Extraordinairement jolie!
ウーシャン・ラビットポスト
💠オリジナルスイーツは如何ですか?
店主にお届け物うしゃよ!(お店のガラスにべちっとくっつき)
サイン貰って~荷物渡して~……ということで……うっしゃあああ!!今日の配達はこれでお終い!なので店主、がんばったうーしゃんにおやつ作って欲しいうしゃ!
和洋どっちでも良いけど希望を言えば生菓子が食べたいうしゃ。クッキーとか持ち運びが効くお菓子はよく貰って食べるからね、アイスとかクレープとかその場でしか食べれないのがいいうしゃ!
よろしくお願いするしゃ~~
●
「店主〜〜〜〜〜〜」
「んっ?」
べちぃ。
マギラント、緑の領地の一角に店を構えるパティスリー『Miel de Ange』。
そのオーナーパティシエであるクレープ・シュゼット(蜂蜜王子・f38942)は、店の窓に何かが貼りつく気配を感じて視線を向ける。
果たしてそこには、窓に貼るジェル状の装飾の如く窓にくっついているウーシャン・ラビットポスト(バルバ「ウサギ」のスカイランナー・f39076)の姿があった。
「わぁ! ウーシャンくんどうしたの!」
「店主にお届け物うしゃよ!」
窓が開かれたのでべりっと剥がれ、荷物を持ち上げるウーシャン。
それを見たクレープの瞳が瞬く間に輝いた。
「ほんとっ? やった、待ってたんだー! これでここでもあの世界で見た技術が再現出来るよっ」
「は〜いそれじゃ〜サインいただくうしゃよ〜」
舞い上がったクレープが忘れる前に、ペンを渡してサインをさせた。それと引き換えに荷物の受け渡しを終えて。
「……ということで……うっしゃあああ!! 今日の配達はこれでお終い!」
んーっと伸びをしながら店内へと転がり込むウーシャン。それをクレープがキャッチし、カフェスペースの椅子へと座らせた。
次にウーシャンが何を言おうとしているのか、察した様子で。
「なので店主、がんばったうーしゃんにおやつ作って欲しいうしゃ!」
既にクレープが試作と称して猟兵たちモチーフのスイーツを作って、彼らに振る舞っていることはリサーチ済みなのである。スカイランナー配達員の情報網を甘く見てはいけない。
「おっけー。何かご希望はある?」
「そううしゃね〜……和洋どっちでも良いけど、希望を言えば生菓子が食べたいうしゃ」
「ふんふん」
「クッキーとか持ち運びが効くお菓子はよく貰って食べるからね、アイスとかクレープとかその場でしか食べれないのがいいうしゃ!」
そう。自慢ではない(多分)が、ウーシャンは可愛いのだ。
可愛いゆえに、プレゼントを貰うことは最早日常茶飯事。だから、たまには普段なかなか食べる機会がないものを。
「そうだなぁ……じゃあ、アイスケーキにしようか!」
「アイスケーキ!」
何と甘美な響きか!
期待に胸を躍らせるウーシャンに目配せひとつして、クレープは早速準備に取り掛かる。
型の底にセットしたブラウニー入りチョコレートスポンジの土台の上に、薄く生クリームを敷き詰める。
様々なフレーバーのアイスを作っては冷やし、型に沿いつつ都市国家の建築群のように盛りつけてゆく。
建物はバニラ、チョコのアイスをメインにストロベリーやラムレーズン、チーズケーキにダークチェリー、抹茶なんかも彩り添えて。
今は冬だからと、粉砂糖の雪を降らせて、最後に都市国家の象徴たるモニュメントを乗せる――が。
「架空の都市国家うしゃ?」
中心となるのはポストに、ウーシャンの愛用するそれと同じ色合いのエンジェリックウイング。それがアイスで再現されている。
「キミのための都市国家だよ。アイスの都!」
「最高うしゃ!」
今日限りの儚き一夜城ならぬ一夜都市ではあるが、スイーツ好きにはたまらない夢だ。
更にその建築群の上を軽やかにステップ踏むように、ちょこんと広めのアイスの屋上に乗せられたのは。
「ウーシャンがいるうしゃ?」
「チョコアイスをベースに作ってるんだよ。顔や衣装は別のアイスやトッピングでね」
やや頭の方が大きいウーシャンのプリティー(ここ重要)なフォルムも妥協なく再現されている。どうやら芯に細めのチョコレートスティックを挿し込むことでバランスを保っているようだ。
そうして完成したのが――、
「『|Extraordinairement jolie《とびっきり可愛く》!』」
「うしゃ!」
「かんせーい!」
ウーシャンのための、アイスケーキの都市国家だ!
●
「とは言え」
今は冬である。
冬にアイス。身体を冷やすこと必至である。
「暖房つけようね。あと、残りは冷凍しておくから、おかわり欲しくなったら言ってね。取っておいてまた別の日に来てくれてもいいし」
「あとはお茶が欲しいうしゃ〜」
「だよねー。ストレートティーでアイスの甘さを引き立てるか、寧ろミルクティーでどっちの甘さも楽しむ形にするか……茶葉はやっぱりメインのチョコレートに合わせる形で……」
「食べて待ってるうしゃよ〜」
悩み始めたクレープに、これは長そうだと察したウーシャンは、切り分けられた都市国家にスプーンを差し込む。傍らのウーシャンアイスが、その様子を見守っている。
「ん〜! 久々のアイスうしゃ! ひとつの味に飽きたら別のアイスがすぐ食べられるのが高ポイントうしゃね」
特にメインのチョコアイスが絶品だ。何より可愛い!
「お待たせ! 横にお茶置いとくね」
「待ってたうしゃ〜」
そして身体が冷えてきたら、熱々のお茶でほっと一息。
贅沢なアフターを、ウーシャンは存分に堪能したのだった。
成功
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