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銀河帝国攻略戦㉗~どうか銀河でラストダンスを

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #オブリビオン・フォーミュラ #銀河皇帝

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 その者は、まるで神のようであった。
 最強で尊大で威圧的な銀河皇帝は、各方々の戦況を報告しに来た重臣たちを見下す。
「失望した」
 一言だけ告げると、右手をかざしてサイキックエナジーを籠め始める。
 すると、なんたることか!
 重臣たちはウィルオウィスプめいた光球となると、銀河皇帝の体内へ取り込まれてゆく!
「銀河帝国は、我一人から始まった。オブリビオン・フォーミュラとなり、この世界に蘇った時も我は一人であった」
 故に、と玉座から立ち上がる銀河皇帝――その名をリスアット・スターゲイザーと呼んだ。
「我一人がいれば、それが銀河帝国なのだ」

「いよいよだね……っ! 準備はいい?」
 これから猟兵たちを転送するグリモア猟兵の蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)も緊張の色を隠せない。
「敵の居城、帝国旗艦『インペリウム』は巨大かつ強大で、『解放軍』の宇宙船全隻が総攻撃を仕掛けても外壁に穴が開けられるか判らないんだよっ! だから、みんなはインペリウムに乗り込んで、直接、銀河皇帝を倒すしか方法はないんだよっ!」
 だが、銀河皇帝リスアット・スターゲイザーは宇宙最強の存在だ。その技量は、猟兵たちよりも必ず先んじてユーベルコードを放ってくるほどだ。銀河皇帝のユーベルコード対策を猟兵たちがまず仕掛けた上で、成功しない限り反撃の機会は生まれないのだ!
 レモンは語気を強くして警告する。
「絶対に力押しは駄目だからねっ! そんな簡単な方法で攻撃を押し返せると思わない方がいいよっ! あと自爆特攻なんてもってのほかだからねっ!!」
 レモンの頭上のグリモアが輝く。
 遂に、最終決戦に猟兵たちは突入するのだ。
「どうか銀河でラストダンスを! みんなの活躍、期待しているよ……っ!」
 光が、視界を包み込んでゆく……!


七転 十五起
『注意事項1』
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

『注意事項2』
 銀河皇帝は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 七転十五起、なぎてんはねおきです。
 最終決戦です。よろしくお願いします。
 ユーベルコードで殴って暴れるといった旨のプレイングは『🔴🔴🔴(失敗)』になる恐れが非常に高いのでお勧めしません。知恵を絞り、戦略を練り、万全の覚悟で臨むことを推奨しております。
 それでは挑戦、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー』

POW   :    マインド・クリエイション
【銀河皇帝を不老としている生命維持機能】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【白騎士と同性能の人型兵器『マインド』】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    フォース・インベイジョン
【銀河最強のサイキックエナジー】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【意志とユーベルコードを奪う洗脳念波】で攻撃する。
WIZ   :    ワープドライブ・ペネトレーション
【外宇宙から、知られざる『黒き槍の船』】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑14
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アシェラ・ヘリオース
銀河皇帝の始まりは一人だった。
しかし、その終りは決して一人ではなかった。
かっての臣下として、それだけは譲らない。

事前にコミュ力を持って交流し情報収集する。
些細だが大事な事だ。

マインドと化した姿に皇帝の覚悟を見る。
絶対の先制をオーラ防御と念動力、戦闘知識を総動員しとにかく凌ぐ。
もし守りが不十分な猟兵がいればかばい、救助活動を試みる。
「耐えろ。死ななければ安い」
存在感を発揮し、鼓舞で味方の脱落を減らしたい。

凌げば赤光の剣で二回攻撃と属性攻撃を交え串刺しの突きで戦い、生命吸収で粘る。
万一の勝機があれば、躊躇せず祈りを籠めてこの引き金を引こう。

「陛下……帝国の夢は終わったのです」

【アドリブ、連携歓迎】



 猟兵たちが転送された場所は、皇帝の玉座の間の目の前だった。
 玉座から立ち上がり、やってきた猟兵たちを見定める銀河皇帝リスアット・スターゲイザー。
「来たか。汝等が幾ら我に挑もうが、結果は知れている。ここで滅びよ」
「陛下……!」
 銀河皇帝は一瞬、その呼び方に顔をしかめた
 何故、猟兵が自身の事を陛下と呼ぶのか、と。
 猟兵の名はアシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)。
 彼女は元・銀河帝国の騎士の一員で、以前は『解放軍』と砲火と刃を交えた経験もある武闘派の帝国軍人だったという。
「陛下、もうおやめください……!」
 だがアシェラの呼び声むなしく、銀河皇帝は自身をを不老としている生命維持機能を代償に、自身のサイキックエナジーの封印を解放! 白騎士と同性能の人型兵器『マインド』へと変貌を遂げたのだ。
「陛下、そこまでしてまで……」
 アシェラはマインドと化した皇帝の姿に覚悟を見た。
 これが、彼女の致命的な敗因となった。
 銀河皇帝はアシェラまで一気に間合いを詰めた!
(絶対的な先制攻撃ならば、オーラ防御で打撃を防ぎ、念動力で拳の軌道を逸らす! そして瞬間に私が後方へ飛び退けば……!)
 だが、サイキックエナジーを纏った皇帝の神速の拳が鳩尾を殴り抜いた!
「ッ!?」
 アシェラは自身に何が起きたのか把握できぬまま、玉座の間の壁に激突! 殴られた衝撃は尚も殺されず、アシェラの身体を壁にめり込ませてゆく!
 この光景に銀河皇帝も落胆の態度を露わにする。
「……何を呆けている? よもや我の一撃を、貴様の取るに足りない技能に頼って防ごうとしたのか? 愚かなり……」
 銀河皇帝は宇宙最強の存在。その強大な相手の攻撃をまともに正面から防御しようというのがそもそもの間違いなのだ。それでも防御をしようというのならば、もっと技能面を磨くべきであった。
「へ、いか……! げはっ!? 帝こ、くの……夢、は、終わ…ったの……す」
 最後の力を振り絞り、アシェラはフリントロック式の儀礼銃にしてユーベルコード『貴人殺し(オナー・オブ・デス)』の引き金を絞る。貴人の栄誉を称える古き弾丸が銀河皇帝の身体を燃やした、かに思えたが、強大なサイキックエナジーの前には延焼する前に掻き消されてしまった。
「そもそも……」
 銀河皇帝は首を傾げる。
「貴様は誰であるか? 我は貴様の顔など知らぬ。故に陛下と呼ばれる謂れもなし」
「な……!?」
 アシェラは前のめりに崩れ落ちる。身体はもう動かない。動かす気力もない。
 そこへ銀河皇帝のサイキックエナジーを纏った鉄拳が振り下ろされる!
「貴様はここで朽ち果てろ、猟兵」
 玉座の間に、肉と骨が潰れる音が轟いた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

新納・景久
「おはん、大将首じゃろ? なぁ、大将首じゃろ! 首寄越せ、な、首寄越せ!!」
戦意は高く、皇帝が現れることを半ば楽しみにしながらインペリウム内を走る
敵UCの「白騎士と同性能」ということは、こちらの未来位置を予測して砲撃してくるはず
それならば、砲撃のタイミングを計って軽く跳躍、そのまま火縄銃を放つ
重力の弱いこの場所なら、反動で簡単に吹っ飛べる
これで回避
これで回避し、『マインド』に鬼棍棒を投げつけ、後ろから追随させてた黒鬼号に着地の要領で跨り、鬼吼丸を引き抜く
「こいが俺ん全てじゃ! チェストォォッ!!」
『マインド』の脇をすり抜け、追撃が来そうならば、黒鬼号の背を蹴って跳躍
皇帝に【蜻蛉一之太刀】で挑む


ホーラ・アイアンアーム
【POW使用】【アドリブ、絡み歓迎】
全部を持っているって言うのは、何も持っていないのと同じだとホーラは思うのだ。

■先制対策
【防具改造】で【空中戦】モードに変形して【ジャンプ】と【ダッシュ】で空中を飛び回って翻弄しつつ
【戦闘知識】と【見切り】を活かして攻撃を回避するのだ。

■UC対決
【選択UC】のグレネードランチャーで【範囲攻撃】を仕掛けるのだ。
近づかれたら【グラップル】で避けてカウンターにパイルバンカーを打ち込んであげるのだ。

同じ技が使えても、同じ様に使えるとは限らないのだ。



 すぐさま次の猟兵たちが銀河皇帝に挑みにかかる。
「おはん、大将首じゃろ? なぁ、大将首じゃろ! 首寄越せ、な、首寄越せ!!」
 流暢な薩摩弁の薩摩隼人(だが、実際は男として育てられた女性)、新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)は炎のように高い戦意を目に爛々と宿して玉座の間を駆け巡る。
 先程の戦いで、動きを止めれば『マインド』化した銀河皇帝に一気に間合いを詰められて詰むことを学んでいたからだ。
(白騎士と同等っちゅうんなら、俺の未来ば読んで撃ってくるはずじゃ! じゃっとん、俺はそいがいつ来るか判りもはん! タイミングを合わせるほかなかと!)
 新納の真向かいには、ホーラ・アイアンアーム(失ったからこそ得られる力・f13693)が改造を行った自身の外殻を空中戦使用へ変形させ、同じく『マインド』化した銀河皇帝の目の前で同様に跳躍していた。
「全部を持っているって言うのは、何も持っていないのと同じだとホーラは思うのだ」
「否。それは詭弁なり。全を有するからこそ、他を持たずとも済むのだ」
 銀河皇帝はホーラに向かってレーザー砲を向ける!
「消し去ってくれよう」
 まるで未来を見てきたかのような精密射撃がホーラに襲い掛かる!
 ホーラは優れた戦闘知識を武器にレザービームを見切ろうとするが、完全には見切る事が出来ない! それでも、被害を最小限に抑え、反撃のチャンスを得た!
 そこへ新納が背後に回り込まんと駈け込んでくる。
 だが銀河皇帝は事前に分かっていたかのようにレーザー砲をクイックドロウ!
 しかし、新納はこれを待っていた! 着弾地点の手前で怪力を活かした跳躍を披露! だがしかし!
「ぐぬぁあああっ!!」
 左足を射抜かれた! それでも新納は抱えていた火縄銃を銀河皇帝へ撃ち込む!
 その銃弾は『マインド』に傷ひとつ付けることはなかったが、初めて猟兵の攻撃が銀河皇帝へ届いた瞬間である!
「貴様……、我に攻撃を当てた意味を思い知るがいい」
 被弾した銀河皇帝の拳に、再びサイキックエナジーが籠められてゆく!
「おっと、これ以上近付かせはせんど!」
 新納は立て続けに、担いでいた超重量の鬼棍棒(跳躍が阻害されたのはおそらくこれの影響)を力任せにぶん投げた!
「ホーラ! 今じゃあ!」
 新納がホーラに叫ぶ! ホーラもその意図を瞬時に汲み取ると、ヴァリアブル・ウェポンを発動! 体内から超強力な武器が出現する!
 鬼棍棒を弾いた銀河皇帝が目の当たりにしたのは、黒鬼号と名付けられた荒馬に乗る新納の姿と、空中でグレネードランチャーを構えるホーラの姿だった。
「威力重視、派手にぶっ放すとホーラは意気込みを語るのだ」
 容赦なく銀河皇帝に榴弾を撃ち込むホーラ! 轟音と爆炎と煙で銀河皇帝の聴覚と視界が一時的に遮られる。そこへ近寄ってくる馬の蹄と、新納の裂帛の気合の掛け声!
「こいが俺ん全てじゃ! 蜻蛉一之太刀! チェストォォッ!!」
 騎馬突撃を敢行した新納の死に物狂いの一振りが、銀河皇帝の『マインド』の装甲を斬り裂き、生身の肉体まで愛刀の鬼吼丸の刃が“喰らい付く”!
「なに……っ!?」
 擦れ違いざまに斬り付けられ、驚愕する銀河皇帝。
 それにホーラが鋭い指摘を銀河皇帝へ突き付けた。
「白騎士と同じ性能や武装でも、同じ様に使えるとは限らないのだ」
「ホーラ! はよ逃ぐっど!!」
 黒鬼号を操り、玉座の間から撤退する新納。そして空中を猛スピードで飛行して脱出してゆくホーラ。
 猟兵たちの奇策奇襲に、銀河皇帝は一旦『マインド』を解除。傷口を抑えると、流れる己の血糊を一瞥したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

紅葉・智華
来たでありますね、皇帝。言葉は不要。ただ、屠るのみ。

居城に乗り込む瞬間、交戦する前にペイント手榴弾を【投擲3】して皇帝を【目潰し9】する。皇帝に当てなくても手持ちの手榴弾を投げ続けて炸裂させ続ける事で塗料の壁を作って、視認されないように、されにくくする。
命中なら他の方の回避にも役立つでしょう。そうでなくても、その壁で見えにくければ、多少は敵の能力にも揺らぎが出る筈。
残った片手でSrius[K's](鎧無視攻撃10)を連射(2回攻撃6)。誰かが物理的な壁でも作ったなら、其処に立てこもってSrius[K's]をチャージ(力溜め1)して強力な一撃(鎧砕き21,スナイパー15)を放つ。

「――焼き穿つ」



 撤退する猟兵たちと入れ替わりに、紅葉・智華(紅眼の射手/妹捜索中・f07893)が銀河皇帝の前へ進み出た。
「来たでありますね、皇帝。言葉は不要。ただ、屠るのみ」
「まだ無駄であると判らぬのか……?」
 銀河皇帝の伸ばした右手から、銀河最強のサイキックエナジーが放たれる! まともに喰らえば、紅葉の意志とユーベルコードを奪い、洗脳してしまうだろう!
 だが、紅葉はすかさず自前のペイント手榴弾を連続で投擲する! 一ヵ所に留まらずに全速力で玉座の間を駆ける!
 しかし、銀河皇帝に命中する前にサイキックエナジーによって破裂! カラフルなインクが空中で飛散する!
「悪あがきも大概にすべし。そもそも、貴様の投擲技術では我まで届かぬわ」
 確かに、紅葉の投擲技術は人並み以上なのだろうが、銀河最強の存在に向かってインクをぶつけるまでには至らない。しかし、紅葉は構わず、再びペイント手榴弾をがむしゃらに投げ付ける!
 大量に投げ付けられたペイント手榴弾を、銀河皇帝はサイキックエナジーによって無言のまま次々と破裂させてゆく。すると色とりどりのインクが空中で銀河皇帝の目の前を覆うインクの壁となって一瞬だけ視界を遮ったではないか!
(今であります! 虚構の神脳(イミテーション・ラプラス)! 銀河皇帝の攻撃をインクの飛び散り方から未来を計算したかのように予測して回避であります!)
 此処からのわずか3秒で形勢が逆転する!
 先手を取ったのは紅葉だ。銀河皇帝のサイキックエナジーを、“先に発動した紅葉のユーベルコード”によって完全回避に成功!
 何も対策をせずに銀河皇帝のサイキックエナジーによる先制攻撃を許した場合、猟兵側のSPD系ユーベルコードは一方的に封じられてしまう。だが、紅葉は銀河皇帝のユーベルコードのトリガーである“視界”を遮った。これにより、後の先の戦術が成立する!
 紅葉は残った片手でWH04HL[K's]Sirius(ハイレーザーライフル)を銀河皇帝へ向けてクイックドロウ連射!
「――焼き穿つ」
 青白く輝くレーザービームの弾幕が空中のインクの壁を突き抜け、銀河皇帝の身体を焼き穿つ! その強力な熱線は銀河皇帝の鎧を貫き、一部を破壊して破片を撒き散らした。
「……ほう、我の視界を遮った瞬間を狙うとは。褒めて遣わす」
 身体に数発のレーザービームを喰らうも、未だに銀河皇帝の強力なサイキックエナジーは衰えない。
 紅葉は追撃を喰らわぬうちに最前線から後退してゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

