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【最終決戦】幽世を救う絆と抗えぬ運命の二人

作者：バロ

●オウガ・フォーミュラ「滅詩と幽銃」
「強力な妖怪を瞬時に籠絡できるだけの骸魂を蓄えてきた。必ず見つけてみせるさ。オレ達の病を治す唯一の手段……閻魔王をな！」
　そう、声をあげる幽銃のシズクは滅詩のユリともに閻魔王を探すためにカクリヨファンタズムに侵略していた。
　彼女らは自身の体内に『偽物の世界』が発生する奇病を患っており、それを破壊するために閻魔王の「世界を殺す懐刀」である「｜生と死を繋ぐもの《ヤマラージャ・アイビー》」を手に入れようとしていた。

●襲いかかる奇病
「くっ！」
「シズクお姉様…世界が…」
「わかってる！」
　世界を殺す懐刀を見つけ出す前に彼女らに奇病の発作が襲いかかる。体内で膨れ上がった『偽物のカクリヨ』に圧し潰されて死んで骸の海から再び同じ病を抱えた状態で蘇るという無限の苦しみが続く彼女らはそれを一刻も早く断ち切るべく閻魔王を探す…。
　だが問題は「その偽物のカクリヨが現れてしまうと本物のカクリヨが崩壊する」のであった。そうなってしまえばこの世界は危険だ。

●絆の柱
　彼女らの中の偽物のカクリヨの中は迷宮屋敷になっていた。その最奥の間に絆の試練が立ちはだかっていた。
　その存在はシズクとユリの絆を強くし、そしてこの偽物のカクリヨの「柱」として確かに存在していた…が「存在していない」
「誰にも知られていないが故に、姿が見えない存在」つまり外から来たものからには「見えない」のだ。

●グリモアベース
　偽物のカクリヨ、つまり迷宮屋敷に模した空間の中にグリモア猟兵エリク・エネコ（エネコ家若き当主・f36407）はグリモアで予知を見せた。猟兵たちの足元から見上げてエリクは告げた。
「カクリヨを守るにはユリとシズクを倒さなきゃならない。だが、その前に彼女らの中の偽物のカクリヨを破壊しないと不味いことになる…僕がその迷宮屋敷の入口までは転送する…だが本命の偽物のカクリヨは最奥の間…つまり見えない敵を倒さないと壊せない。」
　再びエリクはグリモアを掲げた。
「お前たちにしか救えない…猟兵の絆で抗えない運命のあの二人を終わらせるんだ」

第1章 冒険 『迷宮屋敷』

POW   :    直観頼りにとにかく進む SPD   :    きちんとマッピングしながら進む WIZ   :    壁を壊して進んでもいいんだろう？ 👑7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　偽物のカクリヨに転送された猟兵たち、迷宮屋敷の中に既にいる状態でバラバラに配置されていた彼ら。

　その中にユリとシズクの｜結末《エンディング》を覆そうとする猟兵がいた。彼女の名はアリス・セカンドカラー（不可思議な腐敗の｜混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202）だ。

「さて、取りこぼしも出てるけどまぁいい感じに禁呪召喚術転生の秘術を仕込めてはいるわね。ここのユリシズクにも仕込めればいいけど。倒してめでたしめでたしなんて｜結末《エンディング》を私は｜認めない《ブレイク》するわよ。　」

　アリスはこの入り組んだ迷宮屋敷を空間把握能力で精査、アリスにとってはこのようなことは造作もない。

　そして｜創造《想像》の力で作ったアリスが持っているものは｜生と死を繋ぐもの《ヤマラージャ・アイビー》のレプリカだった。

「レプリカだけどこの｜力《愛》に違いはないわよ？…」

　アリスは閻魔王の懐刀のレプリカで空を斬ると切断部位の接続で再構築しての空間ジャンプを可能として見せた。

「さぁ、｜覆しに《ブレイクしに》行きましょうか。ユリシズクの｜結末《エンディング》を。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

　グリモア猟兵によって転送された偽物のカクリヨ、迷宮屋敷の中にいる状態で猟兵たちはユリとシズクの中にある世界を破壊するべく迷宮屋敷を攻略しようとしていた。

「敵にも敵の事情があるのかもしれないけどそれでもボクはこの世界を守り抜くよ…まずはこの迷路を突破しなくちゃ、御姉様方妹達力を貸して」

　130の左頬に「1」と書かれた2966ナンバーズを召喚して見せたニクロム・チタノ（反抗者・f32208）は2966ナンバーズに毛糸を持たせて帰り道がわかるように迷宮屋敷を踏破していく。

「いくら複雑な迷路でも必ず正しい道があるならみんなで力を合わせてゴールを見つけるよ」

　ニクロムの強い絆はこの偽物のカクリヨの迷宮に惑わされなかった。

「昔に研究所で読んだ昔話で迷路をこの方法で突破した英雄の話があったのさ
だったらボク達も同じように突破できるはずだよ！」

　ニクロムたちは着々と迷宮屋敷を攻略。そしてその毛糸に続いて猟兵たちも後を追うと最奥の間にたどり着いた…。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　グリモア猟兵によって転送されてきた猟兵たちは迷宮屋敷を踏破しようとユーベルコードを使ったり、なにかしらの工夫を駆使したりと最奥の間、偽物のカクリヨにたどり着いていた。

　その中にバルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）は…。

「HAHAHA！対オウガ・フォーミュラ戦、了解デース！突撃しマース！カモン！バルタンズ！」

『バルルー！』『バルバルッ！』

　135体のバルタンズにお駄賃を渡して人海戦術で迷宮屋敷を攻略しようとした。屋敷中にバルタンズは散らばるように迷路を探索し、偽物のカクリヨへの道を見つけた個体はバルタンに一報を入れてバルタンはその個体について行く。

「……ユリ殿とシズク殿。死すらもが救いにならぬとは、何とも……。我輩が力になれるかはわかりマセンガ……今、参りマスヨ！」

　バルタンは心の中でユリとシズクをどうにかいい方向へ救えないかを思考錯誤をしながら偽物のカクリヨの襖の前に立つ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 ボス戦 『『絆の試練』アナスタシア』

POW   :    疑心の罪 【滔々と語られる愛の説法】を披露した指定の全対象に【己に向けられている愛情に対する、疑いの】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。 SPD   :    煌々たる失翼 【慈愛と歓喜の感情】を籠めた【飛ばした羽根の乱舞】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【持つ、大切な者との様々な関わりの記憶】のみを攻撃する。 WIZ   :    真偽不明の愛 自身が【愛する者同士の深く強い絆】を感じると、レベル×1体の【両者の、極めて精巧なニセモノ】が召喚される。両者の、極めて精巧なニセモノは愛する者同士の深く強い絆を与えた対象を追跡し、攻撃する。 イラスト：古ゐ手 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

　猟兵たちは偽物のカクリヨにたどり着いた。最奥の間に佇むその「柱」は「知られていない存在の妖怪」つまり猟兵たちの目からは「見えない」のだ。

　ただ、わかるのは異常なまでに膨れ上がる妖気とユリとシズクの絆を強くしている力だった。

　その「絆の試練」の「柱」はふふふっと笑みだけを響かせ猟兵たちを待ち構えていた。

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プレイングボーナス…「見えない強敵」に対応して戦う。


「見えないのに何かを感じる･･･なんだか不気味な感じがするね」

　迷宮屋敷を突破し偽物のカクリヨである最奥の間に着いたニクロム・チタノ（反抗者・f32208）は妙な空気を感じとった。偽物のカクリヨを支える「柱」アナスタシアはニクロムに滔々と語られる愛の説法を説き出した。

「貴女はボクとチタノをわかっちゃいない…。」

　見えないアナスタシアはスコしおどろいたような声を出したがもちらんニクロムには聞こえない。ニクロムはそのまま言葉を続ける。

「ボクにとっては反抗こそ真実だよ、ならその説法に反抗する。行くよ、反抗の加護あり。」

　ユーベルコード【貴女に反抗の竜チタノの加護を（チタノネクサス）】を唱え重力領域を展開してアナスタシアの動きを封じて蒼焔を全方位にばらまいて燃え上がらせて姿を炙り出そうとする。しかし「存在しない」ので姿を表さない。

「例え見えなくても火が付けばどこにいるか分かるんだよ…。見つけたよ、トドメだよ！」

　反抗の雷装でアナスタシアにトドメを指し偽物のカクリヨは崩壊し始める。

「真実の愛は説かれるものじゃなく自分で見つけるものだよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

「見えない敵ねぇ、まぁ、私の空間掌握能力の前では丸裸だけど。」

　見えるはずもない偽物のカクリヨの「柱」アナスタシアの顔は見えないがアリス・セカンドカラー（不可思議な腐敗の｜混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202）には「視える」…アナスタシアの怯える顔が。

「タイムフォールダウン、時間質量を解放し時を凍結させ一切合切の活動を禁じ封じるわ。さて…♪」

　見えないはずの柱であるアナスタシアの首元に手を添える。

「なんか喋ろうとしてた？まぁ、いいや。そもそも聞く気ないし。」

　ユーベルコード【サイキックヴァンパイア式戦闘料理（エッチナノウミソオイシイデス）】で柱を料理に変えてみせる。

「えっちなのうみそおいしいです❤　」

　妖艶な笑みを浮かべて、その柱だったものに口をつける。人齧りしたあとその最奥の間、偽物のカクリヨが揺れて崩れようとしている。

「あとはユリとシズクね……貴女たちの｜結末《エンディング》を崩してあげるわ。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

　迷宮屋敷をバルタンズの活躍のおかげで無事に最奥の間である偽物のカクリヨへとたどり着くバルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）は何もいないはずなのに微かな気配を察知し、警戒をし始め顔が険しくなる。そこに偽物のカクリヨの「柱」が滔々と語られる愛の説法を囁くように耳元で呟いた。

「ふむ……。……たしかに見えマセン。デスガ……。」

　バルタンは声のする方へと向いてユーベルコードを発動させた。

「骸式兵装展開、蛮の番！」

　魔獣兀突骨の超加速形態を模した姿へと変形したバルタンは理性を放棄し心を震えることも捨てた。よって「柱」の語りは無意味に等しかった。

「ヒャッハー！」

　その咆哮に似た声に逃げ出す「柱」だが獲物をさだめて魔獣の如く荒れ狂いながら追いかけ「柱」を叩き壊すバルタン。所詮、｜肉体言語《バトルで語る》メイドも得意な猟兵に説法などは無意味だ。

　そして「柱」が壊れたことによって崩れ落ちる｜迷宮屋敷《偽物のカクリヨ》。あとは偽物のカクリヨの「器」であった姉妹をどうするか…。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　迷宮屋敷の最奥の間、偽物のカクリヨの空間の中にある「柱」があるこの部屋にたどり着いた…いや「存在」した「部屋」に変換されていた。

　さすがの「柱」もいつこの「部屋」に居たのかすらわからなかった。そこは白い密室。

　その「密室」白匣・覚醒（密室探偵・f22856）は「柱」に語りかけた。

「君達は目覚めた。ここは真っ白な部屋だろう」

「……！」

　本来の語り部である「柱」が語られてる。それに恐怖した「柱」は滔々と語られる愛の説法など語る暇などなかった。閉ザサレタ、ユウデヱシイ蔓延ル白イ密室ハ、モハヤ、柱ガ柱では「ナクナッテイタ」

　やがてその密室に取り込まれるように消えていくソレの気配が消えあったはずの偽物のカクリヨが消えた。崩れ去る訳でも無く壊れゆくわけでもなく「密室」がその「偽の世界」を白い密室に取り込み消した。

　さぁ、あとは彼女らをどうするかだ。彼女らは偽物のカクリヨが消えたとて歩を止める気などないだろうと白匣は察していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

第3章 ボス戦 『滅詩のユリと幽銃のシズク』

POW   :    滅びの詩 【周囲を消滅させる効果を持つ、魔法の弾幕】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。 SPD   :    幽銃（ユウガン） レベル分の1秒で【指先から膨大な魔力で「幽銃（ユウガン）」】を発射できる。 WIZ   :    記憶の詩 【あなたの過去を写し出す「トラウマ」、】【あなたの記憶を回想させる「歌」、】【膨大な魔力で「過去と同じ背景」】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。 イラスト：あさぎあきら 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

　ユリとシズクは自分たちの中にある奇病が消えたことに驚きを隠せなかった。だが、これで奇病が消えたとは思ってもいなかった。

　どうしても閻魔王を見つけるためには世界のひとつが壊れようとも構わない。どうしても見つけださなければならないのだ。

　もはや話し合う気もないだろうこの姉妹は猟兵たちに敵意を向ける。

「シズク姉さま」

「あぁ、こいつらを片付けるぞ！」

※二人組のオウガ・フォーミュラである為、シンプルに「戦力が二倍」の強敵となる上に「妹のユリが『触れた者を消滅させる魔法弾幕』で敵を追い込み、姉シズクが『幽銃による膨大な魔力を込めた射撃』で撃ち抜く」という連携を必殺の戦法としています。


「まぁ、要は｜廃棄された時間質量《オブリビオンの構成物質》の物質組成を改竄して生前の種族に変えてしまえばもう戦う理由もなくなるわよね。そして、この｜混沌神のキッチン《アリスキッチン》であればそれも可能よ。エナジーを糧にするサイキックヴァンパイアたる私にとっては人間もれっきとした食材…料理になるわ。　」

「……何を言ってるのかさっぱりだな、お前……」

「シズク姉さま、耳を貸してはダメ。あの人嘘ついてる…。」

「時間はかかるけども、そこはタイムフォールでの時間質量の解放による時間の凍結で消し飛ばせるわね。」

　アリス・セカンドカラー（不可思議な腐敗の｜混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202）は話を進めている。その様子を見たユリは記憶の詩を歌い始める。過去を写し出し、記憶を回想させ、そして膨大な魔力でその記憶自体の背景を映し出すというやっかいな攻撃だ。

「ユリ！詠い続けろ！こいつなんかやべぇぞ！」

　シズクは｜幽銃《ユウガン》でアリスに連射。だがアリスの口角が上がり不敵な笑みを浮かべる。

「上質なエナジーをありがとう❤」

「なっ！？」

「私の詩が…！」

　詩と｜弾《魂》がアリスには「届かなかった」。シズクはまた連射するも「届かない」。

「そもそも位相をずらしてるから届かないわよ。あなた達の攻撃は「おやつ」でしかないんだから❤」

「なんなんだお前！」

「シズク姉さま！どうしよう！」

「ああ、そうそう、改竄の過程で奇病も時間質量の改竄で過去を改竄してなかったことにして取り除いたわ。」

「えっ……。」

　ユリがポカンとした顔になってシズクは眉を寄せてアリスを睨みつけた。

「何がしたいんだお前は…。」

「あなた達の｜結末《エンディング》を変えに来た…ただそれだけよ。それじゃあ、あなた達の世界に繋がり再会出来る日までごきげんよう。」

　アリスは踵を返してカクリヨから去ろうとする。だが奇病が無くなったどころかいろいろ改竄された姉妹はただただ立ち尽くすしか無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「お二方の境遇は、気の毒に思いマス……。」

「ならそこを退くことだな…本当に気の毒と思うなら通してもらうぜ。」

「しかし、オブリビオンとして世界を危機に晒すというのであれば、ワタシたち猟兵は立ち塞がるのデース！」

「シズク姉さま…。」

「あぁ…いくぞ、ユリ！」

　バルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）は滑走靴で空中を機敏に動き回り、ユリとシズクに接近する。

　しかし、シズクの｜幽銃《ユウガン》が接近を妨害し、ユリは周囲を消滅させる弾幕を張る「滅びの詩」を詠いだす。

（避けきれまないデスネ…なら！）

　バルタンはアームドフォートを一斉発射させて滅びの詩の弾幕と相打ち。

「んっ…！」

　その衝撃でユリの詩は止まりバルタンは一気に加速して接近しようとした。

「させるかっての！」

　シズクは幽銃を構えて弾を撃つ。焦りで照準がズレてバルタンの頬を掠めそれと同時にバルタンは煙を噴出させる装置を起動させようとした。

「六式武装展開、煙の番！」

「な、なんだ！？」

　煙に包まれ視界が奪われる姉妹。次の瞬間に2人の前からバルタンが現れた。

　バルタンにしたら一瞬。姉妹にしたらスローモーション。

　シズクはユリの前に躍り出て、ユリはシズクを後ろから抱きしめる。

「……また一緒になれるかな。」

「なれるよ…シズク姉さま。」

　そしてバルタンのパイルバンカーは2人の胴を貫く。激しいバトルは終わりシズクは動かなくなったユリを見たあとバルタンを見て言葉を放った。

「……オレ達みたいな奇病に掛かったヤツらがいたら……救ってくれ……同じ過ちを犯させたくないんだ。」

「……わかりマシタ。今までよく戦ってきたデス。」

「……止めてくれてありがとうな。」

　シズクは静かに目を閉じ、カクリヨファンタズムが救われた。バルタンは2人が消滅するのを見届けたあとこの場から去る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「君たちの身の上には同情する、だけどそのためにこの世界を危険にさらす行為をボクは猟兵として許容できない」

「なら止めてみろよ。どうせオレたちの中の世界が消えても奇病は繰り返されるんだ…オレたちは止まる訳にはいかないんだよ！」

「シズク姉さま…サポートする…！」

　ニクロム・チタノ（反抗者・f32208）が対峙するはユリとシズクの姉妹。2人は猟兵たちの手によって自分たちの中で膨らむ世界が消えたとて奇病は繰り返される。だから閻魔王を探すためにこの世界を壊すことなど構わなかった。

「反抗の力を。」

「させるかっての！」

　シズクは｜幽銃《ユウガン》でニクロムに弾幕を張るがニクロムは蒼焔の盾を展開して防御。

「無駄だよ。いくら膨大な魔力を込めていても八枚全てを破壊することはできないよ。」

「ちっ！だがなぁ！」

　ユリは「謳っていた」。滅びの詩だ。周囲を消滅させる弾幕が繰り広げられる。だがニクロムは重力槍を発射して魔法弾を迎え撃つ。ユリの弾幕が相殺されて姉妹の体の異変が訪れる。

「シズク姉さま。体が…重い…。」

「なんだこりゃ…！」

「身動きがとれなくなってきたでしょ？君たちの攻撃を防いでいるあいだに重力操作能力で君たちの周りの重力を倍増していたのさ…もう指ひとつも動かせない、さあ覚悟してもらうよ！」

「……ユリ。手を握れ。」

「うん…。」

　ユリとシズクは重たい体を必死に動かしてお互いの小指を絡めた。ニクロムはそれを見て一思いにっと。

「反抗の竜チタノよ、哀しき宿痾に救済の一斬を」

　そして姉妹は一斬を受け崩れ去るように足から頭にかけて光の塵が散って消滅していく。ニクロムはただ悲しい顔でそれを見届けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「あなた達の心情はお察しします。ですが俺の故郷であるこのカクリヨファンタズムを壊させる訳にも行きません……どうか許してください。」

「どうせ同情されたってオレたちの運命は繰り返されるだけなんだよ。閻魔王に会うためためにもお前の故郷は知ったこっちゃない。やるぞユリ！」

「うん…シズク姉さま！」

「……わかりました。」

　虹川・朝霞（梅のくゆり・f30992）は不本意な戦いに身を投じることを覚悟した。重い鉄下駄を履いてるとは思わせないゆっくりとした足取りで歩きながらユーベルコード【エレクトロレギオン】で小型機械兵器を多数召喚しユリとシズクを攻撃させようとした。

「そんなちんけなもんでオレたちを止めれるかっての！」

　シズクは｜幽銃《ユウガン》でそれらを撃ち落としてユリは記憶の詩を歌った。

　過去を写し出し、記憶を回想させ、膨大な魔力で「過去と同じ背景」を映し出すものだが虹川は生贄だったはずの嫁との思い出が蘇るばかりだ。

（この子達も本来なら俺と同じように幸せになるはずだった…だけど。）

　虹川は一気に踏み込みをいれてシズクに鉄下駄を履いた足蹴りで吹き飛ばす。

「ガハっ！！」

「シズクおね…！」

　続いてユリも足蹴りで吹き飛ばして両者を一瞬にして動かなくする。急所を狙った蹴りのため2人は苦しまずに眠らせた。

「俺のできることは…これくらい。違う形で君たちと知り合えたら変わっていただろね。」

　鉄下駄の音を鳴らしながら虹川は踵を返してこの場を後にする。

成功 🔵​🔵​🔴​

最終結果：成功 完成日:2023年02月05日