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銀河帝国攻略戦⑳~ホワイトリベリオン

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #白騎士ディアブロ

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 『白魔』『白城』の艦隊を突破した解放軍の艦隊は、遂に白騎士ディアブロとの決戦に挑もうとしていた。
 白騎士ディアブロと解放軍を遮るものは何もない。
 だが、解放軍の艦隊に、白騎士本人を撃ち破る事は叶わなかった。
 スペースシップの砲撃も、戦闘機の攻撃も、悉くが白騎士ディアブロを捉える事ができないでいた。
 この相手には敵わない。
 そう悟った解放軍の艦隊は、白騎士の撃破を諦め銀河皇帝を守る艦隊へと攻撃の矛先を変えた。
 最重要は銀河皇帝。それさえ討てれば勝利するのはこちらなのだから。
「来るのだろう、猟兵。未来を恐れぬその蛮勇、我に見せてみろ」
 解放軍の艦隊、その更に遠くを見据える。
 不遜に腕組みをし、猟兵の襲来を待ち構えていた。


「白騎士ディアブロの討伐に向かってもらう」
 グリモアベースに集まった猟兵に向かい、木詞・真央(Unregelmäßig・f10513)が端的に言い放つ。
 しかし、その言葉だけで集まった猟兵には十分だ。
 続く言葉を待つ猟兵の視線が真央に集まった。
「知っての通り、この戦いは銀河皇帝を倒す事を目的としている。だが、猟兵としての目的は違う。猟兵としては戦争の勝利だけでなく、更に先を見越して動いてもらう」
 それがこの白騎士ディアブロの討伐。
 もしもここで逃がすことになれば、今後のスペースシップワールドでどんな事件が巻き起こされるか。
 それを避けるためにも今ここで白騎士ディアブロを討つというのがグリモア猟兵達の意思だった。
 ここまで説明して真央が溜息をつく。
 表情は常と変わらないが、どこかつまらなそうな様子だ。
「面倒だから率直に言うが、正直お前らだけの力じゃ勝てるとは思えん」
 猟兵達がざわつくのも気に留めずに言葉を続ける。
「こいつは未来を操作する力を持っている。生半可な戦力をぶつけても、無駄にこちらが消耗するだけだ。仮に運良く倒せたとしても、こいつは躯の海に放逐されて再び他の戦場に現れる」
 それでは戦うだけ無駄なのでは?
 問いに真央はすぐには答えず、どうしたものかと頭を掻く。
「不確定な事は言いたくないが、可能性が無いわけではない。運良く倒せた、それが何回、何十回。白騎士が復活できなくなるまで叩けば」
 あるいは、倒せる未来があるかもしれない。
 可能性がある。
 それは猟兵が動くに十分過ぎる理由で、真央が呆れるのにも十分過ぎた。
「相手は未来を操作するって事は当然未来が見えてる。こっちの襲撃に合わせて先制攻撃がされるだろう。当然、こんな依頼に来るんだ。不利な戦い、相応の傷は覚悟しておけ」
 精々足掻いてこい。
 その言葉を最後に、真央のグリモアから溢れる星の海が猟兵の意識を、体を、包み込んだ。


天路
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。


 皆さんこんにちは、天路です。
 今回は戦争シナリオをお届けしたいと思います。
 内容は純戦ですが、今までにない強敵が相手です。
 それを踏まえてご参加お待ちしています。

●シナリオ補足
『白騎士ディアブロ』
 ※この敵は先制攻撃を行ってきます。
  それに対する対処方の記載がない場合『失敗』判定となります。
  全体的にかなり厳し目の判定となるのでご了承下さい。

 白騎士は限定的ながら『未来を操作する』力を持っています。
 どういった対処をするのか、皆様の工夫が勝利の鍵です。

●プレイング補足
 強敵が相手ということで猟兵でも負傷は避けられないと思います。
 どの程度までの負傷が許容できるかを教えてもらえると幸いです。
 プレイング冒頭に下記の記号を記入してください。
『◎死なない範囲なら重傷OK』
『○軽いキズ程度ならOK』
『×負傷する前に撤退』
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第1章 ボス戦 『白騎士ディアブロ』

POW   :    収束する運命の白光
【対象の未来位置に向け放たれるレーザー】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    ホワイトライト・トゥルーライト
【10秒先を見たかの様に的確な攻撃を行い、】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予想シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 白騎士配下の艦艇。
 既に捨てられた艦だが、戦う舞台としては十分。
 積荷もなく、ただ広い格納庫の中央に。
 腕を組み、虚空を見つめる白騎士ディアブロ。
 定められた未来通り、そこに現れる猟兵を待ち受ける。
 求めるは強者、弱者に用は無し。
 この未来は確定している。
 この未来は覆らない。
 この未来は――――。

「さあ、力を示してみよ、猟兵」
フロッシュ・フェローチェス
ったく、過去の次は未来か。七面倒な力をこうもまあ、良くポンポン送り込んでくるもんだね。
――いいよ、やってやる。
アタシのスピードで超えてやるよ、白騎士……!

相手は恐らく、もうアタシの動きを予測して先手を打ってくるに違いない。
やるべきは能動じゃなく受動――リアクションだ。
広範囲に弾を撒く殲銃形態の刻天炉を用意。それは見切られているだろうから最初の一発が回避の機動を塞ぐこと前提で、防御姿勢で突っ込むつもりで行こう。
野生の勘あわせ、銃を撃ちながら避け大ダメージは抑えるんだ。

そして衝撃波で距離を取り――激痛耐性で隙が生まれるのを抑え【選択したUC】。
そっちが先に動くなら、コッチは後出しで対抗してやるよ。




 求めたのは純粋なまでの「速さ」だった。
 他は何もいらない、見えない、全て置き去っていった。
 相手が過去だろうと未来だろうと、ああ、それがなんだ。
 過去なら振り切る。
 未来なら抜き去る。
 アタシが走る現在にはどちらも不要だ。
「アタシのスピードで超えてやるよ、白騎士……!」
 その刹那を以て、超えるべき未来へ疾駆する。

 フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は疾走る。
 補助術式を即座に展開して刻天炉を殲銃形態へと移行させる。
 その間にも白騎士の攻撃は止むことはない。
 白騎士の持つ銃が、放つ光線が、一時としてフロッシュを同じ場所に留まらせない。
 常に動くことを余儀なくされているが、そこまではフロッシュとて想定済み。
 こちらの動きを読んでくるのなら、敢えて相手に先手を取らせる。
 能動ではなく受動、即ち取るべき行動は――リアクション。
 対抗策を取られるなら対抗策を取らせなければいい。
 確かにそれは未来を視る事ができる白騎士の能力の一端を封じるには効果的だった。
 だが、あくまで能力の一端。
 未来視に対抗したとしても白騎士が持つ本来の力を無効化した訳ではない。
 今もなおフロッシュが動けているのは、一重に彼女の卓越した身体能力の賜物だ。
「くっ……!」
 苦し紛れのような反撃に、刻天炉のトリプルバレルが火を噴く。
 広範囲に弾を撒く殲銃形態では近づかなければダメージは期待できない。
 だからこれは相手の行動を抑制するためのもの。
「愚かな。そちらの意図を分からないとでも思っているのか」
「分かっていようと関係ないね。アンタのスピードをアタシが超えれば」
 一歩。光線が左足を掠める。
 二歩。顔を掠める光線に怯むことなく銃弾を放つ。
 三歩。野生の勘がギリギリのところで光線を回避させる。
 最初にフロッシュが反撃してから約十秒。
「未来の到着だ」
 身についた習慣というのはどうしても切り離せないもの。
 相手に先に行動させて受動を以て捌く。
 そこまではよかった。だが。
「躱すのを承知で撃っていたのはこちらも同じだ」
 最後の最後に野生の勘に頼ってしまった。
 それは受動ではなく能動とする行動。
 これにて未来は完成する。
 見切った筈の動きは完全に見切られ、銃口がしかとフロッシュを捉えた。
 白騎士の放つ光線がゆっくり、ゆっくりと。
 焼き尽くす様にフロッシュの意識を刈り取っていく。

 そして、それは飛来した。
 火薬の爆ぜる音、空気を裂く音、金属を穿つ音。
 白騎士の未来に捕捉されない未来に発動させたガジェットの一撃。
 攻撃後に生まれた微かな隙きをつく不意打ち。
「そっちが先に動くなら……コッチは後出しで対抗してやる、よ」
「なるほど、見事だ」
 その言葉を最後にフロッシュは意識を手放した。
 未だその速さは未来に到達しない。
 しかし、その一撃はしかと未来へと届いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

宮落・ライア

ふんむ。
後手に回ることは分かってるけど『後の先』とも言うし
後でも先んじればいいのさ!

相手のドローンを召喚する瞬間を、位置を【野生の感・見切り】で
把握して【薙ぎ払い・一瞬閃撃】で効果を発揮する前に
一閃で120の剣撃を放ち即座に切り落とす。
ドローンがなければ自力は負けていたとしても届かせる。

一番やばいのが転送した時点で用意が整えられていることだけれど…。
その場合は【激痛耐性・覚悟・鼓舞・武器受け・怪力】で凌ごう。
ドローンがすでに出ていても初めの数回まではデータを収集するのに間があるはずだから…その数撃までがチャンス。
それまでにドローンを落とす。
【捨て身の一撃】ででも打ち落とす。




「後でも先んじればいいのさ!」
 後手に回ることは分かってるけど『後の先』とも言うしね!
 宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)はどこまでもハイテンションだった。

 転送時点で用意が整えられていたらどうしよう。
 不安は杞憂に終わり、白騎士は武器を構えずにライアを待ち構えていた。
 それは決して慢心していた訳ではない。
 ライアと対峙することによって、自身の選び取る未来を見定めているのだ。
「ふんむ」
 てっきり速攻を仕掛けられるものだと思っていたんだけどな。
 なんて思ったのもの束の間。
 ライアが腰の刀に手をかけた、それと同時に66機の動画撮影ドローンを周囲に召喚した。
 それは唯でさえ圧倒的な力を誇る白騎士を強化し、手のつけられないデストロイマシンへと変貌させる。
「そうは問屋がおろさせないよ!」
 ライアの細められた赤い双眸がドローンの位置を見切る。
 空間掌握、一刀にて薙ぎ払え。
 鞘から抜き放たれた刀身が煌めき空を裂く。
 一太刀、二太刀、三太刀。
 刃は止まらない。
 斬撃は止まらない。
 ライアが刃を振るう度に無数の斬撃がドローンに飛来する。
 一瞬の閃撃。
 瞬く間にドローンを撃ち落とすライアに、白騎士の放つ光線が襲いかかる。
「それを全て落としたとして、さて、どうやって我に勝つというのだ」
 白騎士には既に未来が見えていた。
 そこにあるのは自身の勝利とライアの敗北。
 このまま続けてもライアに勝利はない。
「それでも、届かせてみせる」
 野生の勘が光線を紙一重で回避させる。
 崩れる態勢も厭わずにライアは斬撃を放つ。
 残り1/4まで落とした。
 しかし、そこで動きが止まる。止まらざるを得なかった。

 反射的に躱していた攻撃を躱せなくなっていた。
 気がつけば体には無数の傷が刻まれていた。
 体が熱い。
 瞳に映る赤が痛々しい。
「それでも!」
 激痛なら耐えればいい。
 恐れるな覚悟を決めろ。
 まだ動ける諦めるな。
 躱せないなら受け止めろ。
 ボクの思いに力は応えてくれる。
 だから、さあ、ついてこい。
「うおりゃああぁぁぁぁ!!」
 気合一閃。
 痛む体を鞭打ち刃を振るう。
 数回のデータ収集を経た白騎士の攻撃は更に熾烈さを増している。
 見切った筈の攻撃が、反射的に避けた攻撃が、気づけば被弾している。
 あまりに出鱈目な精度に、だが、ライアは怯まない。
 自分に勝利はなくとも、最後に自分達が勝利する為に。
「これで終われぇ!」
 周囲のドローンを全て薙ぎ払ったライアは、渾身の一撃を白騎士目掛けて放った。
 静寂を破ったのはゴホッ、という水音を含むライアの声。
 深々と貫く白騎士の光刃がライアの腹部を焼く。
「未来は覆らなかったな」
 言い捨てて、敗北したライアから刃を引き抜き立ち去る白騎士。
 それは定められた未来の通り、当然の帰結で、叶わぬ戦い。
 流れ出る血がライアの服を、髪を、赤く染め上げていく。
 血溜まりに沈むライアは毒に蝕まれる様に、その身を赤く赤く、敗者の色へと染めていく。
 だが、それでも。
 自らの刀を見たライアは微笑む。
 捨て身の一撃は届いていたのだ。
 66機のドローン全て撃破。
 
 相変わらず不利は変わらない。
 だが、絶対に勝てない、その未来は回避された。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リオン・ソレイユ

極光の外套によるオーラ防御を展開しておき、オーラで勢いが削がれたその間隙に、積み重ねた戦闘知識と野生の勘で攻撃の軌道を見切り、回避するかの

避けきれぬものは早業を用いてオーラを纏わせた剣と盾で武器受けと盾受けを駆使し打ち払う

その頃には俺の終焉ノ破壊者も発動してるだろう

「どちらが勝っているか、勝負といこうか!」

先程の動きに向上した戦闘力と予知を加え、奴が視た未来の悉くを破壊し、凌ぐ

攻撃を防げば光輝の貴石がカウンターとしてヘブンリィスラストを発動する
それを拡散状態で放ち、命中したら2回攻撃と早業ですぐさま死棘槍を放ち連撃とする

未来に干渉できるのは、お前だけの専売特許じゃないということを見せてやろう




 その戦いは熾烈を極めていた。
 到来した未来が、積み重ねた記憶が。
 飛び交う光線と光刃が、オーラを纏う剣と盾が。
 共に終焉を以て、終焉に挑んでいた。

「やれやれ、引退したロートルには堪えるのう」
「減らず口を。中々どうして、よく動くではないか」
「そこはほれ、キャリアが違うからの」
 互いに軽口を交わしながら一進一退の攻防を繰り広げる。
 全てがリオン・ソレイユ(放浪の老騎士・f01568)の行動の先をいく。
 動きの始動を悉く潰される。
 こちらが動こうとすればそれを読んでいたかのように光線が飛来する。
 反射的に避ければそれすらも上回る軌道の光刃が到来する。
 それでもリオンが未だに健在なのは積み重ねた戦闘知識のお陰だ。
 先を読む行動をしてくるのであればそれに合わせて動けばいい。
 先手ではなく後手に回って迎撃をする。
 極光の外套がオーラ防御を展開し、白騎士の光線を軽減する。
 その間隙さえあればリオンにとっては十分。
 軌道から逸れ、流れるように振り抜かれた剣が白騎士の鎧に掠る。
 だが、決してそれを惜しいとはリオンは思わない。
 未来を操作する力を持っていながら簡単に接近を許すだろうか?
 わざわざ危険な選択を取るような相手ではない。
 だとするならば。
「誘ったかッ」
「いい読みだ」
 咄嗟に相手の行動を戦闘知識から先読みして飛び退いた。
 その結果巻き起こされたのは確定した未来の到来。
 リオンがそう動くと視ていた白騎士は、飛び退いた先への運命の百光を放った。
 躱すことは出来ないと踏んだリオンは即座に盾で光線を受け止める。
 纏ったオーラが光線を弾き、威力を抑えることは出来たが完全に防ぐことは叶わず。
 直撃こそしなかったもののリオンの肩を貫いていた。
「……貴様、何をした」
 それは白騎士が初めて見せた反応。
 自らが招いた未来に何故疑問を抱くのか。
 答えは単純明快。
 その未来が壊されていたからだ。
「どちらが勝っているか、勝負といこうか!」
 侮るな、相対しているのは終焉を終焉させる者だ。
 奢ることなかれ、相対しているのは未来を掴む者だ。

 終焉ノ破壊者を発動させたリオンの肉体は老人のものから、全盛期の姿へと変貌していた。
 その姿こそ終焉を終焉させる者、リオン・ソレイユの姿。
 不滅の運命にエンディングを与えし者。
「未来に干渉できるのは、お前だけの専売特許じゃないということを見せてやろう」
「面白い。敗北の未来を覆すというのか。ならば我も“お前に勝利などさせぬ”」
 武器を構え、視線がぶつかる。
 その未来を、この未来を。
 ――終焉させる。
「「往くぞ!!」」
 リオンの一挙手一投足が。
 白騎士の一挙手一投足がが。
 互いに互いの未来を破壊していく。
 よって、決着はこの一撃にて決まる。
 白騎士の放つ一閃を機械仕掛ノ神が受け止める。
 その瞬間に内蔵された光輝の貴石が効果を発揮する。
 カウンターによってヘブンリィスラストが放たれるも白騎士は鎧で弾き飛ばす。
「ソニアよ、力を借りるぞ」
 ここに契約は交わされた。
 リオンの持つ魔剣ソニアが、その姿を巨大な棘へと変貌させる。
 猛毒を宿し、触れるものを蝕む死棘槍。
 至近距離から放たれた槍は白騎士の体を貫いた。

 そこでリオンの到達した未来は終焉を告げる。
 続く未来は白騎士の掴んだ未来だ。
「良い戦いだった。世界は広いとはまさにこの事か」
 死棘槍は確かに白騎士を貫き、ソニアの魂は白騎士を蝕もうとしていた。
 だが、それには一手届かない。
「言ったはずだ。“お前に勝利などさせぬ”とな」
 必殺でなければいけなかった。
 致命傷でなければいけなかった。
 ダメージを与えるだけでは勝利にはならない。
 運命が白光となりリオンを襲う。
 肩の傷が、腕も腹も足も、全て、全て。
 次を与えぬようにと収束した運命が撃ち貫いていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

マハティ・キースリング

双璧の白
その詰らなさそうな絶対孤高なる自信
圧し折らせて貰う

小型センサーを散布し回避に役立てる
改造でアームドフォートを双盾変化

動かず挑発
貴様の条件を課せられた状態で殺し合いたいと
センサー情報を頼りに即死を避けるよう受け、ルール確定

何を縛られようが関係ない
着弾直前、全機能を一時停止。仮死状態となる
私を道具として相棒に装備

予め防具改造にて生み出した液体鎧
生きた流体金属が代わりに私の身体を動かす

反撃クラスターマインで無差別焼夷攻撃
無傷エリアを限定
敵の追撃をアンブリスに当たらぬよう盾で受け流し捌きひたすら接近

燃焼か突進の二択を用意
どちらにせよ意識外で勝手に動く紺碧の炎が奇襲
焼夷弾による三千度全方位攻撃


アネモイ・エンドア
《アドリブ連携可》


過去の亡霊が見る未来、そいつぁ「今」って言うんだぜ?
てめぇらや私みたいな過去の遺物がいつまでも未来の、今の世界にのさばって良いわけがねぇよなぁ?
お互い過去の遺物同士、仲良く骸の海に沈もうぜぇ!白騎士!

【艦長権限・総員集合】で幽霊船員達を呼び出し、白騎士の移動範囲を狭めるように陣形を組む!
てめえが未来を予測するのなら「攻撃を避けきれない未来」を見せてやるだけだ!
先制攻撃も避けれないと分かってれば『覚悟』を決めて『激痛耐性』で受けきるのみ!

複製艤装を展開し、全武装の『一斉発射』で『範囲攻撃』だ!
弾が切れたら宇宙戦艦搭載武装用弾薬で補充し『二回攻撃』!
『誘導弾』もオマケに喰らえ!




「過去の亡霊が見る未来、そいつぁ“今”って言うんだぜ?」
 不遜に言い放つアネモイ・エンドア(エンドア級戦艦13番艦・f00797)。
 その言葉に白騎士は身動ぎ一つしない。
 過去の遺物がいつまでも未来の、今の世界にのさばって良い訳がないだろう。
 私達にお似合いなのは暗くて冷たい躯の海。
 だから、さあ、過去の遺物同士沈もうか白騎士。
 アネモイの物言いに、エンドア級戦艦13番艦の物言いに、しかし白騎士は動かない。
 言葉は不要だ。未来を覆せると言うのであれば、力で示してみせろと白騎士の態度が物語っている。
「その詰らなさそうな絶対孤高なる自信、圧し折らせて貰う」
 ならば圧倒的な砲火にてその態度を崩してみせよう。
 マハティ・キースリング(はぐれ砲兵・f00682)が小型センサーを散布して戦闘準備を整え、お望み通り力を以て応えてみせると。
「遠吠えは済んだか? ならば掛かってこい」
 漸く動いたかと思えば相も変わらず不遜な態度。
 他の猟兵の攻撃で手傷を負っているというのに、まるで堪えている様子がない。
 圧倒的な“強さ”の前に、二人は“戦火”を以て挑むのだった。

 開戦を告げるのは白騎士の放つ光線。
 鋭く速く、何より正確に。
 躱した先に既に置かれていた銃口から次から次へと光線が放たれる。
 何より厄介なのはその火力だけでなく付随する呪縛。
 宣告次第ではさらなる苦戦を強いられる事となるだろう。
「存外大した事ないな、白騎士。この分では銀河皇帝が落ちるのも時間の問題か」
 改造したアームドフォートの双盾で光線をいなしていたマハティがポツリと呟いた。
 決して威圧的な物言いではなく、少し落胆したような言い方。
 隣で聞いていたアネモイは中々言うじゃないかと上機嫌だ。
 そして白騎士はと言えば。
「所詮は雑兵か。己の力量差も分からないとは嘆かわしい。死に急ぐ事でしか戦えないというのなら、良いだろう」
 マハティとアネモイ、両者の視界を塞ぐように一発ずつ光線が放たれる。
 それと同時に背部スラスターを点火させた白騎士が素早くマハティに肉薄した。
「宣告する必要もない。早々に退場しろ」
 銃口を腹部に押し当て、マハティが反応するよりも速く光線が腹部に大穴を穿った。
 マハティの意識は無くなり、体の全機能が一時停止する。
 そしてそれは現れた。
 マハティの意識が薄れると同時に炎は燃え上がり、仮死状態へと移行するとその炎は山羊頭を持つ歴戦のウォーマシンの姿へと。
「なるほど、ご同類様って訳か」
 楽しそうに、面白そうに、アネモイが笑う。
 何とも奇縁という物だ。
「艦長権限代理行使……全員ただちに集合せよ!」
 ならばこちらも紹介せねばなるまい。
 呼び出したるはかつてアネモイに乗艦してた船員の亡霊達。
 自動小銃を携えた兵が館長に従うがごとく、アネモイの元へと馳せ参じた。
「ゆくぞ諸君。構え!」
「過去とは未来の下にあるものだ。身の程を知るが良い」
 戦線は次なるステージへと移りゆく。

 意識の無いマハティは道具として装備した紺碧の炎が操っていた。
 流体金属が鎧となり、紺碧の炎はマハティとなり、二人は反撃クラスターマインを戦場にばら撒いた。
 それは近づく対象、熱源により起爆して周囲を無差別に焼く焼夷の海とした。
 それに続くはアネモイとその船員。
 白騎士を取り囲む焼夷の海を、更に取り囲んだ陣形で集中砲火を浴びせる。
 未来を予測されるのであれば、予測されても避けきれない未来を見せるまで。
 最早一戦場ではなく戦争。
 圧倒的物量攻撃に流石の白騎士も為す術なし。
「これがエンドア級戦艦13番艦の力だ!」
 複製艤装で展開するは連装ビーム砲、機銃、ミサイルランチャー、ありとあらゆる積載されている武装。
 その全てを、白騎士目掛けて一斉発射した。
 巻き起こる爆炎に爆風。
 オマケだと言わんばかりに再装填した全武装を構えた時だった。
「逃げ道を潰す。未来視だけであれば確かにいい戦術だった」
 爆炎の中から聞こえた声と共に飛来した光線がアネモイの肩を貫いた。

 未だ燃え上がる焼夷の海から平然と現れる白騎士。
 攻撃は確かに届き、その証拠に白騎士の鎧に傷跡がついている。
 だが、それだけ。
 鎧に傷跡つけど、本体には一つも攻撃が届いていない。
「運が悪かったな。攻撃が直撃しない未来、それを選ばせてもらった」
 それはなんて無慈悲な言葉だろうか。
 正しく運が悪かった。
 神の悪戯とも言える所業を恨まずにはいられない。
 当たらない未来を選んでしまえば、その決定は覆らない。
「未来を受け入れろ」
「てめぇの決めた未来なんざお断りだぜ」
 抵抗すら赦さない白騎士がアネモイの意識を刈り取る。
 覚悟はしていた。
 激痛に耐える自信もあった。
 しかし、だがしかし。
 訪れる未来はあまりにも残酷だった。
「貴様もだ、亡霊。あるべき場所に戻るがいい」
 意識外からの奇襲。
 完全な不意打ちすらも、まるでこうなると決定づけられていたように。
 白騎士の攻撃によって悉くが潰された。
 散らばる焼夷の海に焼かれる紺碧の炎。
 溶けて混ざり、操られていたマハティの体も地に伏せられた。

 全ては神の采配。
 決まってしまった未来の悪夢。
 地獄の戦火に白騎士だけが悠然と次の猟兵を待ち構えていた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

御伽・柳

行動:【SPD】
使用UC:【窃盗癖】

さて、未来視のある敵と来ましたか……
先制される以上は一撃は受け取るしかない、ならば
【窃盗癖】の出番でしょうね

命令できる意識さえ残っていれば、俺の身の是非はこの際どうでもいい
痛みは【激痛耐性】で耐えます
ギリギリまで、相手の見えているであろう未来の先まで、あるいは相手にとって“詰み”になるまで
そのユーベルコード、甘んじて受け入れましょう
【捨て身の一撃】になるでしょうね、ですが必要ならばそれでいい




 その男は平凡だった。
 男に秀でた才はなく、そして芽生えることもなかった。
 生まれついての凡人。
 それでも初めはよかった。
 自分を取り囲む重圧はあったけれど、そんな自分を受け入れてくれる人達がいたから。
 それに満足していればよかったのに、分不相応な力に憧れなければよかったのに。
 結果、御伽・柳(灰色の渇望・f12986)は絶望した。
 ああ、僕は、俺は――。

「ほう、まだ意識があったか」
 聞き覚えのない声に、激しい痛みに意識が急速に現実へと引き戻される。
 違う、聞き覚えのない声等ではない。
「白騎士……」
 徐々に記憶が戻ってくる。
 そう、白騎士ディアブロ。
 銀河皇帝の片腕にして未来を操作する力を持つ強敵。
 事前情報から先制される事は予想していた。
 だからそれに備えたユーベルコードを発動したはずなのに。
「これが未来視……」
「違うな、人間。これは未来を操作する力。未来視はその副産物に過ぎない」
 白騎士の力は未来を操作する力。
 確かに白騎士の操るユーベルコードは未来視を使用したものだが、本来の脅威は限定的ながら未来を操作することにある。
 柳のユーベルコードが不発に終わったのもその為。
 辛うじて意識が残っていたのは悪運の強さか。
 最も、2倍のダメージとなって全身を襲った攻撃により既に満身創痍。
(手は動く。足も動く。痛みなんてどうでもいい。意識さえあって、死んでさえいなければそれでいい)
 ふらつきながら立ち上がる柳を白騎士は黙って見ている。
 視界に映るのは幾つもの柳が敗北する未来。
 どれを選ぼうと柳が勝利する未来は用意されていない。
「ここで立ち上がる事の意味、分かっているのか」
「ええ、分かっていますよ。俺は、まだ、負けていない」
「勝てるとでも?」
「勝てないとでも?」
 驕るか人間風情が。
 いいだろう、その座興に応じてやる。
 返礼に放たれる白騎士の光線。
 回避、不可能です。
 防御、それも不可能です。
 反撃、面白い冗談を言いますね。
 ならばどうなるか。
 結論、どうにもならない。
 動くことのできない柳は当然の様に光線に体を貫かれた。

 まず左腕を撃ち抜かれた。
 肉を焼かれる痛みに悲鳴を上げる。
 次に右肩を撃ち抜かれた。
 傷口を押さえることも出来ずただただ痛みに耐えた。
 膝を抉られた。脇腹を抉られた。
 身を引き裂くような痛みに、喉が張り裂けるんじゃないかと思わせる絶叫が上がる。
 絶え間ない痛みに意識を手放したくなる。
 だが、それは今じゃない。
「貴様の未来を見せてみろ、人間」
 ついに銃口は柳の頭を捉えた。
 動く素振りを見せない柳に、その凶弾が襲いかかる。
 最早指一つ動かすことは叶わない。
 そして当然の帰結として、訪れた未来を、御伽・柳という男は、嗤った。

 乱れたマフラーから歪められた口元が覗く。
「――覚えたか」
 ドクンと、戦場に心臓の音が脈打った。
 それは一体誰のものか。
「なら、やれ」
 冷たく、短く、言い放つ。
 柳の言葉に応えるように、それは、発現した。
 白騎士の影が波打ち、完全な死角から自らの放った光線が体を撃ち抜いた。
「何……ッ」
「驕ったな、化物」
 その言葉を最後に、ついに柳の意識は断たれた。
 自分の力だけで勝利する事は叶わない。
 ならばせめて、“未来”にその可能性を託そう。
 柳の思惑を理解した白騎士はトドメを刺すことなく、一瞥だけ送り、その戦場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルセリア・ニベルーチェ

アドリブ歓迎
敵との会話も歓迎
可能であれば連携不可

既に現れる場所や時間は把握され
いかに先制攻撃に対処するかが鍵ね

未来の位置に放たれるレーザー
避ける事は不可能、なら……
防ぐ事で対応するとしましょう

先制攻撃のレーザーを
【念動力】で黒剣を操り
自身を守る壁にする事で防ごうとする。

防ぎきれずその身に受けようと
ルールに傷つけられようと一瞬の為に

UC【変幻自在の螺子巻き時計】
(未来を操るんですってね
ルセリアさんも操れるんですのよ?時を。)

『時よ止まれ。』

攻撃、記録、過去、未来
そう、溢れる星の海さえも
ルセリアさん以外、全てが停止した世界の中で
白騎士にUC【破壊の暴君】による一撃を

『そして時は動き出す───。』




 そして、未来に辿り着く。

 如何にして先制攻撃に対処するか。
 未来の位置に放たれるのなら避ける事は不可能。
 なら、防ぐ事で対応するとしましょう。
 ルセリア・ニベルーチェ(吸血鬼嬢は眠らない・f00532)は十二ある黒剣を念動力で操り、自らの正面に構えて壁とした。
 照射される光線の全てを防ぐことは叶わない。
 剣と剣の僅かな隙間から漏れた光がルセリアの体を貫く。
 苦痛の声を上げるも決して念動力は崩さない。
「耐えるか。ならば、“未来に絶望しろ”」
「お生憎様。ルセリアさんはこのくらいじゃへこたれませんわ」
 決して軽くない傷に、今も身を焼く痛みに、すぐさま逃げ出してしまいたい。
 だが、ルセリアは、ただ一瞬の為に。
 ひたすらに耐え抜いた。

 光が止んだ時、そこには未だ健在のルセリアの姿があった。
「貴様……」
 ここに来て、白騎士が焦りの声を上げる。
 まるで今まで視えていたものが見えなくなってしまったかのうような。
 不安定な場所に放り出されてしまったような。
 得体の知れなさに白騎士は恐怖すらした。
「ふふ、25秒後にお会いしましょう」
「猟兵ッ!」

『時よ止まれ』

 カチッ、と時計の針が止まる。
 色を失った世界を、ルセリアが歩く。
(未来を操るんですってね。ルセリアさんも操れるんですのよ? ――時を)
 それは0と1の狭間。
 0が過去で、1は未来。
 ならば現在はどこに存在するのか。
 答えはルセリアさんのみが知る。

 黒式・幻刻真祖――さあ、食事の時間よ。
 黒式・鬼神骸炎――さあ、叩き伏せるのよ。
 黒式・手伸遥空――さあ、束ねるのよ。
 黒式・鮮血鼓動――さあ、暴れるわよ。
 黒式・精霊回路――さあ、黒に染めるのよ。
 黒式・刹那世界――さあ、刹那に願うのよ。
 黒式・分身残影――さあ、今日も働きなさい。
 黒式・戦狂神智――さあ、蓄えるのよ。
 黒式・過去<0>と未来<1>の狭間――さあ、世界の安息を掴み取るその日まで。
 黒式・情報掌握――さあ、見識を広めるのよ。
 黒式・夕暮時雨――さあ、手を伸ばすのよ。

 攻撃、記録、過去、未来。
 そう、溢れる星の海さえも。
 ルセリアさん以外、全てが停止した世界の中で。
 破壊の暴君による一撃を。

 黒式・枯渇庭園――さあ、全てを奪いなさい。

 十二の黒剣を一つに束ね、一撃の下に白騎士を粉砕する。
 色彩を失った世界にヒビが入り、白騎士の体にも同様にヒビが入る。

『そして時は動き出す――。』

 世界はガラス片の如く砕け散り、元の色彩を取り戻す。
 そこに黒騎士の姿はなく、あるのは傷だらけの猟兵達とルセリア。
「ルセリアさんを怒らせると、怖いのよ?」
 ここに確定した未来を打ち破り、白騎士を打倒した。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト