M'aider d'Ansuz [禁軍猟書家撃破]
●2023/2/3 アンサズ地方 ウィルバー列島北部ノーディンガム平原 ウィルバー陸軍演習場
その日、ウィルバー連合王国の守りを固める王国陸軍第3機械化混成師団と第6機械化混成師団は大規模演習を行っていた。アンサズ連合成立後の世界情勢においてはテロリズムへの対抗手段を確立した上で、アンサズ地方外より来襲が予見される外敵への備えが肝要だったのである。第3師団には量産型キャバリア「カルキノス」の2個大隊と空挺歩兵2個大隊がつき、対する第6師団は戦闘ヘリ及び戦車2個大隊とカルキノス2個大隊が展開する。
今回の演習は王立陸軍のドクトリンを決めるという重要な目的のもとで計画された。キャバリアに随伴する部隊として相応しいのは空挺歩兵か機動兵器か、というウィルバー王立陸軍参謀本部の頭を悩ませる命題に決着をつけるときが来たのである。第3師団と第6師団のどちらがウィルバー王立陸軍の戦闘教義の中核を担うのか、いずれの兵士も士官も演習に賭ける気合は十分であった。
「俺たち第3師団こそがウィルバーの守りの要となる! 第6師団の連中に後れを取るなよ!」
「第3師団の軟弱者共にはウィルバーの中心は荷が重い! 我ら第6師団が王国を守る最後の盾となるのだ!」
両軍の指揮官がそれぞれの隷下の兵士たちに檄を飛ばせば、兵士たちも鬨の声を上げてこれに応じる。ともに戦意は旺盛だ。
だが、その時。両軍の演習を取り仕切る演習場の管制官が不意に緊急連絡を発した。
「管制より演習中の両軍へ緊急連絡。緊急事態発生。ノーディンガム基地に配備されている機動殲龍『戦火』がパイロット不在のまま起動。現在当演習場に向けて進軍中。繰り返す。ノーディンガム基地に配備されている機動殲龍『戦火』がパイロット不在のまま起動。現在当演習場に向けて進軍中」
この緊急連絡に両軍はすぐさま演習の手を止め、臨戦態勢に移行する。各師団のメカニックが駆け寄り、訓練用装備から実弾への換装を開始。同時に状況の把握を開始する。
「第3師団長より管制。『戦火』にパターン『O』は確認できるか」
第3師団の指揮官が管制に確認を取る。パターン「O」とは、アンサズ連合が先のエルディスタン事変とその後の散発的なテロリストによる攻撃によって培われ、体系化された「行動様式と電波状況に基づくオブリビオンマシンの独自判別方法」においてオブリビオンマシンとして認められるための各種条件である。「戦火」にオブリビオンマシン特有の反応が観測されれば、事態はオブリビオンマシンが絡む「O事案」と認定され、アンサズ連合条約第9条に基づき|アンサズ連合治安維持軍《AUPF》への支援要請を行うことが可能となるのだ。
「……ネガティブ。パターン『O』は確認されず。この現象はO事案の対象外である」
だが、奇妙なことにパターン「O」は確認されなかった。よって、この事態はあくまでウィルバー連合王国の内部で処理する必要がある。AUPFへの助力は期待できなかった。
「……了解した」
第3師団長は苦虫を噛み潰したような表情でそう応答した。AUPFの援軍が期待できない事態。果たしてこの異常事態を止められるのか。否、ここで止めねばウィルバー連合王国の守りを担う者としての名折れ。第6師団長も同じ思いだろう。何よりこの重要な一戦に水を差した「何者か」の企みが気になる。恐らくは「メサイアの夜明け」の手のものと考えられるが……しかし、オブリビオンマシンを扱う「メサイアの夜明け」が何故演習中の部隊への強襲という愚かな真似に出たのか。
真相が不明なまま、事態は移ろい始めている。
●禁軍猟書家の襲来
「厄介なことになりました」
グリモアベースにて、グリモア猟兵として居並ぶ猟兵たちを相手にブリーフィングを開始したジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/Mechanized Michael・f29697)は開口一番そう告げた。
「シルバーレイン世界で行われた第二次聖杯戦争の結果、我々は迅速に状況を終了させることに成功しました。猟書家2名が決起したにも関わらずこのスピードでの鎮圧はオブリビオン勢力にとっても想定外だったようで、逃走したハビタント・フォーミュラは超空間ゲートウェイ『|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》』の放置を余儀なくされたのです」
その「|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》」と呼ばれる超空間ゲートウェイはシルバーレイン世界の日本国石川県金沢市・卯辰山公園にて確認された。神経を集中することで感知できる直径5mの次元の穴であるが、2023年元日の予兆探索ではこの穴が様々な世界に通じていることが判明していたが、おそらくハビタント・フォーミュラはこのゲートウェイを通じてどこかの異世界へと逃亡を図ったと考えられる。
「逃走経路を辿れば、ハビタント・フォーミュラの逃亡先もすぐに判明するでしょう……問題は、その逃走経路上に『禁軍猟書家』なる存在が配置されているということです」
禁軍猟書家とは、本来書架の王である「ブックドミネーター」を守護する為に編成された、精鋭の近衛兵達である。書架の王の近衛兵であるが故に「禁軍」と名付けられ、他の猟書家と一線を画す存在として位置づけられているのだ。
「この超空間ゲートウェイの先に待ち構えている状況を確認したところ……クロムキャバリア世界のアンサズ連合所属国家、ウィルバー連合王国に通じていることが判明しました。現地では暴走したキャバリアが演習中のウィルバー連合王国軍に襲撃を仕掛けています。しかし、今回我々はアンサズ地方における出先機関の『イェーガー・ミリタリー&セキュリティ社』の戦闘コントラクターとして状況に介入することは不可能です」
普段、アンサズ地方における依頼では、猟兵はイェーガー社の戦闘コントラクターという身分で状況に介入している。これによって政治的な立ち位置やアンサズ地方における身分が保証されるからだ。しかし、今回はそれが不可能となる。何故ならば、現地では「オブリビオンマシンの活動が確認されていない」のだ。故に、AUPF経由でイェーガー社に依頼も提出されていない。イェーガー社の戦闘コントラクターとして状況に介入することはかえってアンサズ連合との摩擦が起きかねない。
「よって、今回は敢えて所属を秘匿してください。決してイェーガー社を名乗らないように。過去にアンサズ地方での依頼に参加している場合は視覚情報も含めて欺瞞したほうが良いかも知れません」
故に「厄介な状況」である。もちろん、イェーガー社も今回の猟兵たちの動きは把握していない。ジェイミィ含め猟兵が独自の判断で動かざるを得ないのだ。
「ウィルバー連合王国領内に出現した禁軍猟書家は恐らく後方にて今回の状況を作り出しているものと考えられます。十分に警戒を」
ともかく、まずはウィルバー連合王国軍の兵士たちの救出だ。猟兵達は所属を隠した状態で、まずはポータルからシルバーレイン世界の卯辰山公園へと向かう。「|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》」を経由しなければ、禁軍猟書家の足取りは掴めない。
決着が誰にも予測できない戦いが、今始まる。
バートレット
どうも、バートレットです。
今回のシナリオは禁軍猟書家の討伐シナリオですが、クロムキャバリア世界アンサズ地方でのシナリオでもあります。ただし、今回は普段アンサズ地方のシナリオにおいて皆さんをバックアップする「イェーガー・ミリタリー&セキュリティ」のサポートが一切受けられない状態となります。キャバリアのレンタルも不可能となるため十分に注意してください。
第1章では演習中のウィルバー連合王国軍に襲いかかる暴走キャバリアを撃破し、ウィルバー連合王国軍の兵士たちを戦場から逃がすのが目的となります。なお、この時の注意点ですが「絶対に所属を悟られてはいけません」。特に、過去にバートレットが執筆したクロムキャバリア世界アンサズ地方を舞台としたシナリオ(#アンサズ地方 のタグが付与されているシナリオです)に参加している場合は「搭乗機体や通信内容から所属がバレる可能性があります」。所属がバレてしまった場合、以降のアンサズ地方におけるシナリオに関して、猟兵の立場が悪化します。イェーガー社を名乗らない、視覚情報も含めて完全ステルスを実行する、ウィルバー連合王国軍が感知できないほどの超遠距離から狙撃する、通信に一切応じないなどの対応を心がけてください。
もちろん、殲禍炎剣のレーザー狙撃も発生するため高空を高速で飛行することは不可能です。場合によってはウィルバー連合王国軍に被害が及ぶため注意してください。
第2章では禁軍猟書家との決戦です。断章にて詳細を説明します。
第1章はOP公開後、即座にプレイングの受付を開始します。第2章は断章執筆後にプレイング受付を行うため少々お待ちください。また、2月末までの完結を目指すためご協力をお願い致します(リアル事情により執筆が遅れてしまった場合は申し訳ございません)。プレイングの受付状況はタグをご確認ください。また、諸注意をMSページに記載しておりますのでご一読いただければ幸いです。
それでは、皆様のアツいプレイングをお待ちしております!
第1章 集団戦
『機動殲龍『戦火』』
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POW : ジェノサイドストーム
自身に【戦場の闘気】をまとい、高速移動と【口から防御を貫く長距離レーザーを全方位へ】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : エクスターミネイター
自身の【命】が輝く間、【遠近問わず猟兵へ】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : オーバーキルマシン
【全武装】で攻撃する。[全武装]に施された【生存者が居なくなるまで続く無尽殺戮】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
イラスト:イプシロン
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ミヤビクロン・シフウミヤ
※アドリブ歓迎
ほう、オーバーキルマシンとな?
ならば、僕とお前のどちらがよりオーバーキルなのか試してみようか?
星天の勾玉で魔力を溜めておき、ESPバイオニューロン発動で反応速度上昇、激痛は殆ど感じないが一応は激痛耐性でカバー。上がった反応速度を用いて戦火を捉えてロックオン。
戦火の攻撃は反応速度上昇した状態で見切り、残像、NSSPユニットによる立体機動、超加速、超高速移動による5段構えで回避しつつ、星天の勾玉の魔力を解放、RSLRの拡散型で595本の光と雷の光線を撃ち戦火の視界を遮り、RSLRの595本の収束型による光と雷の光線を何度も何度も戦火がスクラップになり塵になり消滅するまで撃ち続ける。
烏丸・都留
SPDアドリブ共闘OK
極小召喚した装備群(CICユニット、アサルトユニットβ/Γ、ガードユニット、クラスタードデコイ/リレイ:隠密状態で観測手運用)多数と多脚思考戦闘車両スレイプニル多数をレゴ的に組合せ500m級陸上戦艦(ギガ・フォートレス改修派生型)に擬態した複数隻を超遠距離の四方に(空間的に超高出力の全電磁波/流体/圧力制御と魔法的にも)能動隠密状態で配備。
スレイプニルは連装加速砲(射程150km以上、弾速10km/s以上)から極音速誘導砲弾:徹甲/散弾型で移動しながら連携陽動射撃、攻性防御。
自身は別後方で完全受動隠密状態同艤装戦艦から器物由来生体通信で遠隔管理、予備擬態艦体即時配置転換。
●影討ち
「あれか……!」
「すでに戦闘が始まってるわね」
ミヤビクロン・シフウミヤ(闇に堕ちた空を疾走する冥狼・f04458)と烏丸・都留(ヤドリガミの傭兵メディック・f12904)は|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》から出るなり近くの物陰に潜み、様子を伺った。ウィルバー王立陸軍のカルキノスは機動殲龍シリーズの中でも火力の高い「戦火」に対して機動力で翻弄を試みているが、単体火力が高くなかなか攻めあぐねているようだ。
「『戦火』のスペックデータ、ある?」
「えぇ、持ってるわ」
都留から『戦火』のスペックデータを受け取り中身を確認するミヤビクロン。厄介なのはオーバーキルマシンと呼ばれる全武装一斉射撃と考えられる。あれを迂闊に発動されれば王立陸軍側にかなりの出血が発生するだろう。
「ならば、僕とお前のどちらがよりオーバーキルなのか試してみようか」
ESPバイオニューロンによって感覚を加速させ、人間離れした反応速度で『戦火』の猛攻を掻い潜る。プラズマ加速ユニットが実現するサイバーニンジャの体術が為せる業だ。そのまま勾玉に充填していた魔力を解放し、光と雷の光線を次々と降り注がせる。
「あれだけ派手に暴れると注意を引きそうね」
生身でここまでやると流石に不審がられるだろう。カモフラージュの意味を込めて、都留は極小召喚した兵器と多脚戦車を複数組み合わせて即席の陸上戦艦を用意し、光線の発射元がこの戦艦であると誤認させるべく適度にジャミングをばらまきつつ実弾での飽和攻撃を加える。都留自身は隠密状態で遠方から戦況を伺う格好だ。
「あまり派手に動きすぎるのはマズいわ、程々のところで留めておきなさい」
「何故?」
「生身でそこまで暴れられるのは猟兵くらいのものよ。そして猟兵であることを悟られたら面倒になるわ」
「……わかってはいるけど、やりづらいなぁ」
都留の指摘に、ミヤビクロンは顔をしかめる。とは言えある程度敵の排除には成功しているのだ。後は上手いこと誤魔化すしかないか、とミヤビクロンはすぐさまその場を離脱した。サイバーニンジャの隠密力であれば、ウィルバー王立陸軍の監視網に捉えられることはないだろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
エドゥアルト・ルーデル
いつの間にか就職させられてるんですけお!!(全身が16777216色に発光しつつ)
これ?全身を【ドット絵】にしてドットをランダム発光させてるんでござるよ
遠目なら光っててよくわからん物体でござるし近くからは眩しくて姿を見れねぇでござるよ!ごまかしはこれぐらいでいいだろ!
