笑わない君を泣かさない為に
華々しい結婚式。
そんなときでも君は笑わない。感情が読めない、不気味な女だと周りは言うが、僕はそれでも良いと思った。彼女は笑わないけれど、一つ一つの所作が美しく、たまに発する言葉が、まるで鈴の音の様に美しいから。彼女は僕が辛い時に寄り添ってくれたから。
「では、アキラ様の後に続いて、これを」
神酒が注がれた盃に、彼女が口をつけようとしたその瞬間。すさまじい音と共に、外から爆発音が響いた。何事だ、という声と共に、混乱が広がっていく。逃げようと駆け出した客から、赤い飛沫が舞い散った。
「きゃあああああっ」
誰かの悲鳴。どう、と倒れた男の奥で、5人の忍者の姿が現れる。
「その娘はあのお方に選ばれた。寄越せ」
僕は彼女の前に立つ。刀に伸ばした腕に、彼女の震える手が触れた。彼女は首を振る。自分でもわかっていた。彼らには敵わないと。だが、彼女を行かせるわけにはいかない。だって――。
「チヅル。大丈夫だ。大丈夫だから」
君が泣きそうな顔をしてから。
●
「悲劇的な未来を観測したよ」
ノエル・グランシャリオ(聖夜の約束・f02661)は急いでいるのか、グリモアを展開しながら説明を続ける。今回の舞台はサムライエンパイアという世界にある、とある屋敷での出来事らしい。
幸せな結婚をする筈であったアキラとチヅル。その2人を引き剥がそうとする何者かの影。それが、オブリビオンによるものだという。あってはならない結末を現実にしない為に、猟兵達はノエルに呼び出されたのだ。
「『あのお方』が一体何者なのかはわからないけれど、人による介入ならともかく、オブリビオンからの来訪者による介入で結婚式がぶち壊しになるなんて、赦せないだろう?
――どうか、彼らの未来を切り開いてほしい」
蛇の目
2つ目のシナリオとなります。蛇の目です。
今回は謎の目的でもって狙われている花嫁を救う為に戦うのは勿論、立ち向かうアキラをいかに立ち向かわさせずに戦うかがカギとなっています。
現状、彼はチヅルを守るために、己が命をなげうってでも戦う覚悟で刀を抜こうとしています。彼は猟兵ではないので戦力にはなりません。
プレイングに『アドリブ可能』と書いていただいた方は、優先的に描写・多数場面で活躍する場合がございます。もしよろしければ一文添えていただけると嬉しいです。
●執筆スケジュール目安
※あくまで目安になります。前後する可能性がございます。ご了承ください。
|第1章-〔締切〕10:00 〔返却〕12:00以降。
|第2章-〔締切〕18:00 〔返却〕20:00以降。
|第3章-〔締切〕24:00 〔返却〕10:00以降。
第1章 集団戦
『妖魔忍者』
|
POW : 忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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新納・景久
「花嫁奪うんはニセ(男)んすっこつでなか」
「やっせんぼ(卑怯者)ん首なぞ、手柄にばならねが……。こいも仕事じゃ」
まずは鬼吼丸を持ち、忍者を追う
「おまんら、待たんかい! 花嫁置いてけ!!」
走りながら叫ぶ
恐らく、1~2体は足止めに動くと見越し、叫ぶ前にUCで火縄銃を複製、木の陰などに隠しておく
「ほう、捨てがまりが? 俺とやるっちゅうか。良か、かかってくんかい!」
ある程度切り結んでから、
「チッ、なかなかやるのう。じゃっどん、おまんらの相手ばしちょお場合でなか!」
やや不利になるよう見せながら、敵を突破して花嫁を追う構え
追ってきたところで、
「かかったど! 鉄砲隊、構えェい!」
釣り野伏発動、一斉射撃
水瀬・和奏
※アドリブ可
結婚式に乱入して花嫁さんを連れ去ろうとは、ずいぶん無粋な忍者ですね…
ここは丁重にお引き取り願いましょう。
もちろん、新郎さんも死なせやしません。
式場に突入後、すぐ忍者と2人の間に割って入り、逃げるよう促します
あっちは遠距離戦は不得手なようなので、こちらの得意な射撃戦で行かせてもらいましょう
相手の間合いに入らないよう距離を取りつつ、持ってきた銃火器を片っ端から展開して全力で攻撃します
使用技能:POW 【戦闘知識】【2回攻撃】【一斉発射】
華頂・踏青
こらこら、人の恋路を邪魔すんじゃあないよ!
いやもう婚姻まで行ってるけど!
アキラとチヅルを庇いたいから、あたしのでかい忍者手裏剣を投擲して牽制もするよ!
接近戦をしてくれる仲間がピンチになったらこれで助太刀も出来ると思う!
トドメが必要であればジャンプして槍状態のドラゴンランスを構えてから、落下速度を活かして上から一気に突撃したらなかなか強いんじゃないかな。退いた退いたーっ!!
って、そんなことやってる間に別の個体が二人に接近してたりして…
そんな時は【ドラゴニアン・チェイン】でカッコよく捕縛するよ。
ただすんごい集中力使うから、誰かに追撃をお願いします…やっちゃって!
アドリブ可能!宜しくお願いしまーす!
ラーフェン・ルーナ
好きな女くらい自分の手で守りたいのだろうけれど、死んでしまっては元も子もないわ。
泣かせたくないんでしょう?
あなたはこれから先ずっと、彼女を守っていきたいんでしょう?
その為の誓いでしょう?
――…羨ましいわ。
だから、わたしが二人の未来を守ってあげる。
あなたたちが寄り添い歩く、明るくて幸せな未来を。
だから願って。
わたしに命じて。
オブリビオンをぶっ殺せって。
戦闘/
【咎力封じ】
好き勝手暴れられないようにしてあげる。
手を封じ足を封じ、何もできないまま死んでいくといいわ。
【傷口を抉る】
痛い?ごめんなさい。
わかってあげられなくて。
理解する気もないけれど。
あなたの〝終わり〟は
〝悲劇の終わり〟よ。
*アドリブ可
戒原・まりあ
アドリブ可能
あのね、聞いてほしいの
あなたが命を擲ったら、きっとお嫁さん、悲しむわ
今表情が変わった事の比じゃない位、泣きそうな顔、させるのよ、あなたが
ううん、もしかしたら本当に泣かせてしまうかもしれないわ
だからね、戦う事は私達に任せて、お嫁さんと一緒にいてあげて
戦う事は私達にだってできるけれど
彼女を泣かせないようにする事ができるのは、あなただけよ
【サモニング・ガイスト】で敵を迎え撃つわ
忍法鬼火には向い火として炎を差し向けて
近付いて来られたら槍で応戦
後ろには一歩も通すまいと前へ、前へ
野宮・縁
※アドリブ可能
めでたい日になんと無粋な
アキラよ、あいする者のために刀を抜く心意気、見事じゃ
しかしかなわぬてきにがむしゃらに立ち向かだけでは、
チヅルを悲しませる結果になるだけじゃ
ここはわしら猟兵に任されよ!
おぬしはチヅルのそばについておれ
身体だけでなく、心も守るのじゃ
悲しませたくないのじゃろ?なら決してはなれてはならんぞ!
まずわしのなぎなたで【なぎ払い】てきをひるませるぞ
更にひるんだてきを【フォックスファイア】でごうかいに焼き払う!
めでたい日に水をさしたのじゃ、五体満足ですむとはおもうなよ!
水貝・雁之助
うんうん、男の子なら好きな子は守りたいよね
でも、今は僕達が居るんだ
此処は任せて君は大切な女の子を落ち着かせる方を優先して、ね?
適材適所、君にしかできない君の大好きな子を泣かせない為に、ね
さて、覚悟しなよ?
夫婦の邪魔をするなんて馬にけられて何とやら、さ
馬の代わりを僕等猟兵がやってあげるよ!
『地形を利用』し他の猟兵と協力しながら一般人、特に夫婦たちを守る様に
して戦う
屋敷の中だというのなら机や椅子等を盾にしつつ自分の攻撃を当てる事ではなく
相手が攻撃を避ける際に物が邪魔になる様な場所に追い込まれるように誘導
したり敵の動きを阻害する、味方の攻撃を当てやすくする状況を作る事を優先
して動く
ずかずかと進む忍者達。対して、アキラとチヅルはじっとその場を動かないでいた。圧倒的な力量差。それでも、彼女を奪わせるわけにはいかないのだ。新郎がその腰にある刀を抜こうとしたその時。
光が下りてきた。
現れたのは姿形様々な存在。何者だ、と部屋内はざわついた。忍者の増援かと、アキラが身構えたその時である。誰かが、彼らを指さして、見ろ、と声を荒げた。そこにあったのは徳川の紋所が刻まれた符――『天下自在符』。
「おお……おお……!」
それを意味する言葉を、誰もが知っていた。アキラは、目を丸くする。対して、殺気立つのは忍者の方だ。
「現れたか、猟兵共め」
「ここは丁重にお引き取り願いましょう」
最初に現れた猟兵――水瀬・和奏(重装型戦闘人形・f06753)の静かな言葉。彼女の後ろでは忍者と新郎新婦の間に割り込むようにして次々と猟兵が降り立っていく。先手必勝と1人の忍者が和奏に遅いいかかってくる。
「やっせんぼん首なぞ、手柄にばならねが……。こいも仕事じゃ」
すらりと大太刀『鬼吼丸』を抜く新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)。迫りくる斬撃を簡単にいなす。すかさず、和奏がアサルトウェポンでもって忍者が居た場所を集中的に打ち放った。忍者は素早く後方へとバク転し、その弾丸を避ける。遠距離攻撃手段を持たない彼らにとって、不利な状況ではあったものの、素早さはすさまじいものである。舌打ちののち、指を鳴らす忍者。
すると、天井から、床下から、次々と彼らの増援が現れたのである。機動力で以て制圧せんと、忍者達は一斉に動き出す。アキラとチヅルの方に向かう忍者達の前に遮るように、巨大な忍者手裏剣が投擲される。
「こらこら、人の恋路を邪魔すんじゃあないよ!」
華頂・踏青(桜花絢爛・f02758)の巨大な手裏剣は道をふさぎ、彼らを一人も、否、一歩も向かわせまいと金色の瞳が物語っていた。
巨大な手裏剣によって隠されたアキラとチヅル。戸惑う彼らを保護せんと動く猟兵も数多くいる。
「好きな女くらい自分の手で守りたいのだろうけれど、死んでしまっては元も子もないわ」
「戦う事は私達にだってできるけれど、彼女を泣かせないようにする事ができるのは、あなただけよ」
「ここはわしら猟兵に任されよ!」
野宮・縁(永久に七つと数えよう・f06518)とラーフェン・ルーナ(睡憐・f00565)、戒原・まりあ(御名を呼ぶ・f00556)のそれぞれの言葉。皆、彼らを救いたいという気持ちは本物であった。だが、アキラとて守りたいという気持ちは本物である。反論しようとする彼だったが、水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)は優しく諭した。
「適材適所、君にしかできない君の大好きな子を泣かせない為に、ね」
その説得に、ようやくアキラは刀に伸ばした手から、チヅルの手を、取った。
それでいい、と猟兵達は微笑む。ラーフェンは前を向く。もう、彼らは大丈夫だろう。
「だから願って。わたしに命じて。オブリビオンをぶっ殺せって」
「すまない。……身勝手な願いだとは重々承知の上で、お願いする」
――奴らを、殺してくれ。
アキラの願いは、聞き届けられた。
●
5人から10人に増えた忍者達。忍者刀でそれぞれが切り結んでは離れ、離れては切り結ぶ。彼らにとって寿命を削るということに抵抗は一切ない。素早い動きに無駄はなく、常人では目で追えないものだった。しかし、戦闘のスペシャリストでもある猟兵にとって、その動きを捕らえるのは難しくはない。それでも人数差を考えてか、彼らは忍法鎌鼬でもって特殊な気流を纏い始めれば話は別だ。彼らの動きはより一層すばしこくなる。
「はぁあ!」
景久に向かって忍者刀が振り下ろされそうになった所を、踏青がすかさず手裏剣で援護する。
時々アキラとチヅルに向かって来る流れ弾もあったが、雁之助がすかさず机や椅子でもってその攻撃を防いでいた。
「――嗚呼。面倒だ。面倒くさい。一切合切、一掃してくれる」
それはいったい誰の言葉だっただろうか。ぼそりと呟かれたその言葉に、忍者達は一か所に集まると、1人が放った忍法鬼火に次々と炎を増やしていく。黒々とした炎は徐々に、徐々に巨大になっていく。それらは人1人分の大きさまで成長したあと、猟兵に向かって放たれる。
「ちょ、ちょっと! あれはまずいんじゃない!?」
踏青の言葉に、猟兵達もまた、一気団結する。まりあはサモニング・ガイストでもって【古代の戦士】の霊を召喚すると、対して赤赤とした炎を差し向ける。縁もまた、フォックスファイアでもって青い炎を打ち放った。
ぶわりとひろがる炎と炎のぶつかり合い。広がっていく熱に、熱い熱いと、客たちが避難を始める。
「ぐう、少しばかり辛いのう」
「10人分の忍法鬼火ですものね、ですが、負けるわけにはいきません!」
苦しいのだろう、縁の頬に汗が流れる。まりあもまた、汗だくになりながらも、迫りくる黒い炎の侵攻を押しとどめる。だが、破壊するまでには至らない。
「手伝うよ!」
「私も」
少しでも集中力を削ごうと、踏青は手裏剣を、和奏は、ミサイルを忍者に向かって撃ち放つ。
「いけ」
「はっ」
1人の忍者が飛び出でて、その身にすべての攻撃を受ける。すさまじい威力に、もちろん、彼は膝をつく。多くの忍者の集中力は保たれた、だがその非人道的な立ち回りに、猟兵はその目を細くする。
「なんと、むごい」
「いくらオブリビオンって言ったって、仲間を簡単に捨てるようなことするなんて……!」
「殺したのは貴様らだろう。何をそう怒るのか」
猟兵の言葉に、冷たく言い返す忍者。それが作戦であれば、なにも問題はないといいたげであった。
対して、猟兵達には守らなければならない者がたくさんあった。客も、新郎も、新婦も。そのすべてを守りたい。故に――誰も、殺させないと、覚悟を決め、気持ちを昂ぶらせる。
(負けたくない)
(勝ちたい)
その気持ちに、ユーベルコードが応えた。青の炎が、赤の炎が、黒い炎を飲み込んでいく。
「壊れろ……!」
圧縮していく黒い炎。――高く、高く跳躍した景久の大太刀『鬼吼丸』が、炎を一刀両断した。
瞬間、爆風があたりを襲い掛かる。悲鳴を上げる客。アキラはチヅルを抱きしめた。誰もがその衝撃に備えたが――。
「大丈夫、任せて!」
いつのまにか出来上がっていた机や椅子のバリケード。これらは雁之助が作り出したものだ。猟兵達もひらりとその後ろに身を隠す。地形をうまく利用したそのバリケードは家具としては使い物にならなくなったものの、確かに彼らを守護した。
対して、このようなことになるとは思っていなかった忍者達はリーダーを守らんと前に立ちはだかる。1人を除いてすべてが焼死する。爆風に膝をついた忍者。
「……まだまだ」
「いいえ、終わり。あなたの〝終わり〟は〝悲劇の終わり〟よ」
顔を上げようとした忍者にとどめを刺したのは、ラーフェンの拷問具だった。
成功
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第2章 ボス戦
『仮面の武僧』
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POW : 末世読経
予め【読経を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 狛犬噛み
自身の身体部位ひとつを【狛犬】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : 金剛力士の招来
戦闘用の、自身と同じ強さの【金剛力士(阿形)】と【金剛力士(吽形)】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑17
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新納・景久
「なんじゃ。雰囲気ん違うもんば出てくちょぉのう。おはん、何者じゃ」
武僧と対峙し、大太刀をいつでも抜けるように
オブリビオンだと判明し次第、抜刀
蜻蛉の構えで距離を図る
「大将首が? そいとも……。いや、どうでも良か。俺ん手柄にばしちゃる」
トンと地を蹴り、一気に距離を詰め、全力で鬼吼丸を振り下ろす
「チェェェエエストォォッ!!」
ただ、これまでの経験から、一太刀で倒せるものだとは思っていない
敵の脇をすり抜けるようにしてそのまま陰に隠れ、火縄銃に持ち替え
再び敵の姿が見えた瞬間、胴に向けて放つ
一度火縄銃を放し、再び鬼吼丸に
「蜻蛉一之太刀じゃ! チェェエエエッ!!」
野宮・縁
※アドリブ可能
親玉のお出ましか
待っておったぞ、でかぶつ!
わしらがぶっつぶしてくれよう!
てきからのこうげきの直撃をさけるためにちょこまか動きつつ、
なぎなたで攻撃をいなしたり【なぎ払い】行動するぞ
ここで力を出し惜しみしてもしかたあるまい
【巫覡載霊の舞】で変身
(変損後の姿は今の7歳の姿でなく20歳位の女性で蒼い炎纏い神々しい美しさ。
口調も平仮名多めでなくきちんと漢字で話す)
攻撃が軽減されるなら味方への攻撃を引き受けるように派手に動き
【衝撃波を放つなぎなた】で攻撃を叩き込むぞ!
新郎新婦やこの場の皆の幸せを【祈り】全力で戦って見せよう
戒原・まりあ
アドリブ可
このオブリビオンが、お嫁さんを狙っているのかしら?
いけない方ね。ひとの恋路を邪魔するなって、教わらなかったのかしら。
続けて【サモニング・ガイスト】で戦っていくわね。
金剛力士達の相手をガイストに引き受けさせて、私は【衝撃波】を敵本体へ向けて撃っていくわ。
本体に傷を受けさせられれば上出来。ガイストと一緒に畳みかけるわよ。
神埜・常盤
アドリブ可
さァて、彼等のボスは
一体どのような輩なのかねェ
その御尊顔、心して拝みに参ろうか
まァ、易々教えてくれるとは思わないがね
一応花嫁を狙った理由も問うてみようかな
理由が分かった方が
花嫁と花婿も安心出来るだろう?
仲間との連携や声掛けも忘れずに
僕は「天鼠の輪舞曲」を使用して
積極的に攻撃を仕掛けて行こう
体力が危うくなったら吸血で
体勢の立て直しを図りたく
君の血はどんな味か、教えておくれ
あとはフェイント掛けたりして
金剛力士達を躱せるかな
出来れば召喚をしている隙に
本体を思い切り叩きたい所だが
ボス本体を叩く際は捨て身の一撃で
大打撃を狙いたいな
愛し合う2人を引き裂こうとする無粋者には
手酷い仕置をしないとなァ
水貝・雁之助
先ずはあのお方、とやらが襲撃に来ても夫婦を守れるよう周囲の木や家具等を
利用して場所を整える
其の後は獣奏器を介して周囲の動物、雀や燕等に周囲に怪しい者が居ないか
あの忍者達が何処から来たか知らないかをお米等の報酬をあげた上で聞く
知っているようなら案内してほしいと交渉
案内して貰えるようなら猟兵達と共に向かう
其の際、夫婦に照明弾を渡し使い方を伝えた上で敵が来たら此れを使って合図を
送ってほしい事、場所は整えておいたから其の後は立て籠もってこっちが来るのを
待っておいてほしいとお願い
敵を探索中、或いは夫婦の所で襲撃の際はライオンライドをしつつ家具や
周囲の木や池等を利用して戦闘
夫婦が居るなら守り重視で戦う
春日・ひなの
※アドリブ可能です
貴様が件の「あの方」か
人の花嫁を攫うとはなんとも度量の狭い男だ
微力ながら、私も結納が無事に済むよう尽力しよう
他の猟兵たちと息をあわせ隙を見て前へ出る
斬ることしかできぬ不器用者ゆえ
一瞬の隙を見逃さぬよう、腰の刀を抜いて【剣刃一閃】
貴様には人を娶る資格などない
人の気持ちを思いやれぬ貴様には
だが、一つ聞こうか
何故彼女を選んだ?
その答えがどうであれ、花嫁を渡すつもりはない
一撃を加えたら、花嫁と花婿を守る布陣へ
トドメは他の猟兵に任せたい
…あまり派手な役は苦手なんだ
華頂・踏青
はっはーん、でっかいのがお出ましだね…
アンタもあのお方ってのの部下?まあなんだって許せないけどね!
チヅルはアキラの嫁さんなるんだからー!!
二人に被害がないように二人を庇いつつ、
前衛さん達の後方支援に回ろうと思う!
前から忍者手裏剣飛ばして追撃狙う他に、
この手裏剣でかくて目立つから…これに注意を引きつけて…
仲間が危ない、っていう時でもいいかも!
ドラゴン形態のドラゴンランスを相手が気づかなそうな背中側に飛ばして、
技能として【串刺し】も使用して死角から槍ブッ込ませる!
うまく命中したら【ドラゴニック・エンド】で追撃やっちゃる!
はっはー!ビビったっしょ!さっさと尻尾巻いて帰りなー!
アドリブ可能ですー!!
満月・双葉
他の猟兵との連携を重視します。
敵の攻撃は見切りや、第六感によるカンで避け、避けられない場合はオーラ防御や盾受けで耐えます。
戦場を把握し地形の利用、フェイントによる翻弄、忍び足で目立たない動きを心がけ騙し討ちする
本や馬の置物を用いた怪力による気絶攻撃
桜姫で串刺しからの大鎌への変形を行いながら生命力を吸収する2回攻撃による吹き飛ばし
パパ直筆御札による呪詛でジワジワと生命力を削る攻撃
大根による傷口をえぐる攻撃
虹瞳による零距離射撃
等間合いも戦法もコロコロ変えて翻弄していく
虹薔薇の静踊使用時は眼鏡を外します
他の猟兵への技能スナイパーを用い援護射撃
残像を残す早業もご覧に入れます
屋敷に光が迸った。
水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)は身を潜めていた他の猟兵達に合図を送る。
一斉に彼が作った隠れ小屋から飛び出す猟兵達。対して、照明弾を使ったアキラは、チヅルの手を引き、同じく彼が作った安全地帯へと身を潜める。
客らは忍者を倒した後、避難させた。本来ならチヅルとアキラも避難させたいところではあったが、チヅルを追ってくる可能性を踏まえて、ここで迎え撃つことにしたのだ。
●
どう、と巨木が倒れるような音がした。それが彼の足音だと気が付くのに、そう時間はかからない。身長3mはあろうかという仮面をつけた武僧は、忍者の骸を踏むのも気にせず、ズカズカと上がり込んでくる。彼はぶつぶつと読経を行っていた。
「なんじゃ。雰囲気ん違うもんば出てくちょぉのう。おはん、何者じゃ」
「その問いに答える義理はない」
「はん、そうかい」
新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)の問いかけに応えることなく、花嫁を要求するオブリビオン。――おそらくこれが、忍者達の言っていた『あの方』なのだろう。蜻蛉の構えで距離を図る景久。その後ろで、ゆらりと野宮・縁(永久に七つと数えよう・f06518)が立ち上がる。力の出し惜しみはしない。全力で戦うと決めていた彼女は、緩やかな舞を1つ披露する。【巫覡載霊の舞】によって力を得た彼女は、成人女性の姿をし、蒼い炎纏ったその姿は、神々しいともいえる美しさであった。
「親玉のお出ましか。待っておったぞ、でかぶつ!儂らがぶっつぶしてくれよう!」
その手に持った薙刀がオーラを纏い、仮面の武僧に向かって衝撃波を叩き込む。景久もそれに倣ってトンと地を蹴り、一気に距離を詰め、全力で鬼吼丸を振り下ろす。
「チェェェエエストォォッ!!」
ガキン、と鋼同士がぶつかるような音がする。目の前にいたのは、仮面武僧ではない。そこにいたのは、金剛力士である。同時に召喚したのだろう。縁の薙刀から放たれた衝撃波もまた、金剛力士によって跳ね除けられた音がした。
「邪魔じゃのう!」
「まかせて」
戒原・まりあ(御名を呼ぶ・f00556)は【サモニング・ガイスト】で【古代の戦士】の霊を召喚する。推参した戦士たちは槍でもって、金剛力士達に向かって襲い掛かっていく。わっと押し寄せてきた戦士たちだが、金剛力士達は平静に対処せんと動き始める。しかし、それがまりあの狙いでもあった。
まりあが放った衝撃波は、吸い込まれるようにして仮面の武僧に向かっていく。しかし、庭の松の木を引っこ抜いた仮面の武僧は、その木を衝撃波に向かって投げつけ、相殺してくる。木片や木粉が飛び散った。しかし、それこそがまりあの狙いでもあった。サモニングガイストは槍から炎へとその攻撃手段を変じる。刹那、ぶわりと炎が燃え広がった。
再度、その状態でまりあが衝撃波を放つと、それは炎を纏い、巨大な風となって仮面の武僧を襲う。さすがにこれを受けきる術はなく、仮面の武僧は攻撃を喰らった。同時に、【サモニングガイスト】が相手をしていた金剛力士の姿がスゥっと消えてなくなっていく。
火傷したらしい場所が煤けていたが、それを気にせず、仮面の武僧がその右手を狛犬の形にしてまりあを喰らわんと手を伸ばしたが――
「させないよ!」
その手をライオンが噛みちぎった。池の中にいつの間にか潜伏していた雁之助は、その背中に乗っていた。池にぼたぼたと椿が咲いては溶けて消えていく。狛犬の首――右手を刈り取られた事に対して、さすがにこれには痛みを感じたのか、仮面の武僧が彼をはたき落とさんと巨大な左手を払う。
【剣刃一閃】――春日・ひなの(花散らし・f10274)の必殺攻撃が迸る。
「何故彼女を選んだ?――答えがどうであれ、花嫁を渡すつもりはないが!」
腰の刀が抜きん出でるその瞬間、仮面の夢想の指が切り落とされる。同時に、持っていた錫杖が地に落ちた。金属同士がぶつかるような音がする。くぐもったような声を上げて、仮面武僧は手首から先のない右手と、指を失った左手をぶんぶんと振り回す。
「……小癪な。弱者は黙って我に従えば良いものを!」
「その弱者にやられてるんだから世話無いよね。あははっ」
華頂・踏青(桜花絢爛・f02758)は笑いながら、巨大な手裏剣を投げ飛ばす。避けられず、仮面が割れれば、その表情は怒りに満ちた形相である。故に――気が付かなかった。ドラゴン形態のドラゴンランスを相手が気づかなそうな背中側に飛ばし、死角から槍を打ち放った。さらにおまけといわんばかりに【ドラゴニック・エンド】によって召喚されたドラゴンブレスが彼の背中を焼き尽くした。
「ぐおおおお!」
「はっはー!ビビったっしょ!さっさと尻尾巻いて帰りなー!」
「愛し合う2人を引き裂こうとする無粋者には手酷い仕置をしないとなァ」
槍に固定された身体。それを引き抜かんとするものの、右手と左手、両方を欠損している仮面の武僧ではもがくばかりだ。悔し気な咆哮が響き渡る。そのあまりに巨大な声に、ミシミシと木々や建物が揺れた。暴れまわるのも困る、神埜・常盤(宵の帳・f04783)は【天鼠の輪舞曲】でもって吸血蝙蝠の群れに変身すると、頭周囲に群がって、その視界を覆う。
「さぁ、今こそ終わりを迎える時だ。頼んだよ」
常盤の言葉に――応えるものがいた。
――館の屋根上。その片隅、ひっそりと潜伏していた満月・双葉(星のカケラ・f01681)は眼鏡を外す。戦場を把握し地形の利用、フェイントによる翻弄、忍び足で目立たない動きを心がけていた彼女は、この技を打つのに絶好のポイントを探り当てたのだ。常盤は彼女のその動きに誰よりも早く気が付いていた。だからこそ――機会を作ったのだ。
「無様で、滑稽で可哀想だね。私が終わらせてあげよう」
冷静な声。しかし、けして冷淡ではない声が、死へと誘う言葉を告げる。双葉の乳白色の瞳が、仮面の武僧に向かい――。
――目が、合った。
【虹薔薇の静踊】。その言葉に習うように、オーラで構成された虹色の薔薇の花弁が、ぶわりと地から天に向かって迸る。オブリビオンの絶命の瞬間にあげた声が、どこまでも、どこまでも空に響く。チヅルとアキラはそれをただただ、見つめ、パッと薔薇の花弁が散った空を眺めていた。
「終わったよ」
蝙蝠たちが集まって、人の形に戻っていく。スト、と地に足を付けると常盤がアキラとチヅルに告げた。
その言葉に、安堵した彼らは、へたりと、地に座り込み、お互いが生きているこの奇跡に、猟兵達に感謝していた。
アキラはチヅルを抱きしめる。白無垢と婿衣装が汚れるのも、もう構わなかった。
今、生きている。2人は生きている。誰も失わず、誰も行かず、誰も泣くような事もなく、戦いは終わったのだ。
2人でこれからを生きていける――それだけのことが、とても嬉しくて、とても、ありがたい。
「……よかった。君が行かなくて、本当によかった」
「……アキラ、様ぁ……っ!」
ぽたり。ぽたり。と、雫が池に波紋を落とす。雨が降り始めたようで、サァっと音が広がっていく。忍者や仮面の武僧達の血を洗い流すように、徐々にその勢いは増していった。仮面の武僧の断末魔を塗り替えるように。戦いの終わりを告げるように。
――チヅルの泣き声と涙を隠すように。
猟兵達は微笑んだ。アキラとチヅル。2人の未来は無事、守り切ることが出来たのだ、と。
「嗚呼、長い夜が明ける――」
常盤は白み始めた空、登り始めた太陽を見て、まぶしそうに細めた。
猟兵達は思い思いの感情を胸に、アキラとチヅルの抱擁が溶けるまで、雨が止むまで、彼らを見守っていた。
幸せとはどのような形だろうと問われれば、今なら応えられる。
彼らのような、手を取り合い、共に過ごせること。これこそが、幸福なのだと。
大成功
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第3章 日常
『狐の嫁入り』
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POW : 紙吹雪や折り鶴シャワーを撒く
SPD : 花嫁行列が来るよ、と先々に告げて回る
WIZ : 行列に合わせて音楽を奏でる
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無茶苦茶になってしまった結婚式。だが、人的被害は最小限で済んだ。
最初に忍者に切りつけられた人物も、命に別状はないらしく、ほっと安堵する猟兵達。
アキラとチヅルが猟兵達に礼をした後、どうか、この後改めて結婚式の続きを執り行うので、見届けてはくれないかと願い出でた。
猟兵達は、快く引き受ける。彼らの幸せを祝福することにした。
新納・景久
「結婚、のう……。いや、めでたか! ちと走っがの」
家のために自分もいずれは、と考えてはいるものの、男として育てられた以上、結婚などできるのだろうか
養子でももらって、それで終わりではないのだろうか
そんな一瞬の憂いを振り切るかのように、町中を駆けずり回る
「花嫁行列ば来っどー! 皆、支度せんか。早よ、早よ!!」
一通り伝え終わると、町外れの家屋によじ登り、屋根に腰を下ろす
「おー、綺麗なもんじゃ」
遠目にも分かる美しい花嫁姿を確認してにっかりと笑い、すぐに表情は失せる
「……綺麗だなぁ。うん、綺麗。あたいも、兄さんが生きていれば」
「あぁもうっ、俺は何を妬いちょっが!!」
屋根を飛び降り、どこへともなく走り去る
「結婚、のう……。いや、めでたか! ちと走っがの」
新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)は嬉々として街中を駆け巡る。
「花嫁行列ば来っどー! 皆、支度せんか。早よ、早よ!!」
最初こそ、襲来があったことを知る民々は罠ではないかと、こそこそ話していた物だが、徳川の紋を持つ猟兵の姿を見れば、『嗚呼、解決したのだな』と事態を悟り、結婚行列を祝福しようと家から出てくる者もいれば、窓から顔を覗かせる者もいる。
家のために自分もいずれは、と考えてはいるものの、男として育てられた以上、結婚などできるのだろうか。養子でももらって、それで終わりではないのだろうか。
そんな一瞬の憂いを振り切るかのように、町中を駆けずり回る。それに呼応するかのように、不穏さを振り払うかのように祝福ムードに変わるその雰囲気に、景久は口角を上げる。
「よっと!特等席じゃ!」
一通り伝え終わると、町外れの家屋によじ登り、屋根に腰を下ろす
「おー、綺麗なもんじゃ」
最初こそ、美しさに嬉しそうにしていた物の、自身の未来の行く末に思いを馳せる。
「……綺麗だなぁ。うん、綺麗。あたいも、兄さんが生きていれば」
もし、こうしていれば、もし、ああなっていたら。考える可能性はいくらでもある。だが、自分が進んだ道は、たった一つだ。
「あぁもうっ、俺は何を妬いちょっが!!」
景久は屋根を飛び降り、いつか来るかもしれない幸せに羨望と、僅かな嫉妬と、それに伴う自己嫌悪を抱えて、どこへともなく走り去っていく。
成功
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水貝・雁之助
結婚式のお祝い、サムライエンパイアなら龍笛の演奏が一番かな?
折角だし結婚式にぴったりの縁起の良い皆(動物達)にも大々的に祝って貰おうかな?
行列に混じり龍笛の形状の獣奏器を【楽器演奏】
事前にお願いしておいた鶴、鳩、兎、蝶、梟達も行列に同行して貰う
勿論、喧嘩しないように報酬のご飯はしっかり渡して頼み込んでおく
折角、一生に一度きりの事なんだ
長く共にあれるよう(鶴は千年。生涯共に寄り添う)、幸運に恵まれ(鳩は幸運と愛の象徴)、苦労なく(梟は不苦労)、子宝と言う喜びに満ちた変化(姿を変え続ける蝶は変化と喜びの象徴)に恵まれますように、ってね?
うん、幸せになるんだよ?
行列が街中を進んでいく。
水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)は行列に混じり、龍笛の形状の獣奏器を演奏する。その後ろで、音楽に合わせてひょこひょこと続く動物たち。鶴、鳩、兎、蝶、梟達も行列に同行して、踊っていた。
「みてみておかーさん、どうぶつさんがあるいてるよ!」
「あらまあ、本当ね。可愛らしい事」
小さな子供を連れた母親が、その様子を微笑ましそうに眺めていた。その後ろで、老婆がほっほっほ、と笑いながら、親子に告げる。
「あれはね、みぃんな縁起の良い動物たちなのよ。鶴は千年、生涯共に寄り添うといわれ、鳩は幸運と愛の象徴。梟は不苦労を意味していて、姿を変え続ける蝶は変化と喜びの象徴である蝶は子宝と言う喜びに満ちた変化を示しているのよ」
そう。雁之助は困難な思いをしたアキラとチヅルの憂いを少しでも晴らすために、縁起の良い動物をこれでもかと集めたのだ。もちろん、諍いが起きないように、それぞれにご褒美を与え、かつよく言い聞かせて。
笛から唇を離し、前を歩く夫婦を見て、目を細める。
「幸せになるんだよ?」
その願いはきっと届くことだろう。
大成功
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神埜・常盤
アドリブ可
無事に結婚式を挙げられて何よりだ
長らく日陰者をしてきたので
斯様な晴れの舞台に招かれるのは
聊か面映ゆくもあるが
今日ばかりはお言葉に甘えて仕舞おう
僕は紙吹雪や折り鶴の他に
折り紙で折った薔薇や星を降らせて
アキラ君とチヅル君の門出を祝福しようか
降らせるものが無くなれば
精一杯の拍手喝采で見送ろう
折角の祝いの日に水を差されてしまったが
大きな障害を乗り越えた分きっと
この先何があっても君達は互いを労わり
支え合って生きていけるのだと
僕はそう信じているよ
後はそうだね
温かく幸せな家庭を築いてくれ給え
父に母を奪われ故郷を追放された
己の生い立ちに想い馳せながら
そんな言葉を贈る
2人ともおめでとう!
末永くお幸せに
行列に紙吹雪や折り鶴の他に折り紙で折った薔薇や星を降ってくる。これは神埜・常盤(宵の帳・f04783)が心を込めて丹念に作った精巧な物達だ。
普段は日陰者をしてきた為に、斯様な晴れの舞台に招かれるのは聊か面映ゆくもあるが、大きな障害を乗り越えたアキラとチヅルを祝う事に、常盤は意欲的であった。
故に、普段はしないことをしてみようと考えた結果である。父に母を奪われ故郷を追放された己の生い立ちに想い馳せながら、手元に折り紙や紙吹雪がなくなれば、精一杯の拍手喝采で見送った。
「2人ともおめでとう!末永くお幸せに」
琥珀色の髪が風に靡く。ふと、頬に雫が落ちる。先ほどの雨のせいかと思ったが、細かな雨は徐々に霧雨となって降り注いでくるのがわかって、どうやらそのせいでもないらしいのが彼にはわかる。空を見上げると、晴れていた。
「……はは、狐の嫁入りか。これは縁起がいいね!」
(折角の祝いの日に水を差されてしまったが。大きな障害を乗り越えた分きっとこの先何があっても君達は互いを労わり支え合って生きていける)
マホガニーオブシディアンのような瞳は、どこまでも幸せの影を追っていた。
成功
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戒原・まりあ
アドリブ可
さあお祝いよ、お祝い!
今日みたいなことさえ乗り越えられたんだもの
きっと二人とも末永く一緒にいられるわ
どうか幸せな未来へ至れるように、【祈り】をこめて
【オルタナティブ・ダブル】でもう一人の自分を呼び出して、
息を合わせて演奏しましょう
私はフルート、もう一人はサクソフォン
サムライエンパイアの人達には物珍しいかしら
雅やかな音楽に、寄り添う様に、融け込むように気を配りながら奏でるわね
ふと聞き慣れない音がした。顔を向けると、そこには戒原・まりあ(御名を呼ぶ・f00556)が2人いた。――否、片方はオルタナティブ・ダブルによって現れたもう一人のまりあだ。
(今日みたいなことさえ乗り越えられたんだもの。きっと二人とも末永く一緒にいられるわ。どうか幸せな未来へ至れるように、【祈り】をこめて)
まりあが持っているのはフルート、もう一人はサクソフォンを奏でている。見たことのない楽器に、好奇心旺盛なサムライエンパイアの町民は、霧雨に負けず、興味津々である。
洋楽器であるそれらであったが、和楽器に合わせてもおかしなところは一切なく、不思議とマッチしているその音は、雅やかな音楽に、寄り添う様に、融け込むように気を配りながら奏でるまりあの技量が高いことがうかがい知れた。
まりあの祈りが届いたかのように、空に一筋の虹の橋が下りてくる。
彼方の山に降り立つその橋を見て、アキラが御覧、とチヅルに笑いかける。
チヅルもまた、わずかに、微笑みかけていた。
大成功
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琥珀川・れに
pow行動。
結婚式の参列者募集と聞いて、
この国の結婚式に興味があって来たんだ。
…いや、正直なところ僕の中に少し少女的な憧れがあったのが本音だ。
幸せそうな花嫁の姿、僕もいつかはあんな幸せな姿になるのだろうか。
照れた花婿の姿…花嫁をエスコートする姿、ううん。どちらかというと僕はこっちのイメージな気がする。
折り鶴を一つ掴むと僕の国の祈りの言葉を念じて、
二人に飛ばした。
(運命はどう転ぶかわからないからアドリブは嬉しい。遅くてもいい)
チヅルに微笑みかけられた事に、目を丸くした後、満面の笑みを浮かべるアキラ。
幸せの形を確かに感じ取りながら、その暖かな雰囲気にある確かな愛を見て、琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)は目元を柔らかく細める。
サムライエンパイアの結婚式に興味があって来たれににとって、その光景はとてもまぶしく、とても羨ましい物であった。
幸せそうな花嫁の姿、自分もいつかはあんな幸せな姿になるのだろうか。
照れた花婿の姿…花嫁をエスコートする姿。
(ううん。どちらかというと僕はこっちのイメージな気がする)
己の中にある少女的な憧れをひそかに認め、アメジストの瞳は雨に濡れる。自分が立つ位置というのに、認識と理想が乖離する。それが嫌なわけでは決してないが、寂しいと思ってしまうのは何故だろう。
――いや、今は彼らを祝福することに専念しよう。
折り鶴を一つ掴むと、れにの国の祈りの言葉を念じて、二人に飛ばした。
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後日。彼らの館で、にぎやかな産声が上がる。
のちに、猟兵に助けられた事から猟太郎と名付けられたアキラとチヅルの子はすこやかに育っていく事だろう。
「猟兵が全力で祝福したんだ。幸せにならないわけがないさ」
グリモア猟兵のノエルが、にっこりと笑った。
大成功
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