銀河帝国攻略戦㉓~青い稲妻
「『白城』が落ちただと……!?」
帝国旗艦『インペリウム』を守護する艦隊の一画、ドックにて報告を受けた少佐はパイロットスーツに包まれた拳を内壁へと打ちつけた。
「はッ! 解放軍の艦隊はこちらへと向かってきております!」
「ちいっ、帰艦早々もうひと働きしなくてはならんようだな」
部下の報告を耳に少佐は近くのコンソール端末を操作する。
ホログラムで表示される戦況図。
鉄壁を誇る白騎士ディアブロ直属の艦隊が解放軍に敗北を喫していた。
「アンヘルは既に解放軍と交戦中、ディアブロにも取りつかれたと見るべきでしょう」
「わかっている! このままでは皇帝陛下の元にまでやつらが押し寄せよう。それを覆すために、私と『ヤツ』がいるのだ」
少佐の切れ長な瞳が、ドックの片隅へと向けられる。
そこにあるのは巨大な山。これから除幕式でもあるかのように、灰色のベールがかかっている。
「ロールアウトの状況はどうだ?」
「5、6割と言ったところでしょうか」
瞬時、艦内の光源が消失する。衝撃。
怒号と悲鳴。面々は低重力用のバーや機体に捕まり、振動に耐える。
非常用の赤いバッテリー光源に切り替わる。サイレンがけたたましく鳴り始めた。
「インストールのプロセス、203から330をカットしろ」
「それでは基本OSのみでサポートプログラムが……」
「構わん、動きさえすれば後は私が手動で補う」
再度の衝撃。被せられていたベールが落ち、その機体が露わになった。
群青色にペイントされた機体に、アクセントとして塗られた白。青い稲妻を想起させる配色。
胸元の解放されたコクピット目がけて、少佐は揺れを無視するように床を蹴り、跳躍する。
「間に合わせる……ブラウエルフォーゲル、出るぞ!」
「どうやら銀河帝国軍も、エースパイロットの御歴々が登場するようだな」
富士王は集まった猟兵たちへ自らの視たビジョンを説明した。
「この少佐とやらは解放軍の宇宙船を一度の戦闘で6隻も沈めたとか沈めてないとか……本当かねこれ?」
一般的には通算で戦闘機5機沈めればエースなところを、一戦で船6隻ともなればかなりの手練れに違いない。
「今回の敵はこいつ、青き稲妻と呼ばれる少佐だ。こっちは解放軍の艦隊に飛ばすから、生身でいけるやつは生身で、駄目そうなやつは戦闘機やらロボットやらを借りて交戦してくれ。解放軍もここまできて支援を断りはしないさ」
断るどころか艦砲射撃で少佐以外の機体を牽制し、戦場から引き離してくれるという。
「戦場は宇宙だ、前後左右だけじゃなくて上下にも気を配るようにな。ま、わかってると思うけどさ」
続いて、富士王は少佐の駆る機体についても補足説明を行う。
「武装は実弾と光弾をバランス良く搭載していて、リミッターを解除することで高機動モードにも移行可能みたいだな。どんだけGがかかるのか……想像するだけで血を吐いちゃうよ、ほんと」
また、機体以外にも注意すべき点があると富士王は言う。
「脳波を直接リンクさせて機体を動かす技術が使われているからか、パイロットの強い意思が伝播される現象が、起こることもあるとかないとか……オカルトだが、プレッシャーに負けないようにな」
富士王は、右手で敬礼をして猟兵たちを見送るのだった。
蘇我真
どうも、蘇我です。やっと戦争シナリオに縁がありました。
今回の敵は銀河帝国少佐の駆る青い突撃騎士『ブラウエルフォーゲル』です。長いんで多分リプレイ上では少佐とか青き稲妻と呼称すると思います。
他の敵はいません、解放軍が援護して戦ってくれています。
敵もエース、強敵ですが皆の奮闘を期待します。
第1章 ボス戦
『少佐専用の青の突撃騎士』
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POW : 見せてもらおうか、新しい相手の実力とやらを!
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : …ついてこれるかな、蒼い稲妻と呼ばれたこの私に!
【新人類とも呼べる胸囲的な感応能力】に覚醒して【リミッターを解除した高機動モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : これ以上はやらせんと言っている!
【自身の強い意志】から【感応波】を放ち、【戦慄するプレッシャー】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「春日・釉乃」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ネヴィス・マキヤーベイ
アドリブ歓迎
SPD
初手UC
2種の劇薬と体の制限解除
殺人的Gに耐え反応速度を向上させ
戦闘機動での痛苦を一切取り払う
こうしなければ伝説のエースの影すら追えん
自分はネヴィス・マキヤーベイ。少佐殿。一手指南を願います
操縦空中戦ダッシュで追いすがる
追従のGと副作用で血涙を零しながら
本物とはこうも……だが!
スナイパー一斉射撃第六感で命中攻撃増加
ミサイル弾幕の向こうに飛び去る青に無茶な機動でもなおビーム狙撃
操縦空中戦第六感で回避増加
頭の中がチリつく
其れが貴方の殺意か
間一髪の回避が続く
全身の装甲表面が飛散粒子で焼け落ちる
だが私は、まだ死んでいないぞ!
6勘まで全て動員してサーベル戦
此処まで楽しいのは貴方だけだ!
ヘスティア・イクテュス
流石に帝国ももう後がないようね
あの青い稲妻が出てくるとは
ちょっと!この白い高機動砲撃戦用の機体借りるわよ!【操縦】
アベルを繋いで操縦のサポートに…頼むわよ!
高機動戦は普段から生身で飛んでるから得意【空中戦&援護射撃】
移動しながらのビームライフルで攻撃
気を引いて味方の援護よ
流石にリミット解除されると、速さで負け…っ!
ミサイルを広範囲に!距離を詰められないよう&こちらの攻撃で起爆
爆炎を煙幕に!【範囲攻撃】
少々【捨て身】で接触…接触回線からの【ハッキング】で動きを!
今よ!!
●終
この機体、良い機体ね…名前は?『MSさんにお任せ』
これ譲ってもらえないかしら?
●アベル
ヘス:お嬢様呼び
執事のような話し方
「エース、その伝説は今日限りだ!」
口火を切ったのは鎧装騎兵だった。
遠距離からのミサイル一斉射撃。弾幕のように広がり、少佐目がけて飛んでいく。
「当たらん!」
「自分はネヴィス・マキヤーベイ!」
「なぜならば私は青い稲妻と呼ばれる男だからだ!」
少佐は高機動でミサイルのロックオンすら振り切ってみせる。
リミッターなど初めから存在しないかのようだ。
「少佐殿、一手指南を願う!」
しかし、ネヴィスもまた少佐の軌道についてきていた。通常では感知できないであろう機影を読み、迷うことなく偏差射撃でビームライフルを発射する。
極限まで収縮した瞳孔。薬物で自らの身体機能を強化しているのだ。
「ほう! やるな! 先読みのセンスがいい、解放軍のエースとお見受けする」
ビームが直撃し、青い装甲が融けるのにも構わず、少佐は不敵な笑みを浮かべる。
「私もお返しさせてもらう!」
ビームガンを薙ぎ払うように振り、光弾をばらまく。その射線上にネヴィスはいない。
「ヘスティア様、申し訳ございません。予測されました」
「アベル!」
狙ったのはヘスティアが解放軍から借り受けた白い機体。高機動砲撃戦用のそれが背後へと回り込んでいることを少佐は察知していた。
範囲攻撃で攻めかかろうとしたところを、ミサイルをまとめて破壊された。
「実弾の特徴を把握しておくことだな!」
ばらまく予定だったミサイルたちが至近距離で誘爆し、白い機体が大爆発する。
「予定通りにはいかない、さすが青い稲妻ね」
サポート用AIアベルが接続した機体は破壊された。ヘスティアの召喚が終了する。
「それでも、挟み込むわ!」
ヘスティアはネヴィスの動きに合わせて勝手に連携する。通信を開いている余裕もないし、行動で意図を察しろとばかりにビームライフルを構えた。
「させん!」
ヘスティア目がけてビームガンを放つ少佐。
機を見たネヴィスがその隙をついて肉薄する。サーベルによる近接戦闘を狙う。
「わかっている!」
叫びと共に少佐の機体が下へと落ちる。ヘスティアのビームライフルの射線上にはネヴィスのみがいる。
「同士討ちを狙うこともっ!」
次に叫んだのはヘスティアだった。
ビームライフルは構えるだけで、少佐へと突撃する。
ヘスティアの狙いはあくまで援護。良く動く的にビームライフルが当てられるとは端から思っていない。
ビームガンの直撃を受けながらも、捨て身で少佐の機体へと接触するヘスティア。
回線へと侵入し、ハッキングで動きを封じようとする。
「電子戦か!」
少佐から放たれるすさまじいプレッシャーを間近で受け、ヘスティアの動きが鈍る。頭痛に耐えながら、ヘスティアはハッキングを完了させる。
「今よ!!」
脚部スラスターを封じたと同時に、機体を蹴って後ろへと跳ぶ。
「此処まで楽しいのは貴方だけだ!」
入れ替わるように、ネヴィスが副作用で血の涙を流しながらビームサーベルを振り下ろす。
「ちいっ、間に合わん!!」
少佐は咄嗟にビームガンの銃身で攻撃を受ける。
まるでバターのように切り裂かれる銃身。ネヴィスの剣は、銃把にかけて持っていた左手首ごと切り落とす。
猟兵たちは己の身を削りながら、少佐へ着実に傷を負わせていく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シャルロット・クリスティア
なッ……速い!?
単純な機動性もですが、弾道が読まれている……!?
接近を許せば逆にこちらが危ない……ですが、ここはそれを逆手に取ります!
まずは狙撃手の定石通り、遠方からの射撃で狙い撃ちます。
狙撃技術には自信がありますが、おそらく有効打を与えるのは難しいでしょう……ですが、こちらを警戒させればしめたもの。
あの機動性です。狙撃手は接近されると為す術がない……私を狙いに近づいてこれば、一撃であれば絶望の福音で何とか凌いでみせましょう。
その交錯に賭けて、『早業』で手持ちのアンカーショットを射出。奴をワイヤーで絡め取って『ロープワーク』で『足止め』します!
一瞬でも動きが止まれば……後は任せますよ!
弁柄堂・平吉
奇跡?オカルト?あいにくこちらはヤドリガミでして、そういうのは慣れてるんですよ。
■SPD
早すぎる動きも、足を封じてしまえばやれるでしょう。
〔咎力封じ〕の拘束ロープを【地形を利用】し張り巡らせます。それが見つからないよう〔錬成カミヤドリ〕で傘も出しておきましょう。傘はどれも敵の動きを阻害しつつ、ロープへ誘導するように仕掛けます。
網にかかればこちらのもの。かからなくても、張り巡らされたロープで敵の動きをある程度予測できるところまで落とせるでしょう。
仮に捕まえたなら【傷口をえぐる】ように、傘で【鎧無視攻撃】をして【串刺し】ですよ。
その後は…そうですね。痛い拳でも食らわせてやりますか。
アドリブ絡みOK
「このプレッシャー、次の脅威が来たようだな」
隻腕にビームサーベルを携え、斬り結んでいた少佐はシャルロットたちの接近に目ざとく反応する。
「縄……なるほど、搦め手というわけか」
「一を聞いて十を知る、とは言いますがここまでくると超能力者ですね」
一気に攻めずじりじりと近づいてくる少佐。
その様子に作戦を見抜かれたことを察知し、平吉は錬成カミヤドリで傘を作り出す。
「ふんっ!」
その傘は、生み出されると同時にビームサーベルで切り捨てられる。
「それでも!」
再びの錬成カミヤドリ。傘を出し続けて破壊されることで、敵機体を所定の位置まで誘導していくのが平吉の算段だった。咎力封じのロープを張り巡らせた戦場へ少佐が誘われていく。
「その手は食わん!」
ここで、少佐が動いた。少佐は上へと逃げる。
「期待どうり、ですっ!」
頭上、包囲網を抜け出したところに待ち構えるシャルロット。
シャルロットの青い瞳が見たのはビームサーベルを振り上げる少佐の姿。
10秒後には自分が撃墜されている。攻撃を予測する絶望の福音が、自らの破滅を示唆する。
「あなたなら全部上回ってくると」
シャルロットは早業でアンカーを射出する。
苦も無く回避する少佐。切り払いでは払った後に隙を生じる。一瞬の隙も見せない動き。
「思っていましたッ!」
だが、アンカーショットの狙いは最初から少佐ではなく、少佐の下に張り巡らされて咎力封じのロープだった。
アンカーがロープに絡み付くと、即座に流れるようなロープワークで巻き上げる。戻ってきたロープが、シャルロットに組み付いた少佐の機体、脚部に絡み付き動きを阻害する。
「そうきたか!」
「後は任せますよ!」
背面やや後方から忍び寄る平吉。練り上げた傘の先端が、装甲の合わせ目、さきほどヘスティアがハッキングした箇所へと突き刺さる。
「まだだッ!」
少佐の判断は早かった。シャルロットを斬り捨てると完全に封じられた脚部をパージする。
両足と左腕を失いながら、まだ少佐は残った右手を振るう。
「ここまでやれれば上々でしょう」
ビームサーベルを握った柄、裏拳気味に払われた一撃で平吉を落とし、体勢を整える。
戦いは、佳境を迎えていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ミスタリア・ミスタニア
青き稲妻だぁ?オレだって伊達に翠の疾風と呼ばれてる訳じゃねぇんだよ!
しかし、こいつは……戦闘機でも鎧装騎兵でもないのか?
ちっ、デガブツの癖してなんで速いんだよ!あの巨体、重装であの速さとか中身よく潰れねぇな!
ビットを展開して『援護射撃』しながら『捨て身の一撃』で突貫だ!
『空中戦、ダッシュ、見切り、第六感、戦闘知識』のマニューバで避けながら突撃だ!
避けきれなきゃビームシールドの『盾受け』で致命傷は避けるぜ!宙間戦闘の主役は鎧装騎兵だ!テメェじゃねぇ!
懐に潜り込んだら【対艦用パイルバンカー】で『鎧砕き』だ!そのまま『2回攻撃、零距離射撃』の【グリュンシュトゥルム】でコクピットをぶち抜いてやる!
オリヴィア・ローゼンタール
あなたの乗機が蒼い稲妻ならば、私の騎獣は黄金の獅子
決して名前負けはしていないというところをお見せいたしましょう
【守護霊獣の召喚】で黄金の獅子を呼び出し【騎乗】、戦闘宙域へ吶喊(【ダッシュ】)する
射撃や高速移動は強化された【視力】で【見切り】、聖槍で叩き落す(【武器受け】【カウンター】)
次から次へと景気良く撃ってきますね、キリがありません――!
【呪詛耐性】で軽減し、自身も【殺気】を放ち【恐怖を与え】て相殺する
精神力による威圧……一種の呪詛、呪縛と言えるでしょうか?
白兵距離に持ち込んだら【属性攻撃】で聖槍に炎の魔力を纏う
【怪力】で縦横無尽に【なぎ払い】、超熱の刃で鋼の装甲をも焼き斬る(【鎧砕き】)
「青き稲妻だぁ?」
分離した砲塔を遠隔操作し、オールレンジ攻撃をしかける猟兵がいる。
「オレだって伊達に翠の疾風と呼ばれてる訳じゃねぇんだよ!」
ミスタリアだ。自らに攻撃が当たらないよう、角度を調節してオールレンンジ攻撃に割って入る。
「こうまでくると、やはり物量で押し負けるか……!」
一撃を受けながら、少佐は残された武装を確認する。
右腕のビームサーベルと、頭部に内蔵されたバルカンのみだ。
右腕でミスタリアをあしらい、バルカンで砲塔を落としていく。
「そして、私の騎獣は黄金の獅子。決して名前負けはしておりません」
そこへ更に吶喊してきたのはオリヴィアだ。
呼び出した黄金の獅子に跨り、宇宙空間を斬り裂くように走る姿はさながら一筋の彗星のようだった。
「新手か!」
突撃を腕で叩き落とせばその隙にミスタリアが肉薄する。ならば、と少佐は体当たりでオリヴィアを押し返すことを選択した。
「押し通る!」
獅子が跳ね返される。瞬間、オリヴィアは前方へと跳躍し、聖槍の切っ先を向ける。
「霹靂を払いのける、浄罪の炎よ!」
その先端に焔が灯った。
「捨て身か!」
「戦場に悪意を振りまく存在よ!」
機体から発せられる名状しがたきプレッシャー。
「呪詛を、止めます!」
悪寒を振り払い、聖槍を右腕に突き刺した。
回路が遮断され、エネルギーが行き場を失う。
爆風。瓦解したパーツの中、漂うオリヴィアを黄金の獅子が回収する。
「しまった、時間をかけすぎた!」
少佐は懸念する。その心配は、現実となっていた。
「宙間戦闘の主役は鎧装騎兵だ! テメェじゃねぇ!」
爆風が晴れた先に、立っていたのはミスタリアだ。
対艦用のパイルバンカーを構えている。狙いは胸部にあるコクピットだ。
「これは……死ぬな!」
自らの命運を悟る少佐。頭部に残されたバルカンを放つが、パイルバンカーに傷跡をつけることしかできない。
「バンカー、捉えた!」
「だが、それでいい!」
パイルバンカーの先端が胸部装甲をぶち破る。砲口にエネルギーが集束していくのを、少佐は不敵に眺めていた。
「これで! いっちまえよやぁぁぁぁ!」
ミスタリアの熱線砲が全てを消し飛ばす。
先ほどまで青い機体があったそこへ、白い光が瞬いたかと思うと、最後には黒い宇宙が残るのみ。
少佐がそこにいた痕跡は、パイルバンカーに刻まれた傷だけだった。
成功
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