おっとでっかい恐竜ロボ発見伝!くぉ~やられる!ここでドットの透過率設定を100%!インド人を右に!
レーザーも所詮は光でござる、透明な物体には何も作用せずただ通り過ぎるのみ!光を吸収しないからな…熱エネルギーは発生しねぇ!
これで相手は速いだけの物体よ!拙者を止めるものは何もねぇですぞ!眩しいだけの砲口に銃弾を叩き込んでやる!死ねぇ!
アイン・セラフィナイト
キャバリアの暴走、機械兵器を自在に操る禁軍猟書家、この世界に関わる者にとっては致命的だね。
僕はこの作戦に参加するのは初めてだし、もし知られても問題はなさそうだけど……『暁ノ鴉羽』による『オーラ防御』で自身を覆い尽くして、周囲からの視認を不可能にしておくよ。
機械の戦場は、僕のような精霊術士にとっては逆に不利かな?
だけど……機械兵器を動かす|エネルギー《電気》、それは本来|こちら《神秘》側のものだ。全て神秘へと還してもらうよ。
戦場に満ちる人知の帷を裂き、再び神秘の帷で覆えヴォルト!
【ヴォルト・ノイズ】の力で、周囲のキャバリアを誤作動、爆発させて無力化してみるよ!
0と1の機械信号は閉じる。永劫にね。
カシム・ディーン
機神搭乗
ばれたらヤベーらしいが…僕は参加した事ねーから普通に流れのキャバリア乗りで通すか
「そういえば参加してなかったよね☆」
ツー訳で相手が竜ならぶっ飛ばすのみだ
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵機の動きと武装と攻撃パターンを冷徹に把握
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源と音も隠蔽
ステルス推奨らしいが…まぁ何時もの事だ
UC発動
【念動力・空中戦・弾幕・スナイパー】
超高速で低空を飛び回りながら念動光弾を乱射して蹂躙しつつ動きを封じ
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
鎌剣による連続斬撃で切り刻み
その武装と資源になりそうなものは根こそぎ強奪する!
お小遣いよこせやー!!
チェスカー・アーマライト
連携アドリブ歓迎
(ビッグタイガー自体は、よくある既製品と中古部品で構成された量産機)
(内部は独自カスタムだらけ)
古錆びた外装はド派手な赤色に塗装
目立つ戦車砲は外してハーヴェスターミサイルを装備
脚部だけをタンクモードに変形して
上半身は人型のままにしておく
これで印象は大分変わるだろ
トレンチャーでスモーク弾を連射しながら突貫
金属粒子の|煙幕《チャフ》がレーザーを反射させて
多少はダメージを抑えられる筈だ
音声通信はオフ
ビッグタイガーの身振りだけで
サッサと退くようにアピールする
ブースターを噴かしつつ
ワイヤー引っ掛けたりして急旋回
慣性も利用して機動力を底上げ
射線を遮りながら攻撃を続けるぜ
メンカル・プルモーサ
(試作型術式騎兵【ツィルニトラ】に騎乗)
……所属を隠しての救援……と言う事になるかな……
まあ…所属を誤魔化すよりは…見つからなければ良いか…識別信号の類は全部カット…と…
…心理隠密術式【シュレディンガー】での心理迷彩を纏って戦場に到着…
…操音作寂術式【メレテー】で音を操作してツィルニトラの駆動音もシャットアウト…
…その上で重奏強化術式【エコー】の繰り返しで威力を高めた【縋り弾ける幽か影】を発動…暴走しているキャバリアを爆破してしまおう…
…まあ…暴走状態のキャバリアが過負荷で自爆…とでも結論付けてくれる事を願うか…
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【WIZ】
※アドリブ絡み推理等歓迎
名声はこういう時に厄介だよね
戦えないアタシは演習場外縁の山中に潜伏
愛機も【ソスピタ/マギ・H】で秘匿
でも打開策は万全さ
例外処理【コールドラグーン・タンデムオーダー】実行
おいで、ミリアム&マリアナ♪
「お呼びですか、姫様ぁ♡」「わわ、向こうに鋼の竜がぁ…」
現れるは細身の飛竜を駆る槍兵と強靭な剣士のほわほわ双子
色ボケしつつも彼女らは各々【ナインス・ライン】と同じ強さ
何より初陣だから他の誰もアタシの手駒娘と知らず
非テック系存在故ハックの心配も皆無
高度速度制限・身元秘匿・人命尊重を厳命して屠龍指示♪
暗殺飛竜の高速機動+装甲さえ貫く炎の聖剣と影の魔槍
その図体で対応できる?
ジェイ・ランス
【WIZ】※共闘アドリブOK
■心情(仮面の間は敬語)
つまり今回は独自の行動、しかも気取られず。ですか。ならば私は全力でし、あれを止めますか。
「そういうことです、よろしくバルトロマイ。」
「了解です。」
では、久しぶりに動きますか。
■行動
生身で出撃。ゲートを渡り次第UCを発動。猟兵以外の敵味方関係なく【ハッキング】、UCを流し込み、効果によって避難誘導、及び猟兵の動きを判らせないようにします
自身は”事象観測術式”で敵機を【世界知識】から【情報検索】して【ハッキング】。弱点を割り出して”ツェアライセン”と”光線”、”砲塔”で攻撃します
また、敵機からの攻撃は重力障壁(オーラ防御)や回避を行って対処します
●デリケートな情勢
シルバーレイン世界の|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》の前に、7人の猟兵達が作戦を協議すべく集まっていた。
「なんかいつの間にか就職させられてるんですけお!!」
エドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)がぼやく。彼はこのアンサズ地方においてエルディスタン事変の発端となった「アークライト自治領地下鉄網襲撃事件」にのみ参加している。それ以来、特にこの地方には関わりを持たなかったのだが、いつの間にやら猟兵の出先機関として|民間軍事会社《PMSC》が立ち上げられていたとは。
「色々と珍しいよね。猟兵の身分が『PMSCのコントラクター』って形で保証されてるし、オブリビオンマシンの存在についても周知されてる上に独自の見分け方や対処法も確立してる。何より国家連合体が成立しているのが奇跡に近いね」
クロムキャバリア世界における「アンサズ地方」の特異性について指摘するのはアイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)。それもこれも、エルディスタン事変という事件の終結と、一部国家のデタントの推進、さらには猟兵が政治的にも深く介入していたことで成立した状況であった。故に、今回の対応は慎重に運ぶことが求められるのだが。
「ま、アタシらがめちゃくちゃ頑張ったお陰ってとこかな。その弊害で顔が売れちゃったから今回派手に動けないっていう面倒な事態になってるんだけど」
「エルディスタン事変で受勲しちゃったからなぁ……まさかこんな事になるとは思わんわなぁ」
リーゼロッテ・ローデンヴァルト(|KKS《かわいくかしこくセクシー》なリリー先生・f30386)とジェイ・ランス(電脳の黒獅子・f24255)は苦笑する。彼ら2名は特に厄介な立場にあるのだった。というのも、エルディスタン事変を終結に導いた功績を讃えられてアークライト自治領から|名誉勲章《メダル・オブ・オナー》を賜っている身分だ。アンサズ地方では完全に名が知られてしまっているのである。
「受勲辞退してはいるけど、エルディスタンで色々世話になったからね……」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)もリーゼロッテやジェイと同じく、受勲資格ありと認定されていた。彼女は結果として受勲を辞退しているものの、その類まれなる電子戦能力とエルディスタンの国家運営をサポートするAI「セヴィディネ」の正常化に一役買っていることで、エルディスタンでは「エリングラードの灰色の魔女」という通り名がつくほどには有名人だ。
「有名人ばっかじゃねぇか。ま、アタシもイェーガー社での仕事は気に入ってるからな。ここでトラブル起こして仕事ができなくなるのは避けたいところだ」
イェーガー社の依頼を何度かこなしてアンサズ地方の「テロとの戦い」に身を投じるチェスカー・アーマライト(〝錆鴉〟あるいは〝ブッ放し屋〟・f32456)は、すでに名が売れている面々を気遣いつつ、自分もなにか対策を講じなければと考える。
「とりあえず我々は流れのキャバリア乗りといえば問題はないですかね……確かアンサズ地方での依頼には参加していないから、イェーガー社と結びつけるファクターはない。グリモア猟兵の名前を出さないこと、皆さんとは他人のふりをする形で対応しますよ」
「そういえば参加してなかったよね。すっごい意外だけど」
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と相棒の意思持つキャバリアであるメルシーは自分たちの身分を偽装する形で対応。とは言え面倒を避けるためにステルスも併用する。見つかった時には他の地域から流れてきたフリーランスのキャバリア乗りであると主張すれば良い。
「まぁこっちは地下鉄網襲撃事件の1回だけだから問題ない……と思ったけどこの顛末がアークライト自治領に知れるとちょい面倒ですぞ。あっちは顔知ってるし」
「あー……マズいかもねぇ。このウィルバー連合王国、アークライト自治領の宗主国だから」
「げ、じゃあ多分事態は速攻で伝わるではござらんか! よし、顔見えないようにしようっと」
リーゼロッテの言葉を受けてエドゥアルトは唐突に全身を16777216色に発光させた。エドゥアルト曰く、「遠目に見ればなんかゲーミング発光しているSomethingであり近くで見ようとすると眩しくて目が眩むから誰だかわからない」とのこと。さらに全身がドット絵と化しているため解像度も下がっている。
「僕もアンサズ地方での依頼はこれが初になるけど……それはそれとして、人間がキャバリア同士の戦場にぽつんと突っ立ってると怪しいよね。念のため身を隠すことにしよう」
術式「暁ノ鴉羽」によって自身の身体を鴉羽で覆い、存在そのものを認知させなくするアイン。大掛かりな術式でこの状況を終わらせる構えだ。即ち、アインの術式が完成するまでにどれだけ被害を減らせるかが今回の作戦の鍵となる。
「まぁ、所属を誤魔化すよりは見つからないほうがいいよね……そっちの方が楽だ……」
メンカルもアインの判断に同意し、ツィルニトラに乗り込むとIFFを始めとする識別信号を全てカット。さらに心理隠密術式「シュレディンガー」及び操音作寂術式「メレテー」を展開することで存在そのものを気取られなくさせる。
「んじゃ、オレは……まぁいつものやり方でやらせてもらうかね。──よろしくおねがいします、バルトロマイ」
ジェイは仮面を被るとユーベルコードの発動準備にかかる。幸いアンサズ地方の通信プロトコルは把握できているから、ハッキングは容易だ。敵味方全てを動かし、状況を自身の望む方向にコントロールするのはジェイの得意技であった。
「となると……こっちは初陣の娘を出すか。頼むよミリアム&マリアナ、2人の働きにかかってるからね」
「はい、姫様」
「任せてください!」
リーゼロッテはアスクレピオスの乗組員であるドラグーン姉妹、ミリアムとマリアナを呼び出した。リーゼロッテ含めたアスクレピオスのスタッフたちは多かれ少なかれアンサズ地方で働いている。つまり、顔が知られていないのは今回が初陣となるミリアムとマリアナの2人くらいなのだ。
「んじゃこっちもタンクで……と、ジェイ、ハッキングでアタシの機体の認識阻害はできるか? 塗装と変形箇所の変更でビッグタイガーとわからないようにはなってるが、念のためな」
「了解です、皆さんの姿をレーダー・カメラ両方の情報から消去しますよ」
チェスカーの要請に応え、ジェイはプログラムのソースコードに若干の修正を加えた。
かくして準備は万端、整った。猟兵達は混迷する状況の収拾を始めるべく、ゲートウェイ内部へと飛び込んでいく。
◆◆◆
カルキノスと戦火の戦闘の最中、それは突然発生した。
「……なんだ、あれは!?」
ウィルバー王立陸軍のパイロットの一人が思わず身を乗り出して「それ」を見つめる。色鮮やかに発行する謎の物体が突如敵の前に躍り出たのだ。「戦火」はすぐさまビームを撃ちかけるが、ビームは何事もなくその物体を通り過ぎる。どうやら着弾の瞬間に光を透過させてしまう作用があるらしい。「それ」は反撃とばかりに「戦火」の銃口目掛けて何かを撃ち込んだらしく、「戦火」が機体ごと吹き飛ぶ。
「何が起きて……っ、管制と通信が繋がらない! ジャミングか……!」
続いて、謎の飛行物体が戦場に姿を現す。レーダーには反応しない上に識別信号の類もない。恐らくは生命体なのだろうが、正体が掴めない。アンノウンへの対処を図ろうにも管制からの通信を封鎖されている以上それは不可能であった。外見はおとぎ話に登場する|翼竜《ワイバーン》を思わせるが、その背に人間らしき何かが乗っていることまでは確認できた。カルキノスには目もくれず、ひたすら「戦火」を攻撃しているため友軍なのだろうが、あんなものを配備する部隊や国家について心当たりはまるでなかった。
と、その時、カルキノスの制御が効かなくなる。機体が勝手に動く暴走状態だ。どうやら「戦火」と同じ状態に陥ったらしく、パイロットは混乱状態に陥る。
「なんだ、ハッカーの仕業か!?」
機体の制御を取り戻そうとするが、操作を一切受け付けない。壮行しているうちにカルキノスは勝手に後退を始めた。周囲の他のカルキノスも同様で、カルキノス部隊は次々と戦場から離脱を余儀なくされる。
「まだ戦える! 言うことを聞け……!」
と、その時スモーク弾が撃ち込まれて視界を遮られる。その影から無数の銃弾が飛んできては「戦火」を次々と破砕させる。だが、スモーク弾と飽和攻撃を仕掛けている主が不明であった。さらに他の「戦火」の一団は切り刻まれ、パーツが不自然に欠損する。不自然と言えば、スモークの向こうで何の脈絡もなく自爆する「戦火」もいた。
あまりにも異様な状況。正体不明の何かがこの戦場で起きている。カルキノスのパイロットたちはわけもわからぬまま、この戦場から撤退しつつ傍観することしか許されなかった。
やがて、スモークが晴れ、戦場が静かになる。そこには、エネルギーを全て消費し尽くした「戦火」が糸の切れた人形のように動きを止めていた。ある機体は立ったままで、別の機体は地面に無様に転がった状態で、全てのエネルギーが「吸い付くされた」ように機能を停止していたのである。
猟兵達は、その存在を一切悟られぬまま、「正体不明のなにか」としてこの状況を収拾することに成功したのであった。
大成功
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第2章 ボス戦
『エヴォルグ初號機『Parasite』』
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POW : 縛音封機プロトコル・Parasite×JACK
【自身の全身のアンテナ】から【機器に不調引き起こす怪電波】を放ち、【機械系装備を持つ対象の機器の不調】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : 侵蝕僚機プロトコル・Parasite×BIRTH
レベル分の1秒で【キャバリアを一時制御奪うするナノマシン】を発射できる。
WIZ : 暴走侵蝕プロトコル・Parasite×EVOLG
【キャバリア侵蝕ナノマシン内蔵弾】で攻撃する。[キャバリア侵蝕ナノマシン内蔵弾]に施された【暴走侵蝕プロトコル】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
イラスト:すずや
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ビードット・ワイワイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●亜空間に潜むオブリビオンマシン
状況を秘密裏に収拾し、ひとまずは事なきを得た猟兵達。ウィルバー連合王国、ひいてはアンサズ連合に対して猟兵──イェーガー社の関与が疑われることは無く、今回の事件は「オートパイロットプログラムのバグによる暴走事故」として処理される公算が高い。
だが、その場を後にした猟兵達は今だ油断なく警戒を続ける。今回の事態を引き起こした禁軍猟書家たるオブリビオンマシンが見つかっていないのだ。
と、その時。演習場からやや離れた位置に集合する猟兵たちを巻き込む形で時空間異常が発生。猟兵達は突如発生した時空間の「穴」に飲み込まれた。
アンサズ地方の状況に詳しい猟兵達はすぐにこの現象の正体を理解する。元よりアンサズ地方はクロムキャバリア世界の他地域に比べて空間が不安定になりやすい。故に神隠しによってこのアンサズ地方へと転移してきた者も少なくないのだ。アークライト自治領国防軍の精鋭ワートホグ隊の4番機パイロット「キュウビ」は祖先がカクリヨファンタズム出身の妖狐であるし、桜嵐市国はサクラミラージュより転移した豪商によって建国されていることからも、アンサズ地方の時空間連続体が乱れやすいことの証左であった。そして、時空間の穴は今回のようにちょっとしたきっかけで開く。
故に、この地域は「|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》」のゲートウェイ地点として選ばれていた。世界の境界が曖昧であるからこそ、超空間の渦が開きやすい。そう、そこにオブリビオンが潜んでしまえば、自ら世界に染み出すこと無く|破局《ドゥームズ・デイ》を呼び起こすことも不可能ではないのだ。
果たして、その「時空間の穴」の中に、「それ」はいた。
エヴォルグ初號機『Parasite』。原初のエヴォルグにして機械文明を否定するもの。機械に自らを侵食させ、暴走を引き起こす。どのようなキャバリアであろうと、どのような機械兵器であろうと例外ではない。それが機械工学、あるいは情報工学に基づいて生み出されたものであれば等しく自らの制御下に置き、無力化する。対抗するためには、超自然の存在、あるいは科学で解明されていない存在を用いる必要があるだろう。
「助け」が欲しいか、と猟兵たちの頭に声が響く。ならば、助けを求める呼び声を発するべきだろう。猟兵達が深層心理に刻んでいるあの言葉を、埒外の力に刻まれたあのフレーズを、今こそ宣言する時だ。
エドゥアルト・ルーデル
佞言立つべし!
ヒコーキ乗りにメーデーと言えとか侮辱もいいとこですぞ!
誰だか知らんがブッ殺してやる!ブッ殺してやるからな!
とりあえず目の前の貴様からだ!!機械文明の否定?キャバリア浸食弾??知るか馬鹿!ほんだら生身で正面から殴りに行こうぜ!何事も暴力で解決するのが一番だ!訳の分からん奴はぶん殴ってやる!
【|流体金属生命体《スピットファイア》】君を全身に纏って突撃じゃい!流体金属君は最先端の生命工学で生まれた100%金属だけの生命体!機械類は使っとらんので無力化されないので真っすぐ行けばいいな!
鉄の拳が叩いて砕く!最後にモノを言うのは何事も腕っぷしでござる!貴様が!死ぬまで!殴るのをやめないッ!
●生命の力
「|佞言《ねいげん》断つべし!」
エドゥアルトはきっぱりと言い切った。得体の知れない力を借りる必要はないと。
「そもそもヒコーキ乗りにメーデーって言えとか侮辱もいいとこですぞ! 墜落しろってか!!」
自らの矜持を傷つけるような真似なぞ到底承服できない。誰だか知らんがぶっ殺してやる、とエドゥアルトは息巻いた。故に、エドゥアルトは助力なしで眼前の脅威に立ち向かう。
「機械文明の否定? キャバリア浸食弾?? 知るか馬鹿! ほんだら生身で正面から殴りに行こうぜ! 何事も暴力で解決するのが一番、レベルを上げて物理で殴る! と、いうことで……訳のわからんやつはぶん殴ってやる!」
エドゥアルトの体躯を覆う|流体金属生命体《スピットファイア》。生命体であるが故に眼前のParasiteの影響を受けること無くエドゥアルトの身体能力の向上を可能とする。これをパワードスーツの如く身にまとったエドゥアルトはキャバリア相手にも互角に渡り合えるほどの馬力と機動力を得ることが可能となるのだ。
「最後にモノを言うのは何事も腕っぷしでござる! 真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす、右ストレートでぶっ飛ばす! 搦手なんぞ花拳繍腿、男なら拳1つで勝負せんかいッ!! 貴様がッ! 死ぬまで! 殴るのをやめないッ!」
鉄の拳が叩いて砕く。Parasiteに襲いかかる単純で、しかし重い打撃の連続。Parasiteは対抗手段を持たないまま、ひたすらエドゥアルトの圧倒的な暴力を前に沈む。生命が生存本能を極限まで昂ぶらせたことで発生する「暴力」を前に、なすすべが無かったのであった。
大成功
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ジェイ・ランス
【WIZ】※共闘アドリブOK
■心情(仮面の間は敬語)
厄介な状況になりました。私の能力は化学根拠。エヴォルグ初號機とやらは、そういったものを制御化に置く。下手をすれば、私自身が支配されかねない……
「助け」が必要です。この頭に響く言葉…一か八かに掛けるというのは好みませんが、致し方ない。
……M'aider
そして、貴女に頼みます。
『―――Ubel:Code Löwen_Konzert Dame.』
■行動
「助け」を求めます。そしてUCを起動。科学準拠ではないUCに頼り、UCの援護に徹します
もし、自身の科学準拠の行動が可能になるのであれば、全武装を以てして撃破を試み、また、術式を以て回避なども試みます
カシム・ディーン
メルシーは留守番
「そんなー!」
仕方ねーだろ
キャバリアはリスキーすぎるからな
…とはいえ…思ったよりきちーな
【視力・戦闘知識・医術】
敵の能力と動き
周辺状況
肉体構造を冷徹に把握
随分と面倒くせー事させるじゃねーか
存分に叩き潰してやるよ
UC発動
【属性攻撃・迷彩・電撃・弾幕】
存在を揺らめかせ捕捉妨害
各首から各属性のブレスの乱射による蹂躙
【二回攻撃・捕食・盗み・盗み攻撃】
正面からぶつかり合いとか趣味じゃねーが
今日は特別だ
美味くもなさそうだが食らい尽くしてやる!
噛みつきから部位を食いちぎりアンテナも根こそぎ破壊強奪
取り合えず…何が起こるか分からねーが…やってみるか
メーデーメーデー!
【二回攻撃】
●打開の一手
「メルシー、お前今すぐここから出てアークライト自治領に向かえ」
「そんなー!」
カシムの指示にメルシーはブーイングをするがカシムは「黙って言う事聞け」とぴしゃりと言って黙らせた。
「仕方ねーだろ、キャバリアはリスキーすぎる。今この瞬間でもお前に何か異常が発生してる可能性があるんだ」
「ベガシティの郊外にメカニックガレージがあります。そこに向かってください。ついでにメンテナンスしてもらうと良いでしょう」
「わかった……無茶しないでね!」
ジェイの言葉に従い、メルシーは後ろ髪を引かれる思いで超空間の穴から脱出する。アークライト自治領まではウィルバー連合王国からそう遠くない。キャバリアとしての機動力ですぐに向かうことが可能だろう。
「さて……思ったよりきつい状況ですが」
「えぇ、厄介な状況になりました」
情報工学の産物であるジェイは言わずもがな、キャバリアを降りればいち盗賊でしかないカシムもParasite相手に決め手がない状況。完全に不利な状況であった。故に、彼らは脳裏に響く声に応えることを選ぶ。
「取り合えず何が起こるか分からねーが……やってみるっきゃないってことですかね」
「えぇ、『助け』が必要です。この頭に響く言葉…一か八かに掛けるというのは好みませんが、致し方ない」
ジェイとカシムは覚悟を決めると、意を決して唱える。
「「M'aider!!」」
その瞬間、天より二振りの剣が落ち、ジェイとカシムの眼前の地面に突き立った。これを抜け、ということらしい。装飾はない、シンプルな何の変哲もない片手剣。ジェイとカシムは顔を見合わせて頷くと、その剣を取る。
「なるほど……これは」
「魔法剣の類ですね……何故これが落ちてきたのかは不明ですが、確かにこれなら奴に有効打を与えられる」
文字通りの助けであり決め手となる武装。ジェイとカシムは最後のピースを埋めたことで、ついに自分たちの策を完成させた。
「では貴女に託しましょう。―――Ubel:Code Löwen_Konzert Dame.」
「万物の根源よ、帝竜眼よ! 今こそ帝竜の王の力を我が身に宿せ!! わが身今こそ帝竜へと至らん……!!」
ジェイの身体から分離した鎌が氷色の電子妖精体に身を変じ、両眼を輝かせたカシムはその身を巨竜に変ずる。その姿はかつてアックス&ウィザーズ世界で猟兵たちと対峙した帝竜ヴァルギリオスそのものであった。
電子妖精は片手剣をジェイから託され、カシムは長い尾を巻き付けて自ら剣を取る。瞬間、電子妖精の手によって周辺に氷の柱が地面を割って出現、周囲一帯に吹雪が吹き荒れる。その中を突き進み、ブレスを吐いてParasiteに暴威を浴びせるカシム。尻尾の剣が閃けば、Parasiteのアンテナや触手が次々と切り落とされていく。
温度が下がり身動きを封じられたParasiteは抵抗する術を持たない。竜となったカシムの絶え間ない攻撃に晒され、Parasiteは何もできずにただ自らが壊されゆくままになっていた。
大成功
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李・玉明
【潜む者】アドリブ歓迎!
れいじ、フレス、リーゼ! よろしく頼むのじゃ!
他の人との連携も大丈夫じゃよ♪
むっふっふ~♪
ここが亜空間なのじゃな!
ちょっと遅れてしまったけれど、謎のマスカレイド参上なのじゃー!
(リーゼと一緒に仮面を装着します)
老君は生身だけれどキャバリアになってるからのぅ。
今回は安全を考慮してお留守番なのじゃ!
妾たちの力で『Parasite』を倒すのじゃー!
(ユーベルコードの歌詞をほうふつとさせるような内容を紡ぐ)
『m'aider』
流れる血の色も、鼓動の音も。生きてる妾たちを彩るのじゃ!
歌って踊ってオーラを纏って、歌踊三昧桜桃乱舞!
みんなの攻撃に合わせて、桜桃の花びらで攻撃するのじゃ!
兎乃・零時
【潜む者】
アドリブ歓迎!
皆と一緒に行動するぜ!
他の奴と連携もOKだ!
機械がダメっつぅんなら―――其れ抜きでやってやるさ!
行くぜ夢想ッ!
UC発動!融合変身って奴だ!
ピンクの剣士スタイル…まぁ、魔術メインだけれども!
今日は杖なし
まず|全属性付与《フルエンチャント》で強化オーラ纏いつつ!
低空中浮遊で接近しつつ斬りつけぇッ!
後は魔力文字による無酸素詠唱と、口の詠唱合わせた多重詠唱で水雷光とか複数の魔術の弾幕で範囲攻撃ッ!
後は桜魔の術式で神櫻の花弁を操り敵にぶつける!
桜で遠距離攻撃の目印代わりにもなるだろ?
凄ぇ|毒《カクテル》使ってるなぁ…
『m'aider』
どんな助けは知らねぇけど…やっぱ気になるしな!
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【潜む者】【SPD】
※アドリブ支援絡み大歓迎
※『地底の悪魔』で拾號機交戦済
※一章の飛竜は足場化、双子は制御専従
玉明さん予備のお面貸して♪
救難信号?
普段はアタシが受信側だけど…まいっか
フレスさん、世界は常に美しく残酷さ…故に
『m'aider』
で、エヴォルグの親玉?
「こんな事もあろうかと」緊急用アンプル準備済♪
※平時に【インテンス・A】の技能4種で精製
コレは非科学世界から集めた呪毒のカクテル
機械情報無関係に生体キャバリア細胞をも殺す
猟兵側武器や氷等攻撃実体に付与で支援
レイジさんヤッちゃえっ♪
【S・ブレイド】にも毒付与後投射
アタシの本質を象る神剣が巨大化&自律飛翔で襲撃
グズグズのプリンにシてアゲる♪
フレスベルク・メリアグレース
【潜む者】
シークレットブーツって良いですね
身長を変えて胸とヒップに晒を巻いてスタイルを変化
顔を覆う黒の仮面を被り、髪を黒く染めてポニーテールに、黒装束服になって仮装
そこにUCで冷気を纏い認識阻害効果を付与
ノインツェーンに乗らず遠方から魔術狙撃を
『精神や思考等の『魂魄概念』に干渉』を『精神干渉』でなく『思考ルーチンの破壊』として機能させ、氷の礫を出現
零時さんの桜に習って遠距離から狙撃
更に礫が着弾したらそこを起点として『思考ルーチンを凍結させる冷気』を発生させて凍結させていきます
そして……呼びましょうか
――『m'aider』
0と1の狭間に鎖された…残酷なまでに美しい世界、ですか
グラン・ボーン
機械がダメなら生身で勝負だ
(地響きを立てて現れたのは、キャバリアよりもでかい5.5mの巨人だ
ただでかいだけではない
圧倒的な肉の圧を持っている
「筋肉はすべてを解決する」そんな言葉が肉体を見ただけで思い知らされる
そんな見事なまでに鍛え上げられた肉体を持つ巨人だ)
機械には強いらしいが、肉弾戦はどうだ?
グランの拳がParasiteに迫る
力任せのパンチではない
全身のバネ、力を拳に乗せて放つ拳法家のパンチだ
グランはこの巨体で拳法家なのだ
切れのある技が、恐るべき威力でParasiteの体のありとあらゆる部分を攻撃する
5分間の無呼吸乱打、グラン必殺の煉獄殺だ
どうだこの連撃!さばききれるか!
メンカル・プルモーサ
(飛行式箒【リントブルム】に搭乗・機械式の装備は外してあるので裸眼)
あれがエヴォルグ初號機『Parasite』か……機械を問答無用で操るわけだけど…
…それなら機械を使わなければ良いだけだね……
…現影投射術式【ファンタズマゴリア】でキャバリアの幻影を出して攪乱…
…まあ幻影が操れるわけも無し…その間に重奏強化術式【エコー】で多重強化…
…そして【空より降りたる静謐の魔剣】を発動…氷の大剣をエヴォルグ初號機『Parasite』の全周囲に展開…
…四方八方から突き刺し軌道と斬り付け軌道で発射してダメージを与えて凍り付かせるとしようか……
烏丸・都留
「過去の事件でそちら側に為るはずだった私は、加護を受けることでアドミラルコードより解放され、猟兵ヤドリガミとして存在している…
その(亜空間に隠蔽潜伏中の)本体との高次生体リンクが切れたら、この身体も装備群も意味消失するのに…この状況は問題無しってことね……」
UCで全身を敵能力に即応無害化する強化済みの召喚装備群で覆い(生体/魔導/概念装備主体)その数に比例した戦闘力増強。
懐中羅針儀Ωで位置特定、透界の鶴嘴で凡ゆる境界を超えて踏破する能力で一撃離脱。
アイテールのメイスでの打撃/遠隔攻撃、その他兵装。
「ステルスアサルトユニットΓ搭載の時空制振神咒弾頭を使えば時空連続体の乱れも抑えられるかしら??」
●彼方からの助け
「ちょっと遅れてしまったけれど、謎のマスカレイド参上なのじゃー!」
「お待たせしました! ……ウィルバー国内を経由したため変装せざるを得ませんでした」
「リリー先生、無事か!?」
Parasiteが潜む亜空間の穴に増援として突入した李・玉明(豪華絢爛西欧天女・f32791)、兎乃・零時(|其は断崖を《遥か高みを》駆けあがるもの・f00283)、フレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)の3名は先行して依頼に参加していたリーゼロッテと合流する。
「おっ、待ってたよ皆! あ、玉明さん予備のお面貸して。帰りに必要になるかもだし」
リーゼロッテは玉明から仮面を受け取ると変装。早速、彼らの頭に響いた謎の声に従うことを決めた。
「どんな助けは知らねぇけど……やっぱ気になるしな」
「せっかくだから妾は歌いながら唱えるのじゃ!」
玉明が紡ぐ歌詞はまさに、猟兵とオブリビオンが行使する「|埒外の力《ユーベルコード》」の本質を歌うもの。
「0と1の狭間に鎖された……残酷なまでに美しい世界、ですか」
「世界はいつだって残酷さ……故に!」
「「「「M'aider!!」」」」
4人分の声が響く。その呼び声は世界を震わせ、目の前に「リュート」、「マスケット銃」、「槍」、「両手剣」が地面に突き立つように出現する。埒外の力が込められたソレは、禁軍が秘匿していた武器。即ち──「第一の猟兵の武器」であった。
「その武器は……!」
共に戦列に立つ都留が落ちてきた武器を見て目を見開く。あの武器には眼前のParasiteへ有効打となる力が込められていた。ヤドリガミの彼女だからこそ気づけた事実だ。
「なるほど、助けは『武器』、しかも『第一の猟兵』が使ってたモノ……アタシらは第六の猟兵だったね? 助けに応じたのはアタシらよりもさらに前の時代の猟兵ってことかな……」
特に最近、厄ネタが凄まじく噴出している状況である。オブリビオンと猟兵の戦いの裏に隠された真実が詳らかになる手がかりになりそうだった。
玉明はリュートを、零時は槍を、フレスベルクは杖を、そしてリーゼロッテはマスケット銃を手に取る。
「なるほど、かなり古いものだ。だが道理だな、こいつは機械文明よりも前に造られた産物……リリー先生のマスケット銃も例外じゃない。これでParasiteを倒せる!」
「そうか、マスケット銃は産業革命以前に発明されてる……機械工学の産物という条件から絶妙に外れてるわけか!」
零時とリーゼロッテは顔を見合わせてニヤリと笑った。
「よっしゃあ、行くぜ夢想ッ! 骸式兵装展開、夢想の番ッ!!」
零時の姿がピンク色の剣士へと変わる。夢想の魔人と融合した姿であり、右手に桜魔と夢想の力宿す刀、左手に第一の猟兵の槍を手に飛びかかっていく。魔力を得物に充填させて低空中浮遊で一気に接近、Parasiteのアンテナを次々と斬り落としにかかる。
「魔法をメインに立ち回る!」
「じゃあ援護射撃とイこうか!」
リーゼロッテが持ち出すのは非科学世界から集めた呪毒のカクテル。これを弾薬状に整形し、マスケット銃に装填する。狙いを定めて撃ち込めば、Parasiteのエヴォルグ細胞のアポトーシスを引き起こし自己崩壊を促すのだ。
「これはギターと同じ感覚で弾けそうじゃ! さぁ、舞えや歌えや、大盤振舞じゃ!」
リュートをかき鳴らして歌声を披露する玉明。その音色に合わせて桜桃の花びらが舞い散る。桜桃の花吹雪はParasiteを覆い尽くし、Parasiteのフレーム構造にまで響くほどのダメージを与えた。
「動きを止めます!」
思考ルーチンを止める冷気を練って氷の礫を空中に浮かべるフレスベルク。
「よし、ポイントした! ここが奴の急所だ!」
自身の魔法の弾幕と玉明の桜桃の花吹雪を目眩ましに、神櫻の花弁をParasiteの動きを封じる関節部や強度の弱い部分に埋め込む。これで狙いをつけやすくする寸法だ。
「感謝します──では」
「オッケー、ファイア!!」
リーゼロッテのマスケットが火を吹き、フレスベルクが杖を振り下ろすと毒のアンプルと氷弾が飛んでいく。動きを封じられ、形象崩壊が始まった。しかし、まだ抵抗の意志を見せる。
「しぶとい……!」
「せっかくだし餌を用意して消耗させるか……ルアーの要領……」
さらなる一手を打つのはメンカルだ。彼女は幻影術式を使用してキャバリアの精巧な幻影を作り出す。なんと、電波などの反応すらも欺瞞する高度な幻影であった。Parasiteはキャバリアの幻影に対して侵食弾を撃ち込もうとするが、幻影なので操ることは不可能。これはメンカルの「純粋な魔術による産物」なのだ。
「なるほど、Parasiteも霞を食っている仙人ではないものね」
「フレスベルクのお陰で冷気は十分……氷の剣を整形して動きを一気に止めるよ……」
「では、直接攻撃を担当しましょうか」
都留はメンカルの術式を編み上げる時間を稼ぐために、召喚装備群を全身に纏ってParasiteの前に躍り出る。懐中羅針儀Ωで常に彼我の位置を把握しつつ、透界の鶴嘴の凡ゆる境界を超えて踏破する能力を駆使して一撃離脱を繰り返す。メイスでの打撃を繰り返すことでParasiteをさらに翻弄しつつ、着実にダメージを蓄積させていった。
「停滞の雫よ、集え、降れ。汝は氷刃、汝は驟雨。魔女が望むは数多の牙なる蒼の剣……冷やした上でタタキにしてやる……」
ついにメンカルの術式が完成し、氷の剣が雨あられと降り注いだ。すでに毒で各部が弱り始めているParasiteだが、ここへ来て氷の剣によって張り付けにされていく。最早虫の息とも言える状況だが、それでもParasiteはまだ沈黙しない。ダメージは蓄積しているものの、決定打となる致命傷を与えきれていないのだ。
「後1手がほしいところね」
「もう打てる手は打ち尽くしたけど……」
その1手を持ち合わせる男が姿を現した。巨人の格闘家、強者を求めて彷徨う求道者のグラン・ボーン(巨人の巨人拳伝承者・f34134)である。
「なら、もう後は簡単じゃねぇか。最後に全てを決めるのは己の拳よ。離れてろ、皆。これからこいつに『拳法家』の拳を馳走してやる」
その場にいた猟兵がグランのために道を開ける。グランはParasiteを前にしてすっ、と息を整えると、次の瞬間その身体がParasiteを打ち据えるべく動き始めた。それも、ただ暴力をぶつけるだけの雑な動きではない。拳法という、相手を的確かつ効率的に打ち据えるために計算された動きが、一見すると荒々しい躍動の中で確かに繊細な美しさを放っていた。それでいて、敵対者を確実に仕留めるという冷徹さも兼ね備える。まさに、肉体全てが凶器となってParasiteの息の根を止めにかかっていたのだ。
やがて、Parasiteは動かなくなる。その瞬間、「亜空間の穴」の空間全体が大きく揺らいだ。
「そうか、Parasiteがいなくなったから空間の安定性が急激に下がったんだ……!」
「時空制振神咒弾頭を使って一時的に安定させつつ、安全な場所に転移するわ!」
「ウィルバー国内はマズい、転移するならこの座標に!」
リーゼロッテは都留にある空間座標を渡す。都留は頷くと、時空制振神咒弾頭を亜空間の穴に撃ち込み空間の崩壊を一時的に食い止めた。
「皆急いで集まって!!」
その場にいた猟兵達が都留の周りに集まると、時空連続体の崩壊を利用して空間転移が開始された。猟兵たちの姿は一瞬で掻き消える。
次の瞬間、時空間の穴は崩落した。
◆◆◆
猟兵達が放り出されたのは、とあるメカニックガレージの前であった。
「ここは……」
「アークライト自治領ベガシティ郊外のメカニックガレージ……そう、今回の依頼を出したグリモア猟兵のお膝元さ。こっちの状況はキャッチできてるから、多分迎えに来てくれるはずさね」
「猟兵の管理する施設の敷地内なら誰も怪しまれないし言い訳も効くってわけかぁ」
リーゼロッテのとっさの判断に、零時は感心したように頷いた。
一方で都留は先程まで自分たちがいた「亜空間の穴」について考え込んでいる。
(過去の事件でそちら側に為るはずだった私は、加護を受けることでアドミラルコードより解放され、猟兵ヤドリガミとして存在している……。亜空間に隠蔽潜伏中の本体との高次生体リンクが切れたら、この身体も装備群も意味消失するはずなのに……今、私は無事にここにいる。あの亜空間の穴は何かが違うってことなのかしら)
疑問点はまだある。玉明、リーゼロッテ、フレスベルク、零時の手にした武装はそのまま手元に残っていたのだ。そもそも第一の猟兵の武器が何故書架の王の直属たる禁軍の手にあったのか、「助けを求める声」によって「第六の猟兵達」の前に現れたのには理由があるのか。そして、助けを求めるように促した「声」の正体は何なのか。
禁軍猟書家との戦いは終わり、多くの謎が残った。
大成功
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