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第二次聖杯戦争⑳〜異形を以って残滓に挑め

#シルバーレイン #第二次聖杯戦争 #槍持つ男

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●金沢港
 雷鳴が轟いた。

 立っているのはオブリビオンが一柱、都怒我阿羅斯等。
 携える槍の名はディアボロスランサー。
 人の夢と未来とそして|生命《いのち》を乗せて飛び立った箱舟……だったもの。
 だが箱舟は槍に戻り、槍は都怒我阿羅斯等に、オブリビオンに、力を与える。

 ――生命樹状態。

 その身に、槍に、樹木の如き角を生やしたオブリビオン。
 風が吹き、人の乗っていない車が一台、都怒我阿羅斯等へと飛んでいく。
 鞭を振るうような音が鳴り響くと車は吹き飛ばされ、水柱と共に海へ沈んだ。

 再び、雷鳴が轟いた。
 しかし今度はオブリビオンではない。
 武器だ。
 禍々しい気を放つそれは命あるものが自然と忌避したくなるもの。

 ――名を抗体兵器。

 かつてこの世界において、生命と敵対する武器。
 命への抗体。
 それが今、戦いの地に次々と降り注いでいた。

●グリモアベース
 グリモア猟兵、氏家・禄郎(探偵屋・f22632)は燐寸で煙草に火をつけると視線を猟兵に移し、そして目を閉じる、ややあってまた視線を向け、そしてまた目を閉じた。
「ああ、済まない。こないだ活動写真を撮ってね、ついその時の振る舞いをしたくなったのさ」
 グリモア猟兵はつまらない冗談を終えると改めて机に座りタイプライターへ指を走らせる。
「少し、緊張は取れたかい? そうでないと困る。何しろ今回は強敵とのことだからね」
 打鍵し、出力される紙を猟兵へ手渡しながら探偵屋は話を続ける。
「敵の名は都怒我阿羅斯等。かつて金沢市での戦争において同じ名前の人物が居たが関連性は不明だ。まあそれよりは問題は彼がディアボロスランサーの使い手だったという事だ」

 ディアボロスランサー。
 シルバーレイン世界の全ての生命を創造した創造主であり、宇宙船にもなる巨大槍。

「だが今は彼の手に収まっている――そして宜しくないことに力を活性化させてまるで命ある樹、そうだね生命樹状態となっている。厄介なことにこの枝のような角があらゆるものを弾き飛ばして近づけさせてくれない。しかも奴は先制して攻撃してくる。つまりはね……こういうこと」

 グリモア猟兵はお手上げとばかりに両手を上げた。

「まあ、手は無いわけではない……人によっては忌避するだろうが、生命樹たる角に対抗できるものが戦場に降り注いだ、名は抗体兵器」
 この四文字で空気が変わる可能性がある……探偵屋はそう思考しつつも話を進める。
「シルバーレインの人々にとっては忌むべき武器だが、今はこれが唯一の手段だ。これを手に取って生命樹たる角に対処し、さらに都怒我阿羅斯等の先制攻撃を対応し、彼を打ち倒す……これが今回の仕事だ」
 タイプライターのレバーを倒すとベルが鳴り、金沢への道が開かれる。

「抗体兵器は呪いの武器だ。呪いに対処できないなら、すぐに捨てると良い。今回、私が予知した理由もおそらくそれだ。これは人によってはやりにくい戦いだからね――心苦しいが出来る人だけで行って欲しい」
 道案内と状況管理しかできない自分が言うのもなんだけどね――グリモア猟兵は苦笑しつつ、門の向こうをただ見つめるのみだった。


みなさわ
 生命の槍を振るう過去の残滓に対し与えられるのは生命への抗体たる武器。
 お世話になっております、みなさわです。
 今回はディアボロスランサーを振るう一柱のオブリビオンとの戦いです。

●戦場
 金沢港。
 周辺には抗体兵器以外、何もありません。
 正確には生命樹状態になった際に全て角に吹き飛ばされました。

●敵
 名は都怒我阿羅斯等。
 過去、シルバーレインでも同じ漢字でディアボロスランサーを探していた神将が居ましたが、関連性は分かりません。
 読みも違いますし。

 今回は全身から角が生えた『生命樹状態』となっており、近づく対象を何万体でも自動迎撃し、戦場から弾き飛ばします。
 これに対抗できるのは抗体兵器のみとなっています。

 また強敵故か、先制攻撃を仕掛けてきます。
 こちらへの対処も必要でしょう。

●プレイングボーナス
 都怒我阿羅斯等の先制攻撃に対処する/何らかの手段で『生命樹』に対処する。
 以上です。
 敢えてユーベルコードを受けるなどのプレイングは流してしまうか苦戦判定になると思いますのでお気を付け下さい。

●その他
 マスターページも参考にしていただけたら、幸いです。

 それでは皆様、戦争のお付き合いお願いします。
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第1章 ボス戦 『都怒我阿羅斯等』

POW   :    天地開闢の祝詞槍
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【純粋生命力 】属性の【ディアボロスランサー】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD   :    舒弗邯閼智(ソブルハンアルチ)
【全身に生えた七本の蒼き角 】を纏い空中高く舞い上がった後、敵めがけて急降下し、[全身に生えた七本の蒼き角 ]が尽きるまで【ディアボロスランサー】で攻撃し続ける。
WIZ   :    魂よわだつみに還れ
【ディアボロスランサーから生命の奔流 】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●思惑そして選択

 この戦争を知るものは誰もが矛盾もしくは違和感を覚えるだろう。
 トゥルダクが集い、抗体兵器を持ったオブリビオンが猟兵に立ちはだかる中、起きた出来事なのだから。
 異形もしくはオブリビオンの中で思惑があるのか?
 それともオブリビオンに対して戦う異形が居るのか?
 答えは今は見いだせない。
 材料は少なく、誰も――おそらくは都怒我阿羅斯等も真実は知らないのだろうから。

 ただ一つ言えることは。
 命ある者なら忌避を感じるこの武器が、今や生命樹が如き変貌を遂げたオブリビオンの枝を切り開く鉈となりうるという事だ。
 好意なのか、それとも洒落なのかは分からない。
 抗体兵器の種類は多種に及び、手に取れば馴染むものばかりだ。

 猟兵は選択しなくてはいけない。
 武器を取って立ち向かうか、それとも後ろを向くか。

 どの行動もおそらくは正しい。
 だからこそ、己を問い、そして選ぶべきだろう。

 これはそういう戦いなのだから。
ニーニアルーフ・メーベルナッハ
ディアボロスランサー…まさか、こんな形で再び相対する日が来るとは。
そしてこの姿。確かにまともな手段ではどうにもならない相手と言えそうです。
で、あるならば…止むを得ません。
現れた抗体兵器(獣爪型を想定)を装備し、かの敵へ挑みます。

敵が放つユーベルコードは、時間が経つ程に威力の増加する代物。
であるならば、早期に距離を詰めねばならないでしょう。
全力のダッシュで敵へと接近、生命樹の枝を抗体兵器で攻撃します。
ユーベルコードは放たれ次第左右どちらかへ跳躍し回避。
直撃を避けられれば良しとします。負傷は【激痛耐性】で堪えつつ戦闘続行。

敵本体へと肉薄次第、紅蓮撃を叩き込みます!



●異爪を以って、紅蓮を放て

「ディアボロスランサー……まさか、こんな形で再び相対する日が来るとは」
 ニーニアルーフ・メーベルナッハ(黒き楽園の月・f35280)は驚きを隠せない。
 あの二つの月との戦いが終わり、見送った日は忘れていない。
 故にこの再会は望まない事であり、夢であればと思った。
 けれど……ここで退く事だけはできなかった。
 それはニーナ自身が、かつての能力者であり、今は猟兵なのだから。
「この姿。確かにまともな手段ではどうにもならない相手と言えそうです」
 冷静さを取り戻し世界樹状態の都怒我阿羅斯等を見据える蟲使い。
「で、あるならば……止むを得ません」
 決断は速かった。
 自らの忌避より、目の前の敵。

 獣の爪を思わせる異形の手甲を左手に。
 鋭い鉤爪が目立つ赤の手甲を右腕に。

 両手を爪で武装した土蜘蛛の乙女は戦場へ駆けた。

 角が……いや、枝がニーナへと迫る。
 けれどそれは左手を一閃すれば吹き飛ばされ、オブリビオンへの道を開く。

 ――敵が放つユーベルコードは、時間が経つ程に威力の増加する代物。

 ならば、早期に距離を詰めねばならない!
 蟲使いの乙女は既に相手の技を把握していた。
 だから相手の先制攻撃への供えもシンプルなもの。
 直線に来るのなら――横に跳べばいい!
「――きゃん!」
 妙に艶のある声は気のせいだろう。
 しかし、純粋生命力の奔流に――天地開闢の祝詞槍に獣爪ごと左手が持っていかれた。
 腕は使えなくなったし、何よりも抗体兵器を吹き飛ばされたのは痛かった。
 だが自分は痛みには慣れている、直撃を避けられれば良し!
 力の入らない左腕をだらりと下げたまま、ニーナが加速し都怒我阿羅斯等へと肉迫した。
 右手の赤手に炎が宿り、一撃は紅蓮と化す。

 |紅蓮撃《カーミンロート・シュヴェアシュラーク》

 炎がオブリビオンの肉体に流れ込み、そして――爆発した。
 直後、生命樹の枝がニーニアルーフ・メーベルナッハと都怒我阿羅斯等の間を隔てる。
 だが手ごたえは……あった。

 ニーナの一撃は確実にオブリビオンを捉えた。
 強敵ではあるが、勝ちの道筋は確かにある。
 紅蓮の一撃はその灯火となったのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

エリー・マイヤー
死とか宇宙とか創造主とかモーラットとか、
話のスケールがでかすぎてよくわかりませんね。
なんにせよ、人を害するなら、アナタは私の敵です。

とりあえず念動力で自分の体を浮遊させて、
高速移動させることで敵の初撃を回避します。
もう骨とか内臓とか顧みない全速力で。
絶対あの槍を食らう方がやべーです。
そうして攻撃を回避しつつ、【念動ハンド】で抗体兵器をキャッチ。
持てるだけの抗体兵器で全方向から斬ったり突いたり刺したりして、
ウニみたいなトゲトゲオブジェクトにしてやります。
呪いは直接持たなければセーフ…なわけないですよねやっぱ。
仕方ありません、根性でギリギリまで耐えましょう。
こういう泥臭いのは得意じゃないんですが…


大町・詩乃
此処は銀誓館学園が平和を勝ち得た世界。
故に銀誓館学園に敬意を表して学生服で戦いに臨みます。

植物と活力を司る神としては生命樹と戦いたくないですが、繁殖も度が過ぎれば世界を荒廃させます。
ならば抗体兵器を以って貴方を討ちましょう!
と薙刀型の抗体兵器(虚月と名付ける)を手に取って対抗する。
呪いはオーラ防御と自身への浄化と呪詛耐性で耐える。

先制攻撃は第六感・心眼で予測し、念動力・衝撃波でディアボロスランサーの軌道をズラし、天耀鏡の盾受けで受け流し、見切りで回避。

《神性解放》してUC効果&空中戦で素早く飛んで相手の死角に回り、UC効果&神罰・雷の属性攻撃・鎧無視攻撃・なぎ払いで都怒我阿羅斯等を斬ります!



●超脳を以って、神性を叩き込まん

「死とか宇宙とか創造主とかモーラットとか、話のスケールがでかすぎてよくわかりませんね」
 エリー・マイヤー(被造物・f29376)が髪を纏めながら都怒我阿羅斯等を見つめる。
「なんにせよ、人を害するなら、アナタは私の敵です」
 紫煙の向こうに居る生命樹が応えることはない。
 実力で証明せよという事か。
 エリーは目の前に並ぶ異形の武器を視界に収め、思考した。
 武器を持ち、飛びこまなければ何も得られない。ならば――飛びこむだけだ。
「あまり得意じゃないんですけどね」
 その呟きを聞く者は居ない。

「此処は銀誓館学園が平和を勝ち得た世界」
 大町・詩乃(|阿斯訶備媛《アシカビヒメ》・f17458)が学生服を身にまとい戦場に立つ。
 それは銀誓館学園に敬意を表してのこと。
「これ以上の狼藉を許すわけには行きません」
 故に決意は固く、彼女の視線もまたオブリビオンへ。
「植物と活力を司る神としては生命樹と戦いたくないですが、繁殖も度が過ぎれば世界を荒廃させます」
 この過剰な枝とも言える角に嫌悪を抱きつつ、詩乃は薙刀を手に取る。
 生命を拒む何かが……身体の中に流れ込む。
 それをオーラで抑え込み自身を浄化し、呪詛を拒むことで抑え込めば、不思議と薙刀は手になじむ。
「ならばこの抗体兵器を以って貴方を討ちましょう!」
 宣言と共に神は走り、空を駆ける超能力者がそれに続いた。

「来ませんね、枝」
 エリーが呟く。
 本来なら、最初は生命樹の枝が二人を弾き飛ばすはず……そうでないのなら?
「詠唱……槍が来ます!」
 詩乃が叫んだ。
 生命樹の枝たる角に隠れて見えないが、見えざる心の目が、五感を超える感が、それを告げた。
 樹木が風に吹かれるように動き、そして――槍が飛んだ。

 ――天地開闢の祝詞槍!

「――くっ!?」
 エリーが念動力を解放し全力回避を試みる。
 強烈なGが骨を軋ませ、内蔵を揺らし、脳に至る血液すら泡を吹かんとする。
 それすらもサイコキネシスで抑え込み、軌道を変えた直後空気を割る音と共に槍が詩乃へ向かって飛んで行った。
 超脳の女が目と耳から赤いものを流しつつ、神を見る。
「鏡……なるほど」
 その姿に呟きが漏れた。

 心眼や六感だけでは間に合わなかっただろう。
 だから詩乃は衝撃波と念動力で一瞬だけ勢いを殺し、軌道が変わる切欠を作り出す。
 そして――盾にもなりうるヒヒイロカネ製の神鏡によって受け流した!
 激しい激突音が響き、一対の天耀鏡が空に舞う。
 だが、その時には二人は異形の武器を振るっていた。
 詩乃は虚月と呼んだ薙刀を。
 エリーは念動力で引き寄せた鉈と剣を両手にそして、様々な武器を従えて。

 |念動ハンド《サイ・ハンド》

 見えざる念動の手が様々な武器を取り、生命樹の枝を切り払っていく。
 武器一つなら、道は一つだけかもしれない。
 だが……複数あれば、攻撃に至る道を作り上げることができる!
「今ですよ」
 淡々と超脳の女がチャンスを作り上げれば。
「――はい!」
 神は其れに応える。
 自らの解放を以って!

 |神性解放《シンセイカイホウ》

 危害ある全てを浄化消滅する若草色のオーラを身に包んだ詩乃が一気に距離を詰める。
 想いは力となり、彼女を音速を超える速度で飛翔させ、そして都怒我阿羅斯等の視界から消える。

 ――死角を取られた!?

 オブリビオンが気づき、ディアボロスランサーをその手に戻したが時すでに遅し。

 大地を踏み込む音がした。
 雷鳴が空気を割る音が響いた。
 何かを鎮めるように高く伝わるオーラの共鳴。

 そして……全てを込めた神罰の薙ぎ払いが都怒我阿羅斯等の胴を斬り払った。
「ぐぅっ!?」
 赤いものでコンクリートを汚しながらオブリビオンは角を伸ばし、全てを拒む。
 生命樹の枝は渾身の一撃を振るった詩乃へと襲い掛かる。
 そこに――大量の抗体兵器が降り注ぎ、神の襟首をつかんだ者が居た。
 エリーだ。
「危ないところでした」
 煙草を咥えて、超脳の女は戦線を離脱する。
 異形の武器はもうその手に無い。
 根性で耐えるには負荷が大きすぎた。
「ありがとうございます、でも……」
「今は一撃を与えただけでも充分です。こちらから再攻撃をかけるのはリスクが大きすぎます」
 詩乃の言葉を塞ぐようにエリーが状況を説いた。
 盾となる詩乃の鏡を回収しなくてはいけない。
 何よりもエリー自身の負荷が大きかった。

 だが、それでも与えたのだ。
 勝敗の天秤を猟兵に傾け得る一撃を!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

白斑・物九郎
●WIZ



●抗体兵器入手
・鈍器状の物を【野生の勘】に任せて手に取る

コイツが抗体兵器っスか
命にゃ毒だそうですけども、こちとら埒外の生命――死に沈んだゴートキャプテン
従え、名も知らぬ武器よ
獲物の味を教えてやりまさァ


●対先制
『ワイルドハント』白斑物九郎
狩場こそが俺めの棲家
カエレって言われたトコで、行く先は結局ココなんスよ!

・奔流を割くよう抗体兵器を矢面に立て構えつつ、敵先制の間をシノぐ(継戦能力)


●反撃
・【創世濁流】発動
・周囲一帯をガチで棲家の世界に改竄、帰還拒否時のダメージの無効化を図る
・縦横無尽に往来するドローンバスや超電導リニア等を足場に敵へ肉薄(地形の利用+軽業)、抗体兵器をブチ込む(串刺し)



●狩場に追い込み、獲物を捉えん

 オブリビオンたる肉体は特別だ。
 身体を爆発させられようが、切り裂かれようが、動くことができる。
 だがそれも質量過去の分だけ。
 積み重なれば、骸の海に還るであろう。
 それを分かっているからこそ、都怒我阿羅斯等は此処で引き上げることはできなかった。

 その様子を面白そうに眺めている男が居た。
 名は白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)。
 人は彼を猟団長と呼ぶ。

「コイツが抗体兵器っスか」
 勘で選んだ長い棒が妙に手になじむ。
「命にゃ毒だそうですけども、こちとら埒外の生命――死に沈んだゴーストキャプテン」
 侵食してくる何か、それをせせら笑うかのように物九郎は告げた。
「従え、名も知らぬ武器よ」
 棒を振り回せば異形の武器をオブリビオンへと向け。
「獲物の味を教えてやりまさァ」
 共に狩らんと囁いた。

 物九郎が棒を振り回し、生命樹の枝を吹き飛ばす。
 ここまでは序盤、本番はこれから。
 命の輝きが|嵐の王《ワイルドハント》の視界に入る。
 生命力の波、それこそは生命を還らせる綿津見。

 ―― 魂よわだつみに還れ

 
「『ワイルドハント』白斑物九郎」
 脆くなったコンクリートに棒を突き刺す物九郎。
「狩場こそが俺めの棲家」
 奔流を割くよう抗体兵器を矢面に立て構え。
「カエレって言われたトコで、行く先は結局ココなんスよ!」
 狩場こそが我が住みかと嘯いた嵐の王は生命の波に呑まれた。

「ハン、やるじゃねーか。ディアボロスランサーも伊達じゃねーってことッスね」
 波の中、物九郎は笑っていた。
 正直、やせ我慢にも近い。
 だが経験に経験を重ね、継戦し続ける力がその膝を折らせない。
 そして――。
「ところで……ここが俺めの棲家になったら、オタクどうします?」
「――!?」
 波間に立つブイが如く。
 波を打ち消す消波ブロックの如く。
 魔鍵が一面に突き刺さり、そしてわだつみの奔流はモザイクの覆われる。

 |創世濁流《ワイルド・マッド・ストリーム》

 世界が変わった。
 最早ここは金沢港ではなく、人の居ない世界。
 全ての欲望が満たせる未来――キマイラフューチャー。
 そこは白斑・物九郎の棲家――ワイルドハントの世界。

 ネオン輝く中、ドローンバスに飛び乗り回り込めば、突然現れるレールへとジャンプ。
 遠くより音が鳴れば走るのは超電導リニア。
 最早、都怒我阿羅斯等のユーベルコードは意味をなさない。
 最早、オブリビオンに優位は無い。
 ここは夜のキマイラフューチャー。
 シルバーレインの過去より来た者が適応できる訳がないのだ。
 リニアの加速を利用した物九郎が飛ぶ。
 勢いを乗せて棒を投げつけると、そのまま柄尻に蹴りを叩き込み都怒我阿羅斯等の腹に抗体兵器をねじ込んだ!

 何かが風に吹かれ飛んでくる。
 それは棒に絡み旗となる。
 偽りの夜が消え、太陽が照らす時、生命樹には一本の旗が刺さっていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

空桐・清導
POW
アドリブや連携も大歓迎だ
抗体兵器はハルバード

「お手上げにはまだ早えぜ。
ここは、このブレイザインに任せてくれ!」
戦場に赴き、抗体兵器に近づく
まるで自分を呼び寄せるように手に取る
そして、生命を蝕むように激痛がはしる
だが、それを[気合い]でねじ伏せて世界樹状態の棘を[なぎ払う]
更に羲和之箭を転送して[破魔]の力で呪いを打ち消す
都怒我阿羅斯等が放つ開闢の一撃を抗体兵器の力で減衰させ、
[オーラ防御]で受け流しながら直線上から逃れる

対処が終わったらUCを発動させて超高速で飛翔して接近
二つの武器にオーラを纏わせて[力を溜める]
「超必殺!カース・アンド・キュア!!」
相反する力が生み出す力場で奴を撃破する


オリヴィア・ローゼンタール
貴様とこの世界の因縁を私は知らぬ
だがその槍は方舟であったと人々は言う
命と希望を託した方舟が、オブリビオンの武器として振るわれることを、私は赦さん!

禍々しい大剣の抗体兵器を握る
身を侵す呪詛に怖気が走るが――【気合い】と【根性】、そして【勇気】で乗り越えて引き抜く(呪詛耐性)
従え、貴様もあれを斬りたいのだろう

詠唱時間に応じて威力が上がるなら、その暇を与えなければいい
迎撃に繰り出される角を片っ端から抗体兵器で斬り捨て、悠長にチャージしていられないと認識させる
半端な威力の攻撃を、大剣の刀身を盾代わりに【受け流し】、懐に飛び込む
全霊を注ぎ込み、炎を纏った抗体兵器で【極煌灼滅剣】を解き放つ!



●超鋼を以って灼滅せよ

 三度、猟兵の攻撃を受け、旗も立った。
 だが、オブリビオンは立っている。
 都怒我阿羅斯等は立っている。
 戦いは続くのか……。

「お手上げにはまだ早えぜ」
 そんな空気を吹き飛ばすかの如く真紅の超鋼を纏った空桐・清導(ブレイザイン・f28542)が叫ぶ。
「ここは、このブレイザインに任せてくれ!」
 意気揚々と叫ぶブレイザイン。
 その傍らにオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)が立った。
「助太刀いたします」
 そしてオリヴィアは一歩前に出る。
「貴様とこの世界の因縁を私は知らぬ」
 闇を討つ者が生まれし世界よりやって来た猟兵。
「だがその槍は方舟であったと人々は言う」
 その彼女がディアボロスランサーが何であったかを知り告げるのだ。
「命と希望を託した方舟が、オブリビオンの武器として振るわれることを、私は赦さん!」
 そう――赦さん、と。

「赦しは請わん」
 旗を捨て、都怒我阿羅斯等も歩を進める。
「だが我の悪行、止められなければ意味は無いと思え!」
 方舟――ディアボロスランサーを構えて。
 戦いが……始まった。

 詠唱時間に応じて威力が上がるなら、その暇を与えなければいい。

 相手のユーベルコードの特徴を看破した二人が走る。
 だが彼らの持つ抗体兵器――オリヴィアの大剣とブレイザインのハルバードが持ち主を蝕まんと侵食を開始した。
 クルースニクの背筋に怖気が走る……だが、それを気高き精神と闇に立ち向かってきた心の強さでねじ伏せていく。
「従え、貴様もあれを斬りたいのだろう」
 それは悪魔の囁きのように甘く、そして冷たい。
 ブレイザインも同様に心の力でねじ伏せにかかる。
 生命を蝕むような痛みが走った。
 勿論、ここで怯む空桐・清導ではない。
 激痛に耐えて気合で枝を薙ぎ払えば、そこへオリヴィアが飛びこんで片っ端から生命樹たる象徴である角を切り捨て都怒我阿羅斯等へと迫る。

 このままでは肉迫される!?

 危険を察知したオブリビオンがまだ詠唱途中の槍を投げた。
 そう――先制攻撃を|させられた《・・・・・》のだ。

 天地開闢の祝詞槍が二人を襲う。

 詠唱途中、完全な力を発揮していないとはいえまともに受ければ戦闘不能は必至。
 根性論など通用しない。
 ブレイザインもオリヴィアもそれを知っているからこそ、抗体兵器を構えた。
 男はオーラを纏わせることで純粋生命力の流れを変え、女は技術を以って槍そのものの軌道を変えた。
 反動で二人がたたらを踏む。
 だが、それも一瞬。
 猟兵達はすぐに攻撃に移った。
 超鋼の戦士に左手に矢というには大きすぎる物が転送される。
 名は羲和之箭。
 破魔の力を持った大いなる一矢。
 それを槍の如く手に取れば、右手の抗体兵器に重ね呪いを打ち消す。
 呪いより解放されたブレイザインが黄金に輝けば空高く飛翔し、天頂にて輝くを託す。
 同時にオリヴィアの持つ大剣が炎を纏った。
「超必殺!」
 破魔の槍と生命根絶の斧槍が互いに干渉、反発し強烈な力場を生み出す。
「カース・アンド・キュア!!」
 ブレイザインがそれを叩きつけるかのように空から落とし、そしてクルースニクが持つ炎の剣が灼滅の一撃となって薙ぎ払われる!!

 |大いなる正義の一撃は灼滅の剣と共に《スーパー・ジャスティス・レーヴァテイン》

 発生した力場に超高密度に圧縮した炎の斬撃波が切欠となれば――金沢の港に光が柱となって天へと昇るに至った。

 すぐにブレイザインがオリヴィアを掴み、全力で飛翔を開始する。
 攻撃の余波が強すぎるのだ。
 このままでは巻き込まれることは確実。
 だから、港を離れるまで二人は後ろを振り返ることができなかった。

「……やりましたね」
 呟いたクルースニクの剣は燃え尽き、何も残っていない。
「ああ、きっとやったに決まってる」
 爆炎に照らされた超鋼の戦士が応えた。

 そう……二人の一撃は決まり、天秤は猟兵の側に完全に傾いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御鏡・幸四郎
かつて、私達を苦しめた抗体兵器を使うことになるとは思いもしませんでした。
手にしたのは蛇鞭。
中距離から連続して打ち据えるこの武器がこの戦いを助けてくれるでしょう。

風水盤を翳し結界を展開。ディアボロスランサーからの生命の奔流を遮ります。
これで少しは強制転移の力も、拒否した際のダメージも弱められるはず。
自分の店が気にならないと言えば嘘になりますが、今はそれどころではありませんしね。

「行くよ、姉さん!」
先制攻撃を凌いだら姉と合体。鞭を振るって枝を払いながら
都怒我阿羅斯等に迫ります。
呪いは浄玻璃の瞳で相殺。鞭で動きを封じ、四方から雑霊弾を見舞います。
「何故ランサーを!貴方は骸の海で何を見たのです!」



●絆を以ってわだつみを探れ

 光の奔流が収まった頃。
 一人の男が歩み寄る。
 彼こそは御鏡・幸四郎(菓子職人は推理する・f35892)。
 何かを知るために男は戦場に現れた。
「かつて、私達を苦しめた抗体兵器を使うことになるとは思いもしませんでした」
 感慨深そうに、それでいて言いようのないこの感情を何と表現すればいいのか、今は分からない。
 だが蛇鞭は不思議と手に馴染み、時を同じくして歩み寄る者が居た。
 都怒我阿羅斯等であった。

 幸四郎が風水盤を手に。
 都怒我阿羅斯等がディアボロスランサーを腕に。
 互いに武器を構えると先手を放つはオブリビオン。
 生命の奔流が津波の如く襲い掛かる。

 ――魂よわだつみに還れ

 それは呪言を伴う海の囁き。
 家路へ伴う波に対して霊媒師は結界を作り上げ、生命の奔流への堤防とした。
 全てを海へと攫って行くような最初の波を受け、結界に罅が走り、第二波にて護りは決壊する。
 襲い掛かる奔流。
 けれど最初の勢いを殺した分、どうにか立っていられそうだ。
「自分の店が気にならないと言えば嘘になりますが」
 全身の痛みが走る。
 生命の力はそれほどまでに強烈で、手に持った蛇鞭の呪いは幸四郎自身の命を今、喰らわんとしているようだ。
 それでも……。
「今はそれどころではありませんしね」
 為さねばならないことがある。

 奔流が消え、立つのは霊媒師一人。
「行くよ、姉さん!」
 だがそれもつかの間、傍らに現れた骸骨の姉が幸四郎の肩を手を伸ばせば、そこには姉弟が二人。
 そして――。

 |ゴーストイグニッション《絆を以って一つとならん》

 その瞳が水晶のように透き通れば抗体兵器の呪いは消え、頼もしき蛇鞭と変わる。
 間合いを保ちつつ異形の武器を振るうと生命樹の枝は刈り取られ、異形の武器は都怒我阿羅斯等を捕える。
「何故ランサーを! 貴方は骸の海で何を見たのです!」
 鞭のテンションを保ちつつ幸四郎は雑霊弾を連射する。
 ガンナイフから放たれた弾丸は姉との同調によって威力が跳ね上がり、オブリビオンの鎧に孔を穿つ。
「貴様らに語れというのか――絶望を!」
「知っているのなら!」
 蛇鞭を引きつつ霊媒師は請い、そして距離を詰める。
 ガンナイフの刃が鎧の隙間に刺さった時。
 都怒我阿羅斯等の言葉が耳朶を打った。
「話せぬ――我は……生命に絶望したのだから」
 オブリビオンがディアボロスランサーを振り上げる。
 幸四郎が瞬間的に引鉄を引くと零距離からの雑霊弾が絶望した男を吹き飛ばした。

「……何故」
 答えは得られず、ただ、そこに生命樹が開花するのみ。

 ……もうすぐ枯れる、命の樹が。

成功 🔵​🔵​🔴​

剣未・エト
先制は直線状に来るので地縛霊の鎖をあらかじめ横に伸ばしておいて足の力鎖の引っ張りで横に飛び、可能なら海に隠れる

迫る自動迎撃を天から降る抗体兵器が消し飛ばす
形はシンプルな剣、けれど全てが星すらない深淵の宇宙のような漆黒
覚悟を決めて左手で掴む、呪いが絡みつき左手から黒く浸食されていき
「うあああっ!」
僕のゴーストとしての本能が暴走しそうになる
くーちゃんが本能を抑える視肉を食べさせてくれるが、抑えきれない
全ての生命を滅ぼし清浄な宇宙を取り戻せと本能が叫ぶ
…違う!僕がこの力を使うのは|生命《ともだち》と一緒に『生き』たいからだ!
右手を掲げUC発動、降る銀の星の光に包まれ表れるのは
右手には生命と共にあると、小さくも強く輝く|詠唱兵器《想い》
左手には生命を尽く滅ぼさんと猛る|抗体兵器《本能》
半身を黒く浸食されるも自身の想いと融合したくーちゃんが内側から本能を抑え込みギリギリバランスをとって
長時間は無理だ、一気に接近して決める
左が角の迎撃を全て払い、間合いに入って右の一撃を



●星よ、未来へ

 最早、生命樹とは言えなかった。
 それはただ枝を伸ばすだけの傷だらけのオブリビオン。
 過去の残滓、質量を持った過去。
 その名は都怒我阿羅斯等。
 そして最後に立つのは新しい世代を担う銀誓館学園の生徒。
 剣未・エト(黄金に至らんと輝く星・f37134)。
 と彼女は呼ばれていた。

 詠唱が響く中、銀誓館学園の制服を纏った少女が歩く。
 言霊を紡ぐのはオブリビオン、放つ一撃は――。

 |天地開闢の祝詞槍《ディアボロスランサー》

 エトの足から伸びた鎖が突き刺さった抗体兵器に伸びると張力を漲らせ、その小さな身体を横へ引き寄せる。
 真横へ跳んだかのようにエトの身体は動き、遅れて槍が空間を貫いた!
 空気の割れる音が後から響いた。
 ゴーストが走る。
 それを阻むのは生命樹の枝と化した都怒我阿羅斯等の角。
 天から光が見えた。
 そして黒い稲妻の如き何かが枝を吹き飛ばした。
 生命樹と少女、二つの間に立つのは深淵の宇宙を思わせる漆黒の剣であった。

 これこそが抗体兵器。
 生命根絶を目的とした異形の武器であり、これを持つ者は様々な名で呼ばれていた。
 心臓が強く鼓動する、自分がゴーストの娘であるならばこれを持つことは『あること』を意味する。
「――行くよ」
 覚悟を決めて左手で剣を握った時、掌から何かが入り込む。それはエトの肌を黒く侵食し、視界を万色の稲妻に染めた。

「うあああっ!」

 本能が暴走しそうになる。
 新世代とは言え、ゴーストが抗体兵器を持つことは異形――抗体ゴーストになることを意味するからだ。
 必死に彼女に従う小さな死肉がその身を食べさせてくれるが、それでも抑えきることは難しい。
 自らの生き方に準じるならゴーストは抗体化を受けない。
 けれどエトはまだ若く、そして純粋だった。

 ――全ての生命を滅ぼし清浄な宇宙を取り戻せ!

 本能が少女の心のキャンバスを塗りつぶすかの如く叫ぶ。
「違う!」
 だがゴーストの娘はそれを拒絶する。
 そうするだけの理由があった。
「僕がこの力を使うのは|生命《ともだち》と一緒に『生き』たいからだ!」

 ――生きる。

 それは過去のゴーストでは考えつかなかったことであろう。
 だがエトは出会ってしまったのだ、人も魔も境無く助ける能力者に、銀誓館学園と言う存在に。
 そして、そこで知った生きるという意味に。
 まだ漆黒に染まっていない右腕が天に伸びた。
 降る銀の星は光となり――剣となる。

 |エトの剣《ホシノツルギ》

 星の如く小さく強く輝く光。
 右手には生命と共にあると、小さくも強く輝く|詠唱兵器《想い》。
 左手には生命を尽く滅ぼさんと猛る|抗体兵器《本能》。
 それを繋ぐのは小さき時から姉代わりの死肉――くーちゃん。
 一つなったその姿は闇と光のヤヌス。
 けれど、それを保てる時間は少ない。
 だから走った。
 エトの左手が闇を描き、生命樹の枝を切り払う。
 自らを守る角を失った都怒我阿羅斯等がディアボロスランサーをその手に戻し、渾身の突きを放つ。
 少女が身を屈める。
 小柄な身は前髪数本を吹き飛ばす代わりにオブリビオンの間合いに切り込んだ。
 踏み込む靴が港のコンクリートを叩き、パンッ! と乾いた音を立てる。
「行っけぇぇぇぇぇっ!!」
 全体重を乗せた右の一撃。

 星は――過去の残滓を貫いた。

「……見事」
 勝者を称える都怒我阿羅斯等の言葉は何故か優しい。
 けれど、エトは呼吸を整えるのが精一杯。
 数度の深呼吸が出来るようになってようやく見上げれば、そこには消えゆく槍持つ男の姿。
「骸の海から戻ってくる間にゴーストは未来へと馳せていた。こうなるのは必然だったということだな」
 男は笑い、そして槍を手放す。
「槍よ行くがよい、未来へ、果て無き宇宙へ」
 光り輝くディアボロスランサーは流星の如く尾を引いて、|宇宙《そら》へと旅立ち、そして……。
 過去は消えた。

 過去が持てる質量など、インクの重さか数バイトの|記憶《メモリ》にしか過ぎない。
 故に残滓無き者は存在しえないのだ。
 ただ、刻まれるのみ。
 そこにあったという記憶を。

 剣未・エトという新しい世代に刻まれたのは何か――それは彼女だけが知っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月13日


挿絵イラスト