第二次聖杯戦争㉒〜あたらしきせかいへ
●独白
わたし……ゆりゆりには、ほんとうにほしいものがあります。
それは、「すべてのせかいのすべてのいのち」。
いまのゆりゆりは、にくたいからはなつ「いんよくのかぜ」にふれたものすべてをえっちにできる。
えっちになったものはすべてしに、いのちはすべてゆりゆりにそそがれる。
水晶の宮殿と化した金沢大学の一角で揺り籠の君は誰に向けるでもなく呟く
すべてをうばいつづければ、ゆりゆりはどこまでもつよくなれる。
いんよくのかぜのこうかはんいも、どこまでもひろがってゆく。
せかいのそとにでれるなら、もっと。もっと。
きっと、むくろのうみもこなごなにできるはず……!
強い感情と共に思わず出た言葉に彼女自身が不思議そうに首を傾げ
あれ? なぜ、そんなにむくろのうみをうらんでいたのでしょうか?
おもいでやきおくを「せいはい」にあげたので、わかりません。
……かんがえてもしかたないので、ゆりゆりはしんぷるに「さいきょう」をめざします。
りょうへいたちもたいせつないのち。ゆりゆりはおなかがすいて、こうふんしてきました……!
本来の思いや目的を失おうと彼女の意志は変わらない「最強」であれその為にさらに多くの命を喰らい尽くせ!
●
「とうとうオブリビオン・フォーミュラ聖杯剣揺り籠の君への道が開かれた。彼女を撃破しこの第二次聖杯戦争を終わらせる時が来た!」
ついに来た決戦の時に彼女エハド・ショウヘル(統御の一・f31086)は何時ものように冷静なようでいて少しばかり感情の籠った口調で猟兵達に語り掛ける。
「戦場は水晶宮殿と化した金沢大学周辺にある陸橋「アカンサスインターフェイス」だ。標的の聖杯剣揺り籠の君はそこにいる。」
戦場に遮る障害は何もない純粋に力と力の衝突となる。
「彼女が繰り出すユーベルコードは当然のように先手を打ってくるがそれ以上に厄介なのは彼女が所持する聖杯武器だ。」
聖杯武器、それは戦場に現れる猟兵達が揺り籠の君を殺す存在であると認識した聖杯が生み出した最強の兵器。その為に揺り籠の君の特殊能力である「いんよくのかぜ」を停止させてそのリソースすらも投じてその威力を高めている。
その数は三つ
一つ、あらゆる物質を引き寄せる黄金の篭手「神の左手」
二つ、突き刺した対象に宇宙の終焉まで癒える事のない毒を注ぐ「リリスの槍」
三つ、射程距離無限かつ命中した対象のユーベルコードを全て奪う「聖杯剣」
「一つ一つが圧倒的な力を誇る武器でありそれに加えて揺り籠の君の先制攻撃もある。これらの対策をせねば苦戦は必至だろう。」
説明を終えた彼女は転送ゲートを開いて今一度猟兵達へと向き直り
「このまま彼女を放置すれば彼女の淫欲の風が世界を覆い全ての命が彼女の養分となる。そうなる前に彼女を撃破して貴官らは必ず生還せよ!」
そう言葉を締めくくり猟兵達を戦場へと誘っていったーー
紅時雨
さあ来ました最終決戦。
かなり早いなと思う紅時雨と申します。
難易度はやや難となります。厳しく判定いたしますので覚悟の上でご参加お願いいたします。
プレイングボーナス……聖杯武器の追加能力に対処する/揺籠の君の先制ユーベルコードに対処する。
プレイングボーナスは両方の対策を取ってください。3つの聖杯武器の追加能力はもちろん彼女の通常攻撃は先制ユーベルコードですのでただ単にユーベルコードで迎撃すると返り討ちになります。
オープニング承認後から受付を開始いたします。
相変わらずの最低限の運用となりますが見かけましたらよろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『聖杯剣揺籠の君』
|
POW : うずまくいんよく
【神の左手】による近接攻撃の軌跡上に【いんよくのたつまき】を発生させ、レベルm半径内に存在する任意の全対象を引き寄せる。
SPD : せいはいうぇぽんず
【あらゆる物質を引き寄せる「神の左手」】【癒える事なき毒を注ぐ「リリスの槍」】【対象のユーベルコード全てを奪う「聖杯剣」】を組み合わせた、レベル回の連続攻撃を放つ。一撃は軽いが手数が多い。
WIZ : みだらなひとみ
【揺籠の君の淫靡な眼差し】が命中した部位に【淫欲に満ちた思念】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
イラスト:飴茶屋
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
龍巳・咲花
曾ての先輩方がそうしたように、拙者も人々と世界を守る為に、揺り籠の君、お主を倒すでござるよ!
先制攻撃と聖杯武器の引き寄せに関しては、周囲に生やした龍脈鎖を巻き付け耐え、直線攻撃の槍は敵の引き寄せも利用した急制動で回避、線の攻撃である剣は盾切りや突きは槍と同様に、横凪は上半身を鎖に引っ張らせて屈むか足元狙いなら飛び、袈裟斬りは自分から生やした鎖も利用して方向に対して平行に身体を反らす様に回避する感じでござるな
此方の攻撃は龍の闘気による攻撃と、相手の引き寄せる力を利用した手裏剣の投擲と、身体に絡みつき動きを鈍らせるための鋼糸付きクナイの投擲による波状攻撃でござるな
●
淫蕩なる宴が繰り広げられる水晶宮殿の一角そこで龍巳・咲花(バビロニア忍者・f37117)はこの戦争の首魁たる揺り籠の君と対峙した。
「曾ての先輩方がそうしたように、拙者も人々と世界を守る為に、揺り籠の君、お主を倒すでござるよ!」
周囲の嬌宴を視界に入れずに大見えを切る彼女に対して揺り籠の君は艶やかな笑みを浮かべ
「ふふふ、ゆりゆりをたおす?あなたはつよいのですね。ならば『さいきょう』であるためにあなたをいただきます!」
言うと彼女は黄金の籠手神の左手を咲花に翳す。途端に巻き起こる淫欲の竜巻が圧倒的な吸引力をもって咲花を引き寄せる!
「なんのぉ!」
無力な人間ならたちどころに引き寄せられそのまま圧倒的な快楽と共に食われるそれを咲花は地面から生やした龍脈鎖を体に巻きつけ抵抗するがジリジリと引き寄せられていき満足に動くことすらままならない。
「あら?うごけないの?なら、あなたはここでおしまいです。」
その様を見た揺籠の君は微かな失望を含ませて手にしたリリスの槍と背後に佇む聖杯剣を|同時に《・・・》起動させ
「えっ!?」
呆気にとられる咲花を見て揺り籠の君は嫣然と微笑み
「ゆりゆりはひとつずつしかうごかせないとはいってませんよ?」
そう言いながら彼女は身を捻りながら繰り出す渾身の一突きと同調するかのように繰り出される聖杯剣の横薙ぎ一閃が咲花の体を挽肉に変えんと迫り
「こぉんのぉぉぉぉぉぉぉ!」
本来なら躱すすべなく無惨に死に果てるであろう一撃に咲花は自身に迫るリリスの槍に龍糸銕線を纏わりつかせ横薙ぎで迫る聖杯剣は槍に纏わりつかせた龍糸銕線を使いさらには揺り籠の君の吸引力も組み合わせ地面すれすれで潜り抜け一気に揺り籠の君へと肉薄する!
「?あらら?」
彼女の忍び装束を掠めたもののまさか回避されるとは思わず呆気にられる揺り籠の君の隙を逃すことなく咲花は大地を駆け巡る龍脈から己がコードを引き出し
「龍陣忍者の術、とくと味わうでござる!」
竜の闘気を纏わせた手裏剣を乱れ撃ちしながら鋼糸を纏わせた苦無も投擲して一気に迫る咲花。
「!!これは?」
神の左手で飛んでくる手裏剣をはたき落していた揺り籠の君は槍と聖杯剣の引き戻しが間に合う前に鋼糸を絡ませられて一瞬動きが止められ
「今でござる!」
揺り籠の君の間合いに飛び込んだ咲花の一撃は彼女の鳩尾に深く抉りこんだ!
「っく!」
流石に効いたのか顔を苦痛に歪めた揺り籠の君は乱暴に咲花を払いのけると一旦距離を取り
「さすがですね。いまのはたしかにききました・・・・けどゆりゆりはおなかがすきましたので」
流れ出る血を手で抑えせき止めながらいきなりそんな事を言いだした揺り籠の君は神の左手で周辺で行為に耽っていた女を引き寄せ人形を抱えるようにやさしく抱き上げる。
「・・?何を?」
訝しむ咲花を尻目に彼女は左手の爪を女の頭に突き立て
「えいっ♪」
可愛らしい掛け声で勢いよく回して一気に頭蓋を切り開いた!
「!!」
カポッと軽い音と共に出てきた|中身《脳みそ》を見て揺り籠の君は
「いただきます」
まるでスイーツを買い食いするかのような気軽さでそれを頬張り出す。
「・・・・うぷっ!!!」
猟奇的な光景を目にして吐き気を堪えるのが精一杯の咲花を尻目に
「ごちそうさまでした。やはりえっちなのうみそおいしいです♪」
末期の痙攣をする|死体《ゴミ》をポイ捨てしながら揺り籠の君はあどけない笑みを浮かべる。
返り血に塗れたそれは美しくそしてとても悍ましい笑顔であったーー
大成功
🔵🔵🔵
ルネ・シュヴァリエ
そんなものに頼る夢魔なんて、もう同胞じゃない
引き寄せはそのまま受けるよ、勢い利用するから
接近中にゆりゆりに催眠術、ルネの姿が周りに溶け込んで見えないように
これで先制UCは出来ないでしょ、槍と剣も貴女の引き寄せの速さを利用した黒翼の空中機動で身を捻って回避、そもそも見えなきゃ当てづらいでしょ?
先制凌いだらUC使用
命令は一つ、『聖杯の力に頼らない』だよ
これ以上聖杯武器での追撃はもうできないよね、気持ち悪くなるから
……もっとも、貴女のその姿がもう聖杯に頼ってるも同然だからずっと気持ち悪いままだと思うけど
覚えてなくても夢魔には拷問だよね?
苦しんでるところ悪いけど、貴女が奪いすぎた生命力ルネが吸収するね
●
「そんなものに頼る夢魔なんて、もう同胞じゃない!」
ルネ・シュヴァリエ(リリスの友想い・f30677)の声に混じるのは紛れもない無き怒り。
人の世で生きると決めたリリスの一人としてメガリス聖杯を躊躇わずに使う揺り籠の君は決して容認できない存在だった。
「そうなの?でもゆりゆりはあなたのいけんはきいてませんよ?」
彼女の怒りなど凪のように受け流して揺り籠の君は神の左手をかざして淫欲の竜巻を巻き起こしルネを引き寄せつつリリスの槍と聖杯剣を起動させて自身も彼女目掛けて飛び
「望むところだよ!揺り籠の君!」
ルネもまた抗うのではなく寧ろキャバリアの残骸から組み上げたEPメガスラスター改を点火して自ら飛び込み一気に揺り籠の君へと迫る。そして揺り籠の君の姿がはっきりと映りこんだのを機に彼女に催眠暗示をかけようとしてルネは気づく。自分の視界に入ったという事は|揺り籠の君も自分を視界に捉えているという事に《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》
「っ!」
その事に気づいた彼女は引き寄せの力をも利用して身を捻った瞬間メガスラスターの一部が揺り籠の君の視線を受けて爆散!
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
吹き飛ばされてバランスを崩してしまったルネは錐揉み状態で落下しながら何とか体勢を立て直そうとして再び揺り籠の君と視線が交わる。
「これでおわか・・・・れ?」
止めを刺そうと向けた視線から急にルネの姿が消えてしまい揺り籠の君は戸惑う。土壇場で成功したルネの催眠暗示『ゆりゆりはルネの姿が周囲に溶け込んで見えない』が成功して彼女の視界が消えてしまったように見えたのだがしばしの沈黙の後揺り籠の君は視線をゆっくりとルネの居る辺りへと向ける。
彼女には依然としてルネの姿は見えない。しかしメガスラスターの爆音は隠しようがなく大体の位置は把握できたのだ。
「ふふふ、おとをかくせないなんてはしたないですよ?」
そう言いながら彼女は聖杯剣を動かして彼女がいる一体を纏めて薙ぎ払おうとふりかぶり
「遅い!いい子だから、ルネのお願い聞いてくれる?」
だが全力でメガスラスターを吹かして突撃したルネが抱き着くような勢いで揺り籠の君へ突撃そのまま己がコードを解き放つ。
「ルネからの命令は一つ、『聖杯の力に頼らない』だよ!」
抱きしめるかのように密着状態から放った命令は聖杯の機能停止。ルネの生み出した異空間内においてはさしもの揺り籠の君も逆らうことができない。
「苦しんでるところ悪いけど、貴女が奪いすぎた生命力ルネが吸収するね!」
そう言うとルネは後に揺り籠の君に力づくで剝がされるまで存分に生命力を吸収し続けた失った命に対する報いを与えるかのようにーー
大成功
🔵🔵🔵
儀水・芽亜
これが運命を決する乾坤一擲の大勝負ですね。いいでしょう。お相手仕ります。
聖杯武装と先制攻撃は、「歌唱」の大音響で放つ「衝撃波」で「カウンター」しましょう。
空中を飛んでくるならば、見えない壁にぶつかったかのように弾かれるはず。
さあ、行きますよナイトメア。
「騎乗」「騎乗突撃」「ランスチャージ」で一気に聖杯剣揺籠の君の心臓を狙います。
迫る聖杯武装はナイトメアの「フェイント」を交えた不規則な疾走と、アリスランスを振り回しての防御で跳ね返しましょう。
「部位破壊」で右腕をアリスランスで貫けば、リリスの槍を振るうことは難しくなりますよね。
あなたがオブリビオンである以上、この決着は必然。覚悟願います。
●
「これが運命を決する乾坤一擲の大勝負ですね。いいでしょう。お相手仕ります。」
揺り籠の君と対峙した儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)は手にした竪琴『Playland In Sleeping』を軽く撫で改めて彼女を見る。先の戦闘のダメージは残っているようだが依然として揺り籠の君は何を考えているか分からないあどけない態度のままだ。
「そろそろあなたたちのあいてもあきてきました。・・・・おわっていただいてもいいですか?」
流石に長引かせるつもりはないのだろう。そう言った揺り籠の君は全ての聖杯武器を起動させ神の左手が芽亜を引き寄せながら自身も飛び一気に間合いを詰める!
対して芽亜は慌てるでもなく引き寄せるままに身を委ねたまま竪琴を奏で
「Laaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaai!」
アリアデバイス『ムジカ・マキナ』で増幅された歌声は猛烈な衝撃波となって揺り籠の君にぶち当たる!
「くうっ!」
ダメージこそ与えられなかったもののあまりの衝撃に怯んで隙を晒したのを芽亜は逃さない。
「さあ、誰から《悪夢》の蹄にかかりたいのかしら?」
己がコードを解き放ち呼び出した白馬ナイトメアに騎乗しアリスランス『ディヴァイン・ユニコーン』を構え吶喊する!
「・・・じゃまなの」
そう冷たく言い放った揺り籠の君は槍を振るい聖杯剣を降り下ろし不届き者を叩き伏せんとするが芽亜はナイトメアを巧みに駆りそれらを華麗に躱して一気に間合いを詰め
「あなたがオブリビオンである以上、この決着は必然。覚悟願います。」
繰り出した槍の一撃は正確に揺り籠の右腕を穿ち槍ごと捥ぎ取って見せた!
「!!よくもゆりゆりのうでをっ!」
宙を舞う槍を腕ごと咥えこむのは揺り籠の君と一体となっている蛇。失った右腕の代わりをするというのだろうか?そして大出血する右肩を抑えながら彼女は初めて怒声を上げる。
其処には紛れもない憎悪が宿っていたーー
成功
🔵🔵🔴
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
|高速詠唱早業先制攻撃重量攻撃凍結攻撃身体部位封じマヒ攻撃気絶攻撃封印術禁呪《タイムフォールダウン、時間質量の解放で時を凍結させ一切合切の活動を禁じる》。
空間の切断解体から切断部位の接続で再構築し空間ジャンプで引き寄せから逃れ、仙術で位相ずらしや多重詠唱結界術で量子的可能性から回避の可能性へ収斂させて槍や聖杯剣を回避する。
凌げたら|封印を解く、リミッター解除、限界突破、オーバロード《私もゆりゆりと同じ位階に至りましょう》。|『夜』空への階《ステアトゥデモン》、聖杯武器をこの手に。連続攻撃も|高速詠唱早業先制攻撃カウンター連続コンボ追撃《タイムフォールダウン》で割り込める、「神の左手」を「神の左手」で相殺し、「リリスの槍」を「|『夜』《デモン》の槍」でパリィし、「聖杯剣」で切り結ぶ。
武器を振るう腕の間合い、腰を入れる胴の間合い、踏み込む脚の間合い、走り込む歩の間合い、この間合いの内は|決闘結界術《私の支配領域》。このまま押し切らせてもらうわよ。
●
「わたしは好きにした。あなたも好きにしろぉっ!」
そう言いながら天空から舞い降りた(落とされた?)アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)は訳が分からないことを宣いながらぶつぶつと何やら怪しげな呪文の詠唱を始める。
「・・・・・うるさいひとたち。きえてちょうだい。」
余裕が無くなってきた揺り籠の君は険しい表情のまま全ての聖杯武器を起動。アリスを葬り去るべく一挙に間合いを詰めて
「|高速詠唱早業先制攻撃重量攻撃凍結攻撃身体部位封じマヒ攻撃気絶攻撃封印術禁呪《タイムフォールダウン、時間質量の解放で時を凍結させ一切合切の活動を禁じる》。」
混沌魔術によって途端に周囲一帯を覆い尽くす超空間。其処はあらゆる可能性が具現する場所故に
「ちょこまかと!」
繰り出す槍衾を|時の宝珠《タイムオーブ》による空間ジャンプで躱し
「うるさい!」
聖杯剣で両断されたと思ったらリスポーン能力付き、超特別製プチころもを使って切断部位を再構築して修復し
「しんで!!」
左手で引き寄せようとすると仙術で位相をずらして尚逃げる!
「あははははっはははっ!凌いだり!|大物食い《ジャイアントキリング》を成すために、至りましょうその高みへと。そのための|階《きざはし》はこの手の内に」
そうして己がコードを解き放ったアリスは|封印を解く、リミッター解除、限界突破、オーバロード《私もゆりゆりと同じ位階に至りましょう。『夜』空への階ステアトゥデモン》し聖杯武器を召喚、猛然と揺り籠の君へと躍り出た!
「・・・・うざいっ!」
罵声と共に揺り籠の君は聖杯剣を振りかざし叩き伏せんとすると
「目には目を、聖杯剣には聖杯剣よ!」
同じ聖杯剣で激しく切り結び
「今度はこちらよ!」
アリスがお返しとばかりに神の左手で引き寄せようとすると揺り籠の君は蛇にリリスの槍を構えさせ自ら飛び込んで間合いを詰める!
「こぉんのぉぉぉぉぉぉ!」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
アリスは『|夜』《デモン》の槍で|パリィ《受け流し》しようとするも揺り籠の君は左手も槍に添えて体格差に任せてパリィごとアリスを圧し潰そうとし結果大地に叩きつけられた二人は額をぶつけて激しくにらみ合う。
そしてこれまでの戦いで損傷し持ち堪えられなくなった大地…陸橋は完全に崩壊し崩れ始め二人は落下に巻き込まれて体勢を崩し
「貰った!」
いち早く体勢を立て直したアリスの一閃が揺り籠の君の武器であるリリスの槍を保持していた蛇事斬り飛ばし宙を舞い
「!!・・・すきあり!」
お返しとばかりに揺り籠の君が繰り出す斬撃というべき蹴りがアリスの手から槍を弾き飛ばす!
「いったぁいっ!やったわね!!」
更なる反撃にアリスは左手の力をも使って引き寄せの力を上乗せして加速し繰り出した拳が揺り籠の君の顔面にめり込ませ
「ほんとうに・・・・・うざい!!」
顔が血まみれと化した揺り籠の君はその一撃に怯みながらもアリスの左手を自身の左手で掴みぐしゃりと容赦なく握りつぶす!
「あぁぁぁぁぁぁっ!!!・・・・っ!まだよぉ!」
骨が砕け肉を裂く嫌な音を聴きながらアリスは激痛を堪えながら寧ろ身を乗り出し無事な右手の貫手を揺り籠の君の首筋に突き刺す!
がっふぁ
激痛の悲鳴が膨大な吐血とともに消え揺り籠の君は左手でアリスを叩き飛ばし心臓をも貫かんとしていた貫手を後退する勢いで強引に引き抜く。
更に宙を舞うアリスに止めを刺さんと聖杯剣を繰り出す揺り籠の君に彼女は同じく聖杯剣を叩きつけついに限界を迎えた両者の剣が砕け散る!
それを見届けることなく揺り籠の君は身を翻し戦場から撤退しようと今出せる全速力で飛びたった。
「まだ・・・・ゆりゆりは、しねません。まだ、ゆりゆりはみていません。あたらしいせかいをみるまで・・・っ!」
「行かせるわけないでしょうがぁぁぁぁぁぁぁっ!」
弱弱しい独白をする揺り籠の君を遮るかのように戦場に轟くアリスの怒号。
振り返り迎撃しようとする揺り籠の君だが時すでに遅しロケットの如く突っ込んできたアリスと激突しそのまま地面に叩きつけられる!
「このまま、押し切らせてもらうわよ!」
そう言うアリスの右手に握りしめるのは先に砕け散った聖杯剣の刃片。残された力で振り下ろしたそれは遂に揺り籠の君の首を宙に舞わせた!
それがこの戦いの顛末。揺り籠の君が何を見て何を考えていたかは分からずじまい。
後に残るのは血に塗れたアリスと首と胴が泣き別れた揺り籠の君の亡骸だけであるーー
大成功
🔵🔵🔵