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銀河帝国攻略戦㉓~対護衛軍決戦

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 ある解放軍戦艦船首内部。
「やはり我々だけでの突破は無理か……」
 艦長と思しき中年の男が呟く。その視線の先にあるのは帝国旗艦『インペリウム』を守護する、強力な宇宙艦隊『インペリウム護衛軍』の戦艦だ。
「銀河皇帝まであと一歩というところで……!」
「敵艦に高エネルギー反応!主砲、来ます!」
「急速旋回だ!バリアも集中させろ!」
 刻々と悪化する戦況。無謀な特攻案、一時撤退案なども出る中、一つの報せが解放軍戦艦にもたらされる。

『猟兵部隊による『インペリウム護衛軍』攻撃作戦開始。援護射撃求む』

「猟兵……!来てくれたか」
 先の敗戦ムードから一転、十分な戦意を持ち直した解放軍。彼らの目に曇りは無く、迷いも最早存在しない。
「さぁ、第二ラウンドの開始といくぞ。我らの頼もしき戦友を援護する!」
 戦争の行く末を決める戦いが始まろうとしていた。


 グリモアベースの一角。戦争中故か普段よりも慌ただしい雰囲気がある中で一人のグリモア猟兵が集まった猟兵たちに今回の作戦内容を説明していた。
「今回の作戦は帝国旗艦『インペリウム』を守護するという宇宙艦隊『インペリウム護衛軍』との決戦なのですよ」
 今回の作戦を担当するグリモア猟兵の一人、アレキサンドラはそう切り出すと、淡々と詳細を説明し始める。
「現在、解放軍艦隊が『インペリウム護衛軍』と砲撃戦の真っ最中な訳ですが、このまま戦い続けても『インペリウム護衛軍』を撃破する事は不可能なのです」
 不利な戦況も顔色一つ変えずに語るサンドラ。
「というのも、『インペリウム護衛軍』は防御力が非常に高い事に加えて、銀河皇帝の力により、損傷を徐々に回復する能力が備わっているらしいのですね」
 全く忌々しい事です、などと呟きながらも彼女は説明を続ける。
「『解放軍』のみでその回復能力を超えるダメージを与える事は不可能。つまり、『解放軍』だけではどうあがいても勝ち目はないって事なのです」
 現状では勝ち目の無い戦い。だが、ここに猟兵が介入すればどうなるか。
「まぁ、それを何とかする為の私たち猟兵という事で。『解放軍』と猟兵による同時攻撃作戦の開始という訳ですね」

 作戦の概要はこうだ。
 まず『解放軍』戦艦が全力を賭けた砲撃により『インペリウム護衛軍』戦艦の外壁に猟兵が突入できるだけの穴を開ける。
 猟兵部隊はその穴より戦艦内部に突入し、指揮官を撃破する事で戦艦の無力化を狙う、という事だ。
「実に分かりやすい作戦ですね。内部に突入するまでは『解放軍』の援護射撃があるので、道中の心配は無用です。中に入った後の指揮官との戦闘に全力を尽くすのです」
 指揮官を撃破する事ができれば作戦目標は達成となる。穴に突入するまでの道中も楽に進めるため、とにかく指揮官との戦闘が重要になる。
「さて、ではそろそろ行くのです。この後に銀河皇帝との戦いもあるのです。軽く捻ってやるのですよ」
 サンドラはそう締めくくると、猟兵たちの転移準備を始めるのだった。


なごみ
 こんにちは、MSのなごみです。
 今回のシナリオでは『インペリウム護衛軍』戦艦の指揮官を相手に戦う事になります。
 指揮官に辿り着くまでの道中はばっさりカットし、指揮官と対峙する所からリプレイがスタートするので、プレイングも戦闘全振りで大丈夫です。
 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『ファントム・ガンマン』

POW   :    ボムファイア
【ブラスター銃の最大出力放射】が命中した対象を燃やす。放たれた【ブラスター銃の熱線の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    クイックドロウ
レベル分の1秒で【熱線銃(ブラスター)】を発射できる。
WIZ   :    ブラストキャンセラー
対象のユーベルコードに対し【ブラスター銃の一斉射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は麻生・大地です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 『解放軍』戦艦船首
「主砲エネルギーチャージ完了!いつでもいけます!」
「よし、我々のとっておきを連中に喰らわせてやるぞ。主砲、撃て!」
 艦長の合図と共に、『解放軍』戦艦の主砲が吠える。艦内のエネルギーの大半をつぎ込んだ渾身のビーム砲はぐんぐんと伸び━━『インペリウム護衛軍』戦艦の堅牢な外壁に大きな穴を開ける!
「着弾確認!俺たちもなかなかいけるじゃねぇか!」
 作戦の第一段階成功に沸き立つ艦内。だが、まだ戦いは始まったばかりだ。
「後は猟兵たちの援護に全力を尽くす。傷一つ付けさせるんじゃないぞ!彼らの負傷は自分たちの負傷と思え!」
「合点艦長!腕の見せ所でさぁ!」
 『解放軍』の戦意は十分。戦いの舞台も整った。さぁ、後は猟兵の仕事だ。
真白・白夜
敵と対峙する際、ハンドガン・改を構えて銃撃戦をするように見せます。

敵の攻撃に対し、【オルタナティブ・ダブル】を使用して回避します。
攻撃手段を増やすため、好戦的で残酷な人格にも手伝ってもらいます。
「手伝ってくれ!」
『おう!戦いなら大歓迎だ!あいつをやればいいんだろ?俺に任せな!』

僕は、クイックドロウを併用した二回攻撃とスナイパーで銃撃。
もう一人の人格は、だまし討ちをして拷問具で敵を拘束。さらにコンバットナイフを併用した串刺しからの鎧無視攻撃、傷口をえぐると毒使いでダメージを与えます。彼を助けるために、たまに援護射撃します。

敵のクイックドロウは、残像による回避とオーラ防御で防ぎます。




 『インペリウム護衛軍』戦艦内部。『解放軍』の支援を受け、潜入した猟兵たちはここの指揮官であるファントム・ガンマンと交戦状態に入っていた。
「もう一人の僕……手伝ってくれ!」
 先陣を切るのは拳銃を持つ少年、白夜だ。彼は早速【オルタナティブ・ダブル】を使い、己の内に潜むもう一つの人格に語り掛ける。
『おう!戦いなら大歓迎だ!あいつをやればいいんだろ?俺に任せな!』
 その声に応え、現れる影が一つ。彼こそ白夜の内に潜む凶暴で残忍な人格だ。
「へぇ、俺に銃撃戦を挑もうっての」
 銃を構えた二人を見て、ガンマンは笑う。銃での戦いこそ彼の本領。己の得意分野で負けるはずは無いという確信が彼にはあった。
「……行きますよ」
 白夜が愛用のハンドガン・改の引き金を引くと同時、ガンマンもまた愛銃を抜き放ち【クイックドロウ】を放つ。
 白夜の放つは正確無比なる2発の弾丸。対するガンマンの銃撃は正確さこそ劣る物の、白夜と彼のもう一つの人格にそれぞれ5発ずつ。
「……早い、けど」
 予想よりも素早いガンマンの動きに軽く驚きつつも、白夜は当初から思い描いていた通りに大きく横に飛ぶ事でガンマンの銃撃を躱す。放たれた熱線は彼の残像を貫くのみだ。
 一方で、もう一人の白夜はオーラによるバリアを展開する事で熱線を気にせずにガンマンへと突進し、急接近を図る。流石に全ての熱線を防ぐ事は出来ずに傷を負いはしたものの、彼の目の前には白夜の弾丸の避けて体制を崩したガンマン。
 今であれば攻撃を当てる事も容易だ。
『捉えたぜぇ……!』
「何だとッ!?」
 至近距離から放たれた拷問具による拘束。これを避ける術はガンマンには無い。
 銃撃戦を行うと見せかけたのはフェイク。全ては白夜のもう一つの人格がだまし討ちを成功させる為の策だったのだ。
「残念でしたね」
『一発喰らっときな!』
 身動きのとれないガンマンに白夜のハンドガン・改による銃撃が撃ちこまれ、更にその傷をもう一つの人格が毒を塗ったサバイバルナイフで抉る。
「ぐうッ……!くそ!」
 苦悶の声を上げるガンマンだが、彼もさるもの。近くに居た白夜のもう一つの人格を蹴り飛ばし、拘束を脱出するやいなや後ろへ飛び退きつつ白夜へ熱線を放ち牽制を行う。
「っと……なるほど、一筋縄ではいかないようですね」
 放たれた熱線を躱した白夜は再び銃を構え直し、ガンマンと対峙する。
 戦いはまだ始まったばかりだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎
射手が相手とは。奇遇であります。私もでありますよ。
とはいえ敵は早撃ちガンマン。此方は面制圧と狙撃の傭兵。近距離での取り回しを考えれば――でも、後れをとるつもりはないでありますよ。

【UC:虚構の神脳(SPD)】(第六感6,見切り4)で敵の攻撃を未來演算して回避、必要なら【UC:矛反転する見えぬ壁】での防御(盾受け4)と高圧電流での反撃(属性攻撃1,追跡3)も。
避け続けながら、右手には04MV、左手にはSrius[K's](鎧無視攻撃10,鎧砕き21)の手数(2回攻撃6,クイックドロウ2)を以って、敵に余裕を作らせない。

「――速い。ですが、無駄であります。視た、でありますから」


虎熊・月霞
やはー、お邪魔しまーすってねぇ。やっぱ外からじゃ落とせない時は、内側からって言うのが定石だよねぇ。という訳でぇ、討たせてもらうよぉ?

基本的に熱線銃を撃ってくるみたいだねぇ、まぁ僕の剣術の一つにてお相手いたそー。体を霞化して速射を躱しつつ接近して斬り伏せていくよぉ。いくら早撃ちでも当たらなければ、どーと言う事はなーいって誰かが言ってたしぃ。
……銃使うなら腕狙って武器を取り上げちゃってもいいかもねぇ。流石に他の攻撃手段も持ってるだろうけどー、選択肢を減らすって言うのも大事だと思うんだよねぇ。ということでこちらは没収となりまーす、なんてねぇ。




 開戦から猟兵側が一歩リードする形となった戦闘。続いてガンマンに攻撃を仕掛けたのは二人の猟兵。
 右手に04-MVアサルトウェポン、左手にWH04HL[K's]Siriusを引っ提げ、ガンマン相手に銃撃勝負を挑むのは紅眼の射手、紅葉・智華だ。
「射手が相手とは。奇遇であります」
 敵は自身と同じ銃器の使い手。扱う銃器と戦闘スタイルからして近距離戦ではこちらが不利。しかし、銃撃戦で後れをとるつもりはない。
 もう一人、愛刀である童子切・鬼血を手にガンマンへ迫るのは紫電を操る羅刹の剣士、虎熊・月霞。
「やはー、お邪魔しまーすってねぇ。討たせてもらうよぉ?」
 緩い調子ではあるが、その技量は本物。身体を霞へと変化させ、熱戦を回避しながら加速し接近するという攻防一体たる技【霞流転在】はこの局面において十二分にその性能を発揮していた。
「ちッ、どっちもちょこまかと鬱陶しい事この上ないね!」
 愚痴を吐き捨て、対峙する敵二人に向けて熱線銃による熱戦を放つガンマン。元よりダメージは期待していない、牽制の射撃。
 月霞は当然の様に体を霞に変化させる事で熱線を回避し、智華はまるでその射撃を予め知っていたかのように既に回避行動を終えている。
「――速い。ですが、無駄であります。視た、でありますから」
 彼女はガンマンや彼の手にする銃の動きを観察し、未来を計算したかの様な回避を見せる。これが奥の手、【虚構の神脳】だ。


「厄介なもんだねぇ」
 智華の銃による制圧射撃に晒され、霞と化し迫る月霞を前にしても軽い調子のガンマン。彼は智華の射撃による傷を負いつつも手早くリロードを済ませると、接近してきた月霞を迎え撃つ。
「捕まえたよぉ」
 童子切を構えた姿勢で霞より実態に戻り、攻撃を仕掛けようとする月霞に対し。
「それはこっちも同じ事だってね」
 【クイックドロウ】による射撃を試みるガンマン。彼女に攻撃を命中させるには霞化を解き、攻撃に転ずるその一瞬を置いて他には無い。被弾覚悟の決死の反撃。が。
「残念。それは通せないでありますよ」
 仲間の危機を前に智華のSrius[K's]が吠える。あらゆる世界の叡智の結晶から放たれた青白い熱線はガンマンの放った熱線を正確に狙い撃っていた。
 ガンマンの放った赤い熱線と智華の放った青白い熱線は絡み合い、消滅する。
 後に残るは月霞により放たれる斬撃。羅刹の怪力に加え、四尺もの刃渡りを持つ野太刀の一撃だ。咄嗟に後ろに飛んだガンマンだが、その体には深い傷が刻まれる。
「良い所で邪魔してくれる!なら、次はアンタだ!」
 再度攻撃を試みるガンマン。その対象は智華だ。
 彼は懐よりもう一挺の熱線銃を抜き、構える。その狙いは二挺より放たれる熱戦による視えていても回避困難な攻撃。
 だが、一人に攻撃を集中するという事はもう一人のマークが疎かになるという事。増して、近距離にまで接近された剣士から意識を逸らすのはこの上ない悪手だった。
「もう一挺持ってるなんて聞いてないよー。ということでこちらは没収となりまーす、なんてねぇ」
 再び放たれる斬撃。その狙いはガンマンが左手に持つ熱線銃だ。
 月霞の動きを見た智華はその狙いをガンマンの右手側に集中し、Srius[K's]と04MVによる射撃を試みる。
 三者の思惑が交錯する一瞬。
 月霞の野太刀がガンマンの左手に持つ熱線銃を両断すると同時、右手の熱線銃が熱線を放つ。その射線の先に居る智華もまた、両手の銃による射撃を行っている。
 再び絡み合う熱線。その結果も先程と同じく、両者の消滅。だが、今回はその後に続く者がある。
 04MVにより放たれた実弾。それは熱戦が消滅した後を通り、正確にガンマンの胸を貫いた。
「ぐッ……やってくれる、ねぇ……」
 流石のガンマンも肩で息をし、体の各所に刻まれた傷からは多くの血を流している状態だ。
「いい加減諦めたらー?」
「馬鹿言え、やられたままで終われるかっての」
「……根性は認めますが、賢い選択とは言えないでありますね」
 軽い掛け合いの後、再び武器を構えるガンマン。決着の時は近い。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カーニンヒェン・ボーゲン
請われたならば、応えるのが猟兵というもの。
ここから先は、このジジイめらにお任せくださいませ。

剣刃を構えて前に出ます。
【UC:剣刃一閃】を使用の際は、剣撃の度に『2回攻撃』を行い、『生命力吸収』で『属性攻撃』を付与します。
ブラスターから得たなら、属性は火炎でしょうか。

切り込んだ一閃でブラスターの牽制、返す一閃でガンマンどのの胴を狙います。
切断できるならどちらもその期を逃しはしません。

銀河皇帝どのは、最終的に護衛軍を全て取り込み、その力の糧にされるのだとか。
…宜しいのですかな?
今更、事実を告げたとて動揺するとも思いませんが、
苦いものを抑えきれずに答えを求めます。
此処で止める。その意を固める為にも。




 傷つき、追い詰められながらも戦意の衰えないガンマン。どころか、ダメージが累積する程にその銃捌きは高まっていく。
 そんなガンマンの戦いを見て、一人の老紳士が彼の前に立つ。
「ここまでの奮戦、敵ながらお見事。しかしガンマンどのがどう頑張った所で、銀河皇帝どのは、最終的に護衛軍を全て取り込み、その力の糧にされるのだとか。……宜しいのですかな?」
 心の片隅に感じる苦いものを抑えることが出来ずに、カーニンヒェン・ボーゲンは問う。
「はっ、それがどうしたってんだ。俺はもう"終っちまった存在"なんだぜ。先にはどの道、滅びしかねぇ。それが遅いか早いかってだけだ」
 答えたのは本心か、あるいは適当に調子を合わせて時間を稼いだだけか。どちらにせよ、目の前の敵は戦いを止める気はないらしい。
「左様でございますか」
 そう答えるのは分かっていた。ただ、それでも確かめておきたかっただけだ。
「であれば、やるべきことは一つでありましょう」
 彼らは此処で止める。決意と共に、カーニンヒェンは美麗なる刀━━老兎を構える。
「上等」
 ガンマンもまた、熱線銃を握る手に力を籠める。
 睨みあう両者。暫しの静寂。時間にすればものの数秒であった。だが、彼ら二人には何時間にも感じられたであろう一瞬。
(ガンマンどのを間合いに捉えるには……後三歩といった所ですかな)
 自らを老いぼれと呼ぶ彼だが、猟兵としてならした肉体は一般的な老人とは比較にならない。多少の距離であれば、詰めるのも数歩で事足りる。
 極限まで張り詰めた緊張の糸。それを振り払うようにガンマンが銃を構える。
 対するカーニンヒェンの動きも速い。ガンマンの銃口が彼を捉えた時、既に一歩目を踏み出し終えている。
「速えな、だが!」
 距離が離れている事に加え、近接武器を振る速度よりは引き金を引く速度の方が早い。熱線銃から放たれた熱量はカーニンヒェンへと迫り━━。
「だが……何ですかな?」
 ━━放たれた斬撃により斬られ、散っていく。
 二歩目の踏み出しと共に放たれた【剣刃一閃】。近接斬撃武器が命中した対象を切断する技だが、それは熱線とて例外ではない。どころか、斬ったものの力を吸収する力を持つその斬撃は熱量を吸い取り、老兎の刀身を赤く燃え上がらせる。
「何……だと……!?」
 三歩目。熱線銃の最大出力を使ったガンマンには攻撃手段が残されていない。
「さながら【炎刃一閃】とでもいった所でございましょうか」
 先程とは真逆の軌跡を描きながら放たれる炎刃。それは遮るものの無い空間を奔り、ガンマンの胴を深く斬り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ、複数描写歓迎

解放軍の人たちも頑張ってるみたいだし、こっちはこっちの仕事をきっちりこなそうかねえ。

どうせ敵の船だし、穴だらけにしちゃってもいいよね。
【土竜穿孔】で床をぶち抜いて掘り進むことで敵のブラスター銃を回避しつつ、足音で位置を把握して足元から襲撃を仕掛けるよ。
攻撃回数を重視して何度も穴を掘っては奇襲を繰り返して、敵の行動を妨害するのをメインにしつつ、隙があれば生体電流による電撃で動きを止める事を狙ってみようか。
体は頑丈な方だし炎にも耐性あるから、多少ならブラスター銃の反撃は耐えられるかな。

まあ、戦争なんだし卑怯なんて言わないよね?言っても無視するけどさ。


明智・珠稀
ふ、ふふ。
少しでもお力添え出来れば幸いです。
さぁ、戦い合いましょう…!!

■戦闘
UC【妖剣解放】にて己のスピードを上げ
「貴方の銃と私の妖刀の速さ勝負です…!」
【残像】を出すほどに激しく動き翻弄、隙を縫って衝撃波を放つ。
敵の攻撃には素早くオーラシールドで防御を
「あぁ、力強い攻撃に私痺れそうです…!!」
うっとりド変態
「ですが。道を作ってくださった仲間達の期待に応えるのも、私にとっては至極恍惚、負けませんよ、ふふ…!」
笑みと共に距離を詰め、レガリアスシューズでの【スライディング】から体制を建て直し
愛刀で【2回攻撃】【マヒ攻撃】で斬撃の嵐と
「いただきます、ふふ」
可能ならば【吸血】を

※絡み&アドリブ大歓迎




 満身創痍ながらも、未だ倒れぬガンマン。その身を支えるは意地か、あるいは矜持か。
 猟兵達も攻勢を緩めない。ここで戦う時間が長引くほど、外で戦う解放軍の被害も大きくなっていくのだ。
「ここは私が参りましょう。ふふ……楽しい戦いになりそうです」
 前に出たのは妖艶な雰囲気を持つ美青年、明智・珠稀。目の前の強敵に笑みを見せつつ、妖刀『閃天紫花』に宿る怨念を身に纏い、自身の戦闘能力を向上させる。
 これが彼のユーベルコード【妖剣解放】。強力だが、その力には代償も寿命という代償も伴う。長時間の戦闘は自分の身を滅ぼす事にも繋がる諸刃の剣だ。
「さぁ、戦い合いましょう……!!」
 だが、そんな事は微塵も感じさせぬ余裕に満ちた笑みを浮かべ、珠稀は目の前のガンマンへと向かっていく。
 
 一方、戦場の中心から少し離れた場所にて。
「いいねぇ、やる気に満ち溢れてて。それじゃ、こっちはこっちの仕事をきっちりこなそうかねえ」
 一人の猟兵が呟く。複数の動物特徴を併せ持つキマイラである彼女はペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード━━通称ペト。
「少し荒っぽく行くかな」
 そう言うが早いか、ペトは自身の立つ足元を高速で掘り始める。その狙いは地中からの奇襲だ。ガンマンの注意が珠稀へと向かっているこのタイミングであれば不意を突く事は容易。
「まあ、戦争なんだし卑怯なんて言わないよね?言っても無視するけどさ」
 そう、これは格闘技でもスポーツの試合でもなく、戦争なのだ。勝てば官軍という言葉もある。勝利を掴むための行動選択、そこに一切の妥協は無い。
 地を駆ける刃と地に潜む牙。その脅威がガンマンへと迫る。


「貴方の銃と私の妖刀の速さ勝負です……!」
 右へ左へ、熱線銃の射線を外すように激しく動きながらガンマンへと迫る珠稀。その動きの速さは残像を生み出す程。戦いに慣れていないものには決して捉えることの出来ない速度だ。
 その上で、一瞬の隙も見逃さずに衝撃波を織り交ぜていく。生半可な腕の者では一瞬で接近を許し、一刀の元に斬り捨てられていただろう。だが。
「なるほど、確かに速え。だけどな、集中を切らさなければ捌く事は難しくないんだぜ」
 ガンマンもさるもの。単純な射撃から移動先を予測した偏差射撃に加え、衝撃波も撃ち落とす。
 この勝負、移動の速さでは珠稀が勝り、攻撃の速さではガンマンが上手。このまま戦えばもうしばらくは拮抗状態が続いた事だろう。
「思った通り、素晴らしい技量ですね。ですが。道を作ってくださった仲間達の期待に応えるのも、私にとっては至極恍惚、負けませんよ、ふふ……!」
 先に大きく動いたのは珠稀。レガリアスシューズを唸らせ、大気を圧縮する事で駆動力へと変換。その力を利用したスライディングで一気に接近を試みる。
 ガンマンの反応も速い。接近する珠稀に向け、後退しつつ熱線の掃射を浴びせかけようと試みる、が。
 突如としてガンマンの背後の床が吹き飛ぶ。轟音と共に姿を現したのはペトだ。
「逃げようとしても無駄だよ」
「何ッ!?」
 突然の奇襲にはさしものガンマンも対応が間に合わない。ペトの振るう蛮族の戦斧がガンマンを斬り裂く。
「じゃあまたね」
 そして、ガンマンが反撃体制を整えた時、ペトの姿は既にその場にない。再び地中へと戻り、次の攻撃の機会まで出て来る事は無いだろう。
「余所見は頂けませんね。私の相手もしてもらわなくては……!」
 ペトの奇襲によって生まれた隙。その好機を逃さず、珠稀も接近戦を仕掛ける。
 ガンマンの放つ苦し紛れの熱線はオーラシールドを展開する事で防ぎ、麻痺の力を宿した斬撃を嵐の如く放つ。
 その攻撃とタイミングを合わせ、再び床が砕け散る。自分からマークが外れたと感じたペトが再度の攻撃行動を起こしたのだ。
 雷電尾の発電器官を稼働させ、武器に電撃を宿しての攻撃。これを麻痺攻撃と同時に受けては、いかに強靭な肉体と精神をもってしても満足に動く事は不可能。
「連携っぽい攻撃いくよぉ」
「ええ!華麗に決めて見せましょう……ふふ!」
 膝をつくガンマンへ追撃が走る。
 閃天紫花の美麗なる斬撃と、蛮族の戦斧による力強い一撃。方向性こそ異なれど、鍛え上げられた二つの技がガンマンの肉体を破壊する。
 噴き出す鮮血。珠稀は自らの口元に飛び散った血をペロリと一舐め、恍惚とした表情を浮かべる。
「まだ立てるなんてタフだねぇ。そろそろ倒れて欲しいよ」
 あれだけの傷を負いながらも再び立ち上がるガンマンへ心底面倒くさそうに言うペト。
 だがしかし、これまでの猟兵の活躍により大勢は決した。後はガンマンへ引導を渡すのみだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

露木・鬼燈
ここは素直に接近するしかないよね。
瞬身焔舞で素早く間合いを詰めるです。
とは言え、ただ移動するのでは射撃のいい的。
態勢を低くして被弾面積を抑え、全力疾走。
サイバーアイで体の動きや銃口から射線を予測。
拙い位置に当たりそうなものは緊急回避。
圧縮状態で纏っていた呪炎を開放!
瞬間的に爆発的な推力を発生させるのです。
棒手裏剣や呪炎での牽制と合わせればイケルイケル!
剣の間合いまで詰めればこちらのもの。
呪詛を乗せた斬撃を連続で叩き込むです。
…魔剣がなくても戦う手段はあるし、ぶん投げるのもいいよね。
僅かでも傷つけば呪詛が傷口を抉り広げ、血を啜り肉を喰らう。
気を通して刃と化した四肢と呪詛の組み合わせは凶悪っぽい!




 戦いも最終局面。指揮官としての意地を賭け、最後の攻勢に出るガンマン。
 対するは竜狩りの武芸者、露木・鬼燈。
「よーし、全力でいくです!」
 ガンマンを見据え、気合は十分。【瞬身焔舞】を発動し、その身に呪炎を纏うと一直線に走りだす。
 牽制で放たれる熱線の第一射は体勢を低くすることで躱し、続けざまに放たれた第二射は。
「呪炎、解放!」
 足に纏っていた呪炎の力を解放し、大きく上に飛ぶ事で回避する。
「ちッ、よく躱す。だが、流石に空中では回避も……」
 ままならないだろう。そう続けようとしたガンマンへ向けて無数の棒手裏剣と呪炎が雨の様に降り注ぐ。
「攻撃させなければ回避しなくてもいいっぽい!」
 流石のガンマンといえど、この攻勢を凌ぎつつ正確な射撃は難しい。大きく後ろに飛ぶ事で棒手裏剣と呪炎を回避し体勢を立て直すが、その頃には鬼燈も既に着地を終えている。
「小賢しいね、全く……!」
「それじゃあ、おまけでもひとつプレゼントです!」
 熱線銃を構え直すガンマンに対し、鬼燈は手にしていた魔剣オルトリンデを投擲する。
「なにッ!?」
 牽制であれば先程の棒手裏剣か呪炎が飛んでくると予想していたガンマンだったが、剣の投擲は想定していなかった。
 意表を突かれた彼は一瞬の隙を見せてしまう。そして、その隙は手練れの猟兵を相手取る際には致命的となる。
「余所見したら駄目なのです」
 気が付けば、目の前には拳を振りかぶる鬼燈。
「速い……!」
「これで終わりっぽい!」
 例え武器を手にしてなくとも、その身体こそが最大の凶器。四肢へ気を巡らせる事で気功闘法<刃>を発動し、呪炎を纏った右拳がガンマンへと放たれ……その身体の中心を貫く。
「ごふっ……見事なもんだね……」
 拳で貫かれた傷から呪詛が広がり、ガンマンは力なく崩れ落ちる。やがてその身体は空気に溶ける様に消えていく。
「これで終わり……かな?バッチリ決まったっぽい!」
 過去は過去へと還り、未来は再び照らされる。また一つ、猟兵の手で未来は開かれたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月25日


挿絵イラスト