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打倒!邪神中華料理!

#UDCアース #UDCダイナー

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「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「UDCを食材として提供し、客をUDC化させている料理店の営業が確認されました」
 世界各地で古来より連綿と語り継がれる噂話あるいは都市伝説として、「怪物の肉は得も言われぬ美味を誇り、食した者に不老長寿を齎す」というものがある。日本なら人魚の肉などが有名な話だが、真偽のほどは定かではない。しかし厳然たる事実として、「UDC怪物を料理して食べさせる店」は実在したのだ。

「予知で見つかったのは、とある中華街で密かに営業されている中華料理店です」
 四本脚のものは机と椅子以外なんでも食べる、などと冗談で言われることもあるが、この店で出される料理の肉は牛でも豚でも鶏でもない。野菜その他についても同様。名状しがたいUDC怪物を謎のルートで「食材」として調達し、それを調理して客に提供しているのだ。
「これを提供する料理人、店員、そして常連客は、UDCを日常的に食することで既に邪神の信奉者……人ならざるものに変貌してしまっています」
 食べた者を怪物に変える料理など、まさに邪神のグルメとしか言いようがない。なんの目的でこんな真似をしているのかは分からないが、このまま営業が続けば新たな犠牲者は増える一方だ。一刻も早く、この恐ろしいUDC中華料理店に引導を渡さなければ。

「この店は完全予約制で席を取るだけでも正気を削るほど大変なうえ、ものによっては1食100万円を超える高額な代金を要求されるようですが……その辺りの手続きや費用はUDC組織の皆さんが負担してくれました」
 正直頭が上がりません、と言いつつリミティアは人数分のディナーチケットを猟兵達に手渡す。まずは客として問題の店に潜入し、全ての元凶である「シェフ」に接触する作戦だ。このシェフは人前に直接姿を現す機会がほとんどなく、唯一の例外が「客が料理を完食した後」だという。
「つまり、皆様には問題となっているUDC料理を実際に食べていただくことになります。猟兵が食べても怪物にはなりませんのでご安心下さい。むしろ一口食べるだけでも虫歯が治ったり肌が若返ったりと、様々な健康効果を得られるようです」
 それはそれで怖い気もするが、ともかく猟兵なら無害なのは確からしい。どうしても食べたくないという場合は、シェフや店員に気付かれないようこっそりと処分する必要があるだろう。とにかく「完食」したように見せかけなければ、シェフは厨房から出てこない。

「予約を担当したUDC職員からの報告によりますと、この店のシェフはかつて殉職したはずのUDCエージェント『何・華菓』に似ているそうです」
 生前の彼女は正義感にあふれる優れた仙術士だったが、オブリビオン化した後は邪神に魂を縛られ、忠実な僕と化してしまった模様。シェフとして中華料理店を開いているのも、新たな邪神の走狗を増やすための陰謀なのかもしれない。
「自分のUDC料理には自信があるのか、完食すれば上機嫌で出てくると思いますが……皆様が怪物化しないのが分かれば、正体に気付いて襲い掛かってきます」
 このタイミングが猟兵達にとっても、シェフを討伐する最大のチャンスだ。様々な仙術を操る華菓は強敵だが、この店でUDC料理が作れる者は彼女しかいない。彼女がいなくなればこの中華料理店は運営不可能となるはずだ。

「華菓を撃破した後は、残されているレシピや顧客名簿等を回収して、この店を完全に滅却して下さい」
 店の秘密を漏れることを恐れるスタッフや常連客などが、UDC怪物に変身して襲ってくることも考えられるが、シェフの華菓に比べれば大した脅威ではない。むしろ外部に被害を広げないためにも、ここで一人残らず殲滅しておいたほうが良いだろう。

「料理を使って人を怪物に変える……おぞましい所業を止めるために、皆様の力をお貸しください」
 説明を終えたリミティアは手のひらの上にグリモアを浮かべ、UDCアースの中華料理店に猟兵達を送り出す。
 そこで提供されているのは怪物を用いた異形の料理。恐るべき邪神のグルメが一同の来店を待っている――。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回のシナリオはUDCアースにて、UDC怪物を食材にした料理を提供するレストランの活動を阻止する依頼です。

 1章は問題の中華料理店に客として潜入します。
 UDCが食材として使われた料理全てを完食しなければ、店に潜むオブリビオンを引きずり出すことはできません。
 一応中華料理の体裁は取っているものの、見た目からして不気味で危険そうな料理ばかりですが、猟兵が食べても悪影響はありません(むしろ健康になります)。腹を括って食べるか、バレないようこっそり処分するかは各自の行動にお任せします。

 2章は厨房から出てきたシェフの『何・華菓』とのボス戦です。
 生前はUDC組織に所属する仙術士でしたが、現在は完全に邪神の手先と化しています。自分の作った料理には自信があるようなので、その辺りを利用すれば動揺を誘うこともできるかもしれません。彼女がこの店で唯一、UDC料理を作れる料理人です。

 3章は残されたスタッフや怪物化した常連客との集団戦になります。
 もともとは不老長寿の噂に引かれてやって来た強欲な者達で、UDC料理の食べ過ぎでもう後戻りのできない状態まで来てしまっています。情けは無用ですので全員始末してください。
 シェフと関係者を撃破し、残されたレシピや顧客名簿なども回収すれば、この邪神中華料理店は二度と開業できません。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『UDCダイナー潜入』

POW   :    気合いで全部の料理を食べる

SPD   :    他の客や店員にバレないよう、食べているふりをしながら料理を始末する

WIZ   :    万一に備え、薬や魔術でUDC食材の危険に対策しておく

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レン・トリチルヒスト
【Pow】

俺らキツネって雑食性なわけ。
つまり割となんでも食う。
ましてや俺、ちょっと特殊な肉を拝借してたこともあったからさァ……

とりあえず食ってみたいとは思ってもトーゼンな気しねぇ?(全ての雑食性生物に無意識に喧嘩を売りながら店に入るキツネ

異世界だから誰にはばかることなく肉食できるしな。むしろラッキーって感じで店に堂々と入ってくぜ
頼むのはそれはもう肉料理全般。
オススメがあったらそれも食べるわ。
その方がシェフの好感度も上がるって有利になったりすんじゃね? わかんねーけど。

ターゲットを油断させるのも暗殺者だからな。
まー俺は純粋に肉に興味あって引き受けただけだけど。



「俺らキツネって雑食性なわけ。つまり割となんでも食う」
 今回の依頼を引き受けた時、レン・トリチルヒスト(裂き狐・f40054)はそう語っていた。彼の故郷である獣人戦線では肉食獣人と草食獣人が共存するために肉食が禁止され、植物由来の|糧食《レーション》であらゆる料理を再現する技術が発達している。だがそれは、別に「肉を食えない」という訳ではないのだ。
「ましてや俺、ちょっと特殊な肉を拝借してたこともあったからさァ……」
 己の手で死にかけのオブリビオンをバラしている内に、彼は気付けばいつの間にか弱肉強食衝動に目覚めていた。
 無論、故郷ではこんな発言を人前ではひけらかさないだろう。それくらいの分別は持ち合わせている。だが異世界なら誰にはばかることなく肉食への衝動を満たすことができるわけだ。

「とりあえず食ってみたいとは思ってもトーゼンな気しねぇ?」
 全ての雑食性生物に無意識に喧嘩を売りつつ、レンはむしろラッキーといった態度で堂々と問題の料理店に入る。
 店構えや内装はきちんとした中華料理店らしい感じで、スタッフの対応にもおかしな点はない。空いている席に案内されメニュー表を渡される、ここまではごく普通の外食だ。
「えーっと、まずは餃子にシュウマイを1セットずつ」
 頼むのはもちろん肉料理全般。いったい何の肉が使われているのか分かったものではないが、躊躇はまるでない。
 故郷で「つまみ食い」する時に比べたら、ここの肉はきちんと下処理も調理もされてる訳で。むしろ安全じゃね、というのが彼の率直な感想だった。

「あとはオススメとかあったりする?」
「本日はいい肝が入っておりまして、レバニラ炒めがお勧めでございます」
「じゃあ、それも食べるわ」
 どうせならオススメの品を頼んだほうがシェフの好感度も上がり、後々有利になったりするんじゃないかと考えたレン。効果のほどは分からないが、全ての注文を聞き終えたスタッフは「かしこまりました」と一礼して厨房に去っていった。
(ターゲットを油断させるのも暗殺者だからな)
 軍令暗殺者として軍の仕事を引き受けるうちに、こうした手練手管は自然と覚えるようになった。まあ、彼の軍務態度はお世辞にも真面目とは言えず、訓練もサボりがちなのだが――才能があった、と言うべきなのかもしれない。

(まー俺は純粋に肉に興味あって引き受けただけだけど)
 楽しみな気持ちを抑えきれずに待っていると、厨房のほうから美味そうな匂いが漂ってくる。本物の肉が焼ける匂いなど、故郷ではめったに嗅ぐことができない。どんなに再現度の高い|糧食《レーション》でも、やはり「ホンモノ」との違いは明らかだ。レンのような衝動を秘める者にとっては。
「ご注文の品をお持ちしました」
「おっ、待ってました」
 やがてスタッフの手で運ばれてきた料理は、一応中華料理の体をなしてはいるが、本物の中華を知る者からすれば異様な品ばかりだった。餃子やシュウマイの皮から牛や豚ではない肉の色が透けていたり、レバニラのレバーから血が滴っていたり――だが、それも彼にとっては些細な事と言えた。

「そんじゃ、いただきますか……おおっ、美味え」
 いざ口に放り込んでみればゲテモノな見た目に反して味はどれも絶品。噛むたびに溢れる肉汁がレンの喉を潤す。
 シェフの思惑はどうあれ仕事に手は抜いていないようだ。身体の奥からぽかぽかと気力が湧いてくる気さえする。
 UDC怪物の肉とはいえ、待望の肉を思う存分食べられるこの機会。腹いっぱいになるまで味わい尽くすつもりで、彼はすぐに「おかわり」の手を上げた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花咲・月華
ここが噂の料理店ね!
『…なるほど』

料理店に来訪した私と朱雀
店員に案内されて席に着く

さあ!食べるわよ!
かなり不気味な料理が並んだ
UC発動して鬼の姫に変身して根源破壊してUDC料理のオブリビオン化の根源を破壊しているので食べても大丈夫よ


『まあ…念のためだ』
朱雀が先に料理を食べた
『う…意外と旨いな』
朱雀は料理を丁寧に食べ始めた

よ〜しいただきます!
といってもテーブルマナーは城で沢山学んだからとても丁寧な作法で食べた

『しかも力が湧いてくるぞ…』
朱雀は焔が前より激しく燃え上がっている

うおォォォォォォォォ!旨いわあぁぁぁぁ!と心に思いながら
私は料理を食べた

でも…食べた人を怪物にするなんて料理長は許せないわ!



「ここが噂の料理店ね!」
『……なるほど』
 UDC怪物を調理して客に提供しているという、件の中華料理店に来訪した花咲・月華(『野望』を抱く?花咲の鬼姫・f39328)とその従者・朱雀。見たところ店構えに不審な点はないが、仮にも普通の店舗として営業しているのなら当然か。その裏側にはどれだけ深い闇が隠れているのか想像もつかないが。
「ご予約の方ですね。お待ちしておりました」
 店内に入るとすぐにスタッフがやって来て、空いている席まで案内される。そして渡されたメニュー表は、やはり一般的な中華料理。だがここに客として来る人間ならみんな知っている。この料理に使われている食材が牛や豚などではないことを。

「さあ! 食べるわよ!」
 月華はまったく躊躇せずに気になったメニューを片端から注文していく。ほどなくして食卓の上にはかなり不気味な料理の数々が並ぶことになった。肉が肉の色をしていなかったり、怪しげな煙が漂っていたり、ゲテモノ料理と呼ぶにも限度がある代物ばかりだ。
「オブリビオン化の根源を破壊するから食べても大丈夫よ」
 猟兵とは言えコレを食べるのに不安を感じない理由として、彼女はこの店に入る前から【花咲流奥義・桜花仙扇】を発動して鬼姫の力を解放している。箸や匙を使って料理に触れると、そこから流れ込んだ鬼の力がUDC料理の持つ「食べたらUDCになる」という因果を破壊し、見た目は何も変わらないまま無害な料理に変えてしまった。

『まあ……念のためだ』
 それでも万が一という事を考えて、まずは朱雀が毒見役として料理を食べる。こんな肉は幽世にいた頃も食べたことは無かったが――意を決して口に放り込むと、柔らかな食感と芳醇な肉汁の旨味が、程よい香辛料の香りと一緒に広がった。
『う……意外と旨いな』
 どうしてこんなモノを作ろうと思ったのか、動機についてはまったく理解ができないが、少なくとも料理人の腕は確からしい。いかにもゲテモノらしい味を想像していたところに意表を突かれたのもあって、彼は残りの料理を丁寧に食べ始めた。

「よ~しいただきます!」
 食べても危険がないのが証明されると、月華もウキウキしながら料理に箸をつける。とはいえテーブルマナーについては故郷の城にいた頃に沢山学んでいるため、はしゃいで無作法になることはなく、とても丁寧な作法で食べる。
「おいしい!」
『しかも力が湧いてくるぞ……』
 肉料理以外もきちんと美味なうえに、猟兵が食べる場合はUDCの不可思議なパワーを良い面だけ受け取れるのか、一品ごとに健康的になっていく感覚がある。朱雀の体からは入店する前よりも激しく焔が燃え盛っており、かなり調子が良いのがわかった。

(うおォォォォォォォォ! 旨いわあぁぁぁぁ!)
 同じ効能は月華の身体にも現れているようだ。行儀が悪いので口には出さなかったものの、心の中で叫びながら夢中で料理を食べる。いくらオブリビオンが作ったUDC料理とはいえ、美味しいものは素直に美味しいと認められる所は彼女の美点だろう。
(でも……食べた人を怪物にするなんて料理長は許せないわ!)
 かと言ってオブリビオンの悪巧みを許すつもりはなく、元凶のシェフを表に引っ張り出すために、彼女達は料理の完食を目指す。美味しい料理の分の「お礼」は後ほどきっちりと、彼奴の身に思い知らせてやることにしよう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
全部味わって食べるぞ

…ちゃんと料理されているのならば、それでいい
が、そうでないのならば、それは許してはいけない蛮行なのだよ

俺も酒場をやっている上に、オブリビオンを食材として提供している料理人の端くれ
美味くて安くて素晴らしい料理を提供しているのならば、否定はしない
だからこそ、見極めねばならない

食とは、万物すべての生命体が行う生命活動の根幹であり、その味付けは、文明を築き上げてきた歴史そのものなのだ
それを蔑ろにしているのであれば、料理人だけでなく、食材に、それに携わったすべてを侮辱する事、なのだよ

出されたものは、総て、平らげる
それが、オブリ飯というジャンルを形成してきた料理人の矜持なのだよ



「……ちゃんと料理されているのならば、それでいい。が、そうでないのならば、それは許してはいけない蛮行なのだよ」
 そう言って件の中華料理店を訪れた備傘・剱(|絶路《ゼロ》・f01759)の表情は、猟兵である以前に1人の料理人の顔をしていた。ここではUDCを調理して客に喰わせているというが、それだけなら彼にこの店を否定するつもりは無い。
「俺も酒場をやっている上に、オブリビオンを食材として提供している料理人の端くれ。美味くて安くて素晴らしい料理を提供しているのならば、否定はしない」
 だからこそ、見極めねばならない――この店の真実を、自分の目と舌で。これから銃弾飛び交う戦場にでも赴くような気迫で、剱は店内に足を踏み入れる。どんなに外観や内装を取り繕っても、ひとつでも怪しいところがあれば、彼は決して見逃さないだろう。

「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」
 店内で働いているスタッフの対応、案内に特に問題はなく。渡されたメニューも「読む限り」は普通の中華料理。
 席についた剱は無言で適当なものを2、3品指さして注文し、あとは料理が来るまでじっと待つ。その態度は頑固な食通にも似ていた。
(食とは、万物すべての生命体が行う生命活動の根幹であり、その味付けは、文明を築き上げてきた歴史そのものなのだ)
 どんな国や世界にも、それぞれの風土や歴史に基づいた料理があり、その中には当然オブリビオンを使った料理もある。それら全てに共通しているのは「食べる」という行為に対する喜びと感謝。食材と料理人、そして食べる者への敬意なくして食文化の発展はありえないのだ。

(それを蔑ろにしているのであれば、料理人だけでなく、食材に、それに携わったすべてを侮辱する事、なのだよ)
 果たしてこの店のシェフはどう考えているのか。テーブルに並べられた料理を前に、剱はいよいよ実食へと至る。
 見た目はいわゆるゲテモノ料理の類だが、それについてはひとまず置いておき。丁寧な所作で一皿目を口に運ぶ。
(……味は悪くない。しかし……)
 手間暇をかけて調理しているのはすぐに分かった。客引きのために適当に怪物を切って焼いたのではなく、きちんと「料理」としての体裁を成している。だが、それでも料理人としての剱は違和感を覚えずにはいられなかった――この料理には"何か"が欠けているような気がしてならない。

(俺が猟兵ではなく、普通の客だったとしたら……)
 おそらく常人はこの異常な美味で正気を失い、また食えば不老長寿になれるという噂に惑わされ、何度でもこの料理を口にするのだろう。その果てにあるのが自身がバケモノになる末路だとも知らずに。断じてこれは「客のため」を考えたものでもなく、より良い食を探究した結果でもなく、邪神の陰謀の道具に過ぎないと分かる。
「やはり、放置してはおけない」
 はっきりとその確信を得た剱は、しかしそこで食事を中断する事はなかった。猟兵なら食べても実害はないのもあるが、それ以前に注文した料理を残すような真似は彼のプライドが許さない。それこそまさに料理への冒涜だろう。

(出されたものは、総て、平らげる。それが、オブリ飯というジャンルを形成してきた料理人の矜持なのだよ)
 一品一品、丁寧に、余さずに。きっちりと味わいながら最後まで完食する剱は、まさしく料理人の鑑であった。
 果たして、これを作ったシェフと相見えた時、彼の口からどんな感想が飛び出すのか、それは誰にも分からない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

一郷・亞衿
UDC怪物の屍肉を使った料理、ねえ。
まあ……うん、抵抗はあるよな。

いや、あたしの場合はさ?
何が問題かって言うと、人前でマスクを外さなきゃいけない、ってのがアレで。
こう、あたし呪われててさあ……拘束具みたいなモンなんだよね|コレ《・・》。下手に外すと逆に目立つ破目に陥りそうなんだよ。

ま、打つ手はあるか。
『|呪怨《ザ・グラッジ》』で妖怪・二口女の姿に密かに変身、後頭部の口で件の料理を丸呑みにする。そういう方針でいこう。

目立ちづらい席に座りたい所だけど……贅沢は言ってらんないかも。
遠くで大きな物音が鳴るよう何か仕込んでおくとか、そういう〈フェイント〉じみたミスディレクションかまして対応したい所だね。



「UDC怪物の屍肉を使った料理、ねえ。まあ……うん、抵抗はあるよな」
 一般的な感性に従えばそうなのだろうと一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)は思う。いや、彼女もまったく抵抗がないという訳ではない。ただ「UDC怪物を食べる」という以前に「外食」という行為について、ひとつのハードルがあるだけで。
「いや、あたしの場合はさ? 何が問題かって言うと、人前でマスクを外さなきゃいけない、ってのがアレで。こう、あたし呪われててさあ……拘束具みたいなモンなんだよねコレ……」
 事情を説明する時も、彼女はそう言ってマスクを決して外さなかった。予約制のアングラな料理店とはいえ、店にいる人間全てが「こっち側」という保証もない。元凶のシェフが出てくるまでは騒ぎになりたくないが、下手に店内でマスクを外すと逆に目立つ破目に陥りそうだ。

「ま、打つ手はあるか」
 マスクを外さずに飯を食う、そういう手段が無いわけでもない。最終的にはなるようになれの気持ちで亞衿は噂の中華料理店に入ってみる。店内には自分と同じ猟兵の他に常連らしき客の姿もあり、なかなか繁盛しているようだ。
(目立ちづらい席に座りたい所だけど……贅沢は言ってらんないかも)
 そんなことを考えながら入り口に立っていると、すぐにスタッフがやって来て「ご予約の方ですね。ようこそいらっしゃいました」と一礼する。その店員は彼女がマスクを外さないのを見ても表情ひとつ動かさず、逆に何かを察したようで話しかけてきた。

「奥に仕切りのある席がございますので、もし、そちらの方が宜しければご案内できますが」
「ああ、じゃあそっちで」
 あまり他人に顔を見られたくないのかと思われたらしい。この辺りの配慮ができるのは流石高級店と言うべきか。
 ともあれ希望通りの席に座れた亞衿は、メニュー表から適当な料理をいくつか注文する。ほどなくしてテーブルに並んだ品は、予想通りゲテモノだったがそれは良い。
「さて、いただきますか」
 彼女は密かに【呪怨】を発動し、後頭部にもう1つの口がある妖怪・二口女の姿に変身する。これならマスクを外さなくても食事ができるという訳だ。流石に、食べている瞬間を目撃されてしまうとビックリされるだろうが――。

「……あら?」
 近くにいたスタッフが、別の所からしたカタンという音に反応して移動する。案内の途中に亞衿が仕掛けておいたギミックだ。ちょっと大きな音が鳴るくらいで害はないが、周囲の気を逸らすミスディレクションとしては有効だ。
(今のうちに……)
 この隙に亞衿は後頭部の口を開き、料理をさっと丸呑みにする。大食らいで知られる妖怪の伝承を具現化しただけあって見事な食べっぷりだ。このユーベルコードは制御が困難で寿命を削るので、さっさと食べきってしまいたい。
 中華街にある立派な料理店の奥で、密かに飯をかっ食らう日本妖怪。その正体は誰も知らない――今はまだ誰も。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白・夜鈴
いただきます。
うーん、美味しいねぇ。今まで食べて来たUDCと段違いだよ。
ビジュアルはまだアレだけど、UDCの生食してた身からすると全然マシなほうだね。
とりあえずこの後に備えてしっかり食べておこうね。

UC【邪食】使用
力を貯めておく

……やっぱり美味しいしレシピ持ち帰りたいな、これ。

※アレンジ・連携歓迎



「へえ、なるほど、これが噂の」
 怪物の肉を調理して客に食わすという、問題の中華料理店にやって来た白・夜鈴(塗りつぶした夜・f38830)。果たしてどんなモノかと注文してみれば、目の前に並んだのは中華の体裁を取りつつも一目で奇怪と分かる品ばかり。しかし彼女はそれで引くどころか、逆にうっすらと笑みを浮かべていた。
「いただきます」
 気品のある所作で食器を操り、気になった肉料理からまずは一口。滑らかな舌触りと芳醇な香り、程よい香辛料の刺激に加えて肉の旨味が口の中に広がる。ただ単にUDC怪物を煮たり焼いたりしただけではなく、きちんと「料理」として成立する出来になっている。

「うーん、美味しいねぇ。今まで食べて来たUDCと段違いだよ」
 この感想は店に合わせた世辞などではない。実際に夜鈴はUDCを――邪神の肉を食って今日まで生きてきたのだ。
 彼女は邪神の噂から生まれた新しい世代の妖怪。妖怪は人間の感情を食糧にして生きるが、この世界の人間はもう妖怪の姿を見ることができない。だから代わりに邪神を喰わないと生きていけなかったのだ。
(ビジュアルはまだアレだけど、UDCの生食してた身からすると全然マシなほうだね)
 生のUDCはもうゲテモノというラインすら越えていたし、喰いすぎればホンモノの怪物になる恐れもあった。猟兵となった今はそうした諸問題はある程度改善されているので、コレも安心して口にできる。食べれば食べるほど怪物に近付くどころか、逆に力が湧いてくるようだ。

「とりあえずこの後に備えてしっかり食べておこうね」
 夜鈴は食ったオブリビオンの肉の量と質に応じて存在強度が安定する【邪食】のユーベルコードの持ち主である。
 ここで提供されている料理の食材は全てUDC怪物。つまりは食べれば食べた分だけ彼女は力を貯め込めるわけだ。
(本当は僕だって美味しいご飯を食べたいんだけどね。悲しいかな、よく分からない化け物の肉の方が桁違いに効率が良いんだよ)
 邪神の噂から生まれた妖怪という出自ゆえの性だろうか。今までは不味くても喰わざるを得ないものだったが、ここにあるのは普通ではないが「料理」ではある。どういった陰謀で作られたものにせよ、彼女にとってはエネルギーを補給しつつ素直に食事を楽しめる、貴重な機会であった。

(……やっぱり美味しいしレシピ持ち帰りたいな、これ)
 あっという間に注文した分を食べきってしまい、空っぽになった皿を眺めながら夜鈴は考える。もし、この料理を他でも食べられたら――もしくは自分で作れるようになったら、彼女の食生活は劇的に改善するだろう。ただ、ここのシェフが大事なレシピを素直に教えてくれるとは思えない。
(となると力ずくかな、やっぱり)
 結局のところ、やることは当初の依頼通りだ。ご飯を食べてシェフを表に引っぱり出し、討伐してこの店を潰す。
 その過程でレシピを回収するついでに、内容を覚えてしまっても文句は言われないだろう――ヒトに食べさせるわけでは無いのだからと、彼女は妖しい笑みを浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビッグ・サン
ふむふむ、UDC料理ですか
人間を怪物にしてしまうとは、強力な効果があるようですね
私の研究の足しになりそうですし、一つ足を運んでみますか
魔法感知で、店のどこに食材があるかも調べておきましょう
食べるのはゴーレムですが、感覚をリンクさせているので味わう事ができます


行きつけのオブリビオン料理を出す店の味とどっちが美味しいですかね

ふむ、盛り付けは酷いですね
良く焼けてるはずの肉が蠢いているのは鮮度が良いというか怖いですね

味もこれまで味わったことの無いような
じわじわ精神にどろどろした暗黒が広がっていき、正気を奪っていく
それでいてバットトリップせずに幸福感に包まれる

なかなか面白い
シェフを呼んで褒めましょう



「ふむふむ、UDC料理ですか。人間を怪物にしてしまうとは、強力な効果があるようですね」
 その話を聞いた時のビッグ・サン(|永遠を求める研究者《ナイスガイ》・f06449)の反応は、明らかに忌避感よりも好奇心が勝っている様子だった。食わせるだけでヒトをヒトならざるものに変異させられるのは、見方によっては画期的な効果だ。応用(悪用ともいう)の幅はいくらでも広がる。
「私の研究の足しになりそうですし、一つ足を運んでみますか」
 そう言って噂の中華料理店にやって来た彼は、まるで常連のような堂々とした振る舞いで席につく。内装はきちんとしているしメニューも一見普通、だが完全予約制かつ高額な代金を請求されると言うのだから、それに見合った物が出てくる期待はさせてもらいたいものだ。

「行きつけのオブリビオン料理を出す店の味とどっちが美味しいですかね」
 彼がオブリビオンを使った料理を食べるのはこれが初めての経験ではない。ひとつ食べ比べをする気持ちで、彼はメニュー表から適当な料理を注文する。「かしこまりました」とスタッフが去った後、さほど時間をかけずに料理が運ばれてきた。
「ふむ、盛り付けは酷いですね。良く焼けてるはずの肉が蠢いているのは鮮度が良いというか怖いですね」
 一応は中華料理のレシピに沿って作られたと思しいが、使われている食材がマトモではないことを隠す気がまるで感じられない。客は「それ」を求めて食いに来ているのだから、隠す必要もないのかもしれないが。少しばかり食欲が減退したので、この点はマイナスである。

(味もこれまで味わったことの無いような)
 実際に料理を口に運んでみれば、舌から受け取るシグナルは「美味」なのだが、それだけではないものを感じる。
 じわじわ精神にどろどろした暗黒が広がっていき、正気を奪っていく。それでいてバットトリップせずに幸福感に包まれる――なるほど、普通の人間が食べればやみつきになるのも分かる。
「もう一口いってみましょうか」
 猟兵とはいえビッグがそれを躊躇なく食べられるのは、本人ではなくフレッシュゴーレムの人形に食べさせているからだ。本体はぬいぐるみに化けて感覚をリンクさせることで料理を味わっている。もし生物を強制的にUDC化させるような毒性があったとしても、これなら安全だ。

「なかなか面白い」
 一品ずつじっくりとUDC料理を堪能したビッグ(の人形)は、丁寧な所作で口元を拭くと満足げにそう呟いた。
 コレが単なるゲテモノ料理ではなく、都市伝説に語られるような特別な力を持った料理である事はよく分かった。同時に、これを作ったシェフにも興味が湧いてくる。
「シェフを褒めたいですね。呼んでください」
「お伝えしておきます」
 その求めにスタッフは一礼するだけではいともいいえとも言わなかったが、きっちり料理も完食した事だし、そのうち向こうから来るだろう。待っている間にデザートでも頼もうかと、ビッグはもう一度メニューを開くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雪・兼光
過去の依頼でUDCを食べていた妖怪をカクリヨに送り返していたが、人間もか

UDC料理には興味はあるが、信頼していない食材と料理人が作った飯を食う筋合いなんてねぇな
アガレスを呼び出して、食べてるふりを合図に食事をゴミ箱へ移動して貰う

代償は寿命一日分な寿命の予算は最大一ヶ月だ

アガレスも絶対食べるなよ?
フリじゃないぞ、何が起こるか解らない
不味そう?アイスが良い?
…俺達はそうだよな

後で好きなご飯作らせてもらうよ
……寿命より財布が寂しくなりそう

(UDC組織へ送りつける検体用に)テイクアウトできるか聞いてみるか
「この素晴らしくて、表現しきれない料理、友達にも振る舞いたい」とコミュ力使って言えば貰えるだろうか



「過去の依頼でUDCを食べていた妖怪をカクリヨに送り返していたが、人間もか」
 それは何らかの事情から地球に留まり続けていた妖怪が、生き延びるために行っていた事例だった。しかし今回の件はそれとは根本的に異なる。「不老長寿」という伝説に誘われた欲の深い人間を集め、邪神の眷属に変えてしまう邪悪な陰謀劇だ。雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)がそれを見逃す理由はひとつもない。
「UDC料理には興味はあるが、信頼していない食材と料理人が作った飯を食う筋合いなんてねぇな」
 まったくもって当然の主張だが、喰わなければ元凶のシェフをおびき出すことはできない。そこで彼は「食べてるフリ」を演じるために、契約中の悪魔アガレスの力を借りることにした。時空を操る彼女の魔術なら、そのくらいは朝飯前だ。

「代償は寿命一日分な。寿命の予算は最大一ヶ月だ」
『いいよぉ……』
 【Call Agares】で呼び出したアガレスと交渉をまとめ、兼光はいざ問題の店に足を踏み入れる。一見した限りは普通の店なのだが、ちらっと見えた他の客のテーブルに置かれた料理は、明らかにマトモな中華料理ではなかった。
「ご注文をどうぞ」
「えーと、じゃあこれと。これ」
 ニ人席に案内された彼は、とりあえず怪しまれないようにアガレスと二人分の飯を注文する。敵が作った料理とはいえ捨てまくるのも気が引けるので、頼む量は最小限にしておいた。ほどなく厨房のほうから(見た目と合わない)いい匂いがして、注文の品が運ばれてくる。

「んじゃ……いただきます」
 奇妙な色をした蠢く肉料理を、兼光はおそるおそる箸でつまみ、口に入れる――と見せかけた瞬間、アガレスの術が料理を転送する。傍目には普通に食事をしているようにしか見えないが、実際には食べたものの行き先は胃袋ではなく、全てゴミ箱の中だ。
(気づかれてねぇよな)
 念のために周囲の反応を窺うが、スタッフらに怪しまれた様子はない。これなら問題なく「完食」できそうだ。
 そのまま彼が食べるフリを続けていると、隣席に座っているアガレスがじぃっと料理の皿を見ているのに気付く。

「アガレスも絶対食べるなよ? フリじゃないぞ、何が起こるか解らない」
 他人に聞かれないように小声で忠告する。猟兵ならコレを食べてもオブリビオン化は起きないという話だったが、悪魔のアガレスが食べても安全という保証はない。彼女もそれは分かっているようで、すぐにぷいっと顔を背けた。
『まずそう。アイスがいい』
「……俺達はそうだよな」
 人によってはこういうゲテモノを好む層もいるのだろうが、兼光達の食に対する感性はわりと一般人的だった。
 後で好きなご飯作らせてもらうよ、と彼がささやくと、悪魔の少女は嬉しそうに翼をぱたぱたと羽ばたかせた――寿命より財布が寂しくなりそうだが、これも必要経費である。

「この素晴らしくて、表現しきれない料理、友達にも振る舞いたいんだが」
 かくして無事に「食事」を続けながら、兼光は近くにいたスタッフに料理をテイクアウトできないか尋ねてみる。
 無論本気で知人に振る舞うつもりはなく、UDC組織へ送りつける検体用である。人間をUDCに変異させる成分などについて研究できれば、今後類似の事件が起こった時に対処しやすくなるかもしれない。
「そこまで仰るのでしたら……」
 持ち前のコミュ力を活かして店や料理のことを褒めそやせば、相手も悪い気分はしなかったようで、特別の配慮として少量だけ持ち帰りを許された。彼はそれを丁寧に荷物の中にしまうと、あとはシェフが出てくるまで静かに待機するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリュファシオン・アルティウス
お願いラウールに建物に潜んでいてくれ

私がそう言うとラウールは私の影からゆっくりと建物に消えて行った

これで敵と戦う時に不意を付けるね…爺や(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=48119)の教えでラウールは成長したね
『ラウールの性能を活かせなかったのはお前のミスだがな』

何も言えないや
『オォォ〜』
オーさんは笑っていた

料理が来たので食べようとしたが

『?!待て…』
UC精霊の神・ミナルアで真の力を解放したミナルアが小声で私達を制する

『今、「猟兵」がオブリビオン化する未来が見えた…何故だが知らんがな』
そう言うミナルアさんはバレない様に次元の力で料理を消滅させた



「お願いラウールに建物に潜んでいてくれ」
 問題の中華料理店に潜入する直前、エリュファシオン・アルティウス("やんきー"を目指す『時間逆行』を使う不思議な旅人・f39208)は【逆行怪盗皇・ラウール・アナザーワン】を発動していた。彼女の影からすっと現れた赤いタキシード姿の怪盗「ラウール」は、指示通りにゆっくりと建物の中に消えていく。
「これで敵と戦う時に不意を付けるね……爺やの教えでラウールは成長したね」
 とある依頼で出会った人物からの教訓を経て、かつて"王"を名乗っていた怪盗は"皇"に進化を遂げた。今までより磨きのかかった怪盗能力とスピードはきっと今回の依頼でも役立ってくれるだろうと、彼女は期待と信頼を寄せる。

『ラウールの性能を活かせなかったのはお前のミスだがな』
「何も言えないや」
『オォォ~』
 同行する「星霊ミナルア」の手厳しい指摘にエリュファシオンは肩をすくめ、相棒のオオサンショウウオ型バイクの「オーさん」が笑う。今回料理店に潜入するのはこの3人(?)になるようだ。明らかに人間ではない者も混ざっているが、"こういう店"なので入店拒否はされない。
「ご予約の方ですね。どうぞこちらに」
 スタッフも驚かない様子でいつも通りに対応し、空いている席まで一同を案内する。ここまでは一見普通の料理店だが、問題はここから――メニュー表から適当な品を注文してみると、明らかに普通ではない料理が運ばれてきた。

「うわぁ、これはまた」
 個性的やゲテモノという言葉で済ませるには大分インパクトのある料理を前にして、エリュファシオンも思わず声が出る。美味しそうな匂いはしているし、猟兵が食べても悪影響はないという話だったので、心配はしていないが。
「それじゃ、いただきま……」
『?! 待て……』
 だが。料理を口に運ぼうとした瞬間、ミナルアが小声で制する。【精霊の神・ミナルア】によって真の力を解放した彼女には、普通は分からない何かが「視えた」らしい。それは千里眼とも呼ばれる、時に未来すら予見する力だ。

『今、「猟兵」がオブリビオン化する未来が見えた……何故だが知らんがな』
「えっ……?」
 ミナルアが小声でそう言うと、エリュファシオンの表情にも緊張が走る。UDC料理を食べてオブリビオン化するのは一般人だけだと聞いていたが、それが事実なら前提が覆ることになる。もっとも、彼女の千里眼は真実を視ることはできても、その原因まで特定することはできなかった。
『とにかく、これは食わないほうが良いだろう』
 そう言ってミナルアはUDC料理を食べるふりをしながら、バレないようこっそりと次元の彼方に消滅させていく。
 最悪の未来を回避するには、これが一番安全で確実な方法だ。スタッフに気付かれていないか確認しつつ、彼女らはそのまま一食もせずにシェフの登場を待つ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フラーウム・ティラメイト
さあ…オベイ、マーアリアご飯を食べましょうね

『やれやれ…料理の文化を侮辱する愚か者を消しに行きましょうか』
マーアリアは怒っていた
『ケー!』
オベイは返事をしてくれた

マーアリアはUCは発動しているが人間の姿になっています

これがUDC料理ですね…美味しそうですねオ…ベイ?

『ケー』
オベイは料理の周りを飛びUDC料理が高級フレンチ料理に書き換わった

UDC料理が…高級フレンチ料理になってしまいました…

『UCを使わずに因果を書き換えるとは流石は因果獣神皇、封印されたままでも恐ろしいですね』

美味しいですこの魚料理

『まさか高級フレンチ料理を食べるはめになるとは…因果獣生分からない物ですね』
マーアリアは喜んでいた



「さあ……オベイ、マーアリアご飯を食べましょうね」
 鳥形の封印石に魂を宿した「ディストーション・オベイ」と、保護者役の因果獣「マーアリア」と一緒に、フラーウム・ティラメイト(因果獣と因果を喰らう者『オベイ』を宿す探究者・f38982)は中華料理店にやって来た。ここにUDC怪物を調理して提供し、客をUDC化させるシェフがいるとのことだ。
『やれやれ……料理の文化を侮辱する愚か者を消しに行きましょうか』
『ケー!』
 怪しまれないようにマーアリアは人間の女性の姿に変身しているが、声には怒りが宿っている。一方のオベイも返事はするが、果たして封印中の彼に食事は取れるのだろうか。ともあれ、今回はこの3人で潜入作戦に挑むようだ。

「これがUDC料理ですね……」
 空いてる席に座ってメニューから適当な料理を頼むと、ほどなくして注文の品がテーブルに並べられる。中華料理の体裁を一応取ってはいるものの、それは一目で異形のモノを食材に使っていると分かる品だった。人によっては食欲が失せる者もいるだろうが、好奇心が旺盛なフラーウムはそれを好意的に捉えた。
「美味しそうですねオ……ベイ?」
『ケー』
 さっそく頂こうと食器に手を伸ばすと、彼女の懐からオベイが出てきて、パタパタとテーブルの上を飛び回る。
 すると小さな光の粒子がキラキラとUDC料理に降りかかり――一瞬にしてその品目がまったく別の品に変化する。

「UDC料理が……高級フレンチ料理になってしまいました……」
 さっきまでのゲテモノ中華料理は影も形もなく、お高いレストランに出てきそうな立派な西洋料理がそこにある。
 盛り付けの皿や食器までフレンチ用のものに変わっているが、これらは幻覚ではない。因果を書き換えるオベイの能力によって、根本から別物になっているのだ。
『ユーベルコードを使わずに因果を書き換えるとは流石は因果獣神皇、封印されたままでも恐ろしいですね』
 マーアリアも【因果獣皇・因果の支配者】を発動中の今なら同様の改変は行えるだろうが、それでも簡単な事ではない。まさに驚嘆に値する能力である。当の本人(?)は相変わらず「ケー」と鳴くだけで平然と戻っていったが。

「美味しいですこの魚料理」
 オベイの力で改変された料理を、もくもくといただくフラーウム。どうやら因果を書き換えられた際にUDC料理の効能と悪影響も全て消し飛んだらしく、味も栄養価も全て普通のフレンチになっている。これなら食べてもUDCになる恐れは万に一つもない。
『まさか高級フレンチ料理を食べるはめになるとは……因果獣生分からない物ですね』
「見つかる前に全部食べてしまいましょう」
 流石にメニューにない品を食べている所をシェフやスタッフに見られたら、怪しまれるだろうし不快に思われても仕方ない。喜ぶマーアリアと一緒にフラーウムは少し早口ぎみに、かつ味わいながら食事を楽しむのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルマ・アルカレイト
属性攻撃…刹那の無限回転発動そして料理を浄化する


慶喜と緋智はUDC料理の影響を受ける可能性があるので待機

『ここですね〜噂の料理店は!』『遊びじゃないぞ』
プサイも一緒に来てくれた

席に付き料理が届く

『早速じ…』
プサイが浄化魔法を使用しようとしたが
旨いわ〜!
私は既に料理を食べていた

『…』『ま、まあプーちゃん私達のだけ浄化しましょうアルマさんは猟兵だし…』
二人は料理を浄化して食べた


美味しかったわ!
しかし体に黒いオーラが発生する
え…何で

『な、何ですか?!』『ちっ!』
プサイが私に浄化魔法をかけるが

ぐ…グォォォォォ!
私はオブリビオン化した
原子回忌帰…今ここに原初のオブリビオン・フォーミュラ『骸海龍』が蘇った



『ここですね~噂の料理店は!』
『遊びじゃないぞ』
 アルマ・アルカレイト(異世界からの来訪者『無能の錬金術士』・f39594)に呼ばれてやって来た大天使ファイが、中華料理店の前で声を上げる。まるでただ食事をしに来たようなウキウキの態度を、たしなめるのは同僚の大天使プサイだ。
「二人とも、今日はよろしくね!」
 今回はいつも一緒にいるメンツがUDC料理の影響を受ける可能性があるため、今回は待機してもらっている。その代わりにユーベルコードで召喚したのがこの大天使達である。人間をオブリビオンに変える邪悪なシェフの陰謀を暴くため、3人はいざ料理店に突入する。

「これがUDC料理ね……」
 3人用の席へと案内され、メニューから適当なものを頼んで出てきたのは、一目でゲテモノと分かる異形の料理。
 香りは美味しそうなのに、肉が牛でも豚でもない色をしていたり、微妙に蠢いていたりとインパクトが強すぎる。
『早速じ……』
「旨いわ~!」
 プサイは浄化魔法を使おうとしたが、それより先にアルマは料理に手を付けてしまった。噛めば噛むほど染み出す肉汁に、旨味と香りのハーモニー。高額かつ完全予約制という敷居の高さに見合うだけのことはある美味であった。

『……』
『ま、まあプーちゃん私達のだけ浄化しましょうアルマさんは猟兵だし……』
 流石に警戒心がなさすぎだろうと睨むプサイを、ファイが苦笑しながら宥める。得体の知れない中華料理だが、注文したぶんは食べ切らなければシェフも呼び出せない。とりあえず彼女達も自分の料理を浄化してから食べ始める。しばらくの間は何事もなく、平和な食事会となった。
「美味しかったわ!」
 そして一番最初に料理を食べ終えたのもやはりアルマだった。未知の味覚を存分に堪能して大満足といった表情。
 だが彼女が「ごちそうさま」と言った直後――たっぷりUDCを食らったその体から、突然黒いオーラが発生する。

「え……何で」
『な、何ですか?!』
『ちっ!』
 呆然とするアルマに、驚愕の叫びを上げるファイ。プサイが慌てて浄化魔法をかけるが、黒いオーラは消えない。
 猟兵である彼女にオブリビオン化の危険はないはず――少なくとも皆そう聞かされていた。だが、この現象は一体どういうことだ。
「ぐ……グォォォォォ!」
 やがて彼女の口から獣のような唸り声が漏れ、肉体が異形のものに変化していく。その姿はもはや"アルマ・アルカレイト"と呼ばれた少女ではない。だとすれば一体何なのか、答えられる者はここにはいなかった。ただ確かなのは"それ"から感じられるのが紛れもないオブリビオンの気配だということ。

『アルマさん……!』
『アルマ……!』
 まだ、ここで騒ぎを起こすのはまずい。シェフが出てくる前に店で暴れでもしたら本来の依頼が頓挫してしまう。
 ファイとプサイはオブリビオン化していくアルマを自分達の能力で隠し、落ち着かせようと必死に宥めるものの、この異変を解決する術は見当もつかなかった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ネフラ・ノーヴァ
協力、アドリブOK。

古来より好奇心は果てぬもの。例えば宝石人の肉など大金をはたいててでも食したいと思うものもいるだろうな。食べたところで腹を壊す程度だろうが。
さて、色艶良くなるというなら一口ぐらいは試みるも一興、しかし完食となると遠慮願おう。そこで…このUCの能力に訝しみつつも…まあ害は無かろうと判断して召喚し、残りを食わせてしまおう。
その後どうなるかは想像もつかないが、ひと騒ぎにはなるだろうか。



「古来より好奇心は果てぬもの」
 故に普通なら忌避されるような奇妙で奇怪な怪物を、あえて食材として求める人間の思考も、ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)は理解できた。そこに「希少性」や「不老長寿になれる」などの尾鰭が付けば、いくらでも人は寄ってくるだろう。
「例えば宝石人の肉など大金をはたいててでも食したいと思うものもいるだろうな。食べたところで腹を壊す程度だろうが」
 冗談めかしてそんな事を口にしながら、彼女は問題の中華料理店に足を運ぶ。ここで供されているのはクリスタリアンや人魚の肉などよりも遥かに常軌を逸した、邪神の眷属たるUDCの肉。ちょっとした好奇心を満たす程度で済んでいるならば良いが、それが深刻な被害をもたらすとあっては無視できない。

(さて、色艶良くなるというなら一口ぐらいは試みるも一興、しかし完食となると遠慮願おう)
 傍目にはどこかの貴婦人のように佇まいで入店し、優雅に席についたネフラ。しかし内心としては人間をUDCに変貌させるこの店の料理への疑いは強かった。届けられた注文の品が、ことごとく中華料理の体裁だけ取り繕った異形の類であったことも、彼女の警戒感を後押しする。
「匂いの方は、悪くはないが……」
 まだ大丈夫そうな部位をつまんで口に運んでみると、意外にも味のほうも悪くはなかった。それに種族の特徴である羊脂玉の肌が、ますます艷やかで滑らかになっていく。たった一口食べただけで目に分かるほどの健康効果が出るとは、逆に怪しいくらいである。

「どんなものかは理解した。さて、後は……」
 興が満たされたところでネフラは食器をテーブルに置き、おもむろに【カビパン召喚】を試みる。自分で食べたくないから別の者に残りを食わせてしまおうという、かなり非道寄りの発想なのだが、呼び出す相手とはそれなりに気心知れた仲であり、なおかつこんなモノで素直に怪物化するような輩ではないので罪悪感などは沸かない。
「……まあ害は無かろう」
 訝しむ点があるとすれば能力そのものだが、さておき。彼女の呼びかけに応じて出てきたカビパンは、目の前に料理があるのに気付くとすぐにモグモグと食べ始めた。およそ牛でも豚でもない正体不明の肉だろうと遠慮なくかぶりつけるこの精神性、見習いたくはないが大したものである。

(この後どうなるかは想像もつかないが、ひと騒ぎにはなるだろうか)
 なるようになれという気分でネフラが見守る中、カビパンは思ったよりもちゃんとした作法でUDC料理を完食し、「ごちそうさまでした」と手を合わせる。ここで素直に帰ってくれれば平和だったのだが、そうは問屋が卸さない。
『ちょっとアナタ。この料理塩をきかせすぎじゃない?』
「えっ? そ、それは……申し訳ありません、お口にあいませんでしたか」
 彼女は近くを通りがかったスタッフを呼び止め、料理にクレームを付け始めた。やれ肉の焼き加減がどうのとか、付け合わせの野菜が嫌いだとか、キレイに完食してから言うものではない難癖ばかり。これには店員も困った様子でしどろもどろになっている。

『期待してたのと違うから、代金タダにしてくれない?』
「そ、それは無理です!」
『だったらシェフを呼んで頂戴! 直接話をするわ!』
 謎のクレーマー・カビパンによって、あっという間に平和な食卓は崩壊する。ちなみに本人は本気で強請りがしたいわけではなく、ギャグの一環としての無茶振りをしているだけだ。こうやって場をカオスに塗り替えるのが彼女の最大の能力なのである。
(フフ、さあ、カビパンを咲かせるがいい……)
 ネフラはそんなカビパンの暴走っぷりを黙って眺めている。止める気がないのか、それとも止められないのか。
 召喚者の手綱を離れたカビパンは、さらなるカオスを店内に撒き散らしていく。だが、これがただの序章に過ぎなかったことを、この店にいた者達はすぐに知ることになる――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セフィリカ・ランブレイ
【カビパン祭】

奇祭、始まる
でも起きてる事件は本当だからそれも解決しないとね

出てくる料理はヤバくてもリミティアちゃんが大丈夫っていうなら信じられるし
普通に食事を楽しんじゃおう

身体をいくら鍛えても書類仕事で疲弊しなくなるわけじゃないんだし良い機会

『そうだねカビパンだね』
って平常心を保てる心が大事と、皆を見て気付くよ
おおらかな心で飾っとく派、どうせ騒動になるから利用しよう派、挙句食べちゃう派まで!

何を食ってその頓珍漢なあおり文ができたのかとか、ツッコむ必要はなかったんだ
ありのままにカビパンを受け入れれば良い…

いや無理だわ。なんか私の呼んだのイヤすぎる輝きしてるんだよね…?!
せめてトマトなら光るな!!


カビパン・カピパン
ひらけ、春。
~春のカビパン召喚まつり~

かならずもらえる!
白いフロマージュカビパン🍅

今年のカビパン🍅は、みずみずしいけど口の中でとろける様に
タップダンスするまろやかに広がったり刺激を与える不気味な🍅
軽くて使いやすい紋章付きの🍅です
あなたのスタイリングや盛りつけによって
ホラー映画のワンシーンのように見えたり
シリアスっぽい演出にも合う表情豊かな🍅です
あなたに春のカビパンまつり
明るい春のリラックスしたひとときを♪

引き換え方法

Step1 UDC中華料理店でカビパンを召喚する
Step2 お店のシェフを動揺させるためにカビパンを召喚する
Step3 もう後戻りのできない状態なのでカビパンを召喚する


純・あやめ
(一応、警官の上着は脱いで潜入捜査)
祭りと聞いてきたけど、ガチの犯罪案件じゃん?!
『まぁ、ある意味いつもの展開よねぇ…で、食べるの?』
そこなんだけどねー、【カキツバタ】
UDC料理だけなら平気だけど…何かわたしの【第六感】が危険を訴えてるから今回は回避したい!
という訳で、食レポ代理で【カビパン召喚】するよ
『ちょっと!大惨事を加速させてどうすんのよ?!』
いやいや、葉を隠すなら森の中、混沌を隠すなら大混乱の中だよー
『一応、証拠は押さえておきなさいよ?』
おっけー♪
(どさくさに紛れて料理を回収したり処分します)


大町・詩乃
【カビパン祭】

昔、『妖神グルメ』という作品があって、「クトゥルーの心臓って美味しそう」とか思ったものです。
懐かしいなあ~。

チャイナドレスで来店。
カビパンさんは召喚して店の彩りに飾ります。
皿の上に置かなければ誰も食べないかな?

「客が料理を完食した後」でないとシェフが出てこないのであれば、しかたありませんね。
覚悟を決めて頂きましょう💦
猟兵は怪物にはならないようですし…

(少し躊躇った後でスープを一口飲んで)
美味しい♥

普通の植物では無い何かのサラダも、鶏にしては大きい鳥の揚げ物も、魚っぽい何かの清蒸魚も、このよく分からないお肉の角煮も、全部美味しいです♥

(満足そうに手を合わせて)ごちそうさまでした♪


ポーラリア・ベル
【カビパン祭】
カビパンお姉ちゃんが食べられると聞いて。
……食べていいのかしら、食べられるのかしら。

こっそり厨房に潜入して(手とか洗って消毒を完璧にしつつ)
お料理にユーベルコードのカビパンお姉ちゃんを混ぜるよ。

かき氷をまぶして、練乳ミルクをかけて、UDCのフルーツを添えて……

UDCに、トマトの邪神っていなかったっけ?
今回はいないの?カビパンお姉ちゃんが務めてるのかしら?

一通り手伝ったらお客さん側に回って頂くのよ!
カビパンお姉ちゃんのフラッペ漬け、フルーツミルク味!
……盛りつけていいっていうのだもの。頂くね?頂きます。
(お姉ちゃんのほっぺたを甘噛みしてむにーってする)
(周りの料理は綺麗に食べる)



『ひらけ、春。~春のカビパン召喚まつり~』

 ある日、カビパン・カピパン(🥫🍝🍅 戦争の悲惨さに嗚咽するトマト・f24111)の知り合いの猟兵達の元に、こんなタイトルから始まるお知らせが届いた。冬の名残も遠ざかり、日本では新生活が始まるかという時期である。

『かならずもらえる! 白いフロマージュカビパン🍅』

『今年のカビパン🍅は、みずみずしいけど口の中でとろける様に タップダンスするまろやかに広がったり刺激を与える不気味な🍅 軽くて使いやすい紋章付きの🍅です』

『あなたのスタイリングや盛りつけによって ホラー映画のワンシーンのように見えたり シリアスっぽい演出にも合う表情豊かな🍅です』

 この内容から推測できる事としては、とある依頼でトマトになることを覚えたカビパンは、まだそのクセが抜けていないらしい。そして不特定多数の猟兵に自分を一斉召喚させるという悪巧み……もとい迷惑行為……改め嫌がらせ……いや、ギャグ企画を思いついたようだ。

『あなたに春のカビパンまつり 明るい春のリラックスしたひとときを♪』

 おそらく、これを受け取った者の誰もが「リラックス」するのは絶対に無理だと思ったことだろう。
 彼女がもたらすのはいつだってギャグとカオスである。ひとたび巻き込まれればもはや安穏とした時は訪れない。
 そして、お知らせの一番最後の欄に書かれた、一番重要なポイントが以下である。

『引き換え方法
 Step1 UDC中華料理店でカビパンを召喚する
 Step2 お店のシェフを動揺させるためにカビパンを召喚する
 Step3 もう後戻りのできない状態なのでカビパンを召喚する』

 つまり、この企画はUDC料理を提供する邪悪な料理店に対するテロ行為でもあるわけだ。
 普通のお店でやったら出禁待ったなしの業務妨害でも、相手がオブリビオンなら良いやという心理が働いたのか、この企画に参加する猟兵は意外と多かった。ほんとにビックリするほど多かった。

「奇祭、始まる」
 参加メンバーの中でも比較的常識寄りの1人、セフィリカ・ランブレイ(鉄エルフの蒼鋼姫・f00633)はそう呟いた。これまでにもカビパンの突拍子もない行動には散々巻き込まれてきた彼女だが、ここまで盛大なお祭り騒ぎはそうそう無かっただろう。相手がオブリビオンでなければ同情するところだ。
「でも起きてる事件は本当だからそれも解決しないとね」
 ここのシェフが料理を使って人間をUDC化させ、邪神の勢力を拡大させているのは紛れもない事実。こんな祭りにはなってしまったが、事件解決に力は惜しまないつもりである――「それカビパンいる?」と聞かれたら、何も反論できないのが痛い所だが。

「祭りと聞いてきたけど、ガチの犯罪案件じゃん?!」
『まぁ、ある意味いつもの展開よねぇ……』
 一方で常識寄りのメンバーその2、純・あやめ(水流と砂塵の衛士・f26963)と悪魔カキツバタは、これが本当にマジな事件だったことにビックリしていた。一応、アングラな店にいつもの警官の格好で入ると目立つことこの上ないので、上着を脱いで潜入捜査のつもりで来ている。
「ご予約いただいた『カビパン祭』の皆様ですね。お待ちしておりました」
 彼女達が店に入るとスタッフがすぐさま対応に現れ、開いている席に案内する。ヘンな予約名を聞いてもおかしな顔ひとつしないプロの店員である。渡されたメニュー表に並んでいる品目も普通の中華料理と同じであり、ここまでならマトモな店に見えるだろう。

『……で、食べるの?』
「そこなんだけどねー、カキツバタ」
 とりあえず適当に注文を伝えてから、スタッフが去るのを待ってあやめとカキツバタは小声で話をする。ここで出されている料理はすべからくマトモな料理ではない――猟兵なら食べても大丈夫だと聞かされてはいるが、警戒心を抱くのは当然の事だった。
「UDC料理だけなら平気だけど……何かわたしの第六感が危険を訴えてるから今回は回避したい!」
 しかし単に食べるのを拒否しても事態は好転しない。せっかくの料理を残すような客にはシェフもへそを曲げて出て来ないだろう。自分で食べたくないのなら、誰か代わりに食べてくれる人が必要になる。流石にこれはカキツバタには押し付けられない。

「という訳で、食レポ代理でカビパン召喚するよ」
『ちょっと! 大惨事を加速させてどうすんのよ?!』
 ここで冒頭のカビパン祭りに繋がる訳である。どんなにヤバそうな料理でも、カビパンならまあ平気そうだという謎の信頼があやめにはあった。まあ、それはカキツバタが言うように危険物に危険物を混ぜる行為かもしれないが。
「いやいや、葉を隠すなら森の中、混沌を隠すなら大混乱の中だよー」
 あやめの方も召喚する相手が混乱の元と分かってやっているので確信犯である。かくして本日二人目の【カビパン召喚】が実施され、トマトを依り代とした白っぽい分霊カビパンが現れる。戦闘ではまるで役に立たない置物なのはユーベルコードの効果で保証されているが、それでも食レポの代役くらいは務まるだろう。

「昔、『妖神グルメ』という作品があって、『クトゥルーの心臓って美味しそう』とか思ったものです。懐かしいなあ~」
 にわかにきな臭い、もといトマト臭い気配が店内に漂ってきた頃、大町・詩乃(|阿斯訶備媛《アシカビヒメ》・f17458)はほんわかした笑顔で昔の思い出を語っていた。店の雰囲気に合わせてチャイナドレス姿で来店したこの巫女(女神)さん、あやめとは対照的に普通にUDC料理を食べる気である。
「カビパンさんは店の彩りに飾りましょう」
 カビパン祭りの参加者のひとりでもある彼女は、代わりに食べさせるのではなく賑やかしとして【黴召喚の術】を使用。悪霊の宿ったトマトなんて飾られても店は迷惑なだけな気もするが、本人は(おそらく)善意でやっている。

「皿の上に置かなければ誰も食べないかな?」
 多分どこにいても食べないと思うが、詩乃の配慮に基づいて料理店の内装の高い位置にぽんと飾られたカビパン。
 ソレがいつの間にか動きだして元いた場所から消え去った頃には、彼女のテーブルにもお待ちかねのUDC料理がやって来た。
「『客が料理を完食した後』でないとシェフが出てこないのであれば、しかたありませんね」
 中華料理を銘打ちながらも明らかに異常な料理を実際に目にすると、さすがに少し躊躇ったようだが。事件解決のためでもあると、意を決してまずはスープから飲んでみる。こぽこぽと泡立つ毒々しい紫色の液体を一口含むと――すっきりした味わいと、濃縮された食材の旨味が口の中に広がった。

「美味しい♥」
 何故こんな見た目でこんなに美味なのか、逆に怖い気もするが細かい事は気にしない。最初の1口目を乗り越えれば躊躇いも無くなったのか、詩乃は他の料理も次々に試してみる。それらは何れも本場の中華料理にも負けない――いや、比べるものではないかもしれないが、ともかく素晴らしい味だった。
「普通の植物では無い何かのサラダも、鶏にしては大きい鳥の揚げ物も、魚っぽい何かの清蒸魚も、このよく分からないお肉の角煮も、全部美味しいです♥」
 これで猟兵が食べると健康にもなれると言うのだから不思議だ。食べていくうちに体がぽかぽかとあったまって、肌艶も良くなった気がする。すっかりUDC料理に夢中になった詩乃は、好奇心のままに未知の美食を堪能していく。

「カビパンお姉ちゃんが食べられると聞いて」
 店内で様々な食事模様が繰り広げられている中、ある意味一番ヤバいことを考えていたのはポーラリア・ベル(冬告精・f06947)だった。召喚場所が料理店とはいえ、カビパン祭りは別にカビパンを食べる企画とは一言も書いてなかったような気がするが。
「……食べていいのかしら、食べられるのかしら」
 分からないならとりあえずチャレンジしてみようと、彼女はこっそり厨房に潜入する。小さな妖精ボディのおかげで誰にも気付かれなかったようだ。ちゃんと手とかは洗って消毒は完璧にしており、昨今の事情に合わせた衛生意識の高さもうかがえる。

「ここでUDCのお料理を作っているのね」
 この中華料理店の秘中の秘とも言える厨房では、客のいる表側よりもさらに奇々怪々とした光景が広がっていた。
 絶対にこの世のものではない生物の肉が解体されて吊るされていたり、業務用冷蔵庫の中から名状しがたいうめき声が聞こえてきたり。ポーラリアは特にそういうので正気を削られる事もなく、自分が注文した作りかけの料理に【冬を告げに来たよ(ねぇよ)】で召喚したカビパンを混入させていく。
「かき氷をまぶして、練乳ミルクをかけて、UDCのフルーツを添えて……」
 さらに厨房内にあった食材も勝手に利用して自分流にアレンジするなど、ある意味一番のやりたい放題をかましていく始末。本日のカビパンはカビパンでありトマトでもある(意味が分からない)ので、絵面的にはそれまでのUDC料理と五十歩百歩なのがツッコミどころに困る。

「UDCに、トマトの邪神っていなかったっけ? 今回はいないの? カビパンお姉ちゃんが務めてるのかしら?」
 ポーラリアがざっと見回した限り、この厨房にトマト(っぽいUDC)はなかった。しかし人類に未だ知られざる邪神は数多く存在するので、トマトの邪神がいないとは断言できない。カビパンは下手なUDCよりもUDCっぽい所もあるが、一応まだ猟兵のはずである。
「まあいいわ。これでできあがりよ」
 一通り調理の「お手伝い」を終えると、彼女はまた見つからないようにこっそり厨房を出ていく。今度はお客さんの側に回ってUDC料理(inカビパン)をいただくつもりだ。流石にこれを何も知らない他人に食べさせるほど、彼女も良識を見失っていた訳ではなかったようだ。

「『そうだねカビパンだね』って平常心を保てる心が大事と、皆を見て気付くよ」
 そんな仲間達による思い思いの「カビパン祭り」を、セフィリカは悟りを開いた僧侶のような表情で眺めていた。
 おおらかな心で飾っとく派、どうせ騒動になるから利用しよう派、挙句食べちゃう派まで。皆それぞれのスタイルでカビパンとの付き合い方を確立している。ツッコミという4文字を置き去りにして。
「何を食ってその頓珍漢なあおり文ができたのかとか、ツッコむ必要はなかったんだ」
 これまで自分はカビパンの奇行に我慢ができずどうしてもツッコミを入れていた。しかし逆にそれが苦悩を深めていたのかもしれない。尽きることのない無限のボケにツッコミ続けるのは、あまりにも空虚で得るものは何もない。

「ありのままにカビパンを受け入れれば良い……いや無理だわ。なんか私の呼んだのイヤすぎる輝きしてるんだよね……?!」
 さりとて目の前の理不尽についツッコんでしまうのも人の性。【黴色の女教皇】で召喚されたカビパンは不気味な虹色に光っており、スペックは他のカビパンと変わらないクセに自己主張だけやたらに強い。呼んでしまったことを後悔するくらいアレである。
「せめてトマトなら光るな!!」
 というかもはやコレはトマトなのか。セフィリカが全力でツッコミを入れると、虹色トマトカビパンはコロコロと仲間の元に転がっていった。様々な召喚者による個性豊か(?)なカビパンが集い、いよいよ祭りの本番が始まる。

『う~んまろやかで芳醇でコクのある、それでいてしっとりとしてクセのない今世紀の中でも5本の指に入る……』
 UDC料理を頂いた食レポ担当のカビパンは、なんか食通ぶりつつ中身スッカスカの感想をだらだらと述べ立てる。
 無駄に通りのよいデカい声をしているため、他の席に座っている客にも丸聞こえとなっており、当たり前だが良い顔はされない。
「あの、他のお客様の迷惑になりますので……」
『まあまあまあ』
 困り顔のスタッフにたしなめられても意に介さず食レポリサイタルは続く。付き合ってられないと目を逸らせば、別の所では飾り付け用のカビパンと虹色カビパンがタッグを組んで、店内でゲリラライブを開催しようとしていた。
『わ~たし~は癒し系~♪』
 不気味な七色の光に照らされて絶妙に音程の外れた音痴歌を奏でるカビパン。酔っ払って騒ぐ客よりたちが悪い。
 ある意味では邪神より冒涜的な歌を聞いた一般客やスタッフの中には、メンタルをやられて昏倒する者までいた。

「カビパンお姉ちゃんのフラッペ漬け、フルーツミルク味!」
 そんなカオスを余興として眺めながら、ポーラリアは自分が手伝った料理を賞味していた。ただでさえ不気味なUDC料理にカビパンが添えられることでカオスさが増し、一周回って神々しい気もする謎のオーラを放っているが、本当にコレ食べて大丈夫なヤツなんだろうか。
「……盛りつけていいっていうのだもの。頂くね? 頂きます」
 ポーラリアはカビパンのほっぺたを甘噛みしてむにーっとしてみる。流石に本気でガブッとはできなかったか。
 歯型が付かない程度に味わいつつ、周りの料理のほうは奇麗に食べる。追加したミルクやフルーツがいい味を出していて、こっちも普通じゃないが美味しかった。

「いやこれはもうツッコミきるのは無理。ご飯食べよ」
 完全に目の前の光景が収拾不可能な事態に陥ると、セフィリカもツッコミを諦めて食事に集中することにした。
 出てくる料理はヤバくてもグリモア猟兵が大丈夫というなら信じられるし、普通に食事を楽しむつもりである。
「身体をいくら鍛えても書類仕事で疲弊しなくなるわけじゃないんだし良い機会」
 健康効果があるなら疲労回復も期待できるだろうと考えてUDC料理をいただいてみると、肉やスープの旨味が体に染み渡るのと一緒に、溜まっていたものがスッと抜けていく感覚があった。まだ一口目なのに劇的な効き目である。
「なんか肩のコリがほぐれたし、頭もスッキリした気がするわ」
 UDC料理には肉体だけでなく精神的な疲労もリフレッシュする効果があるのだろうか。あくまで猟兵が食べた場合に限られるのだろうが、折角だしこの機会に食べられるだけ食べておこうと、注文した分はキッチリ完食することにしたセフィリカ。周りのカオスっぷりからは目を逸らしつつ、その表情は晴れやかであった。

『一応、証拠は押さえておきなさいよ?』
「おっけー♪」
 皆がなんやかんやで食事を楽しんでいる中、カビパン祭参加者の中では唯一食べていないあやめとカキツバタは、この騒ぎに紛れてUDC料理の回収と処分を行っていた。事件のサンプルとしては重要な物だし、カオスのドサクサで脱走した料理が新たな事件を――なんたことが起こったら笑えない。
『にしてもこれ本当に大丈夫?』
「大丈夫大丈夫、たぶん」
 カビパン祭りにより店内が期待以上の大混乱になっているおかげで、彼女達の暗躍がバレる心配はない。スタッフの目を盗んで料理をタッパーやゴミ箱に放り込むあやめの表情は清々しい笑顔だった。保護者役であるカキツバタは心配しているが、仮に大丈夫でなくてもこの状況が止められないのは事実な訳で。

「お客様、おやめ下さい! お客様ー!」
 悲鳴じみた声を上げるスタッフ総出の奮闘により、最終的にカビパン達は全員店外に連れ出されることになるが、それまでに店が被ったカオスの被害は深刻なものであった。料理店を隠れ蓑にした邪神の陰謀を妨害するという意味では、彼女達のやった事は間違ってはいないのだろうが。
「ごちそうさまでした♪」
 台風が過ぎ去った後のような店内で、満足そうに手を合わせる詩乃の声が響く。他の者達も各々楽しんだようだ。
 だが、恐ろしいことにカビパン祭りはまだ終わってはいない。最初のステップを終えたカオスの祭りは、まだまだ次の段階を残しているのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ザクロ・シャハブ
机と椅子以外の四本脚は食べるの意味はどんな食材でも商売できるという意味らしい
客を変形させるのは商売としてはどうかとは思う

「腹が、へった…」
予約席に座ってとりあえずシェフの気まぐれ料理を頼もう

「わあ、なんか凄いな」
出てきた料理の冒涜的な見た目に耳を下げる
オブリビオン飯を作ってるバーでも見た目は食欲を擽られたぞ
「いただきます…」
口に含むと甘辛の餡に具材が絡んで…なんか動いてる気さえする
中華とUDCが対バンでリアルファイト起こして大炎上してる味がする…つまり怖旨不味い
でもUCと持ちうる【元気】で食べきるぞ(狂気耐性使用)
きっと中華だけなら旨い所なんだろう
「…さて、この皿を作った奴は誰だ?」



「机と椅子以外の四本脚は食べるの意味はどんな食材でも商売できるという意味らしい」
 そんな豆知識を語りつつ、ザクロ・シャハブ(懐中兎計・f28253)は問題の中華料理店の前までやって来た。なるほど、名状しがたいUDC怪物すら調理してしまう料理人がいるのなら、その格言も正しかったのかもしれないが。
「客を変形させるのは商売としてはどうかとは思う」
 まったくもって正論である。しかし邪神の狂気に取り憑かれたオブリビオンにとって、商売や金稼ぎは二の次なのだろう。不老長寿の噂によって1人でも多くの人間を集め、バケモノに変える――この店がその為に運営されているのは間違いなかった。

「腹が、へった……」
 それはそれとして、普通に空腹でもあったザクロは店に入るとすぐに料理を頼む。予約していた席に座って、とりあえず注文するのはシェフの気まぐれ料理。普通の中華料理の名前もメニュー表に並んでいたのに、敢えてそれを選んだのは元凶の興味を引くためか。
「かしこまりました。少々お待ち下さい」
 注文を受け取ったスタッフが厨房に入っていくと、間もなくその奥から美味しそうな匂いが漂ってきた。だが同時に「ギェェェェ……」と、名状しがたい獣のような悲鳴が微かにしたのも彼は聞き逃さなかった。あそこで一体どんな"調理"が行われているのか、あまり想像しないほうが良いだろう。

「わあ、なんか凄いな」
 そうして出てきた料理の冒涜的な見た目に、ザクロは思わず耳を下げた。オブリビオン飯を作ってる知り合いのバーでも見た目は食欲を擽られたのに、こちらはまるで真逆。いかにもゲテモノですという自己主張が激しいくせに、香りだけは普通に美味しそうなせいで脳がバグりそうになる。
「いただきます……」
 が、今さらビビっても仕方ない。どことなく引きつっているようにも見える無表情のまま、慎重に料理を口に含んでみると――甘辛の餡に具材が絡んで、独特な味覚のハーモニーを奏でる。あまりにも肉々しく味わい深い食感で、なんか動いてる気さえする。

(中華とUDCが対バンでリアルファイト起こして大炎上してる味がする……つまり怖旨不味い)
 味覚が伝えてくる情報は「美味」なのだが、味わえば味わうほどこの世のものではない何かを感じる。これを食った人間がUDC化するというのも納得である。それでも【ザクロさんは止められない】を発動中の彼は外部からの攻撃を遮断できるため、味の精神攻撃を喰らっても狂気に陥ったりはしない。
(きっと中華だけなら旨い所なんだろう)
 腕は良いのにどうしてそれを良い事に、そしてマトモな料理に使えなかったのか。そんな感想をしみじみと抱きながら、持ちうる元気を振り絞ってUDC料理を食べ続けるザクロ。そのポケットの中でカチカチと高速で動く懐中時計は、彼の心境を現しているようでもあった。

「……さて、この皿を作った奴は誰だ?」
 途中何度かの吐き気をこらえつつ、シェフの気まぐれ料理を完食したザクロは、平然とした顔を装い店員を呼ぶ。
 ここまでキッチリ食べきったのだ、直接感想を伝えたいと言えば向こうも嫌な気はしないだろう。果たしてご対面となった時、彼がどんな"感想"をシェフに叩きつけるのかは、まだ分からないが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
ブルーアルカディアじゃ
魔獣は食料にされてたから
食べられるUDCがいても
おかしくないのかもしれないけど
人をUDCに変える料理というのは放っておけないね

それと毎度のことながら
UDC組織の方々には頭が上がらないね

猟兵ならむしろ健康になるといっても
これ以上おかしな体になっても困るから
食べるふりをして処分しようか

念のため料理を運んでくるスタッフらの
動きはそれとなく観察しておくよ

料理が来たらUCを使用して口の中に
邪神の聖域に繋がる空間の穴を作り
食べてるふりをして吸い込んでいこう

後で邪神の分霊から文句言われそうな気もするけど
背に腹は変えられないからね

でもゴミに出す訳にもいかないし
後でUDC組織に相談しようか



「ブルーアルカディアじゃ魔獣は食料にされてたから、食べられるUDCがいてもおかしくないのかもしれないけど。人をUDCに変える料理というのは放っておけないね」
 食文化は国や世界によって様々であり、個人の嗜好に収まっている範囲なら佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)もとやかく言うつもりはない。だが、それが邪神とオブリビオンによる陰謀の材料になっているなら自分達の出番だ。
「それと毎度のことながら、UDC組織の方々には頭が上がらないね」
 不慮の事故により半邪神化した自分を保護してくれた事をはじめ、猟兵としての活動でもUDC組織は強力なバックアップ体制を取ってくれている。彼らが迅速に予約手続きを完了させ、食事にかかる莫大な費用を請け負ってくれなければ、ここまでスムーズに潜入作戦を実行することはできなかっただろう。

「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
 店の入り口で予約のチケットを見せると、スタッフはすぐに晶を席まで案内してくれた。内装はきちんとした高級中華料理店の赴きで、値段に見合った格式を感じる。客を呼び寄せるためにはこうした"演出"も大事なのだろう。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「じゃあ、これを」
 メニュー表の中から適当に目についた品を選び、スタッフに注文を伝える。ここまではまだ普通の料理店と言える範疇だが――彼は念のために料理を運んでくるスタッフらの動きから目を離さないようにする。もし不審な動きがあれば即座に対応できるようにだ。

「お待たせしました」
 それとない観察を続けているうちに、注文の品がテーブルの上に並べられる。牛でも豚でも羊でもない奇妙な色をした肉が、見たこともない野菜と一緒に皿に盛り付けられている。メニューでは「回鍋肉」と書かれていたが、中華の体裁を保っただけのまるで別物の料理だ。
(猟兵ならむしろ健康になるといっても、これ以上おかしな体になっても困るから、食べるふりをして処分しようか)
 すでに邪神と融合した身である晶が、それを警戒するのは当然の事だろう。表向きは忌避感をおくびにも出さず、一口目の肉を口に運ぶ――と同時に、ひっそりと【邪神の聖域】を発動させ、自身の口内に小さな空間の穴を作る。

「いただきます」
 ぱくりと食べたように見せかけた料理は、実際には穴に吸い込まれて邪神の聖域へ。そこは邪神と眷属以外の時間が停滞する特殊な領域であり、いつもは冷蔵庫代わりくらいにしか使っていないが、今回は「食べてるふり」を演出するために利用する。
(後で邪神の分霊から文句言われそうな気もするけど、背に腹は変えられないからね)
 ひとまずこの空間に収納しておけば、UDC料理がなにか悪さをする心配はない。ぱくぱくと美味しそうに食べているふうを装えば、スタッフも満足そうに目を細めた。それがお客様に喜んでいただけた感謝なのか、もっと邪な理由によるものかは分からないが。

(でもゴミに出す訳にもいかないし、後でUDC組織に相談しようか)
 ひとまずこの場は乗り切れたとはいえ、収納した料理の後始末はちゃんとしないといけない。研究用のサンプルとして提供したら需要はあるかな、と晶は考える。これまた組織の力を借りることになるが、背に腹は代えられない。
 いつも世話になっている分、猟兵としての務めはきっちり果たすつもりだ。元凶のオブリビオンが姿を現した時、万全の状態で迎え撃てるように、食事を終えた彼は気を引き締める。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリン・エーテリオン
『綺麗な所ね』『人をUDCに変えるという事に目を瞑ればな…』
アルコイリスとミリアスリラも着席する

うめぇ~!
料理が来たのでがっついた
『ヤキカゲンガイイデスネ!』『私はちょっと苦手かな…』
ブラッドムーンとエキドゥーマも料理を食べる

『…食べないの?』
アルコは食事に手を付けていなかったのでミリアが聞いた

『少し懐かしいと思ってな。鉤爪の男の時に少し話したろ』
あ〜世界の融合を戻した時のな!

『新米の時に力の使い方を教えてくれた師匠がいてな。破天荒で滅茶苦茶な人でなUDC料理も食べてたな』

へぇ〜会ってみたいな!

『…もうこの世にはいない、師匠はオブリビオン・フォーミュラで俺が魂と体を分離させて消滅させたからだ』



『綺麗な所ね』
『人をUDCに変えるという事に目を瞑ればな……』
 何も知らなければ中華街某所に建てられた高級料理店。だがその実態はオブリビオンが経営する悍ましき宴会場。
 エリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)に同行する二柱の虹炎神、アルコイリスとミリアスリラはその事実を噛み締めながら着席する。
「うめぇ~!」
 一方のエリンはといえば、そんな緊張感など一切なく既に料理をがっついていた。普通の中華料理とはかけ離れた見た目の異形さも気にならないようで、純粋に料理の味を堪能しているようだ。諸々の事に目を潰れるのであれば、ここのシェフの腕前自体はなかなかのものであった。

『ヤキカゲンガイイデスネ!』
『私はちょっと苦手かな……』
 エリンの仲間である二体の邪神竜、ブラッドムーンとエキドゥーマもUDC料理を食べている。感想は人それぞれだが害はないようだ。普通の人間ならUDC化してしまうらしいが、ここにいるメンツの中に「普通の人間」はいない。
『……食べないの?』
 ミリアスリラも料理に口をつけ始めるが、隣に座っているアルコイリスがまだ手を付けていないので尋ねてみる。
 得体の知れないモノを警戒しているのかと思ったが、どうも違うらしい。彼の眼差しは料理よりもずっと遠くのものを見ているようだった。

『少し懐かしいと思ってな。鉤爪の男の時に少し話したろ』
「あ~世界の融合を戻した時のな!」
 それはエリンが一時的なスランプ状態に陥っていた時にした話だ。虹炎の力の扱い方を教えるにあたって、アルコイリスは自分の経験談を少しだけ語った。あの時は他にやるべき事があったため、深く話す余裕はなかったのだが。
『新米の時に力の使い方を教えてくれた師匠がいてな。破天荒で滅茶苦茶な人でなUDC料理も食べてたな』
 今でこそ虹炎の神として強大な力をふるうアルコイリスではあるが、生まれながらにしてそうだった訳ではない。
 若かりし日の未熟な彼を教え導いた存在。師との思い出は今でも彼の記憶に刻みつけられている。目の前にある奇妙なUDC料理からも、はっきりと思い出せるほどに。

「へぇ~会ってみたいな!」
 話を聞いたエリンは無邪気に言うが、それを聞いた瞬間アルコイリスの表情がかすかに曇った。さっきまで和やかな雰囲気だったのに、急に降りてきた重々しい沈黙。その反応は触れられたくない過去に触れてしまったのは明らかで――やがて彼はぽつりと口を開く。
『……もうこの世にはいない、師匠は俺が魂と体を分離させて消滅させたからだ』
 オブリビオンとなった師にこの手で引導を渡す、あの瞬間の記憶が脳裏をよぎる。幾つもの思い出と同じように、それもまた忘れたくても忘れることはできない。過去を反芻するように、虹炎の神はゆっくりと料理を口に運んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アヤネ・タチバナ
【アドリブ◎】

🔴REC 
ハロハロビーム☆ はい、セーラー星人のアヤネだよ
今、とある中華料理店の前に来てまーす。大きな声じゃ言えないけど、ここ料理が激ヤバなんだって
そんなお店の料理をいかに美味しく完食できるかこれから挑戦していこうと思いまーす♪

映えそうなネタだし、もっと綺麗になれて目的の為にもなるなんてサイコーだね
|わお。さっそく前菜《うぇ。いきなりスゴイの》が来たよ。|マジやば♪《悪い意味で》
新鮮なキクラゲが|まだ口の中でプニプニ動いて《キクラゲってキノコだよね?!》
んー♪ この見た|事《く》もない|珍《妖》しい野菜のとろみとの|マリアージュ《不協和音》絶妙すぎ。つい口の中|が蕩け《から出》ちゃいそう

心の声は後で編集して入れるとして
今は|パフォーマンス力とコミュ力《配信者根性》と誘惑力を発揮
映えを意識した食べる仕種と表情に色気を小匙少々。無理してる感を隠しきらないのがポイント
そんな風に動画映えに意識を集中、とんでもない味や見た目をむしろ好材料にして|料理の完食《もっと綺麗》を目指すよ



「ハロハロビーム☆ はい、セーラー星人のアヤネだよ。今、とある中華料理店の前に来てまーす。大きな声じゃ言えないけど、ここ料理が激ヤバなんだって」
 とある中華街の一角にたたずむ料理店を画角に収めるよう、スマホのカメラに向かってポーズを決めるアヤネ・タチバナ(セーラー服を脱がさないで・f39709)。これだけなら良くある食レポ動画の撮影中のようだが、相手がマジで洒落にならない「激ヤバ」なところが違う。
「そんなお店の料理をいかに美味しく完食できるかこれから挑戦していこうと思いまーす♪」
 果たしてどれだけヤバい物が出てくるのか(動画映え的な意味で)期待に胸膨らませつつ、彼女は店に突入する。
 危険と分かっていてもこの動じなさと晴れやかな笑顔は、並みのJKの風格ではない。セーラー星からやって来た圧倒的女子高校生力を感じさせた。

「ようこそいらっしゃいました。こちらの席へどうぞ」
 店内に入るとすぐにスタッフがやって来て、丁寧な対応で席まで案内される。内装の雰囲気もGOODで、ここまでは真っ当にいい感じの高級料理店といった雰囲気だ。それだけに、この後どんな料理が出てくるのか想像もつかない。
(映えそうなネタだし、もっと綺麗になれて目的の為にもなるなんてサイコーだね)
 たっぷりと堪能できるようにコース料理を注文し、ウキウキ気分でしばし待つ。ほどなくして厨房の方から漂ってくるのは食欲をそそる匂いと「グギャァァァァァ……」という未知の生物的鳴き声。今日は客が多くてシェフもノリノリのようだ。あの奥でどんな"調理"が行われているのか、あまり想像はしたくない。

「|わお。さっそく前菜《うぇ。いきなりスゴイの》が来たよ。|マジやば♪《悪い意味で》」
 そうして出てきたUDC料理を見ても、アヤネの笑顔が崩れなかったのは流石と言わざるをえない。使われている食材に元の姿を想像できるものが一つもないし、色がヘンだし、蠢いている。それなのに匂いだけは普通に美味しそうなそれを、彼女は大胆に匙ですくってパクリと口に運んだ。
「新鮮なキクラゲが|まだ口の中でプニプニ動いて《キクラゲってキノコだよね?!》、んー♪ この見た|事《く》もない|珍《妖》しい野菜のとろみとの|マリアージュ《不協和音》絶妙すぎ。つい口の中|が蕩け《から出》ちゃいそう」
 本音が口から出ないようぐっと堪えつつ咀嚼。映えを意識した食べる仕草と表情に色気を小匙少々、それでいて無理してる感を隠しきらないのがポイントだ。このとんでもない味や見た目はむしろ動画的には好材料になる――というか、そう思いでもしなければ食べきる気力が沸かない。今は目の前にある料理をどう処理するかに集中だ。

(心の声は後で編集して入れるとして)
 【星外視察官】の効果で自動撮影モードになったカメラの前で、持ち前のパフォーマンス力とコミュ力と誘惑力をフルに発揮するアヤネ。ただ腹の中に押し込むような食べ方ではいけない、ちゃんと視聴者のリアクションを取れるような所を見せないとダメ。可憐でアッパーなノリの裏側にあるのは尋常ならざる配信者根性であった。
(ここまで体張ってボツ動画になるのが一番ヤだし)
 頑張ってるところもちょっと苦しそうなところも全部キレイに可愛く。臨場感あふれる食レポを繰り広げながら、彼女は並べられた料理をひとつずつ攻略していく。得も言われぬ食感と相反して、体のほうは肌のハリが良くなったり疲労が吹っ飛んだり、実感できるレベルでの健康効果が出ているのがまた不思議な感覚である。

「……ごちそーさま☆ うーん、|最高《最悪》♪」
「ご堪能いただけたようで何よりです」
 こうして心を削る奮闘の末、アヤネは見事にUDC料理を食べきってみせた。米粒一つ残さない、文句のつけようがない完食である。何も気づいていないスタッフからの感謝の言葉が引っかかるが、今はそれもどうでもいい気分だ。
 演りきった笑顔と奇麗になったお皿をきちんとカメラに収めてから、録画を停止。ある意味すでに一勝負終えたような気分で、彼女はふうっと大きな溜息を吐いたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『堕ちた仙術士『何・華菓』』

POW   :    召鬼・使屍斗
自身の【血肉】を代償に、【召喚した武将タイプのキョンシー】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【三尖両刃刀】で戦う。
SPD   :    変化・変成鬼
【呪符を自分に貼る】事で【牙、角、鉤爪を備えた鬼の姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    禁呪・不如意
【呪符】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠大宝寺・風蘭です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「皆様、ご堪能いただけたようで何よりです」

 ある者は素直に楽しみ、ある者は嫌々ながら、またある者は策を練って、無事にUDC料理を「完食」した猟兵達。
 食卓で一息つく彼らの前に、厨房の奥から誰かがやって来る。中華風の衣装に身を包んだ黒髪の女性――彼女が、ここで料理を作っているシェフだろう。

「私の名は何・華菓。この店のオーナー兼料理長を務めております」

 恭しい態度で一礼する女性は明らかに上機嫌で、何かを期待するような満面の笑みを浮かべてる。
 きっと料理を完食した客から「絶賛」を得られるであろうと思って顔を出したのだろう。加えて、客が人ならざるものに変貌するところを目の前で見物しようという、邪な思惑も見え隠れしていた。

「皆様が"人として"食べる最後の料理を作ることが出来て、光栄でございます…………あら?」

 だが。話している間も一向に猟兵達がUDC化しないのに気付き、華菓ははてなと首を傾げる。
 完食するほどきっちりとUDC料理を摂取すれば、普通の人間なら確実に怪物になるはずだが。どうやら彼女も猟兵に料理を振る舞ったのはこれが初めてだったらしい。

「なぜ、眷属にならない……?!」

 ようやく華菓が違和感を覚え、いらだちを感じ始める頃には、猟兵達はすでに臨戦態勢に入っていた。
 不老長寿の噂を利用して、これまで何人もの人間達を邪神の眷属に変えてきた「何・華菓」。彼女を撃破すれば、この店でUDC料理を作れる者はいなくなる。相手がなかなか表に出ない事も考えれば、今が最大のチャンスだろう。

 オブリビオンと化して邪神のために腕を振るう、おぞましき中華料理人の陰謀を終わらせる。
 準備万端かつUDC料理を食べて健康になった猟兵達によって、戦いの火蓋は切って落とされた。
雪・兼光
●SPD/アドリブとかお任せ

何故?UDC料理を食べても平気な人種が居るとしたら、それは猟兵ぐらいだろ?

どんな軽易で邪神側についたかも興味ねぇな
とっとまた寝な、生ゴミが

相手の攻撃は第六感頼りで回避する
無理ならキャリーバッグで盾受け

乱れ撃ちと2回攻撃と範囲攻撃の誘導弾のユーベルコードで攻撃する

可能なら下半身目掛けて部位破壊で脚の破壊を狙いたい
更に欲を言えば頭につけた呪符も部位破壊も狙う

突き刺して来たら受け止めて、そのまま零距離射撃のユーベルコードをどたまにぶち込みたいね

撒き散らしている呪符も範囲攻撃するで掃除しておこうか
大元も狙いたいね

末端に何聞いても情報が引き出せそうにねぇし、さぁ骸の海へ帰りな



「何故? UDC料理を食べても平気な人種が居るとしたら、それは猟兵ぐらいだろ?」
 料理長『何・華菓』の疑問に、自明の理だと答えるのは兼光。相手が超常の存在を調理する者なら、彼らも常識の埒外に位置する者。食した程度で異形に堕ちる者はいない――そもそも、彼の場合はふりをしていただけで、食べてすらいないのだが。
「どんな経緯で邪神側についたかも興味ねぇな。とっとまた寝な、生ゴミが」
「……ッ?!」
 問答無用とばかりにブラスターを抜いた彼は、まだ敵が困惑しているうちに攻撃を仕掛ける。ハンドガン型の銃身より放たれた熱戦が肩を掠めれば、流石に華菓も状況を理解するだろう。自分の企みはとっくにバレていたのだと。

「猟兵……まさか、もう露見するなんて……!」
 表情に焦りを隠せぬながらも、華菓はすぐさま呪符を取り出して戦闘態勢に入る。彼女はただの料理人には非ず、生前はUDC組織のエージェントとして活動した経歴もある腕利きの術師だ。呪力を込めた符を自らに貼り付ければ、その身はみるみる怪物の姿に変じていく。
「ならば貴方達もまとめて料理してやりましょう!」
「できると思っているのか?」
 【変化・変成鬼】の術を使った華菓の異形にも兼光は動じない。猛然と振り下ろされる鬼の鉤爪を、持ち前の勘の良さで見切り、盾代わりの「ボディガードキャリーバック」で逸らす。見た目は普通の黒いキャリーバッグだが、魔法と科学力で強化された頑丈な逸品だ。

「アンタはもう黙ってろ」
「ぐぅッ!?」
 すかさず兼光はキャリーバッグの影から銃口を突き出し、【クイックドロウ】による熱線の乱れ撃ちを仕掛ける。
 最初に狙うのは敵の足回り。目にも留まらぬ神速の早撃ちを受け、腿を撃ち抜かれた華菓が体勢を崩し膝を付く。
「化けの皮を剥がしてやる」
「くっ……!」
 次に狙うのは頭に貼りつけられた呪符――奴を鬼化させているユーベルコードの源だ。これを剥がされるのだけは不味いと、必死に防御する華菓。一発一発は致命傷になるほどではないが、ブラスターの閃光は着実にダメージを蓄積させていく。

「ついでに掃除しておこうか」
 さらに兼光は敵の体からこぼれ落ちた符にも熱線をばら撒き、反撃の手立てを確実に潰していく。ついでに流れ弾が店内に及んでも、どうせ今日で潰れる店だ、気にする必要はない。シェフにして店主である華菓にとっては溜まったものではないだろうが。
「私の店で……これ以上の狼藉は許しません!」
 焦りと怒りは行動を単調にする。ダメージ覚悟で強引に突っ込んできた鬼の角が、狼藉者を串刺しにせんと迫る。
 だが、とうにその動きを見切っていた兼光は、キャリーバッグを使って正面からそれを受け止め、無防備に突き出された敵の頭に銃口を押し付けた。

「末端に何聞いても情報が引き出せそうにねぇし、さぁ骸の海へ帰りな」
「しまっ……ぎゃぁッ!!」
 完全な密接状態で放たれた零距離射撃は目を焼くほどの閃光となり、貼りつけられた呪符ごとドタマを撃ち抜く。
 吹き飛ばされた華菓の姿は鬼から人の姿に戻っていき、肉の焦げる匂いと鮮血が店内に撒き散らされる。悪趣味なディナーショーはもう終わり、ここからは落ちていくだけだと彼女はまだ知らない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花咲・月華
貴女ね…『お礼』をさせて貰うわ!
私は爆撃の力が宿す矢弾の雨を放つ
と同時に敵の足元に手鏡をこっそり置いておく
このとき視力で周りを観察して行動する

『力が湧いてくるな…』
料理を食べて元気になった朱雀が怯んだ敵に対して衝撃波によって起こった爆破で攻撃

敵が変身して攻撃を仕掛けようとしたとき転ぶ

『残念だったな〜(クロム並)』
UC伝説の大妖怪・鏡転が勝手に発動した
鏡転が敵の足元に油を撒いて転ばせた後に
『オラオラオラオラオラオラ〜』
敵の顔面にラッシュで殴り飛ばした


『逃さん!』
朱雀はマヒ攻撃の蟲を呼び出し敵の動きを止めた直後に爆破する音響弾を放つ

止めよ!料理を汚した罰よ!
指定UCを発動して動けなくなった敵を攻撃



「貴女ね……『お礼』をさせて貰うわ!」
 食事中はなんやかんやでUDC料理も美味しくいただいていた月華だが、それはそれとして悪趣味な邪神の眷属どもの陰謀を見過ごすつもりは一切ない。心の中で燃える彼女の闘志は妖力の焔となり、敵を討つための矢弾に変わる。
「喰らいなさい!」
 一喝と共に放たれた矢弾の雨の標的は、この店の料理長たる『何・華菓』。着弾と同時に焔の弾は爆発を起こし、爆煙がもうもうと店内に立ち込める――が、その煙の中からゆらりと、ヒトとは異なるシルエットが浮かび上がる。

「お客様……店内を荒らすのはお止め下さい!」
 【変化・変成鬼】の術により人外へと姿を変えた華菓の咆哮が、爆煙と焔を吹き飛ばす。ただのシェフでは無いことは最初から分かっていたが、料理だけでなく符術の腕前もなかなかのようだ。だが、対する月華達も今はUDC料理を食べて元気一杯、コンディションは最高潮だ。
『力が湧いてくるな……』
 敵から送られた"塩"の効き目を確かめるように、朱雀がぐっと拳を突き出す。すると拳圧から衝撃波が生じ、それによって起こった爆発が店を破壊しながら敵を襲う。吹き飛ばされる椅子とテーブル、めくれ上がる敷物、粉々になるガラス窓――本物の鬼がその力を屋内で振るえば、こうなるのは自明の理だった。

「くぅッ!? よ、よくも……!」
 華菓は怯みながらも鬼化した体躯で攻撃に耐え、反撃に転じようとする。しかし彼女が踏み込んだ1歩が2歩目に繋がることはなかった。何かに足を取られたようにガクンと体勢を崩し、そのまま無様に床に転倒したのである。
「はっ? な、なにが……?」
『残念だったな~』
 慌てて足元を見れば、そこには一枚の手鏡が落ちており、鏡面からひょいと顔を覗かせた【伝説の大妖怪・鏡転】が、床に油を撒いていた。最初に爆撃を仕掛けたあの直後、敵の視界が爆煙で紛れた隙に、月華はこっそりとコレを仕掛けていたのだ。

『オラオラオラオラオラオラ~』
「ぐふっ、がはッ、ごほッ!?」
 鏡の世界を行き来する能力を活かして敵の不意をついた鏡転は、立ち上がる間を与えずに猛ラッシュを叩き込む。
 ボコボコに顔面を殴り飛ばされた華菓は悲鳴を上げ、油の張られた床の上をごろごろと転がりながら滑っていく。
「ま、まずい、体勢を……」
『逃さん!』
 間髪入れずに朱雀が蟲の群れを呼び出し、麻痺毒の牙で敵に齧りつかせる。「ぎゃッ?!」と甲高い叫び声と共に敵の動きが止まれば、直後に叩き込まれた音響弾が大爆発を起こした。店中に反響する轟音が衝撃波となって、華菓の全身を打ちのめしていく。

「止めよ! 料理を汚した罰よ!」
 一連の攻勢の最後を飾るのはやはり月華。闘志を宿した瞳で敵をまっすぐに見据え、放つは必中の【焔天神矢】。
 闇を切り裂く煌々たる焔の一撃は、さながら鳳凰の如く戦場を翔けて――邪悪なUDC料理人の胸に突き刺さった。
「ぐ、がぁッ?!」
 強烈なダメージにより変身の解けた華菓が、元の人間の姿になって血反吐を吐く。人を幸せにするはずの料理で人を騙し、弄んできた代償は高く付いたようだ。鬼の姫君を含めた猟兵の怒りを買ったのが、彼女の運の尽きである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリュファシオン・アルティウス
さあ…行くよ!
私は素早く呪殺弾を放つ敵は回避しようとしたが追尾属性が付いているので敵にヒットする

『オォォー!』
オーさんは敵を跳ね飛ばした後に毒を放つ

『どうした?余裕が無いじゃないか』
ミナルアさんは敵が体勢を立て直す前にUC精霊魔導・ヴァイオレンス・パラドックスで攻撃した後に
『殺れ、テトラ』
テトラが水蒸気爆発を放ち追い撃ちをかける

敵が変身して襲い掛かって来たので衝撃波を纏ったオーラ防御で逆にダメージを与える

しかしそれでも攻撃が届きそうになったので
ポンと手を叩くと漢数字一に変身して回避する
この現象はUC怪盗一文字・NEXTGENERATIONを発動
その直後ラウールガワイヤーで敵を捉えて蹴り飛ばした



「さあ……行くよ!」
 此度の事件の首謀者である『何・華菓』の姿を捉えた瞬間、エリュファシオンは「シャドウ・ガンナイフ」を腰のホルスターから抜き、素早く呪殺弾を撃った。目にも留まらぬ早業で放たれた影の如き漆黒の弾丸が、悪しき料理人に迫る。
「こんなもの……なにッ?!」
 華菓はさっと身を躱そうとするが、それだけで追尾性能を付与された弾丸は避けられない。後を追うように大きくカーブを描いて、呪殺弾はそのまま標的にヒット。その呪詛にはダメージを与えるだけでなく、相手の動きを鈍らせる効果もあった。

『オォォー!』
「なっ……はぐッ!!」
 すかさず突っ込んできたのはオオサンショウウオ型バイクのオーさん。およそ中華料理店でエンカウントするものとは思えないギャップに戸惑う敵をトップスピードで跳ね飛ばし、さらに口から猛毒のブレスを吐く。普段の見た目はこうでも、エリュファシオンの頼れる相棒だ。
『どうした? 余裕が無いじゃないか』
 翻弄される華菓に皮肉を投げかけながら、呪文を唱えるのは星霊ミナルア。敵が体勢を立て直すよりも先に【精霊魔導・ヴァイオレンス・パラドックス】を発動させた彼女は、飛躍的に強化された魔法と斬撃波を剣より浴びせた。

「ぐうっ……ちょ、調子に……」
『殺れ、テトラ』
「ぐあッ?!」
 斬撃波を受けた華菓に追い討ちをかけるように、蒸気獣テトラが水蒸気爆発を放つ。高温高圧の蒸気の奔流を吹き付けられた敵は勢いよく吹っ飛ばされ、自分の店の壁に叩きつけられた。ぐしゃりと肉と骨が砕ける鈍い音がして、血のシミが広がっていく。
「ぐ、う……これ以上、好き勝手はさせません!」
 それでも倒れていなかった華菓の体が【変化・変成鬼】の符によって鬼の姿と化していく。これまで着実に眷属を増やしてきたこの計画を、たった一瞬で無に消させてなるものかと。文字通りに鬼気迫る勢いで襲いかかってきた。

「なんの!」
 エリュファシオンは衝撃波を帯びた「万能時間覇気」のオーラを纏い、攻撃を防ぎながら逆にダメージを与える。
 だが、ここで引いた所で勝機はないと分かっているのか、華菓は多少の負傷を厭わずに攻撃を通そうとしてきた。
「死になさい……ッ!」
 槍のように鋭い鬼の角が、女猟兵を串刺しにする――その間際、エリュファシオンがポンと手を叩くと、その体は漢数字の『一』に変異した。それは彼女が「爺や」から盗び学んだユーベルコード【怪盗一文字 ~NEXT・GENERATION~】の効果によるものだ。

「はぁっ?」
 突然細い横棒一本に標的が姿を変えたことで、華菓の攻撃は空を切る。その直後、潜入の段階からずっと身を潜めていた【逆行怪盗皇・ラウール・アナザーワン】が壁の中から姿を現し、長く伸ばしたワイヤーで奇襲を仕掛けた。
「君の力を見せるんだ……ラウール!」
「な、貴様いつから、ッがぁ!?!」
 ワイヤーで拘束された華菓に叩き込まれる神速のひと蹴りが、その身をもう一度壁に叩きつける。たなびく赤いタキシードの裾と、真っ赤な血飛沫がまるで薔薇のよう。仲間達と連携したエリュファシオンの猛攻に、単独の敵ではまるで対応できていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フラーウム・ティラメイト
おや?…料理人が来たようですね
私は敵が来たので軽くお辞儀をする

『ケー』
オベイも返事をした

『面倒な相手が来ましたね』
マーアリアは素早く呪殺弾を放つ
敵は回避したが直後に斬撃波を放ち今度は当たった

モザイクの力で吹き飛ばします!
UC発動してモザイクの嵐を放ち攻撃してから呪殺弾で追撃します

『私も続きましょう』
マーアリアもUC因果獣皇・因果の支配者を発動。
次元能力を利用して影から敵の顎を蹴り飛ばして凍結攻撃の光線を放つ


敵がUCを発動してきたので推力移動で敵の攻撃を回避しながら生命力吸収と魔力吸収のブレス攻撃で攻撃
素早く結界術を展開して足場にして回避します

終わりです…
私はモザイクの嵐を再び敵にぶつけました。



「おや? ……料理人が来たようですね」
『ケー』
 厨房の奥から出てきた相手に、フラーウムは軽くお辞儀をする。UDC料理が高級フレンチになったお陰で美味しく食べられたためか、シェフに対する敵意は強くないようだ。その要因であるオベイも彼女にならって返事をする。
「誰も眷属になっていないとは……どうやら死んで貰うしかないようです」
 対する『何・華菓』にとって、自分の料理を食べても怪物化せず、この店の秘密を知る者は見過ごせない脅威だ。
 何がなんでもここで始末するという明確な殺気がひしひしと伝わってくる。それは一介の料理人には出せない気迫であった。

『面倒な相手が来ましたね』
 フラーウム達をかばうようにマーアリアが前に立ち、その手から素早く呪殺弾を放つ。面倒だと思うからこそ油断も容赦も最初からなしだ――華菓はそれをひらりと跳躍して避けるが、直後に放たれた斬撃波が彼女に襲い掛かる。
「くっ! やってくれますね……」
「私も行きます」
 二段構えの攻撃を捌ききれずに傷を負った華菓は、顔をしかめながらも反撃の体勢を整えようとするが、その前にフラーウムが【因果獣狂龍皇・フラーウム・ディストラクション】を発動させている。覚醒した因果獣の力をもって内なるモザイクの力を操るユーベルコードだ。

「モザイクの力で吹き飛ばします!」
 フラーウムの中から解き放たれたモザイクの嵐は、触れたものから時間質量を消滅させる。危機感を抱いた華菓は「チッ!」と舌打ちしつつ距離を取るが、そこに追撃の呪殺弾を撃ち込まれる事でさらなる後退を余儀なくされた。
『私も続きましょう』
 さらにはマーアリアも【因果獣皇・因果の支配者】を発動し、因果獣としての真の力を解放する。これで店内には因果を司る者が2人。次元や概念さえもひれ伏させる神の如き権能が、食を弄んだ料理人に裁きの刃を突きつける。

『因果獣皇の力を思い知りなさい』
「なっ……後ろから?!」
 次元能力を利用して影から出現したマーアリアが、華菓の顎に強烈なハイキックをお見舞いする。蹴り飛ばされた敵が落ちてくる前に、凍結効果を付与した光線で追撃。光を浴びた料理人の体がみるみるうちに凍りついていく。
「な、舐めるなッ!」
 しかし華菓は【変化・変成鬼】の術で肉体を鬼化することで、強引に凍結を解除して反撃を仕掛けてきた。落下の勢いを乗せた鉤爪の一撃は、まともに喰らえば因果獣であってもただでは済まない――フラーウム達は魔力の放出で推進力を生み出し、さらに結界術で足場を作って回避行動を取る。

「当たりませんよ」
『お返しです』
 鉤爪を躱してから間髪入れずに、2人は因果力のブレスを放つ。光の奔流を浴びせられた華菓から生命力と魔力がみるみるうちに吸い取られていき、たまらず「ぐあぁぁぁッ?!」と悲鳴が上がる。本気を出した因果獣達の攻勢は止まる気配を見せなかった。
「終わりです……」
 その締めくくりにフラーウムはモザイクの嵐を再び敵にぶつけ、この世界で活動するために必要な時間質量を根こそぎ奪い去っていく。追い詰められつつある華菓の表情にもはや余裕はなく、焦りと怒りと恐怖に満ちていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリン・エーテリオン
来いよ!外道!
私は拳を敵に構える
『食した者をオブリビオンに変えるなど俺の師匠に対する侮辱だ!何としてもここで倒すぞ!』
アルコはとても怒っているようだ

鳴り響け!魂の音!
私はUCを発動
そして電撃の衝撃波を敵に放つ

『ミーハウェルダンデオネガイシマスネ!』『私はレアかな?』
ブラッドムーンは爆撃光線を敵に放つが回避される
しかしエキドゥーマが迷彩をかけて爆破する弾幕を放っていたのでそれにヒット

『料理人が怪物に変える料理を作るんじゃねえ!オラ!』
アルコは神罰と電撃を纏った拳で敵を殴り飛ばす(怪力も込められていたので相当な怒りである)

くたばりやがれ!この外道が!
私は超次元能力の応用で次元属性の衝撃波敵に放った



「来いよ! 外道!」
 いけしゃあしゃあと姿を現したUDC料理の元凶、堕ちた仙術士『何・華菓』を怒号混じりに挑発し、拳を構えるのはエリン。飯は美味かったがそれはそれとして話は別、これ以上ヤツにUDC料理を作らせるつもりはさらさらない。
『食した者をオブリビオンに変えるなど俺の師匠に対する侮辱だ! 何としてもここで倒すぞ!』
 その思いはアルコイリスも同じで、むしろエリン以上に怒っているように見えた。神の怒りは虹色の炎となって体からあふれ出し、戦場に熱風を巻き起こす。この気迫に遅れを取らないように、エリンも自らの心臓を高鳴らせた。

「鳴り響け! 魂の音!」
 【虹炎の神エリン・エーテリオン・ライオット】を発動したエリンの髪は虹色に染まり、ニ枚の羽衣を身に纏う。
 これぞ彼女が新世代の虹炎の神に覚醒した姿。ぐっと握りしめた拳を前に突き出せば、怒りの感情が電撃の衝撃波となって敵に襲いかかった。
『ミーハウェルダンデオネガイシマスネ!』『私はレアかな?』
「くっ……同時攻撃ですか!」
 同時にブラッドムーンとエキドゥーマ、二体の邪神龍も攻撃を合わせる。敵はそのうちの2つまで――エリンの雷とブラッドムーンの爆撃光線までは回避した。しかしその2つに紛れてエキドゥーマが放った、迷彩をかけた弾幕までは避けきれなかった。

「きゃあっ!?」
 爆発する魔力の弾幕がヒットし、悲鳴を上げて体勢を崩す華菓。この機を逃さず飛び込んだのはアルコイリスだ。
 文字通りの神速で敵の懐に入った彼は、神罰の電撃を纏った拳を振り上げ、ただ純粋な膂力にものを言わせて殴りつける。
『料理人が怪物に変える料理を作るんじゃねえ! オラ!』
「ごふッ!!」
 相当な怒りが籠もっていたのだろう、人智を超える怪力で殴られた華菓は砲弾のように壁際まで吹っ飛んでいく。
 その口から血反吐が溢れ、感電により即座に立ち上がることもできず。ガクガクと震える膝が、ダメージの程度を物語っている。

「くたばりやがれ! この外道が!」
 そこに追い討ちをかけるように、エリンが放つは次元の衝撃波。虹炎の神に覚醒したことで手に入れた超次元能力を応用した攻撃だ。いかなる物理手段をもってしても防ぎようのない、文字通りに「別次元」の攻撃が華菓を襲う。
「こ、こんな……ことが……!」
 必死の抵抗として呼び出そうとした【召鬼・使屍斗】は間に合わず、次元の衝撃は華菓の肉体を抉り取っていく。
 真っ赤な血飛沫が料理店の床を濡らして――料理人の生命とも言える片腕が、肩口から根こそぎ消え去っていた。
 その表情には恐怖が浮かび、逆にエリン達の表情からは勇気と不屈の精神が感じられる。単純な力関係だけでなく精神面においても、彼我の優劣が明らかになり始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!

お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ

口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ

よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね

アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!


テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア(サポート)
『テケリャア!!!』
バイオモンスターのラヴクラフト神拳伝承者 × 四天王
年齢 102歳 女
外見 243cm 黒い瞳 赤茶の髪 白い肌
特徴 特徴的な声 声が大きい 実は美形 虐殺を生き延びた 奴隷だった
口調 テケリャア(私、呼び捨て、言い捨て)
お腹が減ると ケテルャア(私、呼び捨て、言い捨て)
常に飢餓感に苦しんでいます
てけりゃあ叫んで捕食したり怪力任せに潰すのが得意です
不定形の化け物として描写してください
連携歓迎です


暁・紅華(サポート)
前衛、後衛どっちでも。
広範囲の探索、追跡は得意なつもりだ。
戦闘は極力避けたいところだな。

・口調
不愛想:俺、あんた、だ、だぜ、だな、だよな?
年上には:~さん
年下には:~君、~ちゃん
覚醒時は(衝動的):俺、てめぇ、言い捨て

・傾向
戦闘は好まない。やむを得ない場合は、戦う事もあり、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
血液の補充は人口血液で、他人や敵からは摂取しません。(覚醒時は衝動的になっているので、敵から摂取することもあります。味方からは絶対に摂取しません)
猫とゲームが好きで、気を取られる事もあります。



「テケリャア!!!」
 事件の首謀者が厨房より現れたのと頃合を同じくして、サポートのために中華料理店に駆けつけた猟兵達がいる。
 その1人、テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア(|王冠《ロード・ケテル》・f16871)は、ヒトの言葉ではない奇声を発しながら猛然と敵に襲い掛かった。
「なッ、なんですかコレは……うちの厨房にもこんな"食材"はありませんよ?!」
 真っ黒な不定形の体、全身に浮かび上がる眼球、蠢く無数の触手。UDCと見紛うばかりの異形だが、彼女(?)はこれでも猟兵である。ある世界にて『発見』された、人を真似し、怪物を模倣するバイオモンスター。その行動原理はただ一つ、癒えない餓えと渇きに集約されている。

「バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい! ……っていつもなら言うところだけど、あのコにそれを求めるのは難しいかしらね」
 そんな味方の様子を後ろから見て、ぽつりと呟くのは仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)。現在は美術好きな女性人格「ネイル」が表に出てきているようだ。どんな時も常に美を意識する彼女が、この戦いに加わった理由は明白である。
「キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから」
 どんなに容姿や心根が美しい人間も、あのオブリビオンが作る料理はみんなバケモノに変えてしまう。醜く悍しい邪神の眷属がこれ以上増えるのを防ぐためなら、彼女も一肌脱ぐことを躊躇いはしないだろう。華麗に翻した外套の内側から、取り出すのはよく研がれた1本のダガーだ。

「戦闘は極力避けたいところだが、この状況だとやむを得ないか」
 戦意を見せる2人に比べて、暁・紅華(†・f14474)は若干消極的だ。彼は傭兵を生業としていた過去の経験や、体質上の問題もあって戦闘をあまり好まないが、今目の前にいる相手が話し合いでどうにかなる輩ではないと承知している。ここで確実に仕留めなければ、たとえ店を壊滅させてもあの料理人はまたUDC料理を作り続けるだろう。
「今回はサポートに回るとしよう」
 彼はそう言って自分の指に傷をつけ【紅血猫ノ狩猟】を発動。流れた血から創られた猫の群れが、この店における悪意の源、UDC料理人にして堕ちた仙術士『何・華菓』に襲い掛かる。見てくれは可愛らしささえあるものだが、その爪と牙の鋭さは本物だ。

「こいつから逃れられるかな……?」
「ッ、なんですか、当店はペットお断りですよ!」
 紅血猫に群がられた華菓は【禁呪・不如意】の呪符で捕縛しようとするが、いかんせん数が多い。距離を取ろうとしても猫達は一度獲物と定めた相手をどこまでも執拗に追跡し、噛みつき、引っ掻き、引っぱたく。一匹ずつだと大した傷にはならないが、ダメージを蓄積させつつ敵の注意を逸らせれば十分だ。
「テケリャア!!!」
 そこに不定形の体をのたうたせてやって来たテケリリケテルリリが、触腕のひとつを巨大な剣に変形させて斬りかかってくる。およそ技術と呼べるものはまるでない、人外の怪力にものを言わせた超高速かつ大威力の一撃。それを【SMWセイバー】と名付けたのは一体誰だったのか。

「ぐあ……ッ!!!!」
 不定形の怪物の一撃を食らった華菓の体が、砲丸投げのように宙を舞う。真っ二つにされなかっただけでも御の字と言えるだろう。咄嗟に【変化・変成鬼】の符を自分に張り、スピードと反応速度を向上させたことで致命傷を避けたようだ。
「やってくれますね……ですが、まだ……!」
「あらあら、そんな顔しちゃ美人が台無しよ」
 華菓は体勢を立て直して反撃に転じようとするが、そうはさせじとネイルがダガーを投げつける。美しいフォームから放たれた刃が敵を捉え、手から呪符を取り落とさせた。元UDCエージェントでもある奴の符術の腕前は確かだが、逆に戦闘の大半を符に頼っているのが弱点でもある。

「何を出そうとしても全部叩き落としてあげるわよ」
「ッ。だったらまずは貴女から……!」
 挑発的に口元をつり上げるネイルに怒りの矛先を向けた華菓は、追ってくる猫やテケリリケテルリリを振り切って猛烈な突進を仕掛けた。鬼と化したことで得た爆発的な速度、そして並の凶器よりも剣呑な牙と角と鉤爪は、人体を"調理"するのに十分過ぎる。
「切り刻んであげます!」
「あらやだ、遠慮しとくわ」
 猪突猛進に突っ込んできた鬼が鉤爪を振り下ろす瞬間。ネイルは身に着けていた黄砂色の外套をぱっと投げつけ、相手の視界を塞ぐ。古典的な目くらましではあるが虚を突くタイミングが完璧で、仕掛けられた方は一瞬何が起こったのか分からなくなる。

「なっ、なにが……ぐぁッ?!」
 顔にかかった外套を剥ぎ取る、その僅かな隙に華菓は前後からふたつの衝撃を受ける。袖口から二本目のダガーを抜いたネイルと、【オルタナティブ・ダブル】で呼び出された「もうひとりの衣吹」が、同時攻撃を仕掛けたのだ。
「こんなところかしら。これはおまけね」
「貴様……ッ!!」
 激痛に怒り狂う華菓の顔面に、ネイルは1枚のカードを押し付け。精霊の力が刻まれた「ルーンカルテ」は、その直後にまばゆい閃光を発して敵の視界をもう一度ゼロにする。その間に彼女は優雅に笑いながら、鬼の爪牙が届かぬ距離まで後退していった。

「よくも、よくもッ……!」
「慌てるのは勝手だが、誰か忘れていないか」
 度重なる不意打ちで錯乱状態に陥った華菓の元に、ネイルと入れ違いで迫るのは紅華。紅血猫を創るのに使った分の血は人工血液パックで補給し、手には自らと一体化した妖刀「紅血殺牙」を携えている。その表情は感情の起伏に流されず冷静そのもので、歴戦の傭兵の風格を感じさせる。
「俺も他人の事は言えないが、何かに気を取られ過ぎるのは命取りだ」
 戦いを好まないのは決して「戦えない」のではないと、それを証明するかのような流麗な一太刀が料理人を斬る。
 紅い血刀に斬り伏せられた華菓は「あぐぅッ?!」と獣のような悲鳴を上げて、がくりとその場に膝を付き――。

「テケリャア!!!」
「ぎゃぁぁぁッ!!!?!」
 そこに追いついた恐怖の生命体、テケリリケテルリリの大剣と、フォークやナイフ状に変化した腕が襲い掛かる。
 これまでバケモノを調理してきた料理人が、飢餓感に取り憑かれたバケモノに貪られるのはなんとも因果な話だ。ざくり、ぐしゃりと肉を刻んで潰す音と、絹を裂くような華菓の悲鳴が店内に響き渡った――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

一郷・亞衿
おっ、料理長挨拶。何気に初体験かも。

与太話はさておき。
|呪怨《アレ》で二口女の姿になったのは今回が初めてだったけど、何となくコツ掴めたわ。料理のおかげかな?
ま、その恩は仇で返すけどさ。『|創作怪談《オカルト》:二口女』で攻撃受け止めてUCを|転用し《パクり》つつ、|10/7 feet《蛇腹剣》でフェイント交えて斬り結ぼう。

ほら、もっと喜べよ。お前好みの|怪物《バケモノ》が、手ずから|殺《ト》りに来てやってんだぞ?……ろくに制御も出来ないくせに|怪物《UDC》増やしてんじゃねえよクソボケが。
別に代表者ヅラする気は無いけど、|組織《UDC》所属の身なんでね。汚点はきっちり殺菌消毒させて貰おうかっ!



「おっ、料理長挨拶。何気に初体験かも」
 冗談めかしてそんな事を言うのは亞衿。料理を題材にした漫画や映像作品ではままあるシーンだが、実際にお目にかかる機会はそう無いやつだ。まあ今回のケースでは、お客が料理長を抹殺するために待機していた点が特殊だが。
「与太話はさておき。|呪怨《アレ》で二口女の姿になったのは今回が初めてだったけど、何となくコツ掴めたわ」
 彼女の後頭部には今もぽっかりと「2つめの口」が開いている。寿命を削るほどの負荷をかける事無く、この妖怪の力を発現・制御する術を身に付けたらしい。それは【呪怨】から派生する新たなユーベルコードの会得であった。

「料理のおかげかな? ま、その恩は仇で返すけどさ」
「フザけたことを……!」
 料理長こと『何・華菓』は苦い顔で【召鬼・使屍斗】を発動し、召喚したキョンシーに客を始末するよう命じる。
 古代中国の武将のようないでたちをしたキョンシーは、三尖両刃刀を手に突き掛かってくるが――亞衿はくるりと背中を向けて、後頭部の口で攻撃を受け止める。
「……戴きました」
『!?』
 【創作怪談:二口女】の牙がバリッと音を立てて刃を噛み砕き、それとまったく同じ形状をした武器を吐き出す。
 捕食した対象のユーベルコードをコピーし、一定時間まで自分のものとして使用できるのが、この怪異の能力だ。不意をつかれたキョンシーの頭が、三尖両刃刀で串刺しにされる。

「ほら、もっと喜べよ。お前好みの|怪物《バケモノ》が、手ずから|殺《ト》りに来てやってんだぞ?」
 倒したキョンシーの血肉を喰らい、【召鬼・使屍斗】の能力を完全に我が物とした亞衿は、露悪的に笑いながら敵に詰め寄っていく。その後頭部からは彼女に従属する新たなキョンシーが次々と吐き出され、屍の群れを創り出す。
「ッ、こんなモノ、お呼びではありません……!」
 ユーベルコードを|転用さ《パクら》れた焦りと怒りで動揺しながら、華菓は呪符を出そうとするが、それよりも亞衿の踏み込みが速い。その手に握られているのはとあるUDC怪物の肉体を素にして造られた山刀――「10/7 feet」と呼ばれる、特殊な蛇腹剣だ。

「……ろくに制御も出来ないくせに|怪物《UDC》増やしてんじゃねえよクソボケが」
 嫌気と怒りを込めて亞衿が刀を振るうと、その刀身は蠢きながら伸びて蛇のようにうねる。通常の剣よりも鞭に近い斬撃の軌道は、相手にすれば非常に読み辛いものだ。こと初見ではどんなに警戒してもフェイントに引っかかる。
「ぎゃっ?!」
 しなる刃が華菓の肉を抉り、骨を削る。その苦痛に彼女は悲鳴を上げたが、それで亞衿の攻撃が止むはずもない。
 語調からも態度からも相当な苛立ちが感じられる。目の前にいるのが元UDC組織のエージェントで、それが逆にUDC被害を広げる側に落ちぶれているのが、怒りの原因の一端だろう。

「別に代表者ヅラする気は無いけど、|組織《UDC》所属の身なんでね。汚点はきっちり殺菌消毒させて貰おうかっ!」
 身内から出た錆は身内の手で削ぎ落とす。邪神の走狗に堕落したかつてのエージェントを、奇譚綴りの刃が抉る。
 店の出入り口は武将キョンシーに塞がれ、退路もない。窮地に追い込まれた華菓の体はみるみるうちに真っ赤な血に染まっていった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ザクロ・シャハブ
『お前がシェフか。お前UDC料理は向いてないぞ』

牽制としてキャロリングポッカンで威嚇射撃
あえて盛大に撃ちまくる
『インパクトはあるが不気味な見た目はいくない。食指を動かす見た目がおすすめ』
威嚇射撃から制圧射撃に切り替えて近寄る
キャロリングポッカンが【悪目立ち】するようにな
呪符は厄介だから【呪殺弾】で相殺を狙う
『でも中華料理なら最高だったな。旨かった。』
目立ったポッカンを明後日の方に投げて油断した瞬間距離を積めてUC発動
敵の急所をカットする

『でもUDC料理は駄目だ
料理されたのは…狂ったお前の方だったんだ』
UDCの狂気に呑まれた料理人が最高のUDC料理を作れる訳ない
追撃で一度斬り付けるぞ(二回攻撃)



「お前がシェフか。お前UDC料理は向いてないぞ」
 厨房から出てきた『何・華菓』に会うなり、ザクロはきっぱりとそう言い切った。別の店でもオブリビオン飯の経験がある彼だからこそ、両者を比較した上で断言できる。ここのUDC料理はもう一度食べたい出来ではなかったと。
「なッ……?!」
 これでも料理の腕前には自信があったのだろうか、華菓は明らかにショックを受けている。その隙にザクロはニンジン型ガトリングガン「キャロリング・ポッカン」の照準を的に合わせ、遠慮容赦のない射撃とダメ出しを始めた。

「インパクトはあるが不気味な見た目はいくない。食指を動かす見た目がおすすめ」
 その指摘は多くの者が一度は思ったであろう。食材にUDCを使っているアピールなのかもしれないが、だとしてもアレでは見ただけで食べる気をなくす客もいるだろう。料理は見た目ではなく味だと言われるが、見た目だって味覚を刺激する大事な要素なのだ。
「くっ……素人が知ったような口を……!」
 華菓は言い返そうとするが、ポン菓子のように盛大にばら撒かれるガトリング弾のせいでそれどころではない。
 自らの血肉を代償に【召鬼・使屍斗】を発動し、召喚した武将キョンシーを肉の盾にする。それでどうにか凌いではいるが、接近する余裕はまったく無い。

「でも中華料理なら最高だったな。旨かった」
 そっちに専念するならまた食ってもいいかもと呟きながら、ザクロは威嚇射撃から制圧射撃に行動を切り替えて、キャロリングポッカンを構えたままじりじりと近寄る。ファンシーな見た目にそぐわない威力の弾幕が、キョンシーの肉壁を削り取っていく。
「それはありがとう……って、違います!」
 一瞬お礼を言いかけた華菓だったが、すぐに気を取り直して状況の打開を図る。彼女は料理人である以前に優れた符術士でもあるが、ザクロもそれを厄介だと警戒しているようで、飛ばした符はすぐに呪殺弾で相殺されてしまう。結局、彼女は射撃を避けて肉壁の裏に隠れていることしかできなかった。

(あの銃をなんとかしないと……)
 華菓の意識はザクロの持っているガトリングガンに集中する。一時でも射撃を止められれば勝機はあるはずだと。
 そんな彼女の思惑をザクロも察しているだろう。ここまで散々派手に撃ちまくってキャロリングポッカンの脅威を印象付けてきたのは、全て彼の作戦の内なのだから。
「ほいっと」
「なっ……?!」
 そうして頃合いを見計らうと、ザクロは唐突にポッカンを明後日のほうに放り投げる。思ってもみない形で銃弾の雨が止み、敵は驚きと共に拍子を抜かれる。この瞬間が、華菓が精神的にもっとも無防備になるタイミングだった。

「でもUDC料理は駄目だ。料理されたのは……狂ったお前の方だったんだ」
 銃を捨てて身軽になったザクロが店内を走る。ウサギの俊足をもって一瞬のうちに距離を詰めると、愛刀「黒縁」に手をかける。狂気に堕ちた哀れな料理人に、チップの代わりにくれてやるのはトップスピードの【剣刃一閃】だ。
「UDCの狂気に呑まれた料理人が最高のUDC料理を作れる訳ない」
「そんな……きゃぁッ!!?!」
 反論の暇もなく急所をカットされた華菓に、間髪入れず追撃の刃が襲い掛かる。目にも留まらぬニ回攻撃を浴びせたザクロの表情は平然としたもので。料理人を嘯きながら邪神の走狗に成り果ててしまった者に、かけられる情けはこれだけだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レン・トリチルヒスト
あー、うん、なんというか、いい肉だったとは思うぜ? なんか調子いいし、満たされた感じがしたし。ホントに良い肝食ったんだなって感じだな。うん(テキトーな感じにコメントするキツネ

けどま、一応仕事引き受けた身なんで……アンタを殺らせてもらうぜ。

呪符が飛んできたら【狐火ナイフ】を当てて燃やすか。あとは呪符を持ってるだろう手も狙って【武器を落とさせる】ぜ。

もちろん武器を封じるだけじゃねえさ。武器を落とさせたその隙に、残りのナイフで【急所突き】して【暗殺】と行こうか。たんまり受け取ってくれや。いい飯食わせてもらった代金替わりには……ならねえか。流石に。



「あー、うん、なんというか、いい肉だったとは思うぜ? なんか調子いいし、満たされた感じがしたし。ホントに良い肝食ったんだなって感じだな。うん」
 称賛を期待して出てきたであろうシェフに、レンはテキトーな感じのコメントを述べる。実際ホンモノの肉を誰にはばかる事なく食えたのは良かったし、UDC料理がもたらす健康効果も実感している。コレを作ったやつを個人的に恨むような理由はひとつも無い。
「けどま、一応仕事引き受けた身なんで……アンタを殺らせてもらうぜ」
 彼は猟兵であり軍令暗殺者。趣味嗜好がどうであれ任務は必ず遂行するのがプロである。パチンと指を鳴らせば妖しく燃える【狐火ナイフ】が宙に現れ、その切っ先を『何・華菓』に向ける。楽しいディナータイムはもう終わり、ここからは仕事の時間だ。

「くっ……私の店で私が死ぬ? 笑えない冗談ですね!」
 窮地に立たされた華菓は苦々しい顔で、ユーベルコードを封じる【禁呪・不如意】の呪符を放つが、レンもそれに合わせてナイフを1本放つ。魔力を込めた狐火ナイフはあっという間に符を焼き尽くし、本体の元まで届かせない。
「この……ッ!」
「急な火の雨にご注意くださいってな」
 華菓はすぐに次の符を放とうとするが、レンはそれよりも速くナイフを飛ばして、彼女の手から符を落とさせる。
 思考から行動に移るまでがワンテンポ速い。料理にうつつを抜かしていた元エージェントと、現役の暗殺者との差がこれか。

(もちろん武器を封じるだけじゃねえさ)
 武器を落としたその隙に、レンは残りのナイフで急所を狙う。狐火は彼の意のままに動き、矢となってターゲットに突き刺さる。"刺突"と"焼却"を同時に与える性質上、ダメージもさることながら強烈な痛みが華菓の身を襲った。
「ぐぅッ……?!」
 火のナイフでは掴んで抜くこともできず、華菓は必死に符術を使って自身の消火に努める。しかしレンの元にあるナイフの在庫はまだ100本以上。一度射程内に収まってしまえば、この手数に対抗できるユーベルコードを彼女は持たない。

「たんまり受け取ってくれや。いい飯食わせてもらった代金替わりには……ならねえか。流石に」
 皮肉げに口元を歪めながら、狐火ナイフを放ち続けるレン。食事をしていた時の雰囲気とほとんど変わらないが、その攻撃に容赦はない。何人ものオブリビオンを戦場でバラすうちに学んだ知識は、どこを傷つければ敵は死ぬか、いかに効率よく仕留められるかを熟知している。
「こ、こんなもの、いりませ……うぎゃぁッ!?」
 のこのこと顔を出した愚か者に拒否権はない。全身切り刻まれ焼き焦がされるその様は調理の過程にも似ていた。
 厨房の料理人も、戦場に来てしまえばたちまち料理される側になる。暗殺者にして解体士からの"謝礼"をたっぷりと受け取った女の悲鳴が、店内に響き渡るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
やっと元凶が出てきたね
ご期待には添えないだろうけど
何を使った料理だったのか一応聞いておこう
後始末するのに役立つかもしれないし

それと邪神に魂を縛られたという情報は気になるから
UDCエージェントだったのになぜオブリビオンになったのか
経緯を聞くだけ聞いてみようか

戦闘する際はガトリングガンを使うと
後始末が大変そうだし
ワイヤーガン主体で戦う事にするよ

符の攻撃は回避したり神気で防いだりしつつ
ワイヤーの射出で自由を奪いにいこう

相手がキョンシーを呼び出したら
こちらもUCを使用
キョンシーにワイヤーを絡ませ
人形に変えて操るよ

悪いけど使わせて貰うね

その後はキョンシーを利用しつつ
切断ワイヤーの攻撃でダメージを重ねよう



「やっと元凶が出てきたね。あれは何を使った料理だったの?」
 ご期待には添えないだろうけど、と思いつつも晶は一応自分が食べた(ふりをした)料理について『何・華菓』に尋ねてみる。べつにUDC料理に興味が湧いたわけではなく、知っておけば後始末するのに役立つかもしれないと考えてのことだ。
「あれはパープル・フリンジというUDCを使っておりまして、自然界で捕獲した天然の個体を活きたまま捌き……」
 客に聞かれたら答えてしまうのが料理人の性なのか、華菓は得意げにぺらぺらと自分の料理の作り方やこだわった点などを解説する。元エージェントゆえか専門的な話も多く、すぐには理解できない内容もあったが、ひとまず全部記憶に留めておく。

「元はUDCエージェントだったと聞いてるけど、どうして料理人に?」
 晶はもうひとつ、華菓が邪神に魂を縛られたという情報が気になった。有能なエージェントであっただろう彼女がなぜオブリビオンになったのか、他人事とも言い切れないのもあってか、その経緯を聞くだけ聞いてみようとする。
「ふふ……生前の私は何も分かっていない愚か者でした。ですが"声"を聞いたのです。あれは啓示、託宣、そうです私は選ばれたのです……今も崇高な使命を果たすためにこの店で腕をふるっているのです」
 しかし華菓の回答はこれまでにも晶が遭遇してきた邪神の狂信者達と同じく、熱に浮かされたようで要領を得ないものだった。生前はまともだったとしても、死して邪神に目をつけられた時点で致命的に何かが狂ってしまった。そういう意味では生きていた頃とは別人と言うべきかもしれない。

「邪魔をするなら貴女は食材です。美味しく調理してあげましょう!」
 そう言って華菓が呪符を投げつけてくると、晶は神気のオーラで身を守りながらワイヤーガンを構える。これ以上話を続けても情報は得られなさそうだし、あの奇怪な料理のレパートリーに自分が加えられるのは絶対遠慮したい。
(ガトリングガンを使うと後始末が大変そうだし、ワイヤーガン主体で戦う事にしよう)
 飛び交う符を身軽な動きで躱しつつ、敵に照準を合わせてトリガーを引く。放たれるワイヤーには移動や切断など様々な用途があるが、今回は拘束用のものだ。先端に取り付けられたフックが華菓の衣服や肌に引っ掛かり、身動きを封じにかかる。

「くっ……ならば!」
 自由を奪われた華菓は【召鬼・使屍斗】を発動し、自分の代わりに戦える武将タイプのキョンシーを召喚する。
 だが、それを見た晶もすかさずユーベルコードを発動。ワイヤーガンに神気を籠めて、もう一度トリガーを引く。
「さあ、楽しく踊ってもらおうか」
 ワイヤーに絡まれた武将キョンシーの体はみるみるうちに屍肉から無機質へと変化し、血の通わない人形となる。
 これぞ晶と融合した【邪神の遊戯】。対象を傷つけずに人形に変え、意のままに操る恐るべきユーベルコードだ。

「なっ……私のキョンシーを?!」
「悪いけど使わせて貰うね」
 まだ拘束を解ききっていない華菓に、支配を上書きされた武将キョンシーが操り人形のような動作で襲い掛かる。
 三尖両刃刀の斬撃が料理人を切り刻み、晶もワイヤーを切断用に切り替えて追撃を行う。2対1でさらなる窮地に陥った女の悲鳴が、店内に響き渡った――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白・夜鈴
君がシェフだね
御馳走でした、料理美味しかったよ
うん、君の望み通り化け物になっちゃうぐらい
UC【UDC-P「夜鈴様」】使用

料理を食べたおかげで元気いっぱいオブリビオン化でブイブイ言わせてとりあえず殴ります

闇の中、化け物が何処までも着いてくるなんてよくある話だろう?

まぁ、レシピが貰えるならちょっとぐらい願いを叶えても良いけどなぁ

※アレンジ・連携歓迎



「君がシェフだね。御馳走でした、料理美味しかったよ」
 厨房から出てきた『何・華菓』に、夜鈴は素直な感想を述べる。自分の体質に合っていて、なおかつ「料理」の体をなしていたここのUDC料理は、彼女にとってはお世辞抜きで美味だった。心身ともにここまでの満足感を食事で得られたのは久しい体験だったかもしれない。
「うん、君の望み通り化け物になっちゃうぐらい」
 たっぷり食べて【邪食】で蓄えた力を、彼女はユーベルコードとして解放する。【UDC-P「夜鈴様」】の骸魂と合体することで一時的なオブリビオンと化した女妖怪の周りには、まるで夜の帳が落ちたように闇が広がり始めた。

「おお、素晴らしい……!」
 それを見た華菓は当初、自分の料理が彼女をUDC化させ、新たな邪神の眷属を生み出したのだと喜んだ。しかし、厳密には誤りだとすぐに理解する。骸魂合体を果たしても夜鈴は理性を失わなわず、料理人に牙を剥いたからだ。
「お勘定はこれでいいかな」
「なっ……ぐはッ!!」
 拳に覇気を籠めてただ殴っただけに近い一撃。しかしUDC料理を【邪食】したおかげで元気一杯な夜鈴の攻撃は、ただの殴打でも凄まじい威力と化していた。まさかの客に反逆された料理人は、驚愕の表情で宙に吹っ飛ばされる。

「な、なぜ……完全にUDC化したはずでは……?」
 驚愕と困惑で頭が回らないまま、華菓は【変化・変成鬼】によって自らも異形に変ずる。だが、ユーベルコードで強化された反応速度をもってしても、深まる闇の向こうからやって来る夜鈴の攻撃を対処しきるのは困難であった。
「闇の中、化け物が何処までも着いてくるなんてよくある話だろう?」
 夜中に鈴の音が聞こえれば、願いを祈ってみるといい。そんな噂から生まれたUDC「夜鈴様」の妖力が夜鈴の力を底上げしている。しなやかな指先やつま先が相手を撫でるたびに、まがい物の鬼は面白いほど簡単になぎ倒された。

「ぐっ、がはあッ?!」
 一方的。ここまで夜鈴が強くなれたのも、華菓が提供したUDC料理によるものだ。自業自得としか言いようのない展開に追い詰められた料理人は、血反吐を吐きながら必死に退路を探すが――もはや店内の殆どは闇が覆っている。
「まぁ、レシピが貰えるならちょっとぐらい願いを叶えても良いけどなぁ」
「そ……それはできません!」
 そこに夜鈴から告げられた提案は、またあの料理を食べられるようになるなら見逃してやってもいい、と暗に示唆させるものだった。が、こればかりは華菓も料理人としてのプライドがあったのか、レシピの提供は頑として断る。

「レシピは料理人の魂……おいそれと人様には渡せません!」
「そうか。じゃあ仕方がないね」
 夜雀様は願いを叶える怪異。叶えれば怪異としての役割を果たし、眠りにつくのがルールだ。しかしこの料理人は救いを請わなかった。願われなければ怪異は闇と共にいつまでもそこにあり続け、愚か者に恐怖と暴力をもたらす。
 レシピは後で自分の手で探すことにしよう。そう決めた夜鈴の攻撃にもはや容赦はなく、敵の悲鳴は闇の中に溶けて消えていった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビッグ・サン
カビパンさんが来てますね

これは、チャンス
どう考えても店はパニックになる

この隙にUDC素材を根こそぎもらっていきましょう

一章で感知系の魔法を使ったので、だいたい素材の保存場所もわかるはず

カビパン祭りの混乱に乗じて食材を全部取っていきます
こうすることで新たなシェフが現れても食材がないので活動はできないでしょう
そして私の不老長寿の研究もはかどる
まさに一石二鳥の策

ああ、シェフにはちゃんと見事な料理だったとほめておきましょう
礼節は大事ですからね
ほめながら、放射線を放つ魔導書を取り出し、放射能でこっそりダメージを与えましょう

シェフが被曝で弱るころには場は混乱してるでしょうから、その隙に抜けますよ



(カビパンさんが来てますね)
 食事を取っている最中、ビッグは見知った顔ぶれが店内にいるのに気付いていた。春のカビパン召喚祭りだとかよく分からない発言も聞こえてきたが、大事なのは彼が知る中でも指折りに理不尽で不条理な人物がこの店に来ているということだ。
(これは、チャンス。どう考えても店はパニックになる)
 きっと、店内から客が1人姿を消したとしても気付けないくらいの大騒ぎになるはずだ。ビッグの狙いはその混乱に乗じて店にある食材を根こそぎ奪うことにある。『何・華菓』がUDC料理のために独自のルートで入手した食材の数々は、見方を変えれば貴重な研究素材である。

(感知系の魔法を使ったので、だいたい素材の保存場所もわかるはず)
 華菓が出てきた厨房の奥のほうに、おびただしい数のUDCの反応があることも突き止めている。戦いが始まってもビッグはなるべく目立たないよう後方で待機し、カビパン達が動き出すまで気を窺っていた。そして戦闘も佳境に差し掛かったところで、"それ"はやって来る。
『ご堪能いただけたようで何よりです』
 その言葉から始まったカビパン祭りの第二章がどのようなものだったか、詳細については後に譲る。巻き込まれる前にビッグはすぐさま行動を開始したため、この後店内で何があったかはよく知らないからだ。漏れ聞こえてくる騒ぎからして、まあロクでもないことになったのだろうと予想はついたが。

「ここですね」
 誰にも気付かれぬまま厨房に入ったビッグは、その奥に鎮座していた巨大冷蔵庫の扉を開く。中にはまだ解体されていないものを含めて沢山のUDCが食材として保管されていた。彼はそれを一つ残らず回収し、荷物袋の中に詰め込んでいく。
「こうすることで新たなシェフが現れても食材がないので活動はできないでしょう。そして私の不老長寿の研究もはかどる、まさに一石二鳥の策」
 事実、この食材達が新たな事件の引き金になる可能性もないでは無かったので、彼の判断は適切と言える。本人的に本命は研究のほうにあるのかもしれないが。予想を超えるUDC素材の宝庫を前にして、彼も思わずほくほく顔だ。

「ああ、シェフにはちゃんと見事な料理だったとほめておきましょう。礼節は大事ですからね」
 保存されていた素材を根こそぎかっさらった後、まだ戦闘が続いているのに気付くと、ビッグは一端店内に戻る。
 慇懃な態度でシェフの働きぶりを称え、当たり障りのない賛辞を送る彼の手には、一冊の魔導書が開かれていた。
「とても面白かったですよ」
「あら、ありがとうございます」
 猟兵とは言え客から褒められれば悪い気はしない華菓だったが、実はこの間も自分が攻撃を受けているのに気付いていない。魔導書【ニュートロンボム】から浴びせられる不可視の放射線は、知らず知らずのうちに被爆ダメージを蓄積させ、肉体と遺伝子に致命的な破壊をもたらすのだ。

「あら? なんでしょう、体が……」
 最初のうちはまだ元気だった華菓も、徐々に被爆の影響が出てきたのか表情が優れない。それが戦闘による疲労や負傷によるものではないと分かる頃には、ビッグはとっくにその場を離れ、混乱に乗じて戦線から抜け出していた。
 欲しい物をきっちり回収しつつ依頼も十全にこなす。味方の作りだす混沌すらも作戦に織り込んだ要領の良さは、流石としか言いようがないだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カビパン・カピパン
「ご堪能いただけたようで何よりです」
Step1を「完了」した猟兵達
シェフの前に店外から奴らがやって来る。大量のカビパンだろう。

「私の名はカビパン。🍅を務めております」

恭しい態度で一礼する🍅

「あなたがシェフね?ちょっと沢山増えて🍅になっちゃったんだけど」

きっちりとUDC料理を摂取したカビパンは立派な🍅になっていた。不気味に増殖した🍅は光ったり飛び跳ねたり、ムーンウォークしたりしている。

華菓は意味不明かつ冒涜的な状況のためSAN値直葬をダイレクトに喰らい、一時的狂気と不定の狂気と永久的狂気に陥った。
春のカビパンまつりメンバーは慣れているから余裕の表情。

Step2の火蓋は切って落とされた。


ポーラリア・ベル
あたしポーラ 【カビパン祭り】を告げに来たよ

(これもしかしてUC再使用すれば追い召喚できるのかしら)
うわっ、これ以上増やすなって言わんばかりの呪符が

お姉ちゃんが🍅に!
何だろう最初から🍅だった気がするし一部🍎だった気もするけど

UCを封じられている内は戦闘が出来るわ!盲点だったわね。
【凍結攻撃】【地形の利用】で
ピアースウィンターで刺した地面をツルツルに凍らせて
🍅を滑らせてぶつけるわ!お姉ちゃんカーリングよ!
呪符はスノーマンロッドの冷気の塊【凍結攻撃】を当てて、雪だるまにして使えなくしてあげる!
あっ、戦闘の余波で呪符が剥がれ……お姉ちゃん!今よ!
(華菓さんの頭上に召喚しようと)

セフィリカお姉ちゃんも色々してきたのね。
ポーラも
巨大化したお姉ちゃんを大量のクェーサービーストと流星群の宙域に放り投げてヤキパンにしたり
無限に増えたお姉ちゃんをひたすら敵に落としたり
大砲で撃ち出したり、バナナの皮代わりにしたり、衣服を剥いだりしたけれど。
…………
お姉ちゃん以外でやったらダメ絶対だね!!


ネフラ・ノーヴァ
【カビパン祭り】
不意に足元に転がってきたカビパンもといトマトをハイヒールで踏み潰してしまえば、白いワンピースに赤く染みつく。白を血で染めるのは喜悦なのだが、これはなんとも微妙な気分だ。
そんな気分を解消しようとトマトを敵に投げ付ける。何度も投げるうちに投げ返されてくればトマトで有名な某国の祭りの如く愉しくなってくるだろう。味方にも当たれば混沌の度合いを増していく。
トマトが足りなくなれば勝手に増えるのではないかな。


純・あやめ
【カビパン祭り】

『さあ、ボスのお出ましね。まずあんたがさっき呼んだ🍅消して、普通に敵を倒して帰るわよ』
…【カキツバタ】、ちょっと悪い報告があるんだけどさー
『なによ?』
さっきの【カビパン召喚】が解除できないんだよねー
なんか退去を拒否されてる?
『なんでよ?!』

という訳で、UC抜きで戦うよー
『頭が…胃が…痛い』
【スピリチュアル投げ手錠】で🍅を一体【捕縛】して、敵へ向かって【投擲】しよっかな
それで敵が怯んだ隙に【二丁警棒】で攻撃っと
『あんたもひっどい戦い方するわね?!』
いやー、褒められると照れるなー
『褒めてないわよ、あっぱかぱーっ!?』


大町・詩乃
【カビパン祭り】

引き続きチャイナドレス姿で

《黴召喚の術》を使う前に《禁呪・不如意》を受けてしまう詩乃。
「これではカビパンさんを召喚できません💦(棒読み)」

破魔・浄化で捕縛効果を和らげ、更に念動力で身体を動かす事で戦いましょう。
心眼・第六感・読心術で予測しての功夫・見切りで攻撃を躱し、太極拳の足払いと掌打のコンボ(2回攻撃・功夫・足払い・衝撃波・貫通攻撃)で攻撃しますよ。

途中、戦闘による激しい動きで呪符が剝がれ・・・ぺた。

『今、自分で呪符付け直さなかった?』
「いいえ、目の錯覚でしょう?そんな事言っている内に隙あり!」

と強力な発勁(功夫・神罰・雷の属性攻撃・衝撃波・貫通攻撃)を撃ち込むのでした。


セフィリカ・ランブレイ
【カピパン祭り】
皆の華麗なカピパン闘法は見事だね
これくらいやってもいいんだって、私の中にあった僅かな罪悪感が溶けていくのを感じるよ

雪山の急斜面から蹴り落としたり、敵組織に売り払ったりした時の罪の意識…
私の取り扱いは…問題ない!

『私の思考、エルフの倫理観とは遠いけどその論理ドクズよ』

カビィちゃん以外に適応しちゃいけないのはわかってるよ!

しかし、どう戦うか…まあ普通に盾にするしかないよね

(相手、トマトだけ構える姿に隙がありすぎて戸惑っているなあ。盾扱いして仮に私がミスっても私の被弾でトマトが消えるんで、それでノルマ達成って言い張りたかったんだけど)

『ま、この隙を他の奴らが黙って見てる訳はないわね』



「ご堪能いただけたようで何よりです」
 見るに堪えないどんちゃん騒ぎを経て、Step1を「完了」した一部の猟兵達。厨房からシェフが現れたのとは対照的に、店外から彼女がやって来る。春のカビパンまつりを計画した首謀者、オリジナルのカビパン・カピパンが。
「私の名はカビパン。🍅を務めております」
「な、なんですか貴女は……トマト?」
 恭しい態度で一礼しながら露骨にこちらの発言を真似てくる謎の女に、大量のトマト。『何・華菓』が怪しむのは当然の事だろう。1度はスタッフによって追い出されたはずの奴らは、図々しくも勢力を拡大して戻ってきていた。

「あなたがシェフね? ちょっと沢山増えて🍅になっちゃったんだけど」
 前章の騒ぎにかこつけてきっちりとUDC料理を摂取したカビパンは、立派なトマトになっていた。何を言っているか分からないだろうがトマトである。不気味に増殖したカビパン(トマト)は光ったり飛び跳ねたりムーンウォークしたり、勝手気ままに動いている。
「と、トマト……トマトがなぜ……まさかこれもUDC……? わけがわからない……」
 あまりに意味不明かつ冒涜的な状況を目の当たりにさせられた華菓は、オブリビオンになってからはついぞ味わっていなかった「正気が削れる感覚」をダイレクトに喰らう。一時的か不定か、あるいは永久的なものか、それは彼女の心を狂気に陥らせる。初見の人間に【ハリセンで叩かずにはいられない女】はショックが強すぎたようだ。

「ふむ、相変わらずだな」
 しかし普段から狂気に慣れている春のカビパンまつりメンバーは余裕の表情。その1人であるネフラは不意に足元に転がってきたカビパンもといトマトをハイヒールで踏み潰す。ぐしゃりと生々しい感触を残して、白いワンピースに赤い染みがついた。
「白を血で染めるのは喜悦なのだが、これはなんとも微妙な気分だ」
 そんな気分を解消しようと、彼女は残りのトマトを拾い上げ、おもむろに敵に投げつけ始めた。それは混乱状態にあった華菓の顔面にべしゃりとブチ当たり、「へぶっ?!」と無様な悲鳴を上げさせる。ここにカビパン祭りStep2の火蓋は切って落とされた。

『さあ、ボスのお出ましね。まずあんたがさっき呼んだ🍅消して、普通に敵を倒して帰るわよ』
「……カキツバタ、ちょっと悪い報告があるんだけどさー」
 空気を読まずに普通に戦おうと提案する悪魔カキツバタもいるが、その契約者あやめは残念なお知らせを伝える。
 いや、彼女から見てもこの状況はチャンスでしかないし、普通に戦えばまず勝ちは固いだろうと思ってはいるが。
『なによ?』
「さっきの【カビパン召喚】が解除できないんだよねー。なんか退去を拒否されてる?」
『なんでよ?!』
 ユーベルコードで呼び出したカビパンは戦闘では役立たずなくせに、発動中は召喚者も戦えなくなるという致命的なデメリットが存在する。一度祭りに参加したからには途中退場は不許可ということだろうか。ノリノリで跳ね回るトマトがまるで「私達を使ってよ」と言っているかのようだ。

「という訳で、ユーベルコード抜きで戦うよー」
『頭が……胃が……痛い』
 心痛でダウンしそうなカキツバタはさておいて、あやめは近くにいたトマトを一体「スピリチュアル投げ手錠」で捕縛する。ワッパに引っかかった瑞々しくて赤いソイツをぶんぶんと振り回し、ネフラと同様に敵へと投げつける。
「へぶッ?! て、店内に食べ物の持ち込みと、食べ物で遊ぶのはご遠慮くださ……!」
「ごめんねー」
 これについては最もな抗議ではあるが、あやめは生返事しつつ容赦のない追撃を加える。二本一組の「二丁警棒」に魔力を通し、武装警官として身に付けた技を駆使して乱打、乱打。動揺から立ち直る暇もない相手を滅多打ちだ。

『あんたもひっどい戦い方するわね?!』
「いやー、褒められると照れるなー」
『褒めてないわよ、あっぱかぱーっ!?』
 カキツバタにツッコミを入れられてもあやめに攻撃の手を緩める気配はない。一応は身内の分霊であるトマト(カビパン)をふんだんに利用したファイトスタイルで敵を攻め立てていく。今はこれが一番効率的とはいえ、絵面のほうはなかなかヒドい。
「この、いい加減に……しなさいッ!」
 そして、とうとうキレた華菓もヤケクソ気味にトマトを投げ返す。こうなればもはや戦場はトマトで有名な某国の祭りの如し。カビパンを発端として生じたカオスの渦は、味方だけでなく敵すらも巻き込んでさらに拡大していく。

「愉しくなってきたな」
 そんな大騒ぎに口の端を歪めながら、ネフラも奇麗なフォームでトマトを投げ続ける。ここまで状況が混沌と化せば敵に当たろうが味方に当たろうがお構いなしだ。どうせカビパンなのでコレ自体にはほとんどダメージはないし。
「トマトが足りなくなれば勝手に増えるのではないかな」
「増える……?!」
 どれだけトマトを使っても【カビパン召喚】を使えばまた幾らでも出せる。しかもカビパン自身も自然増殖する。
 ネフラの呟きでそれを知った華菓は、ようやく正気に戻って事態のヤバさを理解した。このままでは大事な自分の店がトマトまみれどころか、トマトに埋もれて壊滅しかねない。

「お姉ちゃんが🍅に! 何だろう最初から🍅だった気がするし一部🍎だった気もするけど」
 一方、ポーラリアは血ではないもので真っ赤に染まっていく戦場を眺めながら、(これもしかしてユーベルコード再使用すれば追い召喚できるのかしら)と考える。彼女の場合はトマトの他に雪女カビパンを召喚することもできるので、もし実行すればさらなるカオスが戦場を包み込んだだろうが――。
「うわっ、これ以上増やすなって言わんばかりの呪符が」
「やらせませんよ!」
 自分の店を守るために、必死に華菓が放った【禁呪・不如意】の呪符がポーラリアのおでこにぺたりと張り付く。
 この術は対象を捕縛してユーベルコードを封じるためのものだ。【冬を告げに来たよ(ねぇよ)】による追い召喚はこれで不可能になった。

「これではカビパンさんを召喚できません💦」
 ポーラリアだけでなく、同様の被害は詩乃の元にも飛んできていた。チャイナドレス姿のままおでこに呪符を貼りつけた彼女は、【黴召喚の術】が使えず困り顔でそう言うが、声に抑揚がなく棒読み気味なのは気のせいだろうか。
「仕方がないので、普通に戦うしかありませんね」
 まるで最初からそれを望んでいたかのように、彼女はスムーズに戦法を切り替えた。破魔と浄化の神力で呪符の捕縛効果を和らげ、さらに念動力で身体を補助すればそれなりには動ける。逆にカビパン召喚中の行動制限を喰らわなくなった分、戦い方の自由度は増していた。

「やぁっ!」
「がはッ!?」
 滑らかな動きで敵の懐に入り込んだ詩乃は、足払いと掌打のコンボを叩き込む。体内まで衝撃を浸透させる太極拳の技だ。中華系の敵には中華の技で対抗ということだろうか、トマトとは比較にならない威力に敵が血反吐を吐く。
「こ、このッ……!」
 対する華菓の反撃は動きが鈍かった。顔面にぶつけられたトマト汁が目に染みるし、肉体も精神も疲労が激しい。
 詩乃は心眼と第六感を研ぎ澄ませて相手の心を読み、華麗な身のこなしで回避とカウンターを行う。お祭りのコンセプトはガン無視だが、だからこそ真っ当に強い。

「ユーベルコードを封じられている内は戦闘が出来るわ! 盲点だったわね」
 その戦いぶりを見て気付かされたポーラリアも、呪符をくっつけたまま戦闘を始めた。妖精仕様のアイスレイピア「ピアースウィンター」を足元に突き刺せば店の床はたちまち凍りつき、スケートリンクのようにツルツルになる。そこで彼女はカビパン(トマト)を振りかぶり――。
「お姉ちゃんカーリングよ!」
「きゃッ?!」
 スーッと氷の床を滑っていったトマトが、華菓の足元に当たってすっ転ばせる。慌てて立ち上がろうとする彼女の前にいるのは2人の猟兵。あやめと詩乃がこんな隙を見逃すはずもなく、警棒と太極拳で容赦なくボコボコにする。

「ごめんねー、自分の不運を呪ってよ」
「料理を悪いことに使う人にはお仕置きです!」
 カビパン抜きでも普通に強い猟兵達による連携攻撃は、料理で実戦から離れていた元エージェントに対処しきれるものではない。「ぐっ、がっ、ぎゃぁ!」と断続的な悲鳴が上がり、凍りついた床が真っ赤な血とトマトに染まる。
「あっ、呪符が……」
 途中、戦闘による激しい動きで呪符が剥がれかかるが、詩乃はすぐさま自分でぺたりと貼り直す。またカビパンを使わないといけないくらいなら、いっそ封印されていたほうが良いという判断である。完全にカビパンを邪魔者扱いしている気もするが、特に非難などは飛んでこなかった。

「今、自分で呪符付け直しませんでした?」
「いいえ、目の錯覚でしょう? そんな事言っている内に隙あり!」
「ごはぁッ!?!!」
 華菓のツッコミからとぼけつつ、強力な発勁を撃ち込む詩乃。神罰の力を込めたその一撃は稲妻を帯び、臓腑から骨の髄までダメージを貫通させる。これには敵も耐えきれなかったようで、店内の壁端まで一気にぶっ飛ばされる。
「あっ、こっちも戦闘の余波で呪符が剥がれ……お姉ちゃん! 今よ!」
 さらにはこちらも呪符の取れたポーラリアが解禁されたユーベルコードを発動、召喚ポイントを相手の頭上に設定するという裏技で追撃を仕掛ける。天井から降り注ぐ大量のカビパン(トマト)に呑まれ、華菓は「うぎゅっ!」とカエルのような悲鳴を上げて潰れた。

「皆の華麗なカピパン闘法は見事だね。これくらいやってもいいんだって、私の中にあった僅かな罪悪感が溶けていくのを感じるよ」
 戦場がたいへんカオスな事になっている中で、ひとりその様子を眺めているのはセフィリカ。どのメンバーもほぼカビパンを人間扱いしていないと言うか、当たり前のようにトマト扱いしていると言うか。こんな光景を見せられれば、雪山の急斜面から蹴り落としたり、敵組織に売り払ったりした時の罪の意識がすっと消えていく。
「私の取り扱いは……問題ない!」
「セフィリカお姉ちゃんも色々してきたのね」
 そこにパタパタと飛んできたのは、カビパンを降らせてひとまず満足したらしいポーラリア。彼女も様々な事件をカビパンと一緒に乗り越えてきており、召喚ユーベルコードによるカビパン遣い(?)の巧みさにかけては屈指かもしれない。

「ポーラも巨大化したお姉ちゃんを大量のクェーサービーストと流星群の宙域に放り投げてヤキパンにしたり、無限に増えたお姉ちゃんをひたすら敵に落としたり、大砲で撃ち出したり、バナナの皮代わりにしたり、衣服を剥いだりしたけれど……」
『私の思考、エルフとフェアリーの倫理観とは遠いけどその論理ドクズよ』
 カビパン時空に慣れすぎてモラルハザードが起きかかっている猟兵2人に、魔剣シェルファがツッコミを入れる。
 客観的に見れば鬼畜の所業だし、そもそも相手がカビパンでなければ生きてはいない。流石に本人達もそれは承知しているだろうが。
「カビィちゃん以外に適応しちゃいけないのはわかってるよ!」
「お姉ちゃん以外でやったらダメ絶対だね!!」
 これ以上頭のネジが緩む前に締めておこうと、自分達の常識を再確認する2人。そうこうしている間も目の前ではカビパン祭りが継続中で、相変わらずトマトが飛び交い敵はボコられている。巻き込まれた側は不憫ではあるが、それもカビパンが絡んだ事件ではいつもの事であった。

「しかし、どう戦うか……まあ普通に盾にするしかないよね」
 見ているだけで終わらせるのは流石にねと、セフィリカは適当に呼んだ【黴色の女教皇】を盾にして前線に出る。
 ここまで散々トマトをぶつけられてきた華菓だが、それでも彼女が持つ虹色カビパンの不気味な輝きにはぎょっとしたようで、「な、なんですかそれは……?」と後ずさる。
(相手、トマトだけ構える姿に隙がありすぎて戸惑っているなあ。盾扱いして仮に私がミスっても私の被弾でトマトが消えるんで、それでノルマ達成って言い張りたかったんだけど)
 Step1から含めて好き放題暴れすぎた弊害と言えるかもしれない。まあ別にノルマとかガン無視しているメンバーもいるので気にしなくて良いのかもしれないが。トマトを持った剣士とトマト塗れの符術士が睨み合うという、傍目には奇妙としか言えない構図ができあがる。

『ま、この隙を他の奴らが黙って見てる訳はないわね』
 ぽつりとシェルファの言う通り、この硬直状態を作りだしただけでも戦術的には十分な効果があった。べしゃり、と誰かが投げつけたトマトが当たるのを皮切りに、春のカビパン祭りの参加メンバー達が次々と華菓に襲い掛かる。
「今回は投げるだけしかしていない気もするが、あまり前に出て服を汚したくもないのでな」
「ほらカキツバタ、行くよ!」『私もやんなきゃだめなの?!』
 ネフラ、あやめ、カキツバタの三者によるカビパン投擲はもはや熟れたもので、吸い込まれるような軌道で標的にヒットする。尽きることないトマトの雨は確実に正気とメンタルを削り、怒った敵が反撃を試みようとしても――。

「残念でした!」
「ああッ!?」
 ポーラリアが「スノーマンロッド」から冷気の塊を浴びせると、華菓が持っていた符は雪だるまに変わる。これで符術は使用不能――他のユーベルコードや新しい呪符を出す暇はない。締めを飾るのはチャイナドレスの女神様だ。
「これで最後です!」
「こ、こんなバカな……がはぁッ!!」
 カビパン要素一切なしの発勁が、またも料理人を壁に叩きつける。その時の彼女の表情は何が起きているのかまるで信じられないと言いたげで。悪夢のような春のカビパン祭り、第二章に巻き込まれた被害者の末路がこれだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アヤネ・タチバナ
【アドリブ◎】
あたしもおねーさんの"最後"の料理を食べられて、うーん
とっても複雑な気分だよ。良くも悪くも、色々とね
しかも腹ごなしの面倒までみてくれるなんて、気が利いてるねー

口直しに武器:学徒武装「耽溺」を咥えて、武器:闘気をまとっていく

地形耐性とジャンプと空中戦で、店内や天井の障害物を利用して
キョンシー達に囲まれないように立ち回ろう

パンチにキック、それと店内にあるもの手あたり次第に武器:宇宙理心の波動を込めて武器として利用していく
食器で切断&カウンターしたり、衝立で鎧砕きしたり、椅子の脚にハメて身体部位封じをしたり、キョンシーを盾にしたりして
更にそこから、連続コンボやグラップルへと繋げていくよ



「あたしもおねーさんの"最後"の料理を食べられて、うーん。とっても複雑な気分だよ。良くも悪くも、色々とね」
 微妙な笑顔で肩をすくめ、言葉を濁すのはアヤネ。正直手放しで褒められる料理ではなかったが、動画のネタにもさせて貰ったし、まあ複雑ではあろう。とりあえず1度食べたら満足したし"次"の機会を用意するつもりはない。
「しかも腹ごなしの面倒までみてくれるなんて、気が利いてるねー」
「くっ……どいつもこいつも私をバカにして……!」
 口直しにキャンディ型の学徒武装「耽溺」を咥え、闘気を身に纏う。食べた分の"お礼"はきっちり払うつもりだ。
 称賛とチップを期待して現れた『何・華菓』にとっては、とんだ期待外れだろう。ここまでの戦闘で蓄積した疲労以上の怒りと屈辱が、その表情にありありと浮かんでいる。

「素直に『美味しかった』と言うか、死ぬか、UDCになるまで帰しませんよ!」
 怒れる女仙術士は己の血肉を代償に【召鬼・使屍斗】を行使し、武将タイプのキョンシーによる部隊を召喚する。
 巨大な三尖両刃刀を扱える技量と命令に従うだけの知性、それに屍体にしては機敏な動き。あまり侮ってかかるのは危険だろう。
(囲まれないように気をつけなくちゃね)
 アヤネはテーブルに足をかけてジャンプすると、天井の照明に手をかけてキョンシーの上を飛び越える。そのまま背後に回り込むと、まずは挨拶代わりのパンチを一発。闘気とサイキックエナジーを練り上げた「宇宙理心の波動」を込めた一撃は、藁人形のように敵を吹っ飛ばした。

「はい、次の人どーぞ」
 余裕の表情でアヤネがくいと手招きすると、まだ残っている武将キョンシーが殺到する。猛烈に振り回された尖両刃刀が、店内にあるテーブルや家具等を破壊していき――その拍子に飛んたフォークやナイフを彼女は掴み取ると、手近な相手にぶっ刺した。
『グオォ?!』
 ただの食器でも宇宙理心の波動を込めれば、人体を切断するに足る凶器と化す。それは他の物品でも同じことだ。
 衝立をぶつけて鎧を砕いたり、椅子の脚に相手をハメて動きを封じたり、時には敵すら他の敵に対する盾にして、さながらカンフーアクションのような立ち回りで女子高校生がキョンシーの群れを圧倒する。

「ええい、小娘1人に何をやっているのですか……!」
 配下の不甲斐なさに華菓は怒るが、ここは相手が強すぎたと言うべきだろう。店内の地形や障害物を利用し、あるものを手あたり次第に武器として活用するアヤネの戦闘スタイルは、無軌道のようでありながら理にかなっている。
「あんまり甘く見ないでよね」
 そのまま彼女は軽快な身のこなしでキョンシーどもをなぎ倒して突破し、本命たる仙術士の元まで急接近する。
 ここまでダメージは全く受けておらず、体力も気力も充溢している。これについてはUDC料理の効能に感謝だ。

「怖がらなくていいよ。瞬きしてる間に終わるから」
「ひ……うッ、ぐ、がぁっ?!!」
 表情を引きつらせた華菓に叩き込まれる拳と蹴り。さらにグラップルも交えた【宇宙理心拳】の連続コンボは、一度決まってしまえば脱出困難な無限ループだ。情け無用の猛攻を前に料理人の命は風前の灯火であり――決着の時が近いことを肌で感じながら、アヤネは拳を振るい続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルマ・アルカレイト
罠使い…骸海龍の無限回転によるワイヤートラップ

毒使いと蟲使い…マヒと毒攻撃

属性攻撃…骸海龍の無限回転発動

『ああ!変身してしまいました!』『アルマ!』
ファイとプサイの努力は虚しく変身

敵は眷属だと思ったらしく私に二人を攻撃する命令をする

おいぃぃ!誰が眷属だぁ!
敵にアッパーカットを繰り出した

全員困惑している

私はオブリビオンじゃあ無い猟兵だ!
後私にはアテルマディナという立派な名前があるのよ!初対面の相手に命令口調とか何様だぁ〜?そういうのはフィクションの中の世界にしろやぁ!
スプーンを無限回転によって球体にして放つ
敵は回避して呪符を放とうとしたが目の前で砕け散る

何驚いているの?破壊眼でぶっ壊しただけよ!

蟲もプレゼントよ!
蟲を召喚して回避しようとした敵はワイヤートラップで拘束してから追尾の回転弾を放つ

かかったわね…オラオラオラオラ!
ラッシュでぶん殴った

下衆野郎は所詮何処までいっても下衆野郎なのよ!
『奴は女だろ…』『オブリビオンになってもアルマさんはアルマさんのままですね…』
ファイとプサイは呆れていた



「ぐっ……うおおおおおおおッ!」
『ああ! 変身してしまいました!』『アルマ!』
 猟兵達が料理長『何・華菓』との戦いを繰り広げている間も、ファイとプサイは懸命にアルマの暴走を抑えようとしていた。だが天使2人による浄化の効き目も虚しく、彼女は黒と白の翼を持つ、緑と紫の龍の姿に変身を遂げる。
「おお! どうやら1人は成功したようですね!」
 それを見て歓喜の声を上げるのは華菓。他の猟兵がオブリビオン化していない以上、彼女のUDC料理はあくまで変化を促すきっかけに過ぎず、アルマ自身に原因があったと考えられるが――この絶体絶命の状況で同族が増えるのは彼女にとって奇跡的な僥倖だった。

「新たな眷属よ、私を助けなさい! そいつらを八つ裂きにするのです!」
 すっかりアルマが邪神の眷属化したと思い込んだ華菓は、居丈高に攻撃命令を下す。それを聞いたファイとプサイは、仲間と戦わなければならないのかと苦渋の表情で身構えるが――直後、異形の龍がとった行動はどちらにとっても予想外の事だった。
「おいぃぃ! 誰が眷属だぁ!」
「なっ? はぐうッ!!」
 さっきまで吠えていた龍は急に人の言葉を話しだしたかと思うと、華菓にアッパーカットを食らわせたのである。
 不意打ちを食らった華菓はもちろん、様子を見ていた誰もが困惑する。まさかこの状況でもアルマの理性が残っていたのかと言えば、それも違うようだ。

「私はオブリビオンじゃあ無い猟兵だ! 後私にはアテルマディナという立派な名前があるのよ!」
 戸惑う一同にそう言い放つアルマ――否、【原子回忌帰・骸海龍アテルマディナ】。さっきまでのアルマとは別人のように雰囲気が変わっているが、見境なく暴れ出す様子はない。かといって本当に彼女が今も猟兵なのか、それを裏付ける根拠は何もなかった。
「初対面の相手に命令口調とか何様だぁ~? そういうのはフィクションの中の世界にしろやぁ!」
 現状理解できるのは、このアテルマディナとやらが、ひとまず無礼な発言をした華菓を敵とみなしたということ。
 彼女は床に散らばっていたスプーンに無限回転を付与して球体にすると、怒号と一緒に弾丸のように撃ち出した。

「くっ……眷属になった訳ではなかったのですか……?!」
 てっきり味方が増えたとぬか喜びさせられた華菓は、球体を回避して【禁呪・不如意】の呪符を放とうとする。
 だがアテルマディナがひと睨みしただけで、その符は発動する前に彼女の手中でバラバラに砕け散ってしまった。
「なっ、なにを!?」
「何驚いているの? 破壊眼でぶっ壊しただけよ!」
 骸海龍は様々な能力を持つが、その一つに視認するだけで対象を破壊する魔眼の力がある。敵にすれば恐ろしいが味方であるうちはこれほど頼もしい存在もそうはいないだろう。久方ぶりに力を振るうことを楽しんでもいるのか、その表情はイキイキとしていた。

「蟲もプレゼントよ!」
「い、いりません!」
 さらにアテルマディナは蟲の群れを召喚して敵にけしかけ、同時に次元能力でワイヤートラップを店に仕掛ける。
 華菓が蟲を避けるのに気を取られると、死角からワイヤーが足元をすくうという戦法だ。冷静に対処すれば見破れたかもしれないが、相手にそんな余裕はない。
「きゃっ?!」
「かかったわね……オラオラオラオラ!」
 相手の動きが止まった瞬間に追尾の回転弾を放ち、さらには接近しての猛ラッシュ。息も吐かせぬ情け無用の攻撃が華菓に襲い掛かる。運命や次元すらも破壊すると言われるそのパワー、耐えられるほどの体力はもはやなく――。

「こ、こんな……バカな……」
 中華街で密かにUDC料理を広め、人々を邪神の崇拝者に変えてきた悪の料理人、『何・華菓』はここに息絶えた。
 信じられぬといった無念の表情のまま骸の海に消えていった彼女の後には、1枚の破れた符だけが遺されていた。

「下衆野郎は所詮何処までいっても下衆野郎なのよ!」
『奴は女だろ……』『オブリビオンになってもアルマさんはアルマさんのままですね……』
 威勢よく勝ち誇るアテルマディナに、ファイとプサイは呆れていた。どうなることかと思ったが、この調子なら大した問題はなさそうだ。むしろこれはアルマが新たな力に目覚めたという事で、思わぬ幸運だったのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『パープル・フリンジ』

POW   :    狩り
【視線】を向けた対象に、【群れ】が群がり【鋭い牙】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    存在しえない紫
対象の攻撃を軽減する【位相をずらした霞のような姿】に変身しつつ、【不意打ち】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」
【不気味な鳴き声】を発し、群れの中で【それ】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「まさかシェフがやられてしまうとは……」
「どうなってしまうんだ、この店は?」

 密かにUDC料理を振る舞っていた悪の料理人『何・華菓』は、猟兵達との激闘に敗れ、骸の海に還っていった。
 これでもう、この店でUDCを調理できるシェフはいない。そうなれば困るのはこの店を愛好していた常連や、華菓に従っていたスタッフ達だ。

「あいつら、この店を潰すつもりなのか?」
「それはダメだ、それだけは……!」

 彼らはすでにUDC料理を過剰摂取したことで、身も心も「ひとでなし」に成り果ててしまっている。
 不老長寿の噂に惑わされた連中の末路と思えば同情の余地は少なく、放置しておくにはリスクが高すぎる。
 そして彼らのほうも、このまま店が営業停止になるのを黙ってみているつもりはなさそうだ。

「この店の秘密を漏らサレル訳ニハ……」
「許さん……お前達ハ……ゲゲ、ゲゲゲッ!」

 みるみるうちに常連とスタッフの姿は、四つん這いになった昆虫のような異形に変わる。
 あれは 『パープル・フリンジ』と呼ばれる、本来は光と影の境界線に住まうUDC怪物の一種だ。
 単体ではさしたる脅威ではないが、群れになった時の狩猟能力は侮れない。

 とはいえ所詮は、シェフが倒れるまで様子見していたような連中だ。
 こいつらを倒し、残されているレシピや顧客名簿等を回収する。それで今回の依頼は無事終了となる。
 忌まわしきUDC中華料理店に終止符を打つため、猟兵達は再び戦闘態勢を取った。
フラーウム・ティラメイト
では纏めて消滅させましょう!
『焼却処分です』
私とマーアリアは矢弾の雨を一斉に放ちました

今です!
敵が一瞬後退仕掛けたので私は黒剣で生命力吸収と魔力吸収の斬撃波を敵に放つ

『ケー!』
オベイはテーブルに座っているところを敵が来たので破壊属性のブレス攻撃で範囲攻撃などで範囲を広げて攻撃しました

オベイは封印されていても強いんですね
敵のUCをオーラ防御で防ぎながら私はUCを発動してモザイクの嵐を敵に放ち攻撃

『なら私も本気を出しましょう…』
マーアリアはUC因果獣皇・因果の支配者を発動して因果を捻じ曲げて敵のUCによる不意打ちは同士討ちにする

『霞になっても無駄です』
マーアリアは因果を捻じ曲げて衝撃波を敵に放った



「では纏めて消滅させましょう!」
『焼却処分です』
 常連客とスタッフが一斉に異形化を始めると、フラーウムとマーアリアは一斉に攻撃を放った。凝縮された魔力の矢が雨のように店内に降り注ぎ、『パープル・フリンジ』の群れを射抜く。その瞬間、耳触りな悲鳴が響き渡った。
「「ゲゲッ、ゲェーーッ!?」」
 UDC料理の魅力に取り憑かれた挙げ句に自らUDCと化した者達。だがその戦闘能力は先程のシェフ1人にも劣る。
 不慣れであろう実戦の痛みに敵が一瞬後退しかけたのを見逃さず、フラーウムは鍵型の黒剣を勢いよく振るった。

「今です!」
「「ゲギャーッ!」」
 黒剣より放たれた斬撃波は、切り裂いた敵から生命力と魔力を奪う。干からびた死骸を残してパープル・フリンジは次々に息絶えるが、それでも数だけはやたらに多い。【存在しえない紫】の靄状に体を変化させ、仕返しとばかりに襲いかかってくる。
『ケー!』
 一方のオベイはテーブルに座っているところに近付いてきた敵に、破壊のブレスを浴びせて応戦している。小さな鳥形の石が異形の蟲どもを吹き飛ばす様はシュールな絵面だが、その火力と攻撃範囲は決して侮れるものではない。

「オベイは封印されていても強いんですね」
 その様子にフラーウムは感心しつつ、敵の反撃をオーラの鎧で防ぐ。靄化により不意打ちが上手くなっていても、攻撃力はそこまで上がっていない。お返しとばかりに彼女は【因果獣狂龍皇・フラーウム・ディストラクション】を発動した。
「さあ……私の中にあるモザイクの力見せましょう」
「「ゲゲゲーーッ!!?!」」
 体内から解き放たれたモザイクの嵐が、パープル・フリンジを呑み込んでいく。位相をずらしてダメージを軽減しようとしても無駄だ。このモザイクは因果や次元を超越し、触れたものから時間を奪い去る。具現化した『過去』であるオブリビオンにとっては致命的な攻撃だ。

『なら私も本気を出しましょう……』
 同時にマーアリアも【因果獣皇・因果の支配者】を発動し、因果獣皇の真の力をもって敵の運命を捻じ曲げる。
 直後にパープル・フリンジ達が攻撃を仕掛けてきたが――"運悪く"彼らの不意打ちは同士討ちになり、互いの爪と牙で互いを傷つけ合うはめになる。
「ギャァッ!」「ギイッ!?」
 もはや人の言葉さえ失った異形どもの悲鳴。分が悪いと悟った連中の一部は、抗うよりも店内からの逃走を図る。
 が、それを見逃すマーアリア達ではない。【因果の支配者】の権能をもってして歪められた因果が、衝撃波となり敵を討つ。

『靄になっても無駄です』
「「ウギャァーーーッ!!!」」
 バラバラに吹き飛ばされたパープル・フリンジの亡骸は完全消滅し、時間質量の一秒すらそこには残らなかった。
 これは忌まわしいUDC料理店に完全な引導を渡すための掃討戦。すでに取り返しのつかない深みまで嵌まった者を見逃すつもりは、彼女達には一切なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アヤネ・タチバナ
えっ同情の余地少なし?! あたし誘惑とか弱い方だから超わかるんだよ
ただ長生きしたかった、そーなんだよね
けどさ、もうね、そーなっちゃったらダメなんだよ。だから――

近寄ってくんなっての!
両腕からUC:サイコチェーンを螺旋軌道&超過速で射出
敵集団を鎧砕き&貫通攻撃で縫い合わせて、十把一絡げに身体部位封じ&捕縛

あたし虫とは分かりあえないし分かりあいたくないし
てか何よりキモいんだって
全身に|生理的嫌悪《武器:闘気》を漲らせ
『平常心是道』と書かれた掛け軸を引っ剝がして丸め、武器:宇宙理心の波動を込めてく

後は過去のゴキブリとの戦闘経験を応用
鎖に絡まりあって藻掻いてる敵は後回しにして、他の敵から叩き潰していく



「えっ同情の余地少なし?! あたし誘惑とか弱い方だから超わかるんだよ」
 異形化した常連客やスタッフ達が容赦なく倒されていくのを見ながら、アヤネはちょっと慌てた様子でそう語る。
 それを食べればずっと若くてキレイなまま長生きできる。真実を知らないまま噂を耳にすれば、自分もとりあえずチャレンジする気になっていたかもしれない。
「ただ長生きしたかった、そーなんだよね。けどさ、もうね、そーなっちゃったらダメなんだよ」
 生への執着は生物が持つ根本的な欲求だ。そこまで否定するつもりは彼女にはない。だが眼の前にいるのは完全な異形のもの――オブリビオンと化した者達。ひとたび道を踏み外してしまった彼らを、元のヒトに戻す方法はない。

「だから――」
「「ゲッ、ゲゲゲッ」」
 アヤネがそう語っている間に、パープル・フリンジの群れが迫ってくる。ヒトの声とは思えぬ不気味な鳴き声を上げ、単眼でぎょろりと獲物を見つめ、四つん這いの体勢でのそのそと歩くそれは、もはや人間ではなく昆虫に近く、直感的なおぞましさを喚起する。
「近寄ってくんなっての!」
 同情の余地はあっても生理的嫌悪感のほうが勝ったらしく、アヤネは両腕から【サイコチェーン】を射出する。
 驚きの超加速で放たれた鎖は螺旋軌道を描きながらパープル・フリンジの甲殻を貫き、十把一絡げに纏めて縫い合わせた。数珠繋ぎにされた敵の「ゲゲーーッ?!」という耳触りな悲鳴が店内に響き渡る。

「あたし虫とは分かりあえないし分かりあいたくないし、てか何よりキモいんだって」
 最初のちょっとしんみりした雰囲気はどこへやら、完全に虫キルスイッチの入ったアヤネは全身に覇気を漲らせ、『平常心是道』と書かれた掛け軸を引っ剝がして丸め、宇宙理心の波動を込めていく。普段遣いしている武器や手足に体液とかが付くとイヤなので、今回はコレでやる気らしい。
「うりゃ!」
「ゲゲェッ!?」
 室内にわいた不快害虫を新聞紙で叩き潰すのと同じノリで掛け軸を振り下ろす。元がただの布と紙でも、オーラとサイキックでガチガチに強化されたそれは鋼の棍棒よりヤバい代物になっていた。脳天直適したパープル・フリンジが一撃で天に召されるくらいに。

「「ギ、ギィ……!!?」」
 仲間が一発で倒されたのを見たパープル・フリンジ達は慌てて逃げ出そうとするが、鎖に絡まりあって藻掻くことしかできない。アヤネはそいつらの方は後回しにして、まだ動いている他の敵から叩き潰していく。過去のゴキブリとの戦闘経験を応用した、無駄のない動きだ。
「できればもう視界にも入れたくないんだけど!」
 文句を言いつつも的確に、一撃一殺の心意気で敵を滅殺する宇宙JK。その手際に情け容赦と呼ばれる要素は皆無。
 これで異形化後の見た目がもうちょっとマシであれば、まだ違った未来があったのかもしれないが――そうならなかったことも含めて彼らの命運は尽きていたのだろう。道を外れた怪異の行く末は、もはや骸の海の中しかない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
もう後戻りが出来ないところまで
変わってしまっているようだね。
話をする事すら難しそうだし
平穏の為に倒させて貰うよ

後始末を考えると無茶は出来ないし
神気を使ったUCで戦おう

衣装を纏ったら神気を周囲に振り撒き
敵を石に変えていくよ
耳障りな音は静謐で上書きしてしまおう

多少戦闘力が上がったところで
近接攻撃してくるのなら
神気の発生源に向こうから
寄ってくるわけだし
動きごと停めてしまおうか

UDCの影響を受けて
UDCに変わってしまった人を倒すのは
何とも複雑な気分だね

今のところは毒をもって毒を制すと言えているけど
邪神てこの力に飲み込まれないように
気を引き締めないと

静かになったらレシピとか拡散するとまずい物を回収しよう



「もう後戻りが出来ないところまで変わってしまっているようだね」
 人のカタチさえ捨てて完全な異形と化した常連客とスタッフ――『パープル・フリンジ』の群れを見て、晶はそう呟いた。これが不老長寿の噂に踊らされ、UDC料理を貪った者の末路。もはやただのオブリビオンと変わりはない。
「話をする事すら難しそうだし、平穏の為に倒させて貰うよ」
「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」
 人語を発する事すらなくなり、不気味な鳴き声を上げるだけとなった怪異の群れは、虫のような動きでじりじりと迫ってくる。その様に忌避感を抱きながらも表向きは出さないようにしつつ、あくまで平静に晶は戦闘を開始する。

(後始末を考えると無茶は出来ないし、神気を使ったユーベルコードで戦おう)
 仮にも中華街の一角でこれ以上銃弾をばら撒くなどすれば、UDC組織も隠蔽工作にひと苦労だろう。そう考えた晶は邪神の力で生成した漆黒のドレスを纏い、ユーベルコードを発動する。この「宵闇の衣」から発せられる神気は、万物に停滞をもたらす【邪神の慈悲】だ。
「永遠をあげるよ」
「ギ、ギ……?!」
 神気を浴びたパープル・フリンジの体が、末端部から石に変わっていく。"老い"や"死"という終焉を恐れた彼らにとって、ある意味それは願いが叶ったと言えるかもしれない。石化してしまえば肉体は一切変化せず、時の停まったまま永遠に存在し続けるのだから。

「「ゲゲッ、ゲッゲッゲッゲッ!!」」
 仲間を石にされたパープル・フリンジ達は騒ぎ立てるが、その鳴き声が店内に響き渡ることはない。邪神の神気がもたらす静謐が、耳触りな音の拡散を上書きしているのだ。これにより連中のユーベルコードによる戦闘力の増強は限定的なものに留まる。
(多少戦闘力が上がったところで近接攻撃してくるのなら、神気の発生源に向こうから寄ってくるわけだし)
 晶はただそこに突っ立ったまま、神気を周囲に振り撒いているだけで良かった。店内には逃げ切れるほどの広さもなく、さりとて発生源をどうにかしようと近づけば影響も強く受ける。この状況、もはや敵には詰みに等しかった。

「ゲ、ゲッ……」
「UDCの影響を受けてUDCに変わってしまった人を倒すのは、何とも複雑な気分だね」
 無謀にも突っ込んできたパープル・フリンジが動きごと停められ、足掻く事さえできずに冷たい石と化していく。
 その様を眺める晶の表情は落ち着いていたが、心境は複雑だ。自身もまた、これだけ邪神の力を自在に操れるようになっているのは、それだけ身も心も邪神に近づきつつあることの証なのだから。
(今のところは毒をもって毒を制すと言えているけど。邪神てこの力に飲み込まれないように気を引き締めないと)
 目の前にいる怪物達が、いずれ自分が辿るかもしれない可能性であることを強く意識し、同じ末路を迎えぬように己を戒める。この異形に感じる忌避感と違和感を忘れないうちは、まだ彼はヒトであるのだろう。この力に慣れて、いつかその感情すら静謐に呑まれてしまうまでは。

「……こんなところかな」
 やがて周辺が静かになると晶は神気の放出を収め、レシピや顧客リストといった拡散するとまずい物を回収する。
 これでもう、この中華料理店が誰かの手で復活することはないだろう。新たな邪神の信奉者が生まれる危険を確実に摘む、そつのない仕事ぶりであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリン・エーテリオン
危ねえなクソが!

情報収集と視力で周りの状況を瞬時に把握して敵がUCを発動し攻撃を仕掛けてきたので衝撃波を纏ったオーラ防御で防ぐ

来い!邪神龍達!
私はUC発動

『くたばりやがれぇぇぇ!』『ヒャッハァァァ!』『オラオラオラオラ!』『ゴラァァァァ!』
鎧邪神龍達を召喚して敵に向かっていき虹炎の触手で敵を貫いていく

『私も倒すよ!』
エキドゥーマは迷彩を纏い当たれば爆撃する弾幕で攻撃

『ミーハミジンギリデスネ!』
敵にブラッドムーンは斬撃波を放つ

私はヴァルカライナーから素早く爆破の呪殺弾を放つ

『私達はここで止まる訳にはいかない!』『ジャシンオウモブットバシマスネ!』
ブラッドムーンとエキドゥーマは敵を倒しながら言った



「危ねえなクソが!」
 目を凝らして周りの状況把握に努めていたエリンは、自分の後ろから靄状のものが近付いてくるのに気付くと、衝撃波を纏った「虹神炎覇気」のオーラでガードする。悪態と同時に彼女が吹き飛ばしたそれは、醜い異形に変貌したこの店の常連客だったものだった。
「ゲッゲッゲッ……」
 不意打ちに失敗した「パープル・フリンジ」は、残念そうな鳴き声を残してカサカサと遠ざかっていく。今ので諦めたという訳ではないだろう。【存在しえない紫】の発動を維持したまま、もう一度こちらの不意をつくチャンスを窺っているはずだ。

「来い! 邪神龍達!」
 対するエリンは【深淵の鎧邪神龍降臨】を発動。仲間である「崩壊邪神王龍ブラッドムーン」を起点に、同胞たる鎧邪神龍の大量召喚を行う。虹色に燃え盛る炎の鎧を身に纏った彼らは、陽気に笑いながら即座に戦闘を開始した。
『くたばりやがれぇぇぇ!』『ヒャッハァァァ!』『オラオラオラオラ!』『ゴラァァァァ!』
 虹炎の触手を用いた彼らの攻撃は、位相をずらす靄の効果があっても防ぎきれるものではない。存在の本質を貫かれたパープル・フリンジ達は「ゲェッ?!」と悲鳴を上げ、虫のようにピクピクと四肢を痙攣させる。姑息な奇襲と数の暴力さえ封じてしまえば、この程度のバケモノに龍が負ける理由などない。

『私も倒すよ!』
 浮足立った敵に追撃を仕掛けるのはエキドゥーマ。彼女の放つ弾幕は迷彩を纏っており、視認困難なうえに当たれば爆発する仕様だ。そこらでバンバンと炸裂音が鳴り響くたびに、パープル・フリンジの体の靄が吹き飛んでいく。
『ミーハミジンギリデスネ!』
 爆発で敵の居所が分かれば、ブラッドムーンが斬撃波を放つ。鎧邪神龍の召喚起点となった彼の力が他の邪神龍に劣っているはずもなく、瞬時にバラバラにされた敵の肉片はもはやピクリとも動かない。完全にUDC怪物に成り果てた連中にかける情けはないようだ。

「オラオラ!」
「ゲッ、ゲゲェーッ!」
 エリンも「邪神砲龍ヴァルカライナー」を担いで、目についた敵を片っ端から吹き飛ばしていく。この生きたロケットランチャーから放たれる爆破の呪殺弾は、炸裂するたびに炎と呪詛を撒き散らしてパープル・フリンジを焼き焦がす。耳触りな断末魔の悲鳴も爆音にかき消されてすぐに聞こえなくなった。
『私達はここで止まる訳にはいかない!』『ジャシンオウモブットバシマスネ!』
 ブラッドムーンとエキドゥーマも、敵を倒しながらそう言った。いつかは真なる邪神も、さらにその元凶すらも討たんと志す者が、これしきの眷属に手こずるようでは話にもならないだろう。この戦いは通過点に過ぎないとばかりに、店主なき中華料理店で暴れまわる邪神龍達であった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雪・兼光
紳士淑女とスタッフひとでなしの皆さん
ごきげんよう
固っ苦しい挨拶はこれで終わりだ

残念が捕縛も救出依頼も出てないんだ
個々であんたらはジ・エンドって訳だに

さぁ、さっさと合ったて死んでくれ
範囲攻撃と乱れ撃ち、2回攻撃、マヒ攻撃、誘導弾を使ったユーベルコードで敵を掃除しよう

軽減するなら倍に攻撃すればいいじゃない?こんなふうになぁ!
 
目の前に現れたら、零距離射撃もオマケにつけよう

相手からの不意打ちは、第六感とオーラ防御で対抗
一度見てるなら見切りも使う

おうおう、必死だね
そりゃそうか死にたくないものな
だが、駄目だ、眠りな

不老不死に目がくらんで人の姿を捨てたツケだ。

さようなら



「紳士淑女とスタッフひとでなしの皆さん、ごきげんよう」
 まさに文字通り、ヒトではないものに成り果てた連中の前で、兼光は最低限の礼儀として慇懃な態度で言い放つ。
 もはや人語すら語らなくなった「パープル・フリンジ」相手に、通じているかは些か疑問があるが。これは単なるけじめのようなものなので気にしない。
「固っ苦しい挨拶はこれで終わりだ。残念だが捕縛も救出依頼も出てないんだ、ここであんたらはジ・エンドって訳だな」
 仮にも中華街の一角でこんなバケモノを逃がす訳にもいかないだろう。彼は冷徹な眼差しでブラスターを構える。
 その殺気に反応したのか、敵も「ゲッゲッゲッ」と鳴きながら牙を剥いて襲ってくるが――こちらの射程のほうが遥かに長い。

「さぁ、さっさと当たって死んでくれ」
 銃口を揺らしながら【クイックドロウ】で熱線を乱れ撃つ。誘導とマヒ効果も付与された閃光の弾幕は、百発百中の精度でターゲットに命中する。一撃で心臓を撃ち抜けなかったとしても、動きが止まれば続く連射によって息の根を止められる、そういう類の攻撃だ。
「ゲ、ゲゲゲッ……!」
 危機感を抱いたパープル・フリンジ達は【存在しえない紫】の靄に自分の体を変化させ、位相をずらすことでダメージの軽減を試みた。ここにいるのにどこにもいない、存在の"ゆらぎ"の狭間にいるUDCには、通常の物理攻撃は効力が薄くなる。

「軽減するなら倍に攻撃すればいいじゃない? こんなふうになぁ!」
 しかし兼光はお構いなしに連射を仕掛け、位相のズレでも軽減しきれないほどの手数をもって敵の掃討にかかる。
 ブラスターガンナーの最も基本的なユーベルコードである【クイックドロウ】は、射手の練度が効果に直結する。秒間100発を超える嵐のような熱線は、多少の小細工でどうにかなるものではない。
「ゲッ、ゲッ……!」
 またたく間に危機に陥ったパープル・フリンジは、奇襲による逆転を狙う。靄状になった体は気配を消して死角に回り込むのにも向いており、彼らに残された選択肢の中でもそれはマシなほうだったろう。だが、眼の前にいる男にその程度の小細工は通じない。

「おうおう、必死だね」
「ゲッ?!」
 不意打ちを仕掛けてきたパープル・フリンジの顎に、兼光がブラスターの銃口を突っ込む。どこに敵が出てくるか第六感を研ぎ澄ませて予想していたのだ。タイミングが分かっていれば連中の攻撃はオーラで防ぐことも、こうしてカウンターを仕掛けることも難しくない。
「そりゃそうか死にたくないものな。だが、駄目だ、眠りな」
 無慈悲な零距離射撃が怪物の頭部を消し飛ばし、首から下が力なく崩れ落ちる。必死のあがきも通用しないことを見せつけられ、残された群れには戦慄が広がっていく。こんな場所で死ぬなんて、誰1人想像すらしていなかった。

「不老不死に目がくらんで人の姿を捨てたツケだ」
 怪しい噂に踊らされ、あるいは進んで協力し、邪神の眷属に成り果てたモノに、兼光が与えるものは1つだけだ。
 さようなら、の一言とともに放たれるブラスターの閃光が、パープル・フリンジに死を告げる。虫のような断末魔の悲鳴が、ひとつ、またひとつと店内から消えていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

一郷・亞衿
店内には|そう《・・》なりたくて成った奴しかいない感じ?それなら気兼ねなくブッ殺せるってもんだ。

ま、あたし的にはレシピやら顧客名簿やらを回収する方を重要視してるけど。
雑魚しかいなくとも数は多い訳で。交戦してる裏で資料持ち出されたりしたらまた同じような事件が起こるかも知れないしさ。

とは言え完全に無視は出来なさそうだから、カウンター技使う方針で。
あたしに対して向けられた悪感情を〈呪詛〉に変換して返し矢よろしく跳ね返すUC『ヘイトフル・エイト』を発動しつつ、資料類を探しに行くよ。
呪い喰らっても襲い掛かってくる気骨のある奴がいたら適宜金属バットでブチのめすつもり。閉所だと蛇腹剣展開させにくそうだしね。



「店内には|そう《・・》なりたくて成った奴しかいない感じ? それなら気兼ねなくブッ殺せるってもんだ」
 シェフに協力していたスタッフは勿論のこと、完全にUDC化するほどここの料理を食べていた常連なら、ソレがどういったものかは薄々察せられただろう。少なくとも亞衿が見渡した限りに、己の境遇を嘆いているような輩は見当たらなかった。ここにいるのは全て、倒すべき邪神の眷属共だ。
(ま、あたし的にはレシピやら顧客名簿やらを回収する方を重要視してるけど。雑魚しかいなくとも数は多い訳で。交戦してる裏で資料持ち出されたりしたらまた同じような事件が起こるかも知れないしさ)
 重要度で言えばむしろそちらのほうが高いのは確かだろう。何・華菓が残した邪神料理のレシピなど特に、それを理解できる者の手に渡れば今回の尽力が無に帰す可能性すらある。連中がこそこそと暗躍を始める前に、彼女は先手を打って資料の捜索にあたっていた。

(とは言え完全に無視は出来なさそうだから――)
 亞衿も理解している通り、パープル・フリンジ最大の武器は数の暴力だ。【「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」】と不気味な鳴き声を発して群れの戦闘力を増強し、統率の取れた動きで獲物を狙う。その動きはヒトよりも虫の狩りに近く、もはや完全に人間性を捨て去っているのがよく分かった。
「ここはカウンター技使う方針で」
「ゲ、ゲッ?!」
 だが、亞衿に襲いかかろうと敵意を向けたパープル・フリンジは、突然ビクリと体を震わせて苦しげに呻きだす。
 自身に向けられた悪感情を呪詛に変換し、返し矢よろしく跳ね返す【ヘイトフル・エイト】。彼女が発動していた呪詛返しのユーベルコードに引っかかったのだ。

「悪いね、いちいち相手してる暇なくてさ」
 呪詛でひっくり返ってピクピクしている敵には一瞥もくれず、亞衿はカウンターを乗り越えて厨房に足を進める。
 捌かれた後の"食材"などから目を逸らしつつ探索を進めると、奥のほうにあった棚に使い込まれたノートが置いてあるのを見つけた。これこそが探していたUDC料理のレシピだろう。
「よくもまあこんな熱心に」
 ボロボロになった表紙やページ、何度も書き直された痕跡からは、それを記したシェフの試行錯誤を感じられる。
 その熱意がどこから生じていたのかは不明だが、ともあれこのレシピが日の目を見ることは二度と無い。1つ目の資料を回収した彼女は、残りの顧客名簿等の捜索を続ける。

「「ゲッ、ゲッ、ゲッ……?!」」
 この間も調査を妨害しようとする敵の攻撃は断続的にあったものの、基本的には【ヘイトフル・エイト】の呪詛返しを突破できずに倒れていく。悪意を逆利用する性質上、意思なき者や超然たる精神を持つ者には効果が薄いのがこのユーベルコードの弱点だが、ヒトを捨てても迷妄する心を捨てることはできなかったようだ。
「ゲゲッ……!」
「お、ちょっとはやるね」
 それでも一応、呪いを喰らっても襲い掛かってくる気骨のある奴もゼロではない。そうした個体が出てきた場合、亞衿は適宜物理的にブチのめすつもりでいた。厨房のような閉所だと蛇腹剣は展開させにくいため、使うのは「灰色こっくりのバット」だ。

「邪魔しないでもらおうか」
「ゲギャッ!?!」
 灰色の狐の尾らしきものを先端に括り付けた、不気味な金属バットがパープル・フリンジの頭にクリーンヒット。
 フルスイングで吹っ飛ばされた敵は耳障りな断末魔と血の跡だけを残して、亞衿の視界から消えていなくなった。
 邪魔者を排除した彼女はまた探索に戻り、この店に隠されていた秘密――次なる陰謀に繋がりかねない芽を完全に摘み取っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ポーラリア・ベル
【カビパン祭り】
(すっと、アイスのコーンを掲げる)
(寄ってきた🍅をリズムよく乗せていく)
(UCで追い🍅を召喚する。欲しかった白フロマージュ🍅だわーいという気持ちを抑えて。)
(【運搬】し相手UDCの逃げ先に回り込む)

どうぞ。さっきのお料理のお代です。
紅白タワー|🍅《カビパン》、ときどき🌈にございます。
食べてみてください。わかるでしょう?悪霊的なものに身体の芯を侵されるのが。
そう、このお店は本日からUDC中華料理店でなく、|KBPN《カビパン》🍅料理店へと新装開店し
無から新鮮な🍅をお出しする様にな゜る゜ー゜ー゜ー゜ー゜ー゜ー゜ー゜
(突如歌いだした🍅に白目を剥いて気絶し落下する妖精)


純・あやめ
【カビパン祭り】

未だに【カビパン召喚】が解除できないんだけど、どうしよっか?
…あれ?【カキツバタ】、なんでわたしの【二丁警棒】を装備して実体化してるの?
『簡単な話なのよ。要はあんたがダメージを受けたら消えるんでしょ、あの🍅』
…落ち着いて話し合わない?…やっぱ無理かなー?!
(敵の集団へと飛び込み、【敵を盾にする】ように逃げまわる)
『待ーてー!一発、いや、この際今までの分も含めて殴らせなさい!』
死んじゃう死んじゃう!ていうか、わたしが知らない技でサクサクと敵盾さんたちが吹っ飛んでるよ?!
『そりゃ、これは葉月流や師走流の技だもの。水無月流のあんたには教えてないわよ!』
ずーるーいー!


カビパン・カピパン
項目名:白いフロマージュカビパン🍅
アイテム番号:SCP-f24111
オブジェクトクラス:Apollyon
特別収容プロトコル:収容は実質不可能です。その謎の幸運と理不尽で不条理展開からあらゆる包囲網を突破します。またSCP-504とは仲が良いようなので、絶対に近づけてはいけません。
説明:物理的に典型的なトマトと同一のものです。しかし不気味に光ったり勝手に動き出し、食した者の思考をSCP-f24111と同じく精神汚染させる作用がありジャンルそのものを崩壊させます。
注記:(一言)―製作総指揮

SCP-f24111のテストログ
被験者:紫芋
発話:「許して…🍅イラナイ……ゲゲッ!」
結果:かならずもらえる


セフィリカ・ランブレイ
【カピパン祭り】

ねえシェル姉。カビィちゃんって…何なんだろ
『物憂げな表情で言われても』

今が物足りない自分が怖いの
『この上ない混沌でしょ』

そう…けど
カビィちゃんがただトマトでありすぎるんだ

トマトであるだけ
『トマト光らないけどね』
それを使って混沌を生み出しているのは…私たちなんだ
これは、私達が知らずにトマトに支配されているということじゃない?
わかりやすく突っ込める分、騒いでくれた方がまだマシなんだ

このままだと私達は、不条理側に傾いていく…
行き着く先は…ッ!
『あー支配されてんわね』

まず全力で敵をぶちのめす!
その後すべてのカビパンをこの場から回収するよ!

前哨戦、景気よくいくよ!
私達の尊厳のために!


ネフラ・ノーヴァ
【カピパン祭り】
あの紫芋(パープル・フリンジ)の不気味な鳴き声が発されてからトマトも何やら固く大きくなっている気がする。共感しているのだろうか。
紫芋もトマトもどうしようもないものだな。すべて焼いてしまおう。UCで燃やしたトマトを投げつける、または刺剣に刺したまま紫芋を刺し、燃え広がらせる。これは新しい料理かな。
立ち上る匂いは果たして食欲をそそるものだろうか。


大町・詩乃
【カビパン祭り】

呪符が消えちゃった…。
すごく残念そうな口調で呟く詩乃。
レシピや顧客名簿等の回収だけならともかく、まだ戦闘があるのにどうしよう💦

できれば🍅を盾にするような事はしたくなかったのだけど。

不気味な鳴き声を発して強化を図るパープル・フリンジ達。
💡(何かが閃く)

「🍅さん、不気味な声しか出せぬ彼ら(パープル・フリンジ)に、美声の何たるかを教えてあげて下さい。」とリサイタルを勧める。

同時に詩乃は結界術・全力魔法・高速詠唱による自身限定の防音結界&オーラ防御で護りを万全に固める。

🍅が歌い始めると、他の🍅もそれぞれ勝手に歌い始める。

気が付くとパープル・フリンジは倒れ、🍅も砕けていた。



「ねえシェル姉。カビィちゃんって……何なんだろ」
『物憂げな表情で言われても』
 今さらといえば今さらな疑問を口にするセフィリカと、一切興味なさげなつれないツッコミを入れるシェルファ。
 料理長こと何・華菓が倒れた後も、召喚されたトマト(カビパン)の山は消えていなかった。さらにはスタッフや常連客が次々に怪物としての姿を露わにし、なかなかヤバい状況が目の前に広がっているのだが――。
「今が物足りない自分が怖いの」
『この上ない混沌でしょ』
 もはやこの程度の混沌には慣れてしまったのか、肩透かしに近い感覚をセフィリカは抱いていた。以前はあれだけツッコミまくったのに、気付けば染まってきている。果たして本人はその自覚があるのだろうか、ないのだろうか。

「そう……けど、カビィちゃんがただトマトでありすぎるんだ」
 みんなのユーベルコードで召喚されたカビパン(トマト)の数々を見ながら、セフィリカはそう語る。色々とおかしな点はあるものの、あれは基本的にトマトである。自らの力で混沌を巻き起こす力は――いや、ちょっとはあるかもしれないが。
「トマトであるだけ。それを使って混沌を生み出しているのは……私たちなんだ」
『トマト光らないけどね』
 今回の件については、ノリノリで便乗しまくっていたカビパン祭りの参加者にも責任の一端はあるかもしれない。
 シェルファの冷静な指摘とは裏腹に、セフィリカはこの事態を重く受け止めていた。ミイラ取りがミイラになるということわざ通りの事が、自分達の身にも起きているのではないかと。

「これは、私達が知らずにトマトに支配されているということじゃない? わかりやすく突っ込める分、騒いでくれた方がまだマシなんだ」
 トマトは黙して語らない(でも時々しゃべる)。能動的なアクションも(基本的には)取らない。それでも今回、カビパン祭りはこれだけの大惨事を引き起こした。全てはあの変なチラシに誘われて、踊らされた者たちによって。
「このままだと私達は、不条理側に傾いていく……行き着く先は……ッ!」
『あー支配されてんわね』
 だんだん陰謀論者めいたことを言い出したセフィリカに、シェルファはやや呆れ気味。こうなると言葉で諭しても彼女は止まらないだろう。まさに今自分が危惧した通りになりつつあるエルフの蒼鋼姫は、一体どうする気なのか。

「まず全力で敵をぶちのめす! その後すべてのカビパンをこの場から回収するよ!」
 きちんと後片付けをするまでが祭りの一環である。自分達が撒いたトマトは自分達で始末をつける――セフィリカは覚悟の表情で【黴色の女教皇】と「パープル・フリンジ」と向かい合う。光るトマトも異形の怪物も今となってはまとめて駆除すべきものでしかない。
「前哨戦、景気よくいくよ! 私達の尊厳のために!」
『はいはい』
 シェルファももう止める気はないようで、魔剣の姿で彼女の手に収まる。覚悟の方向性がどうあれ、アレを倒さなければならないのは事実なのだ。ただ問題としては、カビパンの召喚が継続されている状態でそれを実現するのは、言うほど簡単ではないのだが。

「未だに【カビパン召喚】が解除できないんだけど、どうしよっか?」
 カビパン祭りの参加者の1人、あやめもまさにその問題と直面していた。カビパンがいる限り召喚者は戦闘行動に制限をかけられる。シェフと戦った時から状況はあまり改善されておらず、正直トマト投げだけで対応するにも限界を感じつつあるのだが。
「……あれ? カキツバタ、なんでわたしの二丁警棒を装備して実体化してるの?」
「簡単な話なのよ。要はあんたがダメージを受けたら消えるんでしょ、あの🍅」
 彼女の相方こと悪魔カキツバタが考えた解決策は至極単純だ。召喚者にわざとダメージを与え、ユーベルコードを強制解除させる。その過程でちょっと痛い目を見るかもしれないが致し方ない代償である――と、にこやかな笑顔を浮かべて、悪魔は警棒を向ける。

「……落ち着いて話し合わない? ……やっぱ無理かなー?!」
 これはマジでやる気だ、と察したあやめはくるりと踵を返し、トマトと異形がひしめく敵集団の中に飛び込んだ。
 それを追いかけながらブンブンと二丁警棒を振り回すカキツバタ。今さらではあるが彼女はあやめと契約は交わしていても独立した個体なので、カビパン召喚による縛りは受けないようだ。
『待ーてー! 一発、いや、この際今までの分も含めて殴らせなさい!』
 積年の恨みが籠もった悪魔の警棒は、通りがかりにいたパープル・フリンジを殴り倒していく。あやめが彼らを盾にするように逃げ回っているせいだが、とんだとばっちりである。「ゲゲッ?!」「グゲェッ!」と耳障りな悲鳴と共に、結果的に敵の屍が量産されていく。

「呪符が消えちゃった……」
 一方こちらは華菓の術が本体の死とともに解けてしまい、すごく残念そうな口調で呟く詩乃。あの呪符のおかげでこれまで自由に戦えていたわけだが、それがなくなれば彼女も【黴召喚の術】による制約に縛られる身の上となる。
「レシピや顧客名簿等の回収だけならともかく、まだ戦闘があるのにどうしよう💦」
 できればトマトを盾にするような事はしたくなかったのだけど――と、召喚したカビパンの影に隠れてはみるが、正直心許ない。パープル・フリンジもそんなモノで怯んだりするはずがなく【「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」】と不気味な鳴き声を発しながら迫ってくる――。

「あっ、閃きました。トマトさん、不気味な声しか出せぬ彼らに、美声の何たるかを教えてあげて下さい」
 それを聞いて何かを思いついたらしい詩乃は、近くにいるトマト(カビパン)にリサイタルを勧める。同時に自分は結界術と神気による自身限定の防音結界を張り、音波に対する護りを万全に固める。それはもう、これからボスと戦う時と同じくらいの全力っぷりで。
『『わたし↑は↓~癒し系↑↑↑ ~~♪』』
 果たしてリクエストを受けたトマトはノリノリで歌い始め、それを聞いた他のトマトもそれぞれ勝手に歌いだす。
 合唱と呼ぶにはまったく合わせる気のない不協和音。それも1個体ごとに所々の音程を絶妙に外した、絶望的に酷い音痴だ。それはもはやある種の精神攻撃となって、パープル・フリンジの群れに襲い掛かる。

「「ゲッ、ゲッ、ゲッ……ゲェーーーッ?!!」」
 頭にこびりついて離れない、生命にかかわる【カビパンリサイタル】を聞かされたパープル・フリンジの鳴き声が悲鳴に変わってゆく。シンプルに召喚された数が多い分威力も増しているようだが、それにしても今日の歌は一段と音痴だ。
「あの紫芋の不気味な鳴き声が発されてからトマトも何やら固く大きくなっている気がする。共感しているのだろうか」
 歌唱力だけでなく見た目にも変化のあったカビパン達を、ネフラはそのように考察する。なんでUDCの鳴き声に共感しているのかは不明だが、そういう時は「カビパンだから」で大体の説明がつく。深く考えても正直無意味だ。

「紫芋もトマトもどうしようもないものだな。すべて焼いてしまおう」
 一足先にカビパン縛りから抜け出していたネフラは、自身の体から流れる【葬送黒血】で手近なトマトを燃やす。
 黒き血に塗れて炎上するトマトはそれだけで怪しい儀式のようだが、さらに彼女はそれを掴んで敵に投げつける。単体では嫌がらせ止まりだった投擲も、他のユーベルコードと合わせて威力アップだ。
「ゲゲェッ?!」「アギャァ!?」
 黒血トマトが当たったパープル・フリンジはたちまち火達磨になり、床の上をのたうち回りながら悲鳴を上げる。
 見た目は相変わらずシュールだが火力はガチである。程なくして店内にはこんがり焼き上がった敵の死骸があちこちに転がる事になった。

「これは新しい料理かな」
 お世辞にも食欲をそそる出来ではないものを見下しつつ、ネフラは敵を燃やす作業を続ける。ただ投げつけるのに飽きると今度は「血棘の刺剣」に燃やしたトマトを突き刺して、さらにそれを構えたまま敵に接近して刺突を放つ。
「ゲ、グエッ……!!!」
 焼き鳥の如くトマトと一緒に串刺しにされたパープル・フリンジは、たっぷり苦しみながら焼き上げられる羽目となった。その際に立ち上る匂いは食欲をそそるものだろうか――諸説はあるだろうが、少なくともネフラは齧り付く気にはなれなかった。

「ここはポーラも腕をふるわせてもらうわ」
 ネフラが炎の調理人なら、こちらは氷の調理人である。おもむろにすっとアイスのコーンを掲げたポーラリアは、寄ってきたトマト(カビパン)をリズムよく乗せていく。足りなくなったら【冬を告げに来たよ(ねぇよ)】で追いトマトを召喚だ。
(欲しかった白フロマージュ🍅だわーい)
 という気持ちを抑えつつ、なるべく色んなカラーのトマトが見栄え良く重なるようにして。完成したものを崩さないように気をつけながら、警棒やら歌やら炎やらで追い立てられたUDC達の逃げ先に回り込む。大変な目にあっているパープル・フリンジに、冬の妖精からの特別デリバリーだ。

「どうぞ。さっきのお料理のお代です。紅白タワー🍅カビパン、ときどき🌈にございます」
「ゲッ、ゲ……?」
 すっと差し出された一見アイスのようで違うものに、困惑するパープル・フリンジ達。言葉は通じないのに「これを……どうしろと?」という疑問が聞こえてきそうだが、ポーラリアは気にせず営業スマイルでそれを押し付ける。
「食べてみてください。わかるでしょう? 悪霊的なものに身体の芯を侵されるのが」
 無理くり口に頬張らされれば、味わえるのはトマトの瑞々しさでも酸味でもなく、精神を蝕まれる不快な違和感。
 バケモノになるほどUDC料理を食べ慣れた者であっても、カビパンがもたらす|精神汚染《ギャグ》の耐性は無かったようだ。泡を吹いて倒れる者、嘔吐して痙攣する者が続出する。

「そう、このお店は本日からUDC中華料理店でなく、|KBPN《カビパン》🍅料理店へと新装開店し、無から新鮮な🍅をお出しする様にな゜る゜ー゜ー゜ー゜ー゜ー゜ー゜ー゜」
 シェフがいなくなったドサクサにとんでもない計画を立てていたポーラリアであったが、あまねくお客様にKBPN料理を振る舞わんとする彼女の所業は、他ならぬその料理によって頓挫した。よそのトマトの歌声がここまで聞こえてきたせいで、共鳴したコーンの上のトマトが突如歌いだしたのである。
『私、歌います!』
「ゲ、ゲェェーーッ!?」
 白目を剥いて気絶し落下する妖精、悶え苦しむ怪物共。この世の地獄のようなリサイタルはなおも拡大していく。
 もはや店内にいる限りパープル・フリンジ達に未来はない。すぐにでも逃げ出したいだろうが、このカオス極まったカビパン祭りはまだまだ終わる気配を見せなかった。

『逃げんな! 待ちなさいったら!』
「死んじゃう死んじゃう! ていうか、わたしが知らない技でサクサクと敵盾さんたちが吹っ飛んでるよ?!」
 一方こちらはあやめとカキツバタ。日頃の恨みを晴らすのがメインになって本来の目的が半ば建前と化した悪魔と、逃げまどう契約者のドタバタ騒ぎはまだ続いていた。巻き添えを食らったパープル・フリンジの数はもはや誰も覚えていない。
『そりゃ、これは葉月流や師走流の技だもの。水無月流のあんたには教えてないわよ!』
「ずーるーいー!」
 そんな秘伝の武技を使う相手とタイミングがこれでいいのかと、ツッコミを入れられる者はここには居なかった。
 あやめが逃げるせいで結局カビパン召喚も解除されず、そっちはそっちで歌ったり燃えたりアイスになったりして被害を拡大させている有り様である。間接的なものを含めれば、彼女達が一番戦果をあげているかもしれない。

「なるほどそうすれば良かったんだ。いくよシェル姉!」
『本当にいいの? いえもう止めないけど』
 皆の戦い方から着想を得たセフィリカも、転がってきたトマトを火で炙ってから投げたり、歌を聞かないよう耳栓をしたり、シェルファに代わりに戦ってもらったり。あらゆる手を尽くして敵を駆逐しつつ、後で回収しやすいようにトマトを一箇所にまとめていく。
「「ゲゲッ、ゲ……!!!」」
 捕食者から被捕食者、どころかただの被害者にまで落ちぶれたパープル・フリンジ達にもはや逆転の機会はなく。
 選べるのは精々死に方を音痴による発狂死か黒血による焼死、あるいは食中りのどれにするか、くらいのものだ。

「あっ、終わりましたか?」
 やがて周りが静かになると、詩乃は防音結界を解除する。気が付くとパープル・フリンジの群れは倒れ、あれだけあったトマトも大半が砕けていた。想像を絶する騒動となった春のカビパン祭りに、ようやく終わりが訪れたのだ。
 後に、この事件を記録したUDC組織は、再びこのような事態が起きた場合を危惧して、以下のような報告書を作成したという。


 項目名:白いフロマージュカビパン🍅
 アイテム番号:UDC-f24111
 オブジェクトクラス:Apollyon
 特別収容プロトコル:収容は実質不可能です。その謎の幸運と理不尽で不条理展開からあらゆる包囲網を突破します。またUDC-504とは仲が良いようなので、絶対に近づけてはいけません。
 説明:物理的に典型的なトマトと同一のものです。しかし不気味に光ったり勝手に動き出し、食した者の思考をUDC-f24111と同じく精神汚染させる作用がありジャンルそのものを崩壊させます。
 注記:(一言)―製作総指揮

 UDC-f24111のテストログ
 被験者:紫芋
 発話:「許して…🍅イラナイ……ゲゲッ!」
 結果:かならずもらえる


 下手なUDCよりも遥かに恐ろしきカビパン、それに巻き込まれた者達の苦労を、今はただねぎらうばかりである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ザクロ・シャハブ
まあ、戻せないか…なら店内乱闘第二ラウンドだ
不気味な鳴き声出した奴にはUC発動。そのまま肉まんを敵の口に一個づつ突っ込んで消えない火傷跡を付与
『お待たせいたしました肉まんだー』
火傷で痛む口じゃ共感しづらいだろ。え?沢山鳴いてる?よし、【残像】が見える早さで突っ込みに行こう。兎耳をなめるな
そして統率が微妙に取れなくなっている所から黒縁の【斬撃波】で【なぎ払い】続ける
『あっ、肉まんきれた…ソーイ!』
肉まんが無くなったら黒縁で斬りつける。許せ。

ある程度減ったらレシピや顧客名簿等を探して、発案した大元の情報が無いか読んでからコンロで燃やす
良い子は真似したら駄目だぞ



「まあ、戻せないか……なら店内乱闘第二ラウンドだ」
 眼の前にいるのが完全にバケモノに成り果てた者達だと理解すると、ザクロは静かに身構え、掃討戦に入る。すでにシェフも倒した今、スタッフや常連客程度に臆する彼ではない。愛用の黒刀「黒縁」の切れ味はまだまだ健在だ。
「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」
 対する『パープル・フリンジ』の群れも恐れ知らずは同じらしく、不気味な鳴き声を発しながらじりじりと迫ってくる。あの鳴き声は群れの仲間にだけ通じ、その戦闘力を増強するユーベルコードの一種だ。あまり放置しすぎるとちょっとだけ厄介になるかもしれない。

「お待たせいたしました肉まんだー」
「ゲッゲッ……ゲ!?」
 そこでザクロは蒸籠に入ったほかほかの肉まんを取り出して、鳴き声を上げた敵の口に一個ずつねじ込んでいく。
 まるでたった今蒸したてのようなほかほかっぷりだ。こんなのを急に突っ込まれたら誰だって口内を大火傷する。
「火傷で痛む口じゃ共感しづらいだろ」
 こうやって鳴き声を物理的に封じていくのが彼の作戦だった。あつあつ肉まん(人参入り)を頬張ったパープル・フリンジは「ゲゲッ、ゲッ」と口から湯気を吐きながら床を転げ回っている。とてもじゃないが味方と連携するような空気ではなかろう。

「え? 沢山鳴いてる? よし、みんな突っ込みに行こう。兎耳をなめるな」
 どういう原理なのかは分からないが肉まんの在庫はまだまだ十分にある。ザクロは残像が見えるほどのスピードで店内を駆け回り、耳障りな奴の口に片っ端から肉まんを詰めていく。そうして彼が与えた火傷は【連鎖する呪い】となって消えない傷痕を残し、次々と「不運な事故」を招き寄せる。
「ギャベッ?!」「ゲェーッ!!」
 落ちてきた照明に潰される者、倒れたテーブルにつまづいて転ぶ者。阿鼻叫喚の騒ぎがあちこちで繰り広げられ、群れの統率が崩れていく。仕掛けた方からすればまさに理想通りの展開だ。ユーベルコードも数の有利も活かせないなんて、倒してくれと言っているようなもの。

「お代は結構、はいさよなら」
 連携がバラバラな所から黒縁の斬撃波でなぎ払い、敵を切り崩していくザクロ。右手に刀を、左手に蒸籠を持ち、全力疾走しながら中身を落とさないという器用な事をやってのけている。これも時計ウサギのスキルなのだろうか。
「あっ、肉まんきれた……ソーイ!」
「ゲゲッ!?!」
 在庫が無くなった後はもう普通に斬りつける。「許せ」と呟きつつ放たれる斬撃に容赦は一切なく、真っ二つにされたパープル・フリンジの断末魔が響き渡る。店内乱闘第二ラウンドは第一ラウンドよりスムーズに進行していた。

「こんなとこかな」
 ある程度敵の数を減らしたら、ザクロは残りの相手を他の猟兵に任せて、レシピや顧客名簿等を探すことにした。
 あわよくばその中にこの計画を発案した大本の情報がないか期待していたのだが、発見されたシェフのノートやリストのどれにも、そのような存在の名は記されていなかった。残念だがこれ以上の拡散を防げたので良しとするか。
「良い子は真似したら駄目だぞ」
 読了した資料は全てコンロで燃やし、ニ度と誰も利用できないよう灰にする。ここまですれば仮に新たな料理人が出てきたとしても、このUDC中華料理店は再建不可能だろう。きっちり仕事をこなした彼の表情は、無感情に見えてどこか得意げであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花咲・月華
さあ…次は貴方達よ!

『料理長が戦っていたのに放置する連中だ…この世から消えて貰おう!』
朱雀はUC鳳凰烈火を発動して爆焔怒号術を使用して周りの敵を吹き飛ばす

私はオーラ防御で守りながら敵に焔の矢弾の雨を放った後朱雀に不意打ちしようとしてきた敵を時空崩壊の焔矢で攻撃する

『すまん、月華』
前に助けてくれたお礼よ!朱雀!

二人で背中を守り合う体勢になり私は槍で次々と攻撃していくが敵が後ろから攻撃を仕掛けようとしてくるが気配感知と視力で周りを観察していたのでオーラ防御で守り焔の槍で逆にダメージを与えた。

サクラミラージュの時に失敗してちゃんと気配感知の訓練をやり直したんだから!

『城に戻ったかいがあったな月華…』



「さあ……次は貴方達よ!」
 何・華菓との戦いを終えた月華は、次に出てきたスタッフと常連客にびしりと指を突きつける。UDC料理によって完全にバケモノと化した以上、こいつらに対しても情けは無用。閉店作業の邪魔をするなら全員叩きのめすまでだ。
『料理長が戦っていたのに放置する連中だ……この世から消えて貰おう!』
 お目付け役の朱雀も同意見らしく、【鳳凰烈火】を発動して鬼の力を解放する。その背中に生えた巨大な翼から放たれる【爆焔怒号術】は、凄まじい熱量と衝撃波の嵐を巻き起こして周囲のパープル・フリンジ達を吹き飛ばした。

「喰らいなさい!」
「「ゲゲェーッ!!?」」
 月華もマシンガンソードから焔の矢弾の雨を放ち、朱雀が吹き飛ばした連中に追い討ちをかける。敵はたまらず悲鳴を上げるものの、【存在しえない紫】で靄のような姿に変身し、自分の位相をずらしてダメージを軽減していた。
「ゲッ、ゲッ、ゲッ……」
 この世ならざる紫の靄は、パープル・フリンジの狩猟者としての適性を高めている。足音もなく獲物の背後に忍び寄り、不意打ちを仕掛けるにはもってこいの能力だ。当然彼らは猟兵にもその戦法で逆襲するつもりだったが――。

「朱雀、危ない!」
 仲間を不意打ちしようとする敵に気付いた月華は、瞬時に【花咲流奥義・鬼姫覚醒】を発動。焔の妖力の鎧を身に纏い、その熱量をひとつに束ねて矢を放つ。時空すら崩壊させるその一射の前では、位相をずらす能力など何の意味も持たない。
「ゲギャァッ?!」
 焔矢に射抜かれたパープル・フリンジは断末魔の絶叫を上げ、靄状のままバラバラに飛散していった。後一瞬でも対応が遅れていれば朱雀は背中を刺されていただろう。雑魚相手だからと少し注意散漫になっていたかと、彼は素直に感謝を伝える。

『すまん、月華』
「前に助けてくれたお礼よ! 朱雀!」
 また不意を突かれないように、互いの背中を守りあう体勢になる二人。月華は一族に伝わる魔槍「花咲皇花槍」を振るって次々に攻撃を繰り出しつつ、感覚を研ぎ澄ませて敵の気配を探っている。焔の鎧とともに身に纏ったオーラの鎧は、彼女の守備力を鉄壁のものとしていた。
「サクラミラージュの時に失敗してちゃんと気配感知の訓練をやり直したんだから!」
 その甲斐は十分にあったようで、どんな死角からの不意打ちも彼女は決して見逃さず、オーラで防ぎ焔槍で返す。
 長く伸びた髪をなびかせながら戦う姿は鬼の姫君と呼ぶにふさわしい華麗さと勇ましさを備えており、今の彼女がそれだけ本気なのも伝わってくる。過去の失敗がそれだけ彼女にとって悔しい記憶だったのだろう。

『城に戻ったかいがあったな月華……』
 おてんばな彼女の成長ぶりを感慨深げにしみじみと呟きながら、朱雀も遅れは取るまいと【爆炎怒号術】を放つ。
 ピッタリと息を合わせた鬼の主従の戦いぶりに、もはやパープル・フリンジが付け入る隙はなく。「ギャッ!?」「グェッ?!」と耳障りな悲鳴を残して、紫の靄もろとも灰燼に帰すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリュファシオン・アルティウス
では後片付けと行こうか!
(ラウールは建物内の影に潜んでいます)
私はガンナイフから素早く呪殺弾を放ち攻撃した回避出来た者もいたが呪殺弾の先には障害物がありそれに当たると跳弾になり回避出来た敵にも当たる

『ふん、面倒な掃除だな…殺れテトラ!』
ミナルアさんはUC精霊魔導・ヴァイオレンス・パラドックスで敵を攻撃しながらテトラが敵に水蒸気爆発をお見舞いした

IT'S SHOWTIME!二人の王、零!命!
幽銃逆行王零と滅詩逆行王命を発動した

『行きましょう…お姉様』『よっしゃ!』
命が迷彩の消滅魔法弾幕を放ち逃れた敵は零の幽銃で撃ち抜かれた

ラウールも影から出てきてワイヤートラップやUC剥奪撃で二人のサポートをする



「では後片付けと行こうか!」
 最大の脅威となる料理人『何・華菓』も倒れ、あとは残党を始末するのみとなったところで、エリュファシオンは高らかに宣言する。眼前に立ちはだかるのはスタッフや常連客が姿を変えた『パープル・フリンジ』の群れ。見てくれはおぞましいが恐れるほどのものではない。
「まずはこれで!」
「ゲッ、ゲゲッ?!」
 驚異の早業でシャドウ・ガンナイフのトリガーを引けば、真っ黒な呪殺弾が放たれる。敵は反応できずに頭を撃ち抜かれる者もいれば、咄嗟に身を躱す者もいる。流石にこれだけの数がいれば、一撃で全て仕留める事はできない。

「それで避けたつもりかな?」
「ゲッ……?!」
 しかしエリュファシオンが撃った呪殺弾の先には障害物があり、一度回避されても跳弾が再び標的に襲い掛かる。
 戦場の地形や環境すらも織り込んだ高度な射撃技術から、最後まで回避できるパープル・フリンジはいなかった。
『ふん、面倒な掃除だな……殺れテトラ!』
 さらに星霊ミナルアが【精霊魔導・ヴァイオレンス・パラドックス】を発動。魔法と剣技のコンビネーションで敵を攻撃しながら、相方の蒸気獣テトラに水蒸気爆発をお見舞いさせる。そのスピードはパープル・フリンジの反応速度をはるかに上回り、威力は甲殻の防御力を凌駕する。本人の発言とは裏腹に力の差は歴然であった。

「IT'S SHOWTIME! 二人の王、零! 命!」
 ここでエリュファシオンは新たな仲間、【幽銃逆行王零と滅詩逆行王命】を召喚する。黒ゴスロリ服を着た水色の髪の娘が「零」、白ゴスロリ服を着たピンク色の髪の娘が「命」。仮面を装着した双子の姉妹は、呼び出されると即座に戦闘を開始した。
『行きましょう……お姉様』『よっしゃ!』
 命が迷彩をかけた消滅魔法の弾幕を放ち、パープル・フリンジの群れを追い立てる。弾幕に触れたものは即座に消え去るが、逃げられたとしても零が狙いを定めている。膨大な魔力を込めた幽銃の弾丸が、甘さず敵を撃ち抜いた。

「ゲッ、ゲゲッ……」
 窮地を悟ったパープル・フリンジは【存在しえない紫】の靄状に体を変化させ、位相をずらして逃走を図りだす。
 しかし、そうはさせまいと建物の影に潜んでいた【逆行怪盗皇・ラウール・アナザーワン】が音もなく姿を現す。
「君の力を見せるんだ……ラウール!」
 彼の仕掛けたワイヤートラップと神速の盗技は、敵のユーベルコードを剥奪して強制的に靄化を解除させる。元の姿に戻ったパープル・フリンジ達が「ゲゲッ!?」と驚愕した直後、エリュファシオンの仲間達が総攻撃をかける。

「終わりだ!」
「「ギギャァァァ?!」」
 エリュファシオン、ミナルア、テトラ、零、命、ラウール。これだけのメンバーが総出で掃討戦に取りかかれば、パープル・フリンジ達の生存確率はゼロに等しかった。断末魔の悲鳴だけを残して、瞬く間に敵は一掃されていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルマ・アルカレイト
『これは…!』『プーちゃん?』
(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=48483)
アルマがオブリビオンに変身した理由を探っていたアルマの記憶を探っていたプサイが驚きの声を上げる
『なるほど…アルマは死体の少女の体を利用してオブリビオンから人間…アルマ・アルカレイトになったという訳か』
『UDC料理を食べたせいで一時的に戻ったと?』
『そうだ…まあ元に戻るから大丈夫だ』

何してるの?二人共!
UC原子回忌帰・骸海龍アテルマディナは継続
私はUCを発動して回転喰弾を放ち敵を吹き飛ばしながら無機物を災魔を召喚して災魔達は破壊属性の音響弾で敵を攻撃していた

『…アテルマディナ』『これってオブリビオン…ですよね』
どうしたのよ?どんな力でもこれは私の力よ!

大魔王(魂力は防御無限)は獄炎属性の矢弾の雨を周りに放ち次元の力で敵の不意打ちを結界術で受け止めて衝撃波で反撃した

喰らいなさい!骸海龍奥義!
UC骸海龍奥義の無限回転滅弾を発動

…頑張りなさいよ『アルマ』
私はアルマに戻った



『これは……!』
『プーちゃん?』
 猟兵達がUDC化した常連客やスタッフの掃討にあたっている中、大天使プサイはアルマがオブリビオンに変身した理由を探るべく、彼女の記憶を調べていた。その結果判明した事実に思わず驚きの声を上げ、様子を見ていたファイが首を傾げる。
『なるほど……アルマは死体の少女の体を利用してオブリビオンから人間……アルマ・アルカレイトになったという訳か』
 かつて異世界に魔力至上主義に染まった貴族の一家がいた。その娘は両親の手引きで魔力を強化する手術を受けさせられるも失敗し、逆に魔力を失ったことで見限られた。そのまま絶望の死を迎えた娘の亡骸を依り代にすることで転生した異次元の存在、それがあの『アテルマディナ』であり、前世の記憶を失った転生後の名がアルマのようだ。

『UDC料理を食べたせいで一時的に戻ったと?』
『そうだ……まあ元に戻るから大丈夫だ』
 少なくともアルマの人格がこのまま【原子回忌帰・骸海龍アテルマディナ】で固定されることはないだろうと、記憶を読み取った結果からプサイは判断した。時間経過とともにUDC料理の影響が薄れれば、自然に元に戻るだろう。
「何してるの? 二人共!」
 話題にされている当のアテルマディナは【骸海龍奥義・超越大魔王無限災厄の超越回転喰弾】を発動し、召喚した大魔王に回転喰弾を放たせて敵を片っ端から吹き飛ばしていた。さらには周囲の無機物を災魔に作り変えて、自分の眷属として使役している。こちらは魔王ほどの力はないようだが、それでも音響弾の弾幕を放つなど戦闘力は高い。

『……アテルマディナ』『これってオブリビオン……ですよね』
「どうしたのよ? どんな力でもこれは私の力よ!」
 明らかに普通の猟兵とは違う力を操るアテルマディナに、プサイとファイは引き気味である。だが当の本人の反応はあっけらかんとしたもの。召喚した大魔王に命じて獄炎の矢の雨を降らせ、店内を火の海に変えるなどやりたい放題である。
「ギ、ギエエエエエ……!」
 たまらず絶命する『パープル・フリンジ』が続出する中、一部の個体は【存在しえない紫】で己の位相をずらし、ダメージを軽減しながらアテルマディナの背後に回る。大元である彼女を倒せば、召喚された災魔も消えると踏んだのだろうが――。

「バレないとでも思った?」
「ギエッ?!」
 次元の力で敵の不意打ちを察知したアテルマディナは、結界術で攻撃を受け止め衝撃波で反撃を行う。吹っ飛ばされたパープル・フリンジは無様にひっくり返り、靄のユーベルコードこそ解けていないものの無防備な状態となる。
「喰らいなさい! 骸海龍奥義!」
 そこにアテルマディナは【骸海龍奥義・骸海龍の無限回転滅弾】を発動。汎ゆる力や摂理を超える弾丸が、位相のズレさえ無視して標的を撃ち抜く。胴体に風穴を開けられたパープル・フリンジは「ゲ、ゲゲ……」と醜い断末魔を残して、骸の海に消えていった。

「……頑張りなさいよ『アルマ』」
 敵がいなくなったのを確認すると、アテルマディナは"現世"の自分にそう呼びかけ、ユーベルコードを解除する。
 前世の存在である自分が長々とこのまま居座るものではない、と言うように――まるでひと時の夢だったかのように、彼女はアルマに戻っていた。



 こうして全ての危険要素を排除した猟兵達は、レシピや顧客リスト等の資料を回収・処分して無事に帰還する。
 とある料理人が始めたUDC中華料理店の陰謀は、これで完全に終止符を打たれた。怪しげな噂に騙されて、人々が邪神の眷属になるようなケースも、これで減っていくことだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年05月03日


挿絵イラスト