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銀河帝国攻略戦⑳~白の終幕

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #白騎士ディアブロ

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 例え独りとなろうとも、その戦意、くじけぬ限り――。
「第二、第三のオブリビオン・フォーミュラになりうる敵を、今の内に撃破してしまいたい」
 告げた顔はいつになく真剣で。エンティ・シェア(欠片・f00526)は倒すべき敵の概要を説明していく。
 敵の名はディアブロ。『白騎士ディアブロ』である。
 『白魔』、『白城』の艦隊を突破した解放軍ではあるが、この敵を倒すことは出来なかった。
「何故ならば白騎士は我々グリモア猟兵が持つ未来予知と近いほどの、高精度の予測機能があるからだ。その機能を持って、自分に有利な未来を作り出せるのが彼の強みだ」
 たった一体の敵を、戦艦の砲撃も戦闘機の攻撃も、捉えられなかった。ゆえに、解放軍は白騎士の撃破を諦め、銀河皇帝への道筋を拓くことに専念する事になった。
 解放軍の戦いに、彼の討伐は必要ではないと判断されたのだ。
「だがまぁ、先程も言ったように、彼を野放しにしておくことはスペースシップワールドの未来に暗雲を残すことになるわけだからね、我々だけでなんとかしようと言うわけだ」
 これも先程言ったように、と前置いて、エンティは白騎士の持つ未来を作り出せるという機能について軽く話した。
「端的にいうなら、『全ての攻撃を逃れ』、『絶対に命中する攻撃』を『最大の効果を発揮する』わけだ。つまり必ず先制攻撃される」
 対象の未来位置に向けて放たれるレーザーは、攻撃を躱そうとする猟兵の先を呼んで照射されるだろう。
 逆にこちらの攻撃は、十秒先を見てきたかのような的確な行動で回避するだろう。
 また、戦闘力のない撮影用ドローンによる画像分析とシミュレーションによって、己の力を最も効率的に発揮する手段を見出すだろう。
 更には一度打ち倒されようとも、躯の海に逃れて完全復活して戻ってくる有様だ。
 躯の海からの帰還ポイントは予知できている。破壊された白騎士配下の艦艇の一つだ。つまりは待ち伏せからの奇襲、と言う形にはなるが、それでも、白騎士はその襲撃すら予測してこちらに先制攻撃をしてくるだろう。
「銀河帝国の技術の粋を尽くした武器による攻撃だからね、ただ単純に防御する、と言うだけではいけない。下手したら死ぬよ?」
 耐えるならば相応の準備と、覚悟を。
 釘を刺すような声から一転、トーンの上がった声で、対抗策は君たちに任せようと告げる。その顔には、いつもどおりの笑みがある。
「それぞれが得意とする行動はそれぞれが知っているはずだ。そして、得意同士を掛け合わせて得られる力を、よく理解しているはずだ」
 君たちならやってくれると信じているよ。
 激励を添えて、既に朽ちた艦艇への道を開くのであった。


里音
 里音です。戦争です。強敵戦です。張り切ってまいりましょう。

 ※白騎士ディアブロは、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 ※このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 皆様のプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『白騎士ディアブロ』

POW   :    収束する運命の白光
【対象の未来位置に向け放たれるレーザー】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    ホワイトライト・トゥルーライト
【10秒先を見たかの様に的確な攻撃を行い、】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予想シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニィ・ハンブルビー
デュエリスト・ロウを使った人から聞いた話だと
相手がルールを理解できない場合は威力が激減するらしいね
守る以前の問題になっちゃうし
そりゃね

てことで!宣告が聞こえないようガッチリ耳栓してくよ!
そもそも聞こえないから、ルールを守るのが困難って理屈だね!
多少のダメージはあるだろうけど、そこは激痛耐性で我慢する!
ルールってのは、お互いの権利を守るためのものだ!
一方的な宣告なんて!聞く耳持たないよ!

そんなこんなで、カウンター気味にズバズバの魔法を発動!
召喚した巨大な剣をメタクソに振り回して、
回数重視で白騎士を攻撃しまくるよ!
命中率が低くても、数うちゃ当たる!
体力が残っている限り、ひたすら攻撃しまくるよ!


死之宮・謡
良いねぇ?私を思い切り殺しに来い!私も御前を壊しに逝くさ!

WIZ
【永劫血統装具】の能力を頼りにゼロ距離のインファイトを敢行。相手の攻撃により流れた血を利用し【血命封縛陣】と【代償戦線】の能力で封印、攻撃、領域構築を同時平行。
「見切り」で即死だけ避ければ良い。後は「怪力」の「鎧砕き」で「二回攻撃」を続けて、破壊する。


まともにやってたら命が幾つあっても足りないからね?かなり狡いけど良いだろう?此でも勝てるか知らんけど?


イデア・ファンタジア
白騎士が現れる前、待ち伏せてる間に空想現界『空の白鯨』の準備をしておくよ。
床を、壁を、天井を泳ぐ魚達を描いて、まるで水中にいるかのように空中を泳ぐの。
白騎士が現れたら上から急襲――その途中でぽーんと服を脱ぎ捨てる!
着込んでいた水着になることで加速、敵の予想を覆しちゃうよ!
さらに『空の白鯨』のもう一つの力、水の抵抗で相手の動きを妨げるわ。
いくら二大巨頭でも、水中戦の経験はそうそう無いんじゃないかしら?

「あなた、六本腕なのね。けどこっちは七本筆だよ!」
一撃は七撃!力を貸して、セプテントリオン!
七本の絵筆から一斉に放つ塗料の狙いは顔と六つの手よ。
ヌルヌルさせて武器を持ちにくくさせちゃいましょう。




 ふわり、朽ちた戦艦の中に、水が、揺蕩う。
 優雅に泳ぐのは無数の魚たち――の、絵。
 そう、本来無機質だった艦内に、まるで本物の水が、水没世界が、そこにあるかのように描き出されていた。
 イデア・ファンタジア(理想も空想も描き出す・f04404)は、己が描いた世界を見渡して、満足気に頷く。
 まるでそこがイデアのアトリエであるかのように、周囲の壁も天井も、全て塗り替えられた時、それは現れた。
 骸の海より甦った、白騎士ディアブロ。
 彼は、イデアを含めた複数の猟兵がその場に居ることに、更には見慣れた戦艦の光景とこなることにも、何ら動揺を示さない。
 待ち伏せされていることは、当然のように気取っていた。ゆえに、イデアのように何らかの罠を設置していることも、白騎士は想定済みだ。
「小賢しいな」
 結末は、見えている。そう言わんばかりに、白騎士は六本の腕をそれぞれに繰る。
 第一に応じたのは、死之宮・謡(狂い果てし王・情緒不安定の狂戦士・f13193)。果敢にも懐に潜り込もうとするその攻撃も、無数に配置されたドローンが全て先読みし、容易く阻めるものだった。
 近づいてきた敵の急所を狙うことも、また同様に容易くて。光を放つ刃により、謡はその身を大きく引き裂かれる事となる。
 第二に、ニィ・ハンブルビー(怪力フェアリー・f04621)へ。巨大な剣を召喚し、こちらも接近戦に持ち込むつもりで居ることはお見通し。
 ならば至極単純に、その場に縫い止めてやればいい。差し向けられたレーザーは、ニィがどんな動きを取るかを予測して的確に照射され、その行動を制限するルールを課す。
「動くな」
 どんな技を持とうとも、動かなければこちらに届く刃はないのだ。
 仮に破れば、そのルールの単純さ故に、ニィへの攻撃は絶大なものとなるだろう。
「君の名は――ディープダイバー!」
 声が、降る。名付けの儀式を終えれば展開されるユーベルコード。繊細な色使いで構築された水中の光景に泳ぐような白が混ざる。
 水中のような空間を泳ぐことで、上空からの素早い奇襲を可能にしたイデアだが、所詮は生き物の軌道だ。高性能を極めたAIに読みきれぬものではなく――。
「見切ったと、思ったんだろうけど!」
 白騎士の腕の一本がイデアを捉えるべく伸ばされた気を見計らい、ばっ、とイデアは着ていた服を脱ぎ捨てた。
 泳ぐならば、水着である。予め着込んでいた水着姿になることで、イデアのスピードが瞬間的に上がる。
 そして、さらに。彼女の展開したユーベルコードは、白騎士を水中に招き入れるものでもあった。僅かな抵抗感が、白き遊泳者を捉えきれずに空を切る。
 些細な、本当に些細な誤算が、イデアに反撃の糸口を掴ませた。
「だが、最早貴様のみ……」
「勝手に、殺さないで?」
 囁くような声に、ドローンの動きがせわしなくなるのを、白騎士は見た。
 視線の下で、切り伏せたはずの謡が口角を上げて笑っているのを、見つける。
 その身は、確かに大きな傷を負っていた、けれど、その切り口の端から、超速再生していくのを、ドローンのレンズが捉える。
 ――自己再生機能を確認。
 ――流血による能力媒体の確保を想定。
 ――推奨、退避。
 白騎士の電脳内に大量の情報が注ぎ込まれる。謡が未だに戦力足り得る理由は、即座に悟れた。イデアのユーベルコードが白騎士の剣閃をわずかに鈍らせ、それを更に、謡が見切ったことで、致命傷に至らなかったのだ。
 なおも弾き出されるドローンからのシミュレーションにより得た、謡からの返り血は、そのまま武器と同等の能力性を持つとの分析が、一歩分、白騎士に距離を置かせる。
「退くところじゃない……私を思い切り殺しに来い! 私も御前を壊しに逝くさ!」
「死に体で、小癪な……」
 足元の血溜まりを踏みしめ、なおも食い下がった謡の戦闘力が、瞬間的に上がる。
 だが、握りしめた武器を振り抜くよりも先に、その腕に熱を感じ、同時に力が抜けた。
「チッ……」
 超速再生で保っている謡だが、その速度にも限界はある。浴びせるつもりだった一太刀は、自分が想定したものよりもずっと力の劣るものになったが、その装甲に傷を一つ、刻むことは出来た。
 追撃を、と顔を上げた謡の視界には、左右から白騎士に迫る姿が。
 一つは白騎士の攻撃を間一髪で躱したイデア。そして、もう一つは。
「戦力外だと思って油断でもした?」
 確かに白騎士の放ったレーザーに射抜かれ、動くことを制限されたはずの、ニィだった。
 ――いや、その制限自体は、機能してた。ニィの体は、激しい炎に焼かれたように、所々がただれていた。
 だが、白騎士が一撃で仕留められると踏んだ程のダメージは、与えられていなかった。
「ルールってのは、お互いの権利を守るためのものだ!」
 高らかに宣言して、巨大な剣を叩きつけるニィの耳は、これでもかと言うぐらいガッチリと塞がれていた。
 これでは自分の声が反響するばかりで、周囲の音もろくに聞こえはしないだろうと言うほどに。
 実際、彼らがどんな言葉のやり取りをしているかなんてさっぱり分かっていない。だが、それでよかった。白騎士のレーザーに似たユーベルコードを使用する者から聞いたのだ。
 相手がルールを理解できていないと、威力が減少する、と。ニィは、これに賭けた。
「一方的な宣告なんて! 聞く耳持たないよ!」
 果たしてその読みは大筋で成功であった。しかし、ニィは知性ある存在であり、戦闘においての思考が十分に可能な猟兵だ。
 それ故に、課せられたルールへ、想像が至ってしまう。白騎士の命令があまりに単純だったが故に、全く理解が出来ないという状態には出来なかった。
 だが、耐えられる程度に軽減できればいい。そして、剣を振り回すだけの体力が残っていれば、いい。
 これだけ近寄ってしまえたのだ。数撃ちゃ、当たる!
 白騎士にとって一番の誤算となったニィの攻撃を起点に、イデアは自身の持つ七本の筆を巧みに操り、白騎士をカラフルに染めていく。
「あなた、六本腕なのね。けどこっちは七本筆だよ!」
 まして、三人の猟兵に取り囲まれた状態では、防ぎきれまい。
 鮮やかな赤が白騎士の視界を狭め、混ざり合う黃と緑が、腕の幾つかに塗料を握らせる。
 それは攻撃と言えるほどの力は持たないながらも、白騎士の行動を阻害する一助となっていた。
 ――だが、そこまでだった。
 再びニィに照射されたレーザーは「伏せろ」の命令と共に、すっ、と腕を下げる仕草で、ニィの命令への理解を深めさせられる。
 既に何度も攻撃を受けていた謡もまた、再生が追いつかずに膝を折った。
 慣れていない、というだけの水中行動と脱衣による速度の増加は一度切りしか通じない。
 彼女らが撤退に至る間もなく倒れ伏すのは、時間の問題であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

四軒屋・綴
やれやれ……変身もキメずに馳せ参じるのは流儀に反するのだがなッ!

自家製ボディと装備をあらかじめ装備し参戦ッ!

対して良くもない頭だが、捨て石にくらいはなって見せようッ!蒸気機関車型装備を両腕に装着ッ!二種の射撃装備を【一斉発射】ッ!空間を埋める弾幕で少しでも命中率を上げるッ!同時に【ダッシュ】ッ!味方が居れば【援護射撃】も併用ッ!後方へ回り込むように射撃を続けて追い込むッ!

敵の攻撃が緩んだらユーベルコードを発動ッ!ロマンを捨てて掴んだ突破口を見るが良いッ!

……見たな?見てしまったなッ!

動きが止まったら『モックズブッパ』による射撃と同時に全力ダッシュッ!『ソードモード』に切り替えて斬るッ!


フィロメーラ・アステール
「ここから先が見えるかな! 白騎士!」
因果・法則・世界を歪曲させる『星の衣』で、あらゆる事象に対して強力な【迷彩】をかけるぜー!
あたし自身が不確定要素となって予測から逸脱!
敵が見た10秒の中に0.1秒の誤差がありゃ十分だ!
【第六感】の導きと【残像】のスピードと【空中戦】のフットワークで攻撃に対応!
【パフォーマンス】で培った予測不可能な演出を織り交ぜてかく乱し、味方に「意外といける?」みたいな【勇気】を与え【鼓舞】するぞ!

そして【全力魔法】を込めた【運命導く希望の星】!
幸運の星の光を召喚して身に纏うぜ!

味方の幸運は、裏を返せば敵の不運でもある!
白騎士をアンラッキーにすることで仲間を支援だー!


緋翠・華乃音
厄介な敵だな。こういうのが狙撃手の天敵だ。
だったら今回は狙撃手としてではなく暗殺者として挑ませて貰おうか。

自慢じゃないが俺は打たれ弱い。
一撃でも喰らえば最後――ならばこそ、誰よりも回避は得意なんだよ。

さて……10秒先を見られたなら、此方も10秒先を――なんて考えはしない。
10秒先なら負けてるだろうな。
じゃあ――ユーベルコードで一瞬の先を読み続けよう。
先天的に優れた直感、蓄積された戦闘知識と『第六感』や『見切り』等の各種技能をユーベルコードに上掛け。
人の形を持っているか以上、構造的な問題として動きが読みやすくなるという欠点を突く。
ここまですれば読み合いは恐らく互角。
後は手数と速度で圧倒しよう。




 その姿は、突如として現れた。
 先んじて接敵していた猟兵達のあとを継ぐように躍り出たのは――いや、敵は姿を表さなかった。
 二人、潜んでいることは悟れた。だが、白騎士はその姿を正確には視認できていなかった。
「ここから先が見えるかな! 白騎士!」
 声はすれども姿は見えず、などとはよく言うが、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)の現状が、正にそれだった。
 彼女が身に纏っている星の衣と呼ばれる防具は、因果、法則、世界を歪曲させ、フィロメーラに強力な迷彩力を与えていた。
 一方、緋翠・華乃音(prelude finale.・f03169)もまた、場に潜んでいた。
 元来狙撃手である華乃音にとってはそれが自然であるために。
 それに対し、白騎士は彼らを視認することには躍起になることはなく、悠然と進む。
 そこへ、第三者が現れた。
「やれやれ……変身もキメずに馳せ参じるのは流儀に反するのだがなッ!」
 立ちはだかるように、四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)は白騎士の前に立つ。
 その身は普段の姿のまま。蒸気機関車系ヒーローへの変身は、今回はお預けだ。
 だが、それでも、宇宙の危機とあらば駆けつけるのがヒーローである。そしてヒーローたるもの、己が身を賭してでも、臨まねばならぬ時がある!
 既に戦闘態勢になっている綴は、両腕に装着した蒸気機関車型のユニットより、二種類の射撃を行う。
 射撃と同時に、綴は駆け出す。敵の背面へも回り込み、未来を先読みして回避されると言うならば、回避する隙間もないくらいの弾幕を――。
「その程度か」
 煙の立ち上る銃口の先に、白騎士は居なかった。
 宇宙技術の粋を集めたその身は、恐らくは通常武器での攻撃など対して意に介することもなく流してしまえるのだろう。
 しかし、それよりもなお有効的なのは、その軌道を先読みして回避することである。66機ものドローンのレンズが正確にその軌道を読み取るのだ。ただの銃撃では勝ち目など無いと、知らしめるかのように、白騎士は綴の放つものとは比較に鳴らない威力のレーザー銃を放った。
「ぐっ、ぬぅ……!」
 だが、その一撃は綴を仕留めるには至らない。
 強力な迷彩効果によって身を潜めていたフィロメーラが、思い切り体当たりをして軌道を逸らしたからだ。
「一対一なら、死んでいたかも知れんがな……ッ!」
「連携できる強みってやつを見せてやるぜー!」
 ひらりと衣が翻りちらりと一瞬だけ見えるフィロメーラの姿と、快活に響くその声は、彼女が常に移動していることもあってかどうにも位置が噛み合わない。
「なるほど」
 一つ呟いた白騎士は、不意に腕の一本を艦内の瓦礫へと向け、レーザーを照射する。
 だが、その狙いは外される。確かにそこには華乃音が潜伏していたが、二人の猟兵との対峙や、白騎士の立ち位置、ドローンの配置などを冷静に分析し、『この場所へ潜伏した華乃音が攻撃を仕掛ける機会を先んじて封じる』だろうと読み、回避したのだ。
 やっていることは、白騎士と同じ。見極め、分析し、判断に判断を重ね、先の先を読む。
(読み合いは、互角に出来ているはず、だが……)
 ユーベルコードに培った技能を上乗せして、限りなく高精度の『未来予測』を実現した華乃音だが、実際、攻撃の機会を一つ封じられてしまっているのも事実。
 決め手が、足りない。そう、感じた瞬間だった。
「踏・那・列・車ッ!」
 綴が、張り詰めた緊張の場にあまりに相応しくない(しかしとても軽やかな)ダンスを、披露した。
 その突飛な行動は、彼のユーベルコードであり、追い求めた浪漫を捨てて、突破口を掴むもの。
 あまりに想定外な行動に、ほんの一瞬、白騎士が困惑する。
「……見たな?見てしまったなッ!」
 その最大の隙に、華乃音が反応するのを見越し、フィロメーラはくるりと中空で軽やかに旋回してから華乃音の傍らに降り立ち、満面の笑顔を湛えた。
「出ろー! ラッキーアイテム!」
 フィロメーラの声に応じて、その場に現れたのはキラキラと煌めく、星屑のような粉。
 それは、味方に強烈な加護を与える魔法の粉でもあった。
「白騎士をアンラッキーにしてやるぜ!」
 味方の幸運は、裏を返せば敵の不運。
 『未来予測』に幸運を加え、間一髪、転がるようにして白騎士のレーザー照射を回避した華乃音は、流星を模した狙撃銃を、真っ直ぐ、白騎士の腕に叩き込んだ。
「なるほど」
 もう一度、白騎士は呟いた。
「支援を重ねることによる連携は、見事であった。だが……」
 貴様らが負ける未来は、覆らない。
 絶対的な未来がそこにあるのだと、斬り込んでいった綴をレーザーソードで切り伏せる。
 撃ち合いになってしまえば、一度の被弾が致命傷になる華乃音の攻撃の機会は絶望的に減らされ、如何に光学迷彩と言えど、限られた空間内の行動パターンを繰り返しシミュレーションされては、やがて捉えられる。
「僅かでも我が身を傷つけたことを名誉に、散るがいい」
 その膝は、未だ折るには至らない。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

弥久・銀花
初撃を死ぬ気で対処しないと死ぬと言う訳ですね。 了解しました。

では、30秒後の事はその時考えるとして、今は白騎士への対処をします。


私はまず、初手で人狼咆哮を放ちます!
これで白騎士の攻撃を迎撃、あるいは軽減して、必殺の先制攻撃とか言うそんな理不尽はここでストップです!


その後は封刃の鞘杖から出る、クイックドロウの誘導弾で遠距離のドローンを、近くのドローンは衝撃波で破壊しましょう。

これで少しは後の人も楽になる筈!

私はそのまま刀で接近戦を挑んできます。


セシル・バーナード
古の『解放軍』はどうやってこんな怪物を倒したんだろうね? あらかじめ資料を読んでおこう。昔の戦記に、昨今の報告書も。「情報収集」と「学習力」で予習しなきゃ。

さて、始めようか。
レーザーは、「見切り」の上でフォックスファイアで相殺を狙う。
レーザー光線は基本的に熱でダメージを与えるもの。「火炎耐性」でしのげないか?

反撃の機会が訪れたら、「範囲攻撃」「全力魔法」のフォックスファイアで、逃げ場を封じて焼き払う。予知による回避の対策は、分かっていても逃げられない状況を作ることだ。
そのためには、うまく「時間稼ぎ」してそのタイミングを作らなきゃね。
ただし、一撃受けてそれでもう限界が来たら、即全力攻撃に移るよ。




 色のついた艦内に、咆哮が、響く。
 新たな敵の存在を確認した白騎士は、その声の出処へ向けて、レーザー銃を放つ。
 高威力の技同士のぶつかりあいだ。無差別に攻撃を与える弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)の咆哮は、白騎士の周囲を飛来するドローンの多くを破壊し、レーザーを拡散させる。
 だが、一点集中の武器と広範囲を巻き込む技の威力では、差があったようで。完全に相殺し切るには、至らなかった。
「迎撃は、出来ませんか……ですが、必殺の先制攻撃、とは行きませんでしたね」
 脇腹を大きく焼き貫く感覚に、銀花は表情を少しだけ歪めて、僅かに体を折る。
 だが、立っている。理不尽な未来操作に抗ってみせたと誇示するように、その二足で、真っ直ぐと。
 同時にけしかけたセシル・バーナード(セイレーン・f01207)もまた、撃ち出されたレーザーを無数の狐火で相殺しようと試み、そして同じように、その身を貫かれていた。
 銀花と大きく違い、幼いセシルはその痛みに苦悶し、じくじくと血のにじみ出る部位を、きつくきつく抑えていた。
 熱戦照射と同原理と踏んでいたが、火炎への耐性は、まだまだ経験が浅いし、痛いものは痛い。倒れるほどでは、無いけれど。
(昔の解放軍は、どうやってこんな怪物を倒したんだ……)
 過去の記録を読んでも、解放軍が白騎士を打倒したという、明確な記録を引き出すには至らなかった。
 対峙の参考にでもなればと思ったが、結局は、今持つ力で対処するしか無いという結論に落ち着いたのだ。
「我が武器が、宇宙技術の粋を集めたものだと、知らぬわけでもあるまい」
 それでも、ここまで初手で仕留めるつもりで居たものをそれぞれの手段で躱し続けてきた猟兵に、感心ぐらいは、していた。
 受けた攻撃も一つや二つではない。塗りつぶされた視界は相変わらず狭いままで、撃ち抜かれた腕は、動かない。
 体の傷も随分多くなってしまったものだと辟易して見せる白騎士を、銀花は強い眼差しで睨み据える。
(上手く初手は凌ぎました……ドローンの数も大きく減っている今が、一番の機でしょう)
 白騎士が再び号令をかければ、無数のドローンはすぐにでも現れることだろう。
 だからこそ、動くなら今しか無い。銀花がすかさず構えたのは、抜き身の刃ではなく、鞘。
 魔法の杖から作られたその鞘は、銀花の魔力を使用して誘導弾を放つ。
 強く歯を食いしばり、セシルもまた、多くの狐火を召喚する。
 もっとうまく時間稼ぎができていればよかったかもしれない。だが、初手で受けたダメージでは、満足に回避ができるかも怪しい。
 幼くとも賭けるべき時は、理解しているのだ。
 一つ一つが不規則な軌道を描きながら白騎士へと迫る炎は、あらゆる逃げ道を封鎖する。
「分かっていても逃げられない状況なら、どうかな!」
 直線的な軌道を持たないその弾と炎は、多くのドローンを失った状態の白騎士にとっては読みにくいものである。
 銀花の狙いが白騎士本体ではなくドローンの方へ向けられているとなれば、なお。
「小賢しい真似を……!」
 武器を持つ腕で、白騎士はセシルの狐火を払い落とす。ドローンのシミュレーションを得ていない行動は、初手ほどの緻密さはなく、しかし元来の性能を最大限活かし、セシルが全力を用いた狐火を掻き消した。
 だが、全てではない。死角にまで及んだ炎を払い切ることは出来ず、機械の体躯を焼き溶かす。
 それが、白騎士に『痛み』を与えているかは定かではないけれど。
(痛みがないなら……その傷が、致命傷に繋がっても気付かないかも知れないね……?)
(これで、少しは後の人も楽になる筈……!)
 装甲を、溶かした。あとを継いでくれる猟兵は、きっと、それを活かしてくれるだろう。
 それを最大限の功績として、彼らは意識を手放した。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

アララギ・イチイ
強敵か、どんな結果になるかなぁ♪

先制攻撃は致命傷、意識を失う場所のみ【早業】でシールドビットを展開、【盾受け】、それ以外は被弾可

上記の攻撃だけで瀕死になる可能性は低いので、【毒使い】で即効性の自分を瀕死にする毒を投与、及び解毒剤の準備(待ち伏せ中に毒を作成、解毒剤は戦況次第で投与

瀕死状態になったら【召喚・トリオ~】で子猫を召喚、攻撃開始
1匹は機関砲・速射砲で【援護射撃】、及びシールドビットによる瀕死の私の防御行動、2匹目は【念動力】でナノフィラメントを操り中距離、3匹目は超大型大剣による【2回攻撃】の近接攻撃

命中したのは私、ルールも適用も私、故に3匹は何の関係ない、はず(UC使用禁止は無理だが


クロト・ラトキエ
一歩進むをフェイントに、二歩分退がっては横に跳び…
先を予測されるというなら、戦闘知識にある定石とは離れた動きを選び、
可能な限り見切りを試み、艦を、瓦礫を、あらゆるを盾にして。
併せて、レーザーならフックで拡散も狙い。
高威力相手には気休め程度でしょうが、無いよりはマシでしょう。
近付ければ僥倖ですが、離れ駆け回るとも…
戦場に敷く鋼糸は、僕の領域。その布石。
痛くとも。後の後でも。
この身が動くというのであれば、
引いて、展開、範囲攻撃。
それすらも逃れるというのなら、
退避線状に回り込み、剣での一撃狙い
…の更に背に、戦場の亡霊を背負って、避けた先にまた一閃。

一撃くれてやりたい僕の、全部全部、フェイントですよ。




 白騎士には回復手段もなく、また、他の猟兵が読んだように、その傷が致命的な損傷ではない限り、たいして認知はしていない。
 未来予測への過信か、例え敗北を喫する事があっても骸の海から蘇る事が出来るからか。
 いずれにせよ、それを油断と受け止めて、猟兵達は攻撃し続けるのみだ。
(彼の予測には後どれくらいの猟兵が『見えて』いるんでしょうね)
 恐らくは、無数に投げられる石の一つ、程度にしか思われていないのだろうけれど。
 石なら石なりに、働くまでだとクロト・ラトキエ(TTX・f00472)は思案する。
 懐に忍ばせた瓶に手を触れさせながら、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)もまた、この強敵との邂逅がどんな結末に至るかに、思いを馳せる。
 だが、彼らの思案は素早く肉薄してきた白騎士の一閃によって、掻き消される。
 飛び退るクロトとは対象的に、その場に留まったアララギへ、下段から体を真っ二つにする勢いでレーザーソードが振るわれる。
 その軌道は、深く抉りこむようで。アララギは即座に致命傷を察知し、腹部の、特に軌道上に乗る部分に、シールドビットを集中的に展開した。
 レーザーと盾が交錯し、ばちりと熱の爆ぜる音を立てる。幾つものビットが焼き払われ、あるいは砕かれ、ついにはアララギ自身に到達したが、白騎士の目論見通りに一刀両断とは、行かなかった。
「ふ、ふふ、少しヒヤッとしたわよぉ」
 追撃をくらわぬようにと飛び退ったアララギと入れ違うように、クロトが踏み込む。
 一度は退いたと見せかけて。遠ざかるならばと向けられる銃口には近づいて見せて、ほんの少し体を捻って、更に懐へ。
 攻撃をするかと思えば、今まで猟兵達が与えた傷を確かめるように撫でて、また下がる。
 クロトの行動は一見意味もなくふらついているように見えるが、白騎士の未来予測を妨げるために、定石外れの行動を繰り返しているがため。
 捉えようと腕を伸ばされればするりとアララギの背後に忍び、更には彼女ごと、伸ばしたフックで引き寄せられた瓦礫の影に潜む。
 捉え所のない動き、ではある。
 けれど、残るドローンが彼を映し、その視線の向き、足の角度、重心の傾きを写し込めば、自ずと、次の行動は知れてくる。
 先を読むことができれば、白騎士にとってその動きを封じることは、容易いのだ。
 幾つか放たれ、戦場に張り巡らされ始めた鋼糸の一つを断ち切ると、初手を防ぎ、しかし反撃をする様子なく手元の小瓶を煽ったアララギ共々、ルールを課したレーザーを照射する。
 与えるルールは、初手と同様に、『動くな』として。
 聞いた瞬間、アララギはその口の端から血を流し、それでも口角を上げて笑った。
「ありがとぉ」
 愚かなルールを課してくれて。
 アララギが飲み干したのは、己で用意した毒。
 既に瀕死と成り、もはや動くことの出来ないアララギに、そのルールは全くの無意味。
 そして、彼女の代わりに、三匹のとても可愛らしい猫が召喚される。
 それらはアララギを守るべく、盾を構え、彼女の武器を念動力で操り、剣を構える。
 ルールに縛られない三匹の猫からの想定しない反撃を受け、白騎士は初めて、己の体に奔る幾つもの傷の存在に意識を向ける。
 叩きつけられた武器が装甲をはがしたか。塗料が内部構造に影響していたか。それとも幾つか被弾した弾か。あるいは装甲の溶解が著しい箇所があったのか――。
 思いを巡らせても、最早遅い。彼は一人で、猟兵は十人もの戦力をつぎ込んでいた、それがこの結果だ。
「どうしても、一撃くれてやりたいんですよ」
 そのために、意味のない行動も織り交ぜて、この場に付いた。
 白騎士の、背後に。
「気付ければばよかったですね、この傷に」
 クロトが狙い澄ますのは、白騎士の背後に大きく露出した機械の接続部。
 隠れていて然るべきだったのだろう、でも、見えている。これを砕けば崩れるだろうと思えば、刃を入れずにはいられない。
 だが、クロトが振りかぶった攻撃は、届かない。動くなと命じられたルールに反したために、刃を震えるだけの余力が残らなかったのだ。
「御託を並べて、終いか」
「んなわけ、ないでしょう――」
 瀕死のクロトの代わりに、より強力な一閃が、戦場の亡霊より繰り出された。
 かつての武士の刃は、正確に白騎士を穿ち、そして、その機械の体躯を、突き崩す。
「――――ッ!!」
 ばち、と。火花が爆ぜて。
 浮遊していたドローンが次々と落ちていく。
 そうして、彼の最期は声もないままに。
 その戦場に立つものは誰も居なかったけれど。一つの過去を、骸の海へと還したのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト