第二次聖杯戦争⑯〜もふもふは、正義。たぶん。
石川県庁の敷地内にある公園で、人狼騎士達が顔を突き合わせている。
「ミントたん、いいよな……」
「バッカ野郎! ミントさまと言えよ!」
「愛があるからいいんだよ! 俺、昔からファンだったんだ……」
「上司があんな上から目線になっちまったらさ……チャンスだって、思うじゃねぇか」
「ですよねー!!」
そのとき、青緑色の毛並みの獣がとちとちと歩いてくる。その姿を目に留めた人狼騎士達の目が輝いた。
「あっ、ミントたん!」
「俺たちが護りますからね、ミントさま!」
「ミントちゃん、こっちおいでー!」
一斉に集まる兵達に、その獣の萎れた耳と尻尾が一層萎れる。その目に浮かんでいるのは、困惑と懇願の彩だった。
●
「ミントたんです」
神塚・深雪(光紡ぐ|麟姫《りんき》・f35268)が、笑顔で一同にいった。やっぱり、たん付け。
「ミントたん、駐車場から敷地内の公園に逃げたみたいです」
逃げる迄に|猟書の臣民《ハビタント・フォーミュラ》に与えられた魔力が再び発現してしまった震えるミントは、今度は人狼騎士達が護りを固めているという。
「それが、この人狼騎士達……もともとは、あの背徳のラダガストの配下だったんですって。
そう、あのふるぼっこにされた、ラダカストです。」
そう宣う深雪の顔は、何故かどこか愉しそうである。
「まあ、もふもふは正義ですからね。
いくらイケメンでも上から目線で偉そうな上司より、もふもふでかわいい方が楽しいですよね」
フェンリルを召喚できるミントを、生前歴戦だった人狼騎士達が守ると言う状況は、先程以上に厳しいのでは? と、上がった声に対して、深雪は良くぞ聞いてくれたと言わんばかりの笑顔で応える。
「大丈夫です! 彼らもミントたん大好きですから!」
つまり、こちらもミントが好きなのだ、推しなのだと語れば、彼等は意気投合してくれるのだという。ざっくりといえば、主語を濁してもふもふ愛を語ればいいのだろう。勿論ミントを主語に語れば効果は抜群だろうけれど。
「ミントたん沼初心者さんは暖かく迎えてくれるようですし、意気投合できたら、ミントたんに植え付けられた魔力も壊してくれるみたいですよ!」
今回も、植え付けられた魔力の渦を破壊すれば、ミントは逃げだしてしまう。そして、人狼騎士達もそれに付き従って退場するということだ。
なんなら私も行ってミントたん語りしたいくらいです! と、そう言いながら、深雪は一同を送り出した。
白神 みや
タイトルは私の心の声です、|白神《しらかみ》です。
ミントたん二本目です。戦場が無くなる前に出しておかないと……って。
「その慢心を打ち砕け」「れきせんのごーすとうるふ」と、そこはかとなく地続き。時系列もそんな雰囲気です。が、別に連続参加でなくても全く問題はありません。
「れきせんのごーすとうるふ」で逃げ出して、その間に魔力が復活しちゃったミントたん。
ラダガストの元から転職?した人狼騎士さん達にモテモテです。もふもふだからしかたないね。
そんな彼らへの対処がプレイングボーナスです。もふもふについて存分に語ればいいんじゃないかな? きっと。
●お願い
MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
先行でだしているミントたんシナリオ(れきせんのごーすとうるふ)完結後に募集となります。
第1章 ボス戦
『フェンリルを統べる者『震えるミント』』
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POW : なぜかフェンリルに慕われている
【魔狼フェンリル】を召喚する。騎乗すると【フェンリルの毛並みに隠れた】状態となり、【フェンリル頼みのパワー】属性とレベル×5km/hの移動力を得る。
SPD : けなげっぽい目で見つめて噛み付く
【かみつき】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【顔】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : くぅ〜ん、きゃんきゃん!
自身が【ぷるぷる不安な気持ち】を感じると、レベル×1体の【魔狼フェンリル】が召喚される。魔狼フェンリルはぷるぷる不安な気持ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。
イラスト:吉希
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
キアラ・ドルチェ
「ミントたん同担歓迎! 交流希望!!」(拡声器持参
人狼騎士の皆さん、ミントたん愛を共有致しましょう
え? オブリビオン相手にそれで良いのって?
この場が解決すれば良いのだし、KAWAII語るのは女の子の必修科目っ!
ワンチャンミントたんがオブリビオンでなくなるルート(ルート?)見つかるかもだし(楽観論と感情論のTWO-MIX
と言う訳で
まずその体色! ミント色綺麗ですよね
ふわんとした毛皮! 萎れた耳と尻尾も、こうくたびれた中年男性的な愛らしさがあります!
と言う訳で、そんなミントたんは私達だけの物にしませんか?
フェンリルは同担拒否!
さあ、その為に魔力の渦破壊です!
れっつふるぼっこ♪(森王の槍びしばし!
ロラン・ヒュッテンブレナー
・アドリブ絡み歓迎
子狼の姿で参加
あれ?ミントさん、まだこんな所に居たんだ?
…………、あー、人狼騎士さんたちに捉まった感じだね
はやく逃げてほしいんだけど…、そうだ!
距離を置いて声を掛けるの
ミントさん、まだ解放されてないみたいだね?
渦を見上げるの
騎士さんたち、ミントさんを守ってくれてるんだね
さっきのことをお話してみるの
ちょうどいいから、この怖い場所から安心できる場所に連れて行ってあげてほしいの
ぼくは、ミントさんに怖い思いをしてほしくないだけなの
元気に、騎士さんたちと遊んでる姿の方が、すてきだと思うし
ぼくは猟兵だけど、一緒に遊びたいなって思うし
だから、渦を壊して静かな所で安心させてあげてほしいの
シリルーン・アーンスランド
ミントさま♪
うふふ。オブリビオンになられたからには
いずれは弑し奉らねばならぬかもですが…
今は!ただ!可愛いだけの!わんこさま!
退去して頂けば良い事であらば
わたくし力いっぱいもふらせていただきます
人狼騎士さま方に笑顔で優雅に一礼し
「こんにちは。わたくし皆様の上司をふるぼっこしてから
参りましたの」
ミントさまをお見掛けしていてもたってもいられずと
ラダガストへの怒りへ共感し同時にミントさまにもにこにこ
「こちらへどうぞお越しくださいませ、ミントさま」
他の皆様とも連携し、ただただミントさまへの想いを語ります
「それにしても斯様な邪魔なお飾りが…何故」
上手く持ち込んでブッ壊して頂いて笑顔で見送りたく存じますわ
中村・裕美
副人格のシルヴァーナで参加
「貴方達のミントたん愛を聞かせてくださいまし」
【優雅なるご令嬢】として礼儀正しく人狼騎士さん達に接しますわ
「ところで、ミントたんに噛んでもらった方々はいらっしゃるのかしら?」
ミントのSPDのユーベルコードについて語ってみる
「ミントたんに噛んでいただけると、『顔』を覚えていただけるんですわよね? 顔を覚えていただいた方はいらっしゃるのかしら?」
対応するユーベルコードを使わないと噛んでくれないのであれば、今使っているユーベルコードはまさにSPD
「わたくしのこと、牙で刻むと共に心に刻んでいただけますかしら?」
などと体を張ってみましょうかしら
後はなんやかんやで渦を攻撃
●ようこそ! |もふもふ《ミントたん》沼へ!
(あれ? ミントさん、まだこんな所に居たんだ?)
数刻前に、|魔狼《フェンリル》の群れに囲まれていた|蒼狼《ミント》の魔力の渦を壊す助力をしたロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は、再度転送されつつ首を傾げた。
そうして転送されると、すぐさま仔狼の姿へと転じて、|蒼狼《ミント》と人狼騎士達が集まる方へと駆ける。
(はやく逃げてほしいんだけど……)
戦場に居ればいつどんな形で流れ弾がくるか判らないし、オブリビオンであるという理由で他の猟兵の刃が向く可能性もある。無論、それは本来正しい考えでもあるのだが。しかし、あの|蒼狼《ミント》については、とりあえずは今は無害――むしろ猟兵の一撃で消し飛びかねない――なのだ。ロランがそう思いを巡らせていると。
「ミントたん同担歓迎! 交流希望!!」
(ええー?!)
と、声が響き渡る。敵襲かと一斉に武器を取る人狼騎士達と、その空気に震え始める|蒼狼《ミント》。そして、驚きに振り返ったロランの視線の先には、拡声器を手にした少女――キアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)の姿だった。
なお、人狼騎士の皆さんは|銀の雨降る時代《10年くらい前》の人たちなので、「同担歓迎」というワードがイマイチ通じていない。
『あのね、ぼくたちミントさんにあいにきたんだよ』
「そ、そうですっ! そうなんです! 人狼騎士の皆さん、ミントたん愛を共有致しましょうっ!」
仔狼のままとてとてと進み出たロランに、キアラが拡声器を振り回しながら重ねていく。
「そうですわ。貴方達のミントたん愛を聞かせてくださいまし」
「わたくしも是非とも!」
その声と共に現れたのは、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)と、シリルーン・アーンスランド(最強笑顔の護り風・f35374)。裕美は、福人格であるシルヴァーナが主導権を握っており、二人とも佇まいは深窓の令嬢といったところである。
「……きさ、君達は猟兵ではないのか?」
ミントたん愛という言葉に動揺した騎士達の一人が確かめるように問う。が、「貴様」という所が「君達」になっている辺りに大幅な軟化が見て取れる。
「確かに、わたくしたちは猟兵。
オブリビオンになられたからには、いずれは弑し奉らねばならぬかもですが……」
シリルーンがそう言いながら嫋やかに目を伏せる。が、次の瞬間顔をあげ、満面の笑顔で続ける。
「今は! ただ! 可愛いだけの! わんこさま!」
「そうです! この場が解決すれば良いのだし、KAWAII語るのは女の子の必修科目っ!」
「ええ、わたくしもそう思いますわ。ミントたんは可愛らしいですし」
『ぼくは。ぼくたちは、ミントさんに怖い思いをしてほしくないだけなの』
シリルーンの言葉にキアラも|裕美《シルヴァーナ》もロランも続く。
『ぼく、さっきあの怖い渦を壊すお手伝いをしたんだけど、まだ解放されてみたいだね』
「そうなのか?!」
「そうか、アレはただのチャームポイントではなかったのか……!」
ロランが数刻前の話をすると、人狼騎士達に衝撃が走る。魔力の渦をチャームポイントで済ませてるのはかなり|豪快《おおざっぱ》だと思うのだが。
「ミントたんはそのままで可愛いからそんなチャームポイントはいりません!」
「然様で御座いますとも」
キアラとシリルーンによる追撃が突破口となり、そのまま「第一回 ミントたんのかわいさを語る会」が開始される。
なお、|ご本尊《ミント》はやや遠巻きに見守っている状態である。その目若干の怯えを宿して。
「まずその体色! ミント色綺麗ですよね」
「ミント様がミント様たる所以の毛色は基本だな」
騎士の一人が後方何やら面のような顔で頷いた。
「ふわんとした毛皮! 萎れた耳と尻尾も、こうくたびれた中年男性的な愛らしさがあります!」
「中年男性……?」
別の騎士が首を傾げる。いや、まあオジサマ萌えという言葉もあるので問題はないのかもしれないが……成人女性に見えるキアラは運命の糸症候群で成長した、実質現在4歳なのである。その年齢にして既にオジサマ萌えに目覚めているとなると……将来どうなるのか。父親が頭を抱えることにならないことを祈るばかりである。
「ところで、ミントたんに噛んでもらった方々はいらっしゃるのかしら?」
「……流石にそれは居ない気がする」
|裕美《シルヴァーナ》の言葉に騎士達が顔を見合わせる。
「ミントたんに噛んでいただけると、『顔』を覚えていただけるんですわよね? 顔を覚えていただいた方はいらっしゃるのかしら?」
「!?」
「顔を、覚えてもらえる……」
再び衝撃を受ける人狼騎士達。今度は「その発想はなかった」的なものである。だいぶんと沼の深いところにいる騎士も混じっていることが明るみになる。
「そういえば、皆様はラダガストの配下であらせられたのですよね」
「……それを、いうな……思い出させるな……」
「うっ持病の|疝痛《サシコミ》が……」
オブリビオンに病は……無くも無い。が、|疝痛《サシコミ》はどうなのだ。
「実はわたくし、こちらのキアラさまと皆様の上司をふるぼっこしてから参りましたの」
穏やかににこにこと笑みを浮かべるシリルーンの口から出てくるふるぼっこという言葉。
「なん、だと?!」
「マジか……!」
その言葉に一斉に色めき立った人狼騎士達。まさか|推し萌え《ミントたんもふもふ》のみならず、|上司の苦労《ブラック上司許さない》まで理解を示されると思わなかった人狼騎士達が、感動の眼で猟兵達を見るのだった。
大成功
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天城・潤
戦争の震源地へ来た訳ですが、矢張り此処だけは緩い雰囲気ですね
死合いしないで済むのは良い事なのでしょう
退去をさせるだけならとても簡単です
僕は腹黒笑顔がチャームポイント(?)だったようですが
果たして怯えさせずにいけるかどうか
ある意味試練かも知れませんね
「こんにちは」
人狼騎士は僕が得た記憶からは割と四角四面タイプが
多いイメージなのですが…あー、見事に溶け崩れていますね
他の方とも連携し可愛いミントさんへ害意が無い
事をにこやかにアピール
可能であればオブリビオンに触れる初体験も楽しめたらと
「良ければ首を掻かせて頂けますか?」
寝首をではないですよ?(にこり)
「ええ。ずっと逃げていて良いですからねミントさん」
●沼落ち初心者の挑戦
(矢張り此処だけは緩い雰囲気ですね)
天城・潤(未だ御しきれぬ力持て征く・f08073)は、先行して転送されてきた一団と、騎士達、そしてそれを遠巻きに見る|蒼狼《ミント》という構図に思わず苦笑する。
|吸血鬼やその眷属達《オブリビオン》に蹂躙される|闇深き世界《ダークセイヴァー》の出である潤としては、戦争の只中、この戦場の震源地たる|蒼狼《ミント》が居るような場所の状況としては、僅かに違和感を覚える程の光景である。
とはいえ、潤自身、その魂はこの世界に縁がある身だ。その存在はどうも腹黒笑顔がチャームポイント(?)だったと記憶しているのだが、それは魅力として機能するものなのかと首を傾げる。
(ある意味試練かも知れませんね……)
苦笑しながら一同の方へ足を向けた。
「こんにちは」
にこやかに声をかける。魂の記憶によると、人狼騎士というのは四角四面タイプが多いという認識であったのだが……見知った顔、見知らぬ顔を交えて和気藹々としている姿は、その認識からは遥かに遠く。
「君もミントさまに惹かれた者か!」
「はい。大変可愛らしいミントさんと触れ合えましたらなと」
「猟兵とはオブリビオンを見たら即手にかけるものだと思っていたが、存外そういうものではないのだな」
人狼騎士達の側もまた認識と違う状況に首を傾げつつも、推しを愛でる権利は等しくあるのだと示しながら、潤を「第一回 ミントたんのかわいさを語る会」へ迎え入れたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
語っていいと聞いて…!!
ミントさん、いえミント様?
とっても素敵ですもんね、守りたくなるのわかるぅ
大丈夫僕戦う気はない
こんな可愛くて戦う意志も持たないミント様を傷付けるなんて、僕のもふもふ愛に反します
もふもふは愛でるもの
僕的には狼らしい格好良さものこる風貌
垂れた耳や眉につぶらな瞳の可愛さ
毛色の組み合わせもずるくない?
足元お洒落だよね
声も可愛い
そしてなによりもふもふ!結論最高
でも僕はミント様初心者…
故にもっと詳しくて同じ狼でもある騎士の皆さんの意見も聞きたい
全力で同意するので…!
後気になるのはやっぱりあの渦かなぁ…
ミント様が怯えてる一因では?
可愛いけど、可哀想だよね
大切なら助けてあげるべきでは?
●もふもふ☆ぷろふぇっしょなる
「語っていいと聞いて……!」
と、走ってくる勢いの声で、その場に空から舞い降りてきたのは、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。人狼騎士達は流石にその勢いに気圧されて、武器を構える事も忘れて頷いていた。
「ミントさん、いえミント様?
とっても素敵ですもんね、守りたくなるのわかるぅ」
その言葉に騎士達だけでなく、猟兵達まで一緒に頷いている。そこから澪は呼吸を忘れる勢いで語りだす。
「狼らしい格好良さものこる風貌、垂れた耳や眉につぶらな瞳の可愛さ、毛色の組み合わせもずるくない? 足元お洒落だし、声も可愛い。そしてなによりもふもふ! 結論最高。こんな可愛くて戦う意志も持たないミント様を傷付けるなんて、僕のもふもふ愛に反します」
澪は怒涛のプレゼンテーション?の後、一呼吸置くと、笑顔で言う。
「もふもふは愛でるもの」
「そうだ! もふもふは、ミント様は愛でなければ!」
「ミントたんは守らねばならない!」
感嘆の声と共に拍手が起き、一部の人狼騎士はスタンディングオベーションで澪を迎える。
「僕はミント様初心者……故にもっと詳しくて同じ狼でもある騎士の皆さんの意見も聞きたい!」
もちろん、全力で同意するので。そう言って澪は笑顔で一同を見渡した。
大成功
🔵🔵🔵
キラティア・アルティガル
親友の妻アリサ殿(f38946)との
友の奥方を連れ参った
亭主殿が泡を食い追いかけて参るやもしれぬが
此度は何の危険もなかろう程にな
「ほれ、アリサ殿」
我らには面妖な建物も並んでおるからか魂消ておるの
安心されるが良い
人が住まいする理は変わらぬよ
「此度はの、わんころと遊ぶが仕事らしいぞ」
確かにどう見てもあれに危険なぞ無さそうじゃの
やれ、なればわんころを慰撫するとするか
「異国の騎士殿とお見受けする。それなるわんころと
我らも遊ばせてもらえぬか」
雑魚の干物を持参したでな
興味を示さば食わせよう
「お主らもどうじゃ?」
ほう。奥方殿はわんころ好きかえ
「楽し気じゃの」
なれば連れ来て正解じゃったの
良い経験となったであろ
アリサ・ラサラリーン
お友達のキラティア(f38926)さんと
キラさんとお呼びします
なな、何だか分からない内にあの
「経験は大事」と言われて連れられて門を潜ったら異世界!
め、目が回ります…!
そしてここは戦争中と聞きましたがキラさん待って!
戦いは避けたりしないですが、まだ何も整わず!
よ、よいのでし…え?わんこちゃんと遊べば良い…?
そ、それならわたしでもお役に立てそう
わたし、わんこちゃん大好きなのです!
つぶらな瞳、遊んで欲しい時のキラキラしたおめめ
おなかー!ってころがる時の誘い方
全部大好きなのです!
あれ?敵の香りはしますけど…和気あいあい
わたしの言葉も受け入れられて…
なら何も怖い事はありません
笑顔で
「はい!楽しいです!」
●はじめての、おつかい(引率者付)
アリサ・ラサラリーン(太陽の詠・f38946)は、狼狽えていた。友人であるキラティア・アルティガル(戦神の海より再び来る・f38926)に連れられて半ば強引に連れてこられたのは、見慣れた世界ではなく、星霊建築程巨大ではないが見慣れない建物が立ち並ぶ異世界。
「あ、あの……っ。キラさん……?!」
「人が住まいする理は変わらぬし、戦争とはいえ、此度は何の危険もなかろう」
「せ、戦争……っ?!」
自分達の認識からすると面妖な建物が立ち並ぶ光景に驚いているのは、キラティアも同様なのだが、そんな様子は見せず悠々とした佇まいで周囲を見回す。
「此度はの、わんころと遊ぶが仕事らしいぞ」
「………え? わんこちゃんと遊べば良い……?」
戦争らしからぬ内容にアリサは首を傾げた。|終焉を破壊した世界《エンドブレイカー》で戦争といえば、武器を手に戦って、強敵を撃破していくものだった。真実を知らなかったエリクシールの取り合いなどもあったものだ。ただ、アリサの伴侶は、アリサ自身が戦いに出る事にあまり良い顔はしなかったため、そこに立ち会う事も殆ど無かったのだ。今回戻った暁には、血相を変えて迎えに来ていることだろう。
「異国の騎士殿とお見受けする。それなるわんころと我らも遊ばせてもらえぬか」
人狼騎士達を見付けたキラティアは迷いなくそちらへ足を向ける。その後を追って、アリサも駆けていく。
「君達も「第一回 ミントたんのかわいさを語る会」参加者か」
「はい! わたし、わんこちゃん大好きなのです!」
騎士が何となく体面を保ちながら投げかけた誰何に、アリサが笑顔で応えた。その笑顔と勢いに騎士が一瞬たじろいだ。
「ほれ、わんころもお主らもどうじゃ?」
そこに、キラティアが手にしていた魚の干物を掲げる。この世界の魚と似て非なる匂いに、|蒼狼《ミント》が視線を向けた。
「……っ。ミント様が興味を示したしな」
その様に一瞬声を亡くしていた騎士が取り繕うように言う傍らで、匂いに誘われた|蒼狼《ミント》が数歩近寄ってくる。
キラティアに促されたアリサが干物をそっと置くと、干物を咥えてまた距離を取る。……が、先程までよりは近くを陣取ったので、騎士達が感動のどよめきを漏らした。
「わたし、わんこちゃんのつぶらな瞳、遊んで欲しい時のキラキラしたおめめ。おなかー! ってころがる時の誘い方。全部大好きなのです!
きっとこちらのわんこちゃんのそれらも、一段とかわいらしいと思うのです!」
「……わかる。わかるぞ……!」
「ミントちゃんにおなかみせてほしい……」
「ああ、ミントたん……」
干物を齧るミントを見守りながら、猟兵達と騎士達は、同じ干物を齧りつつ|もふもふ《萌え》を語り続けた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!
みつかミントちゃんのことふんわりだけどなんでか覚えてるの!
「戦争だけどミントちゃん守るのー!もふもふさんなのー!」
それに兄様もいてくれるから百人力なの!
みつかもミントちゃんのこと大好き!
騎士さん達に誘われたから皆と一緒にもふもふするのー!
「あ、あれ。兄様兄様、もふもふはあとなの?」
いっぱい好きなことお話しするのもできるの!
ミントちゃんのすごい所はずばりで癒してくれることなの!
ぷるぷるしてて可愛くってみつかもふにゃんってなっちゃうの!
騎士さん達もいっしょにふにゃーんってしてて嬉しいの
ミントちゃんはそれができる凄い子なのー!
「だからミントちゃん、大好きなの!」
深山・樹
妹のみつか(f37163)にさそわれて
オブリビオン退治しなくちゃ…え?しなくていいの?
もう一回聞いてやっとわかった…この子はずっと
こうして震えていた子って
みつかがもふもふさん!って喜んでるけど
狼さんしっぽ巻いてる
騎士さんたちにおいでおいでされた
おそるおそる近寄ると…あ
みつかがもうだきついてる!?
早い
「み、みつか。この子怖がりだから、そーっと」
思わず騎士さんたちにごめんなさい!って謝ったけど…
あれみつかにも和んでる
こうなったら僕も遊ぼう
敵を目の前にしながら戦わない不思議
でもみつか楽しそうだから僕も必殺技は封印
ここではこの子はただのわんこ
騎士さんたちもわんこ好きのお兄さん
それでいいのも少し嬉しいな
●ミント色の幸福
深山・樹(処刑人・f37164)は、妹の天風・光華(木漏れ日の子・f37163)に連れられてやってきた戦場に首を傾げていた。
(オブリビオンって退治しなくちゃいけないんじゃ……)
しかし、そんな樹に光華が、何故か朧げに知っている|蒼狼《ミント》の事を一生懸命に説明する。
「……そっか、あの子はずっと震えてた子なんだ」
「だからね、戦争だけどミントちゃん守るのー!」
それに、兄様もいてくれるから百人力なの。そう言って笑う妹に、樹が勝てるわけなどなかった。二人で一緒に、|人狼騎士《オブリビオン》と猟兵達が和気藹々としている、不思議な場へ。
そっと覗いて見ると、干した魚をもぐもぐと齧る狼を笑顔で見守りながら、やはりこちらも干した魚を齧る一同の姿。見回してみると、猟兵達の中には会った事がある顔もちらほら混じっているような。
「ミントたんを愛でる会の会場ならここだよ」
二人の気配に気が付いた人狼騎士の一人が、手招きをしながら声を掛けてくる。
「みつかもミントちゃんのこと大好きなの!」
手招きに応えるように、光華はそちらへ小走りに向かっていく。兄としては、もう少し警戒心を覚えて欲しいような気もするが、ああいう屈託のなさが妹の良い所であり、自分自身にとっても癒しなので悩み所ではある。それに。
「みつか、狼さんしっぽ巻いてる」
|蒼狼《ミント》のしっぽが巻き込まれているのは、もうその身に沁みついてしまった癖のようなものなのだが、もし本当に怯えてしまっているのなら、可哀そうだなと、妹を窘める。
「あ、あれ。もふもふはあとなの?」
周りの様子に首を傾げる光華。
人狼騎士達だけではなく、ここまでにこの場に集まった猟兵達の目線も|蒼狼《ミント》に集中し。
――くぅん。
しょうがないなあ、とでも言うように、|蒼狼《ミント》が一声啼いた。
●
かわるがわる、何故か人狼騎士達までが、|蒼狼《ミント》と触れ合う。その中で光華は|蒼狼《ミント》のたてがみに嬉しそうに顔をうずめる。集まった面々の中でも一番年若い――むしろ幼い光華だからか、|蒼狼《ミント》もされるままにされている。
よくみると、震えるのをちょっと我慢しているようにも見えなくもないが。
「ミントちゃんのすごい所はずばりで癒してくれることなの!
ぷるぷるしてて可愛くってみつかもふにゃんってなっちゃうの!」
その震える様すらも可愛いのだと満面の笑みで言う光華に、人狼騎士達が何故か手を合わせて拝んでいる。
「天使がいる……」
「天使と天使って、天国かなここは……」
「騎士さんたち……」
当然とする騎士達に思わず樹が呆れたように零す。が、それは妹を心配する兄のそれ。
(ここではこの子はただのわんこ。騎士さんたちもわんこ好きのお兄さんやお姉さんたち)
今ここではそれで、それだけでいいのだ。その空気が、不思議な反面、少し嬉しくて、思わず笑みをこぼす。
「ミントちゃんはみんなをふにゃーんってできる凄い子なのー!
だから、大好きなの!」
えがおのはなが、咲き零れた。
●
「この|魔力の渦《チャームポイント》は我々が責任を持って破壊しよう」
「騎士さんたちも、気を付けてね」
「ミントちゃん、またね!」
「第一回 ミントたんのかわいさを語る会」が滞りなく?終了し、猟兵達も一人また一人と還っていく。その中で、騎士達は、|蒼狼《ミント》に植え付けられた魔力の破壊を約束する。
できれば、またこのような再会が出来ることをと、そう言い交わして、一時交わった不思議な邂逅は終わりを告げたのだった。
大成功
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