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第二次聖杯戦争⑮〜多勢無勢、ゲーセン物量作戦!

#シルバーレイン #第二次聖杯戦争 #ナイトメア王『ジャック・マキシマム』

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#ナイトメア王『ジャック・マキシマム』


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「猟兵の進軍が早すぎるぞジャック!」
「ジャックの言う通りだ! どうする気だジャック!」
「落ち着けジャック! 『万物を11倍にするユーベルコード』を持つ俺達が負けるわけがない!」
「忘れたのかジャック! 俺達はこの力を持ちながら、かつてユーベルコードも無い銀誓館に負けた事があるのだぞ!」
「ふん……それはジャックに問題があっただけでは?」
「何だとジャック、貴様、言わせておけば……!」
「というかなんだこのやけに女ばかりの軍団は! やはりマキシマムガールを気にしていただろうジャック!」
「何だと! マキシマムガールを戦力にするのは以前もやっただろうジャック!」
「マキシマムガールは悉く逃げ出されたのを忘れたかジャック!」
「というかマキシマムガール好きならゆり姫の軍団でも借りればよかったじゃないかジャック!」
「あれは正確な意味で俺の兵とは呼べまい」
「律儀だなジャック。だが俺も同意見だ」
「しかし今回のマキシマムガールは以前のマキシマムガールより危険な服装の奴も多くないか?」
「なんならゆり姫の配下じゃないかこいつと言える奴も多くないか?」
「おいジャック、まさか堕ちてなどいないだろうな?」
「黙れジャック! 貴様こそさっきまで黙ってたと思えば急に喋り出して!」
「おのれジャック言わせておけば! そもそも貴様が……」

「うるさーーーーーーーーーーーーい!」
 唐突なマリア・ルート(紅の姫・f15057)のアニメ声に静まりかえる猟兵達。
「チッ、無駄な特技を使ってしまったわ……」
 少し銀誓館学園出身の猟兵達がざわめいた気がしたがきっと気のせい。
「……よし、改めてちゃんと説明するわね。次にあんたらに行ってほしいのはこのゲームセンター。
 閉店して壊されたはずなんだけど骸の海から引っ張り出されたみたい。名を『シンデレラチャーム』と言うわ」
 ただでさえ骸の海から引っ張り出されたというに、ここに巣くう者が厄介なようで。
「……ナイトメア|王《キング》、ジャック・マキシマム。以前妖狐からタレコミがあった奴よ」
 遡る事去年6月8日、妖狐七星将の1人、巨門からタレコミがあった、夢魔随筆の下巻が奪われてしまったという話。その主犯として挙げられた存在だ。
「こいつが大量の女に囲まれてゲーセンにいる」
 ……女に? 囲まれている?
 確かにジャック・マキシマムは以前もリリスを勧誘していた。銀誓館学園の能力者から聞いた話だ。
 しかし、また?
「どっちかというと、骸の海から引っ張り出されたゲーセン依存ね。無数の実体化したゲームキャラクターに守らせているんだけど、それがどいつもこいつも女らしいの」
 ちなみに騎士みたいな奴もいれば下手したら報告書に乗せられないような姿の奴までラインナップは多彩という。
「あとね、こいつのコードに『イレブンハート』ってのがあるんだけど……こいつが何もかも11倍にしちゃうもんだから当然この群れも11倍。もうわけわかんないわよね。しかもジャックまで11倍いるからもはや1個師団よ。それで波状攻撃でもされたらどうしようもない」
 とはいえ、それだけだ。
 攻撃の波は激しいとはいえ、僅かな隙間でも見つけてしまえば、そこから切り崩せる猟兵も多いだろう。
「こいつ自身なんかトンチキな性格してるから調子狂うかもしれないけど……頼むわよ」
 またアニメ声出す羽目にならないといいけど、とマリアは最後に自分の心配をした。


 シンデレラチャーム――今や3代目|JMH《ジャックマキシマムハウス》と化したゲーセンにて。
 11人のジャックは大量の女に囲まれていた。
「あのー」
「何だ、3代目マキシマムガールシスターズ・|S《セイバー》ではないか」
「いえ、その、シスターでもないですし何が3代目かわかんないのですが……」
「だから言ったのだジャック、普通にマキシマムガール・Sにしようと」
「何だとジャック、カッコいいからこっちがいいと言ったのは貴様だろうが」
「Sは固定なんですね……それはともかく、もうすぐ相手が来そうですが。気配が感じられます」
「何だともう来るというのか」
「罠があったらとか考えなかったのか?」
「銀誓館の奴らもそうだが、ギャンブラーが多すぎないか?」
「まぁ大丈夫だ、『俺達11人のジャックとマキシマムガールによる波状攻撃に対処』できさえしなければ俺達が敗れるなどあるまい!」
「ああ、まさかこの数にさらに数で勝つ秘策とかがあるとも思えないしな! 範囲攻撃など莫迦なことをする者もいないだろう!」
「つまり俺達の勝ちだジャック!」
「流石はジャック!」
「天才科学者!」
「エースストライカー!」
「「イレブンハートのジャック・マキシマム!!」」
 ふはははははは!
 その笑い声は、ゲーセン中に響き渡ったという。


結衣謙太郎
 いやー、まさかアニメ声叫ばせたかったからマリアに案内させたとかはははそんな。
 結衣(戦争モード)です。
 まぁ一応強敵なので心して挑んでね。
 以下詳細。

●メイン目標
 『ナイトメア王『ジャック・マキシマム』』を討滅する。
 王と書いてキングと読むらしい。余談。

●章構成
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「第二次聖杯戦争」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 えー、オープニングからも察せる通りバカですこいつ。いい意味でバカです。
 正直、ノリはかなりネタ寄りになると思います。
 ただこいつ、ノリはネタな癖にやけに強いので、舐めすぎると痛い目に合います。
 あとなぜか女だらけの人型のゲームキャラクターがめっちゃいます。こいつらもジャックに合わせて波状攻撃してきます。なおなんでこのゲームのキャラクターが出たのかは不明です。いやー聖杯繋がりとかまさかそんな。
 このゲームキャラと11人のジャックによる波状攻撃に対処すると特別プレイングボーナスが入ります。

●ロケーション
 ゲームセンター『シンデレラチャーム』。
 大量の筐体がありますが大体起動してません。ゲームセンター特有の騒音はないです。むしろジャックが騒音。
 筐体をバリケードにしたりする可能性はありますがこちらも遮蔽物にできそうです。
 骸の海から引っ張り出してるので多少破壊しても文句は言われないでしょう。

●備考
 世界が世界だけにTW2ネタは全面的に使用OKです! 結衣がわかんなくても可能な限り全力で調べる。

 プレイングはオープニング公開後から受け付け開始します。
 ただし全採用できない可能性がいつもより大きい点、ご了承ください。
 オーバーロードは納期の都合により後回しになる可能性もあります。

 以上、プレイングお待ちしております。
 結衣は笑う準備をしてお待ちしておりますね。いやプレイング次第ではシリアスなるかもですけど。
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第1章 ボス戦 『ナイトメア王『ジャック・マキシマム』』

POW   :    悪夢グラップル
【ナイトメアと融合した両腕】が命中した部位に【悪夢のエネルギー】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
SPD   :    マキシマム・ナイトメア
着弾点からレベルm半径内を爆破する【悪夢のエネルギー】を放つ。着弾後、範囲内に【悪夢の世界】が現れ継続ダメージを与える。
WIZ   :    フュージョンジャック
【他のジャック達】と合体し、攻撃力を増加する【マッスルジャック】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【ケンタウロスジャック突撃】が使用可能になる。

イラスト:トリプル猿子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

木々水・サライ
うるっせえええええええ!そしてめんどくせえええええ!!
いや俺もチビ達とか精霊猫達とか無数に呼びますけどォ!!
そんなにうるさくしたことないもん!!
いいもん!! だったら俺はお前ら以上のチビサライ呼ぶもん!!

UC【統率力のある白黒人形】発動! 33体のチビ&猫と共に戦う!
チビ達には波状攻撃を飛び越えさせ、ジャックやゲームキャラをそれぞれにボコす!
ヤバそうな動きをしているヤツには刀を向け、一斉攻撃を頼むぞ!
そして俺は12本の刀を筐体や壁等にぶっ刺しながら相手の進路を塞ぎ、近づいたヤツから部位破壊していく!

ってかこの現場今何人いるんだよォ!?
\しゃらーい/\ふぐるにょわ~/
多すぎるんだよォ!!!



「うるっせえええええええ! そしてめんどくせえええええ!!」
 開口一番に木々水・サライ(|白黒猫使い人形《モノクローム・ドール》・f28416)が叫んだのがそれだった。君も十分にうるさい。
「いや俺もチビ達とか精霊猫達とか無数に呼びますけどォ!! そんなにうるさくしたことないもん!!」
『あれはツッコミ待ちなのか?』
『ツッコミ待ちといえばお前も相当だろうがジャック』
『ジャックが言うセリフではないだろう』
 全員ツッコミ待ちだよ君たち!
「なんだって!? いいもん!! だったら俺はお前ら以上のチビサライ呼ぶもん!!」
『ふはははははは! これ以上の人数をそろえられるわけがない! 当時の銀誓館ではあるまいし!』
 実際ゲームキャラクターも含めれば恐ろしい数の軍勢、多勢無勢もいいところ、だが――彼のもとに現れたのは。

『『『しゃらーい!』』』
『『『ふぐるにょわー!』』』

 実に33体の――精霊猫とチビ達だった。
『ふはははは! その程度の数など苦もない! フュージョンジャック!』
 なんとジャック2体が合体してケンタウロスのような姿になったではないか!
『『これぞ|KJM《ケンタウロスジャックマキシマム》よ!』』
「あれを一斉攻撃しろ! いい気になってる今がチャンスだ!」
 サライがケンタウロスジャックに刀を向ければ波状攻撃を飛び越えたチビ達がKJMをボコスカしていく。
 サライ本人はといえば壁に刀を差して妨害しながらゲームキャラクターを各個撃破していく。ついでに筐体にも刀が刺さっている。
『これでは動きにくいぞジャック!』
『物量作戦で行くと言ったのはどこの誰だジャック!』
『なんだとジャック!』
「ってかこの現場今何人いるんだよォ!?」
 \しゃらーい/\ふぐるにょわ~/
「多すぎるんだよォ!!!」
 もう人口密度がヤバすぎて戦闘どころじゃないというかハロウィンの時のアース系世界の渋谷の交差点みたいになってる!
 大混乱は味方にも敵にも圧を与え、判断を鈍らせたジャック。チビ達にKJMがやられたことにすら気づいたのは相当後だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミニョン・エルシェ
ふむ。出やがりましたね、ジャック。
身内よりお噂は……うるさーい!!

では…多勢対無勢の戦い方をご教示しましょう。
イレブンハートに対抗して、八郎の皆さんに協力して頂くのです。
筐体などを利用してバリケードを築き、隘路戦に持ち込めば師団級の数が居ようと1対1、【集団戦】で【拠点防御】です!
先頭に立つのは|隻腕の剣豪・伊庭秀穎《八郎》さん、飛び道具で援護するのは|伊勢貞藤《八郎》さん、その他|千葉胤時《八郎》さん、|長坂信政《血鑓九郎》さん、|葛山氏広《八郎》さんなどの皆さんに頑張って頂きましょう!1人物騒な九郎さんがいますが気にしないでくださいね!
十分に敵をすり潰したら、雪崩れ込んで袋叩きなのです!



「ふむ。出やがりましたね、ジャック。身内よりお噂は……」
 わいわいがやがやしゃらーいふぐるにょわ~。
「うるさーい!!」
 ミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)もこれには叫んでしまった。そりゃそうだ。
『ジャックが苦戦するからまたうるさいと言われたじゃないか!』
『ええい、ジャックが苦戦するからだろう!』
『貴様がマキシマムガールを変なのにするからだろうがジャック!』
 あーあ、ジャック達は身内喧嘩を始めてしまいました。その間にゲームキャラクターたちがしゃらーいとかふぐるにょわーとか言ってた何かを蹴散らしていく。大丈夫かジャック。
「全くです。そのように喧嘩していては多勢対無勢も活かせません。ここは……私が多勢対無勢の戦い方をご教示しましょう」
 どうやって?
「イレブンハートに対抗して、八郎の皆さんに協力して頂くのです。隘路戦に持ち込めば師団級の数が居ようと1対1です!」
 えーと、隘路ってのは狭い道って意味ね。つまり隘路戦ってのは狭い道に追い込んで各個撃破していくという戦い方。個々の実力に自信がある場合には有利な戦法だ。こちらも練度を求められるが。なおミニョン本人はと言えば筐体でバリケードを築いて籠城の構えだ。将というか召喚士がやられたら台無しだからね。
「先頭に立つのは|隻腕の剣豪・伊庭秀穎《八郎》さん、飛び道具で援護するのは|伊勢貞藤《八郎》さん、その他|千葉胤時《八郎》さん、|長坂信政《血鑓九郎》さん、|葛山氏広《八郎》さんなどの皆さんに頑張って頂きましょう!」
『今1人物騒な名前の奴がいただろう!』
『というか八郎でもない奴がいただろう!』
「気にしないでくださいね!」
 総ツッコミをジャックたちから受けるミニョンだが相手のツッコミをまともに聞くことはなかった。
 かくしてゲームキャラクター&ジャック軍団と八郎(1人九郎混ざってる)軍団、開戦――!

 が、決着は割と早くつこうとしてた。
『八郎共恐るるに足らずよ!』
『自らやりにくい戦法を取りに行ったな!』
 そう、隘路戦は多勢無勢を封じる――『味方も』。故に個々の練度が必要なのは先述の通り。
 だが、それだけではない。戦力をいかにキープできるかも大事なのだ。つまり、ラインをどこまで上げられるか。そしてジャック軍団は次々とゲームキャラクターを投入できる、つまり1人倒しても全くラインは上がらず、膠着状態が続けば疲弊するのはこちらの方!
『バリケードがもっと低いと危なかったなジャック』
『ああ、壁じゃなくてただの高低差ある足場なら軍団戦にできた分ワンチャンスあっただろうなジャック』
『つまり俺達の勝ちだジャック!』
『いや籠城されてる分まだわからないぞジャック、だが有利なのは間違いないなジャック!』
 ふはははは、と笑いが響く中、ミニョンは必至に持ちこたえながら指示を出していた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

バルタン・ノーヴェ
POW 諸々歓迎!

オー、11ジャック! ときめきマキシマム!
なるほど、これは膨大な数の女性陣デース!
しかもゲームセンターの中で密集しているとなると、身動きするのも一苦労デスネー!
流石はジャック! よっ、ナイトメア|王《キング》!
HAHAHA!
―――では、まとめて薙ぎ払えばよろしいデスナ?

全六式武装展開、フルバースト・マキシマム!
ヒャッハー! 戦いは数デスガ、火力も大事デスヨー!
ガトリングガンにグレネードランチャー、射撃攻撃をたっぷりと叩き込んで、波状攻撃を殲滅デース!
悪夢グラップルが届く距離まで近づかせマセーン、HAHAHA!

行きマスヨ、ナイトメア王! マキシマムガールの貯蔵は十分デスカー?



「オー、11ジャック! ときめきマキシマム! なるほど、これは膨大な数の女性陣デース!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)がバリケードの上から戦場を眺めればそこには大量の女性ゲームキャラクターにジャックが。
「しかもゲームセンターの中で密集しているとなると、身動きするのも一苦労デスネー!」
『そうだろうこれが作戦というものだ!』
『俺達の勝利は揺るがない!』
『そう言ってさっき不覚を取ったのは誰だジャック?』
『何だとジャック、貴様、言わせておけば……!』
「いやー、これは難しいデスネー! 流石はジャック! よっ、ナイトメア|王《キング》! HAHAHA!」
『『『ふははははは!』』』
 敵味方して笑い声が響き渡るというかなぜかシンパシーしてしまうバルタンとジャックたち。あんた狙われてるのよ?

「―――では、まとめて薙ぎ払えばよろしいデスナ?」
『何?』
 瞬間、バルタンは態度を豹変、全六式武装展開、フルバースト・マキシマム! 高空からの範囲攻撃はバリケードも筐体も床もゲームキャラクターもジャックもすべて巻き込み破壊する!
『ぐあああああ! この3代目JMHが範囲攻撃に弱いと何故分かったぁぁぁぁ!』
「ヒャッハー! 戦いは数デスガ、火力も大事デスヨー!
 行きマスヨ、ナイトメア王! マキシマムガールの貯蔵は十分デスカー?」
『くそおおお、こうなったら行け、マキシマムガール共! |S《セイバー》! |A《アーチャー》! |L《ランサー》! |R《ライダー》』
 まだいそうな感じがしたが言い終わる前にジャックが爆発に飲まれてしまった。
 対して波状攻撃をしかけようとバルタンに襲い掛かるゲームキャラクター達。だが、無策に突っ込むとなれば返り討ちに会うのがオチ、バルタンのフルバーストの前になすすべもなく散っていく。
 そう、相手がどんなに軍団を用意しようと、それをすべてぶっ壊すMAP攻撃があれば、もう無駄なこと考えるまでもない。連発していけば軍団はやられていく。戦いの常識だ。そうして数を減らしていけばやがてラインも上げられ、ジャックに近づける。しかし、バルタンはそれでもジャックに近づくことはなかった。
『くそ、ナイトメアと融合したこの両腕が使えればあいつなど!』
『なぜだ、なぜこれが遠距離に弱いと分かった!』
『ジャックが鍛錬をさぼったからだろう! やはりマキシマムガールに現を抜かしたのが悪かったのだぞジャック!』
『なんだとジャック、貴様!』
「見え見えデース!」
 このジャック同士の喧嘩のせいでジャックが密集してしまったところに渾身の爆撃が唸る!
「HAHAHA、任務完了デスナ! 帰還シマース!」
 もうもうと煙が上がるのを見てバルタンが帰ろうとする。だが、その後ろで影が立つ。
『まだだ……この程度で俺は倒れない』
 バリケードが壊れ、筐体が煙を吹き、床が抉れ、それでもなお臨戦態勢を取るジャックたち。
 ゲームキャラクター達もまだまだ湧いてきている。戦いはまだ続きそうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

城田・紗希
……なるほど?(わかった、って雰囲気を出しておく)

とりあえずUC発動、配下はレベル参照で一掃して、っと。
…ジャックさーん、ヒュージョン終わったー?
終わったところで融合解除、からの融合禁止!
そして永続魔法『オリジナリティ』で同名カードは1体しか…カード?(果たしてプレイヤーはカード扱いなのか、と疑問顔)
…あ、ジャッジさんが追い出してる。(ホログラム審判なのでジャックを担げない、という問題はスルー)

…どのジャックでもいいけど、デュエルする1人は決まったー?
じゃぁトドメ刺すねー、速攻魔法『ジャッジキル』!フィールドと墓地を合わせて、6枚以上の同名カードが…枚?カード?
……うん、とりあえず大ダメージ!



「……なるほど?」
 おい初っ端から疑問符出すんじゃない城田・紗希(人間の探索者・f01927)。しかもわかった、って雰囲気を出しておいて。
「よくわかんないけど、カードゲームで対決すればいいんだよね?」
『なぁジャック、彼女は何を言っている?』
『わからん、だがあれも戦略かもしれないぞジャック』
『ジャックの言うとおりだ、落ち着いて融合を――なんだあれは!?』
 ジャックたちが驚くのも無理はない。もはや荒れ切ったこのゲーセンに突如銀の雨――ではなくカードの雨が降り注いだからだ。ゲームキャラクター達も唖然としている。なんだこれは、という感じに。しかし逆に、この読めなさに持ち込んだ以上ここからは紗希のステージなのだ。 ……だよね?
「とりあえず、配下はレベル参照で一掃して……と。呪文カード、『悪夢の数字』をはつどー。
 数字はとりあえず……10で!」

『悪夢の数字』
 コスト3・闇属性・呪文
 この呪文を詠唱する時、数字を1つ選ぶ。その数字と同じレベルを持つクリーチャーを全て破壊する。

 瞬間、ゲームキャラクター達が全員やられて消えていく!
『くそおおおおおお!! 全員初期レベルだとなぜわかったあああ!』
『だから言ったのだジャック、配下も育成しとけと!』
『時間はあったはずなのだぞジャック!』
『ええいうるさい! こうなったら俺達で行くしかないぞ!』
 言うや否や緊急事態と見たか慌ててジャック達がコードの力で合体しマッスルジャックとなる!
『『ふはははは、これぞ|MJM《マッスルジャックマキシマム》』』
「……ジャックさーん、ヒュージョン終わったー?」
『『終わっているが話は最後まで聞け』』
「えーい、『フュージョンキャンセラー』からの『融合禁止令』ー」
『『人の話を聞けーー!!』』

『フュージョンキャンセラー』
 コスト4・水属性・呪文
 相手の融合またはリンクしているクリーチャーを1体選ぶ。それをデッキに戻す。それが融合クリーチャーなら相手はそれの素材としていたクリーチャーを1体特殊召喚しても良い。それがリンククリーチャーなら相手はそのリンク前のクリーチャーを1体特殊召喚しても良い。

『融合禁止令』
 コスト4・自然属性・フィールド
 このカードが場にある限り、相手は融合、リンクができない。

 なんということでしょう。紗希はジャックが無駄に名乗りや喧嘩をしている間にせこせことマナを溜め、ジャックの融合を解除しさらに封印してしまった! 今紗希のコードの影響でカードバトル……というかデュエリストブレイド空間が展開されているのでジャックは影響をもろに受けてしまうのだ!
『バカな、この|JMF《ジャックマキシマムフュージョン》が解除されるだと!?』
『この奇天烈な能力にあの女子校生のような姿……さては銀誓館の者か!?』
『ありえるぞジャック! 銀誓館のことだ、どんなのを抱えていてもおかしくはない!』
 紗希が銀誓館出身説が出ているがもちろん妄想でしかなく、紗希は首をかしげながらカードを見ている。
「そして永続魔法……呪文? 『オリジナリティ』で同名カードは1体しか……カード?」

『オリジナリティ』
 コスト3・水属性・フィールド
 このカードが場にある限り、同名のカードは1枚しか場に存在できない。

「えー……と……」
 プレイした直後に紗希はめっちゃ疑問顔。というのも。
(果たしてプレイヤーはカード扱いなのかな……)
 疑問顔をする紗希だが、答えは前を見れば明らか。
『ええい何をする放せ! ジャックは11人いてジャックだ!』
『ジャック貴様1人になるユーベルコード銀誓館相手に使っていただろう!』
『ここに来て裏切るかジャック!』
『ジャァァァァック!』
 ホログラム審判がジャックを1人以外全員追い出していた。審判いたんだ。
「……あ、ジャッジさんが追い出してる」
 前を見てようやく気付いた紗希。いつから審判呼んだのさ。
「……最初?」

「……どのジャックでもいいけど、デュエルする1人は決まったー?」
『ああ、このジャックが相手しよう! 他のジャックどもは捨てられてしまったがそれすらもこの俺のエネルギーとしてみせた! 貴様らで言うところの墓地だな! ふはははは、遠慮なく挑むがいい!』
「うん、じゃぁトドメ刺すねー、速攻魔法『ジャッジキル』! フィールドと墓地を合わせて、6枚以上の同名カードが……枚? カード?
 ……うん、とりあえず大ダメージ!」
『ちゃんと覚えていろフィニッシュのカード位!』

『ジャッジキル』
 コスト11・火属性・呪文
 このカードはバトルフェイズにも使用可能。
 相手のフィールドと墓地に6枚以上同名のカードがある場合、相手のフィールドと墓地のカードを全てゲームから除外する。

『……』
『ジャック……俺達……』
『ああ……11体、いるな……』
『6とか余裕で超えてるよな……』

 ぐああああああ!!!
 ジャック11体の悲鳴がゲームセンターに響き渡った。
「……うん、これでよし!」
 カードゲーム空間を解除しながら紗希はわけわかんないまま勝ち誇った顔をした。凄いな肝座ってるなこいつ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
やや、11人のジャックさん+シスターズの皆様でっすかー!
それは確かに厄介でっすがー……藍ちゃんくんには必勝法があるのでっす!
藍ちゃんくんが11人分以上にお喋りすればよいのでっす!
藍ちゃんくん、藍ドルでっすのでー!
おっきな声でのトークでは負けないのでっすよー!
それにでっすねー。
そのシスターズさん方で藍ちゃんくんに挑んだのが運の尽きでっすよー?
藍ちゃんくん、この世界のダンスにも詳しいでっすのでー。
演奏からのダンススタート!
シスターズさん達の戦闘力は確かに高いでっしょうし、耐性もあるやもでっすがー。
この曲、この歌、このダンスからは逃れられないかと!
カーニバルの時間なのでっす!
藍ちゃんくんだけでなく、ジャックのおにーさんとシスターズさんのやりとりでも随分とトンチキ空間になってましたからねー!
そのノリからそのまま引きずり込んじゃうのでっす!
せっかくの合体もこれでは力を発揮できないかと!
その上シスターズさん達の必殺技が明後日の方に飛んでってジャックが死んだ! なのです!



 そしてゲームセンターに響く大きな声。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
 そう、声には自信のある紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)だ。
「やや、11人のジャックさん+シスターズの皆様でっすかー! それは確かに厄介でっすがー……藍ちゃんくんには必勝法があるのでっす!」
 ほう、どんな?
「藍ちゃんくんが11人分以上にお喋りすればよいのでっす!」
『ばかな、俺達のイレブンハートを超えるだと!?』
『できるわけがない! ハッタリだ!』
「いや、できるのでっす! 藍ちゃんくん、藍ドルでっすのでー!」
『というか貴様も声が大きいぞ!』
「藍ドルなのでおっきな声でのトークでは負けないのでっすよー!」
『どんな理屈だ!』
『ジャック、完全に俺達がツッコミに回らされてるぞ!』
『おのれ猟兵、これが貴様らのやり方か!』
『早くペースを取り戻すぞ! 行け、マキシマムガール・|AS《アサシン》! マキシマムガール・|C《キャスター》!』
 マキシマムガール達が多勢で押し切ろうと藍ちゃんくんに襲い掛かる、が、藍ちゃんくんがそれを紙一重の連続でかわしていく。
「それにでっすねー。そのシスターズさん方で藍ちゃんくんに挑んだのが運の尽きでっすよー?
 藍ちゃんくん、この世界のダンスにも詳しいでっすのでー」
 ダンスを極めたからといって回避がしやすくなるかというとまた首を傾げざるを得ないが、身軽に色んな動作ができることで回避しやすくなるのは事実だ。実際波状に来るマキシマムガールの攻撃を藍ちゃんくんは軽くかわしている。だがこのままではジリ貧だ。防戦一方だから。果たして藍ちゃんくんに打開策はあるのか!
「ふふふ、こっからなのでっす! ミュージックスタート!」
 藍ちゃんくんが指を鳴らすと何やら軽快な音楽が流れだす。それに合わせて藍ちゃんくんが踊ればなんとマキシマムガール達が釣られて踊り出したではないか!
『おい何をしているマキシマムガール!』
『そういうジャックもなぜ融合したまま踊っている!』
『なんで踊りながら突っ込んでいるジャック!』
 そう、ジャック達もまた融合した奴含め全員踊っていた!
「シスターズさん達の戦闘力は確かに高いでっしょうし、耐性もあるやもでっすがー。この曲、この歌、このダンスからは逃れられないかと!
 そう、カーニバルの時間なのでっす!」
 正直みんな色々やってくれたのとジャックのノリのせいで随分ここもトンチキな空間になってしまった。
 なんならジャックの1体は上下左右に矢印が向いてるゲームを踏んでるしまた1体はマットの上でカメラに撮られながらダンスを決めている。マッスルジャックに至っては下が点々と電飾だらけのステージに乗ってシャッフルダンスみたいなのを決めているではないか! もうだめだこいつら! これじゃ合体した意味もない! おまけにこのままツッコんでも説得力ないよ!
『あっ』
 つい魔力が力んでマキシマムガール・Cの攻撃がジャックの1体にフレンドリーファイア!
『ぐおおおおっ!? マキシマムガール・C、なぜ叛逆をする!?』
『ジャックのダンスが悪いからじゃないか?』
『なんでダンスが基準になっている!?』
『ダンスのキレは回避のキレ。あの猟兵を見れば明らかだろう?』
『貴様どっちの味方だジャック!』
「あやー、ジャックが死んだ! なのです!」
『この人でなし!』
『死んでないし貴様だからどっちの味方だジャック!』
 藍ちゃんくんがマキシマムガール達を連れて離脱するまでこのトンチキダンス空間はしばらく続いた。
 マキシマムガール達が補充される中ジャック達は肩で息をしていた。だってこいつら肉体派とは言えダンス慣れてないしいい歳してるもん。

成功 🔵​🔵​🔴​

吹春・志華
……(絶句)
句読点代わりに台詞一つに銃弾一発撃ち込んでたらミニガンがいるわね……やかましい
それに何よこの女どもは?支援団体でイケメン侍らせてる私への当てつけ?(被害妄想です)
腹立つわね……纏めて黙らせてやるわ

ジャック達を全員巻き込める位置でUC使用
幽体離脱させてやるわ、これで腕振るうどころじゃないでしょ?
範囲外の女どもには黙ってろとばかりに結界張って閉じ込めておく

……はぁ、これでやっと静かに……なってないわね
ああそうよね霊媒士なんだから幽体の声が聞こえて当たり前よねこの(検閲)どもが!!
ガンナイフと短刀フル活用、イライラでリミッター解除して意識ない体を撃って刺して繋がり絶って成仏させてやるわ



『押されてるぞジャック!』
『ジャックがなさけないからじゃないかジャック!』
『黙れジャック! 貴様が……!?』
 見苦しい喧嘩は銃弾1発で収まった。その銃弾を放ったのは。
「……句読点代わりに台詞一つに銃弾一発撃ち込んでたらミニガンがいるわね……やかましい」
 銀誓館出身、吹春・志華(観測者・f35442)だ。運命の糸症候群発症済。
「それに何よこの女どもは? 支援団体でイケメン侍らせてる私への当てつけ? 腹立つわね……纏めて黙らせてやるわ」
 女だらけのゲームキャラクター達を見て被害妄想をする志華。実は志華は|銀の雨が降る時代《シルバーレイン》の後、能力者支援団体を設立し、啓蒙活動によって参入した一般枠を多く雇用していた過去がある。その時趣味で側近に美男子が多かった。なお、それでも生涯独身を貫き、今に至っているのだが、なんならその組織は今は兄に任せているのだが――閑話休題。それだけにこのハーレムジャックにイラつきが出ているようだ。これが後に多くの本に題材として書かれ、多くの女性の手本となる存在なのだろうか。
『イケメンなら俺もどうだ?』
『張り合うなジャック! 敵だぞ敵!』
「そうね、銀誓館学園の者として、ジャックは処理しないといけないからね。もってのほかよ敵とお付き合いだなんて」
『『『銀誓館学園!?!?!?』』』
 ジャック達が目を丸くしてハモった。
『ついに来たか銀誓館……』
『どうするジャック、俺達を殺したノウハウがあるぞ』
『落ち着けジャック、銀誓館は銀誓館でも錬度の低い方だろう、落ち着いてやれば』
「うるさいわね、黙ってなさい」
 瞬間、ジャック達とゲームキャラクター達がなんと全員幽体離脱してしまう。呪術フィールドを展開したことによるものだが、これ自体本人は糞みたいな術というがかなりのものだ。さらにゲームキャラクター達は黙ってろとばかりに結界を形成しその外へ追い出すことで干渉できないように。
「……はぁ、これでやっと静かに……」
『ど、どうなっているジャック!』
『わからん、貴様こそ幽霊みたいになっているぞジャック!』
『これじゃあナイトメアの腕が使えないではないかジャック!』
「なってないわね……ああそうよね霊媒士なんだから幽体の声が聞こえて当たり前よねこの(検閲)どもが!!」
『『『今明らかに女が使ってはいけない言葉出しただろう!?』』』
 ジャックが突っ込む間にも意識なく倒れた体を志華がガンナイフと短刀でフルボッコにする。己に聞こえる耳障りな声を消すために。やるたびに声が大きくなったり小さくなったりするが、もはやそんなの関係ない。――ジャックの往時の種族であるナイトメアビーストとは、邪悪な人間にナイトメアという夢の中の怪物が融合した存在だ。さて、今どっちがナイトメアビーストだろうと言われたら、これだけ見れば明らかに志華の方がナイトメアビーストに見えなくもないだろう。
 やがて、声が止む頃には幽体離脱させられたジャックも解脱により成仏――

 ――とはならないんだなぁこれが。
『ふっ、さすがは銀誓館……俺が後ろにいなかったら全滅していた』
 隠れていたジャックが結界の外に不意に現れる。明らかにオーラが違う……恐らく、こいつが。
『そしてちょうどいい……見せてやろう、このジャック・マキシマムの力を』
 結界が消えると同時に、幽体離脱した体を失いしジャック達が、隠れたジャックに次々と入り込んでいく……!
『俺の作り出す10人は、超常物理あらゆる法則を無視して、本体の力を奪うことなく複製される』
 一旦言葉を切るジャック。
『もし、そうして生まれた複製の力を、「本体にフィードバック」できるとしたら……?』
 数倍の力になったジャック(本体)と11人ほどはいかずともまだ複数いるジャック達。最大の敵が、立ちはだかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

アニメ声とか優勝請負人かな?やっぱジャックはくうはくさんでないときれがわるいえなんでもないわ。
波状攻撃ねぇ、なら天地開tゲフンゲフン|不可思議なる厄災の『夜』《ワンダーカラミティ・デモン》で迎え撃ちましょ。134連撃の上に技後硬直も|高速詠唱早業先制攻撃《タイムフォールダウン》で消せるわ。連続コンボで放つ天地mおっと厄災の悪夢をどうぞ。
|盗み攻撃カウンター《リフレクション》で攻撃の反射からの|多重詠唱属性攻撃《トリニティバースト》で追撃する。
だが、やはり、バビロンの獣リーダージャック、ふざけたような言動をしててもやはり一筋縄ではいかない。
だから最後の力|高速詠唱早業先制攻撃《タイムフォールダウン》で|重量攻撃、凍結攻撃、封印術、気絶攻撃、マヒ攻撃、息止め《時間質量を解放し時を凍結させ一切の活動を停止させましょう》。有象無象はともかくジャックはこの程度では死んでくれないんだろうなぁ、まぁ、コンボを一体に集中して確実に一体づつ潰していきましょう。



「アニメ声とか優勝請負人かな?」
 言うなアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の混沌魔術師ケイオト艶魔少女・f05202)……元ネタが完全にバレてる……あ、わかんない方のために説明すると……
『ふっ、「優勝請負人」| 颯爽・菱子《さっそう・びしこ》ことビシコか……懐かしい名を聞いたな』
 あ、ジャックが説明してくれた。そう、このビシコの無駄な特技がアニメ声なのよ。
「まぁいいわ、波状攻撃ねぇ、なら天地開tゲフンゲフン|不可思議なる厄災の『夜』《ワンダーカラミティ・デモン》で迎え撃ちましょ」
『今天地開闢断とか言いかけなかったか? どれだけオーバーキルすれば気が済むのだ? まぁ今の俺には効かないがな!』
 そう、先ほどの状況で今ジャック本体はパワー数倍になっている。その分雰囲気が目立つわけだが。ちなみに報告官は全力で他2つのアビリティっぽい名前を検索したが出なかったすまない。往時の力の再現だろう『厄災の悪夢』と名付けられたその技が134連発というありえない数叩き込まれればゲームキャラクター達はひとたまりもない。ジャックたちが反撃に悪夢のエネルギーを放つが、時間質量の解放というとんでもない力である『タイムフォールダウン』で強引に硬直を消せば『リフレクション』で反射してからの『トリニティバースト』で逆に手数増やしてお返しすればゲームキャラクターたちにフレンドリーファイアしゲームキャラクターたちが消えていく。
 ゲームキャラクター達が全滅してゲーセンもボロボロ、もうもうと煙が上る中、ジャック達が立ちはだかる。
『ふっ、マキシマムガール達は全員やられてしまったか……だが、真っ向勝負でこのジャック・マキシマムの大群に敵う者などいない!
 そう、ここで突然「都合良く時間を止める奴」でもいない限りはな!』
『さすがはジャック!』
『エースストライカー!』
「ふむ、やはり、『バビロンの獣』リーダー・ジャック、ふざけたような言動をしててもやはり一筋縄ではいかない」
 だが、とアリスはどこか遠くを見るような顔で。
「その『フラグ発言』が本当になるのもジャックの十八番よね」
『何……?』
 瞬間、アリスはジャックの1体のすぐそばに移動、タイムフォールダウンをジャックに放つ。
「ええ、お望みの通り、時間質量を解放し、時を凍結させ、一切の活動を停止させましょう」
『な、馬鹿な……このジャック・マキシマムが、封印されるだと!?』
『封印だと!? そんなことあるのかジャック!?』
『封印などされたら、フィードバックができないのではないかジャック!?』
「封印なんて、そんな生半可なことで終わるわけがないじゃない。まぁ、見てなさい」
 時を凍結させられたジャックの動きが止まる。するとアリスは触手を展開、エナジードレインを組み合わせながら連撃を繰り出していく。134、268、536、1072、もっともっと。本体や他のジャックからエネルギーが飛んでくるがゲームキャラクター達に使ったように反射してそれも武器とする。
(有象無象ならこの程度で終わりでしょうけどさすがはジャック、死んでくれないわね。まぁ、コンボを一体に集中して確実に一体づつ潰していきましょう)
 本来はこれで一気に仕留めるつもりだったようだがジャックの強さを味わって作戦変更というところか。手数の多さが勝負の鍵とでも言うように封印されしジャックの1体が倒れる。するとアリスはすぐに次のジャックに目をつける。
「次はあなたよ」
 まるでそれは死刑宣告。
『どうにかしろジャック! フィードバックとか!』
『フィードバックしたらお前は消えるぞジャック!?』
『馬鹿か、今ジャックに殺されるかこいつに殺されるかどっちがいい』
「遅いわね」
 アリスが喧嘩してるジャックをまとめて封印、からの1体ずつ連撃で殺戮。
「さて、あとはあなただけよ」
 気づけば何体かフィードバックした本物のジャックだけが残っていた。
『……なるほどな。お前はよく考えていた。あえて指示が少なく、明らかに強くなっている俺を残し、さらに俺からの反撃も反射する武器として使っていた。俺が他のジャックより強かったからこそできたことだろう』
「あら、褒めてくれるのね。でもやっぱジャックはくうはくさんでないときれがわるいえなんでもないわ」
『報告官が泣くから言うな。物凄く往時のリプレイとか見て勉強しながら書いているつもりらしいからな。
 それはともあれ、お前の作戦は優れていた。もし俺から攻撃していたら苦戦していただろうしな』
「よく喋るじゃない。逃げる算段でもあるのかしら?」
『その通りだ、お前たちは気づかなかっただろうが、この非常スイッチを押せば緊急脱出装置が起動する!』
 ジャックが取り出したのはテレビとかでもよく見るだろう台座に乗った赤い大きなスイッチ。
『ククク、強制失敗だとでも思って悔しがるが』
「えーい」
『バカなぁぁぁ!?!?』
 アリス、触手持ってるからね……そんなもの見せびらかしたらそりゃ触手で奪われるよ……
「ついでにえーい」
『あああああああ! それが脱出装置となぜわかったぁぁぁ!!』
 アリスが触手でスイッチをゲーセン奥にある謎の装置に投げ込めば2つまとめて大爆発!
「どうせ後ろに隠れていたのはこれを気にするためでしょ? さっきからチラチラ見てたから気づくわよ。
 やることなすこと当時と変わってない、まさに|過去の産物《オブリビオン》ねぇ」
『馬鹿な、これほどまでに……!』
「さて、敗北を認めよう、とは言わせないわ」
 ジャック(本体)の目の前でアリスが触手を全開にしながらニヤケ顔をする……
「何体かフィードバックしている、ということは何倍も楽しめるのよね?」
『あ……ああああああああ!』
「ナイトメアビーストの|王《キング》が悪夢を見る、なんて皮肉でしょうね」
 アリスのその声と共に進撃していく触手とアリス、そしてジャック・マキシマムの本体は――埋もれた。
『ジャック・マキシマムの戦闘不能を確認しました。これより自爆シーケンスに移行します』
 館内アナウンスでそれが響いたのはものの数分後だった。

 こうして、ジャック・マキシマムによる最悪の悪夢は終わった。
 ゲームセンターは自爆し骸の海に戻り、戦いは次の局面に向かうだろう。
 夢魔随筆のことなど、多数の謎を抱えながらも……

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月16日


挿絵イラスト