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銀河帝国攻略戦㉗~皇帝、輝く者

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #オブリビオン・フォーミュラ #銀河皇帝

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●グリモアベース
「……ついにこの時が来ました」
 神妙な面持ちをしながら、アンノット・リアルハートは猟兵達の顔を見回す。その顔は並々ならぬ決意に溢れていた。
「長きに渡る戦争も、ついに最後の局面を迎えました。私達に課せられた最後の任務は、銀河皇帝リスアット・スターゲイザーの撃破です!」
 猟兵達の活躍もあり、ついに銀河帝国の守りは破られた。長らく銀河を恐怖で支配していた絶対皇帝に、今こそ牙を突き立てる時だ。
 しかし圧倒的戦力を持つ銀河帝国を束ねる皇帝もまた、圧倒的な実力を持つ一人の戦士である。そう簡単に倒せる相手ではない。それに加えて皇帝は増援に来た配下達を吸収して自らの力と変えている、これは自らより弱い部下など必要ないという意思表示であると同時に猟兵に対して本気を出したということに他ならない。
「これまでに戦ってきた強敵達と同じく、銀河皇帝もまた猟兵達より先に動きます。その方法は転移による奇襲攻撃。戦闘の際は正面から打ち合うのではなく、いかに攻撃を防いでいる反撃の糸口を探るかが重要ね」
 銀河皇帝の使用するユーベルコードは以下の三つ。
 マインド・クリエイション。自らの装備している生命維持装置を白騎士と同性能の人型兵器『マインド』に変化させるユーベルコード。記憶に新しい強敵白騎士と同性能の増援が召喚され、生命維持装置を無くしても皇帝の戦闘能力に変わりはない。唯一皇帝の不老という特性が消滅するが、戦闘において即座に影響させるのは難しい。
 フォース・インベイジョン。銀河最強のサイキックエナジーから放たれる、意志とユーベルコードを奪う洗脳念波によって敵を無力化するユーベルコード。これの直撃を喰らえば連携は崩され、最悪同士討ちに発展する恐れもある。これまで仲間との協力によって様々な困難を突破してきた猟兵達にとっては最も厄介な攻撃と言えるだろう。
 ワープドライブ・ペネトレーション。詳細不明、かろうじてわかるのはそれが特殊な戦艦による突進攻撃であるということ。つまりは巨大な戦艦がその圧倒的な質量を持って突撃し、猟兵を押しつぶす単純ゆえに隙のない物理攻撃。なお皇帝は周囲の被害を考えるということはしない、それこそ戦闘の余波が自陣にどれだけ被害を出そうが戦闘を継続するだろう。
「ここ一番の大勝負、絶対に勝ちましょう。……ただし、自分の命だけは何があっても守ること、いいわね?」

●インペリアル
 銀河帝国は彼一人から始まった、すなわちただ一人で銀河を手中に収めようとした孤独にして最強の戦士……それが銀河皇帝の真の姿。ながらく玉座に座っていたその身体に衰えはない、最強の金の戦士が今、猟兵達の前に立ちはだかる。


マウス富士山
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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●オープニングを見ていただきありがとうございます。今回マスターを努めさせていただきます、マウス富士山と申します。
 お待ちかねのラスボス戦になります!これまでの強敵と同じくは銀河皇帝は先制攻撃を仕掛けて来るので、必ずユーベルコードの対抗手段と反撃方法を描写してください。
 複数の猟兵で連携を行う場合は全員に対して先制攻撃を行います、各猟兵全員が一度は皇帝のユーベルコードから身を守れる手段を持っていれば成功率が高くなるかもしれません。
 反撃に使用するユーベルコードは猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力のものになります。今回もプレイングが判定に大きく影響するので注意してください。
 皆様のプレイングを心からお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー』

POW   :    マインド・クリエイション
【銀河皇帝を不老としている生命維持機能】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【白騎士と同性能の人型兵器『マインド』】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    フォース・インベイジョン
【銀河最強のサイキックエナジー】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【意志とユーベルコードを奪う洗脳念波】で攻撃する。
WIZ   :    ワープドライブ・ペネトレーション
【外宇宙から、知られざる『黒き槍の船』】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑14
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アシェラ・ヘリオース
銀河皇帝の始まりは一人だった。
しかし、その終りは決して一人ではなかった。
かっての臣下として、それだけは譲らない。

事前にコミュ力で猟兵達と情報収集を兼ね交流する。
些細だが大事だ。

マインドと化した皇帝にその覚悟を見る。
先制攻撃をオーラ防御と念動力、戦闘知識を総動員し凌ぐ。
もし守りが不十分な猟兵がいればかばい、救助活動を試みる。
「耐えろ。死ななければ安い」
存在感を発揮して鼓舞し、味方の脱落を防ぎたい。

凌げば、赤光の剣で二回攻撃と属性攻撃を交え串刺しで戦い、生命吸収で粘る。

万一の勝機を見出せば踏み込み、祈りを籠めてこの引き金を引こう。

「皇帝陛下……これが私の貴方への忠義です」

【アドリブ、連携歓迎】


木目・一葉
不思議と震えはない
今の自分はそれだけ戦いに集中している
「為すべきを為すために」

・戦闘
【SPD】 
相手の攻撃を防ぐには攻撃を仕掛けてくる位置を知る必要がある
もしくは仕掛ける方向を限定させるかだ
まず【地形の利用】で部屋の隅っこを陣取る
退路を断つことになるが、元々退路は不要だ
これで背面の心配はなく、敵の攻撃は自分の正面の左斜めから右斜めと、上方向に限定される
あとは転移してくる敵の姿【第六感】と【失せもの探し】で察知する
敵の出現位置がわかっても先制攻撃はされるだろう
よって敵が出現したらすぐ巨大戦斧を【投擲】し、敵UCの念波を【武器受け】させる
同時に影の追跡者から放つ【影人の涙雨】の速射を敵に仕掛ける



●対峙する者
 荘厳なパイプオルガンの音色が周囲に響き渡る。激しく悲壮なレクイエムは皇帝から猟兵へ向けられる最大限の賛美であり、同時に自らは負けることがないという自信の表れ。厳格な雰囲気に包まれる玉座の間に、二人の猟兵が辿り着いた。
「陛下……」
 皇帝を前に、アシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)の口からそんな言葉が漏れる。かつて皇帝の力となるため戦った彼女が、その皇帝へ刃を向ける。その姿を見て、金色の瞳が細められる。
「ヘリオース卿か、姿が見えぬとは思っていたが……いや、何も言うまい」
 かつて仕えていた身であるからか、その姿を見るだけで剣を握る手が震える。差し出した切っ先が地面へ向きそうになった瞬間、アシェラを守るように木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)が前に出た。
「猟兵。その者はかつて私の下で多くの解放軍を手にかけた、その事実を知ってなお卿を庇うか」
「庇うさ、罪は償えばいい。彼女だってきっとそのために戦っている」
 迷いのない一葉の言葉に、ならばよいと皇帝が小さく笑う。と同時に、その姿が虚空に掻き消えた。

「奇襲が来る、下がって!」
 その叫びと共に一葉とアシェラの二人は素早く部屋の隅に陣取る。相手が転移を使ってくるならば最も注意するべきは背後を取られ続けることだ、死角から攻撃されれば防御は不可能。同時に相手の攻撃ルートを絞り込み反撃に転じるため、二人はあえて退路を断ち壁を背中に付けた。
「アシェラさん、皇帝の得意武器は?」
「あの方は万能だ、その中でも特に『マインド』には注意しろ」
「マインド……?ッ、正面!」
 会話の隙を付くように、二人の正面から金色の影が突貫してくる。素早く引き抜かれたアシェラのフォースセイバーと影のフォースセイバーが激突し、エネルギーが稲妻のように周囲に飛散する。
 騎士の鎧を思わせる装甲、十字型のマスクに三対の腕。その姿は白騎士ディアブロとよく似ているが、全身が金色に塗装されている。これがマインド、白騎士と同性能の人型兵器であり皇帝の生命維持装置。これを持ち出したということは、皇帝は本気ということだ。
 オーラを刀身に纏わせ、念動力で身体を固定し、自身の全霊を持ってマインドの攻撃を受け止める。鍔迫り合いの状況に持ち込み、相手の動きを押しとどめた瞬間、マインドの背後から銀河皇帝が現れた。
「自立稼働ッ!?」
 自らの命を守る装置を、皇帝は軽々と囮に使用した。すぐさま一葉が皇帝に向かって戦斧を投擲し、アシェラがその上に念動力とオーラを重ね皇帝から放たれた念波を防御するが……その結果マインドへの集中が途切れた。セイバーが弾かれ、返す刃がアシェラに向かって振り下ろされるも、一葉の影から放たれた無数の棘がそれを迎撃する。
 だが、焦って放った攻撃のため傷は浅い。そもそも皇帝に対してはノーダメージだ。数の不利を狭める皇帝の装備に、二人の猟兵は歯噛みした。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ルエリラ・ルエラ
大ボスだね。
うん、私は負ける気はないよ。
素早さには自信あるからね。

まずは周囲の壁や地面を矢で撃って砂埃を発生させておくよ。
敵の初撃は、『第六感』『野生の勘』『見切り』を総動員して回避に専念。砂埃の中、常に『ダッシュ』して装備のワイヤーフックやブーツを使ってとにかく動き回りながら『迷彩』効果のあるマントを被って目で追うのを難しくさせるね。
凌げたら、【魔力矢の雨(フィーア)】を皇帝の左右と上空に撃ち込んで矢の雨で襲うよ。この攻撃なら視線は私からはそれるはず。そこを本命の【貫通する矢(アインス)】で貫くよ。
全てを貫くこの矢ならいけるはず。いや、いけるよ。



●魔弓の射手
 玉座の間に無数の弓矢が降り注ぐが、皇帝は微動だにしない。それがもとより自分を狙ったものではないことはわかっている。壁や天井に突き立てられた矢が炸裂し、室内が砂煙に包まれたところでルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)が飛び込んだ。
(フォース・インベイジョンは視線によって発動する。だったらこっちに視線を向けさせなければ……)
 煙に紛れて矢を放ちながら、ルエリラは室内を飛び回る。ワイヤーフックにブーツによる短時間飛行、三次元に的に室内を飛び回りながら煙が絶えぬよう壁や天井を射続ける。視界不良に加えて身に着けたマントの迷彩効果、始めは煙の中を動く影を捉えていた皇帝だったが、天性の勘で視線を掻い潜るルエリラを徐々に追うことができなくなっていく。自らの背中に突き刺さる皇帝の視線、それが無くなった瞬間ルエリラはこれまでより大きな矢を引いた。
「行って、フィーア」
 皇帝の左右と上空、三方向から挟み込むように放たれた弓矢は空中で炸裂し、無数の矢が雨のように皇帝に降り注ぐ。それを迎撃するように念波が上空に放たれたことを見たルエリラはすかさず本命の【貫通する矢】を番える。


 煙の中から飛び出してきた皇帝の掌が、彼女の頭を掴むのはそれとほぼ同時だった。
「なっ……!?」
 その口から驚愕の声が出る前に、放たれた念波がルエリラの意志を削り取る。
「真に仕留めたいのであれば、技は一つに絞るべきだ。特に射手であるならばな」
 連続したユーベルコードの使用は僅かだが致命的な隙が生まれる。始めの一撃でルエリラの位置を割り出した銀河皇帝は、その隙を付いて彼女の移動先に自らの身体を転移させたのだ。瞳から光を失ったルエリラの手から弓が落ち、力なくその場に膝をついた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

暗黒騎士・アングラング
自らが歴史を作ったこの銀河を滅ぼそうなどとは、悲しいな。
安心しろ、貴様のことを語り伝えるこの先の歴史は、私が守ってやる。

仲間がマインドの戦い方を見せてくれた。フォースセイバーでの戦いなら、引けを取りはしない。
私の武器は光と闇の二刀。マインドのフォースセイバーを私のフォースセイバーで受け止め、異世界の武器……黒剣で装甲を引き裂く。
たった二手の技だが、どちらの剣にも必殺の力を込める。このときのため、【二回攻撃】を鍛え続けてきたのだ。

マインドを打ち倒して皇帝を守るものがなくなれば、猟兵たちの攻撃もやりやすくなるはず。


セレスティア・ナイトリー
戦いを呼び起こすものを戦いによって滅ぼすことが戦斗人形たる我が宿命

「測的追尾プログラム緊急起動」
敵からの攻撃は直撃を受けぬよう、蒸気推進器によるダッシュでの回避を試みる
回避不能な場合でも盾受け・武器受け・オーラ防御によって可能な限り捌く
万一軽減できずに被撃した場合でも、機械の体を持ち、激痛耐性の心得を持つ我が膝を折ることはない
敵の攻撃を超えた後の攻機においては我が持てる全ての力を一つに結集し、【鉄機重破斬】にて最大の一撃を放つ
我は機械、心無き人形、ただ与えられたプログラムに従い敵を殲滅するのみ


張・小龍
「連携されちゃ勝てそうにもありませんね…ボクがマインドを引き剥がします」
「長くは持たないと思いますので、手早く皇帝を撃破して頂きたく思います!」


マインドと連携されては勝てそうにないように思えますので、ボクはマインドを皇帝から引き剥がしたいと思います
マインドの攻撃を激痛耐性とオーラ防御で耐えつつわざと受け、怪力とグラップルの併用で組み付きを試みますよ

どうせならぶっ壊せるのが理想的なのですが…

マインドの攻撃を耐えたら、ドラゴニアン・チェインを使用
技能の衝撃波で自分ごと皇帝とは逆方向に吹き飛ばし、オーラの鎖を絡めて動きを制限して行きます

その後は皇帝を他の猟兵さんに任せて、マインドを引き離し続けます


マハティ・キースリング
帝国は実力簒奪主義
貴様も奪われる日が来たという事だ
誇り無き騎士を受け持つ

マインド対策
防御
遺物の封印を解く
武器改造で強固な双盾を
防具改造で液体金属と大気壁を二重の鎧に

皇帝は味方をも破壊する
これを利用する

偽騎士に接近
敵の攻撃を受け流し捌き、突進を繰り返す
軌道を悟られぬようフェイントを交え、壁と遮蔽も利用し密着、同士討ちを狙う
破損箇所は液体金属で塞ぎ強引に戦闘継続

隙あらば挑発
ガッカリだな
白騎士は真の万夫不当だった

敵先制後
密かに衰退の煙灯散布
秒単位で思考が消失する対オブリビオン病原体
場全域に見えないバグを放ち、先の猟兵へと託す
未来視も数の差も関係ない
諸共腐れ

クラスターマインを撒きながら
1秒でも長く防戦


七篠・コガネ
何者も望まなかった貴方はだからこそ全てを欲した
故にこの世界を手中に収めんと…そう僕には感じるのです…

▼先制攻撃
【ダッシュ】で陛下と距離を空けその間に
エナイレーション・トリガーを発動
それが無理でも【激痛耐性】を以って【武器受け】で受けます

▼UC発動後
陛下の代償を狙ワせて頂きマス…老イテモ尚、孤高で剛強
ですがそノ生命、いつマデモ続キマス?理性なんて陛下ノ前デハ無意味
僕は防御に徹します。なるだけ時間を稼ぐ…!次の仲間に繋ぐために!
遠距離攻撃には武器の【一斉発射】で相殺させて近距離では
『Heartless Left』で【カウンター】を狙ってみます

……でも…僕は皇帝陛下には逆らえない…


アドリブ、絡み歓迎



●秒を刻む攻防
「自らが歴史を作ったこの銀河を滅ぼそうなどとは、悲しいな」
「滅ぼすのではない、ただ帝国の安寧を乱す者を排するだけだ」
 その結果銀河が焼き尽くされようと、知ったことではない。
 短い問答を終え、暗黒騎士・アングラング(光と闇の剣を自在に操る暗黒宇宙騎士・f08676)は二本の剣を引き抜く。それに応えるように銀河皇帝もまた虚空に姿を消した。背後からの奇襲を防ぐために、三人の猟兵が背中に合わせに集まる。
「連携されちゃ勝てそうにもありませんね…ボクがマインドを引き剥がします」
 張・小龍(飛竜子・f03926)が硬く拳を握りしめる。マインドの性能が白騎士と同様であるならば、その実力は黒騎士と同列。防御に徹すれば止められるかもしれないが……。
「待て待て、騎士が相手なのだろう?ならここは暗黒騎士である私も加勢しよう」
「向こうは予知の使い手だ、二人じゃ足りない……私も入るぞ」
 張の言葉にアングラングとマハティ・キースリング(はぐれ砲兵・f00682)が割り込む。二人はかつて多くの仲間を目の前で失った、そして戦いの中で改めてその悪夢を見せられた。同じことの繰り返しはごめんだ。
「でも、全員で抑え込むなら皇帝の方は……」
「猟兵は私達で全員じゃない、それに手はある」
 そう呟きながらマハティは異物に手を伸ばす、不老の皇帝を落とすための切り札。
「……来るぞ!」
 アングラングの声と同時に空間が歪み、マインドが姿を現す。三人からは距離を取り、放つのは両手持ちの大型ブラスター。素早く陣形を組み替えマハティが光線の矢面に立つと、ブラスターの光線が不自然に減衰する。弱まった光線を盾で受け止めると、マハティは不敵な笑みを浮かべた。
「未来予測に空間転移、その二つがあってこの程度か。ガッカリだな」
 明らかな挑発。それに乗ったのか、マインドはフォースセイバーを引き抜きこちらに突進してくる。再び陣形を組み替え今度はアングラングが前に立つ。
「貴様の戦いは仲間が見せてくれた、二度目の剣で勝てると思うな!」
 烈々なる気迫と共に振るわれたフォースセイバーがマインドの剣を受け止める。稲妻のように飛散するエネルギーが二人の間に迸り、アングラングはそれすらも切り裂きながら黒剣を振り抜いた。長年鍛え続けてきた必殺の二刀流、その一撃がマインドの装甲を切り裂いた。
 斬撃を受けたたらを踏むように後退したマインドを追撃するように、張が前へと飛び出す。呼吸は深く、静かに、そして全ての酸素を吐き出すと同時に掌底を繰り出す。龍の姿をした気と共に放たれた渾身の打撃はマインドを遥か後方に吹き飛ばし、鎖に繋がれた張とその身体に捕まったマハティとアングラングは共に玉座の間から弾き出される。空中で姿勢を直し、地面から火花を散らしながら着地したマインドは自らの周囲に無数の機雷が浮かんでいることに気づいた。
「これで皇帝を守るものはなくなったわけだな」
「ここからは時間稼ぎだ、1秒でも長く付き合ってもらう」
「とは言っても長くは持たないと思いますので、手早く皇帝を撃破して頂きたく思います!」
 三人の猟兵と一人の騎士、命を賭けた防衛線が幕を開けた。

 マインドが足止めをされている間に、銀河皇帝と二人の猟兵が対峙する。
「Raptorか……先程のキースリングといい我の居ない間にひどく帝国は荒れたと見える」
 七篠・コガネ(その醜い醜い姿は、半壊した心臓を掲げた僕だ・f01385)は、かつて組み込まれた識別データと変わらない皇帝の姿に唇を噛む。その隣でセレスティア・ナイトリー(流転の機士・f05448)は静かに武器を構える。
「心は不要。鈍る手であの者を討つことはできない」
「……わかっています」
 【エナイレーション・トリガー】自我を抑制し殲滅モードに移行したコガネは、かつて敬愛した皇帝に向かって武器を向ける。
「陛下の代償を狙ワせて頂きマス……」
「測的追尾プログラム、緊急起動」
 二体の戦闘人形が銀河皇帝に飛び掛かる。それに対し皇帝はマインドの大型ブラスターを手元に呼び寄せ、最大出力で連射した。人一人は軽く呑み込める巨大な光の柱、それが数十本、回避は不可能、ならば正面から受ける。
 翼の射出、砲身が赤熱するほど出力を上げたブラスターの発射、コガネの内臓武装の一斉発射により相殺され減衰したブラスターをセレスティアが受け止める。防ぎきれなかった熱波が二人の装甲を焼き、危険を知らせるための激痛が演算装置に走る。だが歩みは止めない、全てを焼き尽くす光の中でセレスティアの装備が一つの大剣に合体変形していく。
「全兵装の蒸気回路連結を確認、最大の一撃を以て、敵を粉砕する……!」
 振り抜いた剣が光を切り裂き、皇帝へと続く進路を作る。だが限界を超えた駆動を実行したセレスティアの身体から火花が迸り、力なくその場に膝を付く。命を賭けて仲間たちが開いてくれた進路、その上をコガネが走り抜ける。
「リスアットオォォ!!」
 プラズマジェットの軌跡を残し、咆哮と共に左腕からパイルバンカーが展開される。その杭が皇帝の胸を貫かんと突き出され――。
 ――かつて、どこか遠くから眺めていた皇帝の背中が、脳裏をよぎった。
「その不具合、未だ修正されていないようだな」
 ブラスターの砲身がコガネの胸を貫く。圧力で内用液が吹き出し、コガネの瞳から涙のように赤黒い液体が流れ落ちる。
(僕は皇帝陛下には逆らえない……)
 それはプログラムされた本能か、別の場所にある理性なのかはわからない。だが決定的な一撃を与えるチャンスを、彼は無為にした。皇帝はコガネの身体を乱雑に投げ捨てると、小さく咳をする。


 ……咳、だと?
「老イテモ尚、孤高で剛強……ですが、いマのアナタは不老でハなイ……」
 コガネの口からノイズ混じりの言葉が呟かれる。
 【衰退の煙灯】マハティが密かに室内に散布した対象を急激に老化させるウィルス。この場に機械の身体を持つ二人が残ったのは、つまりそういうことだ。猟兵達はただ時間を稼ぐだけでいい。
「……見事」
 小さく賛美の言葉を呟いて、皇帝は初めての老いの感覚に膝を付いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ミスタリア・ミスタニア
銀河帝国の皇帝か!ハハッ!まさかこのオレが皇帝と相対することになるとはな!此処まで来たか!
翠の疾風、ってもテメェは知りもしねぇだろうが言わせて貰うぜ。翠の疾風ミスタリア・ミスタニア参る!

『見切り、第六感、戦闘知識、盾受け』ではなから無傷で済まそうとはせず、回避行動とビームシールドで戦闘に支障が出る致命傷だけ避けるぜ!
肉も骨も切らせてやるが、こっちも骨は断たせてもらう!
『捨て身の一撃、カウンター』で【対艦用パイルバンカー】だ!
パイルバンカーの『鎧砕き』からの大型熱線砲(ブラスター・ランチャー)の『2回攻撃、零距離射撃』をぶっ放す!
つまり【対艦用パイルバンカー】からの【グリュンシュトゥルム】だっ!



●老いてなお
「アンタが銀河帝国の皇帝か!なんだ写真より老けてるじゃねえか!」
 外装のブースターを吹かして室内に飛び込んだミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)は装備したバンカーの先端を皇帝に向ける
「テメェは知りもしねぇだろうが言わせて貰うぜ。翠の疾風ミスタリア・ミスタニア参る!」
「……銀河皇帝リスアット・スターゲイザー。卿に応えよう」
 皇帝の傍にマインドが召喚される、圧倒的な演算機能から弾き出されたミスタリアの未来座標は、正面。ブースターを全力で吹かし肉薄するミスタリア、マインドのブラスターは先程の最大出力から未だ冷却を完了していないため、低出力の拡散砲で彼女を迎撃する。
 低出力とは言えまともに喰らえば致命傷は免れない。シールドを展開したミスタリアは直撃弾だけを受け流し、残りはあえて傷を負いながら最短距離で皇帝へ接敵する。ダメージ覚悟の捨て身の一撃、血を流しながら皇帝を射程に捉えたミスタリアはバンカーを皇帝に突き立てる。
「バンカー、捉えた!ゼロ距離、これで……」
「力が入り過ぎたな」
 ブラスターの砲身に、皇帝は自らの腕を差し込んだ。砲身が炸裂し、溢れ出た絵ベルギーに二人は吹き飛ばされる。戦法に問題はない、ただ打ち込む杭に力を入れ過ぎたため続く砲撃に隙ができてしまった。老いたからと言って皇帝の観察眼は衰えず、未だ健在である。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

寺内・美月
事前に召喚する霊をSSWでも活動できる装備に換装する。
・事前に〖準備砲撃『地獄雨』発動〗と〖航空攻撃・空挺降下発動〗にて砲兵師団と航空部隊を召喚して、宇宙に展開する(『黒き槍の船』対策で広範囲に散らばらせる)。皇帝がいると思われる場所に砲撃を行いつつ、『黒き槍の船』が出てきた場合は先に破壊する。
・『空挺降下』で大隊を従えて『マインド』に対応させる。
・『戦闘団召喚』の霊を皇帝に突撃させつつ(フォース・インベイジョンが効きそうなら中止)、奇襲対策で『完全管制制圧射撃』で火器を展開して『剣刃一閃』を準備する。
・攻撃を受けたら『真鋭なる双刀の魂』を発動出来る様にする。



●束ねる者
 師団の展開し、戦術的行動と集団戦による火力で敵を押し切るのが寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)の基本戦法だ。事実これまでは集団戦を利用して戦いを有利に進めてきた。しかしその頼れる師団の全員が、今美月に砲身を向けていた。
「個人に対して集団を展開する、その着眼点は間違っていない」
 銀河全域を恐怖で支配した銀河帝国を束ねた皇帝は、ゆっくりと展開された部隊を見回す。老化の影響により瞳は僅かに濁っているが、その視線には一切の曇りはない。
「多くの部隊を操ればそれだけ展開にかかる時間は増える、種別を変えればこちらも違った手で反撃する。先手を取られる状況ならば複数の部隊による完封ではなく、一つの部隊を利用した奇策で来るべきだ」
 発動した準備砲撃、その砲兵師団が皇帝のユーベルコードによって丸ごと奪われた。後は師団同士の潰し合いによって部隊は壊滅、陣形は崩され現在に至る。憎々しげに皇帝を睨み付ける美月に向かって皇帝が手を向けると、放たれた念波によって美月の意識はブラックアウトした。

失敗 🔴​🔴​🔴​

ユーリ・ヴォルフ
アドリブ共闘大歓迎です

凄まじい威圧感だ…恐れないわけではない
だが猟兵として、守護者として
この宇宙の未来を、人々の命を守る!

炎霆(武器)を構え生み出されたマインドに突撃
オーラ防御や激痛耐性等、持ちうる防御技術を総動員し
繰り出される攻撃を弾く
マインド(白騎士)のレーザーに対する宣告は「銀河皇帝に負けない」事だ
1撃だけでいい。全力を乗せて皇帝へ叩き込む!

スライディングでマインドの足元を掻い潜り皇帝へ肉薄する
炎霆を捨て、背負っていた槍(ファフニール)を引き抜き
属性攻撃(炎)、範囲攻撃、鎧無視攻撃等全ての力を炎に変えて乗せ
勢いをつけて渾身のドラゴニック・エンドを放つ
俺は負けないと…誓ったんだ…!



●焔の守護者
 焔を纏った魔槍、炎霆を構えながらユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)は皇帝を睨む。ウィルスによって弱っているとは思えない圧倒的な威圧感、それを前にして恐れがないわけではない、しかしここで逃げれば多くの命が奪われる。守護者を名乗る者として、それだけは見過ごせない。
「猟兵として、守護者として、この宇宙の未来を、人々の命を守る!」
 宣言と共にユーリは召喚されたマインドに突撃する。未来座標を予測して射撃してくるマインドに下手な回避行動は逆効果だ、狙うのはレーザーの減衰によるダメージ軽減。炎霆を炎を前面に広げ盾としたユーリは正面からマインドに突撃するが、炎の盾を貫いたブラスターの一撃は軽減されてなお彼の肩を貫いた。
 だが、歩みは止まらない。歯を食い縛って痛みに耐えながら更に前へ踏み込んだユーリに対して皇帝の口から命令のような言葉が出る。
「宣告だ、両手を開け」
 ユーベルコード【収束する運命の白光】本来は白騎士のユーベルコードだが、同性能のマインドであれば無論使用することはできる。ルールを破れば即座にダメージを受ける宣告、それに対してユーリは放り捨てるように炎霆を手放した。
 ほんの一瞬、マインドの視線が炎霆に向けられた隙を付いてスライディングでその足元を潜り抜ける。目の前に皇帝を捉えたユーリ、その背中に背負ったファフニールから持ち主ごと焼き尽くさんばかりの炎が溢れ出す。それはユーリが持てる技能全てを槍を通して変換した炎。
 炎は皇帝の身体をも包み込み、ユーベルコードの使用条件は揃った。
「俺ごとやれ、ファフニール!!」
 一人では皇帝に勝てない。……だが、負けるわけにもいかない。ゆえに引き分けまでは持って行く。召喚された暴竜が吐き出したブレスが、ユーリと皇帝を共に炎に包み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒城・魅夜
芋煮SPDで出撃します。

ヴロスさんの蒸気煙幕、真多子さんの墨。お仲間の力は信じていますが、頼りきるつもりもありません。
転移直前から108本の鋼鎖で編み上げておいた遮蔽壁で私自身も対応します。……ええ、それでもなお十分とは思いません。

――狂気と嗤いますか?自らの短剣で胸元を斬り裂いていた私を?……ですがその狂気を、人は「覚悟」と呼ぶのです。

胸元から吹き上げた血煙は我が身を覆う真紅のヴェール。元より長時間の戦闘など視野に入れてはいません。
第六感4・見切り3・残像3を使い高速で一気に間合いを詰め、お仲間と連携して妖剣解放の衝撃波を叩きつけましょう。
――さあ外道に堕ちた咎人よ、悪夢の底へ還りなさい。


ヴロス・ヴァルカー
【芋煮SPD】で行動を。
思ったより…落ち着いてますね。
かつての神を対峙するというのに。
…戦場に転移される前に準備が必要ですね。
明石さんを身体で覆い隠し、自身の意識を止めて装備した触手に私の操縦をさせた状態で転移を。
命令は蒸気煙幕による目潰し。
蒸気が充満し、煙幕としての効き目が期待できそうなら意識を私に戻すよう仕込んでおきましょう。
意識が戻ったら煙幕に隠れて【狩獣】の発動を。
複製した触手塊をそれぞれ人型に変えデコイとして操ります。
…明石さん、黒城さん、レンさんの攻撃に合わせ私も攻撃を。
残った触手塊をまとめ巨大化した身体を空中に飛ばし、銀河皇帝を踏みつぶします。
…やはり貴方は神ではないですね。


明石・真多子
あらかじめヴロス君の触手の内側に隠れて視線に入らないようにしておくよ。

いよいよ決戦だね!行こうみんな!

蒸気が周りが覆ったら中から出て、人影に見えるように『タコ墨』でデコイを作ろう。
蒸気でぼやけた輪郭で、皇帝は増援を警戒して蒸気の方に注意が向くだろうからね。
あとは、『タコの保護色能力』で「迷彩」しながら【八足歩行の術】の「忍び足」「ダッシュ」で皇帝の死角から一気に接近!

「暗殺」とは不意を突くこと、軟体魔忍自慢の『タコ墨』で不意打ちの「目潰し」だ!
上手くいったらこっちのもの!4本の『触手』で背後から腕を「グラップル」しつつ、「なぎ払い」の激しい鞭打ちで優勢を保ちながらレンちゃんのために隙を作るよ!


レン・ランフォード
【芋煮SPD】の皆と一緒に
貴方という理不尽はここで終わらせます…覚悟!

錬に交代しダンボールを被って転送してもらいます
皇帝出現を第六感で感じたら発煙弾で煙幕を張りダンボールから脱出
明石とは逆方向に残像を残しつつ移動、童子切の制限解除しその光で注意を引く
そして第六感・見切りで不可視の一撃に
念動力をオーラのように纏わせた光の刃を叩き付ける!
それで防げねえなら後は気合だ、繋げるため念波全てを俺が受ける!
UCもあいつらも奪わせはしねえ!後は任せたぜ…!
れんが錬を抑えてるうちに主導権を私が握り童子切を叩き込みます
コードが奪われたなら捨て身で突貫です。託してくれた錬のためにも!


ルエリラ・ルエラ
いたたたた………
いいのもらっちゃったな…
でもコツは掴んだよ。敵は私の姿を追えていない。
次こそは絶対に仕留めて見せる。

戦法はさっきと同じだけど、姿は変えずに真の姿を解放して挑むよ。
さっきと同じように瓦礫となった場所にどんどん撃ち込んで砂埃で視界を悪くしておく。
敵の攻撃を『第六感』『野生の勘』『見切り』を総動員してとにかく回避に専念。『ダッシュ』し、移動系の道具や『迷彩』効果のある道具を駆使して、相手に私の姿を追わせないよ。
そしてチャンスが出来たその瞬間。『勇気』を出して今度こそ私の必殺の一撃に全てを掛けるよ。
【貫通する矢(アインス)】。これを皇帝に叩き込む。
私は絶対に負けてやらないから。



●決戦
 皇帝の口から血が吐き出される。ウィルスによる老化に加えて猟兵から受けた傷が徐々に積み重なり致命傷となりつつあった、これ以上の戦闘続行は危険だ。しかし猟兵達にとってそれはチャンスであることを意味する。
 オルガンの鳴り響く玉座の間に、一機のウォーマシンが降り立った。ヴロス・ヴァルカー(テック・プリースト・f03932)かつて皇帝を神と称えていたとある宗教に属していた一体。降り立って数秒、案山子のように立っていたウォーマシンの身体から突如として蒸気が噴出した。
(目くらまし……だが!)
 視界が完全に塞がれる前に皇帝の放った念波がヴロスに直撃するが、皇帝の手に返ってきたのは妙に軽い感覚。その意味に皇帝が気付いた時には、玉座の間は煙に包まれ皇帝の視界を完全に潰していた。
「ちぃっ……!」
 皇帝が舌を打つと、無数の人影が煙の中に浮かび上がる。すかさず皇帝が両手を向け、念波を放つが手応えが感じられない。しかし同時に転移で人影に接近した皇帝は強烈な手刀で二つの人影を貫いた。一つは墨で作られた人型の煙、もう一つは触手の塊で作られた歪な人形。どちらも精密さのない偽物だが、視界の効かない今の状況であれば優秀なデコイとなる。
 全てのデコイを潰そうとすれば大きな隙となる。即座に皇帝は待ちの構えを取り、カウンターを狙うためにこちらに近づく影を睨んだ。

「上手くいったようですね、しかし……」
 瞳から赤い瞳を灯しながらヴロスが起動する。相手がこちらの意志を奪うのならば、休眠状態で戦場に入り身体の駆動を外部に任せてしまえばいい。自らの特性を活かした巧みな作戦であり、実際皇帝の攻撃を回避することには成功した。ただ一つ、自立行動させていた一部の触手が念波の影響を受けてしまった。
「どうしよう……」
 ヴロスの胸から顔だけ出した状態で明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)は困った様に自分の身体を見下ろす。どうにか顔を出してデコイを作ることはできたが、身体にはヴロスの制御を離れた触手が絡みつき身動きが取れなくなってしまっていた。ヴロスからは自切ができず、真多子は両手も触手も防がれているため千切ることができない。
 こうなれば真多子を乗せたまま皇帝に突撃するか、そんな思考がヴロスの脳裏を過った瞬間。青い光がヴロスの身体を掠め、制御を失っていた触手を切り裂いた。
「無理矢理でゴメン、後で芋煮あげるね」
 ヴロスのすぐ隣を風が駆け抜けると同時に、そんな言葉が囁かれた。

「……動いたな!」
 煙が視界を隠したことを確認したレン・ランフォード(近接忍術師・f00762)……厳密にはその人格の一つである錬は偽装のため被っていたダンボールを脱ぎ捨てると、発煙弾で追加の煙幕を撒く。皇帝のユーベルコードは視界を起点に発動する、煙幕を巻き終えたら後は突撃あるのみだ。手にした光線式斬撃兵装・童子切から光の刃が展開される。その輝きを囮にしながら、錬は白い闇の中を駆けだした。
 追加の煙幕は移動によって発生する煙の流れを隠すため。童子切の光で皇帝の注目を引き、襲撃者は錬一人だと誤認させる。
 
 そう思わせるまでが作戦だろう。
 煙と人影の群れの中で残光を捉えた皇帝は、それとは別方向に自らの身体を転移させた。掌底のように放たれた皇帝の手は、鎖で編まれた障壁に阻まれる。
(読んできますか……!)
 壁の向こうで黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は短剣を引き抜く、そして迷いなくその刃を自らの胸に突き立てようとした瞬間。後頭部を掴まれ、そのまま身体を自らが作った壁に叩きつけられた。
「事前に技を使ってきたのは悪手だったな、転移してきたのが煙の中でもハッキリわかる」
 最もその鎖を直接攻撃に利用されたが危うかったが、皇帝のその言葉を最後に魅夜の意識は刈り取られた。

 煙によって影しか見えない視界の中で、魅夜の鎖壁が解けるのが見えた。ユーベルコードを切り替えて攻勢に転じたか……そう考えた錬の目に、地面に倒れ込む影とその傍に立つ何者かの影が映った。
(……ヤバいっ!?)
 視線が通った、今の錬はデコイと違って輝く刀を持っている。走行中の状態で童子切を振りぬくのと、単に視認した相手に意識を向けるのでは確実に後者の方が早い。何者かに見られている気配を確かに錬が感じ取った瞬間、青い光が地面に着弾し舞い上がった砂煙が錬の姿を隠した。その事態に驚いたのは皇帝と錬の両者共だ、互いに思考が停止し一瞬の隙が発生する。しかしそれを付くことができたのは、仲間と共に戦う猟兵だった。
 びしゃりと皇帝の視界が黒く塗りつぶされると同時に、その身体が四本の触手で拘束される。触手を移動に転用した八足移動モードで素早く皇帝に接近した真多子は、先程の意趣返しと言わんばかりに触手で皇帝の身体を絡めとり、その動きを封じた。
「ヴロス君、レンちゃん!今だよ!」
 周囲のデコイが集まり、一つの巨大な塊へと変貌する。
 姿勢を立て直した錬が童子切を構える。
「……童子とは神の眷属を指す言葉でもありましたか」
 錬の持つ光の刃を見て、ヴロスが一人ごとのように呟く。彼はかつて皇帝を神と称えていた、しかしこうしてその姿を直接見ればどうだ。両の足で大地に立ち、瀕死まで追い詰められてなお絶大な力を振るうその姿は戦士としては見るものがあるかもしれない、だが……。
「貴方は、神ではありませんね」
 憐憫か、訣別か、その言葉の意図はわからない。巨大な触手で押しつぶされた皇帝は、放たれた童子切によって丸ごと両断された。



 半身を両断されながらも立ち上がる銀河皇帝、その背後に何者かが降り立つ。
「私、負けず嫌いだから」
 ルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)の弓から放たれた魔力の矢が、皇帝を射抜く。言われた通り、今度は一発。
 同じ手が二度通じるか不安があったため旅団の仲間達の連携に混ざったが、結果としては大成功だった。ルエリラの言葉に返答せず、皇帝はそのまま地面に倒れ伏した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
うすらデカい癖に見えない、そんな相手には搦手でござるね

まずは【黒き槍の船】を見つけ出さない事には始まらねぇ!
先に召喚されているだろうがこちらも【先制攻撃】で少しでも行動順を早めますぞ
周辺地域に【サーチドローン】を放って索敵、自分は【迷彩】で姿を隠しつつ場所を移動でござるよ。ドローンはすぐ見つかるからな
相手は巨大物体、ぶつかって破壊されたサーチドローンの爆発や信号の途絶地点で大体の位置はわかりますぞ

見つけたら敵艦に対し【物理演算の神】が降臨なされ【挙動が荒ぶるバグ】を放たれますぞ!
敵艦をグニョグニョにしたり激しくバタバタさせたり皇帝が視覚共有してたら揺さぶったりする…と良いな!

アドリブ歓迎


エミリィ・ジゼル
発見され難いとはどういうことか
人の五感は82%を視覚が占めると言われます
つまり発見され難いとすれば間違いなく見えない状態であるはず

見えないならば見えるようにするまで

開幕にインクシューターの範囲攻撃で周囲に大量のインクを発射
それで船の位置を特定
突撃してくる船を見切りと第六感で回避

当然回避しただけで終わりではありません
本命はその直後

回避と同時にUCで巨大ロボに変身
一斉発射、カウンター、捨て身の一撃の技能を駆使し
渾身の反撃をお見舞いします

回避しきれずに死ぬかもしれませんが
そんなの構うこたねえのです

目的は一撃を入れること

この一撃だけは絶対当てて見せましょう

「マルチミサイル一斉射!ぶちまかせー!」



●大艦戦
「はーい、かじできなさん参じょ……終わっとる」
「ちょっとちょっとちょっと~!皇帝瀕死でござるよ~?出遅れておいでか~?これこれ~?」
 地面に倒れ伏した皇帝を見て、エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)とエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は愕然とする。まさに満身創痍といった風貌の銀河皇帝の命はどうみても風前の灯、というか攻撃を加えたら心が痛むレベルだ。
 良心に悩むエミリィの横でエドゥアルトが容赦なく皇帝にライフルを向けた瞬間、皇帝の姿が掻き消えた。
「ルーデル様!」
「あいよ!」
 いつになく真剣なエミリィの声にエドゥアルトは素早くサーチドローンを展開し迷彩で身を隠すと、エミリィはインクシューターを構える。警戒するは黒き槍の船、発見されにくいという話を聞く限り、高度なステルス機能を有しているのだと予想できる。そこにインクをぶっかけて丸裸にしてやろうという作戦だったのだが……。
「……来ませんね」
 ドローンによる索敵も、エミリィの感も何の働きを示さない。もしや逃げたかと二人が邪推した瞬間、部屋の天井に亀裂が入った。戦闘のダメージに耐え切れず部屋が崩落を始めたかと思ったが、罅はまるで外側から押し広げられるように広がっていき、一定以上の大きさになると同時に展開されたドローンが高度の高い順に墜落していく、それはまるで上から大質量の何かを叩きつけられたように。
 エミリィが慌てて上空に向けてインクを連射すると、空中で何かにぶつかったように広がる。それは先端部分のみで玉座の間を押しつぶせるサイズの巨大な衝角、詳細不明の黒き槍の船。……サイズが大きすぎるゆえに攻撃ではなく、崩落事故と認識されるような大質量攻撃。
「エミリィ殿、皇帝はあの中に搭乗してるっぽいですぞ」
 エドゥアルトがドローンから得た情報をエミリィに話すと、エミリィは覚悟を決めたように大きく息を吸った。
「かじできないロボ、出撃!」
 【暴れまわるメイドロボの術】。グングンと大きくなりながら巨大なロボットに変身したエミリィが正面から衝角を受け止めると、船全体が緑色の光……もといエドゥアルトのユーベルコード【神の怒り】に包まれる。物理法則が崩壊したことで巨大な船体はかじできないロボでも受け止めることができている。しかし部屋の強度が持たないのかロボの足元が陥没し、徐々に機体全体が床に沈み始めた。
「皇帝の位置が割り出せましたぞ、ここから200メートル上空!」
「了解、行ってきます!」
 ロケットパンチで両腕を切り離しながら船を固定、自由になったかじできないロボは天井を破壊しながら宇宙へ向かう。150、100、50……三枚目の天井を破壊したところで座標が重なった。敵は透明で姿が見えないが、狙撃するわけではないので問題はない。
「マルチミサイル一斉射!ぶちまかせー!」
 放たれたミサイルがエミリィの目の前で炸裂、本来なら小さな衝撃でも物理法則のおかしくなった今の船相手では致命打となる。ミサイルの爆発で船が軋み、そこの結果新たな爆発が発生する。連鎖するように船全体に爆発が広がり、皇帝が召喚した最後の切り札は炎に包まれながら轟沈した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト