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【OFコラボ】島を繋ぐ願いの光

#コイネガウ #OFコラボ #オーシャンフロンティア #初年度の四月分シナリオ #集団戦戦闘シナリオ

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●注意
 当依頼は、2箇所のPBWアライアンスによる合同企画の連動シナリオです。
 まず、PBWアライアンス『コイネガウ』の詳細を以下でご確認お願いします。
 公式サイト:(https://koinegau.net)
 公式総合旅団:(https://tw6.jp/club?club_id=4737)
 また、PBWアライアンス『オーシャンフロンティア』の詳細を以下でご確認お願いします。
(https://ironpunchdash.wixsite.com/oceanfrontier)

●最近のサメは雑食のようです
 高度な技術開発と豊かな大自然が融合した希島。各地区はそれぞれ違った特色を持ちながら人々の生活と密接に関わっている。
 だが、そんな平和な世界に忍び寄る影。それは人知れず海底より迫り来る――。

 今日も今日とて、ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は希島にやってきていた。何か困りごとの予感――そんなわけで情報収集の後、今は学園の敷地を訪れている。
「皆さん、ご注目です! 自然地区の海でサメ退治、そして鉱石採集――題して『海中ドキドキ探検ツアー』のご案内でーす!」
 ネーミングはさておき、臆することなく道行く者達に声掛けを行うロザリアの姿に足を止める者がちらほら。ロザリアにとっては屋内か屋外かの違いでしかない日常で、少し間を置いた後に話し始める。
「自然地区をご存知でしょうか。自然環境の保全と整備に力を入れている地区でして、学園の皆さんも部活動に入られている方なんかは合宿などで行くこともあるかもしれません。ピクニックやキャンプなんかもいいかもしれませんね! さて、その自然地区の海の中で、今、ちょっとした問題が発生しています」
 ちょっとした、と言うには前置きに不穏な空気が漂っていた感もある。それで興味を惹かれた者達が何事かと。

「実は、自然地区の海域は|願光石《ネガイライト》と呼ばれる鉱石の産地なんです。願光石とは特殊な組成の鉱石で自ら発光する性質を持ち、海に潜れば海底が星空のように輝いて見えるそうなんですが……その鉱石を荒らし回るサメ型の魔物が発生しているみたいなんです。狙いはまさに願光石、そのエネルギーを食らうことで力をつけ、自然地区の海域を縄張りにしようとしているのでしょう。自然地区の海も願光石も、希島にとっては大切なもの――ですから、海に潜って魔物退治をして頂ける方がいるならば! 是非お手伝い頂きたいです!」
 学園に関係する者達なら、または近くを通りかかった誰かでも。ロザリアの声は辺りに響いている。
「それで、サメ型魔物の性質ですが、強烈な噛み付きの他、尾びれを使って相手の攻撃をコピーしたり、海中の優位を得ることで攻撃力を底上げしたりと万能的に戦えるようですね。海中ということもあり、『地の利』は相手にあると見ていいでしょう。海中で動き負けない準備などがあると良さそうです。それで、魔物を排除した後ですが――ついでと言っては何ですが、合わせて願光石をいくらか採集してきて頂けないでしょうか。というのも、ちょっと別案件で今回、魔物退治と同時に願光石採集の許可が出ていまして」
 保護とは別に採集許可とは、何やら訳ありの様子。そんな空気を周りの者達も察したのだろう。

「この希望峰アースとは別の世界の、開拓者達が集まる島『アルカディーテ島』への物資支援、その一環として願光石をお届けするという構想が立てられています。願光石は発光する性質を持ちますから、例えば……筒状のものに嵌め込んで、懐中電灯の代わりに使う、なんてことができそうです。その他、使い方は現地の方次第ですが、ともかく何かと物資が必要な島ですので、希島からも何か支援ができれば、という考えの下での決定のようですね。もちろん、参加された方々の取り分というのも定められていますので、今回の冒険の記念品、みたいな感じで持ち帰るのもいいと思います。お話が長くなりましたが、魔物退治と鉱石採集で海へレッツゴーな方々の参加をお待ちしていまーす!」


沙雪海都
 注:このシナリオは、【OFコラボ】の共通題名で括られるシナリオ合同企画のシリーズです。
 まず、『コイネガウ』で開催する合同企画のシナリオ3本をクリアして「資材」を入手します。
 其々の完結で「食材」、「鉱物」、「毛皮」が『オーシャンフロンティア』へ支援されます。
 なお、各MSによるシナリオはどれも内容が独立している為、重複参加に制限はありません。

●クレジット
 ヤタ・ガラスMS(企画・ディレクションのみ担当。『コイネガウ』代表。)
 椿油MS(「食材」シナリオ担当。『オーシャンフロンティア』代表。)
 沙雪海都MS(「鉱物」シナリオ担当。)
 義助次郎MS(「毛皮」シナリオ担当。)

●MSより
 沙雪海都(さゆきかいと)です。PBWアライアンスコラボ始まりました。よろしくお願いします。

●フラグメント詳細
 第1章『プレイング』
 海に潜ってサメ型魔物(集団敵相当)を退治し、|願光石《ネガイライト》と呼ばれる鉱石を採集するのが本シナリオの目的になります。
 皆様の手で集められた願光石の一部はコラボ先であるPBWアライアンス「オーシャンフロンティア」のアルカディーテ島へと送られる予定です。別途、皆様が持ち帰りできる分は確保されますのでご自由にお持ち帰りください。

●サメ型魔物
 POW:鮮血噛み付き『噛み付きが命中した部位を捕食し、【生命エネルギー】を得る。』
 SPD:叛逆の尾びれ『【尾びれ】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、尾びれから何度でも発動できる。』
(※説明文の引用上、ユーベルコードという呼称を使いますが、ホープコードも同様にコピーされますのでご注意ください)
 WIZ:海中支配『敵より【海面に近い場所にいる】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。』

 海中での戦いになりますので、海中でも自由に動ける準備などあると良さげです。
 それでは、皆様に良き冒険のあらんことを。
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

イラスト:YoNa

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

コニー・バクスター
「OFコラボでコニー、参上っ☆」
 海辺の岸にコニーがBRRに乗って現れる。
 今回は水場な為、イェーガーカード水着2022を着衣。

「BRR、オーライ? オーライっ!
 よし、鮫でも釣るか……」
 コニーがHCでBRRを操作して後方に待機させる。
 BRRはRSキャバリアライフル(Code:BRR)を装備。
 一方、コニーは学園の生物学科から購入した鮫の餌を海に巻くよ。

「鮫、来た、来たぁ!?
 狙い撃て、コニーの黒き兎よ!!」
 餌に釣られた鮫が海中から顔を出した所をBRRで狙撃する。
 引き続き、コニー自身は鮫の餌を巻き、HCからはBRRで狙撃。
 海へ潜る前に敵数を減らして皆の採取を助けるよ。

 アドリブ歓迎。



●海だ! 鮫だ! 釣ってみよー!
 ざぷんと砂浜に寄せる波、初夏を思わせる陽気に包まれたオーシャンブルーの海辺にじっと佇んでいたのは巨大な黒兎。水平線を見渡すように大海を臨み、波音に耳を澄ませているのか――と思いきや、開いたハッチから飛び出してきたのは。
「行っくよーオーシャンフロンティア! コニー、参上っ☆」
 青地に白の水玉模様、セパレートの水着にシースルーの上着を羽織ったコニー・バクスター(ガンスリンガー・ラビット・ガール・f36434)だ。舞台は海、ならば水着は自然の道理で衣装棚から引っ張り出してきた。照り返す砂浜へ軽やかに跳んですたっと着地。じりじりとした熱が足元から伝わってくるのを一種の風物詩と捉えて満足そうに笑みを浮かべる。
「さてさて……BRR、オーライ? オーライっ!」
 BRRは無人のキャバリア。しかしコニーが脳波によりコントロールすることで遠隔操作が可能となる。そうして自在に操られたBRRは波際を離れてコニーの後方に陣取った。
「……よし、鮫でも釣るか……」
 光をキラキラと反射する海面の奥深くには大量の鮫が潜んでいるらしい――そこへ真っ向飛び込むのも一興だろうが、どうせ最後にはぶちのめすことになる鮫の群れだ。行儀良くとも利は有らず、それならこちらの土俵に引き摺り出すべし、と。
 BRRにはRSキャバリアライフル(Code:BRR)を備えさせている。揚がった鮫達は全て狙い撃つとの意志の表れだ。準備は万端。コニーは満を持して学園の生物学科で購入した鮫の餌袋を取り出した。
 刺激的な匂いがコニーの体に纏わりつくように立ち込める。コニーは餌を鷲掴みすると、
「そぉ――れっ!!」
 ピッチャー顔負けの全力投球で餌を海へぶん投げた。散弾状にばら撒かれた餌がぼちゃぼちゃと海面を叩いて波に呑まれる。それから、ものの十秒もなかっただろう。青黒く染まる波間、深き群影が海を盛り上げ突き破ってコニーの眼前に現れた。
 飛沫がコニーの全身を打ちつける。水着と言えど突然の冷たさにびくりと身構えながら、コニーは翼を得たような鮫の大群を見上げていた。
「鮫、来た、来たぁ!? 狙い撃て、コニーの黒き兎よ!!」
 餌に釣られて空の世界へ突っ込んできた鮫達。敵地ではあるが少々の時間なら活動可能で、ぎらりと眼光を尖らせてコニーを睨みつけている。重力を武器に胸びれを広げての急降下、自重で押し潰そうとするところ、待ち受けていたBRRも遅れを取らない。射角を正確に合わせながら――ドン、と一発の弾丸が放たれて、血気盛んな一番槍となって落ちてきていた鮫の頭をぶち抜き海へ叩き落とした。
「いいよいいよ! その調子っ☆」
 二度目の餌を掴み取りながらコニーは降ってくる鮫の大群から逃げる逃げる、まさに脱兎の如く。鮫達は海鳥ではない。空中を自在に滑空することはできずコニーの居なくなった砂地に突き刺さり、それでも後続の鮫達が音からコニーに狙いをつけて勢い良く跳ねてきた。体を回転させて尾びれでの叩きつけを目論んでいる――それをBRRが高機動の移動射撃で迎え撃つ。まるで機関銃のような砲音が戦場を劈いて、弾丸が次々と鮫達の尾びれに衝突した。
 鮫達の尾びれは相手の力を写し取る尾びれだ。だがその成否は弾丸の破壊力に左右される。突き破るか、撃ち落とすか。結果は一瞬のうちに現れて弾丸が彼方に抜けていった。
 尾びれに風穴、こうなれば鮫達は抵抗の余地もなく砂地に落ちて動かなくなる。尾びれの存在はまさに生命線で、質量を失った鮫達の体は波に攫われ引きずり込まれていく。そこへ撒かれる手向けの餌は芋蔓式に鮫達を一網打尽にする罠。脳があまり回らないのか、潜む鮫達は沈みゆく仲間達には目もくれず深海から餌を目掛けて突撃していた。
 一本釣りの入れ食い状態。海は時化となり鮫達が宙に翻る。撃ち落とす様はさながらクレー射撃のようで、鮫達は紙一重、コニーまでは辿り着けず弾丸の前に爆ぜ、海の藻屑と化していた。
「ふー、これでそこそこ減ったよね! 準備運動もばっちーり☆」
 海に来て、海に入らずはそれこそ礼儀を欠くというもの。砂浜をどたばた往復していたコニーは、ぎゅんと角度を変えて海に一直線、思い切り飛び出していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イリスフィーナ・シェフィールド
水中戦なら水着のほうが良いですわね(持参の水着にお着替え)

普通の泳ぎはそれなりですが水中機動ではサメ魔物に勝つのは厳しいですわ
というわけゴルディオン・オーラで飛翔状態になって戦いますわ
多少空中より速度は落ちるとは思いますが大丈夫でしょう
サメと弱点が同じとは限りませんが鼻先を殴ったり蹴ったりしながら海上に打ち上げて陸地にぶん投げましょう

息はできませんから適時呼吸しに上昇しませんと
空中に出たところを追撃してくるならむしろ向こうが自由に動けないのでチャンスですわね

集団に囲まれて包囲されると危険なので注意しますわ

魔物さえ退治すれば願光石の採取は苦労しないでしょう
お土産にわたくしも一個貰おうかしら



●Fly high
『溢れる勇気っ、ゴルディオン・オーラですわっ』
 燦燦と照る陽光の下に颯爽と飛翔する影一つ。鳥か、飛行機か――いや、輝ける水着と黄金のオーラを纏って飛び立ったのはイリスフィーナ・シェフィールド(相互扶助のスーパーヒロイン・f39772)だった。サメ型魔物と相対するにあたり、水中戦という己の不利を覆すために飛翔能力を得て一直線、海面に突撃し飛び込んでいく。間欠泉さながらの大飛沫を立ち昇らせて海中を割り開くように突き進み、群れるサメ達の姿を朧げに捉えた。
(海底付近には……まだまだ居ますわね……!)
 餌に釣られた者達も在ったがそれは氷山の一角に過ぎない。冷たい海の底では重鎮たるサメ達がゆらりと泳ぎながら時が来るのを待っていた。攻め入るか、受けて立つか、サメ達の選択はイリスフィーナがテリトリーに侵入したことではっきりと定まった。胸びれで推進力を作り出して尾びれで舵取り、影の塊は一気に弾けて無数のサメとなりイリスフィーナへ食いつきにかかる。
(弱点かは知りませんけど――)
 距離感、そしてタイミング。揺らぐ海中で上手くバランスを取りながらイリスフィーナは待っていた。血に赤黒く染まった鋸の歯が現れる。イリスフィーナの肉を断とうとギロチンの如くがちりと噛み合う一瞬、イリスフィーナは全身からオーラを逆噴射して後方へ逃れながら上下を反転、そのまま伸ばした足先を一気に振り抜いた。
 水の抵抗で熱を帯びた必殺の蹴り上げ、噛み付きを躱して放たれた一閃は丁度閉じた顎から鼻先へと衝撃が貫通してサメの一体を打ち上げる。巨体の急浮上により荒れ狂った海中は後続のサメ達の狙いを僅かに逸らし、鋭利な鮫肌が掠めていく戦場でイリスフィーナは数度サメ達を殴りつけ蹴り飛ばしていく。
 次々にサメ達が海から叩き出される中をイリスフィーナもまた直行していた。追撃の意味もあるが息が続かない。ばしゃんと大気中に帰ってきたイリスフィーナの頭上には落下中のサメ達がじたばたと身を跳ねさせており、我武者羅な攻撃をイリスフィーナへ見舞おうとする。巻き込まれて海に落ちるか――しかしそこはイリスフィーナの飛翔力が勝る。振り下ろされる尾びれをすり抜け、逆に掴みかかって浜にぶん投げるとサメの巨体は隕石のように砂に墜落し、巨大な砂煙を巻き上げて止まり動かなくなる。
 ずぅん、ずぅんと地面を鳴らしながら、イリスフィーナに投げ飛ばされたサメ達は陸に積み上がっていく。海から打ち上げたサメ達は残らず陸という死の世界の片道切符を手にした。一時の空中遊泳ですら地獄だっただろう。そして当然、たった一本で終わるはずがない。
 イリスフィーナは再びうねる海中へと飛び込んだ。警戒心を見せたのか、サメ達は先より大きく回り込みながら時差をつけて食らいつきにいく。互いにかち合うことなく、一瞬の虚を逃すまいとした戦略。隙があれば立ちどころに餌食だっただろうが――イリスフィーナとて水中の危険は肝に銘じていた。サメ達の位置を把握して次の歯の待ち受けぬ方向へ泳ぎ飛びながら蹴りつける。知恵はイリスフィーナに軍配。またも巨体が海から飛んだ。
(……あれが……願光石ですわね)
 逆さまに浮いたイリスフィーナが覗いた水底、サメの群れが薄らいで見えた輝きがある。
(魔物さえ退治すれば採取は苦労しないでしょうし……お土産に一個貰おうかしら)
 イリスフィーナはまた空を目掛ける。為すべきを為した後のご褒美に心躍らせながら、両腕でがしりと掴んだサメを投げ落としていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シモーヌ・イルネージュ
海と言ったらサメだよな。
まさに海の王者。相手にとって不足なしだ。
腕試しにはいい相手だね。
勝利した後にはもちろん願光石も採ってきてあげるよ。

海の移動はジェネレーター『ベクター』があるし、呼吸は宇宙服でどうにかなるだろ。

黒槍『新月極光』で戦うよ。
相手がたくさんいるから、ここはUC【山紫水明】を使って、【風の魔力】と【水の魔力】を槍に付与。
渦巻きを作って、まとめて片付けちまおう。
カマボコたくさん作れるくらいにね。

これが願光石か。キラキラして綺麗だね。



●頂上決戦
 おそらく、海の生物では最も狂暴と言っていい種、それがサメだ。食物連鎖の頂点に位置する彼らならば相手にとって不足無し――シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)は黒槍『新月極光』を携え、渦動ジェネレーター『ベクター』を稼働させて打ち寄せる波の中に飛び込んでいく。
 サメ達に後れを取ることがあるならば、その要因は二つあろう。呼吸と水の抵抗、しかしシモーヌは大気の無い環境に適応する宇宙服をダイビングスーツの代用とし、水の抵抗は水中駆動可能なジェネレーターエンジンをフル稼働させて力尽くで捻じ伏せ突き進む。
 万事良好、シモーヌの心が躍る。時折くぐもった打撃音が聞こえてきており、先に交戦している猟兵達が派手に暴れ回っていた。サメ達にとって複数の標的、それがシモーヌの登場でまた一つ増えることとなる。エンジン音に気付いて反転してきたサメの一群、怒りからか尾びれを叩きつけるように振ってシモーヌへと直進軸を合わせ、大顎を開いて突進してきた。
(――母なる大地よ。我に力を授け給え)
 海も突き詰めればやがては海底、大地より続く一部に辿り着く。海中で力を得るのはサメ達ばかりではない。黒槍に風と水の魔力を合わせて纏い穂先に渦を作り出し、シモーヌもまたサメ達目掛けて突撃した。サメ達の噛み付きが早いか、シモーヌの繰り出す刺突が早いか。サメ達が一点に集中して上下左右、四方より立体的な連続噛み付きを見せた。四肢を食らうには丁度良く――しかし味気無さにサメ達は一様に眼球を窄める。
 そしてサメ達は一瞬遅れて、己の身軽さに気が付いた。顎の肉、腹の肉、ひれの肉が削ぎ落されて、一直線に海中を貫く大渦に巻き込まれている。その中心には更なる標的を求めるシモーヌの姿があった。サメ達は追いかけようとしたが思うように力が入らず、大渦の織り成す激流に呑まれてズタズタに千切れていく。
(あんな風になったら、もうカマボコにでもなるしかないね。美味しいかどうかは知らないけど)
 急激な弧を描く横目でサメ達の第一群を撃破したのを確認し、シモーヌは深く潜っていく。願光石の輝きに照らされて現れたるサメの群影は恐怖を知らずにシモーヌへ殺到してきていた。迎え撃つは深海を掻き乱す黒槍。海水を呑み込んで生み出される大渦を海底へ突き立てるように撃ち出した。
 サメ達は大渦の激流に食らいつきにいく。流されまいとひれを激しく動かして泳ぎ進もうと必死だった。威嚇に勝る形相はシモーヌを滅すべき敵と認識している。がじがじと顎を上下させて噛み砕こうとしていたが黒槍が無尽蔵に放つ魔力に阻まれて、ついに根負けした者から水流ミキサーにかけられて引き裂かれた。
 黒槍を突き出した対峙状態をどれほど続けていただろうか。シモーヌを狙っていた、最も負けん気の強い最後の一体が穂先に当たろうかというところで力尽き、胴体が捩じ切れて消滅する。それでようやく戦闘状態を解除して、シモーヌは海底に降り立った。
 大渦に巻き込まれて岩盤から剥がれた輝石が転がっている。シモーヌの掌にすっぽり収まるサイズ、小さすぎず大きすぎず、程良い。
(これが願光石か。キラキラして綺麗だね)
 シモーヌは戦利品の一つを掲げて堪能した後、振り返って残る僅かなサメ達の殲滅に向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレクサンドラ・ヒュンディン
人狼の力持ち×魔獣戦士です
普段の口調は「私、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?」、気にいったら「私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?」

性格は内気で人と目を合わせるのが苦手ですが、人嫌いなわけではなく事件解決には積極的です
見た目に反しとても力が強く、基本はパワーとライフ頼みの解決法を好みます
他には人狼(イヌ科)らしく鼻がきいたり野性的な能力を用いたりもします
必要があれば狡い手、権力やコネを利用する手も厭いません

お色気関係も歓迎です
若干むっつり気質ですが、結構な好きものかつイケメン好き、軽度の腐女子趣味もあります(同性相手も平気です)
肉体変化能力があり巨乳化などもしますが、本来の体型はお尻ばかり大きい痩身貧乳で、それに対しコンプレックスを持っています

装備やホープコードは所持している物をどれでも使用し、目的のため積極的に行動します。危険な行動が必要でも、自分に関しては多少のことは厭いません。また他の参加者に迷惑をかける行為はしません

後はお任せ、よろしくお願いします!



●正しき自然の形へと
 海風の香り、それは心地良いと感じる者も多かろう。だが一度海中に潜ってしまうと、そこは獰猛なサメ達の住処らしく血と肉の生臭さがツンと鼻を衝く。尤も人間程度の嗅覚であれば何も感じることは無いのだが、アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)のように人並外れているとそれも立派な海の匂いとなってくる。
 人が襲われたということはあるまい。おそらくは他の魚を捕食した時のもの。潜って海中を見渡しても残るサメ達以外に影は見当たらず、生態系が崩壊していることが伺える。
(皆さんの頑張りで、もう一息のところまで来ていますね……頑張りませんと)
 得物とするサンディの骨割り鉈を重し代わりにアレクサンドラは海中に沈む。そうして見えてきたサメの一群は他の者達を追い回し、そして苛烈な攻撃を死に物狂いで回避して生き残っていた者達だ。しかし獰猛さは影を潜めず、アレクサンドラの姿を認めるや、猪突猛進の如き勢いで泳ぎ迫り来る。
 アレクサンドラは鉈を手に、足元に地の無い状態で器用にバランスを取っていく。一撃、叩き込むべく鉈を低く構えたが水中故に動きは緩慢。
(立ち回りは……ワンテンポ早く……)
 陸と同じような間合いの計り方では後れを取ると察して意識を改める。サメ達の血濡れた鋸の歯が鮮明に見えてからでは遅い。ある種の勘が必要で、まだ像が水中に揺らぐ中、アレクサンドラは鉈を思い切りぶん回していた。
 サメの歯が鉈の刃にがちりと食いつく。サメとしてもアレクサンドラの斬撃を受け止めた格好。力勝負だ。水中で支えが無いながらもアレクサンドラは全身を捻って全力を鉈に注ぎ込む。サメが尾びれを左右に振って押し返そうとした刃だが、アレクサンドラの力が僅かに勝って刃がサメの歯の間を滑り、ざん、と二枚に下ろし斬った。
 それで水中での勝手を得たアレクサンドラは次々襲ってくるサメ達へ豪快に鉈を振り回していった。鋭利な歯がいくら並ぼうがお構いなしで、時には歯ごと砕いてサメ達を真っ二つ。そのまた次は趣向を変えて、突っ込んでくるサメの鼻先に上段からの斬りつけを見舞って歯すら開かせず断ち切った。
 アレクサンドラの周囲にはサメ達の切断された半身が漂っていたが、戦う中で次第に消滅していった。血生臭さは残るものの、浮上と潜行を何度か繰り返したアレクサンドラの前に、もうサメは現れない。
(他の皆さんも頑張ってくれましたし……サメはこれで全て、倒せたでしょうか……)
 念のため、周囲の警戒を怠らずにアレクサンドラは海底に沈む。鉈はいつでも振り回せるようにしていたが結局は杞憂で、アレクサンドラは願光石の鉱脈に辿り着いていた。
(素晴らしい島の自然の恵み……少し頂いていきますね)
 アレクサンドラは島で生活する者として最上の感謝の気持ちで、二つ三つと願光石を掘りだしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年04月16日


挿絵イラスト