君の為に紡ぐパラダイム・シフト
●
ねえ、ワタクシは思うのです。
例えばこの世界が“誰かの中で育ったニセモノ”であったとしても。
此処に生きて、息づいて、歌を紡ぐワタクシは果たしてニセモノなのかしら?
ワタクシだけではない。
このちっぽけな世界に息づくすべての命に、貴方がたはニセモノのレッテルを貼って――そうして、命を刈り取ろうとしている。
貴方がたは其れを御存知なのかしら。
ニセモノも、世界を満たしてしまえばホンモノよね?
ワタクシはホンモノになりたい。
だから、ねえ、頑張って、ワタクシたちの“宿主さま”。
頑張ってワタクシたちを、ホンモノに変えて下さいな!
●
「カクリヨファンタズムを襲っていた|滅詩《ほろびうた》のユリと|幽銃《ユウガン》のシズクとの、最後の決戦の時だ」
ヴィズ・フレアイデア(ニガヨモギ・f28146)はそう言うけれども、其のかんばせは僅かに愁いを帯びている。いつも勇ましく猟兵を送り出す彼女にしては、少し珍しい表情だ。
「彼女らの目的は閻魔王の獲得――ひいては、『|生と死を繋ぐもの《ヤマラージャ・アイビー》』の獲得だったんだ。彼女らは病を抱えている。“体内に偽物の世界が発生する”という病で、……其の世界は膨れ上がってやがて彼女らを圧し潰し、世界を乗っ取るんだ。だけれどユリとシズクは其の骸の海の中からまた同じ病を抱えて生まれ出て、……また世界に圧し潰される。彼女らは其の繰り返しを止めたくて、世界を殺す懐刀を求めていたようだね」
だが、其れは成らなかったんだ、とヴィズは言う。
「ユリとシズク……特にユリの体内で“世界”が育つ方が早かった。このままでは彼女らの肉体を破壊して、カクリヨの世界が彼女の体内で育った“世界”にまるっと生まれ変わる。当然其処にいた妖怪たちや人間は――“いなかったことになる”。阻止しなければならない、ならないのだ」
棘が育ち、白磁がそびえる。扉は悠然と、座標を定めていく。
この扉の先はカクリヨファンタズムではない、とヴィズは言う。
「扉の先は|偽物の《・・・》“世界”。すなわち、ユリの体内で育っている世界だ。其の中にはオブリビオンがいる。まずは偽物の世界を破壊して、其れからユリとシズクを撃破して欲しい。どんな世界かは、すまない。観えなかったので行ってみないと判らない」
ごう、ごう、ごう。
扉の奥から風の音がする。
ぎいと開いた扉の奥は暗闇だ。
「……偽物の世界に生まれた命は、偽物なのかな」
ぽつり、と魔女は紅唇で呟く。
命は命、其れではいけないのかな、と。
「――なんてね! 迷っていてもしょうがない。あたしの代わりに、お前達が答えを出してくれ! そして……生きて帰って、あたしに答えを教えてくれ。……では出陣! 武運を祈る!」
そうして、猟兵は扉を括る。
其の向こうには――“何も、なかった”。
key
こんにちは、keyです。
オウガ・フォーミュラとの決戦ですが、一筋縄ではいきません。
●目的
「|滅詩《ほろびうた》のユリと|幽銃《ユウガン》のシズクを撃破せよ」
●各章
第一章では地形の理解。
第二章では偽物の“世界”に住まうオブリビオンの撃破。
第三章ではユリとシズクとの決戦になります。
各章の詳細は断章にてお知らせ致します。
●プレイング受付
受付、〆切はタグ・マスターページにて適宜お知らせ致します。
●注意事項(宜しければマスターページも併せてご覧下さい)
迷子防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは合言葉を添えて下さい。
また、アドリブが多くなる傾向になります。
知らない人と共闘する事なども在り得ますので、ソロ希望の方はプレイング冒頭に「🌼」を添えて頂けると助かります。
●
此処まで読んで下さりありがとうございました。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『空中戦!』
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POW : 攻撃はパワー!
SPD : 攻撃はテクニック!
WIZ : 攻撃はインテリジェンス!
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵が扉を括った先には――“何もなかった”。
空中にぽーん、と押し出すように放り出されて、真っ暗な虚空の中を落ちる。
だが、微かに見える銀色は――まるで蜘蛛の糸のよう。
猟兵の身体能力をもってすれば、これは十分に足場となり得るだろう。
世界には月もなく、太陽もない。
ユリが内包する世界では、空はのっぺりと昏く、しかし、まるで白夜のような明るさを備えていた。
こんなものは例えオブリビオンでも抱えきれない。
まずはこの偽物の世界の奥に鎮座する、“柱”たるオブリビオンを斃さねばならないのだが――
「そうは問屋がおろすもんか!!」
「俺達が! ホンモノだぁ!」
妖怪たちが、やんややんやと騒ぎながら|降ってきた《・・・・・》!
