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地獄の塹壕戦にようこそ

#獣人戦線 #ヨーロッパ戦線 #ゾルダートグラード

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●塹壕戦
「撃て撃て!!!!」
「駄目だ! 奴ら穴倉から出てこねぇ!」
 雪積もる純白の戦場。ライフルを持つ獣人達の部隊が塹壕を攻略しようと、籠もるゾルダートグラードの|機械兵士《ゾルダート》達に激しい銃撃を仕掛けていた。しかし人の身体がすっぽりと入れる深さの穴に入られていては、大地が盾となり真っ直ぐ飛ぶ銃弾では効果を出せない。
「手榴弾を投げ込め! 穴から飛び出させてやる!」
「わかっ――ぐあっ!!」
「ヤバイ! 爆発するぞ!!」
 手榴弾を投げようとしていた獣人が撃ち抜かれて倒れ、慌てて仲間達が離れると同時に、転がり落ちた手榴弾が爆発して肉片が吹き飛んだ。
「屈め! 頭を上げるなよ!」
 部隊の隊長であるオオカミ獣人のブライアン曹長が指示を出し獣人達が身を屈めると、塹壕から銃身を出した機械兵士が激しい応戦によって獣人側の攻撃が散発的になる。
「このままじゃ補給が途絶えたこっちが先に消耗しちまう! 俺が突撃して突破口を開く!!」
「よし! 俺も行くぞ! 援護してくれ!」
「他に方法はないか……死ぬなよ!!! 無事に帰ってきたら秘蔵の酒を奢ってやる!」
 敵が広げる塹壕によって補給線はズダズダにされている。このままではジリ貧だとブライアン曹長が許可すると、ウマの獣人達がその俊足を活かして雪の上でも構わず突撃を開始する。それに合わせて仲間の獣人が弾幕を厚くして塹壕に籠もる兵の頭を押さえる。
「間抜けな獣どもめ、接近すればどうにかなると思ったか!」
「毒ガスを浴びせるぞ!!」
 機械兵士のガスマスク兵が骸の海ガスを噴出する。
「なんだっ、身体が――熱い! 焼けるっ」
「アアッ! なんだ身体がおかしい! 脚が俺の脚が!!!」
 それを浴びたウマ獣人達の全身が波打つように変化を起こし、オブリビオン化して馬に似た怪物へと姿を変えた。
「ブルルルウゥ!!」
「ヒィーーン!!!」
 オブリビオンと化した獣人が味方の陣地に突っ込む。
「うわぁああっ!!」
「なんだ? 化物になっちまった!!」
 獣人達はその変わり果てた姿となった仲間に銃弾を撃ちまくって仕留める。しかしそれまでに大きな被害が出てしまっていた。
「はぁ、はぁ……ここは、地獄か………」
 雪と血と泥に汚れたブライアン曹長が仰向けに倒れ、どんよりした冬の空を見上げる。
 毒ガスによって仲間が怪物になってしまう地獄のような塹壕戦が繰り広げられ、獣人の屍が雪のように積み重なっていった……。

●グリモアベース
「新たな世界、獣人戦線でオブリビオンの超大国「ゾルダートグラード」と獣人達が戦っている」
 バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が新たに見つかった世界で激しい争いが起きていると告げる。
「ゾルダートグラードに支配されたポーランドで、何とか支配地を取り戻そうと獣人が攻勢をかけているが、塹壕を作ってゾルダートグラードは守りを固めている。このままでは攻略は失敗し多大な被害が出る」
 獣人部隊は補給も薄く塹壕攻略に有効な装備を持っていない。装備も人員もゾルダートグラードの方が上となれば勝ち目はない。
「そこで、諸君には獣人に加勢し塹壕を攻略してもらいたい。塹壕を攻略し獣人から信頼を得られれば後のゾルダートグラードへの攻撃の足掛かりともなるだろう」
 獣人達に猟兵という味方が現れたことを報せる一戦ともなる。一人でも多く戦死者を減らし獣人から信頼を得ておきたい。

「まずは塹壕に潜む機械兵士の『ガスマスク兵』どもを排除せねばならん。敵は塹壕に籠もって攻撃してくる。だが諸君の力ならばそれを突破できる。獣人と協力してオブリビオンの軍勢を蹴散らせ!」
 ユーベルコードという力を持つ猟兵ならば強固な塹壕の守りも破ることができる。

「敵の攻撃を黙らせたなら、塹壕内に侵入し残った敵を撃破していく事となる。塹壕に隠れ潜んだ敵は地の利を活かして不意打ちを仕掛けようとしている。油断せずに排除していけ」
 オブリビオン兵があちこちに隠れている。それを全て排除して塹壕を制圧すれば、獣人達が塹壕を手に入れることが出来る。

「塹壕の制圧に成功すれば、それを察知した『オブリビオン戦車隊』が取り戻しに現れる。これを迎撃して倒せば周辺からオブリビオンを一掃できるだろう」
 すぐに戦車と歩兵からなるオブリビオン部隊がやって来る。オブリビオン化した戦車は自動で動き、歩兵のオブリビオンとフォローし合って戦うのに慣れた熟練の部隊だ。

「戦争ばかりの世界で、敵も戦いに慣れた兵ばかりだ。だがこちらも獣人と協力して対抗すれば上回ることが出来る。ゾルダートグラードの軍勢を撃破し獣人に勝利をもたらせ!」
 バルモアの激励を受け、猟兵達は硝煙の匂い漂う戦場へと向かった。


天木一
 こんにちは天木一です。
 新世界です! 獣人戦線で獣人に加勢し、ゾルダートグラードの塹壕を攻略しましょう!

 第1章は塹壕を使って弾幕を張る『ガスマスク兵』との戦いです。

 第2章は塹壕内に入り、潜んでいるオブリビオン兵を探して撃破します。

 第3章では塹壕を取り戻そうと現れた『オブリビオン戦車隊』との戦いとなります。

 どの章でも獣人と協力して戦えばプレイングボーナスを得られます。
 獣人部隊の隊長ブライアン曹長はオオカミ獣人の叩き上げの兵士で、粘り強いゲリラ戦を得意としていますが、塹壕戦攻略では敵の守りが固く友軍からの物資も途絶えて苦戦しています。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
 それでは硝煙の匂いが染み付いた戦場で戦い抜いてください!
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第1章 集団戦 『ガスマスク兵』

POW   :    アシッドシャワー
【背中のタンクに接続されたノズル】から【強酸性液体】を放ち、レベルm半径内の敵全員を攻撃する。発動前の【薬品チャージ】時間に応じて威力アップ。
SPD   :    ポリューションバレット
自身の【ライフル弾】を【重汚染薬】化して攻撃し、ダメージと【肉体変異】の状態異常を与える。
WIZ   :    オブリビオンガス
【骸の海ガス】を噴出し、吸引した全員を【オブリビオン化】化し、レベル秒間操る。使用者が製作した【ガスマスク】を装備した者は無効。

イラスト:らぬき

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リーオ・ヘクスマキナ
うげぇ、記録でしか見たこと無いようなエゲツナイ戦場だぁ
しかも塹壕か……けど、敵のBC兵はバンカーとかの閉所には籠もってない、と。うぅん。良し、航空戦力で吹っ飛ばそう!
向こうがオブリビオンって反則を使うんだもの。こっちも猟兵っていう反則を最大限に利用しなきゃね

という事で、初っ端からの航空火力支援を投入
戦場の幾らか後方からUC・大白鳥に乗り込んで発進、高空を飛行する
敵対空兵装にのみ気を配りつつ、榴弾に弾種変更した艦載砲や、剥落させて爆弾代わりに使用する羽毛型ミサイルで塹壕や周辺を爆撃

厄介なBC兵器も、塹壕への経路上の邪魔な鉄条網も。諸共に軒並み吹っ飛ばして、獣人兵や他の猟兵の突入を支援するよ!


ジュレ・リチュエル
塹壕に籠っているのは厄介ですね。
しかも下手に近寄ればオブリビオン化してしまう毒ガス…ですか。
一度オブリビオン化すれば話し合いは通じない以上、沈黙させる以外にはありませんが、元は此方側。
元戦友に銃口を向け引き金を引かざるを得ない状況…と言うのは単純に敵側の戦力が増えてしまう以上に、此方の精神的な負担も無視出来ません。

ただ、此方が攻め込めば反撃のために必ず塹壕から反撃のために頭か手か…少なくとも体の一部は必ず出す事になるでしょう。
そのタイミングで…UCインソムニア・スナイプで充填した弾丸で狙撃。
…ええ、補給は無くとも大丈夫です。
敵兵の人数と同じ数の弾丸…私には、それだけあれば十分ですから。


岩永・勘十郎
「役目大義。戦況は?」

敵によって苦戦してるのを聞き、その味方を撤退させるように伝える。大技で黙らせるつもりだ。

「安心しろ、奴らを石器時代に戻してやる」

と言い味方の援護を受け、水墨色の炎を纏った巨大斬撃を離れた位置から殺気を込めて怪力任せに空に放つ。それは仙術で破壊力を上げ早業で無数に斬りつけている為に空でバラバラに。それが敵の塹壕に降り注ぐ。爆煙が上がり衝撃で塵が舞い上がると同時に爆風と爆音が遅れて伝わる。水墨色の炎は敵の負の感情や煩悩に付着し炭になるまで焼き付くすだろう。

「やむを得ない時の戦いは正しい。武器の他に希望を絶たれた時には、武器もまた許されるものである。…イタリアの思想家の言葉だ」



●塹壕攻略戦
「塹壕に籠っているのは厄介ですね。しかも下手に近寄ればオブリビオン化してしまう毒ガス……ですか」
 雪で白く染まった戦場を見渡せる少し高い丘に布陣している獣人に交じり、ジュレ・リチュエル(キツネのデアボリカスナイパー・f39928)は危険な生物化学兵器を装備している敵をどう攻略しようか考える。
「一度オブリビオン化すれば話し合いは通じない以上、沈黙させる以外にはありませんが、元は此方側。元戦友に銃口を向け引き金を引かざるを得ない状況……と言うのは単純に敵側の戦力が増えてしまう以上に、此方の精神的な負担も無視出来ません」
 物理的なものだけでなく精神的な面でも脅威だと、敵のガス攻撃への対処するべく【デアボリカライフル】を地面に伏せた伏射体勢で構える。
「ただ、此方が攻め込めば反撃のために必ず塹壕から反撃のために頭か手か……少なくとも体の一部は必ず出す事になるでしょう」
 その一瞬を狙って阻止しようと、辺りに銃弾が飛び交おうとじっと動かずタイミングを待つ。

「役目大義。戦況は?」
 岩永・勘十郎(帝都の浪人剣士・f23816)が獣人部隊に加勢に入り、状況を尋ねる。
「膠着状態だ。塹壕を破るにはこっちの装備が足りない。このままじゃあジリ貧だ。特攻でもして強引に突破口を開く必要がある」
 伏せる隊長のブライアン曹長が敵陣に向かって発砲するが、それは塹壕に隠れた敵に当たらずただの牽制にしかならない。
「安心しろ、奴らを石器時代に戻してやる。援護は任せた」
「あ、ああ?」
 自信満々に勘十郎がそう告げて立ち上がると、軍用刀剣【小銃兼正 (零號試作・改)】を抜き放ち、ユーベルコード『|凶剣無道《キョウケンムドウ》』を発動して水墨色の炎【心鎧】を刃に纏わせ、巨大な炎の刃を作る。その隙を消すように獣人部隊から敵に向けて弾幕が張られる。
「喰らえ」
 勘十郎は怪力任せに巨大斬撃を空へと放つ。仙術で破壊力を上げ、早業で無数に斬りつけて空でバラバラに砕け、水墨色の炎は雨のように塹壕へと降り注いだ。
「なんだ!?」
「炎が降って来たぞ!!」
 慌ててガスマスク兵が避けようとするが、塹壕に入った炎が地面や兵に触れると爆炎が上がり、衝撃で雪や土埃が舞い上がり、同時に爆風と爆音が遅れて伝わる。
「ぐあああああああっ!!!」
「燃える! 助けてくれぇ!!」
 直撃を受けた者は即死し、水墨色の炎は敵の負の感情や煩悩に付着し、消えぬ炎に巻かれた者は苦しそうに火だるまとなり塹壕の中を這って逃げようとするが、力尽きて焼け死に炭になるまで焼き尽くされた。
「炎の上がっている場所は放棄する! 後方に下がるぞ!」
 ガスマスク兵が塹壕の中を移動して炎の範囲から逃れて防衛ラインを後退させた。
「なんて威力だ!」
「何者なんだあんたは!」
「凄まじい……いける、これなら塹壕を攻略できる!」
 勘十郎に向けて周囲の兵やブライアン曹長が称賛の声を上げて士気を高めた。

「うげぇ、記録でしか見たこと無いようなエゲツナイ戦場だぁ」
 戦場から離れた位置でリーオ・ヘクスマキナ(終わりつつある約束履行者《| リビングデッド 》・f04190)は硝煙と血の匂いが漂う雪の積もった白い戦場を見渡した。そこには塹壕に籠もるオブリビオン兵を獣人がなんとか突破しようと攻撃を繰り返しているが、塹壕の固い守りを破れずにじりじりと消耗させれている。
「しかも塹壕か……けど、敵のBC兵はバンカーとかの閉所には籠もってない、と。うぅん。良し、航空戦力で吹っ飛ばそう!」
 敵の状況を確認し、対地攻撃が最も効果的だと判断する。
「向こうがオブリビオンって反則を使うんだもの。こっちも猟兵っていう反則を最大限に利用しなきゃね」
 初っ端からの航空火力支援を投入するべくユーベルコード『赤■の魔■の加護・|「化身の拾壱:鋼塗れの大白鳥」《パラサイトアヴァターラ・アーマードスワン》』を発動し、寄り添う邪神「赤頭巾さん」が白鳥型の重装甲型高速戦艦に変身する。それに乗り込んで発進すると、空を飛んで制空権を握った。
「それじゃあ始めようか!」
 榴弾に弾種変更した艦載砲を撃ち込み、羽毛型ミサイルを剥落させて爆弾代わりに落として塹壕を爆撃する。
「空襲!!」
「空からだと! 敵に航空支援をする余裕などないはず!?」
 既に周辺を支配しているゾルダートグラード軍は、空から攻撃が来るとは思っておらずに爆撃を受け、塹壕に隠れていたガスマスク兵が穴の中で吹き飛ばされる。
「厄介なBC兵器も、塹壕への経路上の邪魔な鉄条網も。諸共に軒並み吹っ飛ばして、獣人兵や他の猟兵の突入を支援するよ!」
 リーオは機体を旋回させ、再突入して獣人や仲間が戦いやすくなるように、敵だけでなく障害物を吹き飛ばしていった。
「あれは友軍機か!」
「敵が混乱しているぞ! 今のうちだ! 突撃するぞ!!」
 空襲により敵陣が乱れたのを見たブライアン曹長が命令を出し、獣人部隊はライフルを構えて塹壕に向かって突撃を開始した。

「調子に乗るな!」
「オブリビオン化して同士討ちをさせてやれ!」
 ガスマスク兵が塹壕から顔を出して毒ガスを噴射しようとする。
「見えました………」
 それをジュレがスコープで捉えると、ユーベルコード『インソムニア・スナイプ』を発動して引金を引く。放たれた毒弾丸の呪いが込められた弾丸がガスマスク兵の頭部を撃ち抜いて即死させた。
「スナイパーだと!?」
 慌てて隣のガスマスク兵が塹壕に引っ込もうとするが、その前に同じく頭部を撃たれて倒れた。
「あんたすごい腕だな!」
 後方支援のネズミ獣人兵がその狙撃を見て驚きの声を上げた。
「外すと弾がもったいないので……」
「ははっ! 確かにそうだ!」
 ジュレの言葉を冗談だと思った獣人が笑う。
「ここにはまだ銃弾の予備がある。足りなくなったら言ってくれ」
「……ええ、ですが補給は無くとも大丈夫です。敵兵の人数と同じ数の弾丸……私には、それだけあれば十分ですから」
 会話しながらもジュレは目線を逸らさず、淡々と引金を引いて敵兵を撃ち抜いていった。
「ぎゃっ!!」
「ガスだ! ガスをばら撒いて獣人を近づかせるな!!」
 何とか爆撃を免れたガスマスク兵が獣人兵を迎撃しようと顔を出して構える。だがその前に勘十郎が立っていた。
「やむを得ない時の戦いは正しい。武器の他に希望を絶たれた時には、武器もまた許されるものである。……イタリアの思想家の言葉だ」
 獣人達に希望を取り戻させようと、刀を振り下ろしガスマスク兵の頭を両断した。
「こっちが優勢になってきたね。この調子で一気に塹壕を攻略しよう!」
 リーオは空から状況を把握し、敵が厚く味方が薄い場所に集中して爆撃を繰り返して援護する。
 猟兵達は一当てで大きくゾルダートグラードの塹壕を切り崩し、獣人と共に防衛線を一気に押し込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シプラ・ムトナント
……厳しい、戦場ですね。
ですが、わたしも一衛生兵として微力を尽くします。

まずはブライアン曹長に治療の許可を求めます。
「衛生兵のシプラと申します。援軍として貴方の指揮下に入ります……が、その前に治療の許可を」

散弾銃のレミーに回復弾を装填。
「動ける方はわたしの近くに。難しい方はわたしが近寄ります」
敵のガス攻撃のタイミングを見計らい……それを打ち消すように『回復薬弾・癒しの雨』を使用。治療と同時にオブリビオン化の解除を狙います。
必ず治しますから……レミー、力を貸してね……!

この弾は再行動を促せます。手榴弾を持っている方に、塹壕への投擲を頼みます。
わたしは友軍の支援に徹し、戦況の安定に努めます……!


ヴィクトル・グラチェフ
あんな|糞箱《塹壕》に手こずってやがるのか
ふんッ、確かにあの糞共が撒き散らす臭ェガスは厄介そうだ。オレが何とかしよう
だが|あんた《獣人》達も来てくれ。力圧しになるから人手が要る

倒れている獣人達の位置からすると……敵の限界射程はあの辺りか
にしても酷えありさまだな。だがお前らの奮戦、無駄にはせん

まず奴らの限界射程外を見定め、ユーベルコードでトーチカを構築
こいつが敵の攻撃から守ってくれる。あとはどう塹壕を攻めるか、という事だが
難しい事はねぇ、力押しだといっただろう。トーチカに籠って押して進むんだよ
奴らの鼻っ面まで迫ってやれば後はどうにでも出来るだろ
ああ負傷した奴は衛生兵のオレに言え。医術で治してやる


グエン・ティホァ
※アドリブ歓迎、共闘可

WIZ判定

・行動
前線の獣人兵たちとは別方向から
身を乗り出さないと視認できないような地面すれすれを
UC【ハイディングヴァイパー】で高速匍匐移動して敵兵に襲い掛かる

・戦闘
まず塹壕に『毒煙玉』を投げ込んでから
相手に組み付いて急所を噛み毒牙による攻撃で静かに仕留める。
(技能「忍び足、投擲、暗殺、毒使いなど」)

その後は敵のガスマスクを自分も着用できるか確認して
他のガスマスク兵も排除していく

・セリフ
曇った空、水たまりに溶け込んだ血と糞尿の匂い……
この地獄こそが慣れ親しんだ故郷とは我ながら度し難いわね。

同じ部隊ならば同士討ちを避けるためにガスの規格も共通のはず
このマスクは使えるかしら?



「立て直せ! 塹壕を利用して獣人を引き付けろ!」
 ガスマスク兵がガスを放出しながら塹壕の中を移動し遅滞戦術を取る。
「時間を与えるな! 撃ち続けろ!!」
 それに対して獣人部隊のブライアン曹長が檄を飛ばし、このまま押し切うろうと弾幕を厚くする。
「……厳しい、戦場ですね。ですが、わたしも一衛生兵として微力を尽くします」
 シプラ・ムトナント(鋼の衛生猟兵・f39963)は敵味方が激しく撃ち合う戦場で、自分ができることをしようとブライアン曹長に声をかける。
「衛生兵のシプラと申します。援軍として貴方の指揮下に入ります……が、その前に治療の許可を」
「衛生兵か! 助かる。許可を出すので是非やってくれ!」
 厳しい表情をしていたブライアン曹長が衛生兵と聞いて軽く笑顔を見せて許可を出す。
「動ける方はわたしの近くに。難しい方はわたしが近寄ります」
 シプラはすぐに【散弾銃"レミー"】に回復弾を装填して周囲の兵達に呼びかける。
「動ける方はわたしの近くに。難しい方はわたしが近寄ります」
「こっちだ! 弾を腹に喰らって動けない奴がいる!」
 声が上がった方に向かうと、クマ獣人が腹から血を流して倒れていた。
「クソッ、痛くてたまらねぇ……!」
「大丈夫です。すぐに治療します」
 シプラが回復弾を撃ち込んで治療すると、出血が止まり傷口が塞がった。
「傷は塞ぎましたが体力は戻りません。気を付けてください」
「おおっ! ありがとうよ! あんたいい腕の衛生兵だな!」
 傷の治ったクマ獣人が笑顔になって感謝を伝えた。シプラも微笑みを返し、すぐに次の怪我人の元へと呼ばれて表情を引き締めて向かった。

「あんな|糞箱《塹壕》に手こずってやがるのか」
 ヴィクトル・グラチェフ(クマの衛生兵・f39922)は塹壕に籠もった敵を相手に苦戦している戦場を見渡す。
「ガスだ!!」
「吸うなよ! 一旦下がれ!」
 ガスマスク兵が毒ガスを撒き散らすせいで、一気に制圧できずに攻勢が抑え込まれている。
「ふんッ、確かにあの糞共が撒き散らす臭ェガスは厄介そうだ。オレが何とかしよう。だが|あんた《獣人》達も来てくれ。力圧しになるから人手が要る」
「了解した!」
「あのガスを何とかしてくれるなら手伝うぜ!」
 獣人兵がヴィクトルの元に集まり気勢を上げた。
「倒れている獣人達の位置からすると……敵の限界射程はあの辺りか。にしても酷えありさまだな。だがお前らの奮戦、無駄にはせん」
 転がっている死体から敵の有効射程を計り、ユーベルコード『究極塹壕線』を発動してトーチカを構築する。
「こいつが敵の攻撃から守ってくれる。あとはどう塹壕を攻めるか、という事だが。難しい事はねぇ、力押しだといっただろう。トーチカに籠って押して進むんだよ」
「押して?」
「そうだ、こうやってな」
 ヴィクトルが疑問に思っている獣人に実際に簡易トーチカをずずっと押してみせた。
「おお!! 動いた!」
「奴らの鼻っ面まで迫ってやれば後はどうにでも出来るだろ。ああ負傷した奴は衛生兵のオレに言え。医術で治してやる」
「これならなんとかなるか?」
「やってみよう!」
 兵士達はトーチカを押して進み、敵の攻撃を防ぎながらゆっくり前進して塹壕へと接近する。

「何だあれは?」
「小型のトーチカが動いてるのか? 近づかせるな! 破壊しろ!」
 そこに向けて塹壕からライフルを出したガスマスク兵が銃弾を撃ち込み、少しずつトーチカを削っていく。
「曇った空、水たまりに溶け込んだ血と糞尿の匂い……この地獄こそが慣れ親しんだ故郷とは我ながら度し難いわね」
 グエン・ティホァ(|蛇紋石《サーペンタイン》・f39896)は普通なら鼻が曲がるような匂いに慣れていた。
「注意が向こうにいっている隙を突かせてもらうわ」
 塹壕から身を乗り出さないと視認できないように獲物を狙う蛇らしく低く地面を這い、ユーベルコード『ハイディングヴァイパー』を発動して高速匍匐移動で側面へ回り込んで塹壕に接近する。
「もう少しで破壊できる!」
「同じ場所に弾を集めろ!!」
 ライフルを構えて集中するガスマスク兵の元へ音もなく【毒煙玉】が放り込まれた。それが毒煙を巻き上げて塹壕に充満した。
「なんだっ!」
「ガスか!?」
 マスクによって呼吸は守られているが、煙によって視界が塞がれて混乱する。
(身を守る塹壕が仇となったわね)
 そこへグエンがするりと入り込み、首に噛みついて毒牙を突き立て一瞬にして仕留めた。
「おい? どうした?」
 隣のガスマスク兵が声をかけると、脚にチクリと痛みが走る。すると身体が痙攣し毒が回って崩れ落ちた。
「同じ部隊ならば同士討ちを避けるためにガスの規格も共通のはず。このマスクは使えるかしら?」
 グエンは死体からマスクを剥がし、それを自ら身に着けて次の敵に向かった。

「トーチカが近づかれている!」
「獣人をオブリビオンに変える! それで戦況が覆せるはずだ!」
 塹壕から顔を出したガスマスク兵がガスを噴射して獣人達に浴びせる。
「ぐぉっ!!」
「身体が、変化していく!?」
 ガスの影響で獣人達の身体に変化が起こり始める。
「必ず治しますから……レミー、力を貸してね……!」
 そこへシプラがユーベルコード『|回復薬弾・癒しの雨《メディカルシェル・ヒールレイン》』を発動して空に回復弾を発砲する。弾は空で弾けて回復薬剤の雨が降り注ぎ、獣人達を濡らしてガスの影響を洗い流し、オブリビオン化を阻止する。
「な、治ったのか?」
「皆さん。塹壕への攻撃を継続してください」
 驚いて自分の体を見下ろす獣人にシプラが攻撃を促す。
「そうだった! やるぞ!!」
「おう!!」
 獣人達が手榴弾を塹壕に放り込む。
「手榴弾だ!」
「放り返――」
 穴倉で爆発を起こしてガスマスク兵を吹き飛ばした。
「今だ! 死ななけりゃ治してやる。突っ込め!」
「ウォオオオオオオオ!!!」
 チャンスだとヴィクトルが咆えるように声を上げると、雄叫びを上げた獣人達が塹壕に辿り着いて上から銃撃を浴びせ、ガスマスク兵を仕留めていった。
「ありったけのガスをばら撒け!」
 塹壕内のガスマスク兵が自分の周囲にガスを撒いて接近を阻む。
(どうやらガスマスクは効果があるみたいね)
 奪ったガスマスクを装着したグエンが背後に忍び寄り、牙を首に突き立てて、毒が回り泡を噴いて兵は倒れた。
「これで塹壕に入れるようになったわね」
 ガスが消えるとグエンが塹壕に獣人兵を招き入れ、防衛していたガスマスク兵は壊滅し、塹壕の一部を確保した。
「どうやら上手くいったようだな」
 大きな手で器用に包帯を巻き、負傷兵を治療しながらヴィクトルは塹壕への侵入に成功したという報告を聞いた。
「負傷した方はこちらへ。まだ戦いは続きます。少しでも戦力を維持しましょう」
 シプラも傷を負った兵士の治療を続け、二人の衛生兵の活躍によって脱落する人員を最低限に保ち、獣人部隊は戦闘を継続する。
「よし、負傷した者は治療を受けろ! 動ける者はこのまま塹壕内の敵を掃討する!」
 ブライアン曹長が大きな声で命令を出し、敵に立て直す時間を与えず塹壕を一気に落としてしまおうと銃剣を構えて突入した――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『地獄の塹壕戦』

POW   :    積極的に攻撃を仕掛ける

SPD   :    敵の潜んでいそうな箇所を探す

WIZ   :    敵の作戦を読み、その裏をかく

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●塹壕の中の地獄
「獣人どもに取りつかれた!」
「奴ら塹壕に入って来る! 制圧するつもりだ!」
 防衛線を破られたゾルダートグラードの機械兵士達が慌てて塹壕内の奥へと潜っていた。
「落ち着け、地の利はこちらにある。不意打ちを仕掛けて迎撃しろ。タンク部隊に救援要請を出している。援軍が来るまで持ちこたえれば我々の勝ちだ!」
「はっ!! 総員迎撃準備!」
「|塹壕《ここ》は俺達の戦場だ! 地獄に引きずり込んでやれ!!」
 軍刀を抜いた機械兵士達が狭く薄暗い複雑に繋がる穴に籠もり、不意打ちを仕掛けるべく息を潜めて待ち構えた……。
岩永・勘十郎
「ワシが先陣を切るから背後から援護を頼む」

と言って敵の塹壕を進んでいく。ここ銃は使わない。塹壕という狭い場所ではスコップが優位になるように、自らは軍刀を使い戦う。敵が隠れていても仙術の天耳通や他心通で場所が分かる故、死角無しに敵を見つけ物凄い早業で串刺しにしていく。

「玉散る剣、抜きつれて。死する覚悟で進むべし!」

そう言って背後からの援護を受けながらどんどん進んでいく。トーチカや塹壕の隠れ場があれば、その中に爆弾や口から吐く心鎧の炎で焼き殺す。場数を踏んだ勝負勘も冴え、負傷した味方にはUCを発動した刀で切りつけ、ダメージを受けたという事象だけ削ぎ落す。ダメージが無かった事になるはずだ。



●塹壕制圧戦
「ワシが先陣を切るから背後から援護を頼む」
 勘十郎は獣人達に呼びかけ、塹壕に飛び込むと暗い穴の中へと足を踏み入れる。
「任せてくれ! 行くぞ!!」
 遅れまいとブライアン曹長が声を上げ、獣人兵達も銃剣を装着したライフルを構え後に続く。
(ここで銃は使わない。塹壕という狭い場所ではスコップが優位になるように、近接戦こそ塹壕内では有効だ)
 勘十郎は軍用刀剣【小銃兼正 (零號試作・改)】を構え、仙術の天耳通と他心通を使って暗闇に潜む敵の位置を探り出す。
(隠れようとも無駄だ。姿は見えずとも音と心は隠す事あたわず――)
 迷いなく暗闇に足を踏み入れ、真っ直ぐ刃を突き入れて一瞬にして敵を串刺しにし、留まることなく次々と刺し殺していく。
「なぁっ!?」
 見つかっていないと思っていた機械兵士は驚愕の顔を張りつけたまま絶命する。
「こいつ見えているぞ!」
「やれ!!」
 機械兵士は隠れるのを諦めて飛び出し軍刀で斬り掛かる。だがそれを勘十郎は飛び退いて躱し、当たるものは受け流した。
「出て来たぞ! 撃て撃て!!」
 獣人達が姿を見せた敵兵に向かって銃撃し、機械兵士を撃ち殺していった。
「玉散る剣、抜きつれて。死する覚悟で進むべし!」
 勘十郎はその言葉を行動で示すように、刀を手に決死の覚悟で塹壕を突き進む。
「単独で行かせるな! 俺達がフォローして突破口を開く!!」
 ブライアン曹長が駆け出すと部下達も覚悟を決めて突撃し、勘十郎に追いつくと暗がりに銃弾を撃って牽制する。
「迎撃だ! ここで止めるぞ!!」
 機械兵士は隠れていた岩陰から身を乗り出しライフルで銃撃する。そしてすぐに反撃を恐れて身を引っ込めた。
「隠れようともこの耳は誤魔化せない」
 勘十郎は一歩横に動いて回避しながら、心鎧の炎を口から吐いて隠れ場の中に飛ばす。
「ぎゃああああっ!!」
「熱いっ!! 身体が燃える!!!」
 兵士達は全身を火だるまにして焼き殺された。
「大丈夫か!」
 背後から声が聞こえて振り向くと、被弾したキツネ獣人が血を流して倒れていた。
「ダメージを受けたという事象だけ削ぎ落す。これでダメージが無かった事になるはずだ」
 勘十郎がユーベルコード『|六道《リクドウ》・|龕灯《ガンドウ》返しの太刀』を発動し、仙力を籠めた刃を一閃させる。すると獣人の受けた銃傷が跡形もなく消え去った。
「さあ、進もう」
「お、おう! ありがとうよ!」
 すぐに戦いに戻る勘十郎に、狐につままれた顔をした獣人が頷いて後を追った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グエン・ティホァ
※アドリブ歓迎

SPD判定

・行動
UC【威嚇術】+【アサシネイト・ビースト】を同時に使用します
①塹壕の中に潜む敵の配置を「情報収集、戦闘知識」で予測

②UCの【物質透過能力】で地中をすり抜けながら移動

③敵の位置を「気配感知」で探りUCの【威嚇音】で「恐怖を与え」ながら
「グラップル、急所突き、暗殺」の【3回攻撃】

④代償の【飢えと渇き】を敵の血肉で回復、
「空腹耐性、継戦能力」で戦いを続ける

・UC演出
音もなく地中や塹壕の壁の中から襲い掛かり
組み付いてから喉笛を噛み千切って殺す
そのまま血肉を啜ったら「シャァァァッ」と威嚇音を立てつつ
再び地中に消えていく

・セリフ
私のこの渇きはお前たちの血肉でしか満たせない……



「獣人どもがくるぞ!」
「隠れろ、不意打ちを仕掛ける……」
 機械兵士が塹壕の暗闇に潜んで静かに侵入者を待ち構える。
(隠れ潜む獲物を狩るのは私の得意とするところよ……)
 グエンが潜む敵の配置を予測し、『アサシネイト・ビースト』を発動して物質透過能力によって地中をすり抜ける。その代償として激しい飢えと乾きを覚え、目つきが鋭くなっていた。
(喉が渇いたわ……早く獲物を……)
 逸る気持ちを抑え、地中から僅かな振動を感知して忍び寄ると、地中から飛び出して敵兵に蛇の下半身で組み付き、喉笛に牙を突き立て噛み千切る。
「なっ!?」
 ひゅーと空気が抜けるような音を首から立てて倒れる仲間を見て、驚きながらも機械兵士が軍刀を構えた。
「シャァァァッ」
「ひっ!!」
 血肉を啜ったグエンがユーベルコード『|威嚇術《インティミテイト》』を使い威嚇音を立てると、恐怖に動きが止まった隙にするり地中に潜った。
「地面に潜ったぞ!」
「クソッどこだ!」
 機械兵士達が辺りを見渡し、軍刀を地面に突き刺す。だがそこには何もなく硬い手応えが返るだけだった。
「ここは拙い! 移動――」
 穴から出ようとした兵士の身体が壁から伸びた腕に引き寄せられ、顔を出したグエンが首に噛みついて血肉を食らった。
「壁だ!!」
「仕留めろぉ!!」
 残りの兵士達が軍刀を突き入れるが、グエンは瀕死の兵士を盾にしながら壁の中に消えた。
「どこだ! どこにいる!!」
 恐怖に目を見開き辺りを見渡す兵士、その刃が振り回されるが土を削るばかり。そしてまた一人と奇襲を掛けるグエンに仕留められていく。
「ひぃいいいい!!!」
 最後の一人となった兵士が狂乱して逃げ出す。だがその脚が掴まれ、転んだところに音もなく覆いかぶされて首を噛み切られた。
「私のこの渇きはお前たちの血肉でしか満たせない……」
 グエンはまだまだ癒えぬ渇きを満たそうと、地中に潜って次の獲物を探す……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジュレ・リチュエル
流攻め込まれた時を想定した訓練は…当然していたのでしょう。
此方側は構造を知りませんから、不用意に踏み込むのはかなり危険を伴いますが…時間を稼がれてしまえば此方の不利は明白。

ただ、ゾルダードグラード以外の超大国同士も特に仲が良いと言うわけでは無いようですし。
対立関係を利用させて貰いましょう。
「敵の敵は味方」とも言いますから。
…味方と言っても一方的に使わせてもらうだけですが。

UC妖術「狐の嫁入り」…ここはワルシャワ条約機構の兵士でも召喚して塹壕に送り込みましょう。
敵同士ならやり合ってくれるはずです。
これで悠長に隠れている事は難しくなるでしょうし…漁夫の利を取る形で呪殺弾で片付けましょうか。



「攻め込まれた時を想定した訓練は……当然していたのでしょう」
 地上からジュレは塹壕を覗き込み、敵が視界に映らず上手く隠れているのを見て、こういった事態にも対処できるよう訓練されていると警戒する。
「此方側は構造を知りませんから、不用意に踏み込むのはかなり危険を伴いますが……時間を稼がれてしまえば此方の不利は明白」
 敵の方が全体の戦力は上だ。占拠する前に援軍でも来られれば挟撃されることになる。
「ただ、ゾルダードグラード以外の超大国同士も特に仲が良いと言うわけでは無いようですし。対立関係を利用させて貰いましょう。「敵の敵は味方」とも言いますから」
 ユーベルコード『妖術「狐の嫁入り」』を発動し、キツネのふさふさの尻尾に蓄えた魔力と妖力を全て使ってワルシャワ条約機構の兵士を強制召喚した。
「……味方と言っても一方的に使わせてもらうだけですが」
 塹壕に突然召喚されたワルシャワ条約機構のオブリビオン兵が驚愕した顔で辺りを見渡す。
「ここはどこだ?」
「塹壕……なのか?」
 何がないやら分からぬまま確認しようと穴を覗く。その不用意な行動に反応して隠れていた機械兵士が軍刀を腹に突き入れた。
「ぐはっ!!!」
「なっ!? 機械兵士……だと?」
 仲間がやられたオブリビオン兵が銃を向けて相手を確認し、機械兵士だと気付く。
「その軍服、ゾルダートグラードの兵士か!」
 奇襲されたオブリビオン兵が反撃に発砲し、機械兵士が撃ち倒される。
「どうしてワルシャワ条約機構の兵士がいる!!」
 機械兵士も軍服を見て相手が誰だか気付き、発砲して狭い塹壕内で銃撃戦が始まった。
「これで悠長に隠れている事は難しくなったでしょうし……漁夫の利を取る形で呪殺弾で片付けましょうか」
 敵同士が争う中、ジュレは塹壕から逃れようと顔を出した敵に向けて【デアボリカライフル】を構え、呪殺弾を撃ち込んでゾルダートグラードとワルシャワ条約機構の兵士を仕留めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シプラ・ムトナント
戦況がこちらに傾いて参りましたね……皆さんの手当てを済ませたら、わたしも攻撃に回ります。

ここは「吸着手榴弾」の出番です。
ピンを二本同時に抜いて、穴めがけて【投擲】……近くのものに吸い付いてくれますので、あちらから投げ返すのは難しいでしょう。これで敵を炙り出します。

穴から出てきた敵には近接戦闘を仕掛けます。
『C.Q.C.C.』、救急カバンによる打撃を連続で繰り出しましょう。
ダメージを与えられる限り続け、敵が倒れたら対象を変更。行ける所まで【気絶攻撃】を続けます。

良い救急カバンの条件とは、容量でも収納性でもなく……丈夫さです。衛生兵流の軍隊格闘、ご覧に入れましょう。
ご心配なく、中身は無事ですから。


霧島・絶奈
◆心情
塹壕戦ですか…
近接兵装の面目躍如ですね

◆行動
【暗視】で闇を見通し、【聞き耳】を立てて奇襲を警戒

更に地の利が己にあると言う油断を利用しましょう
そうした心理を突くのも【罠使い】の嗜みですので…

潜んでいる場所を敢えて素通りしつつ「魔法で敵を識別するサーメート」を設置
罠に嵌ったのは貴方方です
燃焼範囲の狭さ故に、こうした場での使用に躊躇する必要もありません

そろそろ仕上げです
『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】
複雑な塹壕も、地形に沿って侵略する攻撃には無意味です

更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


リーオ・ヘクスマキナ
うーん、バンカーバスターの類は持ち合わせてないんだよなぁ……
なら、こういう手で行ってみようか

塹壕の外でUCを使用
分霊兵・約600を他の猟兵や獣人兵の援護に付かせ、赤頭巾さんはその制御に専念
当の分霊兵には、一部を残して塹壕内を使役する鼠達で強行偵察するよう指示。数を利用して内部を隅から隅まで偵察し、発見した敵には纏わり付かせての行動阻害と時間稼ぎに専念させて他者や残った直接攻撃役の分霊兵の援護に徹させる

……んー。コレもある意味で「生物」兵器に分類されるのかなぁ
ま、UDCアースみたいな条約が無い世界みたいだし。獣人さん達の被害を抑える為には仕方ないって事で。オブリビオン達には諦めて貰おうか



「戦況がこちらに傾いて参りましたね……皆さんの手当てを済ませたら、わたしも攻撃に回ります」
 まずは負傷した獣人の手当てが先だと、シプラは忙しなく治療して回り動ける者を戦線復帰させていった。

「うーん、バンカーバスターの類は持ち合わせてないんだよなぁ……」
 戦艦を着陸させたリーオは降りて塹壕を見下ろしてどう攻略しようか考える。
「なら、こういう手で行ってみようか」
 ユーベルコード『赤■の魔■の加護・|化身のロク:笛吹の子供達《パラサイトアヴァターラ・ハーメルンカルナヴァル》』を発動し、鼠色のバンダナを巻いた赤頭巾さんの分霊兵を約600も召喚する。
「猟兵や獣人兵の援護に付いてもらおうかな。鼠達には偵察に向かってもらうよ
 赤頭巾さんが制御する分霊兵が一斉に動き出し、一部を残して使役する鼠達が強行偵察に塹壕の中を駆け回らせる。
「ネズミ?」
 動くものを反射的に機械兵士が軍刀で刺し殺す。すると鼠達はすぐにその情報を共有してリーオの元に届けていった。
「敵の隠れている位置が分かったよ」
「よし! 行くぞ!」
「「おう!」」
 それをリーオは仲間達に伝え、獣人部隊が襲撃に駆け出していった。
「……んー。コレもある意味で「生物」兵器に分類されるのかなぁ」
 うろちょろとする鼠達を見てリーオはこれも兵器に類するのだろうかと首を傾げる。
「ま、UDCアースみたいな条約が無い世界みたいだし。獣人さん達の被害を抑える為には仕方ないって事で。オブリビオン達には諦めて貰おうか」
 圧倒的な生物兵器の数の力を駆使し、リーオは塹壕を丸裸にして攻略する。

「塹壕戦ですか……近接兵装の面目躍如ですね」
 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は遠距離戦が圧倒的優勢である近代戦で、近接兵装が輝く限られた戦場の一つである塹壕戦を愉しそうに眺める。
「更に地の利が己にあると言う油断を利用しましょう。そうした心理を突くのも罠使いの嗜みですので……」
 罠を仕掛けている相手を逆に手玉に取るのが罠使いの醍醐味だと暗闇を見通し、僅かな音も聞き逃さぬようにリーオから得た情報を元に警戒して歩を進める。
(ターゲットが通り過ぎる。包囲して一気に叩くぞ)
(了解)
 無言のジェスチャーで意識を共有した機械兵士達が、隠れている場所を素通りする絶奈に仕掛けようと息を合わせた。
「死ねっ!!!」
 一斉に機械兵士達が軍刀を手に斬り掛かる。
「罠に嵌ったのは貴方方です。燃焼範囲の狭さ故に、こうした場での使用に躊躇する必要もありません」
 絶奈は移動しながら仕掛けておいたサーメートを起爆し、爆炎によって敵を吹き飛ばし炎に包み込む。
「ぐあああああっ!!!」
「がぁっ! 息が、できな――」
 直撃を受けた者は焼け死に、炎を浴びた者は転がって火を消すが体中に火傷を負っていた。
「貴様ぁあああ!!!」
 目を血走らせて生き残った機械兵士達が突撃して来る。
「そろそろ仕上げです」
 絶奈はユーベルコード『|涅槃寂静《ヨクト》』を行使し、周辺に致死性の濃霧を生み出した。
「なんだっごふっ……血が………」
「毒ガスか!?」
 慌てて機械兵士は口元を塞ぐが、死を宿す濃霧は吸わずとも触れただけで皮膚から侵食し、命を蝕んで弱らせ死に至らしめる。
「塹壕に籠もった時点で、私の罠から逃れる術はありません」
 最初からこの結果が分かっていたと、絶奈は悠々と塹壕を進んだ。

「ここは「吸着手榴弾」の出番です」
 医療活動を終えて塹壕に入ったシプラは、伝えられた敵の隠れている視界の悪い穴に向け、【|吸着手榴弾《スティッキーグレネード》】のピンを二本同時に抜いて投擲した……。
「近くのものに吸い付いてくれますので、あちらから投げ返すのは難しいでしょう。これで敵を炙り出します」
「うぉっ!?」
「なんだ! 吸い込まれる!!」
 呪力により穴の中に隠れていた機械兵士を吸い寄せてその姿を露わにさせた。
「クソッこうなったらやるしかない!」
「どうやら他に武器を持っていない! 仕留めるぞ!」
 機械兵士達が穴から飛び出し軍刀を手に、鞄を手にしたシプラに斬り掛かる。
「良い救急カバンの条件とは、容量でも収納性でもなく……丈夫さです。衛生兵流の軍隊格闘、ご覧に入れましょう」
 シプラはユーベルコード『|C.Q.C.C.《クロース・クォーターズ・カバン・コンバット》』を発動し、【救急カバン】で敵の顔を殴りつけてカウンターを決め吹き飛ばし、敵同士をぶつけると、さらに横薙ぎに叩き込み連撃によってボコボコにして気絶させた。
 そこへリーオの分霊兵が散弾銃を撃ち込んで止めを刺していく。
「すごい……って大丈夫か?」
 クマ獣人の兵士がシプラの戦いっぷりに圧倒されながらも、我に返って衛生兵であるシプラを心配する。
「ご心配なく、中身は無事ですから」
 シプラは鞄を掲げて微笑み、自分が心配されたとは思わずに、塹壕の中をマイペースにずんずん進んでいく。
「ま、待ってくれ! 前衛は俺達がやるから!!」
 それを慌てて獣人達が追いかけていった――。

「そろそろ終わりかなぁ」
 仲間を援護する分霊兵から、塹壕の制圧が完了したとリーオに報告があり、周辺の銃声もなくなっていた。
「敵の援軍の到着前には片付けられたね」
「では次は此方が迎撃する番です。準備に入りましょう」
 塹壕制圧が速攻で終わった為にまだ敵戦車部隊の姿は見えないとリーオが辺りを確認し、絶奈は今のうちに罠を仕掛けようと迎撃準備に入る。
「怪我人はこちらへ。次の戦いに備えましょう」
「頼む! 撃たれた奴がいる!」
 シプラが声を上げると怪我をした獣人達が連れ込まれ、出来る限りの治療を施し救っていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『オブリビオン戦車隊』

POW   :    タンクキャノン
【戦車砲】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    超大国の改造成果
自身の【車体】を【長距離砲撃形態】に変形する。変形中は攻撃力・射程が3倍、移動力は0になる。
WIZ   :    タンクデサント
X体の【随伴歩兵】を召喚する。召喚された個体の能力値・戦闘力・技能は自身のX分の1。

イラスト:aQご飯

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●タンク部隊
「そろそろ救援要請のあった塹壕だ。戦闘準備!」
「獣人なんぞ戦車砲でぶっ飛ばしてやる!!」
 圧倒的な火力を持つ戦車が並び、それに随伴して歩兵が進む。
「我々ゾルダートグラードのタンク部隊の恐ろしさを逆らう獣人どもに思い知らせてやるぞ!」
「砲弾装填完了。いつでも撃てます!」
「よーし、まずは砲撃で威嚇する! 撃てぇええええ!!」
 戦車から一斉に砲撃が開始され、塹壕には届かぬが大地に次々と着弾して爆発を起こし、腹に響くような振動が周囲に伝わった。
 陸戦の主役である 『オブリビオン戦車隊』が颯爽と塹壕の見える場所へと現れ、獣人を蹂躙しようと前進を開始した――。
グエン・ティホァ
※アドリブ歓迎、共闘可

POW判定

・行動
獣人たちに塹壕からの援護射撃で随伴兵の注意を引き付けてもらう
その隙にUCで大蛇に変身した体で戦車に近寄り、上部ハッチから
内部に手りゅう弾を投げ込んで無力化していく。
(火力が足りない時は地雷を借りて戦車の底面に張り付けて起爆)

・セリフ
(拙い態度でブライアンに協力を要請)
曹長、回りの奴らの注意を引き付けて

(どうするのか方法を聞かれたら)
塹壕から撃ちまくってくれればいい
私が行ってその隙に戦車をやる

(服を脱ぎ捨ててUC発動、ベルトだけ巻き直して手りゅう弾を詰める)
あと地雷が残って居たら寄こしなさい、
内部に人が居なくなっても動き続ける可能性がある
……幸運を祈るわ



●対戦車戦
「戦車部隊こちらに前進してきます!」
「奪った塹壕を取り戻される訳にはいかん! 絶対死守するぞ!」
「「了解!!!」」
 ブライアン曹長が獣人部隊に気合を入れ、いつでも来いと塹壕に身を潜めながら銃を撃つタイミングを計る。
「曹長、回りの奴らの注意を引き付けて」
 そこへ気配もなく姿を見せたグエンが命令するような態度でブライアンに協力を要請した。
「構わんが……どうするつもりだ?」
「私が行ってその隙に戦車をやる」
 ブライアン曹長が尋ねると、グエンは簡潔に返答しながら服を脱ぎ捨ててユーベルコード『|変異階梯《メタモルフォーゼ》』を発動し、大蛇に変身してベルトだけ巻き直して手榴弾を詰める。
「あと地雷が残って居たら寄こしなさい、内部に人が居なくなっても動き続ける可能性がある」
「……わかった。おい! 地雷を持ってこい!」
 すぐにブライアン曹長が指示を出し地雷が用意される。
「……幸運を祈るわ」
「そちらこそ、成功を祈る! 援護を行う! 敵戦車隊に銃撃開始ィ!」
 打てば響くように準備をしてくれるブライアン曹長に、グエンは感謝の気持ちを表そうと不器用に言葉を口にする。ブライアン曹長はそんな癖のある兵の相手も慣れているように僅かに笑みを浮かべ、すぐに表情を引き締めると援護射撃を始めて注意を引き付けた。
 その間にグエンは音もなく瓦礫の隙間を縫うように進み、戦車へと近づいていく……。
「そんな豆鉄砲で戦車の装甲を貫けるものか!」
 戦車を盾にした歩兵がそちらに撃ち返し、戦車砲も発射されて大地を抉った。
(注意が逸れてる間に……)
 グエンはするりと這って戦車の下に地雷を設置して離れる。そして起爆すると爆発して履帯が吹き飛び、衝撃で歩兵も倒れ込んでいた。
「何が起きた!?」
「爆発したぞ!!」
 戦車が止まってしまい、慌てて中に乗り込んでいた兵士がハッチを開けて顔を出す。
「さようなら」
 そこには戦車を這い上ったグエンの姿があり、ピンを抜いた手榴弾を幾つも中に放り込んだ。
「手榴――」
 兵士が慌てて手榴弾を放り出そうとするが、間に合わずに爆発して戦車は内部から吹き飛んだ。
「次――」
 静かにグエンはその場を離れ、次の獲物に向かって忍び寄る――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シプラ・ムトナント
戦車隊……あれが、敵の主力ですか。
……ブライアン曹長、突撃の許可と援護を頂けますか。
ふふ、死ぬつもりはありません。この後は、皆さんの治療の仕事が待っていますからね。

まずは『吸着手榴弾』を戦車の履帯目掛けて【投擲】。
貼り付けて爆発させれば機動力を奪えるでしょう。

近接戦闘で戦車砲は取り回しが悪い、取り付くまでが勝負です……一気に前進を。そして、そのまま戦車の上に乗ります。

戦車の上部装甲は薄い、搭乗口周りなら尚更です。
『近接射撃』を使います……力を貸して、レミー。大火力の一射で搭乗口を破壊しましょう。

|散弾銃《レミー》の装弾数は二発です。
こじ開けた内部にもう一射……残酷だとは、思わないでくださいね。



「戦車隊……あれが、敵の主力ですか」
 シプラは迫るオブリビオン兵の戦車部隊を視界に入れる。
「……ブライアン曹長、突撃の許可と援護を頂けますか」
「戦車部隊に突撃だと? 許可できん。自殺行為だ」
 その提案にブライアン曹長は首を横に振る。
「ふふ、死ぬつもりはありません。この後は、皆さんの治療の仕事が待っていますからね」
 柔らかい笑みを浮かべて死ぬつもりなどなく自信があることを示す。
「……わかった。だがこちらも援護射撃を行う。そこで突撃するんだ」
「おい、前に出るなとはもう言わんが、絶対に死ぬなよ!!」
 ブライアン曹長が根負けしたように許可を出し、先ほどから共闘していたクマの獣人が心配して声をかける。
「はい、大丈夫です。倒れるのはこちらではなく、相手の方ですから」
 シプラは獣人兵が弾幕を張ると同時に突撃を開始し、【|吸着手榴弾《スティッキーグレネード》】を放り投げて戦車の履帯に貼り付けて爆発させ、その機動力を奪った。
「爆発だ!」
「戦車が止まった! 履帯を修理しなくては!!」
 慌てて兵達が警戒しながら修理に動き出す。
「近接戦闘で戦車砲は取り回しが悪い、取り付くまでが勝負です……」
「突撃してくる奴がいるぞ!」
「撃ち殺せ!!」
 その隙にシプラが一気に前進すると、随伴兵が気付いて銃口を向ける。
「やらせるかよ! 撃て撃てぇ!」
 クマの兵士が中心となって銃撃してそれを阻止する。
 止まることなくシプラは戦車の上に駆け上がり、戦車の薄い上部装甲、それも搭乗口周りを狙う。
「『近接射撃』を使います……力を貸して、レミー。大火力の一射で搭乗口を破壊しましょう」
 装弾数2発の【散弾銃『レミー』】を構えてユーベルコード『|近接射撃《クロスレンジショット》』を発動してハッチに撃ち込む。すると金属の装甲が吹き飛んで大穴が空いた。
「なんだ!?」
 驚いて頭を伏せる敵兵が穴からはっきりと見える。そこでようやく銃を構えるシプラの姿に気付く。
「……残酷だとは、思わないでくださいね」
「やめ――――」
 こじ開けた内部にもう一射を撃ち込み、搭乗している敵兵を纏めて撃ち殺し、内部から戦車を破壊した。
「やったぞ!」
 その様子に獣人達は喜びの声を上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジュレ・リチュエル
自動式の戦車…普通に狙撃しても効果は薄そうですね。
直接の攻撃を受けずともこれだけの振動を感じる程の火力もありますし、最優先で沈黙させたいところ。

UC妖術「狐松明」…これであの戦車の射程に入る前に。
狐火で戦車を直接炎上させましょう。
…元より戦場で生きる身、景気良く行きましょうか。

自動式とは言え、敵兵が乗り込んでいる可能性はあります。
戦車からは目を離さず、炎上した戦車から敵兵が出てきたら呪殺弾で狙撃を。
戦車の炎上から時間が経ち敵兵が出てくる様子が無くなれば随伴歩兵も狙撃して行きますが…ある程度はブライアン曹長の部隊にお任せします。
地形の不利はもうありませんし、戦車を沈黙させれば渡り合えるでしょう。



「タンクに取りつかせるな!
「戦車砲を撃て! 近づく前に殺せ!!」
 仲間の戦車が次々とやられたのを見た機械兵士がすぐに命令を出して戦車の砲撃を開始した。
「自動式の戦車……普通に狙撃しても効果は薄そうですね」
 塹壕から顔を出したジュレは戦車すらもオブリビオン化されていると観察していると、離れた場所に戦車の砲弾が落ちて大地が揺れ、爆風が顔を撫でた。
「直接の攻撃を受けずともこれだけの振動を感じる程の火力もありますし、最優先で沈黙させたいところ」
 そう考えユーベルコード『妖術「|狐松明《キツネタイマツ》」』を発動して、自身の尻尾から狐火を放つ。
「これであの戦車の射程に入る前に。狐火で戦車を直接炎上させましょう。……元より戦場で生きる身、景気良く行きましょうか」
 ゆらゆらと揺れる狐火が飛び、戦車に襲い掛かる。
「なんだあれは?」
「あの程度の炎でタンクをどうにかするつもりか?」
 歩兵が鼻で笑い、タンクの傍で銃撃を続ける。そして狐火がタンクに触れると、爆発するように炎が燃え広がって戦車を包み、周囲の兵士達も燃え上がらせた。
「うゎあああっ!!」
「火がぁ!! たすけてくれぇ!」
 抗い様のない炎に巻かれて歩兵が倒れる。そして炎に包まれ蒸された戦車のハッチが開く。
「熱いっ! 焼け死ぬ!!」
 開けて顔を出した瞬間に、【デアボリカライフル】を構えていたジュレが狙撃しヘッドショットを決めた。
「うわぁっ!!」
 死体が中に転がり込み、まだ中に居た兵士が驚きの声を上げる。
「狙撃兵がいるぞ!」
「だがこのままだと蒸し焼きだ! 出るしかない!!」
 覚悟を決めて勢いよく戦車から兵士が飛び出す。だが着地した瞬間に頭を射抜かれ、続く兵士も背中を撃たれて倒れる。
「うあぁあああああ!!」
 そこへ炎が燃え移って全身を焼かれて息絶えた。
「戦車が動かなくなったなら後は的だ! 撃てェ!!」
 ブライアン曹長が檄を飛ばし、獣人兵が射撃して戦車を失って士気の落ちる敵歩兵を撃ち倒していった。
「地形の不利はもうありませんし、戦車を沈黙させれば渡り合えるでしょう」
 獣人側が押し始めた様子を見てジュレは勝利を確信した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーオ・ヘクスマキナ
おおっと、戦車のご登場か……対空兵装の類は無さそうだし、あっても精々が戦車砲程度。コレなら最初の戦闘の焼き直しでもどうにか出来そうだねぇ
制空権を失った戦場で運用される戦車の脆さ。お前達オブリビオンが振りまいた理不尽。身を以て思い知って貰おうか!

先に展開していた【笛吹の子供達】から最初の【鋼塗れの大白鳥】にUCを変更
戦術そのものは先程と同じく、艦載砲の榴弾や剥落させた羽毛型ミサイルでの上空からの爆撃
可能なら獣人から無線機と地図を借用し、一時的に高空支援の窓口として利用。無線での座標指定要請や色付きのスモークを目印に、爆撃を叩き込む

さぁて。反撃の狼煙としては良い感じに上がったかな?


霧島・絶奈
◆心情
次の相手は戦車ですか
では、存分に愉しませて頂きましょう

◆行動
【罠使い】の技を活かし、【目立たない】様に「魔法で敵を識別する対戦車地雷」を複数設置
無限軌道を破損しては、折角の装甲も棺桶に成り下がります

更に【Evolution】に搭乗し【空中浮遊】を活用

同じキャバリアの名を冠していても…
此方は人型戦闘車輛ではなく、人型の機動兵器です
『殲禍炎剣』無きこの世界で、枷から解き放たれた空対地攻撃を見舞うとしましょう

『【1/0】』を使用
【集団戦術】を駆使した【範囲攻撃】で敵を殲滅

私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「獣人どもに好き勝手にやらすな!」
「戦車の恐ろしさを教えてやる!!」
 残った戦車部隊が一斉に前進し、砲撃しながら塹壕を目指す。
「次の相手は戦車ですか。では、存分に愉しませて頂きましょう」
 絶奈は戦車部隊を見て、今度は派手な戦いになりそうだと笑みを深くして対戦車地雷を進路上に設置していく。
「おおっと、戦車のご登場か……対空兵装の類は無さそうだし、あっても精々が戦車砲程度。コレなら最初の戦闘の焼き直しでもどうにか出来そうだねぇ」
 リーオは地図と獣人と連絡を取る為の無線機を借りると、再びユーベルコード『赤■の魔■の加護・「|化身の拾壱:鋼塗れの大白鳥《パラサイトアヴァターラ・アーマードスワン》」』に変更し、赤頭巾さんを白鳥型の重装甲型高速戦艦に変身させて搭乗する。
「空からの支援を頼む!」
 ブライアン曹長に見送られ、発進して空に飛び立つ。
「制空権を失った戦場で運用される戦車の脆さ。お前達オブリビオンが振りまいた理不尽。身を以て思い知って貰おうか!」
 リーオは機体を戦車部隊に向けて艦載砲の榴弾を飛ばして戦車を破壊し、剥落させた羽毛型ミサイルを撃ち込んで爆散させた。
「空からだ!!」
「馬鹿な、奴等戦闘機まで持っていたのか!」
「まずいぞ! 手元に航空戦力はない!」
 右往左往して歩兵が戸惑っているところに爆撃して吹き飛ばした。

「足を止めるな! 進め進め! 邪魔する者は轢き殺せ!!」
「戦闘機は無視しろ! 塹壕に取りついてしまえば攻撃できん!」
 オブリビオン戦車部隊が砲撃しながら塹壕を目指す。だがそこで地面が突然爆発し、履帯が吹き飛んで空回りして足が止まる。
「無限軌道を破損しては、折角の装甲も棺桶に成り下がります」
 絶奈は量産型キャバリア【Evolution】に搭乗し空中に浮かんで頭上を取る。
「あれはパンツァーキャバリア!?」
「そんなものまで用意していたのか!!」
 驚きの声を上げながら機械兵士がライフルを撃ちまくる。だが弾丸は装甲に弾かれた。
「小銃じゃあダメだ! 戦車砲で撃ち抜け!!」
 戦車の砲身がEvolutionへと照準が調整されていく。
「同じキャバリアの名を冠していても……此方は人型戦闘車輛ではなく、人型の機動兵器です」
 絶奈は操縦桿を握り機体のエネルギーを最大出力にする。
「『殲禍炎剣』無きこの世界で、枷から解き放たれた空対地攻撃を見舞うとしましょう」
 ユーベルコード『|【1/0】《インフィニティ》』を発動し、Evolutionを増殖させる。それと同時に砲弾が飛んできて爆発を起こす。そして地面に機体が落下した。
「やったか!?」
 煙が晴れると、そこにはキャバリアの部隊が現れていた。砲撃を受けて大破したのはコピーキャバリアだった。
「なにぃ!?」
「戦車部隊とキャバリア部隊。どちらの戦闘力が上か、確かめてみましょう」
 一斉にキャバリア部隊が銃撃を開始し、それによって歩兵も戦車も穴だらけになって粉砕されていく。

「そろそろ終わりかな?」
 空から戦況を確認するリーオが、猟兵と獣人の共闘によって戦車の多くが破壊されているのを視認した。そこで通信から連絡が入る。
「こちらブライアン曹長。最後の敵戦車達が塹壕に突っ込んで来る! 支援を頼む! 場所は――」
「了解。それじゃあ兵士は下がらせてね」
 すぐにリーオは地図を見ながらその地点に向かい、全速力で走る戦車を見つけた。
「どんな強力な戦車も、空から攻撃されたら無力なものだよねぇ」
 色付きのスモークを目印にして獣人達に爆撃ポイントを示し、容赦なく爆撃して足元を吹き飛ばされた戦車が横転して空回りする。
「戦車を押して――」
 ハッチを開けて外に出たところで、獣人達が銃弾を撃ち込んで射殺した。

「終わったようですね」
 絶奈はキャバリア部隊のモニターから戦車が全て破壊されたのを確認し地上に降りると他の猟兵と合流し、獣人兵達に英雄として出迎えられた。
「ありがとう。君達の助力のお蔭でこうして勝利することができた。感謝する!」
「本当にありがとう!!」
「助かったよ!」
「あんたたち凄いな!」
 ブライアン曹長に続いて他の兵士達も猟兵に感謝の言葉を伝えていく。
「我々の勝利だ!! 反撃の一歩となる勝利を祝い、新たな戦友と共に今日は飲むぞ!」
「「おおおおおおおお!!!!」」
 勝利を祝って獣人達は笑顔を浮かべ盛り上がる。
「さぁて。反撃の狼煙としては良い感じに上がったかな?」
 リーオは空から燃え上がる戦車の煙を確認し、ここから反撃が始まると意気揚々と勝利を喜び、こちらに向かって銃を掲げる獣人達を見下ろして笑みを浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年03月19日


挿絵イラスト