アルダワ世界、中原地方。
航砂船で人々や物が行きかう広大な砂漠のその一角で。
――もふっ。
砂とは異なる感覚を、航砂船がとらえた。
「なんだなんだ?」
航砂船の操作員が不審げに砂漠を見渡す。一見、見慣れた一面の砂のように見えたのだが、砂が不自然に蠢いた。
「もーふー!」
色が砂と変わらないように見えたが、そこに居たのは、もふりとした羽毛の塊だった。気が付くと周囲の砂が徐々に羽毛の塊と化している。
「か、囲まれないうちに退避だー!!」
操作員達は持てうる限りの全力で航砂船を操作し、その場を離脱していった。
●
「緊急事態で御座います、皆様」
ライリス・エルファンシア(天麟万華の欠片・f00325)が、やや複雑な表情で一同を出迎えた。
「アルダワ世界にて暗躍していた猟書家達を纏めるオウガ・フォーミュラ、ミスター・グースが動き始めました」
長らく水面下に潜んでいたミスター・グースは、生み出した「災魔の卵」を世界にばら撒き、一斉に孵化させたのだという。
これを放置すると、世界は漸く収束へと進むオブリビオンの脅威に再び晒される事となる。
「皆様に向かっていただくのは、中原地方。
その広大な砂漠の一角で、今まさにもふもふとした災魔――オブリビオンが生まれ出でております」
砂漠に埋められたと思われる「災魔の卵」により、砂漠の砂が災魔と化しているのだ。これを放置すれば、周囲のオアシス街が襲われるだけではなく。
「「災魔の卵」の力により、近くのオアシス街そのものがかつての戦争で討ち滅ぼした魔王の複製と化してしまいます」
街が魔王と化す事は止められないが、災魔と遭遇した航砂船の連携もあり、住人の避難は完了している。
最小限の被害で複製魔王と対峙する事が出来るだろう。
ところで。ここ迄の説明に一箇所、この状況に似つかわしく無い表現があったようなのだが。
そんな目線を向けられたライリスは、そうでした、と、手を合わせる。
「お伝えするのをすっかり忘れておりました。
砂が転じた災魔は、モリフクさまという、それはもふもふとした災魔で御座います」
鳥類繋がりでしょうか? と、首を傾げながらも、何事も無いようにライリスは続ける。
「複製された魔王を倒せば、ミスター・グースの喉元へと迫れますが……」
これまでの猟書家との決戦と異なり、グリモアはミスター・グースを倒せるとは示していないのだという。
「ミスター・グースの策略――|大魔王無限災群《ウームー・インフィニット・ホード》を、阻止する事は出来ます。
ですので、|私達《猟兵側》が今後猟書家達に対して優位に動く為にも、この事態の解決は重要で御座います」
骸の海に沈む危機に再び晒すわけにはいかない。その為に猟兵は此処に居るのだから。
一同の顔を順番に見渡した後、ライリスはいつものように一同を送ろうとし。
――そういえば。と、手を止める。
「ミスターというからには雄だと思うのですが……何故卵を産めたのでしょう?」
真顔で心底不思議そうにそう言いながら、ライリスは手にしたグリモアに力を込めた。
白神 みや
初めましてのかたは初めまして。そうでない方はお世話になっております、|白神《しらかみ》です。
猟書家決戦ということで、今回もひょっこりと参りました。|ミスター《雄》なのに卵が産めるミスター・グース。どうして。
アルダワ世界中原地方で砂がもふもふのモリフクさまになってしまいました。先ずはこのもふも……モリフクさまを速やかに退治してください。
二章以降の詳細は断章に譲りますが、一章のようなもふかおすにはならないでしょう、きっと。
●お願い
MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
受付期間については、都度タグにて告知いたしますので、参照ください。
基本的には、期間中にいただいたプレイングで進行予定ですが、締切後🔵状況等によっては追加を受付る可能性があります。
第1章 集団戦
『モリフクさま』
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POW : 翼びんた
単純で重い【翼】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 人をダメにするもふもふ
【胸部のモフモフ】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : うぉーみんぐあっぷ
予め【羽ばたく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
イラスト:橡こりす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●切り拓け、もふもふ砂漠
転送された先は一面の砂……ではなく、羽毛だった。
視界に広がる一面の砂色の羽毛が、一定の大きさの塊となってもふもふと蠢いている。
そのうちの一塊りが動き、つぶらな目と、嘴が見えた。どうやら、この塊はフクロウ的な生き物――もとい、|災魔《オブリビオン》らしい。
「もふ?」
それを合図にするかのように、一斉にフクロウのような|災魔《オブリビオン》、モリフクさまが猟兵達を見つめた。
「|もふもふふ、もふももふもふふ?《きみたちも、もふにうもれるもふか?》」
ルク・フッシー
な、何てことを!街や砂漠そのものが恐ろしい災魔…に…?
か、可愛いですっ!でも、砂漠で暖かなもふもふに包まれたら、春から熱中症になってしまいそうです!
な、なんて危ない災魔でしょう!倒さないと…!
うわっ視線が。つぶらな瞳が一斉に。怖い…
羽ばたく度に災魔の力が増すのを感じます!だったらその前に…【花宴描画】!純白の桜吹雪で攻撃です!
この純白の桜は、魔法で生み出した雪色の塗料。モリフクさまの羽毛に張り付き、染み込み、凍らせます
倒れた災魔は、砂に戻るようですね
砂漠の雪、オツなものですねぇ〜
●
「な、何てことを! 街や砂漠そのものが恐ろしい災魔……に……?」
義憤を胸に転送されて来たルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)は、目の前に広がった光景に傾げる。
砂色のもふもふの羽毛の塊。
思わず抱き着いてもふもふとその柔らかさと温かさに包まれたい誘惑にかられかける。
(……で、でも、砂漠で暖かなもふもふに包まれたら、春から熱中症になってしまいそうです!)
そう。此処は砂漠。昼夜の寒暖差はあるとはいえ、今羽毛に埋もれるのは少々暑すぎる。何より、この|モリフクさま《もふもふ》は、災魔なのだ。
(な、なんて危ない災魔でしょう! 倒さないと……!)
ルクが意を決して武器を構えた気配を察して、モリフクさまが一斉に動く。
(うわっ、視線が。つぶらな瞳が一斉に。怖い……)
周囲の砂は既にモリフクさまと化していたばかりに、つぶらな瞳に取り囲まれたルクは一瞬怯む。
「|もーふもっふもーふ! もふ!《うぉーみんぐあーっぷ! もふ!》」
それをチャンスと思ったのかモリフクさまたちが一斉に翼を羽ばたかせると、砂が巻き上がった。
(災羽ばたく度に災魔の力が増すのを感じます! だったらその前に……!)
ルクはモリフクさまが攻撃に転じるより前にユーベルコードを発動させる。手にしていた武器が純白の桜吹雪へと転じ舞った。雪の色を宿した桜吹雪は巻き上がる砂を飲み込むようにモリフクさまに襲いかかり、もふもふした羽毛を凍らせ、散らしてしく。
「砂漠の雪、オツなものですねぇ〜」
雪桜とモリフクさまだった砂が連れ舞う様を眺めながら、ルクは興味深そうに呟いた。
大成功
🔵🔵🔵
マシュマローネ・アラモード
◎
モワ!砂漠の国に現れた……もふふくさま?
まぁ、こんなに大勢が相手なら……。
|十二皇の擬権能《イミテイト・トゥエルブエフェクト》
|権能糸紬《未》(地獄の炎)
戦場に糸を張り巡らせて、もりふく様をぐるぐる巻きにしていきましょう!
あとはぐるぐる巻きになったところで|権能斥力《プリンセスエフェクト》(吹き飛ばし)で吹き飛ばしていきましょう。
もふもふ飛んでいく様子がなんだかコミカルですが、奥に控える魔王は、正真正銘の大敵、ここは何としても突破させていただきますわ!
……何もなければ、一羽くらいふわふわしておきたいのですが、致し方ありませんわね。
●
「モワ! こんなに大勢!」
未だ砂漠を埋め尽くすモリフクさまに、マシュマローネ・アラモード(第十二皇女『兎の皇女』・f38748)は驚きの声をあげる。
「……ええと、もふふくさま?」
その声に気付いたモリフクさまたちが、誰何の声をあげるより先にマシュマローネはそう零して首を傾げる。
「|もふーふ! もふもふもふっ!《ちがーう! モリフクさまっ!》」
名を違えられたモリフクさまたちが一斉にブーイングのようにもふもふと鳴く。
「まぁ、失礼いたしました」
マシュマローネはそのブーイングもどこ吹く風とふわりとお辞儀をしつつも、状況を見据えてユーベルコードを発動する。
「……使うのが酷く気が滅入りますが」
そう零す声とともに発動したのは、|十二皇の擬権能《イミテイト・トゥエルブエフェクト》。
マシュマローネの生家由来のユーベルコードは、血族の力を影として喚び出し、その|擬権能《ちから》を行使する。炎の糸が戦場を舞い踊り、視界のモリフクさまをぐるぐると縛り上げていく。
(なんだかコミカルですが、奥に控える魔王は、正真正銘の大敵、ここは何としても突破させていただきますわ!)
文字通りの毛玉の状態をなったモリフクさま達を、マシュマローネはその身に宿す闘気で吹き飛ばす。
「もきゅー?!」
一つ、また一つと、炎の糸で束ねられたモリフクさまの塊が空を舞い、砂へと還っていった。
大成功
🔵🔵🔵
葛城・時人
もふもふオブリビオンか
自分で自分が可愛いと思ってるの、ちょっとあざといけど
確かに可愛い
けど羽根つきのもふもふならウチにも可愛いのが居る
という訳で
白燐武空翔を詠唱し俺の|白燐蟲《ククルカン》召喚
|本人《オブリビオン》たちが自分は可愛いと思ってるのを
大人げなく俺のククルカンで蹂躙するよ
「さ、ククルカン。存分におやり!」
「悪いね!けど可愛がって欲しいならオブリビオンは一寸厳しいからさ」
まぁその、たまにミントとか例外も居るけどね
羽ばたきを察知したら大鎌で邪魔
そこを大きなククルカンが抑えるから結構ハタから見たら酷いかも
でも、討ち難い敵で時間を稼ごうとかの意図もあり得るし
此処はしっかり撃破を目指すよ
●
(自分で自分が可愛いと思ってるの、ちょっとあざといけど……)
もさもさと転がるモリフクさま達を見つめ、葛城・時人(光望護花・f35294)は思う。
(羽根つきのもふもふならウチにも可愛いのが居るからね)
このあざとさは確かに可愛いとは思うが、能力者として、猟兵として、研鑽を積んできた身。たまに、先の戦争の蒼狼のような例外も居るとはいえ、状況の流れを捻じ曲げる心算は無い。
何よりも、|羽毛《もふもふ》となれば時人には頼もしい相棒がいる。
「『輝けるその白き翼もて征けククルカン!』」
時人の詠唱と共に、その身の裡から|白羽の白燐蟲《ククルカン》が鳴き声をあげながら姿を現す。ユーベルコードの力で普段よりも大きな姿で現れた|白羽の白燐蟲《ククルカン》は、主の傍に寄り添い周囲のモフクリさまを見渡す。
「さ、ククルカン。存分におやり!」
「きゅいっ!」
時人の指示に|白羽の白燐蟲《ククルカン》は一声鳴くと、空へ舞う。
「|もふっ? もふふ、もふーっ!《なにっ? みんな、いくぞーっ!》」
|白羽の白燐蟲《ククルカン》が動いたことに気が付いたモリフクさま達が力を溜める為に一斉に羽ばたこうとするが、それを時人が大鎌を振るって妨害する。
「悪いね! けど可愛がって欲しいならオブリビオンは一寸厳しいからさ」
一人と一匹の連携は、着実にモリフクさまを砂へと還していった。
大成功
🔵🔵🔵
キアラ・ドルチェ
これは…なんちう、もふ力(ちから)!
母性すら感じるこのもふもふ、そりゃ卵も産めるでしょ!
そして貴方これ…埋もれるしかないでしょぉおおおおおおおお!!!!!????(ぼふっ
抱き着きます! もふります!! ふにふにします!!!
ああ…至福…え? 砂漠でもふったら暑くないか?
なんてことゆーんですかっ!?
「心頭を滅却すれば火もまた涼し」
もふもふと言う恩恵があるなら、多少暑くても全然平気ですっ!?
ちゃんと熱中症予防の補水液とタオルも用意して来ましたっ!(じゃじゃーん
…ま、もふりおわったら、ちゃんと倒しますけど(スティレットぶっすー!
今度生まれて来る時は、普通の梟さんに…(もふもふ具合反芻しつつ、鎮魂の祈り
●
(……これは)
砂漠へ降り立ったキアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)は、目の前に広がる砂色のモリフクさまに震えながら息を呑んだ。
(これは……なんちう、もふ|力《ちから》!)
しかし。息を呑んだのも、ふるふると震えているのも、怖気でも武者震いでもなく、もふもふへの誘惑のせいだった。
(母性すら感じるこのもふもふ、そりゃ卵も産めるでしょ!)
正確には卵を産んだのはモリフクさまではなくミスター・グースなのだが、もふもふに心を惹かれてしまったキアラにはそこは些細な問題のようだ。
「|……もふ。もふふもっふふ?《なあ。あれはなんなんだ?》」
「|もふ……《さあ……》」
目の前に葛藤の百面相を展開されたモフクリさま達はひそひそと鳴き交わして、どこか怪訝な表情でキアラを見つめる。
――そして。
「これ……埋もれるしかないでしょぉおおおおおおおお!!!!!????」
「もふぅぅぅぅ?!」
キアラは、モフクリさまにめがけて飛び込んでいた。手近なモフクリさまに抱きつくと、もふもふふにふにとそのもふもふ具合を堪能し始める。流石に砂漠の気候で羽毛に埋もれるのは暑いことこの上ないのだが、そこはキアラも承知の上。熱中症対策は完璧だ。
「それに、「心頭を滅却すれば火もまた涼し」って言いますから!」
「も、もふぅ……」
キアラのもふもふ愛に圧されたモフクリさまは、若干引き気味で、羽ばたくことすら忘れているものすらいる。
「……ふぅ。もふもふを堪能できたし……っと」
ひとしきりもふもふを堪能した汗をタオルでぬぐい、水分を補給した所で、キアラはスティレットを取り出すと、ユーベルコードを発動させる。
「|もっふぅー?!《ええー?!》」
キアラの容赦ないスティレットの一刺しで、モフクリさまは次々に砂へと還っていった。
大成功
🔵🔵🔵
深山・樹
妹のみつか(f37163)と
グースってがちょうのオブリビオン?
雄が卵産むのも分かんないけどとにかくやっつけなきゃ
でも「大魔王無限災群」って言い方なんかすごく好き
だけど絶対言わないよ
敵がカッコイイなんて恥ずかしいから
「僕はいつも通り斬って食べるけどみつかは…」
ってもうみつかびーむ乱れ飛んでるっ?!
前までかわいそうって言ってたのに
悪いもふもふちゃんと見分けられるようになってる
ちゃんと成長してる妹に僕が負けたら駄目駄目
「みつか!援護射撃お願い!」
『風華』とレッグギロチンでイーティングブレイドで
捕食して全力で斬り裂いていく
砂ももふもふも全部倒すよ
「良いもふもふに生まれ変わって来てね!みつか喜ぶから!」
天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!
がちょうさんの悪い事ぜったい阻止なの!
すぐに行ってすぐに討伐なの!
みつか悪者さん達よくわかるようになったから大丈夫なの!
「兄様兄様!いっくのー!」
もふもふさんが可愛いからちょっとだけ躊躇っちゃうけど
でもでも悪い事は駄目なことなの!
「悪い子はめーなの!みつかびーむなの!」
兄様にあわせて騎士さん達召喚なの!
「はいなの!騎士さん達!戦ってなのー!」
いっぱいでわーってしてほんろうしちゃうの!
騎士さん達がしっかり兄様まもるの!
わわわ、みつかもその方がうれしいの!
それならこうして倒してあげるのがとっても大事!
「なの!次はぜったい、もふもふできる子になってなのー!」
●
「グースってがちょうのオブリビオン?」
「がちょうさんの悪い事ぜったい阻止なの!」
目の前の砂色のモフクリさま達を前にしながらも、雄が卵を産む事等、知識とかけ離れた状況と情報に考えこみそうになっている深山・樹(処刑人・f37164)へ、天風・光華(木漏れ日の子・f37163)は訴えた。
その言葉に、樹は頷きつつ。
(「大魔王無限災群」って、ちょっとカッコイイかもしれない……)
敵をカッコイイと思うのはちょっと恥ずかしい。そんな風によぎる様々な思い達を心の奥にそっとしまって、気を取り直す。
「うん。よく分かんないけど、とにかくやっつけなきゃ。
僕はいつも通り斬って食べるけどみつかは……」
――いつも通り、僕の後ろから。
樹が、光華にそう言うよりも早く、光華は動き始めていた。
「兄様兄様! いっくのー!」
すちゃりと詠唱眼鏡を装備して。
「悪い子はめーなの! みつかびーむなの!」
「|もふー?! もふもふもふうー?!《なにー?! いきなりなのかー?!》」
眼鏡から幾条もの光が放たれ、モフクリさまが吹き飛ばされる。
(……って、もうみつかびーむ乱れ飛んでるっ?!)
その様子に兄が慌てている事に気付かず、光華は眼鏡から光線を飛ばす。もふもふしたモフクリさまは、確かに可愛いから、躊躇いはある。だが、これは悪いオブリビオン。悪い事は駄目な事だから、ちゃんと|叱らないと《倒さないと》いけない。
あと、大好きな兄と一緒で、ほんの少しだけ楽しくなっているのは、ナイショだ。
(ちゃんと成長してるみつかに僕が負けたら駄目駄目……!)
少し前ならこういう敵を相手にすると、かわいそうだと零していた妹が成長している様子に、樹も気を引き締めて妹が銘をくれた武器を握りなおして、前に出る。
「みつか! 援護射撃お願い!」
「はいなの! 『騎士さん達! 戦ってなのー!』」
光華の詠唱に応えて、幻影の騎士達が兄妹の前にずらりと居並ぶ。
「騎士さんたち、みんなでわーってしてほんろうしちゃって! あと、兄様をまもってあげて!」
光華の号令を受けて、騎士達は先行してモフクリさまと戦う樹を護るように、その戦い方と連携するように動きだす。
樹の刀や騎士達の剣に切り裂かれ、光華の光線に射貫かれて、モフクリさまはどんどん砂へと還っていく。
そうして見渡せる範囲が、本来の砂漠の姿を取り戻す。
「良いもふもふに生まれ変わって来てね! みつか喜ぶから!」
砂漠に向けて、樹がそう声をかける。光華はその言葉を聞いて、嬉しそうに笑みを浮かべる。
いつかモフクリさまが少し前に会ったオブリビオンみたいな存在になれたら、あの時みたいに戦わずもふもふと触れ合う時間が過ごせるかもしれないから。
「なの! 次はぜったい、もふもふできる子になってなのー!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『大魔王第二形態『レオ・レガリス』』
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POW : 巨大なるもの
【知性体を喰らいたいという渇望】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD : オールイーター
自身の身体部位ひとつを【あらゆるエネルギーを喰らう魔獣】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : 王たる脅威
【一瞬のうちに繰り出される爪の連続攻撃】を披露した指定の全対象に【攻撃のダメージに応じた大魔王への恐怖の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
イラスト:猫背
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●砂の街の灼熱魔王
「ははははは! 戦いか! 戦いだな?!」
豪快な笑い声と足音が砂漠に響く。
砂煙を撒きあげながら姿を現したのは、樹木を思わせる体躯が目をひく、巨大な異形だった。
「む。戦いの気配に胸を躍らせてくれば猟兵どもではないか!」
異形は猟兵達の姿を目に留めると、更に豪快に笑いながら周囲に響き渡る声で言う。その大音声に砂が揺れているような錯覚すら覚える。恐らくこの異形が、グリモア猟兵が告げていた魔王の複製なのだろう。
それにしても、暑苦しすぎる。
恐らくこれは、この魔王の触媒となってしまった街のあるこの場の暑さだけではなく、この魔王本人の性分もありそうだ。
「我は複製災魔、大魔王第二形態『レオ・レガリス』!
さあ、猟兵共! 何奴からでも何処からでもかかってくるがいい!」
魔王レオ・レガリスは、腕を組み、猟兵達に向かって言った。
ミュリエル・フォルクエイン
【兄さん/f00171】
連携&アドリブ歓迎
義兄と参戦
「複製と言えど脅威に違いはなさそうですね」
「はい、兄さん」
「連続攻撃が一瞬だろうと、先制さえ取れれば――」
UCで自己強化し、Lv18000相当になった先制攻撃のLv12000相当のマヒ攻撃かつ二回攻撃で動きを止め、王たる脅威の発動を阻害
「防いで見せます」
上昇した回避率や見切りも頼りにLv114000相当のオーラ防御で攻撃を防ぎ
「支援いたしますね」
弓を用いたLv36000相当の援護射撃で味方を支援
機を見て狙撃を用いた敵への妨害なども
「確かに私は没個性的なただの弓使いに過ぎませんが、一人ではありません」
「支援し、支えることで一助にはなる筈です」
フェリクス・フォルクエイン
【ミュリエル/f01452】
義妹と参戦
連携歓迎
「いずれにしてもこれ以上の勝手を許すわけにはいきませんからね。いきましょう、ミュリエル!」
「いかに驚異的な攻撃だろうと出を潰してしまえばっ!」
UCで自己強化。Lv237300相当になった先制攻撃で機先を制し、Lv11300相当のロープワークによるLv33900相当の捕縛でミュリエルのマヒ攻撃を命中させるまでの行動阻害を試み
更にLv531100相当の男の娘砲による援護射撃でも支援
「畳みかけます、エミリアっ!」
首尾よく動きを封じられればエミリアに騎乗しての突撃で傷口を抉るように二回攻撃
攻撃された場合はLv678000相当のオーラ防御を用いて防ぎます
●
「複製と言えど脅威に違いはなさそうですね」
「流石だな、猟兵!
確かにこの身は複製なれど、侮って手を抜いてくれるな!」
|異形の魔王《レオ・レガリス》と対峙したミュリエル・フォルクエイン(オラトリオのアーチャー・f01452)は、己の前に立つ兄――フェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)へと零した。
|異形の魔王《レオ・レガリス》の豪快な大音声を半ば聞き流しつつ互いに頷きあった二人は武器を構える。
「いずれにしてもこれ以上の勝手を許すわけにはいきませんからね。いきましょう、ミュリエル!」
「はい、兄さん」
二人は頷きあうと、ユーベルコードを発動させ、其々自身の強化を施す。
「猟兵であれば相手に不足無し!
女子供であろうと全力で相手をしてやろう!」
|異形の魔王《レオ・レガリス》は豪快に笑いながら、先に立つフェリクスへとその爪を振り下ろさんとする。
「連続攻撃が一瞬だろうと、先制さえ取れれば――」
「いかに驚異的な攻撃だろうと出を潰してしまえばっ!」
二人が重ね連ねるように言うと、ミュリエルが先んじて弓に矢を番え放つ。
続いてフェリクスが振り下ろされる攻撃に割り込むように、手にした|宝具のレプリカ《超男の娘砲(レプリカ)》による砲撃で攻撃に転じる。砲弾が、魔王の腕に当たり、攻撃が逸らされた。
「ぐ……ッ!」
更に、ミュリエルの矢による麻痺が|異形の魔王《レオ・レガリス》の動きを一時的に抑えつける。
それにより生まれた隙を、見逃す二人ではない。
「畳みかけます、エミリアっ!」
フェリクスは愛馬であるペガサスを呼ぶと、その背に乗る。主を背にしたペガサスは一声嘶くと空へ舞う。
「兄さん、私も支援いたしますね」
ミュリエルも自身の背の翼を広げて、義兄に続く。
ミュリエルは麻痺の効果を持つ矢を雨の如く降らし、フェリクスもまた|宝具のレプリカ《超男の娘砲(レプリカ)》から砲弾のみならず雷をも撃ち出して魔王を追い詰めんとする。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
深山・樹
妹のみつか(f37163)と
木とライオン一緒になってもあんまりかわいくない…
あと確かにすごく暑い
みつかが脱水症状なったらいやだから
いつにも増してめちゃめちゃ早く倒したいな
「みつか、びーむと騎士さんでかくらんして?」
いつもの戦法だけどできるだけみつかは危険から遠ざけたい
みつか、ああみえて割と好戦的だから
むーってしたら突っかかってっちゃう
それをさせないためには…これ
「見敵!必殺!」
暗黒処刑弾で一撃!
見敵必殺って覚えてちょっと言ってみたかったんだ
少し動けないけどその間は騎士さんたちいるから安心
「強敵だからみつかはなるべく前に出ないでね!」
敵がまだやる気なら二撃目も撃つ
あとはギロチンと風華でも戦うよ!
天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!
これでボスさんとの戦いなの!
暑いけど大丈夫なの!
おっきなライオンさん、みつかと兄様がめってしちゃうの!
ちょっとだけ怖いけど兄様がいるから怖くないの!
「悪い子はみつか達が叱ってあげるの!」
「わかったのー!騎士さん達、まもってなの!」
戦いになったら兄様をサポートするの!
いっぱいびーむしながらいっぱいの騎士さん!
ほんとはみつかもぽかぽかーってしたいけど兄様にお任せなの!
「兄様兄様、お願いしますなのー!」
兄様が動けなくなったら騎士さん達がまもるの!
みつか、ライオンさんの攻撃でも心震えたりしないの!
「ライオンさんなんて怖くないの!みつか、兄様と一緒だから!」
●
「木とライオン……一緒になってもあんまりかわいくない……」
深山・樹(処刑人・f37164)は|異形の魔王《レオ・レガリス》を見上げて思わず呟いた。
樹木と獅子、そして筋骨隆々な男性。それらが一体になったような|異形の魔王《レオ・レガリス》の姿は、未だ幼いともいえる少年には、少々――いや、大分と暑苦しいと感じられた。それは恐らく此処が砂漠地帯だからというわけでもなさそうだ。
(暑さ……みつかが脱水症状や熱中症になっちゃったらいやだな)
樹にとっては、妹――天風・光華(木漏れ日の子・f37163)が第一。できればいつも通りに、いや、いつも以上に早く倒してしまいたい。そう思いつつ、ちらりと視線をそちらへと向けてみれば。幼いながらも世界の危機に、純粋な瞳に怒りの彩を宿して|異形の魔王《レオ・レガリス》を見据えていた。
「悪い子はみつか達が叱ってあげるの!」
「はっははは! 勇敢な幼子だ! 猟兵であるのが惜しい!」
光華と魔王のやり取りに、樹は内心頭を抱えかけた。妹はその幼く愛らしい様子と裏腹に、好戦的な気配がある。妹を危険に晒したくない樹には、悩みの種の一つ。
「みつか、びーむと騎士さんでかくらんして?」
だから、樹はいち早く光華へと声をかける。
「わかったのー! 騎士さん達、まもってなの!」
兄の言葉に頷くと、光華はユーベルコードで幻影の騎士達を喚び出し、詠唱眼鏡を取り出す。本当は光華も兄と共に|魔王《悪い子》に|直接攻撃《おしおき》をしたいところではあるのだが。
「兄様兄様、お願いしますなのー!」
兄に攻撃を任せて支援役へと回る光華に、樹は少しだけ安堵する。彼にとっては、妹に何かがある事が一番困るから。その為にも、自分が前に出て攻撃を受け持つのだ。
「見敵! 必殺!」
「ぐ、あ……ッ!」
|異形の魔王《レオ・レガリス》へとかざした樹の掌から、漆黒の弾丸が飛び、その巨躯を打ち据えるが、弾丸を発射した反動と、樹のユーベルコードが持つデメリットによる減衰により、樹の身体が傾ぐが、光華の騎士達がすかさず護る為にと|異形の魔王《レオ・レガリス》と樹の間に立ちはだかる。
「ライオンさんなんて怖くないの! みつか、兄様と一緒だから!」
騎士達の向こうから光華の詠唱眼鏡が光線を放つ。
減衰状態から回復した樹も武器を手に攻撃に加わり、|異形の魔王《レオ・レガリス》の力を削いでいった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルク・フッシー
ううっ、凄く暑い、です(色々と…)
でもボク、守るために来たんです
ま、負けるもんか!
・筆の先に白い魔力を集めて待ち構える
・相手の連続攻撃を筆で受けながらも、魔法の塗料を至近距離でまき散らすカウンター戦術
・相手には炸裂した氷の魔力でダメージと凍傷を与える
・自分のいる場所が白く塗りつぶされて、雪と氷の魔力で周囲を冷やし、自らを癒す
す、凄く苦しいけど…戦わなきゃ…魔王と…猟書家と…!
●
(ううっ、凄く暑い、です)
ルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)は、目の前にした|異形の魔王《レオ・レガリス》にほんの少し狼狽える。
何しろ、暑い。
砂漠は暑いのは勿論なのだが、何より目の前の異形の言動諸々が暑苦しい。
(でもボク、守るために来たんだから……)
ルクは、手にした大きな絵筆をしっかりと握りなおして、魔王を見据える。
|異形の魔王《レオ・レガリス》はそんなルクの様子を、まるで品定めするかのように見据える。
「怖気付きながらも戦うか。ならばこちらも全力で応えねばな!」
(だからそういうのが暑苦しいんだけど……)
ルクに内心でその言動を真っ向否定されていることに気付いているのかいないのかは定かではないが、|異形の魔王《レオ・レガリス》はその手足の爪を振り上げ、ルクに向けて攻撃を仕掛けてくる。
「ま、負けるもんか!」
筆に魔力を籠めて、|異形の魔王《レオ・レガリス》へと振るうと、白い魔力が周囲に散り、白い飛沫のように周囲に舞う。魔王の爪がそれをルクごと引き裂かんとする。
「……な、んだと?!」
白い飛沫に触れた所から、|異形の魔王《レオ・レガリス》の身が凍る。白い魔力に込められたのは氷の魔力。樹木の体躯であるが故に、その魔力は魔王の身に確かな傷をつけていった。
大成功
🔵🔵🔵
マシュマローネ・アラモード
◎
あれが第二の魔王!
豪壮にして暴威の化身といったところでしょうか!
モワ、であれば、挑むべきもの!
UC、|巨躯屠る栄誉《ジャイアントキリング・アーナー》!
渇望を溢れさせるならこの一撃ですわ!
宇宙の騎士に伝承されるクエーサービーストを葬る極意!
この技は巨躯である利点をこちらに活かす技!お受けなさい!
極大のリーチと威力を遮るものの無い熱砂でふるい、推力移動で回避しつつ、|権能斥力《プリンセスエフェクト》(吹き飛ばし)で攻防一体の攻撃をしていきましょう!弱点はあの赤い宝石なら、一撃をこめて打ち砕きますわ!
これで全ての魔王と戦いましたわね!研鑽と誉れ高い戦ができましたわね!
●
「モワ! あれが第二の魔王!」
現れた|異形の魔王《レオ・レガリス》の姿に、マシュマローネ・アラモード(第十二皇女『兎の皇女』・f38748)は驚嘆の声を零した。
(豪壮にして暴威の化身といったところでしょうか)
魔王の威容を見上げ、マシュマローネは思う。
「さながら獅子に対峙する仔兎だな、猟兵よ!」
獅子の姿を併せ持つ|魔王《レオ・レガリス》と、それに対する『兎の皇女』の名を持つ|猟兵《マシュマローネ》。魔王が言うように、まさに獅子と兎。
「『強き者に挑む事も、栄誉なれば!』」
マシュマローネの声に応え、銀の月が空に現れる。それは、マシュマローネの為に輝き、戦う為の力を与える|輝ける機構の月《グレイス・フルムーン》。
「異なる世界の技か! 面白い!」
「この技は宇宙の騎士に伝承される極意!
さあ、お受けなさい!」
|巨躯屠る栄誉《ジャイアントキリング・アーナー》。宇宙の異形と戦う為に磨かれたユーべルコードは、渇望により更に巨大になる|異形の魔王《レオ・レガリス》に優位に働く。
「あの赤い宝石……弱点でしょうか。ならばっ!」
マシュマローネは呼び出した機構の月に乗ると、魔王の胸に光る宝石のような部分に向けて一撃を与える。
「この、仔兎め。賢しい事を……!」
石にヒビが入り、巨大化していた魔王の体躯が元の大きさへと戻っていく。
「クエーサービーストを葬る、星を護る為の力……存分にお受けなさいませ!」
大成功
🔵🔵🔵
葛城・時人
預かり子のキアラ(f11090)と
最初の作戦で顔見えたから声掛けたよ
こんなウザ絡み系は二人でブッ倒したい
キアラこの手の奴大嫌いなんだよね…
預かり子のコトだからその辺の機微は分かる
結構これお怒りだぞ
ならきっと俺に『やっちゃて!おじさま!』って言って来るはず
なら、トドメにふさわしい俺のUCは光蟲の槍、だね
よし、やっぱり!
キアラのアイコンタクトに頷きで応え
分身の乱撃が続く間に俺は瞳を閉じ杖底を地に置き
静かに集中
分身たちを倒した敵の油断を待って渾身の力で槍を射出
追撃に併せククルカンも更に追わせ
「その無駄な自信を、俺の光と蟲で消し去ってやる!」
必要なら武器攻撃も蟲笛からのククルカンの畳みかけも存分にだ!
キアラ・ドルチェ
時人さん(f35294)と参加
…私、ああいう暑苦しいタイプ苦手なのですが(真顔
あんまりお近づきになりたくないので、【高速詠唱】【魔力溜め】【全力魔法】【多重詠唱】で宿木剣-Celtic Mistilteinn-展開
我が分身たちよ、全方位から攻めかかりなさいっ!
「何奴からでも、何処からでもと仰るので、お言葉に甘えて♪」
まあ大魔王と名乗る以上、この攻撃も凌いで来そうですが…時人さん、相手の目がこの攻撃に向いてる内に攻めかかって下さいっ、と目で合図
「まあ再生怪人はオリジナルより弱いって、この前TVの特撮番組でも言ってましたし、ね」
さくっと倒して、ミスターナンとかも倒しに参りましょ♪
●
「……うわあ」
キアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)が、常のくるくるとよく変わる朗らかな表情と真逆の真顔で声を漏らした。戦場でその姿を見かけ同道を申し出た葛城・時人(光望護花・f35294)がその傍らで苦笑する。
(キアラ、この手の奴大嫌いなんだよね……)
今は運命の糸の悪戯もあり、時人の方が年若くすら見えてしまう事もあるが、キアラは未だ幼子で、その母――能力者の旧友から託された娘。だからこそ、その内心の機微を察してしまう。
この状態のキアラは、間違いなくお怒りモードだ。
「時人さん、私ああいう暑苦しいタイプとはお近づきになりたくないです」
キアラは時人にそう零すと、そのまま流れるようにユーベルコードを展開する。幾重にも展開されたユーベルコードにより、十字剣を手にしたキアラの分身が空を舞う。
「何奴からでも、何処からでもと仰るので、お言葉に甘えて♪」
「数で攻めるか、ちいさき猟兵よ! 策を弄する等とは言わぬ! 策もまた力よ!」
スカートの裾を摘みくるりとターンをし、キアラは分身達へ攻撃の指示をする。
この魔王を足さない限り、本来の斃すべき猟書家へは届かないのだ。だからこそ、時人は分身達とともに地を蹴ったキアラが此方へ向けて視線を向けてきた事を見逃さない。同じくキアラへ視線で応えると、銀鎖の錫杖の杖底を地に、目を閉じ力を籠める。
その間にもキアラの分身達は、空に複雑な紋様を描くように舞い、|異形の魔王《レオ・レガリス》の樹木のような身に、幾つもの傷を刻む。キアラはさながら|指揮者《マエストロ》のように杖を振るい、分身達の動きを指揮する。
「やっちゃって、おじさま!」
時人は、キアラのその声と共に、集中した力を解き放つ。
「その無駄な自信を、俺の光と蟲で消し去ってやる!」
光輝く槍と|白羽の白燐蟲《ククルカン》が、|異形の魔王《レオ・レガリス》へ向け、白い光の軌跡を描き真っ直ぐに翔け、その身を射る。描いた軌跡の光が、魔王に収束しその身を包み、さながら天地を支える柱のように天に立ち上る。
「策もまた力であれば……猟兵よ、悪くない戦いであったぞ……!」
そう言いながら、|異形の魔王《レオ・レガリス》はその身を光に灼かれながら、消えていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『猟書家『ミスター・グース』』
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POW : マキナマギカ・ジェノサイド
レベルm半径内の対象全員を、装備した【魔導蒸気機械】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
SPD : メテオシャワー・ラッシュ
レベル分の1秒で【8本の首からそれぞれ異なる属性の攻撃魔法】を発射できる。
WIZ : インフィニット・インキュベイション
【災魔の卵】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を急速に災魔化し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:カツハシ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●黒き猟書家は砂漠に啼く
光に灼き消えた魔王が居たまさにその場の砂が崩れ、黒い影が姿を現した。
「複製魔王を倒したか、猟兵……」
黒い家鴨の八つ首と魔導蒸気機械が入り混じった、異様な姿。これこそが、アルダワ世界に潜みし猟書家、ミスター・グース。
「しかし、お前達が倒した魔王は、我々が生み出した7104個の卵のうちの一つ……」
猟兵達が反論を返そうとするのを、八つ首の一つを振って制すると、別の首が更に語る。
「ああ、お前達とて数多に分れ、複製魔王を倒している。それは承知の上だ」
黒い猟書家は魔導蒸気機械の腕を翼代わりに広げる。
「さあ、猟兵達。|大魔王無限災群《ウームー・インフィニット・ホード》を遮り、世界を護れるか」
家鴨らしからぬ牙持つ嘴と魔導蒸気機械の蒸気が、猟兵達へと向けられた。
ルク・フッシー
こ、これがミスター・グース!災魔の卵を産む能力以上に、彼自身の魔力が凄まじい!
それでも彼を止めないと、取り返しがつかない事になります!できることをしないと…
全力の先を引き出すしかない!うおおおーーーっ!
真紅の翼で空を駆け、敵が生み出す災魔の卵に突撃!ゼロ距離から魔法の塗料を浴びせ、卵をただの塊に塗り替えます。これで落下しても何も起こらなくなります
このまま追撃!今度はミスター・グースに突撃!絵筆で打ち据え、そのままゼロ距離塗料で連撃です!
これほどの魔法を連発したことで、体が悲鳴をあげてるけど…どんな事があっても、人々のために命をかけて戦います
…そういう運命なんです。きっと、学園に入った時から…
●
(災魔の卵を産む能力以上に、彼自身の魔力が凄まじい!)
姿を現した猟書家に、ルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)は怯みそうになる自分を叱咤するように武器を握り締めた。
888日の雌伏の時を経て力を得た猟書家を、今此処で阻止しなければ、その影響は生まれ育ったこの世界だけでは済まない可能性すらある。
(取り返しがつかないことになる前に、できることをしないと……)
俯き気味だったルクが、顔を上げて黒鳥を見据える。
「例えどのような姿、気性であろうと第六の猟兵。この世界を護るというなら抗ってみるがいい」
黒鳥の首の一つがルクに向けて言い放つと、その他の首が喧しく啼き声をあげた。
「(ボクにできること……全力の先を引き出すしかない!)
―――!」
その啼き声に対抗するように、ルクも音にならない声をあげる。その声と共に、ルクの背に深紅の竜翼が拡がった。
「うおおおーーーっ!」
雄叫びをあげながら地を蹴り竜翼を羽ばたかせて空を駆ける。対する黒鳥も攻撃を甘んじて受けるわけではなく、己の生み出した災魔の卵を咥えた首の一つが、ルクへと卵を投げつけんとする。
ルクは迫る卵に向けて真っ直ぐ飛ぶと、至近でその手の大きな絵筆を振るう。その魔力を帯びた塗料を浴びた災魔の卵は砂の塊へと塗り替えられ、砂漠の砂と混じりあう。
「グェッ! だが卵を一つ潰されただけだ!」
そのまま黒鳥へと肉薄したルクは、その絵筆で打ち据える。
しかし、ルクのその身は無理矢理姿を真の姿に近しいものへと転じた為、悲鳴をあげていた。
(……どんなことがあっても、人々のために命をかけて戦います。
……そういう運命なんです。きっと、学園に入った時から……)
大成功
🔵🔵🔵
天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!
たくさんのなかの一つでも意味はあるの!
全部全部みつかと兄様と、猟兵さんたちが!
「しっかりばっちりたおしちゃうんだからなの!」
「兄様!みつかも戦うの!」
きっと兄様はまた支援してって言うの!
でも猟書家さん相手はダメなの
守ってもらってばっかりじゃダメなの
「みつかも、兄様と戦うの!」
兄様のことを想ったら騎士さんたちが力を貸してくれるの!
猟書家さんの攻撃は騎士さん達が受け止めてくれて
そしたら兄様が動きを止めてくれるから
みつかは剣で切り付けるの!
剣のふり方はいつも兄様と騎士さんたちでみてるの
だからしっかり、迷わないで切り飛ばすの!
「ぜったい、倒すんだから!」
深山・樹
妹のみつか(f37163)と
…普通に気持ち悪い
ヤマタノオロチだっけ神話に似てるけど
ガチョウなのになんでってフリーズしちゃった
でもその間にみつかが仁王立ち
いつもまっすぐで強敵でも気持ち悪いのでも
絶対引かない僕の強い可愛い妹
兄の僕が負けてられない!
けどこれは…どうしよう
八首が別々に来ると騎士さん何人いても…そうだ!
「みつか」
横に立って
「僕が動き止める!みつかは騎士さんとちょんぱしてっ!」
UCでうねうね首をフリーズさせる!
何いわれても聞く耳なんて持たないよ!
「何千個あっても壊すし首何本あっても」
僕とみつかが倒すから!
動き始めたらすぐ止めるし僕も風華で斬りつける
「ぜんぶ落ちたら…生きてられないよね!」
●
……普通に気持ち悪い。
それが、深山・樹(処刑人・f37164)が黒い八つ首と魔導蒸気機械の身体の猟書家に抱いた第一印象だった。
通う学園の図書室か何処かで読んだ神話の本で見た生き物に似ているような気もする。そちらは蛇だったが、此方は。どう考えても、ひどいとしか形容が出来ないその姿に思わず思考が停止した樹を引き戻したのは、大切な妹――天風・光華(木漏れ日の子・f37163)の声。
「たくさんのなかの一つでも意味はあるの!」
小さな身体で、兄の前に立つ光華。その身体は、己の目の前に立つモノへの恐怖よりも。
「全部全部みつかと兄様と、猟兵さんたちが!
しっかりばっちりたおしちゃうんだからなの!」
兄と、この地で、もしくは此処ではない他の場所で戦う猟兵達が必ず脅威を倒すのだという揺るがない信頼が、支えていた。
その真っ直ぐな勁さに、樹は少しだけ眩しそうにその背を見つめる。そんな大切な妹が、自分よりも前に出て、戦おうをしている。
(――兄の僕が負けてられない!)
樹も共に、負けるものかと猟書家を睨みつけると、いつものように前に出ようとした。その樹を留めようとするのは、光華。
「兄様! みつかも戦うの!」
普段は兄に護られながら、支援に回る事の多い光華。猟兵として、何よりも|猟書家《強敵》と戦うにあたって、それだけではいけないと幼いながらも気付いていた。だから、もう一度、兄に向けて言う。
「みつかも、兄様と戦うの!」
その言葉と、秘められた想いに、樹も納得せざるを得なかった。ならば、どうすれば最適なのかと樹は考えを巡らせる。妹が喚び出す幻影の騎士達は数こそ多いが、その特性上撃たれ弱いのだ。八つ首の対処を任せるとしても限度はあるだろう。それならば。
「みつか」
妹に並ぶように立ち、樹は妹に声を掛ける。
「僕が動き止める! みつかは騎士さんとちょんぱしてっ!」
「兄様、わかったの! 『騎士さん達! 力を貸してなの!』」
光華の詠唱と共に、幻影の騎士達が姿を現す。光華が平素に喚ぶ騎士達が異なっているのは、その鎧に重なるようにオーラが立ち上っている事。
「簡単に俺達を倒せると思うな、猟兵……!」
魔導蒸気機械から蒸気が噴出し、二人に牙を向く。
「何いわれても聞く耳なんて持たないよ!」
樹がその声と共に黒鳥へ向けて糸のような鎖を縦横に放つ。それは、樹のユーベルコード――絡糸の縛鎖。鎖は得物を捉えた蜘蛛糸の如く、黒鳥を捉えてその力を奪い取る。
「ガ……ァッ!」
身を縛られた黒鳥を、兄妹の剣と幻影の騎士達の攻撃が襲い、その力を削ぎ落していった。
「何千個あっても壊すし首何本あっても。僕とみつかが倒すから!」
「ぜったい、倒すんだから!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
キアラ・ドルチェ
師父たる時人さん(f35294)と
鴨はネギしょって鍋になるか、丸々太ってフォアグラになるものでしょ!
それなのに! 美味しくなさそうな姿して!?
そもそもミスター・グースって名前自体がマザー・グースのパチモノぽいです!
ださ! ちょーださ!! あっかんべー(時人さんの後ろから舌だし挑発
時人さんの攻撃に合わせて、【全力魔法】【高速詠唱】【魔力溜め】【多重詠唱】で森王の槍展開!
頭といい身体といい機械といい、全て早贄状態の串刺しにしてやりますっ
これで倒せればいいんですが…「例え倒せなくても、どこまでも貴方を追い詰め、野望を絶ち、世界に平穏をもたらしてみせる…それこそが銀の誓い抱く生命使いの使命なればっ!」
葛城・時人
緑の森の預かり子キアラ(f11090)と
この形はなんかすごいね
八岐大蛇のカリカチュアっていうのかな
いや、彼らが俺達の世界の神話知る訳ないか
この状況下でも呑まれず自分を保って
相対するキアラ、流石だね
俺も負けてらんないなあ
「何個、たとえ何処へ卵をどんだけバラ撒いても」
キアラを背の後ろにし、大鎌を構えて
「俺たち猟兵が全部割るさ」
言い置いて即時UC白燐剣光大神楽詠唱
念の為高速・多重詠唱で重ね掛けし
逃れ得る頭が絶対出ないように念入りに
キアラの攻撃に併せて大鎌でも攻撃を
「他所の世界までブッ壊そうなんて傲慢、絶対許さない!」
どんな世界も破滅なんてさせない
俺の|存在意義《レゾンデートル》はそこにあるからね!
●
「鴨はネギしょって鍋になるか、丸々太ってフォアグラになるものでしょ!」
黒鳥の猟書家と顔合わせたキアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)が、開口一番にそう言い放った。正直に言えば、鍋にするにもフォアグラにするにしても、美味しくなりそうにない姿であることについても物を申したいところである。
そんな預かり子の姿に、葛城・時人(光望護花・f35294)は素直に関心していた。どんな状況でも常と変わらず、状況や敵に呑まれることなく居られるというのは、特に戦いの最中であれば稀有な才だと、時人は思う。
(俺も負けてらんないなあ)
師父としては、例え猟兵としては幾許かキアラの方が先達であっても、矢張りそう思わざるを得ない。そう思いながら黒鳥に目を向ける。その姿は自身の生まれ育った世界の神代の蛇怪を思い出させる。その存在を知っていて、八つ首の姿を得た訳ではないだろうとは思うのだが。
「そもそもミスター・グースって名前自体がマザー・グースのパチモノぽいです!
ださ! ちょーださ!!」
「猟兵ども……」
時人が思いを巡らす間にもキアラの容赦ない口撃が続く。いつの間にかキアラは盾にするかのように時人の背中に回り込んでおり、そこから下を出して挑発までしているため、八つ首の一つが、蒸気と共に唾液を滴らせ見据える射程には、時人も含まれていた。
「俺も同意見……とは言ってないんだけどね」
敵意に染まり切った猟書家に向けて、時人はやや困ったような苦笑を浮かべる。
「何個、たとえ何処へ卵をどんだけバラ撒いても」
自らもキアラの盾とならんと、手にした大鎌を構える。
「俺たち猟兵が全部割るさ」
「その大言、後悔するがいい……!」
その目に怒りを宿した八つ首が一斉に二人に向けられた。しかし、異形に見据えられた程度で止まる二人ではない。
「『穿ち、奪い、縫い留めろ! ククルカン!』」
「『森のディアナよ、汝が慈悲もて我に想い貫く槍を賜らん。万物よ自然に還れ!』」
二人のユーベルコードの発動詠唱が重なり響く。
時人の|白羽の白燐蟲《ククルカン》が眩い光を放つ剣となり、黒鳥の視界を白く灼く。そうして災魔の卵を咥えたまま動きを留められた黒鳥をキアラが喚び出した植物の槍が、八つ首其々を縫い留める。
「ガ……ァ……俺達は、他の奴らとは……ち……が……」
射貫かれながらも未だ消滅には至らない黒鳥を更に喚び出された植物の槍と、光剣と大鎌の舞が襲い、生命使いでもある猟兵達の、世界を護らんとする意思が、猟書家の思惑を凌駕した。
「これで倒せればいいんですが……」
「どんな世界も破滅なんてさせない。
それが俺の……俺達の、|存在意義《レゾンデートル》だからね」
砂に紛れるように消えていく猟書家の姿を見つめてキアラが呟く傍らで、時人が光剣から常の姿に戻った|白羽の白燐蟲《ククルカン》を労うように触れながら言う。
「そうですねっ。
時人さん、今日の晩御飯はお鍋がいいです。鴨鍋!」
先程散々口撃したせいか、キアラの口はすっかり鴨鍋になってしまったようだ。預かり子の希望なら、応えて今日の|花園《寮》の夕食は少し季節外れかもしれないけど鴨鍋にしようか……等と思いながら、時人は無邪気に見上げるキアラに苦笑した。
大成功
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