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銀河帝国攻略戦㉓~雷光が舞う

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●青、翔ける
 白騎士直属の艦隊『白城』を突破した解放軍。
 鉄壁を誇る敵軍を抜けて進撃する艦隊は、みな勢いづいていた。
 だがその威勢も長くは続かない。
 解放軍の進路上に新たな艦隊――『インペリウム護衛軍』が立ちはだかったからである。

 爆炎、閃光。
 暗黒の宇宙に灯る、戦いのけたたましい光が、苛烈な戦闘を物語る。
 だがその激しさと裏腹に、戦況は膠着していた。
「まだ、まだ落ちないのか!」
「砲撃の命中を確認……確実に敵艦にダメージを与えているはずです!」
「攻撃が当たっているなら……なぜ向こうの艦が落ちない!」
 部下の声を受けた艦長の顔に、焦燥が浮かぶ。
 解放軍の攻撃は着実に、護衛軍の艦に被害を与えていた。だが敵艦は確かな損傷を負いながらも不思議と落ちず、解放軍へと反撃を浴びせつづけてくる。
 帝国旗艦『インペリウム』を守る艦隊は、頑強だった。
 中でも厄介なのは、護衛軍艦艇の周囲を高速で飛ぶ青い機械鎧――『GRR-06S ブラウエルフォーゲル』である。
「遅い、遅いな」
 ブラウエルフォーゲルがビームライフルをかざし、解放軍の砲弾を撃ち落とす。
 返す刀で照準を解放軍の艦艇へ向けると、まばゆい閃光が船体を貫いた。
「解放軍がこの程度か。片腹痛い。それしきの力で何を成せる!」
 爆炎を噴いた艦が速度を落とすのを見届けて、機械鎧は重い宇宙を切り裂くように飛びまわり、宙域に舞いつづける。

●グリモアベースにて
「どうやら帝国軍の艦隊に面倒な奴がいるらしくてな、お前たちの手を借りたい」
 集まった猟兵たちへ、プルート・アイスマインド(ヒーローマスクの暗所閉所恐怖症・f11229)は開口一番そう言った。
 彼の説明によると、帝国旗艦『インペリウム』の護衛軍と激突した解放軍艦隊が、その強固な守りに苦戦しているらしい。
「元々が強力な艦隊である上に、銀河皇帝の力によって船体の修復機能も備わっているようでな。もはや解放軍の砲撃のみで落とすことは不可能だろう」
 護衛軍艦隊の修復速度が、解放軍の与えるダメージ量を上回っているのだ。
 つまり、護衛軍を撃破するには砲撃に加え、別の手段でダメージを与える必要がある。
 そこで猟兵の出番というわけである。
「お前たちには護衛軍に強襲をかけてもらいたい。解放軍の艦砲射撃を援護にして、敵の艦艇を転移強襲、指揮官を撃破してくれ」
 単純にして明快。
 目の前の敵を討て、そういう依頼であった。
「敵の指揮官は青い機械鎧……なんでも伝説の解放軍と戦い、一戦で6隻もの艦を沈めた伝説を持つらしい。当時は畏怖を込めて『アオ』とか呼ばれていた機体だ」
 正式名称は『GRR-06S ブラウエルフォーゲル』。
 『蒼い稲妻』の異名を持つ少佐の専用機械鎧だったとのことだ。
 つまりは、護衛軍の指揮官たりうる難敵ということだろう。
「激しい戦いになるだろう。だが倒せない敵ではない。解放軍と力を合わせ……伝説を撃墜してくるのだ!」
 プルートのグリモアが、ぼんやりと輝きだした。
 戦火が彩る宇宙空間へと――猟兵たちが、送り出される。


星垣えん
=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

 というわけで、星垣えんです。
 速くて強い少佐……と宇宙でバトるとは燃える展開だ!
 解放軍と帝国軍の砲撃、射撃、レーザー飛び交う戦場で、伝説退治といきましょう。
 解放軍戦艦からの砲撃支援もあるので、うまく使えば少佐との戦いも優位に運べるかもしれませんね。

 まあせっかくの宇宙戦だし、格好良く動けばいいでしょう!

 皆さんのプレイング、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『少佐専用の青の突撃騎士』

POW   :    見せてもらおうか、新しい相手の実力とやらを!
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    …ついてこれるかな、蒼い稲妻と呼ばれたこの私に!
【新人類とも呼べる胸囲的な感応能力】に覚醒して【リミッターを解除した高機動モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    これ以上はやらせんと言っている!
【自身の強い意志】から【感応波】を放ち、【戦慄するプレッシャー】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は春日・釉乃です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ブイバル・ブランドー
ああついて来てやるよ。何故ならオレは紅い神風だからだ。…自称だがな!

作戦方針【SPD】

一斉射撃を喰らったらミンチより酷い状態になりかねない!【キャストオフスパロー】で装甲をパージし、急加速で回避するぞ。
そして加速した勢いで高速格闘戦に持ち込むぜ!

近接攻撃や銃弾のような防げる攻撃は【ビルドシステム】で即席のスクラップ装甲を【早業】で作って防御だ!

そして、遠距離攻撃用の武器は相手が速すぎて意味を成さないかもしれねえ。解放軍の砲撃ともあまり役割を被らせたくねえし、オレは近接武器による電撃戦を行う!

【多目的兵装】をチェーンソー形態にし、更にスクラップを巨大な鉄塊剣に形成して手数を増やし近接戦闘だ!


ノトス・オルガノン
アドリブ、絡み歓迎です
ニオク・イグズヴィ(f00312)と同行
冒険仲間

宇宙空間での機動は圧倒的に向こうが有利そうだが…
やるだけやってみよう
…?赤とか青とか、何か関係あるのか?ニオク

【SPD】
ユーベルコード【Organum】を展開
スピードだけでは押し負ける
なに、ついていくだけが能じゃない
こちらは数も使わせてもらうぞ
戦いは数、と誰かが言っていた気がするしな

呼び出したオルガンパイプで敵機を誘導させ、挟撃や同士討ちを狙う
同時に、ニオクが動きを鈍らせてくれた敵を沈める

他の参戦者とも息を合わせたいところだな


ニオク・イグズヴィ
戦友のノトス(f03612)と一緒に
その他、周りの猟兵とも積極的に協力し合う
(アドリブ、アレンジ歓迎です)

エースパイロットってやつか
良いねぇ、燃えてきたぜ
あんたを倒して名を挙げてやる!
……ところで色は赤じゃないんだな

○SPD
早さなら俺だって負けちゃいないさ
むしろ小回りの効く分こっちの方が上かもな?
とはいえ、あんたのそのスピードは厄介だ
【咎力封じ】で妨害させてもらう!
【2回攻撃】で確実に攻撃を当ててやる
当たらなければ、どうともならないからな

味方からの艦砲射撃をうまく利用して、
敵の回避行動を読んで、拘束具を投げつける
さぁ、薄い弾幕じゃ意味ねぇぜ
逃げ場がねぇぐらい、たっぷりお見舞いしてやってくれ!



 艦隊が睨みあう、宇宙空間。
 帝国軍艦艇の近くに転移した猟兵たちは、その目に護衛軍艦隊の威容を映した。
 そしてその次に、否応なく目に入る。
 戦闘宙域を縦横無尽に飛びまわる――雷光のごとき蒼い機影。
 あちらも猟兵の転移に気が付いたのか、解放軍艦隊への迎撃を切り上げた。

「来たか、新たな者たちよ……ついてこれるかな、蒼い稲妻と呼ばれたこの私に!」
 スラスターを噴きあげ、ビームライフルの砲口を向ける突撃騎士。
「ああついて来てやるよ。何故ならオレは紅い神風だからだ。……自称だがな!」
 ブイバル・ブランドー(ソニックアタッカー・f05082)は拳を突き合わせ、身構える。
 そして同じく騎士を迎え撃つは――ニオク・イグズヴィ(コインの裏面・f00312)とノトス・オルガノン(白百合の鎮魂歌・f03612)だ。
「エースパイロットってやつか。良いねぇ、燃えてきたぜ。あんたを倒して名を挙げてやる!」
「宇宙空間での機動は圧倒的に向こうが有利そうだが……やるだけやってみよう」
 飛来する騎士を並んで見据える2人。
 が、ニオクにはどうしても気になることがあった。
「……ところで色は赤じゃないんだな」
「……? 赤とか青とか、何か関係あるのか? ニオク」
「あーいや、何でもねぇぜ。気にすんな、ノトス」
 傾いたノトスの首を元に戻し、さらりと話題を流すニオクである。
「先陣、いくぜ!」
「威勢がいいことだ!」
 ブイバルが体の各部を覆う装甲をパージ。重量を外して身軽になったその体で、騎士のビームを急加速ですり抜ける。
 3m近い両者の機械体がかち合い、火花が散った。
「接近戦ならオレの土俵だ!」
 弓を絞るように拳を構えたブイバルが、全霊の連打を打ちこむ。鋼の拳が騎士の装甲を捉えるたび、轟音が響きわたる。
「気概は買おう! だがそれしきでは私に勝てん!」
「くっ!?」
 秘めた感応能力を解き放った騎士が蒼い燐光を放つと同時、機動力が跳ねあがる。ブイバルの攻撃をいなすと、盾に備え付けていたビームサーベルを抜いた。
「くらえ!」
「やられてたまるか!」
 ビルドシステムを起動し、咄嗟に召喚したスクラップで斬撃を防ぐブイバル。
 目まぐるしく攻防が変わる格闘戦。
 その速さに、ノトスは目を見張った。
「速いな……スピードだけでは押し負けそうだ」
「なに、速さなら俺だって負けちゃいないさ。とはいえ確かにあのスピードだな」
 おどけた薄笑いでノトスを見やったニオクが、懐から道具の束を取り出す。
 手枷、猿轡、そして拘束ロープ。
「こいつで妨害させてもらうぜ!」
 ニィ、とあくどい笑みを湛えたニオクの手から、3種の拘束具が放たれる。ブイバルと交戦する騎士の背へ、命中寸前までそれらは迫った。
 しかし騎士は身を躍らせて避ける。
「そんなものが当たると思うか!」
「チッ、さすがに速ぇ!」
「なら、こちらは数で対抗しよう。戦いは数、と誰かが言っていた気がするしな」
 ノトスが中空に手を向ける。
 すると長大なオルガンパイプが無数に顕現した。
 パイプオルガンより顕現せしヤドリガミ――ノトスの本領発揮である。
 それら一つひとつが宙域に拡散。飛びまわり、音を奏でることで辺りを飛んでいた敵機がこちらに誘導されてくる。
「っし! やってやれノトス!」
「ああ、落ちてもらうぞ」
 タクトを振るように、ノトスが腕を振るう。追ってきた敵機を振り払うように、オルガンパイプが急速に軌道を変えると、敵機は騎士に向かって一直線だった。
 だが、衝突はしない。
 高機動モードの騎士の素早さであれば、単純な同士討ちを避けるのは簡単だったのだ。
「浅はかな! それでは私を捉えられんぞ!」
 衝突を避けた勢いのまま、騎士が猟兵たちを攻め立てる。射出するビーム、斬撃は的確に3人にダメージを与えていた。
 このままではまずい。
 そう思ったとき、ニオクが方策を口にした。
「ただ追うだけじゃ厳しい……なら解放軍の艦砲射撃に合わせるしかねぇな!」
「なるほど、射撃で進路が狭まれば……」
「奴を叩ける!」
 騎士に応戦しつつも視線を合わせ、思考の統一を図る3人の猟兵。
 そのまま交戦を続けながら艦砲射撃のタイミングを計ると、ノトスは再び無数のオルガンパイプを複製。今度はそれらを勢子のように操作し、騎士を誘導してゆく。
 そして――砲弾が降りそそいだ。
「!? 誘われたか!」
 迫りくるビーム、砲弾の雨から逃げるべく旋回する騎士。
 だが、移動方向が予測できるその瞬間を、ニオクは見逃さない。
「おらよ! 今度こそ捕らえたぜ!」
「くっ!?」
 拘束ロープが騎士の腕に引っかかり、動きを妨げる。スラスターの出力が不良でも起こしたように低下し、高速飛行が止まった。
 そこへ、ブイバルが体ごと一気にぶち当たる!
「き、貴様!」
「言っただろ……オレは紅い神風だってな!」
 右腕のチェーンソー式破砕ブレード、左腕のスクラップ製巨大鉄塊剣が、騎士を斬りつける。まともにくらった騎士の蒼い装甲が砕け、X字の亀裂を刻みこんだ。
 確かな一撃だった。
 だがブイバルも、ノトスもニオクも、負傷が積み重なっていた。
 追撃は危険。そう判断した3人は、戦域から退避するのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
青い稲妻…
か、かっこいいっ!
敬意を払って名乗りを上げるよ
猟兵、シル・ウィンディア、行きますっ!!

高機動型な相手だけど、わたしができるのも高機動戦っ!
さぁ、一気に行くよっ!!

【空中戦】で宇宙の海へ飛んで
【残像】が残るほどのスピードで動き
直線的にならないようにジグザグ機動を行って
【フェイント】も交えるね

接敵タイミングで、両手に束ねてもった光刃剣で斬りつける
【鎧砕き】で装甲を削ることを目的に攻撃

回避は【第六感】で感じて【見切り】で回避

【高速詠唱】【全力魔法】で
相手の小さな隙を逃さずUCを撃ち放ちますっ
わたしの限界魔法、受けてみてっ!!

相手のプレッシャーは叫んで防ぐっ
こんなところで負けられるかーっ!!


ミスタリア・ミスタニア
こいつは、鎧装騎兵なのか?
くそっ、なんだこいつ!あんな重装型で軽装のオレより速いってのか!
蒼い稲妻だぁ?ちっ、負けられるかよ。翠の疾風ミスタリア・ミスタニア突貫するぜ!

全ビットの『一斉発射、援護射撃』で砲撃支援の方に誘導だ。無理でも動きを止めてやるさ!
敵の攻撃は『見切り、第六感』とビームシールドの『盾受け』でダメージを最小に抑えるぜ。
『空中戦、ダッシュ、捨て身の一撃』で特攻だ!舐めんな、オレが追いつけないと思ってんのか!軽い分、運動性は流石にこっちに分があるだろ!
懐に潜り込んで【対艦用パイルバンカー】の『鎧砕き』で装甲ぶち抜いて、そのまま【グリュンシュトゥルム】の『2回攻撃、零距離射撃』だぁ!


ミスト・ペルメオス
(SPD)

行くぞ、ブラックバード…ッ!
…恐ろしいものかよ、亡霊がッ!

自前の機械鎧を駆り、戦闘領域に進出。
念動力、最大。機体や装備の制御、敵の動きの把握・見切りに活かす。
全体の戦況には常に注意。単独で勝てる訳もなく、友軍との連携・協力を意識。

敵部隊と接触後、【ハイマニューバ】起動。
スラスターも全力稼働、時折フェイントを入れつつ三次元的な高速戦闘に移行する。

未熟者の自覚はあれど、空間戦闘こそ鎧装騎兵の本領。
“少佐”の動きに無理には追随しない。
しかし回避機動とビームシールドの防御で致命傷を避けつつ、牽制を兼ねた応射を繰り返す。
独りでは敵わずとも、消耗させることぐらいは…!

※他の方との共闘等、歓迎です


明石・真多子
…着いていけるよ、紅い真蛸なアタシはね!

なんか真っ青なやつが暴れてるらしいねー。
対抗心湧いちゃうし頑張るよ!

でも流石にタコだからって宇宙を泳げるわけじゃないしねー。
移動スピードでは勝てそうにないかな?
ここはタコの保護色能力で「迷彩」して「目立たない」ようにしたら味方の活躍で隙が出来るのを待つよ。タコはハンターだからね。

「暗殺」の基本は不意打ちの「先制攻撃」!
余計なことをされる前に両腕と4本の触手に溜めたタコスミを一気にぶちまけるよ。
散弾みたいな面攻撃の奇襲は避けられないだろー!
付着したタコスミを通してアタシの触手だけワープさせたら「グラップル」して【オクトパスホールド】だ!
みんな今だよ!


ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
…異名いいな。
私もなにかしらこういうの欲しいな。あと伝説とか。

さて、私は真っ当に射撃戦するよ。
敵からの攻撃は、遮蔽物を利用したり【ルエリラの勘】で回避しながら、散弾の【魔力矢の雨(フィーア)】でダメージをいれていきたいな。
敵が高機動モードになろうとも、私に攻撃が当たらなければどうという事はないよ。
かといって、私の攻撃も当たらなかったらあまり意味はないかもだけど『援護射撃』として牽制や隙を作れれば上出来だよね。戦いは数だよ。って偉い人も言ってた気がするし。
うん、私ならいけるいける。



 わずか機体に傷を残すも、依然として健在な蒼き機体。
 それを目にしたシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は青い瞳をキラキラと輝かせた。
「蒼い稲妻……か、かっこいいっ!」
「……貴様も猟兵なのか?」
 齢10のシルの華奢な体を一瞥した騎士が、探るような訊き方をする。
 シルはそれに強くうなずき、光刃剣『エレメンティア』を起動。銀のロッドから、光の刀身が鋭く伸びてゆく。
「猟兵、シル・ウィンディア、行きますっ!!」
 宇宙の黒い海を疾走するシル。容易に捉えられぬようジグザグの軌道をとる影が、残像すらもちらつく速度で騎士の懐まで到達する。
「はぁっ!」
「!? 速い!!」
 すれ違いざま、光の刃が装甲を削る。回避の間に合わなかった騎士が大きくのけ反る。
 そこへもう1人、猟兵が迫る。
 黒い機械鎧に身を包んだスペースノイド――ミスト・ペルメオス(新米猟兵・f05377)だった。
「……恐ろしいものかよ、亡霊がッ!」
 命を託す鎧『ブラックバード』に手を当てたミストが、ビームアサルトライフルの連射を騎士へと見舞う。並の敵であればそれは確実に捉えただろう。
 が、騎士は射撃を察知して急上昇。迫りくるビーム群を鮮やかに避けてみせた。
 一連の熟達した動きを見せつけられて、ミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)は目を丸くする。
「くそっ、なんだこいつ! あんな重装型で軽装のオレより速いってのか!」
 悔しさを隠そうともしないミスタリア。
 が、すぐに気を静め、いち猟兵として覚悟を示す。
「蒼い稲妻も伊達じゃねぇか……けど負けられるかよ。翠の疾風、ミスタリア・ミスタニア、突貫するぜ!」
 砲撃兵器――ブラスター・ランチャーを携え、出撃するミスタリア。
 その背中がぐんぐん小さくなるのを、明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)とルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)は手を振って見送る。
「なんか真っ青なやつが暴れてるねー。対抗心湧いちゃうし頑張るよ!」
「……異名いいな。私もなにかしらそういうの欲しいな。あと伝説とか」
 呑気してる上に会話もしていない真多子とルエリラ。
 けど戦う気がないわけではない。
 正面切って戦うタイプではない、というだけである。
「タコだからって宇宙を泳げるわけじゃないしねー。移動スピードでは勝てそうにないし、ここは隙が出来るのを待つよ。タコはハンターだからね!」
「じゃあ私は真っ当に射撃戦するよ。良い頃合いでよろしく」
「任された!」
 淡々と弓に矢をつがえるルエリラに敬礼した真多子が、保護色能力を駆使して宇宙空間の闇に溶けこむ。
「さて、それじゃ援護開始」
 魔力で形成した矢を、騎士たちのいるエリアを狙って撃ちこむルエリラ。
 矢は宙を突き進み、ちょうど猟兵と騎士が矛を交えているその中空で破裂する。途端、散った魔力のそれぞれが形を転じ、矢の雨となって騎士の体を刺してゆく。
「援護射撃!? どこからだ!」
「よそ見の暇なんて与えないよ!」
「お前の相手は、こっちだ!」
「くっ、こいつら……!」
 射手の存在に意識を割かれた騎士へ、果敢に攻めかかるシル、そしてミスト。騎士を驚かせたシルのスピードに劣らず、高速機動戦を想定した高度戦術プログラム『ハイマニューバ』を起動したミストも速い。三次元的に動き回る空中戦で、騎士にくらいついていた。
「私と張り合おうというのか! 小僧!」
「独りでは敵わずとも、消耗させることぐらいは……!」
 繰り出されたビームライフルをビームシールドで凌ぎ、すかさず応射して騎士にプレッシャーをかけ続けるミスト。
「猟兵の力……これほどか!」
 騎士の口ぶりに、わずかな焦りが滲む。
 そこへ――。
「オレがいることを忘れてもらっちゃ困るぜ!!」
 ミスタリアが猛然と吶喊してきた。速力を増しながら鎧装からすべてのアームドビットを射出、一斉の援護射撃を騎士へと撃ち放つ。
「小癪な真似を!」
 スラスターを全開に噴き、ビット群の射撃を振り切らんとする騎士。
 その全速移動は、ミスタリアのビットではとても捉え切れるものではなかった。
 が、それもミスタリアの想定内。
 ビットから逃れた騎士を待ち受けていたのは、雨あられと降る艦砲射撃だった。
「ぐ……おおおおっ!!?」
 ビームが盾を溶かし、砲弾が翼と脚部を捉える。
 うまく射撃エリアに誘ったミスタリアの策が功を奏した形。
 しかも騎士を襲う攻撃はそれだけに留まらない。
「ふっふっふ、隙を見せてくれたね!」
「!!?」
 宇宙を漂う残骸の陰から突如として姿を見せた真多子が、両腕と4本の触手腕を振るい、溜めこんだ大量のタコスミを騎士へぶちまけた。
 不意打ちに加えて散弾じみた広域攻撃。
 尋常ならざるスピードを誇る騎士とて避けるのは困難だった。
 さらに真多子は付着させた墨を通じて、ワープさせた触手腕(吸盤付き)で騎士の機体を雁字搦めに捕縛する!
「みんな今だよ!」
「うん、これはチャンス。撃とう撃とう」
「私も全力でいきます!」
 真多子の合図に呼応したルエリラが魔力矢を騎士の胸部へ撃ちこみ、ミストもまた2門式のビームキャノンで騎士の装甲を吹き飛ばした。
「おのれ……やってくれるな、猟兵どもよ!!」
「ぎゃーっ!?」
 激昂した騎士が、スラスター噴射。その勢いで真多子の触手を振り払うと、損傷を補うべくリミッター解除。高機動モードとなってルエリラへと肉迫する!
「くらえ!」
「高機動モードってやつだね。でも攻撃が当たらなければどうという事はないよ」
「!?」
 ビームライフルが一条の閃光を射出するが、その一撃はルエリラを捉えることなく宇宙に消えた。
「何だ……見切ったような動き!?」
「うん、割といけるいける」
 驚愕する騎士をよそにピースするルエリラ。
 ただの直感である。
 あまりに美しい回避だったが完全にただの勘である。
 しかしおかげで無傷。
「くそっ! ならばあちらを攻める!」
 ルエリラを捉えるのは困難と判断した騎士が飛行方向を変える。
 狙いは、ミスタリアだった。
「この弾幕からは逃れられんぞ!!」
 全武装の射出口を開放し、弾雨と化した一斉射撃が、ミスタリアを喰いつくさんと全方位から接近する。
 一目、抜ける道などなかった。
 しかしミスタリアは鎧装の出力を上げ、逃げるどころか死地に突っこんだ。
「舐めんな! そんなもん……潜りぬけてやらぁ!!!」
 捨て身の意志を搭載して、全速特攻。
 その覚悟、そして軽装の運動性が、必中の一斉射撃の中に針の穴のような活路をひらく。飛び交う攻撃を紙一重ですり抜け、すり抜け……ミスタリアは逆に騎士の懐に届いていた。
 対艦用パイルバンカーの杭先が、ぴたりと騎士の腹を捉える。
「バンカー、捉えた! ゼロ距離、これで! いっちまえよやぁぁぁぁ!」
「くっ、おおおおおおお!!?」
 抉りこむ螺旋の一撃が装甲を砕き、耐えがたきダメージをその機体に与える。
 力なく腕を垂れる騎士。
 そこへさらに追撃を叩きこもうと、シルは飛行接近する。
 だがそのとき、言い知れぬ圧迫感がシルの心臓を鷲掴みにした。
 これは騎士の放つプレッシャーだ……シルは直感でそう感じた。
 しかしプレッシャーに過ぎないものだ。
 シルは口を引き結び、力いっぱいに叫びをあげた。
「こんなところで負けられるかーっ!!」
 咆哮と同時、シルの手に火・水・風・土、4属性の魔力が集う。
 集約された魔力が放たれ――騎士の機体を穿ち、無惨に破砕する。
 砕ける装甲の破片が、戦いの終焉が近いことを告げていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

矢上・裕一郎
「エース…か。お手並み拝見と行こう。俺もかつては死神と呼ばれた男だ。その所以を教えてやるぞ、『蒼い稲妻』とやら」

≪機械仕掛けの我が相棒≫を使用、対敵戦闘機体用に遠近ビーム兵装・実弾兵装と盾等の基本的な装備で固めた宙戦仕様の愛機「夜明号」を召喚し搭乗
敵と一騎打ちを挑む
≪操縦≫と≪空中戦≫の技能を活かして機体を制御、立体的な高速機動で挑む
≪視力≫≪学習力≫≪第六感≫で敵の行動の癖を掴み回避に活かす
…もしかすると≪第六感≫で蒼い稲妻とテレパシーが通じたりするかもしれんな…
攻撃は≪誘導弾≫で敵に回避行動をとらせて自由を奪いつつ兵装を≪一斉発射≫する
あと一歩が足りない場合は≪勇気≫で補う



 黒煙と電光を噴く騎士は、言葉にするまでもなく満身創痍に見える。
 が、そこまで損傷してなお、バイザーの光は潰えていなかった。
 その手は未だビームライフルを放さず、敵を殲滅すべく、矢上・裕一郎(死神・f04178)へとまっすぐに向けられる。
「エース……か」
 小さなつぶやきをこぼすと、裕一郎は手をかざす。瞬く間に空間がうねり、歪んだ宙から巨大な鋼鉄が姿を現すと、裕一郎はそれに乗りこんだ。
 遠近ビーム兵装、実弾兵装、防備用の盾――ベーシックな宙戦仕様は、かつて数多の敵を屍に変えた彼の愛機『夜明号』だった。
「俺もかつては死神と呼ばれた男だ。その所以を教えてやるぞ、『蒼い稲妻』とやら」
「死神、か……。だが貴様がいた戦場に、私はいなかった」
「ならばここで決めるか」
「よかろう。落ちるのは……どちらか!」
 言下、両者のスラスターが光を噴き上げる。
 超速の激突。常人には視認しきれぬ2人の軌道が、乱反射する光のように跳ねまわり、音すらも置き去りにする。
「そこか!」
「……甘い!」
 互いのビームがすれ違い、互いの機体をかすめて溶かす。
 射撃の応酬は互角、高速機動も互角だった。疲弊しているとはいえ騎士の高機動モードはなお健在の凄まじさだったのだが、裕一郎も持ち前の操縦勘を発揮し、さらに騎士の行動パターンを学習することで見事に対抗していたのだ。
 幾度も攻防を交わし、宙域を舞う2機。
 だが次第に形勢に差が生じる。
 裕一郎が駆る夜明号が、徐々に騎士を押しこんでいた。
「とらせてもらうぞ……『蒼い稲妻』」
 無数の誘導弾が緩やかな白煙を引いて、騎士を追いこむ。
 蛇のように迫る弾を、反転、旋回して振りほどこうとする騎士。
 が、その騎士を待ち受ける、弾幕とビーム。
 視界を埋め尽くす弾幕と、そこを突き抜けて放たれた一条の閃光が、蒼い機械鎧の動力部を貫いていた。
「……敗者は、去るのみ、か」
 騎士のバイザーがふっと光を消し、力を失った手からビームライフルがすり抜ける。
 そのまま騎士が宙域を漂い、消滅を始めるのを見届けて、裕一郎が反転する。
 帰還だ。
 そう胸のうちで言ったとき、どこかから声なき声が聞こえる。
『今度は背中を預けて飛びたいものだな……死神』
「!?」
 弾かれたように振りかえる裕一郎。
 宇宙を駆けた蒼い稲妻の姿は、もうなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月23日


挿絵イラスト