銀河帝国攻略戦㉓~帝国戦闘機母艦を討て
「主砲一斉斉射! 撃て!!」
号令に合わせて銀河帝国の戦艦に無数の光が殺到する。
眩い閃光。
集中砲火を浴びた戦艦は、その船体を損傷し――。
「やったか?!」
「敵艦の損傷復元! ダメです、やはり我々の武装では……」
『インペリウム護衛軍』。
帝国旗艦インペリウムを守護し、皇帝の力によって自己修復を繰り返す宇宙艦隊。
解放軍だけでは、撃破することは叶わない。
ああ、この場に『彼ら』がいてくれたなら――。
●
「インペリウム護衛軍の宇宙戦闘機母艦を撃沈してほしい」
集まった猟兵たちに、レコ・ジェヒ(ケットシーのビーストマスター・f00191)は簡潔にそう言った。
「インペリウム護衛軍は、文字通り帝国旗艦『インペリウム』を守護する艦隊なんだけど、それだけに防御力が高くて……その上皇帝の力で自己修復能力まで備わってるから、解放軍が撃破できないでいるんだ」
船体を損傷させても、すぐさま修復されてしまう。
「修復速度を上回るくらいのペースでダメージを与え続ければいいんだけど、残念ながら解放軍にはそれだけの力はない。だから、みんなの力を貸して」
解放軍と連携し宇宙戦闘機母艦を沈めてほしい、とレコは続ける。
「解放軍がサポートに回ってくれる。宇宙服なんかも全部用意されてるからそのあたりは気にしなくていい」
解放軍の砲手は優秀で、誤射の心配はない。
「僕らに比べたら巨大すぎる相手ではあるけれど、大きいほうが攻撃は当たりやすいでしょ?」
す、と目を細めてそう嘯くレコ。
「みんなになら出来る。……信じてるから」
乾ねこ
乾ねこです。
『インペリウム護衛軍』の宇宙戦闘機母艦を撃破してください。
解放軍から援護射撃がありますが、敵がやたら巨大なだけのボス戦です。
宇宙空間だから、とかあまり考えずに思い切り戦えばいいと思います。
プレイング内に指示があった場合、解放軍がいい感じに援護射撃を行ってくれる……かもしれません。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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それでは、皆様のご参加お待ちしております。
第1章 ボス戦
『帝国戦闘機母艦』
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POW : サイキックファイア
【ビーム砲撃】が命中した対象を爆破し、更に互いを【サイキックエナジーの鎖】で繋ぐ。
SPD : インペリアルレギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【帝国式兵器】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ : リペアアーム
【修復用アーム】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
セレスティア・ナイトリー
機械の体を持つ私には宇宙服は不要です。
かと言ってのんびりと戦うつもりもありません。
最初から全力で参りましょう。
「全戦闘プログラム起動」
破壊目標との距離、攻撃の間隔、地形(艦体)、他猟兵の軌道等あらゆる情報をリアルタイムに入力した戦闘用各プログラムに従い、攻撃力を重視した【機士の進撃】にて最高効率での破壊工作を行う。
敵から攻撃は、武器受け・盾受けを駆使して捌き、万一被弾してしまう場合でも激痛耐性を以て怯むことなく行動を継続。
姿勢制御と加速には蒸気推進器を用い、敵艦体への降着にはワイヤーアンカーを使用する。
戦いを起こすものを戦いによって滅ぼすことが戦斗人形たる我が宿命。
虚空に咲く花火と化すがいい。
●
帝国軍宇宙戦闘機母艦目掛け、セレスティア・ナイトリー(流転の機士・f05448)は宇宙空間を飛ぶ。
「全戦闘プログラム起動」
無機質な言葉と共に、彼女の戦斗人形としての力が目を覚ます。
(「のんびりと戦うつもりはありません。最初から全力で参りましょう」)
――破壊目標、『帝国軍宇宙戦闘機母艦』。
――目標との距離、○○メートル。更に接近中。
――解放軍からの砲撃確認、敵損傷軽微……損傷修復。
目まぐるしく変わる状況を常時自身の中で処理しつつ、セレスティアは帝国軍の母艦を目指す。
――敵ビーム砲台にエネルギー確認。
受けるか、避けるか。
判断は一瞬、セレスティアがその肩に装備した盾を前面に押し出す。
直後に襲い来る閃光――衝撃がセレスティアを襲い、彼女の動きが一瞬止まる。
しかし、まだ動ける。痛みはあるが戦闘に支障はない。
痛みを訴える身体を無視して母艦に迫ろうとした彼女は、自身と母艦が不思議な鎖で繋がれていることに気が付いた。
逃がさない、とでも言いたいのだろうか。
その鎖を煩わし気に一瞥し、セレスティアは再び行動を開始した。
鎖など知ったことか。もとより逃げる選択肢などないのだから。
(「戦いを起こすものを戦いによって滅ぼすことが戦斗人形たる我が宿命」)
放たれる小型の戦闘兵器を蒸気推進器の向きと噴射で躱し、セレスティアは巨大な船体に肉薄する。
彼女が射出したワイヤーアンカーが船体の壁面に突き刺さり、その巻き取りで彼女の身体は更に加速。
「戦術編成プログラムおよび測的追尾プログラムの同期確認、対象に有効な最適解を取得、殲滅を開始する」
蒸気圧縮砲が砲弾を放ち、魔導蒸気式機械群が展開される。
「虚空に咲く花火と化すがいい」
その言葉通り、船体の側面で巨大な炎の花が咲く。
爆炎が消えた後、敵母艦の船体側面に大きな損傷ができていた。
損傷の大きさ故か修復は遅々として進まず……解放軍に活気が戻る。
『いける……いけるぞ!』
『彼らならやってくれる! 急げ! 俺たちも彼らを援護するんだ!!』
成功
🔵🔵🔴
アリュース・アルディネ
【WIZ】
「うふふふ、いきなり巨大戦艦が相手なんて、びっくりですねぇ。でもデカすぎて撃てば当たる相手なら、狙う必要なんてなさそうですね~ うふふふ」
そうですね~。どうやらチマチマやってたらいつまでたっても終わらなさそうですし、最初から思いっきりいきますね~♪
寄生UDC「デモンちゃん」の触手から、【UDCプロミネンス】で戦艦を攻撃します。
【2回攻撃】や【援護射撃】で手数を増やして少しでもダメージを稼げるとおいしいですね。
相手が戦艦なのでUDCでの【恐怖を与える】攻撃は効果が薄いかもですが、
まあなるたけ試してみるつもりですよ~ うふふ。
三岐・未夜
大きいだけの敵なら良い的だよ。微々たるものでも損害与えてこうねー。
だって、相手機械だし、何処壊れたら動かなくなるか分かんないでしょ。
そしたらどうするかって?
勘。
【属性攻撃】で火矢を強化し、【第六感】に従って重要そうな場所に狙いを定めて一斉狙撃!【操縦、誘導弾、範囲攻撃、援護射撃、先制攻撃、全力魔法】
【催眠術、誘惑、ハッキング、おびき寄せ】で敵の取得情報を惑わせて攻撃を自分から遠ざけ、もし誘導し切れなければ【見切り】で避ける。
弱点となり得る場所も探して、もし装甲の弱い場所とか見付けられたら解放軍のひとたちにも攻撃合わせて貰えたら嬉しいかな。
だって、自分たちの手で勝ち取りたいでしょ。
●
「いきなり巨大戦艦が相手なんて、びっくりですねぇ」
口元に笑みを浮かべながら呟くのはアリュース・アルディネ(異形蒐集者・f11279)。
彼女の目の前には巨大な宇宙戦闘機母艦……いや。
「まだまだ遠いですねぇ」
敵母艦から発艦してくる小型兵器をその身に宿るUDC「デモンちゃん」の触手で叩き落しながら彼女はほう、と息を吐いた。
何せ宇宙サイズの巨大さである。遠近感覚が狂うのも仕方ない。
「でもデカすぎて撃てば当たる相手なら、狙う必要なんてなさそうですね~」
うふふふ、とあくまでも楽し気にアリュースは宇宙空間を駆ける。
ビームを躱し、小型兵器を躱し、叩き潰し。
(「そうですね~。チマチマやってたらいつまでたっても終わらなささそうですし」)
眼前に立ちふさがる壁、としか言いようのない巨大な船体を前にしても、アリュースの顔から笑みが消えることはない。
「じゃ、思いっきりいきますね~♪」
にこにこにこにこ。まるで遊びにでも来たかのように自然体で、アリュースはデモンちゃんの触手を帝国軍の戦闘機母艦に伸ばす。
「なりそこないの炎を以て、貴方を黒く燃やしましょう~♪」
現れたのはブクブクと泡立つ、幾つもの漆黒の炎。その炎は傷ついた船体や戦闘機を修復する修復用アームに次々と着弾し、その周辺をもまとめて燃やし尽くさんと燃え上がる。
「うふふふ、その炎は簡単には消えませんよ~?」
それに――と呟き、アリュースは笑みを深くする。
「私の攻撃はまだまだ終わりませんから。いろいろ試したいこともありますし――」
たとえば、戦艦でも恐怖を与えらえるのか、とか。
心の中で呟いて、アリュースは再びふふ、と小さく嗤った。
●
(「大きいだけの敵なら良い的だよ」)
宇宙戦闘機母艦の船体スレスレを飛びながら三岐・未夜(かさぶた・f00134)は矢を番えるような動作をする。
「火生土。狐は土、黒は水って言うらしくてさ」
火の属性を纏った破魔矢を船体に沿って次々と射掛けていく未夜。
(「微々たるものでも損害与えてこうねー」)
何せ相手は戦艦、機械である。何が壊れて動かなくなるかわからない。もちろん、未夜にだってどこを攻撃すればいいかなど、わからない。
ならばどうするか――。
(「『勘』に頼るしかないでしょ」)
装甲の継ぎ目、ビーム砲台にアンテナセンサー。少しでも脆そうな場所、重要そうな場所に威力を上乗せした火矢を一斉狙撃。
船体の周囲を飛び回り、幾度となく同じ作業を繰り返す。宇宙戦闘機母艦側も黙ってはいない。船体の一点が輝きを増し、一条の光が放たれる……が。
光の先には何もなかった。敵を指し示すはずの座標が狂い、その役目をなさなくなっていたのだ。
狂った座標に気付いたか、ビームに代わり小型兵器が放たれる。
続々と発艦してくる小型兵器――火矢による範囲攻撃で粗方を射落とし、数が少なくなったところでその動きを見切って躱す。
そして再び火属性の破魔矢を、今度は『小型兵器が現れた箇所』一点目掛けて一斉斉射。
火矢が船体に着弾する。一拍遅れて、ひと際大きな爆発と共に黒煙が上がり始める。
「そこだ!」
宇宙服の中、咄嗟に叫んだ未夜の声を拾った者たちがいた。
『――了解』
短く答える声がする。それとほぼ同時、解放軍の艦船からの砲撃が始まった。
『砲撃を止めるな!』
『あいつらに任せっぱなしってわけにはいかないだろ!』
通信システムを通じて聞こえてくるのは、解放軍の人々の声。
(「やっぱり、自分たちの手で勝ち取りたいよね」)
気合の入った声を聴きながら、未夜は宇宙空間を飛翔する――。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ドミニク・トインビー
海賊船に【騎乗】し砲火をかいくぐって接近する
そしてある程度接近したらユーベルコードを発動、21隻に及ぶ海賊艦隊だ
近付いてくる小型兵器も艦隊の【一斉発射】で【範囲攻撃】し落としてしまおう
最後は複製した宇宙船ごと砲撃しながら母艦に突撃させる、大質量を破損した部分に激突すればただではすまないはずだ
アドリブ歓迎
ラザロ・マリーノ
まったく、この世界はスケールのデカい兵器が次々出てくるな!
一個くらい欲しくなってくるが…デカすぎて邪魔になるだけか。
宇宙ドラゴンに【騎乗】。【空中戦】で回避しながら母艦に取り付くぜ。
母艦上では【地形の利用】で、ビーム砲撃の射線から逃れながら、【ダッシュ】で中心部を目指す。
可能なら【鍵開け】か【怪力】でぶち破って、さらに内部に侵入。
できるだけ深部の重要そうな場所に、UC「グラウンドクラッシャー」を叩き込むぜ。
どうせ壊しちまうんだ。派手に行くぜ!!
※アドリブ・連携歓迎
寺内・美月
事前にハッキングやジャミングなどでの妨害と、召喚する霊をSSWでも活動できる装備に換装する。
・〖準備砲撃『地獄雨』発動〗にて砲兵師団を召喚し、解放軍艦隊の艦船に積載して共に砲撃を行う。この際〖サイキックファイア〗の発動装置を発見したら集中砲撃を行う。
・〖インペリアルレギオン〗対策で〖航空攻撃・空挺降下発動〗を実行し、航空機による小型兵器群の撃破と降下部隊による迎撃機能の低下をはかる。
・迎撃機能を低下させたら事前に破壊した場所に〖戦闘団召喚〗を実行し、【修復用アーム】や動力の破壊を目指す。
ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブ歓迎
○他猟兵と連携OK
戦争もそろそろ終わりかねぇ、思い出作りついでに
もうひと暴れさせて貰おうかのぅ。
いくぜゲンチャンダイナー、この世界を託す希望達を守りにな!
○戦闘
転送後すぐに【選択したUC】を使用。
巨大な機体そのものが【挑発】になるじゃろ、敵の攻撃がはじまれば
仲間や解放軍を含め【オーラ防御】や【盾受け】を駆使し【かばう】ぞ。
【激痛耐性】もあるんじゃ、多少の無茶も効くじゃろ。
●サイキックファイア はあえて撃たせて互いに逃げれんようになった所で
【鎧砕き】を【捨て身の一撃】で打ち付ける。
これで防御力は多少削げたか?
仲間や解放軍に合図して、【鎧砕き】で砕いた箇所に一斉の援護射撃を要請じゃ。
●
「バトルトレースモード! 超ド級爆操店舗、コード【IZAKAYA:げんちゃんforDINER】!」
音の通るはずのない宇宙空間に何故か音楽が流れだし、全高40メートル弱はあろうかという巨大ロボットが現れる。
「戦争もそろろそ終わりかねぇ」
巨大ロボットにそう語り掛けるのはゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)だ。
彼らの前には猟兵たちの攻撃に晒されながらも揺らぐ様子のない、帝国軍の宇宙戦闘機母艦がある。
「思い出作りついでにもうひと暴れさせて貰おうかのぅ」
年寄りめいた口調とは裏腹に、ゲンジロウはその口元をニヤリと歪ませる。
「いくぜゲンチャンダイナー、この世界を託す希望達を守りにな!」
敵母艦から一定の距離を取り、寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)は言葉を紡ぐ。
「コード地獄雨発動、火力で敵を蹴散らせ」
一拍置いて、解放軍艦隊から宇宙戦闘機母艦への一斉砲撃が始まる――否、それは三月に召喚された砲兵師団による超高速の連続砲撃。
それに反撃するかのように、宇宙戦闘機母艦からもビーム砲撃が開始される。その狙いは、解放軍艦隊。
それに気づいた美月が心の中だけで舌打ちする。敵母艦は小さな美月ではなく、砲兵師団が配置された解放軍艦隊を狙った……あるいは、美月の存在そのものに気付いていないのか。
いずれにせよ放っておけば解放軍の被害が拡大する。
(「どうする――?!」)
眉間に皺を寄せた美月の視界の隅を、凄まじい勢いでゲンジロウとゲンチャンダイナーが通り過ぎていく。
「俺に任せな!」
思わず振り返った美月が見たのは、自らの身体を盾に解放軍を守るゲンチャンダイナーの姿だった。
「この程度かよ、どうってことねぇな!」
ゲンジロウが嘯く。しかし、サイキックエナジーの鎖に捕らわれたゲンチャンダイナーに更なる危険……敵母艦から射出された小型兵器が迫る。
気づいた美月が、更なる命令――ユーベルコードを発動した。
「作戦に変更なし、地上を一掃したら降下開始」
美月が呼び出した輸送機と航空機が、小型兵器の群れを迎撃する。ゲンチャンダイナーもまた、鎖に捕らわれながらも得物をこれでもかと振り回し、接近した小型兵器を叩き落す。
小型兵器による攻撃がひと段落したその時、ゲンチャンダイナーは自らを縛る鎖に手を伸ばした。
しっかりとその鎖を掴み、一直線にその鎖の先……敵母艦のビーム砲台へと向かっていく。
別のビームがゲンチャンダイナーを掠め、共に行動するゲンジロウの皮膚を熱が焼く。
(「これくらいで止まるわけにはいかんのぅ」)
口元を歪ませたまま、ゲンジロウが得物を振り上げる。その動きに合わせてゲンチャンダイナーも巨大な得物を振り上げる。
「ふん!」
一切の防御を捨てたゲンチャンダイナー渾身の一撃が、ビーム砲台を破壊し周囲の外装までも突き破る。
とん、と母艦の外装を蹴りゲンチャンダイナーとゲンジロウがその場を離れた。
「よし! 一発かましてやれ!!」
ゲンジロウの合図とともに解放軍と美月の砲兵師団からの砲撃が、穴の開いた外装部分に殺到する。
「全隊に命令……行動開始」
損傷部分を修復すべく動き出した修復用アームを阻むのは、美月が召喚した戦闘団。
猟兵たちの攻撃で、宇宙戦闘機母艦の損傷が増えていく。
あちこちから黒煙を上げながらも、宇宙戦闘機母艦は未だ沈まず――。
中破したその船体で、抗戦を続けていた。
●
多くの猟兵が(宇宙服があるとはいえ)生身で飛び交う戦場を、髑髏を掲げた宇宙船が往く。宇宙海賊船《バルディッシュ号》――船長は、ドミニク・トインビー(宇宙海賊のブラスターガンナー・f00622)。
放たれる砲火を持ち前の騎乗スキルで回避し、宇宙戦闘機母艦との距離を詰めていく。
「よし、ここらで行くか!」
海賊船で、ドミニクが片手を大きく振り上げる。
「ダミー艦用意完了! 意識の同期を確認! さぁお前ら! 艦隊戦の始まりだ!」
それと共に現れるのは、バルディッシュ号の複製……その数21隻。ドミニクのユーベルコード「月の海賊艦隊」によって創造された、宇宙艦隊だ。
その様子は宇宙戦闘機母艦でも捉えていたのだろう、小型兵器が次々と発艦しドミニクの艦隊に迫る。
「主砲、副砲一斉斉射。撃て!」
ドミニクの号令と共に海賊艦隊から幾条もの光が放たれ、小型兵器を次々と貫いていく。
「おー。これは派手だな」
漆黒の宇宙に連続して咲く爆炎の花に、ラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)が感嘆の声を上げた。
彼が駆るのは宇宙を疾駆するドラゴン。彼もまたその騎乗能力と空中戦の力でもって、迫りくるビームや砲弾を上へ下へ右へ左へと華麗に回避。宇宙戦闘機母艦に取りつかんと宇宙空間を駆ける。
「まったく、この世界はスケールのデカい兵器が次々出てくるな!」
間近に存在するように思える宇宙戦闘機母艦。しかしその距離はなかなか縮まらない。それだけ宇宙戦闘機母艦が大きいということだ。
小型兵器、というのも宇宙規模での話……生身の猟兵たちに比較すれば決して小型とは言えない。
(「一個くらい欲しくなってくるが……」)
そう考えたところで、ラザロはちらりと海賊艦隊を見遣る。
(「まあ、俺が手に入れても邪魔になるだけか」)
海賊艦隊も小型兵器を撃墜しビーム砲を避けながら宇宙戦闘機母艦へと向かっている。
「なあそこのあんた、聞こえるか」
ドラゴンの手綱を引きながら、ラザロは海賊艦隊の船長に声をかけた。
「ええ、聞こえていますよ」
ドミニクが余所行きの口調で答える。
「あいつの内部に侵入して動力炉でもぶっ壊してやろうかと思ってるんだが、どう思う?」
軽い口調でラザロが問う。他人が聞いたら「突飛もない」とでも言い出しそうな話だったが、ドミニクの反応は違った。
「よろしいのではないのでしょうか? 『我々』がお手伝いいたしましょう」
――露払いはお任せを。
そう言うと、ドミニクは海賊艦隊に指示を出す。
「全艦突撃! 目標、宇宙戦闘機母艦!」
命令に、全てのダミー艦が動き出す。狙いはもうもうと黒煙を上げる宇宙戦闘機母艦外装の損傷部。
突撃してくる海賊船に、敵母艦もビームで応戦。その足を止めるべく、小型兵器も動員され海賊船と激しく激突する。
宇宙戦闘機母艦と海賊艦隊、双方の間をビームと砲弾が間断なく飛び交う。被弾し、船体が損傷しても海賊艦隊は止まらない。
幾隻かは撃沈されたものの、残った海賊艦隊はスピードを落とすことなく、進路を変えることもなく――宇宙戦闘機母艦外装の損傷部に船首から激突した。
ユーベルコードで生み出された艦隊だからこそできる、味方の被害ゼロの特攻攻撃。
十数隻もの宇宙海賊船の体当たりで宇宙戦闘機母艦の船体は大きく傾き、その外装に大きな穴が開く。
「こいつはすげえな……俺も負けてらんねぇか」
ラザロが宇宙戦闘機母艦に取りつく。そのまま母艦の上を駆け、ドミニクの艦隊が空けた大穴へ。
穴の縁を蹴り母艦内部へと潜入したラザロは、そのまま穴の最奥へと到達する。そこから更に破壊できる障壁という障壁を破壊し、入りこめる限界まで入り込んだところで――。
「どうせ壊しちまうんだ。派手に行くぜ!!」
行く手を阻む壁へ向けて、ラザロが手にしたハルバートを思い切り叩きつける。
崩れる壁、揺れる足場。異変を感じたラザロがその身を翻したその直後、轟音と共に巨大な火柱が立ち上る。
(「やべっ、巻き込まれるのはごめんだ」)
全力で来た道を戻り、船体の穴から飛び出すラザロ。彼の後を追うように、穴から赤い炎が噴き出した。
二度、三度。宇宙戦闘機母艦から火柱が上がる。外部からの攻撃によるものではない、内部からの爆発。
猟兵の攻撃と解放軍の砲撃がトドメとばかりに殺到し、ひと際大きな爆発が起こる。
「――――!」
目が眩むほどの光を放ち、宇宙戦闘機母艦は爆散した。
『やった……のか?』
『やった、やったぞ!!』
解放軍から歓声が上がる……けれど、それもつかの間のこと。
『ありがとう。君たちのおかげで助かった』
解放軍から猟兵たちへ、通信が入る。
『これからも、力を貸してほしい……よろしく頼む』
スペースシップワールドの命運をかけた戦いは、まだ終わっていない。
『銀河皇帝を倒すには、君たちの力が必要だ――』
成功
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