銀河帝国攻略戦⑳~先読みの白騎士
「解放軍が『白魔』、『白城』の艦隊を撃破した結果、皆の刃が白騎士ディアブロに届く様になったよ」
北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)が、静かな口調でそう告げる。
過去を読む黒騎士の対とも言うべき存在白騎士ディアブロ。
黒騎士が過去を読むのであれば、白騎士は未来を読む。
「既に彼を守る部隊は解放軍によって制圧された。だから、彼は常に一体でいる。だけど……」
この状況は、正しく白騎士に取って、最大の力を発揮できる状態だ。
「解放軍は銀河皇帝さえ倒せばこの戦いは終わると信じている。実際それは、この銀河帝国攻略戦だけを見れば正しい選択だ。でも……俺達猟兵にとってはそうじゃない」
仮に、銀河皇帝を倒せたとしても。
黒騎士や白騎士が生き残れば、新たなオブリビオン・フォーミュラとなる可能性が高い。
――だからこそ。
「可能ならば此処で撃破して欲しいんだ。最も……そんなに生易しい相手じゃないけれどね。皆、力を貸して貰えないか?」
優希斗の問いかけに猟兵達は其々の表情で返事を返した。
●
「さて、白騎士は基本的に同時に一体しか存在しない」
でも……と小さく息を一つつく優希斗。
「限定的ではあるが、彼は『未来を操作する』力を持つと目されている」
つまり、普通に戦えば彼は彼は『全ての攻撃を逃れ』『絶対に命中する攻撃』を『最大の効果を発揮する』ように行い、確実な勝利を掴むのは間違いない。
「しかも、装備品のフォースセイバーやレーザーキャノンといった兵装も銀河帝国の技術の粋を尽くしたものだ。生半可な力じゃ通用しない」
更にその力が尽きるまで、骸の海から蘇る力すら持っている。
正しく強敵になる。
「けれども……彼の力も絶対的なものではないはずなんだ。その為には、皆の戦術……具体的には知恵とユーベルコードを駆使すれば、或いは正気が生まれる可能性もある」
尚、猟兵が勝利して白騎士が『骸の海』に放逐されも、すぐに『骸の海』から蘇り、別の場所から再出撃してくる。
但し、白騎士が『骸の海』から出現する場所は、破壊された白騎士配下の艦艇のどれかであることは、予知によって確率的に予測されている。
「皆にはそのポイントに出現する白騎士を待ち伏せして、撃破を目指して欲しい」
それが、非常に困難なことだとわかっていても、それでも。
「皆なら、或いは……だから、皆、どうかよろしく頼む」
そう一礼する優希斗に背を向けて、猟兵達はそのゲートを潜り抜けた。
●
ゲートの向こう。その戦艦に辿り着いた猟兵達が感じたもの。
それは……殺気。
何処までも澄み切った白の様に……まるでこの戦場全体に染み込む様な、圧倒的な殺気。
その中央に一人立つ男。
「遂に此処まで来たか、猟兵達よ。さあ、お前達の戦いを私に見せてくれ」
高らかに告げるかの騎士のその様は……まるで、大地に聳え立つ大樹の如き荘厳さと、死神の如き冷厳さを備えていた。
長野聖夜
――予測されうる未来とは。
いつも大変お世話になっております。
長野聖夜です。
という訳で、白騎士ディアブロさんと戦っていただきます。
*今回は判定厳しめに行きますので、どうかお覚悟を。
また、プレイングによっては今回は採用しない可能性も高いのでその点、どうかご承知おきを。
尚、シナリオの設定上、今回は基本的に1VS1でのプレイングを想定しています。
グループで戦いたい方々はチーム名、誰と行うか、を明確にしてください。
但し、シナリオの難易度上、チームで下手を売った場合、いきなり敗北になる可能性があることも、重々お忘れなく。
尚、チーム戦の方々は厳密に判定が可能になるのが、2月23日(土)以降になります。
その為、2月22日(金)~2月24日(日)迄がプレイング期間に入る様、調整していただければ幸いです。
さて……下記は、こちらのシナリオのルールです。
====================
1、このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
2、白騎士ディアブロは、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
=============================
――それでは、覚悟のある良き死闘を。
第1章 ボス戦
『白騎士ディアブロ』
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POW : 収束する運命の白光
【対象の未来位置に向け放たれるレーザー】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : ホワイトライト・トゥルーライト
【10秒先を見たかの様に的確な攻撃を行い、】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予想シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シャオ・フィルナート
自分を台風の目とし
UC:氷の竜巻発生
効果切れまで周囲への攻防両立
背中に★氷の翼を
手に★雹燕を同時生成
攻撃は自らを守る用に翼を折り畳む事でUCとの二重防壁に
敵が仕掛けて来ない間は羽根状の弾丸による【属性攻撃】を【一斉発射】し
【範囲攻撃】でドローンと白騎士同時狙い
難しい場合ドローンから殲滅
★翼が破壊された時の為
★死星眼に覚醒
攻撃の為此方を見た瞬間の【催眠、生命力吸収】
一瞬でも動作が鈍れば
雹燕から放つ氷の鎌鼬での【属性攻撃】で
敵の関節部等を狙い凍りつかせ
翼の再形成、弾丸攻撃
面倒、だから…
予想してても動作が追いつかないくらい
凍えちゃえ…
翼で守りながらの再UC:氷の津波+範囲攻撃
ドローンも巻き込み攻撃
●先の先
「……来たよ……白騎士」
抑揚がなく、何処か中性的な冷めた声音で。
シャオ・フィルナートがそう告げた時、既にシャオの周囲には66機の撮影動画ドローンが召喚されていた。
「ああ……君が来ることは分かっていたよ。そして……」
――カッ。
シャオの脇腹に走る灼熱感。
「そう……君が自らのユーベルコードを使い台風の目となり攻守を担う……そうしようとしていたこともな」
――白騎士ディアブロには、未来が視える。
即ちそれは、自らが台風の目となろうとするその瞬間さえも先読みし、シャオがユーベルコードを発するよりも先に行動する事を可能にした。
ただ……それだけの事。
(これが……絶対先制……)
決してディアブロの事を甘く見ていたわけでは無い。
ただ……氷の嵐を呼び出し、それだけで攻守を担うこと……そう考える事が、結果として白騎士ディアブロに先の先を打たれる結果と相成ったのだ。
そのままシャオの懐に宿地の要領で潜り込み、フォースソードを脇腹から右肩に掛けて撥ね上げるディアブロ。
absolute zeroを起動させるのを諦めその手に雹燕を、そしてその背にange de verreを同時に解放できたのは、不幸中の幸いであったろう。
だが……シャオの戦いはユーベルコード在りきの戦い。
故に一瞬で防戦一方に追い込まれる。
フォースソードによる袈裟から、光線銃による零距離射撃。
そうして、勇ましき自らの姿をドローン達に撮影させることで更に自らのフォースソードと光線銃、そして自身の力を高めてくる。
……最早、誰の目にも勝敗は明らかだった。
「……失敗……しちゃったな……」
ユーベルコードに頼り過ぎたその罪は……自らの血を代償に贖われた。
無念、と自らの血だまりの中に身を浸しながらシャオの意識は闇の中へと薄れていく。
けれども……これで。
何をどうしたら良いのか、そのヒントを他の者に託すことが出来る。
それが……シャオが倒れた意味だろう。
「また会おう……猟兵よ」
淡々と騎士の礼を取り。
白騎士ディアブロは、戦闘不能となったシャオをその場に残して、静かにその場を後にした。
失敗
🔴🔴🔴
ウィリアム・バークリー
未来を読むオブリビオンなんて酷い矛盾です。世界を過去で埋め尽くすのが本能じゃないんですか?
まあ、いいです。あなたの未来はここで断ち切ります。
収束する運命の白光は、「オーラ防御」「見切り」「武器受け」「念動力」で直撃をそらすよう対応。
反撃、行きます。
氷の「属性攻撃」「全力魔法」「鎧無視攻撃」を「高速詠唱」して白騎士に出来る限りの損傷を。
ホワイトライト・トゥルーライトでもかわせないよう、「高速詠唱」で次々に氷の「属性攻撃」を仕掛け、タイミングを計って氷属性ルーンスラッシュ!
デストロイマシン零式は現れる端から「衝撃波」で落とします。
白騎士の未来予測へのぼくの回答は、回避不能の飽和攻撃。どうですか!?
●
「未来を読むオブリビオンなんて酷い矛盾です。世界を過去で埋め尽くすのが本能じゃないんですか?」
猟兵の一人を倒し、その場を後にしようとした白騎士ディアブロにそう呼びかけたのは、ウィリアム・バークリー。
問いかけにディアブロが其方へと振り向き、さて、と首を一つ傾げている。
「我が本能と我が技に、如何なる因果がある? 逆に、問おう。貴様達猟兵は未来を守ると言うが、では過去に得た力を糧としてユーベルコードを使用する者はいないのか?」
「それは……」
ディアブロの問いかけにウィリアムは軽く頭を振る。
「まあ、いいです。あなたの未来はここで断ち切ります」
白騎士から発せられる殺気を確かに感じ取り、チリチリと肌が焼け付く様な殺気に身を震わせながらも挑発を怠らず。
防御の構えを取るウィリアムにディアブロがその左手に構える銃口よりレーザーを撃ち出した。
そう……ウィリアムが見切り、辿り着いたその先に。
(……っ! 未来予測は、ぼくの逃げつく先まで読んできますか……!)
咄嗟にルーンソード『スプラッシュ』でその攻撃を受け、そしてオーラ防御で辛うじてその直撃を逸らしたウィリアムがその負傷に思わずその表情を強張らせる。
念動力を重ねて武器の強度を確保しなければ、ルーンソード『スプラッシュ』の刃さえも折られていたかも知れない。
それ程までに鋭い一撃。
「ですが……何とか……!」
――ギリギリではあるけれども。
倒れずに踏みとどまることは、確かに出来た。
だがたったの一撃でそこまで追い詰められるとは、自分とディアブロの彼我の差は、どれ程のものだろう。
白騎士は、次の一手で此方を仕留めるべくのしり、のしりと悠然とした足取りで、ウィリアムの方へと近付いてきている。
(それでも……!)
辛うじて残された気力を使って素早く青色の魔法陣を展開するウィリアム。
その氷の精霊達を、ルーンソード『スプラッシュ』に蓄えて。
「これで……どうですか?!」
嘗て自らと契約してくれた氷の精霊達の力を全て魔力に変換し、薄らと蒼く輝く刃と化させて、袈裟なる一撃を放つ。
それは……自身の気力を振り絞り放った最善にして最大の一手。
そしてその刃は……。
――ズブリ。
「……回答としては、間違ってはいない。だが……私を凍てつかせるには、まだ力が足りなかったな」
ズルリ、とウィリアムの胸に突き立てられたフォースソードを引き抜きながら、白騎士が泰然とした態度で告げた。
……その右肩に凍てつく袈裟の傷を負いながら。
(……全力をかけたぼくの一撃……一太刀でも報いることが出来ただけ良しとしましょうか……)
内心で思いながら、ウィリアムが胸から血の涙を零し喀血しながらその場に倒れ伏す。
白騎士ディアブロ。
未だ、此処にあり。
苦戦
🔵🔴🔴
ラッセル・ベイ
成程、途轍もない強敵だ
黒騎士と比べても、勝るとも劣らんな
●戦闘(POW)
まずはレーザーの対処だ
戦闘前に「地盾グラウンド」へ電撃ポーションを付与、「ルーン辞書」も併用し付与力を向上
レーザーとは電磁波を増幅した光
電撃を纏ったグラウンドならば、同属性のレーザーを相殺できる
その場から動かず迫り来るレーザーを受け流してやろう
命中時の対応も考えるか
主に考えられるのは攻撃、移動の禁止
ならば「雷鐘ボルテック」の出番だ
【ライトニングベル】の轟音を響かせる
私はボルテックを振るだけで、実際の攻撃はボルテックが行う。移動の必要もない
ルールを破ってダメージを受けた場合、軽く振って回復を図ろう
ふん、恐ろしく強いな。君は
●
(成程、途轍もない強敵だ)
地面に倒れ伏した猟兵達の姿を認めながら、ラッセル・ベイは胸中で独りごちる。
これ程までに白騎士ディアブロの未来予知は的確なのか。
(これは……黒騎士と比べても、勝るとも劣らんな)
その能力は、過去を捕らえ、敵を打ち倒す黒騎士アンヘルに勝るとも劣らない。
かつてかの黒騎士と対峙した時は8人の猟兵と協力して挑むことが出来たが、今回は1人。
果たして、この戦いの結末は如何様になるか。
「ほぅ……先の2人は若く血気に逸る所があったが……どうやら貴様は違う様だな。その身のこなしとその装備、中々の手練れとみた。折角だ。名を聞こう」
「ふ……私の武具に目を留めるとは。ディアブロ君とだったか? 君には見る目がある様だな」
何処か愉快そうに、笑い声をあげながら。
心躍る表情でラッセルが長い髭を扱きつつ自らの愛盾『地盾グラウンド』にダブルセブンスポーションが一つ、雷撃ポーションを振りかける。
――これが、自分なりの仕込みだ。
「君とは、違うところで会いたかったな。敵で無ければ俺の手で打ったこの相棒達の事を夜が明けるまで何時までも語り合うことが出来ただろうに」
「生憎だな、猟兵よ。私に貴様達と語らう理由は無い。それでも尚語りたければな……見せてみろ。貴様の自慢の武具の力をな。……移動するな」
小さく、そして訥々と。
命じる様に告げながら、光線銃からレーザーを放つ。
それは、対象の未来位置に向け放たれる白騎士ディアブロの必殺の技。
しかし……。
(レーザーとは、電磁波を増幅した光)
最も……ユーベルコードである以上、普通のレーザーとは異なる性質が持たれているだろうが。
けれども根源的なものは、本来のレーザーと早々変わることもあるまい。
故に……。
「ぐっ……!」
完全に、とまではいかないがある程度は相殺する事叶い、撃ち抜かれた部分の痛みに喀血しながらも、ラッセルは目を細めて敵を睨め付ける。
だが……移動が出来ない。
まるで、大地に根を張ってしまったかの様に、足がその場に射止められてしまっている。
理由は簡単。
そう、命じられたからだ。
「ふむ、この一撃に耐え抜いたか。一先ず見事だ。だが……動けまい」
凍てついた右肩を軽く解す様にしながら、白騎士は一歩、また一歩と間合いを詰めて来る白騎士。
けれども、ラッセルは決して慌てぬ。
その手に持つ雷鐘ボルテックをある程度近付かれたところで勢いよく振るう。
『さあボルテック、轟雷の如く響き渡れ』
「ちっ……慢心したか……?!」
ラッセルが身動きできぬ様、命じた段階で勝算はあった。
だが……次に彼が見た未来は、ラッセルがただ鐘を振るう未来。
そう……ラッセルが強く鐘を振るう事で、巨大な雷と化した爆音がよもや自分を飲み込むとまでは予知できなかったのだ。
「ぐっ……ぬぅ……っ!」
その雷による攻撃に思わず傾ぐ白騎士。
だが、それで臆する様子も無く、零距離まで近付きレーザーを撃ち出す。
「……鐘を振るな」
「ふん……一足遅いっ!」
零距離から盾を避けて放たれたレーザーにその身を撃ち抜かれながら、ラッセルはそのレーザーが直撃する直前にもう一度雷鐘ボルテックを振るう。
流石にこの振るうと言う動作は予知できていたため、咄嗟にバックステップをする事でその巨大な雷と化した爆音の被害を最小限に抑えることは出来たが、確かに二撃加えることは出来たのだ。
――だが……。
「ふん、恐ろしく強いな。君は」
撃ち抜かれ、最初に移動を次に鐘を振る事を禁じられたラッセルは、全身を朱に染めていた。
たった2発のレーザー。それだけで、此方の攻撃を白騎士は封殺せしめた。
だが……白騎士も浅くない傷を負っている。
体中からバチバチと放電しながら、見事だ、と呟きを一つ。
「中々楽しかったぞ、貴様。名を、教えて貰おうか」
「……ラッセル・ベイだ」
「見事であったぞ、ラッセル」
自らの名を告げたラッセルに賞賛の頷きを一つし一足飛びにラッセルに接近し、袈裟にラッセルを切り裂く白騎士。
返す刃で、逆袈裟にその身を切り裂かれ、ラッセルは遂にその場に倒れ伏した。
――白騎士への確かな手応えを感じながら。
成功
🔵🔵🔴
宙夢・拓未
行くぜ、白騎士
▼準備
宇宙バイクのハンドル近くにストップウォッチを固定
サイバーアイで敵を観察し
UC発動の気配を察知したらストップウォッチを入れる
▼戦闘
宇宙バイクに【騎乗】、【操縦】
【捨て身の一撃】、直進して突進
俺の動きの軌道は、「敵の右肩の上辺りをジャンプで飛び越える」もの
10秒後の瞬間に、敵の後ろに着地するように
ストップウォッチを見つつ距離と速度を調整
そうすれば、「10秒先の俺の位置」に攻撃するために
その直前、奴は後ろを向くはずだ!
その瞬間に『ガジェットショータイム』だ!
モーニングスター状のガジェットを召喚
ジャンプで右肩の上を飛び越えながら鉄球を下にぶら下げて
後頭部を打ち砕く!
●
(さて……俺の作戦は上手く嵌まるかな?)
その肩を凍てつかせ、その身を雷で感電させられながらも、尚健在である白騎士の様子を見て、宙夢・拓未はそう思う。
猟兵の仲間達は、此処まで戦いを繋いできてくれた。
その流れを途切れさせるわけにも行かぬ。
故に、拓未は覚悟を持って目前の敵と相対する。
「次の相手は……貴様か」
「ああ。……行くぜ、白騎士」
アンバーアイズによってサイバーアイ化されているその両目で、ひた、と白騎士を捕らえながら、拓未がそっとストップウォッチのスイッチを入れる。
赤い車体のCrimson-Blastのエンジンをフルスロットル。
そのまま直進し、無謀とも思える突撃をやってのける。
アクセル全開、ハンドリングで軌跡を描かせ……。
(3……2……1……ここだっ!)
タイマーで図り初めて、正に10秒。
白騎士は光線銃を背面に向けてその場に立っていた。
(後頭部は狙えねぇ、か……だが……!)
モーニングスター状のガジェットを召喚し、拓未が振るう。
その一撃は……凍てついた右肩を直撃した。
思わぬ痛恨の一撃に白騎士が思わず舌打ちを一つ。
「ちっ……予想に頼りすぎたか……!」
10秒後にまるで何処に居るのか分かっているかの様に正確に攻撃をして回避を行うのであれば、10秒後にそこに行くとフェイクを織り交ぜられれば、其方にもある程度対応を割かざるを得ない。
故に、光線銃の銃口だけを予想で見えたその位置に向けてその引金を引いたが、それだけでは完全に対応できぬ方向から攻撃を喰らえば、確かにその一撃は甘んじて受けるしか無かったであろう。
とは言え、最小限の被害に抑える工夫ならば幾らでもするが。
そう……そう言ったフェイクを織り交ぜてきた真正面から向かってきた拓未に向けて、攻撃を受けながらもフォースソードでカウンターを行う、と言った様に。
「ははっ……運は俺に味方してくれたみたいだな」
フォースソードにその胸を貫かれて全身をスパークさせながらも、拓未は笑う。
完全に自分の作戦が嵌まることは無かったけれど。
でも……既に他の猟兵達によって負わされていた傷を更に抉り、それなりの痛手を与えることは、確かに出来た。
「……だが……次はこうはいかぬ」
拓未を貫いたフォースソードを抜きながら、痛手を負った右肩の負傷に兜の奥の顔を顰めつつ白騎士は呟く。
「まだ……私は倒れていないのだからな」
……戦況としては、五分と、五分。
天秤は……勝利の女神は……。
――どちらに勝利のキスを捧げるべきかどうか、まだ決めあぐねている。
成功
🔵🔵🔴
花盛・乙女
【乙女】を初手で白騎士へクナイのように放る。
弾かれるだろうが予測の上で踏み込み【黒椿】にて剣戟を見舞う。
【乙女】の落下位置を覚えておく。
そこから6秒、攻撃の暇を与えず連続で斬り結ぶ。
7秒、敵の攻撃が始まる。初手は『武器受け』。
8秒、続く攻撃は『第六感』にて回避を試みる。
【乙女】の半歩前に誘導するように。
9秒、流石に数撃もらってるだろう。相手に勝利の色が差そう。
そして半歩下がる。
10秒、トドメの一撃が来る。私ならそうする。
『怪力』で筋力を引き締め、倒れぬようトドメを受ける。
11秒
足元の【乙女】を足で弾き浮かせ、掴み、斬撃をねじ込む。
さすれば我が必殺の【雀蜂】の間合い。
鎧ごと彼奴の命を打ち砕く。
●揺らぐ天秤
――チクタク、チクタク。
それは天秤の針の音か。
(まだ……余裕があるのだがな)
軽く肩を揺すり、自らの体を確認する白騎士ディアブロ。
……身体能力、やや低下。
特に右肩を砕かれた事によるフォースソードを振るう速度の低下は如何ともし難い。
更に体中が痺れが残る。
やはり……先の轟雷による爆発は痛手だったらしい。
(一度骸の海に……)
戻るべきか否か。
そんな思考が微かに過ぎったその時、白騎士は招かれざる客の到来を感じ取り、素早くその身を翻す。
今まで自分がいたその大地を貫いたのは、見るからに剃刀の様に鋭く煌めく刃を持った小太刀。
銘を、【乙女】。
花盛・乙女……今、正にこの場に現れた猟兵の愛刀だ。
(……そこか)
予め【乙女】が落ちた位置を覚えながら、乙女は伝家の宝刀、極悪刀【黒椿】の濃口を切り、戦場を疾駆した。
その姿は、さながら舞い散る桜の花の如く。
――1、2、3……。
胸中で時間をはかりながら、【黒椿】を抜き、レーザーによる一撃を意に介さず、突進する乙女。
ディアブロはその手を読んでいたのだろう。
彼が選んだ行動は、一つ。
銃口を上げ、引金を引く。
「……名を聞く暇も無い様だな。『動くな』」
――4秒。
予定よりも2秒早く早撃ちで放たれたレーザーにその肩を撃ち抜かれながらも、乙女はその足を止めることは無い。
(ぐっ……!)
禁則事項を破った代償として肩から血飛沫が舞う。
それでも乙女はディアブロの間合いに入り、刃を袈裟に振るった。
その袈裟の一撃を、ディアブロはフォースソードで受け止める。
――5秒。逆袈裟。
『動くな』という命令は、あくまでも移動するなと言う意味だったらしい。
不幸にして幸いにも乙女の続けざまの斬撃には適用されぬ。
フォースソードでその刃を受け止める白騎士の様子は、微かではあるが鈍い。
――6秒、逆袈裟からの刺突、引き戻しての横一文字。
最早舞とも呼ぶべき乱舞を落ち着いた様子で受け流した白騎士が零距離で光線銃の引金を引く。
「中々の舞だが……此処までだ。『攻撃するな』」
――7秒。
放たれた光線の【黒椿】の背で辛うじて受け流す。
漆黒の刃の煌めきがレーザーをギリギリで受け流すが、白騎士は特に驚く様子も無く、下段からフォースソードを斬り上げる。
――チリチリ、チリチリ。
首筋に焼け付く様なそれを感じ、乙女は感の命じるままに右に飛ぶ。
『移動するな』と言う命令に反した代償を腹部からの灼熱感と共に感じ、カハッ、と喀血。
(それでも……まだ、耐えられる……)
10秒、恐らく次が必殺の籠められた一撃。
大上段から唐竹割りに振るわれた、その一撃。
咄嗟に羅刹の膂力を全開にして、その一撃を受けた。
――左肩から、脇腹にかけてを切り裂かれながら。
見る見るうちに体が鮮血に染まり、飛んでしまいそうな意識を意志の力で無理矢理維持しながら、地面へと刺さっていた【乙女】を蹴り上げる。
――くるり、くるり。
回転しながら下段から放たれたその刃は、白騎士の鎧の一部を切り裂いた。
「ぬぅ……っ!」
『一撃を避けぬ者には二撃が待つ、覚えておくが良い!』
精一杯の怒声と共に、まだ辛うじて動く左腕で『拳骨』による正拳突きを放つ。
それは……確かに白騎士の体を撃ち抜いていた。
――だが。
「秒単位で時間を刻み、私に挑みし強者よ。貴様の戦いもこれで終わりだ」
――それでも。
脇腹を拳で撃ち抜かれ強い衝撃を受けながらも、尚、白騎士は立っている。
それは、騎士としての彼の直感が拳を避けられぬ事を悟ったが為に、急所を逸らしたのだ。
再び放たれる、光の剣。
剣にその身を貫かれ、ドタリ、と地に伏せる。
乙女のその様子を見ながら、大きな罅の入った脇腹の鎧を一撫でしながら、白騎士は笑った。
「見事な戦いであったぞ、娘。名を聞けなかったのが、少々残念ではあるがな」
呟き、白騎士は次に来るであろう獲物の姿を想像し、愉悦に満ちた笑い声を上げた。
成功
🔵🔵🔴
ステラ・アルゲン
白騎士ディアブロか……。我が主は白騎士とも呼ばれることがあったが、オブリビオンである貴様と一緒にするのは失礼かもしれんな。
さて、未来を読む力があるのだったか。あいつはきっと私が居る場所を予知し狙ってくる。ならば、貴様と同じ場所にいたらどうする?
真正面からの攻撃行動を【フェイント】とし、思いっきり剣を【投擲】する。外れてもあいつと同じ場所に本体を移動できればいい。その場所に肉体を再召喚させるだけだ
撃てるなら撃てばいい。この距離だ、【オーラ防御】を纏わせた剣身で貴様のレーザーを【武器受け】で流し、跳ね返して当てることはできるはず
こちらが食らっても肉体は仮初だ。【激痛耐性】で痛みを無視して攻撃する
●
(白騎士ディアブロか……。我が主は白騎士とも呼ばれることがあったが、オブリビオンである貴様と一緒にするのは失礼かもしれんな)
高らかに愉悦の笑い声を上げる白騎士ディアブロの様子を見ながら、ステラ・アルゲンはそう思う。
既にかなりの傷を負っている白騎士は、まるで堪え足りないという様に笑っていた。
――それは、愉悦。
強敵との戦いを心より楽しむ愉悦。
その思いは彼等にとっては度しがたいものがあるのだろう。
「次は貴様か。すまぬな。先程までの戦いが楽しくて仕方が無かったものでな」
ステラの姿を認め、騎士の礼を取る白騎士。
ステラも又、それに対しては、儀礼的に騎士の礼で返す。
――例え、オブリビオンであったとしても。
騎士の礼を尽くしてくるのであれば、それに応じぬことは騎士の名折れ。
そう思うのは、その死の時までずっと傍に仕えた主への憧れが、形と成した故であろうか。
「互いに騎士、か。であるならば名乗ろう。私の名は白騎士・ディアブロ。貴様の名は?」
「私の名は、ステラ・アルゲン。……いざ、行くぞ!」
一つの儀式を終えるや否や、風を切り裂く矢の如き速さで真正面から月光槍【ルナスピア】で突進するステラ。
その様子を見ながら……なるほど、と白騎士が独りごちる。
白騎士の独り言に、ステラは何とはなしに違和感を覚えつつ、そう言えば、と内心で溜息を一つ。
(未来を読む力があるのだったか。あいつはきっと私が居る場所を予知し狙ってくる。ならば、貴様と同じ場所にいたらどうする?)
問いかける間に……不意に、全身を虚脱感が襲った。
グラリ、と目の前が傾ぐ様なそんな感覚を存分に味わったのだ。
気がつけば、白騎士の手には光線銃が握られている。
そこから放たれたレーザーが……ステラを射貫いた。
「なるほど。最初の猟兵と貴様は同じ、か。それでは私を倒すことは出来ないよ。……『移動するな』」
命令と共に撃ち抜かれながらも、ステラは迷う事無く流星剣【ステラソード】を投擲。
(恐らく、私があそこに移動する可能性を奴は知っている……)
だからこそ、移動するなとステラに命じた。
けれども……ステラの『肉体』は仮初めのもの。
そう……ヤドリガミで在るが故に。
だからこそ、『移動するな』という制約は、ステラが今持つ『肉体』には影響を及ぼすが……本体である流星剣【ステラソード】には影響せぬ……!
ふっ、と肉体の構築を解除しその懐に飛び込むステラ。
それまで月光槍【ルナスピア】を所持していた肉体が消え、月光槍【ルナスピア】がガラン、と音を立てて地面に転がる。
――故に。
「なるほど。貴様が2人いる様に見えたのは、其方が【本体】が故か! 面白い! 実に面白いぞステラとやら!」
「さあ……どうする?」
呟きながらステラが再召喚した肉体で本体を引き抜き刺突を放つ。
既に左脇腹、そして右肩に大きな負傷を受けている白騎士がその不意の一撃を避けることは出来ぬ。
白騎士の右脇腹から左肩に掛けてが、流星剣【ステラソード】を切り裂いていた。
「ふふ……ハハハハハッ! 愉快だ、実に愉快だぞ!」
笑いながら零距離からレーザーを放ち、ステラの胸部を撃ち抜く白騎士ディアブロ。
ステラが咄嗟に強固なオーラ防御を展開し、更に流星剣【ステラソード】でその攻撃を受けるが、流石に反射するには至らず、本体に負傷が蓄積するのみに至る。
(くっ……!)
そのままフォースソードによる斬り上げからの斬り下ろしの二段攻撃に残虐にその身を切り裂かれながらも、ステラは自らの刃を振るう。
所詮、この体は仮初めのもの。
故に……痛覚と呼ばれる者は、常人を遙かに凌いでいたから。
一撃でも、一手でも多く傷を与える……!
果たして、どれ程の斬り合いが行われただろうか。
遂に限界に達し、ステラがその場に剣を杖にして立っているのがやっとという状態になった時、白騎士ディアブロもまた、それなりの痛手を被っていた。
「愉悦にまみれた戦いであったぞ、ステラよ」
「くっ……!」
最後にフォースソードが大上段から振り上げられ、光刃に切り裂かれ、地に倒れ伏すステラ。
だが……今までの戦い故に、白騎士ディアブロも又、満身創痍。
――次の戦いで、全てが決まる。
成功
🔵🔵🔴
荒谷・つかさ
レーザーは、要するに光の束。
であれば、実像を歪ませる程の圧縮空気を纏うこの風迅刀なら、切り払って逸らす程度は出来るはず。
下手な回避はせず、銃口の向き等から着弾点を「見切り」切り払って「吹き飛ばす」「早業」で対処するわ。
最も、完全に防ぐとはいかないでしょうけど。
そこは「激痛耐性」と「気合い」で動きのキレを失わないようにして対処。
禁止は何を言われるか……まあ攻撃辺りが定番?
それとも武装解除?
私は従うほかに無いわ。
でも。
「『私』には、関係無いわね」
拮抗している間に、【秘奥義・分身殺法】で死角に呼び出したもう一人の『私』が、大剣で一矢報いるわ。
私の未来ばかり見ていて、視野を狭くしているのならば通る筈。
●後の先
(これ程までに私が追い込まれるとはな……!)
全身を切り刻まれ、その痛みに苛まれながらも、白騎士の愉悦は止まらない。
このまま、戦いの海に身を浸し、その海底に耽溺してしまっても良い。
それ程までに今、白騎士は痛快だった。
(さて、次が私の最後の手合いか。これ以上戦えば、私の身が持たぬからな)
胸中でそうごちり、周囲を見回した白騎士が認めたのは、小柄な一人の娘。
だが、その額から突き出る深紅の角と、白騎士の発する殺気にも臆すること無く涼しい顔でその場に佇むその姿は、彼女が一人の修羅として、多くの経験を積んできた者であることを如実に語っていた。
白騎士は敵を好敵手と認め、愉快そうに騎士の礼を取る。
「貴様……名は?」
「荒谷・つかさ」
告げながらチリ、と腰に納めた刀……不可視状態を解いた風迅刀の濃口を切って構える。
それが彼女なりの礼儀だと気づき、白騎士は益々愉快そうな笑い声を上げた。
「さて、始めようか。貴様達の勝ちか、それとも……私が勝つか、その最後の戦いを」
……かくて戦いの鐘は鳴った。
「行くぞ……【攻撃するな】」
開幕一声、先手を取ったのは、白騎士ディアブロ。
先の先を行く絶対先制のその技を躱さず、敢えて正面から向かい合うつかさ。
(レーザーは、要するに光の束。であれば、実像を歪ませる程の圧縮空気を纏うこの風迅刀なら、切り払って逸らす程度は出来るはず)
此方が動かなければ、直線に撃ち出されてくるレーザー。
その弾道をギリギリまで目を細めて見切り、目にも留まらぬ早業で風迅刀を抜いて一太刀。
全てを切り払うまでは行かなかったが、それでも尚、その威力をある程度減殺せしめることは出来た。
急所こそ逸らしたが、胸を撃ち抜かれ口から喀血するつかさ。
けれども、その痛みには耐えられる。
一人の修羅として数汰の戦を潜り抜けてきたこの体、この程度の苦痛にのたうち回る程柔では無い。
「……受けきったか。では……参る!」
残された体力を振り絞り、全力で走り出す白騎士。
右肩を打ち砕かれた痛みが、両肩から両脇腹までを切り裂かれた負傷が、痛覚を容赦なく刺激し続ける。
数汰の猟兵達との戦いで、それだけ白騎士は消耗していたのだ。
故にこその、突進。
その意図する所……即ち『速攻』
それは、満身創痍の白騎士にとってはある種当然の選択。
だからこそ……それは、つかさの思うツボ。
連続で放たれる攻撃を風迅刀を軸にした徹底的な見切りで捌き、その負傷を最小限に押さえるつかさ。
手数で攻められレーザーに撃ち抜かれ、体中を苛む痛みに微かに苦渋の表情を浮かべながらも、つかさはとにかくそれらの攻撃に耐えている。
(そろそろ、ね……)
どれ位の時間が経ったのか。
正確なところは数えていないが、それでも長く見積もっても10秒程だろう。
傷だらけになりながら確実に視野が狭まってきたのを感じ取たつかさが怪力でその体を抑え込んだ。
「何……っ?!」
驚きに兜の向こうの瞳を見開いているであろう白騎士に微笑むつかさ。
「例え、幾ら私の力を封じようとも……『私』には、関係無いわね。『私一人で至らぬのならば……私が二人になれば良いのだから!』」
高らかなつかさの叫びと共に、その背面に姿を現す、もう一人の『つかさ』。
その『つかさ』は大剣……零式・改二を、大上段に振り上げている。
「……もう一人……っ! くっ……私としたことが……!」
「これで、終わりよ。皆の思い……そして力の乗ったその刃の一撃でね!」
――刹那。
大轟音。
もう一人の『つかさ』によって振り下ろされた零式・改二は、それまでに数多くの猟兵達によって与えられていた白騎士の体を……頭から、足下まで真っ直ぐに斬り裂いた。
(私の……負けか……!)
「おのれ、おのれ猟兵達よ……! 貴様達の事、努々忘れる者か……!」
過去の海へ、死の海へ。
自らを落とし込みし憎み、妬むべきその相手を。
その怨念は、決して消えぬ……!
憤怒と憎悪の眼差しを目前の猟兵、つかさへと向けながら。
白騎士ディアブロは、自らを構成する要素を斬り裂かれ……そして沈む。
――かくて勝利の女神は……猟兵達へと勝利の接吻を捧げた。
成功
🔵🔵🔴