ダルマ・ライク・ア・サンダーストーム【肆】~内憂外患
『前回までのあらすじ』
オーイズミ・タウンに拠点を構えるヤクザクラン『|呑竜《ドンリュウ》』。
此処にアカダルマファーマシーの魔の手から逃げる2人……シルバーに輝く長い髪をひとつに縛ったサイバネ左腕のサイボーグ紳士のリアム・フォスターと、謎の男児ブラドが組長のオオタ・カナヤマの庇護下に置かれていた。
しかし、反社会勢力を母体とする野心的メガコーポ『黃神公司』とM&Aを締結させたアカダルマファーマシーは、類稀なるマンパワーをもって『呑竜』拠点のバイオ木造十三重塔を強襲。あわや全滅の憂き目に遭ってしまう。
しかし間一髪、駆け付けた猟兵達は、お人よし義賊の運び屋エンリケと『呑竜』構成員らと共に、これらを死闘を通して撃破に成功。
そしてのちに開かれた祝勝会で、リアム、エンリケの事情と、アカダルマファーマシーから狙われ続けるブラドの正体――実現可能性のある願望を、超高性能の未来予知によって叶えるユーベルコードを宿した『救世主』……すなわちオブリビオン・フォーミュラのプロトタイプであることを明かされたのであった。
時は現在まで戻り――ネオカワサキ・シティのダストエリア。
此処は煌びやかな上層と違い、人権すら保障されない無法地帯。
|巨大企業群《メガコーポ》はおろか一般人ですらここに住まう者達を虫けらやゴミカスとして扱う劣悪な環境の中で、リアムとブラド、そして『呑竜』クランの構成員達が、下層の住民達へ無料で施しを行っていた。
「私はキミ達を見捨てない。さあ、完全天然養殖の豚肉を使った豚汁だ。体が温まるから食べてくれたまえ」
リアムは構成員らと一緒に炊き出しを行い、腹を空かせた彼らの信頼を獲得してゆく。
一方、ブラドは病気で苦しむ女性の傍にしゃがみ込むと、小さな掌を押し当てて念じていた。
「おねえさんのびょうき、なおりますように……!」
すると、ブラドのユーベルコードによって可能性が手繰り寄せられ、息も絶え絶えだった女性が一瞬で快癒したではないか。
「なんてこと……!? 奇跡だわ! ああ、神の子だわ! ありがとうございます! ありがとうございます!」
「お、俺も診てくれ……! 病気を治してくれよ……!」
「待って、ウチの娘が先よ! お願いします! 助けてください!」
「お、おさないで……じゅんばん、じゅんばん、ね?」
ブラドも救世主らしく、下層の人々に崇められるほどの人気を得た。
「リアムの旦那ァ! 街中から食料と薬を搔き集めてきたぜ!」
「「カシラ、お疲れ様ですッ!!」」
「だから杯は交わしてねぇから違うっていってるだろうが!?」
そして『呑竜』構成員らから若頭と呼ばれるようになったエンリケも彼らに尽力していた。
このような慈善活動を何故リアム達が行っているのか?
それはずばり、|抵抗組織《レジスタンス》結成に向けての協力者を募るためであった。
「もう逃げてばかりではだめだ。私は、アカダルマファーマシーと戦うための|抵抗組織《レジスタンス》を旗揚げする! 私はキミ達を支援する。だからキミ達も私の元へ集い、この世界を虐げるメガコーポへ反旗を翻そうじゃないか!」
リアムの決意の言葉がダストエリアに響く。
だが、この直後、リアムの|抵抗組織《レジスタンス》は壊滅させられてしまう。
アカダルマファーマシーが送り込んだ、オブリビオンのニンジャによって――。
グリモアベースにて、予知の内容を投影し終えたグリモア猟兵の蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)は、招集に応じてくれた猟兵体へ、今回の任務の内容を話し始めた。
「今回の任務は、リアムさんが立ち上げた|抵抗組織《レジスタンス》に紛れたオブリビオンを討伐するよっ! みんなはこの|抵抗組織《レジスタンス》に参加してもらうんだけど、まずはダストエリアへ向かうリアムさん達の準備を手伝ってほしいなっ!」
投影した予知の前段階、つまり炊き出しの準備や医療器具の充実、はたまた言いがかりを付ててくる無軌道なヨタモノを懲らしめたりするなどの準備が必要だという。
なお、今回もお人好しなエンリケと『吞竜』構成員軍団が猟兵達の準備を手伝ってくれるので、何かあれば彼等に頼んでみるといい。
「んでねっ? アカダルマファーマシーから送り込まれるオブリビオンについては、何故か予知では詳細が完全に把握できなかったんだけど……どうやら、あらゆるユーベルコードをコピーして自分の物にする強者らしいよっ? ブラド君のユーベルコードが敵にコピーされたら、それこそ|抵抗組織《レジスタンス》はあっという間に消滅しちゃうよっ!」
これまでもサイバーザナドゥ世界では|抵抗組織《レジスタンス》が「全て」、無謀な襲撃計画に失敗して皆殺しにされたり、リーダーのありえないスキャンダルを暴かれて解散するなど、ありえない結末を迎えている。
そう、例外はない。「全て」だ。
そんな異常な事態を引き起こせるのは、メガコーポの息がかかったオブリビオンの仕業だと断言できる。
今回もこのまま見過ごせば、ブラドのユーベルコードを獲得したオブリビオンが|抵抗組織《レジスタンス》の凄惨な結末を願うだけで、リアム達が破滅へ追い込まれてしまう。
リアムの覚悟を此処で無駄にするわけにはいかない。
猟兵達がいち早く紛れ込んだオブリビオンを見つけ出し、排除しなくては!
「それじゃ、みんなっ! アカダルマファーマシーへの反抗の第一歩を挫かせないためにも、|抵抗組織《レジスタンス》を守ってあげてっ!」
レモンのグリモアが輝き、サイバーザナドゥ世界への転送が始まる。
果たして、猟兵達はオブリビオンを見つけ出して討伐できるだろうか?
……ユーベルコードの高まりを感じる!
七転 十五起
『ダルマ・ライク・ア・サンダーストーム』第四話!
ここから反旗を翻すためにも、皆様の力で窮地を脱しましょう!
なぎてんはねおきです。
●概要
第一章は冒険フラグメント、|抵抗組織《レジスタンス》へ潜入・参加してダストエリアへ向かう準備を整えましょう。
炊き出しの準備をするための材料や調理器具の調達、医療器具や薬の手配(アカダルマファーマシー直轄の病院からの強奪も推奨)、無法地帯のダストエリアにて何かしら因縁をつけて喧嘩を吹っかけてくる無軌道なヨタモノ(メガコーポ『黃神公司』のヤクザ)への制裁などなど。
勿論、各参加者様のアイテムを活用する旨のプレイングをかけていただいてもOKです!
人手が足りなければ、運び屋エンリケや『呑竜』構成員軍団が同行します。
遠慮なくお申し付けください。
第二章は日常フラグメント、実際にダストエリアでの慈善活動および|抵抗組織《レジスタンス》への勧誘活動です。
しかし、既にこの時点でアカダルマファーマシーから送り込まれたオブリビオンが何処かに紛れ込んでいます!
敵の狙いはブラドの『願望実現のユーベルコード』ですが、それ以外の手段で|抵抗組織《レジスタンス》を崩壊へ追い込む可能性もあります。
一刻も早く見つけ出し、敵の狙いを阻止しましょう!
第三章はボス戦、正体を暴かれたオブリビオンが猟兵達へ襲い掛かってきます。
敵は『他者のあらゆるユーベルコードをコピーして使いこなす』強敵です。
例外はありません。「全て」使いこなします。
その仕事ぶりは正に『全知全能』と言っても過言ではありません。
この難敵に、果たして猟兵達はどのように立ち向かうのでしょうか……?
その他、詳細な情報は断章加筆時に公開します。
また、プレイング開始のタイミングは、断章の情報が公開されてからでお願いします。
(それ以前に投稿した場合は例外なく不採用です)
それでは、皆様の鋭い慧眼を携えたプレイングをお待ちしています!
第1章 冒険
『レジスタンス潜入』
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POW : レジスタンスの武力を誇示してみせる
SPD : 情報工作や撹乱作戦に従事する
WIZ : レジスタンスの掲げる主張を広める
イラスト:十姉妹
👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「私は立ち上がらなくてはいけない」
リアム・フォスターが『呑竜』クラン組長のオオタへ告げた。
「ブラドの力は危うい。だが使い方を誤らなければ、多くの人々を導ける。そしてアカダルマファーマシーの野望を食い止められるだろう」
「だったら、ブラドにアカダルマファーマシーの野望を止めさせるように願わせろ。それで済む話じゃねぇか」
オオタの言い分はもっともだが、それをリアムは否定する。
「いや、もうやったさ。しかし無理だった。ブラドが手繰り寄せられる可能性は『実現可能』なものだからね。つまり、現段階ではアカダルマファーマシーの野望を誰も止めることはできない」
「だったらリアムが立ち上がる必要は尚更ねぇだろうが。ウチの構成員に任せて、安全な場所へ隠れてろ」
オオタの忠告を、リアムではなくブラドが反論する。
「だめ。それは、だめ。ころされちゃう」
「ブラドは未来予知も出来る。私達が隠居すると、オオタ=サン、貴方が狙われて……遠くない将来、アカダルマファーマシーのサイバーニンジャに殺されてしまう」
「おい、そりゃつまり、俺を気遣ってリアムは……」
リアムとブラドはアカダルマファーマシーの野望を挫くのと同時に、オオタの命を守ろうと考えている。
故に、リスクが高くとも行動を起こす必要があるのだ。
「……分かった、リアム。だが俺に一枚噛むぜ? ウチの構成員を使え」
諦めるように溜息を吐くオオタ。
リアムは頭を下げて感謝の念を伝えた。
「ありがとうございます、オオタ=サン」
「何言ってやがんだ。俺にとっちゃリアム、てめぇは俺の息子同然だ。息子に身の危険を案じられたんじゃ、反対なんざできやしねぇよ」
「ぼくも、がんばる、よ……!」
ブラドも誰かの役に立てることが嬉しいようだ。
と、ここでリアムはおもむろに腕時計を眺めて呟いた。
「しかし、エンリケ君は遅いな……。何かあったのだろうか?」
「いや、アンタら、マジで急に現れるんだな?」
一方、エンリケは目の前に出現した猟兵達に腰を抜かしていた。
彼の周囲には若い『呑竜』構成員が、猟兵達を敵襲と勘違いしてドス・ソードを構えている。
「テメッヤンノカコラーッ!」
「スッゾコラーッ!」
「おい馬鹿止めろ! その方々は猟兵だ! お前達じゃ一瞬で転がされちまうぞ!」
「「えっ?」」
たちまち若集は顔を青ざめてしまう。
「「スンマセンッシター!!」」
決断的ドゲザ・ムーヴ!
エンリケは飽きれながら猟兵達へ非礼を詫びた。
「すまねェ……。実は先日の襲撃の後、何故か俺の射程になりてェっていう若い奴らが集まってきてよ……今じゃ盃も交わしていないのに『若頭』とか『カシラ』とか言われて、ったく、いい迷惑だぜ……」
そう言いながらも面倒見よく若集に目をかけるエンリケであった。
やっぱりこの男、お人よしである。
「ここに来たってことは、アンタらもリアムの旦那の手伝いか? もしそうだったら色々と仕事があるんで頼みたいんだが……?」
エンリケの言葉に、君達は一同に首を縦に振るだろう。
さて、食材調達や調理器具の確保、医療品や防寒具の充実など、準備は多岐にわたる。
また、これから向かうネオカワサキ・シティはメガコーポ『黃神公司 』の直轄のレジャー&ショッピング複合施設があるためか、周囲には黃神公司 の息がかかったナラズモノがうろうろしている。こいつらと先んじて『お話し』を付けることも必要である。
また、この活動を通じて組織屁の勧誘を行うための準備も重要だ。
と、いうことで、猟兵達は各々の得意分野を活かして、リアムの|抵抗組織《レジスタンス》が行う『ダストエリアでのボランティア活動』の準備を行おう。
フラーウム・ティラメイト
♪と🦃
こんにちは…私も手伝わせて下さい
『ワシはこのマスターでの登場は初めてじゃのう!』
ソニアは堂々と腕を組み登場した
彼女はソニア…クズです
『ワシはクズじゃあ無い!さあ!仕事を寄越せ!』
私達にはアカダルマファーマシーの直轄の病院から医療器具や薬を強奪する
強奪時には呑竜の構成員軍団に手伝って貰います
皆さん、ありがとうございます…はあ!
呑竜の皆さんには囮役で私は熱と音を消滅属性の迷彩で姿を消して交戦している敵に斬撃波を放つ
『戦じゃ戦じゃあぁぁぁぁ!』
ソニアは次元能力で敵の目の前に現れて金鞭で投げ飛ばしたり変速で敵を翻弄してマヒ属性の矢弾の雨を放つ
因みに襲撃した証拠は時空神と因果獣達が揉み消しました
ソラウ・エクステリア
♪と🦃
ソニアはこのマスターのシナリオでは初登場らしいね…あっこんにちはソラウと言います。
『エスパスです…この世のカスです何か手伝わせて下さい』
エスパスは以前のシナリオで色々あった為土下座で懇願していた
『…エスパス、炊き出し手伝ってくるわ』『…エスパスちゃん』
人間の姿になったライズサンとエミリアーノは困惑していたが予め持ってきていた炊き出しの材料と器具を向こうに持って行った
フラーウムさんは強奪に行ったのでエスパスと行く
行くよ!
『ええ…』
敵に僕はエスパスさんと連撃する
結界術で敵の攻撃を防御して音響弾で反撃
UCソラウの歌"破滅の騎士"を発動して破滅の騎士を召喚して次元能力で瞬間移動して敵を制圧した
転送直後、エンリケと遭遇したフラーウム・ティラメイト(因果獣と因果を喰らう者『オベイ』を宿す探究者・f38982)は礼儀正しくオジギをしてみせる。
「こんにちは……私も手伝わせて下さい」
「あっ……こんにちは。ソラウと言います」
ソラウ・エクステリア(歌姫の時空騎士と時空龍の協奏曲・f38698)も静々と頭を下げてオジギした。
その横で見慣れぬ人物……にしては少々髪色や服装が奇抜すぎる奴が、腕を組んでかんらかんらと高笑いする。
『ワシは初見じゃのう! ワシは七大罪がひとつを司る因果獣! 今はヒトの姿を象りし者だ!』
赤と黄が混じった髪の人物はエンリケへそう言いのけると、フラーウムが補足説明をしてくれた。
「彼女はソニア……いわゆるクズです」
『ワシはクズじゃあ無い! さあ! 仕事を寄越せ! 勤労意欲が有り余ってるんじゃあ!』
「こんな感じで、空気が読めないクズですが役に立ちますので」
『いやクズじゃあないと言ってるじゃろうが!』
「ソニア、うるさい」
フラーウムの圧がソニアに降りかかると、彼女は顔を真っ青にしてたちどころに黙り込んだ。
『アッ……ハイ……』
この瞬間、2人の上下関係が決定したようだ。
一方、ソラウの傍らにはめちゃくちゃ萎れた時空神エスパスがエンリケの目を合わさずに震えていた。
『あ、あの……エスパスです……この世のチンカスです何か手伝わせて下さい何でもしますから』
前回の事件の後、何やら込み入った事情が起きたらしく、エスパスの自己承認欲求は地に落ちた。
地面に額を擦り付けるほどのドゲザ・ムーヴに、思わずエンリケが待ったを掛けるほどだ。
「わ、わかったから! アンタにも仕事をちゃんと振るから!」
『え、えへへ……認めてもらえたぁ……! う、嬉しいです……!』
泣き笑いを浮かべる時空神。
前回の襲撃では一応カッコよく敵を討伐していたのに、短期間で何があったのか。
その変貌ぶりにソラウの仲間であるライズサンとエミリアーノも直視できない。
彼らもまた人間の姿に変身すると、炊き出しの準備へ向かうべく『呑竜』構成員と同行することにした。
『……エスパス、炊き出し手伝ってくる』
『……エスパスちゃん、頑張ってね?』
こうして、残されたのはエンリケと猟兵2人、そしてフラーウムの態度を窺う|ソニア《クズ女》だけとなった。
「あー、じゃあ、悪いが……薬の調達を頼めねぇか? 購入してもいいんだが、アカダルマファーマシーに打撃を与える意味でも、此処は直轄の病院に忍び込んでもらってだな……」
エンリケの説明の途中だが、猟兵達はそそくさと動き出す。
慌てるエンリケが声を掛ける。
「お、おい! 聞いてんのか?」
「任せてください。病院ひとつ、余裕で潰してきます」
フラーウムがふんすっとドヤ顔を見せれば、ソラウも完全武装で気合十分だ。
「おいおい! 一応、一般の入院患者もいるんだぜ!? 病院丸ごと潰したらテロリストじゃねーかよ!」
エンリケが思わずツッコミを入れる。彼はあくまでも薬を『人知れずに』奪ってきてほしいと注文した。
「まぁ、多少の荒事は避けられねぇはずだ。何せ奴らも警戒してる。警備員に黃神公司の連中を使ってる時点でお察しだな」
「では、人知れずぶっ飛ばす方向で」
『ワシはそういうの得意じゃあ!』
フラーウムとソニアが我先にと駆け出せば、ソラウは周辺の地図を検索してアカダルマファーマシー直轄の病院を探し出す。
「一般人の入院患者、ですか。カチグミ・サラリマンや高級官僚、高給取りの政治家ばかりを優先する病院は、果たして健全でしょうか?」
ソラウの疑問にエンリケが顔をしかめる。
「正論なんだよなぁ……。カネのねぇ本当の一般市民は門前払い、下手すりゃ拉致られて実験材料にされちまう……ひとつくらい潰してもいいくらいだが、俺たちのやる事は破壊活動じゃねぇんだ。それだけは、肝に銘じてくれ」
エンリケの念押しに、ソラウは神妙に首を縦に振るのだった。
「それじゃ行くよ! エスパスさん!」
『ええ……役立たずですが頑張ります……』
アカダルマファーマシー直轄の病院の裏手から潜入するソラウとエスパス。
その後ろからフラーウムとソニアも付いてくる。
『戦じゃ戦じゃあぁぁぁぁ!』
「あ、ソニア? これ潜入だって言ったよね?」
フラーウムが止める間もなく、ソニアは傲慢の根源による空間破壊で警備員たちを一瞬でネギトロの肉塊へと変えてしまった。
「「アババババーッ!」」
警備員達の悲鳴が響き渡る!
「ゴヨウ! ゴヨウだ!」
「侵入者だ! デアエデアエー!」
「カチコミダー! ヤッチマイナー!」
次々と駆け付ける黃神公司の警備員達!
「ソニア、余計な事しないでください」
ウンザリなフラーウムだが、すぐさま鍵形の黒剣を振るって衝撃波を敵へ放つ。
『ふははは! コソコソするのは性に合わん! 正面からぶっ潰して、全部奪う! それがワシじゃあ!』
「だから先走らないでください……! どこ行くんですか、そっちはトイレですよ?」
警備員達をボコボコにしながら先を突っ走るソニアにフラーウムが必死についていく。
呆れたソラウは頭を抱えてしまう。
「……作戦変更だね。迅速果敢に此処を突破して、薬を確保したら逃げるよ、エスパスさん」
『ユ、ユーベルコードを使いますね……? ご、ごめんなさい! 生意気にユーベルコードを使ってごめんなさい!』
卑屈な態度だがエスパスは時空武神へと昇華すると、時空魔法と次元転移を繰り出しながら警備員達を次々と無力化してみせる。
ソラウも槍で連続攻撃を放ってエスパスとの連携を意識して先を急ぐ。
すると、薬品保管庫を発見したソラウが皆を呼び止めた。
「みんな、ここだよ! とっとと回収しよう!」
『そ、それじゃあ、私の魔法で収納しますね……』
次元能力をアイテムポケット代わりに放り込むエスパス。
「エスパス、すごいです……ソニアとは大違いです」
『ふはははは! 適材適所じゃあ! やるなチンカス!』
フラーウムがなんだかげっそりしてソニアの足を蹴っ飛ばすも、当の彼女は意に介さずに笑うだけであった、
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リュカシオン・カーネーション
虹炎組
『エンリケ!久しぶりなのだわ!若頭になっているなんて驚いたのだわ!これは前のお詫びなのだわ!』
台車に大量のスシを置いた羽衣が2つになったシエルがエンリケに話しかける
『ど〜も、先日は迷惑かけてごめん』
黒と白の髪の少女になったアズリエルも話しかける
ウチの歌、騒音…ぐずっ
《あれ?シオンさん?何かカオスですね》
ウチは落ち込んでいた
『シオンは落ち込んでいるから私が手伝うのだわ!』
シエルはUC虹炎獣ナノダワーを発動した
『ナノダワー』『ナノダワー』『ナノダワー』『ナノダワー』
ナノダワー達が現れてシエルが予め持ってきていた食材を持っていく
『抵抗組織…絶対成功させるのだわ!』
シエルが腕を突き上げた
エリン・エーテリオン
虹炎組
死闘ッ!薔薇舞う…の続き
ふざけやがって…
『エリン、キゲンガワルイナ…』
『マスター、焼肉店でバイトしてたら騒音が聴こえて気絶したらしいよ…シオンにブチギレた』
エキドゥーマとブラッドムーンが話していた
変な錬金術士がリフォーム代を全部出したから出禁が無くなったらしいし…シオンを連れて謝りに行っても結局シオンは出禁だし…
愚痴を言っているとエンリケさんが現れてので挨拶する
こんにちは!エンリケさん、今回もよろしくお願いします
エンリケさんにオジキした
シオンは頼りにならなそうだったのでブラッドムーンとエキドゥーマだけで『黄神公司』のヤクザを吹っ飛ばす事にした
行くぜ!虹神炎解放!
UCを発動して超次元能力で瞬間移動しながらクイックドロウでヴァルカライナーから爆撃を放つ
『グッバイ、ゲドウ!』
ブラッドムーンは神罰を纏った斬撃波
『よーし、さっさとやっつけちゃおう!』
エキドゥーマは敵に迷彩の弾幕と電撃の矢弾の雨を放つ
まだまだ!オラァ!
超越の自由で天候操作して無数の竜巻を呼び出して吹き飛ばす
全員掛かってこいや!
エリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)は同行者のリュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)に烈火の如く激怒していた。
「ふざけやがって……あの焼肉屋でバイト中に何てことしてくれたんだ……?」
「うぅ……」
正座をさせられたリュカシオンが項垂れる。
状況が把握できない彼女らのお供達は、ヒソヒソと小声で会話し始めた。
『エリン、キゲンガワルイナ……』
『マスター、焼肉店でバイトしてたら騒音が聴こえて気絶したらしいよ……その騒音の原因が、シオンの腐りきった音痴の歌声ってわけよ』
邪竜神のエキドゥーマとブラッドムーンの声がリュカシオンの耳に入ると、更に彼女は落ち込んでしまう。
「ウチの歌声が……騒音……ぐず……っ」
「泣いたって許さねえからな? ったく、店内を破壊した頭のおかしい錬金術士はリフォーム代を全部出しら出禁が無くなったらしいが………シオンは私と一緒に謝りに行っても、結局シオンは出禁だし私もバイトをクビになったし……いい加減、その場のノリで生きるのを止めろ、むしろ死ね。精子から人生やり直せクソが……!」
「うえぇぇ……ウチは周りの空気が読めないクソです……すいませんでした……」
地面と一体化するかと思うほど深々と土下座をかますリュカシオンに、ハイテンション虹炎女神のアルカンシエルも流石にビビり散らす。
『な、なんだかこちらも申し訳ないのだわ……私の監督不十分なのだわ……』
『いやなにこのカオス?』
天災邪神龍アズリエルが白と黒のツートンカラーの髪色をした少女の姿に変化するなり目を細める。
そんな中、エンリケが恐る恐る彼女らに近付いた。
「お、おう。チーム焼肉屋破壊王」
「「なんて不名誉な一括り!!」」
エンリケの心象は最悪だということが此処に明らかになった瞬間である。
「こんにちは! エンリケさん、今回もよろしくお願いしますっておい待てエンリケさん? 私もシオンと一緒にするな。こっちも巻き込まれたクチだからな?」
「……そうなのか? でもおまえら、親戚みたいなもんだろ?」
「……ああ、もういい。エンリケさんの中で私がリュカシオンと同じ認識だってことがよーくわかった……」
溜息を吐くエリンは今回の任務でもっと頑張らねばと己を奮い立たせる。
『エンリケ! 久しぶりなのだわ! 若頭になっているなんて驚いたのだわ!」
「だから盃を交わしてねぇから俺はカタギのままだっ! 若頭じゃねぇよ!」
『またまた~なのだわ! そうそう、これは前のお詫びなのだわ!』
シエルがスシオリをエンリケに手渡して先日の非礼を詫びれば、アズリエルも頭を下げた。
『ど~も、先日は迷惑かけてごめん。今回はマスターのシオンが使い物にならないから、シエルと一緒に手伝うよ』
「うぅ……ウチはもうだめだぁ……」
おいおい泣き崩れるリュカシオンをドン引きしながら見守るエンリケであった。
『シオンは落ち込んでいるから私が手伝うのだわ!』
虹炎の女神はユーベルコード『虹炎神・レーヴ・アルカンシエル"|未来虹炎乱気流《フォース・タービュランス》"』を発動。未来を書き換え、虹炎獣ナノダワーを召喚した。
『ナノダワー』『ナノダワー』『ナノダワー』『ナノダワー』
ナノダワー達が現れてシエルが予め持ってきていた食材を『呑竜』のバイオ木造十三重塔へ持っていく。
『|抵抗組織《レジスタンス》……絶対成功させるのだわ!』
シエルが腕を突き上げて意気込みを語った。
一方、エリンはブラッドムーンとエキドゥーマだけでネオカワサキ・シティへ先行し、目的地周辺の『黄神公司』のヤクザを吹っ飛ばす事にした。
「シオンは置いてきた。足手まといだからな。行くぜ! 虹神炎解放!」
ユーベルコード『虹炎の神エリン・エーテリオン・ライオット』を発動!
超次元能力で瞬間移動しながら素早くヴァルカライナーから爆撃を放つ。
『グッバイ、ゲドウ!』
「「グワアアァァァアアアーッ!?」」
ブラッドムーンは神罰を纏った斬撃波でヤクザ達を滅多切りにしてみせれば、エキドゥーマは敵に周囲の背景に溶け込んだ光学迷彩を纏った電撃の矢弾の雨を放つ。
『よーし、さっさとやっつけちゃおう、マスター!』
「まだまだ! オラァ!」
超越の自由で天候操作、無数の竜巻を呼び出してヤクザ達を吹き飛ばす。
その暴れぶりは今までの鬱憤を発散させるが如く暴虐であり、つまりは八つ当たりであった。
「全員掛かってこいや!」
こうして、哀れヤクザ達はエリンのストレス発散材料として出くわした瞬間に殺されてゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カシム・ディーン
同行
フィア(f37659
やれやれ…色々とうさん臭かったが…普通にいい奴じゃねーか彼奴ら
取り合えず…医薬品の確保だな?
「ご主人サマ☆それなら幼女ま」
しねーよ!限度ってのがあるだろうが!?
UC発動
【情報収集・視力・医術】
近隣のアカダルマ関係の病院や他の食料品等の工場や施設の位置を捕捉
【属性攻撃・迷彩・盗み】
メルシー軍団に光水属性を付与
光学迷彩で存在を隠しつつ水の障壁で匂いや熱源隠蔽
浮遊で音も隠蔽
という訳でメルシー軍団散開
医療品や調理器具やら食品を根こそぎ強奪開始
必要時は警備員もボコる
クビになったらスカウト
僕はこの地の食材で鍋を作り炊き出しを行います
フィアにも味見してもらいますよ
…まぁそういうのもあります
(命どころか心も削りますしね…癒して見せますが…それでもまぁ不要な無茶はさせません
ああ、それならフィアは一緒に食べましょう
「メルシーも作るぞ☆」
此方はジャパニア料理を披露(MSお任せ
まぁ…僕はそこまで料理は得意じゃねーんだが…
フィアが喜ぶならいくらでも作りますよ?
あ、フィアの手料理も興味あるが
フィア・フルミネ
カシム(f12217) と参加
うん。うちの人たちは祭り好きだね。それに……いい人、か。私たちは私たちのできることを。お人よしにはできないこと。盗賊と獄卒にね。
では料理を…‥ここは僕に任せて? 私は味見役? じゃあ私は話し合いの方を、ほら武力の誇示も必要。私は腕っぷしに自信があるから……だから味見役? 無茶をするから? するけど。
随分と派手に盗んできたね。こんなに使い切れるかな。それになんだか血の匂いがする。やっぱり荒事をしてきたのね。うん。今度は私もそちらに連れて行って。
美味しかった。手料理を他の人にあげるのはもやもやする。うん。嫉妬、少し独占欲。
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は恋人のフィア・フルミネ(|麻痿悲鳴《まいひめ》・f37659)と共に|抵抗組織《レジスタンス》を手伝っていた。
「やれやれ……色々と胡散臭かったが……普通にいい奴じゃねーか彼奴ら」
「リアムとブラドのこと?」
フィアが小首を傾げると、カシムの相棒メルシーが彼を代弁して口を開く。
「そうだよーフィアちゃん! ちゃんと色々考えてるな~ってメルシー感心しちゃった☆」
「まぁ此処で更に恩を売っておくのも悪くねーですからね?」
カシムの言葉にフィアが僅かに口角を上げた。
「うん。うちの人たちは祭り好きだね。それに……いい人、か。私たちは私たちのできることを。お人よしにはできないこと。盗賊と獄卒にね」
「ですね、フィア。んじゃ……取り合えず……医薬品の確保だな?」
カシムが周辺地図を確認し、アカダルマファーマシー直轄の病院を探す。
「エンリケの話だと、アカダルマファーマシー直轄の病院ってのは貧乏な病人は門前払いで、金持ちばかりを入院・通院させて大儲けしてるらしい。それでいて困窮した貧乏人に格安で治療ができると謳って、非合法な人体実験を受けさせている、と……本当にろくでもねーな、アカダルマ?」
「ご主人サマ☆ それなら数の暴力だね! 幼女ま――」
「しねーよ! 限度ってのがあるだろうが!? おら! パラダルクでいいだろ、行ってこい!」
「「ひゃっはー☆」」
ドラグナーガールのコスプレをした138人のメルシー分身体が散り散りになって、サイバーザナドゥ世界の空を翔けてゆく。
「薬を寄越せー!」
「金持ちばかり治療するなんて不公平だぞ☆」
「おらケツにメス突っ込まれたくなかったら薬を寄越すんだぞ☆」
「警備員のヤクザもヨツンヴァインになるんだぞ☆」
「「アイエエエーッ!?」」
映像ではお見せ出来ないような悪逆非道ぶりに、アカダルマファーマシー直轄の病院内はアビ・ジゴクに震えるのだった。
ところ変わって、オーイズミ・タウン。
ここでは先んじてスラム街の住人達へ炊き出しを行っていた。
「おいメルシー? 分身体は程々に暴れさせろよ? エンリケの言葉通りなら、リアムの|抵抗組織《レジスタンス》はテロリストじゃねーらしいからな?」
本体のメルシーはフィアと一緒に炊き出しの調理を行っている。
「分かってるって、ご主人サマ☆ 誰も殺してないし、今回は下半身も自重してるよ☆」
「いや下半身は永久に自重してろてめーはよぉ!?」
メルシーが本気を出したら、ネオカワサキ・シティがソドムの罪で業火に焼かれかねない。
カシムは頭を振ると、自身もエプロンを身に付けて炊き出しの鍋へ近寄ってきた。
「僕もこの地の食材で鍋を作り炊き出しを行います。フィアにも味見してもらいますよ」
「私は味見役? じゃあ私はこの周辺の『話し合い』の方を、ほら武力の誇示も必要。私は腕っぷしに自信があるから……」
「いいえ、フィアは味見役をお願いします。無茶はしないでください」
カシムは彼女を気遣う。なぜなら魂人であるフィアのユーベルコードは使用するたび肉体はおろか心まで擦り減っていく。それがカシムにとってはいたたまれないのだ。
(命どころか心も削りますしね……どんなに壊れても僕が癒してみせますが……それでもまぁ、不要な無茶はさせませんよ)
カシムの強い決意の前にフィアは遂に自ら意見を折った。
「無茶をするからだめ? するけど……味見役、うん、なら、そっちで頑張る」
「……まぁ心配だからというのもあります。さあ、フィアは一緒に食べましょう」
「メルシーも作るぞ☆ クロムキャバリア世界ジャパニア名物、マーベラス☆ちゃんこ鍋だぞ☆」
巨大な鍋で煮え立つちゃんこ鍋から、香り高いお出汁がカシムとフィアだけでなく、スラム街の人々の鼻腔をくすぐる。
フィアが熱々のちゃんこを口に運ぶ。瞬間、僅かに顔が綻んだ。
「……おいしい。カシムもたべてみて?」
「ん、んん……確かにうめーですね。まぁ……僕はそこまで料理は得意じゃねーんだが……フィアが喜ぶならいくらでも作りますよ? ちゃんこ鍋、簡単ですからね。あ、フィアの手料理も興味あるが」
「わたしの料理? ……うん、今度、挑戦してみる。けど」
「けど?」
カシムが小首を傾げると、フィアの真っ白な頬に紅が差す。
「手料理を他の人にあげるのはもやもやする。うん。嫉妬、少し独占欲」
「……だったら、僕だけのために今度作ってくださいね?」
「カシム……」
二人の視線が絡み合い、顔が近付く。顔が近い。そのまま唇が急接近して――。
「「ひゃっはー! ただいまー☆」」
ちょうどそこへメルシー軍団が、医薬品を大量に抱えて帰還してきた。
「おめーらはよぉ! ほんとそーゆーとこだよなぁ!?」
イイ感じだった空気をぶち壊されたカシムが肩を落とす。
対してフィアは持ってきた医薬品の匂いに違和感を覚えていた。
「くんくん……随分と派手に盗んできたね。こんなに使い切れるかな。それになんだか血の匂いがする。やっぱり荒事をしてきたのね。うん。今度は私もそちらに連れて行って」
「えーっと、フィアちゃん! ちゃんこ鍋、美味しかったかな?」
メルシー本人が取り繕うように尋ねると、フィアはお椀を差し出してこう告げた。
「うん、美味しかった。おかわり、ちょうだい?」
「ヨロコンデー☆」
こうして、スラム街での炊き出しは滞りなく行われてゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!
オー、リアム殿たちも頑張っておりマスナ!
どれだけすごい力があろうとも、ブラド殿はまだ子ども。守らねばなりマセーン!
とてもデンジャーなミッション! ワタシも加勢しマース!
ではまずは、レジスタンスへの参加デスネー!
炊き出しのお手伝いをしマショー!
手ごろなメガコーポの店舗から食材を|略奪し《いただき》マシテ、出張バルタン・クッキング!
『呑竜』の方々や抵抗組織に参加されているエブリワンの英気を養いマース!
皆様にバッドステータスやダメージ、|呪詛《カース》を癒す寿司を提供いたしマース!
たっぷり作れマース、遠慮せずどうぞデース!
……これで、洗脳とか仕込まれていても解除できマスネ!
バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)はメイドである。
リアムらの奉仕活動の内容を聞いて、メイドの血が騒ぎだす。
「オー、リアム殿たちも頑張っておりマスナ! どれだけすごい力があろうとも、ブラド殿はまだ子ども。守らねばなりマセーン! 今回はとてもデンジャーなミッション! ワタシも加勢しマース! まずはレジスタンスへの参加デスネー! 炊き出しのお手伝いをしマショー!」
メイドモードのバルタンは炊き出し準備のために手ごろな黃神公司の商業施設から食料品を|略奪し《いただき》、ユーベルコード『バルタン・クッキング』で出張調理開始! 自前のクッキングカーを用意して万全の態勢で調理に臨む!
「レッツ、出張バルタンクッキング! 本日は完全天然養殖ネタのスシと安全安心豚汁デース!」
ものの10秒で138人前の料理を作り上げてゆき、オーイズミ・タウンのスラム街住民達や手伝う『呑竜』構成員達の英気を養ってゆく。
その食事の光景をバルタンはつぶさに観察してゆく。
(Fuuum……? 実は料理の中に洗脳や魅了などの|呪い《カーズ》を解除する効果を織り込んだのデスガ……あまり変化がないデスネー?)
バルタンは敵が既にこの周囲に潜り込んでいると踏み、あぶり出す為にカマをかけてみたのだ。
だが実際、此処にいる人々に異常は見られない。
(そうなると……ネオカワサキ・シティでエネミーは待ち構えてるのデショウ! ナニハトモアレ! 此処に敵が潜んでないのは善い事デース!)
安全を確認できただけでも、バルタンの行動には意味がある。
それにバルタンの振舞う炊き出しはすこぶる美味であり、スラム街住民と『呑竜』構成員達から大好評を博した。
「マダマダたっぷり作れマース、遠慮せずどうぞデース!」
敵が待ち構えるネオカワサキ・シティでの荒事の前に、バルタンは味方の|英気《バフ》を与えることに専念するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
レーヴァ・アークルージュ
エンドブレイカーに私のグリモアを組み合わせれば……うん、これで断片的に予知が出来る様になった
そう言ってアカダルマファーマシーの高級VIP用病院を静かに占拠
『黃神公司』のヤクザをボコボコにして秘かに運営を入れ替えてレジスタンスの秘密基地にした後、VIPルームの一角でこの後に起きる『裏切り』に対してエンドブレイカー能力強化UCで先んじて情報を得る
キーワードは『裏切り者が幹部陣の中にいないか、無意識に洗脳されている事も含めて』と……『エーレファ・インダストリー』
あの人材派遣メガコーポなら、どう出てくるかな……
レモンちゃんの予知には出てこなかったけど、勘で分かる
あのメガコーポは動いているってね
「エンドブレイカーに私のグリモアを組み合わせれば……うん、これで断片的に予知が出来る様になった」
レーヴァ・アークルージュ(超学園級の烈焔魔導士・f29627)は今、アカダルマファーマシー直轄のVIP専用病院の警備室を占拠している。数多くの監視カメラのモニタがグリモアに呼応し、映像が予知のそれへと切り替わってゆく。
「うーん、警備員の『黃神公司』のヤクザをボコボコにして此処を占拠出来たまではいいけど、さすがに秘かに運営を入れ替えてレジスタンスの秘密基地に、っていうのは虫がよすぎたかな?」
レーヴァはこの病院を丸ごと|抵抗組織《レジスタンス》の手中に収めようと考えていたが、病院の運営陣を入れ替えるとしても後釜を誰にするか明確でないし、そもそもこの病院の運営陣は現場にはいなかった。大方、メガコーポの接待で今頃はゲイシャと共に最高級天然養殖トロマグロ・スシを3ついっぺんに頬張ってることだろう。
「まぁ占拠して予知が出来れば私の主目的は達成できるんだけどね? どれどれ……?」
レーヴァはこの後の間者の動きを予知するべく、このような回りくどい手法を取ったのだ。
そして彼女が危惧するのは『裏切り者が幹部陣の中にいないか、無意識に洗脳されている事も含めて警戒する事』であった。
監視カメラのモニタに映る映像が目まぐるしく変化してゆく。
それらはこの後のネオカワサキ・シティで行われるボランティア活動の様子だ。
しかし、裏切り者が現れる気配は一向になく、ある瞬間を境に|抵抗組織《レジスタンス》と猟兵達が突然藻掻き苦しみながらバタバタと倒れてゆく事だけは確認できた。誰かが毒を盛った素振りもない。強いて言えば疫病のような苦しみ方をしていた。
「どういう事……? 裏切り者はいないどころか、これじゃ私達が勝手に具合を悪くして死ぬような……?」
レーヴァはこの時、自分の想定していたことが的外れだと気付いて舌打ちをした。
「どうやら私は酷い勘違いをしていたのかも……でも『エーレファ・インダストリー』――あの人材派遣メガコーポからとんでもなく強力なニンジャをアカダルマファーマシーは派遣してもらったみたいだね? 九賢人の部下にはそんな奴らがごまんといるだろうし……でも、このままじゃ原因が特定できない……どうすれば……?」
レーヴァは占拠した病院の警備室で、しばし途方に暮れるのだった……。
苦戦
🔵🔴🔴
エメラ・アーヴェスピア
レジスタンス、ね…これが事件を動かす要因になってくれればいいのだけれど
と、それも今回の事件を超えたらよね…猟兵の仕事を始めましょうか
まぁ、単純に人手を用意しておきましょうか…まぁ、人ではないのだけれど
・『出撃の時だ我が精兵達よ』発動、数機一班で巡回警備、及び道具などの運搬等の力仕事
・同時に魔導蒸気兵越しに【情報収集】、後の為にこの周辺のデータを詳細に確保
・人の方が良い事態に遭遇した場合はその旨を連絡
とりあえず、警備員替わりでいいでしょう…現時点では、ね
※アドリブ・絡み歓迎
エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫ガジェットアーモリー・f03904)は過去のアカダルマファーマシーの事件に関わってきた猟兵のひとりである。今回の動きを聞き、思案を重ねながら参加に赴いた。
「レジスタンス、ね……これが事件を動かす要因になってくれればいいのだけれど。と、それも今回の事件を超えたらよね……全てのユーベルコードを模倣し、使いこなすニンジャを相手取るのだから、気を引き締めるわよ。さあ、猟兵の仕事を始めましょうか」
エメラはまず、オーイズミ・タウンのスラム街で行われているボランティア活動の手伝いに名乗りを上げた。
「ごきげんよう、リアム。ブラドも元気だったかしら?」
エメラがリアムとブラドを見つけるなり、手を振りながら歩み寄った。
これにリアムも笑顔で返し、ブラドも手を振り返してくれた。
「やぁ、キミはエメラ君だったかな? 猟兵諸君も手伝いに来てくれたのかい?」
「ええ、そんなところよ。……っていうのは建前ね」
「ということは、何かこの後、事件が起きるのかね?」
リアムの問いにエメラは頷く。
そしてグリモア猟兵の予知の内容をリアムへ一言一句違わず伝えた。
リアムは腕を組み、しばし逡巡する。
「前回の襲撃からあまち時間が経っていない。流石にニンジャやヤクザの兵隊を動かすには再編成が必要な時期だ。となると……外部のメガコーポから人材を発注したのかもしれないな……」
「そんなことが可能なのかしら?」
「エメラ君、アカダルマファーマシーは現在、様々なメガコーポを取り入れてホールディングス化を目指している。人材派遣業に特化したメガコーポを取り込む事くらい、今なら造作もないだろう」
「M&Aに飽き足らず、ホールディングス化ですって? 転んでもタダじゃな起きないなんて、アカダルマの名前通りね……」
リアムの言葉にエメラは背筋がうすら寒くなった。
「で、リアム? 今は当面の話をしましょうか。人手が足りないのなら、私の魔導蒸気兵部隊を貸すわ。警備員代わりに使って頂戴。今のところは、ね……?」
「それはありがたい。是非ともお願いできるかな?」
「勿論だわ」
リアムの要請にエメラは二つ返事でユーベルコードを行使した。
「さぁ出番よ、私の勝利の為に出撃なさい」
途端、エメラの背後に136体の魔導蒸気兵達が召喚された。
これら|三体一組《スリーマンセル》で班を作り、そのうち半数うぃボランティア会場の周囲の警護に当たらせる。
そして残りはネオカワサキ・シティへ斥候として出向かせ、目的地周辺の安全確保の任務に就かせた。
「リアム、ネオカワサキ・シティのダストエリア周辺の地図はあるかしら?」
「ああ、これだ。目的地自体は地下下水道だから、その入り口である川の排水口周辺の地図を渡そう」
エメラはリアムから受け取った地図データを魔導蒸気兵達へ転送。
こうすることで外部から間者が侵入できないように見張ることが可能だ。
ついでに周囲でイキってるヨタモノやヤクザを力づくで排除することで、|抵抗組織《レジスタンス》が安全に移動できる経路の確保も出来るのだ。
「何から何まで配慮してくれて助かるよ、エリア君」
「いえ、これも猟兵の仕事だもの、当然よリアム」
エメラは万事がうまくいっているので上機嫌になり、その後はブラドと共に行動し、病人や怪我人の治療を手伝うのであった。
大成功
🔵🔵🔵
箒星・仄々
暫くこちらに来られませんでしたが
成程そんな事情だったのですね
オブリビオン・フォーミュラのプロトタイプ
とはびっくりです
これは確かにアカダルマさんの手に
ブラドさんをお渡しするわけには行きませんね
皆さんをお助けしましょう
私は炊き出しの準備を担います
猫の手をお貸しします
お肉屋さんや八百屋さん、お米屋さんなど
色々と回ってみましょう
皆さんに振る舞うものですから
出来るだけ質のよいものがよいですよね
品質をしっかりと見切ります
礼儀正しく値切りの交渉もしましょう
お店の経営もあるでしょうから
程々に
またお買い物させていただきますので
これからもよろしくお願いします♪
色々と材料を買い揃えましたら
下拵えを
炊き出しは
オニギリ
野菜たっぷりのスープ
豚汁
甘酒
とかでどうでしょうか
オニギリは少し前に作っておいて
その場ではBBQっぽく焼きおにぎりとか
美味しいと思うんですよね
香ばしい香りで沢山の方に
食べにきていただきましょう
鼻歌を口ずさみながら
せっせと肉球でにぎにぎして
準備をします
前回の事件に参加できなかった箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は今までの事情をエンリケから聞き出していた。
「……ってことがあったんだぜ」
「暫くこちらに来られませんでしたが成程、そんな事情だったのですね。ブラドさんがオブリビオン・フォーミュラのプロトタイプとはびっくりです」
エメラルドグリーンの両目をぱちくりさせる箒星。
「これは確かにアカダルマさんの手にブラドさんをお渡しするわけには行きませんね。私も皆さんをお助けしましょう」
「んじゃ、炊き出しの準備を頼めるか? 人がいくらいても足りやしねぇからな」
エンリケは舎弟たちと一緒にオーイズミ・タウン周辺での炊き出しを行っている真っ最中だ。
『呑竜』本拠地のバイオ木造十三重塔で準備を進めているリアムとブラドらには携帯電話で猟兵達の来訪を伝達しており、急ぎネオカワサキ・シティで合流することを約束済みだ。
箒星もエンリケの要請を受け、炊き出しの準備に取り掛かることにした。
「分かりました。不肖、この猫の手をお貸ししましょう」
まずはお肉屋さんや八百屋さん、お米屋さんなど色々と回ってお買い物をスタート。
「皆さんに振る舞うものですから、出来るだけ質のよいものがよいですよね。品質をしっかりと見切りますよ」
勿論、予算を抑えることも念頭に入れつつ、食材の品質チェックに目を光らせる箒星。
「おや? このニンジン、傷物ですが定価になっていますね。値引き交渉できるでしょうか」
箒星はすかさず店主へ傷がついたニンジンを見せると、丁寧な物腰で値切り交渉を開始。
「……ということで、すこしお安くできませんか? お安くしてくださったら、もっと此処でお買い物してゆきますので」
「そ、そうかい? んじゃ3割引きでどうだ、猫の坊主?」
「ふむ、いいでしょう。ではそこの大根とほうれん草もいただけますか? このご時世に完全天然オーガニック野菜でこの価格はとてもリーズナブルですね♪」
「へへ、これも『呑竜』専用の専売ルートのおかげさぁ! ほらよ、持ってけ!」
渡された紙袋の中には、サツマイモも入っていた。
思わぬオマケに箒星はにっこり。
「ありがとうございます。またここでお買い物しますね! あとサービスがいいって皆さんに言っておきます♪」
「そいつはありがてぇ、またきてくれよ!」
こうして、他の店でも褒め殺しで店主を乗せて上手く買い物を済ませてゆく箒星。
帰ってくるなり、ネオカワサキ・シティでの炊き出しのメニューの考案を始めた。
「炊き出しはオニギリ・野菜たっぷりのスープ・豚汁・甘酒とかでどうでしょうか。オニギリは少し前に作っておいて、その場ではBBQっぽく焼きおにぎりとか美味しいと思うんですよね。香ばしい香りで沢山の方に食べにきていただきましょう」
炊き出し向けのメニューの考案にボランティアに参加する『呑竜』構成員達やオーイズミ・タウンのスラム民たちはみな口を揃えて賛意を言葉に示してゆく。
そうと決まれば全員でおにぎり作りタイムだ。
「よいしょ、よいしょ。猫の肉球で優しくふんわり握ってゆきますよ」
箒星が音頭を取って歌を唄えば、他の作業員たちもノリノリで白米を両手で握るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 日常
『最下層の棄民生活』
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POW : 重たい瓦礫の撤去などを手伝う
SPD : 治療や除染をして生活環境を改善する
WIZ : 娯楽やリラクゼーションを提供する
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「本当に猟兵諸君が駆け付けてくれたのか。これは頼もしい。京もよろしく頼むよ」
「おねがい、します……!」
ネオカワサキ・シティのダストエリア入口にて、エンリケと猟兵達の元へリアムとブラドをはじめとする協力者が合流を果たした。
大所帯になった|抵抗組織《レジスタンス》は、満を持してネオカワサキ・シティ地下の下水道……浮浪者と無国籍者とナラズモノの巣窟であるダストエリアへ降りていく。
下水から立ち昇る凄まじい悪臭と死体や汚物が蔓延る目を背けたくなるような薄暗い光景が延々と続くダストエリア。
その一角が明るく照明で照らされれば、ダストエリアの住人達は這い回る蟲の如く自然と引き寄せられてゆく。
「さあ、完全無料で完全天然養殖で安心安全! 是非とも私達の炊き出しを食べていってくれたまえ!」
「びょうき……おけが……ぼくが、なおす、よ」
「リアムの旦那とブラドの坊主が中心となって|抵抗組織《レジスタンス》を旗揚げするぜ! お前等ももう此処でくすぶる必要はねぇんだ! メガコーポのやつらを見返してみねェか!?」
リアムが炊き出しを行い人々の上を満たし、ブラドが願望実現のユーベルコードで病人や怪我人を癒して信用を獲得し、エンリケが舎弟たちと共に|抵抗組織《レジスタンス》への勧誘を行う。
見事な連携によって、ダストエリアの住人達達は彼らに賛同を示してゆく。
だが猟兵達よ、警戒せよ!
既にこの中にはアカダルマファーマシーから送り込まれた『全知全能』のサイバーニンジャが紛れ込んでいる!
敵の目的は『ブラドの願望実現のユーベルコードの複製と獲得』『|抵抗組織《レジスタンス》の壊滅』だ。
グリモア猟兵が見た予知の内容を思い出し、敵の行動を先読みしなくてはブラドや|抵抗組織《レジスタンス》はおろか、居合わせた猟兵達の命も危ない……!
此処が正念場だ。果たして、猟兵達は間者を見つけ出せるのか?
エメラ・アーヴェスピア
さて、問題はここからね
私は引き続き、彼等と共に行動しましょう
というのも、相手の能力によっては私が対象にされるのも拙いのよ
・突入前に主要人物の位置を私が分かるように情報的にタグ付け、入れ替わりを防止する(姿も複製すると判断)
・引き続き『出撃の時だ我が精兵達よ』、巡回警備及び手伝い(順番の整理等)
・何かあった場所には状況に応じて私の兵士や同僚さん達、問題に対処できそうな人を寄こすように連絡
やり方から元のUCの持ち主に接近が必要なのは予測が付くのだけど、問題なのは複製できる範囲
これがもし、その人の「持っているUC全てを複製」だと私を対象にされた時に情報系UCが渡るのはマズイわ
※アドリブ・絡み歓迎
エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫ガジェットアーモリー・f03904)は|抵抗組織《レジスタンス》の活動に参加しながら、周囲の警戒を怠らない。
「さて、問題はここからね。引き続き彼等と共に行動しましょう」
これは迂闊に単独行動中にエメラのユーベルコードを複製されないためだ。
「私を対象にされた時に情報系ユーベルコードがあちらの手に渡るのはマズイわ。普段何気なく使いこなしてるけど、敵に回ったら厄介なのよね、私のユーベルコード……」
故に、エメラ自身は目立った行動をせず、人だかりができる炊き出しを重点的に注視することに。
更に引き続きユーベルコード『|出撃の時だ我が精兵達よ《メイクアサリー》』にて魔導蒸気兵部隊136人を使ってボランティア会場の巡回と警備、そして清掃活動を行ってブラドの近辺に目を光らせる。
「間者の手口だけど……『元のユーベルコードの持ち主への接近』が必要なのは予測が付くのだけど、問題なのは複製できる範囲……あと射程ね。私も含めて複数人のユーベルコードを一度に複製できるなら、警戒度を一段階引き上げる必要があるわね……」
ブラドのユーベルコードを複製するならば、怪しい人物が接近するはずだ。
たとえそれが病人や怪我人でも、エメラは魔導蒸気兵を通して警戒を怠らない。
例えばブラドに『診察』してもらう前に魔導蒸気兵が身体検査を行うなどして、とにかく不審者を徹底的に探り出す。
「恐らく、敵は姿すらユーベルコードで完璧な変装でごまかしているはずよ。魔導蒸気兵が複製されてあちらの手に渡る可能性が高いけれど……私自身が敵の射程に入らなければ、幾らでも対処可能だもの」
「おい嬢ちゃん! 俺の豚汁と握り飯はまだかよ!?」
浮浪者のクレームにハッと我に返ったエメラ。
「あ、ええ。ごめんなさい。……はいこれ。急いで食べてのどに詰まらせないでね?」
エメラは浮浪者との直接的な接触を警戒して、魔導蒸気兵を介して炊き出しの品を手渡した。
「へへ、ありがてぇありがてぇ!」
そのまま浮浪者は喜色満面の笑顔で何処かへ向かっていった。
「ふう、いつ狙われるか分かったもんじゃないわね。魔導蒸気兵、この後も警備員代わりに働いてもらうわよ」
エメラの命令で魔導蒸気兵は炊き出しの行列を整理したり、警ら巡回を行ってリアムやエメラへ定時連絡を淡々とこなしてゆくのだった。
その頃……ボランティア会場に紛れた間者が舌打ちをしていた。
「チッ……妙な人形共がウロチョロしてやがりますね……あれもユーベルコードですから『解析』をすれば私もあ使えるのでしょうが……あちこちに目が行き届いてる今、迂闊に『解析』するのは悪目立ちますね……! 今回の仕事、ただあのガキに接近するだけで済むと思ってましたが、こうも監視が厳しいと……! やむを得ません、これは別の方法を考えましょうか……」
エメラの策は間者の警戒心を煽り、現時点でのブラドとの接触を防ぐことが出来たようだ。
だが間者も諦めていない。次なるアクションでブラドを狙う……!
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
SPD
事前の安全は確認済み!
あとは勧誘活動中に紛れ込むオブリビオンのサーチでありますが……敵がUCをコピーする以上、迂闊な技は逆に相手を強くしてしまうかもデスネー。
ならば、コピーしても使いこなせない技で探しマース!
ハーイ、炊き出しデスヨー!
ワタシが作った寿司・豚汁を代償に、行動成功率を向上させる《ミール・タイム》を発動デース!
ダストエリアの方々へ炊き出しつつ不審者情報を収集しマース!
具体的には、現地の方々にとって見慣れない人物や普段と異なる言動をしている住人がいないか、噂話レベルのリスニングデース!
……もしワタシのUCをコピーしようと近づいてくるならラッキーではありますが、発見できマスカナ?
バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)はリアム達と共に炊き出しに精を出していた。
「ハーイ、炊き出しデスヨー! ワタシが作った寿司と豚汁デース!」
地獄にホトケ、ダストエリアにメイドとはまさにこのこと。
バルタンの料理の腕前は折り紙付きゆえ、料理を受け取ったスラム民達はみな大喜びだ。
「バルタン君、助かるよ。ありがとう」
感謝するリアムにバルタンが胸を張る。
「これしきのこと、お茶の子さいさいデース! それに、先ほどお話しした件もありマスシ……」
「……ああ。事前に知らせてくれて感謝するよ。まさか、この中に……」
バルタンはリアムと接触する際、猟兵達の今回の任務について打ち明けていた。
何も知らされていないのでは、咄嗟の対応が出来ないからだ。
「それで? 私達の陣営の中にそのニンジャがいないのは間違いないのかい?」
「モチロンデース! 事前の安全は確認済み! あとは勧誘活動中に紛れ込むオブリビオンのサーチでありますが……敵があらゆるユーベルコードをコピーする以上、迂闊な技は逆に相手を強くしてしまうかもデスネー」
今回の任務の悩みの種はそこだ。
これは他の猟兵達も苦心しており、便利過ぎるユーベルコードを迂闊に使うと敵が習得してしまう恐れがあるのだ。そうなった場合、討伐難易度が跳ね上がる恐れもある。
「ならば、コピーしても使いこなせない技で探しマース! それがこの、炊き出しデース!」
バルタンが自信満々に言い張るユーベルコード……というか炊き出しに、リアムは理解できずに小首を傾げた。
「もう、ユーベルコードを発動しているのかね? ただの炊き出し配給じゃないか……?」
「フッフッフ! リアム殿、ワタシのユーベルコード『|まずは腹ごしらえ《ミール・タイム》』は! ワタシが調理した料理を代償に発動するのデース! なのでワタシ自身もパクパクなのデース!」
配給する傍らでバルタンも自ら調理した豚汁と寿司に舌鼓を打つ。
「ん~! 美味いデース! 我ながら上出来デスネ! さて、これで今のワタシはあらゆる行動に成功するようになりマシタ! これでダストエリアの方々へ炊き出しつつ不審者情報を収集しマース! 具体的には、現地の方々にとって見慣れない人物や普段と異なる言動をしている住人がいないか、噂話レベルのリスニングデース!」
バルタンの慧眼にリアムは目を大きく開いて感嘆していた。
「素晴らしい! すぐに取り掛かろう。私が食べても効果を得られるのだろうか?」
「ソウデスネー? リアム殿はユーベルコードを所持していないデスシ、定かではないデスガ……今のワタシは何をやっても上手くいく! ならば、リアム殿に食べさせれば一時的にユーベルコードが発現するはずデース!」
なんと、このユーベルコードの融通の利きやすさよ。
今のバルタンなら普段は実演不能だと思われる事でも、難なく突破できてしまうのだ。
故に、リアムもバルタン手製の豚汁と寿司を食べたことで『どんな行動も成功する』ユーベルコードを一時的に発現させることが出来た。しかも、これはあくまでもバルタンのユーベルコードの延長線上ゆえ、敵のニンジャに「リアムのユーベルコード」としてコピーできないオマケ付きだ。
こうして、バルタンのユーベルコードを複数名に発現させた状態で聞き込みと炊き出しを並行して行ってゆく。
すると、数名の浮浪者から有力な情報を得ることが出来た。
「フムフム? 昨日、此処やってきたばかりの新入りの女が、誰かと頻繁に連絡を取っているのを目撃されてマスネー?」
「……あの女かい? 至って普通の浮浪者の女性じゃないか」
バルタンとリアムの視線の先に、豚汁と寿司を交互に頬張るショートヘアの若い女がいた。
化粧っ気はなく、着るものも地味な耐重金属酸性雨避けの黒いコートを羽織っている。
だがかなり大きな怪我をしているらしく、左肩から腹部にかけて褐色に染まった包帯が目に付いた。
バルタンは小声で自身の仮説を口にする。
「恐らく敵は姿形も変えられるハズデース……! それに、このダストエリアは外界と隔絶した世界、なのにコッソリ外界と連絡を取り合うこと自体が此処では異質……! あの傷もフェイクか、もしくは自分でつけたものデショー! 確固たる証拠がマダありまセンが、ブラド殿への接近は警戒すべきデース……!」
それに、たとえバルタンのユーベルコードをコピーできたとしても、この女が何かを調理しなくては発動できない。
バルタンとリアムは、しばらく女の動きを注視しつつ炊き出しを行うのだった。
その頃、当のニンジャは……。
「まさか、私の正体がばれたというのですか……!? 先程からあのメイド、ずっとこちらを見詰めてきますね……」
バルタンの予想は的中していた。
浮浪者の女が敵のニンジャであった!
「もうこの姿は駄目ですね……適当に引き上げるフリをして、別の人物に姿を変えなくては……!」
こうしてニンジャはやむを得ず、ブラドから遠ざかる他なかった。
敵ニンジャ、またも猟兵の妨害に阻まれて接触の機会を失うのだった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
UC継続
同行
フィア(f37659
侵入される側とか冗談じゃねーですね
【属性攻撃・迷彩・念動力】
光水属性をメルシー分身体共に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源と匂いを隠蔽
念動力で浮遊して音も防ぐ
【情報収集・視力・戦闘知識】
メルシー軍団
100人
散開して住人達を観察
熱源探知から視覚聴覚の探知も併用して解析
カシム+残り
フィアと一緒にブラドの周りを警戒
目的の最優先事項はブラドのUCの複製…とんでもねーが今それができてないって事は幾つか条件がある筈だ…
そして恐らくはブラドに接近する必要があるって所か
フィアはフォローありがとうございます…とはいえ…犠牲にする気はありませんがね?
(ちょいと頭使うとするか…こういう場合は相手の立場に立つのが基本だな…僕が敵ならこの場合どう動く…?目的はブラドのUCのコピーだ…その場合は少なくとも直接視認かつ接近が必要…この状況なら…リアム達に面識のある奴に化ける…か?
リアム達に面識がある輩の動きの観察
【医術・救助】
フィアが怪我した時には夜影ちゃんと共に救助と治療!
フィア・フルミネ
カシム(f12217) と参加
なるほど。ブラドに接近する必要があるらしい? でも接近を防ぐのは困難。接触された瞬間に何かしらの対策を打つ。最適解にして最大のカウンター。うん。そういうわけだから、あとはよろしく。倒れるから、起こして。気付薬とか。
瓦礫の撤去を手伝いつつ、ブラドへの敵意のある接触へ《雷槌》を使う。どんな手で来ようとも、5秒以内なら無効にすることができる。代わりに私は戦闘できなくなるけど、私の命は弱者を守るために。この世界でレジスタンスほどか弱く、守るべき存在はいないと思う。
だから負けない。この身が引き裂かれても……!
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)とフィア・フルミネ(|麻痿悲鳴《まいひめ》・f37659)は、つぶさにダストエリアで行き交う人々に目を光らせていた。
「侵入される側とか冗談じゃねーですね。フィア、どうです?」
「異常なし。怪しい人物も、いなさそう」
特に狙われているブラドの周囲にカシムとフィア、そして相棒のメルシー38人が展開中だ。
「「ご主人サマ! 異常なしだよ!」」
「うるせぇ! 一斉にユニゾンで喋るな鬱陶しい!」
「「うぇーん! フィアちゃーん! ご主人サマが冷たいーっ!!」」
「よしよし。メルシー、頑張ってて、えらいね」
38人のメルシー達の頭を愛おしそうにフィアは撫でてゆく。
なんでメルシーが38人に増えているのかというと、カシムは既にユーベルコードでメルシーの分身体138人を召喚しているからだ。なお、その全員がアラビアン踊り子風のコスチュームを纏ったセクシーな姿だ。だが残念ながら、全員股間に46cm口径三連装砲レベルの危険物を携えている……!
して、残りの100人は何処にいるのかというと、その全員が光学迷彩魔術で姿と気配を消して会場内の天井すれすれを飛行中だ。こうすることで炊き出し会場全体を俯瞰して観察することが可能だからだ。
『ご主人サマ! 熱源反応も聴覚反応も異常なしだぞ☆』
「分かりました。引き続き警戒を怠るなよ……」
『ラジャったよ☆』
魔力回路で繋がった思念で会話をやり取りするカシムとメルシー。
一方、フィアはかなり周囲に気を張っていた。
「守る。ブラドは、かならず私が守る……。この身を犠牲にしても……」
最初からフィアはブラドの盾になるべく、ダストエリアに臨んでいたのだ。
それを恋人であるカシムが気付くと、彼女の手の甲を優しく撫でてあげた。
「フィア、フォローありがとうございます……とはいえ……犠牲にする気はありませんがね?」
「カシム……お見通しね。でも、わたしはこれしか、できないから。どんな手で来ようとも、私なら5秒以内ならあらゆる『攻撃』を無効にすることができる。代わりに私は戦闘できなくなるけど、私の命は弱者を守るために。この世界でレジスタンスほどか弱く、守るべき存在はいないと思う。だから負けない。この身が引き裂かれても……!」
「気負い過ぎですよ、フィア? それに、そんなことはありませんよ。ほら?」
カシムが視線を送った先には、何やら作業をしている人だかりができていた。
「このダストエリアで出来ることがフィアにはたくさんあります。そんなに気を張ったら、いざという時に体が硬くなって実力を発揮できないかも……少し、身体を動かしてみたらどうです?」
カシムの提案にフィアが考え込む。
「……なるほど。たしかに、敵はブラドに接近する必要があるらしい? でも接近を防ぐのは困難。接触された瞬間に何かしらの対策を打つ。最適解にして最大のカウンター。うん。そういうわけだから、あとはよろしく。倒れるから、起こして。気付薬とか」
フィアは人だかりの先……大量のゴミや瓦礫を地上へ運搬する作業を手伝い始めた。
カシムはやれやれと苦笑いをしつつフィアの働きぶりを見守る。
「そうならないための僕なんですけどね? さてと……」
カシムはひとり思考の海に浸る。
相手のニンジャの出方を予測するためだ。
(ちょいと頭使うとするか……こういう場合は相手の立場に立つのが基本だな……僕が敵なら、この場合どう動く……? まず目的はブラドのユーベルコードのコピーだ……その場合は少なくとも直接視認かつ接近が必要……この状況なら……リアム達に面識のある奴に化ける……か?)
だが、此処でカシムが待てよと思考の足踏みをする。
(仮にそうだとして……それを僕が把握する術はあるのか? もしも『呑竜』構成員のひとりに化けられたら、流石に顔と名前が一致しないぞ……? あれ? これって僕が防ぎようがないんじゃ……?)
