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黄昏時にゆらぐ境界

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 雪解けが始まり、次の農期に向けて本格的に動き出す少し前、といった頃。平時であればまだ静かなはずの村は今、騒然たる有様であった。
 大人達が村中を駆け回り右往左往する中で、村のまとめ役達が集まり頭を抱えている。
「だめだ、村んなかには誰もおらんぞ」
「森には入っとらんようだが……」
 猟師頭が指揮を取り、痕跡を探させているようだ。
「足跡を探せ、子どもらの大きさなら分かるはずだ」
 村から子ども達が消えたらしい。大人達が目を覚ました頃には既に誰もいなかった。
 この規模での人攫いなら流石に誰かが気がつくだろう。あるいは妖の類かもしれない。いずれにせよ、探し出さねば村の存続そのものが危うい。
 日が傾き空が赤らむ頃、ついに痕跡を見つけ出した。
 口伝により禁忌とされ、ありえないと無意識的に除外した可能性に行き当たる。
「人喰い洞か」
 洞窟へ向かう無数の足跡、そして入口の封が破られていた。

「誰が掘ったか、何のための封印か、口伝に残されたのは人喰い洞の名前のみ」
 九尾・楓乃葉(ゆらめき白狐・f14442)は、やや調子に乗せて語りだす。
 が、すぐにやめて付けたして語る。
「表向きは牢のようなものであったらしいですが――」
 咳払い一つ、そこで話を一旦切り本題へと入った。
「まずは子ども達の保護を優先してください」
 洞窟の中は暗く、高さと幅が2メートル弱程度の通路が幾つかに分かれている、とのことである。
「刻限は日が落ちきるまで。これを過ぎれば奥に封じられていたものが解き放たれます」
 そうなれば、子ども達の命は語るべくもないだろう。
 更に、と楓乃葉は続ける。
「どうも、別のオブリビオンが嗅ぎ付けてきたようで……」
 幸い、最奥部から動く気配は今の所無いという事だ。
 しかし、放置はできない。
「子ども達を保護した後、オブリビオンを討滅するのが最終目標になります」
 一呼吸置き、楓乃葉は猟兵達に告げる。
「成すべき事は多いですが、一つ一つ果たしていけば貴方がたならきっと届くでしょう」
 心配はしていない、故に。
「全て終わったら、串団子でもご馳走しますよ」


駒小田
 はじめまして、駒小田と申します。
 やや急かすような内容ですが、猶予はありますので落ち着いて行動しましょう。

 概要としましては、シンプルに救助&討伐といった具合です。
 また、狭い洞窟内ではありますが、封印より奥は広い天然空洞になっています。

 こちらではお初という事で、簡単な傾向などをお伝えいたします。
 ・台詞を多めに入れたいので、口調に関わる特記事項は明記をお願いします。
 ・絡みを可能な限り入れます。単独描写を希望する場合は明記をお願いします。
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第1章 冒険 『洞窟の遭難者たち』

POW   :    洞窟内全てを踏破するつもりで、気力と体力を頼りに捜索する。

SPD   :    五感を駆使して、音や匂いなどの情報と直感を頼りに捜索する。

WIZ   :    目印を付けたり地図を描いたり、迷わないことを第一に捜索する。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

荒・烏鵠
ダチのアルバート(f14129)と行動
子供の命がかかっているので口調は真剣な方

穏やかじゃねーなぁ。頑張ろうぜ、あっちゃん。
とりあえず洞窟探検に必須なのはライトとマスクだ。ニンゲンならもっと色々要るんだが、オレもオマエもオーラ防御があるからな。
火はやめとけよ、ガスがやべえ。虫は平気だな?

よし、ワンちゃんカモン。分岐路はこいつらを先行させて、オレは入ってきた情報をマッピングだ。
足下には気をつけろ。コウモリのフンが溜まってっと足取られんぞ。
殺気で追い払っとけ。

後続用にダメならダメって印つけとくか。あっちゃんヨロ。

ちびちゃんみっけたら猫被れよ。
人数によっちゃ抱えて出んのもアリかもな。


アルバート・クィリスハール
烏鵠(f14500)と行動
気心知れた仲なので口調は素の方(ステシ参照)
子供に限らず人目(他の猟兵など)がある場では好青年の方

天井が近ぇ。あっちゃん言うな。
んで、何作りゃいいんだ? ふーん……オラ、出来たぞ狐。
虫だぁ? 平気に決まってんだろ。
故郷は虫のたかった死体だらけだったかンな。

マッピングは任せる。
ヨロじゃねーよ、よろしくお願いしますって言えや。
シルシねぇ。脇道の壁に矢印とバッテンつけときゃイイか。

ガキ共は人間なんだろ? だったらヘルメットとか長靴とか要るよな。
怯えさせないようにって言うんだろう? 任せてくれよ。
あんまり多いようなら、荷車を作って乗って貰ってもいいね。



●境界の領域へ
 人喰い洞、その入り口には観音開きの大扉がある。
 物騒な渾名とは裏腹に、なかなかどうして立派に見えた。
「こいつは……」
 荒・烏鵠(古い狐・f14500)の視線の先には、編まれた綱が切れて垂れている。
 何かしらの封印、簡易的な境界の線引だろうか、などと思案を巡らせていると不意に背後から気配が来た。
「オラ、出来たぞ狐」
 アルバート・クィリスハール(空舞う黒鷹・f14129)が言って自らの能力で作り出したものを投げて寄越す。
「おぉっと」
 烏鵠はそう言いつつも危なげなく受け取り、アルバートの成果を確認する。
 それはライトなどの洞窟探検用の道具であった。
「問題なし、っと」
 少し離れた場所に集まっていた猟兵達が向かってきているのに気がついた。
 集まっていた猟兵達は早々に探索を開始するようだ。
「頑張ろうぜ、あっちゃん」
「あっちゃん言うな」
 そんなやり取りもそこそこに、猟兵達に合流し扉の中へと足を踏み入れる。
 洞窟内は暗く、いくらかの人工物が確認できた。また、壁は削られ整えられていて明らかに人の手が入っているのが分かる。
「いやぁ、天井が近いね」
 他の猟兵がいる手前、努めて好青年として振る舞おうとするアルバートの言う通り、彼の身長だと辛うじて直立が可能な程度だった。
 それよりも問題だったのは、分岐路の数だ。眼の前だけでも四叉、それぞれの奥にも分岐が見える。
「手分けした方が良さそうだな?」
 烏鵠の提案に猟兵達も同意し、ある程度毎に集まりグループに分かれていく。
「それじゃあ、僕らはこっちを担当するよ」
 そう言って、アルバートと烏鵠は左側の通路を進んでいった。
 しばらく進むと、また分岐路に当たる。
「こっからが本番だ……よし、ワンちゃんカモン」
 烏鵠は狗神を召喚し、それぞれの分岐へと放った。
 狗神から得た情報をもとに自身は簡易的な地図を作成する。
「マッピングか、他に何かやることあるか?」
 すっかり元に戻ったアルバートが烏鵠に尋ねた。
「行き止まりにダメって印でもつけとくか。つーわけで、あっちゃんヨロ」
「ヨロじゃねーよ、よろしくお願いしますって言えや。あと、あっちゃん言うな」
 イイ笑顔で返答してきたのでアルバートも調子を合わせて返す。
 そんな軽口のやりとりの最中、早速行き止まりを見つけたので作業にかかる。
「シルシねぇ……バッテンつけときゃイイか」
 どうやって印を残そうかと道具を漁っていると、烏鵠が声を上げた。
「よっし! 居たぞ!」
「はえぇな、オイ」
 最優先目標だ、早いに越したことはないだろう。
「ひとまずは目標達成か?」
 そうアルバートが尋ねるも、烏鵠は思案顔だ。
「居るには居たんだがな――」
 やや勿体つけた後、烏鵠が告げる。
「――二人しかいねぇ」
 見つけたのは二人だけだった。詳しい総人数は分からないが、少なくとも二人だけという事は無いだろう。
 つまり、何らかの理由で子ども達は分かれて行動していた事になる。
 気になる事はあるが、まずはなにより安全を確保しなくてはならない。
「猫被れよ、あっちゃん」
「怖がらせるなって事だろ? 任せてくれよ」
 とりあえず、今回は流した。
 優先すべき事がある。
 探索は烏鵠に任せ、アルバートは子どもの確保へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

秋津洲・瑞穂
時間勝負ね。
【救助活動17】の手腕で、迷子探しも迅速よ。

酸素を食わない『フォックスファイア』を灯りに呼ぶ。
「おいでおいで、火の子たち」

地図ほどではない径路図――直線と分岐とを描く簡単なモノ――
を描きながら進むよ。狭い場所は狐変身でクリア。
最奥部に飛び込んでしまわないように、気配に注意しながらね。

子供に怖がられないように、言うことを聞いてくれるように、
人当たり良く【誘惑15】して、はぐれないように【手をつなぐ16】戻る。
入り口で村人に渡し、元の位置へ【ダッシュ12】で戻って捜索再開。

怪我してる子は【医術17】と狐の印籠(ピルケース)の薬で手当を。
怪我人が多ければ入り口前で医療班担当に転身するわ。


ノイジー・ハムズ
了解しました!
ここにもいろいろ闇がある気がしますが、とりあえず子どもを見つけるんですね!

子どもたちー、怒らないから出てきて下さーい!
抵抗するなー! すでに包囲されていますよー!
おふくろも泣いてますよ!!

ホシ達は出てこなさそうですので、総当たり戦術です
暗いので「疑似英雄」を発動して、エフェクトで照らします
私ならきっと照らせるはずです
照らせなければ気合でなんとかします!

●子どもを発見すれば
肝試しでここに来たとかじゃなければ、今は正気じゃない可能性もありますよね
ということで、正気でもそうでなくてもアイテム「干し肉」で【誘惑】します!
それでもだめなら強制連行します!

※口調はプレイングみたいな感じです


萬場・了
初サムライエンパイヤ!何が撮影できるのか楽しみだな!
おっと、目的は忘れてねえよ?
〈聞き耳、視力、第六感〉フル活用で子ども達を〈追跡〉だな。〈安定錠剤〉で五感もちょっとはマシになるか。これでもUDCアースで〈失せ物探し〉は結構してんだぜ。
ユベコはロープや膜のようにして障害物の攻略や救助に使いてえな。
あと、一応〈フック付きワイヤー〉とか道具はいろいろ持ってきたんだけどよ?〈撮影道具セット〉の中にバッテラ(バッテリーライト)も入ってるぜ。臨機応変にやりてえな。あ、〈ほしいも〉もあるぜ!

よう、なんでこんなところに入ったんだ。
イイ子はそろそろオウチへ帰る時間だろ?
それとも何だ、帰れねえ理由でもあんのか。



●輝きの果てに
 人工的に整備された洞窟、無数の分岐に張り巡らされた通路郡。
 猟兵達は安全性と効率を考え、いくつかのグループ分かれて行動していた。
 その中でも大変に賑やかな集団がいる。もっとも、騒がしいのは一部なのだが。
「子どもたちー、怒らないから出てきて下さーい!」
 呼びかけているのはノイジー・ハムズ(あたまもかるい・f14307)だ。
「抵抗するなー! すでに包囲されていますよー!」
「へぇ、フェアリーの刑事モノか。イイんじゃねえの!」
 自前のカメラをノイジーに向けて、萬場・了(トラッカーズハイ・f00664)は煽っていた。
「暗がりを照らすバッテラの光、ってのも雰囲気あっていいんだが……」
 やはり全体的に明るい方が探索には有利だろう。要は使い分けだ。
 ちなみにバッテラとはバッテリーライトの事である。
「では、わたしが――」
 やや後方で控えていた秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)が前にでてきた。
「――おいでおいで、火の子たち」
 彼女の呼びかけに応じて、ぽぽぽと空中に火が灯る。
 灯火を操り、通路に配していく。
「おお? もしや、暗かったですか?」
 明るくなった周囲に訝しんだノイジーは気合を入れた。
「いえ、もう大丈夫だと――」
「私ならきっと照らせるはずです!」
 瑞穂の言葉は遮られた。
 同時にノイジー自身から光が発せられている。
「もっと輝けるはずです! ふおおおおおおおおおおおおー!!」
 彼女から発せられる光が強さを増していく。
「ちょっ……待って! 白飛びしちまう!」
 了の悲鳴は届かず、ノイジーは強烈に輝きを放ち続けていた。正に大混乱。
「二人とも! 落ち着きなさい!」
 瑞穂の喝が轟き、場は急速に冷却される。
 班のまとめ役が誕生した瞬間であった。

●三色混合
 落ち着きを取り戻した一行は子ども達の探索に向けて動きを早める。
「ここは行き止まりですね!」
「こっちはまた分かれ道だな」
 ノイジーと了が分岐路を探索し、瑞穂がそれらの情報を元に簡易的な地図を描いていく。
「ずいぶんと進んできたと思うのだけど」
 洞窟内は相当に広く入り組んでいるようだった。幸い、人工的に整備されており所々で構造物の破損が見られるが、通路そのものを塞いでいるような場所は無かった。
 それでも、この暗がりの中を子どもの足でここまで来られるだろうか、と疑問が浮かぶ。
「ここらを誰かが通ったのは確実だ」
 了は地面にカメラを向け、ある地点を指し示す。
 曰く、新しめの痕跡が結構あるんだとか。
「ホシに近づいているわけですか? いやー、流石ですね」
 果たしてその主語は誰なのだろうか。
 とにもかくにも、それが真実ならば急がねばならない。
 それからしばらく進むと、やはり分岐に行き当たる。
「また分岐……。それじゃあ、お願いね」
 既に定形となりつつある連携で探索を進めていると、不意にノイジーが声を上げた。
「おやおや? なにかいますねー?」
 彼女の視線の先には子ども達がいた。人数は三人。その様子は酷く怯えているようだった。
「よかった。見つけたのね」
 駆けつけてきた瑞穂に思わず安堵の色が差す。
「どやぁ☆ っとカメラの人はどこですか?」
 どやりも半ばに、了の姿が見えないためノイジーは辺りを見回している。
「別の痕跡を見つけたみたい」
 痕跡の状態から、それほど遠くないらしく単独で向かったようだ。
 さて、と一息。まずは警戒を解かねばならない。瑞穂は努めて優しく語りかける。
「安心して、あなた達を助けにきたの」
 その言葉を聞いて子ども達から、ようやく緊張がやや薄らいだように思えた。
 そんなやりとりを眺めつつ、ノイジーが次なる一手を繰り出そうとしている。
「ここに取り出しましたるは、ほしにく! ささ、ぐいっとどうぞ」
 唐突に脈絡もないため子ども達も困惑しているが、チラッと瑞穂の顔を伺いつつも興味は食べ物に向かっていた。
 瑞穂が促すと、恐る恐るほしにくを受け取り、食べ始める。
 改めて子ども達を見ると、少々の擦り傷はあるものの大きな怪我は無さそうだった。
「うーん、何か一番いいシーン撮り逃した気配がするなー」
 了が別行動から戻ってきて早々に落胆している。
 見れば彼は子どもを抱っこした状態で、その子どもの手には、ほしいもが握られていた。
 ちょっと神妙な表情をする瑞穂。
「どうかしたか?」
「いえ、やっぱり食べ物の力はなかなか侮れないかな、と」
 そんなこんなで四人を保護した一行であったが、他に痕跡が見当たらなかった事もあり引き返す事にした。
 帰りは瑞穂の作った地図が役にたつ。ほとんど迷うこと無く入り口まで戻る事ができるだろう。
 一行は子ども達の手をしっかりと握り歩き出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

クロエ・ウィンタース
>行動選択
SPD

>口調関連の注意点
男口調で一人称「俺」他人は名前を呼び捨て。
古臭い言葉を使う。例:問題ない→仔細ない

>探索
ふむ。この場合の追跡となると猟師頭の言う通り足跡を追うのが定石か。
あと、匂いだ。
猟犬を使っていないのか?借りるべきか?
いや、面倒だ。返せる保証もないし、
犬が怖気つくかもしれんしな。
俺が狼化して猟犬代わりになれば良いか。

という訳で狼化して足跡と匂いを追います
追跡技能があるのでそれも使用。
分帰路は特に注意。後方に伸びている可能性も留意。
自分達以外の何かしらの音が聞こえたら周囲に警告。

狼化している間は女子供にはため息がちにモフられますが
男性にはつれなく噛みor前足使ってパリイ


幻武・極
人喰い洞か。
いかにもヤバそうなオブリビオンが封じられてそうだね。
どんな相手か楽しみだね。
だけど、まずは行方不明になった子供達の安全が優先だね。

洞窟の中は慎重に進むよ。
何が封印と関係してるか分からないからね。
とにかく、物は壊さないように気を付けよう。

明かりはゲームデバイスの明かりを使い、足元にはよく注意するよ。


古上・薺
一晩のうちに童が消え、禁忌とされた洞穴の封切られておったと…ふむ、夢うつつに操られでもしたか、童は術が効きやすいというしの
さて、日暮れまでにとなるとあまり悠長に構えてはいられぬ、さっさと童共を探して洞穴の外へと誘ってやるとするのじゃ!
しかし自分が迷ってしまっては元も子もあるまいし、じき日が暮れるとなると洞穴は黒一色ということになりかねんしの、符を触媒に狐火を灯し、定点ごとに符を壁に貼り付けて目印兼灯篭代わりとするのじゃ
童共を見つけたら正気か否かを確認し、わし様の狐火を導に外に向かうように言い含めるのかの 起きておればいいのじゃが眠ってた場合が厄介じゃな…おぶって一度出ることも視野に入れんとか…



●終端は突然に
 探索を続ける猟兵達の中で、最も深部を進む一団がいる。
 先導する狼姿はクロエ・ウィンタース(人狼の剣豪・f15418)だ。
 彼女は狼の姿に変じ、注意深く周囲を探ぐっていた。
 獲物の匂いや痕跡を追う猟犬の技能、その模倣と転用である。
(此処までは順調か……さて)
 クロエはふと足を止め、後方へ視線を投げた。
 符を取り出す古上・薺(傲岸不遜な箱入り狐娘・f03595)が見える。
「ずいぶんと深くまで潜ったものじゃのう」
 薺が符に力を込めると、瞬時に発火し周囲を照らし出した。
 続けてその灯火を壁に貼り付ける。道標と光源を兼ねたものだ。
「そういえば、封印ってどんなものなのかな?」
 周囲の探索から戻ってきた幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)が疑問を投げてきた。
 彼女は取りこぼしや危険なものが無いかを探り、遊撃的に立ち回っている。
「うっかり壊したりしたら大変だからね」
 確かに言う通りであった。
 恐らくと前置きし、道すがら薺は一つの見立てを語る。
「入り口の大扉、あれと同じか似たものじゃろう」
 簡易的なものではあったが、あの扉に施されていたものも封印だ。明らかに人工的な構造物と整えられた通路、これらは一体に思える。
 ならば、奥の封印も同じ人物か、もしくは勢力が施した事になる、という訳だ。
「あるいはその見立て、正しいのかもしれんな」
 先導するクロエが呟いた。
 一行が行き当たったのは新たな構造物郡だ。
「入り口側のと似てる……というか同じかな?」
 極の言う通り、同じ建築様式に見える。
 奥に進むにつれて少なくなっているようだったが、ここで一気に増えた。
「あまり悠長にもしておれぬか……痕跡はこの先に続いておるのじゃろうか?」
 薺の問いかけにクロエは肯定で返す。
「少し急ぐぞ」
 示された刻限までは、まだ時間がある。それでも思いは急くものだ。
 一行は歩を早める。注意深く怠らず、勇み足など踏まないように。

●暗闇での邂逅
 奥側の構造物郡だが、見渡す限りではそれ程広くないようだった。
「道がここで繋がってる感じだね」
 周囲を簡単に探ってきた極によれば、他の通路は全て入口側に伸びていたとの事である。
「ならば、此処が最奥という事か」
「恐らくはそうじゃろう」
 薺がクロエに同意し、続けて極に視線を向けた。
「あれはどうじゃった?」
 それに対し極は頷き、そして告げる。
「うん、あったよ。おっきな扉」
 まだ封印は健在らしく、子ども達の痕跡はそちらへは続いていない。
 ひとまずは安心できる情報だ。
「気配が近い、そう遠くはないはずだ」
 クロエが進む。どうやら構造物の中に入るらしい。
 先行する彼女の姿が部屋らしき場所へと消えた。
 その瞬間、誰のものか分からない甲高い悲鳴が上がる。
「何事じゃ!」
 薺と極が急いで突入すると、腰を抜かした子ども達と少し申し訳無さそうにしているクロエが居た。いかに猟兵が認識に溶け込むといえど、こんな所で狼と行き逢えば驚かない方が難しいかもしれない。
「済まん、任せる」
「お……おお、無事じゃったか! わし様が来たからには、もう大丈夫じゃ」
 すかさずクロエと立ち代わり、薺が対応に当たる。
「この者はここまでの案内をしてくれたのじゃ」
 味方である事をアピールしつつ、極に目配せをした。
「そうだね、ほーら大丈夫だよ」
 対する極みは、そう言ってクロエをモフりにいく。
 子ども達は自分達に近しい極になされるがままになっているクロエを見て少し安心したようだ。
 警戒が解ければ興味が勝つ。
 初めは恐る恐るといった風に、やがては大胆になっていった。
 極と子ども達にモフられ神妙な様子のクロエを眺めつつ、薺はふと思案する。
(操られでもした風でもなし。さて、如何様な事情で立ち入ったのじゃろうか?)
 とりあえずは胆試し度胸試しの類だろうか、と結論した。
 それよりも、これからどうするかを考えなくてはならない。
「ボク、あの扉の前で見張りしてていい?」
 極が期待の眼差しを向けるが、クロエが割って入る。
「一度戻ったほうが良いだろう」
「じゃな。何かあった場合に童どもを守るにも人手が欲しいしの」
 薺が同意し、方針が決定した。
 まずは子ども達の安全が優先だ。極は直ぐに切り替え帰途につく。
 疲労の色が濃い子ども達を見かねてクロエと薺がそれぞれ背負ったりおぶったりしていた。
 そんなこんなの道すがら、極は大扉の方を見据え告げる。
「どんな相手か楽しみだね」
 ひとまずの目標は間もなく達成されるだろう。
 だが、此処からが猟兵の本領だ。
 猶予はできた。束の間の休息に英気を養い、戦いに備えるのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『餓鬼』

POW   :    共喰い
戦闘中に食べた【弱った仲間の身体の一部】の量と質に応じて【自身の傷が癒え】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    飢餓の極地
【究極の飢餓状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    満たされぬ満腹感
予め【腹を空かせておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の尽力により、子ども達は無事に村へと戻った。だが、この洞窟には驚異が未だ残されている。
 彼らは再び人を喰らうと渾名される洞窟へと足を踏み入れる。子ども達の探索の傍ら、発見された大扉。猟兵達が見据える先、封印により境界された向こう側には、忌々しい気配がある。
 オブリビオンだ。奴らがいた。
 かくして、封印は解き放たれる。
 境界上から向こう側へ、そこには天然の大空洞が広がっていた。
 
秋津洲・瑞穂
餓鬼ですか。
施餓鬼会と言いたいところだけど、わたしは巫女なのよね。
穢れとみなして、祓わせてもらいましょう。

まずは『フォックスファイア』、上空に散らばして灯りにしよう。

「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」

手近な相手に【ダッシュ12】で突撃して、
【なぎ払い15・鎧無視攻撃17・2回攻撃17】の『剣刃一閃』。
共食いした相手を優先するね。

飢餓の極地に入ったのがいたら、一旦引いてから、
頭上の狐火を半分くらい飛ばして燃やすよ。
数が減ったらすぐに再召喚、倒れなければ何度でも繰り返す。

周囲には常に気を配っておくね。危なそうな人がいたら――
この敵じゃ、あんまいそうにないけど――
狐火を一つ飛ばして割り込ませる。


古上・薺
ふむ、封じられておったのは餓鬼であったか。人食い洞とはよく言ったものじゃな、まぁ彼奴等の場合、同胞ですら貪ると聞いておるが… まぁ、成り立ちや経緯などは些事じゃな、喰われぬ内にさっさと焼き払ってくれようっ!
さて、同胞を喰って強くなるというなれば、喰らう部分も残さず焼き尽くすのが無難じゃな、属性攻撃と範囲攻撃の技能で範囲と威力を高めた黄泉の焔で塵も残さず焼き尽くしてくれる!
近場に寄られた場合は手持ちの妖扇にてある程度の火は放てるし、燃えたまま組み付かれてもわし様の衣は火に強くなっておるしの、自身の火で焼けるようなことにはならんはずじゃ焼けながらの我武者羅なら錫杖で振り払うこともできよう。


萬場・了
ふひひ、盛り上がってるかー?
遠距離、なるべく安全な位置から〈愛用ビデオカメラ〉を構え敵の姿をなるべく多くフレームに収める。
〈生命力吸収〉しながら【強制記録媒体】を使用して敵の動きを鈍らせていくぜ。どんなに強くなろうが動けなきゃどうとでもなるだろ?
潜める場所があればいいんだけどよ、無けりゃ敵に囲まれないよう気を付けておくぜ。

そういや〈ほしいも〉でヤツらの気も引けるか……?
お前らもいるか?その辺の骨ばった肉よりずっと美味そうだと思うけどなあ??
敵に囲まれた時には注意を逸らしつつ、隙を見て〈フック付きワイヤー〉引っかけて、映画見たくカッコよく脱出してみてえなあ!



●境界域の乱入者達
 今までとがらりと変わって広い空間に出た。正確にはその一歩手前、大扉と大空洞を繋ぐ谷間の通路上にいる。
 この様に地形の入り組みはあるが、天井は高く空間的な圧迫感は最早感じない。
 しかし、別の圧がある。見通しがきかない暗がりの先でうごめく何かがいた。
「餓鬼ですか」
 秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は手元に灯した狐火を掲げ、しばし思いを馳せる。
「人喰い洞とはよく言ったものじゃな」
 古上・薺(傲岸不遜な箱入り狐娘・f03595)は言う。あれらは古きものであり今を生きるもの達にとって、その成り立ちは最早瑣末事である、と。
 ここに居る誰もが分かってはいるのだ。だからこれは確認だ。
「うん、穢れは祓わせてもらうよ」
 まずは全容を把握しなければならない。瑞穂は狐火を追加し空へと巻き上げ、洞窟内を照らし出す。
「これはこれは……」
 半ば呆れ気味に洩らしたのは、萬場・了(トラッカーズハイ・f00664)だ。
 照明に合わせてパンさせた彼のカメラが捉えたのは、無数に蔓延る餓鬼共の群がりだった。
 同時に不確かだった地形があらわになる。まず、天井を貫く大きな石柱が幾つか見えた。また、起伏の数は少ないが大ぶりで、谷間に餓鬼が密集している格好だ。小高い丘に崖状に切り立つ高台とバリエーションも豊富である。
 ここで餓鬼がようやく侵入者に気付き、甲高い鳴き声のような雄叫びを上げた。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」
 打って出る瑞穂に呼応するように猟兵達が駆け出した。
 こうして戦端は開かれたのである。

●剣と魔法とカメラマン
 大局的には莫大な物量を持つ餓鬼側が優位に見えた。だが、戦闘そのものの展開はかなり一方的であった。
 先陣を切った瑞穂は、海流の如き餓鬼の群れに恐れる事無く肉薄し刀を振るう。
 勢いを殺さず、滑り込む様にまずは左薙ぎ。連続する動作で刀を返し、続けざまに袈裟に振り抜いた。
 二つの太刀筋は美しい弧を描き、多数の餓鬼を両断する。
(危なそうな人は――)
 敵陣の只中で瑞穂は酷く冷静だった。
 連続動作で斬撃に舞う最中に周囲を見回し、味方の動向に気を配る。
「あれは……」
 彼女の視線の先、崖の高台に陣取っていたのは了だった。彼は戦闘領域を俯瞰するようにカメラを構えている。
 戦闘を放棄して撮影に没頭しているわけではない。あれこそが彼の戦闘スタイルの一つなのだ。
「お前達の恐怖のトリガー、覗き見させてもらうぜ……!」
 カメラを通して写し見たものを、恐怖を司る幻影で縛り付ける。
 超広域展開しているため、完全に縫い止めるには至らないが、確実に動きは鈍くなっていた。
「ん? あそこだけ妙に餓鬼共が集まってやがるな」
 俯瞰する視界の中で、一際に餓鬼が密集している箇所がある。
 薺がいた。追ってくる餓鬼を手に持った錫杖払い除け、離れようとする者には豪奢な扇から放たれる炎で逃さないように牽制する。
「追いすがっても届きはせぬよ。わし様は高嶺じゃからな」
 取り出した符に力を込め、放つ。
 放たれた符は九つ。触れたら最後、黒紫の炎が身体を包む込み骨すら残さない。
「黄泉の焔で塵も残さず焼き尽くしてくれる!」
 突然発火した仲間に慄き、距離を取ろうとするも燃え広がりに餓鬼共が呑まれていった。
「――ここだ!」
 了は、すかざずカメラを操作しズーム倍率を切り替え、素早くピント操作を終える。
 捉えたのは薺が誘導した集団だ。対象を絞り込む事で完全に動きを縛り付けた。
 薺は討ち漏らしに備えていたが、尽くが炎に呑まれ塵に消えていく。
「ほほう。――む?」
 助力に気がついた彼女が了の方へ視線を向けると、餓鬼が崖をよじ登ろうとしているではないか。
 しかし、薺が動くよりも早く割って入るものがいた。
 瑞穂だ。彼女は空に漂わせていた狐火を飛ばし、崖を登る餓鬼の一角を焼いたのだ。
「右手側! もう登ってきてる!」
「夢中になり過ぎたか!」
 言って襲来者に備え懐から取り出したのは――ほしいもだ
「お前らもいるか? その辺の骨ばった肉よりずっと美味そうだと思うけどなあ?」
 見せびらかす様に見せつけ、餓鬼の集団に投げつける。
 釣られるにせよ、そうでないにせよ、多少の隙はできるだろう。
 了はワイヤーに付いたフック部を投擲し、天井部の出っ張りに引っ掛け、跳んだ。
 振り子運動により離脱に成功する。
「また、ほしいも?」
「痛快じゃのう」
 駆けつけてきた二人と合流し、一度体制を立て直す。
 まだ戦いは始まったばかりなのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ノイジー・ハムズ
感じます! これは捕食者の眼!
私達を食べるつもりですね、コイツ☆
いくら私が可愛くて美味しそうで器が大きくても、可食部は少ないですよ!
とはいえ、この欲される視線、悪くない気分ですね☆

●暗い!
眼の奥に刻まれた「アイテム:暗視の魔法陣」に魔力を込めます!
これで【暗視】が可能です! どや!

●戦闘
敵が餓鬼。これはもはや崇高な弱肉強食バトルでしょう!
皆さんも、食べる側に回る為、頑張りましょう!

「トライデント・フォーク」を使用します!
集団を狙い、沢山の餓鬼をフォークで地面に磔にしますね!
共食いを始めたら、そこに撃って一蓮托生!

敵の攻撃は【見切り】つつ、受け流します!
いかにも強撃っぽい、変な動きに注意します!


朧・紅
表人格のお嬢様《紅》 のみで行動

おなかペコペコなオブリビオン
どれだけの子供を食べたですか?悪い子なのです
…僕も食べたいです?
代わりにこのギロチン刃をたぁくさん喰らわせてやるのです

敵が動きに反応するのに気づいたら僕は立ち止まり感知されない緩い動きで立ち回る
【紅朧月】で増やした己の血で蛇のように自由に動くロープと刃だけのギロチン刃の幾つか素早く動かし破壊されないよう【武器受け】しながら囮にして走り回らせ疲弊させるのです
その間も囮に襲い掛かる敵に巧みな【ロープワーク】で死角から別のギロチン刃で切り刻む
堅くても首、脇、足の健弱い所を重点的に確実に削いで行くですよ


お腹いっぱいになったです?


クロエ・ウィンタース
こうなると野生の獣と変わらんか。
灯りの類の手段が無いので他者に頼もう。
自分も適当な松明でも持っていき戦闘中はそこらに投げ置いておく。

>戦闘
手持ちの刀で【フェイント】を織り交ぜ【2回攻撃】で対応。
倒れた相手は首を踏み折るなり刀を突くなりできっちりとどめを刺す。

共食いしようとする個体を見たら周囲に呼びかけ優先的に撃破を促す。
喰うのに夢中なら【ダッシュ】【忍び足】等を駆使して
背面からユーベルコード【剣刃一閃】を叩き込む。
勿論とどめは刺す。ぐりぐり。

立ち位置には注意。
囲まれない様立ち回り、囲まれている味方がいるなら周囲に声かけ。



●戦いは質だよ
 戦闘は続く。時間帯としては中盤、この頃になると全体の趨勢はほぼ確定的となる。
 だが油断はできない。餓鬼の群れは多く残っており、恐らくは未だ半数を割ってはいないのだ。
 そんな状況でクロエ・ウィンタース(人狼の剣豪・f15418)は油断なく立ち回っていた。
(確実に仕留めなくてはな)
 一太刀目で腕を飛ばし、返す刀で確実に首を断つ。八双から脳天への一撃、と見せかけで防御を誘い胴を薙ぐ。
 足運び、立ち回りで敵を背後に回らせず、ジリジリと追い込んでいった。
 不意にクロエの身体がぐらつく。それを好機とみた餓鬼が飛びかかってきた。
 これは誘いだ。
 次の瞬間、餓鬼は両断されていた。股下からの奇襲の一閃である。
「人の形をしてはいるが、獣と変わらんか」
 クロエが餓鬼の集団を散らして一息付いていると、賑やかがやってきた。
「私達を食べるつもりですね、コイツぅ☆」
 ノイジー・ハムズ(あたまもかるい・f14307)だ。
 彼女は餓鬼連中に追われてるようにも見える。
(いや、あれは……)
 クロエは逡巡した。何故ならノイジーはまるで負傷らしい傷を受けて無かったからだ。
「いくら私が可愛くて美味しそうで器が大きくても! 可食部は少ないですよ!」
 騒ぎつつも、いなし、躱し、打ち払い、そしてドヤっていた。
(恐らく問題はないのだろう)
 本当に危なくなったら助けに入ろうと決め、クロエはまた別の餓鬼集団へと向かっていった。
「崇高な弱肉強食バトルの開幕です!」
 ノイジーは急上昇し、餓鬼共を足下に望む。
 同時に、彼女の周囲に百を超えるフォークが展開されていった。
「――あなたたちはどんな味ですか?」
 フォークが射出され、餓鬼の集団に雨の様に降り注ぐ。
 結果としては、餓鬼は地面に縫い付けられ、身動きが取れなくなっていた。
「さってと、どう料理してあげましょうかねぇ」
 ちょっと休憩と思案していると、何かが飛来してきている。
 無数のギロチンの刃と赤いロープのようなモノで繋がった、子どもだ。
 赤いロープのようなモノは蛇のように脈動しているようにも見えた。
 轟音が響き、土煙が巻き上がる。
「お腹いっぱいになったです?」
 視界が晴れた先、朧・紅(朧と紅・f01176)ギロチンの群れの中で佇んでいた。
 彼女の足元には餓鬼だったものが撒き散らされている。
「なんというか……ミンチですかね、これ」
 どうしたものか、とノイジーは思案顔だ。
「……僕も食べたいです?」
 紅が小首を傾げている。
「お仲間は食べませんよ?」
 ノイジーも小首を傾げて返答する。
「なら大丈夫です」
 そう言って紅は繋がったロープをバネ状に束ね、その反動でカッ飛んでいった。
 うーん、と唸ったあとノイジーは紅を追う事決めたようだ。
「皆さんと食べる側に回る為、頑張りましょう!」

●戦いは数だよ
 紅は低空を高速で跳んでいた。
 不意に圧が来る。咄嗟にギロチンを一枚手繰り寄せ、自身との間に滑り込ませた。
 直後に鈍い金属音が響く。
 間髪入れずに別のギロチンを手繰り、叩きつけた。
「かたい、です」
 咄嗟に紅は飛び退き、突如現れた強敵を探す。
 餓鬼だった。見た目は確かに餓鬼だが、様子が妙だ。そう遠くない距離で対峙しているはずなのに、襲いかかってこない。
 それどころか、見失っているようだった。
「たぶん、分かったです」
 紅は最小限の動作でギロチンをけしかける。
 すると、その餓鬼はそのギロチン目掛けて攻撃してきた。
「やっぱりそうです」
 あとは単純だ、囮のギロチンで引きつけ、別のギロチンで攻撃する。その繰り返しで少しずつ削っていけばいい。
 だが、その背後に迫る影があった。
 餓鬼だ。
 戦闘音に引き寄せられ、わらわらと集まってきたようだ。
「そちらは任せた」
 突如割って入ってきたクロエが、後方の餓鬼集団に突っ込んでいった。
「逃さない、です」
 クロエに反応した硬い方の餓鬼を阻み、再びループに陥れる。
 状況としては膠着だ。
「詰めには一手足りないか……!」
 この拮抗は危険だ。ちょっとした切っ掛けで簡単に崩れてしまう。
「どうやら私の出番のようですね?」
 声の主はノイジーだった。彼女は再び無数のフォークを周囲に展開させていた。
 ノイジーは紅に視線を投げ、作戦を伝える。
「さっきのドーン! って感じのヤツでお願いします!」
 先程の斉射とは違い、一体の餓鬼に目掛けてフォークを連続して射出した。
 貫き、縫い止めるまでには至らないが、滝のように降り注ぐフォークを無視はできない。
 餓鬼は防御に徹し、幾許の猶予が生まれる。
「いくです……!」
 紅は全てのギロチンを跳ね上げ、叩きつけた。
 多量のギロチンによる質量攻撃だ。
「やりましたか!?」
 上がる土煙から何かが飛び出してきた。
 身体のあちこちがひしゃげているが原型はとどめている。あの餓鬼だ。
 ふらつく身体を振り動かし向かう先、仲間の死骸を食おうとしているようだった。
「なんて往生際の悪い!」
「いや――」
 いつの間にかクロエが餓鬼の背後に立ってる。
「――終わりだ」
 クロエの刀が餓鬼の背を袈裟に断った。
 更に念の為、と倒れ伏した餓鬼の心臓を目掛けて刃を突き立てる。
「すまんな」
 クロエは紅に向け短く謝意だけを伝えた。
 紅は、ふるふると首を横にふる。
「倒せたですから、大丈夫なのです」
 つまるところ、手柄を取った形で申し訳ないという事らしい。
「おやおや? もしかして私ちょっとだけ蚊帳の外ですか?」
 ノイジーのボヤキもそこそこに一息つく。
 有象無象と思われていた餓鬼であったが、強力な個体が紛れ始めた。
 戦局は振り戻ったと言える、かもしれない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

荒・烏鵠
ダチのアルバート(f14129)と行動
口調は気楽な方

餓鬼ねーなるほど。
狐さん思いついた! あっちゃん来い来い(竹扇の裏でごにょごにょ)
待てコラ確かにド定番だがオレそれやったことねーから!! 風評被害!!

マ、いいさ。作戦開始だ。
破魔パワー込めた霊符を筒状に丸め、アルのパンに突っ込み、UCで餡子に変化。口に運んだが最後、破魔の力で強制浄化まっしぐらってワケさぁ。
うまそうなパンに覆われていれば奴らは決して見逃せねぇ。なんなら感づいたとしても手を伸ばさずにはいられねぇよ。“餓鬼”なんだからな。

村の隅で洞窟に封じられた餓鬼だ、どーせ口減らしの犠牲者とかだろ? 最後くらいうまいモン食って逝きな。


アルバート・クィリスハール
烏鵠(f14500)と行動
人目があると思うので口調は矯正した方、ただしちょっと素が覗く

餓鬼か。子供たちが食べられる前に助けられて良かったよ。
あっちゃん言うな。何?(内緒話聞いて)うわえっげつな……泥饅頭を餡ころ餅つって食わすだけあるな。

作戦了解、任せてくれ。
UCでふかふかのパンを大量生産するよ。焼きたてのを、食べやすいサイズで。
生きてないから上手に作れるよ。
で、どんどん破魔の餡子……大分意味わかんないな、これ……詰めてもらって投げる。

ほーらおいしいパンだよお食べー。理性失うくらいお食べー。
多分だけど隙も作れるから、他の人たちの手助けにも……なったらいいなぁ。
あ、こっちに来たら槍で迎撃します。



●戦場の企み者
 戦局は終盤へと差し掛かった。餓鬼はなおも多勢を維持し、更に強力な個体の出現と戦いは苛烈を極める。
 そんな過酷な戦場の中で一際に異様とも言える光景があった。
 荒・烏鵠(古い狐・f14500)とアルバート・クィリスハール(空舞う黒鷹・f14129)だ。
 彼らはパンを作っていた。敵味方が入り乱れる戦場の中で、パンを作っているのだ。
 何故に彼らがパンを作り続けているのか。それを語るには少し時間を遡る必要がある。
 それは戦端が開かれる少し前、烏鵠がアルバートを呼びつけた事に端を発する。
「餓鬼ねー、なるほど」
 ふと何が思いついた風の烏鵠が閉じた扇を手に、来い来いとアルバートに合図を送る。
「何?」
 訝しがるのを他所に、バッと開いた扇を見隠しに耳打ちを一つ。
 うわ、とアルバートは表情を引きつらせて一言。
「えっげつな……」
 ふと何か思い当たったようで、更に続ける。
「泥饅頭を餡ころ餅つって食わすだ――」
「待て待て待て! 確かにド定番だが、オレそれやったことねーから!」
 食い気味に烏鵠が抗議をするが、すぐに平静を取り戻し。
「マ、いいさ。作戦開始だ」
「作戦了解、任せてくれ」
 かくして戦端が開かれたのである。
 さて、戦場においては突発的に味方と接触する事が多々あるだろう。
「ほら、パンできたよ」
 アルバートは理想のために己を矯める。
 そんな彼の手からは、ポンと次々にパンが生みだされていった。
 烏鵠は積み上げられたパンから一つを掴み、筒状に丸めた霊符をぶすりと突き刺す。
「破魔パワー注入!」
 霊符はその形を変じ、小豆色の餡となる。餡パンの出来上がりだ。
 アルバートは受け取った餡パンを餓鬼目掛けて投げる。
 餓鬼が餡パンに食らいついた。
 咀嚼し飲み込んだ瞬間、餓鬼が突然光り輝き出す
「破魔の餡子で強制浄化まっしぐらってワケさぁ」
 餡子に変じた霊符には破魔の力が込められていた。
 口に運んだが最後、餓鬼は浄化の光の中に消滅する。
「大分、意味わかんないよね。これ」
 アルバートは独りごちる。
 なにはともあれ、効果は確認できた。あとは増産するだけだ。
 彼らの戦いが始まったのだ。

●厨房とは則ち戦場である
 そして現在。アルバートと烏鵠は餡パンを作っている。
 はじめこそ順調であったが、ここにきて問題が発生した。
 例の強力な個体だ。あれは飢餓の最果て、自らの理性すら喰った暴食の徒。
「厄介なお客様にはお引取り願いてぇが――」
 烏鵠が身構えて舌打ち一つ。
 最悪のタイミングで在庫が尽きた。
「パンだ、パン寄越せ!」
「分かってる!」
 烏鵠の檄に応じアルバートはパンを生成、左手をスナップしパンをトスする。
 パンは烏鵠の手の平に吸い込まれるように柔らかな軌道を描く。
 烏鵠は素早く霊符餡を充填し、返す。
 右手で受け取ったアルバートが餓鬼目掛けて餡パンをサーブする。
「アイツの胃袋は無尽蔵か!?」
 高速の連携で餡パンを供給するが、餓鬼は光り輝くばかりで消滅には至っていない。
 その数、実に十に迫るほど。
「ペース上げんぞ!」
 強敵の登場にアルバートの素が覗く。
 食らう、作る、攻防は熾烈を極めた。
 だが終わりはある。
 餡パンの数が二十に届くか、といった頃、不意に餓鬼が天を仰いだ。
 瞬間、強烈な光を発し、消滅した。
 勝ったのだ。
「よっし!」
 ハイタッチ、勝利を噛み締めようという所で視界の端に奴らを捉えた。
「おいおい――」
 戦局は終盤、数は減じたが敵に撤退は無いのだ。
「――団体さんだ」
 最後まで気は抜けない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

幻武・極
さて、あの奥にはどんな相手がいるのか楽しみだね。
腕がなるよ。

扉まで戻る間にゲームデバイスを振り回して、パワーチャージしておくよ。

戦闘では羅刹旋風を使うよ。
攻撃が読まれていても、衝撃波で威力を周囲に拡散して、怯んだところに2回攻撃の2撃目を撃ちこんで大ダメージを狙うよ。

ところで共食いで仲間を食べたら、もう飢えてはいないよね。



●夢想の体現者
 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)は戦場を駆けていた。
 大扉の前で、楽しみだと闘志を燻らせていた少女は今、その身に秘めた炎を燃え上がらせる。
「腕がなるよ!」
 前方に餓鬼の集団を見据え、極は勢いそのままに吶喊した。
 囲まれる事を意に介さず、ただ目の前の敵を粉砕せんと拳を振るう。
 彼女が用いるのはゲームに登場する創作の闘拳術、その倣い。いつかの誰かが夢想した数多の武術だ。
 そして、彼女が持つゲームデバイスはその目録となる。
「ハァああ!」
 ゲームデバイスが呼応するかのように唸りをあげた。
 極の闘気が雷光となって迸る。
「フゥッ!」
 大振りの打突は雷の衝撃を伴い炸裂した。
 当たる当たらないなど関係ない、一合二合と重ねる毎に餓鬼共が消し飛んでいく。
「よし!」
 餓鬼の集団を蹴散らし、更なる獲物を求めて極めは疾走した。
「あれは――」
 なんだろう、その疑問はすぐさま瓦解する。
「見つけた!」
 極はアレがなんなのか本能で理解した。きっとアレは強い、と。
 すかさず跳躍、数瞬の迷いもなく仕掛けていく。
 打撃は通った。
(浅い……いや、受け流された?)
 ともかく硬い。
 敵の餓鬼が反撃に転じようとするが、極は取り合わない。反撃など許さない、と先の先を取り続ける。
 たまらず餓鬼は後方へ飛び退こうとするが、極は読んでいた。
「見えた――」
 踏み込みから全身の連続駆動により力を拳に流し込み、渾身の一撃を打つ。
 餓鬼はすんでのところで回避するも、空を打つ拳の衝撃波を全身に浴び大きくよろめいた。
 その隙は致命的だった。それすら読み切っていた極は二撃目を叩き込む。
「見えてたよ、全部ね」
 彼女が見据える先、餓鬼が崩れ落ちていく。
 さて、と次はどうしようかなどと考えていると、妙な気配があった。
 まとわりつくような嫌な気配、その正体は分からない。だが、極は直感する。
 まだ姿を表していない別のオブリビオン、その邂逅が近いという事を。
「うん、楽しみだね」
 かくして趨勢は決した。
 餓鬼は尽くが討ち果たされ、最早その姿は認められない。
 だが、これまでの戦いは言わば前哨戦だ。
 大本命、その気配が次第に濃くなっていく。
 決戦の時は近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『鬼門沌行』

POW   :    妖気解放
【禍々しい波動】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    鬼神召喚
自身が戦闘で瀕死になると【封印されていた鬼神】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ   :    百鬼夜行招来々
戦闘用の、自身と同じ強さの【亡霊】と【妖怪】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は石上・麻琴です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 遠く鐘を鳴らす音が聞こえた。暮れ六つ、境界は黄昏に至る。
 やがては黄昏を超え、禍時――逢魔時へと染まるだろう。
 猟兵達が身構える先、オブリビオンが表出してくる。
 幽世の炎を揺らめかせ、百鬼を従えていた。
 決着の時は近い。
クロエ・ウィンタース
>行動選択
SPD
>行動
基本は前衛で露払い。戦闘は手数重視
【フェイント】を織り交ぜ【2回攻撃】【カウンター】で攻撃
雑魚に対してはざっくりと対応。後ろに漏らさない程度で。
ボスに対しては慎重に。
手数を当て有効打になり得る攻撃個所を探り、
特に有効そうな攻撃個所に攻撃を集中させる。
周囲にも声掛けして有効そうな攻撃位置を伝えよう
召喚される鬼神に対しては特に慎重に。
積極的に撃破は狙わず【フェイント】【ダッシュ】で回避に努め
隙を見てUC【無銘・壱ノ追】で直接本体撃破を狙う。
直接狙えそうにないならボスと同じ対応を

>戦闘後
念の為、討ち漏らしが無いか確認。
面倒だが村人の安心には変えられんしな。
団子は有難くいただこう


荒・烏鵠
ダチのアルバート(f14129)と行動
真の姿は特になし

けっけっけっ、楽しかったなァ。やっぱ戦いは面白くねーと!
せっかく備品係がいるんだ、遊べる内に遊んどかなきゃなァ。

【WIZ】!最初はフツーに霊符に破魔属性込めて範囲攻撃しとく。こうバッ一気に数枚投げる感じで。んで妖怪や亡霊が油断したとこでショータイム!ユベコ使って大ウサギ呼んで、飛び乗って全員踏んで蹴って吹き飛ばす!その隙にあっちゃんがうまいことやってくれんだろ!

あ、ボスの意識があっちゃんにいったら視界の外から霊符やウサギキック飛ばして挑発するわ。へいへい鬼さんびびってるゥ?!


アルバート・クィリスハール
荒さん(f14500)と行動

いやー……正直途中から何してるのかわからなくなってたよね。
うまくいって本当に良かったよ。今度アルダワ行ったら学食の職員さんに感謝のお花でも持って行こう……。

【SPD】
UC使ってLv11の魔力障壁を作り、自分と荒さんを守るよ。攻撃されるたびに相手の力吸って頑丈になるからそうそう壊れないと思う。
最初は後方支援、霊弓でスナイパー+誘導弾+援護射撃。
荒さんが隙を作ったら翼+ブーツ+空中戦でボスに高速突撃し、見切り+なぎ払い+気合い+力溜め+捨て身の一撃で串刺しする。
あとは敵を踏みつけてダッシュで離れる。ヒットアンドアウェイで行くよ!

備品係呼ばわりした分は後で殴るからな狐!


ノイジー・ハムズ
何でしょう、この…何でしょう!
怪異でできたミックスナッツみたいなやつ!
一体で百度美味しいとでも言うのでしょうか!

これはおわかりいただけませんね!
退治しましょう☆

●戦闘
【暗視】で、きっとよく見えます!

「疑似英雄」発動!
とくと見よ! 禍々しさに負けない、ノイジーちゃんの素敵なオーラを!

【属性攻撃】で、私の剣に闇属性を付与します! 同じ土俵です!
そして、接近戦を挑みます! 斬ります、斬ります!
このよくわからないヤツが本当に斬れているのか。その懸念をも切り捨てます!

【空中戦】のように、急降下攻撃を食らわせたりします!

敵の攻撃はなんと禍々しい感じでしょうか!
【見切り】ます! それができたら苦労しません!


秋津洲・瑞穂
(連携希望)

全方位の範囲術とはまた、相性の悪いのが来たわねぇ。

でも私には切り札がある。それはね。
――私は一人ではないということよ。
わたしが倒れても仲間が勝てば済む。だったら無茶もあり!

『フォックスファイア』の狐火は範囲術に弱いので、頭上高くに飛ばしておく。
わたしは【ダッシュ12】で突撃して、敵に張り付くわね。
そして【鎧無視攻撃17、2回攻撃17】『剣刃一閃』の高速の斬撃を舞い続ける。

百鬼夜行を招いても本体が斬られれば無意味。
ひたすら敵を削り続けてやるの、食らいついて離れないわよ。

どちらかに限界が来たら、すべての狐火を雨と降らして敵を押し包む。
「UDCアース兵法・あるふぁ攻撃を喰らいなさいっ!」


萬場・了
ふひひ、熱いじゃん!!
本体にトドメをいれねえ限りは、亡霊・妖怪がうじゃうじゃ出てくるっつーわけか?
満員怨霊!! ド派手に本体もまとめて〈特撮用起爆装置〉で吹き飛ばしちまうのも手かもしれねえが、こーゆうのは途中の盛り上がりも大事だろ!

おっし、妖気の波動がきた場合には〈呪詛・激痛耐性〉で軽減だ!
それ以外の攻撃は〈第六感、見切り、逃げ足〉で避けながら、こっそり裏方の仕事も進めるぜ!
俺は【強制記録媒体】で〈生命力吸収〉を続ける! マンネリ? 専売特許って言ってくれよッ! 〈撮影〉しながら敵の弱点や隙を〈情報収集〉していく。味方を誘導して本体への一撃まで、演出してやろうじゃねえか。


幻武・極
キミ自身も強そうだけど、キミの中にいるそれも強そうだね。

ボクは気長に待っているつもりはないからいきなり全力でいかせてもらうよ。
フェイントを使い、できた隙をついて幻武之極を打ち込むよ。
あ、キミが瀕死になるのを待ちきれなくてこっちで勝手に封印を解かせてもらったけど、不味かったかな?
そのユーベルコードは『封印されていた』鬼神を呼び出すんでしょ。
もう封印が解けちゃっているからね。
ゴメンね、お詫びと言っちゃなんだけど
2回攻撃の2撃目もいこっか。


古上・薺
ふむ、先ほどの餓鬼どもとは打って変わってなかなかの威圧感じゃな、真打登場といったところかの?随所に張られた符が少々気にはなるが…はて、どう攻めたものか
ふむ、普通に攻めただけでは危うい様な気がするし、物量相手に馬鹿正直に立ち向かうのも面倒じゃ、ならば仕掛けを繰り、行動を起こさせぬうちに塵にするのがよさそうじゃ
少々、手間はかかるが…大物を中心とするように符を複数枚巡らせ、それらから一斉に中心に向かって火術を展開、上手くいけば中心地では術が相乗し火力は単発の比ではなくなる…はずじゃが、そもそも素直に符を巡らせてくれるかどうかじゃな… 気取られぬ様に妖扇で火術に似せた炎を小出ししておくとするのじゃ



●走る刃と戦場の手繰り者達
 猟兵達は遠く敵を望む。暗い大空洞の奥に揺らめく怪しげな炎が見えた。
 その炎の正体はオブリビオン。周囲には漏れ出した悪霊や妖怪の低級霊がひしめき合っている。
 オブリビオンを中心に領域が染み出してきており、広がったそばから幽鬼を這い出てきていた。
「そう悠長にもしておれぬか」
 古上・薺(傲岸不遜な箱入り狐娘・f03595)が、そう嘆息する。
 このままでは先程の餓鬼と同じか、あるいはそれ以上に膨れ上がる可能性は無くはないだろう。
「ならば、道を付けるまでだ」
 言うが早いかクロエ・ウィンタース(人狼の剣豪・f15418)は即座に駆け出した。
「わし様も手伝ってやるとするかの」
 薺の言葉に猟兵達も動き出す。
(さて、どうしたものか)
 馬鹿正直に取り合っても、湧いて出てくる幽鬼相手に無駄な消耗をする事になるだろう、と策を巡らせる。
 正面を見ればクロエがいよいよ接敵しようとしていた。
(脆い!)
 刀を振るえば霞と消え、まるで手応えがない。
「数任せか、ならば――」
 クロエは身を加速させ、身を回し滑るように敵陣へ切り込んでいく。
 それは幽鬼の群れを文字通りに割った。
「おお! まるで道だな!」
 カメラ越しに戦場を視ていた萬場・了(トラッカーズハイ・f00664)は感嘆の声を上げる。
 了は相も変わらずカメラで戦場を覗きみていた。
 だが、これでいい。これがいいのだ、これこそが己の本領だ。
 彼にカメラを通して視られた相手は恐怖に捉われ、縛られ、生命を吸われてしまう。
「さあ、余すトコ無く撮り尽くしてやるぜ……!」
 カメラのフレームの中でクロエが動きを作った。流れる動作の中で納刀したのだ。
 だが、これは次への布石、居合の構えから刃を抜き放つ。
 狙いはオブリビオン。しかし、まだ距離がある。本来であれば当たる余地はない。
「俺の間合いだ」
 ピシッ、とオブリビオンに斬撃痕が走り、ぐらついた。
 すぐに立て直したが、了がある事に気がつく。
 オブリビオンが傷を負った時、オブリビオンから染み出す領域が揺れ、いくらかの幽鬼が散った。境界が揺らいだのだ。
「コレの維持には結構気を使うみたいだな?」
 了は急ぎ、情報の共有伝達を試みる。
「なるほどのぅ。仕掛けとしては単純じゃが……」
 薺は敵の真意を手繰る。
 自らを守るためだろうか? それにしては手緩いし、かつ大掛かりが過ぎる。それだけなら既に詰んでいると言ってもいい。
 恐らくは何かある。切り札のようなものが。
「なれば、こちらも一つ仕掛けてみるとするかの」
 薺は符を触媒に狐火を放ち、周囲の幽鬼に対し手当たり次第に連射する。
 寄ってくる幽鬼は扇で払い退け、そして焼いた。
「折角通した道じゃ。そうやすやすとは閉じはさせぬぞ」
 伝達を終えた了はその様子を見て、違和を感じる。
(不発? いや、あれは――)
 派手に燃える狐火に混じって、符のまま燃えずに投射されているものがある。
 狐火自体も幽鬼を焼くが、無差別に見える連続投射はそれほど効果的ではないようにも見えた。
「ははぁ、なるほどな。ありゃ仕込みか!」
 薺の意図する所を察し、ふと持ち込んだ物に思い当たる。
「俺もそろそろ裏方の仕事も進めるか!」
 了もこっそりと行動を開始したのだった

●不明瞭の相対者
「何でしょう、この……何でしょう!」
 戦場の只中でノイジー・ハムズ(あたまもかるい・f14307)は紛糾していた。
 ビシィッっとオブリビオンを指さして叫ぶ。
「怪異でできたミックスナッツみたいなやつ!」
 なるほど、言い得て妙である。数珠のようなものに手と鋭い爪、御札とおまけにもう一つ手。
 隙間から洩れる炎に、湧き出る幽鬼共と色々渋滞しているような――なにかを封じているような。
「一体で百度美味しいとでも言うのでしょうか!」
 話が逸れていく。
「これはおかわりいただけませんね! 退治しましょう☆」
「そうね! 退治しないとね!」
 何故か着地は上手くいったので、秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)はとりあえず、同意だけしておく事にした。
「あの中になんかいそうだよね」
 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)の疑問に瑞穂が割って入る。ノイジーが反応する前に。
「斬れば分かるよ、多分ね」
 実際の所それしかない。いかに警戒したとしても対応しなければジリ貧だ。
 それに、少なくともこのオブリビオンに限っては時間を掛けるのは危険に思えた。
「そうだね。行こう」
 道は仲間が付けた、ならば進むだけだ。
 瑞穂は戦場を駆ける最中に、ふと思う。この戦いの中において己は独りでは無いのだと。
(そして、それが私の切り札!)
 オブリビオンに迫る。
「――ッ!」
 高速の斬撃は通った、通ったはずだ。
 大きいが動かない。ともすれば、ただ佇んでいるだけの塊だ。
 確実に幽鬼の数は減っている、だから。
「本当に斬れているのか。その懸念をも切り捨てます!」
 ノイジーが何とも禍々しいオーラを纏った剣でオブリビオンを斬りつけ。
「ボクも全力でいかせてもらうよ」
 極が多彩な技を連携、立て続けに叩き込む。
 オブリビオンがたまらず、なのかは分からないが唸るような重低音を響かせた。
 何かが来る。
 そう感じた瑞穂が牽制に狐火を放つが、狐火は途中で爆ぜてしまった。
「防御!」
 何かに気付いた瑞穂が叫んだ刹那、それが来た。
 身体にまとまりつくような圧の波だ。オブリビオンを中心に発せられ、障った者を境界外へと押し流そうとする。
 咄嗟に周囲を確認する。自分は身構えていたため押し留まれたが、他の2人はどうだろうか。
「ヤツの禍々しさは相当なようですね……!」
「いいね。こうでなくっちゃ」
 無事なようだ。
 さて、仕切り直しだ。瑞穂はとりあえずの保険として相殺されない高さまで狐火を打ち上げ、待機させる。
 全方位の波状攻撃、あれは回避が困難だ。覚悟を決めて当たれば、耐えられない事もないはず。
 そしてなにより、己の切り札の事を思い起こす。
 独りではない、例え自分倒れても仲間が討てば勝ちなのだ。
「――だったら無茶もあり!」
 瑞穂は再び肉薄する。
「とくと見よ! 禍々しさに負けない、ノイジーちゃんの素敵なオーラを!」
 何故か禍々しいオーラを身にまとうノイジー。曰く、同じ土俵に立つ、との事らしい。
「キミの中にいるもの見させてもらうよ」
 極も果敢に攻め立てる。
 他の猟兵達の援護もある。追い詰めているはずだった。
 洩れる炎が勢いを増し、ついにはオブリビオンを包み込む。
「やっと封印が解けたみたいだね」
 極の言う通り、オブリビオンが切り札を切った。
 オブリビオンに封じていたものが解き放たれる。
 境界の向こう側、這い出してきたのは鬼神であった。

●戦況の回し者
「仕切り直し――ってぇところか」
 迫る幽鬼の群れを目掛けて荒・烏鵠(古い狐・f14500)は霊符を投じる。
 霊符は破魔の力を帯びており、触れたそばから浄化の力を拡散し幽鬼共を消し飛ばしていった。
「そっちはどうだ?」
「さっきまでは良かったけど……やっぱり、あの鬼が邪魔だね」
 烏鵠の問いかけにアルバート・クィリスハール(空舞う黒鷹・f14129)が答えを返す。
 烏鵠とアルバートの二人は、猟兵達から少し離れ援護射撃、遊撃を担っていた。
 アルバートは霊力で編まれた弓を引き絞り、再びオブリビオンを狙う。
 甲高い風切り音を残し矢が放たれた。矢は吸い寄せられるようにオブリビオンに迫るも、それを守護する鬼神に阻まれてしまった。
 アルバートが見据える視線の先、オブリビオンが唸りを上げる。
「――!」
 咄嗟に烏鵠の前に身を滑らせ、眼前に手をかざす。
 その瞬間に波が来た。圧力のようなものを伴った波は、アルバートが作り出した透明なバリアによって阻まれる。
「荒さん、大丈夫?」
「ありがとさん。しっかし、便利だなコレ」
 バリアを突きつつ、応じた烏鵠はどこか不敵だった。
「さァて、こっちも状況を回しに行くか」
 烏鵠はデカいウサギを召喚する。
「せっかく備品係がいるんだ、遊べる内に遊んどかなきゃなァ」
 あ゛、とアルバートの反応するよりも早く、ウサギに飛び乗ってしまった。
「お、おい――」
 アルバートの静止を振り切ってウサギは跳ねた。
「備品係呼ばわりした分は後で殴る……!」
 恨み言一つ、呼吸を整え敵を見据え成すべき事を心に灯す。
 翼を広げ空気を掴み、空を打った。
 身体が浮遊感に包まれる。
 更に打つ、叩きつける。十分な高度を得たアルバートは身を空へと滑らせた。

●魂の捕縛者
 オブリビオンは鬼神の守護を得て、再び領域の侵食速度を上げ幽鬼の数を増やしてた。
「囲まれたか……」
 クロエを始め、大半の猟兵達が幽鬼群れの只中にいる。
 寄る幽鬼を切り伏せるが、以前とは違い手応えがあった。
 今、件の鬼神は極が抑え込んでいる。
「私が斬り込むよ」
「よいじゃろう。じゃが、しばし待つのじゃ」
 瑞穂に同意したのは薺だ。この状況では後退は無意味、前進にこそ活路はあるのだ。
 そろそろか、と呟いた薺が地面に手をかざすと、炎が灯り地面を走った。
「即興の陣じゃよ」
 始めはオブリビオンを中心に大きく円を描き、後は内側へと走る。
 中心に近づくにつれ火勢が増すように組まれており、果てはオブリビオンが火柱に呑まれ――大爆発した。
「な、なんじゃ!?」
「なにがですか!?」
 ノイジーも思わず驚いた。
 曰く、爆破までは予定に無かったとか。
「やっぱ派手なのはいいな!」
 ふひひと笑いつつ了がカメラにオブリビオンを捉え、告げる。
「さぁ、クライマックスだぜ」
 お膳立てはできただろう、などと考えているとウサギが来た。
「――ハッ! やっぱ戦いは面白くねーと!」
 着地と同時に残存していた幽鬼を消し飛ばす。更に烏鵠がウサギの頭上で霊符をバラ撒いており、周囲の幽鬼は粗方浄化されてしまった。
「鬼は引き受けた」
 言ってクロエが駆け出す。
「さっきは退けられたけど――」
 瑞穂はオブリビオンに肉薄し斬撃を浴びせた。
 相変わらず手応えが不明瞭だが、削る。削り続けていれば、いずれは許容を超えるだろう。
「――食らいつく」
 背後で鬼神が反応するのが分かる。
 だが、あれは仲間が対処すると言った、だから大丈夫だ。
「キミの相手はボクだよ」
 極はこっちを見ろとでも言うように、鬼神に拳の連打を浴びせる。
「俺も居る」
 クロエも参戦し鬼を行かせない。
 だが、鬼が何かを補足した。オブリビオン目掛けて突っ込んでくる飛翔体、アルバートだ。
 あれは止めなければならない、本能か何かで察知したのか被弾も何もかもを無視して、強引に身体をねじ込んできた。
「気付かれたみたいだ……!」
 アルバートは逡巡する。どうする、回避するなら上が確実だが急上昇には翼を広げる必要がある。それは駄目だ減速してしまう。
 強引にロールで回避するか。いずれにせよ、機動を逸らせば勢いは削がれる、最良は直進だ。
 さてどうするか――といった所で割り込んでくる巨影が来た。
「ぶちかませ!」
 烏鵠がウサギで突っ込んできたのだ。
「へいへい鬼さんびびってるゥ?!」
 ついでに煽りのオマケ付きだ。
(見えた――!)
 鬼神が押しのけられ、オブリビオンを視界に捉える。
 危険を察知したのかオブリビオンが唸りを上げ、波動攻撃を実行した。
 だが、アルバートのバリアがそれを防ぎ、かくしてオブリビオンの迎撃は失敗におわる。
「ぶちまかす!」
 深々と槍が突きこまれ、オブリビオンは堪らず唸り、もがくように波動攻撃を連続展開した。
「――ッ」
 バリアで守られているからといって、いつまで保つかは分からない。
 それに、周りの猟兵が危うい。
 アルバートは素早く槍を抜き離脱する。次の攻撃の準備のためだ。
「休ませないで!」
 瑞穂は高空に待機させて置いた狐火を全て叩きつける。
「UDCアース兵法・あるふぁ攻撃を喰らいなさいっ!」
 オブリビオンが炎に包まれた。
 だが、なおも波動を発し続けてる。
「私が居ましたよ!」
 オブリビオン直上、遥か高空にノイジーがいた。
 自由落下とフェアリーの不思議推進力によって加速していく。
 波が来た、だがノイジーは止まらない。
「見切ります!」
 全周囲の面攻撃、回避の余地など無いように思える。
 だが見切る、綻びを見つけ波間へと身を滑り込ませ、回避を敢行した。
 ――直撃する。
「おやおや? そんなにプルプル震えてどうしました?」
 彼女の足元、オブリビオンが激しく振動していた。
「逃げて! なんかヤバイ!」
 次撃に備えていたアルバートが避難を指示する。
 するとオブリビオンが崩壊を開始、中心に穴が発生し展開した領域、幽鬼、そして鬼神を飲み込んでいった。
 鬼神が岩や地面を掴み抵抗するも、あえなく呑み込まれていく。
「あー決着付けたかったなぁ」
「全く、よせと言うのに」
 極がクロエに羽交い締めにされていた。
 やや呆気の無い結末にも思える。
 だが――。
「ひとまずは完結っと」
 了はカメラを止める。
 オブリビオンは倒されたのだ。

●人喰い洞の凱旋者達
「さっすが、あっちゃん。うまくやったな」
 烏鵠がアルバートを囃し立てる。
「あー……」
 とりあえず一発殴ろうかと思っていたが、今は止めておこう。
 とは言っても――。
(帰ってから考えっか)
 というわけだが、一言言っておかねばならない事がある。
「あっちゃん言うな」
 ところ変わって、別の場所では薺が了に詰め寄っていた。
「のぅ、あの爆発お主じゃろ?」
 例の爆発だ。あれは薺の術の埒外だった。
「さぁてねぇ……どうだったか」
 了ははぐらかしつつ機を伺う。
「あーあ、あの鬼もったいなかったなぁ」
 横で独りごちる極は、ちゃんとした決着を付けられなかった事をまだ引きずっていた。
「まだ言っておるのか、おぬし……」
 了は薺の注意が逸れ、その隙にこっそり逃げようとするが。
「待たぬか。話はまだ終わってはおらぬぞ!」
 見つかった。
 そんな喧騒を横目に、クロエは早々と帰り支度を整えていた。
「あら、もう帰っちゃうの?」
 瑞穂の呼びかけに、見回りも済んだしなと答え、それに、と付け足す。
「団子を馳走してくれると言っていたのでな」
 何となく意外な答えにキョトンとしつつ。
「そういえば、そんな事を言ってたような……」
 ちょっと忘却の彼方である。
「おや? 私に団子を奢ってくださる相談ですか? ありがとうございます!」
 相変わらずノイジーの話の展開は早い。
 戦いと戦いの幕間の一時。
 そんな束の間に、猟兵達は言葉を交わす。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年03月17日
宿敵 『鬼門沌行』 を撃破!


挿絵イラスト