Plamotion Replaced Actor
●君が思い描き、君が作って、君が戦う
『プラモーション・アクト』――通称『プラクト』。
それはプラスチックホビーを作り上げ、自身の動きをトレースさせ、時に内部に再現されたコンソールを操作して競うホビースポーツである。
思い描いた理想の形を作り上げるというのならば、たしかに『プラクト』は心・技・体を兼ね備えたスポーツ。
プラスチックホビーを作り上げ、フィールドに投入し自分自身で動かす。
想像を育む心、想像を形にする技術と、想像を動かす体。
そのいずれもが欠けてはならない。どれか一つでも欠けたのならば、きっと勝利は得られない。
『プラクト』のフィールドは主に模型店や大型量販店に設置され、巨大なスクリーンにおいてフィールド内の戦いを観戦することができる。
縦横無尽に駆け抜ける人型ロボット、美少女プラモデルにカーモデル、クリーチャー、艦船や飛行機。
ありとあらゆるプラスチックホビーが『プラクト』の間口として存在しているのだ。
『プラクト』アスリートたちは、己の造り上げたプラスチックホビーに内蔵された『ユーベルコード発生装置』によって、自在にプラスチックホビーを動かし、時に笑い、時に涙し、時に額に汗を流し、時に友情を育む。
プラスチックホビーが売れるには、如何なる理由があるだろうか。
勿論、ホビー自体の面白さ、楽しさは言うまでもない。
しかし、それと同じくらい大切なことがある。それはプロモーション。即ち、販売促進活動である。
「『憂国学徒兵』シリーズの、『SW』! ブラスターガンナーの『五郎』サン、渋いよな!」
「そうですか?『アイン』、あなた随分と年上の方が好みなのですね」
『ツヴァイ』と呼ばれる少女が『プラクト』チームである『五月雨模型店』に設置されたモニターに流れるアニメーションを共に見上げている『アイン』と呼ばれる少女の言葉に首を傾げる。
「わかんねーかなぁ。老兵になっても自分の役割をしっかりこなす、いぶし銀ってやつ? その魅力がさ!」
「俺はやはりシリーズの中では『SR』が好きであるな!!」
『ドライ』と呼ばれる少年が話に加わってくる。
彼らが騙る『憂国学徒兵』シリーズとは所謂ロボットアニメである。
そのプラスチックモデルは言うまでもなく長きに渡りアスリートアースで続いている商品の一つだ。
アニメの新シリーズが始まると新商品が販売される。
その販売促進のために『プラクト』はうってつけだったことだろう。
『フィーア』と呼ばれる『アイン』たちと同年代ながら身長の高い少女は、自分も語りたいと輪に入ろうと口を開こうとした瞬間、『五月雨模型店』の扉が勢いよく開かれる。
「にわか風情が語ってくれるじゃない!『憂国学徒兵』シリーズは最初にして至高の『ファースト』に決まっているのよ!!」
そこにあったのは、長い黒髪を持つ少女にしてダークリーガー『ぐるぐるバッター』こと『環・括』であった。
彼女の目が爛々と輝いている。
その様子に『アイン』たちは、またかーという顔をしていた。
もうこれで何度目だ、と彼女は思った。
そう、この『五月雨模型店』はダークリーガーに狙われ続けている。
「『ツヴァイ』、『ドライ』、『フィーア』とだから、四回目かよ。いいぜ、今回も返り討ちにしてやんよ!」
「威勢だけはいいことね、『アイン』」
「あ? んだ……? 私のことを知っているのか?」
「ええ、知っているわ。あの人が唯一、倒しきれなかった『エース』。『閃光』の『アイン』」
『環・括』と名乗った『ぐるぐるバッター』の手には、昆虫の形を模した6つの車輪を持つプラスチックホビーがあった。
そのプラスチックホビーに『アイン』たちは驚愕する。
「お、お前、それは……!」
「ええ、『インセクト・ボーガー』! 最新鋭のプラスチックホビーよ。スピードとパワーを兼ね備えた兼ね備えたこのホビーであなた達の幸せな夢を壊す――!」
●幸せな夢を見る
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)は難しい顔をしていた。
何をそんなに難しい顔をしているのかと集まってきた猟兵たちは首を傾げるだろう。
「『ヘクトルビートル』か『アキレウススタッグ』か……! あっ、いえ、此方の話です。皆さん、アスリートアースの事件です」
ナイアルテが気を取り直して説明を始める。
「はい、『プラモーション・アクト』、略して『プラクト』……未だ公式競技化されていないスポーツですが、ご自身でプラスチックホビーを作って戦うスポーツ。そのチーム『五月雨模型店』に挑んでくるダークリーガーを退けて頂きたいのです」
『プラクト』とは自身で作成したプラスチックホビーの中にユーベルコード発生装置を組み込み、自分自身で操作して戦うホビースポーツである。
操作方法はアスリートの動きをトレースする『モーション』タイプと、操縦席を作り込んで操作する『マニューバ』タイプが存在している。
基本的に人数無制限のチーム戦であり、どちらかが全滅するまで戦い続けるのがルールである。
ユーベルコード発生装置が壊れれば、機体が動かなくなり撃破となる。
「『五月雨模型店』はこれまで三度、ダークリーガーを退けています。故に手っ取り早くチームメイトを増やそうとするダークリーガーの標的になり続けているのです」
今回、ダークリーガーが使用するプラスチックホビーは最新鋭ホビー『インセクト・ボーガー』である。
何それ、と猟兵たちが首を傾げる中、ナイアルテの目がキラキラと輝く。
彼女が手にしていたタブレット端末が皆の目の前に突きつけられる。
「これです! 中に強力なモーターを仕込んだ『ハチ四駆』以来のモーターホビーでありながら車体自身をぶつけて競い合うホビーなのです。殆どが昆虫モチーフなのですが、パーツのカスタマイズも含めて奥が深いのです! その最新鋭ホビーの発売は発表されたばかりで、販売はされていないはずなのですが……」
如何なる理由からかダークリーガーとダーク化されたアスリートたちは、それを用いて対決を挑んでくるのだ。
「またチームリーダーである『ぐるぐるバッター』は、同じく未公式スポーツ『ぐるぐるバット』の要素を『プラクト』に盛り込んできた難敵……!『プラクト』フィールド内にて『ぐるぐるバット』ルールを強いる強烈な力を有しております」
つまり、『プラクト』という受け皿に『ぐるぐるバット』を注ぐということである。
肝心の『ぐるぐるバット』のルールとは?
「曰く、重要なのはフィジカルじゃなくて演技力。『得点を稼ぐ競技』なのです……!」
……わかんない!
けれど、しかし『インセクト・ボーガー』との相性は良いようである。
強烈な速度とドリフト走行でもってフィールド内を駆け巡って強烈なパワーで敵を蹴散らす。
その凄まじさは油断できない。
「重要なのは、その場のノリと勢いです! 『レッツ・アクト』! です――!」
海鶴
マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
今回はアスリートアースにある未だ公式競技化されていないスポーツ『プラクト』のチーム『五月雨模型店』を救うシナリオになります。
※『プラクト』は正式には『プラモーション・アクト』と呼ばれるホビースポーツです。
フィールド内に自作したプラスチックホビーを投入し、アスリートの動きをトレースする『モーション』タイプと、操縦席を作り込んで操作する『マニューバ』タイプが存在しています。
主に『モーション』タイプはロボットや美少女プラモデル。『マニューバ』タイプは、カーモデルやミリタリーモデルとなっております。
●第一章
冒険です。
『ダークリーガー』、『環・括』を名乗る『ぐるぐるバッター』のチームがダーク化したアスリートたちと共に最新鋭のホビーを伴って『五月雨模型店』に勝負を挑んできました。
例によって勝負は一週間後。
皆さんは『プラクト』に慣れ、また自身のプラスチックホビーを作成しなければなりません。
今回もチーム戦です。チームメイト上限はなしの全滅するまで行うざっくりルールです。
作成し、習熟するプラスチックホビーは基本何でも構いません。プラスチックホビーであり、『ユーベルコード発生装置』を組み込んでいれば、二つの操作系統『モーション』と『マニューバ』のどちらかでプラスチックホビーが実際に動きます。
この章でトレーニングに成功した皆さんは、第二章、第三章と自動的にプレイングボーナスを得られることとなっております。
●第二章
集団戦です。
『ぐるぐるバッター』に率いられた『ダーク化スプリンター』たちとの戦いになります。
彼らの使う『インセクト・ボーガー』は直線的な加速と力強さを持って皆さんに襲いかかります。
まともにぶつかっては勝機はないでしょう。
●第三章
ボス戦です。
チーム戦はクライマックスです。
『環・括』を名乗る『ぐるぐるバッター』はユーベルコードでもって、『プラクト』内に『ぐるぐるバット』のスポーツルールを追加してきます。
『得点を稼ぐ競技』である『ぐるぐるバット』。
演技力やら趣味嗜好の基準で点数が加点されていきます。
点数が100点に到達する前に先に彼女を倒しましょう。
それでは、新たなるスポーツ競技『プラクト』を巡るダークリーガーと戦う皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 冒険
『その他スポーツを練習しよう』
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POW : 体当たりで果敢にチャレンジする
SPD : 器用にコツを掴みながら練習する
WIZ : ルールや戦術の理解を深める
イラスト:十姉妹
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「一体全体どういうことだよ! あいつら発売前の『インセクト・ボーガー』持ってたぞ!?」
「うむ! だが問題はあるまい! こうして俺達も『憂国学徒兵』シリーズで機体を揃えてきたわけであるし!!」
「そ、そそそそうですよ!『プラクト』はチーム戦です。あ、ああ新しくても、チームプレイに不慣れなら付け入る隙、ありますよ!」
『アイン』の言葉に『ドライ』と『フィーア』が言う。
そう、『プラクト』は上限人数の存在しないチーム戦である。
ルールはシンプルだ。
自分で作ったプラスチックホビーをフィールドに投入し、『モーション』か『マニューバ』どちらかの操作系統を持って、戦う。
互いを全滅させた方が勝利となる。
だからこそ、チームの連携は大切なのだ。
「ええ、そのために私は『熾煌』をカスタマイズして、あなたの『タイプ・ヒルド』に合わせてあるのです」
『ツヴァイ』の手には人型ロボットのプラスチックホビーがある。
それは『ドライ』、『フィーア』もまた同じくするものだった。カラーリングの違う『熾煌』と呼ばれる人型ロボット。武装が異なるようだが、一様に連携を意識して、同型にそろえてきたのだろう。
「……そうだけどさ」
『アイン』は嫌な予感を覚えていた。
これまで三度にわたって『ダークリーガー』との勝負に勝利してきた。
けれど、どうにもぞわぞわするような感覚を払拭できないでいたのだ。敗北の予感めいたものを彼女は感じていたのかもしれない。
故に猟兵たちの到来は、彼女の不安を拭うことができるだろうか。
転移してきた猟兵達が『五月雨模型店』の扉を開ける。
不安はあれど、しかし猟兵たちがやることは変わらない。
『五月雨模型店』にないものはない。あらゆる模型、プラスチックホビーが存在している。
さあ、思い思いのホビーを手に取り、今こそ『レッツ・アクト』である――。
月夜・玲
あれはまさか…ボーガー!
何故か他所の世界では販売終了したのに販促アニメが作られたという伝説の玩具!
冗談みたいな玩具だけどギアパワーが結構あって、パワーが強くて吃驚するやつ!
まさかこの世界にもボーガーが居るとは思わなかったな…
これは…私も秘蔵の奴を出すしかないか!
先ずは私もこの世界のインセクト・ボーガーを用意しよう
別の世界の奴で旧式だけど、工夫次第で何とかなる!
私はカブト虫型を用意しよう
塗装はイエローだ
後はオプションパーツを作ろう
まずはオーソドックスに、角の部分を強化して持ち上げ性能をアップ
モーターも強い物にチューンだ
後はとっておきのオプションパーツだ
ミサイルにプロペラ、そしてボディ!
『五月雨模型店』のディスプレイモニター上に映し出されているのは、昆虫型のプラスチックホビーだった。
なんかこう、色んなエフェクトがたくさんバババーって出ていて、激突すると稲妻が走ったりしたりして、兎にも角にもなんかすんごいいい感じのプロモーションムービーが繰り広げられている。
ただし、まだこのプラスチックホビーはアスリートアースでは販売されていない。
けれど、如何なる手段からか『ダークリーガー』たちは、このプラスチックホビー『インセクト・ボーガー』を既に所持しているのだ。
その事実に月夜・玲(頂の探究者・f01605)は驚愕する。
ものすごく驚いていた。
玲がここまで取り乱す姿をあまり見たことがない『アイン』たちは、その様子に動揺する。
「あれはまさか……ボーガー!」
「知っているのか、玲ねーちゃん!」
「なぜか他所の世界では販売終了したのに販促アニメが作られたという伝説の玩具! 冗談みたいな玩具だけどギアパワーが結構あって、パワーが強くて吃驚するやつ!」
なんかメタ的な世界の壁をぶち抜くワードが聞こえたような気がするが気の所為である。気の所為ったら気の所為である。
「まさかこの世界にもボーガーが居るとは思わなかったな……!」
玲さんの頬に一筋の汗が流れる。
これは強敵にして難敵たる『ダークリーガー』との対決に、生半可なプラスチックホビーでは歯が立たないことを理解したたであろう。
『インセクト・ボーガー』は昆虫型のホビーであるが、激突させて遊ぶために頑強に作られている。
手にした時に思ったよりなんか重いなって思うし、なんならモーター強くて昆虫宛らのパワーを感じることができるのだ。
「そ、そそそんなにすごいんですか!?」
『フィーア』の言葉に玲は頷く。
そんなになのである。そうなの?
「……私も秘蔵の奴を出すしかないか!」
玲さんは懐をガサゴソやる。
サブカルマニアたる彼女のことである。あらゆる世界のあらゆるサブカルチャーに通じていると言っても過言ではない。
彼女が懐から取り出したのは、イエローのカブトムシ……その威容はヘラクレスオオカブトを思わせた。
「別の世界のやつで旧式だけど、工夫次第でなんとかなる!」
それが『プラクト』の醍醐味である。
自分で作って、自分で動かす!
それが『プラクト』の真骨頂! 故に玲さんは秘蔵していたオプションパーツの袋をばりーってやる。ああ、オークションに出せばすんごい値段がするやつー!
「ふむ。なるほど。機体の周囲に多く空いていた3mm穴はなんなのかと思っていたが、オプションパーツ用か!!」
『ドライ』がなるほど考えられていると感心する。
そうである。
オプションパーツの組み合わせでバリエーション無限大!
自分だけの『インセクト・ボーガー』を作ろう! というのが、このプラスチックホビーの最大の特徴なのである。
「まずはオーソドックスに角の部分を強化して……持ち上げ性能をアップ。モータを……」
玲さんは惜しげもなくオプションパーツをばりーってやっては付けていく。
戦いの鍵は敵をひっくり返すこと。
『インセクト・ボーガー』のパワーとスピードは凄まじい。車体が低いが故に、人型のロボットでは苦戦もするだろう。
けれど、同じ土俵で戦えるのならば、対策が取りやすいというものだ。
「後はとっておきのオプションパーツだ!」
「……あの、ミサイルは、わかるのですが……そのプロペラは?」
『ツヴァイ』の言葉に玲はサムズアップして応える。
「こっちのほうがカッコイイでしょ!」
組み上がった玲さん専用の『インセクト・ボーガー』!
これを持って、迫る対決の日に玲さんは不敵に笑って備えるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
吐院・ぐるめ
ぐるぐるバットの時間ね!
それならこの私、バット・サイクロンのキャプテン、ぐるめちゃんに任せなさい!!!
グルメじゃないわ!!!
ぐるぐるバットに必要なのは独特な構えと呼吸法、つまりは神に近付く為の基本姿勢ね
この時頭が下がっていると高得点を狙える――?
え。ぐるぐるバットじゃない、ですって?
まあ考えてはいるわよ
モーションに高速回転するようなパーツを付けるわ。どっかの独楽みたいなフウにしてみましょう。目が回ったとしても回り続ける事が出来るようにね!
暴走上等、何でもかんでも撹拌して魅せましょう!!!
それじゃ行くわよ――!
レッツ・ゴー・サイクロン!!!
「『ぐるぐるバット』の時間ね!」
『五月雨模型店』の扉を開いて開口一番、そう言ってのけたのは、吐院・ぐるめ(虹色の彼方・f39773)であった。
彼女が手にしたバットは別に野球をするためではない。
いや、野球バットだからやろうと思えば野球も出来たであろうし、様々な殺人級のアスリート競技にもまた対応することができたであろう。
「……えっと?」
『五月雨模型店』の店内にいた『ツヴァイ』と呼ばれる少女が首を傾げている。
一週間後に『プラクト』でもって戦う『ダークリーガー』がなんかそういうようなことを言っていたような気がしないでもないが、『ぐるぐるバット』は、ぐるめが言うようにドマイナーその他スポーツの一つである。
最近台頭してきたとは言え、まだ認知度は他の公式競技から比べると見劣りしてしまう。
しかしである。
そう、『ぐるぐるバット』とは!
演技力やらなんかこう審査員の趣味嗜好に訴えかけるものがあったらいいのである。
「ふっ……わかっているわ。『ダークリーガー』に『ぐるぐるバット』の力を使う者が居るのでしょう。それならこの私、『バット・サイクロン』のキャプテン、ぐるめちゃんに任せなさい!!!」
胸を叩くぐるめ。
確かに敵が『ぐるぐるバット』のルールを『プラクト』の競技フィールドに押し付けてくるというのならば、『ぐるぐるバット』の競技チームのキャプテンであるという彼女から競技のコツやレクチャーを受ければ、『ダークリーガー』との決戦にも役立つかもしれない。
「確かに……じゃあ、よろしく頼むぜ、グルメちゃん!」
「グルメじゃないわ!!!」
字面が違うという伝わりづらいツッコミ。
だが、『アイン』と呼ばれた少女が、そんなぐるめの助太刀に心強さを感じる。
「えっと、つまりどうするんだ?」
「『ぐるぐるバット』に必要なのは独自な構えと呼吸法、つまりは神に近づく為の基本姿勢ね。この時頭が下がっていると高得点を狙える――?」
「あ、あああの、ご自分の機体は作らないんですか?」
『フィーア』と呼ばれる少女が恐る恐る聞いてくる。
さっきからずっと『ぐるぐるバット』のレクチャーをぐるめがしてくれているのだが、今回の事件において猟兵が基本的にやら粘らないのは『プラクト』なのだ。
なのだが、ぐるめがずーっと『ぐるぐるバット』の練習ばかりしていることに『フィーア』は危機感を覚えたのかもしれない。
そんな彼女の心配を他所に、ぐるめは、問題なしとばかりに不敵に笑む。
「ふっ、まあ考えて入るわよ。つまり『モーション』……自分の身体の動きがフィールド上の機体に反映されるのでしょう? なら、高速回転するホビー……」
「それならうってつけのものがります!『プラブレード』! わ、私が使っていたんですけど、今回の戦いでは別の機体を使うので、よかったら……!」
『フィーア』から手渡されるのはロボットの手足が円盤についたようなプラスチックホビーであった
所謂バトル専用コマとでも言うべきか。
回転しながらの機動は変幻自在にして予測不可能。
その回転速度と挙動はある意味で『ぐるぐるバット』と噛み合うものであったことだろう。
「なるほどね。なら、この独楽みたいなのを使わせてもらうわ。それに目が回ったとしても回り続ける事ができるのはイイわね!」
「はい!『プラブレード』は良いホビーなんです!」
そんなやりとり後、ぐるめは実際に『プラブレード』をフィールドに投入し、『モーション』の操縦方法で実際に動いてみることにする。
『暴走上等、何でもかんでも撹拌して魅せましょう!!!」
「か、撹拌!?」
「ええ、主に私の胃の中!」
「それってまずいのでは?」
つまりキラキラしたレインボーが出るあれでは? と『五月雨模型店』のみんなが心配する。
だが、そんなキラキラが怖くて『ぐるぐるバット』はできんのである。
「それじゃ行くわよ――!」
そう、彼女は止まらない。
どんなに三半規管がザコであったとしても!
止まらない、止まれないのが『ぐるぐるバット』! 回れば回るほどに神に近づくことができる忘我の境地に至るその時まで……。
「レッツ・ゴー・サイクロン!!!」
操縦パーティションに虹色の橋が掛けられる――!!!
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
はい、いつものごとく。陰海月に引っ張られてきましたー。
そして、パーツ切り離し作業とヤスリかけをもくもくと。
※張りきる陰海月と、首をかしげる霹靂※
「ぷっきゅ!」
一礼は忘れない。礼儀は大切。
今日はいつものように、作りたいものがあった。
ロボである。モーションタイプな『何かカッコいいロボ』である。
しかも、戦国武将っぽいのである。
付属品に何故か騎乗用ヒポグリフ(和風)があるのである。
何かそんなアニメがあったとかなかったとか。
パーツを慎重に組んでいく陰海月…と応援する霹靂であった。
いつだってそうだけれど、少年にとって玩具店というのはどうしたって早歩きになってしまう場所である。
胸が高鳴り、待ちきれない。
逸る思いはきっといつまでも色あせない思い出となるだろう。
だから、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は自身が巨大クラゲである『陰海月』に引っ張られてやってきても文句を言うつもりはなかった。
いつも通りだと思ったし、こういう時は嫌な気持ちにはならなかった。
孫がいて、自分が祖父母の立場であったのならば、恐らくこうであったと感慨深いものさえあったかもしれない。
「こんにちはー……」
「おっ、今回は遅かったじゃん! いらっしゃい!」
『五月雨模型店』。
言うまでもなく『プラクト』のアスリートフィールドがあり、また『ダークリーガー』の標的となっているチームだ。
そのチームのリーダー的な存在である少女『アイン』が笑顔で迎えてくれる。
彼女の店ではないのだが、何故かいつも彼女が出迎えてくれる。
奥を見やれば、店長が軽く頭を下げている。
どうやら馴染みであること覚えておいてくれているようだ。
「ぷっきゅ!」
『陰海月』がふよふよと店内を見回していく。
何かを探しているようだが、何を探しているのだろうかと『疾き者』は首を傾げる。
店内の棚に置かれたプラスチックホビーの数々。
自分たちの生きていた時代にはどれもが馴染みのないものであったが、仏像を作るのとはわけが違うようだった。
「ぷきゅ、きゅきゅきゅ、きゅー!」
「あ、せせせ戦国大武将シリーズのことですか? これ?」
背の高い少女『フィーア』が『陰海月』の鳴き声がわかるのか、『こんなやつ』という曖昧な情報から彼の目当ての商品を教えてくれる。
「ぷっきゅ!」
「なるほどな! この機動騎馬セットを組み上げるつもりなのだな!」
『ドライ』と呼ばれる少年の言葉に『陰海月』は頷く。
取ってくれた『フィーア』にも一礼してお礼を言えているところが、成長を感じる。いや、こんな些細なことにも喜びを感じてしまうし、なんなら涙腺だってゆるくなってきているのかもしれない。
そんなことを思いつつも会計が済めばすぐに作業スペースに『陰海月』が直行してしまう。
『霹靂』も背後から覗き込んでいる。
こういう作業の時、『霹靂』は何もできないのだが、どうやら『陰海月』が自分を騎馬に見立てていることがわかるのか、嬉しそうに鳴いている。
「ぷっく!」
早く! と触腕を振る『陰海月』に『疾き者』は頷く。
「わかっておりますよー。店主殿、また工具をお借りしますね」
「ああ、構わない。よい時間を」
そんな風にして『疾き者』と『陰海月』は作業スペースで戦国武将をもした人型ロボットを組み上げていく。
パーツを切り離してヤスリがけを行なうのが『疾き者』。
組み上げ、塗装するのが『陰海月』。
そんな二人を応援するが『霹靂』である。
彼らのチームワークに……いや、『陰海月』の触腕の多さに『アイン』たちは羨ましそうだ。
「腕いっぱいあっていいなー……『霹靂』も格好良く作ってもらえてよかったな!」
『アイン』の言葉に『霹靂』がまた一つ鳴く。
どうやら自分たちが作っているのは『戦国大武将』シリーズと呼ばれているらしい。甲冑着込むようなデザインが特徴的なのだ。
組み上がっていくと、そのデザイン性に驚くほど格好が決まっているのがわかる。
それに翼生えたメカ騎馬の出来栄えもよい。
「完成しましたねー……」
毎度のことながら肩が凝ると『疾き者』は肩を回す。
それを見かねて『陰海月』が触腕で肩を叩いてほぐし、決戦の日に備えるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ニィナ・アンエノン
いやー、ホビーって色々あるんだね!
今度は昆虫かぁ、にぃなちゃんも負けてらんない!
さて、元々変わった形のを使うも良いけど……折角だし、皆の使ってる憂国学徒兵シリーズって言うのを改造しちゃおう。
ゴツめのロボが沢山いると良いなぁ。
複数のプラモを贅沢に使って、一体の四足歩行プラモにしちゃうぞ☆
顎が開くようにしたりミサイルポッドとか積んだりして、今回は動物型ロボットって感じにしたいな。
あ、おっきい刀とか剣とかみたいな装備ある?
頭に付けて角にしたいんだよね、カブトムシに負けないように!
これで完成、モチーフユニコーン……ってゆーかサイかな☆
操作はマニューバ。
流石にこれをモーションで動かすのはキツいもんね☆
プラスチックホビーの多様性は言うまでもない。
多種多様に渡る形態。遊び方。楽しみ方。
結局のところ、それは各個人の数だけあると言って過言ではない。
「いやー、ホビーって色々あるんだね!」
ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)はあまりにも多くのプラスチックホビーが存在することをアスリートアースえ見せつけられているような思いであったことだろう。
ロボットを再現したプラモデル。
車や艦船、航空機や兵器、さらには人の姿を模したものだってある。それ以上に怪物のような特異な造形を持つものだってある。
もっと言えば、玩具としてのホビーだってあるのだ。
「今度は最新鋭ホビーの『インセクト・ボーガー』が相手なんだ。まだ発売してないのにアイツら持ってたのはなんでだ?」
『五月雨模型店』の『アイン』が首をかしげている。
まだ発売していない昆虫型のプラスチックホビー、『インセクト・ボーガー』。
強力なモーターとギアを持つスピードとパワーを兼ね備えたホビーが今回の相手だ。
「でも、にぃなちゃんも負けてなんない!」
「そうだよな!」
「うん☆ だから、今回は皆の使ってる『憂国学徒兵』シリーズっていうのを改造したいって思っているんだけど」
「マジかよ! なら作ろうぜ!」
『アイン』の顔が明るくなる。どれだけ『ダークリーガー』との決戦が近づいていると言っても、やっぱり少女なのだ。
ホビーのことが好きで、差し迫った事態を上回る楽しさがある。
これもまたホビーの楽しさだろう。
「ゴツめのロボが沢山あるとイイんだけど……」
「うーん、敵側の『サスナー第一帝国』のやつとかが、それになるかな。ほら、こういうの」
そう言って『アイン』が見せるプラモデルのパッケージは確かにニィナの要望通りのゴツゴツした体躯のロボットだった。
「ふんふん。じゃあ、これをニコイチしちゃおう☆」
贅沢なミキシングビルドである。
文字通り、二個のプラモデルを使って一つの作品を作り上げることだ。改造の難易度はあがるが、しかし文字通り二つで一つのこの世に二つと無い作品ができあがる。
「あ、顎に稼働があるんだ?」
「それバイザーだよ。武器も二個使うからたっぷり用意できるな!」
「そうなんだ? なら、バイザーを顎に見立てて~☆」
そんな風にしてシリーズを知らないがゆえに自由な発想でニィナはプラモデルを組み上げていく。
ミサイルポッドを取り付けたりしながら四足歩行の機体に仕上がっていく。
人型ではあるが、しかし、それは接地面を考えれば安定性を増すということだ。
「あ、おっきい刀とか剣も欲しいな☆」
「それなら、こっちのパーツを剣に見立ててくみ上げようぜ!」
「角も!」
それならこれ! とニィナと『アイン』はわいわい作業スペースで話しながら組み立てていく。
こうして語り合いながらの作業も楽しいものだ。
プラスチックホビーは作る時は確かに一人だ。けれど、こうやって言葉を交わす場にいられるのならば、そこから着想を得ることもできるだろう。
「カブトムシに負けない感じになったかな?」
「これ、モチーフって何? ユニコーン?」
「……てゆーかサイかな☆」
「ゴツいもんなぁ……じゃあ、早速練習しようぜ!」
『アイン』はニィナの作ったホビーと戦いたくてしかたないようだった。そんな『アイン』にニィナは笑う。
不安そうな顔を最初していたけれど、それは払拭できたみたいだ。
ニィナの周りでそういう顔は見たくない。
誰かを笑顔にできるのなら、とニィナは笑って『アイン』と共に『マニューバ』の操縦パーティションに向かい、決戦のその時まで機体の習熟訓練に勤しむのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
【サージェさんと】
(開幕体育座りからの、膝に顔を埋めつつだば泣き)
なんであんなのだすの。なんでだすの(大事なことなので2回)
あんなのサージェさんが忍んでるくらいありえないよ。
だって外骨格だよ。骨が外にあるんだよ。おかしいよ。
よりによってあんなのでプラクトとか……。
やだよ。のりたくないよ(えぐ泣き)
え? 別に乗らなくていい?
『憂国学徒兵』シリーズでいい? そなの?
なーんだ、なら早く言ってよー♪
恥ずかしいとこ見せちゃったな。
安心して『フィーア』さん、もういつものわたしだよ!
だから噛んで、さぁ噛んで!(ぐいぐい)
あ、プラクトはマニューバでフローティングコクピットにして、
目が回るのに対策していくね。
サージェ・ライト
【理緒さんと】
お呼びとあらば参じましょう!
私はクノイチ、胸……理緒さーーーーーんっ?!
何が起こったんですか!?
あと、さりげなく私の忍び力をディスるのはやめてください
ちゃんと忍んでますから!!
そうですかーカブトムシ可愛いのになー
でも操作面倒そうですし乗るはナシですね
そして相手が虫ならこっちは天敵を用意するしか
すなわち猫!
シリカ、かもんっ!私の代わりにシリカがプラクぎにゃぁぁぁぁぁ?!
いつの間にか理緒さんが復活してフィーアさんにウザ絡みしてますねえ
萌え摂取はいいことです
さて、トラ型プラクトでいきましょう
マニューバにしておけば操作は問題ないはず
千鳥足でも動けるようにバランサー強化しておきましょうかね
アスリートアースのとある商店街の一角。
そこに『五月雨模型店』は存在している。未公式競技である『プラクト』チームの拠点になっており、そこにはフィールドと操縦パーティションが存在している。
戦いの様子は、商店街の巨大モニターに映し出され、『プラクト』のプロモーションに一役買っているのだ。
だがしかし、これまで幾度と無く『ダークリーガー』たちとの戦いを制してきた『五月雨模型店』は、それゆえに注目度が高く、彼らの挑戦を誘い込む一因になってしまっていたのだ。
「というわけで!」
何が、と問われたのならば名乗らねばならない。
「お呼びとあらば参じましょう! 私はクノイチ!」
そう、おなじみの名乗りである。
『五月雨模型店』で作業していた者たちは、一度顔を上げたが、サージェの揺れるなんかこう素敵なあれそれをチラ見してからまた顔を作業スペースに落とした。
なんだサージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)さんか、と『アイン』たちも思っていた。あんまりである。
しかしである。
彼女と共にパートナーとしてこれまで戦ってきた菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)の様子はおかしかった。
なんか入り口で体育座りをしている。
「なんであんなのだすの。なんでだすの」
大事なことなので二度言った。何が、とみんな思ったかもしれない。
「あんなのサージェさんが忍んでるくらいありえないよ。だって外骨格だと。骨が外にあるんだよ。おかしいよ」
理緒が早口である。
ものすごいブルーである。
彼女のその様子にサージェは驚愕する。
「理緒さ――――んっ?! 何が起こったんですか!? あと、さりげなく私の忍び力をディスるのはやめてください。ちゃんと忍んでますから!!」
「いや、それは無理があるな!!」
『ドライ』がカッ! と目を見開いて言う。
彼、『ドライ』は気っ風の良い少年である。だが、正論でボコすのは時と場合によるんだぞってことをサージェは教えねばならないと思った。やめろ、青少年の健全な育成に、そのナイスバディは毒である。
「ちゃんと忍んでますから!」
大事なことなので二回言う。
「よりによってあんなので『プラクト』とか……やだよ。のりたくないよ」
えぐえぐしてい理緒に『フィーア』が首を傾げる。
「ももももしかして、『インセクト・ボーガー』のこと、苦手なんです、か? べ、別に私達まで『インセクト・ボーガー』使わないといけない、ということでは、ないのですけど……」
同年代の少女たちからすれば身長の高い『フィーア』が体育座りしている理緒を心配そうに見ている。
「そうですかーカブトムシ可愛いのになー。でも操作面はちょっとあれそうですね! こっちが乗らなくていいのなら! 虫の点滴を用意するしかないです! 即ち猫!」
サージェが胸を張る。
だからそういうところである。そういう無防備なたゆたゆが青少年の心を捻じ曲げていくのである。忍べ。
「え? 乗らなくて良い?」
「は、はははい、『憂国学徒兵』シリーズでも十分良いかと……」
「そなの?」
理緒が泣き止むと『フィーア』はホっとした顔をする。
その端でサージェが白猫又にバリィってされているのを忘れないでいてください。悲鳴が上がっているんですよ。
「なーんだ、なら早く言ってよー♪ 恥ずかしいところ見せちゃったな。安心して『フィーア』さん、もういつものわたしだよ! だから噛んで、さぁ噛んで!」
「ええええええ!?」
本当に、えええええ!? である。
この変わり身の速さ。
これが理緒である。そんな理緒たちをサージェはバリィってされた顔で、ニマニマしている。
「萌えの摂取はいいことです」
うんうん、とサージェは後方萌え顔しながら『五月雨模型店』の棚から虎のプラモデルを手に取っている。
「ふっふっふ、なら今回はコクピット周りをいじろうかな! 相手が目を回してくるっていうなら、フローティングコクピットにしようかな。これなら対応できるかもしれないし!」
「お、理緒さん、いいですね。私も『マニューバ』タイプにしてるんですよ。千鳥足でも動けるようにバランサー強化しておきましょうかね」
なんやかんや言って二人は、事件に対する姿勢は真摯であった。
いつも普段からこうだったら尊敬できるのになぁ、と『フィーア』は思ったが、言わないことにした。
だって、言ったら絶対面倒なことになるってわかっているし、なんかこう身の危険を感じたからである。
二人が作成した『憂国学徒兵』シリーズのロボットと虎型の機体は主に『マニューバ』に必要なコクピット周りの改修を重ねられている。
これならば、『ダークリーガー』のもたらす『ぐるぐるバット』にも対応できるかもしれない。
「結局、後は自分たちの腕次第ってところだよねー♪」
「ふっ、シリカに伊達にバリィってされていないところをお見せしますよ」
二人の謎の決め顔と共に『フィーア』はなんとも不安そうな顔をしながら、共に機体の習熟訓練に付き合うしかないのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
なるほどつまり……ボーグバ…ボーグ戦闘と言う事だね…
…ぶつかってひっくり返す事が重要なら…平たく重心が低い形が有利…
…となればモチーフはそれっぽい奴に…
…つまりクワガタ型がおそらくベストだろう……ライバルキャラがよく使う奴…折角だから色もクール系の青に…
…下から掬われにくいように…こちらはひっくり返しやすいように角を使ったギミックと…緊急回避用の仕掛けを仕込みたいところだな…
…あとはいつも通りルールブックを読みながら操縦系統の調整…運転には慣れ親しんでいるしいつも通りマニューバで…
…ルールオプション、色々あるな…これに加えてぐるぐるバットのルールが加わるのだから…把握するのは大変だな
新商品プラスチックホビー、『インセクト・ボーガー』。
それは昆虫のパワーを再現し、激突する強力なギアとパワー、スピードを兼ね備えた最新鋭に相応しいホビーである。
『ダークリーガー』たちが今回、それを使うのは強敵であることを示している。
しかし、それ以上に不可解であったのは、『インセクト・ボーガー』がアスリートアースでは今だ発売されていないという点である。
彼らが何故、発売前のホビーを手に入れることができたのか。
その謎は戦いながら解き明かしていくしか無いのであろう。
「なるほどつまり……ボーブバ……ボーグ戦闘ということだね」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)はうっかりメタの壁的なあれを打ち抜きそうになっていたが、持ち直した。いや、言い直した。
そう、『インセクト・ボーガー』はホビー同士をぶつけ合う遊びをするホビーだ。
だからこそ、外装のプラスチックは強靭である。
装甲が分厚いということだが、逆に重たくなってしまう。けれど、その重さをものともしないのが内蔵されたモーターである。
そのモーターのおかげで『インセクト・ボーガー』は分厚い装甲に圧倒的なパワーとスピードをゆうしているのだ。
昆虫モチーフであることが良い証拠だろう。
「……ぶつかってひっくり返すことが重要なら……平たく重心が低い形が有利……」
メンカルは『五月雨模型店』の中で首をひねる。
自分が『プラクト』で使用するホビーを選んでいるのだ。敵の戦い方がわかっているのならば、それに対策を張るのは当然だった。
「……ふむ、敵がカブトムシ型なら、クワガタ型がベストだろう……ライバルがよく使う奴……」
メンカルが手にしたのは『インセクト・ボーガー』に似た旧式のプラスチックホビーであった。
その中からクワガタタイプのものを手に取る。
「……下から掬われないように……けど、こちらはひっくり返しやすいように角を使ったギミックと……」
諸々考えることが多い。
敵の『インセクト・ボーガー』は此方の機体よりもパワーとスピードに優れている。その上に重心が低いと来ているのだ。
ならば、真っ向から当たっては此方が負けるのは必定。
そこはガジェット作成で培った創意工夫が活きる時であろう。
「緊急回避の仕掛けを仕込みたい、というところであろうか!」
いつのまにかそばに来ていた『ドライ』という少年がメンカルを見上げている。その視線にメンカルは頷く。
声がでかいなぁと思ったが、その豪放さ以上に知性を宿した瞳がメンカルは印象的だった。
「……重心の低さが肝要だと思っているのだけど……」
「まさに! だが、それだと二脚のロボット型からは狙われやすい。動きも単調であるしな。だが、敵が『インセクト・ボーガー』であるというのなら!」
「……柔よく剛を制す、ということ……?」
「であるな! 幸いにしてクワガタ型を手に取られておられる! ならば、その車体とも言うべき胴体と角に……」
あれこれとメンカルと『ドライ』はクワガタ型の機体に改造を加えていく。
敵のパワーを利用する角。また敵のスピードを逆手に取る緊急回避ようのギミック。
それらを仕込み、最後に『マニューバ』の操作系統を組み込んでいく。
「……ルールオプション、色々あるな……これに加えて『ぐるぐるバット』のルールが加わるのだから……把握するのは大変だな」
メンカルは目が回る思いでった。
アスリートアースは超人スポーツの坩堝である。
それだけでも雑多なルールが多いというのに、ここにきて未公式競技ながら二つの特性を理解しなければならないのだ。
しかし、それでもメンカルはやり遂げるだろう。
如何に敵の『インセクト・ボーガー』が強力なのであっても、知恵と工夫でもってこそ戦いを制することができると、彼女は知っているのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
花走・りな
なるほど、ぐるぐるバットの影響はこんな所まで来ているのか……。
プラスチックホビーが回転するなら普段のぐるぐるバットとは違うアプローチを加えて見るのもアリかなぁ。
……普段のぐるぐるバットってなんだろう、
「ぐるぐるバット」アスリートじゃないはずんだけどなぁ、私。
モーションを想定
パンツァーキャバリアをモデルに複数のプラモをコンパチして作ってみようか。
重心をやや崩してにして回転に変化をつけられたりできないか試してみよ〜。
とはいえ戦闘も出来なきゃだし、バランスを崩しすぎないようにしないと。
バランスの確認にも実践トレーニングしなきゃ
それじゃあ
レッツ・ゴー・サイクロン!
じゃなくて
レッツ・アクト!
アスリートアースにおいて、超人アスリートたちが参加するスポーツは一つに絞られたものではない。
多くの場合、他のスポーツにも助っ人で飛び込むし、興味があるのならば未公式競技にだって飛び込んでいくのだ。
花走・りな(あの喝采に憧れて・f37819)もまた、そんなアスリートだった。
「なるほど、『ぐるぐるバット』の影響はこんな所まで来ているのか……」
彼女は『五月雨模型店』の扉を開いて、『ダークリーガー』たちとの決戦に向かって特訓をしている『プラクト』に興じる猟兵や、少年少女たちを見やる。
今回、彼らに戦いを挑んできた『ダークリーガー』は、どうやら『ぐるぐるバット』のアスリートでもあるようだ。
あのぐるぐるって回って三半規管を試すような、それでいて神に挑戦するような、いや、神に近づこうとするかのような競技を彼女は知っているのだ。
「プラスチックホビーが回転するなら普段の『ぐるぐるバット』とは違うアプローチを加えてみるのもアリかなぁ」
りなは考える。
今回の『プラクト』は自分で自分の『プラスチックホビー』を用意しなければならない。自分で作って、自分で動かして戦う。それが『プラクト』なのだ。
「……いや、普段の『ぐるぐるバット』ってなんだろう、『ぐるぐるバット』アスリートじゃないはずなんだけどなぁ、私」
りなは頭を振る。
いや、本当である。詳細不明というか、兎にも角にもぐるぐる回って、三半規管の限界を試しているようなことしかしていないような気がするのだ。
それ以前に、なんかりな自身が『ぐるぐるバット』のアスリートであるようにさえ思えてくる。もしかして、これが『ぐるぐるバット』の凄さなのであろうか。
そんなりなは頭を振る。多分、雑念だこれ、と思ったのかもしれない。
「これは、普通に複数のプラモを合わせてもいいのかな?」
りなは近くに居た少女『ツヴァイ』に尋ねる。
「はい、特に制限はないですが、人体からかけ離れているモデルの場合は『マニューバ』タイプの操作がおすすめです。逆に人型に近いのであれば『モーション』タイプが。『モーション』タイプの利点は、自分の動きをそのままにトレースできることです」
それ故に、アスリート本人の身体能力が反映されるのだという。
ならば、とりなはパンツァーキャバリアをモデルにして複数のプラモデルの箱を手に取る。
「重心をやや崩して回転に変化を付けられたりできないかな」
「上半身は戦車なのですか? なら、回転する砲塔……いえ、脚部……?」
「あっちが回転してくるなら、こっちも回転してって思っているんだけど」
「逆に回転だけに固執すると、戦うための武装が扱えなくなってしまいます。そちらはどうします?」
「そっか……うーん、バランスを崩し過ぎないようにしないと」
りなは『ツヴァイ』と共に作業スペースで自分の機体を作り上げていく。
複数のプラモデルを使った制作は時間の掛かるものであった。
けれど、なんとか完成を見た、りなの機体。
だが、それで終わりではない。
「問題はこっからだね! バランスの確認のためにも実践トレーニングしなきゃ」
「そのとおりです。動かし方のバランスは追々。まずは慣れ、ということですね。私もお供します」
『ツヴァイ』の申し出に、りなは頷く。
結局、身体を動かす、ということに変わりはない。故に、りなは力強く頷いて自分の機体をフィールドに投入する。
自分の体をもって、別の機体を動かすという違和感はまだ拭えない。
けれど、これに慣れなければ勝機はないだろう。
故に彼女の瞳は、普段ののんびりとした顔からアスリートの輝きを放つ。
「それじゃあ、レッツ・ゴー・サイクロン! じゃなくて、レッツ・アクト――!」
大成功
🔵🔵🔵
神代・凶津
もはやこの五月雨模型店の常連だな俺達。
にしてもインセクト・ボーガーかぁ。パワーのある昆虫プラモとは男子心が踊るぜッ!
相棒、俺もアレ欲しいッ!
「…まだ発売してないって話ですよ?」
今回も俺がマニューバ操縦するぜ。
前回のメカ怪獣王は相性悪そうだし、ってか終わった後に店長に寄贈しちまったしな。
おっ、昔アニメやってた動物や恐竜やらのロボのプラモあるじゃん。
この主人公が乗ってたブレードがついたライガープラモがいいかもな。素早いし相性がいいんじゃねえか?
店長こいつ売ってくれッ!
早速組むぜ。プラモ作りも慣れたもの。モーターをいいのにして、ブレードや爪を鋭く仕上げて全体的にパワーアップだぜ。
【アドリブ歓迎】
赤い鬼面がカタカタ揺れる。
その鬼面――神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と共に『五月雨模型店』の扉を開くのは、巫女服姿の少女にして彼の相棒である桜であった。
『もはやこの『五月雨模型店』の常連だな俺達』
「……そうですね。いつ来てもここは賑やかです」
二人が店内に入ると、店主が軽く会釈してくれる。
すっかり凶津の言葉どおり常連という言葉がしっくり来る。かといって、馴れ馴れしすぎないのもまた好感が持てる点であったことだろう。
「いらっしゃい。今日はどうする?」
店主の言葉に二人は頷く。
この『五月雨模型店』に『ダークリーガー』が戦いを挑んできていることはわかっている。それに彼が扱う『インセクト・ボーガー』は頑丈な機体にパワーとスピードを兼ね備えた最新鋭のホビー。
強敵にして難敵であることは言うまでもない。
だが、それ以上に凶津の中にあるであろう少年の心が『インセクト・ボーガー』によって刺激されまくっているのだ。
『インセクト・ボーガーっていうのは……ッ!』
「……まだ発売していないって話、ですよね?」
「ああ、まだだ。来月末に納品される予定だ」
店主の言葉に凶津があからさまにがっかりしたように鬼面に青筋を立てる。
その気持はとてもわかる。
お目当ての商品がなかった時のがっかり感と言ったら無い。あのがっかり感は少年のハートを持つものでなければ理解できぬものであっただろうから。
そんな凶津の様子に桜は息を吐き出す。こういうところが凶津の子供っぽいところなのだろうと理解はしていたが。
『となれば、前回のメカ怪獣王は相性悪そうだなッ!』
「ああ、あちらのショーケースに飾ってある」
店主の言葉に凶津は久しぶりに見る己の力作に喜色満面である。いつも見てもかっこいい。たまらないものがある。
とは言え、今回は『インセクト・ボーガー』対策をしなければならない。
となれば、選ぶべきホビーは凶津の中では既に決まっていた。
「……決まったら教えてくださいね。私は店主さんとお話していますから」
桜は時間つぶしに、と店主と世間話に興じる。しかし、もうまるでどっちが兄なのか姉なのか解らない始末である。
だが、模型店に入った少年心を持つ凶津にとっては些細な事である。
棚を眺めプランを頭の中で練り上げていく。
敵が昆虫型であるというのならば、こちらは動物や恐竜……長考の末、くわ! と凶津の瞳が輝く。
「決めたぜ! このブレードのついたライガーのプラモにするぜ!」
それは動物をモチーフにしたメカのロボットが活躍するシリーズのプラモデルであった。四足とギアによって自動で動くことでも知られている。
パワーではモーターを使う『インセクト・ボーガー』に劣るところがある。
けれど、その巨体と動物モチーフであるがゆえのしなやかさとスピードを凶津が引き出せるのならば、勝負はどうなるかわからない。
『店長! こいつを売ってくれッ!』
凶津はプラモデルの箱をか抱えてお会計を済ませて、すぐに作業スペースに飛んでいく。心なしかスキップしているような気がしないでもない。
わかる。
それが男の子ってものであるのだ。
作業スペースに入ってからの凶津の集中力は凄まじかった。
改造プランは頭の中に入っている。淀みない作業速度と精度でもって次々とパーツを組み分けていく。
『プラクト』もこれで何度目だろうか。
自分の機体を作って、自分で戦う。
慣れたものだ。
『モーターに置換して、そんでもってブレードと爪を鋭くシャープにッ!』
ヤスリがうなり、補強のプラ板が整形されていく。鋭い爪は剣呑な輝きを放つし、ギアを回転させるモーターが力強い四肢の動きを見せてくれる。
『ふッ! 我ながら良い出来栄えだぜッ!! 相棒ッ!! ほらほら見てくれこれッ!!』
良い出来栄えだろう! と桜に見せる凶津。
そのキラキラした鬼面に桜は苦笑いするかもしれないし、微笑ましいものを見る顔にもなるかもしれない。
また一つ、凶津の力作が誕生し、『ダークリーガー』との決戦に向けて、其の勇姿と共に凶津はフィールドを駆け巡るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
八洲・百重
●SPD
プラモデルなぁ
おらの故郷の神社でお祭りになっと出店がずらーっと並んで村の子どもたちが買いよってるの覚えってけど、プラモデルって接着剤を塗ったくって貼り合わせ無いといけねぇんだべ?
パ…チ…組み…?
はえー、今のプラモデルは接着剤を使わずに作れんだぁ
コレならぶきっちょなおらでも作れそうだべ
じゃあ、『インセクト・ボーガー』のノコギリクワガタを作ってみっべ
…あ、やっちまった
組み立ての順番を間違って別の部品同士をくっつけちまっただぁ
無理やり外すとぶっ壊れそうだし、どうすればいいんだぁ…パーツオープナーを使え?
おお、慎重にやったら無事外せただ!
後はモーターを組み込んで完成だべさ
名前は関太郎だべ
八洲・百重(唸れ、ぽんぽこ殺法!・f39688)は『五月雨模型店』のショーケースを眺めて、故郷のことを思い出していた。
あれはお祭りの時だっただろうか。
故郷の神社では、祭りの度に出店がやってきて様々な珍しいもの売り買いがなされていた。
村の子供らはこぞって小遣いを握りしめて駆け出していたのを百重は思い出して微笑む。
「でもなぁ……プラモデルって、接着剤を塗ったくって張り合わせないといけねぇんだべ?」
ショーケースの中の完成されたプラモデルはどれもが惚れ惚れする出来栄えだった。
中には猟兵達が作り、実際に『プラクト』で戦った機体も残されている。
どう考えても百重が自分で出来るとは思えない。
それに、村の子供らが接着剤で手をベタベタにして半泣きになっていたのを思い出せば、百重は自分が手先の器用な方であるとは思えず、殊更にうなだれてしまうのだ。
だがしかし、安心して欲しい。
ここは『五月雨模型店』である。
初心者を唯一人捨て置くことなどしないのである。
「おねーさんどうしたんだよ。何か困りごと?」
『アイン』と呼ばれる少女が首を傾げている。百重は、事情を説明する。『プラクト』競技の助っ人としてやってきたのだが、しかし、プラモデルとは作るのも難しいものであろうと。
だが、彼女の言葉に反して『アイン』は二カッと笑って言うのだ。
「だいじょーぶ! 今のはスナップキットだから、パチって組めるんだぜ!」
「パ……チ……組……?」
なんて? と百重は首を傾げる。『アイン』はそんな百重の様子に手を引いて作業スペースに引っ張っていく。
そこにあったのは多くのプラモデルを組み上げる少年少女と猟兵たちの姿だった。
百重の中のプラモデルとはとかく面倒な作業が多いものであった。
まずは接着しないといけないし、接着が乾くのにも時間が掛かる。接着されたとて、そのバリと取ったり、なんやかんやがあると思っていたのだが……。
「はえー、今のプラモデルは接着剤を使わずに作れんだぁ。コレならぶきっちゃなおらでも作れそうだべ」
「そうそう! 簡単!」
「なら、『インセクト・ボーガー』の……」
百重は早速『ダークリーガー』が使うという『インセクト・ボーガー』と同じものを、と店内を探すが、同じものがない。
なぜなら、まだ『インセクト・ボーガー」はアスリートアースでは発売されていない商品なのだ。
「あー、『インセクト・ボーガー』探してたのかー。でもまだ発売されていないんだよな。似たようなのは前にあったんだけど……これにする?」
『アイン』の勧めで百重は別シリーズのノコギリクワガタ型のプラスチックホビーを手にとって作業スペースに向かう。
なんとか一人で組み立てようとするのだが、慣れぬ上に不器用であると自覚した百重には難しい。
「……あ、やっちまった」
別のパーツをくっつけてしまったり、パーツを飛び散らせてしまったりと失敗に暇がない。
「大丈夫大丈夫。間違って付けたのはセパレーターで分けることができるからさ!」
そういって『アイン』が百重にパーツオープナーを手渡す。
コレどう使う? と八重は頭にはてなマークを沢山浮かべている。それもそうかもしれない。慣れている者とそうでない者とでは物の見え方が違うのだから。
そんな様子に『アイン』は嫌な顔せず、こうやるんだよ、と手本を見せてくれる。
「お、おお! 身長にやったら無事はずせただ!」
「そうそう。上手だぜ!」
「こったら、次は……モーターだべさ!」
「付属のよりこっちの新しいモーター使うといいかもしれないな!」
なんやかんやと二人でわいわいやりながらノコギリクワガタ型の機体が出来上がっていく。
塗装もしっかり行えば、世界に一つだけの百重のプラスチックホビーの出来上がりである。
掌に乗るサイズではあるが、百重はそれがとても大切なもののように思えたことだろう。
「名前、どうする?」
『アイン』の言葉に百重は感無量と言った様子で、そのホビーに名をつけるのだ。
「関太郎だべ!」
彼女が名付けたプラスチックホビー。ノコギリクワガタ型の『関太郎』は、彼女の愛着を示すように、その機体の色を輝かせるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
あいかわらずルールがガバい!
メジャーになる気あるのー?
●パワーと装甲にはパワーと装甲!
いっけー!バラバラXくんニューモードだあ!
自在塑造合金をマシマシにしてパワーと装甲マシマシ形態をテストしよう
なんとこの形態には戦車やキャバリアとお相撲ができるくらいのパワーと装甲…はやりすぎだからやめよ?ってXくんに説得されたよ!
頭の装備を何にするか悩むなー
全てをかちあげるビートルホーンか
それともすべてを真っ二つにするスタッグホーンか
でもやっぱり男の子は一本角のビートルホーンだよね!
いっけー!ファイナルブラスターテンペス…トなんちゃら!!
と光線を試し撃ち!
『プラモーション・アクト』、通称『プラクト』のルールは単純明快である。
プラスチックホビーを自分で作り、『モーション』と『マニューバ』のニ種類の操縦方法を選んでフィールドで戦わせる。
チーム戦であり、メンバーの上限はない。
チームメイトが多ければ多いほど有利であるが、しかし、作ったホビーの性能とアスリートの身体能力と操縦能力が大きく能力に反映される。
故に一騎当千たるホビーが数をひっくり返すことだってあるのだ。
勝敗が決するのは、どちらかの全滅のみ。
ざっくりしすぎているが故に自由度は高いのである。
「あいかわらずルールがガバい! メジャーになる気あるのー?」
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は思わず叫んでいた。
わからないでもない。多分無い。
いや、アスリートたちは本気そのものである。しかしながらである。『プラクト』はプラスチックホビーを売るための販促活動であるとも言えるだろう。
メジャーになりすぎると、それはそれで困った事態も引き起こされるかもしれない。
例えば、メーカー側からの過剰な性能特化であるとか。
今回の『ダークリーガー』が使う『インセクト・ボーガー』が良い例だろう。頑丈なプラ装甲にパワートルクにスピード。
どう考えても強力過ぎるのだ。
「ま、どっちでもいっか! パワーと装甲には、パワーと装甲! というわけで、いっけー! バラバラXくんニューモードだあ!」
自在塑造合金をマシマシにしたパワー装甲マシマシ形態というガバガバな理屈で守られた『バラバラX』の姿は最早なんかこう、どういう……? となる形容し難い姿となっていた。
なんというか、ゴツすぎるというか。
「ふふーん、この形態は戦車やキャバリアとお相撲が出来るくらいのパワーと装甲……は、やりすぎだからやめよ? ってXくんに説得されたよ!」
パワーを計算したところ、プラスチックホビーの小ささで体高5m級の戦術兵器とかち合っても押し負けないパワーを持つことが判明いている。こわい。
「どんなパワーだよ」
『アイン』も相変わらずのデタラメさに驚愕している。
むしろ、それだけのパワーを引き出せるロニ自体にもドン引きしているのかもしれない。
「ボクのパワーはすごいからね! 何せ神様だし! でもでも頭の装備を何にするか悩むなー」
ロニはそんな『アイン』たちの驚愕を他所にうんうんと唸る。
機体の方のパワーアップは終わった。
けど、頭部がどうにも決まらないのだ。せっかくのニューモードであるのだ。頭だけそのままです、という妥協だけはしたくない。
どうしようかな、とロニは悩む。
敵が『インセクト・ボーガー』……即ち昆虫をモチーフにしているのなら、とロニの中で何かが繋がる音がした。
「全てをかちあげるビートルホーンか、それとも全てを真っ二つにするスタッグホーンか……!」
いや、繋がってなかった。
まだ二択までしか絞れていなかった。
どうしよう。どっちにしよう。もう時間はあんまりない。ここまで来ると後はもうぶっつけ本番しかない。
「うん! 決めた! 男の子は一本角のビートルホーンだよね!」
がっしーん! って『バラバラX』の頭部に装着されたビートルホーン。
その煌めく輝くにロニは満足げに頷く。
「時間はないけど、必殺技の試し打ちだけはしとこうね!」
よいしょ、とロニはニューモードの『バラバラX』をフィールドに置いて、その頭部のビートルホーンを輝かせる。
「いっけー! ファイナルブラスターテンペス……トなんちゃら!!」
ガバなネーミングから放たれる嘘みたいな光線の一条がフィールドを切り裂く。
威力もガバガバであった。
ロニはうんうんこれだよ! という顔をしていたが『アイン』は、どう見たってこれはやりすぎだろ、という顔をするしかないのであった――!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ダーク化スプリンター』
|
POW : スプリンター・ストロングウィンド
レベルm半径内を【強風 】で覆い、範囲内のあらゆる物質を【正々堂々と勝負する人物を祝福する追い風】で加速、もしくは【妨害行為を行おうとした者を襲う逆風】で減速できる。
SPD : スプリンター・オーラ
【短距離走愛が具現化したオーラを纏った姿】に変形し、自身の【スタミナ】を代償に、自身の【移動速度と加速力】を強化する。
WIZ : スプリンター・スタイル
【競技前のウォームアップ 】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。
イラスト:YAB
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
そして、決戦の火蓋は落とされる。
そう、今日は『ダークリーガー』率いる『ダーク化アスリート』たちとの決戦の日である。
『プラクト』フィールド内の様子は全て商店街の大型モニターに映し出され、戦いの様子はネットで配信される。
プラスチックホビーの販促、と言われたのならばその通りなのだろうが、アスリートとしての技量も問われる競技であるがゆえに多くの関心を集めるに至ったのは、やはり猟兵達と『ダークリーガー』の戦いが激化しているからだろう。
「ふ、逃げないでいたのだけは褒めてあげるわ」
『ダークリーガー』チームを率いる『ぐるぐるバッター』こと『環・括』が自信満々に手にした最新鋭ホビー『インセクト・ボーガー』、その蒼く輝く『アキレウススタッグ』を見せつける。
「販売前のを見せつけてくれてよ!」
『アイン』が羨ましいような、悔しいような、そんな顔をしている。羨ましいんだな。
「ふっ、これが巨大企業の力ってやつよ! さあ、覚悟はいいかしら! 嘗て『エース』と呼ばれた貴女も、この如何ともし難い性能差の前に屈するがいいわ!」
彼女の言葉に、背後にいた大勢の『ダーク化スプリンター』たちが黒い『インセクト・ボーガー』を手に掲げ、フィールドに投げ込む。
「戦うとしましょう。超弩級の『プラクト』ってやつをね! 」
「へんっ! 返り討ちにしてやらぁ! 行くぞ、『ツヴァイ』、『ドライ』、『フィーア』、みんな!」
『アイン』の言葉に『五月雨模型店』のアスリートと猟兵たちが応える。
フィールドに飛び込んでいく数々のホビーたち。
今まさに、プラスチックの破片飛び散るバトルロイヤルが始まる。
「『レッツ・アクト』――!!」
吐院・ぐるめ
短距離走の選手が相手ね
それなら持久戦に持ち込めば勝てるかもしれないわ
ここはぐるめに任せなさい――私が選択したパーツは高速回転するだけの暴走機関じゃないってとこを教えてあげるわ!!!
ウィングよ。翼のパーツを広げる事により安定性を上げるわ。私の回転と機体の回転、受ける風と応援によってぐるぐるパワー10000よ!!
えっ?
目が回って私が倒れたらおしまい?
このアイテム欄の謎遊具を見なさい!
たとえ私が虹色の彼方に逝ってもこの回転は止められないわ――!
無限のエネルギーを放出してやりましょう!
喰らいなさいッ!
これが私の編み出した永遠の回転よッ!
うっ……
そしてこれが秘密兵器
私の虹に応じてスプリンクラー起動!!!
ついに始まった『プラクト』。
その戦いの勢いは凄まじかった。それもそのはずである。今回の『プラクト』における『ダークリーガー』たちの操るプラスチックホビーは『インセクト・ボーガー』。
パワーとスピードを兼ね備えた昆虫型の躯体に車輪のついたホビーである。
圧倒的な速度で敵が駆け抜ける戦場は『五月雨模型店』のチームメンバーの機体を次々と撃破していくのだ。
「速度! そう、全ては速度のために! 速さ以外は何もいらない! ゴールさえも!」
『ダーク化スプリンター』たちのサングラスの奥にある瞳がユーベルコードに輝く。
それは『短距離走愛』に満ちたオーラ。
皮肉にも彼らの愛は、ダーク化することによってねじれるようにして膨れ上がっていた。あらゆる障害を速度でもってぶち抜くかの如き圧倒的な加速でもって『インセクト・ボーガー』はロボットのホビーの胴体を一撃でぶち抜いていくのだ。
「圧倒される……! マジかよ!」
『五月雨模型店』の『アイン』が自身の白いロボットを操りながらなんとか持ちこたえていた。
「なるほどね。圧倒的な加速から得られる速度。それによるホビーの頑丈さを活かした突撃戦法……短距離走のアスリートと上手くマッチしているわね。けど!」
吐院・ぐるめ(虹色の彼方・f39773)は『アイン』たち主要『五月雨模型店』のメンバーたちをかばうようにして自身の機体『プラブレード』を前に歩ませる。
「ここはめぐるに任せなさい――私が選択したパーツは高速回転するだけの暴走機関車じゃないってことを教えてあげるわ!!!」
「めぐるちゃん!」
「ぐるめね!!!」
止める間もなく、ぐるめは『プラブレード』を高速回転させながら敵陣に突っ込む。
だが、敵も加速には自信がある。
敵が速度で迫るというのならば、自分たちの身にまとったオーラで蹴散らしてやろうというのだ。
「我等の短距離走愛の前には!」
「ふっ……言ったでしょう。私は暴走機関じゃないって!」
掲げたロボットの手足からユーベルコードの煌めきが迸る。
それは飽くなき勝利への意思。
絶対に勝利するのだという気概。
それがぐるめのユーベルコードとなって、『プラブレード』に光の翼をはばたかせるのだ。
「光の翼……!?」
「どういうことだ!?」
「翼パーツを広げることにより、安定性が上がるのよ! 私の回転と機体の回転、受ける風と応援によってぐるぐるパワー10000よ!!」
具体的な数字!
けれど、その数字が一体全体どういうパワーをもたらすのかは誰にも解らない。
上がっていく『プラブレード』の回転速度。
それは回転速度が一定を越えると、なんかこうスローモーションのように見えてしまうあれに似ていた。
ぐるめはパーティションの中で回転しまくっていた。
ものすごい回転故に、彼女が『ぐるぐるバット』の伝道師であることを知らしめるには十分だったことだろう。
「だ、だが、敵は『モーション』タイプ! あれだけの回転だ。三半規管がぶっ壊れているに違いない! 長くは保たないぞ!」
「それは!」
回転しながら、ぐるめが叫ぶ。
「あなたたちも同じでしょう! 短距離走故にスタミナ不足! 圧倒的な加速の前にからっけつでしょう!」
「た、確かに……! だが、お前が倒れれば!」
「この謎遊具を見なさい!」
ぐるめが掲げているのは、努力の証。
えっと、丸ボールのついた棒が立っていて、円盤が中心にあって……えっと、えっと、何、これ……?
皆わからなかった。
これがなんなのかわからなかったのだ。
「え、いや本当になにそれ!?」
『ダーク化スプリンター』たちは皆驚愕するしかなかった。マジであれ何!? と困惑しきりであった。
だが、『ぐるぐるバット』の伝道師、ぐるめはここでは終わらない。
「喰らいなさいッ! これが私の編み出した永遠の回転よッ!」
『プラブレード』の機体が残像を無数に展開しながら、一気に『ダーク化スプリンター』たちの『インセクト・ボーガー』へと迫る。
回転するブレードが次々と『インセクト・ボーガー』の強靭な装甲を切り裂く。
炸裂する光。
操縦パーティションの中でぐるめは青い顔をしながらサムズアップする。
「うっ……そしてこれが秘密兵器。私の虹に応じてスプリンクラー起動!!!」
※プライバシーに考慮して、虹がなんであるのかを省かせて頂いております。何卒ご了承ください。
「何このナレーション――!? うっ」
ぐるめの回転は、謎の虹という名のキラキラを生み出し、『プラクト』の歴史になんかこう拭えぬ歴史をぶちまけるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
引き続き『疾き者』にて
さて、いきますかー。本当に…陰海月は器用ですねー?
ええ、モーションタイプで…霹靂に騎乗してね。
ふふ、このことは陰海月からこっそり伝えられてましたから。
そして、陰海月が『今度はこれを押してね!』っと伝えてきたのを押しましたら…ええ、漆黒風を取り出して投げてますね。
前より技術上がってません…?
※
霹靂「クエ?」
応援席に行こうとしたら、まさかの自分もモーション参加。ぱたぱた。
なら、いつものように回避は任せろ状態。
陰海月「ぷっきゅー」
霹靂も、たまには参加できるように!との選択だった。
「さて、いきますかー」
『プラクト』フィールドの阿鼻叫喚の虹地獄を他所に馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『疾き者』は自身の機体、戦国大武将シリーズのロボット将軍が駆る翼生えし騎馬メカと共に降り立つ。
「本当に……『陰海月』は器用ですねー?」
『ぷっきゅ!』
『陰海月』が自信たっぷりに頷いている。
だが、今回はこれだけでは終わらない。そう、メカ騎馬を用意したのには理由がある。
『ぷっきゅ、ぷっきゅ!』
『クエ?」
『陰海月』に押されて『霹靂』が操縦パーティションに入って来る。
『疾き者』は知っていたことだったが、どうやらメカ騎馬の方にも『モーション』タイプの操縦機構を組み込んでいたのだ。
こっそり伝えられたときには驚いたものの、しかし、その心遣いというものに『疾き者』は『陰海月』の成長を見たような気がして、目頭が熱くなってしまうのだ。
「大将軍だがかんだか知らんが! 我等の『短距離走愛』の前にはなぁ!」
『ダーク化スプリンター』たちが虹のスプリンクラーを越えて、『インセクト・ボーガー』で突っ込んで来る。
もう色々と戦場がシッチャカメッチャカであるが、しかしまだ敵がおり、戦いが決していないということは、『疾き者』たちにとってやるべきことが変わっていないことを示している。
虹色のなんかこう、あれなスプリンクラーに染められた戦場。
だが、其の虹色のなんかを跳ね散らせながら突撃して来る『インセクト・ボーガー』の強烈なる一撃を『陰海月』の作り出した戦国大将軍の刃が受け止める。
「ふむ……剛性は十分。これならば」
『疾き者』は突撃してきた『インセクト・ボーガー』を切り払い、吹き飛ばしながら『霹靂』の操るメカ騎馬と共に戦場を駆け抜ける。
「では、行きますよ『霹靂』!」
『クエっ!』
嘶くようにメカ騎馬が翼を広げて戦場を駆け抜ける。
虹色に濡れた戦場を物ともせず、飛翔するメカ騎馬は一気に戦場を駆け抜け、『ダーク化スプリンター』たちの追随を許さない。
「この我等が追いつけない、だと……!?」
「『霹靂』の能力を甘く見ないことです……と『今度はこれを押してね!』とありますね……なんでしょうこれは」
そう思いながらも『陰海月』の指示通りに、備えられたボタンを押す。
ぽちっとな。
その音と共に押されたボタンは、一瞬で戦国大将軍に備えられたギミックを開放する。
鎧の隙間から取り出した棒手裏剣を淀みない挙動で『インセクト・ボーガー』に投げ放つ。
放たれた棒手裏剣は、強靭な『インセクト・ボーガー』の装甲を貫き、其の内部構造を破壊し爆散させるのだ。
「……前より技術上がってません……?」
呆然としてしまう。
いつのまにこんなギミックを仕込んでいたのだと。そして、『霹靂』がたまには参加できるようにと心配りをしてさえいる。
子供の成長というのは、本当に早いものだ。
いつのまにか自分たちが思う以上に『陰海月』は成長しているのだ。
いくつも成長を見せてくれる。それが嬉しくもあり、また同時に寂しさを覚える。いつか自分たちの手元を離れていくのかもしれない。
そう思えばこそ、自分たちもオブリビオンの存在を許してはおけない。
「今は感心しているばかりではいけませんね。私たちも!」
メカ騎馬と共に疾走する戦国大将軍。
その手にした刀を振るい、棒手裏剣を投げ放ち、ユーベルコードの煌めき放つアイセンサーが戦場に一条の光となって迸る。
光の軌跡の後に刻まれるは『ダーク化スプリンター』たちの『インセクト・ボーガー』が最後に見せた爆発の明滅。
それは、子供の成長を止められるものなど存在しないのだというように、『疾き者』は四更・風(シコウ・フウ)の力を解き放ちながら駆け抜けるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ニィナ・アンエノン
よーし、対戦相手も出て来た!
練習もした!それじゃ行こうか!
チャージさんか……じゃ無かった、レッツ・アクト!
昆虫もいいけどうちの子も可愛いでしょ!
ほら、わおわお〜ん☆って感じで口が開くんだよ?
にぃなちゃんとお揃いの八重歯がチャームポイント☆
カメラに向かって見せてあげる!
はい、あ〜ん☆
そんでもって相手の感じからして、突進力はあるけど対空攻撃は専門外と見た!
まずはこっちを狙ってもらって、ミサイルを【乱れ撃ち】して足止めしたら上から飛び乗って【重量攻撃】だ!
4本の脚でいっぱい踏んであげる☆
後は相手の角に噛み付いて、そのままぶん回したり放り投げたりするのもいいかな。
この機体の重さ、存分に振るっちゃうぞ☆
戦いの前における下準備というのは重要であることは言うまでもない。
『プラクト』においては、特にそうである。
自身の分身としてフィールドの中で戦うプラスチックホビー。その調整に余念はなかったし、例え最新鋭ホビーである『インセクト・ボーガー』がどれだけ強力なホビーであったのだとしても、『五月雨模型店』のチームメンバーたちは自分たちが負けるとは思っていなかった。
そもそも戦いに際して自分たちの敗北がよぎることは、すでに勝敗が決して居るとも言える。だからこそ、アスリートアースのアスリートたちは試合に至るまでの過程に置いて、手を抜くことはなかった。
自分への信頼。
それにおいて彼らは戦うのだ。
けれど『ダーク化スプリンター』たちが使う『インセクト・ボーガー』の力は圧倒的だた。パワーとスピードを兼ね備えた躯体は、容易に人型ロボットであるプラスチックホビーの胴をぶち抜いて破壊する。
「短距離走への愛ならば負けるわけがない! 即ち! この『プラクト』の戦いを制する最短距離を最速で走り抜けるのは我々だ!!」
彼らの咆哮と共にユーベルコードが煌めき、『五月雨模型店』のチームメンバーたちが次々とやられていく。
「チャージさんか……じゃなかった、『レッツ・アクト』!」
ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)は自分の作り上げた四脚の角持つロボットを駆って戦場たるフィールドに降り立つ。
「すっごいみんなやられてる……!」
「遅かったようだな! 我等は最速最短で突っ走るのみ! みよ、この短距離走愛を!!」
オーラに包まれた『インセクト・ボーガー』がニィナの機体に突っ込んでくる。
「昆虫もいいけど、うちの子も可愛いでしょ! ほら、わおわお~ん☆って感じで口が開くんだよ?」
あーん、とニィナの機体のバイザーが開いて、その顎を如き奥にある顔を見せる。
肝心のニィナは中継用のカメラに向かって自分の口を見せて、チャームポイントの八重歯をキラリと輝かせる。
「はい、あ~ん☆」
その様子にコアなファン層の雄叫びが何処かしこで上がったのは言うまでもない。
そんな盛り上がりを見せる中、ニィナは迫る『インセクト・ボーガー』の突撃をミサイルの乱れ打ちでもって防ぐ。
例え、強靭な装甲を持っているのだとしても、ミサイルの爆風は足を止めるはずだ。
だが、乱れ打ちのミサイルの間隙を縫うようにして『インセクト・ボーガー』は走り抜ける。
これが『ダーク化スプリンター』の力。
「むむっ! やるなぁ! でもでも、ユーベルコードのこれなら、どうだぁ☆」
ニィナの瞳がユーベルコードに輝くのと同時に、彼女の機体のアイセンサーが煌めく。
ミサイルカーニバルと呼ばれるユーベルコードは高機動マイクロミサイルを解き放つ。無数のミサイルは、戦場を走り抜ける『インセクト・ボーガー』に追いすがる。
「我等を捉えるだと! この短距離走において我等が捕らえられることなど!!」
「あるんだなぁ、これが☆」
ニィナは機体を走らせ、ミサイルと共に迫る『インセクト・ボーガー』に向かう。
ミサイルの爆風があちこちに吹き荒れる中、ニィナの機体と『インセクト・ボーガー』が交錯する。
「どこだ!?」
ニィナの機体を『インセクト・ボーガー』が見失う。
それもそのはずだ。彼らの機体は重心を低くしているため、地を這うように奔ることしかできない。
つまり、空よりの攻撃の一撃よりも高く飛び上がった四脚の機体が降り注ぐのを彼らは認識することができなかったのだ。
「そ~れっ☆」
ニィナの掛け声と共に彼女の機体の四脚が『インセクト・ボーガー』を踏みつける。
「いっぱい踏んであげる☆」
「ありがとうございますっ! じゃない! 違うちがっ!?」
今なんか本音が聞こえた気がする。
次の瞬間、顎の如きバイザーが開閉し『インセクト・ボーガー』の角に噛みつき、振り回して地面に叩きつける。
「この機体の重さ、存分に振るっちゃうぞ☆」
ニィナちゃん自身が重たいってことではない。言っておくが!
そんなニィナの活躍によって推されていた『五月雨模型店』のメンバーたちも勢いを取り戻していく。
しかし、まだまだ敵の数は多い。
ニィナは、自身の機体を縦横無尽に駆り、さらに猛獣の如き戦いぶりを見せつけ、カメラワークに気がついて、その笑顔を向けて……。
「がおがお☆ってやっちゃうんだからね!」
そんな風にファンサービスたる神対応をするのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
神代・凶津
ブレードなライガーで戦闘開始だぜッ!フィールドを縦横無尽に駆け回るのに適したこの四足歩行。こいつでインセクト・ボーガーを撃破するぜ。
レッツ・プラクト、ゴー・ライガーッ!!
インセクト・ボーガーの突進してくるタイミングを見切って、避けつつ通り抜け様にブレードで真っ二つにしていくぜ。
敵が短距離走愛が具現化したオーラを纏って移動速度と加速力を上げたなら、
相棒ッ!
「…転身ッ!」
雷神霊装でライガーのスピードと反応速度を引き上げるッ!
ここから先はスピード勝負、駆け抜けた者が勝利をかっさらっていく…ッ!
さあ、どっちが上か勝負と洒落込もうかッ!
【アドリブ歓迎】
『プラクト』フィールドの戦場に明滅するのは『ダーク化スプリンター』の操る『インセクト・ボーガー』が次々と『五月雨模型店』のチームメンバーたちの機体を破壊した火球であった。
彼らの操る『インセクト・ボーガー』は強烈な性能を誇っていた。
明らかにプラスチックホビーとしては破格の強度とパワー、スピードを有し、『ダーク化スプリンター』たちのユーベルコードと相まって凶悪な性能を発揮しているのだ。
「短距離走こそ、我等の独壇場! 誰も我等にはおいつけまい!!」
彼らのユーベルコードは短距離走愛によってオーラを纏い、圧倒的な加速とスピードでもって突撃して敵プラスチックホビーを粉砕する。
猟兵達によって劣勢は未だ覆すことはできないまでも、しかし押し切られてもいなかった。
「『レッツ・アクト』、ゴー・ライガーッ!!」
神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)の鬼面がカタカタと震え、共にある相棒である桜と共にブレードなライガーが戦場を駆け抜ける。
四脚の獣。
鋼鉄の如き爪と巨大なブレードを装備した凶津と桜の操るライガーが迫りくる『ダーク化スプリンター』の操る『インセクト・ボーガー』を迎え撃つ。
「獣風情が!」
「……来ます」
『おうともよ! てめえらが一直線に走るってんなら、俺のライガーは縦横無尽ッ!!』
凶津の言葉にライガーに装備されたブレードが展開する。
突進してくる『インセクト・ボーガー』と相対するタイミングを合わせ、突撃を躱してすれ違いざまにブレードの一閃が『インセクト・ボーガー』を薙ぎ払う。
如何に強度を増した装甲を持つのだとしても、互いの速度が圧倒的だったことが不幸であった。
加速した躯体と鋭きブレードが激突すれば、『インセクト・ボーガー』と言えど無事ではすまない。
「助かった! ここを任せてもいいか!」
『ドライ』の声が聞こえる。
彼ら『五月雨模型店』の主要メンバーたちは『インセクト・ボーガー』に猟兵以外で対抗できる唯一の戦力だった。
彼らが仲間たちを助けに向かうのならば、此処を受け持つことは凶津たちにしかできない。
『任されたぜッ! 行って来いよッ!』
凶津の鬼面が揺れ、其の言葉に『ドライ』の機体が反転して駆けていく。
その背中を追わんとする『ダーク化スプリンター』たちを前に凶津はライガーを駆って相対する。
『何も加速と移動力はお前たちのお家芸じゃねぇんだぜッ! 相棒ッ!!』
凶津の言葉に桜の瞳がユーベルコードに輝く。
「……転身ッ!」
煌めくユーベルコードに寄って二人の力が合わさり、一つになる。
顕現するは雷撃纏う礼装の如き装甲に覆われたライガー。
その紫電迸る姿は、正しく雷神のごとく。
故に名を、雷神霊装・二ノ型(スパークフォーム・ツー)。
一瞬でトップスピードに乗ったライガーは『インセクト・ボーガー』のように徐々に加速していくことはなかった。
縦横無尽にして、疾風迅雷。
それが今のライガーであった。迫る突撃も二人の力を合わせたライガーを捉えることはでいなかった。
「速い……! この我等よりも速いだと……!?」
『ここから先はスピード勝負、駆け抜けた者が勝利をかっさらっていく……ッ! さあ、どっちが上か勝負と洒落込もうかッ!』
凶津の言葉に応えるようにライガーが駆け抜ける。
装備されたブレードが紫電受けて煌めく度に『インセクト・ボーガー』が火球へと変わっていく。
迸るように戦場に刻まれた軌跡。
その後に残るのは破壊された機体しかない。
凶津は桜と共にライガーを駆り、未だ『ダーク化スプリンター』たちに傾く戦況を覆さんと雷鳴轟かせブレードの閃光を持って切り裂く――。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
【サージェさんと】
乗らないでよくなったとはいえ、虫なんだよね。なんだよね……。
(増えていく『インセクト・ボーガー』にハイライトがすうっと消えていき)
うふふふふふふ。敵、外骨格は敵。
『フィーア』さん、ちょーっと目、瞑っててね。
ぴゅあぴゅあ噛みっ娘に、ここからは刺激が強いと思うんだ。
外に骨があるのなら、溶かしやすいよね。
【ストラクチュアル・イロージョン】で骨を溶かす細菌を撒き散らして、
骨の軟化と速度の低下をしかけるよ。
さ、サージェさん、あとはおまかせしたよー。
昆虫食にしちゃってもいいからねー。わたし食べないけど。
あ、こっち持ってきたらサージェさんごと焼いちゃうかもだから、
そこだけ気をつけて、ねー
サージェ・ライト
【理緒さんと】
よーし、やりますよートラメちゃん!(トラ型プラクトの名前)
理緒さん、レッツアク……ひぅっ?!
理緒さんのハイライトが!帰ってきてハイライト!!
それはそれとして理緒さんのフィーアさんに対する優しさが
私にも欲しいです!!
いやぁ……ようしゃないエグさぁ……
りおさんかえってきてぇ
敵ながらこれ以上はかわいそうです
一気に倒しましょう
トラメちゃんにしたことで機動力と直接戦闘力がアップ
【電光石火】で駆け抜けて溶けたボーガーを叩き潰していきましょう!
トラメちゃんの爪と牙でがっつり倒していきますよー
いや食べませんし
牙で砕いてるだけですし
え?理緒さん呼びました?(溶けた虫をくわえたトラメちゃん振り返る)
愛着というものは何はなくとも湧いてくるものである。
それがどんなものであれ、自分が作り上げたものであれば殊更であろう。
少なくとも、サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)が組み上げた虎型のプラスチックホビーは『トラメ』と名付けられ、彼女の腕の中にあった。
『ダークリーガー』率いる『ダーク化スプリンター』との闘いが始まり、フィールドに降り立つ『トラメ』。
「よし、やりますよー『トラメ』ちゃん!」
サージェはやる気満々であった。
自分が作った愛着あるプラスチックホビーと一心同体となって戦う。
少年でなくとも、己の心の中には湧き上がるエモーションがあった。
「理緒さん、レッツアク……ひぅっ?!」
サージェがビクっとしたのは、隣の操縦パーティションにいる菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)から放たれるなんかこうあれなオーラであった。
「乗らないで良くなったとは言え、虫なんだよね。なんだよね……」
理緒の瞳に居たハイライトが消えていく。しょっちゅう家出するので、特に大事にはしないでおく。触れ得ざるものというやつである。たぶん。
彼女の眼の前、フィールドの中に存在する『ダークリーガー』率いる『ダーク化スプリンター』たちの操る『インセクト・ボーガー』は車輪を回して疾走して『五月雨模型店』のチームメンバーたちを次々と撃破していく。
圧倒的な性能差。
強靭な装甲にパワーとスピードを備えた規格外のプラスチックホビーを前に彼らでは歯がたたないのだ。
「うふふふふふふ」
「理緒さん! ハイライトが! ハイライトがまた家出しちゃってます! ハイライト帰ってきて!!」
「敵、外骨格は敵」
無茶苦茶な言い分である。
理緒の様子に『フィーア』はなんかこう触れてはならないものがあるなぁ、と思いつつ自身の操る人型ロボットでもって迫る『インセクト・ボーガー』の一撃を受け止める。
「……ッ、つ、つつよい……!」
「当たり前である! 我等の短距離走愛は如何なるものを追い越せない!!」
『ダーク化スプリンター』たちの放つオーラと『インセクト・ボーガー』の突進能力が掛け合わされることによって、凄まじい一撃を持って『フィーア』の機体が軋む。
「『フィーア』さん!」
サージェが叫ぶ。
間に合わない、と思った瞬間『フィーア』の機体に突撃していた『インセクト・ボーガー』が溶けて崩れていく。
「装甲が……!?」
「『フィーア』さん、ちょーっと目、瞑っててね。ぴゅあぴゅあ噛みっ娘に、ここからは刺激が強いと思うんだ」
それは、理緒のユーベルコード。
ストラクチュアル・イロージョン。
それは戦場においてばらまかれるウィルス。
骨をも溶かす最近を撒き散らし、『インセクト・ボーガー』の強靭な装甲と、其の内部フレームを軟化させ、其の速度故に機体に掛かる負荷でもってへし折れさせるのだ。
「いやぁ……容赦ないエグさぁ……」
「うふふふふふ」
理緒にとって、そんなに、な相手なのだろう。
トラウマか、それとも単純に生理的に受け付けないあれなのか。どちらにしたって、やりすぎじゃない? ってサージェは思ったし『フィーア』も思った。
サージェはいつもの理緒に戻って欲しいなぁって思ったし、また同時に『フィーア』に対する時の理緒の優しさの一欠片くらい自分にくれないかなぁって思うなどした。思うなどしただけである。言わないけど。
「さ、サージェさん、あとはおまかせしたよー。昆虫食にしちゃっていいからねー。わたし食べないけど。あ、こっちに持ってきたらサージェ産後と焼いちゃうかもだから、そこだけ気をつけて、ねー」
にこり。
理緒の笑顔が怖い。
まだハイライトは家出したままである。
「えぇ……」
サージェは『トラメ』の顎でもろくなった『インセクト・ボーガー』を咥え、理緒を振り返る。
「いいから。もってこなくていいし、みせなくていいし、ふりかえらなくていいし」
きっぱりと理緒が拒否のポーズを取る。
さっきまでの『フィーア』に対する優しさは本当に何処にあるのだろうか? そこになければないですね。
「ともあれ、敵ながらこれ以上は可哀想です。一気に倒してあげるがクノイチの情け!」
サージェの瞳がユーベルコードに輝くのと同時に『トラメ』のアイセンサーが輝き、咆哮が迸る。
刹那、その機体は電光石火(イカズチノゴトキスルドイザンゲキ)の如く戦場を走る。
『インセクト・ボーガー』が例え、どれだけ強靭な装甲を持っているのだとしても、理緒のユーベルコードに寄って軟化させられているのならば、僅かな一撃であっても致命傷に至るだろう。
そこに雷霆の如き速度でもって走り抜ける『トラメ』の爪牙が走れば、『インセクト・ボーガー』は紙切れ同然である。
「サージェさん、食べてもいいけど、捕食シーンは見せないで」
「いや、食べませんけど!? 牙で砕いているだけですけど!?」
「どう見ても食べてる感じでてるから! あっ、みせないでみせないで!」
サージェと理緒のやり取りを横目に『フィーア』は思った。
なんていうか、なかよしなんだなぁって。言わないけど。言ったらなんかとばっちり喰らいそうだなって思ったので、そーっと、その場を離れ、『インセクト・ボーガー』の脅威にさらされているメンバーたちを助けに彼女は奔走するのだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
…よーし…やるぞー……レッツアクト…
…いや…販売前の製品使うのはレギュレーション的にどうなのよジャッジー…ジャッジ的にセーフか…なら仕方ないな…
…さて…あちらはすでに慣らしが終ってるのか速度が速いな…角のギミックもあって正面からの激突ならなんとでもなるけど…
…背後を取られると危ない…かな?だけど……そのための緊急回避装置…
…クワガタの足を模した棘を地面に突き刺しての急旋回…
そして逆に後ろをとって急加速…後ろからひっくり返してしまおう…
…さて…相手の使ってるUCもだいぶ解析出来た…【崩壊せし邪悪なる符号】で【スプリンター・スタイル】を消して蹴散らすとしよう…
『プラクト』フィールドたる戦場は、終始『インセクト・ボーガー』を操る『ダークリーガー』率いる『ダーク化スプリンター』たちが『五月雨模型店』のメンバーを圧倒していた。
強靭な装甲とパワー、スピードを持つ最新鋭ホビー。
その性能差は如何ともし難いものがあった。
主要メンバーである『アイン』たちばかりがようやく対抗することができる程度であり、このままでは押し切られてしまうだろう。
彼女たちを除けば、猟兵達だけが『ダーク化スプリンター』たちの操る『インセクト・ボーガー』に対抗しうる戦力であった。
「……ねぇ、販売前の製品使うのはレギュレーション的にどうなのよジャッジー……」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は、『インセクト・ボーガー』の規格外たる性能と、また発売前ということを踏まえてレギュレーション違反なのではないかと異議申し立てをしていた。
だが、ジャッジ的に言わせてもらうのならば、販売前であろうが販売後であろうが、それがプラスチックホビーであるのならば何も問題がない。
重要なのは自分で作り、自分で戦うということだけ。
アスリートアースの超人スポーツの例に漏れず『プラクト』もまたルールがガバガバなのである。
「……なら仕方ないな……よーし……やるぞー……『レッツ・アクト』……」
メンカルのクワガタ型のホビーがフィールドに飛び込む。
それを見やる『ダーク化スプリンター』たちはあざ笑う。
「旧式のホビーが!」
「この『インセクト・ボーガー』のウォームアップはすでに終わっている! 蹴散らす!」
一斉に迫る『インセクト・ボーガー』。
すでに多くの『五月雨模型店』のメンバーたちは撃破されている。
プラスチックホビーの残骸を踏み潰しながら迫る『インセクト・ボーガー』は、確かに脅威であり、メンカルの手繰る旧式のクワガタ型ホビーでは真っ向勝負に値しないだろう。
パワーもスピードもあちらが上。
「……角のギミックもあり、ということか……背後を取られるわけにはかない……」
メンカルは自身を取り囲む『インセクト・ボーガー』たちの動きを見やる。
直線的な動きが多い。
自身の速度と力に自信を持っているからこその動き。それは傲慢とも取れるし、また同時に油断とも取れる動きだった。
これまで『五月雨模型店』のメンバーたちのホビーを容易に蹴散らしていたからだろう。
「一気に叩き潰す!」
迫る突撃。
メンカルの瞳がキラリと輝く。情報解析眼鏡の奥で彼女は見ていてた。確かにパワーとスピードは驚異的だ。
角の一撃を受ければ、自分のホビーは砕け散るだろう。
けれど、メンカルは己がガジェットにそうするように何事にも緊急事態を想定したギミックを組み込む。
クワガタ型ホビーの角が打ち鳴らされた瞬間、その足が棘となって地面に突き立てられ、背後よりの突撃強襲の一撃を急旋回して躱す。
「……躱された!?」
「まぐれだ! 今度こそ!」
「……無駄だよ。其の動きはもう見た」
メンカルに迫る突進の一撃を急旋回で躱し、メンカルのクワガタ型ホビーのハサミの如き角が翻る。
それは突き立てるわけでもなければ、挟み込んで断ち切るためでもなかった。
一本角であれば、確かに突進の一撃は槍のように強烈なものとなるだろう。けれど、メンカルのクワガタ型ホビーの二本角は違う。
まるで下からすくい上げるようにして突進してきた『インセクト・ボーガー』をひっくり返すのだ。
「――!?」
「……確かに、重心は低いからこそ捕らえがたい……けどね、このハサミのような二本の角なら……」
旋回と共に次々と『インセクト・ボーガー』をひっくり返して、行動不能にしていくのだ。
「……その突進能力もパワーも、ひっくり返されたら、もう終わりだよ……」
さて、とメンカルの瞳が『アルゴスの眼』の奥で煌めく。
すでに『ダーク化スプリンター』たちのユーベルコードは見た。十分に見た。そして、そのユーベルコードを情報分解する魔術の準備は整っているのだ。
「邪なる力よ、解れ、壊れよ。汝は雲散、汝は霧消。魔女が望むは乱れ散じて潰えし理」
「ウォームアップを崩す……!?」
「……そう、すでにお前たちのユーベルコードの情報は解析し終わっている……崩壊せし邪悪なる符号(ユーベルコード・ディスインテグレイト)によって、その強化は立ち消えた……」
戦場を席巻する『インセクト・ボーガー』の脅威。
それは『ダーク化スプリンター』たちの力と噛み合うからこそ。ならば、其の源たるユーベルコードを打ち消せば。
「……残るは、『インセクト・ボーガー』の性能のみ」
ならば、容易いとメンカルの駆るクワガタ型ホビーは『インセクト・ボーガー』をひっくり返し、行動不能にしていくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
この常識知らずのボーガー共め!
ぐるぐるバット要素まで混ぜてくるなんて…
何て厄介な奴等!
返り討ちにしてくれる!
流石に今回はマニューバタイプで操縦しよう
モーションじゃあ流石にね…?
そしてぐるぐるバット要素も早速回収といこうか
ローター起動
これがわいの|ぐるぐるバット《プロペラ》や!
浮上し敵ボーガーの攻撃を華麗に回避
そして上からミサイルで狙いを付ける!
【高速演算】起動
ミサイルにユーベルコードの力をのせて、上空からどんどんスプリンター達の機体を狙っていこう
これが|プラクトのカスタム性《フリーオプション》の力だ!
…あ、折角角とかモーターとか強化したのに全然活かされてないな
まあこの後活かせばいいか!
『ダークリーガー』が率いる『ダーク化スプリンター』たちの猛攻は凄まじかった。
発売前の最新鋭ホビー『インセクト・ボーガー』の性能と彼らの力が噛み合うことによって『五月雨模型店』のメンバーたちは為す術もなく機体を破壊されていく。
其の驚異的な力は、『プラクト』フィールドを駆け抜ける。
「我等の短距離走愛と『インセクト・ボーガー』があれば!」
「この程度の雑兵なぞ、恐れるに足りないのだよ」
彼らは圧倒的なパワーとスピードから生み出される突進でもって、次々と人型ロボットを撃破していく。
その鮮烈なるホビーのデビュー戦とも言うべき戦いは、動画配信や大型モニターを通して世界に届けられていることだろう。
「この常識知らずのボーガー共め! ぐるぐるバット要素まで混ぜてくるなんて……なんて厄介な奴等!」
そんな『ダークリーガー』率いる『ダーク化スプリンター』たちの前の立ちふさがったのは、月夜・玲(頂の探究者・f01605) の操るのは、彼女秘蔵のコレクションを改造したヘラクレスオオカブトの如き『インセクト・ボーガー』。
「返り討ちにしてくれる!」
『マニューバ』タイプの操縦であったが、今回ばかりは仕方ない。
さすがの玲も『モーション』でもって『インセクト・ボーガー』を動かすことは、その、なんていうか、とても憚られた。
「知らない『インセクト・ボーガー』だと!?」
「ええい、何がなんだか知らんが、蹴散らしてくれる!」
『ダーク化スプリンター』たちが一斉に玲の操る『インセクト・ボーガー』に迫る。パワーとスピードは言うに及ばず。
真に恐ろしきは、その装甲なのだ。
プラスチック装甲でありながら、激突させて遊ぶことを考慮した分厚く硬いプラ素材。ちょっとやそっとでは傷一つつかぬからこそ『プラクト』においては、圧倒的な性能アドバンテージを得ているのだ。
「そっちが『ぐるぐるバット』要素を混ぜてくるっていうんならさ!」
玲の瞳が輝く。
いや、別にユーベルコードではない。少年漫画にある表現の一つである。目の色が変わるとか、そういうあれ。
そんな玲は『インセクト・ボーガー』のハンドルを切る。いや、違う。彼女の手元にあるコンソールを操作する。
「これがわいの|『ぐるぐるバット』《プロペラ》や!」
瞬間、玲の『インセクト・ボーガー』に取り付けられていたプロペラが回転する。いや、そっちが回転するのを『ぐるぐるバット』要素というのは、流石に無理がある気がする!
だが、玲にとって、そんなことは関係ないのである。
回転しているということが重要なのだ。プロペラが回転しているか、車体が回転しているか。そこに違いはないのである。違うのだ!
プロペラによって得られた浮力で迫る『インセクト・ボーガー』の突進を躱す玲の『インセクト・ボーガー』。
飛翔した空から睥睨するように彼女の『インセクト・ボーガー』がユーベルコードの輝きを放つ。
「I.S.T起動。サポートモード、敵行動予測開始」
高速演算(コウソクエンザン)によって玲の瞳が素早く眼下にある『インセクト・ボーガー』たちを捉える。視線誘導によってロックオンされたミサイルが火線を引き、地上を這う『インセクト・ボーガー』たちを一気に爆発に巻き込んでいく。
「ミサイル……!?『インセクト・ボーガー』が空をとぶのか!?」
「これが|『プラクト』のカスタム性《フリーオプション》の力だ!」
ここでアバンタイトルが来る奴である。
なんかこう、車輪の付いた昆虫型だからいまいち決まりきらないが、しかし玲のカスタムは激突することが前提である『インセクト・ボーガー』のセオリーをガン無視している。
プロペラで飛ぶ。
ミサイルぶっ放す。
いずれも、真正面からの激突でもって相手をひっくり返したほうが勝ち、という『インセクト・ボーガー』の遊びからはものすごく外れている。
だがしかし!
「そう、これは『インセクト・ボーガー』の遊びじゃなくって、『プラクト』なんだよね! だからオッケー。まるっとオッケーなんだよ!」
力技である。
いや、『ダーク化スプリンター』たちの裏をかいたとも言えるだろう。
彼らは敵が『インセクト・ボーガー』であれば、必ず突進してくると思ったはずだ。けれど、玲のカスタムは、それを逆手に取って『インセクト・ボーガー』が手出しできない空からのミサイル攻撃で一方的に爆撃を加えるものだった。
「ず、ずるい……!」
「これが大人の財力ってやつ……あ、折角、角とかモーターとか強化したのに……」
そうである。
今回の戦いのMVPパーツはプロペラとミサイルである。
まだ玲の『インセクト・ボーガー』は本領を発揮していないのである。
「まあこの後活かせばいいか!」
ガハハ! そんな玲の高笑いが爆風拭き乱れる『プラクト』フィールドに響き渡る――。
大成功
🔵🔵🔵
八洲・百重
●POW
はえー、あっちの大将もクワガタだったんだがー
おらの関太郎よりも立派で強そうだなぁ…いけね、おらとした事が弱気になってどうすんだ
試合が始まる前に目を瞑って深呼吸すっべ
ここはリングの上、プラモデルの|プロレス《ブンドド》…ッ、シャァ!!
両頬を叩いて【気合い】を入れたら、何時ものおら…八洲・百重でなくプロレスラー『ヤッシマー魔魅』で行くだ、来いやぁ!!
関太郎は動きは鈍重だから、すばしっこく動き回る相手に追いつくのが難しいべ
そんならプロレスラーらしく相手の技を受ける切るまでだべ
関太郎のハサミで相手を捕まえたら、ぽんぽこ百殺手の電光石火な反り投げ『ファイヤー・スープレックス』を決めてやるべさ
相対する敵を前にした時、己の心に去来するものがある。
それを八洲・百重(唸れ、ぽんぽこ殺法!・f39688)は理解していたことだろう。
『ダークリーガー』が率いる『ダーク化スプリンター』たちの手繰る『インセクト・ボーガー』の性能は圧倒的だった。
自信がない。
自分が組み上げたプラスチックホビーもクワガタ型であったが、『ダークリーガー』である『ぐるぐるバッター』の手にあった最新鋭ホビーもまた同じ型。
型が同じであれば最新鋭の性能の方が良いと考えるのが普通であろう。
「おらの『関太郎』よりも立派で強そうだなぁ……」
弱気が顔を出す。
自信がなければ、なおのこと。敵が強大であれば、あるほどに心が萎縮していくのを彼女は感じていたことだろう。
けれど、彼女は目をつむる。
息を吐き出す。
不安が出てくるのは、心の中に弱気が溜まっているから。それを吐き出し、息を吸い込む。
肺が膨らみ、お腹も膨らむ。
そして、また吐き出す。
不安は腹から全て吐き出され、肺を満たすのは一体なんであっただろうか。
「ここはリングの上、プラモデルの|プロレス《ブンドド》……ッ、シャァ!!」
気合一閃頬を叩く自身の掌。
走る痛みと熱。
それが彼女を突き動かすには十分な理由だった。
「何時ものおら……八洲・百重でなくプロレスラー『ヤッシマー魔魅』で行くだ、来いやぁ!!」
スイッチオン。
彼女の中にあるプロレスラーとしての『ヤッシマー魔魅』が顔を出す。
フィールドに投げ放った『関太郎』が疾駆する。
「そのような鈍重な機体で!」
『ダーク化スプリンター』たちの本領はスピード。その圧倒的な瞬発力と速度でもって強靭なるプラ装甲を持つ『インセクト・ボーガー』は膨大な突進エネルギーでもって如何なる機体をもぶち抜いてきたのだ。
けれど、百重の瞳はユーベルコードに輝いていた。
突進してきた『インセクト・ボーガー』を『関太郎』のハサミがつかむようにして挟み込む。
「……!? 止めた!? この突進を!?」
「おっしゃ、おらぁ!」
百重の『関太郎』は鈍重。
彼らの『インセクト・ボーガー』のように躱すだの、スピードで翻弄するだのはできない。だが、百重は今、百重であって百重ではない。
プロレスラー『ヤッシマー魔魅』なのである。
ならば、受け止めるが本懐。
ギシギシとプラスチック装甲が軋む。
怯えや不安はもう何処かに消えている。
ならばこそ、彼女は吠える。
「ぽんぽこ百殺手! 電光石火の反り投げだぁ!」
『関太郎』のハサミが『インセクト・ボーガー』の機体を掴み上げ、のけぞるようにして持ち上げる。
その光景はまさに一本線を引いたように互いの機体を天に向ける。
そして、『関太郎』の重量を載せたファイヤー・スープレックスの一閃の如き、バックドロップの一撃が『インセクト・ボーガー』をフィールドの地面に脳天から叩きつけるように打ち付けられ、ひしゃげて爆発する。
其の爆発の光の中から、鈍重なギアの音を立てて『関太郎』がゆっくりと進む。
宛らそれは重戦車のごとく。
炎を背におった『関太郎』と百重……いや、『ヤッシマー魔魅』は。
「どっこからでもかかってこいやぁ!!」
咆哮し、プロレスラーの矜持を『プラクト』に呼び込むように新風を吹かせるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
いっけー!バラバラXくんビートル!(正式名称)
有り余る装甲とパワーでゴリ押しだー!
と正々堂々パワープレイを目指すよ!
いや数から違うんだからレギュレーションが違い過ぎるとか今さらじゃない?
ボクと風のなかで競おうだなんていい度胸だね!
いっけーバラバラXくんバラバラストームだ!
ボクの【第六感】からくる的確(的確?)な指示で常より3割マシの装甲を纏った全身分離のバラバラパーツによるバラバラアタック!
こうビートルホーンでかち上げて空中で自由の利かない相手にバラバラアタックを仕掛けるとかするとなおそれっぽい!
プラスチックの玩具がなんか世界を揺るがす!これはもはや業界の常識だね!
「いっけー!『バラバラXくんビートル』!」
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)の掛け声と共に有り余る装甲とパワーを発露させるように彼のプラスチックホビーが戦場を飛ぶ。
それはあまりにも愚直な突撃であったことだろう。
「真正面から来るか!ならば、こちらも正面からいかせてもらう!!」
だが、そんなロニの言葉に強風吹き荒れる戦場の中を『ダーク化スプリンター』たちは『インセクト・ボーガー』を操り、突っ込んでいく。
互いに正々堂々たる戦いをすることをこそ望むユーベルコード。
それ故に勝負を決するのはプラスチックホビーの性能。
其の点に置いて『インセクト・ボーガー』は最新鋭であり、また激突させて遊ぶホビー故に強靭なプラ装甲とパワー、スピードを有していた。
あまりにも『プラクト』においては規格外な性能。
過剰とも言える性能はまさに『五月雨模型店』のメンバーたちを追い詰めるには十分だった。
「ボクと風の中で競おうなんていい度胸だね!」
ロニはまるで構わなかった。
性能差だとかそういうのは今更だとも思っていたのだ。
だって、そもそも『プラクト』というスポーツ自体がルールがガバガバで、レギュレーションとかそんなこと言っていたら、キリがない。
というか、自分のホビーだってまあ、そのなんだかんだ言えた義理ではないのである。
故に、ロニは気にしない。
目の前に己を打倒せんとする者がいるのならば、それを正々堂々とパワープレイですり潰すのが己の流儀である。
「いっけー『バラバラXくん』! バラバラストームだ!」
其の言葉とともに『バラバラX』の機体が分解され、今回の戦いに備えて作り上げた……通常より三割増しの全身分離により、放たれる一撃が『インセクト・ボーガー』たちに迫る。
三倍とか言わないところが少し慎ましく感じるのは気のせいだろか。
「気の所為!」
ロニの思念を受けて飛ぶ『バラバラX』のパーツ。
頭部のビートルホーンが『インセクト・ボーガー』の躯体をかち上げる。
「打ち上げ……!? まさか!」
「そうさ! 君たちの『インセクト・ボーガー』は確かにパワーとスピードがすごい! けどね! それは地に足をつけている場合に限るのさ! 空中に打ち上げられたら!」
自由は最早効かない。
彼らがもし『インセクト・ボーガー』の名の通りに、翅を広げる機能を有していたのならば、弱点は弱点たり得なかっただろう。
けれど、彼らは『ダーク化スプリンター』である。
あくまで短距離走を愛している者たち。故に、彼らには空を飛ぼうとい発想すあなかったのだ。
「さあ、プラスチックの玩具がなんか世界を揺るがす! これもはや業界の常識だね!」
「そんな常識聞いたことないが!?」
「え、知らない? 大体ホビーで世界征服しようって輩が出てくるものなんだけど!」
ホビーアニメのお決まりである。
様式美と言ってもいいだろう。
そんなやり取りをしていたところで、空中から襲いかかる『バラバラX』のオールレンジ攻撃を防げることなどできようはずもない。
「どっちでもいいや! とにもかくにも――!」
どーんっ! である。
放たれるバラバラのオールレンジ攻撃は、一斉に神撃(ゴッドブロー)を持って放たれ『インセクト・ボーガー』の駆体を一撃の元に粉砕し、戦場に満ちる虹色を吹き飛ばすように迸るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ぐるぐるバッター』
|
POW : レッツ
戦場内を【ぐるぐるバット】世界に交換する。この世界は「【強制めまい】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。
SPD : ゴー
戦場内を【ぐるぐるバット】世界に交換する。この世界は「【強制目回し】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。
WIZ : サイクロン!
【🌈】を纏った真の姿に変身する。変身中は負傷・疲労・致命傷の影響を一切受けず、効果終了後に受ける。
イラスト:Moi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠隣・人」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「弱い、弱すぎるわよ!」
『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』こと『環・括』は嘆くように吐き捨てた。
彼女の操る『インセクト・ボーガー』、蒼く輝く『アキレウススタッグ』の二本角が白亜のロボットホビーの胴体を両断する。
「く、くそ……ッ!」
「まだ、目が、回って、世界がまわって……?」
「あ、ああああ、な、なななんなんです、これぇ……?」
「一体全体何をしやがった、てめぇ!」
崩れ落ちる白亜のロボットホビーを操っていたのは『五月雨模型店』のリーダー的存在である少女『アイン』の機体だった。
周囲には『ツヴァイ』、『ドライ』、『フィーア』の機体の残骸がある。
すでに『ぐるぐるバッター』によって彼女たちは撃破されていた。
あまりにも強力な機体。
いや、それだけではない。彼女の技量もまた素晴らしいものであったが、それ以上に脅威出会ったのは、彼女の周囲に渦巻く威容なるオーラであった。
「この程度でのことに対応できずに、やられてしまうなんて! あの人に遠く及ばない! 唯一あの人が倒せなかった『エース』のあなたが、このざまだなんて!! こんな幸せな夢に浸ってばかりいるから!!」
怒り狂うように『ぐるぐるバッター』、『環・括』は『アキレウススタッグ』の躯体でもって残骸を踏み潰す。
そう、彼女の力は『プラクト』フィールドにありながら、『ぐるぐるバット』としての競技性、そのルールを押し付けること。
『ぐるぐるバット』とは、古より伝わる由緒正しき非公式スポーツである。
とある文献にも語られる通り、神との一体化を成す儀式がルーツであると言われている。
其のフォームはバットを立て、柄に額を付けて只管に回る。
それだけである!
勝敗の如何はどうするのか。
そう、演技力を問うものである。
如何に『回転数』を上げたか。どのような『姿勢』で行ったか、そして回転の後にどんな『リアクション』をしたか。
そんな競技ルールを具現化したかのような世界をフィールドに押し付ける能力に寄って『アイン』たちは強制的なめまいでもって、いつものような動きができずに『環・括』にやられてしまったのだ。
世界にルールを押し付ける力。
其の力は脅威と言わざるをえない。
「やっぱりそうなのよ。私を止められるのは、あの人だけ! まがい物の『エース』なんて! 私を止められない! だから!! 私は世界を壊して、あの人に逢いに行くのよ!!」
咆哮する『アキレウススタッグ』。
『プラクト』でありながら『ぐるぐるバット』。
その特異なるフィールドが広がり、猟兵たちに嘗て無い混沌たる世界が襲う――!
馬県・義透
引き続き『疾き者』にて
属性:風
さてー、まあ…ぐるぐるバットですか。
目が回りますねー。いえ、まあ忍びですし、🌈はしませんがー…。
『武器を変えたかったらこれ押してね!』をぽちっと。
プラ灰遠雷構えましたねー。いつの間に作ったんです?
※他のキットから改造しました。
では、UCを射ますかー。何せこれ、視界にさえ入っていれば敵を自動追尾なのでー。回ってようが関係ないんですよねー。
というわけでー…いきますかー。
…あとで霹靂休めませんと。
※
霹靂「クエ…」
ぐるぐるぐるぐる目が回る。🌈しないように必死。
陰海月「ぷきゅー…」
あとでさっぱりするものを差し入れようと決意した。
『五月雨模型店』のチームメンバーは猟兵たちを除き、全てが『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』によって撃破されていた。
その驚異的なプラスチックホビーの性能と『ぐるぐるバット』のルールを世界に押し付ける力によって、『プラクト』でありながら『ぐるぐるバット』の法則さえ内包したフィールドは、彼女を唯一無二の存在へと昇華させていたのだ。
「チッ……猟兵たちが来たわね。でも、遅い!『ぐるぐるバット』は点数を競う競技! なら、私が此処で回れば回るほどに点数が加算されちえく!」
そう『ぐるぐるバット』は点数競技。
『回転数』、『姿勢』、『リアクション』によって点数が付けられ、その点数が多ければ多いほどいい。
そして、今まさに彼女が『プラクト』フィールドに押し付けたルールが発動されている。
強制的にめまいを引き起こすという『ぐるぐるバット』ならではの現象。
人の三半規管に訴える力は、確かに『プラクト』内においては絶対無敵とも思える力であったことだろう。
「なるほどですねー……『ぐるぐるバット』ですか。目がまわりますねー」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱、『疾き者』は自身が駆る『戦国大将軍』の操作がおぼつかないことを理解した。
視界が回る。
延々と回っているのだ。
これでは戦えない。狙いを定めるどころではない。
『疾き者』の手繰る『戦国大将軍』が跨るメカ騎馬を動かしている『霹靂』も例外ではない。
彼もまた目を回している。
「クエ~……?」
視界が回ることなど、これまで経験したことがないだろう。
まともに動くことは出来ない。自身が忍びであるが故に、🌈ることはない。なんだ🌈るって。
そう思えた者は幸せである。
🌈ることを知らないから。
とは言え、この状況ではまともに戦えない。けれど、『ダークリーガー』である『ぐるぐるバッター』こと『環・括』は違う。
圧倒的な性能のホビーとルールを押し付ける力。そして、彼女自身の三半規管が全てに置いて彼女に追い風となっているのだ。
「とは言え、まずいですねー」
「ええ、そうね。あなたたち猟兵さえ排除できたのなら!」
彼女の手繰る『アキレウススタッグ』が大地を疾駆して動けぬ『戦国大将軍』へと突進仕様と迫る。
あの一撃を受けては、まともではいられない。
回る世界の中で、『疾き者』はこの『戦国大将軍』を作った『陰海月』がなにか言っていたことを思い出す。
「確かー……ああ、これですか」
『疾き者』が見たのは、コンソールに備えられた『武器を変えたかったらこれを押してね』ボタン!
いつの間に、と思うのもつかの間である。迷っている暇はなかった。迫る『アキレウススタッグ』の一撃、その二本角の一撃が迫る瞬間、ぽちっと押すと……。
「これは……! 灰遠雷! いつの間に作ったんです?」
「ぷっきゅ!」
『陰海月』の得意そうな声が聞こえてくる。
他のキットから流用してきました、と自信満々だ。彼の言葉通り、『戦国大将軍』が手にしているのは黒く染まった弓。
引き絞る弓。
放たれる矢はしかし、回る世界にあって狙いなど付きようもない。
しかしである。
その煌めきはユーベルコード。
「ええ、悪霊からは逃げられない。どれだけオブリビオンが、『ダークリーガー』が強き思いを持っているのだとしても」
我等が放つ矢からは逃れる理由にはなりはしないと、放たれた四天境地・雷(シテンキョウチ・カミナリ)が明後日の方角へと飛んでいく。
「狙いなどつかないでしょう! これで終わりよ、猟兵!」
迫る『ぐるぐるバッター』の『アキレウススタッグ』の一撃。
しかし、その角を強かに打ち据える光があった。
それは頭上に放たれた矢が分裂し、自動的に追尾した一射。
そう、彼らのユーベルコードは自動に追尾する矢。如何に目がまわり、視界が定まらず、世界そのものが回っているように思えたのだとしても。
「追尾してくる……! なるほど、自身が動かなくても、目を回していようと関係ないというわけ!」
「我等が外すわけがないのですよねー」
分裂した矢が次々と蒼く輝く『アキレウススタッグ』へと降り注ぐ。
その一射を持って『疾き者』は『霹靂』を休ませるために、メカ騎馬と共に後退していくののであった――。
大成功
🔵🔵🔵
吐院・ぐるめ
来たわね!!!
正々堂々勝負しなさい!!!
まずは応援の翼よ。私じゃなくて味方全員にパーツを渡すわ
これで対策は万全よ。何故かって?
目を回していても身体が、機体が勝手に回ってれば良いじゃない!!!
後の事は考えずガンガン回るわよ。んでさっきの謎遊具(パーツ)なんだけどアレは半永久的に回転する代物なのよ。つまり私達の回転エネルギーは無限大って事ね。それじゃあ……
レッツ・ゴー・サイクロン!!!!!
基本姿勢はバッチリよ!!!
プラクトでもぐるぐるバットでも私達が勝利するんだから
情熱を抱いて限界を突破するわ!!!
主に三半規管と胃袋の話ね!!!
たとえ🌈に塗れたって私は諦め……m……!?
(しばらくお待ちください)
🌈の彼方にあるのが一体どんな光景であるのかを吐院・ぐるめ(虹色の彼方・f39773)は知っていただろうか。
『ぐるぐるバット』という競技。
神との一体化。
それは彼女が本気で信じている絵空事であったのかもしれない。だが、それを絵空事にしないのが彼女だった。
確かに彼女は他のアスリートたちと比べてもフィジカル面において強烈な個を持っているわけではない。そして、さして強いわけでもない。
競技的に考えて三半規管が鍛えられているとか、常人ならざる物を持っているだとか、そういうことも一切ない。
だが、しかし。
そう、彼女が何故『ぐるぐるバット』に人並み外れた執着を見せるのか。
神との一体化できると本気で信じているのか。
あと、『ぐるぐるバット』は運動会の種目に含まれているのか。いや、それは今は置いておいていいかもしれない。
「来たわね!!! 正々堂々勝負しなさい!!!」
ぐるめが叫ぶ。
世界が置き換えられる。
此処は『プラクト』のフィールド。されど、『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』のユーベルコードに寄って『ぐるぐるバット』のルールが押し付けられている。
このフィールドにありて、強制的な目回し状態が付与されている。
「いいでしょう。私に『ぐるぐるバット』で勝負を挑むというのなら!」
蒼く輝く『アキレウススタッグ』が走る。
鋭き二本角が、ぐるめの『プラブレード』に迫っていた。ぐるめはまだ動かない。いや、違う。動かないのではない。
彼女の機体はまわり続けている。
何をともあれ、回り続けているのだ。
何故、と問うこと自体がナンセンスであった。そう、これは『プラクト』でありながら、『ぐるぐるバット』!
『回転数』と『姿勢』、『リアクション』こそが点数に影響するというのならば『ぐるぐるバッター』こと『環・括』は見誤っていたのだ。
対決するということは、目の前で『ぐるぐるバット』に興じる、ぐるめこそが真の『ぐるぐるバッター』であったのだ。
そう、彼女は確かに強烈な個を持っているわけではない。いや、持っているけど。そうじゃなくて。アスリート的な意味で。
けれど、彼女が胸に抱く『ぐるぐるバット』へ傾ける情熱こそが得難きもの。
一つのことに打ち込むこと。
それが彼女を真に『ぐるぐるバッター』足らしめているのだ。
「後のことなんて考えなくていいのよ! 目を回していても身体が、機体が勝手に回ってればいいじゃない!!!」
彼女の言葉通りだった。
『モーション』タイプ故に機体の動きは身体に追従する。
彼女が如何に目を回していても、回り続けているのならば、目回しなど関係ない。
そして、彼女の瞳がユーベルコードに輝くのと同時に、『プラブレード』のアイセンサーが煌めく。
勝利を渇望している。
確かに三半規管はザコかもしれない。
けれど、彼女は飢えているのだ。『プラクト』ではない、『ぐるぐるバット』において彼女が負けることは、如何なる事以上にも赦せるものではなかった。
自分が勝つ。
例え『プラクト』で負けても『ぐるぐるバット』でだけは負けてはならないのだ。
彼女の機体に取り付けられたさっきのなんかよくわかんない、本当になんなのかわからない、努力の証!
それは、一度まわりだせば半永久的に回転する代物。
あの努力の証は、止まらない。まわり続ける。それはぐるめの胸に宿る『ぐるぐるバット』魂とも言えるものであったことだろう。多分。
故に彼女のユーベルコードから得られる応援の翼は、この場に居た猟兵達全てに光の翼を授ける。
「……ッ! 自分を犠牲にして……!」
「いいえ! 基本姿勢さえバッチリであれば! 情熱を抱くのであれば! 限界を突破するわ!!! ええ! レッツ・ゴー・サイクロン!!!!!」
基本姿勢はバッチリであった。
見事なまでのバットに額を付けた姿勢。
されど!
そう、されどである! 情熱は魂の限界を突破するのだとしても!
その、えっと、あれである。
三半規管と胃袋は別なのだ!
「……なんという覚悟!」
『アキレウススタッグ』の二本角と『プラブレード』の独楽部分が激突し火花を散らす。
だが、『プラブレード』の、託された思いの一撃が『アキレウススタッグ』の駆体を吹き飛ばすのだ。
「まだ!」
ぐるめは更に追撃しようと回転のままに走り出そうとして、こみ上げてくるものを抑えられなかった。
つまり、🌈である。
🌈ってなんだ、と思われるかもしれないが察して頂きたい。
今まさに、ぐるめは🌈の彼方の光景を見ているのだから――!
なんかいい感じに締めようとしたが🌈であった。
(しばらくお待ち下さい)
一時画面がきれいな風景になったのは放送事故ではない。断じて。
ぐるめは、🌈の彼方にある向こう側へと『プラブレード』と共に渡ったのだ多分――。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
…うわ、目が回る……ぐるぐるする…
…昔はこれでトリップして神と一体化しようとしていた訳か…
…演技力で加点ってのはどれだけ神に近づけたか…てことかな…
…さて…そこが分析出来ても現状の打開にはあんまり…いや…
…ふむ…やる価値はあるか…?
目が回る物のどうにか敵の攻撃を凌いで体調の把握と敵の動きを分析…
…【数理を導く知識の眼】を発動…自身の体調を含めたあらゆる要素を計算し…
…完璧な『ぐるぐるバット』の演技を行う…この場にとって意味があるかは判らないけど…環の動揺は誘えるはず…
…そして全てを計算しきった今なら普段と変わらない操作ができる…
…『アキレウススタッグ』に突撃…角で挟んでダメージを与えるよ・・
世界に対してルールを押し付けるユーベルコード。
それが『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』こと『環・括』の力。
此処が『プラクト』のフィールドであったとしても、それは関係ない。力の発露はすでに成っている。
ぐらりと傾ぐ世界。
いや、自分が傾いでいるのかと錯覚する。
違う、回っている?
そんな風に思うほどにメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)の視界は回っていた。
「……うわ、目が回る……ぐるぐるする……」
思考がまとまらない。
何か、考えなければならなことがあったはずだ。
そう、『ダークリーガー』。『ぐるぐるバッター』である彼女を今打倒できるのは猟兵である自分たちだけだ。
『五月雨模型店』のメンバーは全員が彼女に寄って撃破されてしまった。
あの蒼く輝く『アキレウススタッグ』の性能は言うに及ばず。
アスリートとしての能力も、ユーベルコードも強大無比。
「これこそが『ぐるぐるバット』! 例え、猟兵であろうとも!」
『ぐるぐるバッター』たる力の発露と共に『アキレウススタッグ』が突進してくるのをメンカルは回る視界の中で見ただろう。
「……昔はこれでトリップして神と一体化しようとしていたわけか……演技力で加点ってのはどれだけ神に近づけたか……ってことかな……」
メンカルは思考し続ける。
この戦いに勝利するために考え続けることこそが彼女の戦いだった。
分析し、勝利への道筋を見つけ出す。
だからこそ、彼女は『ぐるぐるバット』への理解を深め……深め?
「……いや、現状の打開にはあんまり……」
意味あるのだろうかとメンカルは首を傾げる。
突進する『アキレウススタッグ』の一撃に駆体が吹き飛ぶ。衝撃がさらなる目回しを生み出し、三半規管が悲鳴を上げる。
更に回る世界でメンカルの分析は、なんかよくわからないけれど、煌めくような、閃くような刹那の真理に到達する。
そう、『ぐるぐるバット』が演技力を競うものであるというのならば。
「普く力よ、測れ、導け。汝は結実、汝は予見。魔女が望むは因果を結ぶ――うっぷ……」
やばい。
こんな状況で詠唱なんてしようもんなら、🌈る。なんだ🌈るって。
そんな益体のないことを考えてしまう。
だが、彼女の眼は、数理導く知性の眼(ラプラス・ガイスト)。
自身を見る。
己の体調。敵の動き。
回転。姿勢。リアクション。
あらゆる要素を観測し、解析する。時間だけがメンカルの味方だった。こみ上げてくる胃の中の内包物。
されど、メンカルの眼は未だ開いているのならば!
「――……!」
それは完璧な『ぐるぐるバット』の演技。いや、回転だった。『アキレウススタッグ』の突進の一撃を受け、其の衝撃を回転のエネルギーに変える。
ドリフトのようにメンカルの機体が回転し続ける。
フィールドの大地に描かれる円は真円そのもの。ある種の美しさすら感じさせるメンカルの回転を前に『ぐるぐるバッター』、『環・括』はおののく。
「ば、馬鹿な……私以上に、美しい円を……!?」
なんのこっちゃ、とメンカルは思った。
けれど、彼女の瞳がユーベルコードに輝く以上、こみ上げてきたものを飲み込み、彼女は己の機体の回転のままに『アキレウススタッグ』へと飛び込む。
そう、全てを計算しきった動きができるというのならば、回転そのままに普段と変わらぬ動作が、其の挙動が行えるというもの。
即ち、彼女の機体。
クワガタのハサミは回転の力を持って大鎌の如き一閃を『アキレウススタッグ』の強靭なる駆体へと叩き込まれる。
「ぐっ、あ――!?」
「回転は美しいエネルギーの動き。一切の無駄をなくした、省いたもの……なら……」
メンカルの機体が跳ねるようにして吹き飛ばした『アキレウススタッグ』へと飛ぶ。
二本角同士が激突し、火花をちらしながら、メンカルの機体のハサミが『アキレウススタッグ』の胴を切り裂く。
それは計算によって起こされた、偶然でもなければ奇跡でもない。
必然の如き痛烈な一撃となって『環・括』へと叩き込まれるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ニィナ・アンエノン
これやっぱにぃなちゃん自身が回んないといけないのかな?
まぁいいや、受けて立つぞ☆
そんな訳でぐるぐるバット!
観てる皆も応援してね☆
ポーズはこんな感じ?
カメラマンさん、いい感じのアングル探してね!
そんでなるべく早く回る!
目が回って、気持ち悪くなって行動に制限がかかるようになったら……ユーベルコードで反射しちゃうから。
なんせ括ちゃんのユーベルコードのせいでこうなったんだしね、仕方ないね☆
自分でやっても目を回さないとしても、にぃなちゃんの目眩を与える事は出来るはず。
そーやってアインちゃん達の苦しみを味わってもらったら、後は突撃してこの子の角で【貫通攻撃】だ!
皆と選んだ角をくらえ!
がおがおー☆
『プラクト』フィールドに満ちるルール。
それは『ぐるぐるバット』のルールだった。世界を書き換えるユーベルコード。『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』こと『環・括』にとって、それは容易いことだった。
彼女が手繰る『インセクト・ボーガー』、蒼く輝く『アキレウススタッグ』は強靭無比なる装甲とパワー、そしてスピードでもって『五月雨模型店』のメンバーたちを次々と撃破せしめた。
「よくもやってくれたわね!」
彼女の機体の胴を切り裂くクワガタの二本角。
だが、まだやれる。まだ動ける。彼女の機体は戦場を走り抜けながら、相対するものに強制的な目回しを与える。
「この程度を乗り越えられないのなら、この世界を救うことすら出来ぬと知りなさい!」
彼女の言葉にニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)は己の組み上げた一角獣の如き機体を走らせる。
目が回る。
いや、それ以上に、この『プラクト』フィールドに強いられたルールが彼女を困惑させる。
『ぐるぐるバット』。
回転することを強いられたスポーツ。
故にニィナは混乱こそすれど、しかして真正面から『ぐるぐるバッター』に立ち向かう。
その勇姿を収めなければと操縦パーティションにはカメラマンが入り込んでいる。いや、近すぎない?
いいえ、これが適正距離である。
他ならぬニィナが招き入れたのだから!
「観てる皆も応援してね☆」
彼女にとって、これはプロモーションだ。『プラクト』と自分。それを世界に発信すること。
故に彼女がかがむようにしてバット型コンソールに手を添え、腰を突き出すようなポーズになる。カメラさんそこだ!
「こんな感じ? カメラマンさん、いい感じのアングル探してね!」
「オッケー! 任せておいてくれ、ニィナちゃん!」
カメラマンさんとの息もぴったりだ。
いや、これってそういうやつでしたっけ、という疑問も致し方ないものであるが、そこはニィナのやり方次第である。
バット型コンソールを中心にニィナが回る。回る、回る回る! なんかローアングルな気がしないでもないが気の所為ではない!
これこそが『ぐるぐるバット』をカメラに収める時のベストアングル! 本当か?
「其の程度の回転で!」
迫る『アキレウススタッグ』の突撃。
しかし、ニィナは笑う。こんな困難な状況にあってなお、彼女は笑っていた。
そう、スポーツと確かに競うもの。けれど、ただ憎しみあって競うものではない。時には爽やかに。勝敗の結果、その如何など気にもとめずに手を取り合うことができるのがスポーツだ。
互いを称え合う気持ちこそが、健全なる精神を宿す。カメラアングルはまったく健全ではないアングルな気がするが!
「う……気持ち悪くなってきた……けど!」
迫る『アキレウススタッグ』は見ただろう。
ニィナの一角獣のプラスチックホビーの周囲に張り巡らされた電磁バリアを。それは今更のようであった。
めまいから立ち上がれないのなら、防御しようというのならば、『アキレウススタッグ』の突進能力を甘く見すぎていた。
だが、違う。
それはユーベルコードの輝き。
「これは……!」
其の輝きを目にした『環・括』は己の視界が揺れることに気がついた。ぐらつき、『アキレウススタッグ』の挙動がおかしくなる。
「まさか! 私に反射した!?」
「そうだよ☆ これがにぃなちゃんのユーベルコード! さあ、もう誰にもにぃなちゃんのプロモーションムービーは止められないぞ☆」
あれ!? 今そんな時間でしたっけ!?
ニィナの見事なプロポーションを舐めるように映し出すカメラワーク。
別の意味で『しばらくお待ち下さい』が出てくるたぐいの放送事故になってしまいかねないギリギリ!
だが、そんな事お構いなしである。
「『アイン』ちゃんたちの苦しみを味わったのなら!」
一角獣のプラスチックホビーがふらつく『アキレウススタッグ』へと突進する。
激突する角と角。
火花が飛び散る。
「皆と選んだ角を喰らえ☆」
衝撃が『アキレウススタッグ』を吹き飛ばし、ニィナの一角獣が咆哮するように顎を開閉させ、彼女はカメラレンズに向かって笑顔を咲かせる。
「がおがお――☆」
とびっきりの笑顔は、スポーツの楽しさを。
そいて、いがみ合うことをさっぱりと押し流すように配信モニターに咲くのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
神代・凶津
ぐおぉぉ~ッ!!?視界が回るぅぅ~ッ!!?
くっそ、ぐるぐるバットの強制目回しは厄介だぜ。
こんな状態じゃあ、ライガーの強みである戦場を縦横無尽に駆け回る機動力が発揮できねぇッ!?
なんとか攻撃のタイミングを見切ってステップ回避が精々だぜ。
「…今は心を落ち着けて回避に専念しましょう。」
このままじゃじり貧だぜ。
…だが俺のライガーには切り札があるんだぜッ!
ポチっとな(ライガーの口が開き戦場全体に火炎を吐き出す)
みたか【大火炎大息吹】ッ!
…このぐるぐるバットな状況じゃあ、🌈吐いてるみたいで出来れば使いたくなかったが背に腹はかえられねえ。
なんなら🌈ごと焼却浄化してやるぜッ!
【アドリブ歓迎】
『ぐおぉぉぉ~ッ!?』
それは神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)の天地がひっくり返ったような叫び声であった。
『視界が回るぅぅ~ッ!!?』
世界が回っている。
自分が回っている。
一体どちらが正しいのかわからない。それほどまでに彼の視界は今や、上下左右がわからなくなってしまっていた。
ヒーローマスクである彼に三半規管というものがあったのかどうかは定かではないが、憑依している巫女である桜の身体の感覚を引っ張っているというのならば、彼女もまた巡る視界にふらつくしかなかったことだろう。
彼らが操っていたプラスチックホビーが四脚の獣型であったことが幸いであった。
もしも、二脚の人型であったのならば、まともに立っていることすらできなかっただろう。
『くっそ、『ぐるぐるバット』の強制目回しは厄介だぜッ!』
「……あぁっ、少しも楽になりません……!」
桜の感覚に引っ張られているとは言え、憑依を解けば凶津はライガーを操ることはできなくなってしまう。
かと言って憑依したままでは目回しの影響を受けてしまう。
そんな状態で迫る『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』である『環・括』の手繰る蒼く輝く『アキレウススタッグ』の猛攻を凌ぐことなどできよはずもない。
他の猟兵達によって抑えられているからこそ、まだ自分たちが無事であった。
けれど、それも時間の問題だ。
「見つけた! 猟兵! あなた達さえ潰せば!」
『環・括』の言葉に凶津は己たちが狙われていることを理解する。
『桜ッ、まだか! このままじゃあ……!』
「……くっ」
かろうじて四脚であることを利用してたたらを踏むようなステップで『アキレウススタッグ』の攻勢を致命的なものではなくしていたが、しかし、装甲が剥がされるように二本角によって破壊されていく。
「ちょろちょろと避けて!」
敵も猟兵たちの攻勢によって消耗しているのだろう。
動きに精彩を欠くものであった。
首の皮一枚でつながっているとも家れう。
『このままじゃジリ貧だぜ……』
「……ですが」
『ああっ! 俺のライガーには切り札があるんだぜッ!』
「ごちゃごちゃと何を!」
迫る『アキレウススタッグ』がオーラをまとって突進してくる。避けられない。
あの一撃を受けては、確実にライガーは破壊されてしまう。
タイミングを見はかる。
『いいか、相棒! チャンスは一度きりだぜッ!』
「……ええ!」
ユーベルコードに煌めく凶津の鬼面の眼窩。
そしてライガーのアイセンサーが煌めき、顎が開く。それは牙による噛みつき攻撃を思わせた。
しかし、違う。
これは一瞬にして最大の好機を逃さぬための予備動作。『アキレウススタッグ』が一瞬で横に躱す。
けれど、それは無意味であった。
ライガーの口腔より放たれたのは――……!
『ポチッとな』
そう、それは大火炎大息吹(ダイカエンオオイブキ)の一撃。
ライガーの口腔より放たれたのは炎の嵐の如き一撃。吹き荒れる炎が戦場を包み込む。何処に逃げようとも関係のない。炎は噛みつき攻撃を警戒していた『アキレウススタッグ』の装甲を溶かし吹き飛ばしていく。
「炎……!?」
『そうだぜッ!『ぐるぐるバット』な状況じゃあ🌈吐いているみたいでできれば使いたくなかったが背に腹は代えられなねぇ!』
「……うっ」
操縦パーティションの中で桜がえづく。
あ、やばい、と凶津は思った。これは早々に決着をつけなければ🌈ってしまう。
「……気遣いは不要です。だから、今は」
『おうッ! 🌈る前に……いや、🌈ごと滅却浄化してやるぜッ!』
凶津の瞳がユーベルコードに輝き続ける。
どれだけ🌈が溢れるのだとしても、炎はあらゆるものを浄化する。
故に凶津はライガーの口腔から放たれる炎から逃れようとする『アキレウススタッグ』を応用にして、その🌈色ならぬ浄化の炎、その大嵐の如き一撃を解き放ち続けるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
【サージェさん】
ああっ『フィーア』さーん!?
(ハイライトが戻り、)
な、なんてことを。
ぐっすん状態の『フィーア』さんなんて……なんてご馳走!
(別の意味でヤバい瞳に)
これはできたてをいただか痛ぁ!?
じょ、冗談だよぅ。あとでチンしていただくよぅ。
このときのためのフローティングコックピット。
コックピットは回らないから目だって……うっぷ。
(景色のぐるぐるに酔った模様)
サージェさんは、さすがクノイチ!
忍べてはないけど!
でもこうなったら、さらに回転をあげて、
【mist sprayer】で、超速回転からの放水だ!
目が回った上のずぶ濡れは、足下ピンチだぞー!
体操服だって透け透けだ!
サージェさん、あと任せたー。
サージェ・ライト
【理緒さんと】
うーむ、なんかやべーメイドが『主人様の香りがします!』って飛び込んできそうな気配
さておき、五月雨模型店がピンチですね
トラメちゃん突撃しますよ!
理緒さんも早く、ってえぇぇぇぇぇ!?
理緒さんが!荒ぶっておられる!!
先生!質問があります!
トラ型のプラクトでぐるぐるバットってどうやればいいんでしょう?
いえまぁUCの効果は食らうんですけども(おめめぐるぐる
くっ、こーゆー時は広範囲攻撃で倒せばいいってシリカがいっていました!(嘘)
なので【VR忍術】トラメちゃん咆哮撃の術!
説明しましょう!
トラメちゃんの咆哮が衝撃波になって周囲を纏めて薙ぎ倒すだけのシンプルな忍術です
理緒さんこれでいいですかー?
「うーむ、なんかやべーメイドが『主人様の香りがします!』って飛び込んできそうな気配ですね」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』の『環・括』の言葉を聞いて、そう思った。直感的なことであったかもしれないし、確信があったのかもしれない。
いや、ヤベーメイドがやってくるのは、それはそれで混沌とした戦場にさらなる混沌を招くだけのような気がした。
しかし、そんなことを言っている暇はない。
そう、今まさに『プラクト』の戦いは佳境を迎えている。
戦場に押し付けられた『ぐるぐるバット』のルールによって『五月雨模型店』のメンバーたちは全滅し、そして残された猟兵たちが『環・括』の手繰る『アキレウススタッグ』によって倒されてしまえば、敗北が決定してしまう。
有り体にいってピンチである。いや本当に。
「『トラメ』ちゃん突撃しますよ!」
サージェは勝敗が決する前に飛び出し、『アキレウススタッグ』の猛攻を止めようとしていた。
けれど、そんなサージェは己のパートナーである菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)の様子がなんかおかしいことに気がつく。
なんか目にハイライトが戻っている。
ようやく家出から帰ってきたのかと思ったら、なんかキラッキラしている。
ものすごい輝きだった。
「な、なんてことを。ぐっすん状態の『フィーア』さんなんて……」
なんて?
いや、なんて?
「……なんてごちそう!」
あ、これは別の意味でやべー人である。サージェはそう思った。
「理緒さんも早くって思ったんですけど、ええええッ!? 理緒さんが、荒ぶっておられる!!」
「これはできたてをいただか痛ぁ!?」
理緒の操縦パーティションの後ろからサージェのハリセンツッコミが迸る。
「理緒さん!」
「じょ、冗談だよぅ。あとでチンしていただくよぅ」
「そういう問題じゃないんですけど!?」
二人のコントみたいなやり取りを『環・括』は、すん……って顔でみていた。
あの二人は捨て置いてもいいかも、と思ったのかもしれない。
「でも猟兵なのよね、あの二人。どっちにしろぶっ飛ばしておきましょう。レッツ・サイクロン!」
『アキレウススタッグ』の蒼く輝く装甲が🌈色に変わる。
虹色って素直に言えばいいのであろうが、此処は伝統的に🌈色と表記しておく。なんの🌈なのかは言うまでもない。
これまで『ぐるぐるバット』において散って言った🌈である。コレ以上は言わせないで頂きたい。
「……! って目が回る……!」
「先生! 質問があります! 虎型でどうやって『ぐるぐるバット』やれば良いんでしょう? ってああ、目が回る……!?」
強制的にめまいを引き起こすユーベルコードは厄介そのものだった。
「ふふふ、この時のためにフローティングコクピット。コクピットは回らないから目だって……うっぷ」
景色はぐるぐるするので、理緒ももれなく視界が回ってしまう!
二人はかなりダメだった。
うっぷ、というタイミングまでピッタリだった。このままではうら若き乙女二人の🌈なアレな映像だけが残されてしまう!
しかし、ただで終わらないのがサージェである。クノイチである。
どんなに三半規管がアレな感じになってしまって、🌈をびっちゃーってやってしまうのだとしても。
「こーゆー時は範囲攻撃で倒せば良いって『シリカ』が言ってました!」
いや嘘である。言ってない。
しかし、それは有効な手段であったことだろう。
彼女のVR忍術(イメージスルノハカッコイイワタシ)が煌めき、『トラメ』のアイセンサーが輝く。
顎が開き、その喉奥から迸るように咆哮が放たれる。
「説明しましょう!『トラメ』ちゃんの咆哮が衝撃波となって周囲をまとめてなぎ倒すだけのシンプルな忍術です!」
キリッとした顔でサージェが決めるが、しかし次の瞬間には目回しで青い顔をしてしまう。エチケット袋ー!
迸る咆哮が『アキレウススタッグ』を吹き飛ばす。
強靭な装甲は修復しているが、しかし、消耗している『環・括』はこらえきれなかったのだろう。
「なんていう音量……! 加減っていうものをしらないの!」
「はい、そこに高速回転からの放水だー!」
理緒の放つ放水の一撃が地面を濡らす……のではなく、操縦パーティションを濡らす。
「冷たッ!? なんで!?」
「ふふ、目が回った上でのずぶ濡れは足元がピンチだぞー! 体操服だって透け透けだ!」
理緒は欲望に突っ走りすぎではないだろうか?
だがしかし、人の欲望こそが人の進化を推し進めてきたというのならば、理緒の欲望こそが、戦いの趨勢を猟兵に傾けるのだ。
「場外戦法が過ぎないのではない!?」
「スポーツってそういうものですよ! 私はクノイチなので、場外戦法ばっちこいです!」
おらおらとサージェが『トラメ』の咆哮と共になんかいい感じに透けて透けて、透けちゃった『環・括』の姿を激写する。
「理緒さんこれでいいですかー?」
「うん! サージェさんは、さすがクノイチ! 忍べてはないけど!」
「一言余計じゃないですかね!?」
そんな二人の場外戦法に翻弄される『環・括』は己のペースを乱される。
スポーツにおいて、それは彼女の集中を乱すことと同義。故に彼女は有利な状況にフィールドを支配しながら、徐々に猟兵たちの思惑に飲み込まれていくのだった。
さすがくのいち、きたない――!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
花走・りな
ぐるぐるするんでしょ。準備はして来た、よしやろう。
レッツ・ゴー・サイクロン!
当初の作戦通りの不規則な回転
ダイナミックに動き回り
🌈はとっくの昔に腹を括ってる、美しくぶちまけるよ。
慣れた競技のぐるぐるバットで負けるつもりはないよ。
でも、初めてのプラクトでも負けたくはないよね☆
UC【キング オブ(マイナー)スポーツ】使用
私の得意スポーツ。近代五種の最後の種目レーザーラン
周りの超人アスリート達のユーベルコードでどんな悲惨な状況になろうとも的を狙い当てるのはいつもの事。それの応用だよ♪どんなに気持ち悪くても絶対に当てる!
さぁ、パンツァーキャバリアの砲台から蒼炎の一撃ぶちかまそう♪
※アレンジ・連携歓迎
『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』こと『環・括』はまんまと猟兵たちのペースに飲み込まれていた。
この『プラクト』フィールドに『ぐるぐるバット』のルールを押し付ける力によって彼女の優位性は本来揺らぐことはなかった。
しかし、猟兵たちの攻勢によってあと一歩とまで追い詰めた『五月雨模型店』はメンバーが全てやられたにも関わらず、踏みとどまっていたのだ。
「此処まで来て……! 猟兵たちのせいで全てが台無しになるなんて、そんなこと!」
広がるオーラ。
それは『ぐるぐるバット』のルール。
強制的にめまいを引き起こす力が花走・りな(あの喝采に憧れて・f37819)を襲う。
けれど、彼女は違った。
多くの猟兵がめまいに、目回しに戸惑いながらも攻勢を仕掛けたのに対して彼女は違ったのだ。
「ぐるぐるするんでしょ。準備hしてきた、『レッツ・ゴー・サイクロン』!」
りなは自身が操る戦車の砲塔がついたかのような人型ロボットを操り、駆け出す。
彼女の作戦は不規則な回転とダイナミックな動きで敵を翻弄することだった。それはともすれば『ぐるぐるバット』による回転で自身の三半規管を痛めつける行為であった。
しかし、既に彼女は腹を決めていた。
覚悟なんていうのは、決めるものではない。
飲み込むものである。
こみ上げてくる🌈。
🌈ってなんだ、と問われたら胃の内包物であるのだが、アスリートアースの爽やかな汗やら青春の輝きに準拠させるのならば、やっぱり🌈が妥当なのかなぁって思うので、そういうことにする。
「うっぷ……!」
故に、りな🌈ることに躊躇いはない。
いやさ、美しさすら感じさせる🌈であった。
これがアスリートとしての矜持。
彼女は『ぐるぐるバット』を経験してきた。そして、新たなスポーツである『プラクとで負けたいとも思わない。
そう思うのは彼女がアスリートだからだ。
戦う以上、競う以上、彼女は勝ちたい。勝利を掴みたい。
その思いこそがアスリート足らしめる本当の武器。故に彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
燃え盛る蒼炎のオーラが彼女と彼女のプラスチックホビーがから迸り、其の身にまとう。
「ジャンルのまったく違う競技への挑戦☆」
「蒼炎……! いや、🌈……!?」
🌈りながら、りなは走る。
どんなに苦しくたって、みっともなくたって構わない。
自分の足が止まらぬ限り、試合は終わらないのだ。
それを彼女は水泳で学んだ。
フェンシングで眼の前のことに集中することを学んだ。
障害馬術で如何に魅せるかを学んだ。
レーザーランで瞬発力を学んだ。
多くを学び、多くを得てきたからこそ、りなは『プラクト』上における『ぐるぐるバット』にも適応する。
どんな悲惨な状況になろうとも、的を狙い続けるのはいつものことだった。
なら、それは応用でしかない。
プラスチックホビーの砲塔の下、二脚の下半身を回転させながら砲身を『アキレウススタッグ』に向ける。
「なんで回転しながら安定しているの!?」
「回転しているからだよ! ジャイロ効果ってやつ!」
りなは、自身の操るプラスチックホビーの脚部が空に浮かぶほどに回転させているのだ。宙に浮き、遠心力に寄って安定した機体は、操縦パーティションでぐるぐるする、りなの動きをもって上半身の砲身から蒼炎の一撃を放つ。
それは強烈な一撃。
如何に蒼く輝く装甲を持つ『アキレウススタッグ』であったとしても、🌈に塗れることを恐れぬ彼女の覚悟の一撃を躱すことなどできなかったのだ。
「これで!」
絶対に当てる、という確信にも似た砲撃が『アキレウススタッグ』の装甲を打ち抜き、戦場に🌈の……いや、蒼炎を撒き散らす――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
くっみんながやられるなんて…!
大丈夫、みんなの遺志はバラバラXくんが!
そうこの超振動ブレードはアインの…
電磁ウィップはツヴァイの…
ミサイルランチャーはドライの…
あとなんかアレ!はフィーアの形見!
その力でキミを倒す!
ぐるぐるぐるぐる~目が回る~
ボクはいつも回っているから~いやいつもボクを中心に世界が回っているから平気さ~(ということもなく)
●【第六感】でひらめいた冴えた作戦
全身を回しながらも頭だけ分離していたバラバラXくんのファイナルブラスターテンペス…トなんちゃら!
命と引き換えに放たれる光条が全てを焼き尽くす!(って設定だったが抗議により安全レベルまでダウングレード)
「くっみんながやられるなんて……!」
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は芝居がかった様子で握りこぶしを震わせていた。
彼の操る『バラバラX』の眼下では、『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』こと『環・括』によって破壊された『五月雨模型店』のメンバーたちの機体があった。
彼女たちは確かに一廉のアスリートたちだった。
如何に『ダークリーガー』と言えど、容易く倒すことはできなかったはずだ。
だが、世界に『ぐるぐるバット』のルールを押し付ける力を持つ『環・括』の前には、めまいを引き起こされ、普段の力を発揮できずに撃破されてしまったのだ。
「大丈夫、みんなの遺志は『バラバラX』くんが!」
そう言って、残骸の中から露には無数のパーツを取り上げていく。
「そうこの超振動ブレードは『アイン』の……電磁ウィップは『ツヴァイ』の……ミサイルランチャーは『ドライ』の……あとなんかアレ! は『フィーア』の形見!」
なんか適当に選んでいる気がしないでもない。
事実違う。
「おい、勝手に殺すんじゃあねえよ!」
「まだ目が回っています……」
「其のミサイルランチャーは火力が高いので気をつけるように! うっぷ……!」
「わ、わわわたしだけ適当すぎませんか!?」
彼女たちのツッコミをロニは心地よく聞き流していた。
右から左というやつである。
「その力でキミを倒す!」
「いえ、なんか後ろであの子達喚いているけど、いいのかしら?」
蒼く輝く『アキレウススタッグ』を駆り『環・括』は首を傾げる。
なんていうか、ロニのやりたい放題なやり方に慄いているようにも思えた。それほどまでにロニは自由だった。
「ともあれ、どんな存在だろうと!『ぐるぐるバット』からは逃れられない!」
放たれるユーベルコード。
ロニを襲うめまい。
ぐるぐると回る世界。
自分の体が回っているのかと錯覚するほどに平衡感覚が失われ、『バラバラX』のコントロールが……。
いや、失われていない。
「ボクはいつも回っているから~いやいつもボクを中心に世界が回っているから平気さ~」
「それもどうなのかしら!?」
ものすごい発言である。
確かに何時も回っている。アイコン的な意味で。
じゃない。
とは言え、それでもロニは己の閃きを大切にしていた。
どれだけ視界が回るのだとしても!
「そうさ! 全身を回しながらも! この『バラバラX』はねぇ!」
全身をバラバラにして念動力で制御できるオールレンジ攻撃を可能としたプラスチックホビー!
ならば、やってできないことはないのである。
身体をバラバラにして飛ぶ全身のパーツ。
しかし、平衡感覚を失っているロニにとって、その操作は困難を極めただろう。
ふらつくパーツは『アキレウススタッグ』によって蹴散らされ、破壊されていく。
「この程度で私を止められると思ったのなら!」
吹き荒れるようなパーツの乱舞を砕き進む『環・括』。
彼女は暴風の化身(ゴッドウィンド)にさえ打ち勝ったのだ。
「けど、甘いよねぇ! ビューって吹いてバーッと過ぎ去るものってなーんだ?」
「謎掛けなど! ……いえ、待ちなさい、分離したパーツは破壊したはず、なのに何故……!?」
「頭だけ分離しておいたのさ! ファイナルブラスターテンペス……ト、なんちゃらかんちゃら!」
全てのパーツを囮にしてロニは遥か上空に『バラバラX』の頭部だけを配置させていた。
『環・括』ならば、暴風の如きパーツの乱舞を必ずや蹴散らすだろうと思ったからだ。そして、その暴風こそが、ブラフ。
上空に位置した頭部より放たれる光条の一撃が『アキレウススタッグ』を撃ち抜く。
「生命と引き換えに放たれる光条が全てを焼き尽くす! って設定だったんだけど!」
『バラバラX』の抗議があってなんやかんやダウングレードされた一撃だった。
しかし、それは強靭な『アキレウススタッグ』の装甲を撃ち抜くには十分だった――!
大成功
🔵🔵🔵
八洲・百重
●POW
遅ぇぞ!重役出勤か、コラ!
関太郎のモーターもおらの調子も上がってきたべ
相手の方が立派だとも、おらと関太郎は負けてねぇだ…おわー!なんだぁ!?
おらは回ってねぇども目がぐるぐる回ってるだぁ!
うう…ジャイアント・スイングをかけられたみてぇに平行感覚が麻痺しちまってるだぁ…
ふらふら過ぎて攻撃されてるかどうかも分かんねぇべ…
こういう時はありがてぇプロレス格言で有名なプロレス評論家のエッグボイラー先生のお言葉を冷静に思い出すだよ
えーと…『逆回転で帳消し』だったべ?
そんなら【気合い】と【根性】でさっきの逆向きで回って平衡感覚を取り戻すだ!
【グラップル】で捕らえたら、今度はオレがテメーをぶん回すぜ!
撃ち抜かれた蒼く輝く装甲の破片が『プラクト』フィールドに散る。
しかし蒼く輝く『インセクト・ボーガー』たる『アキレウススタッグ』は未だ動きを止めていなかった。
強靭なる装甲は溶け落ち、撃ち抜かれてもなお駆体は動き続ける。
最新鋭ホビーという冠は伊達ではない。
「此処まで追い込まれても……私は!」
『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』こと『環・括』は歯噛みする。
ここまで『五月雨模型店』を追い詰めておきながら、あと一手足りない。
世界を滅ぼすこと。
それがオブリビオンである『ダークリーガー』の成すべきことであったというのならば、本当にあと一歩だったのだ。
しかし、それは阻まれる。
己の駆体に迫る『関太郎』の威容の如き姿。
「遅ぇぞ! 重役出勤か、コラ!」
それは八洲・百重(唸れ、ぽんぽこ殺法!・f39688)の言葉だった。彼女の普段を知っている者からすれば、驚きに値するかのような豹変ぶり。
だが今の彼女は百重ではなく、『ヤッシマー魔魅』なのである。
「遅いと思ったのなら、それは悪かったわね。あら、亀かしら? 其の程度の足で私の『アキレウススタッグ』に追いつこうなど!」
確かにその通りだった。
百重の手繰る『関太郎』はモーターから駆動系から何から何に置いても最新鋭ホビーである『インセクト・ボーガー』に追いつけない。
けれど、と百重は思う。
敵の方が立派なものだ。けれど、自分と『関太郎』は負けていない。
負けていないと自身が思う以上、敗北は訪れない。
めまいが起こる。
世界が回る。
自分が回っているという自覚はないけれど、しかし、コレに似た感覚を彼女は幾度も味わってきたのだ。
そう、プロレス。
あのリングの中で幾度となく駆けられたジャイアント・スイング。あの技を食らった時にんているのだ。
投げ放たれた時に打ち据える身体以上に、回転による平衡感覚が麻痺することのほうがダメージが大きい。
今まさに百重を襲っているのは、それと同じことだった。
「おらは回ってねぇども目がぐるぐる回ってるだぁ!」
『関太郎』の駆体が弾かれる。
衝撃が身に伝わってくる。回る視界の中で『アキレウススタッグ』の動きを捕らえられない。躱すこともできない。
「威勢はよかったけれどね!」
次々と襲い来る衝撃に百重は『関太郎』を亀のように、それこそ鈍重な亀のように防御を固めることしかできなかった。
勝てない。
その言葉が湧き上がってくる。
だが、それを飲み込む。どれだけめまいがするのだとしても、それだけは認めてはならなかった。
彼女は諦めない。
それがプロレスラーというものであったのならば、窮地にこそ活路を見出すのだ。
「……『逆回転で帳消し』だったべ!」
くわ! と彼女の瞳が見開かれる。
彼女の中にあったのは、プロレス格言で有名なプロレス評論家、『エッグボイラー』先生のお言葉だった。
ありがたすぎる格言だった。
そう、回転が敵の武器ならば、それを打ち消すのは逆回転!
「な、何を言っているの?」
「回転するなら、その逆回転でめまいを打ち消すだー!!」
豪放たる気合と共に百重の瞳がユーベルコードに輝く。めまいがなんだと気合と根性で持って『アキレウススタッグ』とは逆回転で平衡感覚を取り戻す。
いや、逆回転したからと言っても余計に三半規管が狂うだけのような気がするが、そんな常識などプロレスラーの前では無意味。
あらゆることを気合と根性という名の熱血でもってねじ伏せるのがプロレスラー『ヤッシマー魔魅』なのである。
「おらぁっ!」
突進してきた『アキレウススタッグ』の一撃をまともに受ける『関太郎』。
けれど、百重は構わなかった。
巨体故に、其の重さ故に速度は出ずとも、それ故に『関太郎』は『アキレウススタッグ』のパワーに負けない。
踏ん張るように受け止めた巨体のハサミが『アキレウススタッグ』を掴み上げる。
「拘束……!? はずれない……!?」
「今度はオレがテメーをぶん回して大旋風を巻き起こすべ!」
そう、それはグレートハリケーン。
ユーベルコードにまで昇華した百重のジャイアントスイングは『アキレウススタッグ』の駆体をぶんまわし、天に放り投げる。
高く、高く、放り投げられた『アキレウススタッグ』は人型ではないがゆえに受け身など取れるわけもなく。
そのまま大地のフィールドに其の駆体を叩きつけられるしかないのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
…やべ、前半でやりきってしまってネタがない
とりあえずそっちの土俵に立ってぐるぐるしておくか…
目が回るけど、先に目を回しておけば強制的なめまいに困惑する事は無い!
けどお前!
インセクト・ボーガーに回転を加えるとその…別の物に近付くだろう!
常に回転しながらバトルするようなあの…何かそんなホビーに!
余分なオプションをパージして最後はまともに勝負しようか
機体を走らせアキレウススタッグと正面からやり合おう
そして【アームデバイス起動】
その力を此方のボーガーに乗せて、一気に持ち上げてぶん投げる!
どれだけルールを追加していこうと、結局はプラクトのルールが1番なんだよ!
そして落ちてきた所を再度ぶん投げて着地狩りだ
戦いは苛烈を極めた。
🌈と🌈とが溢れる戦場は、もはやなんかこう分けの分からない感じになっていたし、収集をどうやってつけるんだって思うほどだった。
しかし、猟兵たちの攻勢によって『ダークリーガー』、『ぐるぐるバッター』こと『環・括』の操る『アキレウススタッグ』は空高く放り投げられ、その駆体を地面に叩きつけられ、痛烈なる痛手を負っていた。
機体のフレームが歪み、シャフトもまた衝撃で曲がったのだろう。これまでの速度が思うようにでないようだった。
「チッ……ここまでやるとは思わなかったわ、猟兵! でもね!」
まだパワーが残っている、と『アキレウススタッグ』をその場でドリフトさせるようにして回転させる。
それはシャフトが歪んでいるがゆえの苦肉の策。
圧倒的な回転によって『ぐるぐるバット』のルールを付与された世界において、彼女の『アキレウススタッグ』はどんどん点数を加点していく。
猟兵達は忘れていたのかもしれない。
これは『プラクト』であるが同時に『ぐるぐるバット』でもあるのだ!
『環・括』が『アキレウススタッグ』をここまで追い詰められてもなお、不敵であったのは、『ぐるぐるバット』の加点でもって勝利するためだったのだ。
やばい。
「……やべ」
月夜・玲(頂の探究者・f01605)の頬に一筋の汗が流れる。
これまで何処かひょうひょうとしていた彼女であったが、『環・括』が狙うテクニカルな勝利条件に気がついたのだろう。
「……前半でやりきってしまってネタがない」
違った。
全然違った。知った顔で、さす玲さんとか思っていたのが恥ずかしい。
だがしかし、玲はネタがなくなってしまったことを恥じるでもなく、その場で『ぐるぐるバット』を敢行する。
「――!? 私の狙いを看破したというの?」
「いや、とりあえずそっちの土俵に立ってぐるぐるしておくかって思ったんだけど。まあ、ほら、目が回るけど先に目を回しておけば強制的なめまいに困惑することはない! ってわけ!」
「そうか?」
『アイン』たちは思わず突っ込んでいた。おい、どっちの味方なんだよ! と玲は思った。
だが、それ以上に玲は言いたいことが在った。
散々にここまで戦ってきてなんだが。
「けどお前!『インセクト・ボーガー』に回転を加えるとその……別の物に近づくだろう!」
「え」
「その、ほら……わかるでしょ! 常に回転しながらバトルするようなの……何かそんなホビーに!」
「あ、クラッシュ――」
「だから言わせないってば!」
『フィーア』の言葉を遮るようにして玲の『インセクト・ボーガー』のオプションパーツが弾け飛ぶ。
「パージ!」
それまで玲の『インセクト・ボーガー』が纏っていたプロペラパーツやミサイルパーツを捨て、身軽に成ったホビーが戦場を走る。
『アキレウススタッグ』は今も回転している。
ならば、それを止めなければならない。正面から突撃する玲の『インセクト・ボーガー』と『アキレウススタッグ』。
消耗扨せられているとは言え、『アキレウススタッグ』のパワーは健在なのだ。
強烈なパワーのまえに玲の『インセクト・ボーガー』の車体が軋む。装甲がジリジリと二本角によって削られていく。
「無駄よ! このまま『ぐるぐるバット』の加点で勝ちになるわ!」
そう、フィールドに浮かぶスコア。
それは猟兵たちと『ダークリーガー』が得た『ぐるぐるバット』の点数だった。
拮抗していた点数が『アキレウススタッグ』が回転ドリフトを続けていく中、どんどん加速度的に加点されていっているのだ。
「いいや、止めるさ! そっちが二本角だっていうんなら! アームデバイス起動(アームデバイスキドウ)」
玲の『インセクト・ボーガー』はヘラクレスオオカブトを模している。
だが、甲虫を模していながら、その背には翅がない。
在ったのはプロペラだけだった。しかし、硬い外皮たる装甲の奥にはギミックが仕込んである翅が開くように展開した装甲の下から現れたのは、巨大な機械腕だった。
「――ハッ!?」
「色々ギリギリアウトになりそうな、そういうホビーはッ!」
展開されるデバイス。その機械腕が組み合う『アキレウススタッグ』の胴を掴み上げる。回転を止めた瞬間、点数の加点が止まる。
数点の差。
まだ猟兵たちがリードしている。
「どれだけルールを追加していこうと、結局は『プラクト』のルールが一番なんだよ!」
回転を止めた『アキレウススタッグ』を空に投げ放つアームデバイス。
「こんな、こんなデタラメで、私が! あの人の元に、いかないといけないのに! 私が!!!」
「なんかよくわかんないけど!」
玲は空より落ちる『アキレウススタッグ』を捉える。
ヘラクレスオオカブトをもした角と共に機体がアームデバイスによって跳ねるように飛び、槍の一撃のように『アキレウススタッグ』を貫いて粉砕する。
「その絵面はヤバいでしょ!」
最後の雄々しき角の一撃は『プラクト』の勝利を意味し、また同時に『ぐるぐるバット』の点数もまた『五月雨模型店』の勝利を意味し、苛烈なる🌈の戦いの幕を閉じるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