2
銀河帝国攻略戦㉗~崩御の刻、来たれり

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #オブリビオン・フォーミュラ #銀河皇帝

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦
🔒
#オブリビオン・フォーミュラ
🔒
#銀河皇帝


0




●最終決戦開始
 その日、集まった猟兵たちを前に、水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)は目をつぶっていた。そして、ゆっくりと語りだす。
「ここまで……ほんと、よくここまで戦ってくれた。ありがとう、本当にありがとう」
 そして目を開けると、猟兵たちの方を向いた。
「ついに……銀河皇帝への道が開いた」
 長くもあり短くもあり、かつ、辛い戦いもあれば様々な冒険もあった。
 そう、そうした戦争も、ついに、終わらせる時が来たのだ。
「オブリビオン・フォーミュラ……銀河皇帝。彼を討滅すれば――次のフォーミュラが現れるまで、スペースシップワールドに、新たなオブリビオンの出現は無くなる」
 もしかしたらそれは一時の平和かもしれない。でも、それでも。この時のために、戦ってきたのだ。
 猟兵たちの眼は真剣そのもの。
 決戦に備え、武器を磨くもの。
 情報をちゃんと聞こうとメモを手放さないもの。
 緊張しながらこちらを見つめるもの。
 一人一人が、この決戦の重要さを理解し、ここに臨んでいた。
「今からみんなを――帝国旗艦『インペリウム』へと送り込む」
 息をのむ音がした。敵の本拠地での勝負だ――普通の依頼みたいに簡単に済むものではない。これはまさに、『決戦』なんだ、と――。
「もちろん――『超高難度依頼』と認定されている。でも、ここに集まったみんなに、今更逃げる気はない――でしょ?」
 無言。それは、肯定を意味しているとも取れた。
「それから、予知によると先制攻撃をしてくるみたい。対策は十分に取ってほしい」

 そこまで言うと、可奈は思い出すように空を見上げた。
「色んなことがあった――ヘロドトスの戦いから始まり、今日、ここに至るまでだけでも――私も何度もみんなを案内したし、色んなことがあった。」
 ある時はミディアを殺しに来る大軍勢を迎撃し。ある時にはコアマシンを破壊しようとする工作員を倒し。ある時には帝国の戦艦を迎撃し。ある時には帝国への裏切りを暴き、妨害を排除した。
 そうして『解放軍』を増やしていき、先へと進んでいった。
 カイザー・レイに転移して敵を倒し破壊し。宇宙バイク部隊『エンペライダーズ』を撃破し。防衛艦隊、突入戦、コアと進んでいった『エンペラーズマインド』。前線に出なかった再集結艦隊も撃破していき。ジャミング装置にトラウマを呼び起こされながら『ガルベリオン』を発見した。
 そうして、帝国の強者たちとの決戦に臨んだ。
 特攻部隊『白魔』に、決戦部隊『白城』。そしてそれを倒して出てきた、『白騎士』ディアブロ。音響洗脳型電子戦艦『クライングシェル』に音楽で立ち向かい、強制的に『真の姿』を出させた『アゴニーフェイス』、そしてその奥にいた『黒騎士』アンヘル。オロチウイルス抗体を作りつつ、アマルテア情報艦隊を攻略し、その奥に見えた『ドクター・オロチ』。
 そして――それらを統べる銀河皇帝。今、そこに手をかけようとしているのだ。

 ――可奈は再び猟兵たちを見た。
「さあ――決着をつけよう。みんなを、『解放』してあげよう」
 可奈はグリモアを取り出すと、祈るように呟く。
「グリモアよ、私たちと――解放軍を――希望へと、導いて」
 そして最後に、まるで猟兵たちを鼓舞するように。
「Alea jacta est(賽は投げられた)! 信じているからね、みんな!
 帝国の皇帝に――盛衰を! そして――」
 一つ区切ると、可奈は叫んだ。

「現在(いま)を生きる、生命ある者に――祝福を!」


結衣謙太郎
 結衣です。
 ついに……ここまで、来ましたね。
 銀河皇帝との、決戦依頼です。

 銀河皇帝は先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 さらに1つ。
 先制攻撃は『ユーベルコード1回につき1回』繰り出されます。よって、2つ以上のユーベルコード使用、あるいは1つのユーベルコードの複数回使用は推奨されません。それだけ先制攻撃が飛んできます。

 決戦依頼、といえばだいたい成功をイメージする方が多いでしょう。
 でも。
 どうなるかは。
 結衣にも、わかりません。
 猟兵の精鋭が集まっても、依頼失敗する可能性はあります。

 すべてを賭した、全力のプレイング――お待ちしています。
 結衣もそれに応えられるよう、この戦争の最終決戦という物語を――紡がせてもらいます。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
81




第1章 ボス戦 『『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー』

POW   :    マインド・クリエイション
【銀河皇帝を不老としている生命維持機能】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【白騎士と同性能の人型兵器『マインド』】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    フォース・インベイジョン
【銀河最強のサイキックエナジー】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【意志とユーベルコードを奪う洗脳念波】で攻撃する。
WIZ   :    ワープドライブ・ペネトレーション
【外宇宙から、知られざる『黒き槍の船』】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑14
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 帝国旗艦『インペリウム』。その中でも広めの、玉座のある部屋。
 銀河皇帝はそこにただ一人座っていた。否――さっきまでは一人じゃなかった。増援に来た配下がいた。だが、もはや自分が向かった方が手っ取り早い。無慈悲にも、銀河皇帝はこの場で、処刑するかのようにその配下をすべて、そう、すべて――吸収し、自らのエネルギーとした。
「――銀河帝国は、我一人から始まった――オブリビオン・フォーミュラとなり、この世界に蘇った時も、我は一人であった――銀河帝国が巨大になるにつれ、多くの配下が付き従うようになったが銀河帝国の本質は変わっていない」
 銀河皇帝は玉座から立ち上がると両腕に銀河最強のサイキックエナジーをためる。
「――我一人がいれば、それが銀河帝国なのだ」
 そしてインペリウムのすべてを掌握する銀河皇帝は、そこに入ってくる『異物』を感知した。
「――来るか。猟兵よ――」
 銀河皇帝の姿が、一瞬でかき消えた。
 一方、こちらはインペリウムの外、解放軍の船。
「まだ駄目なのか!?」
「はい、ワープができません……おそらく、銀河皇帝が封じているかと」
「……くそっ!」
 リーダー格の男が拳を叩きつける。
 彼らはその意志が塵芥となる前に、解放軍に合流できた船。猟兵たちに恩返しをしてやりたかったが――
「仮に我ら全員が全力で砲撃しても、インペリウムの破壊は1週間以上かかるか――くそっ!」
 最善は尽くしているが、どうなるかはわからない。まさに、インペリウムの中に侵攻が可能な猟兵にすべてを託すしかない状況に、歯がゆさを感じていた。
「ここまで来て――いいところを託すしかないのかよ――!」
 男の咆哮が、船内に響いた。しかし、これは仕方ないことなのだ。わかっている。わかっているんだ。だから――
「――しくじんじゃねえぞ」
 本心から、その言葉が出た。絶対、勝て、と――
フロッシュ・フェローチェス
漸く見えたね――皇帝。
同じユーベルコードがどうとか言って暴れて、ふざけた理由で居座る過去の異物……全力を持って潰すよ。

エナジーの方がまだマシだ。皇帝一人なんだからな。
視認している対象を襲うのなら、寧ろ離れてちゃだめだ、ダッシュで近寄り駆け回るよ……!
最強のサイキックエナジーだとしても、使うのは皇帝本人。
野生の勘を研ぎ澄ませろ。僅かな事でも情報収集し目線を見切り、フェイントにかけろ……!

