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蹂躙されし魂に新天地を

#ダークセイヴァー #ダークセイヴァー上層 #第三層 #魂人の村

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 ――それは、なんの前触れもない破滅だった。
 大地を揺らす振動。轟音と共に吹き飛ばされる建物。人間の悲鳴、叫び、うめき声。
 まるで天災が直撃した後のような、惨憺たる光景が一面に広がっていた。

「よくも……よくも、俺達の村を!」

 これはただの自然現象ではなく、明確な「悪意」によってもたらされた災いである。
 崩壊した村の中で、人々は武器を取り「悪意」の元凶と戦う。それは人間の何倍もの巨体を誇る、鋼鉄の鎧で武装した巨人の兵士達だった。

「どうしてこんな事をするんだ! 俺達はただ、静かに暮らしていただけだ!」
「お前達がその理由を知る必要はない。我々はただ主君の命令を果たすのみ」

 巨人の兵士は機械のような無慈悲さで武器を振り下ろし、ちっぽけな村人達の抵抗を無に帰す。
 その巨体に宿る『紋章』は、闇の種族の尖兵の証。主君から与えられた絶大な力をもって、彼らは破壊と殺戮を遂行する。

「くそっ! ハンスがやられた!」
「死なせるか……死なせるもんか!」

 村人達は必死に【永劫回帰】を使い、致命傷を受けた仲間を救う。だが、その力の代償は自らの記憶だ。
 忘れたくなかった、忘れてはいけなかったはずの大切な思い出が、無情にも心の中から抜け落ちていく。
 その果てにやがて待つものが精神の死だとしても、そうする他に彼らに抗う術はなかった。

「諦めるな! 生きてさえいれば、きっと……!」
「無意味な抵抗を続けるか。苦しみが長引くだけだと知りながら」

 勝ち目の見えない絶望的な状況で、それでも勇敢に戦い続ける魂人。
 彼らの抵抗をまるで気に留めようともせず、淡々と蹂躙を続ける巨人兵。
 この希望なき戦いの結末を、変えられる者はいないのか――。


「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「ダークセイヴァー上層にある魂人の集落が、闇の種族の軍勢に襲撃を受けています」
 闇の種族が支配するダークセイヴァー上層において、人類は常に脅威に晒されている。領主の不興を買った、道楽としての「狩り」の獲物に選ばれた、あるいは単なる気まぐれか――いずれにせよ理不尽な理由で奴らは村や砦ひとつを平気で滅ぼす。犠牲になる魂人達の悲嘆や絶望を意にも介さずに。

「襲撃を受けたのは数十人ほどの魂人が暮らす小規模な村落です。闇の種族に目をつけられないように質素な生活を営んでいましたが、突如オブリビオンの軍勢に攻め込まれ、現在交戦中です」
 村人側は一体何が不興を買ったのかも分からないまま、闇の種族が送りつけてきた尖兵と戦う羽目になったわけだ。相手はこの階層の中では比較的レベルが低いとはいえ、「紋章」で強化されたオブリビオンの集団である。
「敵は『タイタンウォーリアー』と呼ばれる巨人の兵士で、目的はこの集落の破壊と住人の抹殺。彼らは主人から与えられた『巨大化の紋章』によって人間の10倍ほどのサイズになっています」
 基本的な戦い方は武器による白兵戦だけだが、圧倒的巨体から繰り出される攻撃はそれだけで災害級の威力がある。兵数で見ても村の人口と同じかそれ以上であり、残念ながらどう足掻いても魂人側に勝ち目はない。

「絶望的な窮地にいる魂人の方々は、それでも【永劫回帰】でどうにか戦線を支えて抵抗を続けています」
 魂人の誰もが使用できるユーベルコード【永劫回帰】は、自身の幸福な記憶と引き換えに味方が受けた「死に至る一撃」を無効化する。この力があるお陰で、強大なオブリビオン相手に誰一人死ぬことなく戦い続けることができるのだ。
「ですが何度も【永劫回帰】を繰り返せば、やがて魂人達の記憶は擦り切れ、心は壊れてしまうでしょう」
 何もかもを犠牲にせざるを得ない程に追い詰められ、なおも反撃の意志を失っていない魂人達の勇気を無駄にするわけにはいかない。猟兵達も彼らを助けて共に戦い、邪悪なるタイタンウォーリアーを撃退するのだ。

「村の壊滅自体は避けられませんが、今から急行すれば魂人達にこれ以上の犠牲が出ることは防げます」
 巨大化タイタンウォーリアーの軍勢は強大だが、体のどこかにある『巨大化の紋章』を攻撃すれば元の大きさに戻るらしい。あくまで図体のデカさに依存した強さならば、猟兵ならいくらでも対抗手段はあるはずだ。
「ですがタイタンウォーリアーを撃退しても、闇の種族に目をつけられてしまった以上、同じ場所に留まって暮らすのは危険です。生き延びるためには新たに定住できる土地を探す必要があります」
 ダークセイヴァー上層の脅威はオブリビオンだけではなく過酷な環境にもある。自然環境を作り変える力を持つ闇の種族のせいで、この階層には普通ではありえないような現象があちこちで起こるのだ。それを乗り越えて安全に暮らせる土地を探すだけでも、大冒険になるのは間違いない。

「そこで皆様にはオブリビオンの撃退に加えて、魂人の方々が新天地に辿り着くまでの護衛と、新しい拠点を設営するお手伝いをお願いします」
 魂人達だけでは困難な道程も猟兵の助けがあれば難易度は大きく下がる。一から村を作り直すのも大変だろうが、それも猟兵が協力すれば前より強固なものにできるかもしれない。またオブリビオンの襲撃を受けても、今度は対抗できるような拠点に。

「やることが多くて皆様には苦労をかけますが、魂人の方々の明日のために、どうか力をお貸しください」
 説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、ダークセイヴァー上層への道を開く。この先ではまさに魂人達が闇の種族の尖兵と戦っている真っ最中のはずだ――邪悪なオブリビオンの魔の手から、一筋の希望を守り抜く冒険が始まる。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回のシナリオはダークセイヴァー上層にて、オブリビオンの襲撃を受けた魂人達を救い、彼らを新天地まで保護するシナリオです。

 1章は闇の種族の尖兵である『タイタンウォーリアー』との集団戦です。
 この敵は主人に与えられた『巨大化の紋章』の効果で通常個体よりもさらにデカくなっていて、大きさに比例して強化されたパワーは厄介です。ですが体のどこかにある紋章を攻撃すれば巨大化は解けます。
 この章では襲撃を受けた村の魂人達も一緒に戦います。【永劫回帰】の乱用で記憶にダメージを受けている者も多いですが、それでも誰一人として諦めようとはせず、生き延びるための戦いを続けています。

 無事に敵を撃退できれば、2章では魂人達の新たな定住地を探す旅に出ます。
 道中ではダークセイヴァー上層の過酷な環境が牙を剥くでしょう。具体的な内容については実際に章が移行してから説明します。

 3章ではたどり着いた新天地にて、新しい村を築くためのお手伝いをします。
 一からの拠点作りは大変ですので、猟兵達が力を貸してくれれば魂人達は大いに感謝します。今度はオブリビオンの襲撃にも備えられるようなアイデアがあれば、彼らに提案していただけると幸いです。

 魂人達の抵抗が無意味に終わるのか希望を結ぶのかは、猟兵の活躍にかかっています。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『タイタンウォーリアー』

POW   :    ハンマーアタック
【モーニングスター】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ライディング・バッファロー
自身の身長の2倍の【巨大なバッファロー】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    ハイパー・モーニングスター
装備中のアイテム「【モーニングスター】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。

イラスト:こおりおこ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

七那原・望
転送が完了したら即座にアマービレでねこさんをたくさん呼び、多重詠唱結界術でわたしを含む猟兵、ねこさん達自身、そして魂人を護ってもらいます。

なるべく永劫回帰なんて使わせたくないですからね。

全力魔法で身体能力と飛行速度を限界突破させ、背中の翼で空中戦。
敵の行動や攻撃、紋章の位置を第六感と心眼と気配感知で見切ります。

所詮偽りの身長。その高い視野には慣れてないでしょう?

敵の死角を潜り抜けながら次々にオラトリオの刃を使った不意打ちのセカイへの報復で足元を斬りつけ、動きを鈍らせつつダメージを与えます。
セカイへの報復が通った敵は紋章を魔法で狙い撃ち、偽りの身長を剥奪します。

どうぞ苦しんで果てなさい。



「ねこさん達、来てください」
 現場への転送が完了すると、七那原・望(封印されし果実・f04836)は即座に鈴の付いた白いタクトを振る。
 この指揮棒の名は「共達・アマービレ」。彼女の友を呼び出すための道具で、ひと振りすればたちまち何処からともなく沢山の猫が姿を現す。
「はぁ、はぁ……うわっ、なんだ?!」
「ぬう? 何のつもりだ、貴様ら」
 絶望的な戦いを強いられていた魂人達は、突如現れた猫の群れに驚き。それらが魂人を守るように立ちはだかり敵を威嚇すると「タイタンウォーリアー」達も首を傾げた。人間の数倍の巨体を誇る彼らにしてみれば、敵が増えたと考えるよりも、こんな小さな者どもに何ができるのかという疑問のほうが強いだろう。

「退け」
 まるで床の埃を払うような仕草で、タイタンウォーリアーはおもむろにモーニングスターを振るう。紋章の力で巨大化した彼らの攻撃は、そのスケールに相応しい威力を誇る。だが、猫の群れがにゃあにゃあと一斉に鳴くと、魔力の結界が鉄槌を阻んだ。
「ねこさん達を甘く見ないでください」
「なにっ?」
 この猫はただのペットではなく、一匹一匹が魔法使い。その多重詠唱による結界は望を含めた猟兵、猫達自身、そして魂人達をすっぽりと囲い込んでいた。見た目は光のヴェールのように綺麗で儚げだが、危害あるものを通さない鉄壁の護りだ。

「なるべく永劫回帰なんて使わせたくないですからね」
「あ、ありがとう……!」
 窮地に際しユーベルコードを使う覚悟を決めていた魂人は、思わぬ救援に感謝を伝える。まさか、この状況で助けが来るとは村にいた誰も思っていなかっただろう。彼らに結界の中にいるよう伝えてから、望はオラトリオの翼を羽ばたかせる。
「これ以上好きにはさせません」
「猟兵か! 邪魔をするなら貴様から潰す!」
 初めて相手を脅威として認識したタイタンウォーリアーが、今度は本気で【ハイパー・モーニングスター】を振るう。威力・射程ともに3倍に強化された打撃が、幼き少女を叩き潰さんとするが――彼女は魔法によって強化した身体能力と飛行能力を以ってそれを回避する。

「所詮偽りの身長。その高い視野には慣れてないでしょう?」
「ぬうっ、ちょこまかとっ!」
 風車のようにぶんぶんとモーニングスターを振り回すタイタンウォーリアーの周りを、翻弄するように飛び回る望。目隠しで視覚を封じていても、心眼と第六感だけで相手の気配や行動は手に取るように分かる。連中の身体を巨大化させている「紋章」の位置まで、全てお見通しだ。
「隙だらけです」
 そのまま限界を超えた速さで敵の死角を潜り抜けた望は、刃の形に変化したエクルベージュ色の影――「影園・オラトリオ」に光を纏わせて、巨人の足元を次々に斬りつける。これ自体には動きを鈍らせる程度のダメージしかないが、命中した者には【セカイへの報復】が発動し、彼女が作りだした疑似世界に閉じ込められる。

「なっ、何だここは……?」
「これがお前達の造りあげた世界の在り方。お前達というセカイの支配域。今度はお前達を甚振る残酷なせかい」
 望がそう宣言するのと同時に、困惑するタイタンウォーリアー達の頭上から無数の落雷が降り注ぐ。このユーベルコードは他者に与えた理不尽な苦しみの全てを本人に体感させる因果応報の極地。闇の種族の尖兵として数多の魂人を虐げた罪が、そのまま自らに返ってくるのだ。
「「ぐ、があああぁぁぁっ!?!」」
 耐えがたい苦痛にタイタンウォーリアー達が悶えている隙に、望は魔法の矢で「巨大化の紋章」を狙い撃つ。
 矢が刺さった紋章は力を失い、偽りの身長は剥奪される。耐久力も体格相応に戻れば、もはや自らが犯した罪を受け止めきることはできないだろう。

「どうぞ苦しんで果てなさい」
 苦しめた人の数と同じ回数だけ裁きを受けるまで、神罰の雷が止むことはない。タイタンウォーリアー達の苦悶の叫びが断末魔に変わるまで、望は冷ややかな表情で彼らを見下ろしていた。平穏に暮らす魂人達の心と体を傷つけた罪がどれだけ重いか――身をもって思い知らせなければ、罰にはならないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・フォーサイス
オブリビオンに対抗しつづけている魂人か。いいね。美味しいお話が待ってそう。助けにいくよ。

大きいな。紋章を壊せば戻せるんだね。
エレクトロレギオン!
戦闘機械を大量に投入して、モーニングスターを避けながら、紋章を壊しにいくよ。
そこか!てい!

よし、戻った!ブラボー小隊で一斉攻撃だ。

だいたいわかってきたよ。この調子でどんどんふらしていくよ。



「オブリビオンに対抗しつづけている魂人か。いいね。美味しいお話が待ってそう」
 苦境に立たされてもなお諦めない勇敢な人々が紡ぐ物語は、きっと美味しいだろうとアリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は思う。だが、このままではそれも完成する前にオブリビオンのせいで台無しだ。だったら助けに行かない理由は無かった。
「子供か。この村にいる者は全て抹殺しろとの命令だ」
 救援のためにやって来た彼女のことを、敵は当初ただの子供だと思ったらしい。「紋章」の力で巨大化したタイタンウォーリアーから見れば、確かに彼女の身の丈は小さなものだろう。だが、それで猟兵を侮ってはいけない。

「大きいな。紋章を壊せば戻せるんだね」
 眼の前に立ち塞がるタイタンウォーリアーを見上げたアリスは、その鎧の胸部に宝石のような寄生体が張り付いているのを見つける。あれが敵の力の源であり弱点でもある。まずは巨大化さえ解除すれば楽に倒せるはずだ。
「エレクトロレギオン!」
 そこで彼女は小型の戦闘用機械兵器を大量投入して、数の力で紋章を壊しにいく。小さくとも戦闘力はほどほどに高いメカ達は、情報妖精の号令下で攻撃を開始した。1体ずつならともかく数百体で同時に仕掛ければ、巨人も流石に無視はできまい。

「この……!」
 攻撃を受けたタイタンウォーリアーは【ハイパー・モーニングスター】で有象無象をなぎ払わんとする。強度に不安のあるエレクトロレギオンはその一撃で多くが破壊されるが、アリスはひょいと鉄槌を躱して、逆にその上を駆け上がっていく。
「そこか! てい!」
「ぐあッ?! し、しまった……!」
 攻撃後の隙に狙いすまして放たれた魔法弾は、過たず「巨大化の紋章」を撃ち抜き。紋章の力を失ったタイタンウォーリアーはみるみる小さくなっていく。それでもまだ人間の倍程度の背丈はあるが、特別脅威を感じるレベルではない。

「よし、戻った! ブラボー小隊で一斉攻撃だ!」
 巨大化の解けたタイタンウォーリアーに向けて、残っていたエレクトロレギオンが攻撃を畳み掛ける。耐久力も図体相応に下がって敵はこれに絶えきれず、「ぐわあああああッ?!」と断末魔を上げて弾幕の中に散っていく。
「だいたいわかってきたよ。この調子でどんどんいこう」
 一度勝ちパターンを確立させてしまえば、それを再現するのは彼女にとって難しいことではない。機械兵器の部隊を自分の手足のように操って、敵を誘導して紋章への攻撃のチャンスを作る。巨大化が解ければ後は総攻撃だ。

「ば、バカな……がはっ……」
「残念だったね。君たちはここで終わりだよ」
 単純な殲滅命令だとばかり思って村を攻めていたタイタンウォーリアー達は、自分達の敗北を信じられぬまま斃れていく。アリスはそんな彼らの屍の山を築き上げながら、美味しいお話を守るために戦い続けるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリン・エーテリオン
虹炎の神
エリンでは無くアルコイリス

そこまでだ!

『虹炎の凍蟲!』
同時に凍結攻撃使用可能で匂いと熱を消す迷彩の力を持つ蟲をミリアが大量に呼び出し敵を拘束

虹炎の…虹砲弾!
俺は推力移動しながら虹炎と衝撃波の力を宿したオーラ防御で突撃
敵のバッファローの攻撃すら吹き飛ばしながら攻撃


『虹炎の無月!』
ミリアは周りに月の形の虹炎の斬撃波と浄化属性攻撃の全体攻撃をする(範囲攻撃)

お〜い、大丈夫か〜?
村人達に声をかけるが後ろから敵が俺を攻撃しようとする(今回の敵はアルコイリスの事を知っている)

俺の事を知っているようだな…ふん!
敵の攻撃を片手で受け止める(怪力)

ふん!轟雷神虹炎銃!
敵を雷と神罰を纏った拳で殴り飛ばした


リュカシオン・カーネーション
虹炎の神
今回はアルカンシエル視点


アルコイリス様〜!ミリアスリラ様〜!どこに行ったのだわ〜!

アルコイリス様に同行したがグリモア猟兵の話を聞いてから焦った様に急行したので逸れた

あっ!いたのだわ!
アルコイリス様は敵を雷と神罰を纏った拳を殴り飛ばした所に出くわしたので遠くから素早く衝撃波を纏った呪殺弾を敵に放って攻撃(クイックドロウとスナイパー)

情報収集と視力と戦闘知識で瞬時に状況把握する
『状況把握は基本だからね』
やったのだわ〜!普段厳しいミリアスリラ様に褒められたのだわ〜!
周りに迷彩の消滅属性の弾幕を味方に当てない様にしながら敵に攻撃


私は虹炎の神見習いのアルカンシエル!
喰らうのだわ!反魂輪廻の槍!



「そこまでだ!」
 巨人の兵団に襲われた魂人の村に、颯爽と駆けつけたのは「エストレジャ・アルコイリス」。エリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)のユーベルコードにより呼び出された、自由を司る虹炎の神だ。
「なんだ貴様は……?」
「いや待て、その虹色の炎、どこかで聞き覚えが……」
 主の命令のままに魂人を殲滅せんとしていた「タイタンウォーリアー」達は、彼の放つ存在感と虹炎を訝しむ。
 何者かは知らないがこの気配、ただの人間では無いのだろう。それでも主より「巨人化の紋章」を与えられた自分達には敵うまいという傲慢さが、その態度からは滲み出ていたが――。

『虹炎の凍蟲!』
 その思い上がりを正してやろうと攻撃を仕掛けたのは、エリンが召喚したもう1人の虹炎の神「エストレジャ・ミリアスリラ」。彼女が一声叫べば雪の結晶のような小さな蟲が大量に現れ、タイタンウォーリアーに牙を剥く。
「ぐおっ?!」「な、なんだこれは……!」「ブモオオォォ!」
 凍蟲の群れに襲われた巨人達の体はみるみるうちに凍りついていき、【ライディング・バッファロー】もろとも行動の自由を奪われる。振り払おうにも巨大化した彼らにとっては蟲達はあまりにも小さすぎ、さらに匂いと熱を消す迷彩能力を持っているため気配も捉えづらい。その光景はさながら蟻の群れに苦戦する巨象のようだ。

「虹炎の……虹砲弾!」
 ミリアスリラの凍蟲が敵を拘束すれば、今度はアルコイリスが突撃する。足と背中から「虹神炎覇気」のオーラを爆発的に放出し、その衝撃波によって凄まじいスピードで急接近。まさしく砲弾の如きパワーと推進力を威力に変えて、巨人どもに体当たりした。
「ぐおおおぉぉぉッ?!」「ブモオオォォォォォーー!!」
 騎乗していたバッファローもろとも吹き飛ばされるタイタンウォーリアー。圧倒的な体格差をものともしない豪快さに、大地がズシンと震えた。これには他の場所で戦っていた巨人や魂人達も「何事?!」と思わず振り返る。

「虹炎の無月!」
 追い討ちをかけるように虹炎を放つミリアスリラ。月の形に広がっていく炎の衝撃波は、邪悪なる者を浄化する聖なる波動だ。闇の種族に与する罪深きオブリビオンどもは、その神威に耐えられずに次々と消え去っていく。
「お~い、大丈夫か~?」
「な、なんとか、まだ……って、後ろ!」
 この間にアルコイリスは村人達の無事を確認しようと声をかけるが、その背後から別のタイタンウォーリアーが襲い掛かる。モーニングスターの鉄球を勢いよく振り下ろさんとする巨人を見た村人は、慌てて警告するが――。

「潰れろ……馬鹿なッ?!」
「その程度か?」
 攻撃力を重視した【ハンマーアタック】を、アルコイリスは片手であっさりと受け止める。衝撃で足元の地面が陥没するが、本人はまるでダメージを受けた様子がない。虹炎の概念操作能力を応用することで得られる腕力は、紋章で強化された巨人すらも凌駕するのだ。
「この力……やはり貴様は主が言っていた……!」
「俺の事を知っているようだな……ふん!」
 アルコイリスはそのまま鉄球を投げ返して相手を怯ませ、拳に雷を纏わせる。こいつらの主が何者だかは知らないし質問する気もない、ただ思い知らせてやるだけだ――虹炎神の前で人間に手を出そうとしたオブリビオンが、どのような罰を受けるのかを。

「アルコイリス様~! ミリアスリラ様~! どこに行ったのだわ~!」
 丁度その時、遅れて1人の少女が戦場に姿を現す。彼女はリュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)に召喚された虹炎の神「レーヴ・アルカンシエル」。アルコイリス達に同行するつもりだったが、グリモア猟兵の話を聞いてから焦ったように急行したため、到着場所が逸れたのだ。
「ふん! 轟雷神虹炎銃!」
「あっ! いたのだわ!」
 彼女が出くわした頃には丁度、アルコイリスが敵を殴り飛ばしている所だった。神罰の雷を纏った拳を喰らったタイタンウォーリアーは骨の髄まで消し炭にされ、その巨体は「巨大化の紋章」ごとボロボロと崩壊していった。

「私もやるのだわ!」
 見習いとはいえ自分も虹炎の一柱として、指をくわえて見ている訳にはいかない。アルカンシエルは呪殺弾を遠くから素早く放ち、タイタンウォーリアーの「巨大化の紋章」めがけて攻撃する。衝撃波を纏った弾丸が紋章に当たると敵は「ぐわッ?!」と悲鳴を上げ、本来のサイズに戻った。
『状況把握は基本だからね』
 今のは敵と戦場の情報を瞬時に把握できていなければ不可能な事だと、ミリアスリラが彼女の攻撃を評価する。
 遅れてきた焦りもあっただろうに、周りがちゃんと見えている。その上で敵の弱点を正確に射抜いたのは確かな成長の証といえよう。

「やったのだわ~! 普段厳しいミリアスリラ様に褒められたのだわ~!」
 喜び勇んだアルカンシエルは、迷彩効果を付与した消滅の弾幕をばら撒く。もちろん味方には当てないように。
 でかい図体が仇となって回避が苦手なタイタンウォーリアーは、弾丸が触れた箇所から体を削ぎ取られるように消滅していく。
「ぐ、おおぉ……き、貴様達は一体……」
「私は虹炎の神見習いのアルカンシエル!」
 狼狽する巨人達に堂々と名乗りを上げ、彼女は【虹炎の神・レーヴ・アルカンシエル"反魂輪廻の槍"】を発動。
 虹色に煌めく炎のパワーを収束させて一本の槍を作り出すと、大きく振りかぶってから思いっきり投げつけた。

「喰らうのだわ! 反魂輪廻の槍!」
 その槍は魂さえも分解・再成する比類なき神槍。どのような防御も耐性も、この一撃の前では意味をなさない。
 断末魔を叫ぶ暇も与えられず、タイタンウォーリアー達は跡形もなく消し飛ばされ。「やったのだわ!」と二柱の虹炎神の前で得意げに胸を張るアルカンシエルの快哉が、夜空に響き渡るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミヤビクロン・シフウミヤ
※アドリブ歓迎

現在ミヤビクロンは別人格と融合してミオとして存在しています。ミオは戦闘狂ではありますが口数少なく淡々としています。
・以下ミオのプレイング
弱者を狙う下衆共、ちょうどいい。新しいユーベルコードの試し斬り相手にして、でかいだけの木偶の坊だと教えてやる。
魔力溜めで魔力を溜め、月星煌乱に魔力溜めで溜めてた電撃、鎧無視攻撃と貫通攻撃を付与、星煌輝剣で戦場全体を駆け煌めく星月を幾千と描く斬撃でバッファローごと攻撃。指を鳴らして残像で追撃しつつ、足場にして立体機動をしながら攻撃を回避して、タイタンの首を狙い鎧無視攻撃と貫通攻撃を付与したヴィブロ・ケラウノスで首を切断して殺す。
容赦なぞ私にはない。



「弱者を狙う下衆共、ちょうどいい。新しいユーベルコードの試し斬り相手にして、でかいだけの木偶の坊だと教えてやる」
 村を襲う巨人の兵士どもを前にして、そう語るのはミヤビクロン・シフウミヤ(|闇に堕ちた空を疾走る冥狼《ハウリングケルベロス》・f04458)――今は「ミオ」と呼んだほうが良いか。元は3つの人格を持つ多重人格者であった彼女は、紆余曲折を経て現在は融合した1つの人格になっている。
「ふん。何を馬鹿なことを」
 その彼女に試し切りの相手と呼ばれた「タイタンウォーリアー」達は、小人の戯言だと一笑に付す。事実彼らの体格であればミオの剣など足元より上に届くかも怪しいほどだ。だがそれは「紋章」という大きな力を主に与えられたがゆえに生まれた慢心であった。

「天星にて煌めけ、我らは漆黒の流れ星。満ち駆けよ、月星煌乱」
 ミオは手にした「星煌輝剣」に魔力を溜め、解放と同時に【月星煌乱】を発動。無数の光の粒子によって構築された刃が刹那のうちに幾千の斬撃を描き、それは星月となって戦場全体を駆け煌めく。それは地上に降りた流星群の如く、巨人の兵団に牙を剥いた。
「な―――ッ!!!」
 タイタンウォーリアー達は慌てて【ライディング・バッファロー】で回避しようとするが、その図体のでかさで足掻いたところで逃げ場はない。電撃を帯びた超音速の斬撃に晒されて、乗騎のバッファローごと切り刻まれる。

「まだだ」
 さらにミオがぱちんと指を鳴らすと、斬撃が軌跡上に残した残像が一斉に動きだす。時間差での追撃を受けた敵の損害はさらに拡大し、血まみれになった巨人の亡骸が続々と大地に倒れ伏す。「試し切り」の戦果としてはこれだけでも上々だろう。
「お、おのれッ!」「やってくれたな……踏み潰してくれる!」
 侮りの代償を支払ったタイタンウォーリアー達は、斃れた仲間を踏み越えて反撃を仕掛けてくる。バッファローと自身の巨体を活かした全速力の突撃は、それだけで城壁すら粉砕するほどの威力を誇る。当たりさえすれば今からでも勝敗を逆転させる一手になるだろう。

「そんな技が当たるとでも?」
 しかしミオは落ち着いたまま、斬撃の残像を足場にしてバッファローの突撃を躱す。まるで背中に羽でも付いているかのような軽やかな立体機動で、戦場を駆け上がりながら高周波振動剣「ヴィブロ・ケラウノス」を抜き――目にも留まらぬ早業で巨人の首を狙う。
「がぁ……っ!!」
 超高度かつ超高速で振動する金色の刃が、恐ろしいほど滑らかな切れ味でタイタンウォーリアーの首を切断し。
 自分の身に起こった出来事が理解できない表情のまま、それは雷で焼き焦がされ跡形もなく塵と化していった。

「容赦なぞ私にはない」
 口数少なく淡々とした態度で、敵の殲滅を続けるミオ。元の人格達の傾向を受け継いだことで、戦闘狂でありながらも冷徹な人格として完成された彼女は、まだ不安定だった頃よりも戦士としてある種の理想形に達していた。
 心技体ともに研ぎ澄まされた夜空のダークヒーローの前では、巨人の兵団などまさしく斬られ役の木偶の坊に過ぎなかった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セフィリカ・ランブレイ
カビィちゃんと

支配に抗う魂人達にこれ以上、大事な記憶をなくさせない
やるよシェル姉!

このサイズ差はキャバリアの出番!
そこは畑だっての!壊させるかっ!!

ああっ、畑が!

ん?
え?

なんで?
転がったトマト喋ってる?
か、カビィちゃん!?このトマトが?
私今スプレンディア呼んで巨大戦する心算だけど
ロボ戦って字数食うんだよ、狂人対応にも字数食うんだよ!
両立しないでしょ!?

『相手の世界観に呑み込まれてるわよセリカ』

不覚!
最近真面目だったから不条理への対応が遅れる…!

とりあえず目の前への対応、スプレンディアで潰さないように気を付けて応戦だ!

『潰して肥料にしてもいいんじゃない?』
なんか増殖しそうだからヤダなあ……


カビパン・カピパン
🍅となりその村をさまよっていたあの日。
死ぬのだと思っていた。我が身も世を恨み、人を憎み、運命を呪い死んでいくと思っていた。片隅で泣く事しかできなかった夜。

🥫🍝🍅
戦友の死体を前に戦争の悲惨さに嗚咽するトマト(カビパン)

誰も目に留めない、道端のミニ🍅のようだった私に、あの人は声をかけてくれた。

『あ、あなた様は!ランブレイ王家のセフィリカ姫様!!』
まさしく、セフィリカ姫はトマト生産者に相応しい名君であった。

――この日を境目に、新しい🍅の時代が始まったのだ。

『おいゴルァ!もっと腰入れて耕さんかい!!』

豊穣の女神を憑依させてタイタンウォーリアーに超偉そうに農業説教する変な紋章のついた🍅



「支配に抗う魂人達にこれ以上、大事な記憶をなくさせない」
 セフィリカ・ランブレイ(鉄エルフの蒼鋼姫・f00633)が闇の種族の尖兵に立ち向かう理由は、それで十分だった。どんなに絶望的な力の差があっても諦めずに戦う、勇敢な人達の生命と心の両方を守るために、彼女は村の救援に駆けつける。
「やるよシェル姉!」
『ええ、いけるわ』
 相棒である意志持つ魔剣「シェルファ」も、使い手の意気込みに応える。敵は紋章の力で巨大化した「タイタンウォーリアー」の兵団。ただでさえでかい図体は人間の10倍ほどのサイズにまで達し、ただ前進するだけで有象無象を蹂躙する災害と化していた。

「このサイズ差はキャバリアの出番!」
 巨大な相手にはこちらも巨大兵器で相手しようと、セフィリカはキャバリア「スプレンディア」の召喚を行う。
 これ以上奴らの進撃を許すわけにはいかない。ここにあるのは守るべき生命だけではなく、魂人達が必死になって築き上げた生活の営みそのものなのだから。
「そこは畑だっての! 壊させるかっ!!」
「我々の使命はこの村の壊滅。例外はない」
 しかしタイタンウォーリアーは彼女の制止に構うことなく【ライディング・バッファロー】で突き進み続ける。
 急いで立ちはだかろうとするセフィリカであったが、あと一歩遅く、無情にも1頭のバッファローが畑の敷地に足を踏み入れる――。

「ああっ、畑が!」
 ぐしゃりと踏みつけられた地面に赤いシミが広がる。どうやらそこはトマト畑だったらしく、これから熟していくはずだった若い実がバラバラと散らばる。それが村人にとってどんなに大事な物かオブリビオンには理解できないだろう。護りきれなかった――と、悔しさに奥歯を噛みしめるセフィリカであったが。
『あ、あなた様は! ランブレイ王家のセフィリカ姫様!!』
「ん? え?」
 ころころと足元に転がってきたトマトが自分の名前を呼ぶ。それも、ものすごく聞き覚えのある人物の声で。
 その瞬間、脳裏にフラッシュバックする数々のカオスな記憶。底知れない不安に見舞われたセフィリカは思わず「なんで?」と呟いた。

『私です、カビパンです!』
「か、カビィちゃん!? このトマトが?」
 少なくともセフィリカの記憶上ではまだ一応人間だったはずの、そのトマトの名はカビパン・カピパン(🥫🍝🍅 戦争の悲惨さに嗚咽するトマト・f24111)。最近はあまり一緒に冒険することも無かったのだが、少し見ない内に一体彼女に何があったのやら。
『🍅となりその村をさまよっていたあの日。私は死ぬのだと思っていた。我が身も世を恨み、人を憎み、運命を呪い死んでいくと思っていた』
 聞かれなくても彼女は勝手に話しだす。ナレーション風の調子で語られるのは野菜になってからの波乱万丈の人生もといトマト生。文字通り手も足も出ない無力感に苛まれ、片隅で泣くことしかできなかった夜もあるという。

『見て下さい、この戦友の死体を』
 丸っこいボディでカビパンが指し示したのはトマト缶とトマトソースのパスタ。美味しそうに調理されてしまった同胞の成れの果てを前に、彼女は戦争の悲惨さに嗚咽していた。いつかは自分もこうなるのだと、諦観とともに運命を受け入れつつもあった。
『ですが誰も目に留めない、道端のミニ🍅のようだった私に、あなたは声をかけてくれた』
 まさしく、セフィリカ姫はトマト生産者に相応しい名君であった。どういった基準でそのように評価したのかはカビパンにしか分からない。ツッコミを挟む暇もない自分語りを聞かされる側の気持ちは、完全にスルーである。

『――この日を境目に、新しい🍅の時代が始まるのです』
「いやカビィちゃん、私今スプレンディア呼んで巨大戦する心算だけど」
 勝手に盛り上がり勝手に新時代到来させようとしているカビパンに、ようやくセフィリカがツッコミを入れる。
 今はこんな事をしている場合ではない。ギャグ時空が展開されている間も敵は侵攻を止めてくれないのだから。
「ロボ戦って時間食うんだよ、狂人対応にも時間食うんだよ! 両立しないでしょ!?」
『相手の世界観に呑み込まれてるわよセリカ』
 動揺してアツくなった彼女の熱を冷ますように、冷静に指摘するのはシェルファ。このノリも久しぶりなせいでペースを乱されてしまっている。悪霊からトマトになっても、自分のノリに周囲を巻き込んでカオスを作りだす、カビパンのやり口は変わっていないようだ。

「不覚! 最近真面目だったから不条理への対応が遅れる……!」
 我に返ったセフィリカはとりあえず目の前への対応を優先し、「スプレンディア」に乗って巨人と応戦する。
 亡国に遺されていた機体を魔導技術と精霊魔法を用いて復元した、紫水晶の戦姫。その性能は並のキャバリアを遥かに超える。
「一式」
「ぐあぁッ?!」
 サイズに反した驚異的な瞬発力により間合いを詰め、伸縮自在の光刃「SBX-07」を一閃。乗り手の技術を忠実に反映した【月詠ノ祓】が、タイタンウォーリアーを斬り伏せる。真面目に戦うことさえできれば、どんな敵だろうと彼女が遅れを取ることはない。

『おいゴルァ! もっと腰入れて耕さんかい!!』
 その"真面目に戦わせてくれない"最大要因であるカビパンは、【黒柳カビパンの部屋】によって豊穣の女神の霊をその身に憑依させ、超偉そうな態度でタイタンウォーリアーに農業説教している。トマトのくせにやたらと声がでかい上にトーク力は圧倒的なせいで、敵もついついスルーできずに気を取られてしまう。
「な、なんだこのトマトは……?」「よく見ると変な紋章が付いているが……」
 その紋章こそがカビパンの霊魂を宿した本体だとは流石に分かるまい。自分達の理解を越えた現象に直面した敵は強烈なプレッシャーを感じて前に進めなくなる。冷静に考えれば別に気にしなくて良かったのだが、冷静にさせないことこそが彼女の特異性とも言えた。

「今だ!」
 相手がカビパンのペースに呑まれている隙に、セフィリカの「スプレンディア」は次々に敵を斬り倒していく。
 こちらがカビパンのことを潰さないように気をつけて戦う必要はあるが、それでもカオスなギャグ時空に慣れているぶん状況は有利と言えた。
『潰して肥料にしてもいいんじゃない?』
「なんか増殖しそうだからヤダなあ……」
 そんな若干物騒な会話をシェルファと交わしつつも、彼女は敵の進撃を食い止め続ける。謎トマトが説教を終える頃には畑周辺にいた敵は全て蹴散らされ、絶望的だった村の戦況は徐々に猟兵と魂人の優勢に転じつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
「巨体を武器に自分より弱いものを蹂躙する。
酷いものだ。が。」
「救うにはまだ間に合う。」

敵から離れた所からアンノウンブレスを発動。
幽霊を召喚してその姿を魂人に似せて
(特定の魂人ではなく敵を引き付ける為に
魂人の特徴を備える程度で良い。)
本物の魂人に紛れさせて魂人を庇わせつつ自身は魂人に
助けに来た事と早く逃げる様に伝える。

幽霊は念動力で敵の攻撃を逸らしたり
足元を駆け抜ける事で攪乱。
その隙に幽霊の超感覚も利用して
敵の紋章の場所を【見切り】
デモニックロッドの闇の魔弾を
【誘導弾】で放って紋章を狙い撃ち
巨大化が解け、体勢が整わない内に
再度闇の魔弾に【呪殺弾】の力を付与して仕留め
残った敵も同様に倒していく。



「巨体を武器に自分より弱いものを蹂躙する。酷いものだ。が」
 なんの躊躇もなく弱者を踏みにじる「タイタンウォーリアー」達に、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は顔をしかめながら杖を突きつける。既に村の被害は甚大だが、まだ村人の中に犠牲者はおらず、【永劫回帰】で致命的な記憶の傷を負った者もいない。
「救うにはまだ間に合う」
 前線よりやや離れた場所から、彼は【アンノウンブレス】を発動。地面の下から呪詛と共に不気味な柩が現れ、ゆっくりと蓋が開いていく。その中からあふれ出したのは膨大な量の呪詛と、怨嗟の声を上げる幽霊達であった。

「地の底に眠る不明なる霊。呪われたる棺の蓋を開きて、その異能を存分に振るい。我に仇なすものを退け、我と共に歩む者を助ける力となれ」
 召喚者たるフォルクの呼びかけに応えて、幽霊達は直ちに魂人に似せた外見に姿を変える。彼らの正体は誰も知らない、だからこそどんな姿にも化けられる。村にいる特定の個人に似るわけではないが、魂人の特徴を備える程度に変身させておけば敵を引き付けるには十分だろう。
「まだ、そんな所にもいたか」
 案の定、タイタンウォーリアーは姿を変えた幽霊を村人と間違えて【ハイパー・モーニングスター】を振るってくる。巨大すぎる連中の視点からは小さき者どもの区別も見分けづらいのだろう。好都合とばかりに幽霊達は本物の魂人の中に紛れ込み、彼らをかばうように立ち回る。

「助けに来た。今のうちに早く逃げるんだ」
「は、はいっ」
 幽霊が敵を引き付けている間にフォルクは魂人達に事情を手短に伝えて避難誘導を行う。巨人どもの周辺にいるのが幽霊だけになってからが本番だ。彼らは単なる囮として呼び出された訳ではなく、1体1体が戦うための異能を備えている。
「ぬぅんッ……しぶとい奴らめ!」
 強烈な念動力で敵の攻撃を逸らし、巨体の足元を駆け抜ける幽霊達。サイズ差の不利を逆に利用した立ち回りにタイタンウォーリアー達は手こずり、翻弄されている。この隙にフォルクは観察に徹し、相手の弱点を見極める。

「そこか」
 幽霊達が備える超感覚も利用すれば、敵の「紋章」の場所を見切るのは難しい事ではない。フォルクはすかさず「デモニックロッド」から闇の魔弾を放ち、紋章を狙い撃ちにした。黒き呪いの弾丸は誘導に従って標的を過たず捉え、その機能を停止させた。
「し、しまった……ぐおぉっ!」
 巨大化が解けたタイタンウォーリアーは元のサイズに戻り、動揺のあまり体勢を崩す。この機を逃さず群がった幽霊達が、念動力の枷で敵を締め上げる。彼らは言葉を発さないが、テレパシーを伝えて自らの怨嗟や無念の念を呪詛として叩きつけてくるのだった。

「これで終わりだ」
 敵の体勢が整わないうちに、フォルクは再度杖に自らの魔力を喰わせ、とどめの一撃を撃ち込む。呪殺弾の力を付与された闇の魔弾を食らったタイタンウォーリアーどもは、絞り出すような断末魔を上げて大地に倒れ伏した。
「ぐあぁ……ッ!!」
 巨体のみにものを言わせた雑兵などこの程度のもの。そのままフォルクと幽霊達は残った敵に標的を変え、同様の手順で掃討を行う。さっきまで好き放題に暴れ回っていた巨人の数も、気付けば随分と少なくなっていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
――そこまでだ、巨人ども

白きパイロットスーツを身に纏い、ヘラクレスに乗り込んで姿を現す(騎乗)
貴様らに何らかの企みがあろうとなかろうと、すべての悲劇はここで潰える
我らが現れたという意味、その命を以って識るがいい

漲る【覇気】がヘラクレスに伝わり、性能の【限界を超えてゆく】
巨躯から繰り出される攻撃を【受け流し】、【体勢を崩した】ところを【怪力】で殴打し【吹き飛ばす】

瞬時に創造した【巨神射殺す星辰の強弓】に矢を番え、引き絞り――解き放つ!
迫るモーニングスターも隠された紋章も、諸共に打ち砕き、穿ち抜く(鎧砕き・貫通攻撃)
悪しき巨神は超人の矢に討ち取られる――さながら、ギガントマキアの再演の如く



「――そこまでだ、巨人ども」
 魂人の村を蹂躙する「タイタンウォーリアー」兵団の前に、古代の英雄を模した鋼鉄のマシンが姿を現す。そのコックピットから声を発するのは白いパイロットスーツを身に纏った銀髪の女性――彼女の名はオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)、そしてこの機体の名は「ヘラクレス」と言う。
「貴様らに何らかの企みがあろうとなかろうと、すべての悲劇はここで潰える」
 闇の種族の目論見を打ち砕き、魂人達を救うために彼女は来た。巨いなる超人より発せられる朗々たる宣言は敵に警戒を、そして味方には安堵をもたらす。その存在感は「紋章」の力で巨大化したタイタンウォーリアー共にも劣ってはいなかった。

「我らが現れたという意味、その命を以って識るがいい」
「何を馬鹿な……そんな機械の人形ごときで我らに勝てるつもりか!」
 堂々と正面対決を挑むオリヴィアの「ヘラクレス」に、【ハイパー・モーニングスター】を構えたタイタンウォーリアー達が襲い掛かる。威力・射程ともに3倍に強化された鈍器の一撃は、巨躯と相まって凄まじい破壊力を発揮するが――。
「その程度か」
「なにッ?!」
 オリヴィアから漲る覇気がヘラクレスに伝わり、性能の限界を超えてゆく。巨人が繰り出した攻撃はことごとく受け流され、逆に体勢を崩したところに殴打を喰らう。こちらも体格相応、いやさそれ以上の怪力による一撃は、人間の十倍もの巨体を吹き飛ばすほどの威力を誇った。

「ぐわぁッ!!」
 殴り飛ばされたタイタンウォーリアー達が大地に倒れ込み、地震さながらの振動が村を揺らす。しかしオリヴィアを乗せたヘラクレスは小揺るぎもせず、瞬時に創造した【巨神射殺す星辰の強弓】に矢を番え、引き絞り――。
「顕現せよ、星辰の強弓。不死暴虐の巨神さえ、汝の一撃を耐えるに能わず」
 英雄の名を冠せし鋼の超人の手から、渾身の一射が解き放たれる。この弓と矢に込められし願いはあらゆる防御を打ち砕き、敵を討ち滅ぼすというもの。閃光の軌跡を描いて戦場を翔ける矢は、さながら流星の如しであった。

「なッ……ぐわぁぁぁぁぁッ!!!!?」
 敵はモーニングスターを振り回して矢を叩き落とそうとしたが、流星の矢はそんな悪あがきも隠された「紋章」も諸共に打ち砕き、穿ち抜く。胸にぽっかりと風穴開けられたタイタンウォーリアーの断末魔が、戦場に轟いた。
「耐えられるとでも思ったか」
 オリヴィアはさらに弓を引き絞り、目についた巨人に次々と矢を放つ。弓の名手としても知られたヘラクレスの名に恥じない連射は、敵に近付く暇さえ与えない。一本の矢につき必ず一体以上の敵が、骸を大地に晒してゆく。

「最後だ!」
「ば、馬鹿な……ッ!!」
 悪しき巨神は超人の矢に討ち取られる――さながら、ギガントマキアの再演の如く。オリヴィアが全ての矢を撃ち切る頃には、戦場にいたタイタンウォーリアーは1人残らず斃れていた。勝利を宣するように強弓を天に掲げ、雄々しく立つ鋼の超人に、誰からともなく喝采と歓声が沸き起こる。それが、この戦いの決着の証であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『偽りの星が魅せる夢』

POW   :    敢えて自身に痛みを与え続ける!

SPD   :    眠ってしまう前に走り抜ける!

WIZ   :    魔術的な防御で影響を減らす!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「本当に、本当にありがとうございます!」
「あなた達は生命の恩人です!」

 村を襲った「タイタンウォーリアー」の兵団は撃破され、猟兵達は無事に村人の救援を成功させる。
 絶望的な状況下で現れた救い主に、魂人達はありったけの感謝の想いを言葉にして伝える。もし猟兵が来ていなければ、彼らは今頃殺されるか【永劫回帰】の代償で正気を失うか――いずれにせよ全滅していただろう。

「しかし、この村にはもういられないな……」
「残念だけど、別の土地に移らないと……」

 ひとまず一難は去ったものの、闇の種族に目をつけられてしまった以上、ここに居ても次の襲撃を待つだけだ。
 魂人達は破壊された村を捨て、新たな定住地を探す苦渋の決断を下す。だが、その表情は不安げに曇っていた。下層の厳しさにも勝るダークセイヴァー上層の過酷な環境を、身をもって知っているが故だろう。

「この辺りでは、たまに空に星が見えることがあるんですが」
「それは全部『偽りの星』なんです。見ているとやけに眠くなって……」

 魂人達は口々に、この地方で起こる異常な自然現象について語る。
 睡魔をもたらす偽りの星、とだけ聞くと大した危険は無さそうだが、荒野のただ中で眠ってしまうのがどれだけ危険かは語るまでもない。そのまま二度と目覚めなくなった者も1人や2人ではないそうだ。

「星を見ないように俯いていても、星空の下にいるだけでも少しずつ睡魔が襲ってきて……」
「すごく危険なんですけど、でも行くしか……」

 ここに居残っても未来はない以上、魂人達は危険を承知で旅に出るしかない。
 このまま彼らだけを行かせても、安全な場所までたどり着ける確率は低いだろう。
 ここは猟兵達も引き続き旅に同行し、彼らの安全を確保するべきだ。

 果たして魂人達は無事に新天地を見つけることができるのか。それは猟兵達の尽力にかかっている――。
アリス・フォーサイス
睡魔をもたらす偽りの星か。どんなものなのか、興味はあるけど、まずはみんなを安全に送らないとな。

妄想の雨で覆い、星のない世界を作る。さあ、今のうちだよ。行こう!

ぼくが妄想するのはみんなが新天地を安全に見つけられるお話だ。これを現実にしてみせるよ。



「睡魔をもたらす偽りの星か。どんなものなのか、興味はあるけど、まずはみんなを安全に送らないとな」
 闇の種族に歪められたダークセイヴァー上層の自然環境。それは魂人にとってオブリビオンに次ぐ脅威である。
 アリスが村人達とともに旅立ってすぐに、夜空に星がきらきらとまたたき始める。地下世界では本来見えるはずのない天体。思わず見惚れてしまいそうになるが、それが罠だということも彼女は知っている。
「う……だめだ、あれを見たら……」
 村人達はなるべく空を見ないようにして歩くが、それでも影響は免れきれないらしく、巨人との戦いで疲労した身体に睡魔が猛毒のように染み込んでくる。意識しないうちに瞼が下がり、歩みはのろのろと遅くなり、やがて立ち止まってしまう者も現れる。このままでは新天地に辿り着く前に全員夢の虜だ。

「こんなお話かな」
 彼らを偽りの星から守るためにどんな物語が必要か、アリスは想像を膨らませて【妄想世界】を発動。にわかに降りだした妄想思念の雨が、周辺を彼女が思ったとおりの世界に作り変えていく。上空に浮かぶ星の輝きなど、雨に覆われてすぐにかき消されてしまった。
「――……はっ! あ、危ない、寝ちゃうところだった……」
 雨に打たれることで村人達の眠気も飛んだようで、あわや睡魔に屈しかけていた者らも意識を取り戻す。星にかわって彼らが見るのは、情報妖精の晴れやかな笑顔だ。彼女の指先は荒野のある方角を迷いなく指し示していた。

「さあ、今のうちだよ。行こう!」
 ユーベルコードの効果が持続している間に、アリスは村人達を先導して歩きはじめる。彼女が妄想したのは皆が新天地を安全に見つけられるお話。偽りの星も自然の障害物もない、冒険譚としては少々盛り上がりに欠けるくらいの順調なストーリー。
(これを現実にしてみせるよ)
 心から強く信じることで、情報妖精の描いた物語は現実を凌駕する。しとしとと降り続ける雨の下で、アリスはまっすぐに荒野を進む。村人達からは彼女の迷いのない足取りは、自分達を導いてくれる頼もしいものに見えた。

「星も見えないし、魔物も出て来ない……」
「村の外がこんなに平和なのは初めてだわ」
 相応の危険を覚悟していた村人達からすれば拍子抜けするくらい、アリスの妄想世界は安全で順調な旅路を約束していた。この調子ならまだ闇の種族に目をつけられていない安全な土地も、きっと見つかる筈と期待が高まる。
 そんな彼らの期待も織り込むことで物語はより強固さを増し、雨は彼女らのための道を描き出すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七那原・望
あぁ、あの空ですか。
大丈夫なのです。何度も突破してますしね。

果実変性・ウィッシーズブレイカーを発動したら更にアマービレでねこさんをプレストの倍の270匹呼びます。

みんなこの機械掌の上に乗ってください。一つあたり3〜4人は乗れるでしょうし、数は十分にあるはずです。

魂人達をプレストに乗せたらねこさん達との多重詠唱全力魔法で自身とプレストの周囲に浄化属性の結界と空気穴を用意した地属性の結界を展開し星空の影響と視線を遮断し、落下も防止。
結界内も真っ暗になるのでねこさんには光属性の魔法で光源も出してもらいます。

わたし達がみんなを運ぶので少し休んでいてください。
新天地に着いたら忙しくなりますしね。



「あぁ、あの空ですか。大丈夫なのです。何度も突破してますしね」

 人を眠りに誘う偽りの星。望はその現象に心当たりがあった。様々な世界を冒険し、上層での依頼を受けた経験も豊富な彼女は特異な環境に対処する方法も心得ており、不安そうにする魂人達とは対照的に微笑みを浮かべる。
「わたしは望む……ウィッシーズブレイカー!」
 発動するのは【果実変性・ウィッシーズブレイカー】。自律飛翔する巨大な機械の手「機掌・プレスト」の複製を作り出し、さらにアマービレを振ってもう一度魔法猫を呼びだす。機掌の数は限界数の135機、猫達の数はその倍の270匹。ここまで集まれば圧巻の光景である。

「みんなこの機械掌の上に乗ってください。一つあたり3~4人は乗れるでしょうし、数は十分にあるはずです」
 ユーベルコード発動に伴って黒とベルトを基調にした活発な服装に変身した望は、魂人達をプレストの上に誘導する。歩いている内に眠くなってしまうのなら、この「手」で自分が目的地まで連れて行こうという考えである。
「不思議なからくりですね……」
「し、失礼しますっ」
 見慣れない道具に驚きながらも、魂人達は言われたとおりプレストに乗る。そこには先客として可愛い魔法猫が1対の掌につき2匹ずつ乗っており。魂人の収容を確認するとにゃあと鳴いて、機掌の周囲に結界を張り始める。

「こうすれば安全です」
 望と猫たちによる多重詠唱魔法が織り成した地属性の浄化結界は、偽りの星空の影響と視線を遮断し、移動中の落下を防止する。見た目はプレストの掌の上にドーム状の結界が被さり、その中に魂人達が収まっている構図だ。
「息苦しくはないですか?」
「平気です。ちょっと薄暗いですけど……」
 完全に外と遮断すると真っ暗になってしまうので、窒息しないための空気穴と、魔法による光源も猫たちに出してもらい。中にいる魂人に居心地を確かめてもらうと、望は移動を開始した。同様の結界で身を守ったオラトリオの少女の羽ばたきに合わせて、135の機掌が音もなく空を飛ぶ。

「わたし達がみんなを運ぶので少し休んでいてください」
 道中の安全は必ず約束すると、望は穏やかな微笑で請け負う。つい先程までオブリビオンと命がけの死闘を繰り広げてきた人達だ、心身ともに疲労は極地にあるはず。偽りの星の影響がなくとも体を休めておいたほうが良い。
「新天地に着いたら忙しくなりますしね」
「ん、わかりました……」「ありがとうございます」
 旅が無事に終わってもそこはゴールではなく、新たな生活基盤を整えるためのスタートライン。それに備えるよう言われれば魂人達も頷き、望にお礼を言って機掌の上で横になる。にゃあにゃあと結界維持のために魔法猫達が唱える鳴き声は、まるで彼らを祝福する子守唄のようでもあった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
あの星空が何らかの術の可能性もありますが……下手に調査や破壊を試みれば、闇の種族の関心を引いてしまうでしょうね

ナース服の姿で同行
気付け薬を【薬品調合】し、睡魔に負けそうな魂人に嗅がせて正気に戻す
【薔薇の妖婦】による興奮作用も利用して、眠らないように【鼓舞】
直接的な攻撃がなくとも、まるで環境そのものが悪意を持っているかのようですね……

道中、狼や熊のような狂暴な野生動物が現れることもある筈
眠気に抗いながら戦うのは危険なので、【存在感】で私に惹き付けて【おびき寄せ】
【目立たない】ように魔法を使わず、拳打や蹴撃(怪力・グラップル・急所突き)で仕留め、旅の食糧とする



「あの星空が何らかの術の可能性もありますが……下手に調査や破壊を試みれば、闇の種族の関心を引いてしまうでしょうね」
 事件の糸を引くオブリビオンを追い詰めるのが目的であれば、挑戦する意義はあっただろうが。今回はあくまで魂人達を新たな定住地まで連れていくのが先決だ。大勢の生命と未来がかかっている以上、道中で余計なリスクは背負うべきではないと、オリヴィアは星空を見上げながら判断する。
「では皆さん、行きましょう」
「はいっ!」
 ヘラクレスから降りた彼女はパイロットスーツからナース服の格好に変身して、魂人達の旅に同行する。肩から下げているのは白に十字のデザインが入ったショルダーバッグの「簡易救急セット」。彼らが目的地に辿り着くまで、心身の安全を保証するのが彼女の役割だ。

「う……また眠くなってきた……」
 果てしない荒野を歩く魂人達の頭上で、からかうように偽りの星がまたたく。その輝きは人に睡魔をもたらし、覚めない眠りに誘う。どれだけ気を強く保とうとしても防げない辺り、これは一種の呪いと言っても良いだろう。
「お気を確かに」
「……はっ! あ、ありがとう」
 オリヴィアは手持ちの薬剤から気付け薬を調合し、睡魔に負けそうな者に嗅がせて正気に戻す。体から甘やかな薔薇の香りを漂わせながら皆を鼓舞する様子は、さながら白衣の天使か【薔薇の妖婦】か。人々は少しだけ顔を赤らめながら彼女に感謝を述べる。

(直接的な攻撃がなくとも、まるで環境そのものが悪意を持っているかのようですね……)
 自然と呼ぶにはあまりにも悪辣な現象に直面するたび、ここが魂人達にとっての地獄なのだと改めて実感する。
 されど屈してなるものかとオリヴィアが発する芳香は、嗅いだ者に興奮作用をもたらし精神を賦活する。他者に好印象を与える際にも使えるが、今回は眠気覚ましに最適なユーベルコードだった。
「この調子ならなんとか……うわっ?!」「け、獣だ!」
 だが偽りの星だけがこの地の脅威という訳ではなく、道中では狂暴な野生動物が現れることもある。紋章持ちのオブリビオンに比べれば危険性は遥かに低いが、他世界の単なる猛獣とは比べ物にならない。しかも眠気に抗いながら戦うのは魂人達にとって危険が優るだろう。

「ここは私に任せてください」
 オリヴィアはさっと魂人達の前に立ち、薔薇の香りも利用して自分の存在感を誇示する。芳香により興奮状態に陥った獣は「グルルルルッ!」と唸り声を上げて彼女の元に殺到し、その血肉を貪り食わんと襲い掛かってきた。
「携帯していた保存食だけでは心許ないと思っていた所でした」
「ギャウンッ?!」
 しかしオリヴィアは余裕をもって爪牙を躱し、拳打と蹴撃のみで獣どもを蹴散らしていく。先ほどオブリビオンを撃退したばかりの彼女ら猟兵が、この程度に遅れをとるはずもない。目立たないように魔法の使用は控えるが、そもそも使う必要さえなかっただろう。

「この部位は食べられそうですね」
 襲撃を返り討ちにした後、オリヴィアは仕留めた獣の血抜きと解体を手早く行い、肉を削いで旅の糧食とする。
 どれだけ長い旅になるか分からない以上、活力を得られる食事は大事だ。次の休憩時間には早速振る舞おうと、彼女は微笑みを浮かべながら魂人達に合流するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリン・エーテリオン
虹炎の神と時空の神

エリンでは無くアルコイリス

よし…シエル!エスパス!神になるためのLesson1『自然現象』だ!

俺はエスパスとシエルに告げる
『見ていると眠くなってしまう星に対しての対応しなさい』
ミリアは教官モードだ

俺達は先頭の魂人に声をかける
すまないが…ここは俺に任せてもらおう!
虹炎の炎を周りに広げて彼らを包む
究極の自由でも眠気を消しきれない
『蟲達もお願い…』
ミリアは眠り無効属性の鱗粉を持つ蟲を召喚した

焦らずに行くぞ!
『でも…闇の一族は待ってくれないわ』

あっ邪魔
途中にオブリビオンの群れが居たが片手から虹神炎の衝撃波を出して全員消滅させた

……よし!
『エスパスちゃんとシエルは…何とか行けたようね』


リュカシオン・カーネーション
虹炎の神と時空の神

よ〜シエル!
《遅くなってすみません…》
アロナちゃんと一緒にシエルと合流する
❛シオン?!依頼は終わっ…❜
顔面が腫れ上がったエスパスを見る

❛…タタリの件がバレたのだわ?❜
おう、マーアリアにバレてフルボッコにされてたぞ
《フラーウムさんを利用してソラウさんに催眠術かけて依頼を失敗させて自身に依存させる…はっきり言ってクズですね》
❛…アルコイリス様に最初に言っといてよかったのだわ。エスパス❜

ミリアスリラに眠くなる星の対応を迫られる

…行くぞシエル!
❛なのだわ〜!❜
UC発動して不要な物を虹炎で分解して
眠気防止の薬を製造する

《皆ゆっくりと飲んでくださいね…》
アロナちゃん達も飲んだのを確認した


ソラウ・エクステリア
虹炎の神と時空の神
マーアリアブチ切れ…https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=47643

ソラウでは無くエスパス

シエルが見て引いてた
ううっ…完全にマーアリアキレてたよぉ…
自分がした事とはいえ発狂しながら殴られた…

シエルが呆れながら聞いてくる

はい…因果獣神皇の封印の書を餌にして何も知らないフラーウムに協力させた事も…

私はクロノドラグマ星人達の信仰や他の猟兵達の信用を失ってしまった…でも許されなくても償うよ…ずっとね

微弱だが時間質量を操って眠くなる時間を遅くする

…まだ足りない!
時空魔法で星の効力を弱めて進む

シエル達と私は何とかアルコイリス様達に付いて来ていた



「よ~シエル!」
『遅くなってすみません……』
 タイタンウォーリアーとの戦いが終わってから程なくして、リュカシオンと精霊王アロナフィナが村に現れる。
 別世界での依頼を受けていた彼女らは、こちらの事件の対応をアルカンシエルに任せ、そちらが一区切り付いたため合流に来たようだ。
「シオン?! 依頼は終わっ……」
 仲間との再会にアルカンシエルは喜ぶが、振り返るなり視界に飛び込んできたのは馴染みのある二人の顔――に加えて、顔面がパンパンになるまで腫れ上がった白髪の少女だった。この娘はソラウ・エクステリア(歌姫の時空騎士と時空龍の協奏曲・f38698)の仲間の【時空剣士・ウール・エスパス】。確か、リュカシオン達と同じ依頼に参加していたはずだが。

「ううっ……完全にマーアリアキレてたよぉ……自分がした事とはいえ発狂しながら殴られた……」
「……タタリの件がバレたのだわ?」
「おう、マーアリアにバレてフルボッコにされてたぞ」
 思わずドン引きしながらも、エスパスの発言で大方事情を察して呆れるアルカンシエル。それにリュカシオンが頷いてあらましを語る。どうもここには居ない知人も含めて色々あったようだが、それ自体はこちらの依頼と関わりがないので詳細は割愛する。
「はい……因果獣神皇の封印の書を餌にして何も知らないフラーウムに協力させた事も……」
 当のエスパスは反省した様子でうなだれながら、腫れた顔でめそめそと泣きじゃくっている。顔面的にも大変なことになっているが、それ以上に心が折れるくらいの折檻を食らったらしい。だが実際に彼女がやらかした行状を知る他のメンバーからは、あまり同情されることは無かった。

『フラーウムさんを利用してソラウさんに催眠術かけて依頼を失敗させて自身に依存させる……はっきり言ってクズですね』
「……アルコイリス様に最初に言っといてよかったのだわ。エスパス」
 アロナフィナもアルカンシエルも、この件については裁かれて当然という反応。エスパスもそのことは重々承知しているのか、自分を弁護するような言葉は口にしなかった。たとえ心を入れ替えたとしても、過去の罪が消えてなくなりはしないのだから。
「私はクロノドラグマ星人達の信仰や他の猟兵達の信用を失ってしまった……でも許されなくても償うよ……ずっとね」
 顔の腫れも少し引いてきて、エスパスは涙を拭って立ち上がる。本当に反省しているのなら、贖罪は言葉ではなく行動で示さなくてはならない。ここにもオブリビオンの脅威に苦しんでいる人々がいるなら、それを救うのが神としての務めだ。

「よし……シエル! エスパス! 神になるためのLesson1『自然現象』だ!」
 エスパス達の話し合いが一段落したところで、アルコイリスが号令する。これから立ち向かわなければならない脅威は先程のタイタンウォーリアーのように実体ある敵ではなく、ダークセイヴァー上層の環境そのものである。
『見ていると眠くなってしまう星に対しての対応しなさい』
 教官モードになったミリアスリラが、厳格な表情でアルカンシエルとエスパスに告げる。彼女らのような神々や猟兵だけなら対抗できなくはないが、安住の地を失った魂人達を連れて安全な場所まで送り届けるとなれば難易度は大きく増す。この困難なミッションをどうクリアするかが今回の課題だ。

「すまないが……ここは俺に任せてもらおう!」
 まずはアルコイリスがお手本を示そうと、移動中の魂人達に声をかけて先頭に立つ。その身から放たれる虹色の炎が、周囲に広がって彼らを包み込んだ。究極の自由の力は偽りの星の輝きを遮ってその影響を弱めるが、それでも眠気を完全には消しきれない。
『蟲達もお願い……』
 そこでミリアスリラが眠気を無効化する特殊な鱗粉を持った蟲の群れを召喚し、魂人達の頭上を飛び回らせる。
 きらきらと降り注ぐ鱗粉はまるで星屑のきらめきのようだが、偽りの星と違って人を害することはない。歩きながらうとうとしていた人達も、二人のお陰で「……はっ!」と目を覚ましたようだ。

「……行くぞシエル!」
「なのだわ~!」
 一方でリュカシオンはアルカンシエルと協力して【虹炎の神・reve・arcenciel】を発動。物質の分解と再成を行う虹色の炎を操り、辺りの不要な物を材料にして眠気防止の薬を製造する。まるで錬金術の如き質量を無視した物質創造も、神の力であれば当然のことだ。
「さあ、これで大丈夫だ」
『皆ゆっくりと飲んでくださいね……』
「は、はい……ん、頭がスッキリした気がします」
 虹炎神化した二人とアロナフィナは、その薬をまた眠りそうになっている人達に飲ませ、睡魔に負けないように励ます。もちろん本人達も同じ薬を服用済みだ。言ってみればカフェインなどの市販の眠気覚ましを強力にしたようなものだが、効果のほどは覿面だった。

「わ……私も……!」
 仲間達にばかり働かせてはいられないと、エスパスは微弱だが時間質量を操って皆が眠くなる時間を遅くする。
 傲慢だが強大な力を持つ時空神だった昔とは違い、今の彼女は神と呼ぶにはかなり弱体化している。それでも、限定的ながら次元と時空を操作する能力は健在だ。
「……まだ足りない!」
 さらに彼女は時空魔法で上空の空間をレンズのように歪め、偽りの星の光が地上に届かないようにする。これで多少は星の効力も弱まるだろう。自身も眠ってしまわないように気を張りつつ、何とか他の仲間達に付いていく。

「焦らずに行くぞ!」
『でも……闇の一族は待ってくれないわ』
 皆がちゃんと付いて来ているのを確認しながら、アルコイリスが虹炎の光で皆を先導する。長旅を無事に歩ききるには時には休息も大切だが、悠長にしていれば敵は追手を差し向けてくるだろう。睡魔で脱落者が出ないように気を配りつつ移動のペースを維持するのは、神とてなかなか苦労する仕事だった。
「あっ邪魔」
 それに比べれば道中で出会う野生動物や野良オブリビオンなぞ大した障害にもならない。彼は片手から虹炎神の衝撃波を出して、邪魔してくる連中を群れごと全員消滅させた。紋章も付いていないタダの雑魚に手間取っては、神の沽券に関わるというものだ。

「……よし!」
『エスパスちゃんとシエルは……何とか行けたようね』
 邪魔者を一掃したアルコイリスがぐっとガッツポーズを取る一方で、ミリアスリラは後方の様子を確認。それぞれの手段で偽りの星に対抗している仲間と、遅れずに付いて来ている魂人を見ると、ほっと安堵の笑みを見せる。
 この調子なら無事に安全な土地まで辿り着けそうだ。そう思いはしてもまだ油断する者はおらず、虹炎の神と時空の神たちは気を引き締めて荒野を進み続けるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カビパン・カピパン
その平和になった村には変な石像があった。

「この石像なんなの?」

「その昔…ワシ等は安住の地を求めて、猟兵という不思議な人々と共に旅立った。しかし天は邪魔をした…睡魔をもたらす偽りの星は道を迷わせ、目覚めなく村人もおった。そんな時、この🍅を持つ製作総指揮様とセフィリカ姫様が星の誘惑に打ち勝つため、奇妙な紋章を付け喋る🍅と漫才を始めてくれた。ワシ等は変な🍅の存在感と高いツッコミ能力を誇るかのエルフの姫様から終始目が離せなかった。この石像は…その時ものを感謝として表したものじゃよ」

「へーそんなんだ」

子供達は言いたいことの5分の1も理解できなかったが、とりあえず変な連中だったのだと胸に刻んだ。


セフィリカ・ランブレイ
カビィちゃんと

それ遙か未来の話だからね?!

未来に繋げる為にまず今なの!

でも逆に考えてみれば、
カビィちゃんの中にはそういう未来図ができているんだ

縁起を担ぐって意味でなら、そう悪い話ではないのかも

まあ、特に意識しないでもカビィちゃん相手なら突っ込まない方が難しいくらいだしね
乗ってみるか

賑やかな旅にしてやろうじゃない!
同化を演じるのもたまにはね!
『(とまあ、こうは言ってるけど逆に乗っかるとハシゴ外すタイプよね、アレは)』

旅の最中、何度もキレることになるのをまだセリカは知らない
もしかすると遠い未来では、トマトを力の限り投げつけることで豊かな未来を祈願する、そんな奇祭が生まれることになるのかもしれない



「ふぁ……まだ星が見えるな……」
 こみ上げるあくびを噛み潰しながら、魂人達は荒野を進む。住み慣れた村を離れ、安息の地を見つけるために。
 猟兵達の助けもあってここまで来れたものの、夜空には相変わらず偽りの星が浮かんでいる。ここを抜け出さない事には、新しい村を築くどころの話ではないだろう。
「ねーねー、これなに?」「この石像なんなの?」
 その道中、魂人の子供たちが荒野に倒れている奇妙な石像を見つけた。かつてはここにも集落があり、人の営みがあったのだろうか――そこにトマトの紋章から「にゅるり」と霊体を現したカビパンが、唐突に物語を始めた。

「その昔……ワシ等は安住の地を求めて、猟兵という不思議な人々と共に旅立った。しかし天は邪魔をした……睡魔をもたらす偽りの星は道を迷わせ、目覚めなくなる村人もおった」
 まるで老人の昔話のような語り口調だが、それは明らかに現在の話だった。村の畑から取ってきたトマトを手に持ち、子供たちと目線を合わせながらカビパンは語る。これから先に待ち受ける未来を暗示するかのように――。
「そんな時、このトマトを持つ製作総指揮様とセフィリカ姫様が星の誘惑に打ち勝つため、奇妙な紋章を付け喋るトマトと漫才を始めてくれた」
 と思ったら早速話の雲行きが怪しくなってきた。まるで他人事のように語っているがそのトマトは絶対彼女のことだし、セフィリカも巻き込まれているし、突然出てきた制作総指揮とは一体誰なのか。どうして星の誘惑に対抗する手段が漫才なのか。その辺の説明は一切無い。

「ワシ等は変なトマトの存在感と高いツッコミ能力を誇るかのエルフの姫様から終始目が離せなかった。この石像は……その時ものを感謝として表したものじゃよ」
「へーそうなんだ」
 子供達はカビパンの言うことの5分の1も理解できなかったが、とりあえず変な連中だったのだと胸に刻んだ。
 理解できないが故にツッコミを入れることもできない。やはりこの場で頼りになるのはカビパンとの付き合いが長い者だけだ。
「それ遙か未来の話だからね?! 未来に繋げる為にまず今なの!」
 というわけで今回もツッコミ役をやらざるを得ないセフィリカ。勝手にトマトが転がっていくから一体なんだと思って様子を見に来れば、いたいけな子供に頓珍漢な話をする知り合いがいたわけだ。いい加減口を(どこにあるかも不明だが)塞いでおくべきかとも考えたが、ふと「待てよ」と考え直す。

(でも逆に考えてみれば、カビィちゃんの中にはそういう未来図ができているんだ。縁起を担ぐって意味でなら、そう悪い話ではないのかも)
 魂人達の心にどうしても不安がちらつく中で、カビパンはここを乗り越えて新しい村を築くという、理想の結末を1ミリも疑わずに信じている。一見しても二見してもくだらない漫才が人々を救うカギになると(多分)本気で思っている。そして、それが全くの絵空事ではないことをセフィリカは知っていた。
「まあ、特に意識しないでもカビィちゃん相手なら突っ込まない方が難しいくらいだしね。乗ってみるか」
 やることは何時ものように彼女のボケにツッコむだけ。それで少しでも皆の気持ちが明るくなり、眠気が紛れれば御の字だろう。下を向いて陰鬱にとぼとぼ歩くよりも、ワイワイふざけつつ進むほうが精神的には良いはずだ。

「賑やかな旅にしてやろうじゃない! 同化を演じるのもたまにはね!」
『(とまあ、こうは言ってるけど逆に乗っかるとハシゴ外すタイプよね、アレは)』
 セフィリカがやる気になった一方で、腰に吊るされた魔剣シェルファはそう思い通りにはいかないだろうなと考えつつも、水を差したくないので黙っておく。対カビパンにおいてもっとも被害を受けずに済むポジションの1つが「傍観」であることを彼女は経験から察していた。
「ちょっとカビィちゃん! 子供たちに変な話ばっかりしないの!」
 ともあれこんな具合で、先程の話をなぞるようにセフィリカとカビパン(トマト)は漫才を始める。さっき村で自分達を助けてくれた猟兵が、でかい声でなにやら妙に騒ぎ立てていれば自然と魂人からの注目も集まるだろう。

「ようこそお越し下さいました。本日のゲストはセフィリカ姫様と製作総指揮様です」
「なんか番組始まった!?」
 ――まあ、シェルファの危惧した通り。基本的に間断なくボケ倒すし間を外すし、かと思えば突拍子もないネタが唐突に飛び出すカビパンと漫才の呼吸を合わせるのは、いかにツッコミ慣れしたセフィリカでも難しかったが。
 おかげで旅の最中、何度もキレてトマトをぶん投げることになったものの、周囲からはそれも笑いどころとして認識されたのは怪我の功名だろうか。
「ぷっ、あははっ」「おっかしい~!」
 ずっと暗い顔をしていた魂人達に笑顔が戻ってくる。この可笑しさの前では眠気も吹き飛んでしまったようだ。
 もしかすると遠い未来では、トマトを力の限り投げつけることで豊かな未来を祈願する、そんな奇祭が彼らの村で生まれることになるのかもしれない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
「ここでは空の星さえ牙を剥くのか。
それでも行かない訳にはいかないからな。」

魂人達を振り返り
「これから凶星を覆い隠す。
眠りに惑わず歩みを進めて欲しい。」

真羅天掌を発動。
【天候操作】で遮断属性の雲を作り出し
星の睡魔の効果を遮る。
「みんな出来るだけひと所に集まって雲から外れない様に。
眠りそうになった人が居たら互いに起こしてくれ。」
と注意して。
自身は後ろから雲の範囲を適切に操作して
必要な場合は魂人に声を掛けながら全員が
雲の範囲から出ない様に操作。
皆の進行速度を見ながら雲は常に歩く先にも
展開させる。
「此処を抜ければ新しい世界が待っている。
だから、焦らず進んで行こう。」



「ここでは空の星さえ牙を剥くのか。それでも行かない訳にはいかないからな」
 安息が欲しければくれてやろうとばかりに、生者に睡魔をもたらす偽りの星。それを見上げるフォルクは改めてダークセイヴァー上層の過酷さを実感していた。こんな環境では人々が不安になるのも無理はないが、立ち止まったところで明日はない以上、彼らの背中を押してやるのが猟兵の役目だ。
「これから凶星を覆い隠す。眠りに惑わず歩みを進めて欲しい」
 魂人達を振り返り、杖を片手にそう伝えると、みな「本当にそんなことが?」と半信半疑の顔をする。彼らはまだフォルクの実力のほんの一部しか知らない。多くの時間を研究に費やし、今も探究と実験の日々を送る彼の魔術は自然現象さえも操るのだ。

「大海の渦。天空の槌。琥珀の轟き。平原の騒響。宵闇の灯。人の世に在りし万象尽く、十指に集いて道行きを拓く一杖となれ」
 フォルクが【真羅天掌】の呪文を唱えると、にわかに天はかき曇り、分厚い雲が偽りの星々を覆い隠す。星の光はこの雲によって完全に遮断され、地上には一切届かなくなった。あの輝きそのものに眠りを誘う呪いがあるのなら、これで相当影響を軽減できるだろう。
「みんな出来るだけひと所に集まって雲から外れない様に。眠りそうになった人が居たら互いに起こしてくれ」
「わ、分かりました」「行こう、みんな!」
 彼の注意に従って、魂人達は一塊になって荒野を歩きだす。集団の移動に合わせて雲もゆっくりと上空を流れ、星の光を遮り続ける。暗雲立ち込めると言えば聞こえは悪いが、今はこの雲こそが彼らの旅路の守護者であった。

(この調子なら少しペースを上げられそうか)
 フォルクは後ろから皆の進行速度を見ながら、歩く先にも常に雲を展開させる。指揮者のような杖さばきに従って雲が形を変えて生き物のように動く様は、彼が制御の難しいこのユーベルコードを完璧にコントロールしていることを示していた。
「後ろは私が見ているから、前に出過ぎないようにだけ注意してくれ」
「あっ、はい!」「気をつけます!」
 雲の範囲を適切に操作しつつ、うっかり集団から外れる者が出ないよう、必要な時は声を掛けるのも怠らない。
 どこまで行けば目的地に辿り着けるかも分からず、いつ追手が来るかもしれないと考えれば、気が急いてしまうのも無理はないだろう。が、その結果皆とはぐれてしまい、荒野のただ中で眠りこけてしまうのが一番危険だ。

「此処を抜ければ新しい世界が待っている。だから、焦らず進んで行こう」
 少しでも不安を払拭するように、フォルクが励ましの言葉をかける。魔術を継続しながらも落ち着き払った彼の声を聞けば、魂人達も冷静になったようだ。空に浮かぶ星隠しの雲は、今もぴったりと彼らの頭上に付いている。
「新しい世界……どんな所だろう」「頑張ろう。きっとあと少しだ」
 お互いを支え眠気を覚ましながら、一同はひたむきに歩き続ける。その先に希望の新天地があると信じて――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『村落や城塞の防衛力を強化しよう』

POW   :    重くて頑丈な建材で補強する

SPD   :    効果的な罠の張り方を伝授する

WIZ   :    結界など魔術的な防御を施す

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あっ……星が見えなくなった」
「本当だ!」

 猟兵達の助けを借りて荒野を旅する魂人達は、ふと夜空に浮かんでいた「偽りの星」が消えているのに気付く。
 常にまとわり付くように感じていた眠気も消えている。どうやら最大の危険地帯は無事乗り越えられたらしい。

「ここなら、新しい村を作れるんじゃないか?」
「うん、いいかも!」

 偽りの星空を抜けて魂人達が辿り着いた場所は、僅かだが植物が生えており、近くには小川も流れている。
 そして何より近辺にオブリビオンの痕跡がない。最良とは言えないものの、ここを新しい拠点にするための条件は最低限整っていると言えるだろう。

「よし……みんな、やろう!」
「「おう!」」

 魂人達は持ってきた資材や道具を荷ほどきし、この地で新たな村作りを始める。
 彼らだけで一から拠点を築くのは簡単ではない。それでも皆の表情は明るく、瞳には未来への希望があった。
 猟兵達もこの作業に手を貸してやれば、きっと前よりも立派な拠点が出来上がるだろう。防衛面についても意識すれば、次にまたオブリビオンの襲撃があっても対応できるかもしれない。

 新天地に辿り着いた魂人が、もう一度ささやかな平穏を営めるように。
 猟兵達はこの場所で何を伝え、そして何を遺していくのだろうか――。
フォルク・リア
「漸く安全そうな所に着いたか。
確かに此処なら拠点にしても良さそうだ。」

自分達の村を築くなら自分達で作った方が良いと考え。
何処に何を作るかやどれ位の大きさにするのか等の
大きな方針は魂人達に任せ
防衛面で問題がありそうなら
広めの避難場所を作ったり。大軍が進行しにくい様に
大通りを多く作らない。避難路を決めておく。
見張り台の設置等のアドバイスを行う。

地形から敵が来そうな方角を推定し
その方角から魔導防戦結界を使用して塹壕を掘り始め。
最終的には将来の発展を考慮し少し余裕を持った形で
村全体を囲う形での塹壕完成を目指す。

魂人に塹壕の使い方を教えつつ
「これが一応の防衛ラインになる筈だ。
上手く役に立てて欲しい。」



「漸く安全そうな所に着いたか。確かに此処なら拠点にしても良さそうだ」
 破壊された村から偽りの星空を経て、辿り着いた土地の様子を見渡すのはフォルク。最低限の生活基盤が望める安定した環境というだけでも、このダークセイヴァー上層では恵まれている立地だろう。共にここまで旅してきた魂人達は、すでに新たな村作りに取り掛かっている。
(自分達の村を築くなら自分達で作った方が良いだろう)
 そう考えた彼は、どこに何を作るかやどれ位の大きさにするのか等の大きな方針は本人達に任せ、主に防衛面を中心としたアドバイスを行うことにした。自分達がここに長くは留まれない以上、最終的には魂人だけでこの村を運営し、守っていかなければならないのだ。手を貸しすぎるのは彼らのためにならない。

「次の襲撃があった時に備えて、広めの避難場所を作るのはどうだろう」
 まず始めに行うのはどこに家を建てて道を作るのか、大まかな区画整備から。魂人達の考えた案を聞きながら、フォルクは自分の案を伝える。子供などの戦えない者を匿えるスペースがあれば防衛戦も幾分か楽になるはずだ。
「それから大軍が進行しにくい様に大通りは多く作らない方がいい。いざという時に混乱しないよう、事前に避難路を決めておくのも大事だ」
「なるほど……勉強になります」
 あくまで普通の村人に過ぎない魂人達にとって、広範な知識と知見に基いたアドバイスは非情にありがたいものだった。この他にも見張り台の設置場所など、フォルクの提案によって有事の対応マニュアルも含めた防衛施設が纏められていく。

「東はここまで通ってきた偽りの星空。西から南にかけては小川が流れている。となると一番危険なのは北か」
 その次にフォルクは地形から敵が来そうな方角を推定し、そこから【魔導防戦結界】を発動。とんと杖先で足元を突けば、地面が掘り下がって人が隠れられる深さの穴になる。そのまま左右に穴を掘り進めていけば、いわゆる塹壕と呼ばれる防御陣地が出来上がっていく。
「守る為の礎。此処に築かせて貰う」
 この塹壕はただの穴ではなく、周辺1km超を索敵する魔導レーダー、塹壕を覆う防御結界、敵を惑わす幻覚波動、常駐戦力となる骸骨戦士団、固定装備の魔導砲――等々、高度な防衛設備を備えている。彼はこれを最終的には村全体を囲う形で完成させるつもりだった。

(将来の発展も考慮して、少し余裕を持った形にしておきたいな)
 現状予定されている村の敷地ギリギリを囲うのではなく、より広い土地を覆うように。1日に掘り進められる塹壕の長さには限界があるため範囲を広げればそれだけ苦労も増えるのだが、フォルクに気にする様子はなかった。
「うわっ……すごいですね!」
 様子を見に来た魂人達は、彼が掘った塹壕を見て目を丸くする。まだ銃火器の発達していないこの世界において塹壕戦という概念は馴染みのないものだが、それでも目の前に広がる大規模な堀が、村を守るためのものであることは察せられた。

「これが一応の防衛ラインになる筈だ。上手く役に立てて欲しい」
「ふむふむ……分かりました!」「こんな凄いものを、ありがとうございます!」
 フォルクは魂人達に塹壕の使い方を教えつつ、彼らの今後を応援する。この先の未来も決して安穏とした日々はないだろうが、跳ね除けられない危機などない。魂人達もその期待に応えるように希望に満ちた目を輝かせ、自らもスコップを手に塹壕を広げ始めるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七那原・望
明るい雰囲気になりましたね。良かったのです。
あとは拠点設営のお手伝いですか。とにかく人手があればいいですよね。

マジックオーケストラで無数のねこさんと影の猟兵を召喚。影の猟兵は武器を持ってなくて力持ちそうなのを。

影の猟兵達には資材運びや大工仕事等の肉体作業を担当してもらいます。
ねこさん達は魔法を使った念動力で荷物運びのサポートを。
本当は結界とかも展開するべきなのでしょうけど、効果が永続するわけでもないですし、ずっとここにいるわけにもいきませんからね。
感覚派のやり方で良ければダメ元でやり方を教えてもいいのですけど。

あとは炊き出しでもしましょうか。食料に限りがあるので大したものは出来ないですけどね。



「明るい雰囲気になりましたね。良かったのです」
 危険地帯を乗り越えて新天地に辿り着いた魂人達から、安堵と喜びの気配を感じて望は微笑む。目隠しのせいで表情は見えずとも、周囲の反応や声色が希望に満ちているのは十分に分かった。敵の襲来からここまで苦労続きだった反動もあって、感動もひとしおなのだろう。
「あとは拠点設営のお手伝いですか。とにかく人手があればいいですよね」
 それならお任せくださいと、少女は演奏会でも始めるように白いタクトを構える。ここまでの道中でもお友達を呼び出して戦闘に旅路にと役立ててきた彼女だが、今度は魔法猫だけでなく、もっと多くの仲間を呼ぶつもりだ。

「さぁ、開演なのですよ!」
 望がアマービレを振って【マジックオーケストラ】を発動すると、数えきれないほどの白猫の群れと、彼女の知り合いを模した影の猟兵が召喚される。武器こそ持っていないものの、その規模は軍勢と呼べるほどの数だった。
「これだけ呼べば人手不足にはならないでしょう」
「うわぁ、すごい……!」「こ、こんなに……!」
 召喚主の指揮のもと、影の猟兵達は資材運びや大工仕事等の肉体作業を担当し、白猫達は魔法を使った念動力で荷物運びのサポートを行う。影のモデルには力持ちそうなのを選んだので、馬力面でも不足はない。忽然と現れた猫と影の集団が、てきぱきと村作りの作業を進める様子は、魂人達から見れば圧巻であった。

「本当は結界とかも展開するべきなのでしょうけど、効果が永続するわけでもないですし、ずっとここにいるわけにもいきませんからね」
 この先は魂人達だけで村を守っていかなければならない以上、一時的な防護術を施すよりも長期的に意味がある堅固な拠点作りを手伝ったほうが良いと望は考えていた。とはいえ、魂人の中にも魔法を使える者がいれば何かと便利なのは確かだが――。
「感覚派のやり方で良ければダメ元でやり方を教えてもいいのですけど」
「あっ、じゃあ……聞いてみてもいいですか?」
 試しに言ってみると、何人かが手を上げた。総じて生前よりも戦闘力の高い傾向にある魂人ならば、魔力の素質がある者もいるかもしれない。教える時間も限られてはいるが、是非にという強い希望に押される形で、望は彼らに魔法の手ほどきをすることになった。

「……と、わたしが魔法を使う時はそんな感じです。分かりましたか?」
「なんとなく……」「えっと、こう、かな?」
 本人も言うように感覚的でやや要領を得ない伝え方ではあったものの、しばらく教えてみると数人の魂人が素養を見せ始める。まだ魔力を感じる段階で魔法の入り口に足をかけた程度だが、これなら将来的には期待できそうだ。
「わたしから教えられるのはここまでです。あとは自分で反復練習してみてください」
「はい、わかりましたっ!」
 いずれはこの教え子達が村の守り手として成長を遂げるのかもしれない。そんな未来に期待して望は微笑んだ。

「ではそろそろご飯にしましょうか。食料に限りがあるので大したものは出来ないですけどね」
「やった!」「いただきます!」
 魔法の授業が終わり、村作りの作業も一段落すると、望は敷地の端の方で調理器具を借りて炊き出しを始めた。
 温かい湯気と美味しそうな匂いが漂うと、魂人達がつられて集まってくる。明日のために働き、学び、食う――人として当たり前の営みを再開した彼らの表情は、生き生きと輝いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
なるほど、悪くない立地ですね

近代的な防衛装置は私も分からないですし、猟兵がいなくなった後の魂人たちが運営・修理できない筈
単純かつ効果的な防衛となれば、やはり石垣
【巨躯変容・炎冠宰相】により巨大化し、【怪力】で大きな岩を【運搬】
魂人たちと協力して積み重ね、堅牢な石の壁を築き上げる

【黄金の獅子】を召喚
私が土木作業をしている間、単独行動による【狩猟】を頼む(動物と話す)
彼らがここで農作物を得るまでは、しばらく時間がかかります
それまでの貯えをお願いします

作業がひと段落すれば、獅子が狩ってきた獲物でちょっとした食事会を
獅子にはご褒美として一番おいしいところを
皆さん、お疲れさまでした



「なるほど、悪くない立地ですね」
 魂人達の新天地に選ばれた土地の辺りを見回して、オリヴィアは納得の様子で頷く。付近に脅威となる存在は見当たらず、環境も豊かとまでは言えないが安定している。後は努力次第でどれだけ立派な村を築けるかが、今後の営みを決めるだろう。
「近代的な防衛装置は私も分からないですし、猟兵がいなくなった後の魂人たちが運営・修理できない筈」
 前の村と同じ轍を踏まないためには防衛力の強化が必須だが、あくまで「魂人の力だけで」守れる村にしないと意味がない。自分たちがここを去った後も長期的に村を守ってくれるような設備は何だろうかと考えた結果――。

「単純かつ効果的な防衛となれば、やはり石垣」
 そう結論付けたオリヴィアは秘めたる力をおもむろに解放し【巨躯変容・炎冠宰相】を発動。黄金の炎に身を包んだかと思うと、身長5m近くはあろうかという巨大な天使に変身する。祝福された武具を纏い、白き翼で空に浮かんだその巨躯は、あまりに神々しく壮大であった。
「重い資材は私が運びますので、皆さんも手伝ってください」
「お、おぉぉ……わ、わかりました!」
 ぽかんと口を開けた魂人達に仰ぎ見られながら、巨大化オリヴィアは人間にはとても動かせないような大岩をひょいと持ち上げ、村の建設予定地の外縁まで運ぶ。ここに村を守るための石壁を築き上げることが彼女の目標だ。

「皆さんは小さい石を使って岩の隙間を埋めてください」
 大きな岩をただ積み重ねただけでは堅牢な壁にはならない。大小様々な石をパズルのように組み合わせることで石垣は成立するのだ。オリヴィアは魂人達と協力して時に試行錯誤を重ねながら、順調に建築作業を進めていく。
 また一方で、彼女は己の守護霊獣である「黄金の獅子」を召喚し、単独行動による狩猟を事前に頼んでもいた。
『彼らがここで農作物を得るまでは、しばらく時間がかかります。それまでの貯えをお願いします』
 近くに植物が生えているのなら、それを糧にする獣もいるはず。オリヴィアが土木作業に勤しんでいる間、獅子は野や林を俊敏に駆け回って獲物を探す。ユーベルコードを用いない簡易召喚とはいえ、守護霊獣の牙や爪は野生の獣を狩るには十分すぎるほど鋭かった。

「ひとまず形にはなりましたね」
「ふぅ、はぁ……そうですね」
 オリヴィアと魂人達の作業がひと段落する頃、狩りを終えた金獅子が戻ってくる。その口には立派な角を生やした牡鹿がくわえられていた。言葉を発さない獅子の表情が、今はどこか得意げに胸を張っているようにも見える。
「丁度いいところに来ましたね。ちょっとした食事会にしましょうか」
「わぁ、最高!」「やったあ!」
 オリヴィアはユーベルコードを解いて元の大きさに戻ると、獅子が狩った獲物を手早く解体し、料理を始める。
 貧しい村にとって獣の肉はなかなか食べられないご馳走だ。食欲をそそる匂いが辺りに広がりだすと、石垣作りに参加していた以外の村人も集まってきた。

「皆さん、お疲れさまでした」
「「お疲れさまでしたー!」」
 オリヴィアが音頭を取れば皆の声が唱和し、ささやかな食事会が始まる。お皿に取り寄せた鹿肉料理に魂人達は舌鼓を打ち、幸せそうな笑顔と笑い声があふれる。黄金の獅子も獲物をとってきたご褒美とした一番おいしいところを貰い、満足げに齧りついている。
(この笑顔が守られる、そんな村になりますように)
 過酷な闇の世界に生まれたひとときの平和な時間。この村がそれを少しでも長く享受できることをオリヴィアは願ってやまない。たった今積み上げたばかりの石垣は、そんな彼女と魂人を見守るようにそびえ立っていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フラーウム・ティラメイト
この場所は…私と私の両親が暮らしていた場所です

『…確かに数千年前はティラメイト家がありました…ですが闇の一族に滅ぼされた』
マーアリアが呟いた

ユリとシズクの依頼の時に記憶の詩で両親を殺される光景を見てしまった事思い出しました…あれは辛い思い出でしたね、オベ…イ?

『…そして君と私が出会った場所だ』
封印石のまま喋るオベイが居た

…久しぶりに喋りましたね

『手を合わせよう』

…お父様、お母様、私は元気てすよ

『…』
私とマーアリアも手を合わせた


さて…作業に入りましょう
UC発動
『結界術に探知不能の因果の力を付与します』
マーアリアは村の周りに結界を展開した

私は頑丈な木を持って来た
鍵剣で切って加工して柵を作りましょう



「この場所は……私と私の両親が暮らしていた場所です」
 偽りの夜空を超えて魂人達が辿り着いた新天地。そこはフラーウム・ティラメイト(因果獣と因果を喰らう者『オベイ』を宿す探究者・f38982)にとって見覚えのある土地だった。年月により地形も多少変わっているが見間違いようはない。ここはかつての彼女の故郷だ。
『……確かに数千年前はティラメイト家がありました……ですが闇の一族に滅ぼされた』
 当時の出来事を知る「因果獣皇マーアリア」が彼女の呟きに答える。かつてフラーウムはこの地で怪物に襲われて大怪我を負い、傷を癒やすために長い眠りにつくことになった。その間に流れた歳月は、かつての営みの痕跡を消し去り、ただの荒野に戻してしまうには十分な時間だったようだ。

「ユリとシズクの依頼の時に、記憶の詩で両親を殺される光景を見てしまった事を思い出しました……」
 再生の眠りを経て身体の傷は癒えても、心に刻まれた傷は消えてくれない。目を閉じればフラーウムのまぶたの裏側には、両親の死に顔がはっきりと浮かび上がる。普段あまり感情を表に出さない少女の顔に、今は悲しみの色がにじんでいた。
「……あれは辛い思い出でしたね、オベ……イ?」
『……そして君と私が出会った場所だ』
 話しかけた相手は懐にしまった鳥型の石。その中に封印された因果獣「ディストーション・オベイ」の魂が言葉を発する。かつてのフラーウムは何も知らないまま、彼が封じられた石を拾って宝物にしていた。それが彼女に因果を喰らう者の力を与え、猟兵に目覚めさせる遠因ともなったのだから、運命とは真に気まぐれなものだ。

「……久しぶりに喋りましたね」
 普段は「ケー」と鳴くだけであまり会話しないオベイが、こうして喋っているのもここが特別な場所だからか。
 フラーウム達にとって全ての因果が巡り始めた場所。数奇な縁によって再び戻ってきた彼女らの胸には、在りし日への哀悼の意があった。
『手を合わせよう』
「……お父様、お母様、私は元気てすよ」
 この地で眠っているであろう父母の魂に祈りを捧げ、しばし黙祷する。あれから色々な出来事がありはしたが、今のフラーウムは猟兵として様々な世界を飛び回り、自由奔放に充実した毎日を送っている。過去の傷跡は消えずとも、彼女はきちんと前を向いて"今"を生きていた。

「さて……作業に入りましょう」
 家族への黙祷を終えたところで、フラーウムは【因果獣皇・因果の支配者】を発動。手にした「因果獣の杖」の力を使って、マーアリアの真の力を解放する。彼女こそ因果を支配しあらゆる概念を操る因果獣のリーダー、神にも等しき力を持つ者だ。
『結界術に探知不能の因果の力を付与します』
 マーアリアはその力を行使して村の周りに結界を張る。これがある限り村と住人達が敵に見つかる恐れはない。
 永続的な効果を期待するのは流石に難しいかもしれないが、少なくとも今日明日にも村がまたオブリビオンに襲われ、以前の村の二の舞いになることは避けられるはずだ。

「私は柵を作りましょう」
 一方のフラーウムは近くの林から頑丈な木を持ってきて、鍵形の黒剣でそれを加工する。かつて暮らしていた光景を、少しでも再現するように。長い年月を経て再びこの場所は、生命の営みある土地になろうとしていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・フォーサイス
さっきのタイタンウォーリアみたいなのがうろうろしてると考えたら、守りは重要だよね。それでいて、魂人のみんなも使いやすいものじゃないと。

オブリビオンにだけ反応して起爆する地雷を作っていくよ。
誤爆がないように慎重にね。

砦を作るなら、ぼくのユーベルコードは適してるよ。設計書を見せてもらえる?
ふむ。でっきるーかな、でっきるーかな。ハテハテフムー。
はい、完成。



「さっきのタイタンウォーリアみたいなのがうろうろしてると考えたら、守りは重要だよね」
 ここまでの冒険を通じてダークセイヴァー上層の危険性を改めて体感したアリスは、新天地に到着したとはいえ油断はできないことをよく理解していた。また拠点を築いてもすぐに潰される、なんて事にならないように、今度はしっかり防衛設備を作らなければ。
「それでいて、魂人のみんなも使いやすいものじゃないと」
 あまりに防備をガチガチにして生活に不便が出るようでは本末転倒。色々と考えた結果「地雷はどうかな?」と彼女は思いつく。村の周りに爆弾が埋められていれば、オブリビオンだって迂闊に襲撃しようとはしないだろう。

「ぼくにかかれば、なんでも作れるよ」
 アリスは持ってきたビー玉を【|類推的手法による物質変換《アナロジーメタモルフォーゼ》】によって情報分解し、再構成することで地雷を作り出す。オブリビオンにだけ反応して起爆するように設定してあるので、万が一村人が踏んでしまっても安全だ。
「この辺に仕掛けておけばいいかな」
 彼女はそれを誤爆がないよう慎重に地面に埋め込んでいく。素材となる無機物がある限り作りだせるものに上限はない。どこにあるかも分からないくらい沢山埋めておけば、前の村のように兵団規模でオブリビオンが攻めてきても相応の抑止力は期待できる。

「砦を作るなら、ぼくのユーベルコードは適してるよ。設計書を見せてもらえる?」
 対オブリビオン地雷の埋設が終わると、次にアリスは魂人達のところに合流して拠点作りの手伝いを申し出る。
 作りたいものの具体的な計画、すなわち情報さえあればアナロジーメタモルフォーゼに不可能はない。極めて高度なプログラム、あるいは魔法としか思えないそれは情報妖精である彼女だけが操れる特別な技法だ。
「こんな形のものを作りたいのですが……」
「ふむ。でっきるーかな、でっきるーかな。ハテハテフムー」
 魂人が広げた設計図とにらめっこし、歌うように言葉を口ずさみながら指を振る。すると周囲にあった無機物が情報レベルで書き換えられていき、みるみるうちに砦を形作る。まるで仮想空間で3DCGの建築物モデリングをやっているような建築手順だ。

「はい、完成」
「す、すごい……!」
 あっという間に魂人達の眼前には、巨人でも簡単には壊せなさそうな、思い描いた通りの立派で頑丈な砦が出来上がっていた。もしまた敵が攻めてきたら、ここに立てこもって戦ってもいいし老人や子供の避難所にもできる。
 そんな代物を一瞬で建ててしまったアリスに、魂人達は「ありがとうございます!」と何度も感謝を述べるが、当の本人は大したことはしていない素振りで「どういたしまして」と無邪気に笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セフィリカ・ランブレイ
カビィちゃんと

というヨタ台本を私は縦に引き裂くことしかできないけど?!
世界名作劇場トマ太郎とでもいうつもりか?!

まず洗濯なら洗濯機使いたいし!
流れてきたトマト拾いに水に飛び込むほど欠食でもなければ雪女が入る大きいトマトはそもバケモンだし
まして食糧不足で雪女だかを植える発想は出ないよ!
カビィちゃん以上に私が異常者じゃん!
それに大切に育てられたいなら可愛げを持て!
外見以外にカビィちゃんの可愛いとこないからね?!
『ツッコミだけで息切れを起こさせてるわね』

…でも洗濯で連想したけど水場の整備は必要だ、ゴーレム使って調査や工事をやるとして…
農具も文明壊さない程度に使いやすいの作ったりで仕事は忘れないよ


カビパン・カピパン
カビパン達は本格的な開拓に着手した。

猟兵だからこそ知り得た世界を超えた幅広い文化・技術を積極的に取り入れつつ、セフィリカの発明力とメカニックを農業、建築業のため興し基盤を固めるとともに、夜間は警備に努めた。しかし、以前とは気候も植生も異なる地での開拓には、想像を超える大変な苦労が待ち構えていた。

そこでカビパンは己の宗教を主とした魂人達の心のよりどころとなるような会堂を建設。信仰を同じく教義を核とした信者の結びつきは苛酷な労働と貧困、厳しい生活という悪条件を克服して、新しい理想郷を目指し開拓を推し進めた。

珍しく超真面目に教典をつづりあげたが、セフィリカに勘違いされてビリビリに破かれてしまった。



「ここが新しい村になるのね」
 魂人達と共に新天地にやって来たカビパンは、それまでとは打って変わって真面目に本格的な開拓に着手する。
 力仕事はあまり得意ではない彼女だが、頭の回転はなかなか速い。その脳内にはこの地を立派な村にするためのプランが既に練られ始めていた。
「猟兵だからこそ知り得た世界を超えた幅広い文化・技術を積極的に取り入れつつ、セフィリカさんの発明力とメカニックを農業、建築業のために興して基盤を固めれば……」
 魂人達の協力と理解もあれば、それは決して絵に描いた餅ではない。しかし以前とは気候も植生も異なる地での開拓には、想像を超える大変な苦労が待ち構えていた。偽りの星空の下よりはマシとはいえ、何もない土地にゼロから拠点を築くことが簡単なはずは無かったのだ。

「本当に俺達、ここでやっていけるのかな……」
「大丈夫だって。みんな頑張ろう!」
「でも……」
 多くの魂人達は希望をもって開拓活動に従事しているが、中には不安を拭えない者もいる。以前暮らしていた村も闇の種族に目をつけられた途端あっけなく崩壊したのだ。ここで頑張ってもまた同じ事ではないか、という危惧はどうしても付きまとう。
(このままでは良くないわね)
 夜間の警備に努めるなどして人々の様子を見回っていたカビパンは、どうにかして不安を解消したいと考える。
 ようは彼らには心の支えになるものがないのだ。何を希望として生きればいいのか分からないから不安になる。それならこちらで希望の道標を作ってやればいい。

「ここに会堂を建設しましょう」
 そこでカビパンは己の宗教を主とした、魂人達の心の拠り所となるような新興宗教を打ち立てようと思いつく。
 信仰を同じくして教義を核とした信者の結びつきは苛酷な労働と貧困、厳しい生活という悪条件を克服して、新しい理想郷を目指し開拓を推し進める原動力になるはずだと考えたのだ。
「だったらまずは教典を作らないと」
 この宗教の基本方針にして法律ともいえる教典の内容を、カビパンはウキウキで綴りあげる。別にヤバいカルト的な教義があったり、法外なお布施を強いるような文言があったりはしない。珍しくも超真面目な内容であった。

「というヨタ台本を私は縦に引き裂くことしかできないけど?!」
 だが。それを何時ものようなギャグ演劇の台本だと思ったセフィリカによって、書き上げたばかりの教典はビリビリに破かれてしまった。「ああっ?!」とカビパンはショッキングな声を上げるが、日頃の行いが行いなのでまた何か企んでると思われてもしょうがない。むしろ真面目なほうがイレギュラーである。
「世界名作劇場トマ太郎とでもいうつもりか?!」
 どうせこれまでの流れを踏まえてまたトマトネタを引っ張る気なのだろう。川に洗濯に行ったら大きなトマトがどんぶらこどんぶらこと流れてきて、それを拾いに水に飛び込んだらトマトの中から雪女が出てきて、それを植えて育てたら立派な可愛いトマトが実って村の名産品になる――みたいな話とか。どんなネタが来てもツッコむ心構えはできていたし、ツッコミだけで息切れを起こす覚悟もセフィリカにはあった。

「……ん? これって……」
 だが、そうしたカビパンの異常行動を前提としたセフィリカの心構えは、結果としては大半が空振りになった。
 破り捨てた本をよく読めば書いてあるのは意外とまともな内容。さっきまでふざけ倒していた人間が急に真面目になると周囲は逆に困惑したりするが、今の彼女の心境はまさにそうだった。
「私は真面目にこの村の人達を思って考えたんですよ!」
「元ネタが自分の宗教っていうのは気になるけど、うーん……」
 腐敗や悪用がなければ宗教は民衆の心の支えになるというのは、為政者の立場からセフィリカも否定はしづらいところである。これがトマトカビパン教みたいなぶっ飛んだ内容だったら絶対に止めていたのだが――ひとまず、本当にこの教義が魂人達に浸透するかも含めて様子見だろうか。

「……とりあえず優先事項として水場の整備は必要だよね」
 どうも今はカビパンのツッコミに手間を割く必要がないと分かったセフィリカは、そのぶん本来の仕事に力を入れることにする。機械いじりが趣味の彼女は【ガジェットショータイム】で土木作業用のゴーレムを作りだし、川辺のほうに向かわせる。
「この子で調査や工事をやるとして……農具も文明壊さない程度に使いやすいのを作ろう」
「さすがセフィリカ姫様! もし良ければこういう物も作ってくれません?」
 すでに彼女のメカニックとしての能力を当てにした開拓プランを練っていたカビパンは、ここぞとばかりに用意していた図面を見せる。あまりハイテク過ぎるものは作っても魂人だけでは保守管理ができないので無意味だが、例えば水を汲み上げるポンプだとか、使いやすい農具や工具があれば村作りもその後の生活も大いに捗るはずだ。

「肩透かしを食らった感がないでもないけど……いいよ、やろうか!」
「ええ!」
 ギャグで妨害されないセフィリカと珍しく真面目なカビパンのコンビは、これまでのドタバタぶりが嘘のような連携を発揮し、開拓のために必要なものを作り上げていく。修復された教典のもと、会堂も結局は建設された。
「これを私達のために……?」「ありがとうございます!」
 魂人達は彼女らの働きに心から感謝を伝え、晴れやかな笑顔を見せる。ここで助けられた恩を彼らは一生忘れはしないだろう。そうした熱心な者達の間では、カビパンの宗教も緩やかに伝承されていったとかいないとか――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エリン・エーテリオン
虹炎と時空

UC発動

おーいアルコ!
『よう!エリン!』
私はアルコと合流する


『今からLesson2拠点…今回は村の作り方だ!俺は建材を取ってくる!』
アルコは皆にそう告げると森の方へ飛んで行った

『マスター、どうする?』
エキドゥーマが聞いてくるので
家建てるか?結界術で周りを強化するのもいいな

『ヘイユー!オトシアナノカクシカタハシゼンニ!』
ブラッドムーンは村人にトラップの仕掛け方を教えていた

エキドゥーマ…結界術を展開してくれ

『OK!マスター!』
エキドゥーマは空中に飛び邪神龍形の埴輪を作りそこから結界術を展開する

『この埴輪があれば何時でも結界を展開出来るよ!』
エキドゥーマは自慢気に話していた

私は建材を運んだ


リュカシオン・カーネーション
虹炎と時空

❛アルコイリス様〜!❜
《何とかたどり着きましたね…》
アロナちゃんがため息をつき
シエルはアルコイリスの方へ走っていった


お〜い!柵とか家に使えそうじゃね?
ウチはUC発動して遠くの場所から建材を持って来る

『頑丈な柵を作れそうね…』
虹炎の神ミリアスリラが持っていってくれた


❛私も手伝うのだわ〜!❜
シエルの奴は村人に声をかけていた
ちなみに虹炎の神と時空の神の神社を作って貰う

『ラーミアなのだ』
ラーミアが何故かいた

《自然現象に負けないように精霊王の加護を授けましょう…》
アロナちゃんはその神社とその周辺に災害から守る加護を与えた


よ〜し、これが終わったらパーティをしようぜ!

そう皆に言って作業を再び始めた


ソラウ・エクステリア
虹炎と時空

ソラウでは無くエスパス

……疲れたよぉ
弱音を吐いてしまう私
ソラウは今回はトラウマを克服する修行の為来れないらしい

まずは時空属性(属性攻撃)の結界術を村の各地に展開

よし次は…
『わはーん』バァーン
ラーミアが現れた
ラーミア?ここは生息地じゃないような…
『ラーミアが居たい場所が生息地なのだ』バァーン

…手伝ってくれないかしら?
『ラーミアは手伝うのだ!』バァーン

あ…ありがとう

『その前にオブリビオンが沢山出てきているのだ』バァーン
『やっつけるのだ』バァーン
『因果滅殺転生波を放つ準備は出来ているのだ』バァーン

よし行くわよ!
私は敵を時空魔法で殲滅した

ラーミアは因果滅殺転生波で敵を攻撃していた



「アルコイリス様~!」
『何とかたどり着きましたね……』
 偽りの星が照らす危険地帯を無事通過し、新天地まで辿り着いた虹炎と時空の神一行。睡魔と長旅でへとへとのアロナフィナがため息をつき、リュカシオンとのユーベルコードを解いたアルカンシエルは泣きつくようにアルコイリスの方へ走っていった。
「……疲れたよぉ」
 この面子の中でも一番消耗が激しいのはやはりエスパスだろう。力が万全でない彼女は疲労困憊といった様子でつい弱音を吐いてしまう。彼女を召喚したソラウは別件で修行中のためこちらに来る余裕がないらしく、それが余計に負担を抱え込む原因にもなっていた。

「おーいアルコ!」
『よう! エリン!』
 ここで新たにもう1人、新米のエリンが合流する。アルコイリスとミリアスリラの召喚主である彼女は気さくな笑顔で仲間とハイタッチを交わしあう。他のメンバーとは違ってこちらの神々はまだ余裕を残している雰囲気だ。
『今からLesson2拠点……今回は村の作り方だ! 俺は建材を取ってくる!』
 旅が終わってもまだ休んでいる暇はない。せめて魂人達がここに最低限の拠点を築くところまで見届けなければ中途半端だろう。アルコイリスは皆にそう告げると虹色の炎をジェットのように噴出し、森の方へ飛んでいった。

『マスター、どうする?』
「家建てるか? 結界術で周りを強化するのもいいな」
 村の建設予定地に残されたエリンは、ポケットに入った「邪神スマホ龍エキドゥーマ」の質問にそう答える。
 周りを見ればすでに他の猟兵や魂人達は拠点作りのために各々ができることをやっている。その中には彼女らと一緒について来た「邪神龍ブラッドムーン」もいた。
『ヘイユー! オトシアナノカクシカタハシゼンニ!』
「えっ、誰ですかあなた? でも、なるほど……」
 彼はどうやら村人にトラップの仕掛け方を教えているようだ。相手がオブリビオンでは致命傷にはならないが、適切に仕掛ければ足止めにはなるだろう。以前の村のような事態を予防する為にはこうした小細工も必要なのだ。

「お~い! 柵とか家に使えそうじゃね?」
『頑丈な柵を作れそうね……』
 一方でリュカシオンは【虹炎の神・reve・arcenciel】を発動し、遠くの場所から建材を持って来ていた。彼女の次元能力と瞬間移動能力にかかれば物資の運搬は容易である。積み上げられた材木や石材などはミリアスリラが持っていってくれた。
「私も手伝うのだわ~!」
 アルカンシエルも村人に声をかけて村作りに協力している。どうやら彼女は虹炎の神と時空の神の神社をここに作ってもらう気のようだ。ここまで魂人の保護に尽力してきたのだし、ちょっとした祠や社くらいなら文句は言われないだろう。いずれ、この地では異郷の神への信仰が根付いていくことになるかもしれない。

「私もやらなきゃ……」
 そしてエスパスも小休止を挟んだ後、まずは時空魔法による結界を村の各地に展開する。もしまたオブリビオンの襲撃があったとしても、この結界がある限りは村人を守ってくれるだろう。残っている力を出し惜しみせずに、できるだけ強固な壁を張る。
「よし次は……」
『わはーん』
 と、そこで唐突に一羽の梟が奇妙な鳴き声とともに現れる。丸くて可愛らしい見た目をしているが、なんとなく狂気を感じさせる雰囲気をまとった、その鳥の名は「ラーミア」。その存在を知る者からは次元三大災害とも恐れられる生命体である。

「ラーミア? ここは生息地じゃないような……」
『ラーミアが居たい場所が生息地なのだ』
 エスパスの疑問に流暢な人の言葉で返しながら、ぱたぱたと翼を羽ばたかせるラーミア。彼らは危害を加えない限りは友好的な生命体であり、ただ居るだけで迷惑をかけるような害鳥ではない。ここを縄張りに選んだのなら、上手くすれば魂人とも共存できるだろう。
「……手伝ってくれないかしら?」
『ラーミアは手伝うのだ!』
 物は試しで聞いてみると、ラーミアはあっさり協力に応じてくれた。バァーンと翼を広げれば、同じ見た目をした仲間がどこからともなくやって来て群れを為す。敵意はないが独特なノリに、エスパスは「あ……ありがとう」と困惑しつつもお礼を言った。

『その前にオブリビオンが沢山出てきているのだ』
『やっつけるのだ』
『因果滅殺転生波を放つ準備は出来ているのだ』
 新たに出てきたラーミア達は、口々に危機を伝える。一応は安定しているとはいえここはダークセイヴァー上層であり、野良のオブリビオンが巷を徘徊していても不思議はない。安全確保の為に付近の哨戒と露払いは必要だ。
「よし行くわよ!」
 かくして時空剣士と狂気の生命体は村の周辺を巡回し、脅威になりうる獣やオブリビオンを発見次第撃破する。
 時空魔法と【狂気の生命体ラーミア"因果滅殺転生波"】にかかれば並の敵に遅れを取ることはない。村に危害を加えられる前に、徹底的な殲滅を行うエスパス達であった。

「ラーミアだわ」
 アルカンシエルは建築中の神社の屋根の上から、夜空を羽ばたく梟の群れを見ていた。ラーミアのことは彼女も知っているが、敵対していないのなら放置でいい。中には村作りを手伝ってくれる個体もいるようなので、むしろ今は有り難い隣人だ。
『自然現象に負けないように精霊王の加護を授けましょう……』
 建物としての神社が完成すれば、仕上げにアロナフィナが精霊王として神社と周辺に加護を与える。あの偽りの星のように上層には異常な自然現象がはびこっているが、この加護はそうした災害から人々を守るためのものだ。身をもってその危険性を体感したからこそ、対策は入念に行う。

「エキドゥーマ……結界術を展開してくれ」
『OK! マスター!』
 その頃エリンの方では村人が住む家を建てつつ、エスパスと同じように結界の敷設にかかっていた。村の上空を飛び回るブラッドムーンの手には邪神龍形の埴輪が携えられており、それが結界術を発動する基点になるようだ。
『この埴輪があれば何時でも結界を展開出来るよ!』
「そりゃ頼りになるな」
 開発者であるエキドゥーマが自慢げに話すのを聞きつつ、エリンはアルコイリスが森から取ってきた建材を建築予定地に運ぶ。自分達がこの場所を去った後も、ここで築いた家と結界は残って魂人達を守り続けるだろう。彼らの平穏な暮らしのためなら、汗水流すのも苦ではなかった。

「よ~し、これが終わったらパーティをしようぜ!」
「いいね!」「楽しみだわ!」
 おのおのの作業に励む虹炎と時空の仲間達に、リュカシオンが大声で呼びかける。その提案は彼女らには勿論、近くにいた魂人からも賛同の声が上がった。自分の力で築いた村で行う初めての宴は、きっと忘れられない思い出になるだろう。
「もう一息だ!」
 作業を再会する妖狐の顔には弾けるような笑みが浮かんでおり、その他の仲間もみな似たような顔をしている。
 彼女達を含めた猟兵と魂人ひとりひとりの力が積み重なって、形になっていく。それは充実した時間であった。



 こうして新天地に築き上げられたのは、多くの者達のアイデアと尽力が実を結んだ、立派な村であった。
 ここなら以前と同じように――いや、それ以上の暮らしができそうだと、魂人達は達成感と共に額の汗を拭う。
「皆さんのお陰で、最高の拠点ができました」
「本当になんとお礼を言ったらいいか……!」
「またいつでも来て下さい。その時は歓迎しますから!」
 そんな人々の晴れやかな笑顔と、心からの感謝の言葉を受け取って、依頼を果たした猟兵達は村を後にする。
 理不尽な蹂躙を受けながらも新天地に根ざした彼らの未来が、ささやかな幸運に恵まれることを祈って――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年03月10日


挿絵イラスト