かなり重大な欠点が露呈したところで、ブラド周辺に動きがあった。
「おじさん、ブラドきゅんの治療は順番待ちだぞ☆」
「横入りはよくないな~?」
ひとりの浮浪者の男性が、ブラドの背後から忍び寄っていたのだ。
「な、何しやがる! ヒック! 俺ぁただ、二日酔いを直して欲しくてだなぁ!?」
「すごい酒臭いよ!」
「お風呂も入ってないね! おじさん、体臭がきついよ!」
メルシー分身体が騒いでいると、フィアが駆け付けてきた。
「こいつがニンジャ……? 浮浪者に化けてたの?」
「ニ、ニンジャ? 俺が? ガッハッハッハ! ニンポ! ニンポ使うぞ! ガハハハッ!」
両手で特徴的な印を結んでふざける浮浪者の男性の仕草は、どう見てもニンジャとは思えない拙さだ。
カシムも駆けつけると、鼻を摘まみながら浮浪者の男性を見詰める。
「……ただの酔っぱらいですね。おいおめーら? ちょっと『お仕置き』してやれ」
ドラグナーガールのメルシー達へカシムが命令する。
するとメルシー達は浮浪者の男性を胸元の柔肉で左右挟み撃ちにすると、耳元で何かを囁いた。
「マジか? 前後マジか? しかも3Pマジか?」
「どうかな~? おじさんの雑魚雑魚な息子ちゃんに前後できるかな~?」
「それじゃ、アッチへいこっか♪ オ・ジ・サ・ン♥」
こうして、念のためメルシーのハニートラップ(♂)で浮浪者の男性へ尋問をかけるメルシー達であった。
「アッー!?」
浮浪者の男性の断末魔に、カシムは胸中で合掌した。
「で……ドサクサに紛れてなにしてやがんだてめー?」
カシムがブラドの手に触れようとしたヤクザ……『呑竜』構成員の肩を掴んだ。
すぐさまフィアがユーベルコード『雷槌』を発動!
「言ったはず……。レジスタンスは、ブラドは、私が守る……うぅ……」
フィアの身体が黒焦げになって放電!
永劫回帰の力ですぐに蘇生されるが、力尽きてしまうフィア。
しかし、これによってブラドのユーベルコードのコピーを無効化することに成功したのだ。
「ご主人サマ! この人、ブラドきゅんの前に来たら急に心拍数が増えたよ!」
「これで勝った!とかも呟いてた!」
周囲を警備していたメルシー達の聴覚がブラドを救ったのだ!
「チッ! また失敗ですか! ですがあなたのユーベルコードはいただきました!」
そう叫んだ敵ニンジャがなんとメルシー分身体を召喚したではないか!
「あれほど堂々と発言してくれたおかげで、此方も解析しやすかったですよ、ハハハハ!」
『メルシーだぞ☆』
『メルシーだぞ☆』
『メルシーだぞ☆』
『メルシーだぞ☆』
『メルシーだぞ☆』
敵メルシー達が本物のメルシー達とキャットファイトを繰り広げる混乱に乗じて、敵ニンジャは逃走!
「くそが! 僕としたことが……いや、奴は戻ってきます。それよりもフィアの手当てを……」
カシムは恋人の治療に専念するのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
リュカシオン・カーネーション
虹炎の神
苦戦覚悟
うう…
『まだ泣いているのだわ…』
シエルが近寄ってくる
ごめんよ…エリン、ウチのせいでバイトクビになったの5回目(転生前含める)だからな…
『優しいエリンがキレるわけなのだわ…』
『警戒中〜』
アズリエルもオーラ防御を展開して周りを警戒中
ウチは敵の警戒を怠らぬ為に情報収集と視力で周りを見つつUCの未来視で怪しい敵や近づいて来る敵を見る
『ブラドの所に行けないのだわ!苦戦判定確定なのだわ!』
『エンリケさんだけでも守るね…』
アズリエルもエンリケさんから目を離さない様にしている
『ラーミアなのだ』バァーン『この前は仲間をよくも殺してくれたのだ』バァーン『お前等を殺るのだ』バァーン
UCラーミアは次元から大量に出てくるのだが勝手に発動
ラーミアがウチ達に破壊属性の光線を撃ちまくった
ぎゃあああ!
『逃げるのだわ〜!』『エンリケさんはこっちに…』
逃げ惑うウチら(エンリケさんは避難させた)
動くな…さっきから怪しい動きをしてたのを見ていたぞ!
ラーミアの攻撃から逃れた私は不審者を見つけたが直ぐに見失った
エリン・エーテリオン
虹炎の神
他の人と協力あり
苦戦覚悟
ごめんよ!シオン…悪かった、機嫌直してくれ
『流石に言い過ぎたね』『…デヒソンデイルヤツドウスル?』
エキドゥーマとブラッドムーンはシオンを一応心配しているが今後の敵に対しての対策を講じていた
UC発動して超越の自由と超次元能力の応用で変身を解除出来ればいいが…
『う〜ん難しいかもね』『トリアエズヒトリノコウドウハサケマショウネ!』
視力で周りを見渡しながら超越の自由で真の姿を解除を試みる
駄目ならその時だな…
『私もやって見るよ、蟲使いは覚えたばかりだから期待出来ないけど…』
エキドゥーマは私から離れないようにしながらアルブレヒトから迷彩と能力解除属性攻撃の蟲を呼んで探索する
リュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)は落ち込んでいた。
「うう……ウチはもうダメだ……」
『まだ泣いているのだわ……』
虹炎の女神シエルがリュカシオンの背を優しく撫でてあげていた。
「ごめんよ……エリン、ウチのせいでバイトクビになったの5回目だからな……転生前も含めて」
『優しいエリンがキレるわけなのだわ……前世から迷惑かけっぱなしなのだわ……』
呆れるシエル。
『警戒中〜』
一方、リュカシオンのお供のアズリエルはオーラを展開して周りを警戒中だ。
「ごめんよ! シオン……悪かった、機嫌直してくれ」
先程リュカシオンへ説教したエリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)は責任を感じて頭を下げる。
この様子にエリンの仲間であるエキドゥーマとブラッドムーンも、どうしたものかと困り顔だ。
『流石に言い過ぎたね』
『……デ ヒソンデイルヤツドウスル?』
いつまでもグダグダやっているわけにはいかない。
エリンは自分の案を述べてゆく。
「私のユーベルコードのひとつの『虹炎の神エリン・エーテリオン・ライオット』を発動して、超越の自由と超次元能力の応用で変身を解除出来ればいいが……」
『う〜ん難しいかもね』
『トリアエズヒトリノコウドウハサケマショウネ!』
お供は乗り気ではない様子。
対して、リュカシオンはユーベルコードによる未来視で何が起きるかを予測する。
すると、彼女の表情がサッと青ざめた。
「まずい! この会場がもうすぐ大混乱に陥る!」
『それはまずいのだわ! いったい何が起きるのだわ?』
『ラーミアも知りたいのだ(ババーン!)』
「『お前だああぁぁあ!』」
リュカシオンは勝手に顕現してゆく謎生物ラーミアの姿に震え上がる!
『ラーミアはお姉さんを殺すのだ』
『よくも仲間のラーミアを殺したのだ?』
『生物が死滅する程の下手くそな歌って生きてて恥ずかしくないのだ?』
『というか周りに迷惑をかけてる時点でクソなのだ』
『出禁なのは当然なのだ』
『控えめにいてウンコなのだ』
『猟兵やめちまえなのだ?』
次々と増殖してゆくラーミアの群れに、ダストエリアは大混乱!
「て、敵襲か? って、ありゃフクロウか?」
エンリケが散弾銃でラーミアを射殺しながら、リアムとブラドを護衛する。
『エンリケさん達だけでも守るね……』
アズリエルがラーミア駆除に加わり、エリンがスラム民たちを避難させる。
「おいこっちだ! 仕方ない! 味方にぶっぱするとか考えもしなかったが、これが……私の虹神炎だぁぁぁぁぁぁ!」
ユーベルコードによって、エリンの全身が虹色の炎に包まれて神へと昇華!
謎生物ラーミアの群れを究極の自由パワーで殴り倒してゆく!
その姿を目撃したスラム民達は動揺する心が静まり、途端に勇気が湧いてきた。
「ブッダだ! ブッダが来てくださった!」
「ブッダ様! ヤッチマイナー!」
「ブッダさま! がんばえー!」
老若男女問わずエリンの神々しい姿に勇気づけられる。このユーベルコードにはエリンの強化だけではなく、周囲の味方に希望と勇気と不屈の精神を宿すことが可能だ。
ただし、敵の場合は……。
「ひいいいっ! なんて禍々しい気配なのでしょう! ブッダが拳で敵を殴りますか? おかしいと思いませんか!?」
眼鏡をかけたスラム民の男性が腰を抜かしていた。
その男へリュカシオンが声を掛ける。
「おいそこのお前! ニンジャだな!?」
「アイエエエ!? ナンデ!?」
一発で正体を暴かれたニンジャが驚愕!
その種明かしをエリンが語った。
「私のこの姿を見た敵は……必ず恐怖に慄くんだ! つまり、この場で恐怖心を抱く奴は敵のニンジャただひとりだ!」
「くそ! またしても失敗か! ってうわぁぁ!?」
敵のニンジャにラーミアの群れが殺到!
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「おい馬鹿止せ! そのニンジャは……」
エリンが焦る。どうにか虹炎神の権能でコピー能力への完勝を試みるも、その場にニンジャの姿は忽然と消えていた。
そしてエリンは確信的に悟った。
「ヤバいぞ! あいつ、ラーミアのユーベルコードをパクりやがった! おいシオン! やらかしたな!?」
「うわぁぁ! ごめんなさいぃぃ!」
土下座するリュカシオン。
そこへ……。
「お姉さんはここで死ぬのだ(ババーン)」
ラーミアの放ったビームがリュカシオンの心臓を撃ち抜く!
「連れ帰るのだ!」
「オシオキなのだ!」
「わからせてやるのだ!」
リュカシオンの身体がラーミアにモグモグと喰われて跡形もなくなってしまった……!
「オイオイオイオイオィィィ! これからどうするってんだよ!」
相棒を失ったエリンはその場で呆然としてしまうのだった……。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
フラーウム・ティラメイト
アドリブあり
分からないから取りあえず探索しましょうね、オベイ
『ケー』
オベイは返事をする
『取りあえず闇雲に探しても駄目じゃ、ブラドの周辺を見張るか?』
ソニアは私に提案する
いえ、それは他の猟兵が既にやっていると思うのでソニアを囮にして探索しましょう
『はあ?馬鹿か?ワシのUC取られたらどうするのじゃ!』
次元能力で貴女の後ろから着いて行きますよ
UC発動
UCの次元能力付与する能力で次元に隠れながら探索します。視力で怪しい人物を観察したりするなど情報収集をします
次元の穴からモザイクを放ち探索します
『次元の力を持っているならこんな回りくどい方法は使わんじゃろ』
まあ…念のためです因果断絶属性の蟲達も放っておく
ソラウ・エクステリア
取りあえずライブしようか!ブラド君やリアムさん達に許可を貰ってさ!
『一応ライブ会場に入る前に身体検査をするぞ』『了解よ、ライズサン君』
『えっと…私は?』
エスパスさんも聞いて来たので
エスパスさんは迷彩で隠れて僕の後ろに隠れて…念のために
『あっはい』
熱と音消滅属性の迷彩でエスパスさんは隠れた
UC時空龍鎧兵召喚を発動
負担が掛からないように50体に抑える
時空龍鎧兵達も身体検査に参加してもらう
僕は身体検査をした人達の前に現れる
僕のライブに来てくれてありがとう!今日も盛り上がって行こうね!
滅殺の歌で変身している概念を破壊してみる
もちろん人体などに影響が出ないように調整するがライブ会場以外にも響くようにする
フラーウム・ティラメイト(因果獣と因果を喰らう者『オベイ』を宿す探究者・f38982)とソラウ・エクステリア
(歌姫の時空騎士と時空龍の協奏曲・f38698)は協力し合って、紛れ込んだニンジャを探すことにした。
「分からないから取りあえず探索しましょうね、オベイ」
『ケー』
フラーウムの提案に鴉っぽい生物オベイがひと鳴きして同意の意を表す。
そのままフラーウムはソラウに尋ねる。
「ソラウさんはどうしますか?」
「取りあえずライブしようか! ブラド君やリアムさん達に許可を貰ってさ!」
歌とパフォーマンスに自信満々のソラウらしい提案だ。
「ダストエリアのみんなに最高のエンターテイメントをお届けするよ! ユーベルコードの歌声で!」
「つまり、歌声でニンジャの変装を解除するということですね? さすがソラウさんです」
感心するフラーウムの傍らで、やきもきしてるのが傲慢の因果獣こと鷲獅子姫ソニアだ。
『で、ワシらはどうする? 差し当たっては闇雲に探しても駄目じゃ、ブラドの周辺を見張るか?』
この提案にフラーウムは首を横に振る。
「いえ、それは他の猟兵が既にやっていると思うのです。ですのでソニアを囮にして探索しましょう」
『はあ? 馬鹿か? ワシのユーベルコードである傲慢の根源が写し取られたらどうするのじゃ!』
空間と因果を捻じ曲げて破壊できる傲慢の根源が敵のニンジャ渡れば、それこそこの場にいる全員が一瞬でネギトロ死体に変わってしまう。最悪の事態を危惧するソニアだが、フラーウムは確信的に言い放つ。
「大丈夫です。次元能力で貴女の後ろから着いて行きますよ」
次の瞬間、フラーウムの身体がモザイクに覆われて周囲の景色に溶け込んでいった。
「モザイクで次元の狭間を縫って行きます。何かあればすぐに対応できますよ」
『次元の力を持っているなら、こんな回りくどい方法は使わんじゃろ』
溜息を吐くソニアに、フラーウムは蟲笛で因果断絶属性の蟲達を情報収集のために放った。
「念のためです……先程ラーミアの群れが暴れたように、不測の事態には備えておかないと」
『まぁそうなんじゃが……で、ワシは何をすればいいんじゃ?』
ソニアの質問にフラーウムが答えた。
その回答にソニアの表情はますます怪訝なものに変わってゆくのだった。
「それじゃあ行くよーっ! 僕の愚者の歌を……! 今日、この場所で僕はアイドルだ!」
リアムに許可を得たソラウが急造のステージの上で音源を流す。
煌びやかな音色に誘われたダストエリアの住人達は、次第に音楽の魅力に熱狂して声援を送る。
『一応ライブ会場に入る前に身体検査をするぞ』
『了解よ、ライズサン君』
ソラウのお供達も観客に怪しいものが居ないかチェックをしてゆく。
ソラウもライブの演出がてら時空龍鎧兵を召喚してバックダンサーとして従わせる。
ついでに警備員としても動員させ、何処からでも監視の目が届く状態に会場を完全包囲する。
(多分、敵ニンジャはユーベルコードをコピーしようとするとき、何かしらの目立つアクションを起こすはず)
ステージの上でもソラウは不審者がいないか目を光らせていた。
(僕の歌や時空龍鎧兵を当然コピーしようとするはず。でも監視の目が行き届いたこの会場で、それが出来るかな?)
1曲目を歌い切ったソラウが、観客へ飛び切りの笑顔を振り撒きながら叫んだ。
「僕のライブに来てくれてありがとう! 今日は最高に盛り上がっていこうね!」
「「FUUUUUU~!」」
観客の大熱狂の中に、何故か時空神エスパスがヲタ芸をして盛り上げていた。
実はライブ開演前、エスパスも何か役に立ちたいとソラウに申し出たのだが……。
『じゃあエスパスさんは観客席最前列で盛り上げて。ヲタ芸で』
そんな無茶難題を吹っかけられていた。
「いやまぁ、私も引きこもり生活長かったせいでいっぱしのヲタクですが……まさかソラウを推す日が来るなんて……FUUUUUU! ソラにゃん世界一可愛いィィィ! アイッ! アイッ! ア~ァ~イッ! アイッアイッ!」
でも楽しそうなエスパスである。一応、これでも時空を司る女神である。
その横でソニアもヲタ芸に励んでいた。
『なんでワシまでこんな下らんことを……! え、分かっておるフラーウム! えぇと……ワシのユーベルコードは世界最強じゃあぁ!』
露骨にやべー奴になっているソニアであった。
エスパスとソニアの盛り上がりの甲斐あって、早くもライブ会場のボルテージは最高潮だ。
ソラウはこの勢いで2曲目を披露し始めた。
「それじゃ、次の曲も楽しんでね! いくよ、これが僕の真の姿……!」
ユーベルコードで強制的に真の姿……破滅の歌姫に変身すると、あらゆる概念を殺す歌を披露する。
(今回は効果を絞って、敵ニンジャのユーベルコードを一時的に破壊するよ!)
迫力あるソラウの歌声に会場が感動する中、ひとりだけ悶え苦しむ人物がいた。
「く、苦しい……! 息が詰まりそうだ……!」
膝を付くその人物へ、フラーウムが背後から忍び寄ってモザイクを放った!
「あなた、ニンジャですね? ソラウの歌声であなたのユーベルコードは今だけ封殺されています。この場でコピーした私達のユーベルコードは概念が破壊されたため使えませんよ?」
「……チッ! よく分かりませんが骨折り損だったことは間違いないようですね! せっかくチート級のユーベルコードを確保できたと思ったら……!」
こうして正体が敵ニンジャは、凄まじい豪脚であっという間に会場から姿を消していってしまうのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
箒星・仄々
炊き出しよろしくです>呑竜の皆さん
間者さんが紛れている…
これはコピーに射程距離があることを
意味します
コピーにはそのUCを「受ける」必要があるはず
となれば病人か怪我人に扮して
近づいてくるでしょう
治療希望者が本当に怪我や病気なのか
可能な範囲で確認します
…忍務のためなら
わざと毒を飲んだり怪我しそうですけれども
ブラドさんに隠れてもらうと
安全かもしれませんが
それだと予知が変わったり
行動を起こされた覚悟に
水を差すことになります
ブラドさんお願いがあります
悪い人を見つけ出して
皆さんを守るため
一緒に力を合わせませんか?
と事前に打ち合わせ
原則としてUCを使わず
使うふりをしてもらいます
治療希望の方の
リクエストを聞いて好みの曲を演奏
施術のBGMですよ〜
ブラドさんのふりに合わせてUCで治療
嘘吐きの間者さんは
多分歌の好みも嘘なので
共感せず治癒しないはず
万が一私のUCをコピーされても
ブラドさんのがされなければ万々歳です
(例え治療されても皆さんの火力で押し切れるでしょう)
さあ、あなたがニンジャさんですね
覚悟を!(きりっ
「ぐぬぬぬ……猟兵達め、散々私の邪魔をしてくれますね! こうなったら……」
敵ニンジャは懐からドス・ダガーを取り出し、その刃を煌めかせた……。
その頃、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は炊き出しの手伝いを『呑竜』構成員達に任せてダストエリアを散策するところだった。その手にはカップに入った豚汁とタッパーに入ったスシがあった。
「それでは、炊き出しよろしくです。呑竜の皆さん」
「へい。仄々サンもお気をつけて……」
すっかり構成員達と仲良くなった箒星は、彼等との間にソンケイが生まれて一目置かれるようになっていた。
それはさておき、箒星は周囲を巡回するがてら推理してゆく。
「間者さんが紛れている……これはコピーに射程距離があることを意味します。コピーにはそのユーベルコードを『受ける』必要があるはず。となれば病人か怪我人に扮して近づいてくるでしょう」
箒星の脚は自然とブラドの元へ向かってゆく。
彼は今この瞬間も願望実現のユーベルコードで病人や怪我人を癒し続けている。
「治療希望者が本当に怪我や病気なのか、可能な範囲で確認すべきですね。それに……忍務のためなら、わざと毒を飲んだり怪我しそうですけれども。そのためにもブラドさんには休憩を挟んでいただかねば」
箒星は常々疑問に感じていた。
……今回の猟兵達の任務内容、ちゃんとリアムやブラドに伝わっているのだろうか?
接触の口実は|抵抗組織《レジスタンス》の手伝いだったため、本筋の話をもしかしたら誰もしていないかもしれない。そんなことはないと思うが……ブラドはずっと動きっぱなしで情報が届いていないかもしれない。
ならば労いがてら、それを確認する必要があったのだ。
「最善手はブラドさんに隠れてもらうこと。それが安全かもしれませんが……それだと予知が変わったり、行動を起こされた覚悟に水を差すことになりますから」
あくまでもブラドの幼くも気高い自尊心を傷つけないように配慮しての行動である。
箒星は誰かを慮ることが出来る猟兵なのだ。
「ブラドさん、いったん休憩しませんか? 此処へ来てからずっと治療をなさっている御様子。根を詰めすぎると後が持ちませんよ?」
箒星はブラドに豚汁とスシを差し出す。
ブラドは患者と差し入れを数回視線を交互に生き交わしたのち、患者へ「ちょっとまってて」と告げて差し入れを受け取った。
これに患者が微笑みを返す。
「良いんだよ……坊やは、頑張ってくれたよ。あたしの体調も良くなってきたし……ほら、ご飯をお食べ?」
「うん、ありがとう」
ブラドは手伝っている|抵抗組織《レジスタンス》の仲間に処置を任せると、テント裏手のバックヤードで休息を取り始めた。
そこで箒星は今回の猟兵達の本当の任務と、ブラドに危険が迫っていることを包み隠さずに話した。
「……ですので、ブラドさんお願いがあります。悪い人を見つけ出して、皆さんを守るために一緒に力を合わせませんか?」
これにブラドが力強く頷いた。
「ぼく、みんなを、まもりたい!」
この半日だけでブラドは自分にしか救えない人々がいると強く理解したようで、その顔つきは正に救世主であった。
箒星は早速、敵ニンジャをあぶり出す為の作戦を持ち掛け、ブラドに協力を仰ぐのだった。
休憩明け、ブラドは俄然精力的にユーベルコードを振るってダストエリアの住人達を診て回る。
そうしていると、遠くの暗がりから男数名が大声で叫びながら誰かを担いできた。
「おい通せ! こいつ、刃物で腹を刺されてやがる!」
「偶然、ダストエリアの入り口で倒れてるのを見っけたんだ!」
「ブラド様! こいつも助けてやれねぇか?」
運ばれてきた人物は、外見延齢15~17歳くらいの少女だ。
腹にドス・ダガーが突き刺さっていて、迂闊に引き抜けば大量出血で命の危険がある状況だ!
「これは酷いです……ブラドさん、私のユーベルコードで援護しますから、この子を助けましょう!」
「うん、すぐに、なおすから」
ブラドは少女の手を取り、意識を集中させる。
その背後で箒星は竪琴を演奏し始めた。
「お嬢さん、意識がありますか? この音色は怪我を治すユーベルコードです。お好きな曲はありますか? 施術の為のBGMですよ~」
「え、ええ……? そ、それじゃ、なにか有名なクラシック音楽を……」
息も絶え絶えに少女が告げる。
すると箒星はベートーヴェンはモーツァルトなどの高名な音楽家の楽曲を次々と披露してみせる。
だが……。
「おいおい……傷が塞がってねえ気がするんだが、大丈夫か?」
担いできた男の言葉通り、少女の腹からはなおも血が流れてゆく。
ブラドはうんうんと唸っていても、一向に傷口が再生する気配もない。
これはどういうことなのか?
「……ブラドさん、もう十分ですよ。茶番はおしまいです」
箒星の言葉に周囲が驚く。
ブラドも少女の手から離れて、すぐに箒星の後ろへ隠れた。
まさか、少女を見殺しにするつもりなのか?
「皆さんもそのお嬢さんから離れてください。その人は……アカダルマファーマシーから送り込まれたニンジャですので。キケンですよ?」
「「ア、アイエエエェェ!? ニンジャナンデ!?」」
周囲の住民達はニンジャという単語に驚いて、蜘蛛の子を散らすように逃げていった!
そして箒星が言葉を継ぐ。
「さあ、あなたがニンジャさんですね。覚悟を!」
キリッとエメラルドグリーンの瞳で睨み付ける箒星。
これに腹にドス・ダガーが刺さったまま、悠然と立ち上がる少女がケタケタ笑い出す!
「カハハハハハ! これはどういうことでしょうか? ブラド、貴方……ユーベルコードを使っていませんね? だからこの傷が治らないのでしょう? おかげで千載一遇の好機なのにコピーできませんでした!」
少女の問いに、ブラドは黙って頷いた。
そんな彼に変わって箒星が種明かしを始めた。
「ブラドさんには休憩後、実はほとんどの場合ユーベルコードの使用を控えてもらいました。代わりの私のユーベルコード『シンフォニック・キュア』で皆さんを癒して差し上げてたのです」
「なら何故、私の傷が治らないのです?」
「それはあなたが適当な楽曲を私にリクエストしたからですよ。あのようなざっくりとしたジャンルでのリクエスト、あまりあなたは音楽に精通していないのでしょうね。私のユーベルコードの発動条件には、歌声を聞いて共感しなくてはなりません。私は貴方に歌声を聞かせていませんし、そもそも適当にリクエストした楽曲にあなたは共感など出来なかったはずですが?」
「そ、それは……!」
言い淀む少女。
これで疑念は確信に変わった。
他の猟兵達も少女を取り囲む。
「さあ、いい加減に観念なさったらどうですか? ニンジャさん?」
「くそがあああぁぁぁあぁっ!」
箒星の指摘に、少女は腹のナイフを引き抜き、その姿を変じさせた。
その本当の姿が、今、暴かれる――!
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ウロボロス』
|
POW : 曖昧模糊
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【自分の周囲】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD : 因果応報
【完全な脱力状態】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、完全な脱力状態から何度でも発動できる。
WIZ : 森羅万象
【他者のユーベルコードを解析する洞察力】を放つ。他のユーベルコードと同時に使用でき、【模倣したユーベルコードを自分のものにする】効果によってその成功率を高める。
イラスト:雲間陽子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ラスク・パークス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
少女の姿が、潜水服めいたニンジャヘルムにゴシック調スーツを合わせたニンジャ装束へと変身!
これが敵ニンジャの本来の姿だ!
「私こそが全知全能! ドーモ、ウロボロスです。アカダルマファーマシーの要請を受け、人材派遣メガコーポ『エーレファ・インダストリー』から参りましたニンジャです。主な職務はスパイ活動・内乱扇動・ゴシップ偽造など多種多様にわたります。短いお付き合いになりますが、以後お見知りおきを」
気持ち悪いほど物腰の柔らかい態度に、猟兵達は只者じゃないと悟る。
そしてその周囲から、猟兵達から奪ったユーベルコードで召喚されたものが次々と出現してくる!
「ラーミアなのだ!(ババーン)」
「ひゃっはー! メルシーだぞ☆ おFU☆CKだぞ☆」
出現したのは最悪の組み合わせ!
フクロウっぽい謎生物ラーミアと、銀髪の少女っぽいドラグナーガールの衣装をして踊り狂う人物の大群だ!
こいつらは放っておくと勝手に増殖するぞ!
「ブラドのユーベルコードをコピー出来ませんでしたが、こんな強力なユーベルコードがあれば十分です! 彼らを用いて、ブラド以外の|抵抗組織《レジスタンス》を皆殺しにすればいいだけの簡単なビズです!」
とんでもない物量を手に入れたウロボロス自身も、油断すれば猟兵達のあらゆるユーベルコードをコピーして使いこなしてくるぞ! まさに全知全能の存在!
こんな相手を猟兵達は勝てるのか?
|抵抗組織《レジスタンス》を守り抜きながらの大防衛戦が、今始まる……!
エメラ・アーヴェスピア
っ…来たわね
それにUCを複製されても、前提が必要な物はそれを満たす必要があると知れたのも大きいわ
これなら行ける…と、言いたい所だけれど…何よあの増えてる奴は…!?
とりあえず、考えていた方法が使えそうね、それで行くわよ
・発動するのは『その身に纏うは我が英知』、イメージ元は『鳴り止まぬは我が迅雷の巨人』
・装兵に装備させた雷霆型魔導蒸気兵器や雷霆型攻撃ドローンにより周囲を雷で薙ぎ払いつつ、相手を装兵標準装備の光剣にて攻撃
・自身は相手の複製対策として隠れる
今回、このUCを選択した理由は三つ
一つ、このUCは対象に強化装備を施すUC。その対象は魔導蒸気装兵…これはUCで召喚する物ではなく、私の武器扱いである点
二つ、装備させる鎧装は「UCの兵器」を「イメージした兵器」、つまり私のUCの知識と魔導蒸気技術そのものの知識が必要な点
三つ、自立稼働が可能な点
以上よ
迅雷の巨人なのは…まぁ広範囲攻撃用ね
…私だってもう少し大人しめの奴を選びたかったけれど…あの増えた奴への対策が分からないのよ…!
※アドリブ・絡み歓迎
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!
何ということデショー!
メルシー殿はともかくラーミアはオブリビオンではないので、食材にできマセーン!
料理系UCの仕上げにウロボロス丼を狙っていたのデスガ、仕方ありマセーン!
久しぶりにメガリスを出しマスネ!
フローラの鉢植に対人系植物の種を植えて、「六式武装展開、木の番!」
成長した、三倍の能力を発揮する植物に飛び乗ってエントリー!
根っこがメルシー殿たちを取り押さえ、牙状の葉がウロボロスにダイレクトアタックであります!
コピーしても鉢植が無ければこのUCは使用できない安心設計!
プラントの力で押し倒しマース!
……三分経ったらこの力が暴走するので、それまでの時間制限でありますが!
目の前に群がる銀髪少女らしきコスプレ集団と謎のフクロウっぽい何かの集団をけしかけてきたウロボロス。
エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫ガジェットアーモリー・f03904)はすぐさま浮遊型魔導蒸気ガトリングガンの弾倉を回転させて耳をつんざく連続銃声を銃口から弾丸と共に放った。
「っ……来たわね。喰らいなさい!」
BATATATATATA!
弾幕が接近してきた集団の一画をたちどころに跡形もなく吹っ飛ばす!
「ラーミアはどんどん増えるのだ!」
「「メルシー達も修復するぞ☆」」
しかし、フクロウめいた何かはすぐに増殖し、コスプレ女は肉片が寄り集まって元の形へ復元してゆくではないか!
これにエメラは珍しく舌打ちする。
「ちっ……面倒な状況になったわね。何よあの増えてる奴らは……?」
「お困りのようデスネー!? それでは解説するであります!」
その時、エメラの傍にすっ……と馳せ参じたのはバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)であった。
「コスプレ少女集団はメルシー殿の分身体デース! なんでも賢者の石で出来ているため、粉々になっても復元できるとらしいデスヨー?」
「はぁ? 賢者の石ですって? 本気で言ってるの……?」
BATATATATATA! BATATA! BATATATATATATA!
断続的に浮遊型魔導蒸気ガトリングガンを放って圧殺を防ぐエメラの顔が曇る。
「賢者の石なんて、私からしたら喉から手が欲しい代物なんだけど? そんな気軽に転がってないのよ……?」
「それが実在するのでありますよ、目の前に。ふんっ!」
バルタンもファルシオン風サムライソードを振るいながら集団をバッタバッタと斬り捨てながら解説役を全うせんとする。
「そしてフクロウめいた何かはラーミアであります! あれは聞くに、オブリビオンとは違う『次元災害』と呼ばれる|現象《フェノメノン》とのこと! つまり、あれらは勝手に発生するので猟兵では滅ぼせないのであります!」
「馬鹿じゃないの!? そんなものを軽々しくユーベルコードで扱うんじゃないわよ!? それで複製されないでよ!? はぁ、はぁ……怒鳴ったら疲れたわ……!」
さすがにキレるエメラ。確かにこれはキレていい状況だ。
しかしエメラはすぐに落ち着きを取り戻すと、戦況を再度分析し始めた。
「でも……ユーベルコードを複製されても、前提が必要な物はそれを満たす必要があると知れたのも大きいわ。これなら行ける……と言いたいけれど……目の前の複製ユーベルコード、何で前提が必要無いのよ……おかしいでしょう、やっぱり?」
「HAHAHAHA! |埒外の異能《ユーベルコード》とは大抵そんなものでありマース! って! 何ということデショー!」
今度はバルタンは突然頭を抱えて狼狽し始めた。
「メルシー殿はともかく、ラーミアはオブリビオンではないので、食材にできマセーン!」
「ちょ、そういう問題……っ?」
エメラは秒でツッコミを入れてしまうほど驚愕した。
バルタンは悪びれもなくラーミアを武器で三枚におろすも、食材として認識してないのか無視していた。
「そういう問題デース! ワタシ、今回の任務で料理系ユーベルコードを一貫して使用すると密かに画策してマシタ! その仕上げにあのニンジャを使って『ウロボロス丼』の調理を狙っていたのデスガ!」
「いやあれこそ完全にヒト型じゃない……! あれを食べる気だったの……?」
呆気にとられるエメラにバルタンの笑顔が眩しさを増す。
「イエース! オブリ飯は無限の可能性デース! デスガこの状況では仕方ありマセーン! 久しぶりにメガリスを出しマスネ!」
そう言うとバルタンは何処からともなく虹色に輝く鉢植えを取り出して掲げてみせた。
「フローラの鉢植~であります!」
「口調が完全に未来の猫型ロボットだったわね……」
エメラもそろそろツッコミに慣れてきたのか、ガトリングガンをぶっぱなしながら平然とこなしてゆく。
バルタンは鉢植えの中の土に種を植えると、水を与えて何かを念じ始めた。
「この虹色の鉢植えはデスネー? 女性の自己顕示欲を糧に植物を急速に生長させる優れものデース! これならアポカリプスヘルでも菜園が作れてしまうほど効果絶大! これをユーベルコードにしたのが……六式武装展開、木の番! 名付けて……」
早くも虹色の鉢植えから植物の茎がニョキニョキと伸びて、まるで植物人間めいた姿へ生まれ変わる!
「|楽花流粋《ランニング・ベジタリアン》であります!」
根っこの足指が伸びれば、大量のメルシー軍団とラーミアを締め上げて不殺の無力化を実現させる。
「さあ、ショータイム! 牙状の葉がウロボロスにダイレクトアタックであります! イヤーッ!」
バルタンは植物の上に飛び乗ると、ウロボロスへ枝茎を伸ばした植物へ命じて葉っぱの刃で斬り付けさせてゆく!
ウロボロスの肩口がザックリと葉牙に引き裂かれる!
「グワーッ! だが完全脱力で受け止めた私には効かな、アババババーッ!」
突如ウロボロスの全身から血飛沫が噴き上がる!
ユーベルコードのコピーに失敗したのだ!
「残念無念、頭が無惨でありますな! コピーしても鉢植が無ければこのユーベルコードは使用できない安心設計! ですがその様子だと完全脱力そのものに失敗したらしいデスネー? 植物の毒を甘く見ないでクダサーイ!」
葉っぱの牙に毒素があったため、僅かにウロボロスの神経が緊張を促されていたのだ!
つまり、無意識にウロボロスは脱力状態に至れなかったのだ!
「ヒャッハー! このままプラントの力で押し倒しマース! ……三分経ったらこの力が暴走するので、それまでの時間制限でありますが!」
「ちょ、それを早く言いなさいよ、もう!」
エメラはすぐにユーベルコードで追撃を開始した。
取り巻きが拘束されている今こそがウロボロスを直接叩く好機!
「魔導蒸気鎧装、装着完了。さぁ、行きなさい! |その身に纏うは我が英知《アーマーインストール》! 召喚した雷霆兵器搭載魔導蒸気巨人兵の雷霆型魔導蒸気兵器と雷霆型攻撃ドローンを選択。一気呵成に叩き込むわ!」
ダストエリアに突如として出現した万雷を纏いし魔導蒸気巨人兵が、ウロボロスへ轟音と共に雷撃の閃光を浴びせまくる!
「グワーッ感電! 10万ボルト!」
ウロボロスは全身から黒い煙を上げながら、何度も身体を痙攣させる!
電流で筋肉の生理反応である硬直が発生しており、これでは完全な脱力など無縁の話だ!
「今回、このユーベルコードを選択した理由は三つ。一つ、このユーベルコードは対象に強化装備を施す効果だから。その対象は魔導蒸気装兵……これはユーベルコードで召喚する物ではなく、私の武器扱いである点が強みよ。二つ、装備させる鎧装は「ユーベルコードの兵器」を「イメージした兵器」、つまり私のユーベルコードの知識と魔導蒸気技術そのものの知識が必要な点も加味する必要があるわ。そして三つ、自立稼働が可能な点。以上よ。迅雷の巨人なのは……まぁ広範囲攻撃用ね。色々とうじゃうじゃいるし」
ウロボロスへの攻撃に巻き込まれたメルシー軍団とラーミアの群れが一瞬で黒焦げになっていった。
さすがにオーバーキルだったようで、両者とも再生も増殖も発生しないようだ。
「……私だってもう少し大人しめの奴を選びたかったけれど……あの増えた奴への対策が分からないのよ……!」
「エメラ殿! そろそろ3分経過しそうであります! 撤退の準備をお願いシマース!」
「え、もうなの……? 分かったわ、最後に特大の一撃を奴にお見舞いしてから、他の同僚さんにあとは任せましょうか」
エメラは最大電圧まで高めた雷霆兵器をウロボロスへ容赦なく発射!
刹那、鼓膜を揺るがす大烈音と眩い閃光が周囲を白と黒の景色に変えた!
「グワアアァァァアアアーッ!」
ウロボロスが黒焦げになった頃には、エメラとバルタンは閃光に紛れて撤退して姿を消していたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ソラウ・エクステリア
♪と🐓
【情報収集と視力と結界術と念動力は常に発動】
やるしか無い!行こうフラーウムさん!
僕はUC発動して破滅の歌姫に変身して滅殺の歌でUCのコピーや増えていく敵に対しての概念を破壊する
乗せて!ライズサン!
『おう、乗れ!ソラウ!』
視力で周りのラーミアやメルシーを確認して迷彩の弾幕を放ち攻撃して敵の攻撃をライズサンに搭乗して推力移動で回避しながら斬撃波を放つ
『俺達も加勢するぞ!』『ええ!』
ライズサンとエミリアーノも矢弾の雨で周りの敵を攻撃して近付かれたら結界術で防御するかクイックドロウの呪殺弾で迎え撃つ
行くよ…ウロボロス!
ライズサンとエミリアーノ達が分身達の相手をしているのでウロボロスと対峙する
UCをコピーする相手に対しての僕の解答は同時発動UC歌姫の時空騎士の次元空間を発動してコピーする概念を封じる
僕は電撃のエネルギー弾と矢弾の雨を放ち攻撃して推力移動で距離を詰めたり敵の攻撃を回避する
させないよ!
敵がUCを発動しようとしたら僕も滅殺の歌(クイックドロウで素早く歌う)で相手のUCを無効化する
フラーウム・ティラメイト
♪と🐓
はい、やりましょうソラウさん
『う〜む、コピーする相手…面倒くさいのう!』
私はUCを発動して分身を召喚して戦わせる
分身は因果断絶属性の斬撃波を放つ
結界術で敵の攻撃を防御する
視力などで敵の動きを見て回避する
『ワシもやってやるのじゃ〜』
ソニアはオーラ防御や次元属性の推力移動で敵の攻撃を回避しながら生命力吸収と魔力吸収の拳で攻撃する
私は生命力吸収と魔力吸収の斬撃波で攻撃しながら敵に向かう
ウロボロスのUC対策は同時発動UC因果獣神皇・クリスタル・オベイ・ディストーションを発動
私は視力で敵のUCに合わせて因果断絶属性の斬撃波と矢弾の雨を放ち敵に攻撃してクイックドロウの因果断絶属性のブレス攻撃で攻撃
ソラウ・エクステリア(歌姫の時空騎士と時空龍の協奏曲・f38698)は、知り合いのユーベルコードを複製されたことに焦りを覚えていた。
「これは……! まずいですよ! やるしか無い! 行こうフラーウムさん!」
焦るソラウに対してフラーウム・ティラメイト(因果獣と因果を喰らう者『オベイ』を宿す探究者・f38982)は、感情の波風起こさず平坦な口調で答えた。
「はい、やりましょうソラウさん」
『う〜む、コピーする相手……面倒くさいのう!』
存在そのものがユーベルコードである傲慢の因果獣こと鷲獅子姫のソニアが顔をしかめる。
『それってワシが奴にコピーされてしまうではないか!』
「ソニアはニンジャに攻撃しないでください。コピーされないように、ラーミアとお姉さん達をお願いします」
フラーウムの言葉にソニアは溜息まじりの声を漏らす。
『仕方ないのじゃ、ワシが取り巻きをやってやるのじゃ〜』
ソニアは無限増殖・再生するラーミアとメルシー軍団へ突っ込むと、手にした金鞭をしならせて振り下ろした。
『これが傲慢の根源なのじゃ~! ラーミアとて、これで滅びぬ道理はないじゃろう!』
「ラーミ……!」
「わー消えちゃう☆」
金鞭が空間を抉り取る。それは概念や時空や法則を破壊する権能を持つ、まさに対ラーミア&メルシー殲滅にうってつけのユーベルコード効果だ。
これにソラウも続く。
「ライズサン、僕を乗せて!」
『おう、乗れ! ソラウ! 攻撃はこっちに任せろ!』
「ありがとう、ライズサン!」
自律駆動が可能な時空神機ライズサンが時の剣を振り回して取り巻きを斬り捨てると、斬った対象の時を極限まで鈍らせる。
こうすることで増殖と再生の速度を停止に近い状態に留めて封殺するのだ。
『エミリアーノ、援護しろ!』
『ええ、任せて!』
更に同じく時空神機エミリアーノと一緒に光学迷彩を施した魔法弾を、周囲に篠突く雨が如く大量に打ち込むことで取り巻きを駆除。勿論ウロボロスも巻き添えにする。
「グワーッ!」
『今だソラウ、やっちまえ!』
『ライブでかましたあの歌なら、ニンジャにコピーされないわ!』
ライズサンとエミリアーノの声援を受け、ソラウはライズサンの肩の上に立ち上がる。
息を吸い込み、ウロボロスへ宣言した。
「聞いて、僕の……愚者の歌を。ウロボロス、コピーできるものなら……やってみてよ!」
ソラウの己の愚かさと自省、そしてそれをバネにして未来を切り開くメッセージ性が強い歌を披露する。
これにウロボロスは脱力をしてコピーを試みるのだが……。
「な、なんですって? この歌は、さっきのライブで歌っていたものと同じですね!? 私のユーベルコードが発動しません……!」
ソラウのこの歌唱ユーベルコードは、対象のユーベルコードを無効化することで発動するのだ!
つまり、この瞬間、フラーウムのユーベルコードもウロボロスに通ることを意味する!
「私のユーベルコードはもともとコピーが出来ないはずですが……ユーベルコード無効効果自体をコピーされては困りますからね? ソラウさん、ありがとうございます」
ウロボロスへ向き直ったフラーウムの姿がみるみるうちに変貌を遂げる。
「因果獣神皇・チェイス・オベイ・ディストーション。ユーベルコードで因果獣神皇に変身した私は、次元能力と不老不死を獲得しました。つまり、死亡及び消滅しても、無限に復活する身体を持ち、蘇るたびに強化され、絶対必中と抵抗無視の因果断絶の攻撃を放つのです」
渦目に死霊のマフラーにチェーンソーの翼、腕から4本剣が生えた異形のフラーウムは、自らの身体を鍵形の黒剣で斬り刻んでゆく。すると斬られた箇所から肉体が再生してゆき、フラーウムという個体は二乗ずつ増殖してゆくのだ。
「「さあ、これでもコピーできますか?」」
腕から生えた4本の剣から命と魔力を奪う斬撃波を放ち、無数のチェーンソー翼がウロボロスへ殺到する!
まるで獲物に群がる軍隊アリめいた強襲だ!
「グワアアァァァアアアーッ!?」
もはや脱力状態など出来るはずもなく、ウロボロスは全身をズタズタに斬り裂かれてゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エリン・エーテリオン
第三の神
シオン…
『取りあえずシエルとアズリエルと一緒に戦おう』『ナア、コレマエニモアッタナモシカシテ…(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=45238)』
UC発動してオーラ防御で敵の攻撃を防ぎながらヴァルカライナーから爆撃の光線で(クイックドロウで素早く放つ)ラーミア達を攻撃する
『食らえ!』『ラーミアハメッサツデスネ!』
エキドゥーマが逆行属性の弾幕を敵達に放ち、ブラッドムーンは次元属性の斬撃波を放つ
私はウロボロスと勝負だ
情報収集と視力で敵のコピーしようとするタイミングを見極めて超次元能力で敵をUCをコピーさせないように怪力で殴り飛ばした
シ…シオン!
リュカシオン・カーネーション
第三の神
シオン本気モード
『シオンが食われたのだわ〜!』『ラーミアは友好的だけど敵になったらとことんやるからねぇ…』
シエルとアズリエルは焦っていたが分身と対峙する
『仕方ないのだわ!』
UC発動して範囲攻撃の虹炎乱気流で敵のUCを発動した『過去』とこの場に存在する『未来』を書き換える
『シエルの炎でも消しきれない…』
アズリエルは改変属性攻撃の斬撃波で敵が存在した過去を消滅させながら攻撃
『ウロボロスの所に辿り着けないのだわ〜!』
何だ?この力は
『はあぁぁぁぁん!』×∞バァーン
ウチを食べたラーミアは消滅
エリン達には私のミスの尻拭いをさせているこのままじゃ…
死んでも死にきれん!
同時発動UC虹炎の神フォービドゥン・フェルレイニアスを発動
分身達をUC無効攻撃と超次元の力を纏った衝撃波で吹き飛ばしながらウロボロスの元まで行く
自分の失敗は自分で拭う!
私はウロボロスに超次元能力で瞬間移動しながらUC無効の力と焼却を纏った斬撃波を放ちながら極限の自由の力で空気を掴みポールダンスの様に回転しながら怪力で蹴り飛ばした
エリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)は愕然としてた。
「シオン……シオンが、ラーミアに食われちまった……!」
リュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)は以前、地獄のような音痴の歌声でラーミアの群れを蒸発・殺害したことで、同一意識体のラーミアの群れ全体に恨みを買っていた。故に、今回はその復讐でリュカシオンはラーミアの群れに心臓を一突きされたうえで骨肉をすべて食い殺されてしまったのだ。
『シオンが食われたのだわ〜!』
虹炎の女神ことシエルも異常事態に焦燥する。
『ラーミアは友好的だけど敵になったらとことんやるからねぇ……どうしたものか……』
天災邪神鎌龍アズリエルも焦っていた。
『仕方ないのだわ!』
『自我を持つ武器である自分が動けるのは幸か不幸か……やるしかないねぇ』
女神シエルは鎌であるアズリエルを手にすると、なんと猟兵でもないのにユーベルコードを発現させた!
『|未来虹炎乱気流《フォース・タービュランス》を発動なのだわ! ユーベルコードの発動優先度を操作! このユーベルコードが必ず先に発動するのだわ!』
ウロボロスの取り巻きへ虹色の燃え盛る乱気流を浴びせ、取り巻きが存在した未来と過去の概念を焼き尽くす!
取り巻き達は一瞬で忽然と消滅してしまうのだが、それでも焼け石に水。
「ラーミアは増えるのだ!」
「メルシーは再生するぞ☆」
『駄目なのだわ、1体でも残ると一瞬で元通りなのだわ! ウロボロスの所に辿り着けないのだわ〜! これじゃキリがないのだわ~!』
さすがの虹炎の女神もお手上げの状態だ。
この窮地にエリンが女神の背中に寄り添う。
「私はウロボロスを狙う! エキドゥーマが逆行属性の弾幕を敵達に放ち、ブラッドムーンは次元属性の斬撃波を放つ間に、シエルも取り巻きを攻撃してくれ!」
『分かったのだわ!』
エリンは邪神砲龍ヴァルカライナーを肩に担ぐと、そのまま取り巻きの中へ突っ込んでゆく!
「オラオラ! 退け退けぇ! これが……私の虹神炎だぁぁぁぁぁぁ!」
ユーベルコード『虹炎の神エリン・エーテリオン・ライオット』で髪が黒から虹色に変色すると、エリンは抗戦を砲口から乱射して立ちはだかる敵を纏めて吹っ飛ばす。
「ウロボロス! 後ろで見学なんてしてないで掛かって来いよ!」
「ふふ、そんな安い挑発に乗ってあげるほど私はお人よしではありませんので!」
取り巻きという物量の壁に守られているウロボロスへ接近するのは困難だ。本人も挑発に乗ってきそうにない。
ならば……。
『食らえ!』
『ラーミアハメッサツデスネ!』
エキドゥーマとブラッドムーンの追撃がウロボロスの肉壁に直撃!
僅かに出来た肉壁の亀裂に、エリンが身体ごと割って入る!
「この距離なら『届く』! 私のユーベルコードの次元能力! ユーベルコードの効果で今、私の間合いにお前は『入った』ッ! 喰らいやがれえぇぇぇーッ!!」
エリンの拳が虹色に燃え上がる!
ウロボロスとの距離は肉壁に阻まれておよそ6~7m離れているが、それでも構わずエリンは目の前を殴り抜く!
「これが、超次元能力と自由の力の! 虹炎神の右ストレートだぁぁぁッ!」
次の瞬間、ウロボロスが装着するメンポ代わりのニンジャヘルムが大きく亀裂が入って陥没したではないか!
「アバーッ!? ナンデ!? ナンデ殴られたのですか!?」
ウロボロスが混乱する!
ワッザ!? 何が起きたのか!?
「虹炎神の権能は……超越の自由と次元能力……つまり……『どんなに離れていても視認できれば嫌いな奴を殴れる自由』と『次元空間移動』を組み合わせれば……私の目の届く範囲なら、何処でもお前をぶん殴れるんだ!」
エリンが空間に1・2・3コンボのパンチを繰り出す。
するとウロボロスの頭がその場で左右に大きく揺れて卒倒してしまった!
「グワーッ! なんですかこれは! 不意討ちで、脱力状態になれない!」
「よくもシオンを殺してくれたな! ぶっ潰してやる! オラオラドラドラ無駄無駄無駄ーアッ!!」
「アババババーッ!!」
エリンの遠隔連続パンチでウロボロスがその場で不細工なダンスを踊る!
その度にニンジャヘルムが歪み、ガラスにひびが入ってゆく!
だが、不意にウロボロスのヘルムから笑い声が漏れる。
「くははは……! 脱力して殴られ続ければいい……逆転の発想です、ぐはっ! ええ、これで、このユーベルコードをコピーできます!」
「させるか! ユーベルコードをコピーさせない自由で対抗だ!」
「なんて恐ろしい! しかし、こちらもコピーできる自由があるのでは? ほら!」
「うお、こいつ、マジでコピーしやがたのか? 私のユーベルコードを!? 無効効果そのものまで!?」
なんとウロボロスとエリンのユーベルコードが拮抗!
このままでは|徐々に不利《ジリープアー》だ!
どうしたものかとエリンのお供と虹炎の女神が狼狽えていると、空中から聞き覚えのある声が降り注いだ。
「エリン達には私のミスの尻拭いをさせている……このままじゃ……」
凄まじい熱量の虹炎を纏ったリュカシオンが、戦場に降臨を果たす!
「死んでも死にきれん! 蘇れ……第三の虹炎神、フォービドゥン・フェルレイニアス!」
その姿は非常にハジケていた。
額に禍々しい角、彼女は3つの羽衣を纏い、髪色は輝く虹色。そしてどういう形状で成立してるか分からないのが、龍の姿を象った髪型であった。その長い身体の龍がリュカシオンの頭の上でとぐろを巻くと、ある物体をその場にいた者達が連想してしまう。
「「虹色のウンコだーッ!?」」
「誰がウンコだコラァァァ! どう見ても竜の尻尾! もしくはソフトクリーム!」
『いやむしろ六本木あたりのキャバ嬢よ?』
『ナア、コレマエニモアッタナ? コノフッカツスルカンジ?』
エキドゥーマとブラッドムーンが既視感を覚えていると、リュカシオンはブチキレながらラーミアとメルシーをスデゴロで殴り飛ばし始めた。
「ラーミア! よくもウチを喰ったな? 焼き鳥にして1本50円で売ってやろうか!? イヤッフゥゥゥ! 自由最高ッ! 自由最高ッ! 自由はすべての概念より優先されるぜッ! ウロボロス! てめぇも自由最高って言いやがれッこのド腐れ金魚鉢野郎がーッ!」
すべての概念を自由で塗り潰す第三の虹炎神へ昇華したリュカシオン。
その自由の拳をもはやだれも止めることが出来ない。
当然、ユーベルコードをコピーする自由などリュカシオンのハジケた自由に全上書きされて駆逐されてしまう。
「自分の失敗は自分で拭う! 空気を掴む自由か~ら~の~! ウチの自由なせくちぃーダンスで悩殺しな!」
何故かリュカシオンの姿が炎を纏ったバニーガールになると、本当に空気を掴んでポールダンスを開始!
その遠心力を用いた爆炎の蹴りが、ウロボロスの鳩尾にクリーンヒットした!
「グワーッ自由!?」
リュカシオンのハジケた自由を前にして、ウロボロスに勝ち目などあるはずがなかったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
箒星・仄々
ブラドさんや皆さんを絶対に守り抜きます
完全な脱力で受け止めるという条件を
崩すことができれば
コピーを無効化できます
ならば対処の仕様があります
自分をペロっとして
スケーターの如く滑走
ラーミアさんや分身体さんの攻撃を
つるっと受け流しながら
すり抜けざまペロっとして
武装解除させたり
摩擦抵抗操作で無力化します
ラーミアさんや分身体さんに阻まれて
中々ウロボロスさんに近づけず
歯軋りしながら
その周囲を滑走するのみ…
と見せかけます
ウロボロスさんが動こうとした
その時
つるっとこけそうになります
そう周囲の地面を
先程ぺろっとさせていただきました
飛行している召喚体さんには無関係なので
気づかなかったでしょう?
ご自身への直接のUCでなければ
コピーできないはず
そして滑って転びそうな時
或いは転んだ時は
踏ん張ろうとしますから
完全な脱力という条件を満たしません
これではいくら洞察力が高くても無意味です
今です!
その機にすかさずウロボロスさんをペロ
摩擦抵抗を奪い
ヘルムやサイバーウェアの部品をバラバラに
終幕
鎮魂の調べ
海で静かにお眠り下さいね
カシム・ディーン
同行
フィア(f37659
おいこらふざけんなてめー!?
「メルシーってば人気者♥」
…てめーは此処で終わらせる!そのUCは絶対に持ち帰らせねぇ!!
うぐ…フィアはいい子…!
機神搭乗
【戦闘知識・情報収集・視力】
周辺状況と…メルシー&ラーミア共の動きとパターン
特にラーミアについてはUCの性質を冷徹に把握
…此奴ら不死っぽいんだが…歌でやられてなかったか?
「歌が弱点…?」
いや違う気がする…正攻法でやるか
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源と音を隠蔽
此奴はパクっても使えねーと思うが念の為…
「見つけさせないぞ☆」
ありがとうフィア…これで決める!
UC発動
【念動力・空中戦・弾幕・スナイパー】
念動障壁展開
パクれても使いこなせるかは別問題だよなぁ!
念動光弾による乱射でメルシー軍団とウロボロスごと蹂躙
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
おめーの鎌…不死者を冥府に送れるんだったな?
「勿論だよ☆」
という訳でラーミアは鎌剣で切り裂いて殲滅!
当然ウロボロスごと!
認識なんぞさせねーよ
フィア・フルミネ
カシム(f12217) と参加
介抱してくれたおかげで、まだ戦える。限界を超えて、守るために! カシムの怒りももっとも、大切な人を奪おうとする悪漢は、ここで斬る!
機動攻撃に合わせてウロボロスを攻め立てる。私の攻撃方法はユーベルコードじゃない『白雷』と、《涅界雷》……魂人でないと使いこなせない二刀流。カシムの言葉を借りるなら、パクれても使いこなせるかはまた別問題。だから、この敵との相性はいいはず。心理的負担は大きいけど、許せない相手には死力を尽くして攻撃する
カシムがトドメを刺しやすいように、連続で攻撃し、感電させてウロボロスの動きを止めることを重視する。こそこそしてたみたいだけど、悪企みもこれまでね
箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)はブラドとリアムを庇うように立ちはだかる。
「ブラドさんや皆さんを絶対に守り抜きます。エンリケさんも護衛をお願いしますね」
「ああ、勿論だぜ! お前ら! 旦那とブラ坊を守り抜け!」
「「ヘイ! カシラッ!!」」
エンリケとその舎弟達がリアムとブラドを取り囲んで肉の壁を形成、押し寄せるラーミアとメルシーの群れへショットガンを幾度と撃ち込んでいく。
これで多少は時間稼ぎが出来るだろうと箒星は判断すると、自身も魔法剣カッツェンナーゲルを鞘走って取り巻きの駆除を始めた。
「カシムさん達、聞いて下さい。ウロボロスさんの完全な脱力で受け止めるという条件を崩すことができれば、コピーを無効化できます。ならば対処の仕様があります」
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は舌打ちしながら、箒星の助言にコクリと頷いた。
そしてウロボロスへ怒号を飛ばす。
「分かってる、仄々……ちっ! おいこらふざけんなてめー!? ひとのユーベルコードを盗むんじゃねーぞ!? それは僕のユーベルコードだ!」
「えへへ~❤ ご主人サマにそこまで必要にされてたなんて、メルシーってば人気者だね❤」
相棒のメルシー(本物)の顔が朱に染まった。
これに満身創痍のウロボロスが減らず口を叩く。
「あれだけ堂々と奇天烈な格好のユーベルコードを誇示していれば、多少私が解析のために珍妙な行動をしていても周囲からは注目されませんからね? 『葉っぱ1枚を隠すなら森の中が都合がいい』……かの剣豪で戦術家のミヤモト・マサシの言葉通りです」
「……てめーは此処で終わらせる! そのユーベルコードは絶対に持ち帰らせねぇ!!」
憤るカシムの傍らで、フィア・フルミネ(|麻痿悲鳴《まいひめ》・f37659)が頷く。
「カシムの怒りももっとも、大切な人を奪おうとする悪漢は、ここで斬る!」
これにカシムは思わず涙ぐんだ。
「うぅ……フィアはいい子ですね……ですが無理だけは、くれぐれもしないでくださいね」
「大丈夫。介抱してくれたおかげで、まだ戦える。私も、限界を超えて、守るために戦う!」
「ますますいい子……! 愛してます、フィア……!」
カシムの目にも涙とはこのことである。
だからこそ、カシムはフィアの行動のタイミングを推し量るべく自らが前に出るのだ。
「偽物のメルシーはともかく……くそ、このラーミアって奴はマジで不死身ですね!」
ダガーで斬っても魔法で吹っ飛ばしても、新たな個体が湧いて出てくるラーミア。
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ちくわ大明神だ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「ラーミアなのだ!」
「おい今ちくわ大明神がいなかったか!?」
カシムは偽物メルシーに鼻フックして昇天させながらツッコミを入れる。
続けてカシムは偽メルシー達をヤクザキックすると、ガンを付けて魔力を発散させた。
「おいてめー……偽物とはいえ……僕の魔力回路を忘れたとか言わねーよな?」
契約者権限、発動!
コピーされてもメルシー達のマスターはカシムなのだ。
逆らうなんてできない!
偽メルシー達は流れ込むカシムの魔力に困惑しながらも、喜んで自らカシムに踏まれに屈するのだった。
「アレ! ナンデ? 身体が勝手に動くんだよ!」
「論理機関がバグってるぞ☆ あばばばば、ご主人サマはウロボ、カカカシム?」
「でも踏まれると気持ちいいね❤ あっ、そこ強くぅ♪」
カシムは因幡の白兎めいて偽メルシー達の背中を悠然とウロボロスへ向かって踏み抜いて歩く。
それを本物メルシーが光学迷彩を纏ってラーミア達を斬り刻みながら眺めていた。
「さすがご主人サマ……! メルシー、ぞくそくしちゃうゾ☆」
「というか、メルシーの対処法、それでいいんだ……?」
フィアは立ちはだかる偽メルシー達へ打刀の|魔禍《まかふってい》祓霆『|白《びゃくらい》雷』で斬り捨てつつウロボロスを目指す。
「うん、これならユーベルコードじゃないから、ウロボロス、キミに複製されない。カシムの言葉を借りるなら、パクれても使いこなせるかはまた別問題。だから、この敵との相性はいいはず。心理的負担は大きいけど、許せない相手には死力を尽くして攻撃する」
更にユーベルコード『|涅界雷《ネツカイライ》』を発動させ、どちらの刃がユーベルコードかを区別しにくくする。更に更に、雷属性の斬撃は一太刀浴びれば全身に筋肉が硬直してユーベルコードの複製を阻害するのだ。
「く、ならばカラテで挑むまで! イヤーッ!」
不利を悟ったウロボロスはやむを得ず、鍛えたカラテでフィアと刃を交え始めた。
一進一退の攻防を繰り広げる中、箒星はウロボロスの周囲の取り巻きの外周をぐるぐる回っていた。
「ラーミアさんとメルシーさんの肉壁が思った以上に厚いですね……」
自身の身体を舐めて摩擦抵抗力をゼロに近付けた箒星は、ボブスレーめいて腹這いのまま戦場を滑走している。
「このまま歯軋りをするのみ……だと思わせておいて。そろそろ行きましょうか」
箒星は自分が通過した場所……取り巻きの外周が完全に摩擦抵抗力がゼロになったことを確認すると、満を持して敵中に活を求めるべく飛び込んだ!
ラーミアもメルシー達もペロペロ舐め回せば、皆総じてすってんころりんと大転倒!
「滑るからラーミアは飛ぶのだ!」
「メルシー達も飛んじゃうよ!」
こうして取り巻き達は空中へ逃げたことで、あっけなくウロボロスの周囲の肉壁は取り払われてしまった!
なんたる頭脳プレイ!
しかし頭上から取り巻き達の攻撃が猟兵達を狙い澄ます!
「カシムさん、メルシーさん、フィアさん! 私の尻尾に掴まってください! 一旦離脱します!」
何が策があると勘付いた3人は、すぐさま滑り込んできた箒星の尻尾を掴んで滑ってみせる。
当然、ウロボロスがそれを追い掛けてゆく。
「待ちなさい! 逃がしません、よぉぉぉぉ!?」
しかし、ウロボロスが突如大転倒!
そこは先程、箒星が腹這いになりながら舐め取っていた地面で、今や立つ事はおろか寝返りを打つにも困難なほどツルッツルの場所だ!
「周囲の地面を先程ぺろっとさせていただきました。飛行している召喚体さんには無関係なので、この外周のツルツルトラップに気づかなかったでしょう? そしてご自身への直接的に働きかけるユーベルコードでなければコピーできないはず。出来ても解析に時間がかかるのですよね?」
ウロボロスは初めて恐怖した。
箒星の情報はグリモア猟兵の予知によるものだが、それを知らないウロボロスはすべてを見通されてる気がして背筋を凍えさせる。
まだまだ箒星の指摘が続く。
「そして滑って転びそうな時、或いは転んだ時は踏ん張ろうとしますからね。完全な脱力という条件を満たしません。これではいくら洞察力が高くても無意味ですね?」
「お、おのれ! だがまだ取り巻きがいることを忘れてませんか? 一斉攻撃でまとめて殺して差し上げます!」
ウロボロスが天を仰いで叫ぶ。
しかし、その視線の先にはラーミアと偽メルシー達がいなかった。
「ナンデ!?」
驚愕するウロボロスは、やけにダストエリアが焦げ臭いにおいで充満してることに気が付いた。
「いたい……あらがいたい」
フィアの手元が黒焦げになっている。
あれはユーベルコードで生成した雷属性の刃を、頭上へ向けてぶん投げて放電させた証拠!
フィアの改竄された心的外傷の発露を促すデメリットを乗り越えた先に、超破壊力を誇る万雷の一撃を放つことが出来るのだ。それはすべてを灰燼に帰す程の威力であり、無限増殖と無限再生の取り巻きを一瞬で炭と灰に変えてしまったのだ!
「こそこそしてたみたいだけど、悪企みもこれまでね」
立てないウロボロスの腹に、駄目押しの雷刃が突き刺さる!
「グワーッ!?」
感電になったまま地面に縫い付けられたウロボロス!
「今です!」
箒星の合図にカシムが叫んだ。
「メルシー、いやメルクリウス! 自動稼働! ユーベルコード強制発動! 行け……神速戦闘機構『|速足で駆ける者《ブーツオブヘルメース》』!」
少女の姿から体高5mの神機キャバリアの姿に戻ったメルクリウスがマッハ41でダストエリアを飛翔!
「ありがとうフィア……これで決める! おいメルクリウス! 光学迷彩魔術を纏え! 念の為だ……そいつにいつ死が迫るか分からなくしてやれ……!」
「ラジャったよ! 見付からないようにするぞ☆」
超音速機動するメルクリウスの機体が忽然と消え、移動時の衝撃波だけが嵐のように吹き荒れる!
「パクれても使いこなせるかは別問題だよなぁ! よくも僕の『相棒』をコピーしてくれたなおい……? メルクリウスは……メルシーはなぁ……僕だけの玩具で……道具で……コイツがいたから、今の僕があるんだ……! すげーうぜー奴だし変態だし、クソみてーなアホだけどなぁ……一緒に戦ってきたから、僕は強くなれたんだ……! おかげでフィアとも出会えた! そんな大切な『お宝』を、天才魔術盗賊のカシム様からぶん盗ったとか……てめーは楽に死なせねーぞ……?」
「ご主人サマ……!」
その怒りは、メルクリウスへの信頼で溢れていた。
カシムはメルクリウスへ叫ぶ。
「おいメルクリウス! おめーの鎌……不死者を冥府に送れるんだったな?」
「勿論だよ☆」
「んじゃ、まずはウロボロスは四肢を削ぎ落して胴体はラーミアに食わせてやれ。奴らが完食したらラーミアを殲滅するぞ!」
「わーお、今日のご主人サマ、いつにも増して残虐……!」
メルクリウスは言われるがまま、ウロボロスの四肢をビーム大鎌剣ハルペーで削ぎ落すと、ラーミアをけしかけて食い殺させる。
「や、やめろぉぉぉぉ! 私がお前たちの主だぞ! なぜ私を食べている!?」
「ラーミアは誰の指示も受けないのだ! 自由なのだ!」
「ラーミアは第三次元災害なのだ、|現象《フェノメノン》なのだ!」
「だから弱い奴は食べちゃうのだ! 弱肉強食なのだ!」
「グワアアァァァアアアーッ! サヨナラー!」
ウロボロスは数十秒で全身を食いちぎられてオタッシャ案件になってしまい、骸の海へと沈んでいった。
他人のユーベルコードを利用するニンジャの悲しい末路であった。
メルクリウスはすかさずハルペーで、増えたラーミアを急いですべて駆逐して回る。
「おわった、ね」
フィアは自身の心が壊れる前に決着がついて安堵する。
そして箒星は竪琴でウロボロスへの鎮魂曲を哀悼の意を込めて奏でるのだった。
こうして、リアムとブラド、そしてエンリケ達は誰一人欠けることなく生還した。
今回の事件は口コミで徐々にダストエリアの内外に広まり、ブラドは名実ともに救世主として崇拝され、リアムは|抵抗組織《レジスタンス》の主導者として名乗りを上げた。
「これでアカダルマファーマシーにようやく立ち向かう準備が出来た。猟兵諸君のおかげだ。ありがとう!」
「ぼく、もっと、たくさんのひとをたすける、ね?」
リアムとブラドが仲睦まじい姿を見せれば、協力者達は歓声を上げる。
「カシラッ! 新しい組を旗揚げしやしょう!」
「エンリケ組、万歳!」
「馬鹿! 俺はヤクザになる気はねぇって!」
そしてエンリケは舎弟たちに囲まれ、リアムとブラドについてゆくと固く誓ったのだった。
猟兵達は万事うまく収まった光景を眺め、静かにその場を去っていった――。
<続>
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