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Plamotion ACE Actor

#アスリートアース #その他スポーツ #プラクト #五月雨模型店 #熾盛

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●君が思い描き、君が作って、君が戦う
『プラモーション・アクト』――通称『プラクト』。
 それはプラスチックホビーを作り上げ、自身の動きをトレースさせ、時に内部に再現されたコンソールを操作して競うホビースポーツである。
 思い描いた理想の形を作り上げるというのならば、たしかに『プラクト』は心・技・体を兼ね備えたスポーツ。

 プラスチックホビーを作り上げ、フィールドに投入し自分自身で動かす。
 想像を育む心、想像を形にする技術と、想像を動かす体。
 そのいずれもが欠けてはならない。どれか一つでも欠けたのならば、きっと勝利は得られない。

『プラクト』のフィールドは主に模型店や大型量販店に設置され、巨大なスクリーンにおいてフィールド内の戦いを観戦することができる。
 縦横無尽に駆け抜ける人型ロボット、美少女プラモデルにカーモデル、クリーチャー、艦船や飛行機。
 ありとあらゆるプラスチックホビーが『プラクト』の間口として存在しているのだ。
『プラクト』アスリートたちは、己の造り上げたプラスチックホビーに内蔵された『ユーベルコード発生装置』によって、自在にプラスチックホビーを動かし、時に笑い、時に涙し、時に額に汗を流し、時に友情を育む。

●エース
 猶予はなかった。
 己の機体と並走するするのは物資を満載した貨物列車。だが、その速度は通常時のそれとは大きく異なる。圧倒的な速度。
 超過した速度は異常を知らせるものだった。
「このままよぉ!『八咫神国』に暴走超特急が突っ込めばどうなるかわかるよな!」
 敵機から告げられる言葉に『フュンフ・エイル』は奥歯を噛みしめる。
 今や暴走を続ける貨物列車は線路を走る超特急。
 この速度で多くの物資を積載した列車が線路の終点である『八咫神国』に突っ込めば、如何なる惨事が起こるかなど想像しなくてもわかる。
 多くの生命が失われる。

「いくらてめぇの機体の性能が高かろうが、こいつは止められねぇだろ! 選べよ! 自分か他人か! どっちにしたって私の勝ちだ!」
『アイン・ブリュンヒルド』は告げる。
 加速し続ける貨物列車は最早自身の機体では追いつけない速度に到達している。
『サスナー第一帝国』に属する己と敵対する国『八咫神国』。
 戦場に現れては戦列をかき乱す青い騎士の如き機体『熾盛』を打倒するために彼女が取った方法は決して褒められたものではなかった。
 あの『熾盛』と呼ばれた機体の性能が如何に何世代も先のものであっても。
「この質量は止められねぇ。止めようとすれば機体は押しつぶされる。止めなくとも、てめぇの矜持は此処で折れる」
 彼女は己の勝利を確信する。

 けれど、それが過ちであったかを彼女はすぐさま知ることになる。
「――『セラフィム』!」
 暴走列車を真正面から受け止める青い鎧の機体。無駄だ。あれだけの加速を受けた質量を如何に体高5mの戦術兵器であっても止められるわけがない。
 現にアンダーフレームの装甲が拉げていっている。
 だが、青い鎧の機体から発せられる青い熾火が網のように広がり暴走列車の加速を減じていく。
 火花が散る。
 装甲が砕ける。
 止められるわけがない。

 だが、『アイン・ブリュンヒルド』は見た。
 機体を砕けさせながら背後に存在する『サスナー第一帝国』の侵攻に怯える『八咫神国』の人を守るためだけに青い鎧の機体は、その五体を砕けさ、しかしながら熾火の如き光を放ち受け止めきった光景を――。

●五月雨模型店
「くあー! やっぱり『憂国学徒兵』の一期のこのシーンが一番燃えるよな!」
「ええ、この後青い鎧の機体『セラフィム・|ヴェーダ《V》』を『八咫神国』の人々が助けるために『ブリュンヒルド』の前に立ち塞がるのも良いシーンです」
『五月雨模型店』の作業スペースに備え付けられたモニターに映し出されているのはアスリートアースで人気のロボットアニメシリーズであった。
 そのワンシーンを見やり『アイン』と『ツヴァイ』は、『良い……』と共に感じ入っていた。

 彼女たちが何をしているのかというと、数日前にダークリーガーとの戦いよって破壊されてしまった自分たちの『プラクト』に使っていたプラスチックホビーを修理、改善しているのだ。
「前回は、それはもう完膚なきまでにやられてしまったからな! 次はこうは行かぬようにしなければ!!」
「は、はははは、はい! が、がんばりましょう!」
『ドライ』と『フィーア』もまた同様だった。
 彼女たちは連日『五月雨模型店』に集まっては、こうして作業に勤しんでいる。
 しかし、そんなと時に限ってというべきか。こんな時だからこそ、と言うべきか。
『五月雨模型店』の扉が勢いよく放たれる。
 そこに居たのは黒い髪と緑の瞳を持つ少年……ダークリーガー『デスストライカー』であった。

「俺の名は『フュンフ』! 貴様らに『プラクト』で勝負を挑ませて貰おう!」
 その手にあったのは青いロボットプラスチックホビー――。

●幸せな夢を見る
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)が出迎える。
「お集まり頂きありがとうございます。アスリートアースにおいて『プラモーション・アクト』……『プラクト』と呼ばれる未公式競技スポーツにダークリーガーの存在が確認されました」
 ナイアルテは猟兵たちを見回し、説明を始める。

 そう、『プラクト』とは自身で作成したプラスチックホビーの中にユーベルコード発生装置を組み込み、自分自身で操作して戦うホビースポーツである。
  操作方法はアスリートの動きをトレースする『モーション』タイプと、操縦席を作り込んで操作する『マニューバ』タイプが存在している。
 基本的に人数無制限のチーム戦であり、どちらかが全滅するまで戦い続けるのがルールである。
 ユーベルコード発生装置が壊れれば、機体が動かなくなり撃破となるのだ。

「今回のダークリーガー『デスストライカー』『フュンフ』は『洗脳サッカー選手』たちと共に人型ロボットホビーを操ってきます。彼らは人型ロボットでありながら、ボールに見立てた鉄球ボールを蹴り込んでくるのです」
 危ないです、とナイアルテは憤慨している。問題は其処ではない気がする。
 しかし、『プラクト』の素材は殆どがプラスチック。
 嘗て『王冠シューター』と呼ばれた金属王冠をぶっ飛ばしてくるプラスチックホビーを手繰るダークリーガーたちが居たが、其れに近しいものであると思えば良いだろうか。

「何にせよ、強敵であることは間違いありません! ですが、私たちは退いてはならないのです!」
 このままでは『五月雨模型店』はダークリーガーに敗北してしまうだろう。
 それをさせぬ為に猟兵たちは助っ人として飛び込まねばならないのだ。
「ええ、それでは!」
 ナイアルテは微笑み、告げる。
 その未公式競技開始のお決まりの言葉を。

「『レッツ・アクト』です――!」


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はアスリートアースにある未だ公式競技化されていないスポーツ『プラクト』のチーム『五月雨模型店』を救うシナリオになります。

 ※『プラクト』は正式には『プラモーション・アクト』と呼ばれるホビースポーツです。
 フィールド内に自作したプラスチックホビーを投入し、アスリートの動きをトレースする『モーション』タイプと、操縦席を作り込んで操作する『マニューバ』タイプが存在しています。
 主に『モーション』タイプはロボットや美少女プラモデル。『マニューバ』タイプは、カーモデルやミリタリーモデルとなっております。

●第一章
 冒険です。
 ダークリーガーに勝負を挑まれた『五月雨模型店』ですが、前回彼らはダークリーガーにホビーを散々に破壊されているため、急いで機体を作り上げている最中です。
 お手伝いするもよいですが、まずはルールを学び、自身のプラスチックホビーを作成、練習しなければなりません。

 作成し、習熟するプラスチックホビーは基本何でも構いません。プラスチックホビーであり、『ユーベルコード発生装置』を組み込んでいれば、二つの操作系統『モーション』と『マニューバ』のどちらかでプラスチックホビーが実際に動きます。

 この章でトレーニングに成功した皆さんは、第二章、第三章と自動的にプレイングボーナスを得られることとなっております。

●第二章
 集団戦です。
 試合当日です。
 ダーク化したアスリートたち『洗脳サッカー選手』たちは人型ロボットホビーを用いて、鉄球をフィールドに蹴り込んできます。危ない!

●第三章
 ボス戦です。
 ダークリーガー『デスストライカー』、『フュンフ』との対決になります。
 彼もロボットホビーを用いており、その攻撃方法はやっぱり鉄球を蹴り込むユーベルコードが主体となります。
 ダーク化アスリートたちとは戦闘力は比べ物になりません。気をつけましょう。

 それでは、新たなるスポーツ競技『プラクト』を巡るダークリーガーと戦う皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 冒険 『その他スポーツを練習しよう』

POW   :    体当たりで果敢にチャレンジする

SPD   :    器用にコツを掴みながら練習する

WIZ   :    ルールや戦術の理解を深める

イラスト:十姉妹

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 やばい。
 正直に行って今回はもうダメかもしれないと『アイン』と呼ばれる『五月雨模型店』の『エース』アスリートの少女は思ってしまった。
 何故ならば、自分のプラスチックホビーは前回の戦いで完膚なきまでに破壊されていたのだ。
 敵が強敵だったこともある。
 けれど、其れ以上に敵であるダークリーガーの執念が凄まじかったのだ。
 あの執念は己たちにないものだった。だから、敗北したのだ。
「間に合わせなければなりません。ええ、決して諦めなければ」
「その通り! 敗北を是としなければ! 勝つまで戦い続ければ負けることはないのだ!!」
「そ、そそそうですよ! みんなでがんばればきっとできますよ!」
『ツヴァイ』、『ドライ』、『フィーア』と言った仲間たちが、少しもめげた様子もなく自分たちの機体を修復、改良、新造している。
 その言葉に『アイン』は自分がいかに弱気になっていたのかを知る。

 今回戦うダークリーガーたちのプラスチックホビーは人型でありながら鉄球を蹴り込むプラスチックホビーだ。
 正式な名称はわからない。
 前回もそうであったが、明らかに未発売、未発表の新商品プラスチックホビーだ。
「……そうだよな」
『アイン』は頷く。
 この『プラクト』の背後にどんな思惑があるのだろうとも、自分たちが愛した『プラクト』を自分たちは懸命に戦い抜くことしかできないのだ。そこにどんな強大な影があるのだとしても。
「『戦いに際しては心に平和を』だよな!」
『アイン』は力強く頷き、決して諦めないことを決める。

 その時『五月雨模型店』の扉が開く音がする。
「あ――……!」
 頼もしき影がある。
 そう、いつだって窮地に駆けつけてくれる頼もしき同好の士にして、仲間……猟兵たちの姿が其処にはあった――。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん

はい、陰海月に引っ張られて来ましたー。
…機体の修理、手伝いましょうかー?何せ今回、陰海月は自分でパーツ切り離して改造するようなのでー。
あ、改造のに使うのは、私が買いましたけどねー?(お小遣いが少し足りなかった…)


陰海月「ぷきゅ!」
来たら一礼は忘れない。
今回は、前に作った『戦国大将軍』騎乗兵を改造!
もうちょっと動きやすく、でも鎧増しするんだー!
あっ、お小遣い…おじーちゃん、ありがとう!
霹靂、いつものごとく応援!



 いつだって少年の心を逸らせるのは、玩具店であった。
 近づけば近づくほどに早歩きになるし、小走りになってしまう。そういうものなのだ。男の子というものは。
 そういう意味では巨大クラゲである『陰海月』もまた少年の心を持つ存在であったことだろう。
 だが、同時に彼は礼儀といものを叩き込まれてきた。
 それは海洋生物であるからとか、そんなことを問題にはしていない。礼儀の問題であると馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)たる四柱たちから厳しくしつけられていたのかもしれない。
 彼はアスリートアースの『五月雨模型店』の扉の前で一礼を欠かさなかった。
 例え、ダークリーガーが引き起こす事件があるのだとしても、これだけは決して忘れてはならないことであったからだ。
「ぷきゅ!」

 その一礼と鳴き声に作業スペースで自分たちの機体を改修、修理していた『プラクト』アスリートの少年少女たちが顔をのぞかせる。
「おー、くらげちゃん!」
「今日はどうしたんだ? 戦国武将シリーズを探しにきたのか!」
 そんなふうに『アイン』や『ドライ』たちがわらわらと作業スペースから出てくる。
「ぷっきゅ! ぷっきゅ!」
「はーなるほどなー前作った『戦国大将軍』を改造するのか。やっぱり動きやすいほうがいい……」
「人のことばかり! ほら、早く戻りましょう。間に合わなくなってしまいますよ!」
『ツヴァイ』の言葉に『アイン』たちが引き戻されていく。
 どうやら彼らにはあまり時間がないようだった。
 そんな彼らを見送って『陰海月』は店内を物色する。

 確かに『戦国大将軍』は完成度が高い。
 けれど、今回の敵は鉄球を蹴り込んでくるのだ。となれば、やはり装甲である武者鎧を強化する、という方針は避けられない。
「ぷっきゅ、ぷっきゅ」
 後は動きやすく……つまりは機動性。
 鎧を増したことによって機動性が損なわれては元も子もない。ならばこそ、ただパーツを持ってきて付けただけでは心もとないだろう。
 吟味に吟味を重ねなければならない。
 見上げる棚には様々な商品がある。当人としては真剣そのものなのであるが、傍から見たら商品選びに余念がない少年くらいにしか思えないだろう。
「……また引っ張られてきましてー……どうしたものかと思っておりましたがー」
『疾き者』は手持ち無沙汰だった。

 というのも『プラクト』に使う機体を作成するのは『陰海月』にまかせてあるというより、彼がやりたがって手伝い程度のことしかやらせてもらえないのである。
 しかも、今回は一から全部自分でやろうといているのだ。
 となれば、今回自分ができることはお小遣いを足してやることくらい。
 ならば、と『疾き者』は作業スペースでバタバタしている『プラクト』アスリートの少年たちを見やる。
「あの、何か手伝いましょうかー?」
「いいのかよ。くらげちゃんの手伝いしなくって」
「いえ、今回は自分でパーツを切り離して改造するようなのでしてー」
 つまり、暇?
 そんな風に『アイン』たちの視線が言っている。有り体に言えばそうだ。

「ならちょうどよかった!」
「こっちからこっちまでパーツの面取りを頼む! ゲート処理は終わっているのだが、ヒケの処理がまだでな!!」
「消耗品は此方です! ペーパーやラッカーパテは存分に!」
「ああ、ああの、お茶はこっちにありますので!」
 そんな風に少年少女たちに引っ張り込まれて『疾き者』はいつものように処理を始める。

 ひっぱりだこな『疾き者』を他所に『陰海月』は購入したプラモデルの箱をぱっかーと開封する。
 お小遣いが少したりなかったけれど、入店の前に『疾き者』ことびゅーびゅーおじいちゃんからお小遣いの追加があったのでなんとかなったの。
 そんな彼を応援するように『霹靂』が鳴いている。
「ぷっきゅ!」
 さあ、やるぞー! と張り切る『陰海月』の触腕は凄まじい速度でパーツを切り離し、処理をしていく。
 今回は改造のためにパーツをバラバラにしていくのだ。
 どんなときだって出来上がりは頭の中にある。
 けれど、仕上がったそれが頭の中通りであるとは限らない。
 イメージ通りであったことも、そうでなかったこともある。
 だからこそ、楽しいのだ。

『陰海月』は一生懸命パーツを切り離し、己の頭の中のイメージに現実を徐々に近づけていく喜びに跳ねるようにしながら自身の機体をアップグレードしていくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
噂(予知)を聞いて様子見に来たよ…
それにしても千客万来というか……斜向かいになんか変なお店建ってたりしない?

今度のルールはサッカー…っぽいなにかだね……鉄球ぶつけるのはサッカーじゃないし…むしろドッジボール(体力制:再起不能で負け)に近い……?
機体の構築は済んでるから手が足らない人の手伝いをしよう…
…え、機体?ミニサイズツィルニトラ……ローブを纏った魔術師風の人型プラクトだよ…
…手に持ってるラクロス風の杖でこう…鉄球をかっとばしてぶつける…
…魔術師要素は…格好、かな……あと三角帽子っぽいパーツ…

…ん…構築や塗装が済んだら…誰か試運転を兼ねた模擬戦する……?



 商店街に存在する模型店、それが『五月雨模型店』である。
 外見は昔なつかし昭和の模型店といった風情がある。
 扉の横のショーケースには店主や常連客の作成したプラモデルが並べられている。なんなら猟兵が作り上げた模型だって並んでいる。
 そんな『五月雨模型店』はアスリートアースにおいては、『プラモーション・アクト』、即ち『プラクト』の主戦場でもあった。
 幾度もダークリーガーがダーク化アスリートたちを率いて試合を申し込んでは返り討ちにあっていることでも有名だ。

 だが、それは猟兵たちが助っ人として参戦したからであって、前回の戦いを顧みれば元々在籍している『五月雨模型店』のメンバーたちは敗北していると言っても良い惨憺たる結果であったのだ。
「噂を聞いて様子を見に来たよ……」
 そんな『五月雨模型店』の『プラクト』アスリートの少年少女たちの様子をメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は見に来たのだが、作業スペースはどうやら大賑わいのようだった。
 そう、『プラクト』はホビースポーツ。
 試合は始まる前から既に戦場である。

「わ、わわわ、来てくださったんですね!」
『プラクト』アスリートの少女『フィーア』がメンカルの姿を認めて作業スペースから駆け寄ってくる。 
 すでにメンカルが事情を察している様子に彼女はなんとも気恥ずかしそうにしていた。
「……うん。それにしても千客万来というか……斜向かいになんか変なお店建ってたりしない?」
「え、えっと、斜向かい……ああ、そういえばビルが立ちました! おもちゃメーカーだったと思うんですけど」
『フィーア』の言葉にメンカルは店の中から斜向いに建ったというビルを見やる。
 確かにビルである。
 けれど、こう、なんていうのか。
「……此処、商店街だよね?」
「え、あ、はい。そうですよね。商店街にビルって変ですよね」
「……なんの会社が入ってるの?」
 まだわからないと『フィーア』は首を傾げている。

「ともあれ、今度のルールはサッカー……ぽいなにかだね……」
「はい、デスゲームサッカーだとかなんだとか……私もわかんないんですけど……」
「……鉄球ぶつけるのはサッカーじゃないし、ドッチボールに近い……?」
 このアスリートアースの殺人級の超人スポーツ版ドッチボールは体力制であろう。再起不能で負けっていう判定である。
 それにデスゲームサッカーが近い、とメンカルは判断したのだろう。
 しかし、今回は『プラクト』が主だったルールである。
 まずは機体であるプラスチックホビーを用意しなければならない。

「す、すすすいません。今回私達、手伝う余裕なくって……!」
 恐縮する『フィーア』の眼前にメンカルが突き出すものがあった。
 そこにあったのはローブを纏った魔術師風の人型ロボットプラスチックホビー。
 そう、彼女が作り上げた試作型術式騎兵『ツィルニトラ』……キャバリア風ガジェットをプラスチックホビーに落とし込んだものである。
「ま、まままさか!」
「……機体の構築はすでに済んでいるよ。だから、手が回らない子の手伝いをしようと思ってやってきた……」
「マジで!?」
 そんなメンカルの言葉に『アイン』が作業スペースから顔を出す。
 彼女は機体を新造しているようだった。
 はっきり言って、試合まで間に合うペースではない。それをメンカルはうなずき、手伝うのだ。

 メンカルの手腕は見事なものだった。
 常にガジェットを作っているおかげで、こうしたプラスチックホビーの作成などお手の物である。
「ここを、こうして……できました」
『ツヴァイ』の機体が組み上がったのを確認してメンカルは頷く。
「じゃあ、試運転を兼ねた模擬戦する……?」
「ええ、ぜひともお願いします」
 メンカルと『ツヴァイ』は調整を兼ねた模擬戦をスペースで行なう。『ツヴァイ』の機体はどうやら味方の機体にバフを掛けるような支援機のようだった。
 機体の随所に組み込まれたパーツが他者の機体に装着されて、強化を促す。

「……じゃあ、まずは支援パーツのチェックから……」
 メンカルと『ツヴァイ』は自らが組み上げた機体と共に習熟を重ねていく。
 試合の日は近い。
 けれど、少しも心配することはない。今もこうして少年少女たちは諦めないことを学ぶように懸命に『プラクト』に打ち込んでいる。
 それをメンカルは知るからこそ、共にプラスチックホビーの戦場に立つのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蹴球選手・サッカーボール
今回のって普通のドッジサッカールールじゃ…………????(ガチ困惑顔で首傾げ

試合や練習でトゲトゲ鉄球爆弾使ったり、選手が再起不能に追い込まれる程度の事なんて、別に一々騒ぐ様な珍しい事でもないでしょ?え、もしかして他の世界とかじゃ違うの?本当に?嘘でしょ?あははっ!揶揄ってるんでしょ?(音速嵐や雷虎のUC魔球飛び交う|超人《アスリート》的常識感覚

……え、マジでホントなの?(超驚愕



『モーションタイプ』の『サッカーボール』のホビーを作ったよ!(常人じゃまともに動かない

それじゃ早速サッカーの練習しようよ!|ボール《本体》なら持ってるし!ボク以上の適任、そう居ないよ!ね!ねっ!お願いっ!|(急に生き生き



 蹴球選手・サッカーボール(サッカーのヤドリガミ代表選手・f39578)は『五月雨模型店』の前で難しい顔をしていた。
 難しい顔をしていた、というよりも困惑していた、というのが正しいのかもしれない。
 曰く『プラクト』はプラスチックホビーを操るホビー・スポーツである。
 自分で作り上げたプラスチックホビーを自分で動かして競う。
 その競技性は、アスリートアースの超人スポーツもそうであるように、ガバガバのガバである。
 ルールはある程度は周知されてはいるものの、ところどころ変容を見せるのである。
 それはアスリートたちがユーベルコードを使うからかもしれない。
「今回乗って普通のドッジサッカールールじゃ……?」
 彼女はやっぱり困惑していた。
 どう考えてもそうじゃないかと思ったのだ。

 いや、そもそもドッジサッカーとはなんぞや、という所になるのであるが。
 わからん。
 何一つわからん。私たちは雰囲気で『プラクト』をやっている……となっても仕方がないくらいにガバガバであった。
「いや、言いたいことはわかるけど。けど違うんだよ。『プラクト』は自分でホビーを作るだろ?」
『五月雨模型店』を訪れた彼女に懇切丁寧に教えてくれる『プラクト』アスリートの少女『アイン』。
 彼女の言葉に一つ一つ驚きを隠せない。
「えっ! 試合や練習でトゲトゲ鉄球爆弾使ったり、選手が再起不能に追い込まれる程度のことなんて、別に一々騒ぐような珍しいことでもないでしょ?」
「そーなんだよなー」
 アスリートアース出身のアスリートたちは別に不思議なことではないと頷く。

 それは超人スポーツに慣れ親しんでいるからであって、普通の……いや、普通の、というと語弊があるのであるが、一般的なスポーツが存在するアスリートアース以外の世界では普通ではないのだ。
「もしかして他の世界とかじゃ違うの……?」
 えぇーと彼女は自分がからかわれているのだろうと思ってしまう。
 だって、そんなの絶対面白くない。
 彼女たちが常日頃からユーベルコードを駆使した超人スポーツによって培われた感覚はまったくもって宛にならなかった。

「……え、マジでホントなの?」
「そーらしい」
「えぇ……そんなんじゃ、誰も勝ち残れないよ! もしかして! この『モーション』タイプの『サッカーボール』のプラスチックホビーも!?」
「いや、それは私達でもちょっと理解に苦しむ。どうやって動かすんだよ。どう考えても『マニューバ』じゃねぇか」
『アイン』は半眼で『サッカーボール』のホビーを見やる。
 どう考えても常人ではまともに動かない。
 サッカーボール事態になる……ってこと?

「そう! だからさ! 早速サッカーの練習しようよ! |ボール《本体》なら持ってるし!」
 彼女はヤドリガミの猟兵である。
 その器物はサッカーボール。
 ある意味で最もお似合いの組み合わせであった。いや、それはそうかもしれんが、と誰もが思った。
「いやでも、本人が言っているし……」
「どう考えてもおかしいのでは!?」
『ツヴァイ』たちが止めるが、しかし『アイン』は違った。
「いや! 当人が言っているんだし!」
「そうだよ! ボク以上の適任、そう居ないよ! ね! ねっ! お願いっ!!」
 めちゃくちゃいきいきしだした彼女に『プラクト』アスリートの少年少女たちは困惑しきりであった。

 けれど、練習とばかりに『アイン』が強烈なキックをお見舞いしてくれたことで彼女はとても幸福なのだ。
 言うまでもなく『サッカーボール』の器物であるがゆえに。
 そう、蹴られれるためにこそ自分は存在しているのだと、そのレーゾン・デートルに彼女は喜ぶのだった。
 いいのかなぁ、これで――!?

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニィナ・アンエノン
お、皆頑張ってるね!
にぃなちゃんも負けないぞー、それこそ呼吸を忘れるくらい頑張って【早業】でプラモ作っちゃうもんね!
今回は鉄球を蹴り合うって事で……三頭身くらいのを選んで重心を低くして、脚や頭はパテかなんかで埋めちゃって頑丈にしよう。
所謂SDって感じのヤツ?
ユーべルコード発生装置の場所はもちろん心臓の所!
大きな目に瞳も入れて、熱い魂を込めたら完成!
サッカー選手の鉄のリーガー、名付けてソニックストーム君!
さて、自分のが出来た所で人にちょっかい出しに行こうかな☆
趣味と実益を兼ねて【武器改造】と【防具改造】のお手伝いをしちゃうぞ。
今回はモーション選んじゃったから、早く終わらせて一緒に練習してね☆



『五月雨模型店』は今日も大繁盛であった。
 これも全て『プラモーション・アクト』、『プラクト』効果であったことだろう。それ以上に効果的であったのはプロモーションムービーの存在があった。
 今までどうしても美少女プラモデルというのは敷居が高い面があった。
 それはどうしてかというと、単純な話だ。
 そう!
 美少女プラモデルとは文字通り美少女をプラスチックホビーに落とし込めたもの。ということはである。当然、少女たちのお人形遊びの延長線上だけではとどまらぬものなのである。
 故に、男性諸君に関しましては、ちょっと気恥ずかしいなぁってなるところもあったのだ。
 だがしかし! 異性であるがゆえに異性に興味は尽きぬものである。
 そして、昨今の美少女プラモデルを牽引する存在としての一翼を担っていたのが、ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)の存在であった。
「お、皆頑張ってるね☆」
 そんな風に訪れれば、彼女が出演したメーカー主導によるプロモーションムービーを知る少年少女のみならず『五月雨模型店』にやってきた大人たちも彼女に寄ってくるのだ。

「はいはい、サインはキットを買ってね☆」
 そんな風にしてニィナは入店後に漸くに開放されて今回の戦いに使用するプラスチックホビーを選び始める。
「お疲れ様でした。今回はどのようなものを組み上げるのですか?」
『プラクト』アスリートの少女『ツヴァイ』がニィナに近づいてくる。
 彼女はすでに作成を終えたのだろう。
 模擬戦や習熟に移行している。そんな彼女にニィナは敵のプラスチックホビーのことを考え、所謂SDタイプのプラスチックホビーを選びたい旨を告げる。

「それでしたら、此方がよろしいかと。三等身ほどと言えばよいでしょうか」
「ふんふん☆ なら、低い重心を更に安定させるために足や頭はパテで埋めちゃって頑丈にしちゃおっかな!」
「良い案だと思います。パテは軽量タイプじゃなく、密度重視タイプを使いましょう。こちらのグレーのものですね」
 ニィナは『ツヴァイ』からパテを受け取って、作業スペースに入る。
 そこからは、ガジェットのお姫様(ガジェッティア・プリンセス)と彼女が呼ばれる所以を示すように一心不乱にプラスチックホビーを組み上げていく。

 肝心要のユーベルコード発生装置は胴体の心臓部分。
 大きな瞳がくりっと輝き、ニィナの熱き魂を込められたSDプラスチックホビーが輝く。
「これが!」
 ニィナがSD等身のホビーを掲げる。
 煌めくボディ。
 燦然と走る眼光。
「サッカー選手の鉄のリーガー、名付けて『ソニックストーム』君!」
 できたー! とニィナは驚異的な速度で組み上げて完成させたホビーを片手に早速模擬戦へと突入する。

「ですが、大丈夫ですか。SD等身で『モーション』タイプとは……」
『ツヴァイ』の心配も当然だ。
『モーション』タイプの操縦方法は、謂わば競技者の動きがダイレクトに反映される。当然、人型に近ければ近いほどに操作精度は上がる。
 けれど、ニィナの『ソニックストーム』は三等身。
 手足は短い。
 重心を安定させるためにその点が犠牲になっている、と言ってもいいだろう。けれど、ニィナは頭を振ってにっこり笑うのだ。
「だから、一緒に練習して欲しいんだよね☆」
「ならば、俺が相手になろう!!」
 嘗て『王冠シューター』を使っていた『ドライ』が手を上げる。
 彼の使っていたホビーもまたニィナのものと酷似したSD体型だった。ならばこそ、ノウハウが活かせることもあるはずだ。

「いいね☆ じゃあ、にぃなちゃんとつきっきりでバトってもらっちゃおうかな☆」
「望むところ!!」
 ニィナは早速『ドライ』と共に『ソニックストーム』の習熟に励むべく、フィールドに機体を投入して激しい攻防を繰り広げ、その模擬戦闘を経て徐々に『モーション』タイプでもってSD等身を動かすコツを得ていくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【サージェさんと】

あれ?なんだか雰囲気重いね?何か気にしてる?

だいじょぶだいじょぶ。
サージェさんを見てみなよ。こんなに忍べてなくても全然気にしてないよ!

さ、機体はわたしも手伝うから、今度は『セラフィム』作っちゃう?
『熾盛』っていうのもあるよ!
特に『フィーア』さんは、わたしが手取り足取り腰取りで教えちゃうよ!
最高の機体をプレゼントさせてもらうね(ヅカ風に突然のバックハグ)

え?自分の機体?
それはだいじょぶ!
『希』ちゃんデータから『熾盛』作っといて!(やり投げ感)

あ、サージェさんは機体どうする?
引き続き『トラメ』さん?

それじゃ模擬戦いってみようか!
今日も『フィーアさん噛み噛みきっく』が炸裂するよ!


サージェ・ライト
【理緒さんと】
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、胸が大きくて忍べてないとかそんなことないもんっ!
あれっ?なんかタイミング間違った感?
いや、忍べてますから!
今も存在感消してる感じですから!

さて、私の機体は
前回のトラメちゃん(虎型プラクト)がいるのでよしとして
組み立てのお手伝いを
雑用ならお任せください!
ね、理緒さ……見なかったことにします
フィーアさん強く生きて
さて、他の皆さんは何でも言ってください
クノイチ、がんばります!

ふぅ組み立て終わりましたかね?

ならここからは練習ですね
ちょっと一戦お手合わせを
トラメちゃんに慣れておかないと
怪我したら寂しいですし!
トラメちゃんのネコパンチが炸裂しますよー



「あーもー!」
「お、おおおわりません……!!」
『アイン』と『フィーア』の二人は作業スペースで頭を抱えていた。
 既に『ツヴァイ』と『ドライ』の二人はプラスチックホビーを完成させ、猟兵たちと模擬戦を繰り返している。
 けれど、二人は未だ改修修理が追いついていないのだ。
『アイン』は宿題を夏休みの最後まで取っておくタイプであった。意外であったのは『フィーア』だろう。
 彼女は凝り性だった。
 あと計画性がなかった。
 びっくりするくらいなかった。どうしてそういうことするの? となるほどに思いつきで作業を追加していってしまうのだ。

「あーうー……! どうして私ってば、いつもこんなー……!」
 思わずうめいてしまう。
 どんよりとした空気が作業スペースに満ちていく。
 けれど、そんな空気を読まない前口上が響き渡る。
「お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ、胸が大きくて忍べてないとかそんなことないもんっ!」
「今そういうのじゃないので!」
「ええっ、あれっ!? なんかタイミング間違った感!?」
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は作業に行き詰まった感のある『フィーア』の言葉にびっくりしていた。

 そんな彼女の背後から菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はなぞのオーラを放ちながら近づく。
「あれ? なんだか雰囲気暗いね?」
 優しい言葉。
 けれど、締切が差し迫っている『フィーア』にとっては逆効果であった。
「ううう、私なんて……締め切り守れないダメな子なんです!」
「だいじょぶだいじょぶ。ほら、サージェさんを見てみなよ。クノイチって名乗っているのにこんなに忍べてなくても全然気にしてないよ!」
「だって、それコスプレじゃ」
「突然のディス!」
 ざっくりサージェの胸に刺さる少女の何気ない一言。
「いや、忍べてますから! 今も存在感消してる感じですから!」
 そんな目立つクノイチが居てたまるか。
 クノイチ業界からのクレームだってあるんですよ! いやないとおもうけど。

「さ、だいじょうぶ。機体作るのはわたしも手伝うから。今度は何を作っているの?」
「うぅ……『幻影』機能のついた機体を作ろうと思っていて……」
 理緒の優しい言葉にほだされてしまう『フィーア』。
 弱っている時に優しい言葉を掛けられると弱いのである。あれ、ちょろいぞ、と理緒は思った。
「だいじょうぶだいじょうぶ。わたしが手取り足取り腰取り教えちゃうよ! 最高の機体を作ろうね」
「なんか雰囲気、どこかの歌劇団みたいになってません?」
 サージェは半眼で理緒を見やる。
 なんていうか欲望ただ漏れな気がする

「いや、理緒さん自分の機体はどうするんですか?」
「それは大丈夫。『希』ちゃんにデータから『熾盛』を作ってもらっているから!」
 それは投げやりというものではないだろうか。
 投げっぱというか。
 なる早でシクヨロですって言われているも同然な気がするのだが!
「……えぇ……」
「そんなことより『フィーア』さん、さあさあ、わたしと一緒に作ろうねぇ!」
 サージェは、そんな理緒の姿を見なかったことにした。
『フィーア』がこの後どんなふうになるのかは想像に難くない。強く生きて欲しいと願いつつ、サージェは他のメンバーたちの作業をお手伝いし始めるのだ。

「見なかったことにして! さて、他の皆さんは何でも言ってください! クノイチがんばります!」
 ん? 今なんでもって言った?
 ギラリとかがやく『五月雨模型店』のメンバーたち。
「いや、なんでもって言いましたけど、『プラクト』まわりのことだけですからね!?」
「なら模擬戦! 模擬戦! もーぎーせーん!!」
 殺到するメンバーたち。
 自分たちの作った機体の調整は勿論、試合に対する意気込みが感じられる。
「ふ、ならばかかってきて頂きましょうか! 私の『トラメ』ちゃんがお相手しますよ!!」
 謎の強者感を出しつつサージェは並み居る『五月雨模型店』メンバーの面々と模擬戦を開始する。
「『トラメ』ちゃんのネコパンチが炸裂しますよー!」

 おらぁ! とそんな風にサージェとメンバーが模擬戦を繰り返しているのを横目に『アイン』はいーなーって顔をしていた。
 彼女はまだプラスチックホビーを完成できていなかった。
 作業量自体が多いわけではない。
 ただ、悩み続けているだけだった。
「で、できましたー!」
「よくやったねぇ! えらいねぇ、ハグしてあげようね!」
 そんな彼女を横目に『フィーア』が理緒と共に『幻影』機能のついた機体を完成させる。理緒は『希』に投げっぱにしていた『熾盛』の機体を受け取ってホクホクしながら、『フィーア』とハグしあっていた。
 完成の喜びは何者にも代えがたい。
 しかしながら、理緒の顔はなんか別なことを考えているような気がしたが、気のせいである。
「それじゃ模擬戦いってみようか! 今日も『フィーアさん噛み噛みきっく』が炸裂するよ!」
「しししませんけど――!?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステルク】

よかったです。
これくらいの勢いなら、まだまだ有能美人メイドですからね。

いつもの絶叫のまま、扉をすぱーんしたら、
模型店のみなさまの情操教育に多大なるダメージを与えるでしょうから、
さすがに勇者として見過ごせません。

と、これは、模型で戦うんですね。
ちょっと楽しそうです。

そうなりますとわたしは……。
えっと、演奏で動かすのとかありませんか?

え?ある?ばいおりれ●しょん?
ピアノで動かすんですか!
それはわたしにぴったりですね。それにさせてもらいます!

操縦はマニューバ。
UC発生装置はもちろんコックピットのピアノです!

うふふふふ。
まさか演奏しながらゴーレムに乗れるなんて。
今回の準備もばっちりですね!


ステラ・タタリクス
【ステルク】
|エイル様《主人様》の! 香りはするようなしないような
まぁエイル様要素はあるのですが
きっとこの世界はエイル様のいた世界と鏡合わせなのでしょう
ガ○ダム本編に対するビ○ドシリーズ、みたいな
ゆえにエイル様はいないような気がしますメイドの勘

とはいえ
その青い機体を持ち出してきたからには私も無視するわけにはいきません
ええ、お姉さんが遊んであげます

さてプラクト機体ですね
セラフィムエイル機……はやりすぎな気がしますので
赤いセラフィムリッパーモデルにしますか
武装はUCで呼ぶからよしとして
コントロールはモーションで

それにしても
戦いに際しては心に平和を
エイル様の影響を受けていて
いい傾向ですね(微笑み)



「|『エイル』様《主人様》の!」
 響き渡るは、メイドの声。
 誰が呼んだか、有能美人メイドは仮の姿。
 世界をまたぐ猟兵メイドこと、ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)の声だった。
 彼女の声はいつだって三千里を貫く。
 いや、嘘であるし大げさであるが、たまに大げさじゃないんだよなぁってなる時があるのをルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は知っていた。
 けれど、できれば商店街の往来ではやめてほしいなぁって思っていた。

「……香りはするようなしないような」
 ステラは首を傾げている。
 なんか微妙な感じ。ふわふわしているような。なんとも形容しがたい感じがステラの中にあるのだ。
「言ってしまえば、幸せな夢を見ているような。そんな気持ちにさせられるのは何故なのでしょうか」
 プラスチックホビーを用いて競う、ホビー・スポーツ。
 それが『プラモーション・アクト』、通称『プラクト』である。
 そこには少年少女たちの青春があった。『アイン』たち『五月雨模型店』のメンバーたちは、今しかない煌めくような時間を過ごしているようにも思えたし、ステラには幸せな夢を見ているようにも思えただろう。
「まぁ『エイル』様要素はあるのですが」
「よかったです。このくらいの勢いなら、まだまだ有能武人メイドですからね」
 ルクスはホッとしていた。

 彼女のテンションがおかしいままに『五月雨模型店』に飛び込んだのならば、模型店の皆に迷惑がかかると思ったのだ。
 そうでなくても少年少女の年代を考えれば、彼らへの情操教育に多大なるダメージを与えるであろうし、色々捻じ曲げてしまうこと請け合いであった。
 メイドとはそういうもんである。
 人の人生を狂わせるあれそれなのである。魅惑のフリフリとホワイトブリムがいけないのえある。
「流石にそれは勇者として見過ごせませんからね」
「私がなにか?」
「いえ、有能美人メイドに見惚れる人が多いだろうなーって思っただけです」
 しれっとしている。
 ステラはそうですか、とあっさりしている。

 彼女にとって至上命題は『主人様』である。
 彼女の勘が告げている。
 此処には彼女の追い求めるものはないであろうと。けれど、どうにも落ち着かない。やはりふわふわしている。
「とは言え、あの青い機体を持ち出してきたからには私も無視するわけにはいきません」
 ステラの目が輝いている。
 ルクスはそれよりも先に『五月雨模型店』のショーケースに飾られた模型たちを見やる。常連客が飾っているものだけではなく、猟兵たちが度々訪れては飾っているものもある。
「『プラクト』って模型で戦うんですね。ちょっと楽しそうです」
 ルクスは模型の種類に驚く。
 これほどまでに豊かなバリエーションがあるとは思っていなかったのだ。

「ええ、私達が自身で作らねばなりません」
 ステラは自身の思い描く機体を作ろうとしてやめた。
『憂国学徒兵』シリーズの機体を手に取る。『熾煌』と呼ばれる機体よりさらにマイナーアップした機体『熾裂』。
 その機体を赤いモデルにチェンジしようと箱を手にとってお会計である。
 そんなステラを見やり、ルクスも倣う。
 とは言え、操縦方法というのがいまいちルクスには解らない。ゴーレムを動かすのとは勝手が違うのだろうか。

 そう思って店主にルクスは自分の要望を伝える。
「えっと、演奏で動かすのとかありませんか?」
「演奏……? それはつまり、『マニューバ』ということか?」
「ピアノが、わたし得意なんですが。こう、わかります? 鍵盤を叩く」
「なるほど。キーボードを操縦パネルに見立てる、ということか。ならば、これなんてどうだろうか」
 そう言って店主が持ち出してきたのは『マニューバ』用のキーボードだった。
 とあるアニメーション作品の中に出てくるキーボードで人型ロボットを動かすコクピットを再現したもの。
 これを組み込めば、と店主が教えてくれたのだ。

「それはわたしにぴったりですね! それにさせてもらいます!」
 ルクスは目をキラキラさせてパッケージを受け取る。
 ステラと共に作業スペースで作業を始めると『アイン』と呼ばれる少女がまだ機体を作り続けていた。
 まだ終わっていないようだったのを見やり、しかしステラたちも自分たちの機体を作り上げることに専念する。
「うーん、うーん……」
「煮詰まっているようですね」
 ステラは『アイン』の様子を見て笑む。
 なんだか母親になった気分だった。彼女たちの心の中にもきっと『戦いに際しては心に平和』という言葉があるのだろう。
 それは良い傾向だと思うのだ。

「いや、ステラさん、後方メイド面じゃなくなってますけど。それ、後方母親面ですよ?」
 それがなにか、とステラが眼鏡くいってしているのをルクスは見なかったことにする。
 そして、ステラは見落としていたのだ。
 自分の機体を作り上げることと、『アイン』の成長を見て微笑んでいた間に重要なことを見落としていた。

 それは、そう。
 ルクスが『演奏をして操縦する』ホビーを完成させていたことに、気が付かなかったし、止めなかったのである。
 つまり、試合中ずっとルクスの演奏が戦場に響き渡るということ――!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チェスカー・アーマライト
連携アドリブ歓迎
よう、久しぶり
なんか暫く見ねー内に人数が増えたみてーだな
賑やかで良いじゃねーか
(初見の子にビビられつつ飴配り)

王冠に続いて鉄球と来たか
……射出速度によるだろーが、ほぼ実弾と変わり無ぇんじゃねーのか? それ
まあ、対策しねー訳にもいかねーからな
一口に|プラスチック《合成樹脂》と言っても、用途別で色んな種類がある
銃火器に使われてるポリマーフレームとかな
前回使ったミニタイガーをベースに
自分の実銃のカスタムで使った余りの素材を外部装甲として貼り付けるぜ
腕部を付け足して、白兵戦用の鈍器も持たせる
最後に子どもらの手に持ってもらって重量チェックだ(割とズッシリ)
今回もよろしく頼むぜ



 久方ぶりだ、とチェスカー・アーマライト(〝錆鴉〟あるいは〝ブッ放し屋〟・f32456)は手元にある棒付きキャンディを弄びながら『五月雨模型店』の前に立っていた。
 外からでも繁盛していることがわかる。
 扉を押せばカラコロと呼び鈴がなる。
 店内の棚には多くの模型の箱が並べられているし、ショーケースを見やれば多くの常連客や猟兵たちが残していった作品が飾られている。
「よう、久しぶり」
 チェスカーが手を上げると作業スペースで作業をしていた『アイン』と目が合う。
「あー! ねーちゃんじゃん! ひさしぶりー!」
 駆け寄ってくる彼女にチェスカーは笑む。
 しかし、彼女の笑顔はちょっと怖い。
 元々悪人面であったけれど、笑うと余計に怖いともっぱらの噂であった。

「なんかしばらく見ねー内に人数が増えたみてーだな」
「うん! なんだかんだで勝ったらチームメイト増えちゃうんだよ。ねーちゃんも一緒に戦ってくれんだろ!?」
「賑やかでいいじゃねーか。ああ、そのつもりだよ」
 ほれ、とチェスカーが『アイン』に飴を手渡す。
 不意にチェスカーが視線を向ければ、所見の少年少女たちがビクっと肩を震わせる。どう考えてもカタギではない感じのチェスカーにビビり散らかしているのだろう。
 けれど、『アイン』は怖がることはないと笑う。
「だいじょーぶだって。チェスカーのねーちゃんは優しいんだぜ。飴だってくれる!」
「おい……それじゃあ、飴なければ優しくないみてーじゃねーか」
「あはは! そんなことねーってば!」
 なんてやり取りを見ていた少年少女たちは、少しおっかないびっくりチェスカーに近づいてくるのだ。

 そんな彼らにチェスカーは飴を配りながら考える。
 今回のダークリーガーたちの用いるプラスチックホビー。前回彼女が戦いに助っ人として助力した時、彼らが使っていたのは王冠――金属製の蓋を打ち出すプラスチックホビーだった。
「次は鉄球と来たか……射出速度によるだろーが、ほぼ実弾と変わり無ぇんじゃねーのか? それ……」
 どう考えてもホビーとしてはオーバースペックである。
 もっと言えば、そのホビーは未だ発売されていないし、未発表でもあるのだ。故に正式名称が存在していない。
「まあ、対策しねー訳にもいかねーからな……一口に|プラスチック《合成樹脂》と言っても、別用途で色んな種類がある」
 チェスカーは棚の前で考える。
 例えば、銃火器に使われているポリマーフレーム。
 それを前回作った『ミニタイガー』をベースに加えるのならば、敵の攻撃の要である鉄球の一撃に耐えうる装甲を有することもできるかもしれない。

 となれば、作業は速い方がいい。
 早速チェスカーは作業スペースに自分の実銃をカスタムした残りの素材を持ち込む。
「外部装甲として貼り付けるのはいいが……可動域を制限されるのはフルアーマーの宿命みたいなもんだな」
「なら、装甲を細かく張り合わせて関節駆動に干渉しないようにする、というのはどうだろうか」
 店主がチェスカーの背後から彼女がやろうとしていることを察したのか、そうアドバイスを告げる。
「確かにな。けど関節部に干渉しないようにするとどうしても強度が落ちるだろ」
「角度をつけてやれば良い。鉄球とは言え、物理だ。なら、正面から受け止めるより、多面体のように角度をつければ」
「受け流すってわけか。おもしれー、なら余ったもので腕部を追加して白兵戦用の鈍器も用意できるな」
 チェスカーはアドバイスを受けて、装甲に角度をつけていく。
 ポリマーフレームならば剛性は十分である。例え、鉄球の直撃弾を受けても持ちこたえることができるだろう。

「……とは言え、重量が心配っていえば心配だな」
「うっわ、重いッ! けっこーずっしりくる!」
「……だよな。けどまあ、レギュレーション的には?」
「だいじょーぶだって!『モーション』タイプで動かすのはしんどいけどさ、『マニューバ』タイプなら操縦するってことだから、重量関係ねーし!」
 なら安心だな、と『アイン』の言葉にチェスカーは頷く。
 ともあれ、準備は整った。
 あとはダークリーガーたちを迎え撃つのみ。チェスカーは新装備を施された『ミニタイガー』を軽く指で小突いて、さらに凶悪な笑みを浮かべる。
 当人にとっては、そんなつもりは一切なかっただろうけれど――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
よう、店長ッ!『インセクト・ボーガー』入荷してるッ!?…まだ?そっかぁ…。
「…前回の戦いからまだ数日しか経ってないんだから当たり前でしょう。」

何かいいプラモはねえかなっと。
ん?なんかでかい列車のプラモがあるな。
『憂国学徒兵シリーズ、八咫神国に突っ込む暴走貨物列車』だとよ、相棒。
「先程、アインさん達が見てたテレビでやってたやつですね。…こんなプラモもあるんですか。」
せっかくだから今回はこいつを使うかッ!

店長にも手伝ってもらって細部まで作り込んでやるぜ。
完成したらマニューバ操作だ。
…電◯でGoみたいだな。
まあいい、このモンスタートレインで大暴れだぜッ!


【アドリブ歓迎】



『よう、店長ッ!『インセクト・ボーガー』入荷してるッ!?』
 神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は『五月雨模型店』に入店直後、開口一番で店主に詰め寄るようにして新商品プラスチックホビーが入荷しているのかを問い掛ける。
 そう、彼は楽しみにしていた。
 前回のダークリーガーとの戦いにおいて彼らが使っていた未発売のプラスチックホビー『インセクト・ボーガー』。
 敵が使っていたホビーながら、その可能性に凶津は心打たれていたのだ。
 だが、そんな彼の期待とは裏腹に『五月雨模型店』の店長の言葉は無情であった。
「……まだ入荷はしていない」
『……そっかぁ……』
 凶津はヒーローマスクである。
 鬼面である。
 だがしかし、肩を落としたような雰囲気が出てしまっているのは、余程『インセクト・ボーガー』の発売を心待ちにしていたのだろう。
 
 それが相棒の巫女、桜にも伝わってくる。
「……前回の戦いからまだ数日しか経ってないんだから当たり前でしょう」
『そりゃそうだけどさ……』
 確かに桜の言葉も尤もである。
 とは言え、妙と言えば妙だ。あれだけ『プラクト』で派手に戦ったのだ、問屋などに問い合わせが殺到しているはず。
 あの時ほど商品を世に出す絶好の機会もなかったはずなのだ。
『まあ、気を取り直していくとするぜッ!『インセクト・ボーガー』で戦えないのは残念っていえば残念だけどな!』
 凶津は今回の戦いで使用する機体を作りだすために棚を物色する。
 相棒の桜は手持ち無沙汰であるが、店長がお茶を出してくれたので、のんびり待つ構えであった。

『ふんふん、なんかいいプラモはねえかなっと……ん? なんだこれ』
 凶津の鬼面がふよふよと『五月雨模型店』の店内の棚を物色するように浮かんでいると、棚の高い位置に置かれている横長の……それこそ通常のプラモデルの箱からすれば大きなパッケージを見つける。
 ロゴは『憂国学徒兵』シリーズ。
『んん? なんだこれ。列車なのにロボット物のロゴ?』
「あ、それなー!」
 凶津の下に『アイン』がいつのまにかやってきていて、凶津の疑問に応える。
「シリーズで場面再現するためのキットなんだよ。あのワンシーンを再現! みたいなやつ」
『ああ、なるほどな。そういやつか!』
「先程『アイン』さんたちが見てたテレビでやってたやつですね……こんなプラモもあるんですか」
 桜も寄ってきて棚からプラモデルの箱を取る。
 列車のプラモデルだけあって、横長いパッケージだ。

『ふむ……なら、せっかくだから今回はこいつを使うかッ!』
「えええ!?」
『アイン』が驚愕する。
 それもそうだろう。列車である。どう考えたって『プラクト』には向かない造形をしている。ギミックだってない。
 ただ走るだけ、というのならば『ハチ四駆』など自在に動き回れるホビーのほうがよいのではないかと思うのだ。 
 だが、凶津は頭を振る。
『違うぜ、アインよ。こういうのはよッ、いつだって情熱の方が先行するもんだ。いつだって情熱に勝る原動力なんてねーんだぜッ!』
「……自分が作りたいだけでしょう」
『それもそうだけどなッ!』

 その様子に『アイン』はなにか感じ入るようだった。
 効率だとか戦法だとか、そんなことを超越した所にプラスチックホビーの楽しさがあるというのならば、それは正しいことだっただろう。
 だからこそ、彼女はどこか吹っ切れたように自分の作業に戻るのを桜は微笑ましく思った。
 妹が自分にいるのならば、きっとこんな感じだっただろうと。
 そして、凶津はすぐさま『暴走貨物列車』の作成に取り掛かる。
『やっぱり操作はマニューバになるか! 某ゲームみたいになるな! とは言え、細部まで作り込めばよッ!』
 凶津の言葉通りだった。
 店長に手伝ってもらいながら、桜も見守る。
 彼女に出来ることは多くはなかったけれど、寝食を忘れて没頭する楽しさというのは必ず存在するのだ。

『出来たぜッ! この『モンスタートレイン』で大暴れしたらぁッ!!』
 凶津の鬼面が揺れ、その目の前には完成した『モンスタートレイン』が、その車両を輝かせながら、その勇姿を誇るように座すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
…この店道場破り多くない?
どっかの雑誌におススメ道場破り店とかで紹介されてるんじゃない??
いや、でもプラモが壊れたら新しいプラモが売れるからお店的には嬉しいのか…

早く仕上げないといけない時にはこれ
手早く組めるSD戦士!
慣れてしまえば組み上がるのに1時間もかからない優れもの!

物足りないと思ったそこのあなた!
お前…SD戦士に向いてるな…
そう、SDと言えば大雑把な色分けに少ない稼働
稼働は移植したらそこそこ動くけど、地獄な…もとい、楽しいのが塗装!
説明書とモールドと睨めっこしながら只管小さく切ったマステを貼る!
更に細かい部分はマスキングゾルをちょんちょんと置いていって色分け塗装!
…時間足りないな!



『プラモーション・アクト』、通称『プラクト』はその競技性故にチームメイトの数が多くなりがちである。
 だからこそ、ダークリーガーはチームを打ち破り、己の配下として『ダーク化』させるのだ。ダーク化アスリートたちは即ち、チームの力。
 チームメンバーの上限のない『プラクト』において、数こそが力。
 ならばこそ、ダークリーガーが手っ取り早く勢力を伸ばそうとすれば、即ち、これまで幾度となくダークリーガーたちを退け、メンバー数を増やしてきた『五月雨模型店』を狙うのは定石にして必定であったのだ。
「……とは言えさぁ……この店、道場破り多くない? どっかの雑誌におススメ道場破り店とかで紹介されてるんじゃない?」
 そうとしか思えないと月夜・玲(頂の探究者・f01605)は首を傾げていた。

 あまりにも集中的に『五月雨模型店』がダークリーガーの襲来にさらされ過ぎだろうと思ったのだ。
 そのうち、世界の命運を掛けた戦いがプラスチックホビーで行われそうな気がする。
 いや、絶対プラスチックホビーで世界を征服しようとう悪の科学者とか企業とかが出てきたっておかしくはない。
「いや、でもプラモが壊れたら新しいプラモが売れるからお店的には嬉しいのか……」
「そうでもない。一生懸命作った作品が壊れてしょげる子供らを見るのは心苦しい……せっかくのホビーなんだからな」
『五月雨模型店』の店主が頷く。
 それもそうかもしれない。
 けれど、競技性をかけ合わせた『プラクト』であれば自分のプラスチックホビーが壊れることはある意味当然だった。

 そこから如何にして学ぶかが少年少女たちだけが知り得るものであったことだろう。
「ま、そうやって作っては壊してを繰り返して成長していくんだろうね。とりま、時間がないってのは認めるけど!」
 玲は店内を物色する。
『五月雨模型店』が充実した商品ラインナップを示しているのは言うまでもない。
 ないものはないのではないかと思うほどに多くのジャンルの模型が取り揃えられている。ロボットは無論、カーモデルにミリタリーモデル、美少女プラモデルはもう当然のように。
 そして列車やクリーチャー。
 もう、言えば何処からかガサゴソやって店主が出してくるのではと思うほどだった。

「うん、早く仕上げないといけない時にはこれ。手早く組めるSD戦士!」
 ぴっかーんと謎のサウンドエフェクトが響き渡る。 
 え、なに撮影してるの?
「慣れてしまえば組み上がるのに一時間もかからない優れもの!」
 玲はカメラの前で手早く組み上げていく。
 本当に速い。
 そう、昨今のSD商品はニッパーなどの工具がなくてもパーツを手でもぎる事ができるのだ。
 簡単に外れるパーツを並べ、玲はあっという間に『憂国学徒兵』シリーズの『SDスカルモルド』を作り上げてしまった。
「ほらね! 簡単でしょう? でも、ちょっと物足りないと思ったそこのあなた!」
 にこり、と玲が微笑む。顔が良い。

「お前……SD戦士に向いてるな……」
 何その素養を見抜くかのような眼力。
「そう、SDと言えば大雑把な色分けに少ない稼働。稼働は移植したらそこそこ動くけど、地獄な……もとい、楽しいのが塗装!」
 確かに。
 玲の手元に組み上げられた『SDスカルモルド』は三色のプラで形成されている。
 後はシールで再現というところなのだろうが、それはそれで格好いい。
「でも、手を加えたいって時あるよね!」
 テレレッテッテレー!
 玲の手にあるのはマスキングテープとマスキンゾル。
 マスキングテープは言わずと知れた低粘着テープ。マスキンゾルはどろっとしたゲル状の塗料のようなもの。これは乾くと膜を貼ってマスキングテープと同様の効果を齎してくれる。
 利点は、マスキングテープでは届かない奥まった場所や曲線をマスキングすることができるのだ。

「さあ説明書とモールドをにらめっこしながら只管に! そう、只管に小さく切ったマステを貼る! マステを起点にして流し込んだマスキンゾルを塗って乾かせばマスキング完了!」
 あとは! と玲さんが手にしたのはエアブラシ。
 空気圧で塗料をニードルから細かい粒子にして吹き付ける大人の工具。
「今なら『五月雨模型店』で買い物すると作業スペース使用料金が1時間は無料!」
 宣伝もしっかり忘れない。
「さあ、キミも『レッツ・アクト』! ――ってこんな感じでいい?」

「ああ、『プラクト』布教用の動画撮影ご苦労さま。お代は……」
「このレアモノでいいよ!」
 大人のやり取りがそこで発生していたことを画面外の良い子は知らないだろう。
 けれど、こうした大人が子供らの遊び場という環境を整えることもまた必要なことなのだ。
 気兼ねなく遊べるように。
 そんな大人たちの次代を育てるための心があるからこそ、引き継がれていくものもあるのだ……。
「って、時間足りないな! やっべ!」
 玲さんは動画撮影に時間を掛けすぎて、自分の機体を用意する時間がカツカツになっていることに気が付き、大慌てで作業を推し進めるしかないのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

そろそろプラモ勝負で戦争する異世界転移イベントとか天変地異を起こす超プラモ登場とかあったー?
まだ?んもーちゃんとしなよー

●うにょうにょ
何だいまだ新作できてないのー?
あったよ!思念感応自動塑造金属粒子混入プラ粘土!
人の意志を吸い込み、自ら形を為すそれはあたかも魂を吸われるような感覚をもたらし、あるいは反響増幅するように人の感情を膨れ上がらせその力を暴走させるという…設定だと面白くないかな?

バラバラXスリム!(前回増量した分を含めて装甲を提供したから)と練習しよう!
そう軽量化して高速化は安直かつお手軽な味変プレイができるんだよ!
いっけー!ハイスピバラバラアターーック!!



 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は『プラクト』というアスリートアースにおけるホビー・スポーツの今後を憂う。
 確かに『プラクト』は楽しい競技であったことだろう。
 自分の作ったプラスチックホビーで戦う。
 それは憧れでもあった。空想の中だけの競技でもあった。
 けれど、アスリートアースでは、それが実現できている。実現出来たということは、即ち空想の中で起こったことも起こり得るということだ。

 何を懸念しているかというと。
「そろそろプラモ勝負で戦争する異世界転移イベントとか天変地異を起こす超プラモ登場とかあったー?」
 ないです。
 まだないです。
 というか、それはそれですごいことである。案外起こりそうだな、と思わないでもないが、それは空想の中だけ……いや、すでにアスリートアース自体が空想を具現化したかのような超人スポーツにあふれているのだ。
 ロニの言う所の天変地異とか戦争とかはないにせよ、悪の科学者がホビー・スポーツで世界征服しようとしたり、世界を裏から牛耳るためにホビーを利用したりとか、そんなことをあるそうな気配ある。

「まだ? んもーちゃんとしなよー」
「何いってんだ?」
『アイン』は作業スペースでうにゅうにょしているロニに怪訝な顔をしている。
 彼女の機体はまだ出来上がっていなかった。
「なんだい、まだ新作出来てないのー?」
「やってんだってば、まだ! 煮詰まってるだけだっての!」
『アイン』はロニの言葉に邪魔すんなよ! とばっかりにイライラしている。
 思うように行かぬ焦燥が彼女の心を占めているのだ。

 そんな彼女の焦燥を受けて、ロニの手元にあった思念感応自動塑造金属粒子混入プラ粘土が蠢く。長いな名前。
「……」
 焦燥。
 苛立ち。
 そうした感情をプラ粘土は受け止めてカタチにしていく。いや、カタチにすらならない。もだもだとした何ともわからないカタチに変わっていくだけだった。
「人の意思を吸い込み、自らカタチを為すそれはあたかも魂を吸われるような感覚を齎し、あるいは反響増幅するように人の感情を膨れ上がらせ、その力を暴走させるという……」
 そういう設定だと面白くない? とロニは笑う。
 笑うことしかできない。
 其れ以上のことは彼にはできなかった。

『アイン』が持つ焦燥も。
 うまく行かぬことへの苛立ちも。
 全てが彼女だけのものだ。そして、それを如何に昇華するのかも彼女だけのもの。
 ロニは自分の機体を撫でる。
「いいんだよ。面白いなって思うだけで。別に、こうしなきゃとか、こうでないと、なんてことは何一つないんだから。キミは責任感みたいなのを今感じてるんだろうね。『エース』アスリートとして。でもさ、そんなことは」
 あんまり関係ないことなんだと、ロニは言う。
「さっき語った設定みたいにさ。とんちんかんで奇想天外でいいんだよ。それくらいの自由だって『プラクト』は受け止めてくれるはずさ」
 だから、とロニは自分の機体を見せる。

「なんか前回よりスリムになっとる!」
「そうさ、軽量化して高速化は安直かつお手軽な味変プレイ!」
「そんなんでいいのか!?」
「そんなのだからいいんだよ! ほら、キミもさ!」
 これくらいの気軽さで『遊べ』ばいいのさ、とロニは『アイン』の手を引っ張っていく。彼女の手には未完の機体。
 けれど、それが一番可能性に満ちたカタチであると示すようにロニは模擬戦に誘うのだ。
「迷いなんてのは、突風でぶっとばせばいいのさ。さあ、やるよ! いっけー! ハイスピバラバラアタラインック!!」

 そんな暴風みたいなやりとりに『アイン』は苦笑いするしかなかった。
 けれど、迷いは消えたようだった。
 それをロニは見やり、満足気に笑いながら『楽しい』という思いだけで『プラクト』を『遊べ』ばいいんだと改めて伝えるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『洗脳サッカー選手』

POW   :    ツンドラベア・シュート
自身の【体温】を代償に【ひとりでに動く全身が氷で出来た巨大熊】を創造する。[ひとりでに動く全身が氷で出来た巨大熊]の効果や威力は、代償により自身が負うリスクに比例する。
SPD   :    破天荒ドリブル
自身に【破壊の嵐】をまとい、高速移動と【破壊エネルギー】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    鳥籠のとりこ
敵より【多くの人数で包囲している】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。

イラスト:yata

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 試合当日、『五月雨模型店』の前に現れたのはダークリーガー『デスストライカー』、『フュンフ』の率いるダーク化アスリートたちだった。
 彼らの異様なる雰囲気に『五月雨模型店』のメンバーたちは飲まれそうになっていた。
 けれど、『アイン』たち四人が前に立ち塞がる。
「覚悟はできているだろうな。この戦いに俺達が勝てば、お前たちは俺の下についてもらう。俺達『株式会社サスナーEG』に!」
 彼らの背後にあるのは、『五月雨模型店』の斜向かいにある商店街に建てるもんじゃないだろうというくらいに高いビル。

 そう、其処こそが彼らを送り込んだ巨大企業『株式会社サスナーEG』!
「俺達が求めるのは『プラクト』による世界掌握! 全てのプラスチックホビー製品は『株式会社サスナーEG』の傘下に収められる。俺達の『鉄球バスター』を止められるか!」
『フュンフ』の言葉に『アイン』はたじろぐことなく耳を指でほじって、ガラの悪い……それこそ、猟兵の誰かに影響されたであろう悪い笑顔を浮かべる。
「知るかよ。バカか、プラスチックホビーで世界征服とか! 私たちは『プラクト』で遊んでんだよ」
「ええ、その遊び場を土足で踏みにじって弄ぼうというのなら」
「俺達がそれを止めるというものだ。俺達は確かに子供だが、いつまでも幸せな夢を見続けるだけではいけないのだ」
「そ、そそそうです。『プラクト』はみんなの自由な遊びなんです! だから!」

 少年少女たちは自分たちの作り上げた理想のホビーをフィールドに投入する。
「それを邪魔するってんなら、サスナーだかバンブークだか、シーヴァだかしらねーが! ぶっ飛ばすだけだ!」
『アイン』たちが息を吸い込む。
 お決まりの言葉。
 きっとそう言うだろうと猟兵たちも理解しただろう。

 戦いが始まる。
 ダーク化アスリートたちが手繰る『鉄球バスター』。
 彼らのホビーは鉄球を蹴り込むホビー。その威力は尋常ではなく、当たればひとたまりもないだろう。
 だが、彼らに打ち勝てねば『プラクト』の未来はダークリーガーの背後にある世界掌握を望む『株式会社サスナーEG』の手の内に落ちてしまう。

「やろうぜ、『レッツ・アクト』!!」
 少年少女たちは戦う。
 懸命に。
 故に猟兵たちも彼らの心に従うように自らのホビーを鉄球飛び交うフィールドに投入するのだった――。
神代・凶津
先手必勝ッ!暴走貨物列車の爆走アタックで先制攻撃だッ!
レッツアクトオオォォォッ!!!

敵共がボールを蹴る前に超スピードで突撃を敢行、プラモを砕いていくぜ。原作再現ってやつだなッ!
敵が破壊の嵐を纏った必殺シュートを仕掛けてくるタイミングを見切ってドリフト回避ッ!
そのままドリフトによってぶん回される後部車両でなぎ払ってやるぜッ!

勢いは止まらねぇッ!
後部車両の連結を切り離して、相棒ッ!
「…式、召喚【取り憑き分福狸】。」
複数の車両を狸にして使役だ。
敵プラモに体当たりを仕掛けてやれッ!

原作と違って俺の暴走貨物列車は止まらねぇぜッ!


【技能・操縦、見切り、なぎ払い、式神使い】
【アドリブ歓迎】



『プラクト』フィールドたる戦場に降り立つダークリーガー『デスストライカー』、『フュンフ』の率いるダーク化アスリート『洗脳サッカー選手』たちのプラスチックホビー。
 その名は『鉄球バスター』。
 未だ発表さえされていないプラスチックホビーは『株式会社サスナーEG』によって作り出された商品である。
 その真髄は鉄球をロボットホビーが蹴り出す所にある。
 言ってしまえば『プラクト』で扱うことを前提とした仕様であるとも言えるだろう。
「ただ鉄球を打ち出すだけのホビーだと思うなよ! ゆくぞ! 破天荒ドリブル!!」
 彼らのホビーが『モーション』タイプの操縦でもってフィールドを駆け抜ける。
 脚部に備えられた鉄球をボールに見立て、一気に距離を詰めてくるのだ。

 だが。
 そう、だが、である。
 猟兵たちは、さらにその上を征く。
 鉄球が打ち出されれば、嘗て『王冠シューター』と戦ったときのように金属ゆえの強烈な瑠一撃でプラスチック装甲は簡単に打ち砕かれてしまう。
 けれど、鉄球を打ち出す前ならば?
『そういうことだッ! 先手必勝ッ!『レッツ・アクト』オオォォォッ!!!』
 それは神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)声であり、また同時に相棒である桜の耳をキーンってさせるほどの咆哮でもあったのだ。

「……うるさい」
『相棒! こういう時は叫ぶのが礼儀ってもんだぜッ! 店長だってそう言ってたぜッ!』
「そういうもんだいじゃありません」
 まだ耳がキンキンしながらも桜は抗議する。
 けれど、それさえも置き去りにするように凶津が手繰る暴走貨物列車こと『モンスタートレイン』は一気にフィールドを駆け抜ける。
 敵がこちらを認識した瞬間にドリブルの勢いを付けて鉄球シュートを放とうとするだろう。
 けれど、それよりも早く『モンスタートレインは猛スピードで彼等の『鉄球バスター』へと突っ込むのだ。
「な、な、なにー!?」
 彼等の驚愕も当然であった。
『プラクト』は確かにどんなプラスチックホビーでも受け入れられる器があり、間口が存在している。

 けれど、彼等にとって驚愕だったのは、まさかの電車。
 誰も想像しようはずもないチョイス。
 それを凶津は敢えて選び、『モンスタートレイン』として突進させてきているのだ。
『これが原作再現ってヤツだなッ!』
『アイン』たちが見ていた『憂国学徒兵』シリーズのアニメ。
 そのワンシーンをいかんなく発揮しているのだ。ただし、原作とは異なる部分がある。それは原作ではロボットが暴走貨物列車を受け止めて、止めきっていた。
 けれど、凶津の手繰る『モンスタートレイン』は止まらないのである。
 鉄球シュートを放つよりも早く突っ込む突進によって『洗脳サッカー選手』たちのプラスチックホビーはあえなく宙を舞うように轢き潰されてしまうのだ。

「ば、ばかな! 電車に跳ねられて終わりだなんて!」
「だ、だが直線しか進めないのなら、その土手っ腹にシュート!!」
 体制を整えた『洗脳サッカー選手』たちが一気に己たちのユーベルコードを込めた鉄球シュートを解き放とうとする。
 だが、それより早く『モンスタートレイン』がドリフト走行を決めるように、その大蛇の如き車体を唸らせ『鉄球バスター』を容赦なくぶっ飛ばすのだ。
『やらせるものかよ! 勢いは止まらねぇぜッ! 相棒ッ!』
「……式、召喚。式神【取り憑き分福狸】(シキガミ・トリツキブンブクタヌキ)」
 桜の瞳がユーベルコードに煌めく。
 無機物たる『モンスタートレイン』の後部車両にたぬきの式神を憑依させ、その車両にたぬきの頭と尻尾、そして前脚と後ろ足を生やし、まるで化けるのに失敗したかのような狸たちを解き放つのだ。

「……え、えー!? たぬき!? なんでたぬき!?」
「たぬきじゃありません。分福狸です」
 桜の言葉と共に車両が変じた狸たちが一斉に『鉄球バスター』たちに襲いかかる。
『ハッハー! 原作と違って俺の暴走貨物列車は止まらねぇぜッ!』
 凶津の笑い声と桜の使役する分福狸たちは戦場に置いて鉄球をシュートする暇さえ与えず暴れまわり、『洗脳サッカー選手』たちを混乱させ続けるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
引き続き『疾き者』にて

はい、というわけでー。霹靂に乗っての操作ですねー。
ええ、霹靂の担当部分も鎧が…。

当たらねばいいのですがー。まあそこの回避は霹靂に任せましてー。…たまに反撃で蹴ってますね?
私は攻撃部分担当ですねー。この前のUC発射装置はそのままですしー。
氷の巨大熊は…熊だからこそ、真正面に。そして、鼻にむかって漆黒風(プラクト用)投げます。
ま、万一のときには鉄球に向かってUCつきで投げればよいでしょうしねー。


霹靂、今回も騎馬部分のモーション。クエクエ♪
たまに転がった鉄球蹴るアクション。
陰海月、ポンポン持って応援!今度こその自信作!



『戦国大将軍』はメカ騎馬に乗り、威風堂々たる佇まいで戦場たる『プラクト』フィールドを見下ろす。
 その睥睨するメカアイセンサーの輝きは、まるで稲妻のようにきらめいていた。
 何故か、サッカーフィールドのはずなのに、切り立った崖上から見下ろしているビジュアルになっているのは如何なることだろうか。
 少なくともダーク化アスリートである『洗脳サッカー選手』たちは戸惑いとともに『戦国大将軍』を見上げるほかなかった。
「ええい、どれだけ大きく見えるのだとしても! いくぞ! ツンドラベア・シュート!!」
『洗脳サッカー選手』が解き放つユーベルコード。
 それは彼等が操るプラスチックホビー『鉄球バスター』に内蔵されたユーベルコード発生装置を受けて、強烈にかがやく。
 蹴り込む鉄球はただの鉄球ではない。

 そう、それはユーベルコードを込められた一撃。
 蹴り込む瞬間に背後に輝いたオーラの如き巨大な氷の熊は幻影でもなんでもなかった。鉄球を核として走る氷の熊『ツンドラベア』なのである。
「どんなプラスチックホビーだろうと、『ツンドラベア』の力の前には!!」
 戦場を疾駆する氷の熊。
 それを見やり、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は、うーんと考える。
 いや、わからないでもない。
 確かにユーベルコードを発生させる装置があり、それを受けて放たれる鉄球はユーベルコードの力を持つ。

 けど、もはやサッカー関係ないし『プラクト』も然りである。
 このガバガバ具合がアスリートアースらしさと言えば、それまでであるのだが。
「とは言え、当たらねばよいのですがー『霹靂』、頼みましたよ」
「クエクエ♪」
 その言葉にメカ騎馬の操縦を担当する『霹靂』が楽しそうに鳴く。
 今回も『陰海月』が作り上げた力作を手繰り遊ぶことができる。確かにダークリーガーとの闘いであるのだが、『プラクト』を介している以上、遊びの延長線でしかないのだ。
『陰海月』もまたポンポンを持って応援している。
 楽しい、ということが原動力になるのならば、彼等は今、無敵なのだ。
 ひらりとメカ騎馬が鉄球を核とした『ツンドラベア』の突進を躱す。

 鉄球の勢いが『ツンドラベア』の氷の身体を維持しているのか、勢いが削がれた瞬間、その氷の躯体が解けて落ちる。
 その勢いの無くなった鉄球を『霹靂』はひと鳴きして蹴り返すのだ。
「クエ♪」
「あー……なるほど。勢いのある最初だけ、というものですか。ならば、攻略法は見つかったも同様ですねー」
『戦国大将軍』を操る『疾き者』は得心がいった顔をする。
 あの『ツンドラベア』が勢いに依存しているというのならば、勢いを削げば良いのだ。

「ならば、こういたしましょうね」
 戦国大将軍』のアイセンサーがユーベルコードにかがやく。
 握り込んだマニュピレーターに存在するのは『プラクト』用の武装である棒手裏剣。
 それを騎馬の上から投げ放ち、迫る『ツンドラベア』たちの勢いを殺していくのだ。
 そうなれば、『霹靂』の操るメカ騎馬の脚部が鉄球を蹴り返し、さらに『鉄球バスター』の本体を逆に撃ち抜くのだ。

「四悪霊・風(シアクリョウガヒトリ・トノムラヨシツナ)……命中した箇所を破壊する私のユーベルコードであれば、勢いを削ぎ落とすことなど造作もないのでしてー」
「こ、こんな弱点があったなんて……!」
「弱点は克服すればいいのでしてー。それが競技というものでしょう。生命のやりとりではない。健全なる遊び。ならば、次なる機会にこそ欠点を克服すればよいのでしてー」
 その機会はいつだってこのアスリートアースには存在しているのだ。
 それを示すようにメカ騎馬と共に『戦国大将軍』がフィールドを駆け抜ける。
 迫る『ツンドラベア』の氷の駆体を打ち抜き、核たる鉄球を蹴り返し、戦場をかき乱していく。

 敵のプラスチックホビーは確かに『プラクト』に使用する前提で作られている。
 けれど、この『プラクト』が自身で作っって自身で操る以上、逃れ得ぬ宿命がある。そう、結局の所、技術や戦術を上回るのは。
「いつだって情熱だということ。情熱はいつだって楽しいという思いにこそ宿るものでしてー」
『陰海月』がそうだったように。
『霹靂』が今も楽しげであるように。
 そんな風にしてこの世界の、『プラクト』は円熟を迎えるのだと『疾き者』は『戦国大将軍』と共に駆け抜けるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蹴球選手・サッカーボール
ボク、仮初の肉体を得てからの時間よりも|ボール《器物》姿で居た時間の方がずぅーっと長いから人間型よりもこっちのが慣れてるんだよねっ!

本体に降霊して一体化!モーションリンクオン!
ダッシュと軽技で相手選手をかわして、スライディング(?)や|ヘディング《頭突き》(?)で鉄球を操る!

そして、本体とプラッカーボールが完全にリンクしてる今ならこのUCも使える!
いっけぇー!錬製カミヤドリッ!!
鉄球をパス回ししてシュートだぁっ!!

勝っても負けても、試合が終わったら全員友達だよね!ダーク化があとで解かれたら、是非ともボクを使って遊んでほしいなぁ……♪(想像してうっとり)



『プラクト』フィールドにシュートの嵐が吹き荒れる。
 それはダーク化アスリートである『洗脳サッカー選手』たちが巻き起こすユーベルコードによる破天荒ドリブルが上げる竜巻のごとき旋風であった。
 猟兵たちの操るプラスチックホビーの勢いは確かに凄まじい。
 けれど、これは『プラクト』なのだ。
 チームメンバーの上限は存在しない。
 メンバーが居る限り、このバトルロワイヤルの如き競技は勝敗を決することはないのだ。
「敵がどれだけ強かろうが! この破壊の嵐の前では!」
「うなれ、必殺鉄球シュート!!」
 放たれる『鉄球バスター』からの一撃は明らかに強烈だった。
 
 鉄球を蹴り込むプラスチックホビー。
 どう考えてもプラスチックホビーとしての性能を逸脱している。明らかに『プラクト』用に作られたとしか思えない性能だった。
 だが、しかし。
 そんな彼等の攻勢を前に跳ねるように球体が飛ぶ。
 いや、違う。『サッカーボール』ならぬ『プラッカーボール』!
「ボールは友達! そしてボクはボール! なら君たちももう友達だよね!」
 蹴球選手・サッカーボール(ヤドリガミ代表選手・f39578)の操るプラスチック製のボールが『プラクト』フィールドを駆け抜ける。
 一体全体どのような理屈で、それが動いているのか誰も理解できなかっただろう。
「『マニューバ』?! いや、それにしても動きが……」
「まるで本物のボールじゃないか!」
『洗脳サッカー選手』たちは困惑していた。

 いや、それは『五月雨模型店』のメンバーたちも同様だった。
「え、えぇ……どうなってんのあれ」
「いや、あれでいいんだよ! あれがアイツのスタイルなんだよ!」
『アイン』は一度彼女を蹴っている。
 なんか語弊はあるのだけど、事実である。そう、彼女はヤドリガミ。器物として、サッカーボールそのものに魂宿りし者。
 故に彼女は『プラッカーボール』をまさにボールそのものとして動かすことが出来るのだ。
「モーションリンク良好! さあ、いくよ! 錬成カミヤドリ!!」
 彼女が操る『プラッカーボール』がユーベルコードに煌めく。
 それは自分の本体を複製する力。

 即ち、この場合においては『プラッカーボール』それ自体が百を越える数に複製され、全てが念力でもってバラバラに操作されるのだ。
「どういうことだ!? ぼ、ボールが増えた!?」
『洗脳サッカー選手』たちは動揺する。
 それもそうだろう。
 いきなり敵であるボールが増えたのだ。どれが本物かなどわからなくなってしまうし、そして何よりも、動揺のままに放たれた鉄球をサッカーボールがまるでサッカーボールを操るようにスライディングして奪ったり、ヘディングしたりして奪い取るのだ。

「マジでどういうことなんだ!?」
「わ、悪い夢を見ているようだ……!」
「へっ、そうかよ。行くぜ、サッカーボール! 私達の」
「ボクたちの必殺シュートを見せてやろう!」
 サッカーボールの言葉に『アイン』の機体が反応する。白い機体が空をとぶようにして飛び上がる。
 その姿は空中で一回転するオーバーヘッドキック。
 脚部が捉えた『プラッカーボール』が一気に回転を加速を持って戦場を駆け抜ける。
 さらに複製された『プラッカーボール』が捉えた鉄球さえも巻き込んで跳弾するように『洗脳サッカー選手』たちが操る『鉄球バスター』たちを撃ち抜いていくのだ。

「勝っても負けても、試合が終わったら全員友達だよね!」
 サッカーボールは笑う。
 そう、試合中は敵同士かもしれない。
 けれど、試合が終わったのならば、互いを称え合うのがスポーツマンシップというものだ。
 ならばこそ、サッカーボールは願う。
「ダーク化が解かれたら、ぜひともボクを使って遊んでほしいなぁ……♪」
「本音がただ漏れなんだが!?」
「え~だって、ボク、サッカーボールなんだもん。蹴ってもらうのが一番嬉しいんだ!」
 それはそうかもだけど、友達を蹴飛ばすのなんか気が引けるなぁ、と『アイン』はちょっと引いていた。

 けれど、まだ戦いは終わっていない。
 サッカーボールは、己の器物としての身体を跳ねさせ、さらに戦場を複製した『プラッカーボール』と共に跳ね回り『洗脳サッカー選手』たちの機体を打ちのめすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニィナ・アンエノン
プラクトによる世界掌握を企む悪の巨大企業に、その野望を打ち砕かんとする熱血少年少女達……燃える展開になってきたね☆
悪の科学者も面白そうだけど、にぃなちゃんはやっぱり正義の味方が好みかな!
そんな訳で、正々堂々とレッツ・アクト!
視聴者の皆にもおなじみの水着姿で参戦だぞ☆

さて、SDの子を走らせるコツも掴んだしがんがん行っちゃうぞ!
小刻みにちょこまかするといい感じ☆
巨大熊にもソニックストーム君は怯まない!
熊の首をキックして、脚で挟んでそのまま倒しちゃえ!
ある意味小さな球を追っかけるより止めやすいかもだね☆
相手の鉄球を胸でトラップしたら逆に蹴り返してやっつけちゃおう。
必殺シュートはボスに取っとこっと☆



 ホビーで世界征服を狙う大人。
 それは玩具アニメなどにおいては定番の存在であったことだろう。
 まるで空想の中から飛び出したかのような存在。それが『株式会社サスナーEG』であった。彼等はプラスチックホビーによって世界掌握を狙う。
 ダークリーガーは、まさに『株式会社サスナーEG』から投入されているのだ。
「『プラクト』による世界掌握を企む悪の巨大企業に、その野望を打ち砕かんとする熱血少年少女たち……」
 ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)は震えていた。
 恐ろしさに震えていたわけではない。
 この展開が彼女の胸を高鳴らせる。
 カメラが彼女の胸元をパンしていたのは、まあなんていうか、そういうお約束であったからである。

『プラクト』の試合はネット中継されている。
 商店街の巨大モニターに映し出されてもいるが、それ以上に世界中の何処からでもアクセスできるネットワークの力というのは大きい。
 それ故に企業はスポンサーとなり、またプロモーションとして『プラクト』アスリートに注目を集めるのだ。
 その一人であるニィナはお約束でお馴染みの水着姿で、その見事な健康美をカメラの前に向ける。
「……燃える展開になってきたね☆」
 ニィナの『ソニックストーム』が戦場たるフィールドに降り立つ。
 SD体型の三等身。
 どう考えても『プラクト』には向いていないような気がする。『マニューバ』であれば対応できるだろうが、ニィナの選んだ操縦タイプは『マニューバ』であった。

「いいか、ニィナお姉さん! SD体型のホビーを操る時は、自分の手足の関節を意識してはダメだ。かと言って自分の関節が減った、と動くのまた違う!!」
 つきっきりでトレーニングした『ドライ』の言葉がひびく。
「わかってるよ! この子を走らせるコツ、いっぱい練習したもんね!」
 ニィナがガッツポーズを取って見せる。
 それは彼女がSD体型のホビーの動きを完全に体得していたことを示していた。
「それに悪の科学者も面白そうだけど、にぃなちゃんはやっぱり正義の味方が好みかな! そんな訳で、正々堂々――」
「戦いに正々堂々もあるものか!」
 スポーツマンシップもあったものではないダーク化アスリート『洗脳サッカー選手』たちが『鉄球バスター』でもって鉄球を蹴り込んでくる。

 次々と放たれる鉄球は氷の巨大熊『ツンドラベア』となってニィナの操る『ソニックストーム』へと迫るのだ。
「来るぞ!」
「ふふーん☆ でもいいもんね、『レッツ・アクト』! にぃなちゃんはいつだって、全力全開なんだから☆ 画面の向こう側の皆、応援してね☆」
 ばっちりカメラ目線で視聴者サービスも忘れないニィナ。
 そんな彼女に迫る『ツンドラベア』の脅威。
 だが、彼女の操る『ソニックストーム』はその名の通り、凄まじい速度で戦場を駆け抜けて『ツンドラベア』たちを躱すのだ。
「どういうことだ!? SDの動きじゃないぞ!?」
「ふっ、ニィナお姉さんはすでにSDの動きを体得してるのだ! あれくらいわけない!!」
『ドライ』の解説を受けてニィナは笑う。

 にっこり笑って『プラクト』が楽しいホビー・スポーツであることを示すように『ソニックストーム』と共にちょこまかと小刻みの良い動きで『ツンドラベア』を翻弄するのだ。
『ソニックストーム』の姿を見失った『ツンドラベア』たちの首に次々と叩き込まれる蹴撃。
 蹴り倒す一撃が決まれば『ツンドラベア』たちは次々と氷の体躯を砕けさせ、鉄球に戻っていく。
「例えおっきくなってもね☆ 小さな鉄球をおっかけるより、止めやすいよね☆」
 勢いを失った鉄球を『ソニックストーム』の胸でトラップしてSDならではの無駄のない動きで回転を加え、鉄球を蹴り返す。
「必殺シュートじゃないけど☆ これで我慢してね☆」
 放たれる一撃が『洗脳サッカー選手』たちの『鉄球バスター』の頭部を打ち抜き、その動きを止めさせる。

 操縦パーティションの中に入っていた撮影ドローンがそんなニィナを下から舐めるようなカメラアングルを取り、最後にニィナの笑顔を映し出す。
 その笑顔のままニィナはしっかりとプロモーションモデルである事を示すように。
「キミもにぃなちゃんと『レッツ・アクト』――☆」

大成功 🔵​🔵​🔵​

チェスカー・アーマライト
連携アドリブ歓迎
ハッハァ!
良い|表情《かお》するじゃねーかアイン!
その調子で全部ブッ飛ばしちまおうぜ
レッツ・アクト!

鈍器(バット的な何か)をブンブン素振りして最終チェック
中々良い感触だ
色々と盛りに盛った今のミニタイガーなら
ちょっとやそっとの攻撃じゃ打ち負けねー
四脚をしっかりグリップして機体固定するぜ
一番良いコースで鉄球が飛んでくるまでは重量と剛性に物を言わせて耐久だ
三振でアウトになるようなルールじゃねーからな
じっくり見定めさしてもらうぜ
ちょうど良い角度で鉄球が来たらすかさずフルスイング
文字通りの弾丸ライナーを相手に|お返し《シュート》してやんよ



 少年少女たちは幸せな夢を見る。
 アスリートアースにおいて『プラクト』はホビー・スポーツの一つである。未公式競技ながら、その試合の様子はネットワークを介して配信される。
 例え、此処が商店街の一角なのだとしても、彼女たちにとっては此処こそが舞台にして遊び場なのだ。
 そんな『五月雨模型店』の『エース』アスリートである『アイン』は言ったのだ。
 悪い笑顔で、敵を煽るように世界掌握などくだらないと。
 その笑顔を見てチェスカー・アーマライト(〝錆鴉〟あるいは〝ブッ放し屋〟・f32456)は機嫌よく笑った。
 彼女と同じ悪い顔だった。
「ハッハァ! 良い|表情《かお》するじゃねーか『アイン』!」
「チェスカーねーちゃんの真似だよ!」
「クハッ! ますますもって調子が出てきたじゃねーか。その調子で全部ブッ飛ばしちまおうぜ。『レッツ・アクト』!」

 その言葉と共にチェスカーの手繰る『ミニタイガー』がフィールドに降り立つ。
 ただそれだけで地面が揺れる。
 地鳴りのような音を響かせて『ミニタイガー』が足を踏み出す。
「……な、なんだこの揺れは!?」
 ダーク化アスリートである『洗脳サッカー選手』たちが動揺するのも無理なからぬことであった。チェスカーのプラスチックホビー『ミニタイガー』は元々重量級のホビーであったが、さらに装甲をかさ増しし、腕部を追加し、さらには鈍器を装備しているのだ。
 その重量は恐らく、これまで投入されたプラスチックホビーの中で一、ニを争うものであったことだろう。
「ず、図体がでかい程度で! この『鉄球バスター』の一撃には!!」

 彼等が放つ氷の闘気を纏った鉄球が巨大な氷の熊『ツンドラベア』となって戦場を走る。
 それは一直線に『ミニタイガー』へと迫り、その躯体を打ち砕かんとするのだ。
「あめぇんだよ! ちょっとやそっとの攻撃じゃぁなぁ!」
 そう、装甲だけではなく、諸々を盛りに盛っているのだ。撃ち負ける道理などない。
 四脚の底面からグリップアンカーが飛び出し、四股を踏むようにして『ミニタイガー』がどっしりと構える。
 迫る『ツンドラベア』の一撃が『ミニタイガー』に振るわれるが、機体はびくともしなかった。
「ば、ばかな……直撃のはずだぞ!?」
「いーやぁ? 直撃ってぇのはな!」
 そう、追加された装甲は傷跡を残すばかりで『ツンドラベア』の一撃を完全に防いでいた。
 拉げてもそれでも装甲として成り立つほどの頑強さを『ミニタイガー』は持っているのだ。

「な、なら倒れるまで打ち込むまでだ!」
「う、撃て! 撃て撃て!!」
『洗脳サッカー選手』たちが一気に『鉄球バスター』から鉄球を『ミニタイガー』に打ち込む。
 だが、チェスカーは笑う。
 不敵に、凶悪に、その歯を剥くようにして笑うのだ。
 どれだけ鉄球が強烈なる一撃を己に見舞うのだとしても、まるで関係がない。そう、今の『ミニタイガー』は難攻不落の城塞のようなプラスチックホビーなのだ。
「そうやってボンボン球を放るのはいーけどな……三振でアウトになるようなルールじゃねーからな……」
 見定める。
 ボール球、真芯を捉えられぬ鉄球は受け流す。
 じっくりと。
 渾身の一打を打ち込むためだけにチェスカーと『ミニタイガー』は、その強靭なる装甲でもって敵の攻撃を受け止め……。

「今だぜ、チェスカーねーちゃん!!」
『アイン』の声が聞こえる。
 彼女が『鉄球バスター』の蹴り込む鉄球のコースを見定めた瞬間、チェスカーは『ミニタイガー』が持つ鈍器を振るう。
 スウィングは見事な美しさだった。
 回転砲塔のような胴体はロスなく力をバットに見立てた鈍器に伝え、放たれた鉄球を打ち返す。

「文字通りの弾丸ライナーだ……|お返し《シュート》してやんよ」
 その一打は猛烈なる一撃となって『鉄球バスター』たちの胴体を幾体もぶち抜いても止まらず、戦場を横断し、『プラクト』フィールドの場外壁面に叩き込まれ、めり込ませる痛烈なる一撃となるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステルク】

いつのまにか後方母親面から、
あらあらうふふなお姉さんキャラに変わってます!?

しかもステラさんの教育とか、
『五月雨模型店』の方にも、『洗脳サッカー選手』の方にも、
ぜったいよろしくないですよね。

ここは、ステラさんが『洗脳サッカー選手』のところにたどり着いて、『教育』しちゃう前に、
わたしがしっかりお仕置きしてあげないといけないですね!

さぁ、いきますよ。
わたしの演奏で、味方も敵も、しっかり助けていきますよ!

わたしの魂の演奏でみなさまを酔わせて、
みなさまの未来を明るいものへ導きますよー!

って、ステラさん、どういう意味ですか!?

……あ、あれ? みんなが感動で動かなくなっちゃいました……?


ステラ・タタリクス
【ステルク】
あらあら
勝ったら下につけ、とは中々やんちゃですね
しかしそんな様ではその青い機体を駆る者としてはあまりにも未熟
お姉さんが教育してあげましょう
(ノリノリでポーズを決めながら)
レッツ・アクト、です

赤い熾裂、改めクリムゾンリッパー
この機体なら普段の私の戦い方で攻めることが可能です
つまり!
鉄球ごとき切り払っていけるのです
(最初からリッパーが手にしている無敵斬艦刀で)
とはいえ近接戦闘が多くなるので広範囲攻撃はルクス様に……
あれ?ルクス様、どうしてピアノの前に座って
……え?操縦が演奏?……マジで??
私がこんなクリティカルを見落とした??

ルクス様落ち着いて
そんなに全員殺したいんですか!?



『株式会社サスナーEG』のダークリーガー』、『フュンフ』の言葉は簡潔だったが、同時に衝撃的でも在った。
『プラクト』による世界掌握。
 それはとんでもない絵空事のようであったが、当人たちは本気そのものであった。
 そしてアスリートアースという世界の性質を考慮すると、それもあながち間違いではないことが理解できるだろう。
 ダークリーガーたちは競技の勝敗によってアスリートたちをダーク化していく。
『プラクト』がメンバー上限なしのバトルロワイヤルである以上、数こそが優位に立てる条件の一つ。
 ならば、ダークリーガーたちが勝利し続けることによって世界掌握もまた夢ではないのだ。
 だがしかしである。

 そうしたホビーで世界征服を狙う者たちの前に立ち塞がるのは、いつだってホビーを手にした少年少女たちであるということも忘れてはならないのだ。
「あらあら。勝ったら下につけ、とは中々やんちゃですね」
 ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)のその姿にルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はいきなりキャラ変したステラに引いていた。
 いつのまにか後方母親面から、あらあらうふふなお姉さんキャラにチェンジしているステラ。
 確かにいつの間にかである。
 路線変更というのだろうか。たぶん。

「しかし、そんな様では、その青い機体を駆る者としてあまりにも未熟」
「何を……俺を侮辱するのか!」
『フュンフ』が声を荒らげている。
 彼の言葉に呼応するようにダーク化アスリート『洗脳サッカー選手』たちが一斉に『鉄球バスター』から鉄球を繰り出し、その鉄球を核として氷の大熊『ツンドラベア』に変化させ、ステラの駆る紅蓮の如き『熾裂』――改め『クリムゾンリッパー』へと襲いかかる。
「お姉さんが教育してあげましょう」
 ステラはノリノリだった。
 あらあらうふふお姉さんとして、はたまた教育係メイドとして。
 その謎のノリノリポーズで決めながらフィールドに降り立つ『クリムゾンリッパー』と共に叫ぶのだ。
「『レッツ・アクト』、です」

 謎のエフェクトがびっかーんって光る中、ルクスはやっぱり、えぇ……と思っていた。
「ステラさんの教育とか『五月雨模型店』の方にも、『洗脳サッカー選手』の方にも、ぜったいよろしくないですよね」
 ルクスはうん、と一つ頷く。
 自らの機体は『マニューバ』。
 それも自分の演奏に連動して動くように作り込まれているのだ。キーボードを叩くだけでコマンドが実行され、機体が所定の動作を取るように出来ている。
 確かに『モーション』のように滑らかな動作は出来ないかもしれない。
 けれど、プリセットのように定められた動作を人間の反応速度以上で正確に無駄なく行えるということは、それだけで強みであったことだろう。

「鉄球如き!」
 ステラが戦場を駆け抜ける。
『ツンドラベア』と切り結ぶ機体が手にしているのは無敵斬艦刀。
 その一閃が『ツンドラベア』の巨体を切り裂き様に『鉄球バスター』をも両断し、爆発の後光を受けながら駆け抜けていく。
 それは紅蓮の閃光と呼ぶのにふさわしかっただろう。
「鉄球を斬り裂いただと!?」
「|無敵斬艦刀《トニトゥルス・ルークス・グラディウス》の切れ味を甘くみないことです。ルクス様!」
 ステラが僚機であるルクスに呼びかける。
 確かにステラのユーベルコード、天使核より接続されたエネルギーを帯びた迸る雷光の剣の如き無敵斬艦刀は強烈な一撃である。
 しかし、それはあくまで接近戦においてのみ。一対一においてのみ、である。
 故にステラは僚機を駆るルクスに広範囲攻撃を願うのだ。

「はい! いきますよ! ステラさんが『洗脳サッカー選手』を『教育』しちゃう前に、わたしがしっかりお仕置きしてあげます!」
 ルクスが操縦パーティションの中で腰掛ける。
 その姿を見てステラはぴくっと眉根が動く。
「……え?」
 なんで?
 なんで操縦パーティションにピアノが? ステラは瞼を何度かぱたぱたさせた。ぱたぱたさせるしかなかった。
 幻覚かと思った。
 けれど、どっこい現実である。
 ルクスの操縦パーティションの前にはピアノが用意されているのだ。しかもそれは、『プラクト』と連動しているようだった。

「あれ? ルクス様、おかしいですね。私の目にはルクス様の前にピアノがあるように見えるのですが」
「これで操縦するんですよ! すごいでしょう!」
「……操縦が演奏……?」
 マジで? とあらあらうふふお姉さんの仮面がベリベリ剥がれているステラ。
 動揺が凄まじい。
 なんで見落としたのか。
 いや、そもそも演奏で動くプラスチックホビーってありなのか。いや、ありであろう。音に反応するセンサーで動くサボテンとか花とかあったので、むしろ無い方が不自然である。

「わたしの演奏でみなさまを酔わせて、みなさまの未来を明るいものへ導きますよー!」
「まって、まってくださいルクス様! 落ち着いて!」
 ひびくはボレロ。
 ステラのツッコミはいつものことだからルクスは無視した。どれだけ言われようともルクスの瞳はユーベルコードに輝く。
 敵味方を識別する魂を揺さぶる旋律が響き渡る。
 魂の演奏は、敵であるダーク化アスリートたちの鍛えられた三半規管すら容易に狂わせる魔法じみた演奏となった戦場を見たいていく。
 やばい、とステラは思った。
 これじゃあオーバーキルである。

 きもちよーく演奏を終えたルクスは、ほう、と息を吐き出す。
 彼女の周囲には死屍累々。
『洗脳サッカー選手』たちが尽く泡拭いて倒れ込んでいる。
「……敵味方識別があってよかったです……」
 ステラを含め『五月雨模型店』のメンバーたちも皆頷いている。よかった。揺さぶられなくて。
 だがしかし、安心するのは早い。
 まだ敵は残っているし、次なるルクスの演奏が敵味方識別がついているかどうかは、ルクス次第なのだから――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【サージェさんと】

『この戦いに勝ったら、俺の下につく』……?

それは、わたしが勝ったら、
『フィーア』さんをわたしのものにしてもいいってことだね!

もちろん合意とみてよろしいですとも! いぇすはぴねす!

って、言いたいところだけど、今回わたしはサポートだよ。
あなたたちには『フィーア』さんの『幻影』を味わってもらわないといけないからね!

そのためにー……邪魔な鉄球はこうだ!

【偽装錬金】で『超強力ハイパー電磁石』を作って、鉄球はぜんぶくっつけちゃうよ。

さぁ、サージェさん!
『幻惑のソフトボール(2個セット)』で、相手を惑わせてー!

そして、『フィーア』さん!
今こそ『元祖噛み噛みキック』をお見舞いしちゃえー!


サージェ・ライト
【理緒さんと】
よーし、トラメちゃんいきますよー!(隣の息荒い理緒さんからは目を逸らしながら)
フィーアさん、ふぁいとっ(小声で)

さーて、トラメちゃんのネコパンチが炸裂する時!
簡単に言うと【疾風怒濤】の手数の多さで
鉄球にじゃれつきパンチするだけですが!
べしべし叩き落していきましょう
え?ソフトボール?どこでしょう?(うろうろするトラメちゃん)
ありませんよ理緒さん! って何故に私がツッコまれてるんです?!

なんか氷の熊さん出てきたじゃないですかー?!
仕方ありません
トラメちゃん突撃からの
爪での【疾風怒濤】で足止めしましょう!
「手数こそ正義! 参ります!」
トドメは理緒さ…アッハイ、フィーアさんですね?



『プラクト』とはチームメンバー上限の存在しない未公式競技である。
 それ故に勝利すれば、一気にアスリートたちをダーク化出来るゆえにダークリーガーは『五月雨模型店』を狙い続ける。
 文字通り、彼等に敗北するということはダーク化して彼等の下につく、ということなのだ。
 その言葉を聞いて、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)がピクリと反応する。
 なんか嫌な予感がするなー、と『アイン』は思っていたし、『ツヴァイ』も思っていた。だから、ささーとその場から離れていた。
 出遅れたのは『フィーア』だけだった。
「それは、わたしが勝ったら、『フィーア』さんをわたしのものにしていいってことだね!」
 そうはならんやろ。
 誰もがそう思ったし、『洗脳サッカー選手』たちも思った。
 言葉にするのはちょっと怖かった。
 理緒の目がマジであったからだ。当の本人である『フィーア』は困惑していた。
「え、えええええ!? なんでですか!?」
「もちろん合意と見てよろしいですとも! いぇすはぴねす!」
「は、はは話聞いてくださーい!!」
 そんな『フィーア』と理緒のやり取りから目をそらして、サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は張り切っていた。

『トラメ』とともに戦場を駆け抜ける。
 その喜びに震えていて、別に理緒のハスハスしている様子から目をそらしたかったわけではないのである。いや、絶対そうだぞ。
「『フィーア』さん、ふぁいと」
 小声で言ったところで声援は届かないと意味ないんだぞ!
「な、なななんでですかぁ~!」
「ふふ、思わず乗っかってしまったけど、今回はわたしサポートしちゃうからね」
 理緒は本当に冗談だったのかと言うほどに変わり身早く、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「ブラフか! だが、もう遅い!」
 理緒の言葉に翻弄された『洗脳サッカー選手』たちが一斉に理緒たちに襲いかかる。
 だが、それはあまりにも下策であったと言わざるをえないだろう。

 彼等のプラスチックホビーは鉄球を打ち込むホビー。
 どう考えても危険なホビーであるし、その性質上『プラクト』に的を絞った製品であると言えるだろう。
 だからこそ、理緒は彼等が破天荒ドリブルでもって此方に接近してくることを下策だと断じたのだ。
「放つ鉄球は確かに強烈だけどね! けど、鉄球である以上!」
 彼女のユーベルコード、偽装錬金(ギソウレンキン)が作り出したのは『超強力ハイパー電磁石』。
 そう、放たれる電磁石の磁力が放たれた鉄球を尽く吸い寄せ、封殺していくのだ。
「……! 鉄球シュートが通じない!?」
「そうだよー鉄球である以上、磁力には逆らえない。どれだけ速度を、威力を持っていても、磁石でくっつけてしまえば、わたしたちには届かない。そして……『フィーア』さん!」
 彼女の言葉に『フィーア』の作り上げた機体『ヒヤルムスリムル』が駆け出す。いや、一体ではない。
 無数の『ヒヤルムスリムル』が一斉に駆け出す。

 それは理緒によって完成された『幻影』機能。
 機体を無数に分身させたかのような質量を持った『幻影』が戦場を染め上げていく。それこそが無数の敵を一度に相手取ることのできる戦略を凌駕する戦術。
「理緒さんと一緒に作った、これなら……!」
「ええ、これならば『トラメ』ちゃんも私もクノイチムーブができるというものです!」
 よっしゃー、とサージェの手繰る『トラメ』のねこぱんちが疾風怒濤(クリティカルアサシン)の如き連撃で持って『鉄球バスター』たちを打ちのめしていく。
「ば、ばかな……!」
「鉄球にじゃれつきパンチをしていただけですが?」
 ん? 私なにかやっちゃいましたか? なサージェのムーヴと共に『トラメ』が次々と『鉄球バスター』たちを打ちのめしていく。

「サージェさん、今こそ『幻惑のソフトボール』で相手を惑わせてー!」
 理緒が叫ぶ。
 いや、なんだろう、そのソフトボールって、とサージェが首を傾げるのも無理なからぬことであった。
 なんのこっちゃである。
 しかし、これを読んでいるであろう賢明なる諸兄らは理解できているであろう。
 サージェが跳ねたり飛んだりする際に一緒に飛んだり跳ねたりする柔らかそうな双丘のことである。
 この『プラクト』はネットワークを介して中継されているし、なんなら商店街の巨大モニターに戦いの様子が映し出されている。

 当然、アスリートの姿だって映し出されているのだ。
 健全な健康美を惜しげもなく晒す美少女アスリートたちの姿に心打たれぬ者はいないだろう。
 理緒は、そんなサージェの『幻惑のソフトボール』のことを言っているのである。
「そんなのありませんよ理緒さん!」
「いや、あるでしょ!!」
『洗脳サッカー選手』たちも皆思っていた。
 その総ツッコミにサージェは困惑スルばかりであったが、しかしてサージェは迫る敵を前にして油断することはなかった。
 例え、鉄球が氷大熊の如き姿を持った『ツンドラベア』として迫ってきたのだとしても、たじろぐことはなかった。
 ねこぱんちの一撃に全部がぶっ飛ばされるのだ。
「手数こそ正義! 参りま……」
「ううん、此処が決め所だよ!『フィーア』さん! 今こそ『元祖噛み噛みキック』をお見舞いしちゃえー!」
「かかかか噛んでないですから!」

 その言葉と共に『ヒヤルムスリムル』が高く飛び上がる。
 背後に雷鳴轟くかのようなエフェクトが走り抜ける。
「……えぇ……」
 サージェのお株を奪うような光景。
 その雷光がほとばしった瞬間、一直線に蹴りぬく機体『ヒヤルムスリムル』の一撃が戦場に火球を生み出し、サージェは呆然とするしかないのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
…お、おお…ホビーによる世界征服を狙う悪の企業……初めて見た…
…『プラクト』は戦争の道具じゃないとかそういうあれこれが後々ありそうな案配だけど…
…鉄球を蹴り込むホビーってどうなんだろうね…うん…

…なんて与太話はさておき…容赦なく鉄球と破壊エネルギーは飛び交うフィールドになってきたな…
…ここは【我が身転じて災魔となる】を発動…周囲の時間を食べることで遅くしよう…
…これによりミニツィトラの近くまで来たボールは遅くなるのでうまく受け止めて蹴り返すよ…
…そして蹴り返したボールがUCの効果範囲外に出た瞬間にボールは急加速…
…この速度差で上手いこと対応タイミングをずらして相手のプラクトを打ち倒そう…



 プラスチックホビーによって世界掌握を狙う巨大企業『株式会社サスナーEG』。
 ダークリーガーは其処から『五月雨模型店』に送り込まれていることが判明した。それは奇しくも空想の中だけでしか確認されていなかった、ホビーで世界征服を狙う悪の企業の顕在化であったのだ。
「……お、おお……」
 それは驚嘆の声であったことだろうか。
 いや、もしかしたのならば、若干の呆れの色が見えるような気がしないでもなかったが、少なくともメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は概ね感動の割合が多いようであった。

「……ホビーによる世界征服を狙う悪の企業なんて、初めて見た……」
 びっくりである。
 まさか冗談だろうとさえ思っていたのだがダークリーガーの言葉を信じるのならば、どうやら本気のようだった。
「『プラクト』は戦争の道具じゃないとかそういうあれこれが後々にありそうな案配だけど……」
「本気でやれば、世界だって変えて見せることができるのが『プラクト』なのだよ!」
 破天荒ドリブルでもって迫る『洗脳サッカー選手』たちの操るプラスチックホビー『鉄球バスター』。
 その破壊のエネルギーを込めた鉄球が放たれる度にメンカルの駆る『ミニツィルニトラ』の周囲には凄まじい衝撃が飛び交う。

「……いや、それ以前に鉄球を蹴り込むホビーってどうなんだろうね……うん……いや、与太話だってことはわかっているんだけど……」
 しかしながら、戦場に渦巻く破壊のエネルギーは凄まじいの一言であった。
『洗脳サッカー選手』たちのユーベルコードは、ただドリブルをするだけで破壊のエネルギーを嵐のように荒ばせ、敵対する者たちを吹き飛ばさんとしている。
「俺達のドリブルは何者にも止められはしない! 吹き飛べよ!!」
「……すごいな。けどね」
 メンカルの瞳がユーベルコードに輝く。
 彼女の手にあった骸魂がフィールドに降り立ち、『ミニツィルニトラ』の機体へと合体する。
 それは一時的にであるがオブリビオン化するユーベルコード。

「我が盟友よ、結べ、混ざれ。汝は合身、汝は災禍、魔女が望むは流転を阻む悪食の怪」
 メンカルが『ミニツィルニトラ』と合体させた骸魂の名は『時食み』。
 その名の通り、周囲の時間を食う骸魂。
 それ自体が時間を食い尽くす災魔そのもの。
 だが、我が身転じて災魔となる(コンバート・タイムイーター)と示すように『ミニツィルニトラ』に撃ち込まれた鉄球は、その周囲の時間が食われることによって時の歩みを止める。
 いつまでたっても『ミニツィルニトラ』の周囲にありし時間は進むことはない。
 即ち、鉄球は届かない。
 まるで時が停止したかのように宙に止まる鉄球。

 その前にメンカルは歩み出る。
「鉄球が止まっている……!?」
「私の機体のまわりは時がない。だから進むこともない。けれどね……こうやって……」
『ミニツィルニトラ』が宙に停止した鉄球を蹴り込む。
 それは通常の加速であった。
 けれど、彼女のユーベルコードの範囲外に出た瞬間、それは一瞬で加速する。
 撃ち込まれた時の運動エネルギーはそのままに鉄球に残っているのだ。ただ、その指向性を変えただけ。

 それだけで『洗脳サッカー選手』たちの打ち込んだ鉄球は、己たちが打ち込んだ威力のままに打ち返され、そのホビーの起点たる脚部を撃ち抜かれてフィールドに倒れ込むのだ。
「これが大人のやり方ってやつだよ、少年たち……大人たちに良いようにされないように、一生懸命勉強することも大切なんだ……」
 メンカルはそんな教訓を与えるように、骸魂と合体した『ミニツィルニトラ』とともに次々と鉄球を打ち返し、『洗脳サッカー選手』たちの操る『鉄球バスター』たちを打ちのめしていくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
ええ!?
折角頑張って塗装したのに、プラクトに放り込むの!?
いや、ダメージを受けなければワンチャン…
やるしか無いか!

操縦方法はモーションタイプだ
くっ…歩幅が合わない…!
動きが鈍いぞ!何故だ…!

うーん、同じネタは良くないな…
【剣技・嵐狼剣】起動
白狼を召喚して騎乗
鉄球といえど、球は球!
白狼…取ってこい!

白狼に鉄球をくわえさせて奪取!
鉄球が無くなった鉄球バスターは…ただのバスターや!
例え洗脳サッカー選手の技量が高くとも、|ボール《友達》が無ければただのプラクト素人!
白狼の機動力を活かしてフィールドを駆け回り、遠距離から『斬撃波』を放ち鉄球バスターを『吹き飛ばし』て脱落させていこう
未発表新商品ゲット!



『プラクト』は自身で作ったプラスチックホビーをフィールドに投入し、自身が操って競う競技である。
 だからこそ、自身の分身たるホビーには愛着が湧くものである。 
 同時に、それが力の込められたものであればあるほどに惜しくなってしまうのもまたモデラー心理というものであったのかもしれない。
「ええ!? 折角頑張って塗装したのに、『プラクト』に放り込むの!?」
 月夜・玲(頂の探究者・f01605)は割りと今更なことを言っていた。
「ええ!? だって、そのために作ってたんじゃないのか?!」
『アイン』が驚愕する。
 てっきりそのために動画撮影とかしていたんだとばかり思っていたのだ。
 けれど、玲は競技が始まって中々、自分が作ったSD『スカルモルド』をフィールドに投入することができないでいた。
 塗装はげしたらどうしようとか。
 折角エッジを立てた面が潰れたらどうしようとか。

 そんなことばっかり考えてしまっていたのだ! わかるけども。
「でも戦ってくれないと……!」
「うーん、うーん……やだな……折角綺麗に作れたし。見てよ、このきれいなエッジ! 立てるのに苦労したんだよ! それにほら、ここも!」
「わかった! わかってるから! けどさー!」
「……わかったよ! ダメージ受けなければワンチャンでしょ! やるしかないってんならさ!」
 えいや! と玲がSD『スカルモルド』をフィールドに投入する。
 SD等身故に『モーション』で動かすのにはコツがいる。しかし、玲はプラスチックホビーの完成度を上げることに注力していたし、動画撮影をしていたので練習がちょっと疎かになっていた。
 一歩歩こうとする度に、ちょっとした段差に躓きそうになるのだ。
「くっ……歩幅が合わない……!」

「馬鹿め! 慣れぬ機体でくるからそうなる! 一斉に取り囲め!!」
『洗脳サッカー選手』たちが破天荒ドリブルでもって『鉄球バスター』をSD『スカルモルド』の周囲を走らせる。
 渦巻く破壊のエネルギー。 
 その中心に取り残された玲のSD『スカルモルド』は窮地に陥っていた。
「動きが鈍いぞ! 何故だ……!」
 なんかあんまり窮地な感じがしないのは気のせいだろうか。どっちかというと、アニメのワンシーンを再現しているような気がしない。
 このままだとスイカバーが、ぐっさーってなるあれな感じになりかねない。

「うーん、同じネタは良くないな……」
 うん、と玲は一つ頷いて、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「剣技・嵐狼剣(プログラム・ストームウルフ)、起動!」
 その言葉と共にSDサイズにリサイズされた蒼き風をまとう白狼が出現し、SD『スカルモルド』を乗せる。
 これならばSD等身と玲のすらりと伸びた御御足は関係なくなる。
「今更! 鉄球を打ち込めば!」
 破壊渦巻くエネルギーと共に放たれる鉄球の一射。

 それはどれだけ風を纏うのだとしても関係ないとばかりにSD『スカルモルド』へと襲いかかる。
 しかし、玲は不敵に笑む。
「鉄球と言えど、球は球! 白狼……」
 咆哮する白狼。 
 迫る鉄球の一撃は凄まじい勢いだ。けれど、彼女が召喚した白狼には関係なかった。獣の動体視力でもって迫る鉄球を顎で挟んで噛みついて止めるのだ。
「えええええー!?」
 その光景には『五月雨模型店』のメンバーも『洗脳サッカー選手』たちも目を丸くしてしまっていた。
 いや、そんなことある!?

「あるんだよ 白狼、偉いねぇ」
 SD『スカルモルド』が白狼の頭を背に乗ったまま撫でている。
「……えぇ……」
「よし、鉄球がなくなった『鉄球バスター』は……ただのバスターや! 例え、君らの技量が高くても|ボール《友達》がなければ、ただの『プラクト』素人!」
 そうかな?
 そうなのかも、と思わせる妙な説得力があった。
「その機体は未発表新商品! なら、アスリート本人だけ退場願って機体だけ頂く!」
 玲の目がギラリと輝いていた。

 それは、未発表の新商品をゲットしようという、もはや戦いとかそんなの関係ないとばかりにギラつくホビー魂であった。
「も、目的が変わってない!?」
「これが大人の力ってやつだよ!!」
 玲の操るSD『スカルモルド』が振るうニ刀が斬撃波を飛ばし、『鉄球バスター』をフィールドの外に弾き飛ばしていく。
「後で、それもらうからね!」
 敗者はプラスチックホビーを勝者に差し出す!
 そんなルールを勝手に追加しつつ、玲は戦場を白狼と共に駆け抜け、ちょっと悪い大人としての反面教師たる様を見せつけるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎

いいよいいよー
次はいい歳してプラモキングとかそんな感じの名前乗ってる人とか出たらさらに高得点!

●当たらなければ?
今回のバラバラXくんスリムは軽量化によってさらに回避性能マシマシだよ!
さらにボクの【第六感】が合わされば回避盾すら可能!
パーツを四方に飛ばし回避し、オールレンジ攻撃!
これを可能にするのは【人造生命の創造】的なアレとカミサマ的なUCによってもたらされた彼自身の力…
なので実はボクはほとんど何も操作しなくていいんだけれどそういうの禁止するレギュとか無いしいいよね!今さらだけど!

足二本とバラバラパーツ全てじゃあこっちのが有利だよ!有利かな?
足の数を増やして出直して!



 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)はご満悦だった。
 何に、と問われたのならば、ダークリーガーを送り込んできた巨大企業の大人気のなさであった。
 商店街に建てるものじゃないほどの高層ビル。
 其処こそがダークリーガーの本拠地であり、『五月雨模型店』の斜向いであった。
 どう考えても立地的に建てられるものなのだろうかと思わざるをえない光景。
 だが、現実に建っているのだから仕方ない。
「いいよいいよー次はいい歳してプラモキングとかそんな感じの名前名乗ってる人とかでたら、さらに高得点!」
 別に得点を競っているわけではないのだが、多分、そんな人がいるのかもしれない。
 世界は広い。
 中にはそんな人だっているかもしれない。

 むしろ、そうであって欲しいとロニは願うだろう。
「囲め! 敵は一騎だ!」
「鳥籠戦法!!」
 ダーク化アスリートたち『洗脳サッカー選手』たちがロニの『バラバラX』を一気に取り囲む。
 それは一瞬の隙をついての包囲戦術であった。
 見事な連携。
 例えダーク化されているのだとしても、彼等の連携に乱れは生じていなかった。
 取り囲んだことによってロニは自身のホビーを取り囲む『鉄球バスター』たちの動きが格段に良くなったことを知る。
「へぇ~確かに動くが良くなっているね。けどね、今回の『バラバラX』くんはスリム化されているんだよ!」
「……つまり?」
「回避性能マシマシなんだよ!」
 だが、『洗脳サッカー選手』たちの能力もまた向上しているのだ。それだkではどうしようもない。

 盾を保たぬ『バラバラX』にとって、包囲戦術は正しく鳥籠に入れられた鳥そのものたる状況だったのだ。
「これだけの数に囲まれてもなお言うか!」
「確かにね。けどさー、『バラバラX』くんの名前は伊達じゃないんだよ!」
 パーツが名の通りバラバラに四散する。
 鉄球の一斉射を躱し、宙を飛ぶパーツを狙うように『洗脳サッカー選手』たちの鉄球が撃ち込まれ続ける。
 しかし、パーツという最小単位に分裂した『バラバラX』は鉄球にかすりさえしなかった。

「当たらない……!?」
「そうさ、これはゴッド・クリエイションの力! ボクの創造物に生命を与える神秘なるユーベルコード! 人間以上にした知性でもって、人間である君ら以上の知覚を有するのさ!」
 つまり、自分は何もしないでも『バラバラX』は、その生存本能に従って迫る鉄球を躱し続けているのだ。
 全然操作していないけど、レギュレーション違反ではない。
 というか、正確にはそういうレギュレーションがそもそも存在していないのだ。
「だからいいよね! 今更だけど!」
「ず、ずっこい!」
「いやいや、ずるくないよー! だってレギュレーションに書いてないってことはやっていいってことだからね!」
「だ、だからといって……そのパーツのバラバラ具合は反則だろう!?」
「えーそうかな? そっちは足二本あるけど、こっちは全部ってだけじゃない? ま、次がったのなら」
 ロニは笑う。

 そう、悠然と笑う。
 なんか片手にジュース、片手にポップコーンを持って操縦パーティションに居るようなきがするのは気の所為だろうか。
 もはやスポーツ関係なく、ロニは試合観戦しているかのような優雅さでもって笑って言い放つのだ。
「足の数を増やして出直しておいでね――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『デスストライカー』

POW   :    電光石火の死神
自身の肉体を「稲妻の【鎌を持つ死神】」に変える。変身中、雷鳴電撃・物理攻撃無効・通電物質内移動の能力を得る。
SPD   :    死神シュート
自身が触れた物体ひとつに【闇色の死神】を憑依させ、物体の近接範囲に入った敵を【大鎌】で攻撃させる。
WIZ   :    死神の檻
戦場内を【デスゲームサッカー】世界に交換する。この世界は「【ミスや敗北は致命的な罰則を受ける】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。

イラスト:シオルド

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 次々と打倒されていく『洗脳サッカー選手』たちの操る『鉄球バスター』。
 確かに鉄球を蹴り込んだ後、『鉄球バスター』は無防備になる。しかし、ダークリーガー『デスストライカー』、『フュンフ』の青い『鉄球バスター』は違った。
 猟兵達によって打ち倒された『鉄球バスター』が遺した鉄球を巧妙に使い、鉄球を蹴り込んだ隙を潰しながら戦場を駆け抜けているのだ。
「この俺に弾切れは存在しないと知れ!」
「偉そうに言い嫌がって! 何が!」
『アイン』の白い機体『ブリュンヒルド』が青い『鉄球バスター』へと斬りかかる。

 その一撃を華麗に躱し、鉄球を蹴り込む。
 放たれた鉄球を『ツヴァイ』の手繰る『アルヴィトル』がシールドで受け止め、受けがなす。
「やはり、手強いですね。ですが、『ドライ』!」
「ああ! うなれよ、『スルーズル』!」
『ドライ』の操る機体の拳が打ち鳴らされ、胸部より砲口がせり出す。
 その胸部に湛えられたエネルギーを見やり『フュンフ』は、それが絶対に躱さなければならない一撃であると知る。

 だが、そんな『フュンフ』の機体に四方八方から『幻影』が迫る。 
 それは『フィーア』の駆る『ヒヤルムスリムル』が放つ質量を持った『幻影』であった。
「チィッ……!」
「プロメテウス……バーンッ!!」
 放たれる光条の一撃が『フュンフ』の機体をかすめる。ここまで追い込んでもなお、『デスストライカー』たる『フュンフ』の技量は冴え渡っていた。

 しかし、それでも追い込んでいることは明白。
 猟兵たちが『洗脳サッカー選手』を蹴散らし、首魁たる『デスストライカー』へと迫る。あの青い『鉄球バスター』を打ち倒せば、戦いは終わる。
「舐めるなよ……! この程度で『フュンフ』の名を、終わらせられると思うな!!!」
 凄まじい咆哮と共に『デスストライカー』が吠える。
 それは戦場を満たし、『デスゲームサッカー』へと『プラクト』フィールドを塗りつぶしていく。

『デスゲームサーカー』。
 それは狂気のゲーム。
 パスミス、トラップミス、シュートミス。
 あらゆるミスが致命的な罰則となってプレイヤーに襲いかかる死のサッカーゲーム。

 彼は『プラクト』フィールドにありながら、そのルールをフィールドに押し付けるのだ。
「ここからが俺の『フュンフ』としての名の伝説のはじまり! さあ、来るが良い。死神と呼ばれた俺の力を見せてやる――!」
ドッジボール・プレイヤー
相手の得意な事ややりたい事を封じた上で、自分の土俵に持ち込む……勝負の基本だよね!

という訳で、ドッジコート展開と同時にUC発動!
サッカーは終わり!!!ここからはプラクトを使った【ドッジの時間】だよ!!ドッジボールではボールを蹴るのは禁止!!

相手がUCで物理攻撃無効状態になるなら、ドッジボール魂の熱き炎を纏わせたボールを投擲だああああっ!!!



 戦いにおいて自身が持つ特性を理解し、また同時に相手の特性を理解することは重要なことである。
 時に駆け引きもまた必要であり、その駆け引きを強引にねじ伏せるだけの実力もまた必要だ。
 けれど、それが常に行えるわけではないのがスポーツ競技の妙であったことだろう。故に人々は熱狂するのだ。
 生命のやり取りではない、ただ己の五体を持って勝敗を決するスポーツというものに。
 ダークリーガー『デスストライカー』は、しかして自身の力で持って『プラクト』というスポーツ競技に『デスゲームサッカー』のルールを押し付ける。
 ミスをした瞬間にペナルティが課せられるルール。
 それは、この『プラクト』競技においては、致命的であったことだろう。

「チッ……厄介なルールを付与しやがって」
『五月雨模型店』の『エース』アスリートである『アイン』は舌打ちする。
 敵の力は確かに強大だ。
 けれど、それは小細工などしなくても十分に通用するものであったのだ。けれど、『デスストライカー』、『フュンフ』は『デスゲームサッカー』のルールを『プラクト』に押し付けるのだ。
 ドッジボール・プレイヤー(正義の超熱血闘球ヒーロー・f39223)は、それを咎めることはなかった。
「相手の得意なこと、やりたいことを封じた上で自分の土俵に持ち込む……勝負の基本だよね」
 理解は示せる。
 同時にそれは、相手がルールの押し付けを行なうのならば、自身もまたそれが可能という事を指し示す。

「ならさ、ここからはドッジの時間(ドッジボール・タイム)だよ!!」
 彼女の瞳がユーベルコードに輝いた瞬間、『プラクト』フィールドに新たなるルールが付与される。
 それは『プラクト』フィールドにありながら『デスゲームサッカー』のルールを強制的に『ドッジボール』ルールに塗り替える力技だった。
 それが僅かにしか保たぬルールであったとしても彼女には構わなかった。
「『デスゲームサッカー』を塗りつぶす……!? だが!」
『デスストライカー』の操る『鉄球バスター』の姿が大鎌を持った稲妻の死神へと変じる。その速度は圧倒的だった。
 一気に戦場を駆け抜ける。
 例え、ドッジボールコートに取り囲まれようとも、稲妻のように駆け抜ける『デスゲームサッカー』を捉えられなければ意味がないのだ。

「そうだね! ルールを守っている以上アウトにはできない! けどさ!」
 放つボールシュートの一撃が『デスストライカー』を襲う。
 痛烈なる一撃。
 受ければひとたまりもないだろう。
 ドッジボールは受け止めキャッチするか、躱すかしかない。
 けれど、『デスストライカー』は、『デスゲームサッカー』のプレイヤーであったことが災いした。
 迫るボールがあれば蹴り込まねばならない。
 特に『プラクト』として『鉄球バスター』を機体としているのならばなおさら。
 放たれたシュートボールをあろうことか蹴り返してしまったのだ。

「ぴっぴー! ドッジボールではボールを蹴るのは禁止!!」
 その言葉とともに『デスゲームサッカー』の機体がコートの外野へと飛ばされる。
「……! だが、俺の機体は物理無効! この程度……!」
「なら、ドッジボール魂の熱き焔を受けてみてよ! これが、ドッジボールだああああっ!!!」
 放つシュートの一撃が『デスゲームサッカー』の『鉄球バスター』へと叩き込まれる。
 焔を纏うような痛烈なる一撃。
 それが青い機体の胸部に撃ち込まれ吹き飛ばすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
引き続き『疾き者』だが
陰海月(うずうず…)

陰海月がやりたそうにしてましたのでー。
そういえば、操縦はしたことないんですよね…陰海月。UC使用。

…陰海月語を翻訳します…
ぷっきゅ!霹靂に乗ったまま!
ふふーん、ルールの押し付けだね?なら大丈夫!ミスや敗北をしなければいいんだよね!
四天霊障(極彩色プラクト用)で、届かないところもカバーしてっと。
光珠ぽいぽいしての、攻撃。そっちのミスを誘発するよー!慣れないと眩しいもんね!


霹靂「クエ」
友はいつものことだし…。わー、機体まで光ってる。
転がってる鉄球は蹴ってしまえ!



 ドッジボールの一撃がダークリーガー『デスストライカー』の『鉄球バスター』の胸部を強かに打ち据える。
 装甲が砕け、内部のフレームが露出するが、未だ機体は動いていた。
『プラクト』にいおて勝敗が決するのは、敵チームを殲滅させた時だけだ。
 どれだけダーク化アスリートたちを打倒しても『デスストライカー』が残っているのならば、未だ勝負はついていないのだ。
「……やってくれるな。だが、『デスゲームサッカー』はまだ終わらない! このルールはまだ生きているのなら!」
 青い機体がは戦場を走る。
 ミスは即座にダメージに繋がるのが『デスゲームサッカー』だ。

「ぷっきゅ!」
 なら簡単だというように鳴き声が響き渡る。
「なんだ……? 何の音だ……?」
『デスストライカー』の顔が怪訝なる表情を浮かべる。
 それもそのはずだ。どう考えても人間の声ではない。
 そう、その鳴き声は馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)が四悪霊・『虹』(ゲーミングカゲクラゲノツヨサヲミヨ)によって『陰海月』と合体したことによって、『陰海月』自身が『戦国大将軍』を操縦する事を可能としていた。
「合体……!? いや、ホビーがでなく、競技者が!?」
「その通りでしてー。『陰海月』がやりたそうにしていましたのでー」
「そういう問題か!? いや、というか眩しいな!?」

 そう、このユーベルコードは確かに『陰海月』と馬県・義透が合体することによって四悪霊の呪詛を纏いて戦う力。
 だが、彼等の合体した身体からは1680万色の輝きが解き放たれている。
 俗に言う所のゲーミングカラーというやつである。
「ぷっきゅぷっきゅ!」
 翻訳するのならば。
『ふふーん、ルールの押し付けだね? なら大丈夫! ミスや敗北をしなければいいんだよね!』
 である。
 いや、だからといって『デスストライカー』にそれが伝わったのかどうかは解らない。
 けれど、この年代の少年少女たちにとってゲーミングカラーの輝きは憧れにも似た感情を引き起こさせるだろう。

「かっけー!! ンだよ、あれ!!」
「キラキラしていて綺麗ですね……」
『アイン』と『ツヴァイ』がものすごく食いついている。霊障はゲーミングカラーに輝き、呪詛となって迫る『デスストライカー』の『鉄球バスター』が繰り出す鉄球の一撃を防いでいる。
「いや、どう考えて眩しいだけだろう!」
 それはそうかも、と『疾き者』は思った。
 けれど、それで敵の目がくらんでいるのならば、此処が勝負の仕掛けどころであるとも思っていた。
 これに『陰海月』が気がつけばよし。
 あくまで操縦しているのは『陰海月』なのだ。この勝負が負けられな居者であることは承知の上。
 けれど、時に子供に大人がアドバイスしすぎていても、子供の自主性は育たないだろう。

 だからこそ、黙っていたのだ。
「クエ!」
 そんな『戦国大将軍』を載せたメカ騎馬を操る『霹靂』は友達であうる『陰海月』がやることなすことに理解をしてしめしていた。
 いつものことだし、と思っていたが、しかし機体まで光っているのは想定外だった。自分まで光っていることに驚きを隠せない。
「目に、どう考えて悪いだろうこれは!」
『デスストライカー』はゲーミングカラーに苛立つ。ただ眩しいだけではなく、色がグラデーションを伴って変わっていくのだ。
 故に目が慣れることはない。
「ぷっきゅ!」

『陰海月』がひと鳴きして『戦国大将軍』よりゲーミングカラーに輝く光珠をポイポイ投げ放つ。
『デスゲームサーカー』のルールがミスをすればダメージを受けるというものであったのならば、無理に此方からダメージを与えなくてもいい。 
 ただミスを誘発させればいいのだ。
「ぷきゅきゅ!」
「その眩しいのを投げるのをやめろ! あっ……!?」
 ぽいぽいと投げ放つ光珠は機体のゲーミングカラーのまばゆさと同等。
 視界を染め上げる数多の色に『デスストライカー』が機体の操作を誤って転倒するのは当然であったことだろう。

 転倒した青い機体の上に雷が落ちる。
 これがペナルティ。
 ルールを押し付けた『デスストライカー』は、そのルール故にミスを誘発させられてしまい、その機体を雷で焼かれるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
「…転身。」
暴走貨物列車の後続車両を再連結ッ!
そしてすかさず雷神霊装を纏わせる。
これぞ必殺のスパークモンスタートレインよッ!

更に加速するスピードとそれを制御する反応速度。
稲妻のごとき高速ジグザグ走行で敵の鉄球を避け、敵の死神シュートの範囲に入っても死神をぶっちぎっていくぜッ!
オラオラ、連続ひき逃げアタックでガンガン削っていくぜッ!
正に『八咫神国』に突っ込む原作再現がごとき激突よッ!
「…原作再現したら止められますよ?」
そこは無事突っ込みきるif展開ってやつよッ!


【アドリブ歓迎】



 戦場を走り回っていた胴体が車両になったような狸たちが一斉に神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)の操る暴走貨物列車こと『モンスタートレイン』の先頭車両に集まってくる。
「……何を!」
 ダークリーガー『デスストライカー』、『フュンフ』が、その光景に目をむく。
 彼の機体は『プラクト』フィールドに押し付けた『デスゲームサーカー』のルールによって雷が落ち、ダメージを負っている。
 しかし、その青い機体は彼自身の技量を示すように立ち上がっているのだ。
 気迫、というよりも勝利に対する貪欲なる執念を感じさせるものであったことだろう。

『後続車両を再連結ッ!』
 凶津の赤い鬼面がカタカタゆれる。
 変じた狸たちの手と足が、がっしり掴まれた瞬間、元の車両に戻って本来の姿に戻るのだ。
 けれど、それだけではない。
「……転身」
 相棒である桜の瞳がユーベルコードに輝く。
 それは二人の力を一つにすること。
 そう、敵が一人で戦うというのならば、凶津と桜は二人で一人の猟兵。桜単身ではユーベれるコードは使えず、凶津はヒーローマスクであるがゆえに身体を持たない。
 二人が合わさることによって顕現する雷撃纏う霊装は、『プラクト』において自身たちが使うプラスチックホビー……即ち『モンスタートレイン』へと纏わされるのだ。

 尋常ならざる速度が『モンスタートレイン』の車体を跳ね上げさせる。
「……まだ速度が上がるだと!? だがッ! 死神シュートならば!!」
『デスストライカー』の青い機体が周囲にあった鉄球を次々と『モンスタートレイン』へと蹴り込んでいく。
 その強烈なる一撃はタダの鉄球ではない。
 打ち出されたことにより、その鉄球は闇色の死神を宿す。
 手にした大鎌の一閃が凶津たちが操る『モンスタートレイン』へと放たれるが、しかし雷神霊装・二ノ型(スパークフォーム・ツー)を纏った凶津達は、さらに一枚上手だった。

「……来ます」
『おうともよッ! いくぜ、ジグザグ走行ッ!!』
 凶津の言葉と共に『モンスタートレイン』が稲妻のようにフィールドを駆け抜けていく。鉄球を躱し、大鎌の一閃すら躱し、さらにぶっちぎるような速度でもって『デスストライカー』の青い機体へと迫るのだ。
「……! 突っ込むだと!?」
『モンスタートレイン』の突進の一撃が青い機体を吹き飛ばす。
 だが、それは一度では終わらなかった。
 連続して、それこそ『デスストライカー』の青い機体を取り囲むようにして、ぐるりと塒を巻くように幾度となく突進の一撃が叩き込まれ続ける。

「……こ、のっ!」
『これがまさに『八咫神国』に突っ込む原作再現が如き激突よッ!』
「……原作再現したら止められますよ?」
『あっ……それはそうか。だが、そこは無事突っ込みきるif展開ってやつよッ! 現にやつは俺達の突撃を止められてねぇッ! いくぜ、相棒!』
 凶津の言葉に桜の瞳がユーベルコードに輝く。
 爆発的に上がった速度が『モンスタートレイン』に反映され、纏う雷撃が『デスストライカー』の操るプラスチックホビーを散々に打ちのめすように撃ち込まれる。
 それを阻むものなど何もない。
 死神の大鎌も。
『デスゲームサーカー』のルールも。

 全てが凶津と桜の圧倒的過ぎる速度でもって振り切っていく。
 白煙上げながら『モンスタートレイン』が駆け抜けた背後に打ちのめされた青い機体がフィールドに落ちる。
『これが原作再現からのッ!』
「……もしかしたらあり得たかもしれない、展開、です――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステルク】

『フュンフ』さん……。

あ、あああああ!
やっぱりステラさんの『後方あらあらうふふ』顔が復活してます!
眼鏡までかけて……。
やっぱりエイルさんに近しい方になると、ヤバさのグレードが違ってきますね。

敵とはいえ、お子様(自分のことは棚に上げる)です。
今のステラさんに引き渡すわけにはいきませんね。

ここはわたしが……って、痛いです!?
なんでスリッパなんですか!?

え? なにするってもちろん【Canon】の演奏ですよ。
わたしの最高の演奏で感動させて、改心させるターンじゃないですか。
この子はバイオリンだって弾けるんですから!

なんでそんな顔なんです!?
えええええ!? 『五月雨模型店』のみなさままでー!?


ステラ・タタリクス
【ステルク】
あらあらふふふ
え?
いえ、アレはいらないです黒髪ですし
名のため戦う、それはエイル様ではありませんよ
ですが興味深いことを言いました
フュンフの名…これは継いだものでは?
つまり…いますね?
亜麻色の髪の色をしている感じの人が!!
誰がやべーメイドですか
まぁ、どちらかというと五月雨模型店の店長の方が気になりますし
アイン様達と憂国学徒兵シリーズを語り合うべきだと思うのですが
ええ寝かせるつもりはありません

さて|エイル様《主人様》はこの辺にして
いきま…せいっ(スリッパ)
何をしていますかルクス様
だからなんで無差別破壊魔法を使う気なの…
ええい、その前に決めます!
|エンジェルビット《【シーカ・サギッタ】》!



『フュンフ』。
 その名はある者にとっては特別な意味を持つ名であったことだろう。 
 時に救世主として。
 時に悪魔として。
 しかし、いずれにしても、その名は多くの者たちの胸に刻まれることになったはずだ。
 故に、その名を求めることは、それ自体が虚無の如き実体を保たぬものに手を伸ばすことと同義であったのだとしても、ひとは求めずにはいられないのかもしれない。
「あらあらふふふ」
 ひっ。
 ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はステラ・タタリクス(紫苑・f33899)の顔が後方お姉さん顔になっているのを見て、うわ、と思った。
 眼鏡まで掛けている当たり、本気の本気なのであろう。
『フュンフ』と名乗ったダークリーガー『デスストライカー』。
 彼の言葉にステラが反応しないわけがなかったのだ。
 とは言え、彼女の『主人様』絡みの姿はちょっと幼い『五月雨模型店』のメンバーたちの情操教育上なんていうか、あんまり褒められたものではないので、ルクスはなんとか抑えてもらえないかなぁ、と思ったのだ。

「あの、ステラさん……? えっと『エイル』さんに近しい方になると、ヤバさのグレードが違ってきているようなきがするのですが……」
 なんかまた自分の子! とか叫びそうになるのではないかとルクスは案じていたのだ。
 自分まあ、まだ大人とはいえない年齢であるけれど『五月雨模型店』のメンバーたちからすればお姉さんである。年上なのである。
 ならばこそ、自分より幼い者たちを守るのは年長者の務め!
 今のステラに『フュンフ』を引き渡すわけにはいかないのである。
「何をごちゃごちゃと!」
『デスストライカー』の青い機体は猟兵たちの攻勢によって劣勢を強いられている。
 しかし、『プラクト』フィールドに『デスゲームサッカー』のルールを強いる彼にとって、逆転の目はいくらでも存在しているのだ。

「喰らえっ、死神シュート!!」
 蹴り込まれる無数の鉄球。
 それは闇色の死神となって大鎌を振るい上げ、迫るルクスやステラの機体の首を刈り取らんとする。
 しかし、ステラの紅蓮なる機体『クリムゾンリッパー』の無敵斬艦刀が一閃を受け止めるのだ。
「いえ、アレはいらないです。黒髪ですし」
 ステラは眼鏡の奥で瞳をきらりと光らせた。
 いや、なんていうか、そういう問題なのかとルクスは思った。
「ですが興味深いことを言いましたね。『フュンフ』の名……これは継いだものでは? つまり……いますね?」
 何が?
「亜麻色の髪の色をしている感じのひとが!!」
 ぐわ! と見開かれる目! 眼力! すごい迫力!!

「えぇ……」
 ルクスはそこなのかと思った。いや、これまでアスリートアースで、それっぽいひといなかったような、とルクスは記憶を巡らせる。
「いましたっけ?」
「『五月雨模型店』の店長の方とか気になります。それと『アイン』様たちと『憂国学徒兵』シリーズを語り合うべきだと思うのですが」
「それって徹夜になるってことですよね?」
「ええ、寝かせるつもりはありません」
「いや、どう考えても皆夜更かししちゃダメな年齢ですよ!?」
「いいのです。『エイル』様を追うためならば!!」
「や、ヤベーメイドになってるじゃないですかやだー!!」
 誰がヤベーメイドですか、とスリッパが飛ぶ。

「いたぁ……なんでスリッパなんですかぁ……どう考えてもヤベーメイドなのはステラさんなのに……」
 まったくもう、とルクスは火花散らす『クリムゾンリッパー』と青い機体の放った鉄球シュートの一撃に援護しようと、キーボードに手を置く。
 彼女の機体は演奏に寄って動く『マニューバ』タイプ。
 故に援護しようとすれば当然演奏しようという形になるのだ。
「だれがヤベーメイドですか」
「いや、どう考えてもステラさん……」
 もう、とルクスは気を取り直して演奏しようとして、再び操縦パーティションの中に叩き込まれるスリッパにもんどり打つ。
「何をしていますかルクス様」

 じとっとした目がルクスに刺さる。
 いや、何ってダークリーガーと戦うために機体を動かそうとしているだけである。しかしながら、それが問題なのだ。
「勿論、Canon(カノン)の演奏ですよ。わたしの最高の演奏で感動させて、改心させるパターンじゃないですか? この子はバイオリンだって弾けるんですから!」
 ほらーと機体がバイオリンを掲げている。
 その様子を見て、ステラは深い、深い、ふかーいため息をつく。
「だからなんで無差別破壊魔法を使う気なの……」
「なんでそんな顔なんです!?」
「いや、それはそう」
「まったくもってそのとおりです」
「ぐうの音も出ないほどの正論であるな!!」
「え、えええっと、その、も、もうちょっと練習してからの、方が……」
『五月雨模型店』の面々が深く頷いている。

 ルクスはその皆の反応に驚愕する。
「えええええ!? みなさんまでー!? ど、どうしてです!? これは不協和音じゃなくって、演奏なんですよ!? 本当なんですよ!?」
 いや、どう見ても破壊魔法。
 みんなのジト目を受けて、ルクスがたじろいでいる最中、ステラは『クリムゾンリッパー』で『デスストライカー』の機体ヘと肉薄し……。
「尺の都合でもありますが、ルクス様が演奏する前に|『エンジェルビット』《シーカ・サギッタ》で決めます!!」
 放たれる投げナイフが闇色の死神を貫いて、『デスストライカー』の青い機体の貫く。
 あまりにも雑なあれ!
 けれど、ルクスは叫ぶのだ。

「本当に演奏なんですよぉ! 破壊魔法じゃないんです――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【サージェさんと】

あらゆるミスが致命的っていうなら、あなたの敗北は決定的だね。
なぜならあなたは最大のミスを犯してるから!

『フィーア』さんという『萌え噛みさま』に手を出したということ!


まずは【World Without Abilities】で能力封じ。

それがどうした、って?

能力を封じられてるのに、
プラスチックで鉄球なんか蹴ったらどうなるか解らないかなー?

どんなに高性能でも、脚のへし折れた機体では勝ち目がないよ。
長引かせるのも忍びないし、ここはサージェさんとわたしで……。

って、忍びない? 忍べてない? 忍べてないね!

ごめん。サージェさんごめんて!

忍べてる、忍べてるから! モザイクかけとくからー!


サージェ・ライト
【理緒さんと】
ふーむ、理緒さんが荒ぶっておられる(後方でトラメちゃん毛づくろいモード)
そして戦術は容赦がないという……
あれ?これ、フィーアさんからすると不審人物なのでは?
いえ、気にしないでおきましょう
あとはお二方で解決、ということで……
私はバトルと行きますか!

無尽蔵の鉄球とて当たらなけば!
トラメちゃんフィールドを駆けろー!
やー、気持ちいいー!
ちょっと気合が入りすぎて前傾姿勢とか操縦席から立ち上がっちゃうかもですが!気にしない方向で!

いえ、忍んでますから!モザイクどこにかけてるんですか!!

ええい、このままではクノイチの沽券にかかわりますよ!
決めさせていただきます!
トラメちゃん【電光石火】でごー!



 ビットの一撃と勇者の嘆きがワンセットとなって青い機体『鉄球バスター』を撃ち抜く。
 けれど、フィールドに立っている以上、試合続行なのが『プラクト』であり、そして同時に『デスゲームサッカー』のルールを押し付けられているというのならば、倒れるまで終わらないのである。
 故にダークリーガー『デスストライカー』、『フュンフ』は立ち上がる。
「どれだけ貴様らが強敵だろうが!『フュンフ』の名を受け継ぐ俺が!!」
 負ける道理などあり得ないというように咆哮する。
 彼の勝利への執着は執念そのもの。
 気迫ではない。ただの執念。勝利こそが己の存在を証明するだというように叫び、そのユーベルコードの輝きを青い機体より解き放つのだ。
「『デスゲームサッカー』はあらゆるミスが致命的になり得る。貴様たちの些細なミスであろうと!!」

「なら、あなたの敗北は決定的だね」
 それは、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)の言葉であり、彼女のユーベルコードだった。
 World Without Abilities(ワールド・ウィズアウト・アビリティズ)。
 それは|究極の現実《パーフェクトリアル》でもって世界を染め上げるユーベルコード。ユーベルコードを含む特殊能力全てを禁じる力。
『デスストライカー』の力が『プラクト』フィールドに『デスゲームサッカー』のルールを押し付けるのならば、それさえも封じるのだ。
 まさかのルール上塗り。
 それに『デスストライカー』はたじろぐ。
 まさか、このような手段で自分のフィールドを侵食されるとは思っていなかったのだろう。

 しかし、彼の考えは理緒のさらなる言葉によって塗り替えられる。
「なぜならあなたは最大のミスを犯しているから!」
 ごくり。
 一体全体如何なるミスか。
「『フィーア』さんという『萌え噛みさま』に手を出したということ!」
「……」
「……」
『デスストライカー』も『五月雨模型店』のメンバーの皆も、え、という顔をしていた。
 どういうこと?
 渦中の『フィーア』も、え、といいう顔をしていた。
「ふーむ、理緒さんが荒ぶっておられる」
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は後方で『トラメ』の毛づくろいモードに移行しながら、ふーむって思っていた。
 つまりは、『フィーア』の噛みまくりな、本人からすれば気にしていることを敢えて前面に押し出したプロモーションのことを言っているのだろうなぁってクノイチは忍びながら思っていた。

 いや、忍ぶ必要なんてなかったのだけど、まあ、なんとなく。
「なんとなくなじゃないですからね!? クノイチですから! 忍ぶのです!」
 とは言え、サージェは思った。
 これって理緒さんが非常に『フィーア』からすれば不審人物認定されてもおかしくないというか、防犯ベルを引っ張られても仕方ないというか。
「ま、当事者同士で解決、ということで……私はバトルと行きますか!」
 颯爽と『トラメ』が戦場を駆け抜けていく。
 今まで忍んでないとか、忍ぼうとしても、その柔らかソフトボールでは無理でしょ、とか散々な事を言われてきたが、今ならば『トラメ』のバックアタックが華麗に決まる瞬間である。

「そんな目立つクノイチがいるか!」
『デスストライカー』もあまりに理緒の言葉に一瞬我を忘れていたが、しかしサージェの駆る『トラメ』が接近してきたことには気がついたようである。
 鉄球を蹴り込もう青い機体の脚部を振り上げる。
「あーっといいのかな? 能力が封じられているのにプラスチックで鉄球なんかを蹴ったらどうなるか解らないかなー?」
 理緒の言葉がひびく。
 確かにユーベルコードは封じられている。
 けれど、元々『鉄球バスター』は鉄球を飛ばすプラスチックホビー。
 剛性諸々は十分のはずだ。けれど、理緒の言葉に『デスストライカー』は一瞬考えてしまったのだ。

 そうかもしんない、と。
「ぐっ……!」
 振り遅れる。本当は大丈夫だと判っていても、しかして、理緒の言葉に動揺してしまうのだ。それは彼が少年であるがゆえであったからかもしれない。
 そう、少年は年上のお姉さんには勝てないものなのである!
 そういう世界の法則なのである!
「『トラメ』ちゃん、フィールドを駆け抜けろー!」
 ひゃっほーと迫る『トラメ』とサージェ。蹴り込む鉄球は振り遅れたがゆえに目測を誤り、『トラメ』の横をかすめるばかりであった。

「やー、きもちいいー!」
「サージェさん、操縦パーティションから出てる! 乗り出しちゃってる!」
 諸々出てる。
 ノリノリになっているせいか、前傾姿勢になっているのもあるので、それはもう魅惑のソフトボール二つが生み出す山があったら谷があるような、そういうなんていうか、その大変に大変なあれそれがそれでどれ!
「サージェさんが忍べてないのはいつものところだけど!」
「忍べてますけど!?」
「ごめん。サージェさんごめんて!」
 忍べてない。だから、青少年の健全な育成のためには、ちょっとその刺激強めに揺れたりしているのにモザイクかけるね、と理緒はサージェの胸元にモザイク処理を施す。

 あっ! なんか余計に駄目な感じになってる!
「どこにモザイクかけてんですか!!」
「あれ? でも忍べてるよ、ね? 忍べて……うん、忍べてるから!!」
「これクノイチの沽券に関わりますよ!?」
「何をごちゃごちゃと! 貴様たちはッ!!」
 流石に『デスストライカー』もおこである。完全に置いてけぼりである。そんな二人に青い機体が鉄球を蹴り込まんとする。
 けれど、サージェのほうが一歩速かった。

 そう、動くこと雷霆の如し!
『トラメ』の電光石火(イカズチノゴトキスルドイザンゲキ)の如き爪の一閃が『デスストライカー』の青い装甲を捉え、切り裂く――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
…ミスや敗北したら死ぬ…これはまさしくデスゲームサッカー……!
…いやデスゲームって付ければ良いってものじゃないと思う…

…ボールに死神が憑依してるから…
…死神に攻撃されるのは勿論…そのダメージが原因でミスしたらルールで追加ダメージと…
…ふむ…近接範囲に入ってくる事が厄介なのだから…そこを防ぐとしよう…
【ソラ跳ね踊る白兎】を発動…
ボールが近接範囲に入る前にボールを魔法陣で反射…
…いくつかの魔法陣でフェイントをかけるように反射させてデスストライカーへと打ち返すとしようか…
…これを迎撃する為に踏み込もうとした瞬間に柔らかクッション魔法陣をストライカーの足下に展開…踏み込みしづらくしてミスを誘うよ…



 ざっくりとした爪の一撃がダークリーガー『デスストライカー』、『フュンフ』の操るプラスチックホビー『鉄球バスター』の青い装甲を切り裂く。
 しかし、彼は止まらない。
 執念にも似た勝利への執着のため、その瞳をユーベルコードにか輝かせる。
 周囲を満たすのは『デスゲームサッカー』のルール。
 そう、これは『プラクト』という競技でありながら、そこに『デスゲームサッカー』のルールを付与する力なのだ。
 つまり、些細なミスが致命的なまでのミスに変化する。
 ミス即ちデス。

「……これはまさしく『デスゲームサッカー』……!」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は己が駆る『ミニツィルニトラ』を操りながら、その魔術師然とした機体の装甲を翻して、撃ち込まれる鉄球を躱す。
 ミスをすれば、それ致命的な罰則としてダメージへと変化する。
「……いや、デスゲームってつければ良いってものじゃないと思う……」
 昨今の流行というものであろうか。
 しかし、ここはアスリートアースである。アスリートアースの競技は公式、未公式含めてルールがガバである。
 確かにサッカーにデスゲームの要素を付け加えたのは、なんていうか、その安直であるけれど、ちょっと楽しそうだな、とも思う。
 けれど、メンカルは、そこにルールがあるのならば覆すことができるのもまたデスゲームの醍醐味であると知る。

「理解したところでミスをしない人間などいないのだから!」
 撃ち込まれるボールもとい鉄球。
 確かに受け止めれば機体が拉げてダメージを受ける。けれど、トラップミスをしても罰則によるダメージが飛んでくるのだという。
 其れは即ち、ボールを蹴り込まれるという命題に対して此方がアプローチした結果なのだ。
「……なら」
 メンカルの瞳がユーベルコードに輝く。
『ミニツィルニトラ』の周囲に浮かぶは、無数の薄板状の魔法陣。
 それ自体に戦闘能力は存在しない。
 けれど、その魔法陣は硬さが変化するのだ。
 撃ち込まれた鉄球は言うまでもなく硬い。けれど、硬いものは柔らかいもので包み込めば、その衝撃は殺せるのだ。

「星の理よ、跳ねろ、弾め。汝は跳梁、汝は跋扈。魔女が望むは天地跳ねる月兎」
 その言葉と共に、メンカルのユーベルコードによって生み出された魔法陣が鉄球を反射させる。
「……!? 反射された!?」
 その反射された鉄球を『デスストライカー』は強靭なるプラスチック素材でできた『鉄球バスター』の脚部で受け止める。
『デスゲームサッカー』のルール状、トラップミスもミスの内である。
 だからこそ、『デスストライカー』はトラップせざるをえない。受け止め、軋むフレーム。けれど、打ち返さなければならない。
「……ぐっ!」
 蹴り放つ鉄球。
 だが、それは即座に、ソラ跳ね踊る白兎(バウンシング・ムーンラビット)のように魔法陣で跳ね返されるのだ。

「……やっぱり、直線的にしか動かない。そして、『デスゲームサッカー』のルールに自ら縛られているというのなら……」
 メンカルの瞳が輝くと同時に『ミニツィルニトラ』の杖が掲げられ、魔法陣が移動する。
 反射した鉄球を別の魔法陣で反射させ、不規則な起動に変えていくのだ。
 その動きは『デスゲームサッカー』と言えど、完璧に把握することはできない。だが、その限界を越えるのが彼であった。
「できぬわけがないのだ、『フュンフ』の名を受け継いだ俺が!!」
 踏み込んで、蹴り返そうとした瞬間、青い機体の足元が沈む。
 何故、と理解するには遅かった。

 そこにあったのはメンカルの移動させた魔法陣。
 そう、硬度を変化させることができるのならば、当然柔らかくもすることができる。メンカルが誘導した魔法陣に足を取られた青い機体が、がくりと体制を崩した瞬間。
「……もう勝負は決して居たんだよ……」
『デスゲームサッカー』。
 そのルールに乗っ取り、打ち返せなかった機体に罰則の雷が迸るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニィナ・アンエノン
あ、これにぃなちゃんの知ってるサッカーとちょっと違うやつだな?
まぁいいや、SDの操縦法はそりゃあもう一晩つきっきりで手取り足取り教わったからこの子は思い通りに動かせるもん。ねー、ドライ君♡

今回は別にゴールがある訳でもないし、相手の鉄球は避けてもミスじゃないよね。
こっちもその辺の鉄球を蹴飛ばして死神シュートを【武器落とし】するのも面白いかな?
そんでもって球が浮いたらチャンス!
誰かに打ち上げてもらって浮いたボールより高く【ジャンプ】して、ファイナルにぃなちゃんシュートで相手に蹴り返しちゃえ!
やっぱりドライ君に打ち上げてもらうのがいいかな、あのマンツーマンの特訓でお互いの事は良く分かってるもんね☆



『デスゲームサッカー』のペナルティの雷がフィールドに降り注ぐ。
 それはダークリーガー『デスストライカー』の青い機体に撃ち込まれていた。そう、猟兵たちのユーベルコードを駆使した戦いによって『デスストライカー』、『フュンフ』の青い機体は追い込まれ続けていた。
 鉄球を打ち出すプラスチックホビーであるがゆえに、その機体の頑強さが彼を助けていたことは言うまでもない。
「くっ……だが、まだやれる!」
『プラクト』フィールドに『デスゲームサッカー』のルールが押し付けられている以上、逆転の目はいくらでも転がっている。

 些細なミスであれば、ダークリーガーであろうが猟兵だろうが無慈悲に罰則の雷が迸るのだ。
「あ、これにぃなちゃんの知ってるサッカーとちょっと違うやつだな?」
 ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)はSD等身の『ソニックストーム』を動かしながら、首を傾げる。
 サッカーのルールは知っているのだが、どうもペナルティが即座に致命的な罰則に繋がってしまうらしい。
 でも、それがなんだというのあとニィナは笑う。
 だって。
「この子の操縦法はそりゃもう一晩つきっきりで手とり足取り教わったからこの子は思い通りに動かせるもん☆」
 ニィナは笑顔を浮かべる。

 そう、SD等身の『ソニックストーム』は等身が低いせいで重心の安定を得る代わりに、操作性の難しさを得ているのだ。
 けれど、それは一週間毎晩のようにSD等身のホビーを操っていた少年『ドライ』と特訓を重ねたことで、完璧な操作習熟度を誇っているのだ。
「ねー、『ドライ』君♡」
 ね、とウィンクして『ドライ』に目配せするニィナ。
『ドライ』は年上のお姉さんにそうされては、少年的に照れくさくもなってしまうというものである。

 だが、しかし!
 ニィナは忘れていたのかもしれない。今のニィナは『プラクト』プロモートにおいてアイドル的な人気を得ているのだ。
 そんな彼女がウィンクしようもんなら! そして、それが今ネットワークに配信されているというのならば!
「ニィナお姉さん! ちょっと言い方が悪いな!?」
「えーだって、本当だし☆ いっぱい教えてくれたでしょ?」
 それはそうであるが、誤解されやすいあれである!

「何を、わちゃわちゃと!」
 其処に蹴り込まれるは鉄球。
 闇色の死神宿す大鎌の如き一射が二ィナの操る『ソニックストーム』へと迫る。しかし、ニィナは逆にその辺に転がっている鉄球をSD等身ながら蹴り飛ばして、空中で鉄球同士を激突させるのだ。
 火花を散らして、鉄球が宙を舞う。
 二つの鉄球。
 どちらが本来の『デスゲームサッカー』のボールであるのか、判別がつかない。ルール的にボールが二つフィールドに存在していていいのだろうか。
 いや、いいのである。
 だって、これはアスリートアースの競技。
 ルールはガバガバである!

「これはチャーンス☆」
「させるか!」
 青い『鉄球バスター』と『ソニックストーム』が一つのボールを争うようにして空中で競り合う。
 だがSD等身であるがゆえに青い『鉄球バスター』との等身の差が災いしてしまった。
 僅かに届かない。
「な、にぃ――!?」
「今だ、ニィナお姉さん!」
『ドライ』の機体が放った光条の一撃が競り勝った『鉄球バスター』の機体を吹き飛ばす。
 二つの機体が接近している最中に撃ち込まれる光条の一撃は、ともすれば『ソニックストーム』に当たる可能性があった。

 けれど、二人はニィナが先程言ったように長い時間、共に特訓をした仲である。
 こういう時、彼等は言葉無くとも通じ合うことができるのだ。
 アスリートとしての矜持。
 毎晩一生懸命がんばった成果が、今此処に結実した瞬間だった。
「ありがと、『ドライ』君♡」
「だから、言い方!」
 少年『ドライ』としては、なんとも照れてしまう言い方である。無理もない。誰だって照れる。

 そんな『ドライ』のアシストによってニィナは鉄球をやたらもったいぶった準備動作の後に蹴り込む。
 それはユーベルコードにして、必殺シュート。
「ファイナルにぃなちゃんアタック(ファイナルニィナチャンアタック)、せいやー☆」
 放たれるシュートは、とんでもなく派手なエフェクトを伴って鉄球を蹴り出し、その痛烈なる一撃が『デスストライカー』の機体へと吸い込まれ、フィールドへと叩き返すのだ。

 そして、華麗に着地した『ソニックストーム』と共にニィナは決めポーズを決めると同時に操縦パーティションから飛び出して『ドライ』と共にカメラの前でハイタッチするのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

これが死神の力!デスゲームサッカー!
デスゲームサッカーってなに?

●ルールは
破るもの!またボクが決めるもの!ってスタンスのボクだけれどたまには縛りプレイもいいよね!
バラバラXくんスリムの流体装甲を一部に集中!飛行する二つの足パーツに
全体の装甲はさらに薄くなるけれど…そこはさらなる軽量化によるスピードアップとボクの【第六感】コーチングでフォロー!
そして!彼の蹴る球を飛翔脚でひたすら打ち返す!
自在にあらゆる角度から蹴り返せるバラバラキックとキミの技能!さきに限界を超えてルールを破るのはドッチかな!
ペナルティを喰らわせて能力が解けたりしたらバラバラアタックでドーーーンッ!!



 蹴り込まれた鉄球の一撃を受けて青い機体『鉄球バスター』は大地にめり込む。
 だが、ぎりぎりとフレームを軋ませながらダークリーガー『デスストライカー』、『フュンフ』は立ち上がる。
「くっ……だが、まだだ! 俺はまだ負けない! この『デスゲームサッカー』のルールがある限りなッ!!」
 吹き荒れるユーベルコードの輝き。
 青い機体を包み込むは電光石火の如き稲妻纏う死神たる姿。

「これが死神の力!」
「『デスゲームサッカー』!」
 なんか途中でセリフを取られたような気がする。というか、完璧に取られている。
 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は、『バラバラX』と共にフィールドを疾駆する。
 ものすごい勢いであった。
 けれど、ロニは手にしたコーラをじゅーってストローで啜り、ポップコーンを口に放り込みながら首を傾げる。
「……『デスゲームサッカー』ってなに?」
 知らないで突っ込んでいたのだ。
 そこに撃ち込まれる鉄球。凄まじい勢い。吹き荒れる稲妻。

 いずれもが『デスストライカー』の強烈なる鉄球の蹴り込みあってのことだろう。
 この一撃を受け止めれば、確実に機体が拉げてしまう。
 だが、避けてしまえば『デスゲームサッカー』のルールに違反したとして罰則のペナルティダメージがロニを襲うだろう。
「なるほどねー! けどさ! ルールってのいうのは破るもの! またボクが決めるもの!」
 それが神としてのロニのスタンスであった。
 しかし、思うのだ。
 自由奔放たる神である自分だけど、たまにはルールに縛られた縛りプレイというのも面白いのかもしれない。

「そんなわけだから、今回だけは乗っかってあげるよ、『デスゲームサッカー』のルールってやつね!」
 その言葉共に『バラバラX』のスリムな流体装甲が飛行する二つの脚パーツに集中する。
 全体の装甲は薄くはなるが、それでいいのだ。
 結局、これはサッカー。 
 ボールに触れて、蹴り飛ばせば良い。
 ゴールは設定されていないけど、ボールを躱す、というのがルール違反になるというのなら!

「どーんっ!」
 撃ち込まれた鉄球を蹴り返す『バラバラX』。
 流体装甲が一極化した脚部は撃ち込まれた鉄球の威力に負けず打ち返すのだ。その蹴り返した鉄球をさらにまた蹴り返す『デスストライカー』の青い機体。
 その応酬は凄まじいの一言であった。
 なんかサッカーというスポーツの概念を覆す勢いで、火線が宙に引かれるかのようにバンバン鉄球が打ち返されまくっているのだ。
「どっちかっていうと、これってなんか違う気がするんだよね!」
「今更だろうが、そんなことは!」
 蹴り込み、蹴り返す。

 その繰り返しは、恐ろしいことにどんどん加速していっているのだ。
 これは先にどちらが音を上げるかの勝負でしかなかった。もうサッカーなんて関係ない。いや、サッカーに関係ないところまで白熱しているということは。
「限界を超えていこうじゃないか! ね!」
「望む所!」
 蹴り込んだ鉄球を『バラバラX』が蹴り返した瞬間、それはどう考えても間に合わないコースを描いてシュートされていた。
 間に合わない。
 伸ばした『鉄球バスター』の脚部がどうしても届かない。
 飛距離が届かないのだ。
「ならば、足ではなく手で……!」
 大地を蹴る『鉄球バスター』の脚部。その瞬発性能で加速し、ロニの放った鉄球に追いついたのだ。

 打ち返される鉄球。
 だが、それは所謂。
「ハンドー!」
「……あ」
 ロニが笑う。限界をいつだって越えるのは良いことだ。人間の可能性というやつである。
 神である己の反応速度に追いついたのは素晴らしいことだ。
「けど、これってば『デスゲームサッカー』なんだよね!」
 というわけで、とロニと『バラバラX』が空へと飛び上がる。
 掲げる拳に宿るはユーベルコードとペナルティと云う名の神罰。
 煌めく神撃(ゴッドブロー)は、鉄槌のように『デスストラカー』へと降り注ぐのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
…鉄球なんてトラップしたら砕けそうなんですけど?
というか塗装が剥げるんですけど??

まあそっちがそっちのルールを押し付けてくるなら…こっちも好きにやる!
【断章・機神召喚〈極限熱量〉】起動
こんな事もあろうかと!
ミニチュア機械腕召喚
武装は置いとく!
これで敵の鉄球を掴む!
サッカーゲームに出てきそうなキーパー技の再現だよ
つまり…|神の腕《ゴッドハンド》!
キーパー技ならルール違反にはならないよね?
召喚した機械腕を【オーラ防御】で更に強化
【念動力】で動かして敵の鉄球を受け止めていこう
奴の実体が現れたタイミングで受け止めてきた鉄球を、置いといた剣で打ち返して蒼炎を纏わせ連打ノック!
サッカーを倒すのは野球や!



 打ち下ろされた鉄槌の如きペナルティの一撃。
 それは『デスゲームサッカー』において、致命的なペナルティ。
 まさかのハンドという反則を取られたのは、限界を超えた動きをしたがゆえの結末であった。まさに皮肉。
 けれど、ここで手心を加えることなどあり得ない。
 ダークリーガーを倒さねば、彼に倒されたアスリートたちのダーク化は解かれないのだ。
 だからこそ、ここで畳み掛けねばならない。
「……え、やだ」
 月夜・玲(頂の探究者・f01605)は頭を振って拒否した。
 え!? と『五月雨模型店』のメンバーの全員が思わず振り返っていた。

「な、なんでだよ、玲ねーちゃん! 今チャンスだって!」
「……鉄球なんてトラップしたら砕けそうなんですけど? というか塗装が剥げるんですけど??」
「そ、それはそうですが!」
「だからヤダ」
 玲はにべにもなく突っ返した。
 彼女が作り上げたSD『スカルモルド』は確かに大変だった。塗装する箇所も多かったし、色々エッジを効かせたり、処理をしっかりしていたので、とてもクオリティが高い。
 コンテストなんかに出した日には、其れはもう確実に賞が取れる感じの出来栄えであったのだ。
 だから、わかる。
「で、でででもぉ!」
『フィーア』が食い下がる。其れを見て、玲は一つ頷いた。

「わかってるよ。あっちが『プラクト』で『デスゲームサッカー』のルールを押し付けてくるななら……こっちも好きにやる!」
 玲の瞳がユーベルコードに輝く。
 瞬間、フィールドに降り立つのは、SD等身の二倍はあろうかという機械腕。その機械腕が手にした剣がフィールドに突き立てられた瞬間、蒼炎が吹き荒れる。
「こんな事もあろうかと!」
 一度入ってみたいセリフー!!
 玲の言葉に答えるように機械腕のマニュピレーターが開く。
「機械腕が一本増えようが!」
『デスゲームサッカー』の青い機体が蹴り込む鉄球。確かに猟兵たちの攻勢によって機体のフレームはきしみあげている。

 けれど、それは強靭なるフレームを持つが故であった。
 鉄球をプラスチックホビーが蹴り込む、というどう考えても強度的に問題がありそうなものであるが、それをクリアした素材を使っているからこその剛性。
 蹴り込む鉄球を前に玲は不敵に笑む。
「秘技! 三角跳び!」
 突き立てた剣をゴールポストに見立ててSD『スカルモルド』が三角跳びの要領で迫る鉄球を機械腕でキャッチするのだ。
「S.G.G.K(スーパーグレートゴールキーパー)、|神の腕《ゴッドハンド》! つまりキーパー技ならルール違反にはならないよね!」
 断章・機神召喚〈極限熱量〉(フラグメント・マキナアーム・インフェルノ)によって更に強化された機械腕は鉄球の猛烈なる勢いを受け止めきるのだ。

「まだだ!」
 しかし、そこに滑り込んでくる『デスストライカー』が稲妻の死神へと変じた機体。
 受け止めた機械腕ごとゴールに叩き込もうと蹴撃を放つのだ。
 迸る焔と雷。
 もう、サッカーも『プラクト』も関係ない領域まで話がぶっ飛んでいるような気がしないでもない。
 迸る力と力の拮抗。
 玲の念動力でもってさえ、拮抗する力。
 互いの衝撃で機体が吹っ飛ぶ。
「ぐあぁっ?!」
「……!! まだまだ!!」
 玲のSD『スカルモルド』が吹っ飛びながら、ゴールポストにしていた剣の等身に着地し、そのまま剣を手に取る。

「サッカーを倒すのは……!」
 剣を手に取ったSD『スカルモルド』が振りかぶる。機械腕がそこらに撃ち込まれていた鉄球を拾い上げた瞬間、それを『スカルモルド』へと放り投げる。
 その形は!
「――野球や!」
 カッキーン! とものすごく良い音がする。
 言うなれば、これは野球盤! 奇しくもボールは鉄球! 打ち返すは千本ノック。
 無慈悲にも撃ち込まれる鉄球は、猛烈なる数と勢いでもって『デスストライカー』の青い機体を打ちのめすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チェスカー・アーマライト
連携アドリブ歓迎
大破、全損OK
稲妻の姿になって|通電し《すり抜け》ちまうから物理攻撃は届かない
オマケにミスるとダメージってか
中々どうして小賢しい真似しやがる

とは言え、蹴られた後の鉄球は実体だろ?
ミニタイガーの砲撃で相殺するも良し
さっきみたく受け流すも良しだ
そらそら、撃ち合いじゃ埒が明かねーぞ
格闘戦《ドッグファイト》と洒落込もうぜ
テメーにその度胸があるんならな!
挑発と同時に真っ直ぐ吶喊するミニタイガー
自分は物理攻撃無効って言うアドバンテージがあればこそ
距離減衰の無ぇフルパワーの鉄球を、カウンター気味に叩き込みたくなるんじゃねーか?
狙い目はそこだ
当たる瞬間、鈍器を捨てて腕で鉄球をキャッチするぜ
同じタイミングで四脚もグリップ、機体全体で勢いを受け止める
ゴールキーパーでも無ぇヤツが手でボールを持つのはマズいんだよなぁ?
ペナルティを食う寸前にグリップを離す
機体をちょいと前進させるぜ
稲妻の姿に重なるようにな
同じルールのもと、同じフィールドに立つプレイヤー同士だ
流石のテメーにもダメージは通るだろ?



 鉄球千本ノックの痛烈なる打撃がダークリーガー『デスストライカー』の青い『鉄球バスター』の装甲に亀裂を走らせる。
 もとより鉄球を蹴り込む頑強なるホビーなのだ。 
 その剛性は言うまでもない。
「しぶとい!」
『アイン』の機体が切り込むも、亀裂走れど致命打には至らぬ事を示すように青い機体は咆哮する。
 迸る稲妻が機体を変容させていく。
 その姿は正しく死神。
「まだだ! まだ勝利は俺の手のうちから溢れているわけじゃあない!!」
 漲る力。
 稲妻そのものたる姿に変じた青い機体は、あらゆる物理的攻撃をはねのける。即ち、鉄球を撃ち込まれようとも、その一撃はかの機体には通用しないのだ。

 故にチェスカー・アーマライト(〝錆鴉〟あるいは〝ブッ放し屋〟・f32456)は理解する。
 かの敵を打ち倒すには、やはり『デスゲームサッカー』のペナルティによるダメージしかないと。
「稲妻の姿になって|通電《すり抜け》ちまうから物理攻撃は届かない。オマケにこっちがミスってもダメージってか。中々どうして小賢しい真似しやがる」
「どうすんだよ、チェスカーねーちゃん!」
『アイン』の言葉にチェスカーはどうすっかな、と笑う。
 笑ってる場合じゃあない、と『アイン』がむくれているのを見て、チェスカーは『ミニタイガー』を操縦するパーティションの中で首を鳴らす。

「悪い悪い。だがよぉ……蹴られた後の鉄球は!」
 撃ち込まれる殺人シュートもかくやという鉄球を『ミニタイガー』の砲撃が相殺せんと撃ち込まれる。
 だが、砲撃の一撃すら蹴り込まれた鉄球シュートは弾きながら『ミニタイガー』の装甲へと迫る。
 受け流す、と装甲を盾にするが、しかし痛烈なる一撃は装甲をめくりあげるように巻き込みながら破壊するのだ。
「チェスカーねーちゃん!!」
「ぴーぴー言うんじゃあねぇよ……大したこたぁねぇ……だが!」
 砲撃が撃ち込まれる。
 互いに打ち合う距離。いや、だが、これで埒が明かない。一進一退。どのみちジリ貧である。互いにわかっていることだ。

「このままじゃ千日手だろうが! なあおい! |格闘戦《ドッグファイト》と洒落込もうぜ!」
「見え透いた挑発を!」
「ハッ、テメーにはその度胸がねーってだけだろうが! 賢しい真似をする狡いガキが!」
 獰猛に笑う。
 その姿に『アイン』も笑った。そうだ、と思ったのだ。
 これは戦いだ。競技だけど、戦いなのだ。ならば、笑わなければならない。逆境に在る時ほどよく笑わなければならない。
 戦場にあって笑う者は奇異そのもの。
 恐怖と不安だけが渦巻く戦場にあって笑う者は、それだけで理科う不能たる感情を相対する物に引き起こすだろう。

 故に笑う。
「貴様……!」
「てめーについてるもんがあるってんなら、来てみろよ!」
『アイン』の挑発にチェスカーは笑う。
 なんか似てきたな、とも思ったかもしれない。その挑発に乗ったように『デスストライカー』の青い機体がドリブルするように鉄球を蹴って、至近距離で叩き込もうと迫る。
 それに合わせて『ミニタイガー』も前に進むのだ。
「挑発に乗ったフリしてんなよ!」
 そう、分かっている。
『デスストライカー』は自身が今、物理無効状態であることを。
 だからこそ、挑発に乗ったフリをして接近し『ミニタイガー』の装甲でも防げぬ距離と空気抵抗による減衰なしの鉄球の一撃を叩き込もうとしているのだ。

 それは敵のアドバンテージ。
 だからこそ、それは驕りと成り果てるのだ。
「いいかよ。挑発ってのはな、乗ったフリをしてる時点で」
 チェスカーは笑う。
 悪い笑顔。獰猛な笑顔。
 底にあったのは、傭兵野郎の底力(サビテツインディストラクティブル)。
 持ち前の勘が告げている。このまま突っ込めと。
 そして、『ミニタイガー』のリミッターが外れる。機体の機動力が跳ね上がり、重量級の鈍重なる機動を感じさせない機敏な動きで『デスストライカー』の機体の脚部が跳ね上がった瞬間、飛び込むのだ。

 その腕部が伸ばされるのは、鉄球。
「もう負けてんだよ、ド三流がよ」
 蹴り込むインパクトの瞬間『ミニタイガー』の腕部が鉄球をキャッチする。
 瞬間、機体が凄まじ震動に見舞われる。
 蹴り込む力の強さが尋常では無いのだ。四脚がフィールドの大地にグリップし、機体全体で受け止めるのだ。
「言ったな! だが、貴様の負けだ! キーパーでもない物がボールに手で触れては!」
「ハンドだっつーんだろ?」
 わかってるんだよ、とチェスカーは笑う。
 鉄球を腕部が手放し、大地をグリップホールドしていた脚部のアンカーが開放される。

 それは如何なることかと思っただろう。
 何を、と呟いた声は、『ミニタイガー』に降り注ぐペナルティの雷にかき消された。
 そう、グリップを開放したのは前に進むため。
 己が冒した『デスゲームサッカー』のルール違反のペナルティの雷を受けるため。
「あたしを貫く雷があるってんなら!」
 踏み出した瞬間、落ちる雷が『デスストライカー』の青い機体と『ミニタイガー』に降り注ぐ。
「同じルールのもと、同じフィールドに立つプレイヤー同士だ。てめーが如何に物理無効つってもな!」
 抱きつくようにして『ミニタイガー』が『デスストライカー』の蒼い機体を抱え込む。
 迸るペナルティの雷撃が『ミニタイガー』ごと打ち据え、その機体に走った亀裂がさらに大きくなる。

「だが! まだ、俺は!!」
 ペナルティによって雷のダメージが蓄積された『ミニタイガー』を引き剥がしながら『デスストライカー』の機体が距離を取ろうとする。
「終わりだっつってんだよ!!」
 そこに駆け込むは白い機体。
『アイン』の手繰る『ブリュンヒルド』の手にしたプラズマブレイドの一閃が亀裂走る装甲をなぞるように切り裂く。
 だが、後一手足りない。
 装甲で覆われた『プラクト』の弱点である『ユーベルコード発生装置』に僅かに届かないのだ。

「勝った――!」
 勝利を確信する『デスストライカー』。
「バカが。最後に、笑うやつにはなぁ!」
 咆哮と共に『ミニタイガー』が満身創痍ながら踏み込む。『ブリュンヒルド』の打ち込んだプラズマブレイドの柄へと叩き込まれる『ミニタイガー』の腕部。
 その腕部が砕けながらも、その切っ先を押し込むようにして『デスストライカー』の機体の『ユーベルコード発生装置』を貫くのだ。
「油断っつー死神が踊りに来るんだよ」
 チェスカーは笑いながら、その最後の一撃を叩き込み、大人の強かさというものを示し、『アイン』の前で矜持を示すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年03月18日


挿絵イラスト