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第二次聖杯戦争⑱〜|神秘根絶するもの《シルバーレイン》

#シルバーレイン #第二次聖杯戦争 #ハビタント・フォーミュラ

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●卯辰山公園にて
 雨が、ふる。
『さすがに、こんなに早いなんて思わなかったう!』
 猟兵達の進軍速度はハビタント・フォーミュラにとっても想定外だった模様で、慌てた様子の彼女は撤退へと方針を切り替えていた。
 ただ、逃げるだけではすぐに追いつかれてしまう。何か逃走を手助けする手札を切る必要があると、虎の子の闘神の渦五つをその為に費やすことを選んだ。
『闘神の渦の力を浴びて、砕けよ世界結界う! そして降り注げ、全ての神秘を根絶するもの『シルバーレイン』う!』
 ――銀の雨がふる。
 神秘を根絶するために時を越えて今、再び。

「嘘……アレがまた出てくるの!?」
 グリモアベース、焦りを隠せぬ鈴鹿・小春(万彩の剣・f36941)というグリモアベースは猟兵達へと向き直り、彼の見た予知の説明を始める。
「猟書家『ハビタント・フォーミュラ』のいた場所が分かったんだ。場所は金沢市街を一望する卯辰山公園、この戦いの中で確保していた『闘神の渦』を投入し大破壊による惨劇を狙っていたっぽいんだけど、事前に猟兵達が幾つも阻止してたからそれは叶わなかったんだ。だから彼女はブレインバイシクルで他世界へ逃走しようと方針変更して、既に撤退している……んだけど」
 そこで歯切れ悪くなる小春、
「……惨劇を起こせなかったけど幾つかの闘神の渦は残っていて、それで世界結界を破壊してヤバい存在を呼び出したんだ。その名は『シルバーレイン』、世界結界そのものが変形した生命を持たない存在で、純粋に強い上にあらゆる神秘を否定、消去してくる無茶苦茶強い奴だよ」
 おまけに一体だけじゃなく軍勢だから猟兵でもヤバいかも、と説明する。
「ハビタント・フォーミュラの逃走先に続く|全能計算域限界突破《エクスマトリックス・オーバーロード》の存在が予知されていて、この軍勢の戦場を1月15日の夕方までに制圧できれば発見できるみたいだよ。ただこのシルバーレインの軍勢は単体でも非常に高い戦闘力を持ってて、その上で神秘現象を否定し消し去るユーベルコード『神秘根絶』を常時発動している。ユーベルコードであっても神秘に由来する部分は消去してくるから純粋な肉体や技術、機械文明を利用した攻撃だけで渡り合わなきゃいけないから苦戦は免れないと思う。攻撃は銀色の虹や神殺しの光、刃の雨を降らせて徹底的に神秘殺しに特化してて、神秘根絶の影響を回避した上でそれらに対処する必要があるだろうね」
 そして一通り説明を終えた小春は彼のグリモアを取り出した。
「戦場は山の中になるから何か地形を上手く使えるといいかもしれないね。……かつての銀誓館学園の能力者でも苦戦した相手だけど、色んな世界を知っている皆ならきっと渡り合える方法はあるはずだよ。だから、頑張って!」
 そう明るく小春が締め括り、小春の懐中時計のグリモアから煌めく光があふれ出す。
 向かう先は銀の雨降る戦場。真なる銀の雨との戦いが、今始まろうとしていた。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 二つの三日月の中では操られてたりはしていましたが強敵であることは間違いありません。

 このシナリオはシルバーレインの『卯辰山公園』で『シルバーレイン』の軍勢と戦うシナリオとなります。
 シルバーレインは常時神秘根絶というユーベルコードを発動させており、あらゆる神秘現象を無効化、消滅させてきます。ユーベルコードも神秘に由来するものは例外ではありません。
 また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。

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 プレイングボーナス……「神秘根絶」に対処する。
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 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『シルバーレイン』

POW   :    銀の虹
【超常の存在を否定する意志と力】を宿した【銀色の虹】を射出する。[銀色の虹]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
SPD   :    レインカッター
【銀色をした刃の雨】を降らせる事で、戦場全体が【神秘なき世界】と同じ環境に変化する。[神秘なき世界]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    滅神光線
【装備した『滅神詠唱兵器』】からレベルmまでの直線上に「神殺しの【光】」を放つ。自身よりレベルが高い敵には2倍ダメージ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

岩社・サラ
アドリブ共闘歓迎

ふむ、神秘を無効化する敵、ですか。
ゴーレムや岩石魔法を戦闘に利用することは出来ないでしょうが、問題はありません。攻撃する手段はあります。
幻想の入る余地のない現代技術で作られた銃火器を使い敵を排除しましょう。

行動
神秘が根絶された戦場に対応するため、「戦闘知識」を用いた傭兵の戦術を使っていきます。

山の中にある木や岩、高低差などの山特有の「地形の利用」をして敵の降らせる刃の雨やその他攻撃を防ぎつつ、「カスタムカービン」を用いた「制圧射撃」で敵の動きを阻害しましょう。

敵の動きが止まったのならば、技術力の結晶であるUCを用いて「集中力」を高めつつ敵の頭部などを狙撃し撃破していきますね。



●傭兵は神秘なき世界でも変わらず
 卯辰山の上空から降り注ぐ銀の雨と共に、異形の戦闘存在が降臨する。
 その姿は一面では天使のようにも見え、けれどもそのような神秘とは決して相容れない存在である。
 聖杯のメガリスアクティブの力により生じた、世界結界が形を変えた存在『シルバーレイン』――木々の林立する山へと降り立ったその存在は、神秘なる存在を抹消する為に行動を開始する。
 その一部始終を岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)という戦場傭兵は観察していた。
(「ふむ、神秘を無効化する敵、ですか」)
 彼女が得意とするのは土属性を主とする土の魔法、この周囲にその触媒となりうる土は幾らでもあるが、あの常時神秘を抹消するユーベルコードを発動している存在の前には効果を発動する事すらできないだろう。
 しかし傭兵である彼女の武器はそれだけではない。
(「問題はありません。攻撃する手段はあります」)
 自動拳銃や改造アサルトカービンの重さは変わらない。幻想の入る余地のない現代技術により作られた銃火器はあのシルバーレインにも十分届く。
 シルバーレインの群れを排除する為に、サラは行動を開始する。この山の地形――木や岩、高低差は傭兵としての知識を活用すれば盾にも武器にもなる。
 それらの位置を先に把握していた彼女は、槍を手に散策を開始したシルバーレインたちの足元を狙い、構えたカスタムカービンから銃弾をばら撒く。足を止めるよう制圧するように発射された弾丸は筋肉質な足を撃ち抜きその動きを封じる。
 敵対者の襲撃を感知したシルバーレインはユーベルコードを発動し、銀色の雨を降らせる。それはただの雨ではなく刃の雨、けれど予見していたサラは即座に近くにあった洞窟へと飛び込み刃の雨をやり過ごす。
 その余波で一帯が神秘なき世界の環境に変化しているが構う事はない。冷静にサラはユーベルコードを発動し、それが効力を発揮している感覚を認識する。
「この一撃で穿ちます」
 ユーベルコード【マーセナリースキル「ペネトレイション」】、特定の技能を強化して扱えるようになるそれは、神秘に由来しない技術力の結晶である故に神秘根絶の影響を受けない。
 傷つき足を止めたシルバーレインの頭部、その装甲の隙間に狙いを定めマークスマンライフルを構えたサラは冷静に引き金を数度引く。
 正確に兜の隙間を穿った数発の弾丸はシルバーレインの頭部を破壊し、その動きを停止させる。
 他のシルバーレインが滅神詠唱兵器の巨大な刃を振り上げ襲い掛かってくるが、サラは慌てることなく高低差を利用して駆け下りるように距離を取り、身を隠す。
 敵の数は多い、きっちり確実に捕らえられることなく撃破していく必要があるだろうと、サラは思考する。
 ――強敵との戦に際した時でも冷静な精神性こそ、戦場傭兵である彼女の重要な武器の一つである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白鐘・耀
戦争お疲れ様! 元運命予報士としちゃ、出撃しないわけにはいかないでしょ!
頭数が足りなきゃ手を貸すわ。蹴り応えのある相手ならいいんだけどね!

この世界出身だから、当時の敵はだいたい記憶してるわ。戦場で直接戦ったことはないけどね
もし相手が学園を苦しめたヤツなら、一言ガツンと言ってやりたいわね!
戦闘スタイルとしては、まあ搦手よりは近づいて蹴ってぶっ飛ばすのが得意かしらね
正直頭を使った作戦って苦手なのよ、そのタイプは苦戦しちゃうかも

戦闘以外も歓迎よ! ネタでもシリアスでもね!
ただ、年齢制限かかるタイプのは勘弁ね! 私、清純派の美少女だから!
……清純派の美少女だから!(大事なことなので)



●元・運命予報士と銀色の雨
 ――元運命予報士としちゃ、出撃しないわけにはいかないでしょ!
 白鐘・耀(元・可憐な運命予報士・f10774)は元運命予報士の清純派美少女である。それは諸事情でUDCアースへ転移していても変わりはなく、バトルゲーマーをやっている今でもだ。
 故にこの銀の雨の降る世界の危機とあっては当然出陣しなければ、とやる気に燃えていた。
 のだが。
(「相手が"あの"真のシルバーレインってどういうことよ!?」)
 因果かな、やってきたのは卯辰山――シルバーレインの軍勢がうろうろしている、かつての天空の戦いを知る者であればちょっと怖気づいてしまってもおかしくはない戦場だ。
 その馬鹿げた能力でかつての学園を苦しめた存在、ガツンと言ってやりたい所だがまともに会話は成立しない機構のような存在だったような気がする。
(「根性論で喋ってたのは天使型巡礼士だったかしら……」)
 当時の記憶を思い返しながら、耀は身を隠しながら山の中を走り狙い易い、比較的孤立している個体を捜索する。
 直接戦った事はないにせよ、かの戦闘存在の実力を知っているから複数体を同時に相手にする事は避けたい。
 かつての運命予報は歪みを感知して出力する力、知識を秘蔵せし書庫でも不自然な存在であるとされているなど神秘に属する力となるだろう。
 或いは世界結界が真なるシルバーレインと化しているこの場では、神秘根絶以前の問題で作用し辛いのかもしれない。
 彼女のユーベルコード【運命予報】は運命の糸が結ばれた相手の攻撃を予想するものだが、運命の糸が神秘に纏わるなら繋がる以前に神秘根絶に無効化されてしまう可能性もある。
 そんな事を考えながら巨大な滅神詠唱兵器の目立つ一体のシルバーレインを発見する耀。
 周囲を確認し、一気に仕掛ける。
 頭を使った作戦は苦手だ。搦手よりは一気に近づき蹴り飛ばすようなシンプルな戦いが得意を得意とする彼女は躊躇いなく真なるシルバーレインの間合いに飛び込んでいく。
 空から刃の雨が降る、同時に滅神詠唱兵器がシンプルに薙ぎ払われ、耀を切り裂き両断せんとする。
「死と隣り合わせのなんとやら、ってね」
 ――ユーベルコードによる予想の精度が甘い気がする、上手く作用していないのだろうか。
 だが耀は速度を緩めない。運命予報士として積み重ねてきた日々の経験からか、彼女の第六感は極限まで研ぎ澄まされている。
 諸説あるが第六感というものは無数の経験から普段と異なる部分を無意識に感じ取るものともされる。経験則から導かれた嫌な予感・危険は不安定な予想を補って、彼女が危険を乗り越えるために取るべき最善手を示す。
 空から降り注ぐ銀の刃の雨は木々を盾に最小限のダメージに抑え込む。真正面から襲い掛かる薙ぎ払いは一気に屈み回避、直上を死の軌跡が通り過ぎていく。
 刃の雨の痛みを堪え即座に駆けだす。真のシルバーレインの背は2メートルを少し超える程度、神秘を打ち消されているとしても十分蹴りが届く位置。周囲は既に神秘なき世界と同じ環境に変えられているが、構うものか。
 可憐なシューズに機械的に蓄えられた圧縮空気を一気に放出し駆動力に変え加速、シルバーレインの顎を正確に捉え蹴り上げる!
 強烈な一撃に宙を舞った真のシルバーレインは弧を描きながら地面に墜落、丁度その位置にかの手から離れた滅神詠唱兵器が狙い澄ましたかのように落下してきて、刃がシルバーレインの胴体を貫きその活動を停止させた。
 蹴り応え十分、その感触の残滓を感じながら消滅しつつある真のシルバーレインに背を向けすぐに移動を開始する耀。
 まだまだ山中には討たねばならない真なるシルバーレインは多くいる。休んでいる暇はないだろう。
 この世界出身の猟兵として、運命予報士であった可憐な猟兵は山中を駆けていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

天代・ころね
つまーり普通に殴って倒せばいいんだね!
よくわかんないけど殴れば倒せるだろってノリで突っ込むよ!

ダメージには気合と根性で耐えるけど本当に危険な攻撃はさすがに防御しつつ。
基本的には斧を使って捨て身の攻めの姿勢を崩さずに突撃、
囲まれそうになったら閃光手榴弾「天網恢恢なる光の魔法」を使って仕切り直すけど
市販の花火と普通の犯罪者から奪った材料しか使ってないからたぶん行けると思う。
斧が折れたりなくしたりしたらアクセサリーとかその辺の石とか使って攻撃を続けるよ。



●正義の魔法少女(自称)は銀の雨の中で
 真のシルバーレインの軍勢が降臨せし卯辰山は、神秘根絶のユーベルコードにより神秘がすっかり消え失せた地と成り果てている。
 そんな山中を走るファンシーな巨大斧を担いだ魔法少女のような格好の天代・ころね(通学路の自警団・f23060)は、ワイヤーショットでフック付きワイヤーを木の枝に射出し引っ掛けて、驚くような速度で移動している。
 神秘の存在しない領域で彼女がこのような芸当を行えているのは単純、彼女の力は現実に基づいた魔法(本人主張)だからで、神秘がなくなろうと普段とあまり違いがないからだ。
 よく見ればその衣装も自作の魔法少女のコスプレ衣装である。
「つまーり普通に殴って倒せばいいんだね!」
 神秘が使えない、そんな事は彼女にとって障害にはならず、強力な戦闘存在であろうと殴れば倒れるという至極シンプルな理屈で挑もうとしている。
 そんな彼女の目の前に、数体のシルバーレインが現れ即座に戦闘態勢、ユーベルコードを発動し襲撃者を撃墜せんと神殺しの光線を一斉に放つ。
 放たれた数条の神殺しの光を、ころねはダメージ覚悟でギリギリを潜り抜ける事を選んだ。
 神ではない身なれど滅神光線の威力は単純に強烈、意識が飛びそうになりながらもころねは前へと捨て身で突っ走る。
 そして光線を突破してその切れ間に跳躍、シルバーレインの頭部に愛用のファンシーな巨大斧を振り下ろし頭部を砕く。
 その間に他のシルバーレイン達がころねを包囲、逃げ場を潰し滅神光線で確実に始末しようとしているのだろうか。
 非常にまずい状況だが、その可能性を見越していたころねはユーベルコード【天網恢恢なる光の魔法】を起動して取り出した閃光手榴弾を頭上に投擲する。
「これが光の力だよ!」
 その言葉をかき消すように閃光と爆音がころねの周囲を満たし、まともにそれらを受けたシルバーレインの動きが停止する。
 ユーベルコードの名こそ神秘を連想させるものだが、やはりこれも彼女手製の神秘など無関係な代物。
「よし、上手くいったね」
 市販の花火や犯罪者から奪った材料しか使っていない為、神秘消去の影響を受けないと踏んでいたころねはシルバーレインが爆発に惑わされている間に囲いを突破、すれ違いざまに巨大斧を数体の足に叩きつけダメージを刻み付ける事も忘れてはいない。
 真のシルバーレイン達が光と爆音により失った感覚を取り戻す前に十分距離を取ったころねは後方から神殺しの光が追撃に放たれる中、ヴィジランテ由来の高い身体能力で回避しつつ十分距離を取って仕切り直す事に成功。
 倒れさえしなければたとえ巨大斧を喪ったとしても可愛らしいアクセサリーーー武器にできる程度の強度はあるそれや、近くに転がっている手頃な石を使えばよい。
 よく分からない存在ではあるが動かなくなるまで殴れば倒せる存在であると、先程の交戦で理解した。
 捨て身でかかれば押し切れない存在ではない、だからころねは追撃の為に向かってくるシルバーレイン達の気配を感じながら振り返り、無骨さを隠しきれない巨大斧を手に再び挑みかかるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アスカ・ユークレース
アドリブ絡み歓迎

私の射撃技術……それは日頃の訓練と猟兵として死線を幾つもくぐり抜けてきた経験値によるもの
見た目こそ派手だけどその実神秘も何もないクソ地味な純粋たる技術なのよね
だからコイツにも通じるはずよ

とはいえ何が判定に引っかかるか判らないし一番シンプルなUCで

地形を利用して相手の攻撃を防御、木を盾に射線を切り回避に専念しつつ集中

10秒稼げたならクイックドロウで素早く構えUC使用、相手の弱点めがけスナイパー技術で狙い打ちしていくわよ



●銀の雨貫きし矢
 アスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)というバーチャルキャラクターの猟兵も、この卯辰山の戦線で真のシルバーレインと交戦していた。
 そもそもバーチャルキャラクターという種族自体が電子の精霊という神秘寄りの存在のようにも思えるが、この領域にいるだけで直に消滅させられるというようなことはなさそうだ。
 神秘に由来する力が使えないのは他の猟兵と同様、だが彼女の強みには些かの劣化もない。
 故に彼女の力は真のシルバーレインにも通じるはず、敵の攻撃に対して距離を取りつつユーベルコードを起動する準備を開始する。
 何が神秘に含まれてしまうか分かったものではないから、自身の有する中でも一番シンプルな力を。
 真のシルバーレインが空から降り注がせる刃の雨は木々を傘に、直に振るわれる滅神詠唱兵器は樹の幹を盾にして射線を切りつつ回避し、より意識を敵に集中させていく。
 ――九、十。カウントを終えたアスカは即座に愛用のピストル式機械弩『フェイルノート』を素早く構え、青瞳で視認したシルバーレインの急所と思われる部位に矢を放つ。
 装甲の隙間は基本的に弱点であるが、動き回る相手では通常は狭くて狙い難い部位でもある。
 が、アスカはそれを射抜く事すら容易く行う。自動装填される矢で首や関節といった部位を正確に、次々に狙撃していく。
 その気味が悪くなる程の射撃技術は彼女の日頃の訓練と、そして猟兵として死線を幾つもくぐり抜けてきた経験値に由来するもの――つまり。
(「見た目こそ派手だけどその実神秘も何もないクソ地味な純粋たる技術なのよね」)
 種明かしをすれば酷く地味だが、だからこそこの戦闘存在を圧倒する事が出来た。
 矢を撃ち込まれハリネズミのようにされた真のシルバーレインは倒れ、消滅していく。
 それを横目にアスカは次なる標的を探す為、山中での索敵を再開するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリク・フォーサイト
真なるシルバーレイン
かのランドルフ様が天空の戦いにおいて使役したと聞いています
本来であれば聖杯に名を連ねるものと思いますが、それが敵として現れてしまうとは…
ハビタント・フォーミュラ、許すまじです

神秘の力が使えないということは、過去の英霊の力は借りることが出来ません
装備の法力も意味をなさないでしょう

ですが、僕にはこの鍛えた技があります

ガントレットで銀色の虹の「武器受け」し、「怪力」を込めてUCを発動します

守りの型は崩さず、確実に連続攻撃を決めていきます

先達が僕に与えてくれたのは神秘の力だけではありません
神秘に頼らずとも戦い抜く心の強さこそが、巡礼士の武器


「人々を守る、それが僕の使命です」



●巡礼士は祈りと共に
 全身鎧を纏うマリク・フォーサイト(銀嶺の少年騎士・f37435)という少年の猟兵は、巡礼士である。
「真なるシルバーレイン……かのランドルフ様が天空の戦いにおいて使役したと聞いています」
 この真なるシルバーレインが最初に現れたのはかつての諏訪湖決戦、巡礼士総帥ランドルフが聖杯のメガリス・アクティブとしての力で世界結界を変化させた存在だ。
 その後の天空の戦い、生と死の境界線での再現存在、二つの三日月との決戦で拒絶反応として現れその後も世界結界が大きなダメージを受けそうになった時に現れるなどしていたが、本質としては生命の側の存在である。
「本来であれば聖杯に名を連ねるものと思いますが、それが敵として現れてしまうとは……」
 そんな存在がオブリビオンにいいように使われ敵として現れた、マリクは巡礼士であるからこそ憤る。
「ハビタント・フォーミュラ、許すまじです」
 ――既に巡礼士としての神秘の力は使えなくなっている。過去の英霊を憑依させるユーベルコードは勿論のこと、理性の名を冠する聖槍の法力も意味を為さないだろう。
 真のシルバーレインが現れる。巡礼士であろうと今の彼らには討ち滅ぼすべき神秘の存在故に、マリクに銀の虹を放つ。
 超常の存在を否定する意志と力が少年を呑み込まんとする、が。
「……ですが、僕にはこの鍛えた技があります」
 守りの型を取りドリルガントレットを構える。魔力を噴出し高速回転するそれは本来の力を発揮できない、
 だが、ただのガントレットとして扱えるならばマリクには十分。
 銀の虹をガントレットで受け衝撃を怪力で抑え込みながら虹の軌跡から体をずらして前へ、一息に2メートル超の真のシルバーレインを間合いに捉えユーベルコードを起動する。
「玄武の奥義、全てお見せします!」
 羅山靠――守りの姿勢からの体当たり、そこから隙なく掌底へと繋げ、更に転玄脚、羅山靠へと再び繋げていく。
 ひとつでも通ったならば追加で攻撃できる玄武拳士としての体術は神秘を拒絶されようと問題なく真のシルバーレインへとダメージを重ねていく。
 反撃を許さぬままに、砕甲掌の一撃が真のシルバーレインを吹き飛ばした。
「……先達が僕に与えてくれたのは神秘の力だけではありません」
 神秘に頼らずとも戦い抜く心の強さ、それこそが巡礼士の武器であるとマリクは信じている。
 人々を護るという使命の為に、消滅する真のシルバーレインを見届け次なる戦いへと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携歓迎

神秘の根絶ねえ。
まあ、あたしなら普通に戦う分には特に問題ないかな。
【獣剛吼迅】を使って、シンプルに爪と牙と尻尾で戦おうか。

振ってくる刃を山にある木や岩とか障害物を利用して避けながら駆け巡って、
近くにいた敵を手当たり次第に爪で切り裂いたり尻尾でぶっ叩いたりして倒していくよ。
あたしの体は混ざってはいるけど動物の肉体が基本だし、
山を自在に駆け巡るのは野生の勘と経験によるものだしね。
ユーベルコードも戦闘スタイルを獣らしく変えてるだけだし。

山で獣に襲われて死ぬなんてのは、神秘なんて関係ない当たり前のことだろう?



●獣の暴力
「神秘の根絶ねえ」
 山中を駆け巡るペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は独り言ちる。
 神秘に由来する存在を徹底的に否定する存在、その力は既にこの山という戦場全域に広がっているようだ。
「まあ、あたしなら普通に戦う分には特に問題ないかな」
 キマイラである彼女の力はその多くが色々と混ざった強靭な動物の肉体に由来するもの、その膂力や爪の鋭さは神秘根絶による影響の対象外だ。
 その上で野生の勘と彼女自身の経験も劣化はなく、極めて軽やかな動きで山を移動していく彼女。
 金の山羊の瞳に少数のシルバーレイン達が映りこんだ。向かってくるペトニアロトゥシカに対し臨戦態勢を取って、空から刃の雨を降らせ始める。
「全力で行くよ」
 ユーベルコード【|獣剛吼迅《ワイルド・イグニッション》】を起動、猩々の手を前足のように、四足の獣のような姿勢へと移行したペトニアロトゥシカは一気に加速する。
 山の木々の枝を空から降る刃の雨の盾にしながら、獣竜の脚から生み出される速度で距離を詰めたペトニアロトゥシカはその爪でシルバーレインの鎧を一気に切り裂く。
 ぐらり、と体勢を崩した真のシルバーレインに背を向けながら強靭な尾を叩きつけ吹き飛ばし、更に近くに埋まっていた大岩を引き抜いて別の個体に投げつける。
(「全然問題ないね」)
 思っていた通り彼女の獣剛吼迅は獣としての動き、武器を強化して戦闘スタイルを獣らしく変えるだけのものだから神秘根絶の影響はない。
 獣のような動きで真のシルバーレインの刃を躱し、猩々の剛力で装甲に爪牙を突き立て引き裂き尾で弾き飛ばす。野生の獣の動きに対処しきれぬシルバーレイン達はあっという間に数を減らしていって。
「――山で獣に襲われて死ぬなんてのは、神秘なんて関係ない当たり前のことだろう?」
 その場にいた最後の一体の頭を尾で叩き潰し、ごく当たり前の事実を告げるペトニアロトゥシカ。
 刃の雨が勢いを弱める中、キマイラの女は次なる獲物を求める猛獣のように再び駆けだすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
あらゆる神秘を根絶するなら、神秘そのものらしきお前たちの存在はなんなんだ……と言った所で仕方なし
どうにか凌いで、勝機を見出すだけだろう

まずは遠距離から隠れて敵の様子を窺う。山の中だし、隠れる場所も幾つかあるだろう
集団から離れた個体を見つけたなら、澪式・弐の型【伏龍】の歩法で気付かれないままに接近
これは気配や殺気を隠して周囲の環境と合一し、物音を立てずに動きといった……あくまで技術と体術の積み重ねに依るものであり、神秘の介在する余地はない

刀の間合いに入ったならば、利剣を抜いて一刀のもとに斬り伏せる
一体倒したならばその場から離れて、再度様子を窺い、他に狙える個体へと同様の手順で攻撃を仕掛けよう



●技術と研鑽の粋は銀の雨にも揺るがない
 銀の刃の雨が降り注ぐ戦場に、身を隠しながら敵を探す怪奇人間がいた。
(「あらゆる神秘を根絶するなら、神秘そのものらしきお前たちの存在はなんなんだ……」)
 彼、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は至極真っ当な疑問を抱きながら隠れながら静かに山中の探索を行っていた。
 真のシルバーレイン、世界結界。それは神秘そのものである聖杯によりこれまた神秘の儀式で作り出された結界で、七百年もの間神秘を否定し続けてきた神秘の存在だ。
 実質自身以外の神秘を拒絶する神秘といった所なのだろうが、今それを考えた所でどうにもならないだろう。
(「どうにか凌いで、勝機を見出すだけだな」)
 丁度よい草影に隠れ周囲を見る。2メートルをやや超える真のシルバーレインは機械的な動きで山を下ろうとしている。
 それも都合よく単独行動していて、暗殺を仕掛けるにはもってこいだ。
 ユーベルコードを起動、そのまま気配を殺して殺気を隠し、特殊な歩法で背後から忍び寄る。
 これは彼自身の純粋な技術と体術、経験の積み重ねによるもので、そこに神秘の介在する余地はない達人の業。
 神秘を否定する銀刃の雨降り注ぐ戦場でありながら、その効果通りに音もなく忍び寄る鏡介に狙われた真のシルバーレインは感知できていない――刀の間合いまで、近づいた。
「獲った――澪式・弐の型【伏龍】」
 利剣【清祓】を抜刀、淡紅色の軌跡が真のシルバーレインの腰のやや上を通過し両断、ずるりと上半身が滑り落ちて地面に落下した。
 そのまま鏡介は静かにその場を離れ、地形の高低差を利用し身を隠す。他の個体が即座に反応し近づいてくる事はないようだ。
 それを確認した鏡介は再び次の敵に狙いをつける為、音もなく行動を再開した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
神秘が無効化されようが、こちとら剣士でメカニック
どうとでもなるんだよなあ
兎も角、追い掛けなきゃいけない奴がいるから悪いけど前座には早く退場して頂こう
速攻で片付けて、次に行かせて貰うよ

《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
神秘とは無縁な、純粋なエネルギーの放出で纏めて吹っ飛ばす!
シルバーレインが射程に入ったら【エナジー解放】起動
範囲攻撃でダメージを与え、倒れていない奴は剣での『なぎ払い』や『串刺し』で追撃を掛けていこう
刃の雨は当たりたくないから、『斬撃波』を飛ばして迎撃
悪いね、こっちにもバフ撒いてくれるなんて
神秘なんてなくたって、人は強いんだよ
さあ、次相手してくれるのは誰だい?



●神秘に依らず雨を払う
 ――月夜・玲(頂の探究者・f01605)はスペースノイドのメカニックである。
 気ままに自由に生きる彼女は各世界の技術を収集し、UDCの力を限定的に再現する事を目指した模造神器『System[Imitation sacred treasure]』という代物まで開発している。
 明らかに神秘の存在であるUDC、それを人類の叡智で解析し生み出したそれは、この神秘を拒絶する戦場で十二分に効力を発揮していた。
「神秘が無効化されようが、こちとら剣士でメカニック。どうとでもなるんだよなあ」
 再誕の詩と帰還の為の力――四振りのうち二振りを抜刀した玲は、神秘を根絶せし存在達を前にしても普段通りの在り方だ。
「兎も角、追い掛けなきゃいけない奴がいるからね」
 この戦争の元凶である聖杯剣揺り籠の君をはじめとしたオブリビオン達、そして逃走したハビタント・フォーミュラ。いずれも討たねばならない玲にとってはこの世界結界そのものの存在といえど前座に過ぎない。
 低空を飛行し銀の雨を降らせながら迫ってくる真のシルバーレインが彼女の射程に入る。
「速攻で片付けて、次に行かせて貰うよ」
 ユーベルコードを起動し、刃から莫大なエネルギーを放出させる。
「エネルギー解放、広域放射!」
 神秘とは無縁の純粋なエネルギーを放つ刃を力強く振るい、宙に浮いた真のシルバーレイン達を薙ぎ払った。
 強烈なエネルギーの奔流に数体のシルバーレインが飲み込まれ、回避した数体が滅神詠唱兵器を構え降らせる刃の雨と共に玲へと突撃する。
「甘い!」
 左手の刃を空に振るい降り注ぐ刃を迎撃しつつ、向かってくる真のシルバーレインへと逆に飛び込み滅神詠唱兵器の刃を躱しながら右の刃を胴体に突き立てる。
 そのまま引き抜きつつ真のシルバーレインを足場に跳躍、後続の数体を模造神器より放出されるエネルギーで一気に薙ぎ払い迎撃する。
「悪いね、こっちにもバフ撒いてくれるなんて」
 着地しつつ皮肉気に玲が言う。
 本来であれば神秘持つ者を徹底的に弱体化するこの環境は、神秘に依らない戦法を取れる玲にとっては真のシルバーレインと同様に有利に戦えるくらいに相性がいい。
「神秘なんてなくたって、人は強いんだよ」
 邪神たちの領域に技術と叡智で迫らんとする探求者は、それを体現しつつ走り迫ってくる戦闘存在達を見据えて、
「さあ、次相手してくれるのは誰だい?」
 二振りの刃を軽く振るい、玲は次なる真のシルバーレインへと模造神器を構えるのであった。
 
 そして卯辰山に降っていた銀の雨は止んだ。
 猟兵達の迅速な戦いは、いずこかへ逃走したハビタント・フォーミュラの手掛かりを確かに掴むことに成功した。
 かの存在を追い詰めるのは、他の敵を殲滅してこの戦争を猟兵達の勝利で終えてからになるだろう。
 故に猟兵達に休む間はなく、残る強敵たちとの戦いへ向かっていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月14日


挿絵イラスト