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銀河帝国攻略戦⑳~白き騎士の猛威

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #白騎士ディアブロ

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●白騎士ディアブロ
「白魔艦隊、白城艦隊が共に突破されるとはな」
 銀河帝国「二大巨頭」の一人、ウォーマシンの鎧装騎兵である『白騎士ディアブロ』は、撃破・放棄された宇宙戦艦の広い格納庫の窓から、不気味なほどに静まった星の海を見据えていた。
 超高性能AIにより、限定的な未来予知とさえ呼べる力を誇る彼は、戦いを前に、その機械の体躯から圧倒的な闘気を放つ。
「来るがよい猟兵よ。お前達の敗北など予知するまでもない」

●戦いを前に
「白騎士ディアブロと戦う時が来ました」
 猟兵達に化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)が真剣な表情で告げる。
「敵艦隊を突破した解放軍によって事前に砲撃が行われましたが、白騎士ディアブロには傷一つ付けることさえできませんでした。これはディアブロに『未来を操作する』と呼ばれる程の能力があるためです」
 解放軍は現在、白騎士の撃破を断念し、銀河皇帝を守る艦隊へと攻撃の矛先を変えている。解放軍にとり、戦力の悉くを失ったディアブロは強いて倒すべき相手ではない為だ。
 しかし猟兵にとって放置できる存在ではない。
「これだけの力を持つ者となれば、戦後に暗躍することも考えられます。『黒騎士』と共に生き延びれば、新たなオブリビオン・フォーミュラになる可能性さえあるかと……」
 騒乱の芽はここで摘んでおくに越したことはない。
「ディアブロは既にその戦力を殆ど失っており、単身で猟兵を迎え撃とうとしています。配下がいない分、一人の戦士として存分に力を発揮できる状況といえるでしょう」
 注意すべきは、やはりその予知能力だ。
「予知について何らかの対策を取らなければ、ディアブロは全ての攻撃を避け、絶対に命中する攻撃を最大の効果を発揮するよう振るうようです」
 武器の火力も極めて高く、生半可な防御手段も通用しない。
「とはいえ、絶対無敵というわけではないはずです。皆さんが力を合わせれば、きっと」
 那由他は言葉に力を込めて言い、説明を続ける。
「ディアブロは倒されるたびに蘇り、違う地点に出現するようですが……私が予知できたのは、撃破された戦艦の格納庫です。戦闘機やコンテナの残骸がありますが、役に立つかどうかは……。広いため、存分に力を振るえるとは思います」
 もちろん、それは敵も同じこと。全力でのぶつかり合いになることだろう。
「力が尽きるまで繰り返し蘇るディアブロですが、逆に言えば、何度も撃破すれば倒し切ることも可能なはずです」
 那由他は言うと、猟兵達に向けて一礼した。
「私からは以上です。どうぞ宜しくお願いします」


相馬燈
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●本シナリオの特殊ルール(敵の先制攻撃について)
 白騎士ディアブロは、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

●敵の出現ポイント
 このシナリオでは、ディアブロは撃破された帝国軍戦艦の格納庫に出現します。重力制御装置は活きているようで、重力下のような戦場となります。

 以上です。よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『白騎士ディアブロ』

POW   :    収束する運命の白光
【対象の未来位置に向け放たれるレーザー】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    ホワイトライト・トゥルーライト
【10秒先を見たかの様に的確な攻撃を行い、】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予想シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

須藤・莉亜
眷属の蝙蝠たちを召喚。すぐに、僕を隠すように周囲を飛んでもらい、ドローンに僕の姿が映らないようにしながら敵さんへ突っ込む。
敵さんの位置情報は【動物と話す】で蝙蝠たちに教えて貰い、僕は【忍び足】で進んで行く。蝙蝠たちには【フェイント】【目潰し】を入れてもらって、敵さんを撹乱してもらっとこう。
ある程度まで近づけたら、空喰らいで敵さんの懐に転移、血を捧げて限界まで強化したLadyで【鎧砕き】【生命力吸収】を使った【零距離射撃】を【2回攻撃】でぶっ放そう。
「これでダメだったら一回逃げよう。戦略的撤退ー。」

グリモア猟兵さん、頼んまーす。


クラウシス・ゴドリベント
装備を見るにどの距離でも存分に戦える上に、回避能力や命中率も高いようだね。だが、どんな敵でも諦めるわけにはいかないな!

常時【オーラ防御】で最低限の守りを固める。【見切り】【第六感】で相手の動きを予測しつつユーベルコードを使い、攻撃への防御と【カウンター】を試みる
POW対策:基本的に【見切り】【第六感】で回避。当たりそうな場合はユーベルコードを使用。ルールは簡単なものであれば守り続ける
SPD対策:衝撃波が当たらずとも、守りを固めるためにユーベルコードを使用
WIZ対策:【念動力】【衝撃波】などでドローンの破壊を優先、直接自分へ攻撃してくるようであればユーベルコードで守りを固める


佐那・千之助
他の猟兵との連携希望、いや熱望
なるべく大勢と。切実に。ぼっちゆえ。

●対策
敵が此方と同じUCを使うなら【UCを用いない攻撃】で挑む
さすればUC抜きの攻撃で先制して来るじゃろ。たぶん
攻撃は黒剣でざくっと。集中力は先制攻撃への対応に向けたまま

未来を読めても力を発揮できぬとあれば、さぞもどかしかろうのう。
とか言うて敵が冷静さを多少なりと欠いてくれれば儲けものじゃ

●反撃
敵のUCなしの攻撃なら動きが見える、避けも受けもできる、ついでに相手に隙も生じ易い
このタイミングで他の猟兵の反撃を期待しておる
無ければわりと詰むのじゃ。私の力など知れておるし。
くびれた胴体真っ二つにしよーとか精一杯気張るがの。

アドリブ歓迎



「来たか、猟兵」
 腕組みする白騎士ディアブロの周囲に猟兵達が転移を果たす。
「これは隙がないね」
 白騎士の威圧感に負けじと、クラウシス・ゴドリベント(流浪のプリンスナイト・f03839)が手にした柄から光を生じさせた。心光剣フォーティチュード――不屈の精神に呼応したフォースセイバーが唸りをあげる。
「数で勝ろうが我が未来予測の前では無力。受けるがいい、白金の戦士よ」
 ディアブロはその時、既にビームキャノンの砲口をクラウシスに向けていた。
(「ここで怯むわけにはいかないな……!」)
 闘志を反映して輝きを放つ剣を手に、クラウシスは最低限のオーラを纏い、卓越した技能でビームを避ける。紙一重だ。
「なかなかの踏み込みだ。その意気、心地よいとさえ評価できる」
 カウンターを仕掛けたクラウシスの剣がディアブロの光刃と交差、電磁的な音をたてる。懸命に剣を交えること数合、クラウシスは圧倒的な敵の力量に歯噛みした。
(「これは想像以上の腕前だね……!」)
 まるで先の先を見通しているかのようなディアブロの剣の軌跡である。その上、白騎士には他に意識を向ける余裕さえあった。
 格納庫内に66機の無人機が同時出現。全てが白騎士の目となり、法外な未来予測に更なる強化を加える。
「そう来ると思ったよ」
 しかしここまでは須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)に取っても予測の範囲内だった。
 召喚された蝙蝠の群れが、転移と同時に莉亜を取り巻いていた。変則的な機動で格納庫内を飛び交い始めたドローン――デストロイマシン零式を前に、莉亜は薄く笑みを作る。
「幾ら目が良くても隠されたら台無しだよね」
 ドローンは66機。対して莉亜が召喚した蝙蝠は130匹だ。
「蝙蝠による物理的遮蔽か」
 ディアブロが広い格納庫内を高速起動しながらビームキャノンを発射する。莉亜を隠した蝙蝠の群れが一瞬にして蒸発。辛くも逃れた莉亜が残存する蝙蝠を纏い、周囲にも展開させながら戦闘機の残骸の後ろを駆ける。
「そのくびれた胴体真っ二つにしてくれようぞ」
 白騎士の背後を取って、黒剣を構えた佐那・千之助(火輪・f00454)が斬り込んだ。変形機構を有する刀身は剣のままに振るわれるが、その刃はディアブロの光刃によって軽々と防がれ弾き返されたばかりか、斬撃が一瞬で千之助に複数の傷を刻んでいた。
 浅くはないが血は出ない。焼灼されているためだ。
「流石に手練れだのう……!」
 苦く笑う千之助。
(「未来を読めても力を発揮できぬとあれば、さぞもどかしかろう……と思ったのじゃがな」)
 敵が先読みしてユーベルコードを使うなら、こちらは敢えてユーベルコードを用いない攻撃で挑む。
(「さすればユーベルコード抜きの攻撃で先制して来る――と考えたものの」)
 尚も全力で斬りかかる千之助だが、ディアブロは多腕と光刃で防ぎながら、他の猟兵に正確なビームを放つだけの余裕さえあった。
「搦手からの攻撃を狙ったか。だが、その実力で私を上回れると?」
 光刃に黒剣を阻まれながら、千之助が口元を歪める。
 猟兵の切り札とも呼べるユーベルコード、それを用いず圧倒的実力を持つ敵と打ち合う――それは果敢であると同時に恐ろしく危険な行為と言えた。
(「このままだと詰みそうじゃな……私の力など知れておるし」)
 それ故に、千之助は自ら囮となりほんの僅かな時間を稼ぐ。それこそが味方の攻撃に繋がる貴重な一瞬となると信じるが故に。
「後は任せた!」
 千之助が光刃で黒剣を弾かれ、機械の脚で蹴り飛ばされて床を転がる。ビームキャノンの引き金が引かれようとしたその刹那、
「させるものか!」
 オーラを纏ってクラウシスが突っ込んだ。
「過ぎた勇気は蛮勇というものだ。自ら討たれに来るか」
 収束したビームがクラウシスに放たれる。
 心光剣を構えて駆けながら、クラウシスは心に念じた。
(「僕はヒトを超越する。目的も、意志も、信念もなく、ただあらゆる悪意へ報復を与える概念へと至ろう――!」)
 輝けるエネルギー体となったクラウシスが高出力のビームを吸収、衝撃波として反射させる。
 ディアブロは防御姿勢を取り損傷を抑えながら機械の目を輝かせた。
「防御に力点を置いた形態か。だがその姿では動けまい」
 惜しむらくは、敵の多彩な攻撃に対応しようとする余り、決定打に欠けていた。ひとたびこのフォームを取ってしまえば、身動きを制限されることとなる。そこからが繋がらない。
 だが猟兵は一人ではない。
 蝙蝠の群れがディアブロに纏わりつきながら、キイキイと鳴き声をあげる。高速機動するディアブロに捕捉されないよう味方の攻撃に乗じて慎重に迫った莉亜が、Ladyと名付けられた白い対物ライフルを手に軽く頷く。
(「ああ、聞こえてるよ。これなら捉えられそうだ」)
 甲高く鳴く蝙蝠がディアブロの位置を報せていた。
 動物との会話技能。それにユーベルコードを組み合わせることにより、莉亜は敵の動きを正確に把握していたのだ。
「そこだね。もう逃れられないよ」
 ディアブロに視線を向けた瞬間、莉亜が白の騎士の懐に転移を果たした。
 空喰らい(ルームイーター)。
 瞬間移動とさえ呼べる絶技の後、自身の血を吸わせて限界まで許可したLadyの砲口をディアブロの胴に定めてトリガーを引く。
 近接射撃が白騎士の体を穿つ、筈だったが。
「……!?」
 まるで『空喰らいそのものを未来予測』していたかのようにディアブロが横に跳んでいた。放たれたビームは背部バインダーの一部を灼いただけだ。
「その攻撃では我が演算を超えること能わず」
 連射しようとした莉亜のライフルの砲口を、急速接近したディアブロが掴んで逸らす。複数の腕が莉亜の胴を強かに殴った。
 吹っ飛ばされながら、莉亜が蝙蝠から信じがたい報告を聞く。
 ドローンがいつの間にかその数を増やしているというのだ。
 いや、これはもう倍加と言った方が正しい。 
「駄目だったかー。ここは一回逃げよう。戦略的撤退ー」
 残る蝙蝠を結集させて身を隠しながら莉亜が後退する。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ハル・パイアー
「正確な予測による戦闘技術の向上か。成る程、堅実かつ正道のPlanDoSeeだ。だが入手される情報は常に正確かな?」

小官は敵UCに対し情報戦を仕掛け、情報の差異による隙を突いた攻撃を致します。
まずは[戦闘知識]と[見切り]を元にした熱ブレード接近戦で[時間稼ぎ]
同時にWIS《サイバーナビ=サポートシステム》行使。
[早業][ハッキング]にて66機のドローンにダミー情報、
『ハル本体は透明であり、そこに立体映像を貼付。本命の攻撃時は立体映像をズラして実像とは異なる方面から攻撃』
と情報を与えます。
そして敵が誤情報に誘導されたら、熱ブレード斬撃と熱線の[零距離射撃]の[2回攻撃]でダメージを狙います。


紅葉・智華
未來を操る、でありますか。私の眼と同系統のように思えますが、さて。

まず、敵の先制への対処としては、此方も【UC:虚構の神脳】で相手の手を読み、敵の攻撃をやり過ごす事が必要かと。
敵も手を未來を視る以上、それでも尚此方を正確に撃ってくる筈。こればかりは見てからの反応で回避(第六感6,見切り4)でありますね……。演算勝負で勝てれば、というのは捕らぬ狸のなんとやらでありますね。

回避も至難ですが、攻撃も対処が予想される為、未來が視えても回避至難な飽和攻撃――右手の04MVに左手のSirius[K's]を連射(2回攻撃6)。弾にぺインド手榴弾も混ぜて空中で炸裂させて【目潰し9】。

「未來は渡さない……!」



(「未來を操る、でありますか。私の眼と同系統のように思えますが、さて」)
 高い機動力で猟兵達を振り切り、未来演算により並みの攻撃を寄せ付けない白騎士ディアブロ。コンテナの残骸に隠れながらその戦い振りの把握に努めていた紅葉・智華(紅眼の射手/妹捜索中・f07893)が04-MVアサルトウェポンのグリップを握る右手に軽く力を込めた。
「敵が未來を予測するならば、こちらも対抗するまでであります」
 智華の意志に呼応して義眼が駆動する。
 虚構の神脳(イミテーション・ラプラス)。
「――見えた」
 その眼で未来を視ながら智華が残骸の影から飛び出した。
 直後、身を隠していたコンテナの残骸が閃光に包まれて蒸発する。
 連続射撃を仕掛けようとしたディアブロに他の猟兵が攻撃をかけるのを未来視して、智華が射撃位置につく。
 右手のアサルトウェポンは既にフルオートに切り替え済みだ。
 左手のSirius[K's]ハイレーザーライフルの引き金を同時に引く。
 正確無比な見越し射撃。
 だがディアブロは飛ぶように駆け、自らもまた戦闘機の残骸に身を隠してそれらの攻撃を防いだ。背部バインダーを広げて高らかに跳躍しながらビームキャノンを智華に向けて射撃してくる。
「読めているであります……!」
 転がり避けた智華の背後で水飛沫のような音をたててビームが爆ぜる。
(「動き続けていなければ……!」)
 未来演算をし合う者達による、それは超常の死闘だった。
「正確な予測による戦闘技術の向上か。成る程、堅実かつ正道のPlanDoSeeだ」
 転移後、猟兵達に援護射撃を続けながら敵の機動と戦闘法を見定めていたハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)は、ここで近接戦闘に打って出た。
 白騎士が猟兵を蹴散らす一瞬の隙を突いて突貫。熱ブレードを用いた接近戦を敢行する。
 格納庫の床を蹴るハルを取り巻くように、60を超える無人機が虚空から出現した。
「正しい情報を得ることは常道だが、入手されるものは常に正確かな?」
 呟きながら敵の懐に迫るハル。
 N=フューザー――斥候用プラズマ式サーマルブレードナイフによる刺突は、如何に白騎士の装甲と言えど溶断し得る。
 白騎士は智華に射撃していたにも関わらず回避した。
 上段からの反撃が来るのは予知などなくとも見切れる。
 ハルは最小限の動きで放った刺突の態勢から刃を引き戻すと地を蹴って死角に周り、更なる斬撃を試みる。白い装甲を刃がかすめ、融解させるが、浅い。掴みかかろうとする多腕の一つを避け、
「掩護するであります」
 智華が未来演算しながら絶妙なタイミングで銃弾とレーザーをディアブロに連射した。
 ハルは後退した白騎士の背後に回り込みそこへまた斬りかかる。
 卓越した先読み技能と戦闘知識のなせる業だが、ハルは本来、斥候や潜入任務に優れた適正を示す特殊コマンドユニットである。
(「ノーマッド、情報処理支援の効果を確認した。継続されたし」)
 帝国の上将を相手に格闘戦で互角に戦うのは困難であり。ここまで戦えていることさえ不思議だった。しかし理屈が分かってしまえば不自然でも何でもない。
 戦いながら、ハルは『サイバーナビ=サポートシステム』に支援要請を行っていたのだ。
 情報を媒体として自在に移動するナビAIが66機のドローン全てにダミー情報を叩き込んでいる。端的に言えば、それは『ハルの体が透明であり、そこに立体映像を貼り付けている』というものだ。加えて、本命の攻撃時にその立体映像をズラすことで、実像とは異なる方面からの攻撃を可能とする――この誤情報によりディアブロの演算能力は僅かながら狂わされた。
「情報に頼りすぎると、こうなるということだ」
 白騎士のビームソードが虚しく空を斬る。
 予期せぬ位置から懐に迫ったハルが圧縮重粒子放射器のトリガーを引いた。咄嗟に身を引いたディアブロに零距離からの連続射撃が命中し、装甲を穿つ。
「我が目を狂わせたか。侮れぬ兵士がいたものだ」
「未來は渡さない……!」
 後退したディアブロに、智華がここぞとペイント手榴弾を投擲。両手の火器の引き金を引いた。
「……!」
 相手が未来予測により攻めを掻い潜るなら、それを上回る飽和攻撃によって封殺する。
 ペイント手榴弾が炸裂してディアブロの視覚素子が障害される。レーザーと弾雨の連続射撃によりその白い装甲が穿たれ、弾け飛んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変歓迎】
【胡堂・充(F10681)と連携】

突入前に【宇宙カブJD-1725】を
胡堂センセの【マックス】とまったく同じフォルムに変形させて、
アタシは【コスプレ衣装】で白衣を纏う。
つまり胡堂センセと同じカッコに【変装】して突入。

センセの音声認識に併せる形で同じセリフを叫ぶ。
最初はアタシからは攻撃せず、
白騎士からの攻撃を回避しながら周囲を走り回り、囮役になるよ。
時折「くっそ、走りながらだとキッツいな!」とか叫んで
ハッキングの主導者を装う。

そうしてる間に胡堂センセの二段階の【ハッキング】が完了したら、
【サイキックブラスト】解禁!

