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第二次聖杯戦争㉒〜リリスの地獄

#シルバーレイン #第二次聖杯戦争 #聖杯剣揺籠の君

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#聖杯剣揺籠の君


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 石川県は金沢市の果て、金沢大学。
 自然に囲まれた中にある白と赤レンガ色で彩られたブロックの様な建造物は見るからに大学のキャンパスである。
 今この地は地獄絵図と化した。

 白く輝くその世界の風に当たった者から。
 情を感じた人に襲い掛かり、欲を掻き立てて人に襲い掛かり、行為を吹かし続ける。
 何度も、何度も、繰り返し行為に及ぶ。止むことは無い。
 その場のあちこちでみだらな臭いと淫乱な情景が激しく唸りをあげている。
 目の前に恐るべき女性の姿が素通りをしても一瞥をくれる事も無い。
 誰も彼もが激しく行為に及んでいる。

「もっと、もっと、くださいな。ゆりゆりはみんなのいのちでもっとつよくなります」
 夥しい臭いが充満し、白くべたついた世界が満ち溢れる。
 いやらしい風が金沢大学に吹き続ける。
 この風は次は石川県を、次は日本全域を、その次は世界を包み込むであろう。

「ゆりゆりには、ほんとうにほしいものがあります。
 それは、「すべてのせかいのすべてのいのち」。」

 聖杯剣を手にした揺籠の君が、ふっとほくそ笑んだ。


「集まって頂き感謝する。グリモア猟兵の十八夜・露丁(人間の文豪・f30515)だ。」
 老人がグリモアベースの部屋に、あなた達こと猟兵を呼び込んだ。
「シルバーレインの『第二次聖杯戦争』その大元締め、オブリビオン・フォーミュラである揺籠の君の討伐依頼を出す。」
 グリモアベースから戦場の映像が映し出されると、白く輝く地獄があった。
「猟兵殿に行ってもらう戦場『金沢大学』には『いんよくのかぜ』なるものが充満している。
 この風には催淫効果があり、この風に汚染されると……その、なんだ。体の奥底から『むらり』としていき、神経の全てが淫らな事しか考えられなくなっていく。
 ……そして本能が獣の如くに変貌していき、最後には『死の絶頂』を迎えるのだそうだ。」

 映像が汚染されそうになった瞬間、グリモアベースの映像が重度ののモザイクに変貌した。
「戦場は白く粘つき、獣の如き行為があちこちで行われている。
 『いんよくのかぜ』と言ったが、実際には「その風に汚染された光景」を見るだけでも汚染される。
 故に場の全てを無力化するのであれば、風を吹き飛ばすだけでは足りぬ事を覚えておいて欲しい。」

 猟兵達はそんな『いんよくのかぜ』がもたした淫らな地獄を、どうにかして対処しながら揺籠の君と戦わなければならない。

「揺籠の君は聖杯の力で強化されている。淫魔の如き淫乱な力に加え、聖杯による強力な武器持つ、が。」
 『いんよくのかぜ』に対処できたならば、即ち揺籠の君の最大の能力である『淫乱な力』を封じた事になる為、大分楽になる筈だ。
 そうなるまでが大変なのだが――。

 露丁はグリモアを展開し、転送の光を用意した。
 ……説明が難しい、白く粘り付く獣の世界に、これから猟兵達は飛び込んでいく事となる。

「怯むな。どんな光景があろうと奴こそが戦争の根源、倒せ。」
 斯様な言葉を吐いて、露丁は猟兵を送り出していく。
 第二次聖杯戦争最終戦、ここが正念場である。


古塔
 古塔と申します。
 第二次聖杯戦争の最終決戦を。

●目的
『聖杯剣揺籠の君』を倒す。

●状況
 酷い有様の金沢大学に転送されます。
 至る所あちこちで「獣の行為にふける者」や、「粘りつく白い液体」が散乱し、死の絶頂に至らしめようとする「いんよくのかぜ」が吹き荒れています。
 見ると汚染されます。
 行為の聞いても汚染されるかもしれません。
 それっぽい雰囲気を感じても汚染されます。
 ユーベルコードや「この手の事を見聞きしたり感じた状態を落ち着かせる対処」等をしての治療は効きます。

 戦闘不能(絶頂)になる前に『聖杯剣揺籠の君』を見つけ、戦い、倒せば勝利です。
 揺籠の君は強大なリリスで、聖杯武器に加え、あの手この手でひたすら淫欲をかき立たせてきます。
 絶頂致せば負けです。
 先制攻撃を使ってきます。

 プレイングボーナス:淫蕩な光景を一切認識しない/揺籠の君の先制ユーベルコードに対処する。
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第1章 ボス戦 『聖杯剣揺籠の君』

POW   :    うずまくいんよく
【神の左手】による近接攻撃の軌跡上に【いんよくのたつまき】を発生させ、レベルm半径内に存在する任意の全対象を引き寄せる。
SPD   :    せいはいうぇぽんず
【あらゆる物質を引き寄せる「神の左手」】【癒える事なき毒を注ぐ「リリスの槍」】【対象のユーベルコード全てを奪う「聖杯剣」】を組み合わせた、レベル回の連続攻撃を放つ。一撃は軽いが手数が多い。
WIZ   :    みだらなひとみ
【揺籠の君の淫靡な眼差し】が命中した部位に【淫欲に満ちた思念】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。

イラスト:飴茶屋

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御形・菘
放埓、無軌道を人の形にしたようなもの、などと蔑みはせん
手段は己の手札を駆使したものだしな、目的は実に大ボスらしくて素晴らしい!
ゆえに妾は、野望を阻む壁となるのだ!

耳栓で聴覚を潰し、そして各種オーラを身体の周囲に濃く纏わりつかせて、周囲を見ないよう視界のフィルター代わりとしよう
それに動画にできんのだから興味もない、眼前の敵に集中だ
大学ならば堅固な建物も多かろう、左腕や尾でしがみついて竜巻に耐える!

とまあ、我慢するのは半分演技だ
ミスって引き寄せられて、尾でなんとか牽制しよう、というフリをしよう
実際には身体のどこかへと尾を巻き付け、固定するのが狙いだ
ロクでもないものが詰まった頭に、頭突きを叩き込む!




 淫らな世界で満たされた大学に、突如爆発が巻き起こる。
「はーっはっはっは! 妾、推っ参!」
 彼女の名は|御形・菘《ごぎょう・すずな》(邪神様のお通りだ・f12350)。
 腰辺りまでしなだれた灰の長髪が目立つ、下半身が爬虫類。
 蛇神にして邪神の如きキマイラだ。
「本日妾が放映するライブ『妾がいろんな世界で怪人どもをボコってみた』の対象は『聖杯剣揺籠の君』。シルバーレインというアース系世界のリリスの女王らしい!残念な事に見聞すれば危険となるので耳栓を用意したぞ」
 大学の外、地獄の光景を映さないよう外を向けて動画を撮っている。ドローンとカメラの前で耳栓をした。
「これから映像器具をしまうぞ。後はオーラによる五感頼り。だが録画録音は止めぬ。
 折角シルバーレインとやらの大ボスをボコる動画なのに動画に出来ないというのももったいないだろう?我が邪神オーラの力で|にごる《・・・》が、戦闘音と奴の声位ならいけるだろう。ASMRとしてでも聴け。」
 理不尽な事を言いながら目を閉じ、REC&ONマイクにしたカメラやドローンを背中に持参したポーチの中に閉まっていく。
「今の内に告げてやる。チャンネル登録はしっかりするのだぞ!」

 そうして彼女は目を閉じ、静かになる。
 ずわ と、漆黒の物質が右腕の|刻印《ドライバー》から溢れ出、邪神な菘の体を覆う。

「|放埓《ほうらつ》、無軌道を人の形にしたようなもの、などと蔑みはせん。手段は己の手札を駆使したものだしな。
 意志による覇気、存在力を利用したカリスマオーラも纏っていく。
「これを動画として明確に放映できんのは実に残念だな」

 身体を駆け巡る感覚が周囲をレーダーの様に感知しながら、歩く。
 暗闇の中で、解る。角ばった堅固な建物、激しく動く主に2人1組の人の形。
 その中を漂い、今まさに手を向けて戦闘態勢に入っている、巨大な剣を背負い、異形の槍を持った女性らしき姿。

 菘の口角が三日月の様に吊り上がった。
「揺籠の君よ!お主の目的は実に大ボスらしくて素晴らしい!故に、妾は野望を阻む壁となろう!」

 揺籠の君が黄金の左手を菘にかざす。
『たのしい、しばりぷれいを、しているみたいですね』
 すると淫らな臭いと五感をぞわりとさせる扇情的な薄藤色の竜巻が菘に向かって襲い掛かった。
「ふん!」
 菘は横に飛び退き、更に2回、3回とキマ……邪神の力で跳躍し、予め把握していた大学の建物の一つに飛びつく。
『こうしゃのひとも、あなたも、こうしゃも、みんなしあわせに、そまれば、しあわせ。』
 聖杯というメガリスの力を最大限活用しているこの吸引の力は強い。
 菘は力任せに建物の壁に手を突っ込み、腕をめり込ませて突き刺す。
 それをアンカーにして強烈な竜巻の風が止むまで耐える。
 聖杯は神の左手の引力は凄まじく、建物を文字通り土地ごと傾かせる。
『ゆりゆりは、えっちなのうみそがほしいです』
「はーっはっは!|Hell《地獄》もおののく妾の脳髄などお主にくれてやるわけにもいかぬわ!」
 そう言った菘の腕が突如すっぽ抜けた。
「ぬおぉ!!」
 オーラでの感知をしているとはいえ目を閉じたままの状態は宇宙空間に放り出されたも等しい。
 竜巻に呑まれ、空中でどこにやればいいかもわからない手や尾や翼を振るうも空を切る。
 朗らかな笑みを見せた揺籠の君が、癒える事なき毒を注ぐ「リリスの槍」で、引き寄せられた菘を貫こうとする。
「殺気感じたぞ!そこか!」
 そう言って菘は尾を槍の様に硬くして伸ばし突き刺そうとする。
 それを見た揺籠の君は突如くるりと背を向ける。
 向けた拍子に動き出した背中の聖杯剣が、同じようにくるりと。
 瞬時に斜め上への斬撃を放ち、菘の尾を……斬り落とそうとする!
「まだよ!」
 菘は力強く翼を羽ばたき、凄い勢いで地に落ちた。
 ギリギリその上を聖杯剣の斬撃が通る。
「無様と笑うか!?馬鹿め!地を這うは蛇の特権よ!目にもの見せてくれる!」
 地這い菘は更にスライディングの様に滑りながら揺籠の君に接近し、素早く横回転して足払いの様に揺籠の君の足をかすめ取ろうとする。
『あなたもわたしをもとめているのですね。きたいにはこたえなければいけません』
 それを揺籠の君はふわりと跳躍し躱すと、神の左手を差し向け、更にリリスの槍で突き刺そうとする。

 がくりと。
 跳躍したはずの揺籠の君の足がもつれ、地に落ちた。
 飛ぶ事など百も承知。狙っていたのはそれよといわんやに。
 咄嗟に浮かせた菘の尾が揺籠の君の足に巻き付いていたのだ。

 尾で足を固定された揺籠の君に、勢いをつけて引き寄せられ、菘は頭から突っ込んでいく!

「そのロクでもないものが詰まった頭に、頭突きを叩き込んでやろう!」
 邪神・菘が渾身の|不壊粉砕《アンブロークン・クラッシュ》の頭突きの一撃が、揺籠の君の脳天に打ち込まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リィンティア・アシャンティ(サポート)
「お手伝いしましょうか? がんばります!」

礼儀正しくほわほわと穏やかな雰囲気の妖精騎士
妖精のルノを連れている

植物が好きで自宅で色々育てている。花いっぱい
お菓子をくれる人は良い人だとちょっとだけ思っている所があるかもしれない。本当に少しだけ…多分

戦闘では前衛だったり後衛だったり、周囲の人たちとの連携を大事しつつ、武器を持ちルノと一緒に戦う

自分がやれることを精一杯に


夜鳥・藍(サポート)
生まれも育ちもサクラミラージュ。誰かの願いで転生した元影朧。そのため影朧には同情しがち。
それなりの良家の出で言葉遣いは丁寧。だが両親とは違う種族で生まれたのを悩み高等部(高校短大相当)卒業を機に家を出ている。現在は帝都で占い師。

もふもふ大好き。
実家ではいろいろ我慢してたのもあって、飼えなくとも一人暮らし&猟兵となったことで爆発しがち。
猟兵になっていろいろ経験し悩みを乗り越えた。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭いません。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は絶対にしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


氷室・雪那(サポート)
 人間の魔剣士×サウンドソルジャー、20歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、嬉しい時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




「私、なんでこんなところに来てしまったのでしょう…?」
 妖精を従えるエンドブレイカーの、金の瞳に銀髪の白い女性、リィンティア・アシャンティ(眠る光の歌声・f39564)はごちた。
 あちこちでえも知れぬ欲情が蔓延るこの大学で、あわあわと手で顔を隠しながら、どうしようかと迷っていた。
 その上今回用意したユーベルコードはあまり戦闘向けのものではないのだ。

「お困りですか?迷っているだけでは進めませんよ。」
 ふと気づくと銀髪のクリスタリアンの女性が現れた。奇遇にも年が同じだ。
 軽戦士の様な出で立ちの彼女は|夜鳥・藍《やどり・あい》(宙の瞳・f32891)。先んじてか白虎を召喚している。
「この虎王に乗り、顔を御隠しください。」
「それは、白虎の方は」
 この場にはびこる『いんよくのかぜ』は、見たり感じたりすると発情してしまう恐ろしい世界なのだ。
 虎も妖精も危ないかもしれない。
「虎王に関してはどうにか顔を隠して動かします。野生の勘は侮れませんし、臭いや音の感知なら若干ましになるでしょう?」
「そうなのですか?ではー、お言葉に甘えて。」
 リィンティアは白虎に顔をうずめたままぎゅっと全身を乗せる。
 藍もまた白虎に顔をうずめてぎゅっと全身を乗せた。
 妖精もだ。
 心なしか藍に籠る力がすごい。
 もふもふ隙の藍にとって、こうしてもふもふできるチャンスは欠かさないのだ。
 白虎は何とも知れぬ感覚に身震いしながら、目を閉じ、嗅覚と感覚で揺籠の君を探そうとして。
「何をしているの?」
 後ろから来た女性に引き留められた。

「私は|氷室・雪那《ひむろ・ゆきな》(雪花の歌姫・f35654)。この戦いにちょうどいいものを持ってきたわ。」
 黒髪に青い瞳のクールそうな長髪の女性だ。
「みんなこっちに寄って。行くわよ。【黒影剣】」
 すると氷室を中心に闇のオーラが纏われていき、全員が闇に包まれる。
 視聴嗅覚の感知が不可能になり、五感をシャットしたまま動けるのだ。
「わ、ありがとうございます。でもこれでどうやって探しましょう」
「それは…あなたいい能力持ってるんじゃない?」
「え」

 リィンティアは【ヘミフィア・オラクル】を発動した。
 闇のオーラによって隠れてしまった相手を、天啓の光で感知するのだ。
「……あっ、いました。あっちの方向です。」
「では、皆を乗せて連れて行って。虎王」
 闇に包まれた藍の白虎に乗って、3人は揺籠の君へと向かった。


『こちらからはまるみえですね。そんなにしてまでゆりゆりにあいたかったのですか?』
 揺籠の君が聖剣と槍と黄金の手を携えて、突如現れた闇の塊を見る。
『もっとちかくにきて、もっとえっちなのうみそでみたされるといいです』
 揺籠の君は神の左手をかざし、『いんよくのたつまき』を発生させ、闇の主を引き寄せようとした。

「「全力でお断りします!」」
 氷室と藍の声だ。
「あ、あわわわわ」
 リィンティアは妖精と共にただ祈っていた。

 巻き起こる『いんよくのたつまき』が、闇をも巻き込んで引き寄せようとする。
 氷室は長剣を高速で振り撒いて斬撃波を乱射し、藍は【そらもよう】の手鏡を触媒に天候を操作し、暴風を起こして風を相殺。
 更に黒影剣の闇の力を高める属性のついたオーラ防御を発動し、闇の範囲を拡大し、いんよくのたつまきの発情効果を限界まで抑え込もうとした。
 リィンティアはただただ祈る事しかできなかった。
 白虎の下に降り、ぎゅっとソードハープのハープ部分を十字架の様に握りしめていた。

 次第に攻撃が止んだ。
「収まり、ました?」
 リィンティアがソードハープの隙間から。
「何か様子がおかしいわ。静かすぎるというか…。」
 氷室は闇の中で警戒し続けている。
「しかし隙が出来ました。今の内にこちらも反撃の準備を」
 そう藍が言った瞬間、闇の中から。

『こ ん に ち は』

 ぬうっと、揺籠の君が顔を出した。
「「「!!!!!」」」
 3人はぎょっとしたが、揺籠の君は至極当たり前のことをしたのだ。即ち近づいた。
『そんなによってくっついて、みなさんとってもなかよしですね』
 揺籠の君の淫靡な眼差しが、3人を捉え。
『くんずほぐれつ、してみてはいかがですか?』
 たちまち性欲で満たし、テクノ的な爆発を最後に伴う強制発情誘惑状態に3人が纏めてかかって、しまう――!

(だめーっ!)
『っ!!??』
 その時である。揺籠の君の後ろから飛び掛かり、目を塞いだ者が居た。
 リィンティアのお連れのエルフヘイム妖精、ルノの仕業である。
『あっ、そんな、めかくしぷれいが、いいのですか?』
 ぐわんぐわん、頑張って揺籠の君の眼をその両腕いっぱいで塞ぎ続けるルノ。
「あんなに危ない事をしてー」
「でもおかげで助かりました。」
「畳みかけましょう!」

 『虎王招来!』
 藍が攻撃の意思を向け、白虎を揺籠の君にけしかけ、襲わせる。
 牙、爪による攻撃が入った後、『――――――!!!!!』放たれた渾身の咆哮が至近距離で揺籠の君に浴びせられる。
 ビリビリとした衝撃ダメージ。と共に引きはがされる妖精。
 反撃に出ようとする揺籠の君を。
「ふらっしゅ!」
 リィンティアの体から放たれた天啓の光が貫き、その眼を潰し、怯ませる。
「任せて。――歌う様に、可憐に、優雅に――」
 流れる様な動きで氷室が飛び出し。
 
『っ、ゆりゆりは、まだ、うごけ――』

 黒影剣を纏わせた日本刀による渾身の斬撃を繰り出し。
 揺籠の君を切り裂いて、吹き飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

キャスパー・クロス
「淫蕩な光景、ねぇ……」
風を纏って冷やかに見つめながら対峙
気の違った獣の如く盛り合い、汁で汁を洗う無限地獄…と聞いていたけれど

ナメんなよというか、期待外れというか…
こんな宴、私にとっては茶飯事
光景も匂いも熱気も、朝起きてカーテン開けておひさま浴びるのと何ら変わりない程度の日常

何故汚染されないか不思議ならば、答えてやろう
たったひとつのシンプルな理由を


「私(と嫁)
 の
 性
 欲
 の
 方
 が
 強
 い
 ッ
 ッ
 !
 !」

‪──‬いつから自分の性欲が世界最強だと錯覚していた?

さて、敵の先制攻撃は竜巻みたいだね…だったら!
「風には……風だ!」
私の纏う風で【オーラ防御】、風圧を相殺し
更に反対方向への【推力移動】で【空中機動】し、引き寄せ効果を軽減
一瞬でも軽減させて、タイミングをずらせればそれでOK
あとはその隙を【見切り】、逆に此方のタイミングで【推力移動】して急接近

「葡萄色‪──‬」
同時使用可能UC《葡萄色は秘やか》の【体勢を崩す】足払いからの、

「‪──‬乙女色ッ!!」
《乙女色は僅か》で左手を叩き壊す!!




「ん……」
 あまりにも暖かい雰囲気だったので、いつの間にかうたた寝していた。

 彼女は一度背伸びをした後、男用のふんどし一枚とタンクトップを極限まで縮めたような衣類を身に着けて、乗っている足場から降りた。
 足場の隙間からは小川の様な水が漏れている。
 その水をひと掬いして口をすすぎ、温泉のかけ湯の様に肩や背中に浴びながら、壁のカーテンにかけていた自身の上着とズボンを手に取る。

 まだ日の射す教室で背伸びをした後、衣服を肩にかけ、廊下を歩く。
「淫蕩な光景、ねぇ……」
 キャンパス内ではあちこちで獣が狂っていた。
 入り乱れる光景、汁で汁を洗う者達、至る所で子狐が悲鳴あげたかの様な声がする。
 むわりと漂う熱気、独特の刺激が鼻をじわじわと浸透していくようにくすぐる。染み渡る臭い。
 それらを冷ややかに一瞥する。
「こんなもんで地獄って、ナメんなよというか、期待外れというか…。
 あのグリモア猟兵もだよ。転送されたはいいけども、噂に聞いてた自称最強リリスが全然見つかりゃしない。ちゃんと敵の目の前に転送しろっつの。」

 ふと横を見ると、小鹿の様な獣が彼女にすり寄ってきていた。
 小鹿はぎらりとした爪を立てて今にも乱暴をしてきそうな様子を見せている。
 彼女はきちんと小鹿が元気になれるよう少しサポートをする事を決め、小鹿の後ろに回り、手を伸ばした。


「ふうん、そんな反応するんだ。」
 頭から下のふっくらとした部分を小鹿に押しつける。
「でもダメ。全然ダメ。私の嫁には少しも叶わない。」
 今や小鹿の目は充血し、熱のこもった息をしている。
 命が尽きるまで、眠る事も気絶する事も出来なさそうな狂った瞳をしている。
 最初は興奮していたが、徐々に荒げていた息の感覚が長く延びているのを感じた。
「でも経験あるって匂いがしてるね。それも女同士の匂いがこの辺りから……。
 ううん、ここにいる全員、10超えたくらいで経ったくせして今の今までやってませんでしたっていう
 素人風情の猿畜生共ばかりかと思ってたけど、もしかして受験勉強とやらの合間にでも誰かとやってた?」

 彼女は小鹿を背中から優しく抱き上げる。
 いつの間にかシロップの様な甘ったるく、熱く粘つく、透明な粘液が二人の体を覆っていた。
 はしたないな、と思った彼女は廊下の横に立てかけられていた色付きのティッシュで一応拭いた。
「私、この騒動が収まったらカレーの国にも行きたいなって思ってるのよね。ソナでガチの奴やってるっていうからさ。あなたも来る?……そっか。残念。」

 外に出て、彼女は小鹿を離した。
 小鹿は瞬く間にワニになり、水からあがりたての様な状態で明後日の方へと向かって行った。

 外はまるで遊園地の様である。
 複数の蠢くパーツが合体したような肌色の芋虫が色とりどりの奇声を上げて這いまわっていたり、
 生き物で構成されたコーヒーカップの様な人力回転アトラクションもあちこちで見かける。
 あっちには川も無いのに沢山の肌色が連結した水車が水を通してひとりでに回っているし、懸垂幕には大きな蝉が肌を擦らせながらぶら下がっている。
 何もない所でベンチをやっている者、そのベンチに対して美術館のアート彫刻みたいな体勢で小刻みに震えながら座っている者もいる。

「なあんにも変わらない。いつもと同じ程度の光景ね。」
 突起が無く、好意を寄せてきたアトラクションを適当に堪能しながら、彼女は色付きのティッシュを広げて探索を続けていた。
「はあ、こんなんじゃ全然満足しない。これを世界中に広げる?馬鹿のやる事かっての。帰ったら嫁と娘にたっぷり癒してもらわくちゃ釣りが合わないなこれじゃ。」
 外の庭にはあちらこちらで樹液の様な粘液が至る所にへばり散らかり、お腹から下の辺りをうずかせるような風が空から吹き続け、蒸発した粘液はその成分と匂いを辺りに充満させている。
 さまざまな種類が混ざったそれは刺激臭とは別種の劇物の様な匂いを醸すが、特に害はない。天然の安物香水の様なものだ。

「せめてこいつを――」
 粘液の内、透明なものをひと塊ぎゅっと握りしめ。
「――服の溶ける全身覆うタイプのスライムにでも変えてから!」
 握りつぶし。
「出直せっつうの!」
 辺りに散らした。



 スカイランナー|所縁《ゆかり》の風を纏って、『いんよくのかぜ』に侵された世界を見つめる女性。
 くりんとしながらも常に何かを求める様な茶色の瞳に、子犬を彷彿とさせるような焦茶色の短髪。
 彼女の名は 大人になった空想わんこの青空マーチ・キャスパー(f38927)。
 スタイル抜群の体を持つ女性であった。

「はぁ……」
 キャスパーは背筋を伸ばしたまましゃがみ、腰に手を降ろし。
 キャスパーは背筋を伸ばしたまま立ち上がり、腰の手をゆっくりと上げた。
 キャスパーは背筋を伸ばしたまましゃがみ、腰に手を降ろし。
 キャスパーは背筋を伸ばしたまま立ち上がり、腰の手をゆっくりと上げた。

 その時である。キャスパーの目の前の光景に、横から飛来してくる女性がいた。

 何かに吹き飛ばされたかの様な様子で空から落ちてきて、地響きと砂埃を粘液と共に飛散させた。
 巨大な聖剣と槍と黄金の左手を持つ、
 左腕以外の手足は宇宙のような色で染まった、黒いベルトと巨大な黒い蛇を衣服として身に纏う。
 彼女の名は揺籠の君。

「ようやくお出ましってワケ?」
 キャスパーは背筋を伸ばしたまましゃがみ、腰に手を降ろし。
 キャスパーは背筋を伸ばしたまま立ち上がり、腰の手をゆっくりと上げた。
 キャスパーは背筋を伸ばしたまましゃがみ、腰に手を降ろし。
 キャスパーは背筋を伸ばしたまま立ち上がり、腰の手をゆっくりと上げた。

「まだほかにもいたのですね。ゆりゆりはさいごまでたたかいます。」
「最強の性欲だなんて噂に聞いてたけど?この程度の世界しか作れないんじゃたかが知れてる。骸の海で発電に勤しんでな。」
「むっ」
 揺籠の君は頬を膨らませた。
「きょうのゆりゆりはいつもよりせんとうむけなのでこのようになっているだけです。」

 いつもの揺籠の君がどんなだったかは #今治市解放戦 でシナリオ検索すると分かるかもしれない。 

 そして揺籠の君は装備をかざした。
「この「かみのひだりて」はあらゆるものをひきよせます」
「便利そう」
「この「りりすのやり」できずつけられるとえいえんにいたみがきえません」
「一生うずき続けられるってわけね」
「この「せいはいけん」はふれたもののゆーべるこーどをすべてうばいます」
「何も出来ない無抵抗な状態を攻めるのが趣味なんだ?」
「あげあしをとるのがじょうずなのですね」
 揺籠の君はキャスパーの挑発的な発言に微笑みを返した。

 キャスパーは肩の上着類から取り出した、カエルラとコメーテースのエアシューズを履き、衣類を置いて戦闘準備をする。
「でも考えなおした方がいいかな。そんな太くて意味わかんないのじゃ誰にも合わない。巨人でも相手にする気?」
「この「せいはいうぇぽんず」をつかって、ゆりゆりはもっとおおきなことをするのです。それは」
 揺籠の君は。
「……それ、は……」
 言葉と手を止めた。
「なん、でしたっけ?」


「隙あり!」
 キャスパーは揺籠の君へと飛び込んだ。
「なしです。ゆりゆりはじらします。」
 揺籠の君は手をかざし、キャスパーが何かする前に先んじて竜巻を起こした。
「これは、風っ!?」
 神の左手と併用した渦巻く淫欲の竜巻がキャスパーを巻き込む。
 このままでは態勢を崩しながら揺籠の君の懐に飛び込んでしまう。
「…だったら!風には……風だ!」」
 身体から風のオーラを纏い、その勢いで風圧を相殺する。
 巻き込まれている竜巻は『いんよくのかぜ』の竜巻だが、キャスパーにとってはただの風だ。
 更に反対方向に円運動で風を込めたキックを放つ。
 風に逆らう回転蹴りは風の勢いを弱め、更にキャスパーが空中に舞う足掛かりとなった。
「このおおおーっ!」
 竜巻と逆方向に飛びながらも揺籠の君へと飛び込んでいくキャスパー。
「きて」
 揺籠の君は武器を広げて待ち構える。
「言われた通り来てやるさ!【乙女色】ッ!」
 黄金の左手を見せびらかす揺籠の君に、触れない様に空中移動しながら、遠心力を乗せた鋭いカポエイラの空中回転回し蹴りが……。
 揺籠の君の『神の左手』に炸裂した!

 爆ぜる黄金の手。その中から素の宇宙めいた手が現れる。
「つかまえました」
「あっ!?」
 キャスパーは左腕を破壊すればそれで止まると確信していた。
 逆だ。
 揺籠の君はあえて聖杯ウェポンの左手で攻撃を受け止め、右腕でキャスパーを捕まえたのだ。
 脚を引き、今のキャスパーと同じような足をあげた体勢になりながら、強引に抱き寄せていく揺籠の君。
「この間合いじゃ槍も剣も使えないでしょ……!」
「ゆりゆりにはからだがあります」
 ぐっと抱き寄せる。指使いがキャスパーを攻める。
「この……私はもう夫なんだから!あなたがそんな事しても無駄だっての!」
「むだかどうかはゆりゆりがきめます。ゆりゆりはほっします。えっちなのうみそがほしいのです。」


 戦場には嵐が巻き起こっていた。
 メリーゴーランドの様に回転する二人。
 蛇を身体に巻かれ、しかし激しくも優しい感覚がキャスパーの全身に伝わっていく。
「こ、この……」
「かたのちからをぬいてください」
 耳に『いんよくのかぜ』とは違う、生暖かい風がじっとりと吹いた。
 鱗が肌を傷つけない程度に擦ってくる音が骨身を通して伝わってくる。
「敵じゃなかったら、もしかしたら……」
 キャスパーは身動きの取り辛い状態から、何とか脱出しようとするが、動けば動く程、指が深い所にいく。
 あと頭がぼやけてる。多分錯覚じゃない。何か変な屈伸運動を、反射的にした辺りから、こうかも、しれない。
「りょうへいたちもぎんせいかんがくえんにまけないくらい、かっこいいひとたちですね。そのいのちも、あいも、けつえきも、たんじゅうも、せいえきも、あいえきも、ゆりゆりはすべてがほしいのです。」
 揺籠の君がとてつもなく優しく微笑む。
「あなたのえっちなのうみそも、ゆりゆりはおなかにいれます。いまもおなかがずっとすいているのです。」

「……ふふ、ふふふふふ……。」
 二人の動きが激しくなり、身体から粘液とは別の液体が吹き出しつつある、今にもどこかに達してしまいそうなその時、キャスパーは笑った。
 キャスパーが揺籠の君を掴んでいる。
「あなたと私で違う所を幾つか見つけた。」

 その手は徐々に力を増し、揺籠の君を押し返し続けていく。
「ひとつ。……誰でも食べるって所。自分で『|百合百合《ゆりゆり》』なんて名乗っておいて、男も食べちゃうなんて本当がっかり」
 その眼は他の獣たちの様に見開き、なにか危ないものを呑み込んでしまったかのような顔をしている。
「ふたつ。……『えっちなのうみそ』とか、頭をしょっぼい淫蕩で満たす『いんよくのかぜ』とか。……あなたって『妄想』でもいっちゃうタイプなんだって所。……そんなんで私に勝てる、つもり?……頭で考えてる猿より、行動しなくちゃ何も手に入らないわよ。嫁も、娘も、幸せも……!」
 男性用ふんどしが過去最高に強く引き締まる。
「みっつ。──‬いつから自分の性欲が世界最強だと錯覚していた?」

 一際強い力でキャスパーは揺籠の君を押し込んだ。
「私は強い!あんたより強い!」
 それと同時に軸足になっている方の足を無理矢理蹴り上げるように回転させ、二人はその勢いで宙に舞いながら空中で回転を始め。
「こんな学び舎よりも広い世界で私はずっと戦い続けてきた!」
 更に遠心力で強烈なキック力を生み出す。
「たったひとつのシンプルな答えを教えてあげる!」
 宙を支配するスカイランナーとエアライダーの足術で……。
「あんたよりも私の性欲の方が強い!」
 引きはがす様に足をひっこめ、直後に半回転しながらどてっ腹に向けて……。
「雅な温泉の花園の人達や!魔女が籠る森の中の人達や、旅の移動娼館の人達の方が!」
 揺籠の君を、蹴り飛ばした!

「何よりも!」

 私と嫁
 の
 性
 欲
 の
 方
 が
 強
 い
 ッ
 ッ
 !
 !


「っ ……ふ、ふふ、ふふふふふ。」
 地に落ちて態勢を立て直し、同じ理由を強調して二連呼してきたキャスパーに揺籠の君は一際妖しく笑った。
「そのいのち、そのかがやき、ゆりゆりはそれがなによりもほしいのです。」
「あなたは敵。もう一滴たりともやるもんか。エンドブレイカー伝説のピュアリィ生死不明男の伝承になぞらえて……十二回程地獄に落ちてもらう!」
 再び揺籠の君はリリスの槍と聖杯剣を手に、再びいんよくのたつまきを巻き起こした。

「こんどはゆりゆりからむかいます。えっちでみたしたそののうみそ、いただかせてくださいね。」
 神の左手が壊れて尚引き寄せてくる揺籠の君の竜巻。
 引き寄せてきた所を槍と剣で迎撃するつもりだ。
「おおおおおっ!」
 キャスパーは跳んだ。風を纏って跳んだ。
 先と同様にヘリコプターの様に空中開脚を行い、回転。
 高速で放たれる蹴りの竜巻がいんよくのたつまきを相殺していく。
 攻撃のタイミングがズレた揺籠の君に、今度は着地し、地上から突撃して蹴りを入れにかかる。
「うちゅうがおわるまでいえないうずきを。」
 揺籠の君からリリスの槍が来る!
 それをキャスパーは跳んで躱す。
「むりょくなあしからいただいていきますね」
 揺籠の君から聖杯剣の斬撃が飛んでくる!
 それも跳んだところを叩き落とすかのように。
 しかもリリスの槍を持つ腕が引いている。
 落ちれば刺される。跳んだままであれば斬られる。
 風は竜巻を相殺するまでで限界だ!
 ダメか!!

「移色――」
 エアシューズとキャスパーのオーラの力が足底に空気の膜を作る。
 空気の膜は空中で足場となった。
 ……キャスパーは空中を走っている!
 振り降ろされる聖杯剣の斬撃軌道に沿った、壁走りを想起させられるような真横の体で空を走っている!
「呂色――」
 目を見開く揺籠の君の目前に降りたキャスパーは一瞬、空気のよどみでその身体をブレさせ、直後に揺籠の君の後ろを取る。
「ゆだんはしません!」
 蛇を腕に巻き付け即座に体勢を変えた揺籠の君から聖杯剣の薙ぎ払いが飛んでくる!
「葡萄色――」
 キャスパーは力強く足を踏みしめ孤を描くようなカーブ軌道で。
 薙ぎ払う聖杯剣の振りの速さ、その斬撃より僅かに速い速度で揺籠の君の周囲を跳び駆ける!
 斬撃の勢いがなくなるまで猛疾走する事で回避!
 更に高速の足払いを放ち、揺籠の君の足を掬い上げる!
 体勢が崩れる揺籠の君。
 ……そこに!
「――乙女色ッー!!」
 回避に使った円運動により溜まった遠心力を乗せた必殺の蹴りが!
 揺籠の君の武器の間を縫ってその身体に直撃した!

「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!

「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!
「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!
「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!
「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!
「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!
「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!
「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!
「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!
「――乙女色ッー!!」
 吹き飛ぶ揺籠の君!だが猛追は尽きる事無くキャスパーは回転しながら揺籠の君に対して跳躍、更なる回転からの槍の様な蹴りが直撃する!

「――乙女色ッー!!」
 壁まで吹き飛んだ揺籠の君にとどめの回転を加えた必殺の跳躍蹴りが急所へとクリーンヒットを起こし。
 揺籠の君はめり込んだ壁ごと凄まじい爆発を起こし、吹き飛んで行った……!

「予告通り十二回程地獄に落ちてもらったわ。……骸の海に返りな。」
 光が揺籠の君に満ちる。
 揺籠の君が、聖杯武器ごと消滅を起こしていく。

「………………………………」
 揺籠の君は、もう何も言葉を放つ事は無く、ただ、物憂げな顔をする。
『(ああ、こんかいも、しっぱいにおわったのですね。)』
 そのような言葉を表すかのような表情が、次の瞬間には光に包まれ。
 この場からすべてが消え去った。

「ああ、終わった、か……今日は甘いものが、欲しいな……プリムちゃんやプッフィちゃんに口移ししてもらえたらもっと嬉しい」
 背伸びをして、元に戻っていこうとする学び舎を見やるキャスパー。
 獣の様な楽園はそれ以上のものを自分の所でもらっているから。
 この世界は元に戻っていかなければいけないのだ。

 晴れやかな日差しと風が、穏やかさを取り戻した地に降り注ぐ。
 もう誰も奇声を放ってはいない。
 艶やかでねっとりとしたあの風は、忘れてしまう程の爽やかな風へと変わっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月27日


挿絵イラスト