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悪逆の機械帝国

#獣人戦線 #ヨーロッパ戦線 #ゾルダートグラード

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●絶望への抵抗
「ここから先は、一歩も通さない!」
 片腕の鋼鉄の巨人が握ったバズーカ砲が火を吹き、直撃を受けた敵の戦車が爆砕した。これで四機目。数時間前から敵兵とぶっ続けで戦っているパイロットの少女の体力も精神はとうに限界を超えている。

「もう出てくるなよ……バズーカの弾はもう無いんだ」
 キャバリアをしゃがませて岩陰に身を隠し、狭いコックピットの中で、カサブランカは荒い息を吐く。カサブランカはゾルダートグラードに抵抗するレジスタンスの一人だ。一年前に機械帝国からぶんどったキャバリアを駆り、ゾルダートグラード軍の連中を殺して回っている。だが、その必死の抵抗も今日ついに終わりを告げようとしていた。なかなか地域を制圧できないことに業を煮やした帝国の将校が掃討部隊を送り込んできたのだ。

「マジかよ……」
 自身の祈りを踏みにじるかのように、丘の向こうから進撃してきた膨大な数の戦車見て、カサブランカは息を呑む。
「ここかな!? 帝国に盾突く凶暴なワンちゃんがいるってのは!」
「コックピットハッチを開けて降りてこい! 顔の出来次第じゃあ、ペットにしてやるよ」
 敵の戦車部隊の兵士達は、丘の上からスピーカーでカサブランカに投降を促してきた。
「……クソったれが」
 カサブランカの辞書には「降伏」の文字はない。彼女の魂には、機械帝国の軍隊に村と家族を焼かれた時から、消えることのない帝国への憎悪の炎が今も燃え続けている。暗闇に揺れる篝火のように。
「最後まで抗ってやる」
 カサブランカの機体は、弾切れ寸前のサブマシンガンと剣を握り締めた。

●グリモアベースにて
「新たに発見された世界、『獣人戦線』にてオブリビオンの出現を予知した。オブリビオン達は現地獣人のレジスタンスの少女と交戦している。直ちに現場に向かってくれ」
 パンダ型ロボのグリモア猟兵、ルンバはグリモアベースを行き交う猟兵達を呼び集め、ブリーフィングを始めた。『獣人戦線』はつい最近発見された新しい世界である。そこでは6つの『超大国』が互いに争いながら、百年もの永きに渡り、現地の人々を攻撃しているという。
「今回の敵は6つの超大国の内、機械を主力とする国家、『機械帝国ゾルダートグラード』だ。連中は戦車部隊とキャバリアを用いて獣人達を襲っている。レジスタンスの少女は地形をうまく使い、なんとか持ちこたえてはいるが、倒されるのは時間の問題だ。そうなる前にゾルダートグラード軍を奇襲し、オブリビオンの部隊を撃滅してくれ!」
 ルンバはそう言うと、拳を握った。
「まずはレジスタンスの少女の近くに転移し、丘の上からやってくる戦車部隊を迎え討ってくれ。高所をとられている不利な状況ではあるが、猟兵ならなんとかなるだろう。戦車部隊を壊滅させれば敵の歩兵達は後退し、丘の向こうにある街でゲリラ戦を展開するはずだ。速やかに逃げ隠れた歩兵を追い、敵を駆逐してくれ。
 歩兵を全滅させれば、ゾルダートグラードは最後の切り札として『爆撃機型パンツァーキャバリア』が投入してくる。キャバリアは知っているな? 『クロムキャバリア』世界で使用されている人型巨大ロボットと同様のものだ。だが、パイロットは洗脳された現地人ではなくオブリビオンだ。手加減してやる必要は全くない」
 ルンバはグリモアベースの壁にホログラムで敵キャバリアの姿を映し出す。そこには、翼が付いた無骨なデザインのキャバリアの姿が映っていた。
「説明は以上だ。準備ができた者から現地に送る。……武運を祈るぞ」


大熊猫
 明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします(遅すぎる新年の挨拶)。お久しぶりです。大熊猫です。前にシナリオ出したのがデビルキングワールドの戦争シナリオなので、今年初のシナリオです。
 さて、舞台は新世界『獣人戦線』。敵は機械帝国ゾルダートグラード!
 章構成は一章が陸軍との集団戦、二章が残存兵力掃討、そして三章が敵の切り札であるキャバリア部隊との集団戦となります。ご興味がありましたらよろしくお願いします。

●登場NPC紹介
 カサブランカ。
 オオカミの少女。獣人階梯は5。鹵獲した量産型キャバリア『ホワイトファング』のパイロットであり、レジスタンスの英雄。なお、キャバリアは既に半壊状態で万全にはほど遠く、武装もキャバリア用の軽機関銃と剣しか残っていない。

●プレイングボーナス
 一章 レジスタンスの少女と協力する。
 二章 敵の奇襲に対抗する。または市街地戦に適応する。
 三章 敵の空中からの攻撃に対抗する。

●文字数省略用記号
 アドリブ歓迎→☆、連携歓迎→★、何でも歓迎→◎(☆★と同じ)、ソロ描写希望→▲。

●合わせプレイングについて
 グループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名をご記載下さい。

●受付について
 OP公開時より受付開始いたします。
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第1章 集団戦 『オブリビオン戦車隊』

POW   :    タンクキャノン
【戦車砲】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    超大国の改造成果
自身の【車体】を【長距離砲撃形態】に変形する。変形中は攻撃力・射程が3倍、移動力は0になる。
WIZ   :    タンクデサント
X体の【随伴歩兵】を召喚する。召喚された個体の能力値・戦闘力・技能は自身のX分の1。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レヴィア・イエローローズ

助太刀するわ
瞬間、オブリビオン戦車隊が砲撃に飲み込まれていく
一旦UCを解除し、カサブランカの隣に立つようにしてキャバリアのコックピットから自己紹介を
わたくしはレヴィア・イエローローズ
階級は少将、貴官は?
そう言って自己紹介をした後、手配していた万全のパンツァーキャバリアを投下
撃ち落とそうとするゾルダートを砲撃で制し、二人で戦えるようにする

そのキャバリアは機動力に長けるわ
わたくしが遠距離から砲撃し、貴方が切り込み役となって

そう言って戦術提示し、反撃を開始
わたくしのスーパー戦車砲による支援砲撃で、カサブランカのキャバリアはゾルダートを切り倒していく


鍋島・小百合子
WIZ重視

血と硝煙の匂いが立ち込めておる戦場の世界とも言うか
心躍るには華やかさがないのう

「無事か?助太刀いたす!」
鋼機【勝鳥(カチガラス)】に騎乗
獣人の少女の乗りしきゃばりあを庇うように撤退を援護
戦える余力があるならばきゃばりあから降りて敵戦車と展開してくる歩兵部隊の位置を知らせる観測の手伝いをしてもらう
わらわの目の届かぬ後ろは任せた!

敵の位置を知ればUC「使役武装【白鴉】」発動
1320本もの攻撃用びーむびっとを展開し敵の視認外に配置
歩兵に対しては範囲攻撃と制圧射撃による掃討
戦車への攻撃にはまず砲塔と無限軌道の脚部を奪うように部位破壊、数に任せた一斉射撃で一才の容赦無く乱れ撃ちしてくれるわ!



●反撃の狼煙
 ジジジジ……。
「なに、この音……?」
 岩山の後ろに身を隠し、大きな耳で聞き耳を立てていたカサブランカは、蜂の羽音のような音を聞いた。羽音はどんどん大きくなったかと思うと、烈風と共に空間が裂けた。
 ガシャンガシャン!
 裂け目から飛び出し、岩山の上に着地したのは二機のキャバリアだった。カサブランカが見た事のない機種だ。薔薇を思わせる絢爛豪華かつ鮮やかな黄色のパンツァーキャバリアと、幻朧帝国の鎧武者を思わせるシルエットの巨人。二機のデザインは同じ国の所属とは思えないほど違っていたが、どちらも無骨なゾルダートグラードのパンツァーキャバリアとは違い、ある種の神々しさを感じさせた。
「綺麗な機体……明らかにゾルダートグラードの機体じゃない……どこのキャバリア?」
 カサブランカが機体を起こし、二機の様子を伺っていると、パイロット達が外部スピーカーでカサブランカに呼びかけてきた。

「無事か? 助太刀いたす!」
「助太刀するわ」
 どうやら二機ともパイロットは女性らしい。カサブランカが「味方なのか」と確認する暇もなく、二機はゾルダートグラード軍の戦車部隊へと攻撃を開始した。

「我が黄色に応じて開花せよ、羨望の深淵。それは正確無比に最終戦争を放つ鋼鉄の無垢。砲塔から破壊を放ち、理不尽を蹂躙せよ。|黄薔薇開花・鋼鉄の無垢は、災禍に等しく《イエローローズ・スーパーチャリオット》!」
 レヴィア・イエローローズが命じると、黄色のキャバリアは砲撃形態へと変化し、花弁の如き砲門から無数の砲弾を解き放つ。破壊の嵐に晒され、オブリビオンの戦車数台が一瞬でガラクタへと変わった。

「隊長! 前方に『猟兵』のキャバリアが出現しました! 数は二機! 凄まじい火力です!」
 必死に後退しながら、オブリビオン戦車隊の隊員が叫ぶ。
「なんだと!? 撃ち返せ!」
 次の瞬間、居並ぶ戦車からタンクキャノンが次々と発射され、隊長機によって召喚された随伴歩兵達も二機に向かってミサイルランチャーをお見舞いした。撃ち込まれた砲弾とミサイルは鍋島・小百合子とレヴィアの機体が立っていた岩山を跡形もなく吹き飛ばし、白煙が周囲にたちこめた。

「血と硝煙の匂いが立ち込めておる戦場の世界とも言うか。心躍るには華やかさがないのう」
 上に飛んで攻撃を凌いでいた小百合子は溜息を|吐《つ》くと、鋼機『|勝鳥《カチガラス》』でカサブランカの機体を庇い、彼女の前方に立つ。同じく攻撃を回避していたレヴィアは一度砲撃形態を解除し、カサブランカへと話しかけた。

「わたくしはレヴィア・イエローローズ。階級は少将、貴官は?」
「あなた達、どこかの国の軍人? 私は所属なんてないわ! レジスタンスよ!」
「そう、貴官は独りだけの軍隊というわけね」
 レヴィアは新品のパンツァーキャバリアを一機呼び出し、カサブランカ機の近くに投下した。
「その機体はもう限界でしょう? それを使いなさい」
「獣人の少女よ! 急ぐがよい。乗り換えの間の盾は我らが引き受けよう!」
「いいの? ありがたく貰うわよ!」
 カサブランカは迷わず自機のコックピットから飛び出すと、レヴィアのパンツァーキャバリアへと駆けて行く。

「レヴィア殿、敵が来るぞ!」
 自機を盾にし、カサブランカと新しいキャバリアを庇いながら小百合子がレヴィアに声をかける。
「弾幕を張るわ。彼女には近づけさせない!」
 レヴィアは再びユーベルコードを発動し、キャバリアを砲撃形態へと変形させた。先刻の攻撃でこちらとの火力差を理解したのか、戦車部隊は散開し、広く面を取った攻撃をお見舞いしてきた。レヴィアは精密な射撃で歩兵が放つミサイルランチャーを全て撃ち落とした。カサブランカは素早くパンツァーキャバリアに乗り込み、機体を立ち上げた!

「獣人の少女よ。その機体に『れえだあ』はついているか?」
「カサブランカよ! レーダーならついてた!」
「ならば、歩兵の位置を知らせてくれ! わらわの目の届かぬ後ろは任せた!」
「わかった!」
 小百合子の提案を了承したカサブランカはレーダーで周辺に隠れていた敵歩兵の位置を探り当て、その位置を小百合子達へと知らせた。
「居場所さえ分かればこちらのものよ。舞い散らせるは意思持ちて敵を撃つ鴉の羽……行け! 白鴉!」
 敵陣へと切り込んでいった小百合子の機体から無数の白い鴉の羽が広がっていく。否、これは鳥の羽根などではない。羽根の形状を模したビームビットである。

「くそ、砲塔が破壊されたか!」
「キャタピラをやられた! 逃げられん! ぐあああああ!」
 千を超える数のビットから放たれたビームの洗礼は戦車も歩兵もまとめて貫き、次々と爆散させた。かろうじてビームを回避した戦車や歩兵も、レヴィアの機体が放つ砲弾によって炎の中に消えていく。

「これだけやれば、しばらくは部隊の立て直しで精一杯であろう」
「よし、一旦引くわよ。またすぐに増援が来るわ」
「ありがとう! ところで、あなたたちもレジスタンスでいいのね?」
「わらわ達は猟兵である」
「わたくし達は猟兵よ」
 小百合子とレヴィアはカサブランカを連れ、安全な場所へと後退していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夢幻・天魔
◎(厨二ならば何でもOK)

フハハハハ!!!
(マントをたなびかせ出現)
かつて異世界にてエースの名を欲しいままにした究極の兵士たるこの俺が加勢してやろう!
(※当然妄想設定)

来い!『Azazel』!
(キャバリアに乗って戦闘開始)

フッ、戦車兵如きが
文字通り桁違いの撃墜数を記録したこの俺に勝てると思うな!
(妄想設定で『無双設定撃』発動)

丘の上にいる敵に空中から襲い掛かり
魔剣を振り回して敵兵どもを蹂躙、戦車を破壊しつくしてやろう!



はじまりの猟兵の世界……
遂にここまでたどり着いたか……
(何もわかってないが、何となく意味深なセリフを吐く)



●異界のエース降臨?
「くそっ、なんだったんだ、あの連中は……奴らを追うぞ!」
 部隊を再編したオブリビオンの戦車部隊は姿を消したカサブランカ達を追撃しようとしていた。だが、それを阻止せんと立ち向かう猟兵が一人。
「隊長! 丘の下に誰かいます! 今度は生身の人間です!」
「なんだと!?」
「フハハハハ!!! よくぞここまで辿り着いた!」
 夢幻・天魔は意味ありげに使い古された黒いマントをたなびかせ、高笑いを上げた。
「カサブランカよ。かつて異世界にてエースの名を欲しいままにした、|究極の兵士《ニュータイプ》たるこの俺が加勢してやろう!」
 自分で考えた理想の過去を堂々と語り、笑う天魔。天魔はいつだって|そういうお年頃《厨二病》なのだ。

「隊長! 敵が何か言ってます!」
「構うな! 轢き潰せッ!」
 怒号と共に戦車部隊の前方に数十体の歩兵達が姿を現した。召喚されたオブリビオンである|随伴歩兵《タンクデサント》は弾薬と同じく消耗品だ。死をも恐れぬ兵達は、機関銃を乱射しながら天魔へと突撃してくる。

「来い!『Azazel』!」
 ガキキキキキン!
 天魔が右腕を天に掲げてカッコイイポーズを取ると、空間の裂け目から悪魔のようなフォルムのキャバリアが出現し、機関銃の弾を弾き返した。天魔は素早く機体に乗り込み、反撃を開始する!

「キャバリア、出現! 見た事のない機種です!」
「ええい、機関銃では埒が明かん! ロケットランチャーを使え! 破壊しろ!」
 丘の上に召喚された歩兵達は携行ロケットを構え、天魔のオブリビオン・マシンに向けて一斉に発射した。だが、音速を超えて飛来するロケットが殺到する中でも、天魔は不敵に笑う。
「フッ、戦車兵如きが。文字通り桁違いの撃墜数を記録した(脳内設定)、この俺に勝てると思うな!」
 妄想は時に現実を凌駕する。己の妄想に合わせる形で自らの操縦能力を強化した天魔は機体を飛び立たせると、ロケット弾の嵐を掻い潜り、丘の上に陣取っていた歩兵達へと肉薄した!
「切り裂け、超越魔剣ネガ・フォース!」
 Azazelは宙を舞いながら赤い魔剣を振り回し、次々と歩兵を薙ぎ払っていく。

「知っているぞ! 戦車というものは上からの攻撃に弱いらしいな!」
 ザシュッ! 天魔の魔剣は戦車のハッチを貫き、次々と戦車を爆散させた。高所を抑えていた戦車部隊だったが、空を飛べる天魔(実際に飛んでいるのはマシンだが)の前では無力であった。機体のエネルギー残量の許す限り暴れ、十数台の戦車を破壊した天魔は機体のコックピットハッチを開け、ぽつりと呟く。
「はじまりの猟兵の世界……遂にここまでたどり着いたか……」
 この世界については何もわかってないが、何となく意味深なセリフを吐いてみる天魔だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メサイア・エルネイジェ
ごめんなすって〜!
あなたがカサブランカ様ですわね?
ここはわたくしとヴリちゃんにお任せくださいまし〜!
ヴリちゃん!クロムジェノサイダーで参りますわよ!
因みにわたくしはウサちゃんですわ
郷に入れば郷に従えですわ!

正面からドカスカ撃って参りますわねぇ
こんな時は真・黒竜装甲!
ラージシールドをガッチガチですわ!
効かなければどうと言う事はございませんわ!
これで強行突破ですわ!
カサブランカ様〜!ヴリちゃんを盾に進むがよろしいのですわ〜!
歩兵は盾や尻尾を振り回して吹っ飛ばせばよろしいのですわ
お戦車はおハッチをエクゼキューションバイトファングでこじ開けて…カサブランカ様〜!おグレネードを放り込んでくださいまし〜!



●絶対防御の機械竜
「チッ! 次から次へと……しつこい奴らね!」
 ゾルダートグラード軍の戦車部隊による執拗な追撃に、カサブランカは悪態を|吐《つ》いた。結構な数を撃破(カサブランカ自身の戦果は全体の一割ほどだが)したはずだが、延々と戦車はやってくる。
 ドンドンドンドン!
 空から断続的に火の玉が降り注ぎ、カサブランカの機体は何度も反復横跳びを繰り返した。新たに召喚された|随伴歩兵《タンクデサント》達が迫撃砲を撃ってきているのだ。
「やばい……!」
「ごめんなすって〜!」
 カサブランカが被弾を覚悟したその時だった。場違いに明るい声と共に出現した黒いロボットがカサブランカの真上に割り込み、代わりに砲撃を受け止めた。
 ドカン!
 爆炎の花が咲き、熱風がカサブランカ機を叩く。しかし、割り込んだ黒い機体は五体満足のままそこにいた。

「黒い竜……? いえ、これもキャバリア、なのかしら……」
 その機体は黒い竜を模した姿をしていた。そしてその両腕には、翼と見紛うほど巨大な二枚のシールドが付いている。このシールドでさきほどの迫撃砲も凌いだのだろう。
「あなたがカサブランカ様ですわね? ここはわたくしとヴリちゃんにお任せくださいまし〜! ヴリちゃん! 『クロムジェノサイダー』で参りますわよ!」
 メサイア・エルネイジェはカサブランカと愛機ヴリトラに呼びかけると、戦車が陣取っている丘の上を目指し、臆することなく前進した。
「ちょっと、まっすぐ行く気!? 蜂の巣にされるわよ!?」
 カサブランカは慌てて呼び止めたが、メサイアは既に飛び出している。

「正面からドカスカ撃って参りますわねぇ。こんな時は『|真・黒竜装甲《ダークオリハルコニウム》』! ラージシールドをガッチガチですわ!」
 メサイアがユーベルコードを発動すると、クロムジェノサイダーの両腕のシールドが淡い光に包まれた。メサイアはピーカブー・スタイルのボクサーよろしく、シールドでコックピットを覆い隠したまま、敵の迎撃を全て無視して丘の上まで突っ走っていく。
「カサブランカ様〜! ヴリちゃんを盾に進むがよろしいのですわ〜!」
「! 分かった!」
 カサブランカはメサイアの意図を察し、クロムジェノサイダーの後ろについて行く。オブリビオン達は二機を迎撃せんと抵抗を試みたが、クロムジェノサイダーの尻尾とカサブランカのサブマシンガンに薙ぎ払われ、歩兵は次々と消滅していった。

「あれが歩兵を召喚している隊長機ですわね~! お覚悟~!」
 クロムジェノサイダーは戦車のハッチに爪を突き立て、強引にハッチをむしり取った。
「カサブランカ様〜! おグレネードを放り込んでくださいまし〜!」
「おグレネードは持ってないから、これで!」
 カサブランカはこじ開けられたハッチの内側にサブマシンガンを突っ込み、フルオート射撃をお見舞いした。吐き出されたキャバリア用の弾丸はコックピット内部で派手に跳弾し、中の機械もろとも運転手をズタズタに引き裂いた。
「カサブランカ様~! お見事ですわ~!」
「ありがと! 同じ戦術でもう二、三機葬りましょう!」

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャン・ジャックロウ
ゾルダートグラードの試作高性能キャバリア『グラオザーム』に乗り【野良犬部隊】キャバリア班を引き連れて後方から出現するぜ。
ここかぁ!?帝国に盾突く凶暴なワンちゃんがいるってのはッ!
なんて冗談だよ冗談ッ!かつては帝国のパシリだった俺達もいまやお尋ね物なんでな。敵の敵は味方って事で協力してやるからそう睨むなよ、カサブランカの嬢ちゃん。

グラオザームの高機動力を活かしてキャバリア班と一緒に敵に突っ込むぜ。
万が一当たっても頑丈だから大丈夫だろ。戦車に近付いたら力任せにキャバリアの拳を振り下ろす。

退職金代わりに頂いたこの試作機体を容易く量産できるとは、まったく素晴らしいな猟兵の力ってのはッ!


【アドリブ歓迎】




 ガシャガシャガシャガシャ!
 カサブランカが猟兵達と共にオブリビオンの戦車部隊と激闘を繰り広げていると、後方からゾルダートグラード軍のエンブレムが刻まれたキャバリアが姿を現した。それも一機や二機ではない。試作高性能パンツァーキャバリア『グラオザーム』十一機で編成された強力な部隊だ。

「新型キャバリア……! 敵の増援!?」
 カサブランカは飛び交う砲弾を回避しつつ、油断なくグラオザーム達を睨み付ける。キャバリアの恐ろしさはパイロットであるカサブランカ自身がよく知っている。それが十機! 援軍に来てくれた猟兵よりも数が多い!
「ここかぁ!? 帝国に盾突く凶暴なワンちゃんがいるってのはッ!」
 ジャン・ジャックロウの機体のスピーカーから、ガラの悪そうな声が響く。
「おお! 増援か! どこの部隊が知らぬが、貴官らも我らに助力を――」
 戦車部隊の隊長がジャンに呼びかけようとしたその時だった。ジャンはニヤリと笑うと、ゾルダートグラード軍の戦車隊に向けて主砲をぶっ放した。運の悪い一台が直撃を受け、爆散する。
「え?」
 カサブランカはきょとんとした。

「なんて冗談だよ冗談ッ! かつては帝国のパシリだった俺達もいまやお尋ね者なんでな。敵の敵は味方って事で協力してやるからそう睨むなよ、カサブランカの嬢ちゃん」
「味方でいいんだな!? 今更冗談でしたは通じないわよ!」
 カサブランカ機のスピーカーからキレ気味の返事が聞こえた。
「おう! よろしくな!」
「思い出したぞ……! その機体は強奪された実験機のはずだッ! 貴様、脱走兵かッ!」
 ゾルダートグラード軍の兵士が怒鳴りながら、ジャンへと反撃の砲弾を浴びせた。ジャンは砲弾を回避しながら、兵士の言葉を肯定する。
「そうだ! コイツは俺が軍を抜ける時に頂いたモンだ!」
 兵士の言う通り、ジャンはゾルダートグラード軍の脱走兵である。とある任務に失敗したことが原因で軍に粛清されそうになったところ、この機体その他もろもろを奪って逃げ出したのだ。ジャンが連れている十機のパイロットも、一緒に逃亡した部下達である。

『総員戦闘開始ッ!……さぁ、派手に行こうじゃねえか』
 ジャンの号令と共に『野良犬部隊』が散開し、戦車隊に向かって突撃を開始した。
「あの裏切り者共を始末しろ! どうやって量産したのかは知らんが、まともに動くかどうかも怪しい代物だ!」
 怒号と共にオブリビオンの戦車が一瞬で変形し、長距離砲撃形態へと変化した。大口径の砲弾が斉射され、ジャン達へと振り注ぐ。しかし、隊長の希望的観測とは裏腹に、十一機のグラオザームはその類まれな機動性をいかんなく発揮し、砲弾を回避して戦車隊へと襲い掛かっていく。

「退職金代わりに頂いたこの試作機体を容易く量産できるとは、まったく素晴らしいな猟兵の力ってのはッ!」
 大地を蹴って飛び上がり、戦車に肉薄したジャンは、力任せにキャバリアの拳を叩きつけ、戦車を叩き潰した。

成功 🔵​🔵​🔴​

チェスカー・アーマライト
連携アドリブ歓迎
100年に渡る戦乱
装甲戦闘車輌から進化したみてーな人型兵器
まったく、親近感が湧いちまって仕方無ぇ

ビッグタイガー、タンクモード
内部動力源の出力解除
デカい唸りを上げる機体の振動で砂埃が巻き上がる
ついでに発煙弾もオマケして
カサブランカの機体を隠すぜ
「逃げるも死ぬもアンタの自由だ、好きに選びな」
答えは聞かずにアクセルをベタ踏み
機体がブッ飛ぶような出力を無理矢理制御して吶喊だ
敵陣に突っ込んだら
側面のパイルを片方だけ地面に突き立てて強引に|信地旋回《スピンターン》
横滑りする機体をブチ当てて戦車共をブッ飛ばすぜ

立てねー戦車に用は無ぇ
サッサと尻尾巻いて撤退しな、クソッタレ


ジャドス・ジャンジダ


やれやれ……前は敵もだったが、今は味方のキャバリアもバケモンだな。
あいつ等ほどじゃないけど、俺もキャバリアで出撃させてもらうぜ。

ゾルダートの奴らをぶっ壊すってのもあるが、俺は勇敢な女ってのは好きだからな。
最後まで諦めず抵抗する姿勢ってのも気に入った。
俺が戦場で暴れる理由は揃ったってこった。

UCを使用して手あたり次第、主砲とバズーカとガトリングを撃ち込んでいく。
味方のキャバリアの方が性能も優秀だし、不足分は何とかしてくれるだろう。
俺は弾幕で押し上げてやるだけだ。
動くつもりも逃げも避けもしねぇ、俺かお前らがくたばるかの勝負だ!



●鋼鉄と硝煙の世界
「100年に渡る戦乱……装甲戦闘車輌から進化したみてーな人型兵器。まったく、親近感が湧いちまって仕方無ぇ」
 |愛機《キャバリア》と共に、荒野に降り立ったチェスカー・アーマライトは眼前で繰り広げられている人型兵器と戦車の闘いを見てニヤリと笑った。
「さて、あたしも仕事をするとしようか」
 救援対象のレジスタンスは今ピンチのようだ。乱戦中に猟兵達とはぐれてしまったのだろう、孤立した状態で戦車隊と戦っている。

「ビッグタイガー、タンクモード」
 内部動力源の出力限界が解除され、戦車形態となったキャバリアが虎のような咆哮を上げる。機体の振動と共に、砂埃が巻き上がった。
 ギャリギャリギャリギャリ……!
 ビッグタイガーはけたたましいキャタピラ音を奏で、ゾルダートグラード軍の包囲網に向かって突っ込んだ。

「なんだアレは!? パンツァーキャバリアか!? 速すぎ――」
『チャージングフォート』を発動したビッグタイガーの速度は時速1万キロを超える。その接近にゾルダートグラード軍が気づいた時には、もうすでにビッグタイガーはカサブランカ機のすぐ近くまで接近していた。おまけにビッグタイガーが巻き起こした砂煙が戦場に立ち込め、戦車隊は大混乱だ。
「ついでに発煙弾もオマケだ」
 チェスカーはさらに発煙筒をカサブランカの近くに投げ込む。すぐに白煙が吹き出し、カサブランカの機体を覆い隠した。
 ピピピ……。
 その時、チェスカーは白煙を貫き、カサブランカの機体にレーザーサイトが照射されるのを視界の端で捉えた。

「チッ! ミサイルか?」
 チェスカが己の機体をカサブランカと伏兵の間に割り込ませようとしたその時だった。
 ドンッ!
 |彼方《かなた》から飛来した砲弾がカサブランカ機に狙いを付けていた戦車を爆砕した。驚いた二人が弾が飛んでいた方角を見ると、岩山の上にパンツァーキャバリアらしきマシンが堂々と立っているのが見えた。
「どうやら、あんなところにもあんたのファンがいたようだね」


「やれやれ……前は敵もだったが、今は味方のキャバリアもバケモンだな。あいつ等ほどじゃないけど、俺もキャバリアで援護させてもらうぜ」
 カサブランカ達への砲撃支援を成功させたジャドス・ジャンジダはぽつりと呟いた。何の因果か、カサブランカの支援に現れた猟兵は全員がキャバリア乗りだ。おかげで戦場はちょっとしたキャバリアの見本市となっている。

(ゾルダートの奴らをぶっ壊すってのもあるが、俺は勇敢な女ってのは好きだからな。最後まで諦めず抵抗する姿勢ってのも気に入った。俺が戦場で暴れる理由は揃ったってこった)
 ジャドスのユーベルコードの力を受け取ったグラオザームは既に固定砲台モードへと変形している。この形態では移動はできなくなるが、攻撃力と射程距離は跳ね上がる。本来ならあり得ないほど遠くからオブリビオンの戦車隊を攻撃できたのも、このユーベルコードの力である。

「どこだ!? さっきから撃ってきているヤツはどこにいる!?」
「あの岩山の上からです!」
「なんだと!? あんな所から攻撃が届くものか!」
「しかし、実際に届いています!」
「おのれぇええええ!!」
 戦車の主砲の射程距離を優に上回る遠距離から、グラオザームは主砲、バズーカ、ガトリング砲の三種を雨あられと打ち込んでいった。


「逃げるも死ぬもアンタの自由だ、好きに選びな」
 カサブランカの答えは聞かず、アクセルをベタ踏みするチェスカー。しくじれば遥か彼方までぶっ飛んでしまう超加速を無理矢理制御し、チェスカーは包囲網を作っている戦車隊の一角へと|吶喊《とっかん》した。
「ブチかませ、ビッグタイガー!」
 チェスカーは戦車隊とすれ違うようなコースで走行し、側面のパイルを片方だけ地面に突き立てた。慣性で強引にスピンターンを決めたチェスカーは、横滑りする機体を戦車にブチ当て、ビリヤードの如く戦車隊をまとめて吹き飛ばした。

「この喧嘩は私のものだ! 途中で降りるつもりなんてない!」
「動くつもりも逃げも避けもしねぇ、俺かお前らがくたばるかの勝負だ!」

 ひっくり返っている戦車に対し、カサブランカとジャドスがトドメを刺していくのが見えたチェスカーは、再びニヤリと笑う。
「立てねー戦車に用は無ぇ。サッサと尻尾巻いて撤退しな、クソッタレ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『地獄の塹壕戦』

POW   :    積極的に攻撃を仕掛ける

SPD   :    敵の潜んでいそうな箇所を探す

WIZ   :    敵の作戦を読み、その裏をかく

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「くそ、あいつら強すぎる! 止むを得ん! 撤退だ!」
 戦車部隊を壊滅させられたゾルダートグラード軍の歩兵は丘を捨て、後退していった。生き残った歩兵達は、すでに軍によって制圧済の街の中に逃げ込んだようだ。

「くそっ……街中に逃げ込むなんて。……キャバリアで暴れたら街の人達にも被害が出そうだな」
 カサブランカはキャバリアを降り、拳銃を隠し持って街へと向かっていく。

「ゾルダートグラード軍の奴らは街の中に潜みながら、追撃に来た私達を奇襲する機会を伺っているはず。どこで戦闘になるか分からないから、気を付けて」
 街の住民の大半はオブリビオンではなくこの世界の原住民だ。猟兵達は住民に被害が出ないように配慮しながら、オブリビオンの残党狩りをしなければならない。
チェスカー・アーマライト
ケッ
住民を盾に取ったつもりかよ、面倒くせー
そんな程度で|猟兵《あたしら》が止められると思うなよ

あたしも機体から降りるぜ
ひっくり返ってる戦車共から適当に1台見繕って
スタンディングモードにしたビッグタイガーと協力して元に戻すぞ
足回りだけ軽く整備してやったら
そのままあたしが乗り込む
愛機のコクピットも戦車がベースなんで操縦自体は難しく無い
遅れて市街地に逃げてきた友軍のフリをするぜ
ビッグタイガーはちっと離れて付いて来い
油断してノコノコ出てきた所を一網打尽だ
一応、誤射しねーように
ガトリングは背面のハンガーに仕舞っとけ
短射程のパルスマシンガンをメインで使うぞ
(ビッグタイガーがサムズアップで応える)




「ケッ。住民を盾に取ったつもりかよ、面倒くせー。そんな程度で|猟兵《あたしら》が止められると思うなよ」
 チェスカー・アーマライトは機体から飛び降りると、地面に|唾《つば》を|吐《は》いた。そして、横転したまま放置された戦車の一台へと歩み寄る。
「ビッグタイガー、スタンディングモード。こいつを起こすのを手伝え」
 チェスカーの命令に応え、ビッグタイガーは人型キャバリアモードになると、|主《あるじ》の近くに寄って来て、横転した戦車を両手でがっしと掴んだ。
「よし、起こせ。そのままそっとだ。……いいぞ。そこでいい」
 チェスカーは無事に起こした戦車に歩み寄ると、足回りだけ軽く整備し、ビッグタイガーにハッチをこじ開けさせて中へと乗り込んだ。
「……よし、ビッグタイガーとだいたい一緒だな」
 幸いビッグタイガーも戦車がベースのキャバリアだった為、コックピットの仕様は概ね同じだった。普通に走らせるぐらいなら難しくはなさそうだ。
「ビッグタイガーはちっと離れてついて来い。一応、誤射しねーようにガトリングは背面のハンガーに仕舞っとけ」
 チェスカーは人型キャバリアモードのままのビッグタイガーに命じると、歩兵達が逃げ込んだ街へと戦車で向かった。
 キャリキャリキャリキャリ……。
 チェスカーは速度を落とし、堂々と街の入口に停車した。遅れて逃げてきた友軍のフリをして歩兵をおびき寄せる作戦だ。街の住民達は遠巻きにチェスカーの戦車を眺めていたが、しばらくすると、軍服を着た数人の男達が戦車に近づいて来た。

「その戦車のパイロット! 聞こえるか? 返事をしろ!」
「ハッ! ノコノコ出てきやがったな! やれ! ビッグタイガー!」
「なにっ!? ぐわあああああ!」
 ギュイイイイン!
 コックピットの中からチェスカーが叫ぶと、隠れていたビッグタイガーがパルスマシンガンを連射し、軍人達をあっという間に皆殺しにした。もちろん、住民には被害は出ていない。
「よくやった、ビッグタイガー」
 ハッチから顔を出したチェスカーが声をかけると、ビッグタイガーはサムズアップで応えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャン・ジャックロウ
はん、俺の部下がキャバリアに乗ってる10人だけだと思ってんじゃねえよな?
【野良犬部隊】歩兵班集合ッ!

諸君、これより我等はゾルダートグラード軍の奴らを殲滅し、この街を解放する作戦を開始する。
我々の正義でこの街を救うのだッ!!
…建前はこんな感じでいいな?
さあ、楽しい残党狩りを時間だ。街の隅で脅えてる奴らに群れた野良犬の恐ろしさを教えてやろう。

歩兵の数に物を言わせた制圧戦を展開だ。俺は銃剣担いでカサブランカの嬢ちゃん近くでのフォローしながら気配感知で敵を発見して潰していく。
戦局は逐一『無線機』で把握していくぜ。継地点要らずの万能通信機、異世界の技術はまったく素晴らしいなッ!


【アドリブ歓迎】




「はん、俺の部下がキャバリアに乗ってる10人だけだと思ってんじゃねえよな? 『野良犬部隊』歩兵班集合ッ!」
 街中でカサブランカと合流したジャン・ジャックロウが号令をかけると、アサルトライフルで武装した歩兵の|中隊《カンパニー》が召喚された。その数、実に総勢204名である。カサブランカは突然の大軍の登場に目をぱちくりした。
「こいつら、全部、脱走兵? このガラの悪そうな連中はみんなあんたの部下?」
「おう」
「隊長、ご命令を!」
「諸君、これより我等はゾルダートグラード軍の奴らを殲滅し、この街を解放する作戦を開始する。我々の正義でこの街を救うのだッ!!」
「「サー・イエス・サー!」」
 ジャンの号令に敬礼する歩兵達。だが、その服装はバラバラだった。そりゃそうだ。ここに集まっている獣人達は、みなゾルダートグラード軍の脱走兵なのだから。

「……建前はこんな感じでいいな? さあ、楽しい残党狩りを時間だ。街の隅で脅えてる奴らに群れた野良犬の恐ろしさを教えてやろう」
(建前なのかよ! ガラの悪そうな連中だとは思ってたけど!)
「「うおおおおお!」」
 雄叫びを上げながら、野良犬部隊は街へと突撃していく。数にものを言わせ、潜伏していたゾルダートグラード軍の歩兵達を発見した野良犬達は容赦のない攻撃で歩兵達を制圧していった。一兵あたりの戦力自体は敵とほぼ互角なのだが、ジャンの部下達は数の多さで敵を圧倒していたのだ。

「そこに隠れてやがるなッ!」
 ジャンは突然、銃剣の刺突で路上の片隅に置かれていたダンボールを突いた。すると、短い悲鳴がして箱の隙間から血が垂れてきた。段ボールをどけてみると、ゾルダートグラード軍の歩兵が死んでいた。
「今の……よく気付いたな」
「気配でなんとなくな」
 ジャンはカサブランカにウインクした。
 ……。
『北西の地区、制圧完了ッス』
「おう、そのまま待機だ」
 異世界で大量購入したスマートフォンで部下達と密に連絡を取り合い、ジャンは街中の戦況を把握していた。
「中継地点要らずの万能通信機、異世界の技術はまったく素晴らしいなッ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

メサイア・エルネイジェ
わたくしも探しに参りますのよ〜!
ヴリちゃんはそこでお待ちになってて?

この人の中から探すのは至難の業ですわ…
せめて善良な市井の皆様が大人しくして頂ければよろしいのですけれど…
閃きましたわ!
無限ストロングチューハイ!
こちらをだばーっと垂れ流して皆様に飲んで頂きますのよ!
因みにお口から出ますわ!オエー!
すると皆様べろんべろんで立つ事さえままなりませんわ!
立てたとしても泥酔状態で撃った鉄砲など当たりゃしませんわ〜!
最早奇襲どころではございませんわ〜!
これでゾルダートグラードの兵だけをゆっくりお処刑出来ますわ!
カサブランカ様〜!脳天に鉛玉をぶち込んで差し上げるとよろしいのですわ〜!




「わたくしも探しに参りますのよ〜! ヴリちゃんはそこでお待ちになってて?」
 メサイア・エルネイジェはキャバリアに待機を命じると、街に入っていったカサブランカの後を追った。しばらく探すと、こちらに気付いたカサブランカの方から寄って来た。

「この人の中から隠れているオブリビオンを探すのは至難の業ですわ……せめて善良な市井の皆様が大人しくして頂ければよろしいのですけれど……」
「軍の支配に納得している人は少ないはず……だけど、私みたいに反抗的なヤツは稀だと思う。殺されるからね」
 既に猟兵と交戦中の歩兵もいるが、歩兵達の中にはいまだに隠れている者も多い。一体でも残すと住民の安全確保に関わる為、猟兵達がここで歩兵を全滅させる方針である。メサイアはしばらくウンウン唸った後、ポンと手を叩いた。

「閃きましたわ! 『無限ストロングチューハイ』で行きますわ!」
 メサイアは叫ぶと、おカバンから優雅な仕草で一本のアルコール飲料を取り出した。
「なにそれ? ジュース?」
「お酒ですわ~! カサブランカ様はちょっと離れていて下さいませ~!」
「いいけど……」
 カサブランカは物陰に退避し、メサイアの様子を見守る。カサブランカはチューハイのフタを開け、おもむろにチューハイをごくごくと飲み始めた……!
 メサイア、仕事中に理外の飲酒……! 無法……! まさに神をも恐れぬ無法……!

「ありがたいですわ! 犯罪的ですわ! 美味しすぎますわ! お身体に染み込んできやがりますわ!」
 グビグビと喉を鳴らし、美味しそうにチューハイを飲み干すメサイア。昼間から酒を飲み始めたメサイアの奇行に、住民達の注目が集まるのは自然の摂理であった。

「かかりましたわ! こちらをだばーっと垂れ流して皆様に飲んで頂きますのよ! オエー!」
 メサイアの口からマーライオンの如く、アルコール度数9%の酒が大量に放出され始めた。びちゃびちゃと住民達にアルコールがかかり、酒気が周りにいた住民達に伝播し始める。アルコール度数9%の酒が周り、住民達はたちまち泥酔状態となった。その騒ぎはすぐに街に隠れていたオブリビオン達にも伝わった。

「隊長! 酒を吐きながら暴れている猟兵がいます!」
「ちょっと何を言っているのか分からんが、チャンスだな!? 撃ち殺しに行くぞ!」
 オブリビオンの歩兵はメサイアを射殺すべく寄って来た。しかし、オブリビオン達も発砲前に酒気を浴びてしまい、みんな泥酔状態となってしまった。

「カサブランカ様〜! 泥酔状態では銃なんて撃っても当たりゃあしませんわ~! 脳天に鉛玉をぶち込んで差し上げるとよろしいのですわ〜!」
「無茶苦茶じゃない……!」
 離れた所にいたカサブランカは物陰に隠れたまま、パンパンと|軍服《オブリビオン》達を射殺していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャドス・ジャンジダ


UCで夜の森の神に変身する。

奴らが占領した街か。
女と酒を好き放題しやがって羨まけしからん!

待ち伏せや地形の利用で戦うだけならマシで、住民に盾にしたり、爆弾を括り付けて放ったり、わざと騒ぎを立て逃げ惑う住民で俺らの足止めをして街ごと、ドンッ。
なんてやりかねない連中だ。

そうなる前に各個撃破、さっさと潰して回るぞ。
陰から陰に静かに素早く移動して、気配と聞き耳、後は勘で敵を見つけ次第、悲鳴をあげる間も無く爪で仕留める。
それとガスが漏れて住民がパニックになるのを避けるため、タンクじゃなくて首か胴体を狙うぜ。

纏めて相手する場合、こっちも隠れるのをやめて派手に敵をぶち撒けてくれるわ!


夢幻・天魔
◎(厨二ならば何でもOK)

ククク……言っただろう、俺は最強の兵士(※妄想)だと
塹壕戦だろうがお手の物だ
そうだな……あれは第56の世界、第4次ダイナミックウォーの序盤だったか
塹壕に籠る敵軍へと短期突撃を仕掛けた俺は……
(妄想を語りまくって『異世界で取った杵柄』発動!)

……さて、それでは行くか
(割と素人っぽい動きで塹壕に突入、適当に攻撃。すべてはユーベルコード頼りである)

フハハハハハ!!!
貴様らの動きなど全て読めているぞ!
(※ユーべルコードのおかげ)




「ここが奴らが占領した街か。女と酒を好き放題しやがって|羨《うらや》まけしからん!」
 ジャドス・ジャンジダは「悪の帝国に占領した街のイメージ」を妄想し、|憤慨《ふんがい》していた。実は、違う意味でもこの街は女と酒のせいで大変なことになっていたのだが、今街に到着したばかりのジャドスがそれを知るはずもない。

「ククク……街中に逃げ込むとはな。どうする、ジャドスとやら」
 街の近くで合流した夢幻・天魔がジャドスへと問いかける。
「|二手《ふたて》に分かれよう。待ち伏せや地形の利用で戦うだけならマシで、住民に盾にしたり、爆弾を括り付けて放ったり、わざと騒ぎを立て逃げ惑う住民で俺らの足止めをして街ごと、ドンッ。なんてやりかねない連中だ。そうなる前に各個撃破、さっさと潰して回るぞ」
「心得た。では俺は陽動を引き受けよう。街の入口で暴れて歩兵達を釘付けにする。ジャドス、お前は騒ぎに乗じて兵士達を殺して回ってくれ」
「分かった。死ぬなよ」
「お互いにな」
 作戦が決まった天魔とジャドスはそれぞれ別の方角から、街へと入っていった。


「我が名は天魔! 異世界より来たりし、最強の兵士だ! 始まりの世界のオブリビオン共よ、我が神威の前にひれ伏すがいい!」
 天魔は街の入口で、ポーズを取りながら堂々と名乗りを上げた。すると、続々と天魔の周りにゾルダートグラード軍の歩兵達が集まってくる。
「ノコノコ出てきたな! 言っただろう、俺は最強の兵士だと。最強故、市街地戦だろうが|塹壕《ざんごう》戦だろうがお手の物だ。そうだな……あれは第56の世界、第4次ダイナミックウォーの序盤だったか。塹壕に籠る敵軍へと短期突撃を仕掛けた俺は……」
 |妄想《そんざいしないきおく》を語り始めた天魔の体に謎の力が|漲《みなぎ》る。ユーベルコード『|異世界で取った杵柄《スペシャルスキル》』が発動しているのだ。

「行くぞ! 塹壕戦の戦い方を教えてやる!」
「塹壕戦だと? ここは市街地だぞ!」
「塹壕ならばここにあるとも! 今用意してやろう!」
 天魔が腕を振り上げると、上空で待機していたAzazelが街の入口にビームを降り注がせた。たちまち街の入口には迷路のような無数の爪痕が刻まれ、即席の塹壕が出来上がった。

「さて、行くか」
「奴が逃げたぞ! 追え!」
 天魔はマントをたなびかせ、塹壕の中へと身を躍らせると、兵士達は慌てて天魔を追いかけてきた。天魔はぴょんぴょんとジャンプし、塹壕から出たり入ったりを繰り返しながら、魔剣で兵士達を切り裂いていく。塹壕戦のセオリーとかガン無視だが、ユーベルコードで身体能力が増強されているので、下級オブリビオンである歩兵風情では手も足も出なかった。
「フハハハハ! なんだ、その程度か! 俺は万を超す兵士相手に、独りで三日三晩戦ったこともある男だぞ!(注:妄想)」


「派手にやっているようだな」
 ジャドスはクマの獣人の姿から、夜の森の神へと変貌を遂げていた。元々、この世界における「クマ」は荒ぶる神として恐れられていた存在なのだ。

(――感じる)
 神となったジャドスは五感で世界を捉え、陰から陰に静かに素早く移動し、兵士達へと忍び寄る。首尾よく己の間合いにまで踏み込んだジャドスは、太い腕を振り上げ、背後から一撃で兵士の首の骨をへし折った。ジャドスは近くにいた兵士が異変に気付くよりも早く飛び掛かり、背中から心臓を貫いた。悲鳴を上げる暇も与えることなく、一瞬で二人の兵士を始末したジャドスは、再び建物の影へと体を滑り込ませた。しばらくして、味方が死んでいることに気付いた兵士が大声で騒ぎ立てたが、すでにジャドスはその場を離れた後だ。
 天魔が(妙に素人くさい動きで)大暴れしているおかげで、兵士達は浮足立っている。神の階梯に足を踏み込み、あらゆる感覚が強化された今のジャドスにとっては、その気配を読むことなど造作もなかった。建物の裏などの死角にいる相手の位置さえも、その呼吸音や匂いが教えてくれる。

「また、一人」
「ヒィッ……!」
 ジャドスは兵士の首を落とさんと腕を振り上げる。運悪く振り向いてしまった兵士が最後に見たものは、二本足で立つ、血で濡れた巨大な肉食獣の姿だった。
「ば、け、も……」
 ゴトリ。ボウリングの球ほどの重さの何かが、地面に落ちる音がした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アルマ・アルカレイト
クイックドロウ…素早く放つ

錬金術…凍結攻撃の弾丸を錬成

属性攻撃…刹那の無限回転発動

爆破+蟲使い+迷彩…自身と蟲達の姿を消して探索する

さあ!来なさい!蟲!
爆破攻撃する蟲達を呼び出し探索させる

おおっと…ここが怪しいわね…
私は目立たない工場を見つけて入る事にするとオブリビオンの残党がいたのでヘルパーとディアブロから弾丸を放つ
敵の背後に回り込み、はぁいジョージィと言い
敵の顔面をぶん殴る

同時発動UCはフラスコの赤き蠍『バジリスクタイム』で増殖と猛毒を持っているバジリスクタイムもオラオラのラッシュで残党をぶん殴っていた

爆破攻撃する蟲達によって見つけた場所に行ってさっきと同じように敵をぶん殴り蟲達は爆破した




「ここね。気付かれないように入らなくちゃ」
 アルマ・アルカレイトは未だゾルダートグラード軍の歩兵達が潜伏している街を遠目に観察した。街の入口には兵士達の姿は見えないが、入口が見張られている可能性は低くはないだろう。猟兵が追ってきていることはもう向こうも分かっているはずだ。

「さあ! 来なさい! 蟲!」
 アルマが銀色の蟲笛を吹くと、虫籠の中からたくさんの蟲がわらわらと飛び出してきた。アルマは蟲達をバリヤーのように身に纏い、光学迷彩代わりにして姿を隠し、街へと入っていく。

「おおっと……ここが怪しいわね……」
 アルマは街の片隅にあった小さな工場の前に立っていた。工場はひっそりとしており、稼働している気配はない。アルマはフラスコの生命体である赤き蠍を解き放ち、中を探索させることにした。

 ダダダダダダン!
「なんだこいつらは!? 撃ち殺せ!」
 すると、中から機関銃の発砲音と怒号が聞こえた。一般人が機関銃で武装しているはずもないので、この中にいるのはオブリビオンで間違いないだろう。アルマはすぐさま蟲に爆破指令を送る。すると、ドカンドカンと中から爆発音が聞こえた。アルマは混乱に乗じて二丁のガンナイフを構え、工場の中へと侵入していく。

「さあ、出なさい」
 工場に侵入したアルマはこっそりとフラスコ生命体・赤い蠍『バジリスクタイム』を解き放った。猛毒を持つ赤い蠍はあっという間に増殖し、工場であちこちで踊り始めた。
 ダンダン!
 錬金術で凍結する弾丸を錬成したアルマは、刹那の無限回転を加えて弾丸を撃ち出す。撃たれた歩兵は一瞬で氷結した後、バラバラに砕け散った。

「はぁいジョージィ」
 兵士の背後に回ったアルマは後ろから兵士に声をかけた。
「誰だ!?」
 アルマは振り向いた兵士の顔面をすかさずぶん殴った。
 ドドドドドドドドドド!
 増殖していた赤い蠍達もそれぞれが兵士達にラッシュを叩き込み、工場のあちこちで火の手が上がる。アルマは兵士達の最期を見届け、爆破炎上する工場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
POW重視
他の猟兵との協力可

街へ逃げればわらわ達が手を引くと思うてか?
袋の鼠じゃぞ

「各自幻惑の術を用いて変装すべし。挙動が怪しい者は遠慮なく密殺せよ」
街から離れた場所よりUC「幻想狐武隊」発動
132名の女狐のくのいちに街の人間に変装させ斥候として街に放ち、
街中に隠れている敵歩兵の索敵と人通りの少ない場所まで誘導しての密殺を命ず
わらわも女狐達の報告をすれ違いざまに聞き取りつつ、
街の広場で異国の旅芸人を装っての舞を披露(ダンス、パフォーマンス併用)
この身を敵の釣り出しに使う

敵が奇襲を狙う時はこちらが油断しておる時であろうが敵の方も油断が生じるであろう
女狐達にはその隙を狙うてもらうぞ




「街へ逃げればわらわ達が手を引くと思うてか? 袋の|鼠《ねずみ》じゃぞ」
 鍋島・小百合子は闘志を|滾《たぎ》らせ、歩兵達が逃げ込んだ街を睨み付けた。だが、すぐには街に入らず、街から少し離れた場所で援軍を呼び寄せることにした。

「我はこんこんと共鳴するは惑わす狐の群れ……参れ! 『|幻想狐武隊《アヤカシタユタウキツネノヨウヘイタチ》』」
 小百合子の呼びかけに応え、|幽世《かくりよ》の妖狐を再現した132名の女狐くの一達が召喚された。
「小百合子様、ご命令を」
「各自幻惑の術を用いて変装すべし。挙動が怪しい者は遠慮なく密殺せよ」
「心得ました」
 くの一達はこの世界の街の人間に幻術で住民の服装を模倣し、斥候として街へと潜り込んでいく。街の住人は獣人なので、妖狐達なら違和感なく溶け込めるだろう。もっとも、幻術を使用しているので人間の里でも特に問題はないだろうが。小百合子も何名かのくの一と組んで異国の旅芸人を装い、街の中へと入っていった。

「小百合子様、この近くに十人ほど、潜んでいるようです」
「心得た。ではわらわが囮となり、釣り出す。始末は任せる」
「御意」

「わらわ達は日ノ本の国の旅芸人じゃ。どうぞ、我らの舞をご覧あれ」
 街の広場に陣取った小百合子は、敵兵をおびき出す為、日本舞踊を披露した。妖狐の楽団が奏でる旋律に合わせ、小百合子とバックダンサー達は雅《みやび》に舞う。

「ほう、異国の旅芸人か、珍しいわい」
「こんな時に、芸人が……? 兵士達が騒がなきゃいいが……」
 住民達は遠巻きに小百合子達の舞を見つめている。既に歩兵と猟兵の交戦が始まっているため、近くで観察しようという勇気のある者はいなかったが。そして、野次馬の影に隠れ、小百合子を暗殺しようとする歩兵達も動き出しつつあった。

「我らを誘い出すつもりか? そうはいくか。スナイパー、合図をしたらやれ」
「了解」
 歩兵の暗殺部隊は小百合子に近づかず、遠距離から狙撃する作戦の準備を着々と進めていた。
「よし、今だ、撃――が!?」
 しかし、大量の斥候を街に潜り込ませていた小百合子の方が一枚上手だった。小百合子に近づかず、遠距離から射殺しようとしていた歩兵達の動きは、幻想狐武隊には筒抜けだったのだ。小百合子を狙っていた歩兵達は妖狐の不意討ちを受け、全員、自分達が逆に暗殺されてしまった。

「小百合子様、始末しました」
「うむ、よくやったのぅ。獲物を狩ろうとする瞬間こそ、どんな者にも隙が生じるものよ……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

レヴィア・イエローローズ
併用UC…オルクス・モルトゥス、索敵モード
災魔十属性の魔導蒸気機関のUCと併用して『戦闘にすらならない下位オブリビオンを探し出す』能力を持つ魔導蒸気機関と共に精神感応発動

町中に潜伏するゾルダートグラード軍の兵士を千里眼で探し出し、精神感応を発動
自決なさい、獣人に迷惑がかからないように

そう言って見つけ出したゾルダートグラード軍の兵士を自決させていき、始末していく

運良く掻い潜ってわたくしに襲いかかっても…
不敬罪で大逆罪よ、問答無用で死刑だわ
精神感応で動きを止め、自害させる

後はこの制圧下の住民を保護する下準備をしないと
こういうのも大事でしょう?




「オルクス・モルトゥス、索敵モード。『戦闘にすらならない下位オブリビオン』をターゲットに指定。我が黄色に応じて開花せよ、羨望の深淵。それは精神ある存在に銘ずる絶対遵守の命令。それは正に王たる者の資格である。『|黄薔薇開花・王位持つ者の絶対命令権《イエローローズ・アブソリュートコンプライアンス》』。――我が黄色に応じて開花せよ、羨望の深淵。それは複合した災魔十属性に応じて組み上げられる魔導蒸気機関。その完成を以て蒸気の果てを見る。『|黄薔薇開花・大魔王式魔導蒸気機関《イエローローズ・オーバーロードドライブ》」
 レヴィア・イエローローズは二つのユーベルコードを併用し、街へと|精神感応波《サイコウェーブ》を放った。|災魔十属性《黄金・楽団・獅子・王者・脳・眼・涙・性欲・死・君主》の力を宿す異界の魔導蒸気機関は街に潜伏している歩兵達を見つけ出し、オブリビオン達を洗脳し、レヴィアの下僕へと変えていく。

「自決なさい、獣人に迷惑がかからないように」
 パンパン。
 レヴィアの洗脳を受けたゾルダートグラード軍の兵士達は自ら銃を頭に押し当て、次々と自決していった。レヴィアは機械が探知したオブリビオンの気配を辿りながら、街をうろつき、次々と兵士達を物言わぬ骸へと変えていった。

「てめぇ、猟兵だな! 死ねぇ!」
 突然、民家の屋根の上から銃剣を構えた兵士が降ってきた。歩兵の中でも特に優れた力を持つエリート兵士だったのだろう。レヴィアの精神感応波の影響を免れたようだ。レヴィアは兵士の奇襲をひらりと躱すと、|掌《てのひら》を兵士へと向けた。
「不敬罪で大逆罪よ、問答無用で死刑だわ」
 兵士へと精神感応波が飛ぶ。至近距離で感応波を浴びた兵士は|流石《さすが》に今度は抵抗できず、レヴィアの傀儡へと堕ちた。
(死になさい)
「レヴィア王女、バンザァーイ!」
 声に出して命じるまでもなく、歩兵は拳銃で自らのこめかみを撃ち抜き、果てた。街を一周し、オブリビオンが全滅したことを確認したレヴィアはぽつりと呟く。
「さて……後はこの制圧下の住民を保護する下準備をしないと。こういうのも大事でしょう?」

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 集団戦 『爆撃機型パンツァーキャバリア』

POW   :    オートガトリング
レベルm半径内の対象全員を、装備した【両腕部から飛び出すガトリング砲】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
SPD   :    キャバリアダイブ
【プロペラ飛行】によりレベル×100km/hで飛翔し、【機体重量】×【速度】に比例した激突ダメージを与える。
WIZ   :    爆撃機編隊
レベル体の【量産型パンツァーキャバリア】を召喚する。[量産型パンツァーキャバリア]はレベル×5km/hで飛翔し【地上掃射ガトリング砲】で攻撃する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 街に潜伏していた歩兵の残像兵力は猟兵達によって全員始末された。しかし、歩兵達は全滅する前に、本国に援軍を要請していた。猟兵達はけたたましいサイレンの音と共に、無数の爆撃機型パンツァーキャバリアが街へと飛来する姿を目撃した。

「あれは、爆撃機型パンツァーキャバリア! 地を這うパンツァーキャバリアを一方的に蹂躙する|戦車殺し《タンクキラー》だ! ゾルダートグラードの奴ら、戦車部隊が全滅したのを知って、精鋭部隊を送り込んで来やがった!」
 カサブランカはその忌まわしき音を聞き、歯ぎしりをした。あのサイレン音は空襲警報の音を模したもの。敵に威圧感を与える為、わざわざ敵がステルス性を度外視して取りつけているオプションである。その効果は絶大で、街はすっかり|集団恐慌状態《パニック》になっていた。

「ここで戦ったらこの街は火の海になる! 荒野に奴らをおびき出して! 私は街の人達を避難させる!」
 空中戦に対応できないカサブランカは、猟兵達が歩兵との戦いの際に呼び出していた仲間や部下達と協力し、暴徒を抑えつつ、住民の避難を促すつもりのようだ。猟兵達が街の外で陣取っていれば、敵も恐らく街には向かわず、猟兵達の方へと襲ってくるだろう。遮蔽物に乏しい荒野での戦いは地形的には不利だが、猟兵達に有利な点もある。それは、周辺への被害を気にすることなく、思いっきりやれるという点だ。

「さて、諸君。戦闘開始だ。我らのサイレンこそ、死神のラッパであることを愚かな反逆者達に思い知らせてやろうではないか」
「ヒヒヒッ! 少しは骨のある連中だと良いんだがなぁ! 雑魚キャバリアをすり潰すのはもう飽きたぜ!」
「戦車隊を数十分でスクラップに変えた連中だぞ。油断はするな。必ず|三人小隊《スリーマンセル》で挑め」
「「了解」」

 激しい闘いが始まろうとしていた。
レヴィア・イエローローズ
成程、戦車やパンツァーキャバリアには空爆をね
確かに理にかなった戦術ね

だけど、今のわたくしは猟兵
『生命体の埒外』に、その常識が通用するとは思わない事ね

王国軍騎兵師団、巨人型部隊
対空戦闘用ジャイアントキャバリアで残さず爆撃機と投下された爆弾を薙ぎ払いなさい

そう言って1万1400名のジャイアントキャバリア部隊が現れ、対空戦闘熱線兵装や空中誘爆波動等で接近する前に撃墜していくわ

特に強力な十数m級を複数体傍に控えさせ、わたくしは指示を出しながらUCを精密操作してジャイアントキャバリア部隊の兵装をアップデートしていくわ

行きなさい、我が騎兵達よ
歯車の超大国の前に、鋼鉄の超大国の思惑を打ち砕きなさい!



●亡国の黄薔薇姫
「成程、戦車やパンツァーキャバリアには空爆をね。確かに理にかなった戦術ね」
 空からやってきたプロペラ付きのキャバリア達を見上げ、レヴィア・イエローローズは呟いた。高い汎用性を持つとはいえ、戦車をベースとしているパンツァーキャバリアは基本的には陸戦兵器である。上空から一方的に攻撃できる爆撃機とは相性が悪い。
「だけど、今のわたくしは|猟兵《イェーガー》。『生命体の埒外』に、その常識が通用するとは思わない事ね」
 レヴィアは不敵に笑うと、|理を捻じ曲げるべく《ユーベルコードを発動するべく》、呪文を詠唱した。
「我が黄色に応じて開花せよ、羨望の深淵。それは巨人を駆る我が王国の騎兵の騎士。我が王権の元に集い運命に抗え。『|黄薔薇開花・王国軍騎兵師団巨人型部隊《イエローローズ・オルデンタイプジャイアント》』」
 その瞬間、まばゆい閃光と共に鉄の巨人の大軍勢が現れ、荒野を埋め尽くした。その数、約一万四千-―。突然一個師団級の戦力が出現するなどとは、予想できるはずもない。

「王女陛下、ご命令を」
「王国軍騎兵師団、巨人型部隊。残さず爆撃機と投下された爆弾を薙ぎ払いなさい」
「承知しました!」
 イエローローズ王国王位継承権第三位たるレヴィアが命じると、黄薔薇の騎兵達は一斉に空に向けて対空兵器を向けた。レヴィアは特に強力な大型の巨人数体を|近衛《このえ》に付け、レヴィアは自ら最前線に立ち、軍団の指揮を執る。
「行きなさい、我が騎兵達よ。|歯車の超大国《クロックワーク・ヴィクトリア》の前に、|鋼鉄の超大国《ゾルダートグラード》の思惑を打ち砕きなさい!」
 ドドドドドド!
 レヴィアが号令をかけると、亡国の騎兵達は空から来る敵に向け、一斉に熱線や波動砲を放った。編隊を組んで荒野へと近づいてきていた爆撃機型パンツァーキャバリア達は空を覆うほどの対空砲火の弾幕を避け切れず、次々と爆散していく。術者であるレヴィアを狙い、ユーベルコードで特攻を仕掛けてくる者もいたが、巨人達に守られたレヴィアまではその牙は届かなかった。

(あと10秒……!)
 レヴィアは額から汗を流しながら、騎兵達の弾を補充したり、兵装をアップデートしたりしていく。圧倒的な火力で敵を寄せ付けていないレヴィアだが、一万四千体ものキャバリアを召喚し続けることは、体力を著しく消耗する。しかし、その甲斐あり、爆炎が晴れた時には、爆撃機の編隊は跡形もなく消滅していた。
「先発隊は消せたようね、ご苦労様」
 レヴィアは荒い息を吐き、騎兵達を|労《ねぎら》った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルマ・アルカレイト
錬金術…迷彩を施した凍結弾丸を錬成

クイックドロウ…素早く弾丸や刹那の回転を放つ

属性攻撃…刹那の無限回転発動

迷彩…刹那の無限回転を自身に打ち込み姿と熱が消える

はい、クソッ!
私が死んだ目をして回転を自身に打ち込み消える

バジリスクタイムはUCフラスコの赤き蠍『バジリスクタイム』を発動して熱が消える迷彩を使い消える

…回転を使わずに消えるって羨ましいな
そう呟きながら

同時発動UCで錬金術士奥義『一騎当千』を発動
敵の攻撃に対して素早く凍結の弾丸を放ちバジリスクタイムに乗って回避

動力源を凍らせたら動けないでしょ?
凍った敵に対してUC発動

油断大敵…確実に倒す!
重量攻撃の刹那の無限回転を敵に放ち機体を押し潰した。



●無限と刹那の攻防
 サイレンの音は鳴り止まない。先遣隊が全滅した後も、すぐに爆撃機型パンツァーキャバリアの後続部隊が続々と飛んできた。アルマ・アルカレイトは上空から飛んできた爆撃機パンツァーキャバリア達を見上げ、二丁のガンナイフを静かに構える。
「ハッ! 生身で俺たちとやり合おうってのか!? 粉々にしてやるぜ!」
 爆撃機の一体がアルマへと狙いを定め、体当たりを仕掛けようとした。だが――。
「はい、クソッ!」
 目が死んだアルマは捨て鉢に叫ぶと、パイロットが急降下しようとする刹那、あろうことか、拳銃を自分自身へと向けて引き金を引いた。その瞬間、アルマの姿は弾丸の無限の回転が生み出した穴に吸い込まれるように消え、パイロットはアルマの姿を見失った。
「なんだ!? どこに――」
 その直後、アルマを轢き殺そうとしていたパイロットの機体の制御が突然効かなくなった。コントロールを失った機体は加速がついた状態で地面に激突し、パイロットもろとも大爆発した。

「ジェイコブッ! 気をつけろ! 得体の知れない技の使い手がいるぞ!」
「了解! しかし、レーダーには何も映ってはいませんよ!」
 無限の回転の内側に隠れているアルマは姿だけではなく、熱も消えている。だから、爆撃機達の計器はアルマを観測できない。
「なんだと!? ええい、どこかにはいるだろ! 逃げ場もねーほどに攻撃を打ち込めばいい!」
 爆撃機のパイロット達は勝負に出た。姿が見えないのならば、逃げ場もないほどに攻撃を打ち込めばいい! パンツァーキャバリア達は手あたり次第に爆弾を投下しながら、ユーべるコードで超音速にまで加速。急降下し、地面をかすめるように飛んだ。しかし、まるで手ごたえがない。

「……回転を使わずに消えるって羨ましいな」
 そう呟きながら、アルマは爆撃機に向けて拳銃の引き金を引く。アルマは敵の攻撃をしっかり回避していた。迷彩を|纏《まと》い、熱と姿を消したフラスコの赤き蠍『バジリスクタイム』の背に乗って移動することで、超音速の体当たりから逃れていたのだ。
 ダンダンダンダン!
 アルマの放った弾丸は全て高速移動する爆撃機に命中し、エンジンタンク付近を一瞬で凍結させた。
「動力源を凍らせたら動けないでしょ?」
 先ほど、ジェイコブの機体を葬ったのもこの弾丸だ。ジェイコブ機はアルマを見失って通り過ぎた際、機体の後方に凍結弾を撃ち込まれていたのだ。
「なに!? 機体の制御が効か――」
「油断大敵……確実に倒す!」
 アルマは今度は刹那の無限回転をかけた弾丸を敵へと撃ち込む。弾丸は大気に大きな渦を作りながら飛び、弾丸に乗った超重力を叩きつけられた爆撃機達は、空中でグシャリと押し潰された。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャン・ジャックロウ
ひゃっはっはっ、そんな物まで持ち出すとはやるじゃねえかッ!
こいつは俺も負けてられねえなッ!【野良犬部隊・戦闘機班】発進せよッ!
機関銃で威嚇射撃しながら街の外まで誘導しなッ!
俺はひとっ走りして街の外に置いてきた『グラオザーム』に乗り込んで荒野のいい位置に場所取りしてくるぜ。

荒野に戦場を移したら戦闘機班に機関銃で牽制させながら『戦車砲』の射程距離まで誘き寄せさせるぜ。
そんでもって後は、戦車砲で飛んでる敵をスナイパーよ。
敵がこっちに気が付いて突撃してきたら逃げずに戦車砲で狙い撃つぜ。
そのスピードで砲弾に当たったらどうなるかねぇ?
チキンレースと洒落込もうぜッ!!


【アドリブ歓迎】



●チキンレース
「ひゃっはっはっ、そんな物まで持ち出すとはやるじゃねえかッ! こいつは俺も負けてられねえなッ!」
 ジャン・ジャックロウは高らかに笑った。ついに敵の切り札のお出ましだ。元軍人なら闘争心は|否応《いやおう》無しに高まるというものである。

「『野良犬部隊・戦闘機班』発進せよッ! 機関銃で威嚇射撃しながら街の外まで誘導しなッ!」
「了解!」
 部下達に住民の脱出サポートの指示を出し、ジャン自身は荒野に待機させていた|機体《グラオザーム》へと大急ぎで乗り込み、街の遥か手前で爆撃機を迎え撃つべく、岩山を探した。
「よし、ここだッ! 戦闘機班! 射撃開始ッ!」
 バルルルルル!
 手の空いていたジャンの部下の戦闘機達は爆撃機に向かって機関銃を斉射した。爆撃機パンツァーキャバリア達は巧みに機関銃を回避し、戦闘機達と壮絶なドッグファイトを繰り広げる。
「ふははは! たかが戦闘機の機関砲でキャバリアの装甲を貫けるかよ!」
「いいぞ、そこだッ!」
 バスンッ!
 突然、地上からの砲撃により爆撃機パンツァーキャバリアの一機が爆散した。撃墜したのはジャンのグラオザームだ。ジャンの部下達は囮で、グラオザームの戦車砲こそが本命。爆撃機パンツァーキャバリア達はジャンの射線へと巧みに誘導されていたのだ。獲物を追い立てるのに夢中だった敵パイロット達は、岩陰に身を隠し、地上から狙いをつけているジャンに気づかなかった。
「直撃させるッ!」
 グラオザームの主砲が火を噴くたび、一機、また一機と爆撃機が墜落していく。スナイパーと化したジャンは部下達と連携し、次々と爆撃機を沈めていった。

「この野郎! よくも仲間をッ!」
 ジャンの位置に気づいた敵の機体がユーべルコードで加速し、まっすぐに突っ込んできた。プロペラ機モードに変形した爆撃機キャバリアは莫大な運動エネルギーを|纏《まと》い、ジャンへと突撃していく。ジャンは回避行動はとらず、突進してくる敵機へと主砲を向けた。
「そのスピードで砲弾に当たったらどうなるかねぇ? チキンレースと洒落込もうぜッ!!」
 外せばこちらがバラバラにされる。まさに|土壇場《どたんば》だ。
 ドンッ!
 ギリギリの攻防を制したのは、ジャンの方だった。グラオザームの砲弾に貫かれた爆撃機は空中で粉々に吹き飛び、爆発音が一瞬、爆撃機達のサイレンをかき消した。

成功 🔵​🔵​🔴​

メサイア・エルネイジェ
パラリラパラリラうるっせぇですわね!
ご近所迷惑ですわよ~!
そんなに飛び回れていたら殲禍炎剣に…ってこちらの世界には御座いませんでしたわ…

何も無いお荒野!やりたい放題!
ではアレの出番ですわ!
ヴリちゃん!おチャージ開始ですわ!

それまでお時間を稼ぐのですわ!
あちらが突っ込んできたらイオンサイドブースターオン!
横にささっと躱すのですわ!
躱しきれそうにない時はラージシールドですわ!
角度を付けて構えて受け流すのですわ!
おチャージが終わるまでは回避と防御でじっと我慢ですわ!
因みにわたくし我慢は苦手ですわ~!

いい感じにおチャージが終わりましたらジェノサイドバスターを拡散放射!
一網打尽ですわ~!



●滅亡の千光
「パラリラパラリラうるっせぇですわね! ご近所迷惑ですわよ~!」
 メサイア・エルネイジェは『ヴリトラ』のコックピットに収まり、高貴な身分の者にあるまじき声量で空に向かって吠えた。
「そんなに飛び回れていたら|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》に…ってこちらの世界には御座いませんでしたわ……」
 途中まで言いかけ、ここが異世界であったことを思い出す。ここはクロムキャバリアではない。人類を地上に押し込める衛星兵器、殲禍炎剣は(たぶん)無いのだ。

「ハッハー! 珍しい機体がウヨウヨいやがるな! あの黒いのはなんだぁ!? あれもキャバリアなのか?」
 爆撃機パンツァーキャバリア達の編隊が近づいてきた。メサイアのヴリトラと比べるとずいぶん旧式のモデルに見えるが、あれだけの数の飛行型キャバリアは十分脅威になりうる。メサイアは素早く周りの地形を確認する。街との距離は遠いし、周りには岩と大地しかない。ここなら思う存分暴れられるだろう。友軍の猟兵は……猟兵なので多少の流れ弾ぐらいは問題ないはずだ。
「何も無い! やりたい放題! ではアレの出番ですわ! ヴリちゃん! おチャージ開始ですわ!」
 メサイアの言葉にヴリトラのカメラアイが一瞬強く輝き、ボディの奥深くで温度が急上昇を始めた。

「チャージ完了までお時間を稼ぐのですわ!」
 チャージ中も、敵は悠長に待ってなどくれない。爆撃機の編隊はユーベルコードで超加速を行い、猛スピードでメサイアへと突っ込んできた。メサイアはアンサーヒューマン特有のカンの良さで、接敵より早くイオンサイドブースターを起動させた。相手は超音速だ。目で見てからでは間に合わない。ヴリトラはブースターを吹かせて横にささっと躱し、爆撃機の突進を回避する。
「ちょこまかと!」
 しかし、息をつく暇もなく次の爆撃機が突っ込んできた。今度は躱しきれないと判断したメサイアはヴリトラの腕部にあるラージシールドを引き上げ、衝突に備える。
「ハッ! 盾だと? 盾ごと真っ二つだ!」
 バチチチチッ!
 プロペラ爆撃機の突進を受け止め、ヴリトラの盾から激しく火花が散った。しかし、ヴリトラは粉々になることなく、五体満足で立っている。激突の瞬間、盾の角度を変えることで盾の表面を滑らせ、突進のエネルギーを受け流したのだ。西洋剣術の防御テクニックのキャバリア版である。猛回転するプロペラ相手にそれができるというのは、もはや冗談でしかないが。爆撃機達は複数でヴリトラを囲み、前から後ろから波状攻撃を仕掛けてきた。しかし、メサイアは敵の攻撃を躱し、盾で弾き、猛攻に耐える。

「チャージ完了までじっと我慢ですわ! ああ、耐えられませんわ! 飲みたいですわ!!」
 メサイアは我慢が苦手であった。一瞬頭の中に|邪念《ストゼロ》がよぎるが、今はそれどころではないので、すぐに邪念を頭の中から追い払う。そして、ついに待ちに待った瞬間がやってきた。チャージ完了だ。
「『|滅亡の千光《ジェノサイドバスター》』! 拡散放射ですわ!」
 ギャオオオオオオオオオオオオッ!!
 竜の咆哮のような轟音とともに、極太の荷電粒子光線が発射された。滅びの光線は発射と同時に拡散し、周辺にいた爆撃機をまとめて貫き、爆散させる。たっぷりとチャージに時間をかけただけあり、拡散させても威力は十分だった。
「一網打尽ですわ~! 汚ねえ花火ですわ~!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャドス・ジャンジダ
空を飛ぶキャバリアか。
派手なサイレンまで鳴らしてわかりやすいもんだ。
ならば俺がやることは一つ、障害物の無い広がった空で当たるまで面制圧で撃ち落としてやる。

UC『破滅の世界』を使うぜ。
全部武装解放!
遠距離から一斉射撃、超火力の弾幕で空を覆いつくしてやる。
後の事は考えず初手で、何も考えられないぐらい一気に叩き込む。
この混乱と恐怖に飲まれたら負けだぜ。

なーに、こっちはしくじったら死ぬだけだ。
そんで上手く行けば敵を一気に撃ち落とせる。
勝利のために知恵を尽くして全身全霊、全力を尽くして命を賭ける。
これほど面白いギャンブル、これこそ戦場の醍醐味ってやつだろ!



●デスペラード・ギャンブル
「空を飛ぶキャバリアか。派手なサイレンまで鳴らしてわかりやすいもんだ」
 ジャドス・ジャンジダは街の北西方面の守りについていた。猟兵たちはオブリビオン達のキャバリアを一機も撃ち漏らさぬよう、広範囲に展開している。ジャドスの周りにほかの猟兵はいない。つまり、今この場において頼れるのは自分だけだ。そしてまもなく、ここにも爆撃機の編隊がやってくるだろう。
「ならば俺がやることは一つ、障害物の無い広がった空で当たるまで面制圧で撃ち落としてやる」
 ジャドスはパンツァーキャバリア『ディーコスチ』のコックピットでそう呟くと、ユーベルコードを発動した。
「|全部武装解放《フルバースト》!」
『|破滅の世界《エンド・オブ・ワールド》』を発動させたことにより、ジャドスのキャバリアはフルバースト・モードへと変形した。蛮性が剥き出しになったこの姿こそ、『|野蛮《ディーコスチ》』の名を持つこの機体の真の姿と言えるかもしれない。この形態は火力と攻撃範囲が爆発的に上昇する半面、一切の移動ができなくなる諸刃の剣だ。もし爆撃機キャバリア達の接近を許せば、ジャドスはガトリング砲の雨に晒され、キャバリアもろともバラバラにされるだろう。
「遠距離から一斉射撃、超火力の弾幕で空を覆いつくしてやる」
 狙うのは敵が射程圏内に入ってきた瞬間だ。敵がこちらに気づくよりも、飽和攻撃で殲滅する。
(この混乱と恐怖に飲まれたら負けだぜ。なーに、こっちはしくじったら死ぬだけだ。そんで上手く行けば敵を一気に撃ち落とせる)
 ジャドスは全神経を集中し、エンゲージに備える。やかましいサイレンの音はもう聞こえている。集中するべきは、聴覚ではなく視覚だ。
「勝利のために知恵を尽くして全身全霊、全力を尽くして命を賭ける。これほど面白いギャンブル、これこそ戦場の醍醐味ってやつだろ!」

 雲を切り裂き、爆撃機パンツァーキャバリア達が現れた。数秒後にはキャバリア達はガトリング砲の射程にジャドスを捉えるだろう。
「咆えろ、全てを壊すまで!」
 ジャドスは敵を残らず叩き墜とすべく、ありったけの武装を空へと向けて発射した。数門のガトリング砲、グレネードランチャー、ミサイルポッド、両肩の二連砲、バズーカが火を噴き、|超大国《ゾルダートグラード》の尖兵を撃ち墜とすべく襲い掛かる。
 ――ルーレットが回る。回転する弾倉。引き金が引かれ、撃鉄が落ちる。破滅の目を引いたのは、ジャドスではなく爆撃機のパイロット達の方だった。こちらに接近しつつあった爆撃機達はジャドスの弾幕に晒され、回避が間に合わず残らず撃墜されたのだ。
「へっ。ざまあみやがれ」
 ジャドスは黒煙が立ち込めた空を見上げながら呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢幻・天魔
◎(厨二ならば何でもOK)

ククク……あれが敵の主力か……
(Azazelに搭乗、荒野上空にて敵を待ち受ける)

相手も飛べるようだが……
俺のAzazelの相手ではないな
キャバリアの空中戦くらい、異世界でいくらでもやってきた
百機を超える空戦ロボの守る空中要塞すら撃墜したほどだ
(いつも通りの妄想で『想像は現実を超える』を発動)

ははははは! 止まって見えるぞ!
(ユーべルコードで回避、必要であれば他の仲間に妄想を語り回避能力付与)

これで終わりだ!
(攻撃を外して隙を晒した敵を、魔剣で切り裂く)

ゾルダートグラードもこの程度か
F.O.Nか幻朧帝国あたりなら、俺を楽しませてくれるか?


チェスカー・アーマライト
連携アドリブ歓迎
ハッハァ!
|戦車殺し《タンクキラー》!
また仰々しいのが来やがったな!(超楽しそう)
確かにビッグタイガーの|原型《ルーツ》は戦車
空中戦はお世辞にも得意とは言えねー
だが、結局あたしらのやる事は|一つ《いつも通り》だ
見せてやろーぜ、ビッグタイガー
『Rock'n'roll』(ディスプレイに文章表示)

引き続きスタンディングモード
脚部のパイルバンカーを地面に突き立てて機体を安定させる
両手にガトリング、機体背面にミサイルポッド
砲弾だってたんまり残ってる
後は弾薬が尽きるまで一斉掃射を続けるだけだ
殲禍炎剣なしの空に甘え切ったテメーらじゃダンスの相手にもなりゃしねー
精々吠え面かいてやがれ、ド三流!


鍋島・小百合子
WIZ重視
他の猟兵との連携可

空戦には空戦に長けた兵達で挑むまでぞ
わらわの率し天馬武者達の練度を侮るでないわ!

「敵の機銃に当たらぬよう大空にて天馬を存分に動かし撹乱せよ。全軍!突撃!」
UC「天騎要塞陣」発動
浮遊城塞を召喚しそこより660名の天馬武者を出陣、戦闘知識活用にて指揮
天馬の機動力と小回りの良さを活かしての空中戦を展開させ、投擲用魔槍で敵機を串刺しにするよう命ず
機銃掃射には散開による回避、編隊を組んでの集団戦術を披露
わらわも天馬に騎乗
馬上より長弓に鎧無視攻撃の力纏う矢を番いては天馬武者達の援護射撃を担い、矢の弾幕で敵機部隊の制圧射撃を行う(視力、スナイパー、範囲攻撃併用)

トンボ取りの時ぞ!



●解放のラッパ
「ハッハァ! |戦車殺し《タンクキラー》! また仰々しいのが来やがったな!」
 |愛機《ビッグタイガー》に乗り込んだチェスカー・アーマライトは心底愉快そうに笑った。
「確かにビッグタイガーの原型ルーツは戦車……空中戦はお世辞にも得意とは言えねー。だが、結局あたしらのやる事は|一つ《いつも通り》だ。見せてやろーぜ、ビッグタイガー」
 チェスカーが相棒に話しかけると、コックピットのディスプレイに『Rock'n'roll』の文字が表示された。どうやらビッグタイガーもやる気十分らしい。
 ガシャン!
 ビッグタイガーは脚部に取り付けられていた二本のパイルバンカーを地面に突き立て、大地に機体を固定した。同時に、背面のミサイルポッドを起こす。そして、機体の両腕に装備されている大口径のガトリング砲を構えた。
「敵キャバリア発見! 撃てェーーッ!」
「真っ向からの削り合いならビッグタイガーに分がある。根比べと行こうじゃねーか!」
 けたたましい発砲音が戦場に鳴り響く。銃弾の雨とミサイルの嵐がチェスカーと爆撃機の間を飛び交い、どでかいハンマーで殴りつけられたような強い衝撃がチェスカーを襲った。だが、爆撃機の激しい攻撃に晒されても、迎撃要塞モードとなったビッグタイガーはびくともしなかった。一方、爆撃機達の方は瞬く間に、ビスケットのように穴だらけになっていく。
 ボゥン!
 ビッグタイガーのすぐ近くに爆撃機キャバリアの一機が墜落し、爆炎に晒されても、ビッグタイガーは平然と攻撃を続けた。
「砲弾だってたんまり残ってる。後は弾薬が尽きるまで一斉掃射を続けるだけだ」


「隊長! 空中に何かいます! 恐らくキャバリアです!」
「なんだと!? レジスタンス共も飛行キャバリアを持っていたのか!」
「なんと禍々しい……我らとは明らかに異なる技術体系で生まれた機体のようです」
 ゾルダートグラード軍の前方には、巨大な剣を携えた、禍々しい黒い巨人が宙に浮かんでいた。

「ククク……あれが敵の主力か……」
 Azazelに搭乗した夢幻・天魔は荒野上空にて、敵の到来を待っていた。あと数秒もすれば、プロペラ爆撃機型キャバリア達は天魔の元まで到達するだろう。
「相手も飛べるようだが……俺の『Azazel』の相手ではないな。キャバリアの空中戦くらい、異世界でいくらでもやってきた。百機を超える空戦ロボの守る空中要塞すら撃墜したほどだ。――今回は、空中要塞は味方のようだがな」
 天魔が視線をやった先には、巨大な和風建築の飛行要塞と、天馬に|跨《またが》った女武者達の姿があった。


「空戦には空戦に長けた兵達で挑むまでぞ。わらわの率いし天馬武者達の練度を侮るでないわ!」
 鍋島・小百合子はあえてキャバリアに搭乗せず、生身で戦場に現れた。鮮やかな鎧に身を固め、長弓を構えるその姿は、まさに女武者だ。
「我は招く、羽馬を操り天を征する武者達を集めし不落の城……かかれ! |天騎要塞陣《アマカケルムシャタチノコウシン》!」
 小百合子が叫ぶと、大地に亀裂が走り、空間の裂け目から巨大な城塞が姿を現した。小百合子は城塞の天守閣に仁王立ちし、城塞ごと空へと上昇していく。そして、城塞が迎え撃つ爆撃機と同じ高度に達した瞬間、城塞のあちこちから天馬に|跨《またが》った660体の女武者が現れた。小百合子自身も天馬の一頭に跨り、自ら天馬武者達の指揮を執る。
「なるほどな。数には数で対抗するというわけか」
 天魔はニヤリと笑う。これだけの数の飛行できる戦力がいれば、オブリビオン側の数の優位は完全になくなっただろう。
「うむ。敵の機銃に当たらぬよう大空にて天馬を存分に動かし撹乱せよ。全軍! 突撃!」
 小百合子が号令をかけると、天馬武者達は一斉に突撃を開始した。
「――では、俺も始めるとしよう」
 脳内で映画一本分ぐらいの|イメージトレーニング《もうそう》を終えた天魔は、キャバリアの躯体に|妄想力《ユーベルコード》を溢れさせた。すぐ近くにいた小百合子の天馬武者達の耳にも天魔の(妄想)武勇伝が聞こえたため、天馬達の回避力も一緒に上昇していく。
「行くぞ! Azazelの動きについてこれるか!?」
 Azazelを視界に捉えたプロペラ機たちはユーベルコードを発動し、超音速で天魔へと突進してくる。その莫大な運動エネルギーは、大型ミサイルの火力にも引けをとるまい。
 しかし、|想像は現実を超える《イマジナリー・リアライズオーバー》により、強化された天魔は、超人的な反射神経で爆撃機の軌道を読み、紙一重で攻撃を回避した。
「ははははは! 止まって見えるぞ!」

「なんだこいつらは! 飛行型キャバリアに、空飛ぶ馬だと!?」
「ええい、ちょこまかと! こっちも数で応戦しろ!」
 爆撃機達はユーベルコードで数百機の増援を呼び寄せ、ガトリング砲を乱射した。しかし、もともと小さく爆撃機より小回りが利く上、|天魔のユーベルコード《イマジナリー・リアライズオーバー》で回避力が強化された天馬武者達には機関銃は掠りもしない。
「おのれぇえええ! キャバリアならいざ知らず、時代遅れの馬や弓などに……!」
 歯ぎしりする爆撃機のパイロット。しかし、爆撃機キャバリアのガトリング砲の一斉射撃をもってしても、天馬の一騎すら落とせないという現実があった。
 ドンッ!
 その時、地上からの砲撃音が猟兵達の耳を捉えた。腹に砲弾をぶち込まれた爆撃機は木っ端微塵に吹き飛んだ。爆撃機を貫いたのは、チェスカーがぶっ放したビッグタイガーの主砲だ。
「おっと、あたし達を忘れてもらっちゃ困るぜ」
 Azazelや天馬達に気を取られた爆撃機達はチェスカーの恰好の標的だ。地上からはチェスカーの砲撃に晒され、空中では槍と弓の集中砲火を浴びせられる。オブリビオン達の敗色は時が経つにつれて濃厚となっていった。

「トンボ取りの時ぞ!」
 バシュシュシュ!
 小百合子は長弓を構えると、目にも止まらぬ早さで矢を乱れ撃つ。機関銃もかくやという小百合子の弓術は爆撃機の進路を封殺し、爆撃機達は回避行動を余儀なくされた。
「今じゃ! 串刺しにしてやれ!」
 小百合子が号令をかけると、天馬武者達は魔槍を一斉に投擲した。無数の槍に穿たれた爆撃機は翼をもぎ取られ、次々と地上に墜落していく。

「これで終わりだ!」
 天魔は槍の雨の隙間を縫うようにして指揮官機に近づくと、魔剣の一撃で真っ二つに切り裂いた。
「うおおおおお! ゾルダートグラードに栄光あれぇー!」


「ゾルダートグラードもこの程度か。|F.O.N《フィールド・オブ・ナイン》か幻朧帝国あたりなら、俺を楽しませてくれるか?」
「|殲禍炎剣《ホーリー・グレイル》なしの空に甘え切ったテメーらじゃダンスの相手にもなりゃしねー。精々吠え面かいてやがれ、ド三流!」
「これで、この地にも平穏が訪れるであろう。戦乱の地ゆえ、大本を倒さねば戦は終わらぬであろうが」
「おーい! 凄いな! あんた達! あれだけの数の爆撃機を返り討ちにしちまうなんて!」
 遠くから、カサブランカが尻尾を揺らしながら駆けてくる姿が見えた。こうして、猟兵達は新世界の初陣を華々しく飾ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年03月16日


挿絵イラスト