くと、なんとも不思議で不穏な能力だった
 ――いや、実際洒落にならないのだろう。何せ積み重ねてきた経験と肉体を奪われる。それは怪物退治において、かなり致命的な状況だ。
 だが、宇宙山羊は実にあっけらかんとしていた。
「いやー、思い返すとなかなか楽しい思い出ね。手を変え品を変え、こっちを骨抜きにしようとしてきたのよ。だから、たっぷり遊ばせてもらったわ」
「あ、遊ぶって……」
「文字通り童心に返って、ね」
 悠然と笑う青い山羊の女に、どこか緊張した面持ちの狐は訊ねた。
「――それで、どうやって退治したんですか!?」
 いかにもリポーターらしい質問に、リダンは気だるげに答えた。

「企業秘密」
「けちー!」
「どうしても気になるなら、当時のアーカイブ探しなさい」
「うおー、まさに正論!」

 そんな会話をしている間に、ロープウェイが横穴に辿り着いた。


「あ、領主様だ!」「領主様ー!」
 二人が横穴に入ると、近くで遊んでいた子供たちが真っ先に反応する。そして笑顔で近寄ってきた。
 リダンはそれに、ひらひらと手を振って答える。
「はろー。元気でやってる?」
 子供たちは元気いっぱいに頷いた。
「うん! お祭りも近いからね!」「特訓してたの!」
「そっかー、頑張ってね。今回もいいもの取りそろえてるから」
 わーい、とはしゃぐ子供たちに、智依子はこてんと首を傾げた。
「お祭り? リダンさん、お祭りやるの?」
 そう訊ねると、先に反応したのは子供たちだった。
「この人だあれ?」「ピンクの……狐さん?」
 宇宙山羊の領主はさらっと答える。
「ああ、アタシのお友達。ここを案内してるの」
「お、お友達……」
 でへへぇ、と顔がふやけるピンクを無視するリダンである。代わりに「へんなの」と言う無邪気な言葉が飛んだが、まあそれはそれとして。

「こほん。それで、お祭りって何やるの?」
 仕切り直す狐。すると子供たちは我先にと、手にしていた丸い物体を見せつけた。
「これだよ!」「ぶん回して遊ぶの!」
「え、これって……」
 掌サイズの円盤、それが2枚重なっている。中心同士をベアリングで繋いで、そこに糸が結わえ付けられている。
 いわゆる一つの、
「ヨーヨー……?」
 であった。おおよそこの世界には不似合いな、なんともアメリカンな玩具である。
 リダンはふわりと微笑む。
「そ。せっかく糸が主産業なんだし、有効利用できる玩具といえば、ね」
「なるほどー……で、それがどうお祭りになるの?」
 智依子がそんな疑問を投げると、答えたのは子供たちだった。

「そんなの決まってるじゃん!」「YO-YOマスター決定戦だよ!」

「よーよー、ますたー」
 鸚鵡返し。おおよそこの世界には以下略。これではまるで、

「そうだよ! この国一番のYO-YO使いを決めるのさ!」
「トリックのキレはもちろん、コンボ選択、身のこなし、ファッションセンス――色んな評価点があるんだよ!」
「この間の第53回大会は『†漆黒の覇王†』村に後れを取ったからね……」
「今度こそ、僕たち『わくわくざぶーん』村が勝つんだよ!」
「そして領主様からのおみやげをゲットするんだ!」
「おー!」
 なんやかや団結する子供たちと、

「たすけて、ツッコミが追いつかないの」
「この程度で狼狽えないの、キマフュー在住」
 輸入された独自のテンションに対応できないピンク色。


 ロープウェイで移動する。いくつものケーブルカーが行き交う光景は、ある種未来的であった。
 それらを支える岩壁の方を見れば、たくさんの横穴が空いている。元から空いていたものもあれば、必要に応じて開拓したものもある、とリダンは言った。
 穴のそれぞれが村あるいは何らかの施設であるらしい。どれも入り口に飾り付けが施されていて、なんともカオス――キマイラフューチャーめいていた。

 一通りカメラを回した後、智依子はこんなことをぽつりと言った。
「でも、よくこんな場所に住もうなんて思ったね……」
 リダンは容赦なく揚げ足を取った。
「あらちょこたん、ご挨拶ねー? 人の領土をこんな場所だなんて」
 そしていつものように逆ギレするピンク。
「だって仕方ないぢゃん! 断崖絶壁の峡谷! 人を幼児化させる蜘蛛の怪物! そんなデンジャラスな場所に住むとかどんなガッツ!?」
「そうねー、ガッツあるわよね。こんな場所で」
 しれっと同意すると「ちょっと!?」、宇宙山羊はフリップを取り出した。どうやら前もって用意していたらしく、そこには周辺地図が描かれていた。
「解説コーナーよ。真面目な話、この辺、本気で人が住めない場所ばかりだから」
「ふむふむ……?」
 狐はフリップを覗き込む。山羊は峡谷の周りを指し示した。さて、この領土に隣接している土地は――

 北。
「ここ、迷いの森」
「わあ」
 東。
「次、超重力地帯」
「ひええ」
 南。
「さらに、毒のガス沼」
「おわあ」
 西。
「そして音を立てると襲ってくる不死身のカニさんたちと、死の大地」
「ふえぇ……」

 総括すると。
「……まだ住める方だね、ここ」
「でしょー? 怪物が潜んでるだけなら、まあ自警団でなんとかなるし」
「それはそれでやっぱりガッツあるというか……ん、自警団あるの?」
「そりゃそうよ。元からここに住んでいた人のノウハウを活かしてね。時蜘蛛の対策もばっちり済んでるから、滅多なことは起こらないかしら」

 智依子はここぞとばかりに詰め寄った。
「ずばり! 時蜘蛛対策、その秘訣は!?」
 リダンはにこりと笑った。
「企業秘密」
「ですよねー!」
「GOATia・A&W支店は、いつでも腕自慢を募集しているわ。三食昼寝付き、福利厚生もばっちりよ」
「うおー! 抜け目ねぇー!」


 で。
「……うん。ちょこ、こうなるとは思ってた」
 元はせり出した大岩の一つ。今はしっかり補強され、崩れ落ちる心配はない。それこそ百人乗っても大丈夫なのである。

「さっきからカメラに映りまくってたもんね……見える、見えるぞ……本筋を無視してちょこを煽るコメントの数々が……」
 意図的に|言及《びょうしゃ》を避けていたのだが、やはり運命とは収束してしまうものらしい。単に芸人気質からは逃れられないとも言う。

「リダンさん、これがこの領土の名物とのことですが」
 それでもなんとか引き延ばそうとした狐に、画角の外にいる山羊はグッとサムズアップした。それだけだった。

 ――いいから、行け。

「ちきしょー! やるよ、やってやんよ、やればいいんだろー!」
 涙目になりながら、智依子は前に向き直る。
 目の前には雄大な峡谷、その底。いくつものロープウェイが交差しているが、接触の心配はない。そんな事故が起こらないよう、ここは計算ずくで配置されている。
 では、何に接触するのかと言えば。
「はーい! みんなの|アイドル《おもちゃ》、ちょこたんだよー!」
 ピンクは唐突に吼えた。実にやけくそじみた悲鳴だった。

「バンジー! 飛びまーす!」

 そう、バンジージャンプ。
 強靱な糸が名産であり、また峡谷という土地柄を活かすなら、これが流行らない道理はなかったのだ。

 領主は語る。
「そうねー、ま、定番だと思ったワケ。何せ、場所だけは余るほどあるからねー」
 曰く、統治が始まった頃は「みぎゃぁあぁああぁぁあぁああぁぁぁぁ――――!?」やはり娯楽の乏しさが課題だったらしい。
 厳しい環境を盛り立てるにあたって、まずは心の彩りを。実にキマイラフューチャーらしい発想だった。
「ほら、極端な話、バンジーならロープと崖さえあれば成立するでしょ? 分かりやすいのは正義よね」
 もちろん命綱の強度という問題はあるが、「うおおおお、はねる、ゆれる、やめてとまって――!」複雑な遊びをいきなり持ち込んでも馴染まない、と本業・服飾ブランドデザイナーは踏んだらしい。
 その点、これはただ飛び込むだけだ。実にシンプルである。
「もちろん、ただのバンジーばかりじゃないわよ? 村や工場ごとにアレンジを日夜頑張っているの。指定のリングをくぐるだとか、飛び込みの美しさを競ったりね」
 たくさんあって、しかもバリエーション豊富。「ぐでーん……」ここのようにスタンダードなバンジーもあれば、さらにエクストリームな競技を楽しめる村もあるという。

「厳しい土地も、創意工夫で遊び放題。それがGOATia・A&W支店のモットーよ」
 カメラの前で、リダンは不敵に笑った。「なーんちゃって、ね」とオチを付ける彼女で締めて、ここの紹介を終わろう。

「……え、ちょ、ちょっと待って? ちょこの渾身のバンジーは……?」
 ワイプということで一つ。
「うちのスタッフひどない!?」


 一度谷底まで見て回り、それから崖の上まで向かう。
 今度は斜めの方向ではなく、縦の移動だった。
「そっか、エレベーターもあるよね、そりゃ」
 智依子が感心したような声を漏らす。素直な感想に、リダンはくすりと笑った。
「稼働したのは最近だけどねー」
「そうなんだ? ちょっと意外」
「ルートの選定とか、時蜘蛛への警備体制とか、モーターの手配とか、色々ね」
「ほへー……」
 到着、そして乗り継ぎ。何度かそれを繰り返して頂上まで。

「はい、到着しました! 今回の目玉――工場見学ー!」
 わーどんどんぱふぱふー。効果音と共に現れるは、この領土の肝とも言える製糸工場であった。
 地上に構えているだけあって、立派な建物である。
 というか。
「工場にしては……なんかこう、パステルカラー……」
 すごい派手であった。壁や屋上にカラフルなオブジェが並んでおり、なんとも前衛芸術めいている。
 領主はからからと笑った。
「そりゃあ、この工場はいわば顔、看板だもの。お客様に|GOATia《うち》の自己紹介をしなくちゃね。こういうのはインパクト勝負よ?」
「うん、まあ……ノリは伝わるよね、確実に」

 何せ、この峡谷は一種の異世界だ。
 蜘蛛の怪物なんのその。取れた糸を使って遊び回る、愉快で不思議な国なのである。
 ならば、このくらい浮いているくらいが丁度いい。

「それでは早速お邪魔しまーす!」
 ともあれ、一行は扉を潜った。すると、
「うわ、すごい! まるでアパレルショップだ!」
「まるで、じゃなくて、ショップなのよ。実際にね」
 玄関ロビーには色とりどりの服が並べられていた。いずれもこの工場で作った糸で織られたものだと言う。
「わー、すごいすごい! 後で買ってってもいいかなあ?」
 智依子はご機嫌な様子で服の海を掻き分ける。あれやこれやと手に取った。
「大歓迎よー。ふふ、ちょこたんはちょっとくらい子供になっても変わらないわね」
「どーいう意味ー!?」
「その服、というか糸ね。時蜘蛛の糸を弱毒化したものなの。『幼児化』じゃなくて、『ちょっと若返る』『童心に帰れる』程度ってことね」
「うえ、そうなの!?」
 ぎょっとする狐だが、しかし宇宙山羊はふふんと笑って見せた。
「そうよー。お陰様で大好評。どこも辛気くさい事件が多いから、ストレス対策にはうってつけってわけ」
 そしてリダンは、カメラの前で見得を切った。

「ちょっと若返りたい、子供の気分に帰りたい! そんなあなたに、GOATiaプレゼンツ・|時蜘蛛《クロノスパイダー》シリーズ! 色んな世界で好評発売中よー」
「お、おお……!? なんかかっこいい……!」


 さて、ロビーを抜けると工房である。
 先ほどまでとは打って変わって薄暗かった。それに何だか不思議な匂いが漂っている。
「あ、カメラさん、言ったとおりライトはやめてね。対策してる? オッケー、それならいいわ」
「どうしてライトが駄目なの?」
 智依子の無邪気な疑問に、リダンは素直に答えた。
「時蜘蛛は峡谷の生き物だからよ。明るいのが苦手なの」
「あそっか、なるほど」
「あとはほら、虫が苦手な視聴者さんへの配慮ねー」
「ごもっともであります」
 そんな会話で間をつないでいると、やがてくるくる回る糸車の群れが見えてきた。

「おおー……壮観……」
 くるくる、がちゃん。
 何をやっているのか、智依子にはさっぱり分からない。ただ、工場特有の厳かさを感じるのみだ。
「リダンさん、弱毒化ってどうやってるの?」
「んー、そうねえ。企業秘密がたくさんあるけど……工場見学だから、最低限の仕組みだけは喋っちゃおうかしら」
 きらりと目を輝かせるピンクである。実にあざとい仕草だった。
 リダンはそれをスルーする。
「まず、ここにいる時蜘蛛は弱い個体なの。それはいい?」
「まさしくお蚕様ってこと?」
「そうねー。で、吐いた糸に色々混ぜ物をしてから、糸をよる」
「混ぜ物?」
「秘密。幼児化の効果を弱める研究成果が入ってると思っていいわ」
「はえー……」
 感心したような、何も分かっていないような、そんな声を上げる狐であった。


 そうして工房を一周する。
 途中、何人かにインタビューをした。
 すると働いている皆は楽しそうに言うのだ。「領主様が来てくれて本当によかった」と。

「いやー、リダンさん、慕われておりますなー!」
「ふふ、これも人徳かしらね?」
 言いながらも、若干の照れを隠せない宇宙山羊である。
 そんな様子に狐はにまにまと笑いながらも、締めの挨拶に入る。

「さて、今日の動画はここまで! ご視聴ありがとうございます!」
 カメラに向き直る智依子である――背後でがちゃんと音がした。
「高評価とチャンネル登録をよろしくね!」
 締めの挨拶はいつも通りのテンプレで――「あっ」と悲鳴が聞こえた。咄嗟に躱すリダンの図。
「それからSNSのフォローも、」

 ぴと。
 一筋の白い糸が、智依子の後頭部に貼りついた。

 ぽん。
「ばぶ……」
 瞬間、幼い狐と化すピンク。

 弱いとはいえ時蜘蛛である。
 普段は聞こえないはずのやかましい声にストレスを感じ、威嚇の糸を放ったのであった。

「最後の最後で事故ったかー……流石、持ってるわね、ちょこたん」
「だぅ……」
「画面の前のみんなー、大丈夫よ。こんなこともあろうかと、保育施設も充実してるから。あ、もちろん保育士希望も大歓迎よー」
 ひらひらと手を振って、満面の笑みを浮かべるリダンである。
「ブランド・GOATiaをよろしくね? それじゃあみんな、ばいばーい」

 テロップ。
『ちょこたんは翌日、無事元に戻りました』

 再生終了。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年04月18日


挿絵イラスト