残像が起きる速さで躱せ。逃げ足の妙を持って、ジャンプと衝撃波で自身を前方に吹き飛ばし、何が何でも回避するんだ――意志を強く保って……!

そしてコレは構えなくて良い。
一気に降り注げ【選択したUC】!



 帝国旗艦『インペリウム』。転送されたはいいが皇帝が現れなければ意味はない中、フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は駆け――いや、急停止した。そこは、大広間のような部屋。そこに、1つの声が響く。
「インペリウムにようこそ、猟兵よ――」
 フロッシュの目の前に現れた――『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー。
「漸く見えたね――皇帝。
 同じユーベルコードがどうとか言って暴れて、ふざけた理由で居座る過去の異物……全力を持って潰すよ」
「ふっ……異物とは、また随分だ」
 直後、フロッシュは前にジャンプする。コンマ数秒後。リスアットのサイキックエナジーがその場の床を焦がしていた。
(相手が視認している対象を襲うのならば)
 フロッシュはそのまま衝撃波でその身を前方に吹き飛ばし、得意の速度で犬のようにリスアットの周りを駆け回る。
(離れてはだめだ、勘を研ぎ澄ませろ、目線を見切れ、何が何でも回避するんだ――!)
 フロッシュは勘を研ぎ澄ませ、相手の視線、否、視界上に立たないように走り回る。
「ほう、よもや前にかわすとはな」
 この類のものをかわすとき、大体は後ろに跳ぶ。しかし、フロッシュはそれを前に跳び、むしろ近づいた。
 さらに、フロッシュは相手の視界に入ってしまうタイミングで、残像を生み出す。リスアットのサイキックエナジーが残像に向かい放たれ、もうそこにはいないフロッシュの代わりに床を焦がしていく。
 フロッシュは足を止めないまま、右眼から黒緑の焔塊を放つ。
「降り注げ獄炎――! 一気に降り注げ!」
 焔塊が破裂し、雨のように降り注ぐ。そのまま視界に入らないように体力を回復するため撤退する。

「広範囲攻撃か、なるほど――だが、甘い」
 リスアットはそれをものともしない。正直、広範囲攻撃の宿命、攻撃力の低さが出てしまっていた。それはリスアットに命中はするも、まるでダメージを受けているそぶりもない。
「我に攻撃を当てたことは認めよう――だが、このようなものは火傷にもならない」
 最初行ったようなワープを使わない辺り、リスアットももはやこの状況を楽しんでいるようにも見えた。その顔は、いまだ余裕だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユース・アルビトラートル
 まずWIZの対策からだね。発見しづらい……それについては仕方がないから、定期的にユーベルコードで無かったことにするのが理想だね。最初から無効なら、それに伴う影響も無効であるから、攻撃を受ける前、あるいは受けても意識があれば復帰可能さ。受けないのが理想だけど。

 そして戦闘そのものは、ユーベルコード以外攻防ともにアイテム【正義の剣】一本で。【勇気】や【戦闘知識】なら少しはあるし、【情報収集】で動きを洗練させていこう。

 小さくとも、この天秤は全ての過去が積み上げた正義。剣は全ての民の信頼が持たせてくれた業物。ボクはそれらを司り、あるべき未来へ導く。この重みと、皇帝の力。量らせてもらうよ!



「しかし黙って受け続ける我ではない」
 瞬間。リスアットの姿が消えた。
 消えた瞬間に立ち会ったユース・アルビトラートル(法の声の代弁者・f03058)はリスアットがどこに消えたか辺りを見渡す。すると。

 ユースの生死は絶望か――

 ――その時。不思議なことが起こった。
「馬鹿な……」
 激突前に脱出しインペリウムに戻ってきたリスアットが驚愕する。そこには、黒き槍の船もなければ、倒れているユースに傷もなく、ましてや壁など壊れていない。まるで、『最初からなかったかのように』。
 それは、行われた行為を『実行時点まで遡及して無効とする魔法』。即ち、ユースに向けられた黒き槍の船は『跡形もなく消え去る』。
 遡及的無効化魔法――ユースが放ったのはそれだ。突き破った後ならばいくら発見しにくかろうと、こちらを狙うのはわかっていたから、合わせて放てばいい。自分がたとえ貫かれ、轢かれ、倒れようと、それらすべては『なかったことになる』。
「……小さくとも、この天秤は全ての過去が積み上げた正義」
 ユースは右手に天秤を持ち。
「剣は全ての民の信頼が持たせてくれた業物」
 左手に剣を持つ。それはまさに、天秤と剣を持った、正義の女神『テミス』。
「ボクはそれらを司り、あるべき未来へ導く」
 ユースは剣を片手に皇帝に走り出す。
「この重みと、皇帝の力。量らせてもらうよ!」
 リスアットのサイキックエナジーが剣を作り出し、ユースと剣劇を交える。
 一撃、二撃、三撃。剣閃が交差する。

 ――だが。
「ふむ、今一つだな」
 一つ、溜めてからの力強い一閃にユースは後退させられてしまった。
「せめて工夫の1つでもあれば我にその刃は届いたであろうが――」
 リスアットは一つ、力を解放する。すると――

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アリア・ティアラリード
目前で召喚される『マインド』
これが皇帝の『不老性そのもの』なら今全力で排除すれば…

恐らく使ってくるであろうマインドの先制UCを
【武器受け・オーラ防御・激痛耐性・気合い】で耐えきると
【封印を解く・武器改造】UC発動!

【早業・第六感】で加速し【生命力吸収】で少しでも傷を回復しつつ
全長数百mに達する極大フォースセイバーから繰り出す
【二回攻撃・範囲攻撃・なぎ払い・衝撃波】の多重斬撃!

この間もマインドと皇帝の攻撃を【第六感・残像・ダッシュ】で躱し
慎重に、無闇に振り回さず着実に【見切り】決めて
勿論好機があれば2体纏めて斬りに!

消極的だろうと、一人では倒し切れずとも
…今ここにいるのは私一人ではないのだから!



 皇帝は己が装備の封印を解き、マインド――白騎士にも似た何か――を召喚する。
 アリア・ティアラリード(エトワールシュバリエ・f04271)はそれを目の前で見ながらフォースをため、攻撃準備。
 と、アリアが右に跳ぶ。次の瞬間には剣を振り下ろすマインドがアリアのいた場所にいた。
(……速い)
 自分の勘を頼りにフォースセイバーを構え、白騎士の次の攻撃を武器で受ける。
(……っ!)
 右を見ると、そこにはリスアットがサイキックエナジーの剣を手に斬りかかってくる。さすがにこれは受けるしかない。右肩から血が吹きあがり、激しい痛みが走る。
(負けない。ここで倒れるわけには)
 二つの攻撃を受けながらもフォースを吸収しせめてもの回復とする、が、徐々に押されてきている。
「随分消極的だな、猟兵よ」
 リスアットのその言葉は余裕の表れか。それを聞いたアリアの何かが切れた。
「ええ、そうね、私たちはときには消極的でしょう、でも」
 アリアは一歩引くと自分のすべてのフォースを極大フォースセイバー『クエーサー・ブロウ』に変化させる。
「消極的だろうと、一人では倒し切れずとも……今ここにいるのは私一人ではないのだから!」
 アリアは一気に薙ぎ払って衝撃波を放ち、一度リスアットとマインドに行動をキャンセルさせる。そして、一気にダッシュしていく。そこからの彼女はさっきまでとは違う。マインドとリスアットのコンビネーションを、今まで見た経験を活かして感覚と残像、そして見切りでかわしていく。さらにクエーサー・ブロウもむやみやたらではなく、相手の攻撃の隙間をぬって着実に振るっていく。

 好機。
「はあああああっ!」
 気合と共に放った渾身の薙ぎ払いが、マインドとリスアットの両方をとらえた。リスアットが左手で腹を押さえる。
「……まさかマインドのいる時に初めて有効打を喰らうとはな」
 リスアットは、初めて猟兵の自らへ与える危険性を感じた。そこに現れるのは――

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
先制攻撃は……即死さえ避けれればいいや。
何故ならば、オリュンポス腐海四天王、これは私が瀕死になることが条件のUCだからよ。
一撃で撃破される程の威力だというのなら、其れを逆手に取って私の出せる最大戦力を召喚するわ。
浸空師団、溶海師団、蝕陸師団の各師団員は戦闘に支障の無い数だけ召喚し、無限湧きするボスの取り巻きの如く補充して戦線を維持。3師団がそうそう溶けきらないと信じたい。
四天王はエナジーとリソースを早業の念動力で盗み攻撃&生命力吸収をして自身や配下のリソースに回し消耗を抑えるスタイル。
盗んだリソースが飽和しそうなら属性攻撃を纏った念動力をぶっぱして集中砲火を。



 現れたのはアリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)。この場には似つかわしくないようなネタの化身がエントリーした。が、マインドがアリスの胸を剣で突くように貫き、そのまま床に弾ませるように乱雑に扱うとリスアットが追撃にサイキックエナジーをぶつけて壁に激突させる。
 アリスはさながら壁にもたれかかるように座る人形のように動かなくなってしまった……普通ならここでシーンエンド、のはずである。

 普通なら。

『アリスがヤられたか』
 野太い声が一つ。
『だがヤツは我等四天王最弱』
 静かな声が一つ。
『とはいえ可愛い妹分がヤられたのは面白くないな』
 女の子っぽい声が1つ。
『『『死を以て購え』』』
 声と共にインペリウムに振動が走る。
「何……一度に、3つの場所から侵攻だと!?」
 部屋の天井を突き破り浸空師団が。
 床下から突き破るかのように溶海師団が。
 部屋のドアを突き破り堂々と蝕陸師団が。
 インペリウムのすべてを把握できるリスアットだからこそ、転移でもないのにこの同時侵攻に驚愕した。部屋が次々に存在で埋め尽くされていく。そしてリスアットの目に留まったのは中距離に位置する3体の存在――アリスの召喚した四天王。そう、彼らはアリスの瀕死に応じて召喚される。これが、狙いだったのだ――
「猟兵、小癪な」
 マインドが軍団に対応するも、まるでゲームの無限湧きのように増援が来てキリがない。
 リスアットは四天王の相手をすることにした、が、四天王もまた念動力でリスアットに攻撃していく。さすがに3方向から攻められて無傷でいられるはずもなく、リスアットの力が奪われては相手のリソースにされていく。
 と、ふと、3体が目配せをした。すると今までため込んだリソース(もともとリスアットの力だが)を一気にマインドとリスアットに集中砲火する。
「ぐうっ……」
 リスアットをかばうようにマインドが前に出てその集中砲火を受け止める。これに耐えきれるはずもなく、マインドは消えてしまった。
 しかしリスアットの姿はもうそこにはない。――マインドにかばわせたのにはもう1つの理由があった。

成功 🔵​🔵​🔴​


 一方、こちらは解放軍の船。
「任せて大丈夫なのか?」
 インペリウムの外、解放軍の1人がそうつぶやく。
「任せるしかない。我々にできることは少ない……事実」
 解放軍のもう1人が後ろの方を見る。
「彼らがいなければ、我々はあの鏡にやられてしまっていただろうから」
 カイザー・レイ。銀河帝国が用意した、エンペラーズマインドから照射されるエネルギーを反射し、艦艇を破壊する兵器。猟兵のおかげで破壊されたが、あれがまだあったらどうなってたことやら――
「我々は信じるしかできない……だから、祈るのだ」
 そうつぶやくと、両手を合わせ、祈るようにつぶやく。
「フォースの加護があらんことを――」
尾守・夜野
追跡?
どうでも良い

攻撃?
ヤバそうなのだけ【第六感】で察知し【庇い】、それ以外は無視する

【覚悟】を決めてればんなの痛くもねぇんだよ!【激痛耐性】

攻撃を喰らおうと関係ねぇな

握りしめた呪詛と死に満ちた触媒をばら蒔く

流石に少しの耐性だけでは己の腕でも死んでいくが…それを驚異と見て、この物だけが攻撃と見られりゃ幸いだな

避けるなり、払われるなりして被害がなけりゃこっちを嘗めるだろ?それもズタボロで他に何も出来そうにないと来れば

だが投げるだけの動作が出来れば他なんざどうでも良いんだよ!
俺は門で鍵であっても…
制御はしねぇんだからな!

墓場の呼び声が不吉を届けに来たぜ
喰らい尽くせ!
【騙し討ち、捨て身の一撃、呪詛】


マスター・カオス
フハハハ…我が名は、世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大幹部、マスターカオス!!

銀河皇帝よ!
グランドフォースの意志の元、再びフォースに還る時が来た!

味方との連携は、重視しつつ、時には利用し合い、敵の先制攻撃のUCでの隠密船に対して、念動力と気もならない細かい瓦礫等を利用した索敵網(攻撃や防御に使うように見せかける)を構築し、敵の動きや位置を可能な限り把握と回避し、念のために、防御面でもオーラ防御や盾受け等を利用する。何としても敵の先制攻撃を突破し、全力で反撃とする。この一戦に、全て使い切る覚悟を以って、全力魔法で【彼方ヨリ進軍セシ軍神ノ槍】を銀河皇帝に放つ

私は、この世界の未来を指さすのみだ!



 リスアットは再び『黒き槍の船』を呼び出し、そこに乗っていた。
「もはやあれを崩すにはこれしかあるまい」
 そう、このまま衝突させ、全員まとめて攻撃する気なのだ。
 一方、インペリウムの中ではマスター・カオス(秘密結社オリュンポスの大幹部・f00535)が喧騒とは離れた、音のする方へ向かう。すると自ら壁を壊し、念動力でその壁を細かい瓦礫にし、スペースデブリとして漂わせる。そう、これは索敵網だ。たとえ『黒き槍の船』がステルス性に優れていても、これでは見つかるのも時間の問題。

 やがて、索敵網を突き破るように大きな音がインペリウムに近づいてくる。
 これは――速い。そう感じたカオスは改めて音の方を向く。
 瞬間。黒き槍の船がその姿を現す――否、流星の如くカオスを突き刺し、轢こうとする――! 

「危ねえっ!」

 響く轟音。大きく傾くインペリウム。四天王と軍団たちが部屋からこぼれていく。カオスの生死はどうなったのか――

 ――受け止めていた。
 カオスではなく、尾守・夜野(墓守・f05352)が。この攻撃はまずいと第六感で察し、カオスをかばったのだ。
 カオスはオーラ防御をしながらフォースシールドによる盾受けで、夜野は両腕を盾にし、自分の激痛耐性でどうにか受けきる。この瞬間に、死んでもいい――二人とも、それくらいの覚悟で、黒き槍の船の突撃を正面から受けていた。

「ほう、受け止めたか」
 黒き槍の船から姿を現したリスアットが二人を見つめる。
「だが、その腕ではもはや何もできまい」
「へっ……」
 実際、夜野の両腕には無数の赤い線ができており、だらしなくぶら下がっているのみだ。中身もいかれてしまったのか。
「――墓場の呼び声が不吉を届けに来たぜ」
「何?」
「喰らい尽くせ!」
 声と共に夜野は握りこぶしを開きながら腕を振り子のように前に投げ出し、呪詛と死に満ちた触媒をばらまく。
「何だと……」
 リスアットは油断していた。この状況なら、攻撃はできないと思っていた。
 甘かった。夜野には、『投げる動作さえできれば』よかったのだ。夜野は門。夜野は鍵。――『制御装置ではない』。
 呪詛と触媒から召喚した黒妖犬が暴れる中、カオスもフォースをためて。
「フハハハ……我が名は、世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大幹部、マスターカオス!!
 銀河皇帝よ!グランドフォースの意志の元、再びフォースに還る時が来た!」
「それが何というのだ……我が名は、宇宙を統べる銀河帝国が皇帝、リスアット・スターゲイザー!
 マスターカオス……汝こそグランドフォースの意志の元、フォースに還る時が来たのだ」
「うむ、そうだ……だが、お前は『過去』の遺物でしかない」
「我からすれば、汝らこそ『現在(いま)』の異物でしかない」
「だろうな、だが――」
 カオスは自分の全力で、流星群を呼び出す。
「私は、この世界の未来を指さすのみだ!」
 夜野がその流星に合わせるようにもう一度、いや、何度も呪詛と触媒をばらまく。
 上からは流星。正面からは呪詛と黒妖犬。
 リスアットはこれは流石に分が悪いと、緊急離脱をする。途端に『黒き槍の船』は二つの攻撃にやられ爆発し、インペリウムに大きな穴があいた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

アルテミス・カリスト
「あなたが銀河帝国の皇帝……
この世界に争いを生み出すすべての元凶ですね!
あなただけは、この正義の騎士アルテミスが許しません!」

大剣を構えて銀河皇帝に対峙します。
事前の情報によれば、相手は先制攻撃を仕掛けてくるとのこと。

「ならば、こちらは後の先を取るまでです!」

カリスト流剣術の奥義、カウンター技を見せるときです!

精神を統一し、世界の平和を願いつつ全身から力を抜きます。
それはあたかも敵の前で無防備に立ち尽くしているように見えるでしょう。
ですが、これこそが無の境地!

銀河皇帝の攻撃を受け流し、大剣による一撃を叩き込んでみせましょう!

「この世界の人々の痛み、思い知ってくださいっ!」

全力のカウンターです!



 リスアットは一つの通路に現れた。あの部屋で戦う気にはさすがになれない。と、そこに立ちふさがるように1人の女騎士が。
「あなたが銀河帝国の皇帝……この世界に争いを生み出すすべての元凶ですね!
 あなただけは、この正義の騎士アルテミスが許しません!」
 アルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)だ。大剣を構え、精神を統一し、平和をこい願う。
「――我を前に動じぬ姿勢や良し」
 だが、どう見てもその姿は無防備。リスアットはサイキックエナジーをアルテミスに放つ。そしてそれはアルテミスにクリーンヒットする――

 ――アルテミスの鎧と、なぜか服が破れた。
 そしてその途端に、大剣を大きく振りかぶり――
「この世界の人々の痛み、思い知ってくださいっ!」
 リスアットに思いっきり、右肩から斜めに斬りつけた。これにはリスアットも対処が遅れ、リスアットに大きな傷がつく。
「馬鹿な、我が攻撃は先手を取り、汝に確かに入ったはず」
「ならば、こちらは後の先を取るまでです! これこそが無の境地! カリスト流剣術の奥義、カウンター技です!」
 アルテミスは剣先をリスアットに向けながら話すが、大事なところが出てしまっていていまいちシリアス感が出ない。
「構いません! この世界の人々のことを考えれば――この程度は、恥ずかしさに入りません!」
 アルテミスは再びリスアットに斬りかかり、リスアットがサイキックエナジーでそれを受け流す。
 そんな中――

成功 🔵​🔵​🔴​

六道・紫音
相棒にして恋人のルビィ(f01944)と共闘

・対先制攻撃
敵は難敵、UCで正面から戦えば勝機は薄い
ゆえに俺はルビィの策と、地力による支援を行う
皇帝からは意味不明な行為に見えるようさり気なく、或いは先制の一撃が来たら『第六感』と『見切り』で見極めて紙一重で回避し素早く『カウンター』で、ルビィの策の為に全ての照明を『属性攻撃』で電気を流し一気に破壊
「銀河皇帝…届かせてもらうぞ!」

・攻勢
真っ暗な闇の中、『第六感』で皇帝の気配を探り『ダッシュ』で素早く距離を詰め、『鎧無視効果』で弱点を狙い『怪力』を発揮して膂力を高め『捨て身の一撃』により全神経を攻撃に集中し『早業』で極限まで剣速を早めた一刀を叩き込む


ルビィ・リオネッタ
相棒にして恋人の六道紫音(f01807)と行動

・対UC
シオンの服に【目立たない】よう隠れて潜入

【暗殺】者は暗闇が心地いいの
皇帝は艦内は掌握してても【暗視】はできるかしら?
真っ暗闇の中で敵のUC条件『視認』されないように【ダッシュ・空中戦】で飛び出すわ
【暗視・聞き耳】で皇帝を捕捉
【早業・暗殺】の【目潰し・毒使い】で『唐辛子&胡椒パウダー』を皇帝の目にぶちまける!

・反撃
視力が回復する前に『辻風斬り』の手数で攻める
敵の攻撃は【見切り・残像】で避け、【早業・2回攻撃・鎧無視攻撃】で加速して斬り続けるわ
強敵だもの、アタシの攻撃力だけじゃ足りないかもしれない

でも…
「1人じゃない。だから強くいられるの!」



 六道・紫音(剣聖・f01807)が戦っているところの脇からずっこけるように高所に上っていく。
「……無駄なことを……」
 リスアットが一瞬紫音の方に目を向けたかと思えばサイキックエナジーを放つ。紫音はそれを見極め、紙一重でかわす。そして。

「銀河皇帝…届かせてもらうぞ!」

 紫音は剣から天井近くに電気を放ち、次の瞬間。
 通路のすべての電灯がパリンパリンと軽快な音と共に破壊され、通路は途端に真っ暗になった。

「なっ……くっ、これでは、目が……」
 把握はできる。把握はできる。だが。これではサイキックエナジーを放つことができない。視認ができないからだ。
 と、そこで紫音の服の中から蹴り上がるように飛び出した妖精が。ルビィ・リオネッタ(小さな暗殺蝶・f01944)だ。
「くっ、どこだ……」
 そうつぶやくリスアットの声を聴き、自らも暗視で確認すると、その目に『唐辛子&胡椒パウダー』をぶちまける!
「ぐっ、ぐおおおおお! なんだこれは!? わ、我が目が! 目がぁぁぁ!」
 コメディになってしまったと思う人もいるかもしれない。しかしこれも彼女の立派な暗殺術。彼女の『妖精のいたずら』だ。事実、立派にリスアットの眼をつぶせている。
 好機、と言わんばかりに視力が回復する前にルビィは風の精霊の加護を受け、真空の刃をまとわせた獲物で手数攻めする。当たるたびに精霊の加護は増えていき、素早い剣閃のごとき真空の刃がリスアットを襲う。
 だが、いかんせん攻撃力が足りない。それでもなお彼女が強気な理由。それは。
「1人じゃない。だから強くいられるの!」
「ああ」
 声と共にリスアットに紫音が斬りかかる。暗闇の中、第六感だけで気配を探り、素早く近づく。そしてアルテミスがつけた傷を巻き込むように力と剣の速さを高めた一刀を何度も叩きこむ。
 二人は相棒にして恋人。たとえ一人では力不足でも、二人なら乗り越えられるのを知っている。
 リスアットが視力が回復せず苦しむ中、痛みの方向をもとにサイキックエナジーで攻撃し続ける。しかし二人はそれを第六感でよけ続けながら、持ち前の早業で攻撃する。二人の攻撃が重なり合うこともなければフレンドリーファイアすることもない、完璧な連携であった。
「私は、大きい生き物なんかに弄ばされるように負けたくないの! シオン!」
「ああ。期待には応える、ルビィ。この太刀に斬れぬモノ無し」
 今一度、二人の刃が交差する。その攻撃は、左腕で睨んでいる目を押さえるリスアットを、確実に後退させることに成功していた。
「くっ、汝ら……!」
 ようやく視力の回復したリスアットは、後退させられた勢いのまま、電気の破壊されていない別の通路へと逃げ込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


 一方。
「この希望なき世界――か」
 解放軍の船、一人の科学者がタロットカードを片手につぶやく。彼は猟兵たちに救われた科学者のうちの一人。その中でも、中央コンピューターにタロットカードの(引っ掛けることを想定させたとも言えなくもない意地悪な)謎で縛られていた科学者。
 彼女は呟く。
「皇帝が死神――恋人は悪魔。そして正義は――審判」
 タロットカードをきり、六芒星のように並べると彼女は呟いた。
「私はこんな非科学的なことを信じる性分じゃないけれど――」
 銀河皇帝が死神、正義――解放軍が、審判、そして希望ないと言えなくもないこのスペースシップワールドを考えると。
「――当たらずとも遠からずなのよね――っと。」
 そうしてできた六芒星。中心には1つのカード。ヘキサグラムとも呼ばれる、タロットカードの基本的な使い方の1つ。解釈は様々だが、大体において共通していることが1つ――中心のカードは、最終結果を表すもの。
 科学者が中心のカードを開くと――
「――私たち、そして彼らの未来は明るいわ」
 そこにあったのは――『世界』の正位置だった。
バル・マスケレード
俺が洗脳波に意思を奪われそうなら
宿主が俺に、仮面を刃で傷つける
宿主の意思が持ってかれそうなら
俺がその肉体を強引に動かして、刃を突き立てる
痛みで無理矢理、意思を引っぱり戻す
俺じゃなく〝俺達〟だから取れる手段。

次いでマントを脱ぎ捨て、シーブズ・ギャンビットの予備動作
――だがユーベルコードは、端から囮だ。
奪わせることに、敵の意識を割かせる。

本命は【ロープワーク】技術で『久遠の〝棘〟』を伸ばし
【地形を利用】して巻きつけ、引き戻しての接近攻撃
肉薄に成功したら短剣を用いた【2回攻撃】で少しでも手傷を終わす
近づけなけりゃ【投擲】してでも無理矢理当てる。

銀河最強が何だ。
――テメエの銀河に、俺達はいねェんだよ!



「猟兵よ、まさかこれほどとは」
 別の通路に逃げ込みながらリスアットは振り向く。それを見たバル・マスケレード(エンドブリンガー・f10010)。すぐに近くの電灯に久遠の〝棘〟を伸ばし、そのまま蔦を使うように自在に電灯から電灯へ飛び移り、近づいていく。同時にマントを脱いでリスアットに投げつけ、相手の囮とする――

「そのような囮に気づかぬと思ったか」
 リスアットは『本命』を見抜いていた。マントが投げられるや否やサイキックエナジーを放てば仮面に命中し、バルがリスアットの近くで落ちる。
 落ちる堕ちるオチル――自分の意思が消えていく感覚。それに勇士が仮面を刃で傷つける。それを見ながらリスアットが今度は勇士の方を傷つければ、仮面が肉体を強引に動かし刃を突き立てる。
 激痛には変わりはない。だが。それをもって、意思を取り戻そう、洗脳から回復しようとする行為。痛みで洗脳を解こうとするのは昔からの常とう手段だ。そしてこれは、「2つで1つ」だからこそ取れる手段。ヒーローマスクの強み。
「銀河最強が何だ――テメエの銀河に、俺達はいねェんだよ!」
「案ずるな。我が銀河にも、汝らのような異物はすぐにいなくなる」
「ああ、その絶望に終焉がないのなら――敗残した過去が縋らんとする、その〝希望〟をこそ踏み躙り、未来を救う! なぜならば――俺たちは、《終焉を齎す者》だから! リスアット・スターゲイザー、その終焉(エンディング)、覆させてもらう!」
 バルがもはや気合とでもいうかのように少しでもリスアットに傷をつけようとする。だがそれもわずかな間。リスアットがバルを吹き飛ばし、距離を遠ざける。だが、バルは最後に短剣をリスアットに投げつけた。リスアットはそれをはじくが、その瞬間――

苦戦 🔵​🔴​🔴​

四王天・燦
非道への怒りと、微かな感謝で臨む。
この世界の縁はコイツから始まったんだし

目立たないよう接近、残像も交え少しでも視認を妨げる。
ポケットに撒菱を仕込み意志が挫け倒れても痛みで覚醒を促すぜ。
如何に被害を軽微にするか、立ち上がるかを重視。
守ってきた艦と人々、繋がれた縁を心に浮かべ反撃に繋げる

武器はアークウィンドただ一本。
防具も肌を隠す服だけ。
残像を囮のフェイントに使い、ダッシュで詰めて己の最軽量状態から撃つシーブズ・ギャンビットでブッ刺す!
風の属性攻撃、風の衝撃波、風圧による傷口抉りを追加。
決まった後、及びユーベルコード簒奪時は、ユーベルコード非使用で滅多刺し

「骸の海に還る時だ。妄執から解放されろ!」



 目立たないよう接近していた四王天・燦(月夜の翼・f04448)が残像を交えながらリスアットに接近していた。
「銀河皇帝、今までよくもこの世界の存在を苦しませてくれたな――だが、少しだけ感謝してるぜ。それがなければ、この世界と縁はなかったんだからな。だが――」
 燦はフェイントをかけ、残像を残す。
「ここで、終わりにするっ!」
 リスアットは余裕の表情でそれにサイキックエナジーを放つ。もちろん囮だ。残像だ。本体は肌を隠す服にアークウィンドだけという軽量状態でダッシュし、風の力を籠めて思いっきりブッ刺そうとする――

「もう残像には騙されぬ」
 燦の方に素早く目を向けるとサイキックエナジーが放たれる。果たしてそれは燦に命中し、倒れてしまう。
「諦めよ。汝ら猟兵はよくやった――が、最後に勝つのはこの『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザーだ」

(くそっ……こんなとこで……)
 燦は念のために持ってきていた撒菱を震える手でポケットから出し、思いっきり自分に――
「ぐ、あ、あああぁぁぁーー!!」
 洗脳に負けない痛み。たとえ一瞬でもいい、ユーベルコードが奪われたっていい。守ってきた艦、人々、繋がれた縁――それがあるから、負けられないのだ。
 燦は再び立ち上がり、リスアットを見つめる。再び獲物に風の力が宿る。
「知るかよ……アタシたちは諦めない。今までも、そしてこれからもだ」
 そして一気にリスアットに肉薄し――
「骸の海に還る時だ。妄執から解放されろ!」
 一気にリスアットをめった刺しにする。一つ一つが、風圧と風の衝撃波により、重い一撃となる中、リスアットはただ笑っていた。
「妄執、か……猟兵よ、汝らが常に正義だ、我らが常に還るべき存在だというほうが、あるいは妄執かもしれぬな」
 言いながらもリスアットはサイキックエナジーを飛ばす。燦にそれが迫る中――

苦戦 🔵​🔴​🔴​

朧・紅
表人格のお嬢様が《紅》
裏人格の殺人鬼が《朧》

にゃは。コワイ顔なのです。知ってるですか?僕は一人ではないのです。

正面から【紅朧月】使用
攻撃を「紅」がすべて受ける

「紅」の意思とユーベルコードを奪われた瞬間にスイッチ

俺たちを倒してぇなら…もう一人テメェを連れてくるんだナぁ!

紅の発動した【紅朧月】を引き継ぎ展開
すべてのギロチン刃に自らの血を注ぎ蛇のように自在に操る
【ロープワーク】で巧みに相手の行動を阻害し
時にギロチン刃で攻撃を【武器受け】
隙あらば四方から刃を突き立てる
その姿は紅く咲き誇る曼珠沙華のごとく血の花を咲かせる

さァ、もっと遊ぼうゼェ?



アドリブ連携歓迎


犬憑・転助
俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さだって嗅ぎ分ける
敵の攻撃の着弾点を超嗅覚で嗅ぎわけ仲間に回避位置を指示

俺への先制攻撃は、フォース・インベイジョン……か
皇帝に視認される(キナ臭い)場所を超嗅覚でかぎ分け、それ以外の場所から場所へ跳び回る。視認されなきゃその技での先制攻撃は不可能だろう?

さらに敵の弱点を超嗅覚で嗅ぎ分け、そこを狙うよう皆に指示。自分がやられても弱点だけは仲間に知らせてから落ちる。

強ぇな、さすが皇帝だ
だが俺は侍でね
侍の強さは技術や単純な力だけじゃねーんだぜ?
死んでも倒す、その信念を持つのが、侍だ!

サムライに斬れないものは、ないんだぜ?

苦労人ポジOK、アドリブ歓迎、他PCと絡み希望



「危ねえっ!」
 犬憑・転助(孤狼の侍・f06830)が燦を突き飛ばし、間一髪で燦にサイキックエナジーが当たることはなかった。そのまま転助は皇帝に視認される場所から離れるように素早く物陰へと跳ぶ。――それらの芸当ができたのは、転助のユーベルコード、超嗅覚のおかげだ。どちらかと言えばキナ臭さという直感的なものではあるが、それでもその嗅覚は確かにリスアットの死角を捕えていた。
「ふむ」
 しかしリスアットもサイキックエナジーを放ち物陰を作っていた障害物を破壊する。隠れている転助が視野に入るや否や転助は別の安全地帯へと移る。

 ――そしてもう一人、燦の次にリスアットに向き合った存在が。
「にゃは。コワイ顔なのです。知ってるですか?僕は一人ではないのです」
 朧・紅(朧と紅・f01176)だ。正面に向き合うとギロチン刃を大量に複製し、それがバラバラに飛んでいく――

(――だめだ! その位置は――!)
 転助は声を上げようとする。だが。それよりも早く、リスアットのサイキックエナジーは紅を捕えていた。
「あ、ああ、うがぁぁ……」
 飛び交うギロチン刃が床へと落ちていく。乾いた音が響く。
 ――今まででも、あえて攻撃を受けるというやり方をした猟兵は多かったが、それらは防御をしっかりしたからこそのものだった。紅の場合は激痛耐性こそあるものの、防御ができていたわけではなく、崩れ落ちる。

 ――『紅』は。
「……はは」
 笑みが浮かぶ。
「何がおかしい」
「ああ……てめぇ、これで俺たちを『奪った』気になっているだろう」
 複製元である1つのギロチン刃を手に、ゆっくり立ち上がる。その姿はまるでゾンビのように。
「俺たちを倒してぇなら……もう一人テメェを連れてくるんだナぁ!」
 踏み切り。自分のギロチン刃に血を注ぎ、リスアットに駆けだす。
「無謀なことを……」
 朧はユーベルコードを使えない。それはリスアットに奪われてしまった。当初は紅が発動しているから引き継いで発動できるかと思っていたが、さすがは銀河皇帝、そうは問屋が卸さない。床に落ちたギロチン刃が再び宙に浮かぶ。これらを操るのは、そう、リスアットだ。向かってくるギロチン刃を時に避け、時に自分のギロチン刃で受ける。だが。

(危ないな、このままでは)
 上の方のキナ臭くない場所で目立たないようにしていた転助が苦い顔をする。リスアットのサイキックエナジーが今度朧に当たれば、それでしまいだ。
「……行くか」
 転助は刀を構えると上から乱入するように朧の傍に降り立ち、飛び交うギロチン刃を次々に斬っていく。
「あいにく、サムライに斬れないものは、ないんだぜ?」
「おお、てめぇは……なんだっけ、コロ助?」
「誰がコロ助だ!転助だ、転助!」
「あはは、わりぃわりぃ。でもいいじゃねえか――コロスケ、『殺す』が入ってるからよ」
 朧は今一度リスアットに正面から向き合う。
「さァ、もっと遊ぼうゼェ?」

「足掻くか」
 リスアットがサイキックエナジーを放ち、それに交わるかのようにギロチン刃が飛び交う。そのギロチン刃を転助は斬り落とし、朧に指示を出す。
「上だ!そこの足場に飛び乗れ!」
「ほいよっと」
 サイキックエナジーが朧のいた場所に当たり、床を焦がす。転助自らも左へ跳び、ギロチン刃をまた1つ落とす。
「ほう……」
 リスアットも感心する中、転助はリスアットに接近を図る。だが、それが一瞬の隙となった。
「これまではわかるまい」
 リスアットがサイキックエナジーを放ったのは的外れな方向。朧も気づかない。だが。転助にはどういうことか、わかってしまった。――ワンテンポ遅れて。
「上だ! 上から落ちるぞ!」
「は? 上から何が――」
 朧の上から降ってきたのは――破壊されたインペリウムの一部。瓦礫が落ちてきた。そう、サイキックエナジーが飛ぶ場所のキナ臭さはわかれど、この搦め手はわかるまい。ましてや、自分の船を壊すなど――
 朧は気づくのが遅れ、瓦礫の下敷きになる。それを見た転助はせめて自分だけでもと再びリスアットの懐に飛び込む。
(弱点は――そこか!)
 転助は皆がつけてくれた傷跡を狙い斬りかかる。が、そこにカウンターするようにサイキックエナジーの刃が零距離で放たれる。見事なカウンターヒットに転助は膝をつく。
「強ぇな、さすが皇帝だ――だが俺は侍でね。
 侍の強さは技術や単純な力だけじゃねーんだぜ?」
「ほう、ならば何を強さとなす」
 そのリスアットの問いかけに、転助は叫ぶ。
「死んでも倒す、その信念を持つのが、侍だ!」
 そしてまるで他の猟兵に呼びかけるように。
「傷跡と――首を狙え! そこがこいつの弱点だ――!」
 そう言い残しその場に倒れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リューイン・ランサード
思わずちびってしまいそうな強敵と戦う事に
なってしまいました・・・何故<泣>。
でも、この人を倒さないと戦争は終わらない筈なので、
ガタガタ震えながらも【勇気】をもって立ち向かう。

銀河皇帝の先制攻撃ワープドライブ・ペネトレーションで
を受けるのは覚悟の上。
追跡されて不利になるとしても、即座に戦闘不能になる訳
では無い、筈。

それに対して【カウンター】によるUC:七星七縛符で
銀河皇帝のUCを封印。
(ここで寿命を惜しんで殺されたら意味が無い!)

その上で更なる【カウンター】でUC:スターランサーに
【光の属性攻撃】【範囲攻撃】【全力魔法】を付与、
【第六感】で「黒き槍の船」ごと銀河皇帝を倒すまで
撃ち続ける!



 リスアットも弱点が知られた今、このままではまずいかと再び姿を消し、『黒き槍の船』に移る。そのままインペリウムに向かう中、新しくインペリウムに現れたのはリューイン・ランサード(今はまだ何者でもない・f13950)。だが、手が震えている。彼は武人の家系に生まれたのだが、かなりのヘタレである。それでも、戦争の終結という目標に向け、彼もまた1人の猟兵として勇気を持ち、立ち向かおうとしていた。
(勝負はあれを受けてから――! 即、戦闘不能になるわけではないはず――!)

 ――だが。
 ――その甘さは、死に直結する。
 インペリウムに黒き槍の船が刺さり、船が大きく揺れる。リューインが壁に投げ出される中、黒き槍の船が零距離でエナジーを放ちながらリューインを串刺しに――した。

 今まで、この黒き槍の船に耐えようとした猟兵は確かにいた。しかしそれは、綿密な作戦の成果によるもの。ユースは自分の「なかったことにする力」を活用できるよう、自分が放てる瞬間までおびき寄せた。夜野は自分の腕を犠牲にし、激痛耐性による受けでカバーしながらカオスと共に攻撃し、船を破壊しに行った。
 だが。リューインには何もない。耐性も、防御も、回避もないまま、勇気だけで受け止めようとしていたのだ。
 それはあまりに無謀無策。それだけでどうにかなるほど甘くはない。根性論、精神論、楽観視。それは等しく銀河皇帝には通用しない。それだけでどうにかなる世界ではない。

「ぐっ――」
 リューインは薄れゆく意識の中、符術で黒き槍の船の召喚を封印。寿命をコストにするものだが、ここで寿命を惜しんで殺されては意味がない。
「まだだ、天空の光よ、我が元に来りて――」
「遅い」
 串刺しにされたリューインに黒き槍の船からのリスアットの追撃が迫る。それはあえて船を爆破すること。すでにリューインは戦闘をする体力はないように見え、かつ激突させた以上この黒き槍の船にもう用はない。リスアットは緊急離脱し、黒き槍の船を爆破する。串刺しになった船の部分もろとも爆破を喰らい、地に倒れ伏すリューイン。その首をリスアットは掴み、言い放つ。
「覚えておけ。真に強き者は、一つの技で確実に仕留める」
 そのまま投げ出すように放り投げた。宇宙に落とさなかったのはせめてもの慈悲か。

失敗 🔴​🔴​🔴​


「信じましょう、奇跡を」
 古代遺跡船の研究施設にて、インペリウム最終決戦が始まったという一報を受けた科学者たち。不安げな気持ちの存在もいた中、一人の科学者がそう言った。
「私たちによるオロチウイルスの抗体は、猟兵さんの皆さんの協力なしでは決してできませんでした」
「そうだ、あんなにたくさんの被検体を用意してくれたり――」
「あの分析は最高だった、ぜひ私たちと共に研究員になってほしい――」
「――でしたら」

「生還を、信じましょう。猟兵の皆さんなら、きっと銀河皇帝を倒し、戻ってくるはずです」
 相手が銀河皇帝では、いくら猟兵でも、と考える存在も少なくない中、こう付け足した。
「これは『奇跡』です。私たちには奇跡の加護がついているんです。
 ――だからせめて」

 祈りましょう、と。
 私たちが今できるのはそれくらいです、と。
 その科学者は言う。

 その言葉に、1人、また1人と各々の形で願うものが出てくる。
 ――願うのは自由だ。今の自分たちにとっては、むしろ救いかもしれない。この戦争でここまで持ち込めたこと自体が奇跡なのだ。
 だから、願い続ける。適度に願い、適度に行動する。そうすればきっと、奇跡はまた起きる。そう――信じるのだ。

 ――奇跡を、もしも起こせるのなら。
 今度は、自分たちの祈りで猟兵たちに起こしてあげる番だ。
 この場の全員が、その想いで一致した。
レクシア・ノーレッド
……私は隙を突きにかかるしかない。
一人じゃどうにもできないし、届かないだろう。

【POW/口調:真剣】

味方の陰に潜むように体を変形させ、潜伏する。視認されないよう、しっかりと形を合わせるように注意を払う。
そして一瞬の隙でもいい、それを「見切って」、「捨て身」の【選択UC】と【侵食/捕食】で勝負をかける。
皇帝に届かないようなら白騎士モドキでもいい。相手の戦闘能力を奪う、それに専念する。
……反撃を喰らったら引くしかない。けど、もし辛うじてでも動けるなら、引き際に味方を「かばう」。
…視認させないには、私が壁のように変形すればいいだろう?

アドリブ、共闘歓迎



 リューインの陰に潜むように体を変形させて潜伏していたレクシア・ノーレッド(『侵喰者』・f01101)。そしてリューインが投げ出されたそのタイミング。そこを隙と見て、薬で増幅した魔力を使い高圧電力を纏い、無詠唱で雷魔法を放とうとする――が。
「ぐっ……!?」
 その作戦は、高圧電力を纏った時点でマインドが放った槍に阻まれた。ならば、と先ほどの言葉はリスアットだけのものと考え、戦闘力を奪おうと同じ作戦をマインドに放とうとする、が。初撃の雷魔法すらなかなかマインドに当たらない。それどころか、マインドに押されてきている。数撃つ中、ようやく1つ当たり、一気に身体の形を変えて捕食にかかる――が。マインドはそれが狙いだったかのようにレクシアの体を突き、斬り、撃つ。
「くっ……」
 レクシアが右手を床に突く。そこにリスアットの声が響く。
「我がマインドならば2つの技が通じると思ったか。甘い。猟兵よ、マインドは我が一部。我が生命維持装置であり、我と共に歩んできた――否、我が一部。そこに我でないから可能など、ない」
(ちっ――思うように戦闘力は奪えない、か)
 レクシアは最後の力を振り絞り、壁のように変形し、味方の壁になろうとする。
 そして、そこに来た味方は――
「無駄だ。銀河最強の男を前に半端な防御は無意味」
 レクシアの壁の脇から現れそう言った男は――

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アシェラ・ヘリオース
皇帝の覚悟を体現したが如き『マインド』。
それを前に小細工は無意味だ。

言葉は不要。
覚悟の眼差しだけが、かっての主への礼儀作法と心得る。
赤光の剣を構え、弓を引く様に刺突の構えを取る。

先制の一撃が来る。
銀河最強の男の攻撃を前に半端な防御は無意味。
念動力、オーラ防御、串刺し、戦闘知識、そして鼓舞。
全ての技能を動員し、初撃を凌ぐ。
赤光の剣は砕かれ、握る腕は消し飛び、半身も砕け、フォースを使い尽すだろう。
それでもなお、無意味に死ぬかもしれない。
銀河皇帝とはそれ程の存在だ。

だからこそ忠義に価した。
だからこそ夢の終わりを告げねばならない。

もし指先程の力が残っていれば。
祈りと共に引き金を引こう。

【アドリブ歓迎】



「皇帝の覚悟を体現したが如き『マインド』。それを前に小細工は無意味だ」
 アシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)。かつて、銀河帝国の騎士として前銀河大戦では皇帝の下、解放軍と幾度も死闘を繰り広げたという。
「……ヘリオース卿か。『猟兵』として、我の前に立つとはな」
「……ええ。私こそ、このようなことになるとは思いませんでした」
 それ以上は喋らず。覚悟のまなざしでかつての主を見る。アシェラは赤光の剣を腕を上げるように持ち、弓を引くように刺突の構え。マインドが来る――
「――ふっ」
 マインドとリスアットの攻撃。それを己がフォースで防御し、その戦闘知識でマインドの槍を剣で受け、串刺しにするようにマインドを刺し、リスアットの攻撃が底に横入りすれば腕でそれを防ぐ。時にレクシアがなった壁をも利用し、今までの自分を総動員するように戦う――それが、騎士としての礼儀。かつての主に対する礼儀だ。
 ――かれこれどれくらいの時間がたったか。数時間は立ったかもしれないし、もしくは一瞬だったかもしれない。先に倒れたのは、マインドの方だった。アシェラの剣が、マインドに致命傷を与え、マインドが倒れる。
「――見事だ。腕は鈍っておらぬようで何より」
「――陛下」
 剣を下し、リスアットをじっと見つめるアシェラ。
「――もう、おやめください。その傷で、マインドも、生命維持機能も破壊され、そのうえでこれ以上戦うなど――」
「否――ヘリオース卿よ」
 リスアットはなおも戦う姿勢を崩さない。猟兵たちがつけた傷が痛々しく残っている。だが。
「だからこそ、戦うのだ」
 なおもリスアットは戦闘態勢を崩さない。
「それが我らの――『在り方』だからだ」
 アシェラは無言で再び剣を構える、それを見て、リスアットは一つ頷いた。
「それでよい
 では――」

「最後の『模擬戦』――『戦闘訓練』を、始めよう」

 アシェラは自分の全力をもってリスアットに立ち向かう。
 マインドとの戦いで疲れている中、連戦。それは常人には到底考えつかないようなことだろう。数分もたたないうちにアシェラの剣は砕け、左腕は消しとび、右腕はただぶら下がるだけのものとなり、半身は赤い液体を垂れ流し、フォースは使い尽くす。

 ああ、やはり強い。
 銀河皇帝とはそれ程の存在だ。
 だからこそ忠義に価した。

 だからこそ――夢の終わりを告げねばならない。
 右腕に残るわずかな力。それを弾丸に籠め――
「――はあああっ!」
 一発。
 銃声と共に――リスアットの首に当たる。それは、転助が弱点と言った場所。
「――見事」
 ユーベルコードの効果が、リスアットを燃やしていく。
「――陛下」
「何ぞ、ヘリオース卿」
 その言葉に一拍置いて、アシェラは跪き、頭を垂れる。
「――お世話になりました」
「ふっ――」
 リスアットは一つ、笑う。
「――誇れ。『味方としても、敵としても』我が認めた騎士は――卿くらいだ、ヘリオース卿」
 葬送の炎に交じり金色の光があふれだす。
「――最後の命令だ」

「亡国の猟兵と堕ちようと――誇りを忘れるな」
 アシェラはその言葉に、ただ倒すべきかつての主を前に、涙するしかなかった。
「勿体なきお言葉です――リスアット・スターゲイザー陛下」
 その言葉が届くか否かの間――光と炎と共に、皇帝の姿は薄れていき、やがて――消えていった。

 一つの戦いは終わった。
 それはこの世界にとってはほんの一時の平和なのかもしれない。
 だが。それを信じて猟兵たちは戦ってきた。
 やがてこの宇宙にも泰平の世は訪れるのだろう。何世代先になるかはわからないが――いつの日か、きっと。

●其は
 ――スペースシップワールドの歴史を紐解く時、どうしても触れなければならない言葉がある。
 それは銀河帝国により長く苦戦をさせられていた存在達が、解放を求め願っていた存在。帰る星を失っても、戦いを続けた結果、希望として現れた『奇跡』。――流出した過去である銀河帝国を滅ぼし、不確かな未来のために現在(いま)を共に戦い抜いた存在。

 ――その名は、猟兵(イェーガー)。
 世界に選ばれし、伝説の解放軍の再来と呼ばれしもの達。
 彼らはこれからも、戦っていくのだろう。不確かだけど、希望ある未来のために。

苦戦 🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト