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銀河帝国攻略戦㉓~はるか巨き絶望

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 無数の光が飛び交い、多くの命が散りゆく暗黒の戦場。その中を、急ごしらえな武装を担いだ、まともな名も無い宇宙船が必死で駆け抜けていた。
「皆、やっとここまでこれたんだ!出だしが遅れた分、今度は絶対に活躍を……」
 血気盛んに猛る乗組員たち。だが気付くと、船の周囲には暗闇が満ち、まるで夜のようであった。いや、宇宙空間において昼夜などあるはずがない。ふと、何かに感づいた乗組員が一人、また一人と、展望窓から上を見上げる。そこには、勝利への希望に満ちていた彼らを押しつぶすに十分すぎる程の絶望が鎮座していた……。

「皆、お疲れ様。いよいよ戦争も佳境に入ってきたわね。」
 遂に銀河帝国の幹部級に手をかけ、皇帝をも目先に捉えた猟兵達と解放軍。疲れを見せている猟兵も少なくないグリモアベースにて、作戦を説明するアイリーンもまた、疲労を隠しきれていないようだ。
「今回私達が戦うのは、帝国の旗艦『インペリウム』を護る宇宙艦隊よ。」
 この艦隊に所属する宇宙戦艦だが、軒並み防御力が非常に高い上、銀河皇帝の力により損傷を徐々に回復する能力が与えられている。その為、解放軍の戦艦であっても、その攻撃力を回復能力が勝ってしまい、彼らの砲撃戦のみでの撃破は到底無理である。
「そこで私達の出番。彼らの支援を受けながら、敵の回復能力を上回る攻撃を加えるのよ。」
 具体的には、猟兵達が敵艦の近くに転移後、解放軍が砲撃を開始。そこへ猟兵達が追い討ちをかける事で、撃破に足るダメージを積み重ねていくというものだ。
「そして私達が戦う相手が、これ。帝国の戦闘機母艦ね。」
 そう言ってアイリーンがグリモアによって作り出した映像に映し出されたのは、要塞の如き重厚な印象を与える戦艦だった。名を、『デザイア』というらしい。周囲に比べるものがないため正確に把握できないが、それでもこれまで戦ってきた戦艦の中でも特に巨大なのが分かるくらいだ。
「でもこいつを撃破出来れば、銀河皇帝への支援を僅かながらでも減らせるわ。それじゃあ、皆、武運と健闘を祈るわ。」


橘田華佗雄
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 五度目まして、橘田華佗雄です。遂に戦争も終わりが見えてきましたね。無理せず、けれども残りも頑張っていきましょう!
 以下、ちょっとした補足になります。

●執筆について
 ペースの関係上、人数を絞って執筆する事もあります。人数が多い場合には、問題ないプレイングでも不採用になる可能性もありますが、ご了承ください。

●戦場について
 広大ななにもない宇宙空間が舞台ですが、ヘロドトスの戦いで手に入れた特殊装備により、特に戦闘に支障はありません。

●敵について
 基本能力は一般的な同名の敵と大差ありません。

 今回のシナリオは戦争用の特別仕様とあって、いつもより格段に短いシナリオとなっています。
 戦争の勝利のためにも、皆さんの参加を、心よりお待ちしてます!
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第1章 ボス戦 『帝国戦闘機母艦』

POW   :    サイキックファイア
【ビーム砲撃】が命中した対象を爆破し、更に互いを【サイキックエナジーの鎖】で繋ぐ。
SPD   :    インペリアルレギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【帝国式兵器】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    リペアアーム
【修復用アーム】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

高階・茉莉
■心情
回復力を秘めた戦艦ですか、
ですが私達も解放軍からの支援があります、
それを無駄にはさせませんよ。

■行動
WIZ判定の行動を取る。

解放軍の砲撃に合わせて
私もウィザード・ミサイルで攻撃。
属性攻撃で炎属性を強化して放ちます。
2回攻撃や鎧無視攻撃も合わせて行い、
敵の回復量を上回る攻撃を行うよう、心がけます。
敵の攻撃に対しては、空中戦を駆使して、攻撃の直撃を避ける様に
常に注意を払っておきます。

リペアアームに対しては、
修復用アームを狙ってウィザード・ミサイルを放ち
高速治療をさせない様に、畳みかけます。
治療されてしまった場合は、疲労している対象に
ウィザード・ミサイルを放って攻撃。


クルル・ハンドゥーレ
他の猟兵との連携や絡み、アドリブ歓迎

さてさて
戦いもいよいよ佳境やねえ
さっさと大団円にもっていけるよう、頑張ろか


WIZ
可能なら他の猟兵や解放軍の攻撃に合わせる
見切りでアームの動きを見切り捕捉
同時にフェイントや迷彩も駆使し治療対象との間に速やかに割り込み妨害
(対象複数なら最もダメージが大きい箇所へ
そのままUC巫覡載霊の舞で治療度合いを削りつつ攻撃
鎧無視攻撃・マヒ攻撃・毒使いでダメージ増加及び敵に過負荷をかける
また武器受けでもアームを止める

こちらが回復を妨害している箇所に攻撃集中するよう皆に声かけ

天の光はすべて星でええ
船と人の命が弾けて燃える輝きは、もうたくさんや


斎藤・斎
サイズ差とか考えると不安になるけど、乗り込まないで落とさなきゃ
いけないんですよねえ、あれ。まあ、何とかやってみますけど。

こちらの世界の素材で強化した手製爆弾にモノポール強力磁石を取り付けたものを、インペリアルレギオン発射口や修復用アーム周辺にばら撒いて頂きます。あとは宙間に漂ったり船体に張り付いたりしたそれを、タイミングを見計らってひとつづつ爆破させて、敵のUC発動を妨害します。ハッキングで無害化されないよう、こちらもハッキングツールを用意して対抗しますね。



「回復力を秘めた戦艦、ですか……」
 高階・茉莉は、目の前にそびえる巨大な影を前に、思慮を巡らせていた。巨大な影――帝国戦闘機母艦が一隻、『デザイア』。多数の巨砲と艦載機を備え、銀河皇帝の加護による自動回復能力だけでなく、各部に築かれた修復装置による瞬間的な補修も可能な、常識的に考えれば到底陥落不可能な不沈要塞。
「ですが、私達も解放軍からの支援があります、それを無駄にはさせませんよ。」
 だが、彼女の、猟兵達の辞書には不可能などという言葉はない。皇帝への援護を断ち切るためにも、ここは何が何でも堕とさねばならぬのだ。落ち着いた声の中に確かな決意を秘め、茉莉はそのたおやかな手を振り上げると、内に眠る魔力を解放する。周囲に顕現されるは、魔力によって形成されたおびただしい数の炎の矢。それも、彼女の魔力によって通常のモノより威力・貫通力が強化された必滅の矢だ。そして十分な展開を終えると、その手を毅然と振りおろし、解放軍へと指示を送る。
「今です、皆さんお願いします!」
『了解!あんたらの武運を祈るぜ!』
 一斉に放たれる、宙を埋め尽くすほどの光の筋と炎の煌めき。やがて放たれてから一拍、二拍遅れ、全ての攻撃が要塞全体に、自動回復を上回る程の威力の雨あられとなって降り注いでいく。
『――――!!!!』
 事此処に至り、ようやく敵の存在に気付く巨大要塞。だが、それでも全く危機的状況というわけでもない。何故なら、ソレには鉄壁と呼んでも良い程の修復能力があるから。『デザイア』は要塞全体の損傷を高速で解析。各部に格納されていた修復用アームを全て展開させ、損傷個所の修繕に掛かろうとしていた。だがそれこそ、猟兵達の狙い。彼の要塞の防御の起点ともいえる修復機器の破壊こそ、攻略の足掛かりになるのだ。そして修復用アームの出現を確認すると、茉莉を始め、第一陣たる猟兵達が一斉に駆け出す。
「サイズ差とか考えると不安になるけど……乗り込まないで落とさなきゃいけないんですよねえ、あれ……」
 猟兵の一人、斎藤・斎は道中、心に思ってしまった事を思わず嘆く。距離を詰めても、一向に大きく見えるようにならない巨大要塞。最早距離感やサイズ感が狂ってしまう程の途方もない大きさに滅入ってしまうのも、無理はない。
「まあ、何とかやってみますけど。」
 だが、彼女とて一端の猟兵。任務を遂行するべく、気を引き締め直し、気丈な態度で接敵していく。
「さてさて、戦いもいよいよ佳境やねえ。さっさと大団円にもっていけるよう、頑張ろか。」
 一方、クルル・ハンドゥーレはいつものマイペースな気概は変わらず、それでもその眼はしかと目前の巨敵を見据えていた。これ程の巨体であれば、いくら方向音痴の彼女でも迷う事はないだろう。だが、クルルのその琥珀色の眼に力が込もっている理由は別にもあった。
「天の光はすべて星でええ。船と人の命が弾けて燃える輝きは、もうたくさんや。」
 煌めく星空を愛する彼女にとって、この世界における数々の戦いには思う所も多々あるのだろう。一刻も早く平穏な星原を取り戻したいという想い故か、心なしかクルルの脚は次第にその歩が速くなっていた。
 やがて猟兵達が遂に要塞の間近へと迫ると、斎は懐から、強力な磁石を取り付けた手製爆弾を取り出す。
「そうら、プレゼントです。」
 特に艦載機の発着口や修復用アームの周囲目掛け、次々とばら撒いていく斎。一見ランダムに見えるその投擲も、先程から忙しなく動き続けているアームの動きを見切っていたためか、磁力により着実に艦のあちこちへと付着していく。
「おっと、やはり気づきましたか。」
 流石に警戒していたためか、爆弾を解除すべくハッキングを試みる『デザイア』。だが斎は万能ツール『マスターキー』を手に取ると、敵の電子攻撃への反撃を始める。一進一退、長くも短き電脳戦を制したのは。
「私の勝ち、みたいですね。」
 そして斎の起爆により、修復用アームを始めとした母艦の各所が次々と爆散、火花が散り炎が上がっていく。中でも艦載機の発着口は壊滅的な打撃を受け、最早使用する事は不可能だろう。アームの大半を失い、修復能力が削がれた『デザイア』は一転、特に破損が大きい箇所へと残ったアームを集中させる。
「そうはさせへんよ。」
 だがそこに、アームの動きを掻い潜り、密やかに隠れながら接近していたクルルが割り込む。神霊体へと姿を変え、薄紅と白の花が描かれた薙刀『Kalmia latifolia』を構えると、破損個所へ追い討ちをかけるように切り刻んでいく。クルルの薙刀から放たれる衝撃波と斬撃により、砕かれ腐食していく傷跡。アームも負けじと応急処置を進めるも、再生が追い付かない程の攻撃に加え、合間を縫ってクルルがアームの動きを妨害してくるため、満足に行えていなかった。やがて、残されたアーム全ての動きが次第に鈍り始めていく。過度な負担が祟り、疲弊してきているのだ。
「茉莉さん、ココを狙いや!」
 そう声を上げ、高所に待機していた彼女へと声を掛けるクルル。そこには、アームによる直接攻撃を軽やかに避けつつも、今一度大量の豪炎の矢を構える茉莉の姿があった。彼女は今一歩更なる高みへと飛び上がり、目標を眼下の傷跡へと定める。
「これで、トドメです!」
 振り下ろされる細腕に合わせるかのように、再び降り注ぐ炎の百閃。先程までクルルが立っていた箇所は、重点的に狙われた炎により、次々とアームごと焼き崩されていく。炎のスコールが止み終わると、そこには修復用アームは一本も残らず、大きな痛手のみが残っていた。これで奴の防御は崩された。後は、要塞本体を討つのみだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

久遠寺・遥翔
「いくぜ、神焔合体!」
神焔合体ラグナライザーでフェンリルと合体、ロボ形態になって宇宙戦艦に挑むぜ
まぁあの巨大さには焼け石に水っぽいがやらねぇよりはマシだろ

何もない空間ってことだったがもしデブリが多少でも転がってたらそれらの地形も利用しつつ、空中戦・ダッシュを駆使した機動戦闘で敵を撹乱。解放軍や他の猟兵たちと連携して焔の砲撃を撃ち込みまくる

相手のビームには特に注意して見切って避ける
小型兵器が出てきたら範囲攻撃で薙ぎ払うぜ
俺の焔は生命力を吸収する。機械だろうがそのエネルギーはフェンリルのエサだ。そいつも利用して焼き尽くしてやるぜ


ニア・スクニロトマ
帝国宇宙艦隊も、いよいよ中枢の登場だね!
あたいはこの戦いを撮影した映像をかき集めて、一大戦争ロマン映画に仕上げてあげる!
巨大空母の撃墜シーンは、クライマックスにふさわしいよな!

宇宙怪獣スペースゾゴンは、スペースシップのエネルギー炉を襲ってそのエネルギーを奪う(という設定)。
だから、一番大きい船に襲いかかるんだ(という設定)。

空母ってくらいだから、出撃してくる兵器が一番の武器だよね。
でも、あたいのユーベルコードは文字通りの全方位攻撃!何機いても関係ないよ!
宇宙空間をなぎ払うビーム。一瞬遅れて全方位に爆発が広がる……これだよ、これこそあたいが求めていた画だ!


ホーラ・アイアンアーム
【POW使用】【アドリブ、絡み歓迎】
ホーラ、これから人類平等殺戮兵器になるから、みんなは巻き込まれない様に注意して欲しいのだ。

まずは【防具改造】で【空中戦】モードに変形するのだ。
それから【ジャンプ】と【ダッシュ】を駆使して狙いを定められない様にしながら
【戦闘知識】と【見切り】で攻撃を避けながら戦うのだ。
【範囲攻撃】を使ってゴリゴリと削って行くのだ。

他の皆に迷惑を掛けない様に注意して戦うのだ。



 遂にその回復能力を大きく削がれ、各所で火花を上げる『デザイア』。だが依然として皇帝の加護が消えたわけでもなく、まだ攻撃能力も残っていた。
「だったら、ここで俺達がきっちりケリをつけてやるぜ! 来い、フェンリル! 神焔合体でいくぞ!」
 久遠寺・遥翔は不敵な笑みを浮かべると、鋼鉄の翼をもつ相棒を呼び出し、己が身に鋼の鎧を身に纏っていく。
「行くぞ相棒――神・焔・合・体ッ! ラグナァ……ライ、ザァアァアッ!!」
 やがて遥翔は、鋼翼を背負いし炎の騎士、ラグナライザーへと転身を遂げる。軽く2メートルは超える巨躯であるラグナライザーだが、目の前の巨大要塞を目にすると、その大きさは気休めにしかならないかもしれない。だが、それでも遥翔は、猟兵達は前に進まねばならない。力を持った責任を果たすためにも、この世界を救うためにも。遥翔は先程の戦いで生まれたデブリを足場に、焔黒脚装『ソルウィンド』を噴かせながら、着実にその歩を進めていく。だが、もう後がなくなってきた『デザイア』もまた、彼を近づけまいと、残された砲台からビームを次々と打ち込む。敵の目を惹き付けるという目的が叶ったとはいえ、数々の砲撃にさらされる遥翔。だが不意に、後方から別のビームが要塞目掛け放たれる。
『撃て、とにかくありったけ撃てぇ! 何としても猟兵達を援護するんだ!』
 それは、後方に控えていた解放軍からの援護射撃。彼らの攻撃はやはり皇帝の加護を超える程ではないが、ここまでの戦いの影響か、回復力も落ち、まさに拮抗。猟兵達の攻撃は、そのまま要塞へのダメージとなる状態となった。この機を逃さず、遥翔は機敏な動きで翻弄しつつも、炎の弾丸を撃ち込んでいく。そして、彼の横をよぎる一つの影が、すれ違いざまに彼に声を掛けた。
「ホーラ、これから人類平等殺戮兵器になるから……皆は、巻き込まれない様に注意して欲しいのだ。」
 そう、ホーラ・アイアンアームであった。機動力を上げた形態に変形した彼女は、遥翔が作り出した隙を利用し、一目散に敵の表層へと接近する。そして降り立ったホーラは、自身に禁断のコードを入力した。
「Do A Barrel Roll.」
 瞬間、その身が唸りを上げてフォルムを変えていく。全身火器、ただ暴虐と殺戮を遂行する、無差別破壊兵器モード。最凶の姿へと変貌を遂げたホーラ。だが、彼女の接近を間近で確認した機動要塞は、付近の放蕩を彼女へと向け一斉発射する。だが、ホーラの縦横無尽な軌道には追いつけず、逆に目の前で動くソレを、次々に撃ち抜き、切り裂き、全方位全斉射でスクラップへと変えていく。やがてホーラは目につくモノ全てを見境なく蹂躙し、破壊し始める。
 だが、ホーラはその凶暴な眼の裏で、自分以外周囲に誰もいない事にひっそり安堵していた。誰も巻き込みたくない。誰にも迷惑を掛けたくない。誰も傷つけたくない。その見た目とは裏腹に、彼女は年相応に純真で、心優しい少女であった。
「帝国宇宙艦隊も、いよいよ中枢の登場だね! あたいはこの戦いを撮影した映像をかき集めて、一大戦争ロマン映画に仕上げてあげる!」
 そして皆より少し下がった所にいたニア・スクニロトマも、若干死亡フラグっぽい台詞を言いながら遂に戦場に躍り出る。だが、そんな彼女の姿はある意味、この戦場において最も異質であった。
「宇宙怪獣、スペースゾゴンだよ!」
 説明しよう!宇宙怪獣スペースゾゴンは、スペースシップのエネルギー炉を襲い、そのエネルギーを奪う。故に、目につく中で最も大きい船に襲いかかるのだ!(『宇宙怪獣スペースゾゴン』設定資料集(発売未定)より抜粋)
 そう、着ぐるみである。彼女は、自主制作した実戦向け着ぐるみを纏い、戦場に降り立っていた。そして彼女は、敵のビーム砲台を見据えると、体内に謎のエネルギーを蓄積、砲台目掛け全身から極太の光線を放出する。
「全方位、宇宙レーザー光線(スペースレーザービィィィィンム)!!」
 説明しよう!宇宙怪獣スペースゾゴンは、体内に溜めたエネルギーを解放し、巨大ビームを放つことができるのだ!(『宇宙怪獣スペースゾゴン』設定資料集(発売未定)より抜粋)
 暗闇をよぎる様に、宇宙空間を駆ける無数の光の筋。そして一瞬遅れ、敵のビーム砲が、かろうじて健在だった部分が次々と爆発に飲まれ、炎に包まれていく。
「……これだよ、これこそあたいが求めていた画だ!」
 リアルでの追求をした果てに見た、圧倒的な迫力ある生の光景。ニアは思わず、興奮を隠しきれなかった。
 そして、陥落寸前の不沈要塞を前に、遥翔はその手に握られた二振りの剣を掲げる。だが、その刀身には、身の丈をはるかに超える長さの炎が纏われていた。敵の砲撃を避けるすがら、吸収していたエネルギーから変換されたものだ。
「これで……とどめ、だぁぁぁぁ!!!!」
 振り下ろされる、爆炎の巨刃。表層を裂き、防護壁を砕き、遂にその切っ先がコアへと届いた。やがて内側から唸りを上げ、自身を保てなくなってきた要塞。事態を察した猟兵達は急ぎ宙域を離れ、後方の解放軍艇へと退避する。そして退避が完了する頃には、『デザイア』のあちこちから光が漏れ出したかと思うと、やがて眩い閃光と共に、遂にその身が大爆発へと飲み込まれていった。炎の中に消えゆくかつての不沈要塞。そしてその閃光に照らし出される、ロボ、怪獣、サイボーグ。
「……うんうん、やっぱり巨大空母の撃墜シーンは、クライマックスにふさわしいよな!」
 この胸躍る光景を、いつか自分の手で。ニアは心の中で、そう固く誓ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト