はじめてのぼうりょく
メサイア・エルネイジェ
魔術学園に在籍していた頃のメサイアが同級生に大怪我をさせて退学になるノベルをお願いします!
●一体どういう事だってばよ?
小学校低学年頃(幼女時代)のメサイアは王立魔術学園に入学させられていました。
しかしメサイアは頭が悪過ぎて魔法の詠唱が覚えられません。
そしてメサイアは考えました。
「そもそも詠唱している時間でおチェストした方が早いのでは?」
武装解除の魔法の実習にて、遂にメサイアは実行に移します。
「腕をへし折れば永遠に武装お解除ですわ〜!わたくし天才ですわ〜!」
まるで薩摩剣士のような奇声を上げて実習相手の生徒に杖(メイス)で殴りかかったのです。
「王笏ハンマ゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ーーー!!!」
殴られた生徒は腕を粉砕骨折し、心にも大怪我を負ってしまいました。
メサイアは退学となり牢屋にぶち込まれました。
「わたくし何も悪いことしておりませんわ〜!わたくしかわいそうですわ〜!」
大体こんなイメージでお願いします
細かい設定等は気にせずフリーダムに書いて頂ければ幸いです
●メサイアとは?
エルネイジェ王国のお姫様です。たぶん上から三番目くらい。
とてつもなく頭が悪いです。自覚はありません。
両手の指で数えられる以上の計算が出来ません。
三歩歩くと忘れます。
似非お嬢様口調で喋ります。おキャバリアですわ〜!
●イラストを見る限りマッチョには見えないけど馬鹿力の源は?
わかりません。
皮下筋肉が凄い事になってるのかライトノベルでよくあるチート能力なのかも知れません。
無自覚にユーベルコードを発動しているという扱いでもよろしいかも知れません。
この辺りの解釈も説明の有無を含めてお任せします。
●エルネイジェ王国立魔術学園
百年以上の戦乱が続くクロムキャバリア世界アーレス大陸西部においてエルネイジェ王国は、その名が示す通り王国制であった。
小国家が乱立する世界にあって、それは特別珍しいことではなかったが代々続く、という点においてはエルネイジェ王国が屈強なる小国家であったことは疑いようがない。
そして、王族を戴くからには、然るべき責任が伴う。
王族の子息は必ず魔術学園に入学することが義務付けられていた。そう、メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)もまた当然のように魔術学園の門をくぐることになる。
「メサイア姫……おわかりになられて? 指の数は10本。右手が3本で左手が4本の時、合計すると?」
「右手ってどっちですの? おナイフの方? おフォークの方ですの? どっちですの?」
メサイアは今日も一人学園の教室に教師と共に居残り授業をしていた。
「明日は何を致しますの? 魔法の詠唱は嫌でしてよ。あれ覚えるのがむつかしいのですわ~!」
「まさにその魔法の詠唱の練習です。互いに武装を解除する魔術を生徒同士で練習するのです。ホームルームでお伝えしたはずですが……」
「そうでしたっけ? そうでしたわね! おほほのほ! うっかいおりましたわ~! ではせんせ、これにてわたくしお暇いたしますわね~!」
「お、お待ちに成ってください姫様! まだ計算ドリルが終わっておりません!?」
「ドリルは衝角のことでしてよ~!」
●ちぇす
その日の夜、メサイアはいっぱい考えた。
先生の言うことはとてもむずかしい。たしざんひきざんかけざんわりざん。いっぱい勉強したけれど、それが戦いの役に立つとはまったく思えなかった。
けれど、戦乱渦巻く世界にあって戦いに負けるということは自分の大切な人を守ることができないのだと言うことだけは、はっきりと彼女のちょっとできの悪い頭に刻まれている。
ならば、自分が出来ることはなんだろうか。
「……そうですわ!」
いっぱい、いっぱい、たくさんたくさん考えたのだ。
どうすれば良いのか。
魔術を行使することは強大な力を得るということ。
「そもそも詠唱している時間でおチェストした方が早いのでは?」
そう、戦うというのならば、これしかない。
メサイア姫は夜ベッドの中で自分の考えが正しいのか何度も反芻し、そして決断したのだ。
●チェスト
その日は晴れやかな晴天であった。
武装解除の魔術の練習にうってつけだとも言えただろう。メサイアは自身の前に立つ同級生の男子生徒がもじもじしているのを見て、なんであんなにもじもじしているのかと疑問に思ったが、メサイア自身は幼いながら自分の完璧な美少女具合のせいであることに気がつけていなかった。
「め、メサイア姫様、では私が魔術の詠唱を開始しますので……」
「ええ、手加減は不要でしてよ! さあ、いらっしゃいまし!」
「は、はい!」
男子生徒はドギマギした。
もしかしたら、これがきっかけで可憐なメサイア姫とお近づきになれるかもしれないとも思ったのだ。
けれど、彼の淡い恋心に昇華しそうな感情は猿叫にかき消される。
猿叫?
「王笏ハンマ゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ーーー!!!」
これである。
凄まじい声。
一体全体何処から出しているのだという人間の声帯から出ているとは思えぬほどの絶叫じみた裂帛たる気合。
そして、その気合から繰り出される最上段から振り下ろされる王笏の一撃。
それは咄嗟に男子生徒が掲げた杖をまるで、そこらの棒切の如くへし折り頭をかばった腕へと激突する。
ものすごい音が響いた。
誰もがあっけに取られていた。
何が起こったのか理解できなかった。
猿叫を上げたことも、王笏をハンマーのように使ったことも。
誰もがメサイアがやったことだとは思えなかったのだ。それほどまでに彼女の一撃は見事だった。
「これがわたくしの武装お解除術ですわ~! わたくし天才ですわ~!」
そう、腕をへし折れば、杖を振るうどころではない。
初撃で敵を物理的にも精神的にもへし折ってしまえば、二度と此方に歯向かおうなどという意志はなくなるはず。
この日、メサイアは確信した。
やはり暴力!
暴力こそが全てを解決してくれる。
長く続いた戦乱も、暴力で瞬く間に解決できると!
「そうですわ! これこそがわたくしの答え! これなら――」
メサイアの瞳は希望に満ちていた。
これならば、大切な人たちを皆まるっと守れる。そう信じて疑わなかった。
だが、現実は非常である。
鉄格子が打ち鳴らされる音でメサイア姫は我に返った。
そこは魔術学園の寮でもなければ王室のお部屋でもなく。
そう、牢屋であった。
「え?」
メサイアは首を傾げる。
この日よりメサイアは王権を停止されることになる。
「あの、どうしてですの? ここって牢屋なのでは? なんでですの!? わたくし何も悪いことしておりませんわ――!?」
成功
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