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【ID】心を『掌握』する色仕掛け

作者：月天下の旅人

「また『インモラル・ドミネーターズ』だよ」
　いい加減懲りないのかな、といわんばかりに語るのは斎藤・ホムラ（『精霊』の見えるデュエリスト・f37856）。
　インモラル・ドミネーターズは組織規模がでかすぎてリーダーでさえ全容を把握していない。
　なので子供でも安心安全の健全な悪役から、子供には到底お見せできないダーティーな悪役まで幅広く居る。
　こいつの予知だから安全だろう、と一安心していた猟兵にホムラはいう。
「まあ今回のはどっちかというとインモラル寄りだね」
　今回やってくるダークアスリートは色仕掛けをしてくるのだ。
　男性のフリをするのに疲れたところを唆され、ドミネーターズ入りしたシオンはイケメン（♀）であることを生かして男女問わず魅了する。
　コスプレイヤーである黒焔のバラルは『黒天魔竜ソレスタルブラッド』をイメージした衣装でデュエリストを『掌握』する。
　あくまで全年齢指定の範疇に収まる分マシなだけであり、インモラルで厄介な相手には違いない。
「まあガチでインモラルな連中の相手はそれこそ僕の役目なんだけどね」
　この少年ホムラはシャルロットという賞金稼ぎでもあり、実際にそれをやってのけているので説得力はある。
　もちろんお互いに『ノリが分かる』故の行為なので、良いプレイヤーのみんなは真似しないでね。
「ともかく今回は色仕掛けでデュエリストを掌握しようとする以外は健全だから、安心して転移されていってね」
　ホムラはそういうと、転移の準備を始めるのだった。

第1章 集団戦 『ダーティチアーズ』

POW   :    スペシャルパフォーマンス 【任意のダークリーガーが唐突】に覚醒して【確変絶好調モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。 SPD   :    チアフルパフォーマンス 戦場内に、見えない【勝負】の流れを作り出す。下流にいる者は【ここぞという場面で不運】に囚われ、回避率が激減する。 WIZ   :    アンビリバボーパフォーマンス 戦場に、自分や仲間が取得した🔴と同数の【悪質な観客】を召喚し、その【迷惑行為と猛烈な野次】によって敵全員の戦闘力を減らす。 イラスト：さとみ 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

「フレーフレー！」
　チアガールがチアリーディングをしながら決闘している。
　大きな胸を揺らしながらモンスターを応援するものだから、
悩殺され｜降伏《サレンダー》する決闘者が続出していた。
　だが、ここに来た千束・桜花（浪漫櫻の咲く頃に・f22716）とエジィルビーナ・ライアドノルト（シールドスピアの天誓騎士・f39095）はいずれも女性。
　どこぞのガチ百合淫魔ならまだしも、その気のない二人にそのようなお色気攻撃が通じるはずもない。
　ちなみにホムラはそういうのに耐性が無さすぎて、目を逸らしながら戦うので一周回って何とかできるのだ。
「それなら、私があらかじめアドバイスしておきます。流石に決闘中のアドバイスはルール違反ですが」
　というわけで千束はエジィルビーナの持ってるユーベルコードに合わせたデッキの回し方と、
相手のデッキに合わせた対処法を教える。
「なるほど……そういうことなら任せてよ」
　というわけで、今回チアガールが使ってくるのは【クラス4】デッキ。
　『オーバーレイ召喚』をメインに使ってくるデッキだ。
「私は『ユニバース・クリボー』とレベル4モンスターで『P.59ファイアーコック』をオーバーレイ召喚！」
　ファイアーコックはそのカードが単体で存在する限りいかなる効果も受けない。
　そして『ユニバース・クリボー』を素材にしたページモンスターは戦闘で破壊されない。
　『P.59ファイアーコック』が守備表示で立っている限り、戦闘ダメージを与えることは原則として不可能。
「なるほど……だけどこれならどうかな？」
　だが、【エジィルビーナが召喚した星霊グランスティード】……これは【電光】属性により守備貫通。
　つまり守備表示のモンスターを攻撃することによってもダメージを与えることができるのだ。
　さらに【人馬一体】状態により場に出ているモンスターの攻撃力を全て足す。
　その代わりこのモンスター以外は攻撃できないのだが、ファイアーコックの守備力自体は対して高くない。
　エジィルビーナはチアガールの8000あるライフを一撃で貫き、勝利を納めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「お……お願いします」
お色気たっぷりのチアリーダーに思わず赤面する久遠・翔（性別迷子・f00042）。
ちなみに彼女は元男性であり、所謂TS百合属性を持つ。
チアリーダーはソリティアして、相手の効果を無効にする攻撃力3000のモンスターを召還。
この効果は『相手が効果を発動した時』無効にする物である。
「ブレイクカーバンクルの攻撃っすよ！」
ブレイクカーバンクルは攻撃力０。一瞬笑うチアリーダーだったが、ふとブレイクカーバンクルの効果を見て気付く。
ブレイクカーバンクルが攻撃するバトルフェイズの間、相手はモンスター効果を発動できない。
つまり相手の効果を無効にできないのだ。
「即効魔法『天地の崩壊』っすよ！」
このカードは戦闘ダメージ3000以上受けたら発動可。相手自分のデッキ＆墓地のモンスター全てを除外。
「『天罰の竜』の効果発動。このモンスターはカードの効果で除外された時お互いのデッキの一番上から５枚除外するっすよ！」
「おっと。それをやったら『引き分け』になるわよ？」
そう、お互いにデッキを全て除外する効果をお互いのデッキが0枚の時に発動した場合。
お互いにデッキ切れのため結果は『引き分け』となる。
「そんなことは分かってるっすよ。『最後の審判』の効果発動っす！」
『最後の審判』……これはこの魔法カードが除外された場合、除外されている自分のモンスターを全てデッキに戻す効果を持つ。
よってチアリーダーのみがライブラリアウト……所謂デッキ切れによりターンが回る前に敗北する。
「流石ですご主人様！」
チアリーダーは【無自覚の使役術】で一時的に使役獣化して抱きつくが……
彼女たちもアスリートなのでしばらくすれば元に戻るだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミーシャ・アレクセア（戦神の娘・f08032）は口にするのも憚れる拷問を受け全てを失ったが、それでも戦場に立っている。
ここはアスリートアースだが、彼女にとってはどこだろうと戦いがある場所なら戦場であることには変わらない。
とはいえ今回はイネス・オルティス（隠れ里の女戦士・f06902）にカードバトルの手ほどきをする。
何せミーシャは生殖器を含めた身体中至るところに傷を負っており、
お色気軍団と張り合うことはとてもじゃないができはしない。
「お色気対決で私は不利です」
とは本人の談である。
いくら軍神として生きているミーシャも、いや軍神として生きてきたからこそか。
ともかく彼女は自分の苦手な土俵を理解している。
「この鎧は一族伝統のものよ、それがどうかしたの？」
とイネスは反論するが、そんな彼女にミーシャは【ヴァルキュリア】デッキを渡す。
これは数々の【ヴァルキュリア】カードを中心に立ち回る攻撃的なデッキ。
色んな意味でヴァルキュリアっぽいイネスにはうってつけのデッキだ。
対する相手のデッキは【皇帝コントロール】。
SPデッキを0枚にすることで相手のSPデッキを封殺するデッキ。
これは立ち回りにSPデッキを酷使する【セフィロト】辺りが相手なら効果抜群なのだが、
SPデッキを殆ど使わない【ヴァルキュリア】に対しては意味がない。
【ヴァルキュリア】にもフュージョンモンスターは存在する。
エースモンスターである『ヴァルキュリア女帝王』もその筆頭ではある。
しかし【ヴァルキュリア】の多くは通常のデッキに入るモンスター。
【皇帝コントロール】による妨害はあくまでSPデッキに干渉するものであるため、殆ど意味を為さない。
そのため、デュエルは終始イネスの優位で進む。
そうしてそのままイネスは相手のライフを0にし、勝利を収める。
かくして猟兵たちはチアガール軍団を退けた。
次の相手は男性のフリをするのに疲れたところを唆されドミネーターズ入りしたシオンである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

第2章 ボス戦 『シオン』

POW   :    私の心の迷宮、君は迷い込んでしまったね 戦場全体に、【幻の景色を映し出す霧】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。 SPD   :    君と共に歌いたい、思うがままに歌を 【今の状況に相応しい不思議な魅力を持つ衣装】に変身する。変身後の強さは自身の持つ【アイドルとしてのプライドと不思議な魅力】に比例し、［アイドルとしてのプライドと不思議な魅力］が損なわれると急速に弱体化する。 WIZ   :    君が迷子の子猫なら私はそっと囁きたい 【ファンの想いを背負った勝負服】を纏った真の姿に変身する。変身中は負傷・疲労・致命傷の影響を一切受けず、効果終了後に受ける。 イラスト：SARINA 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

「カードデュエルのやり方……ですか？」
天城・千歳（自立型コアユニット・f06941）は小宮・あき（人間の聖者・f03848）に対してそういう。
「ええ。さすがにデュエル中の助言はルール違反でしょうが」
神と夫に報告できない行動は、絶対に取らないあき。
それにカードデュエルのルールに違反すると反則負けなので尚更だ。
しかし、デュエル中でなければ通信による情報支援を貰うのは問題ない。
「でしたら……」
そんなわけで千歳かるの情報支援を貰い、イケメン（♀）であるシオンに挑むあき。
「アイドルだけあって、カッコいいですね」
既婚者であるため心を掌握されることはなかったあき。
それでも【君が迷子の子猫なら私はそっと囁きたい】を発動し、
【ファンの想いを背負った勝負服】を纏ったシオンには思わず感嘆してしまう。
「何度か打ち負かさないといけないみたいですが……一回勝って次に繋げます！」
そんなわけで【クレリック】デッキで勝負を挑むあき。
対するシオンは【ダークツインズ】デッキを展開する。
【ダークツイン】はランク召喚を軸にし、相手ターンに相手のカードを破壊し妨害するデッキ。
「なるほど……中々厄介なデッキですね」
一方【クレリック】はオーバーレイ召喚を中心に立ち回るデッキ。
ダークツインによる妨害を掻い潜りながら、2体のクラス4モンスターで『NP.0新星皇ホープ』をオーバーレイ召喚。
それを素材にして『NP.0新星竜皇ホープ』をオーバーレイ召喚し、『ダーク☆ツインリィル』を攻撃。
1900ダメージを与えるだけに留まるが、注目すべきなのはその効果。
このカードは戦闘・効果では破壊されず、更に1ターンに1度O素材を取り除くことで相手の効果を無効にできる。
更にフィールドのモンスターの効果を無効にした場合はそのモンスターのコントロールを得るオマケ付き。
【ダークツイン】にとって天敵ともいえるその効果であきはデュエルを優位に進め、猟兵にとってはじめの一歩といえる勝利を掴み取るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「なるほど、イケメンっすね。自分ほどじゃないっすけど！」
などとのたまうのはリカルド・マスケラス（ロープ際の魔術師・f12160）。
巨乳派であるリカルドはシオンに心惹かれないようだ。
「なるほど。だけど負けないよ！」
一度負けたシオンだがあくまで自分のスタンスは曲げず、【ダークツイン】デッキで戦いを挑む。
リカルドはそんなシオンに対抗するため【マスカレード】デッキで迎え撃つ。
【マスカレード】デッキは装備魔法を利用してモンスターに様々な効果を与えるコンセプトデッキ。
しかもマスカレードモンスターは召喚成功時に装備魔法を装備できるので、
破壊される前に装備魔法を装備することで破壊を免れることができるのだ。
【ダークツイン】は妨害こそ得意だがモンスターの攻撃力自体はさほど高くない。
故に装備魔法で破壊耐性を得て攻撃力も上昇したモンスター相手には何もできず、
リカルドはそのまま押し切りライフを削り切り勝利を納めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「なるほど……デュエルか。しかし相手が……」
しり込みする筒石・トオル（多重人格者のマジックナイト・f04677）に、藤堂・こずゑ（一閃・f23510）はいった。
「それなら私に任せてね」
そんなこずゑに対し、トオルはこう返す。
「それなら、あなたにピッタリのデッキを選んできます」
デュエルは任せましたよ、といわんばかりにデッキを見繕うトオル。
そうしてしばらくするとこずゑにピッタリの【からくり】デッキと【妖狐】デッキがあったので、
今回相手が使用する【ダークツイン】デッキと相性のいい【妖狐】デッキを渡す。
「回しかたは今から教えます」
そんなトオルのレクチャーを受け、こずゑはトオルとのデュエルに挑む。
「どうやら練習してきたようだけど、練習と本番は違うよ！」
と、【ダークツイン】デッキのいつもの動きをトオルは見せる。
それに対しこずゑは妖狐永続魔法カードを発動させる。
「させないよ！」
しかしトオルはそれを破壊する。
【妖狐】デッキの魔法カードは発動した段階ではあまり意味がなく、
永続魔法として効果を宣言した時に始めて真価を発揮する。
「そうくると思っていたわ」
しかしここまでトオルからレクチャーされたこずゑの想定通り。
運が絡みはするものの確実な戦法。
それは相手にカードの破壊効果を使わせることである。
つまりこずゑは【妖狐】モンスターが手札にあり、
ここから展開できるにも関わらずあえて魔法カードから入る。
【ダークツイン】のカード破壊効果は1ターンに1度しか使えないことを利用した戦法であり、
これを上手く通せるかどうかが勝敗の鍵だった。
つまるところ相手のカードの弱みを利用したマンチキン戦法ではあるものの、
見事賭けにかったこずゑはそのまま【妖狐】モンスターを展開。
トオルの8000あったライフを三度削りきるには充分な状況を作り出し、実際にそれを実現させたのだ。
だがそれでもまだトオルを正気に戻せる程ではなく、
猟兵たちは次の戦いを挑むことにするのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

赤星・緋色（サンプルキャラクター・f03675）とメイスン・ドットハック（ウィザード級ハッカー（引き籠り）・f03092）。
この二人の猟兵は中村・裕美（捻じくれクラッカー・f01705）のためにデュエルの講習を行っていた。
「つまりルールとしては相手のライフを8000削ればいいんだよ」
「引きこもりの僕には最適の戦い方じゃ。まあ今回戦うのはシルヴァーナじゃが」
とはいえ、デュエルの時は1対1が基本。引きこもる口実としてはこの上ない。
「なるほど。このように戦えばいいのですね」
デュエルのルールを聞いて頷くのは享楽的な戦闘狂である裕美の第二人格、シルヴァーナ。
彼女は基本近接戦闘特化だが、デュエルができないわけではない。
電脳魔術はシルヴァーナの人格だと使えないが、
デュエルに干渉するわけではないので問題ないという寸法である。
そうしてイケメン（♀）であるシオンと対峙するシルヴァーナ。
【竜騎士】デッキで先手を取ったシルヴァーナは【竜騎士】モンスターを召喚していく。
【竜騎士】モンスターは相手のモンスターに干渉する効果を持ち、
更に高い攻撃力を兼ね備えるデッキである。
その分展開力不足は否めないが、現在はそれを補うサポートカードもある。
「竜騎士の心臓を発動。1ターンに1度手札の魔法カードを1枚捨て、竜騎士モンスターを手札に加える」
手札に加えるのは竜騎士の巫女。
このモンスターは自分のフィールドにモンスターが居ない時に特殊召喚することができ、
墓地にある竜騎士魔法カードを除外しその効果を発動できる。
「発動するのは竜騎士の紋章。フィールドの竜騎士モンスターを除外し、竜騎士モンスターを二体特殊召喚できますわ」
竜騎士の紋章は本来手札の竜騎士モンスターを特殊召喚する効果だが、
『竜騎士の心臓』を発動したターンに『竜騎士の紋章』を発動した場合。
手札ではなくデッキから竜騎士モンスターを召喚することができる効果になる。
「わたくしは神秘の竜騎士と墓守の竜騎士を特殊召喚しますわ」
神秘の竜騎士は特殊召喚された場合自分の場に存在する全ての竜騎士モンスターが、
相手のカードの効果を受けなくなる効果を持つ。
墓守の竜騎士は自分の場に自分以外の竜騎士モンスターが居る場合、
相手が墓地のモンスターを特殊召喚できない効果を持つ。
これらのモンスター効果は【ダークツイン】相手に効果抜群であり、
また彼女は自身のユーベルコードを発動させる。
「殺ってやりますわ！」
【九死殺戮刃】。自身の【瞳】が輝く間、【殺戮刃物】の攻撃回数が9倍になる。
召喚した『斥候の竜騎士』を破壊することで『味方を攻撃した』条件を満たし、
残り8回の攻撃をシオンに与える。
これによりシオンのライフを削りきり、ついにシオンは自らの敗北を認める。
「はっ、ボクは一体！？」
女であることを明かしたシオンであったが、この後むしろファンが増えたというのはまた別のお話。
何しろイケメン（♀）は正義なのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

第3章 ボス戦 『黒焔のバラル』

POW   :    ライズアップ 【黒天魔竜ソレスタルブラッド】に変身する。変身の度に自身の【相手に与えるライフダメージ値】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。 SPD   :    マジックカード/魔竜再臨の儀 自身の【トラッシュ】から、自身の技能どれかひとつを「100レベル」で使用できる、9体の【『魔竜』属性のユニットカード】を召喚する。 WIZ   :    カウンターマジック/黒焔の檻 【手札】から【カウンターのマジックカード】を放ち、【『相手のカードは攻撃できない』効果】により対象の動きを一時的に封じる。 イラスト：龍 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

最初にやってきたのはエリー・マイヤー（被造物・f29376）と鳳凰院・ひりょ（天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864）、ミーガン・クイン（規格外の魔女・f36759）。
『黒焔のバラル』は黒天魔竜ソレスタルブラッドをフェイバリットとした【黒天魔竜】デッキの使い手。
黒天魔竜にはさらなる上位のカード『黒天魔竜VKD』が存在した。
『した』というのはそれが現段階では禁止カードとされているからであるが、
今回のデュエルではその『黒天魔竜VKD』を神のカードとして復活させたのだ。
元は禁止カードといっても一般に流通したカード……などと侮れないのがデュエルの世界。
そもそも禁止になるカードはそれ相応のカードパワーを有しているのだから当たり前の話ではあるが。
ともかく『黒天魔竜VKD』の対抗手段はただ一つ。
『そもそも相手に出させない』『怪獣カードで無理矢理リリースする』の二択である。
エリーとひりょはそれを踏まえ、ミーガンに秘策を授ける。
それは【神機】デッキ……つまり相手をリリースしかつワンターンキルをすることである。
「私はマジックカード、魔竜再臨の儀を発動！」
【マジックカード／魔竜再臨の儀】は『魔竜』属性のユニットカードを9体召喚する……
と書いてあるが一度に召喚可能なのはSPモンスターゾーン含めても6体まで。
どういうことかというとまず5体のモンスターを特殊召喚。
その後その5体のモンスターをベースに特殊召喚。
すると場には『黒天魔竜ソレスタルブラッド』と『黒天魔竜VKD』のみが残る。
フェイバリットを場に残しつつ黒天魔竜最強のモンスターを特殊召喚する。
その代わり手札を全て捨てる代償を払わなければならないが強力な魔法カードであることには違わない。
「それがどうしたっていうの？」
まず、ミーガンは『水天怪獣ガメシオン』の効果を発動。
相手のモンスター……『黒天魔竜VKD』をリリースし、相手の場に『水天怪獣ガメシオン』を特殊召喚する。
「なるほど……だけど私の場にはまだ」
『黒天魔竜ソレスタルブラッド』が残っている……『黒焔のバラル』がそういおうとした瞬間だった。
「私は手札から『神機サーキュレーター』を特殊召喚」
効果により『神機シグニス』を墓地に送る、と彼女は続ける。
「まさか！」
そう、そのまさかである。ミーガンは様々な過程を踏み、『神聖神機ファイナルシグニス』を特殊召喚。
「異世界の魔王の真似っこだけどね」
ミーガンはそういうと、【拡大魔法・桜花爛漫】を発動する。
これはモンスターの攻撃力が倍になる代わり、そのモンスターは攻撃後破壊される効果を持つ魔法カードとして扱われる。
この効果は相手モンスターを攻撃したときダメージが倍になる『神聖神機ファイナルシグニス』と相性が良く、
『黒焔のバラル』は一撃で8000あったライフを削りきられる。
「まさかそんな効果があるなんて……」
神の力をリソースにして立ち上がる『黒焔のバラル』であったが、代償として神の力を消耗したのはいうまでもない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

「今日も元気に食べて楽しく戦おうね！」
そんな緋月・透乃（もぐもぐ好戦娘・f02760）に鳳凰院・ひりょ（天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864）は突っ込みを入れる。
「確かに食べるのは俺も好きだが。デュエル中はカードが汚れるから推奨されていない」
特に公式大会では厳禁である。まあオブリビオンとのデュエルは公式大会というわけでもないが。
ルールに従って勝つことがアスリートアースでは重要視される。
禁止カードを神のカードとして使用している敵であってもルールには従い正々堂々戦ってくるのだ。
デスティニードローの類いはユーベルコードの範疇なのでお互い様であり、だからこそ駆け引きが生まれる。
それはともかく、ひりょは透乃に『黒天魔竜』デッキと戦うための戦法を教える。
「なるほど、こうやって戦えばいいんだね」
そうして、『黒焔のバラル』と対峙する。
「私はマジックカード、魔竜再臨の儀を発動！」
『黒天魔竜ソレスタルブラッド』と『黒天魔竜VKD』が場に出され、それを見た透乃はこういう。
「ひょいっと」
【ひょいっと】で『黒天魔竜VKD』の【腕や腕に相当する部位】を掴んで持ち上げ、墓地へ叩きつける。
つまりはユーベルコードをモンスターの破壊効果として発動したのだ。
『黒天魔竜VKD』が持つ効果かは相手フィールドのモンスターの属性を変え効果を無効にでき、それはあまりにも強力である。
だから禁止されたカードであるのだが、反面破壊耐性に関してはからっきしである。
それ故魔法カードやユーベルコードによる破壊は素通ししてしまうのだ。
「だけどまだ場には『黒天魔竜ソレスタルブラッド』が残っている！」
だからそれを補うための『黒天魔竜ソレスタルブラッド』でもある。
単にフェイバリットだから、という理由もあるがこのカードは効果によって破壊されることはないモンスター。
故に例え全体除去を喰らっても『黒天魔竜ソレスタルブラッド』は生き残る。
「それがどうしたっていうの？」
だがそれも『ブレイブチャンピオン・エクスカリバー』の増強した攻撃力の前では無へとへと帰り、『黒焔のバラル』はライフを一気に削られる。
「中々やるわね……」
『黒焔のバラル』は神の力を代償に立ち上がるが、それは猟兵が優勢になったことを意味するのはいうまでもない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「インモラル・ドミネーターズねえ……」
そういうのはアリス・セカンドカラー（不可思議な腐敗の｜混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202）。
『えっちなのうみそおいしいです♥』とプレイングに記載している、ガチでインモラルな方を専門にする猟兵である。
「まあToL◯VEるにも興味がないわけじゃないしね」
とやや百合よりのトリセクシャルな彼女は余裕をかます。
そして先攻を得た彼女はすかさず魔法カードをセットする。
「もはやなにもさせる気はないわ。時間質量操作で加速し、反撃さえ許さぬこの厄災の如き怒涛の連撃に耐えられて？」
【不可思議なる厄災の『夜』】、それは元来【｜カウンター盗み攻撃《リフレクション》】【｜早業先制攻撃《タイムフォールダウン》】【｜多重詠唱攻撃《トリニティバースト》】】を組み合わせたユーベルコード。
これをカードゲーム敵に解釈すればお互いの手札を全ハンデスし、その分ダメージを与える。
更に手札に魔法カードがあればその分ダメージを与える効果となる。
アリスは手札・墓地にある限り魔法カードとして扱うモンスターカードである『夜』モンスターを中心に放ったため、すぐさま8000のライフを削りきる。
「そんなやり方があるなんて……」
『黒焔のバラル』は神の力を使いきり、遂に倒される。
こうして、インモラル・ドミネーターズの野望を猟兵たちは打ち砕いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

最終結果：成功 完成日:2023年04月28日