雨宮・いつき
あれが悪逆非道の皇帝…
お師匠様達の名にかけて、屈するわけにはいきません

槍の船は発見し難くとも実体はある
周辺に霊符束を放ち、こちらへ攻撃を加えようと接近した際に接触させる事でその軌道を【見切って】回避します
加えて天狐の横笛で【奏でた】音をソナー代わりにし、
さらに精霊体の朱音にも周りを注意してもらいます
人ならざる身の朱音なら何かを感知出来るかもしれません

なんとか初撃を凌げれば…いえ、凌げずとも喚ぶ気力さえ残っていれば
九頭龍様!まずは全方位に水の息吹です!
当たらなかった水の飛沫は宇宙では宙に浮き、先の霊符と同じ役割を果たす
これでより正確に軌道を見切ります
鋼をも穿つ水の息吹、受けてみてください!



「あれが悪逆非道の皇帝……」
 猟兵たちを圧倒してゆく絶対的な存在を前に、雨宮・いつき(歌って踊れる御狐様・f04568)は思わず足が竦む。ご先祖様の顔に泥を塗らぬよう自身を奮い立てるが、内心では恐怖の感情を隠し切れない子供らしさを滲ませていた。
「……お師匠様達の名にかけて、屈するわけにはいきません!」
「我は稚児相手でも、刃向かう者には容赦はせぬ」
 銀河皇帝のサイキックエナジーが急激に高まる……!
「猟兵等よ、特別に見せてくれよう。これが、銀河皇帝の血統の証、ワープドライブである……!」
 直後、銀河皇帝の背後の空間が大きく歪み、巨大な何かが出現してくるのを雨宮は感じ取った。だが、彼が瞬きをした瞬間、その巨大な何かは視界から消失していたのだ。
「外宇宙から来たれ、知られざる『黒き槍の船』よ……。彼の物を轢殺せよ」
「ど、どこから来るのです……!?」
 一瞬、戦艦のような巨大な艦の形が見えたような気がした。あれだけの質量をもったものが此処に浮遊しているとだと思うと、まさに脅威だと感じる。
 しかし、雨宮はそれを逆手に取ってやろうと考えた。
「その槍の船は発見し難くとも、確実に実体はあります……!」
 雨宮は自身の周囲を覆うように霊符束を放った。更に天狐の横笛を突然奏で始めたのだ。
(朱音、何か感じたら教えてください)
 尾長の赤い雀のような姿の炎の精霊『朱音』に念波めいた信頼の気持ちを伝える雨宮。だが、朱音には敵影を探知するための有効な技能を有していなかったのだ。
 そうとは知らずに、雨宮は横笛を拭き続ける。
(これはソナーです。反響した音で、槍の船の近付く方向と距離を察知するのです)
 だが、ここでも雨宮は痛恨のミスを犯す。彼自身、反響を聞くための聞き耳に関して未熟であった。敵のユーベルコードの対策としては確かに理に適っている。しかし、それを果たすための自身の成長が伴っていなかったのだ。それが敗因……!
 突如、雨宮の背後に浮かぶ霊符束が破れたかと思えば、そのまま猛スピードで雨宮を轢き潰して通過してゆく! 初撃を凌げるというレベルではない。少しでも喰らえば、死が待っている!
 だが、全身複雑骨折を負った雨宮は奇跡的に一命を取り留めていた。そして、声が出るうちに死力を尽くし、ユーベルコードを発動させた。
「――、――、――りを……え――、……参りませ、九頭、龍大明、神――!」
 本来ならば、槍の船の方向と距離を正確に把握したうえで、五感を共有している船の方へ攻撃を仕掛ける予定であった。だが、瀕死の状態ではそれも叶わない。呼び出された神々しい輝きを放つ巨大な白い九頭龍の霊は、銀河皇帝へ超高圧の水流ブレスを放つ!
 しかし、その攻撃は槍の船が九頭龍の霊を本体の雨宮ごと再び轢き潰したことで防がれてしまった。
 それでも、一瞬だけ超高圧の水流ブレスが槍の船を真一文字に薙ぎ払う事で、銀河皇帝へのダメージは蓄積させることに成功した。
「よもや、我が押されているだと……?」
 ここにきて、形勢の不利を悟った銀河皇帝は、忌々し気に次々と現れる猟兵たちを睨み付けるのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

緋神・美麗
いよいよラスボスね。敵は最強、だけど無敵ってわけじゃない。皆の力を合わせて打ち倒すわよ
「あんたはここで私たちが撃ち滅ぼす!」

先制対策
マインドが白騎士と同性能ならば避けるよりも攻撃を逸らす事に集中 前方に全力でオーラ防御を多重展開し攻撃を止めるのではなく逸らして流す。自身も後ろに飛ぶことでダメージを最小限に抑える。【視力】【見切り】【第六感】も総動員して戦闘不能を避ける

防御優先で被ダメを抑えつつ出力可変式極光砲を命中重視で使用し確実に当てていく【誘導弾】【範囲攻撃】【衝撃波】【薙ぎ払い】で防御も回避も困難な攻撃を繰り出す

【アドリブ、絡み歓迎】


水心子・静柄
凄腕の剣豪なら後の先っていって先制攻撃をカウンター出来るんだけど、私には無理ね。それに装備武器の封印を解いたら未来位置が見える白騎士と同性能って事はカウンターも潰してくるんでしょうね。まあ弱点はその間、生命維持機能を切ってる事かしら。出来る限り耐えて生命維持出来ない時間を稼いで弱体化を狙う。

皇帝の攻撃はもう第六感と野生の勘をフル稼働して対応するわ。避けようとしても読まれるだけだから攻撃を受けた時に打点をずらしたり衝撃を逃したりしてダメージを減らして少しでも耐えれるようにしていくわ。それで瀕死になるまで耐えて戦場の亡霊ね。皇帝が油断してたら攻撃、そうじゃないならまた時間稼ぎかしら。


鮫塚・あるは
・心情
一人で帝国とはなんともはや
国じゃなくて家とでも名乗ってればいいんじゃないかい?

・対策
発見しづらく追跡してくる槍の船ねえ
ならばいっその事巻き込んでしまえばいいのさ
【ダッシュ】で相手に近づき【グラップル】で組み付く
そうして【敵を盾にする】ように挑戦してみるよ
音とかあればギリギリで【逃げ足】披露したいんだけどね

・戦闘
初撃を凌いだらUC【弾倉交換】でお高い弾に変更さ
【ジャンプ】や【空中戦】を主体に位置を固定化しないように立ち回りつつ愛用の銃での射撃に専念するよ
五感を共有してる以上チクチクやられて集中できる程図太そうには見えないからね
ちまちまと削らせてもらうよ

※前座、他の連携への踏み台歓迎です



 なおも猟兵たちは諦めずに攻撃を仕掛ける猟兵たち。
「いよいよラスボスね」
 緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)が余裕の笑みを浮かべる。
 敵は最強、だけど無敵という訳ではない。猟兵たちの力を合わせれば、必ずや撃破できる存在だ。その証拠に、僅かではあるが形勢は猟兵たちへ傾きつつあるのは事実だ。
「あんたはここで私たちが撃ち滅ぼす!」
「あれが銀河皇帝? 独りで帝国を名乗るとはなんともはや。国じゃなくて、もうスターゲイザー家とでも名乗ってればいいんじゃないかい?」
 鮫塚・あるは(スペースノイドの戦場傭兵・f12434)は生意気な憎まれ口で“先制口撃”を仕掛けた。だが、銀河皇帝は口車に乗るつもりはないと言わんばかりに無言だ。
 それを無心で鞘に納められたままの脇差を構える水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)が銀河皇帝を見据える。
(なんて隙のない相手なのかしら。凄腕の剣豪なら後の先で先制攻撃をカウンター出来るんだけど、私には無理だし、そもそもあれには通用しなさそうね。それに装備武器の封印を解いたら未来位置が見える白騎士と同性能って事はカウンターも潰してくるんでしょうね、厄介だわ……)
 猟兵たちの思惑の交錯は実時間にして僅か5秒にも満たない。だが、6秒目には玉座の間が地獄へと変貌を遂げる。
「我は“汝等”を少々過小評価していたようである」
 猟兵たちの呼び方が、『貴様等』から『汝等』に変わる。皇帝の中で、猟兵を一定の敬意を払うべき存在だと認識が改まった証左だ。次の瞬間、再び皇帝の身体は人型兵器『マインド』へとその姿を急変する!
「自省せねば。我は汝等に傷ひとつ付けられずに完膚なきまでに蹂躙できると思って戦いに臨んできた。だが、ここからは我の最大の脅威として、全力で討ち滅ぼさん!」
 銀河皇帝はレーザービームライフルを二挺出現させ、3人の猟兵へ向けて激しく乱射を開始!
 緋神は構わず全力で前へ駆けだし、自身の前方へオーラの防壁を展開!
(マインドが白騎士と同性能ならば避けるよりも攻撃を逸らす事に集中よ!)
 だが、緋神の身体が動く前に、レーザービームがオーラの壁を貫通!
「っ!?」
 腹を熱線で撃ち抜かれ、血反吐を吐いて倒れる緋神!
 何故、彼女は失敗したのか?
 答えは単純……っ!
 未来視による予測うんぬんよりも、技能が未熟……っ!
 特に見切りと第六感が……銀河皇帝の高速射撃術に追い付けなかったのだ!
 倒れた緋神を追い抜いた静柄は、迫りくるレーザービームの弾幕に明鏡止水の心構えで臨む。
(生命維持機能の接続を断っている今なら……! 一撃でも入れれば大打撃よね!)
 ならば一歩でも踏み込んで一太刀入れるまで!
 その為にも、自身の研ぎ澄まされた集中力をフルに発揮すると、一瞬、レーザービームの弾幕がハイスピードカメラめいた超スローモーション映像となって軌道を読み取る!
(……いける!)
 緋神よりも第六感と野生の勘に優れ、また覚悟を決めた事によって捨て身の一撃を敢行する静柄。一射、二射と奇跡的に回避! 三射、四射もギリギリ直撃は避け、またも奇跡的に軽傷で掻い潜る! 気が付けば、皇帝まであと10歩ほどの距離!
「もらったわ!」
 納刀状態の脇差を上段に構え、さらに踏み込む静!
 だが、銀河皇帝から落胆の声が漏れた。
「惜しい戦士であった。汝、味方に恵まれなかったようであるな?」
「何を言って、な゛あ゛っ!?」
 静柄の真横から『黒き槍の船』が衝突! 衝撃で彼女の身体は吹き飛び、壁に身体が突き刺さる! 自身の本体である脇差を守ることは出来たが、仮初の肉体は3割ほどが吹き飛んだ衝撃で粉砕されてしまっていた。
 静柄の先制攻撃の対策は、彼女の技能面の裏付けで成立していた。だが、反撃の手段が悪かった! 損害を警備で抑えられる対策をしておきながら、時間稼ぎかつ瀕死からの戦場の亡霊による逆転劇を画策したのが失敗の要因……! 素直に速攻からのユーベルコードによる強撃を放てば、一気に形勢は猟兵たちに向いたやもしれなかった。
 そして、『黒き槍の船』を呼び出す要因を作った鮫塚は、転送地点から一歩も動けないまま身体がバラバラに飛び散っていた。
「な、んで? 真正面に走れば、あんたごと船で、轢き潰せると、思ったのに……」
 これに『マインド』化を解除した銀河皇帝が冷めた目で見下しながら告げる。
「……我がワープドライブ・ペネトレーションは、任意の空間から『黒き槍の船』を呼び出す事が可能である。ゆえに、猟兵の真後ろから出現させることも容易い……」
 皇帝を巻き込もうとして、前しか見ていなかった鮫塚の考え自体は良かった。だが周囲への警戒が全くなかったのが、そもそもの対策になっていないと言えよう。
 銀河皇帝が破れた猟兵たちに興味をなくすと、虚しそうに呟く。
「ふん、やはり猟兵は脅威にならぬ、かはっ!?」
 唐突に喀血する銀河皇帝!
 彼は目を疑った。自身の背中から腹にかけての激痛、そして腹から突き出る脇差の刃を見て、静柄を方を見遣る。
「ざまぁ、ないわ、ね……!」
 意識を手放す瞬間、静柄は死力を尽くしてユーベルコード『戦場の亡霊』で皇帝を刺突! だがユーベルコードを維持できたのは、ほんの数秒。今度こそ、静柄の意識は闇の中へ落ちてゆくのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ウルフシャ・オーゲツ
この一射で戦争を終わらそう、それならばウチの神話の原点回帰、得意分野じゃ。
「さぁ、『ウチが』粉々に砕け散る凄惨な未来を見るがよい!」
なるべく仲間の視線がないところで使わねばな!
先制攻撃をあえて敵に凄惨な未来を見せて困惑させて回避を試みる。
さすがに目の前の相手がその場で砕け散るとは思うまい。
でも攻撃されたら本体の致命傷を回避することだけに注力。
「その場で自爆? そんなわけ無かろう、これはただの、反動じゃ!」
「未来を見るなら時空を狂わす。行くぞ!」
慣性とか空間とか時間とかいろいろ無視した変態軌道で襲いかかる渾身の一撃を食らえー!
……あ、これ使うときはレモンちゃんにみつからんようにせんと怒られそう。


七星・桜華
「銀河皇帝…覚悟。」

右手に『天之羽々斬』左手に『無心刃正宗』を持ち構える。銀河皇帝を討つために。

皇帝の全ての攻撃に対して無心になり空気の振動等の僅かな動きに対して即座に反応できるように手に持つ二振りを構える。【殺気】を一切消して【第六感】【野生の勘】で攻撃を感知して【見切り】で確実に回避し続ける。

攻撃を回避している間も【力溜め】ながら動きに【フェイント】を混ぜて【ダッシュ】で加速しながら攻撃の機会を【第六感】【野生の勘】で探り皇帝の攻撃を【見切り】【カウンター】で溜めていた全力のユーベルコードを【鎧無視攻撃】【2回攻撃】で撃ち込む。

「強い力を持っていようと使いこなす経験と技術が無い無駄だよ。」


フランチェスカ・ヴァレンタイン
白騎士と同性能――つまりわたしが備えるべきは機動との交叉点を見越した予測砲撃、ですわね
であれば勘や第六感も駆使して見切るのは射線の向きとその起点のみ
発射された瞬間に全力の推力偏向機動でスライドしてその射線から身を躱し、それでも当たりそうならガントレットでどうにか逸らしてやり過ごします

そんな綱渡り気味の空戦機動を続けて仕掛ける機を窺い、視界を遮るようにぶつける勢いで外殻装甲をパージ
一瞬でも気を逸らせれば十分です、一気に斧槍の間合いに飛び込みUCの光刃を展開、狙い澄ましたなぎ払いで空間ごと斬り裂きます
追撃まではちょっと無理ですかね…? 逆噴射の全力機動で急速離脱を

※台詞アレンジ・アドリブ・絡み歓迎



銀河皇帝は新たに転送されてくる猟兵たちを見て、拭い切れぬ疑問を抱くようになった。
「何故だ? 何故、我の絶対先制攻撃を掻い潜れるのだ? 汝等がユーベルコードを多重使用すれば、我はそれを感じ取り、複数のユーベルコード攻撃を実現し、かつ先んじて同時に放つ事が出来る。我への問い掛けも答える義理もなければ、その痛覚に耐えて即座に質問者を抹殺することも容易い。我は絶対の攻撃力を有し、先んじて汝等の戦う意思を奪いて汝等のユーベルコードを封じることもでき、認識しがたい槍の船を瞬時に呼び寄せられるというのに、何故だ?」
 ――何故、我は汝等ごときに押されているのだ!?
「簡単なことですわ、銀河皇帝? いや、リスアット・スターゲイザー!」
 フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)が、背中の翼を広げてハルバードを突き付けながら答えた。
「あなたは独りで戦って、わたしたちは群れて戦いますわ。たとえ猟兵1人を倒しても、あなたを倒すという意思を継いだ猟兵が、何度もあなたの喉元に刃を突き立てるからですわ、リスアット!」
「おのれ、無礼であるぞ。我を名指しで呼ぶとは……!」
「どうした? 随分と頭に血が上っているようじゃないか?」
 七星・桜華(紅髮の天魔御剣流免許皆伝・f00653)が腰に五振りの刀と一枚の扇子に背中に薙刀を装備し、身体には紋が浮かばせた羽衣姿で不敵に笑う。
「教えてやる。強い力を持っていようと、自身に使いこなす経験と技術が無いなら、それは宝の持ち腐れ、つまり、無駄なんだよ」
 愛刀の五振りの中から、右手に『天之羽々斬』左手に『無心刃正宗』を持ち構える。
 ウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)も、これに乗っかって銀河皇帝をしっかりと確実に煽ってゆく。
「やーい、ボッチ帝国ぅ~! 前髪ウザすぎモジャモジャで死んだ目付きのボッチ皇帝ー! もーじゃもじゃ! もーじゃもじゃ! もーじゃもじゃのボッチッチ!」
「汝等は絶対殺す!」
 銀河皇帝、秒速で『マインド』に変身! すかさず宇宙最強のサイキックエナジーのレーザービームの弾幕が猟兵3人へ押し寄せてきた!
 七星が両手に二振りの愛刀を持って待ち構えているのは意味があった。皇帝の全ての攻撃に対して無心になり、空気の振動・光線の軌道の僅かな動きに対して即座に反応できるようにという武芸の極地。だが、見切る為にはまだ精進が足りないのか、レーザービームの弾幕が七星の身体の脇を幾度となくすり抜けてゆく! 身を焼かれながら、七星は銀河皇帝へ向けて走る!
 その横をアウトレイジ・ブラスターとアルタースキン・ヴァルキュリアの推進力によって低空飛行するフランチェスカ。何とか見切りと第六感でレーザービームを逸らすように試みるが、素早い速射技能の前に、次々と身に纏う装甲が弾き飛ばされてゆく!
「避け切れませんわっ!? こうなったら、イチかバチか……!」
 フランチェスカ、撃墜覚悟で光線の雨の中へ突っ込む! そしてヴァルフレイア・ハルバードの穂先と斧刃を覆い輝く、万象を斬り裂く光刃を振りかぶり、銀河皇帝へ残りの装甲をパージしてぶつける!
 ユーベルコード『九天遍く 裂き断つもの(ヴァルフレイア・イディアスブレイザー)』が放たれる!
「ブレイザー、イグニッション――! その“存在”の一切、憚りながら両断させて戴きます……!」
「遅い……!」
 しかし、既に未来予知めいた早業で、パージされた装甲を焼き穿いた銀河皇帝は、その銃口をフランチェスカの心臓へ向け、トリガーを引いた! まさに死を覚悟するフランチェスカ!
 そこへ、ウルフシャが戦淑女を庇って銃口の前に飛び出る!
「さぁ、ボッチ皇帝よ! 『ウチが』粉々に砕け散る凄惨な未来を見るがよい!」
 ウルフシャの心臓に青白い熱線が幾度となく通過してゆくと、超新星めいて彼女の身体は輝きながら爆発粉砕! 銀河皇帝も予想だにしていない行動だったのか、一瞬、銃を撃つ手が止まった。
 そして目の前で砕け散った戦友の姿に、フランチェスカ、怒りの咆哮!
「ああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!」
 輝くハルバードの刃が、『マインド』モードの銀河皇帝の肩口から深々と食い込むと、返す刀で逆袈裟斬り! 憤怒で見開かれるフランチェスカの双眸は、確かに苦悶の表情を浮かべる銀河皇帝の顔を視認した!
「ウルフシャさんをよくも! よくも殺しましたわね!?」
「ひとり殺しても、後に続くのであろう?」
 フランチェスカは『マインド』のフォースパンチを顔面に喰らって床に突き刺さってしまった! フランチェスカ、沈黙……!
 だが、その間に七星が銀河皇帝の背後を捉える!
「よくも仲間を……。銀河皇帝……覚悟」
「ふんっ!」
 放たれる銀河皇帝の鉄拳!
 それに差し違えるように、七星は己の全力を溜め込んだユーベルコードを放つ!
「散れ! 星屑のように!」
 破突刃・零式(ハトツジンゼロシキ)――!
 交差する両者、ほぼ同時にふたりの身体から大量の血が噴き出る!
「ここ、までか……、すまない、ウルフシャ……、フランチェスカ……」
 脇腹を抉られ、失血によって意識を失う七星。
 対して、銀河皇帝は『マインド』化した装甲の半分が大破し、生身の部分も深手を負って玉座の間の床を自身の血液で汚していた。

 銀河皇帝は前方を見遣る。もう、猟兵たちは転送されてこない。
「……我は、勝った。勝ったのだ……!」
 その表情に愉悦はない。むしろ苛立ちが先行していた。ここまで苦戦し、深手を負う事になろうとは、彼自身、全くの想定外であった。
「だが、すぐに傷は癒える。さすれば、また別の場所に転送される猟兵たちも我が……、殺し……?」
 何故だ、体が鈍い。視界がぼやける。当然だ。あれだけ血を流したのだから。そうだ、玉座に座ろう。まずは昂った思考を落ち着かせなければ。
 銀河皇帝は玉座の方へ踵を返す。そして、顔を上げた先に見たものは、信じられない光景であった。
「銀河皇帝よ、お主の敗因を教えてやるのじゃ」
 玉座での前で仁王立ちするウルフシャ・オーゲツの姿が、そこにあった!
「ば、馬鹿な……。汝は爆散して死んだはず!」
「あの場で爆散? そんなわけ無かろう。あれは自身の装備武器の封印を解く反動じゃ! まぁ、本当は他の猟兵を動揺させるから単独で使いたかったんじゃが、そうも言っておられる状況じゃのうて、何よりめちゃくちゃ痛かったんじゃがな!」
「どういうことだ? 我は幻覚を見ているのか……?」
 初めて狼狽える銀河皇帝に対し、ウルフシャは指を3本立てて答えた。
「ひとつめ、貴様はウチのユーベルコードを見誤ったのじゃ。あの仮初の肉体が壊れてからが、ウチのユーベルコードの本領発揮じゃ! ふたつめ、ウチの種族『ヤドリガミ』は、器物である“本体”が破壊されない限り、この仮初の肉体は何度でも復元できるんじゃ! だからこそ為し得るこのユーべルコードじゃがな? そしてみっつめは……」
 ウルフシャはある異教の女神の名を冠した、超大型な深紅の弓に光り輝く矢を番えて引き絞る。
「この矢が、お主を貫くからじゃ!」
「馬鹿め……。我はまだ、『マインド』を解除しておらぬ! その軌道、読み取ってくれる!」
 銀河皇帝は予測する。ウルフシャの放つの軌道を見切り、どうにかレーザービーム砲を撃ち込まんとする勝機を見るために。
「未来を見るなら時空を狂わす。行くぞ! 全てを貫き砕き薙ぎ払う、流星の一撃をご覧あれ! たとえ我が五体碎け散ろうとも、先に広がる未来の為に! 流星が如く(チェンジ・ステラドラグーン)! はあぁぁぁーっ!!」
 ウルフシャが弦を弾けば、光を纏った矢が変態軌道で急旋回! 射手は反動で吹っ飛び玉座に激突! 彼女の後頭部におっきなたんこぶが出来た!
「なんだ、この軌道は!?」
 でたらめに動く矢の軌道は、まさにダンスそのもの。
 これは銀河皇帝を殺す“死の舞踏(ダンス・マカブル)”だ!
 後頭部をさすりながらウルフシャは勝利宣言を言い放つ!
「さぁ、ラストダンスじゃ! 慣性とか空間とか時間とかいろいろ無視した変態軌道で襲いかかる渾身の一撃を食らえー!」
「く、来るな! 来るでない! 止せ! 我に近付くなァァァーッ!?」
 銀河皇帝が怯えている! だが、それも虚しく、時空を完全無視した矢の軌道が、銀河皇帝の心臓を正確無比に射抜いた!
 すると、銀河皇帝に刺さった矢が高エネルギー反応を開始! そのまま白光を伴って一気に体外へ発散! 銀河皇帝の立っていた周囲の床がひび割れ、浮かび上がり、巨大な銀のエネルギー光柱となって天へと昇ると、光柱は銀河皇帝の身体ごと玉座の間の天井を貫いて……跡形もなく消失していったのだった。
「……勝った、んじゃろうか?」
 その場にへたり込むウルフシャ。他の猟兵たちは虫の息だが、今すぐ治療を施せば一命を取り留める事が出来るだろう。
「しかし、このユーベルコードを使うときは、時と場合を考えねばならぬようじゃな。特に、泣かせたくない相手の前では、のう……」
 死屍累々の玉座の間で、ウルフシャは早速、斃れた猟兵たちの救助活動を開始する。
 この勝利が、銀河戦争の終止符を打つと信じて。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト