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第二次聖杯戦争⑯〜ふるえるもの

#シルバーレイン #第二次聖杯戦争 #フェンリルを統べる者

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「シルバーレインの世界で始まった大きな戦いは今も続いているわ」
 君たちに声をかけた石蕗・つなぎ(土蜘蛛の白燐蟲使い・f35419)は今回もそれに関連しているのだけどと言葉を続け。
「かつて『震えるミント』と呼ばれたゴーストウルフが居たわ」
 見た目は弱そうで、ジッサイヨワイそのゴーストウルフは「銀色の雨の時代」において数々の戦いを偶然とはいえ生き延びた者でもあった。
「最終的にはヨーロッパ人狼戦線3で倒されることとなったのだけど――」
 その震えるミントが何故かのどかな石川県庁前にポツンと佇んでいるのだという。
「討たれた存在なのだから当然オブリビオンなのだけど」
 オブリビオンと化した後も何だか妙に慕われており、そのカリスマ性というか人気と言うかそんなモノをハビタント・フォーミュラに増幅された上、「魔狼フェンリル召喚術」のユーベルコードを移植されて統率者に仕立て上げられたのだとか。
「その為でしょうね。ミントの頭上にはハビタント・フォーミュラから移植された膨大な魔力が「無限大マークの渦」となって顕現しているわ」
 これに加え、オブリビオンとして蘇生したかつて「背徳のラダガスト」の配下だった|人狼騎士《クルースニク》達が何故か皆勝手にミントの配下になっているのだとか。
「戦いになれば、この|人狼騎士《クルースニク》達がどこからか大量に押し寄せてミントを守ろうとするでしょうね」
 戦って撃破しようとするなら、彼らも同時に相手しながら統率者であるミントを倒す必要がある。
「けれど、このゴーストウルフのどこがいいのかしらね?」
 もし万一騎士達からそれを聞き出して意気投合できれば、戦う以外の道もあるかもしれない。
「仮にそうなれば、騎士達は自主的に『無限大の渦』を破壊してミントと一緒にどこかへ撤退してゆくと思うわ」
 それを試みるかどうかは君たち次第だ。
「かわいいと言うなら、蜘蛛童もかわいいと思うのだけど」
 元蜘蛛童であるつなぎとしては思うところあるのだろう。転送の準備を始めながらも何考えているようだった。


聖山 葵
 お前かーい!

 と言う訳で、今回は震えるミントと配下の人狼騎士たちをどうにかする風味のお話の様です。


 尚、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になるようです。

=============================
 プレイングボーナス:人狼騎士達に「何らかの」対処をする。
=============================

 ではご参加お待ちしておりますね。
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第1章 ボス戦 『フェンリルを統べる者『震えるミント』』

POW   :    なぜかフェンリルに慕われている
【魔狼フェンリル】を召喚する。騎乗すると【フェンリルの毛並みに隠れた】状態となり、【フェンリル頼みのパワー】属性とレベル×5km/hの移動力を得る。
SPD   :    けなげっぽい目で見つめて噛み付く
【かみつき】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【顔】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    くぅ〜ん、きゃんきゃん!
自身が【ぷるぷる不安な気持ち】を感じると、レベル×1体の【魔狼フェンリル】が召喚される。魔狼フェンリルはぷるぷる不安な気持ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:吉希

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

栗花落・澪
可愛い
あまりに可愛過ぎて僕のテンションも変な事になってます誰か助けて
騎士は無理だけど親衛隊になるぅ…!

こほん
あのね騎士さん達
騎士さん達はミントさんのどこが可愛いと思う?
なんならもう全然具体的に語ってくれていい
長くてもいい
僕も多分語ると長くなる
だからむしろ覚悟してください

毛並みめっちゃいいよねぇ
怯えたところも庇護欲くすぐるし護りたくなっちゃう
ただ可愛いだけじゃない凛々しさも垣間見えるのもいいよね、俗に言うギャップ萌えというやつでしょうか
普段の僕なら抱きついて愛でたくなるところだけど
ミントさんはもう眺められるだけでも嬉しいです尊いです

仲間…!
ミントさんがこれ以上傷つかないように守ってあげてください



「可愛い」
 見た瞬間、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)の口からぽそっと声が出た。
「こっ、これは……」
「きゃんきゃん!」
 視界の中で、澪自身の存在に気づいたのであろう。|なんか弱そうなゴーストウルフ《震えるミント》はぷるぷる震えながらかわいらしい声で吠えた。
「あっ、あっ、あっ……」
 呼応したわけではないだろうがの身体もふるふる震え、心は叫ぶ、誰か助けてと。こう、震えるミントのかわいらしさにテンションがおかしな方向へ向かってしまったらしい。
「騎士は無理だけど親衛隊になるぅ……!」
 どこで用意したのかタスキに文字を書き出して。
「そこで何をしてるんだ!」
 奇行が止まったのは、何か勝手に配下になったという|人狼騎士《クルースニク》なオブリビオンが澪の気配に気づいて現れたからであろう。ただ、戦闘に至っていないというかただタスキに文字を書いてただけなので現れた|人狼騎士《クルースニク》
の人数も控えめで。
「こほん」
 我に返った澪は咳ばらいを一つ。
「あのね騎士さん達」
 警戒心も顕わな|人狼騎士《クルースニク》たちに呼びかけ。
「騎士さん達はミントさんのどこが可愛いと思う?」
 そして問う。
「ミントの良いところ?」
「ミントの良いところだって?」
「なんならもう全然具体的に語ってくれていい、長くてもいい」
 顔を見合わせる|人狼騎士《クルースニク》たちに澪は訴える一方で、こうも言う。
「僕も多分語ると長くなる。だからむしろ覚悟してください」
 と。
「上等じゃないか」
「ふっ、まさか我らにそんな勝負を挑む命知らずが居るとは……いいだろう」
 何か別の戦いが始まりそうな雰囲気で。
「くぅ~ん」
 置いてけぼりを喰らったミントが介入する勇気もないのかぷるぷる震える中。
「毛並みめっちゃいいよねぇ。怯えたところも庇護欲くすぐるし護りたくなっちゃう」
「そうだろうそうだろう。俺もラダカストさ、もうラダカストでいいか。アイツの部下やめて良かったって心の底から思ってるんだわ」
「うんうん、護りがいがあるっていうか、今が充実しててさ」
 なんだか元上官が割とボロクソに言われてるが、誰一人気にした様子はなく。
「ただ可愛いだけじゃない凛々しさも垣間見えるのもいいよね、俗に言うギャップ萌えというやつでしょうか」
「「わかる」」
 ちらり震える姿を見てが感想を口にすれば|人狼騎士《クルースニク》の幾人かが口をそろえ。
「普段の僕なら抱きついて愛でたくなるところだけど、ミントさんはもう眺められるだけでも嬉しいです尊いです」
「「うんうん」」
 しまいには口を挟むこともなくしきりに頷いて。
「仲間……! ミントさんがこれ以上傷つかないように守ってあげてください」
「「ああ」」
 力強く首を縦に振った|人狼騎士《クルースニク》の一人が前に進み出て強く澪の手を握ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レモン・セノサキ
連携・アドリブ◎

開幕【指定UC】失礼!
銃声と同時に大声で叫ぼうか
『震えるミント、実は私も推してるんだ!!』
沼仲間宣言だぞ
これで友好的にならないオタク居る??

ミントの推しポイントを語り合いつつ交渉に入りたい
昔の戦いを望遠で撮った貴重な資料がある
当時の酔狂なスットコドッコイから焼き増しして貰ったヤツでね
今はもう手に入らない、貴重な若かりし(?)頃のミントたんのブロマイド
勿論生前のオマエラが可愛がってるほのぼのスナップもあるぞ!
これで此処は手を引いてくれないか?

☞ Yes
  はい
  ガッテン
  くぅん……(拒否)

拒否られたら戦うしかないんだけど、まぁ大丈夫だろ
推しを同じくする沼仲間の結束は固い筈だ!



「発砲一つで趨勢が変わるなんて、良くある話さ」
 呟いて、レモン・セノサキ(|Gun's Magus《魔砲使い》・f29870)は引き金に指をかけた。
「失礼! 震えるミント、実は私も推してるんだ!!」
 銃声にすわ襲撃かと振り返った|人狼騎士《クルースニク》たちは自身らを振り向かせたモノと同時に聞くことになったレモンによる大声のカミングアウト。
「なんだ、同志か」
「驚かせるなよ」
「きゃんきゃんっ!」
 今まで割と友好ムードだったこともあって|人狼騎士《クルースニク》の幾人かはころっと友好的になる。まずはレモンの思惑通りと言ったところか。
「ミントの推しポイントを語り合おう。何ならここに昔の戦いを望遠で撮った貴重な資料がある」
「何だって?!」
「本当か?!」
 ことの真意が定かでなくともあっさりつられるのが|震えるミントの押しかけ配下《人狼騎士》たちであった。
「当時の酔狂なスットコドッコイから焼き増しして貰ったヤツでね。これは、今はもう手に入らない、貴重な若かりし頃のミントたんのブロマイド」
 当人は若かりしの部分に疑問符をつけつつもレモンは取り出したモノをちらりと見せて反応を確かめ。
「勿論生前の|人狼騎士《オマエラ》が可愛がってるほのぼのスナップもあるぞ!」
 モノでも釣りつつ、レモンはまずは私からとミントの推しポイントを話始め、頃合いを見て交渉に持ってゆく。
「これで此処は手を引いてくれないか?」
 条件として差し出すのは先ほどからチラチラと|人狼騎士《クルースニク》たちに見せていたモノ。
(拒否られたら戦うしかないんだけど、まぁ大丈夫だろ。推しを同じくする沼仲間の結束は固い筈だ!)
 顔を突き合わせて話始める|人狼騎士《クルースニク》たちを眺めつつも全く不安を抱いていなかったレモンであったが。
「もう少し考えさせてくれ」
 全ての|人狼騎士《クルースニク》たちを翻意させるにはまだ及ばなかったらしい。
「俺はミントが無事ならそれでもいいんだがな……」
「そう」
 ただ、効果があったのも事実の様で、戦わずにことが収まるかどうかは他の猟兵たちの出方次第の様でもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロラン・ヒュッテンブレナー
・アドリブ絡み歓迎

ミントさん、あんなに震えて…
あの渦はかなり怖いみたいだね
助けてあげたいの…

生後10ヶ月程度の子狼の姿でゆっくり近づくね
人狼騎士の人たちに話し掛けるの
ぼくは猟兵で人狼なこと、ミントさんが怯えてる原因を解決したいこと、ミントさんや人狼騎士さんたちと戦いたくないことを伝えるの

信じなくてもいいの
ただ、あの渦を壊すのを邪魔しないで
ぼくはね、オブリビオンでも恐怖や憎悪からは、救ってあげたいと思ってるから
だから、ぼくがあれを攻撃してる間にミントさんを連れて撤退して?

堂々と背中を向けて詠唱開始
魔術陣の首輪と魔術回路の鎖で縛られた成狼になって、満月の魔力で槍を作って渦を攻撃なの
壊れて!


希那古・もち
わーまっしろなオオカミさん!かっこいいね!
ミントっていうの?ぼくきなこもち!

あわわー!ぼくミントのこといじめないよー!
でもビックリさせちゃったのはあやまるね、ごめんなさいなの!
ぼくは|りょーへー《猟兵》でもあるけど…おなじ犬だよ!
(自分も無害であることをアピール!無意識だけど!)

おなじどうぶつ同士だからね、おはなししたいなって思ったの
|キシ《騎士》さんたちはミントのことスキなの?
ミントはそれだけいいオオカミさんなんだね!
(お話して、ミントのこといっぱい聞く!)

ミントがずっとこわがってるのって、あたまの|ぐるぐる《無限大の渦》が気になってるからじゃないかなー
ねぇねぇ、ミントをたすけてあげてよ!


詠雛・歩音
聖山 葵マスターにおまかせします。かっこいい詠雛・歩音をお願いします!

変身ヒロインをやっている新米女神です
人々を守るため勇ましく立ち向かいます
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」


・戦闘
シンフォニーソードによる近接戦闘
アンダンテを用いた演奏、音波攻撃

UCは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
又、例え依頼の成功の為でも、公序良俗に反する行動はしません
後はお任せ。宜しくお願いします!



「戦いになると思ってきたんだけど」
 転送された先で、詠雛・歩音(光奏神姫・f21126)は困惑の只中にあった。
「わーまっしろなオオカミさん! かっこいいね!」
「きゃんきゃん!」
「ミントっていうの? ぼくきなこもち!」
 標的と思しきゴーストウルフへフレンドリーに話しかける希那古・もち(|あまり賢くない動物《わんわんわんわんわんわん》・f24531)、そう味方の姿があったのだ。
「ここで乱入するのは、かっこいいかっこ悪いとか以前に空気読めてないって言われそうよね」
 人々を守って戦う自身のスタンスともかけ離れている気がして、歩音が成り行きを見守る中。
「なんだお前たちは?!」
 声を発したのは幾人かの|人狼騎士《クルースニク》たち。
「今度こそ私の出番ね」
 もちを庇うように|人狼騎士《クルースニク》たちともちとの間に割り込もうとした歩音の後ろ。
「あわわー! ぼくミントのこといじめないよー!」
 もちも|人狼騎士《クルースニク》たちには気づいたようで慌てた声を上げ。
「でもビックリさせちゃったのはあやまるね、ごめんなさいなの!」
「あー」
「んー」
 一気に謝るところまで行ったもちの姿に|人狼騎士《クルースニク》たちもどうするんだこれと言いたげな微妙そうな表情で視線を交わしあい。
「ぼくは|りょーへー《猟兵》でもあるけど……おなじ犬だよ!」
「……いや、ミントはゴーストウルフなんだが?」
 無意識に無害アピールをするもちにとりあえずツッコミを入れた|人狼騎士《クルースニク》はいたものの。
「おなじどうぶつ同士だからね、おはなししたいなって思ったの」
「あー、そうか」
 ここまでの友好的な流れが活きたか、態度を軟化させたというか微妙に脱力しつつ|人狼騎士《クルースニク》たちはもちの話に相槌を打ったりして。
「なぁ、流石にアレは大丈夫なんじゃないか?」
「んー、まぁ、そう……かもな」
 毒気を抜かれた様子でもちを見やってから向き直った先は歩音の方。
「それでアンタは?」
「この状況に所在なさげにしてるとこよ」
 明らかに戦う空気ではない。ので、味方が攻撃されそうなら応戦しようとしたのだけどと続けて。
「なるほどな」
「まあ、気持ちはわからんでもない部分が――」
 謎の相互理解が生まれかけたその時。
「|キシ《騎士》さんたちはミントのことスキなの?」
「「当然だ!」」
 話をもちに振られると意識は思いっきりそっちに向いて。
「俺はあのかわいらしい鳴き声も好きだな」
「同感だ。あの見つめられると胸の奥がキュンとなる濡れた目の魅力も捨てがたいが」
「へー、ミントはそれだけいいオオカミさんなんだね!」
 一人歩音そっちのけで盛り上がる話題の輪。
「依頼を果たす為、己を殺す。それも一つの在り方よね」
 石川県庁前で歩音は空を見上げた。その視界の一部に入り込むのは、無限大マークの渦。グリモア猟兵の説明にもあった、ハビタント・フォーミュラから移植された膨大な魔力の顕現したものだろう。
「ミントがずっとこわがってるのって、あのあたまの|ぐるぐる《無限大の渦》が気になってるからじゃないかなー」
 同じモノの方を見たもちはミント談議がひと段落したところで|人狼騎士《クルースニク》たちに言う。
「ねぇねぇ、ミントをたすけてあげてよ!」
 と。
「ミントさん、あんなに震えて……あの渦はかなり怖いみたいだね」
 そんな話を聞いていたのか、ぷるぷる震えるミントを見たロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)の口から思いが漏れる。
「助けてあげたいの……」
 思いはやがて行動に。
「何だ?」
「ひょっとして、また、か?」
 ゆっくりとミントの方へ近づき出せば、|人狼騎士《クルースニク》たちもこれまでの経緯で慣れがあるのか、いきなり威圧感を出したり詰問するようなことはなく。
「あっ、あのね。ぼくは――」
 見られているのを知覚したロランは訴える。自身が猟兵であり、人狼なこと、ミントが怯えている原因を解決したいと思っていること。また、ミントや|人狼騎士《クルースニク》たちとも戦いたくないことを明かして。
「えっ、あれって怯えていたのか? 武者震えと言う奴だとばっかり」
 そもそも怯えていると認識してなかった|人狼騎士《クルースニク》も居たりしたのだが、それはそれ。生前のミントの周りに居た人狼騎士にも同じように見ていた者はいたのだ。
「信じなくてもいいの。ただ、あの渦を壊すのを邪魔しないで」
 ロランはそう訴え、空を仰ぐ。
「ぼくはね、オブリビオンでも恐怖や憎悪からは、救ってあげたいと思ってるから」
 くるり|人狼騎士《クルースニク》たちに背を向けて見つめるのは空の無限大の渦。
「だから、ぼくがあれを攻撃してる間にミントさんを連れて撤退して?」
 |人狼騎士《クルースニク》を見はせずにロランは詠唱を始めようとして。
「それは出来んそうだんだ」
「ああ」
 返って来たのは、拒絶の言葉。
「うまくいきそうだと思っていたのだけど」
 顔を険しくして歩音はシンフォニーソードを構え、ロランの背を守るよう立ち塞がるも。
「それは」
「俺たちの」
「仕事だ」
 複数の十字架型の紋様が無限大の渦に重なると|人狼騎士《クルースニク》たちは一斉にそこへ銃弾を撃ち込み始める。
「っ」
 すさまじい負荷に耐えきれず無限大の渦は千切れて霧散し。
「じゃあな」
「話ができて、楽しかったぜ」
「きゃんきゃん」
 ロランたちに軽く手を上げた|人狼騎士《クルースニク》たちは踵を返すと震えるミントとともに去っていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月08日


挿絵イラスト