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空中戦です。
張り巡らされた蜘蛛の糸を頼りに、落ちて来る妖怪たちを避けるか迎撃して下さい。
一応日常章ですので、無理に戦闘に持ち込む必要はありません。
説得する事も可能です……が、果たして、彼らを“ニセモノ”と言い切る勇気は貴方達にありますか?
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片桐・公明
アイデンティティにするのは分からなくもないけれど
真贋なんて本人次第だと思うわ
【WIZ】
しばらくまっすぐ落ちてから身をひるがえしUCを使用
空を蹴り続け滞空する
滞空している間は世界の観察に徹する
(蜘蛛の糸は……救済の象徴かしら)
妖怪に対してこちらからは何もしない
降ってくるものは回避に徹し
敵意を持って向かってくるものだけ
蹴りで迎撃する
(『サイキックハーツ』。なぜ彼女たちがその言葉を知っていたのか)
(この仕事でわかるといいのだけれど。)
(絡み、アドリブ歓迎)
●
――墜ちていく。
片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)は其れでも、恐怖の感情はなかった。上から降って来る妖怪たちにもまた、恐怖の感情はなかった。
公明は墜ちていく。蜘蛛の糸がキラキラと輝くのを見る。其れは何処までも続いている景色。ホンモノのカクリヨとは全く違う、暗闇の中に蜘蛛の糸だけが輝く面白みのない世界。
――こんな環境で、妖怪たちはどうやって生活を営んでいるのかしら。
――其れとも……ただ突然現れて、消えていくだけ?
くるり、身を翻すと公明は|空を蹴る《・・・・》。とん、とまるで地面を蹴り飛ばしたような音がして、公明の身体は重力に抗う。
「な!?」
「宙を跳んだァ!?」
「……生憎、貴方達の願いを叶えるつもりはないわ。でも、願う事を止めるつもりもない」
公明は己に向かってきた妖怪たちだけを迎撃する。増した脚力で蹴り飛ばせば妖怪は吹っ飛び、足場を見失って落ちていく。
落ちていく、次々と落ちていく。妖怪たちは落ちて、……其のまま、漆黒の底へと落ちて、姿が見えなくなる。あの底には、何かがあるのだろうか。其れとも何もないのだろうか? 永遠に落ちるだけの世界なんて、ニセモノにしてもつまらないわね。
「――サイキックハーツ」
公明はぽつりと呟く。
垣間見たユリとシズクも、同じ言葉を呟いていた。何故彼女たちは其の言葉を知っていたのだろう? こうして彼女たちの内包するニセモノの世界を破壊していけば、何か判るのだろうか。
大成功
🔵🔵🔵
川谷・茉莉
UCで呼んだライダーさんとタンデムして、蜘蛛の糸の上をバイクで走り奥を目指すわ。
妖怪達はバイクで撥ね飛ばしたり、聖剣「雨傘」の【斬撃波】で弾き飛ばしていきましょ。
貴方達は自分がホンモノだと思ってるようだけど、それなら、貴方達が何処から来たのか、答えられるかしら。
私には、このニセモノの世界に降って湧いただけにしか見えないけど。
私は…そう。遠い昔、子供達の想いによって生まれたもの。
虐められ、爪弾きにされた子供達の恨み辛み、救いを求める想いから生まれたもの。
それ故に、私はこうして在る。
そんな、生まれるに至る理由が無いなら。
こんな世界に依ってしか存在し得ないなら。
結局、あなた達はニセモノなのよ。
●
「ライダーさん……!」
川谷・茉莉(n番目の花子さん・f32951)は新しい妖怪だ。故に、という訳ではないが、彼女には呼んだら応えてくれる“友達”がいる。現れた首なしライダーの後ろに飛び乗ると、蜘蛛の上を器用にバイクで走り始めた。
右も左も、前も後ろも。上と下すら判らない空間。ただ蜘蛛の糸が縦横無尽に走っていて、無策に落ちるには少し危なそうだ。
「殺傷力がある……訳ではないみたいね」
――貴方達以外は、だけど!
落ちて来る妖怪を雨傘から放つ斬撃波で吹き飛ばしながら、茉莉は奥を目指す。
「ライダーさん、そのまま走って! ――ねえ、貴方達。貴方達は自分がホンモノだと思っているようだけど、其れなら、何処から来たのか答えられるかしら?」
茉莉が問う。とんとんと糸に着地した妖怪たちは、なんだなんだと眉をひそめた。
「なんだいお嬢ちゃん。“此処にいる”、其れだけじゃ駄目なのかい」
「ええ、駄目なの。貴方達はまるで、この世界に|降って湧いた《・・・・・・》みたいで……妖怪としての出自が薄すぎる」
例えば私。
私は遠い昔、貴方たちにとっては新しい最近に、子どもたちの想いによって生まれたもの。虐められ、つまはじきにされた子どもたちの恨み辛み……そして救いを求める想いから生まれたの。
其れゆえに、私はこうして在る。
貴方達にはそういった所以はある?
「――生まれるに至る理由がないなら」
雨傘を一振り。斬撃波が奔り、戸惑う妖怪を吹き飛ばす。
「こんな真っ暗で何もない世界に依ってしか存在しえないなら。結局、貴方達はニセモノなのよ」
大成功
🔵🔵🔵
佐毘賣・多々良
【SPD】
「……新たに生まれ、今在る世界を圧し潰そうとしているのなら、『偽物』と言うより『侵略者』と言う方が適切であるように思いますね」
(落下しながら独り言ちる)
【・「髪」から「相鎚」を取り出し、中程を持って落下方向に対して垂直に立てて適当な糸に引っ掛け落下を止める。
・襲いかかってくる妖怪たちは、初撃を躱してから「相鎚」でぶっ飛ばす。
・近くの糸に乗って再度飛びかかってくるようなら、「鋼脈」の金属片を投げて糸の切断による足場崩しを試みる】
「……そして、『侵略』と言うのであれば、此方も全力で抵抗させて頂きますので。御了承を」
●
佐毘賣・多々良(|神護《かみもり》の神子・f39618)は落ちていく。漆黒の髪がふわふわと揺れる。
――新たに生まれ、しかし今在る世界を圧し潰そうとしているのなら……其れは『偽物』というより『侵略者』という方が適切かも知れないですね。
多々良は其の漆黒の髪にふと手を入れると、長い槌を取り出した。そうして相槌と名付けた槌の中ほどを持つと其の槌で糸を引っ掛けて、落下を止める。くるりと槌を軸にして回り糸の上に乗ると、降って来る妖怪たちを見た。
「『侵略』というのであれば、自分も全力で抵抗させて頂きます。ご了承を」
「俺達はただ……此処にホンモノとして在りたいだけなんだよう」
「どうして其れが駄目なんだ?」
「……其れが『侵略』だからです。共存が出来ないのなら……どちらかしか存在出来ないのなら……自分たちは、今あるカクリヨを護る事を選びます」
妖怪たちが飛び掛かって来る。
彼らにも命はある。けれど、人生はあったのだろうか。こんな空虚な世界にそんなまっとうな命があるとは考えられない。
だから。
だから多々良は、今のカクリヨを護る為に――容赦なく、相槌で飛び掛かって来る妖怪を吹っ飛ばした。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
命を惜しめ、惜しんだ上で捨てて拾って斬り伏せよ。画竜点睛、曇りも無く。粗悪はそうして鍛えて、そうして躾けてようやっと真打と言えようものよ?
多重詠唱結界術を足場に魔力噴射の推力移動で空中機動。
混沌神の戯れ《アリスゲーム》の開幕よ☆さぁ、戦闘行為を禁呪、封印術禁じたこの空間で私を楽しませて御覧なさい。ふふ、うまくできたら|粗悪《ニセモノ》から|真打《ホンモノ》に化術肉体改造存在改竄してあげるわ。
この混沌神の棘ソーンは物質組成を改竄する。私とっては魔力も霊力もエーテル物質だ、その気になれば世界すら改竄してくれよう。
●
命を惜しめ。
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)は魔力を足元から噴射して、推力異動でくるくると空を飛び躍る。
――惜しんだ上で、捨てて拾って斬り捨てよ。画竜点睛、曇りもなく。
ユーベルコードを展開する。総ての戯れを、アリスは赦した。戯れ以外を、アリスは禁じた。戯れるならば許そうけれども、戯れないなら其処に這いつくばれと。
「ゲームの開幕よ。さあ、戦闘行為を禁じたこの空間で、私を楽しませて御覧なさい」
巧く出来たら、|粗悪《ニセモノ》から|真打《ホンモノ》に変えてあげる、と。少女は甘く囁く。肉体を弄る事も、存在を弄る事も感嘆なのだと、アリスは謳う。
だが妖怪たちは其れを拒んだ。何故なら彼らにとってはこの世界こそが|真打《ホンモノ》であり、改竄されてまで|圧し潰される《・・・・・・》世界に順応しようとは思わなかったからだ。彼らは存在を保ちたかった。だから戯れてなんていられなくて、だからアリスの意にそぐわなくて、だから――アリスに戯れられて、存在を改竄されて「なかったこと」になっていった。
――この混沌神の|棘《ソーン》は物質組成さえ改竄する。魔力も霊力もエーテル物質、其の気になれば世界だって、……改竄できるけれど。
「でも、この世界を『ホンモノ』と定義したくはないわね」
まるでカンダタが落ちた漆黒の地獄のような、何もないツマンナイ世界。
唇にそっと指を滑らせて、アリスは退屈そうにそう呟くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『鬼喰らいの絡新婦』
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POW : 蜘蛛の巣の主
【戦場全体に張り巡らされた糸による拘束】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鋭い脚での串刺しや、鬼の膂力での縊り殺し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 蜘蛛糸の舞
見えない【程細いが、鋼鉄よりも強靱な蜘蛛の糸】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ : 可憐なる母蜘蛛
【呼び出した子蜘蛛達の放つ糸】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:某君
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠天御鏡・百々」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
「屍を越えて来られたの?」
声がする。たおやかな、女の声だ。
だが姿は見えない。気配も感じられない。ただ蜘蛛の巣のようなものが其処には在って――其れだけが、此処が世界の果てなのだと教えてくれている。
「幾多の命を、見捨てて来られたの?」
「ワタクシたちはただ、ホンモノになりたいだけなのに」
「貴方がたは其れを駄目だという」
「どうして駄目なの?」
「どうしていけないの?」
「貴方がたが当然のように持っている権利を、ワタクシたちも欲しいだけなのに……」
女の声が悲しそうに翳って――
だから、と呟いた。
「ワタクシは、貴方がたの命を越えて、ホンモノになりにいくわ!」
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★プレイングボーナス!
「“見えない強敵”に対応して戦う」
この骸魂は、世界の“柱”として鎮座しています。斃せば偽物の世界は一先ず崩壊するのですが、狙うべき的は見えません。偽物の世界の骸魂――即ち、“|誰にも知られていない《・・・・・・・・・・》が故に、姿を視認する事が叶わない”のです。
幸い声は聞こえますし、他にも何か有効打があるかもしれません。工夫して戦ってみて下さい。
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片桐・公明
【SPD】
真贋の次は存在の是非とはねえ。
声は聞こえるけど見えないから当たらない(拳銃を撃ちつつ)
見えないというより実体がないのかしら。
“誰にも知られていないが故に、姿を視認する事が叶わない”って言っていたっけ
誰にも知られていないのに存在する。まるで哲学ね
誰にも見られず、誰にも知られず、一体そんな存在の実在証明をどうやってやるのかしら。
私の実在は私以外の誰かがやってくれる。両親に友人、今この場にいる同僚もかしら。
敵にも味方にも見られないあなたは、一体どこにいるの?
他者に見られて、異なる存在と相互に自覚して、初めて存在を得られるのではない?
(絡み、アドリブ歓迎です。)
●
「真贋の次は存在の是非とはねぇ。偽物の世界に生きるって結構大変みたい」
「ええ。とても大変だわ。だからワタクシたちは、ホンモノになりたい。生きるという事を何事もなく享受できる、ホンモノに」
公明は肩を竦めると、片手に持った拳銃を放つ。
弾丸が当たる気配はない。特に何処かで止まるでもなく、ただ虚空を貫いていくばかり。
――見えないというよりは、実体がない?
――声は聞こえるのに?
公明は思案する。そもそもだが……“誰にも知られていないがゆえに、姿を視認する事が叶わない”とは哲学めいた話だ。
「誰にも見られず、誰にも知られない。そんな存在の実在証明をどうやってやるのかしら?」
ひゅるり。
見えなくなりそうなほど細い糸が舞う。公明は刺すように飛んできた糸を済んでのところでかわし、けれど声をかけるのをやめなかった。
「私の実在は、私以外の誰かが証明してくれる。両親や友人、今この場にいる同僚も……かしら。ねえ、敵にも味方にも視認できないあなたは、一体何処にいるの?」
他者に視認されて、異なる存在だと相互に自覚して初めて……存在を得られるのではない?
ニセモノだからとかじゃなく、あなたはそもそも、証明が出来ない存在なのよ。
「っ」
苦し気に、痛い所を突かれたような呻く声がした。
其処にすかさず公明は銃弾を放つ。
「あっ……!」
女の声がした。滴り落ちる血が見える訳でもなく、傷口を見て確認した訳でもないが……確かに公明は、銃弾が当たった手ごたえを感じたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ああ、まず圧し潰すことが前提なのねぇ。なるほどなるほど。
|高速詠唱早業先制攻撃重量攻撃凍結攻撃封印術身体部位封じマヒ攻撃気絶攻撃息止め禁呪多重詠唱拠点構築結界術《タイムフォールダウン、時間質量を解放し時を凍結させ一切の活動を禁じる『夜』の領域を展開する》。
この『夜』の領域内であれば|第六感、気配感知、心眼、索敵、情報収集《あらゆることが手にとるように分かるわ》。
ま、それでわからずとも全周囲|大食い、魔力吸収、魔力供給、エネルギー充填《エナジードレイン》で世界ごとまとめて喰らってしまえばいいわね。
空間の切断解体から切断部位の接続で位相をずらして攻撃回避。
●
「ああ! なるほど」
アリスはいま合点がいった、というようにぽんと手を打ち鳴らした。
成る程。ホンモノと共存を目指しているだとか、そういうのではなく――
「まず圧し潰す事が前提なのねぇ。成る程」
「だって、そうしなければワタクシたちは何処にも行けないじゃないですか」
「そうかしら。ホンモノに並び立ってみるのも、私としては面白いと思ったけど」
アリスは『夜』を呼ぶ。
時間が重みを増して、時間が凍結され、封印されて、重苦しい空気が場に満ちる。詠唱は小夜啼鳥が謳うように成され、漆黒とも我々が知る“夜”とも異なる『夜』の領域が場に満ちた。
此処はいまから、アリスの庭だ。
アリスこそが主人。あらゆる事が手に取るようにわかるから――だから、アリスには骸魂の居場所が直ぐに判る。
さて、今回は何に仕立てましょうか。ベリーソースをかけたパンケーキ? 其れともクリームチーズを添えてワッフルだとか。
嗚呼。世界はこんなにも|美味しい《・・・・》。
敵の存在が散らばって行く。まるで蜘蛛のような形をしている――恐らく分身か、子飼いの蜘蛛だろう。
何匹いようが関係ない。総て全て、エネルギーを喰らってしまえば良いだけだ。
「ああ、貴方……恐ろしい人!」
アリスはエネルギーを喰らいに喰らいながら、蜘蛛の糸を回避する。傍目から見ればテレポートしたように見えるかもしれないが、世界を切って貼ってそちらに飛び移っただけの話。
けれども骸魂は慄いていた。アリスがしれりと世界を解体しただけではなく、己の内側から直接力を奪われていくのが分かったからだ。
「どうもありがとう。――褒め言葉よ、其れは」
混沌を扱う者にとってはね。
アリスは満ちていく見えない器を感じながら、ぺろりと舌なめずりをして笑った。
大成功
🔵🔵🔵
川谷・茉莉
さっきの妖怪にも言ったけど。
この世界がニセモノである以上、そこに湧いて出ただけの貴女達はニセモノでしか有り得ない。
そしてそれが私達ホンモノを喰い潰すなら。身を護る為にも退治するより他には無いわ。
さて、私には彼女が見えないけど。
『彼女には私が見える』のよね?
それなら。
怪異召喚「くねくね」。
くねくねさんを私の傍に呼び出して、彼の傍を動き回る形で蜘蛛糸の上を跳び回り機動。彼女がくねくねさんを見るよう仕向けましょう。
呼ばれてくる子蜘蛛や糸は聖剣「雨傘」の【斬撃波】で払うわ。
彼女が怯む声が聞こえたら、それを元に位置を特定し斬撃波を撃ち込みましょう。
せめて、次はホンモノとして生まれられるといいわね。
佐毘賣・多々良
「其方が欲している『権利』が、既存の存在を脅かずに手に入るのであれば、ご勝手にと言えるのですけれどね」
(言いながら「相鎚」を構える)
【・相手のUCによる糸は〈第六感〉による感知を利用した回避を試み、避けられなかった場合には糸の触れた部分に防護(オーラ防御)を施して対応。
・巣の糸に「相鎚」を叩きつけてUCを発動。場所を変えながら何回か発動させて、骸魂の居場所を探る。
・UCの焔が骸魂に燃え移ったら「相鎚」で直接叩きに行く。】
「――姿は見えずとも、居るのでしょう?」
●
さっきの妖怪にも言ったけど。
茉莉は静かに告げる。
「この世界がニセモノである以上、其処に湧いて出ただけの貴方達もまた、ニセモノでしか在り得ない。そして其れが私たちホンモノを食い潰すなら――身を護る為にも退治するより他にはないわ。だってホンモノの世界がなくなってしまったら、私たちの帰る場所がなくなるのだもの」
「そう。其方が欲している『権利』が、既存の存在を脅かさずに手に入るのであれば、ご勝手にと言えるのですけれどね」
茉莉は雨傘を、多々良は相槌をそれぞれ構えて周囲を見た。
茉莉たちには骸魂の姿は見えない。黙り込んでしまった骸魂が何処から攻撃を仕掛けて来るのか判らない。
だが、骸魂からは自分たちの姿は見えているのだろう。――なら、と、茉莉は友達……か良く判らないが、協力してくれる妖怪を召喚した。
名は“くねくね”という。
文字通りくねくねと動いているだけの、一見害はないような妖怪だが――見てしまい、理解してしまうと気が狂う。其れが語られるくねくねである。
茉莉は蜘蛛の糸の上を跳ねまわる。放たれた子蜘蛛たちの糸を避け、時に雨傘の斬撃波で打ち払いながら、骸魂の視線をくねくねへと寄せる。
「自分もいきます」
「ええ」
多々良は言葉少なに跳んだ。そうして適当な糸に相槌を叩き付けると――その周辺に炎の波濤を生む。
其れはぼう、と四方八方へ火の粉を散らしたかと思うと、直ぐに消えてしまった。此処にはいない。ではあちら。そうして多々良は少しずつ少しずつ、骸魂の逃げ場を消していく。
「う、……!!」
「ああ。其処なのね」
説明しがたい心身への衝撃を受けた骸魂が、思わず声を上げる。
茉莉はいまよ、と視線を送って、……多々良が飛んだ。骸魂が糸を放つ。糸は消えそうなほど細いけれども、何故か視認できた。オーラで敢えて弾くように防ぎながら……多々良は接敵をやめない。今を逃せば、また探し回る羽目になる。
其の前に。多々良は声の上がったあたりの糸に相槌を叩き付け……其の炎が骸魂へと燃え移る。
「あ、あ……ああああッ!」
骸魂は女性のようだったが、下半身あたりは何か異形のかたちをしていた。
燃え移った炎から察せられるのは、其の程度の情報だ。
だが、いることさえ判れば良い。多々良は其処に直接相槌を振り翳し――
「せめて、次はホンモノとして生まれられると良いわね」
茉莉がそう呟いた瞬間、多々良の槌が骸魂をしっかりと捉えて。
|世界が弾け飛んだ《・・・・・・・・》。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『滅詩のユリと幽銃のシズク』
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POW : 滅びの詩
【周囲を消滅させる効果を持つ、魔法の弾幕】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 幽銃(ユウガン)
レベル分の1秒で【指先から膨大な魔力で「幽銃(ユウガン)」】を発射できる。
WIZ : 記憶の詩
【あなたの過去を写し出す「トラウマ」、】【あなたの記憶を回想させる「歌」、】【膨大な魔力で「過去と同じ背景」】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
イラスト:あさぎあきら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ノラ・ヘルブラウ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
閃光が猟兵たちを包み込む。
――何処かで、世界が崩れていくばらばらという音がする。
――無数の悲鳴が、虚空の中に還って行く。
「……くそ…!!」
そして代わりに聞こえるのは、少女の歯噛みするような声だ。
閃光が収まると、其処は何処の世界とも知れぬ森の中。
だが目の前にいる少女は紛れもなく、予兆で見た――“滅詩のユリと幽銃のシズク”だった。ユリは少しだけぐったりとしているが、其れでも戦おうと二本の脚で立っている。
其れを庇うようにシズクが立ち、あとちょっとだったんだ、と呟く。
「あと少しで『|生と死を繋ぐもの《ヤマラージャ・アイビー》』が手に入る筈だった! ユリもオレも、もう“世界を壊す爆弾”という運命から逃れられる筈だったんだ……!」
「シズクお姉様……」
「オレ達の運命が、|既に決まっている《・・・・・・・・》というのなら……せめてこいつらに一泡吹かせてやらないと気が済まない! ユリ、いくぞ!」
「……ッ、はい。お姉様。わたくし達が例え、滅びを待つばかりの身だとしても……」
少女二人は並び立つ。
彼女たちは判っているのだ。猟兵は強い。自分たちが勝てるかどうかなんて、そもそも分の悪い賭けなのだと。
其れでも、少女たちは譲れなかった。
だって天秤には――自分たちの命が乗せられているのだから!
ユリがばらり、と弾幕を撒いた。
最期の闘いが始まる……!
川谷・茉莉
🌼
そうね、『終わる』ことに変わりは無い。
でないと、貴女達は止められないのだもの。
ユリの弾幕を躱しながらも、シズクの魔弾に警戒を。
けれどユーベルコードは…キツいわね。私を形作る子供達の想いに紐づいた、虐められた記憶が形となって襲ってくる。
※第一章参照
でも、その想いは絶望だけじゃない。救いを求める心――希望もまた内包する。
そうして生まれたのが私である以上、膝を屈してはいられない。
「トラウマ」を斬り払い、UCを発動。
怪異顕現「きさらぎ駅」。孤立無援の草原で「背景」を上書き。
シズクに狙いを定めれば、此処の法則でユリの「歌」も効き目は薄れる。
後は魔弾を確実に躱しつつ【斬撃波】でシズクから倒しにいくわ。
●
「そうね。貴方達が“終わる”事に変わりはない」
茉莉は静かに述べる。
でないと貴方達を止められないのだから、と。
ユリの弾幕をぎりぎりのところで交わしながら、シズクの指先に注意を払っていた。
だが、ふと歌が聞こえた。あれは、手まり歌だろうか。
――てんてん、てまり
其の声は、茉莉を過去へと引き戻す。
彼女を形作る子どもたちの想い。共にまりをつく友達がいなかった、いじめられっ子たち。つまはじきにされ、無視され、悪戯をされた子どもたちの寂しい想い。
茉莉は彼ら彼女らのよき友人として傍にあった。けれども、其の根底には寂しさと苦痛、そして苦悩があった。
まるで手で土を掘り返すかのように、乱暴に過去を引きずり出されて茉莉は其の顔を僅かに歪める。
花子さんが雨傘を持っているのは、傘を取られた子どもに貸す為。
――さて、本当はどうだろうか。兎も角、茉莉は全てを振り払うように雨傘でトラウマの風景を斬り裂いた。
確かに己は苦悩と悲哀から生まれた存在。だけれど、彼らはただ其処に沈んでいた訳じゃない!
救いを求める心――希望を求める心があったから、“n番目の友達”が生まれたのだ。
「そう、だから私は生まれた……膝を折ってなんていられないのよ」
そして今度は、茉莉が領域を展開する番だった。
森の中に線路がすっ、と通る。そしてあっという間に夜闇が周囲を包み込んだかと思うと、3人はとある廃駅に立っていた。
「……! ユリ!」
「シズクお姉様……」
草原がさわさわと草を揺らしている。
此処はきさらぎ駅。誰もが知っている、誰も知らない駅。
絶対のルールは|孤立無援《・・・・》。ユリとシズクは互いの名を呼ぶが、隣にいる筈の姉妹の存在を知覚できない。
打破されない怪異はない。
きさらぎ駅の孤立無援は絶対ではない、けれど。
互いを“見失った”一瞬を、茉莉という猟兵は見逃さない。
雨傘を構えて一気に距離を詰めると、雨傘の斬撃と其処から生まれる斬撃波で、シズクの細い身体を斬り裂いた。
大成功
🔵🔵🔵
サイモン・マーチバンク(サポート)
「あ、どうも。兎の悪魔です」
デビキン出身アポヘル育ちの兎の悪魔
悪魔ですが倫理基準はアポヘル寄り
ワルにはそんなに憧れないけど必要なら悪どいこともやります
「ゾンビハンターとして過去を殺す」
「魔界盗賊として必要なものを取り返す」
この二つをモットーに依頼に挑みます
同情すべき相手でもしっかり向き合った上で戦うことを選択します
サバイバル生活の影響で使えるものは何でも使う感じに
ハンマーでどかどか殴ったり銃火器でばんばん暴れるのも得意です
賑やかな場所はちょっと苦手
引っ込み思案でコミュニケーションも苦手なので、情報収集はひっそり行うタイプ
多少の怪我は厭いませんが公序良俗に反することはしません
よろしくお願いします
●
サイモン・マーチバンク(三月ウサギは月を打つ・f36286)は、其れでもユリとシズクに向き合う事をやめられなかった。
何らかの施術を受けて、偽物世界を育てる苗床になってしまった少女たち。
偽物世界が膨れ上がって、幾度となく死を経験する運命をたどってしまった少女たち。
其れでも。
「其れでも、……誰かを助ける為だったとしても、世界を侵す事はやっぱり……許せないんです」
其れは魔界盗賊としての流儀、とも言えるかもしれない。
必要なものを取り返すための略奪。其れがサイモンの行う“盗み”である。
だから、今から取り返しに行こうと思う。ユリとシズクの安らぎを。オブリビオンになってしまった彼女たちが得る安息は、運命を打破するのではなく、安らかに眠りに就く事なのだと。だから、彼女らの安らぎを、サイモンは其の健脚で取りに行く!
「……其れでも、わたくしたちは。生きたかった、何事もなく成長して、一生を終えたかった……!」
そうだよな。
でも、|そうはならなかった《・・・・・・・・・》んだ。
だから、あるべき終焉へ君たちを連れて行くよ。
ユリが全てを消滅せしめる弾幕をばらまく。
サイモンは兎よろしくぴょんぴょんと其の弾幕を避けて跳ねまわり……まるで杵のような形状をしたハンマーを、ユリに振り下ろした。
成功
🔵🔵🔴
四王天・焔(サポート)
『こんにちは、焔だよー。』
妖狐の人形遣い×ガジェッティアの女の子です。
普段の口調は「無邪気(自分の名前、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、家族には「甘えん坊(自分の名前、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
無邪気で感情の起伏が激しい性格の少女、
武器はからくり人形とドラゴンランスを主に使います。
植物、特に花が好きです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
「……辛かったよね」
四王天・焔(妖の薔薇・f04438)は泣きそうな声でそう言いながら、ユリの弾幕をかわしていく。
辛かったよね。辛いよね。
苦しかったよね。苦しいよね。
焔には理解が出来ない。何度も何度も自分の中にニセモノが現れて、其れが自分を圧し潰して、死んでしまうという事が。
其れでもまた蘇って、またニセモノを生み出すという苦しみを、焔は理解出来ない。
だから、どうしても「だけど」って言ってしまう。
辛かっただろうけど。
苦しかっただろうけど。
其れを終わらせるには、あなた達を骸の海へ返すしかないの。其れしか、焔にはできないの。
「ごめんね……」
「……オマエは優しいんだな。……だが、優しいだけじゃオレたちは殺せない……!! 終わらせるには其れしかないっていうなら! 終わらせてみろ、オレたちを!」
シズクが叫ぶ。
其の感情にどれだけの悲しみが乗っているのか、焔には推し量れない。
だって、焔はシズクじゃないから。黙って悲しそうに弾幕をまいているユリでもないから。
ただ一つだけ判るのは、姉妹を護りたいというこの想いだけ。四姉妹の末っ子として可愛がられてきた焔に、たった一つだけ判る事。
だから。
「だから、焔は祈るよ。ユリさんとシズクさんが、骸の海でも一緒にいられるように……!」
もう|生と死を繋ぐもの《ヤマラージャ・アイビー》なんていらない。
ニセモノ世界が生まれる事もない、安らかな海へ。
祈りは紫色をした焔となって、ユリとシズクに絡み付く。其の狐火は二人を焼く。苦し気に抱き合う二人は、戦場でさえなかったなら――羨ましい程仲のいい姉妹に見えたのに。
成功
🔵🔵🔴
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
その|結末《エンディング》を|覆《ブレイク》しに来たわ。
想像から創造いたしましょう、ユリとシズクを救うその手段を。
まずは|『生と死を繋ぐもの』《ヤマラージャ・アイビー》をサクッと模倣して奇病の|多重詠唱医術《摘出》。レプリカといえどこの|力《愛》に違いはないわよ。
で、問題となるのはオブリビオンであること。でも、そう、サクラミの影朧転生システムとか再孵化とかタイムフォールダウンとかなんとかする手段ならいっぱいあるわね。原理が違っても結果が同じならいいのよ。
まぁ、何が言いたいかってーとオブリビオンとなる前の生前の種族に今の記憶と姿を保ったまま|召喚術《産み直す》ことができるってこと。『強くてニューゲーム』ってところかしら。
ああ、弾幕に幽銃?私の早業多重詠唱拠点構築結界術の前には|大食い、魔力吸収、魔力供給、エネルギー充填《おやつでしかないわ。上質なエナジーでリソースの提供をどうもありがとう》。
では、あなた達の世界に繋がり再会できる時までごきげんよう。
バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』
年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?
下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も
アドリブ、連携歓迎
●
「ええ、あなた達は滅びる。このままだとね」
アリスは平然と言う。
そして続けるのだ。“だから、其の|終焉《エンディング》を|覆《ブレイク》しに自分は来た”のだと。
「貴方、摘出手術は得意?」
そうして、隣に立っていたバジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)へと問う。
水を向けられて、咄嗟にええ、と頷いたバジルに、じゃあとアリスは言う。
「これから『|生と死を繋ぐもの《ヤマラージャ・アイビー》』を作るから、其れであの子たちの奇病を摘出して頂戴。あとは私に任せてくれれば良いわ」
「――摘出、ですって?」
思わずバジルは耳を疑った。
勿論、ユリとシズクも耳を疑った。
「……だ、騙されるものか……! そんな事が出来るならとっくに、」
「あら、でも捜してたんでしょう? これ」
アリスが片手にすっと持ち出したのは、果たして|生と死を繋ぐもの《ヤマラージャ・アイビー》であった。正確には彼女がユーベルコードを用いて創造したものだが……アリスは信じている。己が模倣したこれは、ホンモノと相違ない能力を有していると。だから其れは揺らがない。疑念を抱けば弱体化する其れは、逆を言えば“疑念さえ抱かなければ最強”なのだ。
「でも――待って。彼女たちはオブリビオンよ。どの道……」
「大丈夫。其れにも|解答《ブレイク》を用意してあるわ。例えばサクラミラージュでは、影朧に転生出来るシステムがあるわよね?」
「あ……!」
模倣された|生と死を繋ぐもの《ヤマラージャ・アイビー》を受け取りながら、はっとしてバジルは片手を口元に当てる。
原理が違っても、結果が同じなら良いの。そう傲然とアリスは言うのだ。己の言葉に疑念を持たず、己の行動に確たる自信を持っている。其れが、アリス・セカンドカラー。
「……何が言いたいんですの……?」
ユリがこわごわと問うた。
つまりね、とアリスは己の口元に指を当てる。
「あなた達がオブリビオンとなる前の種族に、今の記憶と姿を保ったまま|召喚する《産み直す》って事よ。UDCで言うなら、そうね。強くてニューゲームってところかしら?」
バジルは頭が痛い、と匕首を抜きながら思った。
彼女は医者だ。そして目の前のユリとシズクは、オブリビオンであっても病人だ。救う手段が倒す以外にあるというのなら、勿論試したいと思っている。
転生云々は正直範囲外ではあるが、彼女らからこの匕首を使って世界を切除出来たなら――あとはアリスに任せ、危なくなれば静観すればいい。其れがバジルの出した結論だった。
「……では、まず……ユリさんの世界は一度解放してあるから、シズクさんから始めましょうか。少し痛いかもしれないけれど、我慢できるわね?」
「……」
シズクはユリの傍を離れず、ぽつり、と言った。
「信じて良いんだな」
良いわよ、とアリスとバジルの言葉が重なる。
必ず世界を切除する、というバジルの決意。
必ずハッピーエンドにしてみせる、というアリスの思い。
其れ等に嘘はない。決して。
「あなた達がいた世界にいつ繋がるかは判らないけど……さあ、ではまずオペを始めましょう。必要なものは私が用意するわ」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