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【サポート優先】庭師の詩

#アックス&ウィザーズ #戦後 #【Q】

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#【Q】


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。


「こうして完全に油断した竜を、賢い詩人は彼女が愛した花園に封印しましたとさ!」
 ……みたいな英雄譚があってね、と吉川・清志郎(星巡りの旅人・f37193)がくるくる回る。
「皆にはね、エルバの森に向かって欲しいんだ。名前の通り、交易都市エルバの近くにある森なんだけど。実は僕、元々ここの宿を拠点に冒険者やっててさ。その時にこの英雄譚を聴いたことがあったのね」
 清志郎曰く。
 エルバの森の奥には美しい花園がある。
 そこは花と美を愛する竜の庭園。彼女は非常にプライドが高く、竜や彼女の庭を讃えれば上機嫌で饗され、逆に軽んじることがあれば激昂し殺されたという。
 これだけなら自衛のしようはあったが、問題がひとつあった。彼女はそれだけでなく、花園を彩りたいなどの理由で迷い込んだ者を問答無用で捕らえてその命を奪うこともあったのだ。
 だから近隣の人々が森に入る際は、竜の庭へと迷わないこと、迷ったとすれば竜がよからぬことを考えていないことを祈るしかなかった。
 そんな折、旅の吟遊詩人が交易都市の前身であったエルバの町を訪れる。
 彼は好奇心旺盛で、賢くもあった。庭園を見に行くついでに竜を封印してくると言い、入念に準備をして森へと入っていった。
 そうして迷い込んだ詩人を見た竜は、彼の美しい身体に花を咲かせて庭園を彩るオブジェにしようと、嬉々として腕から伸びる鎌を振るった。
 すると詩人は、竜とその手掛けた庭を、詩に乗せて朗々と讃えたのだ。敢えて自分を竜と比べて下げるような言葉まで添えて。
 竜は気をよくして、詩人の詩……と言うよりそのおべっかに聞き入った。もっと褒めろ讃えろと言いたげに、詩の続きを促しさえしたようだ。
 詩人はその要望に応えつつ、密かに弱体化の詩を重ねて聴かせ、そして魔道具で封印の準備を整え、見事に竜を封印してみせた――というのが、エルバに伝わる英雄譚だった。
「この英雄譚自体が本当かどうかは解んないけどー。予知によるとそこに竜がいた、っていうのは本当みたいなんだよね。で、そいつがオブリビオンとして蘇りそうなんだ」
 封印されたという伝説が残るとはいえ、強力な竜だ。
 蘇るようなことがあれば、英雄譚の前半部分が現代に再現されてしまうことだろう。
「だからね、皆に詩人の代わりに竜を封印……いや討伐してきて欲しいんだ。英雄譚にもある通り、竜はヨイショされると攻撃の手が緩むみたいだから、それ狙ってみるのもいいかも。基本的に他の種族を見下してるみたいだから、自分と比較して相手を持ち上げるとなおベストかも!」
 勿論、策とはいえ敵にへつらうなんて! と思う者もいるだろう。
「逆に敢えて散々馬鹿にして怒らせるのも手かもね。その分攻撃は激しくなっちゃうけど、見下してる相手に馬鹿にされることで冷静さは損なわれる筈だから、付け入る隙はある筈ー」
 敵の猛攻を躱す自信、或いはそのための有効な手段があるのなら、寧ろそちらの方が有利に働くこともあるかも知れない。
「それじゃあエルバに向かうけど。丁度今なら夜明けの森に着けるよ。マジックアワーって言うんだっけ、空が薄紅色に変わって、森を光と色で染め上げて、本当に綺麗なんだから」
 だからお散歩も楽しんでおいで! と。
 気楽な清志郎は、きっと猟兵たちを信じているゆえだろう。


絵琥れあ
 お世話になっております、絵琥れあと申します。
 ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
 (勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします)

 流れと詳細は以下の通りになります。

 第1章:冒険『薄明の森』
 第2章:ボス戦『ミラベル』

 第1章では、目的地に向かう傍ら曙色に染まる森を散策していただきます。
 冒険章ではありますが大きな危険はありませんので、のんびり景色を楽しんでいただけます。

 第2章では、英雄譚に謳われた竜であるオブリビオン『ミラベル』を討伐する戦いとなります。
 褒めるも貶すも、対話によって弱体化を図れる相手ですので、狙ってみるのも一つの手です。

 サポート優先シナリオのため、調子や現行シナリオの進捗と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『薄明の森』

POW   :    真っ直ぐ前に進む

SPD   :    獣道を辿りながら進む

WIZ   :    周囲を見て慎重に進む

イラスト:音七香

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。


水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ




「……まじっく、あわー……とは」
「日の出前や日没後に見られる、空の色が淡い色に輝いて見える現象だ。太陽の光が日中より遠くなることで引き起こる。金や赤味掛かって見えるゴールデンアワーの他にも、青と紫のグラデーションが生まれるブルーアワーもある」
「成程……またひとつなうでやんぐな若者知識を得た」
 アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)の解説に、水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)はうんうんと腕を組んで頷いた。なうでやんぐ……かは、兎も角として。
「今まさに、今がその刻限なのだな」
 そう。アスの言葉通りに淡く暖かな赤に輝く空。その光に彩られて、薄紅色に染まる森。
 エルバの森が、森を照らす暁光が、幻想的な光景を作り出していた。
「危険がなければ、気兼ねなく堪能出来たのだがな」
「そうだな……事実、この光景の噂を聞いて訪れる者もいるという話だ」
「ならばなおのこと、早急にオブリビオンを退治しなければなるまい」
 真峰の言う通り。
 この美しい光景を楽しみに訪れた者が、傲慢な竜の美的感覚によりその命を奪われる――なんて皮肉があってはならない。
「さて、その竜の庭園とやらをどう探すかだが。花も育てているようだから、香りを探してみるか?」
「後は……他種族を見下していると言っていたな。庭のためと、森の動物も殺害しているかも知れない」
「生き物が少ないところにあるかも知れないということだな」
「ああ……」
 探索の方向性は定まった。
 生き物の少ない地点を重点的に。花の香りのする方向へ。
「森に自生している花は、香りはそう強くなさそうだな。探索がしやすくて助かる」
「……この辺りには、まだ小動物がいるようだな……」
 奥へ奥へ、進んでいく。
 竜の庭園は、森の奥だと聞いていたから。
 やがて鳥や栗鼠の鳴き声も止み、そよ風の音だけが鼓膜を震わせるようになった頃。
「これは……薔薇の香りか?」
 すん、と真峰が鼻を鳴らす。
 それを受けて、アスは周囲を改めて見渡し。
「……声を潜めて隠れている動物もいないようだ。となれば……近いな」
「そのようだ。薔薇の香りは……向こうから漂ってきている。行こう」
 香りを辿って、真峰は慎重に歩を進める。
 アスもまた、静かにその後に続いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可

合わせ等も自由にどうぞ


キノ・コバルトリュフ
エリンギ!今日は楽しくハイキング!!
シメジ、なんだか周りが騒がしいね。
でも、キノたちは気にしなーい。
キノ?スピちゃんどこに行ったのかな?
シイタケ、おいしいお菓子とか用意したのに。
帰ってきた、どこに行ってたの?
軽く運動でもしてきたのかな?
マイタケ、それじゃあ、いただきます。




「エリンギ!」
 レジャーシートにちょこんと座り、満面の笑顔でキノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)が開けたランチボックスの中には。
 朝食代わりのキノコサンド、各種。
 椎茸入りスクランブルエッグサンドに、しめじ入りベーコンキャベツホットサンド。
 そして極めつけは舞茸、しめじ、マッシュルームをふんだんに、新鮮野菜にハムに厚切りチーズも使ったボリュームたっぷりのミックスサンドまで!
 だって折角景色のいい場所に来たのだもの。天気もいいし、これはもうハイキングするっきゃない!
「キノキノ、みんな美味しいねー♪」
 スピちゃんことスピカたち星霊もご満悦。
「わぁ……凄い、豪華だ……! 何だか私もお腹が空いてきちゃった」
 思わず匂いに釣られて、きゅるるるとお腹を鳴らしたのは。
 照れ臭そうに頬を染めた赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)。曙色に照らされて、その頬の赤みが目立たなかったのが救いか。
「シイタケ、だったら分けてあげるね!」
「いいの?」
 それじゃあお言葉に甘えて!
 緋色もいただきますと手を合わせて、ご相伴に預かります。
「チーズには黒胡椒が入ってるんだね……マスタードのアクセントも効いてていいな」
「シメジ、キノコとの相性もいいんだよ♪」
「本当だね! キノコサンド、なかなか奥が深いや……」
 やはり美味しいの言葉は嬉しいもの。
 キノもニコニコ笑顔でその言葉を堪能すれば。
「キノ? スピちゃんお散歩?」
 トコトコとどこかへ歩いていくスピちゃん。
「食後の運動かな……? この後、オブリビオン退治があるから私も行ってくる!」
「マイタケ、スピちゃんのことよろしくね!」
 スピちゃんの後を追って歩き出す緋色を、キノは残る星霊たちとのんびり見送って。
「次は依頼のついでじゃなくって、平和な時にまた来られるといいね」
 その時はまた――いや。
 更にレベルアップしたキノコサンドを持って、楽しもう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ミラベル』

POW   :    庭師の審美眼
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【無数の赤い花びら】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    フルブルーム・リーパー
【踊るように鎌】による素早い一撃を放つ。また、【美しく踊る】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    フラワーズ・チアリング
戦闘力のない【ファン(ドラゴン)】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【ファンの強化魔法とサポート】によって武器や防具がパワーアップする。

イラスト:音七香

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルト・カントリックです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

日留部・由穏(サポート)
由穏と申します。
これでも太陽神の生まれです。
いかなる世界であれ、オブリビオンの影に未来を曇らされる人々がいるのならば、私が手を出さない道理はありませんね。
太陽は、照らすべき者のために存在するのですから。
好き:芸術全般、各世界の学習、人々の観察
使命:人々の明るい未来を守る
【発言】ご隠居太陽神、敬語、優しい、いつも穏やかな笑み、怒りや恨みや後悔の感情が乏しく時に人を理解しきれないこともある、自らの負傷を気にしない
【戦闘パターン】視力+暗視+マヒ攻撃+光線銃で銃撃戦、アート+式神使い+アイテム折り紙で撹乱、催眠術も併用し折り紙式神を猟兵やターゲットに思わせ誘導などなど
その他何でもさせてどうぞ


リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能

接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメインだが、プロレスっぽい格闘技や忍者っぽい技もいける
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。

猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。

基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます




「あら、いらっしゃい」
 花の色を纏った竜は、表面上は優雅に柔和な表情と声音で、猟兵たちを迎え入れた。
「どうしてわたくしの庭に? ああいえ、邪険に扱うわけじゃないのよ。下等種族とは言え、わたくしの庭を訪れたからにはわたくしのお客人だわ。さ、こちらにいらっしゃいな」
(「よく喋る竜ですねぇ」)
 ナチュラル見下し発言がごく自然に飛び出しているのだが、もしや彼女にとっては当たり前のことすぎてそれが普通なのだろうか。それとも高度な嫌味なのだろうか。
 彼女にとって竜は神よりも格が高いのだろうか。そんなことをふと、旧き太陽神たる日留部・由穏(暁天緋転・f16866)は思った。気分を害したというわけではなく、純粋な好奇心である。
 ともあれ。
 竜は猟兵たちを一人一人、観察するように眺めている。その瞳に宿る剣呑な光を由穏は見逃さなかった。
 恐らく、庭を彩る材料としてどのように処理してやろうか、そのようなことを考えているのだろう。
 そして、案の定。
「うふふ、折角だからこの庭の一部になるといいわ。皆一緒なら寂しくはないでしょう? 見目のいい子はオブジェに、そうでない子も花の養分として使ってあげる。竜たる私の仕立てた庭園の一部になれるのよ。光栄に思って頂戴な」
「いやはや、まさにその通り! これ以上の栄誉なんてありはしないっす!」
 にこやかに鎌を振るおうとした竜を、静止するかのように声を上げたのはリカルド・マスケラス(ロープ際の魔術師・f12160)。
 但しその姿は今、美しい女性詩人のものになっていた。身体を借りるという形で護衛するから竜の庭園を見に行かないかとエルバの宿で誘ったら、快く承諾してくれた。詩人というのは好奇心旺盛な者が多いのだろうか。
 ともあれ、リカルドは詩人の身体を借りて続ける。
「自分は世界中を巡ったっすが、これほどまでに壮麗で絢爛豪華な庭園を見たことがないっす。花の鮮やかさも、緑の瑞々しさも、流れる水の清らかさも、この世のものとは思えないっす。楽園はここにあったんすねぇ……自分ら人間風情には到底辿り着けない領域っすよ」
 リカルドはヒーローマスクだが、詩人の身体は人間だし、種族的な嘘は言っていない。
 それに、竜にとっては竜以外の種族など一緒くたで下等種族。そのようなことは些末な問題だった。
「まぁ、わたくしの庭の素晴らしさが解るのね! あなたは下等種族ではあるけれど、見る目があるわ」
 狙い通り、竜は上機嫌で鎌を振るう手を止めた。
「確かに、この森の薄明の景色は息を呑むものでした。そしてそんなこの森に存在する庭も素晴らしい、芸術の領域と言ってもいいでしょう。しかし」
 温和に微笑む由穏。
 しかし、その手に煌めく白き炎は、矢の形となり竜を狙っている!
「薄明は――太陽は、照らすべき人々のためのもの」
 太陽神は、オブリビオンより人間の方が好きなのだ。
「なっ」
 突然の掌返しにたじろぐ竜。
 そして、彼女にとって許し難いことがもうひとつ起きた。
「ちょっと庭に手を加えさせて貰ったっすよ〜」
「何てことを!」
 リカルドの森羅穣霊陣が、庭の植物を急成長させ、竜を締め上げると共に破魔の力を竜にぶつける。
 身動き取れなくなった竜へと、由穏の掲げる白日の矢が光の雨の如く殺到する!
「……あら?」
 しかし竜に刺さった筈のそれは、全く痛みを与えない。
 竜は所詮この程度と嗤ったが、彼女は気づかない。
 彼女を信奉する竜たちが、必死に回復魔法をかけていることに。それでもなお、回復が追いついていないことに。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。


バルタン・ノーヴェ
全員リクエストによる、各シナリオへの救援プレイングです。
長らく滞っていたり人手が足りてない時など、ご自由にご利用ください。
アレンジ、アドリブ、連携歓迎。自作PBWも採用歓迎です。
ユーベルコードも指定外の、公開中から適当なものを使用してもらって構いません。

HAHAHA!
グリモア猟兵殿の要請に応じて参上デース!
お困りのようデスネー? ドントウォーリー! ワタシが手伝いマスヨー!
アタック、ディフェンス、他の方への支援! おまかせくだサーイ!

白兵戦、射撃戦、集団戦もボス戦もオーライ!
冒険の踏破や日常への奉仕活動も得意であります!
|臨機応変に対処可能《好きに動かしてOK》デース!
よろしくお願いしマース!




「なぁ、ちょいと聞きたいんだけどさ」
「何を……」
 ぎり、と竜が睨みつけた先にあったのは、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の姿だった。
「この庭には血が流れてる。そのことで、何か思うところはあったりするのかい?」
 この竜には、話は通じる。たとえ相容れることがなくても。
 ならば、事件を解決するのは相手を『理解』してからだ。それが多喜の信条だった。
「特に何も。私が幾つか拝借したところで、下等種族など幾らでも生えてくるでしょう? それにこの竜の庭を彩れること……感謝こそされど物申されるいわれなどないと思うわ」
 先程の掌返しと庭の改造で不機嫌になっているのか、竜は本当に何の感慨もなさげに吐き捨てた。
「成程ね。よーく解ったよ」
 そう。
「何に遠慮する必要もないってことがね!!」
「!?」
 竜が静止するよりも速く。
 純粋な威力増加のためのサイキックエナジーを乗せた、多喜の後ろ回し蹴りが炸裂する。
 ――人の死体が茨で括られたオブジェの裏側に!
「ああああああ何てことをするのっ、おやめなさぐふっ」
 慌てて鎌を振り回して静止しようとした竜が、そのまま多喜の踵とオブジェの破片を喰らって仰け反った。
(「花にもオブジェにも罪はないけど、このままにしておくわけにもいかないしねぇ」)
 そして、それに合わせるようにして。
「HAHAHA! 人手が足りないと聞きマシター!」
 困った時に頼れるメイド、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が、ファルシオンを携えやってきた。
 その出で立ちは――何やら、とある女海賊のそれに酷似している。
「この庭をメチャクチャにすればよろしいデスネー? お任せくだサーイ!」
「よろしくなくってよ!?」
 自慢の庭の破壊。
 確かにそれも、この竜を怒らせ冷静さを欠かせるのには有効だろう。ゆえに!
「骸式兵装展開、朱の番! 花も草木もオブジェも呑み込むのデース!!」
「いやああああああ!!?」
 刃を振るえば押し寄せるのは赤い大津波。
 何も知らない竜には、まるで炎のように見えたことだろう。平静さを欠いた竜は、その身で津波を押し止めようと庭の前に立ちはだかり、津波に呑まれ、そして。
「………………」
 再び姿を現した竜は、目立った外傷こそないものの、やる気を失ったように呆けていた。
 大津波に呑まれた筈の庭は無事だった。この津波は呑み込んだ相手の積極性のみを削り取っていくもので、物理的に対象を傷つけるものではない。
「これで後続の方々がやりやすくなるとよいのデスガ!」
 今なら、竜は仮に立ち直ったとしてもすぐに本調子は取り戻せない筈だ。
 このまま、押し切るのだ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

六代目・松座衛門(サポート)
ヤドリガミの人形遣い×UDCメカニック。人形を用いて異形(オブリビオン)を狩る人形操術「鬼猟流」の使い手です。
ヤドリガミの特徴である本体は、腰に付けている十字形の人形操作板です。
戦闘中は言い捨てを多用します。

UCは全て人形を介した物で、主に以下の装備アイテム「鬼猟流・戦闘用人形」で戦います。
・武器を仕込めるバランス型の「暁闇」
・身軽で敵の拘束に特化した「縛鎖」
・様々な遠距離攻撃が可能な「遠離」
ただし、操作対象の切り替えは素早くできますが、同時操作は基本的にできません。

他の猟兵と積極的に連携し、率先して誘導、時間稼ぎなどの支援を行います。


飯綱・杏子(サポート)
あの|食材《オブリビオン》を狩ればいいっすね? 任せるっす。

とりあえず|ヒト型《ヒューマノイド》でなければ食うことを考えるっす。
宇宙船やリビングアーマーの類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるっす。
少なくともカレー味とか甘露煮にすれば食えない肉はないっす。
【毒耐性】があるので毒は利かないっすよ。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす。

シナリオの傾向によっては、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ。
白子もミルクも大好きっす。

他の猟兵に迷惑をかける絡み酒はしないっす。
また例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する絡み酒はたぶんしないっす。

よろしくおねがいするっす!




「よーし狩りの時間っすね!!」
 飯綱・杏子(飯テロリスト・f32261)は意気揚々と竜の庭へと乗り込んだ。
 |人型《ヒューマノイド》でなければ取り敢えず食ってみて考える、カレー味や甘露煮にすれば食えない肉はない、を持論としている彼女。当然ながら竜の肉なんて難易度イージーでしかなく。
「花っぽいっすしハーブチキンならぬハーブドラゴンみたいにならないっすかね。ってなワケでそこの捕獲が得意そうなおにーさん、助太刀賜りたいっす!」
「っと……自分か。いいだろう、この『鬼猟流』の真髄お見せしよう」
 杏子が声を掛けたのは六代目・松座衛門(とある人形操術の亡霊・f02931)。彼はその狙いを察し、人形を素早く持ち替えた。
 とは言え半ば放心状態の竜。今なら捕縛するのは容易い。だが、それでもなお、敵は竜。
 油断せず、敵が我に返る前に全ての下準備を手早く終えて。
「さぁ舞台は整った、細工は流々仕上げを御覧じろ――逃しはしない! 二ノ型 手繰り討ち!」
「……? ………………なっ」
「気づいたか。だが最早後の祭り――」
 竜は、己を戒める糸が身体に食い込んで、初めて己の置かれている現状に気がついた。
 茫然自失としている間、松座衛門によって庭の各所に張り巡らされた糸、そして操る捕縛に長けた拷問官風の戦闘用人形『縛鎖』によって、身動きが取れなくなっていることに!
「この……離しなさい!」
 暴れる間にも再構築された糸が絡まり、縛鎖による追撃を受け続ける。鎌で切り払おうとも試みたが、糸の切断が追いつかず、狙いも上手く定まらない。
 こうなれば、為す術もなく。
「さーて、いよいよ味見……もとい、トドメっすよ!」
「ッ、」
 じゃきん。
 音の主は勿論、杏子。
 巨大なキッチンハサミがぎらりと光り、竜の首へと押し迫る!
「こんな……こんなことが! このわたくしが、わたくしの庭がよりにもよってっ、下等種族如きにいいようにされるなんて……ッ!!」
 勝負決まってなお叫ぶ、聞き苦しい高慢な物言い。
 その最後の言葉ごと、杏子の鋏が断ち切った。そして。
「うん、タカビーなだけあって上品な肉質っすね! 予想通り、鶏肉に似てるからハーブソテーでいけそうっす」
 捌いた竜の肉をもしゃもしゃやりながら。
 杏子は松座衛門にピースサインを向けたのだった。


 ――かくして。
 封印から目覚めた悪しき竜は、名も告げず去った強く賢い旅人たちによって、彼女が愛した花園にて討たれることとなったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年04月27日


挿絵イラスト