Mission: First Strike
●異世界の鉄騎
「畜生っ! あのデカブツ、思ったより素早いっ!」
「こちらにもキャバリアがあれば……!」
獣人とオブリビオンの激しい銃火の応酬が繰り広げられるヨーロッパ戦線。ベルギーの首都・ブリュッセルに築かれた巨大な要塞を前に、獣人側は圧倒的な劣勢に立たされていた。
「ここを取り返さない限り、ドイツにはたどり着けないのに……!」
「こっちは戦車を用意するのが関の山だってのに、キャバリアの機動力の前では……!」
その戦線を、近くの高台から偵察している一匹のモーラットがいた。
「戦車に比べてキャバリアは小回りがきく。第二次世界大戦当時の技術力で培われた『パンツァーキャバリア』は、クロムキャバリア世界のそれと比べれば性能面ではいささか見劣りするが……しかし、歩兵や戦車に比べればそれなり以上には脅威となるか」
双眼鏡から目を離したそのモーラットの名は、アレクセイ・マキシモフ(歴戦の|もふもふ傭兵《ファーリー・ラット》・f36415)。グリモアの予知だけでは足りないと考え、本人が現地で実際に偵察を敢行していた。
「であれば、アプローチは2つだな。隠密行動で潜入するか、あるいは──」
アレクセイは電子タバコを口にし、紫煙代わりのミストを吐き出しながら続く言葉を口にした。
「──『兵器の性能差』で蹂躙するかだ」
●ブリュッセルの鋼鉄要塞を攻略せよ
「待たせたな。ではブリーフィングを始めよう」
そして、グリモアベースにてアレクセイは猟兵たちを集め、ブリーフィングを開始する。
「俺たちが向かうのは、今月発見された新世界、『獣人戦線』のヨーロッパ戦線。ベルギーの首都、ブリュッセルに築かれた『グラード』と呼ばれる鋼鉄要塞を落とすのがミッションだ」
要塞には多数の戦車とパンツァーキャバリアが配備されていることが、アレクセイの偵察で判明している。よって、歩兵戦力で正面から突破するのは非常に難しい。
「よって、アプローチは2つ。1つは敵の攻撃を掻い潜りながら潜入し破壊工作を行う。場合によっては敵のキャバリアや戦車を鹵獲することも考えていいだろう」
アレクセイは現地の地図を広げて指さしながら説明する。要塞周辺には塹壕が掘られているため、身を隠しながら潜入する分には問題ないと考えられる。
「潜入するなら俺に言ってくれ。最適なルートを教えておく。他にも潜入のために必要な情報は提供しよう。ガイド付きであれば困ることはないだろう?」
アレクセイはデータの入った情報媒体を見せた。潜入に際してはかなり捗ることだろう。
「そしてもう1つだが、キャバリアを持っているやつにオススメの方法だ。それ即ち、兵器の性能差に物を言わせた正面突破となる。敵のキャバリアはクロムキャバリア世界のそれと比べると非常に性能が低い。スペック差で楽に圧倒できるだろう」
ただし、とアレクセイは続けた。
「俺も要塞の奥までの潜入はできなかった。ガードが硬すぎたんだ。だが、『何か』が搬入されているのを辛うじて確認できた。それがこの写真だ」
アレクセイは1枚の写真を見せた。そこには、1機のキャバリアが搬入されている状況が認められた。夜間であったことから写真は全体的に暗く、機種までは特定できないが、うっすらと明らかになっている輪郭を見る限りでは他のパンツァーキャバリアとは明らかにフォルムが違うことだけはわかった。
「恐らく、敵は何か『隠し玉』を持っている。こいつには警戒しておいてくれ。もしかすると何か厄介な代物かもしれん。用心に越したことはない」
アレクセイは頷くと、ブリーフィングの締めに入った。
「おさらいしよう。俺たちは塹壕を利用した潜入、ないしキャバリアによる正面突破を行い要塞の攻略を図る。要塞深部に搬入されたキャバリアについては十分に警戒が必要……以上だ。もしもそのキャバリアが出撃するようなことがあれば、撃破しておいたほうが良いだろう」
アレクセイは言葉を切り、皆を見回す。
「クロムキャバリア世界の諸君には朗報だ。この世界には|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》による監視の目はない。好きなだけ空を満喫できるぞ。鳥になって来ると良い」
INT-BOYを操作してグリモアを起動、ポータルを開く。その先に待つのは地獄のヨーロッパ戦線。だが、これから猟兵の手によって「オブリビオンにとっての」地獄に変わることだろう。
「では、出撃だ。健闘を祈る。|Show no mercy《暴れて来い》.」
バートレット
どうも、バートレットです。
獣人戦線は基本的に|アレクセイさん《ボス》の担当になりそうな予感。今回はHoIプレイヤーにとっては道路と揶揄されがちなベルギー戦線でございます。戦力の差を見せつけていたと思ったら……というシナリオです。
アプローチは2つです。1つは敵の攻撃を掻い潜りながら要塞に接近。もう1つはキャバリアを利用して正面突破。ぶっちゃけキャバリアを持っているなら正面突破が難しいこと考えなくていいので楽かと。まぁアレクセイさんの事前偵察で得た情報があるので潜入もかなりサクサク進められると思います。
第1章・第2章は集団戦、第3章でボス敵が出現します。基本的に潜入する場合は「攻撃を掻い潜りつつ要塞の陥落を目指す」、正面突破する場合は「キャバリアに乗って敵をひたすら倒しながら要塞に正面から乗り込む」ことになります。正面突破する場合、潜入側の陽動役になってあげるのも良いでしょう。
OP公開後即座に第1章の募集を開始します。第2章・第3章については断章執筆後に募集を始めます。募集状況についてはタグをご確認ください。また、シナリオ参加上の諸注意についてはMSページをご覧いただければ幸いです。
それでは、皆様からのアツいプレイングをお待ちしております!
第1章 集団戦
『爆撃機型パンツァーキャバリア』
|
POW : オートガトリング
レベルm半径内の対象全員を、装備した【両腕部から飛び出すガトリング砲】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
SPD : キャバリアダイブ
【プロペラ飛行】によりレベル×100km/hで飛翔し、【機体重量】×【速度】に比例した激突ダメージを与える。
WIZ : 爆撃機編隊
レベル体の【量産型パンツァーキャバリア】を召喚する。[量産型パンツァーキャバリア]はレベル×5km/hで飛翔し【地上掃射ガトリング砲】で攻撃する。
イラスト:イプシロン
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
カシム・ディーン
機神搭乗
「ご主人サマー☆なんかメルシーがアレクセイ君に呼ばれたんだぞ☆」
ちげーよあほか!?
何時もなら光学迷彩だが…ちょい今回は無双かつ遅れ気味のサンタさんでいくぞ
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の陣形とパンツァーキャバリアの構造と武装…コックピット部分の分析
そしてオブビリオンマシンではないか(重要)
乗り手だけがオブビリオンなら…
(にたぁ)
「そうかー☆ご主人サマってば☆」
【属性攻撃・念動力】
念動障壁を張って風を纏って機動力強化
ガトリングは弾くか避ける!
【空中戦・二回攻撃・盗み攻撃・盗み・切断】
わたぬき発動!
可能な限り機体を傷つけず乗り手だけを強奪
オブビリオンなら切断
他の機体にも襲い掛かり強奪祭り!
チル・スケイル
なるほど…ならば私は
『|生身《・・》の性能差』で蹂躙するとしましょう
陽動も兼ねて、一つでも多くのキャバリアを撃墜します
我が身に氷竜様の霊を宿し、さらなる魔力を引き出します。そしてキャバリア以上の高度から氷弾で牽制
|芯《パイロット》までオブリビオンなら、遠慮なく貫かせてもらいましょうか
猛烈で局地的な吹雪を吹かせることで急加速、弾丸を回避しつつ、狙撃杖『カシュパフィロ』の氷弾により操縦席を貫きます
おっと…増援ですか。数は実際多いですが、だからこそ冷静に、冷徹に。
そして同じように。弾丸を避け、狙撃!
では、|竜《・》になって来ます。吉報をお待ち下さい。
●正面からの蹂躙
「ご主人サマー☆ なんかメルシーがアレクセイ君に呼ばれたんだぞ☆」
「ちげーよアホか」
グリモアベースにて、人間形態で盛大にボケ倒す愛機メルシーの後頭部をハリセンでぶっ叩くカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。ハリセンの快音と共にメルシーは頭を抑えてわざとらしく痛がって見せる。
「いったぁい☆」
「くだらんこと言ってねーで行くぞ後がつかえてんだ」
といったやり取りをしつつ、早速現地に降り立つカシムとメルシーは事前に渡された情報と現在の戦況を見比べながら行動方針を考えていた。
「うようよいるなぁ」
「これ迂闊に飛び込んだら囲まれた挙げ句上から爆弾とガトリングの雨が降ってきてお陀仏じゃない?」
「そうなんだよなぁ。かと言ってドッグファイトに持ち込もうにも別の敵にケツ取られたら穴開きチーズの出来上がりだ」
2人が相談していると、1人の猟兵が合流してきた。ドラゴニアンのチル・スケイル(氷鱗・f27327)である。
「陽動はこちらで引き受けましょうか?」
「助かります……あれ? 見たところキャバリアは無さそうですが」
チルはキャバリアを持っていない。その点をカシムが指摘すると、チルは穏やかに笑う。
「えぇ、よって『生身での性能差』にて蹂躙させて頂きます」
◆◆◆
「なるほどー」
「確かに蹂躙してるな、生身で」
キャバリアに身を変じたメルシーとその乗り手のカシムは、チルの言葉の意味を実際にその目で見て実感する。
チルは自らに氷竜の霊を宿すことで、自身の魔力を最大限に引き出した。加えて氷弾で牽制をかけつつ、局地的な吹雪を引き起こして上空を縦横無尽に飛び回る。爆撃機型パンツァーキャバリアはチルのスピードと機敏さについていくことができていなかった。
「パイロットだけがオブリビオンだね、あれ」
「あー、他の戦場だとレジスタンス側も鹵獲されたパンツァーキャバリアを乗り回してるのがいるって聞いたな。オブリビオンマシンだと乗ったら猟兵でもない限り乗り手が暴走するから、それが無いってことはガワは普通のキャバリアってことか」
「どっかで作ってんのかなぁ」
「工場があるんだろうな、ドイツのどっかに。高確率でルール地方にあるだろうけど……あそこはドイツ屈指の重化学工業地帯だ」
いずれはそこに攻め込むことにもなるだろう、とカシムは考える。ともあれ、まずは敵の撃破だ。チル一人に負けていられない。
「ま、つまり中身がオブリビオンってことはだ、アレやるのに最適だよな」
「そうかー☆ ご主人サマってば☆」
ニヤリと笑うカシムに、ディスプレイ上のメルシーも悪い顔の表情を表示させる。念動障壁に加え、その場に吹き荒れる吹雪をその身に纏うことで風の属性を付与、機動力を上昇させた。
「さぁて、ちょい遅れ気味のサンタさんの出動だ……見てろよNORAD!」
パンツァーキャバリアがガトリングによる弾幕を張るが、メルクリウスとチルはそれぞれこれを軽々と避けて見せる。チルが作り出した環境はメルクリウスにも味方していた。
「さぁ、わたぬきだ!」
コクピットのオブリビオンだけを取り出して放り捨てるという、言わばキャバリアの臓腑を強奪するカシムのユーベルコードが発動された。後に残るのは乗り手を失い不時着するパンツァーキャバリアのみである。まさに盗賊としてのカシムの絶技。その手並みは鮮やかであった。
「なるほど、乗り手のみがオブリビオンであれば遠慮は要りませんね」
チルも狙撃杖「カシュパフィロ」を遠慮なくコクピットに向けて、氷弾を撃ち込む。コクピットを的確に撃ち抜き、中のパイロットは氷漬けになったかと思うと氷が四散。失速したキャバリアが地面に落ちていく。
「増援くるよー!」
「どうやら我々を脅威とみなして貰えたようで」
メルシーの警告に、チルは笑みを深めた。であれば、このまま竜となってこの場を蹂躙するのみだ。
かくしてこの日、ブリュッセルには2人の猟兵の手によって世にも珍しい「パンツァーキャバリアの雨」が降り始めたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
風吹・香織
キャバリア?
そんなのいらない、私にはこの子がいればいい。
……いや、嘘。あのキャバリアは欲しい。この子も変形してくれないかな……。
P-38に載って爆弾を満載して出撃。
速度を生かして一気に接近して、ロケットランチャーと徹甲弾を装填した機関砲で攻撃。
P-38の基本は一撃離脱。攻撃を仕掛けたら通過して飛び去る。
…‥とはいかないね。敵UCの方が早い。うちの子、約700km/hくらいしか出ないし。
でもこれも予想通り。
機体は消耗品だからね、ぶつかる前に脱出。爆弾満載してるからダメージを与えられるはず。
私はスズメなんで自力で飛んで戦場の塹壕に合流するよ。
本当は翼は使いたくないんだけどね。
黒木・摩那
こちちの世界は初めてですね。
ここは獣人に混じってオブリビオンが大戦争の真っ最中とは物騒なことです。
もちろんこのままにしておくわけにはいきません。
オブリビオンに強烈な一撃を噛ましてあげます。
まずは要塞に潜入します。
事前の情報に基づいたルートでこっそりと。
せっかくですから、こちらの世界のキャバリアを鹵獲します。
どんな技術レベルか、知っておきたいのもありますし、
いろいろなキャバリアに乗ってみたいのもあります。
それだけではさすがに不利なので、UC【紫電翔剣】も使って、敵のキャバリアを撃ち落としていきます。
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
他の猟兵達のおかげで我々ははじまりの世界へ辿り着けた訳だ…獣人戦線!
…嫌でも私が生まれた世界を思い出しちまうな…クソ!
じゃあどうする!?騎士と名乗る限り戦場に発つしかあるまいよ!ベルト・ラムバルドが行くぞ!
キャバリア乗って正面突撃!存在感と悪目立ちで敵を陽動して潜入部隊を敵の目から逸らそう
あれが飛行型のパンツァーキャバリア!?だがこちとら空を飛べる!
空中機動で空飛び回り、盾で敵の砲弾を防御しつつサークランサーぶん回して鎧砕きと串刺しで攻撃
ビームを発射して鎧無視・貫通攻撃だ!
わらわら呼びやがって!ならばこっちも…こうだ!突撃~ッ!
UCで同型機を召喚!集団戦術で敵群を蹂躙じゃい!
ミスト・ペルメオス
・SPD
ここが新たな世界。新たな戦場……。
──やるぞ、ブラックバード。
愛機たる機械鎧(人型機動兵器)を駆って参戦。
装備を介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
スラスターを駆使して飛翔。この世界に空の制限は無し、自由に飛び回ってみせる。
鎧装騎兵の力を見せつけるのみ。当機は正面から仕掛ける!
敵戦力のキャバリアは機動力に長けているとのこと、油断などするつもりもない。
飛翔、そしてドレッドノート・デバイス展開。【クイックショット・ホークアイ】……!
飛び回りながらの高速“狙撃”戦。
当たればただではすまない。こちらも、向こうも。
だからこそ……一瞬で、一撃で。敵の軌道を見切り、逃さず撃ち落としてやるッ!
●異界のキャバリア
「ここが新たな世界。新たな戦場……」
「他の猟兵達のおかげで我々ははじまりの世界へ辿り着けた訳だ……ここ、獣人戦線に!」
ミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)とベルト・ラムバルド(自称、光明の宇宙暗黒騎士・f36452)はそれぞれ、新たな世界に降り立った実感を噛みしめる。ブラックバードとパロメデス、どちらも漆黒の装甲が目を引く。
戦乱の世界ということもあり、ベルトの内心は複雑であった。自分が生まれ育った世界も100年に渡る戦乱が絶えない状況だ。
「否が応でも私が生まれた世界を思い出しちまうな……クソ!」
「だが、違うところもある。この世界に空の制限は無し」
「あぁ、そうだ。あの暴走衛星が無いだけ幾分マシというもの!」
ミストの言葉に励まされ、ベルトはすでに交戦状態に入っている敵集団を見つめる。と、その時モニターの隅で動くものが見えた。そちらにフォーカスすると、ちょうど潜入を担当する猟兵が動き出したところだった。
「よし、我々も仕掛けよう」
「あぁ、行こう!」
その後ろ姿に促されるように、ブラックバードとパロメデスは大空へと飛び上がっていった。
◆◆◆
「獣人に混じってオブリビオンが大戦争の真っ最中とは物騒なことです」
誰にとも無く、この世界の状況について所感を述べる黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。もちろん、この状況をよしとするわけにはいかない。互いに潰し合いをしているとは言え、オブリビオンの跳梁を許してしまっているのだから。
「さて、潜入するとしましょうか。こっそりと」
事前にグリモア猟兵からもたらされた情報に基づき、潜入を開始する。その様子を見ていた1人の猟兵がいた。風吹・香織(怠惰な「双胴の悪魔」乗り・f39889)、この獣人戦線の住人であった。
「キャバリア? そんなのいらない、私にはこの子がいればいい」
彼女が駆るのは愛機の「P-38ライトニング」。双発のレシプロ機で、三胴設計となっているのが最大の特徴である。キャバリアなど無くともこの機体があれば香織は戦える。
と、いう自信はあるのだが。
「……いや、嘘。あのキャバリアは欲しい。この子も変形してくれないかな……」
キャバリアの汎用性の高さは羨ましいところである。その点に関しては認めざるを得なかった。ともあれ、潜入する摩耶の近接航空支援を行うのが彼女の当座の役目であった。
◆◆◆
「よぉし、存分に引き付けるぞ!」
ベルトのパロメデスが正面から敵集団に突っ込んでいく。その手には盾。以前クロムキャバリアのメカニックガレージでアドバイスを受けて装備した盾は、パロメデスの手によく馴染んでいた。サークランサーとの相性も良い。敵の砲撃を盾で受け、カウンターとして放つ槍の一閃でばたばたと敵が落ちていく。
「我が名はベルト・ラムパルド! 光明の宇宙暗黒騎士だ! 我こそはと思わん者は前に出るが良い!」
高らかに名乗りを上げ、大いにその存在を知らしめるベルト。敵機が次々と殺到するが、これを全て真正面から撃退していく。空を縦横無尽に飛び回りながら、ベルトは陽動の役割を見事に果たしていた。
「鎧装騎兵の力を見せつけるのみ! 当機も真正面から仕掛ける!」
一方、ブラックバードも高速で飛翔しながら次々と敵機を屠っている。ブラックバードが手にするドレッドノート・デバイスの銃口が向いたと思えば、途端に敵機は次々と爆散していった。高速でマニューバを続けながらの狙撃戦、相手とこちらのどちらが先に撃ち落とすかの勝負である。
「全て逃さず撃ち落としてやるッ!」
一瞬で、一撃で。黒い鳥が空に炎の華を咲かせ続けていた。
だが、2人で支えるには限界があったのだろう、徐々に敵も数を増やし始める。他の戦線に展開していた敵機が増援として駆けつけてきたのだ。このままではキリがない。
「ええい、わらわら呼びやがって! ならばこっちも……こうだ! 突撃~ッ!」
痺れを切らしたベルトはついに奥の手を見せた。ユーベルコードによって複数のパロメデスを次々と召喚してみせたのだ。もちろん、これらはユーベルコードによる複製体、被弾すれば一撃で消滅する。だが、それでも数的不利による劣勢を覆すには充分であった。
◆◆◆
空でせめぎ合いが続く中、地上ではP-38の近接航空支援を受けつつ、摩耶がキャバリアの格納庫までたどり着いていた。
「流石に格納庫まで来ると敵が多いですね」
自身もスマートグラスを向けた敵に、念動力によって剣を飛来させて撃墜しながら格納庫の中を見て回る。と、その時。
「くっ、流石に向こうのほうが速いか……!」
P-38がついに限界を迎えてしまった。敵側が小回りが効く分、あちらのマニューバになんとか食らいついていたというのが実情だった。機体は消耗品、とばかりに香織が脱出する。
「これはいけません、援護せねば」
摩耶は格納庫に駐機されていた航空型パンツァーキャバリアを見つけると飛び乗った。エンジンに火を入れて、動かす。基本的な操縦系統は他のキャバリアとそう変わらない。だが、
「……これ、クロムキャバリア世界のものと比べて流石にレスポンスが重いですね」
それまで何度か乗ってきたクロムキャバリア世界のキャバリアがいかに洗練されていたかを思い知る。とはいえ、挙動自体は素直で扱いやすい。別戦線でレジスタンスが運用しているのも頷ける。
「援護します!」
脱出して塹壕へと向かう香織を援護し、香織に向かう敵機をガトリングで蜂の巣にする。
「助かります」
と、P-38の最後の花道がここへきて火を吹いた。爆薬を満載にしていたためか、周囲の敵機を巻き込む形で大爆発を起こしたのだ。これで多くの敵機を道連れに出来たことだろう。
「さぁ、奥へ。ここからは役割交代ですね」
「了解、よろしくお願いします」
役目を替えた2人は、そのまま敵陣の奥へと切り込むのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アルジェン・カーム
キャバリア搭乗
「ひゃぁぁぁぁっはぁぁぁぁ!!空中高速戦闘だよ!クロムキャバリアではできなかった上空戦闘だよアルジェン!」(ハイテンション鴉立体映像
複数の世界の侵攻を受ける世界…この世界は謎が多そうですね
【戦闘知識】
敵キャバリアの陣形と動きと攻撃の方向性を把握
僕も何度か戦闘機の戦いはこなしています!
戦闘機の戦い方は把握してますよ!
英霊剣群展開同時発動
【念動力・弾幕・空中戦】
超高速で飛び回り念動光弾の弾幕と英霊剣の弾幕展開
相手の弾幕は念動障壁で弾く!
【二回攻撃・オーラ防御】
オーラを機体に展開
そのまま敵機に向けて超高速で体当たりによる突撃!
これが戦闘機の戦闘流儀です!
「…(く、国によってだけどね)」
●空を制するもの
「ひゃぁぁぁぁっはぁぁぁぁ!!空中高速戦闘だよ!クロムキャバリアではできなかった上空戦闘だよアルジェン!」
「落ち着いてください」
アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)は愛機のプルートーがハイテンションに叫びながら自らのアバターである烏の立体映像を飛び回らせるのを見てやれやれとため息をついた。気持ちはわからないでもないが流石にはしゃぎ過ぎなんじゃないかと思う。
しかし、複数の世界に由来するオブリビオン達によって侵攻を受ける世界というのは、アルジェンにとって気がかりでもあった。この世界には確実に何かがある。エンドブレイカーとして長らく戦ってきた自分の直感がそう囁くのだ。
「敵は戦闘機ですか。僕も何度か戦闘機の戦いはこなしていますから、戦闘機の戦い方は把握してますよ」
アルジェンは自信たっぷりに呟くと、空中に大量の剣を浮かび上がらせた。複数の英霊剣群を同時に操りながら、超高速で飛び回って念動光弾を浴びせつつ時には剣での直接斬撃を食らわせていく。大量の剣を周囲に展開させながら飛ぶその姿はまさに制空権が形をなしたかのよう。敵のパンツァーキャバリアはただただ圧倒されるばかりであった。
「さぁ、一気に片付けますよ!」
機体周囲にオーラを展開すると、そのまま敵機が密集している位置めがけて突貫。オーラに触れた敵機はコントロールを失い地上へと落ちていく。敵も、まさか直接体当たりを敢行する相手がいるとは思わず、虚を突かれた形となったのである。
「これが戦闘機の戦い方ですよ!」
得意気なアルジェンに、プルートーはうーむ、と考える。自分がやったこととは言え、これを戦闘機の戦い方として認めても良いのかどうか。むしろ邪道ではないか、と思ったのだが。
(……く、国によってはこういうこともあるかも?)
と、結局は自信なさげな結論をつけるに留めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※アドリブ歓迎
※愛機搭乗
性能差で蹂躙?となればアタシら本職の出番だね
そして自由に飛べるなら、楽しまない手もないさ♪
ま、秘蔵っ子に備えて油断はしないけどね?
オペ1番【アサルト・ヒート】開始
緑の粒子を纏う愛機が不規則軌道&マッハ11前後の超絶飛翔
《瞬間思考力》の状況判断と《操縦》テクについてこれるかな?
角張り方はPキャバリアに似てるけど大違いさ、ヒャッハァーッ♪
【D・バレル/スカベンジャー/S・マイン】でドッグファイト
ついでに【D・レイ】の地上掃射で戦車を牽制しておこうかね
破れかぶれの突撃は【S・セル】の攻性防壁急速展開で吹き飛ばし
敵側は爆撃機型Pキャバリア…解析情報は後で何かの参考に♪
●本来のキャバリア
「性能差で蹂躙となれば、アタシら本職が出ないわけにはいかないってね」
リーゼロッテ・ローデンヴァルト(|KKS《かわいくかしこくセクシー》なリリー先生・f30386)は自信たっぷりな様子でニヤリと笑ってみせた。愛機ナインス・ラインの調子も快調だ。自由に飛べるのであれば、それを活かさない手はない。
「オペ1番、アサルト・ヒート開始!」
それは単純かつ明快な戦法。全スラスターをに火を入れて、高速での飛翔を行う。その速度は実にマッハ11に迫り、当然パンツァーキャバリアが追いつけるスピードではない。しかも、性能のみならずリーゼロッテ本人の戦闘経験も高く、もはや蹂躙は約束されたようなものであった。
「さぁ、ドッグファイトとイこうか!」
右手の対物ライフルに左手のビームマシンガン、そして肩部のミサイルが火を吹いた。始まるのはブリュッセルの空中を照らし出すスターマイン。もちろんその元となっているのは敵機である。あまりの性能差に圧倒されたのか、せめて一太刀とばかりに破れかぶれの突撃を仕掛けるものもいたが、リーゼロッテは攻性防壁をすぐに展開して本体への被害を食い止める。
「ま、爆撃機って言うからには爆弾を抱えていたんだろうけど、お陰でポンポン爆発してくれるねぇ」
愉快そうにその様子を眺めるリーゼロッテ。クロムキャバリアのキャバリア乗りが空を手に入れれば、怖いものは何もない。本来のキャバリアの性能を以て、それまで戦場を支配していたオブリビオンたちに恐怖を与えるのであった。
「おっと、ついでに」
もちろん、抜け目のないリーゼロッテは地上へのフォローも忘れない。脛に内蔵されたパルスキャノンを用いて地上を掃射し、敵戦車を牽制。要塞正面に展開していた爆撃機型パンツァーキャバリアは、かくして全滅を余儀なくされるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『オブリビオン戦車隊』
|
POW : タンクキャノン
【戦車砲】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 超大国の改造成果
自身の【車体】を【長距離砲撃形態】に変形する。変形中は攻撃力・射程が3倍、移動力は0になる。
WIZ : タンクデサント
X体の【随伴歩兵】を召喚する。召喚された個体の能力値・戦闘力・技能は自身のX分の1。
イラスト:aQご飯
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●時間稼ぎ
「我が軍のパンツァーキャバリアがこうも簡単に……!」
突如として出現した猟兵勢力による圧倒的な攻勢は、それまで戦場にて無双を誇っていたオブリビオン側のパンツァーキャバリア部隊にとって青天の霹靂であった。そう、レシプロ機がロケット機やジェット機に駆逐されていくように、より圧倒的な戦力の前には為す術がなかったのである。
「例の機体はまだなのか?」
「目下出撃準備中です!」
「急がせろ。あの機体はただのコレクションではないことを証明するのだ」
「はっ! 戦車隊を出して時間稼ぎを行います!」
戦車隊が前へ出る。分厚い装甲は他の敵を寄せ付けず、まさにそびえ立つ鉄の壁の如し。だが、彼らに命じられたのは敵の侵攻を遅滞させる時間稼ぎだった。もちろん、不本意ではある。だが、最終的に要塞の陥落を防げるのならば、と死地に赴く。
猟兵たちは鉄の壁を踏み越えなければならない。ブリュッセルの戦いはますます激しさを増していく。
チル・スケイル
戦車部隊!脅威の砲撃、多数の兵士、そしてよく冷えそうな鋼の装甲
ここで時間をかけてはいられません。慈悲はない
こういう手合いには、大杖『ラケート・ランティーロ』の出番ですね
上空から氷の魔法で戦車を撃つ、狙うは出入り口。扉が開かねば随伴歩兵は出られない
中にいる兵士を戦車ごと冷やして凍らせてしまいましょう
巨大な火砲も、指ひとつ動かせなければ撃てますまい
これが本当の、鉄の棺桶ですね
●Iron Coffin
「戦車部隊……!」
目の前に群れ成す戦車部隊の威容に、思わずチルは気圧された。脅威の砲撃、多数の兵士、分厚い鋼の装甲。だが、とチルは負けじと戦車部隊を睨み据える。
「その鋼の装甲……よく冷えそうではありませんか」
そう、突破口は存在する。熱伝導率の高い物質が相手であれば、チルの力を存分に振るうことが可能となるのだ。こんなところで時間をかけてはいられない。グリモア猟兵が語ったとおり、|慈悲は与えない《No Mercy》。
チルが取り出したるは4本1組の大杖「ラケート・ランティーロ」。この大杖から放たれる氷の魔法は戦車砲にも匹敵する。もちろん対戦車戦の基本は「トップアタック」。上空からの攻撃に戦車は弱い。狙うは戦車の上面ハッチだ。中からの出入りを防げば、随伴歩兵の増援を断ち切ることが可能。加えて車長がハッチから顔を出して外の様子を伺うことも不可能にする。相手に渡す情報を少なくして、撹乱する一手でもあった。
絶対零度の凍気を放つチルの十八番、「氷術・凍」が次々と放たれ、戦車は突如降ってきた凍気の驟雨に足を止めざるを得なくなった。一発も戦車砲を撃つこと無く、時を止めたように凍りついていく戦車隊。中の兵士も一言も発すること無く、凍てつく空気の中で動きを止めていく。
「これが本当の、鉄の棺桶ですね」
物言わぬ戦車が並ぶ光景を、チルはそう評する。凍てついた兵士たちの骸を抱えた戦車はまさに、動かぬ葬送の列となったのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
わらわらと!今度は地を這う戦車隊か!
だから何だ!それを乗り越えるのが騎士たるベルト・ラムバルドだ!行くぞ!
キャバリア乗って戦闘継続!
なんと!?あんな遠くから撃ってくるとは!?とりあえず砲撃には盾受けとカリスマオーラで防御!危なッ…!
そして砲撃してくる戦車隊の場所を索敵と情報収集で把握する!
…なるほど移動はしてこないようだな…ならば…だ!
空中機動で空飛び回りUCで戦車隊目掛けて突撃!
サークランサーから荷電粒子ビームをぶっ放して貫通攻撃!
そして二刀の剣をぶん回して鎧砕きと鎧無視攻撃で戦車を切断して連中を蹴散らしてゆくぞ!
圧倒的だな私の愛機は!
だが…いい気はせんな…チクショーめ…
ミスト・ペルメオス
・POW
戦車、だったか。
それで──止められると思うな。
愛機を駆って戦闘続行。
装備を介しての念動力の活用、機体のフルコントロールも継続しつつ。
次なる目標の敵戦力も相応に脅威となる。……現地の友軍が、まともにぶつかるのなら。
陸の王者と言うべき兵器だが、しかし。空間を駆ける機械鎧相手では勝手が違うだろう。
ドレッドノート・デバイス、セット。【オープンファイア】ッ!
飛翔して戦場を飛び回りながらの砲撃戦。敵の車体上部や側面を狙って砲撃を叩き込んでいく。
敵からの砲撃は立体的な戦闘機動で、高度と速度を高く保つことで回避する。
正面からの撃ちあいに付き合う必要は無い。その装甲と火力を活かせぬまま、消えていけ……!
ノーラン・ハイドリヒ
【アドリブ・連携歓迎】
あれだけいた爆撃機型が全滅か。
猟兵のキャバリア……凄まじい性能だ。
心強い限りだが、元パンツァーキャバリア乗りとしては複雑な心境だな……。
まぁ、今は俺も『こちら側』なんだ。理外の力、遠慮なく使わせてもらおう。
『イイジマ重工から電磁投射砲の試験運用依頼が来ています。あの棺桶共は丁度良い的かと』
戦車1両撃破ごとに追加報酬か。皆の軍資金のためだ。受けよう。
UCを発動し、レールガンを召喚。推力移動で射点を換えつつ、敵戦車の狙撃を試みる。
『警告。ENキャパシタの異常加熱を検知。チャージを82%以下に押さえてください』
なぁリーブラ。大丈夫なのか、コレ?
『大丈夫です。保険はおります』
●鉄の壁を乗り越えろ
「わらわらと! 今度は地を這う戦車隊か!」
ふんっ、とベルトは鼻を鳴らす。あの程度で止まる訳にはいかないと、愛機パロメデスの操縦桿を握る手に力を入れ直した。
「乗り越えるのが騎士たるベルト・ラムバルドだ! 行くぞ!」
「了解! 戦車隊如きで我々を──止められると思うな!」
ベルトは傍らに立つ機械鎧に声をかける。その声に応えるのは機械鎧の主たるミスト。2機の鉄騎は勢いよく飛び出し、戦車隊めがけて突き進んでいく。
その様子を見ている1人の猟兵の姿があった。この世界を故郷とする猟兵、ノーラン・ハイドリヒ(エンダーベリー・アウトポスツ:契約実動社員・f39988)だ。
「あれだけいた爆撃機型が全滅か。猟兵のキャバリア……凄まじい性能だ」
心強さを感じるが、元パンツァーキャバリア乗りだったノーランとしては、複雑な心境でもあった。それまで自分が頼り、なおかつ脅威に思っていた力が、より大きな力の前では無力だったのだ。頼もしさと虚しさがないまぜになった心持ちである。
「……とは言え、だ」
今は自分も「|猟兵《こちら》側」なのだ。理外の力は遠慮なく使うに限る。そう決意し、愛機リーブラのスラスターに火を入れた。
先行するパロメデスとブラックバードは、戦車砲からの砲撃の洗礼を受けていた。
「気をつけてください、砲撃が来ます!」
「なんと!? あんな遠くから撃ってくるとは!?」
ベルトは予想外に遠くまで届く戦車砲の射程に驚き、とっさに盾を掲げる。盾に自身のオーラを上乗せすることで強靭な防御力を実現し、矢のように飛んできた榴弾を弾き飛ばした。
「危なッ……!」
「機動力は我々が上です、撹乱しましょう」
「了解だ! 幸い向こうは動いてこなさそうだ、ならば機動戦が有利だな!」
「そういうことです! ドレッドノート・デバイス、セット。オープンファイアッ!」
ブラックバードとパロメデスは二手に分かれた。ブラックバードは空中を自由自在に動きながら的確に砲撃を叩き込んでいく。一方でパロメデスは複雑な軌道を描きつつ、サークランサーから高出力ビームの雨を降らせ始めた。戦車は上空からの攻撃には弱く、装甲を爆ぜさせながら次々と鉄屑にその姿を変えていった。
だが、数が多い。2機では限界か……と2人が考えたその時、目の前の戦車が一両、砲塔をふっ飛ばされて爆散する。
「!?」
「どこからだ!?」
ミストとベルトは辺りを見回す。すると、1機のキャバリアが遠方よりレールガンを構えているのが見えた。
「こちらリーブラ、援護する」
「猟兵か……感謝する!」
「問題ない。こちらはイイジマ重工からの電磁投射砲試験運用依頼を兼ねている。1両撃破ごとに追加報酬という契約だ。よってこちらの分は残してもらえるとありがたい」
「むしろ手が足りません。願ってもないことです」
ノーランからのレールガンによる狙撃による援護を得たミストとベルトは、さらに攻勢を強めていく。正面からの撃ち合いは徹底的に避けて弱点を的確に砲撃するブラックバードと、敵の密集地点に飛び込んで接近戦で確実に仕留めていくパロメデス。さらに2機の取りこぼしをノーランが狙う。
『警告。ENキャパシタの異常加熱を検知。チャージを82%以下に押さえてください』
「なぁリーブラ、大丈夫なのか、これ」
『大丈夫です、保険は降ります』
機体制御AIからの警告に思わず不安を覚えるノーランだったが、むしろ警告は貴重な実験データだ。後でイイジマ重工に伝えれば特別報酬も期待できるかもしれない、と前向きに考え直し、再びスコープを覗く。
「良い的だ──」
やや抑えめのチャージから放たれたレールガンの弾丸は、それでも戦車の履帯をたやすく吹き飛ばしてみせた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※アドリブ歓迎
※愛機搭乗
Pキャバリアと比較するに戦車隊の方が練度は上
でもトップアタック対策は満足にデキてない様
時間稼ぎ目当てなら仕方ないけどね
砲撃狙いで足を止めた隙に【M・メモリ】起動
『ワープゲートの発生源』を以て戦車隊の直上へ転移
もぎ取った制空権と空の自由を活かして高度は高め
でもアタシの狙撃術【B・エフェクト】と【D・バレル】なら無問題♪
《瞬間思考力》と生体電脳の思考《操縦》で
1/136秒という並の機関砲を上回る超連射と
射程や視野に囚われない高命中が実現可能
そして各々への初弾で【D・バレット】をブチ込めば
侵蝕プログラムで対空迎撃も自慢の砲撃も阻害
後は悠々飛びつつ蜂の巣にするだけさ♪
黒木・摩那
鹵獲したパンツァーキャバリア、飛行タイプは快適ですね。
設計は古いですが、少々手荒に扱っても壊れないところはいいですね。
腕の見せ所ってやつです。
そして、眼下にはオブリビオンの戦車隊がずらり。
これは壮観です。
しかし、戦車は正面の装甲は厚いですが、上が弱点なのはどの世界でも同じでしょう。
対空砲火の対策だけして、上からガンガン狙わせてもらいます。
UC【矢印過流】を発動して、自機の周囲に矢印を展開。
矢印を正方向にすることで、自機の速度や弾速は早くなり、敵の弾は遅くなる、一石二鳥です。
あとは上からガトリングで地上掃射。
照準は元のものでは古いので、自分のスマートグラスで狙います。
●|空からの襲撃《エアレイド》
「なるほど、練度は上だけどトップアタックへの対策はできてなさそうな感じか」
「制空権はキャバリア任せだったのが裏目に出た、といったところでしょうか」
リーゼロッテと摩那は先行する猟兵たちの戦闘を見て分析を終えた。であれば、自分たちも同じ戦術で良いだろう。
「ところで、パンツァーキャバリアの乗り心地はどんなもん?」
「飛行タイプは快適ですね。設計は古いですが、少々手荒に扱っても壊れないところはGoodです」
「あー……『こっち』のキャバリアは割りと繊細な機体も多いからねぇ」
リーゼロッテは摩那からパンツァーキャバリアの乗り心地を聞くと、納得したように頷く。クロムキャバリア世界のキャバリアは、技術の進化で性能は向上したもののその分設計が複雑になっていった。結果として量産型キャバリアであっても「乗り手を選ぶ」ピーキーな機体も増えていったのだ。クロムキャバリア世界出身であるリーゼロッテには、パンツァーキャバリアという「単純な」キャバリアはむしろ新鮮であった。
戦車隊に対するキャバリアの優位性は「トップアタックが可能なこと」だ。よって対空攻撃への対処を万全にしてしまえば、戦車隊の突破は容易である。
「では戦車隊の真上まで特急便を出そうか」
「対空砲火対策はお任せを」
リーゼロッテは『ワープゲートの発生源』を以て戦車隊の直上へ転移する準備を開始。転移先の座標は高度を高めに取る。クロムキャバリア世界と違い高度制限から解き放たれているためだ。一方で摩那は周囲に矢印を展開。ベクトルを下向きに取ることで、こちらの攻撃の運動エネルギーが向上し敵の攻撃は運動エネルギーを奪われるという一石二鳥の効果を生み出す。攻撃が届かなければ戦車隊の数に関わらず手出しは不能。
「じゃ、一方的な戦車狩りとイこうか」
「はい、手早く片付けましょう」
かくして、戦車隊の直上より弾丸の雨が降る。爆撃機型パンツァーキャバリアからのガトリングの雨が複数の戦車の装甲を穴開きチーズに変え、ガトリングを運よく逃れた敵はリーゼロッテが撃ち込んだ侵蝕プログラムによって機能停止。
リーゼロッテは1/136秒という並の機関砲を上回る連射能力と瞬間思考力による体感時間の引延ばしによって、凄まじい速度での狙撃を実現させていた。摩那もパンツァーキャバリアの照準器ではなく、スマートグラスによる照準補正を行うことで命中精度を大幅に向上させている。かくして、空からの強襲を受けた敵の戦車隊はただただ抵抗虚しくその身を散らしていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アルジェン・カーム
UC継続中
「ひゃっはー!戦車で戦闘機に対抗できるか試してあげようかー!」
ぷっさんはテンション凄いですねー
こういう時こそ僕は冷静で行きましょう
【戦闘知識】
敵の陣形と動きと癖を把握
更に戦車の構造から攻撃範囲を分析
特に乗り手がオブビリオンかは確実に把握
違ったら基本不殺徹底
オブビリオンなら全力粉砕
殺さずに済めばいいのですけどね…
ああいう兵器は小回りが利かないのと視野が狭いと聞きました
【弾幕・念動力】
念動力を込めたミサイルを敵対勢力に向けて発射
敵がオブビリオンなら容赦なし
骸の海で静かに眠るのです…
可能な限り修理可能な状態で粉砕
壊しすぎても色々資源が無駄になるからねっ
後は戦車の無力化に集中
●鉄の護りを打ち崩し
「ひゃっはー! 戦車で戦闘機に対抗できるか試してあげようかー!」
プルートーは自由に飛び回れる喜びを余すところなく味わいつつ、群がる戦車隊を見つけて挑発してみせる。
「ぷっさんはテンション凄いですねー。こういう時こそ僕は冷静で行きましょう」
一方の乗り手であるアルジェンは至極落ち着き払っていた。戦車に対してこちらは空中から一方的に攻撃ができる点で有利な状況だ。とはいえ、戦車砲の直撃が脅威なことも事実。故に冷静に、落ち着いて対処することが肝要だとアルジェンは考えていた。
(ひとまず、敵はそこまで小回りが効くわけではない……そして戦車砲の仰角は20度程度が限界。視野も狭い……そして乗り手はオブリビオン。なるほど、まさに|容赦はしなくて良い《No mercy》というわけですか)
分析を終えると、高度を上げて戦車砲の射程範囲外に逃れ、念動力を込めたミサイルを敵対勢力に向けて発射する。アウトレンジから一方的に攻撃できるのならばそれに越したことはない。かくして、敵は次々と爆散していく。ただ、炸薬が調整されているのか残骸は戦車の形を辛うじて保っていた。
(レストアできる程度に留めておきましょうか。資源がもったいないですし)
とはいえ、オブリビオンの乗員にとっては致命の一撃。何が起きたのかもわからぬまま、次々と骸の海へと還っていく。やがて、一方的な蹂躙とも呼べる攻撃は完了し、動くものは猟兵たちと友軍戦力のみとなった。
「さて……鬼が出るか蛇が出るか」
アルジェンは要塞の奥を見る。そこにはゾルダートグラード軍にとっての「切り札」が待ち構えていた。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『セラフィム・リッパー』
|
POW : 断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD : エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:棘ナツ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●蹂躙されるのは、果たしてどちらなのか
戦況はさらに流転する。戦車隊を乗り越え、ついに要塞内部へと侵入した猟兵たちは、要塞の制圧を開始しようとしていた。しかし、そこへついにゾルダートグラード側の「切り札」が登場する。
それは、パンツァーキャバリアよりも洗練されたフォルムを持ち、高機動を売りにするキャバリア──本来クロムキャバリア世界に存在するはずで、しかもこの世界では確実にオーバーテクノロジーの存在であるハイエンド機「セラフィム・リッパー」であった。
「パイロットなしで動くとは……技術が解析され、量産化されれば戦場に革命が起きるな」
ゾルダートグラードのブリュッセル要塞指揮官は感心したように呟く。この機体は無人機であった。AIによって制御され、自己判断で行動する機体。奇妙なことに、この機体のAIは|ある程度学習が進んだ状態《・・・・・・・・・・・・》で搭載されていた。どこかで実戦投入されていたのであれば近隣の戦線で噂になっていたはずだが、そんな噂は聞かない。もっとも、この機体と遭遇した結果生き残ったものがいないというのであれば話は別だが。
猟兵たちは、それまで相手にしていた鈍重なパンツァーキャバリアや戦車隊とは異なり、突如出現した高機動かつオールレンジ攻撃を可能とするキャバリアに即応できるのか。要塞の切り札たるセラフィム・リッパーに成すすべなく蹂躙されるのだろうか。それとも、それまでの戦闘経験からセラフィム・リッパーを見事撃墜せしめるのか。
真にこの戦場を支配するのは誰なのか、ブリュッセルの|頂点捕食者《Apex Predator》を決める戦いが始まろうとしていた。
チル・スケイル
やはりというか、クロムキャバリアから兵器を持ち込んでいるようですね
異世界を渡る鋼の天使…相手にとって不足なし
竜の名にかけて、討ち果たしてみせましょう
私が氷の魔力を翼に宿し飛翔しようとも、敵機はなお速く、私を狙ってくる。ならばビームを防ぐ!
プラズマビームに対抗し、氷で私の体を包みます
氷で光を曲げ分散させれば、威力を低減できるとみました
電力と衝撃は、硬い氷で軽減します
多少のダメージは気にせず攻撃に移ります
速い…ですがまだまだ直線的。偏差射撃するのみ
威力・速度共に強化した狙撃杖の魔法弾で撃つ。氷は食らいつくように張り付き、凍気が内部まで侵食する
どちらの翼が先に墜ちるか、根比べをしましょうか
●異界より来たる鋼の天使
「やはりというか、クロムキャバリアから兵器を持ち込んでいるようですね」
チルは目の前に現れたセラフィム・リッパーを見て頷いた。なんとなくの予感はしていたがこうも的中するとは。しかし相手にとって不足なし、とチルは躊躇なく相対する。
「竜の名にかけて、討ち果たしてみせましょう」
敵の主体は光学兵器だ。クリスタルビットによるレーザー射撃や光の翼からのプラズマビームなど、回避が非常に難しい性質を持つ。であれば、無理に回避する必要はないとチルは考えた。そもそも機動力からしてあちらが上だ。
「ならばビームを防ぐのみ!」
氷の魔力を編み上げて周囲の水分を氷結させ、チルの周囲を球形に覆う。即席のダイアモンドダストがチルを取り囲むように出現し、セラフィム・リッパーが放ったプラズマビームが乱反射と屈折、そして拡散を繰り返して雲散霧消してしまう。
「やはり、光学兵器は拡散させてしまえば無力化出来ますね」
反撃に転じるチル。狙撃杖の魔法弾を牽制で2~3発撃ち込むが、これをスムーズに回避していくセラフィム・リッパー。だが、その動きは無人機故か直線的であった。
「速いですが……読みやすいマニューバです」
そのような相手に有効なのは偏差射撃。相手の動く先を読んで攻撃を「置く」。その結果セラフィム・リッパーは狙撃杖の直撃を受けてしまう。攻撃自体は大したことはないものの、氷によって関節部分やスラスターの機能不全が起き始める。
「動きが鈍れば良い的になりますね」
さらに一発、二発と撃ち込まれる狙撃杖の魔力弾。だがセラフィム・リッパーもプラズマビームの出力を高めて反撃し、氷の護りを強引に突破しにかかる。
「面白い。どちらの翼が先に墜ちるか、根比べをしましょうか──!」
チルは魔力弾とプラズマビームの応酬に、余裕の笑みを浮かべた。その表情は、勝つのはこちらだ、という確信に満ちていた。
大成功
🔵🔵🔵
黒木・摩那
え? キャバリア? なんで、ここにいるの??
これはまずいですね。
もう要塞の中だし、『エクアトゥール』(自機)は持ってきてないし。
こっちの世界の機体性能では歯が立たないです。
この爆撃機型の性能は、っと【情報収集】……
ここはキャバリアダイブですね。
UC【月光幻影】を発動。
敵の攻撃は自身の反射速度を頼りに敵のビットを回避&【念動力】でビットを捕まえたり、妨害します。
あとは爆撃機型で突撃!
セラフィム・リッパーに激突させます。
もちろん、激突直前にはテレポートで脱出します。
あのパンツァーキャバリア、気に入ってたのに。
勿体ないですが、仕方がないですね。
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
…キャバリア!?この世界のモノではない私の世界のキャバリアか!
…ならば慎重に相手せねばならん訳だ!ベルト・ラムバルドは騎士だ!
貴様の相手となる男だ!行くぞ!
光の翼から放つビームを瞬間思考力と空中機動で回避
または盾を構えてオーラ防御でビームを防ごう
…この世界なら空を飛び回る事が出来る!幸いだな!
サークランサーからビームを放ちつつ迎撃、敵の性能を情報収集しよう
…だんだんとビームの軌道と敵の行動が分かってきたぞ!さっすが私!
覇気を纏って敵の攻撃を見切りつ一気に接近!
二刀の剣を振り回して鎧無視攻撃と鎧砕きで敵の手足を切断
そして胸に目掛けてサークランサーを串刺し零距離射撃で止めを刺してやる!
カシム・ディーン
…いやなんでセラフィムがこっちきてんだよ!?
「驚きだねー☆この国も猟書家とか関わってるのかな?」
そこまでは分からねーがとりあえずぶちのめすだけだ
機神搭乗
【情報収集・視力・戦闘知識】
セラフィムの動きと攻撃の癖を冷徹に把握
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源を隠蔽
流石に驚いたが…それでもセラフィムとは何度もやりあってるからな?
UC発動
【念動力・弾幕・スナイパー・空中戦】
超高速で飛び回り念動光弾を乱射して敵機の動きを止めて
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
鎌剣による連続斬撃で切り刻みながら武装やビットを強奪
どうせこの世界に来てるなら存分にこっちの役に立たせてやる!
アルジェン・カーム
「セラフィム・リッパー!?なんでこの世界に彼奴が!?」
知ってるのですぷっさん?
「クロムキャバリアで最も普及してる強力な機体だよ!」
ではぷっさんに勝ると?
「そんな訳ないじゃーん!次世代神機シリーズの恐ろしさ…見せてあげるよ!」
【戦闘知識】
敵機の攻撃の癖や動きを分析
UC発動
【空中戦・念動力・弾幕】
高速で飛び回りながら破壊の波動を込めた念動光弾を乱射して猛攻
敵機のクリスタルビットも破壊
【オーラ防御・武器受け】
避けきれないのは破壊の波動を込めたオーラと武器で迎撃
【二回攻撃・切断・串刺し・貫通攻撃】
槍での連続刺突から宝剣に切り替えての連続斬撃で切り刻む
「君が天使ならボクもまた冥界の神!遅れは取らない!」
●予想外の遭遇
「え……キャバリア? なんで、ここにいるの??」
「なんでセラフィム・リッパーがこっちきてんだよ!?」
突如現れた見覚えのある機体に愕然とする摩那とカシム。
「なんでこの世界に彼奴が!?」
「おや……ぷっさんも含め、皆さんご存知で?」
愛機のプルートーも驚愕する中、アルジェンは皆の反応を不思議そうに眺めていた。どうやらこの場に集った皆にとっては馴染み深い機体らしいが、キャバリアとの戦闘経験が少ない彼はこの機体のことをあまり知らない。その言葉に答えるのはベルトだった。
「あれはこの世界のモノではない、私の世界のキャバリアなんだ」
「クロムキャバリア世界の!?」
「ああ、普及率はかなり高くて、ハイエンド機として多くの国が使っている。スペックもかなり高い」
セラフィム・リッパー。斬艦刀による強力な白兵戦能力に加えて、クリスタルビットを駆使したオールレンジ攻撃、光の翼からの高出力プラズマビームなど、遠近共に隙のない攻撃能力を備えている。加えて機動力・反応速度も高く、エース向けの機体として採用している国家も多い。一方でオブリビオンマシンと化した機体が一定数存在するのも事実で、猟兵たちの前に幾度となく立ちふさがってきた強敵でもある。
「驚きだねー☆ この国も猟書家とか関わってるのかな?」
「そこまではわからんが……」
メルシーが仮説を口にするがまだ真相は不明。しかしながら、異世界にあるはずのハイエンド機がこの獣人戦線に出現したことは厳然たる事実である。
「何にせよ、相手がセラフィム・リッパーであるのならば慎重に相手せねばならん訳だ! ベルト・ラムバルドは騎士だ! 貴様の相手となる男だ! 行くぞ!」
高らかに名乗りを上げたベルトが前衛となる。光の翼からのプラズマビームを紙一重で躱しつつ、盾を構えて直撃を防ぐ。注意深く相手をしているためか、そのマニューバには焦りも恐れも一切感じられない。敵がAI制御であるためか、機動がやや単調であったことも幸いした。
ベルトと同じく、手慣れた調子で対応しているのがカシムと愛機メルクリウスであった。
「流石に驚いたが……それでもセラフィムとは何度もやりあってるからな」
「それじゃあいつもの行ってみよう!」
光学迷彩と水の障壁による2重のステルス。カシムにとっては馴染みの戦術であった。ビットは行き場を失い彷徨う。そして突如、クリスタルビットが爆発した。メルクリウスからの念動光弾が撃ち抜いたのである。カシムとベルトは連携して敵を抑え込みにかかっていた。
一方で焦っていたのは摩那である。
「これはまずいですね。もう要塞の中だし、エクアトゥールは持ってきてないし。こっちの世界の機体性能では歯が立たないです」
普段使いの専用キャバリアであるエクアトゥールは不要と考えて置いてきてしまったことを後悔する。現在の機体は爆撃機型のパンツァーキャバリア。戦車や同じパンツァーキャバリア相手ならばまだ技量で圧倒できたし、クロムキャバリア世界の機体であっても量産型程度ならば対抗することは可能だった。だが相手はクロムキャバリア世界のハイエンド・キャバリア。例えるならば最新鋭のステルス戦闘機に大戦期のレシプロ機で挑むようなものである。
「この機体でアレに対抗するためには……ここはキャバリアダイブですね」
使用可能な戦術はこれしかない。覚悟を決めると、摩那はユーベルコード「月光幻影」を発動させる。そのまま反応速度を頼りに敵の攻撃を先読みして回避する。クリスタルビットのオールレンジ攻撃は厄介だが、念動力で捕らえてしまえばなんとかなるだろう。そのままセラフィム・リッパーの元へと速度を上げながら飛翔する。
「で、こちらは対抗できます?」
「もちろん! 次世代神機シリーズの恐ろしさ……見せてあげるよ!」
アルジェンとプルートーも動き始めた。念動光弾でクリスタルビットを破壊しつつ高速機動を行い、セラフィム・リッパーの動きに追いついて見せる。同時に、摩那の突撃を援護するために後方より本体目掛けて援護射撃を行うことも忘れない。
「なるほど、カミカゼ! メルシー、アレやるぞ!」
「オッケー」
メルクリウスが念動光弾を当ててセラフィム・リッパーの動きを封じる。さらにベルトが盾を構えてサークランサーからのビームを撃ち込むことで注意を引いており、セラフィム・リッパーは空中で釘付けにされた状態だ。
「よし……これで……!」
速度の乗った爆撃機型がセラフィム・リッパーにしたたかに激突する。その直前に摩那はテレポーテーションで脱出。追い打ちをかけるようにベルトが接近し、サークランサーを突き刺して零距離射撃を撃ち込んだ。
「君が天使ならボクもまた冥界の神! 遅れは取らない!」
プルートーが連続での斬撃を放ちセラフィム・リッパーの装甲を抉っていく。その様子を地上から見上げながら、摩那はやれやれと額の汗をぬぐった。
「あのパンツァーキャバリア、気に入ってたのに……。勿体ないですが、仕方がないですね」
「まだ駐機中のが何機かありました。忘れてなけりゃ帰りに持ち出しても良いんじゃないですかね」
「……覚えておきますか」
がっかりする摩那だが、カシムが通信越しに盗賊ならではの目敏さで見つけた事実を報告する。それなら、後で別の機体を持ち帰ろうと考える摩那であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【WIZ】
※アドリブ歓迎
※愛機搭乗
へえ、無人機が珍しい?
でもクロムの本職なら慣れっこ
高級機に遭遇戦、無問題さ
猟兵の初陣もコレの有人機が相手
挑発抜きの腕試しとイコうかっ
※『プラント奪還 at カームメドゥ』
出処は…クロムから転移した?させられた?
AIの残骸から何か解析できるかね?
◆戦闘
背部コンテナ展開、DA16号【シンカー】始動
Pキャバリアの技術水準なら光学兵器は希少
そんな事もあろうかと用意した大型反射鏡さ
偶然の再会も活かすよ♪
容赦なく解析データを活かしPビーム反射
更に発振器へ逆位相衝撃波を当て光翼相殺
後は【カイルス】捕捉の敵機へ各光学武装を集中
《瞬間思考力》と思考《操縦》で的確に継戦能力を破壊
ミスト・ペルメオス
・SPD
何が出てくるかと思えば……。
──いいだろう。相手になってやる。
引き続き、愛機を駆って戦闘に臨む。
装備等を介しての念動力の活用、機体のフルコントロールも継続。
追加投入された敵戦力には見覚えがある。
かつて異界で遭遇したものと全く同じものとは思わないが……、
以前倒せたものなら、今回も倒せる。そう思いつつ挑む。
出力上昇、スラスター最大稼働。立体的な戦闘機動を行いつつの高速戦闘を仕掛ける。
エネルギーアサルトライフル、ヘルファイア・デバイス、セット。飛び回りながら弾幕を張る。
追いすがるビットを迎撃し、叩き落とし、そして敵機そのものも弾幕に絡め取って削り切る。
【“黒い鳥”】が、お前を逃さない……!
ノーラン・ハイドリヒ
※アド・連携歓迎
明らかに格上、しかも飛ぶ奴か。
リーブラには現状、単独飛行能力はない。
飛べたとして、俺は筋金入りの陸戦屋。空中戦は無茶振りだぞ……。
幸い、ここは馬鹿みたいに広いが閉鎖空間だ。
地を這うしか能のない奴にも、戦いようはある。
地に足をつけ、壁を背を向ける。
これで、敵の攻撃端末に背後と下を取られる恐れはない。オールレンジ攻撃の脅威度は大きく減じる。
機体の両腕、両肩から4門のビームマシンガンを展開。脚部アンカーで機体を固定し、対空戦闘。
砲のオーバーヒートまで間断なく、濃密な弾幕を張り続けよう。
ミサイルもありったけばら撒く。
1機でも多くビットを撃墜し、空中戦に長ける味方の近接戦闘を援護したい。
●異界の天使、墜ちる
「何が出てくるかと思えば……」
ミストはひとつため息をつく。面倒なのは確かだが特段恐れる相手でもない。何故ならば一度交戦経験のある相手だ。恐れることはない。
「なんだ、猟兵の初陣もコレの有人機が相手だったからね。……ただ、無人機ってなるといくつか思い当たるフシはあるけど」
リーゼロッテは機体の出処を把握しようとカメラをズームする。と、リーゼロッテは肩に見覚えのある国籍マークを発見した。
「……これ、エルディスタンのマークじゃない?」
即座に腑に落ちた。クロムキャバリア世界の中でも先進的なAI技術を持つ国家、アンサズ地方エルディスタン連邦共和国。かつて軍閥によって政権が奪われていた頃、AI制御のオブリビオンマシンを大量に運用していたのである。その中にはセラフィム・リッパーもあった。しかもこれは純正の機体ではない。隣国であるアークライト自治領でライセンス生産された機体の設計データを流用して軍閥が作り上げたコピー品。それがオブリビオンマシン化したものであった。
「エルディスタン事変の序盤も序盤、確かそのあたりで投入された記録があったはず……アタシはその頃参加してなかったけど、後で作戦記録漁ってみれば詳しいことはわかるかも……」
リーゼロッテは残骸の回収調査を行うことをこの場で決めると、ナインス・ラインを駆りあのセラフィム・リッパーを撃墜すべく動きだした。
「明らかに格上、しかも飛ぶ奴か……クロムキャバリア世界のハイエンド機ともなれば分が悪い」
一方、ノーランは空中を飛び回るセラフィム・リッパーを見て舌打ちする。リーブラに飛行能力はなく、ノーラン自身も空戦の経験はゼロという筋金入りの陸戦屋であった。故に空中戦を挑むことは不可能である。
「ノーランさん、空戦は専門家であるアタシたちに任せて」
「こちらに注意をできる限り引き付けます」
「すまん、その間になんとか対空攻撃の態勢を整えよう。そちらも十分注意してくれ、馬鹿みたいに広いとは言え閉鎖領域だ」
リーゼロッテとミストが空戦を引き受けることでノーランの負担を減らす、というのがこの場で立てられた作戦であった。ノーランに見送られ、ナインス・ラインとブラックバードは飛び立つ。
「こっちでプラズマビームを封殺するよ! 偶然の再会も活かさないとねぇ」
リーゼロッテがコンソールを叩くと、大型反射鏡が展開される。獣人戦線で光学兵器は希少と考え、敢えて持ってきた装備であった。加えてプラズマビームと逆位相の光を浴びせることで、撃ち込まれたプラズマビームを反射しつつ発射を完全に封じる。
「出力上昇、スラスター最大稼働──敵の動きは単調だ、付け入る隙はそこにある!」
ミストはブラックバードのスロットルを全開にする。その機動力を少しでも殺そうと放たれるクリスタルビット。だが、それすらも振り切り、エネルギーアサルトライフルによる迎撃で返り討ちにしてしまう。
攻撃手段を次々と無力化されていくセラフィム・リッパー。さらに、地面から濃密な弾幕がセラフィム・リッパーに襲いかかる。その出処はノーランが駆るリーブラだ。壁際に背中をつけてクリスタルビットのオールレンジ攻撃の効果を半減させつつ、両腕・両肩のビームマシンガン4門とありったけのミサイルを撃ち込んだのである。
「これで奴を空中に釘付けにする」
「助かります……さぁ、これで終わりだ。黒い鳥がお前を逃さない……!」
「カイルスが捉えてるからどこにも逃げ場はないけどね。さぁ、大人しく落ちてもらおうか!」
そして始まる3方向からの集中砲火。弾幕のクロス・ポイントに位置したセラフィム・リッパーの電脳が回避不能の結論を出す前に、翼をもがれ、四肢を砕かれ、成すすべなく要塞の地面に叩きつけられたのであった。
◆◆◆
虎の子のセラフィム・リッパーを落とされたブリュッセル要塞はついに指揮官が継戦能力を失ったと判断し降伏。グラードは獣人戦線のレジスタンスに明け渡されることとなった。
また、格納されていたパンツァーキャバリアもレジスタンス勢力が接収した。一部は猟兵にも提供されたという。猟兵が個人所有とするほか、近代化改修を施した上でクロムキャバリア世界でのレンタルキャバリアとしてグリモア猟兵の管理下に置かれる機体も少数ながら存在した。
セラフィム・リッパーはAI含めてクロムキャバリア世界、アンサズ地方エルディスタン連邦共和国領を一時期実効支配していた軍閥が所有していた機体であったことが明らかになった。エルディスタン事変の初期に撤退中のアークライト自治領国防軍の偵察部隊・アークトゥルス隊及び猟兵戦力と交戦し、撃墜された機体であった。まだ教育途中の機体であったため、他の無人機と同士討ちを演じることもあったという。おそらくはその機体がオブリビオンマシンとして骸の海から再び蘇ったのだろう。ただし、何故クロムキャバリア世界ではなく獣人戦線に出現したのかは謎のままだった。
ブリュッセルグラードの陥落によって、ベルギー戦線の趨勢はレジスタンス勢力に大きく傾く。西部戦線に大きな楔が撃ち込まれ、いよいよレジスタンス勢力による反攻が始まろうとしていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