白騎士の動きを止めて、二人でバイクでの突撃をお見舞いしてやる!


胡堂・充
【多喜さん(f03004)と協力】
事前準備として、動作阻害プログラムとデータ漏洩ウィルスを準備。
相手がドローン展開時に音声認識で動作阻害プログラムを作動させ【ハッキング】
(動画撮影ドローンであるため、こちらの動作を局限する狙い)

「宇宙の運命は…俺が変える!」

一秒でも【時間稼ぎ】をして白騎士とドローンとの情報共有を『防ぐ』!
なお、回避行動は"マックス"に【騎乗】して行う。
そして【超常能力再構成】を発動後、再度【ハッキング】
データ漏洩ウィルスを白騎士のドローンに送り込み、計132機のドローンから【情報収集】し、白騎士の未来予知を越える!
最後に白騎士に突撃、【捨て身の一撃】を叩き込む!


ヘンリエッタ・モリアーティ
【WIZ】
未来が敵になってしまうなんて、皮肉もあったものね。
……私たちと世界の未来のために、海に還ってもらうわ、白騎士!

【全力魔法】の【魔犬の襲撃】で魔犬バスカヴィルを召喚し、白騎士の相手をさせる。
魔犬に夢中な間に……ここは格納庫。
ワイヤー状に伸ばした【ワトソン】で戦闘機やコンテナをひっくり返し、
ドローンの破壊と不規則な動きで未来予知を鈍らせ、私への集中力を削ぐ!

AIの欠点は――「計算」しか出来ないところでしょうね。
執念ってご存知?
無造作に跳ねる荷の影に隠れて――【だまし討ち】で駆け、
【怪力】で振るった右拳で【鎧砕き】、彼の胴を【串刺し】にするまで、倒れたくない!
――計算に、ミスはつきものよ!



 高速機動を取りながらビームを放ち、近接戦に持ち込んで猟兵達を蹴散らすディアブロ。予知の対策を行わなければ猟兵でさえ鎧袖一触に値しえない白の騎士は、ここでまたしても多数の高性能ドローンを格納庫内にばら撒いた。
 直後、勇壮なエグゾースト音を響かせながら二人の猟兵が突撃する。
 一人はオフロードバイク『マックス』を駆る胡堂・充(電脳ドクター・f10681)。そしてもう一人は宇宙カブ『D-1725』の変形機構でマックスに偽装した数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)だ。
 先読みしていたディアブロのビームキャノンを車体に受けてスピンする多喜。それでも何とか態勢を立て直し、叫んだ。
「宇宙の運命は……俺が変える!」
 充は格納庫内を疾走しながら、頭上を飛び回るドローンに一瞬だけ視線を向けて『多喜と同じ言葉』を小さく口にした。それが端末を起動させるキーとなる。
「ハッキングか。笑止。このディアブロに小細工など通用するものではない」
「どうかな。どんなプログラムにだって穴はあるはずだぜ?」
 正確な見越し射撃をバイクの急加速とドリフトで辛くも振り切りながら多喜は言う。まるで彼女自身がハッキングを行っているような口振りだが、それは偽装に過ぎない。
 息の合った連携で多喜と交差しながら、充は思う。
(「これではあと数分も保ちはしない……時間稼ぎにもならないのか」)
 音声認識で高性能小型端末を起動し、事前に準備していた動作阻害プログラムとデータ漏洩ウィルスを送り込んだのは他ならぬ彼だ。
 だが充の卓越したハッキング能力を用いても、白騎士ディアブロのドローン――デストロイマシン零式の動きを阻害することは困難だった。
 苦戦は必至、と思われたその瞬間、白騎士が呟いた。
「増援か。面白い」
「餌の時間よ、我が魔犬」
 金色の刺繍が施された黒の上衣をなびかせて、ヘンリエッタ・モリアーティ(獣の夢・f07026)がディアブロを睨む。UDCである魔犬バスカヴィルが白騎士を食い殺すべき対象であると認識、飛びかかった。
 先に放たれていたビームが恐るべき魔犬の半分ほどを容易く吹き飛ばす。それでも獲物を食い殺そうと牙を剥く魔犬を、ディアブロはビームソードで両断した。
「未来が敵になってしまうなんて、皮肉もあったものね」
 織り込み済みとばかりに、ヘンリエッタは表情一つ変えずワイヤー状にしたUDC――ワトソンを操る。元はUDCアースにおいて何者かの忠犬であったというそれは、不定形とさえ見える姿となって格納庫内に散在していた戦闘機やコンテナの残骸を舞い上げた。
 幾つかのドローンが破片の直撃を受けて墜落する。
「……私たちと世界の未来のために、海に還ってもらうわ、白騎士!」
 爆発の中、指揮するような手の動きで尚もワトソンに命じ、残骸を飛ばしてドローンの数を減らすヘンリエッタ。
「くっそ、走りながらだとキッツいな!」
 援護を受けながら、白衣姿の多喜が白騎士を翻弄しようと駆け回るが、それを見たディアブロは肩を揺すった。笑ったのだ。
「茶番だな」
「何……?」
 偏差射撃によって遂にバイクが大破し、格納庫の床に転がる多喜。残骸が嵐のように白騎士を襲うが、悠々と止めを刺しに行くその動きは止まらない。
「変装に乗機の擬装――そんなところか。その程度で我が目を騙し切れると思ったか?」
 しかし次に多喜が見せたのは不敵な笑みだった。
「ハッ、思ってねぇよ、流石にそこまではな!」
「何だと」
 いつの間にか飛び回っていた高性能ドローンがバランスを崩し、白騎士の制御を受け付けなくなっていた。
「デストロイマシン零式、リプログラミングさせてもらった」
 バイクの上で、眼鏡のブリッジを押し上げながら充が告げる。
 超常能力再構成(ユーベルコード・リプログラミング)。
 ドローンを解析・再構成して借用する――それはたった一度きりの切り札。文字通り、起死回生の一手だった。
  100を超えるドローンが充に情報を与える目と化す。
「宇宙の運命は……俺達が変える!」
 マックスのアクセルを全開にして突っ込む充。ビームが車体をかすめるが、充はそのまま走り、ぎりぎりで白騎士の上を跳躍。多喜の攻撃はこれで命中するとドローンが報らせていた。
「流石だな胡堂センセ! これを待ってたんだよ。アタシはさ!」
 多喜が構えた両手から全力のサイキックブラストを解き放った。
 後方に身を流したディアブロが電撃を受けて両目を点滅させる。
「AIの欠点は――「計算」しか出来ないところでしょうね」
 白騎士のビームキャノンから光が迸り、ワトソンに引っ張られて宙に浮かび上がったコンテナが蒸発した。その影に隠れていたヘンリエッタが一足早く着地し白騎士に迫る。
 懐に入り込み、放った渾身の鉄拳が白騎士の装甲を吹き飛ばした。
 
 サイキックブラストの電撃が白騎士の機動力を阻害していた。
 動きが鈍っているのはそれだけではないとヘンリエッタは直感する。
 これまでに負っていた損傷が、即ち猟兵達が苦戦しながらも負わせたダメージが、ディアブロの動きを鈍らせているのだ。
 その奮闘を表現し得る言葉があるとすれば。

「執念ってご存知?」
 信じがたい、と呟き後退しようとする白騎士に尚も踏み込み、ヘンリエッタは言う。
「演算に信を置きすぎたわね――計算に、ミスはつきものよ!」
 ロックブレイク。
 渾身の直突きが遂に敵の胴を穿ち抜いた。
 よろめき、膝をつくディアブロ。
「執念か。成る程、狂いがあったとすれば、その一点か……」
 今回はお前達の勝利だ。
 言うと、白騎士ディアブロは骸の海に沈んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト