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お前も肉玉にしてやろうかぁ!!!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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 適切な所をコンコンコン。そしたらほら、なんでもたくさん出てくるよ。いつまでも際限なく。コンコンコン、コンコンコン、コンコンコン、コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコ…。
 Q.さて、どうなったでしょう。

 A.お肉がたくさん出てきました。
「お肉食べたい人はいますの!?いるでしょ、いると言ってほしいですわ!!」
 やけ気味に叫ぶ鳥渡・璃瑠に視線が集まった。
「コンコンコンでお肉がたくさんだから大会開いて怪人が優勝なのだわ!!」
 怪人が優勝したの?
「してないのだわ!」
 どっち???
 どうどうと落ち着かせ、詳しい話を聞く。
 キマイラフューチャーでは適切な場所をコンコンコンとすると色々なものが出てくる。出てくるのは決まっている物だけだが、涸れる事は無い。飲み物だって食べ物だって道具だって、出てくる場所さえ分かれば好きなだけ手に入れられる。
 ちなみに原理は全くわかっていないが気にするキマイラはほとんどいないわけで。まぁいいじゃないか細かい事はそれより踊ろうぜ歌おうぜ楽しもうぜひゃっはーらしい。
「それを、コンコンやりすぎたキマイラがいたのだわ…」
 楽しすぎたのだろう。気がつけば肉の山があったというわけだ。無限に食べ物が得られるとはいえ、このまま腐らせるのは勿体ないという事で、肉の大食い大会が開かれる事になったようだ。大々的に告知も行い、規模的にもかなり大きな大会になる事は間違いない。
 出る料理は肉料理ばかりだが、焼き、揚げ、煮る、干す、炙る、刺身、蒸す等々様々な調理法で出るのだとか。なんだったらデザートも出るしミキサーにかけただけのジュース(?)としても出る。これが食べたいと言えば追加されるとかなんとか。
 なぜかそこに怪人が参加してるらしい。何故だろう。分からないが参加するのだ。そして優勝する所を予知したのだった。優勝すれば怪人は一躍有名人。倒すこちらが悪役にされかねない。有名になる前に潰そうというのである…おかしいな、なんだか悪役っぽいぞ。
「優勝する怪人は機関車怪人なのだわ。機関車だから食べられるのかとか思うけど、食べられるし味もわかるみたいなのだわ。ただ、別に大食漢とかではないのだわ!」
 どうやら、彼は口にはいれるものの、腰から伸びるホースのような物を通して離れた場所に捨てているらしい。踏まれないように他の映像のための電気コードや諸々のコードと一緒に伸ばす等、変なところで細かい工夫もしてるとか。それがある限りいつまでも食べ続けられるのだ。というか誰か気づけ。
「あっちがズルをするなら!こっちだってズルでもなんでもしてやるのだわ!なんとしてもあいつの優勝を止めてほしいのだわ!!」
 言い切ってから、あ、でも、と彼女は声を潜めた。にんまりと笑った顔はどう見ても悪役である。
「…邪魔とかはバレないようにするのだわ?怪人に近づくために参加者として大会に参加してもらうのだわ。皆の注目の的なのだわ!じゃあ、よろしくなのだわ!!」


月月月
 こんにちは、月月月です。ひたすら食事に関するシナリオです。二章使って食べ続けます。フラグメントがそうやれって言ったんですほんとですってさんがつうそつかない。
 あまりにもあまりなプレイングでなければできる限り拾いたいと思ってます。多くの人に参加してほしいので大成功はほぼ出ないと思ってください。申し訳ない。
 それでは、どうか、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『食べて食べて食べまくれ!』

POW   :    ひたすら詰め込む。限界?知った事か!気合いだ気合いだ気合いだぁー!!!

SPD   :    見えないスピードでお皿の上を減らそう!え、自分の分が増えてる気がする?気のせいだよ

WIZ   :    馬鹿正直に食べるなんてしたくない。他が食べなきゃいいんだから激マズな物をこっそり混ぜよう!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ポンッ!ポポンッ!軽い音と共に小さな煙が青い空に咲く。
 入り口に【★第一回肉祭り★ ~大食い大会を添えて~】と大きな横断幕が堂々と掲げられ、既に開場してから時間が経った会場には人であふれていた。人ではなく正しくはキマイラ達だが、まぁ観客には変わりない。
 会場中には既に肉の焼けるなんともいい匂いが充満していた。さもあらん、会場には出店が並び、そこでも肉を焼いている。これらは無料で配布されているのだった。スパイスもかかっているのか、食欲を刺激しよだれが口の中に満ちる者も少なくない。

『天気は晴天、風は微風!なんとも爽やかな肉祭り日和です!』

 解説者か司会者の声がマイクによって隅々に響き渡る。その声で観客の視線は自然と巨大スクリーンに向かった。
 スクリーンには特設ステージが映されている。ここで、今日のメインイベントが行われるのだ。既に参加者達は席につき、マイ箸やマイフォーク、マイ爪を用意していかにも準備万端だ。
 その中には当然猟兵達が何人か見受けられる。そして怪人もいる。自然と溶け込んでいる。そんな彼らの前に、肉の塊と言っていいほどの分厚いステーキが運ばれてきた。

『まさにやる気に満ち溢れていますね!しかも!今回は飛び込みで皆様ご存知ヒーロー達も来てくれています!これは、どうなるかとても楽しみですね!』
『もちろん、我らが猟兵が優勝しますの!』
『おおー!これは力強い一言ですね!期待が高まります!』

 猟兵達が来ていると知らなかった観客のボルテージが一気に上がり、歓声が上がる。さすがの人気だ。というか今知ってる声しなかった?

『では、ただいまより皆様お待ちかねの大食い大会を!はじめ!ます!!』

 高らかな宣言と共に、パァンッというピストルの音。それを皮切りに、参加者は一斉に目の前の肉に喰らい付いた!!
サフィリア・ラズワルド
「こんなにいっぱい!本当に食べていいんですよね?……いただきます!(もぐもぐもぐもぐ)あ、すみませんデザートもお願いします!」

辛い物甘い物酸っぱい物、飽きることなく食べ続けるサフィリア、気のせいだろうか彼女の目が爛々としているような……。

「すみません、ステーキできますか?ベリーレアで」

犬歯を使い肉を千切り咀嚼する、手づかみになってることには気づいていない。



まず一品目はステーキのようだ。この大会では一品目以降は事前に申請さえしていれば色々な料理を楽しめるシステムだ。
 なお、どんな形になろうが肉の量は変わらないので、食べやすさに少し差が出るくらいだ。
 おや、皆が食べている中、一人だけまだ手をつけていない参加者が。ドラゴニアンの竜騎士、サフィリアだ。

「こんなにいっぱい!本当に食べていいんですよね?」

 もちろんいいですとも。そういう大会です。

「後でお代ですってきませんか?」

 行きません。ご安心ください。

「…いただきます!」

 行儀よく手を合わせた後に、食べ始めた彼女はその美味しさに頬を緩めている。一心不乱にもぐもぐもぐと食べる事に集中している様はまさしく大食い大会に似つかわしい。
 すぐに食べ終わると、手を挙げておかわりを要求している。
 事前に申請していたらしい、辛く煮込まれた肉料理が出てくる。その次は肉の酢漬けにデザートまで。

『色々な味を楽しんでいるようですね!好き嫌いがないようでいい事です!』
『きっと味を変えて飽きがこないようにしてるのだわ』
『なるほど、彼女はフードファイターではありませんからそういう工夫をしているという事ですね!今度はステーキが運ばれてきて…おや、彼女の様子が…?』

 いつの間にか変わっている。容姿ではなく、雰囲気というか。
 手づかみでステーキをわし掴むと、がぶりっと食いつく。行儀のよさはどこへ行った。
 真っ赤な肉汁というか血があふれ出す。口の端から垂れたそれを、サフィリアは舌で舐めとると獰猛に笑った。

『…あれ、だ、大丈夫なのだわ?』
『あっ、えっとですね!ステーキはベリーレア頼んだそうです!だからあんなに真っ赤なんですねー、中身が』
『そこじゃないのだわ!?』

 だが、そんな事はお構いなし。さぁさぁ次々とばかりにカメラは別の参加者を映した。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィーナ・ステラガーデン
お肉がいくらでも出てくる!?
何それダークセイヴァーの世界じゃありえないわよ!
参加するしかないようねこんなの!
私はwizが高いけどそんなの知らないわ!powよpow!
今こそ限界を超えて食べ尽くしてやるわ!
出されたものを順番に片っ端から喰らいつくわ!
今の私はダンピールではないわ!1匹の飢えた野獣よ!
「ハァーー・・ハァーー・・・ニクゥ・・ニクゥ・・!!」
お肉は血の滴るレアステーキがあればそればかり食べたいわね!
正直な話し自分が優勝とかはあまり興味がないわね!
目の前に肉がある。じゃあ食べるしかないじゃない!!我を忘れてでも!!



次に映し出されたのはフィーナだ。美味しそうに肉を頬張っている。

「お肉がいくらでも出てくるなんてダークセイヴァーじゃありえないわよ!」

 確かにあの世界出身者から見れば、ここは天国にも等しいという人もいるかもしれない。喋っているが手は止まらない。口も止まらない。どうやってるんだろう。

「今こそ限界を超えて食べ尽くしてやるわ!」

 あ、それはむしろ大歓迎。尽きそうになった端から出しますね。
 というか彼女はウィザードのはずなのだが。肉にがっついている今はそうは見えない。きっと感覚の天才肌なんだろうきっと。きっと。
 食べれば食べるだけ出てくる肉に、目をキラキラと少女のように輝かしている。ようにと言ったのは彼女が既に成人しているからだ。つまり合法ろr()。
「なんか言った?」
 なんでもないですごめんなさい。

 彼女も血の滴るレアステーキを頼んだ。ダンピールだからかもしれない。

『血を絞った方が彼女にとってはいいですかねー?あぁ、でも果肉ならぬ肉肉も規定量をいれなくてはいけないのでかなりの量になりそうです』
『血の生搾りジュースとか聞いた事ないのだわ!?』

 そもそも生搾りかどうか怪しい。火をいれてなければ生搾りかもしれない。きっと。
 しかし中々な食べっぷり。食べ物への執着といいそこに肉があるから食べるのだという気概といい、こちらもまさに大食い大会といった所…おや様子が。

「ハァー…ハァー……ニク…ニクゥ…!…モットォ…!!」

 目は充血しただひたすら喰らいつくす事を唯一至上とする。そこにいたのは飢えた獣だった…!
 早くしないとオマエを食ってやるという言葉まで聞こえそうだ。慌てて配膳係のキマイラが厨房からステーキを持ってくる。

 …誓って言いますが、変な薬とかいれてないですからね!!ほんとに!!本当ですってば!!!

成功 🔵​🔵​🔴​

ミーファ・ミーファ
お肉!!ただただ食べればいいのらよね~!?しかも、いろんな料理が出てくるとか…焼肉とかシチューとかピカタとかとかとかとか…夢のようなのら~~!
相手の怪人はずるっこしてるみたいらけど、ミーちゃんはずるとかしないのら~。フードファイターの名にかけて、とにかく食べて食べて食べまくるのら~(注意:要は依頼とか相手を倒すとか関係なく、自分がお肉を食べたいだけです)


ウララキラ・アカラカラ
ウララララー!肉!肉!!カララララー!!
ウララのための依頼だな!?ウララは肉大好きだからな!!
食べる!食べるぞー!!ウララララー!!
アハハ!よだれが止まらないなー!

【POW】
ウララは生でも食べられる!強いから!美味しいよ!

でもなー、焼いてあるともっと沢山食べられる!!凄く美味しいから!
いくら食べても怒られなければ、いくらでも食べられるぞ!

でもなー、同じものばっかりだとなー。肉を焼いたら最強なんだけどなー。
だからウララは他の肉も食べたい!どんな肉あるか、ウララはわかんない!
とにかく沢山もってこーい!全部全部ウララのパワーだ!!
ウララララー!!


戸辺・鈴海
お肉し過ぎるなんて、欲に忠実な部分はグッドと言わざるおえないでしょう。
私の実力も魅せたいですし、貢献してさしあげましょう。

無論、POWの真っ向勝負で挑ませて頂きます。
調理方法は肉団子をお願いします、サイズは小さめで。
まぁ、私にとっては相対的に大きくなりますけど。

月見団子の如く山盛りにしてもらうと見栄えも宜しいでしょう。
そして文字通り団子を食べる様に、一定ペースでひょいぱくさせて頂きますよ。
下手にスパートはせず、平然と食べ続けて量を稼ぐ訳です。

「大食い大会っていうのは心が弾みますねぇ、っとおかわりです。」

因みに、食事にはマイ箸オンリーで挑ませて頂きますのでご承知おきを。



「ウララララー!!」

 叫んだのはウララララーなウララだった。違う、ウララキアだった。
 片足をテーブルに乗せ、椅子の上で立ち上がっている。こらっ、お行儀悪いですよウララちゃん!

「ウララは肉大好きだからな!!食べる!食べるぞー!!ウララララー!!」

 言いながらも大きな骨付き肉にかぶりつく。
 とってもワイルドだ。

「ウララは生でも食べられるぞ!強いから!」

 刺身をご所望かと思いきや、肉塊でいいらしい。事前に申請はされていないが、生だったらすぐに出せる。すぐに運ばれてくる肉塊。
 肉が一欠けらも残されていない綺麗な骨を放り投げ、すぐに肉塊に取り掛かる…やっぱ生に近い肉が一部で流行っているのかもしれませんね。

「ん?焼いてるのも好きだぞ?とにかくたくさん持ってこーい!ウララララー!!」

 ウララララー!?だったらいくらでも!焼肉でもステーキでもご所望の通りに!
 あっ、でも普通に座って食べてくださいねウララちゃん!


「お肉なのら~!!」

 テーブルに乗っちゃいけませんとか言いますが、ミーファに関しては特別だ。なんせ身長が23cmしかない。むしろ乗らなきゃつらい。あ、でもちゃんと足は運営が用意してあった新品の靴に変えてもらいました。何を想定して用意してたんだかよくわかりませんけど!ぴったりだったからいいのだ!
 彼女のように一部の参加者には肉が切り分けられて出される。切るのも一苦労だろうからだ。それくらいはハンデも何もないだろう。
 それを彼女にとっては小さめの槍なの?ってくらいのフォークでぶっ刺し、食べる。食べる。食べる。

 さすがフードファイター!食べっぷりは他の参加者に負けてない!
 食べ終わると次に出てきたのはご所望のシチュー。もちろんピカタもその後ご用意させていただきます!具材は肉だけですけども。肉の大食い大会ですからね!

「ミーちゃんはズルとかしないのら~!」

 確かにズルはしていない。いないが。おかしいな、さっきよりも食材を突き刺す力が強いような。もう少し力加減を…あーあ、お皿壊した。すぐに係が取り替える。さすがに危ないですからね!

『食べきれてない分のお肉は、重さを計った後に同じ量が次のお皿で追加されますから平等です。ご安心をー!』
『さすがフードファイターなのだわ…食べれば食べるほど強くなるのだわ!』

 食べ終わった後のミーファがどれだけ強くなるのか…ぜひとも楽しみにしたいところである。
 今度は壊さないようにミーファも気を付けながら食べている。その手の中のフォークが少し曲がってる気がするのは気のせいです。


 そしてその隣にもミーファよりも少しだけ大きいが、ほぼ同じくらいの身長の女の子、鈴海が肉団子を頬張っている。
 マイ箸を片手に食べやすい大きさに切り取り、ぱくぱくもぐもぐ。ただその可愛らしい姿は観客からは見えない。何しろ観客と彼女の間には月見団子よろしく肉団子が積まれているからだ。見栄えもいいだろうとの彼女の配慮だ……あの、少し位置とか移動しましょうか?

「大丈夫です、お気になさらず」

 あっ、これは失礼いたしました。
 と、巨大スクリーンに彼女の横顔が映し出される。

『さすがに見えないのはあれなので、別視点のカメラご用意させていただきました!』

 仕事が早い!ちょうどカメラはミーファも映されるようになっているのでちょうど二人共映る。良かった良かった。
 鈴海は一定ペースでもぐもぐと続けている。これで量を稼ぐ作戦だ。
 もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ…スクリーンにはただひたすらもぐもぐする彼女が映し出される。

「大食い大会っていうのは心が弾みますね」

 おかわりを要求すると同時に感想が漏らされる。真剣に食べる様子からは分からなかったが、どうやら彼女なりに大会を楽しんでいたようだ。
 肉団子が運ばれ、またもぐもぐタイムが始まる。邪魔をしてはあれなので、映像は別の参加者へと移っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

エリィ・ゴールウェイ
わしは食べ盛りの幼女の肉体じゃ。幼女と食べ盛りと、そこに回転を加えることで胃袋の容量は無限大になる。
よって延々と食べられるんじゃ〜〜〜!!

詰められるだけ詰めるぞい!!!
わしってほれ、ドワーフじゃから、アレじゃ。「こんな小さな体のどこに仕舞われているんだ!?」が出来る

しかしいよいよ、もうこれ以上食べられない…わしは肉に圧迫されて死ぬんじゃ、となった時に戦場の亡霊が出てくる。
地獄の沙汰も肉次第。亡霊は何故だか不明じゃけど特殊なアレで一時的に受肉することになり、食事が可能となる。

受肉して肉を食うって面白いの!ぬはは!


善知鳥・董子
【POW】
お肉食べ放題と聞いて来たわ!
なんて魅力的な響きかしら!
頼まれなくても参加してやるわよ!

とりあえず追加でコンコン!
自分の料理諸共相手の料理を一杯増やして【挑発】よ!
あえて相手をノセてやりましょ!

ホースなんて原始的な輸送手段使ってるんだから、
あんまり一度の輸送量が多いと詰まるでしょきっと!
そうなったらあとは私の分を食べきれれば大勝利!
……なんだけど……流石に多すぎるかも?
まあいいわ、あとは野となれ山となれ!
限界を超えて、食い倒れるまで捨て身で食べ尽くすわよ!

戦闘中じゃないけど、もし使えるなら【相続ぎし七星伝説】だって切ってやるわ!
私が食い倒れた後にこっそり入れ替わってもら……えるかしら?



次に映し出されたのは回転しながら肉を食べる幼女、エリィだ。肉汁が周りの参加者に飛び散ってる。自分の服にもついている。係員が拭きたそうとうろうろとしているが、ぐるんぐるんと回転しているので手が出せない。

『その前になんで回転してるのだわ!?』
『幼女と食べ盛りと、そこに回転を加えることで胃袋の容量は無限大になるらしいですよ?さすがヒーローですね!こちらの予想を超えてきます!』
『どこから突っ込めばいいのだわ!?』

 まず一桁の幼女が参加している所からだろうか…参加に親の同意書って必要だっけ?

「わし、ドワーフじゃから!『こんな小さな体のどこにあの量が!?』が出来るんじゃ!」

 確かにそれは出来るけど!まさかそれ目当てでの参加!?
 それに、そんな彼女に悲報だが…30㎝以下が既にいるので、そんな目はほぼ全てそっちに向かってる。

「そんな!?聞いとらんぞそんな事!…こうなったら詰め込めるだけ詰め込んでやる!」

 えっ、なんかごめんなさい?
 ばっと二人の方向を見てから、やけくそのように食べ始めた。
 ばっくばっくと豪快に腹の中にいれていく。その豪快な食べ方とスクリーンに映っている事から今は皆の視線はエリィに向けられているが気づいているのだろうか。注目されてますよエリィちゃん!
 そのうち苦しくなってきたのか、顔色が少し悪くなってきた。

『あまり無理せずにー?』
「いいや!まだじゃ!」

 ぼやぁっと何か、そう、霊的な何かが彼女の後ろに浮かんでいる。それが吸い込まれるようにエリィの身体へ入っていった…と思うやいなや猛烈にまた彼女が食べ始めた。
 先ほどの苦しそうな顔はしておらず、美味しそうに頬張っている。
 ただ、忘れてはいけない。受肉しても彼女の身体は彼女の身体であり、胃の容量が増えたわけではないのだ。
 また、顔色が悪くなり始めた所でカメラは動いた。


 映し出したのはドヤ顔の董子だ。挑発するように食べて見せるのは…あの機関車怪人だった。
 あえて他の人の二倍近い量を頼んで食べている。もちろん二皿分にカウントもされるが、元から多いのにさらに増やすとはチャレンジャーである。
 ただ、怪人に効果は抜群だ!挑発にのって同じ二倍の量を食べている。あちらの場合ズルをしているので食べているかは微妙だが食べている。負けじとペースも一口の量も早いし多い。
 しかし、ホースに詰まる前に限界がきてしまったのは董子の方だった。フォークが止まった様子に怪人がどこか得意げな様子になる。

「う…苦しくなってきたわ…相続ぎし七星伝説(プラウ・ウォーリアーズ)使えるかしら」

 これはどうだろう…いや、戦いだ。負けられない戦いだとも。それに限界でもある。瀕死判定オッケー出ます!
 彼女の真の姿をした影が六体現れる。地獄の炎を纏った翼がばさぁっと広げられ…こっそりはどう考えても無理じゃないですかねこれ!影の一人が彼女と選手交代をして食べ始める。
 これには会場は大盛り上がりだ。まさかの展開に怪人は唖然として手を止めてしまっている。

『審判、これは……えっ、ありなのだわ!?オッケー出しちゃうのだわ!?』
『彼女自身という事でセーフだそうです!そもそも分身しちゃダメとか書いてませんからね!ルールには!』
『そもそもその前提でルール書く事がおかしいのだわ!』

 しかし審判がオッケー出したからにはいいのです。なんせ審判こそルール。
 何はともあれ、あと五人はいる。まだまだ董子は食べ続けられそうだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アイレキア・ベルフィオーレ
事前に他の場所でコンコンして、大量の唐辛子調味料を出しておきましょう。それを怪人のお皿に混ぜておくわ。
万が一他の人が食べてしまったら、生まれながらの光で回復してみましょう。



思った以上に肉好きが集まり、会場は大盛り上がり。機関車怪人を妨害する人が一人もいない…いや、いた。
 大会の始まる前、一人の人影がとある場所をコンコンコンとしに行く。肉を増やす?いいえ、彼女が大量に手にしたのは唐辛子。色も真っ赤で、目に入ったら危なそう。
 その山ほどの唐辛子を彼女、アイレキアは会場裏の厨房へ。調味料として使いたいと言えばあっさりと粉末状にしてくれて、瓶にまでいれてくれた。

「これを食べれば怪人も…」

 それを、厨房の人の目を盗んでいくつかの皿の料理に振りかける。それはもうこんもりと。三角錐の山状に…それはさすがにバレるんじゃ?絶対身もだえはするけども!
 幸いな事に…怪人にとっては不幸な事に…大食い大会は食べるのがハイペースな参加者が多く、その分料理の回転率も上げなければいけない。ドタバタしているので確認はとられなかった。事前に申請すれば色々な形で肉が提供されるので、これも一つの形かと配膳係は思ったようだ。辛味が沁みたのか涙目だったけど。

「…なんじゃこりゃあーーーっ!!」

 叫び声と共に巨大スクリーンに怪人が悶えている様子が映った。挑発にのってた為に確認せず、一番かかっている部分を、そのこんもりと乗っていた唐辛子調味料と一緒に食べたらしい。配膳係が水を渡すが、それ、あの、逆効果ですよ?

『あ、水吹き出しましたね。皆さんお気を付けください。唐辛子系の辛さは水じゃなくて牛乳です牛乳。水だとむしろ被害が広がるんですよ!』
『それ飲む前に言わなきゃ意味ないのだわ??』

 かっかぽっぽと顔…顔?部分が真っ赤になっている。頭の煙突からもぽぽーっ!と煙が噴き出す。
 こうか は ばつぐん だ !!

『って、あら?他の参加者も苦しんでる人いるのだわ!?』

 そりゃピンポイントで怪人にばかりいきませんよね…あまりの辛さに倒れる者、火を噴く者、もうこんなとこやだおうちに帰ると泣き出す者様々だ。まさに阿鼻叫喚。
 アイレキア出動。すぐさま生まれながらの光で人々を癒していき、感謝されている。
 結果的にマッチポンプのようになってしまったが…怪人の口には大打撃を与えられたようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブライトネス・フライハイト
にゃ、にゃぁ…飽食というのも考え物だにゃぁ…
飢える事がないゆえのせいかも知れぬが…贅沢とは無駄遣いではなくしっかりと使い切ってこその…(ブツブツブツ)

我輩大食いなら多少の心得はあるが、まずい肉をただひたすらかき込むのは謹んで遠慮したいのであるにゃ。
何しろ我輩、フードファイターであっても美味なる食べ物を探求する猟兵故。

つまり美味なる肉料理であれば無限に食べられるにゃ!
料理人として味付けをちょくちょく変えながら飽きないように工夫しつつ、食べて食べてたべまくるにゃ!

そうだにゃ、珍しいお肉なら持って帰るにゃぁ。
美味なる料理への研究に役立ちそうだにゃぁ。


シャン・チーシィ
肉! お に く !
頂けるのなら幾らでも頂きまする。某、「大食い」を自負しておるが故。
調理法は問わぬ。食える物から眼前に運ぶが良い。……もしこれと決めたほうが良いのであれば、炒めて貰えると有り難いのである。炒めよ、さらば食べられん。
そして大会という事は、つまり戦いであろう? 某、戦の最中に食した肉の量と質に応じて力を高める『フードファイト・ワイルドモード』を会得しておる故、食べ始めからそれを行使し続けようではないか。
かのユーベルコードにて肉体的許容量の限界を引き上げ、ひたすらに、ただひたすらに肉を食もう。いや飲もう。そして頂点を目指そう。うむ。



先ほどから女性しか映してない?男性もいますとも!

「にゃ、にゃぁ…飽食というのも考え物だにゃぁ…飢える事がないゆえのせいかも知れぬが…贅沢とは無駄遣いではなくしっかりと使い切ってこその…(ブツブツブツ)」

 ブライトネスは何やらぶつぶつ言いながら食べている。難しい顔をしているが…もしや、お肉が美味しくない?

「あ、それはないのにゃ」

 お肉の味には問題ないようだ。というか自分で味付けをしている。
 フードファイターであり料理人である彼は自前の調味料セットを持ち込み、それを使って味付けを変えて食べ続けているのだ。

『飽きは大食いの天敵でもありますからね!味が違う事によって食べやすくもなりますし!』
『というか、観客の一部がうっとりしてるのだわ…?』

 うっとりもする。なんせ、彼は二十五歳成人男性だが、種族はケットシー。おねこさまだ。大事な事なのでもう一度言う。おねこさまなのだ。
 想像してみてほしい。身長40cm、二本足で猫が立って、その前足を使って器用に物を食べる所を。時々調味料を振りかけたりする所を。難しい顔をしていてもぶつぶつ言ってても可愛いもんは可愛い。語尾に「にゃ」とかあざとい所がまたさらに可愛い。可愛いオブ可愛い。
 かっこ可愛いヒーローだなんて目がハートになるしかない。

 彼自身はそんな熱のこもった視線はなんのその。マイペースにタッパーを取り出して肉をその中に…ってあーっ!いけませんお客様!それはいけません!!

「なんで止めるにゃ!?珍しいお肉なら持って帰って料理の研究に役立てるのにゃ」

 普通のお肉ですから。牛肉?豚肉?鶏肉?とかそこらの一般的なお肉ですから!いくら火が通ってるとはいえ、衛生的な面からも許可できませんから!料理人であってもそこは駄目ですから!
 残念そうな様子のブライトネス。その様子を見た観客から怒りを込めた視線が審判に刺さる。哀れ、審判。薄い頭がもっと薄くなりそうだ。



 その隣シャンは190…ブライトネスと並ぶと実際より大きく見える。お皿も同じ大きさのはずなのに、小さく見えてしまう。不思議。
 使っているのは普通より大きめの特大フォーク。小さなものはないのにどうして大きいのはあるのか。運営の備品の用意の基準が謎である。

「某、『大食い』を自負しておるが故。食える物から眼前に運ぶが良い」

 ははーっと言いたくなる威圧感。その高身長もあって迫力満載。心なしか配膳係が捧げ持っている。それを鷹揚に頷いて受け取るシャン。
 なのに猫舌らしい。ギャップ萌えってやつか。

『意外とフードファイター少ないんですよねー』
『…フードファイターって事は…』

 そうです。食べれば食べるほど強くなるんです。もちろん、それはシャンも同じなわけで。

「…む?先ほどより肉が柔らかいか?」

 違います。力が強くなったからそう感じているだけですはい。手の中の特大フォークとお皿に今のところ変化は見られないので、無意識の力加減は出来ているようだ。
 先ほどよりも威圧感が増している。なんというか、重みが違う。ブライトネスの反対の参加者が距離をとった。いや、取って食う事はしませんよ?……しないですよね?ねぇ?

「おかわりである」

 配膳係ー!王様…違った、シャン様に早く次のお皿ー!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

栖夜・鞠亜
ズル、よくない。
けどまりあも普通の食事はあんまり食べ、ない...

メイド・イン・ヘブンでメイドさんたちを呼んで手伝ってもらう。たぶんメイドさんたちも小さいからあんまり食べない。とりあえずミディアムのステーキーで頼む、料理長。
メイドさん、お肉おいしい?まだ食べれる?まりあはもう、むり...



「ズル、よくない。けどまりあも普通の食事はあんまり食べ、ない…」

 ぽつぽつと呟きながら肉をつついているのは鞠亜だ。どこか淡々とした話し方と無表情は、苦しさを感じさせない。むしろ飽きた感じがある。
 さっきから肉は一片も減っていない。彼女のご要望通りのミディアムステーキだというのに。
 小さい身体だ、しかもフードファイターでもないのだ。無理もない。無理をする事もないし、他の猟兵に任せてここは棄権を…。

「まりあは、もう、むり…メイドさん、来て」

 呼ばれて小さなメイドさん達が飛び出す。わぁ可愛い。けどちょっと多いような?その数75…ちょっと待ちましょう。

『もう召喚前提の勝負になってるのだわ!?』
『審判協議します。これはどうなるか…おおーっと!?まさかのバツだ!ダメ出しだ!!』

 これは意外だ、今までの分は許していたのだから。分身しようと憑依しようと回転しようと。
 理由としては、なるほど。自分以外の存在だからだそうです。今までのは一応自分の身体使ってましたからね。一応。
 メイドさんは別存在ですものね。これは鞠亜選手失格か…?

「でも…苦しい、から。だめ…?」

 あっ、上目遣いです。審判その可愛さにくらっとなりつつ耐えてます。いや、あれはギリギリだ、かなり危ないぞー?

『いやー、あれは落ちるのも時間の問題ですねー』
『のんびり言ってる場合ではないと思うのだわ?』
『可愛さは正義ですから!!』

 そう!可愛さは正義!!つまりここで折れないのは不正義…?あれ?そうなっちゃいますかね?
 あっ審判折れた。折れました。鞠亜の勝利です。
 召喚も自分の力の一部?召喚が一部ならその召喚されたものも一部として認める?なぁるほどー………勝負方法変わってません??
 最初からでしたが、さらに混沌としてきた空気しか感じません!!

成功 🔵​🔵​🔴​

弥久・銀花
お肉の食べ放題と聞いたので、来ました。

剣の鍛錬の後はお腹空きます。


こう言うのを多く食べるコツは満腹中枢が刺激されない内に食べるのが良いと聞きました。

なので……、『研ぎ澄まされた刃に斬れぬ物無し! 鋭刃線閃!』 (食事用のナイフでステーキを斬っています)

こうやって細かく刻んで、噛む回数を減らして食べると良いですね。

大きなお肉をガブリと齧り付いて食べるのも凄く良いのですが、その後に顎が疲れてしまいます。



ふぅ、流石に2キロも食べたらお腹一杯です。

ご馳走様でした。



すぅっとナイフが剣のように構えられる。片目は冷静に、敵を見据えるように肉を見据えている。
 銀花は自分の事を卑下するが中々どうして。堂に入った様である。ただ、なぜ今ここでその構え???

『えっ?何してるのだわ?』
『剣豪のパフォーマンスとか?』
『絶対違うのだわ』
「こう言うのを多く食べるコツは満腹中枢が刺激されない内に食べるのが良いと聞きました。なので……」

 なるほど、彼女なりに対策を講じてきたようだ。
 息を整える。自然と見守る観客や両隣の参加者も動きを止め、息を殺して一挙手一投足を逃さぬように見る。
 一息。

「研ぎ澄まされた刃に斬れぬ物無し!鋭刃線閃!!」

 気合い一閃、ナイフが鋭く奔り、肉がみるみるうちに一口ほどのサイコロ状になった。
 見事な技に観客から大歓声が上がる。

『まさかそんな使い方があるなんて…!鮮やかなナイフさばきでした!』

 歓声なんてなんのその。気にせずに切った肉をひょいぱくと食べていく。あまり噛んでいる様子はない、というかほぼ丸のみに近い。
 のどに詰まらせないか見ているこっちがはらはらしてしまう。目が離せない。
 ただ、急いでいるという感じはなく、あくまで表情も冷静だ。そしてしばらくするとお皿の上の肉がなくなり、彼女がフォークを置く。すわおかわりかと思いきや。

「ふぅ…ご馳走様でした」 
 
 そう言って行儀よく手を合わせた。
 …えっ、もう終わり?お腹を満たしにきたんですか?大食いじゃなく?

「鍛錬の後はお腹が空きますからね」

 自由すぎる…!!

「無理はしなくていいのでしょう?」

 仰る通りでございます…。
 悠々と銀花は特設ステージを後にする。誰の邪魔も許さない堂々とした歩き姿に、自然とその先にいたキマイラ達が道を譲る。その光景はまるでモーゼの海割のようだった。
 なんという十二歳児…先の成長が恐ろしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『早食い・大食いチャンピオン』

POW   :    一心不乱に気合で食べる

SPD   :    自身のペースを食べ続ける

WIZ   :    切り分けたり工夫をして食べる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『さぁ試合も終盤に近づき、皆さんラストスパートに入っています!』
『色々とツッコミどころ満載だったのだわ』
『ヒーローがいますからね!!さすがヒーロー!』
『さすがの意味がわからないのだわー!!!』

 ちょっとどころかかなり強引な気がしなくもない。
 なにはともあれ観客は盛り上がってるからいいのです!怪人がいるのもバレてませんし!バレたら大混乱です、大変です。
 その時はヒーローの出番ですね!
 
 未だ残っている参加者は怪人と猟兵達ばかり!怪人はあの唐辛子で食べるペースはかなり落ちているものの、止まる気配はない!いやまぁ厳密に言うと食べてないので当然なんだけども。

『さぁさぁ、大食いの女神は誰に微笑むのか!皆様注目ですよ!瞬き一つ許されません!』
『もうこうなったら勝利まで突っ走れー!なのだわー!』
アイレキア・ベルフィオーレ
【WIZ】
まずは、トリニティ・エンハンスで攻撃力強化ね。
大量のお肉も、切り分けたり味を変えたりして食べれば、
それなりの量もいけるはず!
まずは効率的に切り分けるためにも攻撃力強化を!
…え、そんなことに使うなですって。ほっといてくださいな。

色んな場所をコンコンして調味料を揃えておく。
醤油に岩塩にガーリック、アップルジンジャーソースもいいかもね。
さっきの妨害に使って余った唐辛子もトマトと合わせてサルサにしてみましょう。

なお、さっきの妨害はあくまでも「知能戦」と言い張る。



ざざっ!とアイレキアは調味料を机の上に並べた。唐辛子の時に一緒に調達したもので、全て厨房で振りかけやすいように粉末状にしてくれた。ご丁寧に瓶に入れてラベルまでついてある親切設計だ。
 全ての治療はもう終えた。あとは大食いに参加するだけだと腕まくり。
 他の人より大分遅れたスタートではあるが、治療をしていたという事である程度は免除されている。

「トリニティ・エンハンス!」

 赤、青、緑の鮮やかな魔力が彼女を覆い、攻撃力が強化される!そう、肉を切り分けやすくするために!

『これ実は武道会だったとかそういうオチはないのだわ?』
『どこからどう見ても大食い大会じゃないですかー!』

 普通の大食い大会は攻撃力強化とか分身とか憑依とかしないと思うんですよ…え、猟兵達が出てる時点で普通じゃない?ごもっとも!!!

「切り分けたり味を変えたりして食べれば、それなりの量もいけるはず!」

 王道で勝負のようだ!
 治療でお腹も空いていたようで、切り分け、時々味を変えてばくばくと豪快に食べていく。
 先ほどの唐辛子も、トマトをもらってサルサソースにしている。とても美味しそうだ。
 ちょっと辛めなのが良いアクセントとなり食欲をさらに増幅させる。

『いやー、本当にさっきのトラブルに対処してくださったのはありがたいですからね!!アイレキア選手には頑張ってほしいところです!』
「…知能戦だったのよ」
『え?何か仰いました?』
『き、気のせいなのだわー!さぁ次の選手の様子を見るのだわ!』

 ぼそりと言った言葉が拾いかけられるが、強引に次の選手へ注目が向けられる。
 妨害がバレちゃまずいんですよ!しーっです、しーっ!

成功 🔵​🔵​🔴​

戸辺・鈴海
さてさて、程々にお腹も満たされましたし本腰でいきますよぉ。
怪人に真っ向から挑む上で、ズルの妨害をさせて頂きます。

まずは挑発して同じ土俵にあがってもらわなければ。
口上はそうですね、大きさの差を以って喧嘩を買ってもらいましょう。
そしてすかさず対決種目となる料理を注文させてしまいますよ。

食べる料理は「チキンウィング」に「スペアリブ」
ウィングはスパイシーに、スペアリブは甘めでジューシーに。

狙いは察しの通り、骨付き肉の料理である事です。
骨を分けてると時間がかかり、飲み込み過ぎるとばれやすくなる。

私は勿論、箸一つでどんどん食べていきますよ。
ユーベルコードも使ってキレの上がった箸捌き、貴方に見切れますかっ。



「程々にお腹も満たされましたし本腰でいきますよぉ」

 肉団子を食べ終わった鈴海は、次の皿は少し待ってくれと言う。
 彼女はきりっとした表情で機関車怪人を睨む……が、残念ながら怪人は気づいていない。ほら、小さいから。

「ちょっとそこの!機関車の人!」

 そんなのは一人しかいない。なんだ?と機関車怪人が食べていた手を止めて鈴海を見る。

「勝負を申し込みます!まさか受けないわけないですよね?」

 暗にこんな小さな相手の勝負から逃げないよね、と匂わせる。実際普通の人間大の彼と小人の鈴海では大きさの差は歴然だ。
 口がひりひりと痛くても勝てると思ったようだ。少し小ばかにした態度で機関車怪人は頷く。

『おおー!まさかの勝負が始まりましたー!これは見ものです!しかも、鈴海選手、勝負のためのメニューもあるとか!』

 運ばれてきたのはチキンウィングとスペアリブだ。どちらもこれでもかというほど山盛りに盛り付けてある。
 合わせて置かれたそれを、二人は同時に手を付けた。
 鈴海は箸で骨から身をほぐして外し、食べていく。今まで食べた肉の力もあり、また、小さい箸だからこそその動きは細かく速く動く。
 小さいからこその利点を最大限に活用している。

 対する機関車怪人は今までの肉と変わらずほぼ丸のみをしていく。骨ごとだ。
 特にチキンウィングはスペアリブよりも呑み込むまでのスピードが速い。どうやら、スパイスが効いた味付けがスペアリブよりも口の中を刺激するらしい。
 と、機関車怪人が突如立ち上がって跳ねはじめた。
 どうやらホースに骨が詰まったらしい。丸のみなんてするからだ。
 ぴょんぴょんと跳ねてなんとか通そうとしているが、中々とれない、通らない。

 この勝負は既に結果が見えていた。
 鈴海は笑って、最後の肉片をゆっくりと噛みしめて呑み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウララキラ・アカラカラ
まだ食べていいのか!?なんだ今日は!?誕生日かー!?アハハハ!!
ウララララー!まだまだウララは食べれるぞー!!

でもなー。ウララがいくら大好きでも生肉はもー飽きたなー!
焼いた肉もなー?
それになー。ウララと猟兵のみんなばっかり食べるのも悪いなー。

ウラララー!イイ事考えた!
ウララはもちろん沢山食べる!お客さんも沢山食べる!
これで悪くないな!みんなでお肉!みんなハッピーだ!
ウララは自分の肉食べて、みんなにも肉を配るぞ!
あの変な頭のやつにも食べさせてやるぞ!ウラララー!

う?あれ?なんだこの変な線?お洒落か?変な頭のお洒落か?
邪魔だなー!邪魔だから切っとくぞー!ウラララー!



「まだ食べていいのか!なんだ今日は誕生日かー!?」

 大食い大会ですからね!誕生日には四ヶ月ほど早い。
 ただ、少し飽きてきたようだ。食べるペースが落ちている。
 あと、何やら悩んでもいる…?もしや、調理の仕方を考えて?なんでもいけますよ!蒸しでも揚げでもデザートでも…。

「ウラララー!イイ事考えた!ウララはもちろん沢山食べる!お客さんも沢山食べる!みんなでお肉!みんなハッピーだ!」

 違った!!自分だけ肉を食べるのが気になっただけだった!
 参加者以外に食べさせるのは駄目ですよ!係員が慌てて止めている。
 ならば参加者に食べさせればいいという考えに至ったようだ。

「あの変な頭のやつに食べさせてやるぞー!ウララララー!」

 目指すは、というか標的になったのは機関車怪人。えっ?!って顔でウララキアを見る。

『ちょうどジャンプやめた所でこれからさぁ食べようってなってたとこでしたが、どうやら女の子のあーん付きのようです羨ましい!!』
『代わりたいのだわ?』
『お断りします!!』

 そりゃそうだろう。食べさせ方はあーんなんて可愛いもんじゃない。控えめに言っても食べろよコラァである。
 ひたすら肉を相手の口に突っ込んでいる。噛む暇も与えてない。これ機関車怪人じゃなきゃ喉詰まらせてますって。

「う?あれ?なんだこの変な線?お洒落か?変な頭のお洒落か?」

 ズルの道具です。
 審判は…別の場所を見ている!今がチャンスだウララちゃん!やっちゃえ!!

「よくわかんないし邪魔だなー!邪魔だから切っとくぞー!ウラララー!」

 むごむごと何か機関車怪人が言ってた気がするが、肉を口に突っ込まれてたので何を言ってたかは不明だ。大方止める言葉だろうが、届かなきゃ意味がないわけで。止める人もいないわけで。
 ブッチィと音をたててホースは外された。
 慌てて機関車怪人は口の中の肉をホースではなく腹に入れる。

「ウララララー!!もっと食えー!」

 ……機関車怪人、強く生きろよ…!頑張って食え。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミーファ・ミーファ
もしゃもしゃもしゃもしゃ……。
え?まだなんかやってるらか?
よく判らないけど、ミーちゃんはとにかくお肉を食べるのら~。
そーいや、ミーちゃん、新しい技を身に付けたのらよ~。【無限の胃袋】っていうのら~。
これで食べる分以外にも、お土産に持って帰る事も出来るのら~。
えー、ダメなのらか~?んじゃ、普通に食べるのら~。
(もしゃもしゃもしゃもしゃ)
(怪人が動揺して、自分も同じ事をやってると言っちゃうの狙い??)



先ほど肉を持ち帰ろうとしていたのを止められた猟兵がいたが、実はお持ち帰りを考えていたのは一人ではなかった。別の考えていた人は、ミーファだ。
 ただ、彼女の場合はなぜバレてないかというと、タッパー等の目に見えるものではなかったからだ。
 ミーファがしまおうとしていたのは自らの胃袋、正しくはユーベルコードの無限の胃袋(エターナル・ストマック)だった。胃袋だけどユーベルコード製なので胃袋で出し入れ可能だとか。ユーベルコード製ってなんだろう。
 とにかく彼女はそれに入れてお持ち帰りを目論んでいたわけだが、別の猟兵が注意されているのを見て出来ないと理解したようだ。
 諦めた今、彼女はもっしゃもっしゃと食べ続けている。

「…え?まだなんかやってるらか?うるさいのら~」

 目を向けるのは騒がし…いや、色々と賑やかな機関車怪人の方だ。
 今は這う這うの体でとある猟兵から逃げ出し、切られたホースをなんとかくっつけられないかとおろおろしている。ただ、さっき嫌な音がしたのであまりうまくはいっていないようだ。

「いっただっきま~~~す、なのら~~♪」

 明るい声に怪人の目がミーファの方へ向く。見せつけ(ている気はないのだろうが結果的にそうなってい)ながら美味しそうに肉を食べるミーファを見て、機関車怪人がむむっとした。どう見てもまだまだミーファは余裕そうだ。
 小さな者に負けられぬと食べようとするが、肉を口に運ぼうとしただけでうぇっぷとなってしまっている。彼の胃袋は限界を訴え、無理に食べようとすれば虹色シャワーが出てしまいそうだ。
 そんな怪人は目に入らないミーファはもしゃもしゃもしゃとご機嫌に食べ続けたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイレキア・ベルフィオーレ
【Wiz】
ふぅ…いい感じにお腹も満たされてきたわね。
んー、ちょっとこんなことしてみましょうか。
厨房に行って、生のブロック肉を頂いてくるわ。

ブロック肉に向かって…銀桜聖華爛漫!
…あ、消し炭にならないよう火加減をしておかないとね。
え、そんな事に使うなですって?
ほっといてくださいな(二度目)

うん、いい感じにローストビーフになったかしらね。
(機関車怪人に向かって)
あら、そこの貴方も召し上がりたいの?

どうぞ。はい、あーん。(と言いつついいから食えとばかりに鬼気迫る表情)
あ、これ乗せると美味しいわよ。
(肉が隠れるほどのたーっぷりなホースラディッシュ)
(有無を言わさず姫様スマイルで怪人の口に押し込む)



やっと怪人がホースを装着し終わった。時間はもうない。慌てて席についた怪人に忍び寄る、じゃなかった、近づく影が一つ。
 静々と歩いてくるのはアイレキアだ。
 その嫋やかな手にはなんとも美味しそうなローストビーフを持っている。なんと彼女お手製だとか。女子力高いぞ。
 ただその作成方法は武技を使っているらしい。
 やっぱり大食い大会じゃなく武道会な気がしてきた。

「こんにちは、機関車さん」

 にこやかにアイレキアは機関車怪人へと話しかけた。その様は先ほどまでの妨害の数々を微塵も感じさせない。
 まさかのここに来て怪人大人気である。不思議と羨ましさがまったくない。どころかちょっと可哀そうに思えてくるくらいだ。
 話しかけられた機関車怪人は警戒し身構えている。そりゃさっきからろくな目にあってないからそうなる。
 だが、アイレキアはそんな事お構いなしだ。

「貴方も召し上がりたいの?」

 そんな事は言ってないとぶんぶんと機関車怪人が首を振る。若干顔色が悪い気もする。
 ホースは一応あるものの、腹内へ収めたものはホースへは送れないようで、お腹はぷっくりと膨らんでいる。ホースに肉を入れる前に胃が肉で圧迫される。かなり苦しいと分かっているのだ。
 だが、アイレキアはそんな事お構いなし(二回目)だ。
 有無を言わさぬ態度で、肉も見えないほどのホースラディッシュを載せて口へと突っ込む。飲み込めば同じようなものをまた突っ込む。果てには肉なしホースラディッシュのみを突っ込む。
 余談だがホースラディッシュとは別名セイヨウワサビ…うん、怪人の咥内がどうなっているかはお察しである。
 明らかに怪人の顔色が悪くなっていく。
 だが、アイレキアは(以下略)。

 大会の時間もあと僅かだが、怪人が倒れるのが先か時間切れが先か…分からないまま、ただ確かに、終わりへと近づいていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノ・ノ
【SPD】
ニチャチャ!
大会だけど、途中参加もありってことは、だーんぜーんノノ達の有利って奴ッスよ★
さ、まだお腹も頭も空っぽな、パーフェクトタールノノちんがオイシートコまるっと丸呑みにしちゃるけぇの!

大食いはオイラ得意よん
何たって、元々の姿がねーからな
形状変化して、詰め込めるだけ詰めこみゃええんしょ?
【バウンドボディ】発動
自分の体を15mの袋状にして、可能な限り肉を入れるゼ!
戻る速度は可能な限り遅く

ほーれほーれどうした、怪人くゥん
おててが止まっておるよーじゃが?ん?ん?もぉ限界なのぉ???(ドヤタール)
怪人には、わっちの的確な煽りも喰らわせてフォーユー!
フォフォフォ!楽しいにゃー!!



終わりも間近ながら、ぐねんぐねんと蠢く黒い塊が参戦してきた。
 なんだあれ。

「ニチャチャ!途中参加もありってことは、だーんぜーんノノ達の有利って奴ッスよ★さ、お腹も頭も空っぽな、パーフェクトタールノノちんがオイシートコまるっと丸呑みにしちゃるけぇの!」

 喋った!
 驚くことなかれ、彼はパーフェクトタールもといブラックタールのノ・ノである。なぜ彼だけフルネームか、そりゃあれである。ノっていうのはちょっとこう、なんか寂しいやんって事である。
 彼は元から自由自在な身体を、さらにバウンドボディを使って膨らませ…ようとして係員に止められた。そりゃ特設ステージよりも大きくなるからね!一旦特設ステージをおりて改めて膨らむ。
 15mはあろうかという袋状になった彼の姿は、さながら某ゴム人間のような…イエナンデモナイデス。

「詰め込めるだけ詰め込みゃええんしょ?」

 その通りである。ずっこい気がしないまでもない。
 ただ審判を見るまでもなくこれはOKだ。なんたって彼の身体であるのだから。

「ほーれほーれどうした、怪人くゥんおててが止まっておるよーじゃが……ん?」

 煽ろうとしたノ・ノの視線の先にいる怪人は既に息絶え絶え。声に反応して頭を上げるのがやっとの様子だ。
 しかしそこで止まる彼ではない。むしろ嬉嬉として煽る煽る。

「ん?もぉ限界なのぉ???大した事ねーな?おうちに帰ってママに泣きついたらどうッすか?」

 鬼だ、鬼がいる。鬼である。いや、ブラックタールだけど。ヒーローのはずなのだが…。

『く、黒いのだわ…頼んだわたくしが言えることではないのだけど!』
『そりゃ黒いでしょうブラックタールですもん』
『だからそういう意味じゃないのだわ!?』

 食べる…というより身体に肉を放り込みながらの煽り芸当は見事だ。というか一瞬で消えるので五人も配膳役がついている。のに関わらず彼らは走り回って厨房からノ・ノまでを往復しているのだ。

 そして彼のお腹が、というか袋状の身体が埋まる前に、終了を知らせるピストルの音が響いたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『いやー、それにしても素晴らしい勝負でしたね!全員が全力を尽くし、それぞれの利点を活かした戦いをしていました!己を知り、それを使える力があるのはさすがの一言です!』
『全力…いえ、確かに色々と全力だったのだわ…』

 食べる事や潰す事や潰す事にね!
 計測中の中継ぎ時間。ちょっと目をそらした感じの声音は置いておいて。
 何はともあれ、結果発表である!
 …いやもう結果は明らかな気もするけども、うん。

『第一回大食い大会の優勝者は!!』

 ドララララララッ。ドラムロールが鳴り響く。

 いつもは賑やかなキマイラ達も、今だけは静かに息を飲み、殺し、結果を待っている。
 プレゼントを開ける時のようなワクワク感が膨らんでいく。喜びの爆発を待つその時間。
 言わば、発表は針だ。膨らみきったワクワク感を爆発させるための。

 …ダダンッ!!
 一際高らかにドラムが鳴った。

『優勝者は!!!飛び込み参加の、ヒーローの一人!!その名は…!!』

 針が刺し込まれそうになった瞬間。いやもう猟兵の勝ちは分かった、この場の誰もが。
 つまりは彼も分かったわけで。

「…異議あーーーりぃっ!!!!!」

 あっ、いきなりそんな大声出したら、


【しばらく きれいなけしきを ごらんください】


 テロップと共に優雅な音楽と長閑な風景が流れる。映像担当さんナイスアシストである。というか用意してたんですねこれ。
 しばらくして、特設ステージが映される。なんとも言えない表情の猟兵達と、幾分かスッキリした顔の機関車怪人が映し出される。出したら楽になったようだ。

「…あっ、映ってる?…んっ、ごほん。異議がある!」

 いやそれはもう分かったので続きどうぞ。

「我だけなんかおかしくなかった?辛いもの食べさせられたりとか絡まれたりとかぶっちぃされたりとかさぁ!」
『気のせいでは?』
「絶対気のせいじゃないからな!?」
『あーんはご褒美だったでしょ!』
「それは否定しないけど!!」

 しないんだ。

「そぉいう事じゃなくさ!?どう考えても妨害があっただろ!?」
『妨害があったとしても!それを乗り越えて優勝するのが真の優勝者ではなくて!?』
「むぐ…!?」

 無茶苦茶な論理である。いや、論理ですらない。しかし変な説得感があり、怪人が圧されて口を噤む。それでいいのか。

「…真の優勝者とか知るかぁ!!」

 やはりよくなかった。

「お前ら全員倒せば我が優勝だ!!第一回大食い大会優勝者の座は我のものだぁ!!」

 そう言って、機関車怪人は襲いかかってきた!!

 …そんなにもいい称号かなぁこれ。
ブライトネス・フライハイト
まったく、ここまで食べてからのメインデッシュかにゃぁ。
カロリー過多すぎてここがホームであったのにゃら、日当たりのよい居場所で御昼寝したい所だにゃ。
とは言え我輩の仕事は一応、オブリビオンの撃退にゃ。

UC【御菓子騎士調理法】で召還した騎士をけしかけるにゃ!
2体に戦ってもらってる間、我輩は他の猟兵にお茶でも配るのにゃ。
大食いで動けにゃい人や、急に動いてまた『きれいなけしき』が出るのは衛生上よくないにゃ。

ついでに観客の避難誘導でもするかにゃ。

落ち着いたら、我輩は少し離れた場所でお茶でも飲んで休憩してるにゃ。
戦闘向きじゃない我輩2体分の戦力にゃ、倒せはしなくても他の猟兵が準備する時間を稼げればいいにゃ。


アイレキア・ベルフィオーレ
【Wiz】
(超絶げんなり顔で)
全く…。
食べた物を◯◯◯◯(ピー音)するなんて…。
大食い大会での最大のルール違反よ!

…そもそも、ルール遵守のおつもりなど、
最初からお持ちでは無かったのではございましょう?
(ホースを見やりつつ)

…襲いかかってきた以上、こちらも容赦はしなくてよ?
(怪人に近づきルーンソードを掲げる。剣は鈴蘭の花に変わる)

これでも喰らいなさいませ!
(鈴蘭の嵐発動。炎属性付き、ついでに全力魔法)

まだまだ!
(二回攻撃発動。次は氷、さらに全力魔法)


ミーファ・ミーファ
……つまり、ミーちゃんがこいつを倒せば、第1回大食い大会優勝者なのらね~?!頑張るのら~。
っても、ミーちゃん、特に戦う準備してないのらよね~。
ま、なんかそれほど強くなさそうらし、さっき確保したお肉食べながら戦えば、大丈夫らかな~?
たいたい、大食いで勝てないから力ずくなんてヤツには、それで十分なのらよ~!?


ノ・ノ
Burp(げふー)
あーあー。
チミも懲りないヤツれすねぇ。
いいゾウ、いいゾウ。何を隠そう俺ちゃんは、キリンさんも好きですが、ゾウさんはもっと好きでありんす。

腹ごなしの運動しちゃろぉ。
掛かって来るヨロシ。(ニチャ)

【WIZ】
リザレクト・オブリビオンを使用。
オマイさん、その技寿命縮めるんやて?
実際縮む量なんて大したことないかもしれんが、チリツモなんちゃら。
【時間稼ぎ】で他の猟兵たちのサポートするのだわ!
…んぁ、何か移っちゃったのだわ? だわだわ??

さておき、Meの部下に戦わせてる間、ノノはやられるといけないんで、華麗に逃げまする!
バイナラ★
達者で散れよ!!

アドリブ・連携・オチ要員ナンでも歓迎じゃん!



機関車怪人は後先考えず突撃してくる。自身の頭からぽぽーっ!と威勢よく煙を吹き出し、勢いよく突進してくるその姿はまさになりふり構わずという言葉を体現しているようだ。
 その前に一歩前に出たのはお腹を膨らませた二人…いや、片方はそこまで膨らんでないな?…ノ・ノとブライトネスである。

「Burp(げふー)。あーあー。チミも懲りないヤツれすねぇ」
「やっとメインディッシュかにゃぁ。ここがホームであったのにゃら、日当たりのよい居場所で御昼寝したい所だけどにゃ…仕事は一応オブリビオンの撃退にゃ」

 一応ではなくそれがお仕事ですよ!…ちょっと自分も色々と食べ過ぎで忘れかけてましたけど!

「腹ごなしの運動しちゃろぉ。掛かって来るヨロシ」

 言いながらも、ノ・ノは自分では戦わない。それはブライトネスも同様だ。
 まるで打ち合わせていたように、それぞれが同時に機関車怪人と自分達の間に各々の配下を召喚する。

「これぞ我輩が旅して縁を結びし、可食の友人達にゃ!」
「リザレクト・オブリビオン!オマエ達来てくれや!」

 片方はぼふんっと軽やかな白い煙と共に、もう片方はおどろおどろしい黒い闇のような亀裂から。
 現れたのはダイヤモンドチョコレート製の騎士とプラチナキャンディー製の騎士。それぞれの手にある己の武器、ダイヤモンドチョコレートの剣とプラチナキャンディーの槍を構える。
 お菓子で出来た騎士達は、お菓子と思えない程にそれはそれは堅固で凛々しく…ってちょっと待って、可食って事は食べられるのこれ!?

『硬すぎて歯がやられそうな気がするのだわ!』
『治療班もばっちりですよ!お菓子ですし、ここは勢いよくガリッといっちゃいましょう!女は度胸!』
『いくわけないのだわ!?そんな言葉で騙されなくてよ!?』

 それに並び立つのは死霊騎士と死霊蛇竜。
 錆びて朽ちた鎧と同じくらい旧そうな剣は、一太刀で斬るような鋭さはない分相手を苦しめる。死霊蛇竜はとぐろをまき、もう既に白骨化した頭骨の牙から紫色の毒を滴らせ、床に落ちるたびにジュッと白煙をあげさせる。
 もう見た目からしてやばい。並んでいるのがお菓子の騎士だからこそのちぐはぐ具合が不気味さを増量する。
 夜に出てきたら大の大人でも腰を抜かす。というか下手したら泣く。少なくともどこぞのお嬢様は泣く。

 しかし敵もさるもの。そのスピードは衰えを見せず……いや、あれ止まれないだけだ。車は急には止まれないものな。
 そのまま激突!!ッガヅン!!!という重い硬い音と共に、ゴウッと音をたてて衝撃波に似た風が巻き起こる。
 思わず目を瞑ってしまった観客たちが次に目を開いた時に見た光景は。
 己の剣で、槍で、そのしなやかな身体で機関車怪人に組み付き動かない彼らの姿だった。しかも、その最初に召喚させた位置から一ミリたりとも彼らの主の方へは動いていない。
 本来なら大きさの差はそこまでないとはいえ、動と静の存在。耐えたとしても多少動いてしまう事はほぼ必須。下手したら全員吹き飛ばされていた可能性もあり得る。現に何人かその光景を夢想してしまった者も少なからずいるだろう。
 拮抗ではないのだ。完全に抑え込んだからこそ。四体の騎士と蛇竜の力が明確に勝っていたからこそ。
 彼らは今も変わらず。その場にいるのだ。
 
『なんとなんと!これはすごい事です!じりじりと押し始めてるくらいだ!』
『えぇ、見事な力…んんん?あの、二人はどこに?』

 あれ、そういやさっきの場所にいない。どこ行った。あ、ノ・ノがいた!
 彼はしゅぴっといい笑顔で本来よりも離した敬礼をした。

「ノノはやられるといけないんで、華麗に逃げまする!達者で散れよ!」

 散るのはアウトだからー!?!
 気のせいか、死霊騎士と死霊蛇竜が唖然と見ている気がする。表情は見えないけども…なんか、こう、雰囲気が。ぽかーんとなっている。
 逃げると言いながらノ・ノが向かったのはブライトネス達の所。ブライトネスの手伝いだ。
 ブライトネスはなんと猟兵達にお茶を振る舞っている。

「急に動いてまた『きれいなけしき』が出るのは衛生上よくないにゃ。お茶どうぞにゃ」

 …た、確かに…精神衛生上も衛生上も良くない。一旦お茶でお腹を落ち着けようというのだ。
 あの肉球で淹れたお茶…羨ましい。美味しそうに猟兵達も飲んでいる。
 彼が配下を召喚したのは相手を倒すためではなくこうして時間を稼ぐため。つまり、今この時間も目的を達し続けているわけだ。

「あら、ありがとう…それにしても、食べた物を◯◯◯◯(ピー音)するなんて…大食い大会での最大のルール違反よ!」

 お茶を飲みつつ機関車怪人を睨み、憤慨するのはアイレキアだ。
 まぁ、元から守る気もなかったんだろうけど、と冴え冴えとした怒りを視線にのせて目をやったのはホース。動いたためにとっくに外れたそれは、心なしか所在なさげに転がっている。
 丁寧に礼を言いながら湯呑を返し、立ち上がってルーンソードを抜き放つ。
 お腹は落ち着いた。ならば、次は運動の時間だ。

「散りなさい我が剣!鈴蘭の嵐よ!」

 言葉と共に、彼女のルーンソードがはらはらと剥がれ落ちるように舞い散り始めた。鈴蘭、白い可憐な花弁となり、風もないのにそれらは舞い上がり、アイレキアを中心として渦を巻き起こす。
 アイレキアが、ふっと息を零す。すると、近い場所からぽつ、ぽつと赤い点が生まれたかと思うと炎が布を舐めるように燃え広がる様…いや、実際燃え盛り紅色に染まっていく。
 不思議な事にその火は白い花弁を覆うように揺らめき、決して燃えつくそうとはしていない。アイレキア自身も暑さではなく心地よい温かさを感じているようだ。

「…喰らいなさいませ!!」

 言葉と共に目が目標を睨みつけ、右手で機関車怪人を示す。その動きに呼応し、紅色の花弁達は機関車怪人だけに向かっていく。
 その火は味方に触れても燃える事はなく、ただひたすら主の敵だけを滅しようと暴れ咲く。
 息継ぐ間も与えぬとばかりに、第二陣として今度は青白く輝く氷塊の花弁が襲い掛かる。
 花弁とバカに出来るような威力ではない。その猛攻は鋭く機関車怪人の身を確実に削っていくのだ。
 その猛攻に怪人は苦し気に喘ぎ、どんどんと配下達によって押されていく。

「…ふー、ミーちゃんも準備できたのら~」

 そう言いながら肉を呑み込み、ミーファは立ち上がる。
 その見かけは一見何も変わっていないように見える。しかし。

『立ち上がったミーファ選手!やる気満々の様子…ん?今何か投げ捨てましたね!』
『ボール…?あんなものどこにあったのだわ?』

 もういらないと投げ捨てたのは金属製の小さなボール…ではなく、ボール状に丸められたフォークだったもの。
 食べれば食べるほど強くなるフードファイターミーファ。
 食後のこの時間は彼女にとって最適な状況だ。最高な状況だ。
 ミーファは笑顔だ。だけど、彼女の内情まではその笑顔の通りとは限らない。
 なにせ、食事の場でもあるここはミーファにとって戦場だ。それを相手は汚した。自らの力を使う事なく勝利を奪取しようとし、※※※※(虹色シャワー)でも汚した。許せるものではない。

 たたっと軽やかに駆けだす。その歩みを邪魔する者がいるはずもない。
 配下達の隙間を抜け、敵と味方の間に小さな体を潜り込ませる。

「大食いで勝てないから力ずくなんてヤツには、これで十分なのらよ~!?」

 叫ぶと同時にその小さな拳が振りかぶられる。
 ん?と声に気づいた機関車怪人が下を向いても、もう遅い。いや、気づいたとしても配下達に抑え込まれさらに花弁の攻撃を受けている状態だ。避けられるはずもない。
 ヒュッという風切り音と、ドゴォンンン…と余韻が生まれるほどの衝突音。少し遅れて聞こえる、壁に叩きつけられるぐしゃっという音。
 観客にはただいきなり怪人が特設ステージの端まですごい速さで飛んでいき、端の壁に叩きつけられたように見えた。
 しかし、猟兵達には見えていた。ミーファが腹にただ単純なパンチを繰り出した事を。単純だからこそその威力は余す事なく発揮され、自分の何倍もある相手を軽々と数m吹っ飛ばしたのだという事をだ。

 怪人は地面に下りるというより落ちると、膝をついて蹲ってしまった。動けない様に、ミーファは満足気な様子を見せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルベル・ノウフィル
WIZ
「ふっ、どうやらこの僕の出番のようですね」

ずっと見守っていたのか、それとも偶然通りすがったのかよくわかりませんが僕は尻尾をパタパタさせながら得意げにマイクで演説しましょう

「さあっ、優勝者は今決まるのです!」
ドドンっ

効果音と共に両手を謎のポーズ(おまかせだ!)
『星守の杯』によりなんと空から大量の金平糖が降ってくるのでございます
どれくらい大量なのかはKIAIでホラ!
つまり金平糖をどれだけたくさん食べられるかという最終競技が今開幕と相成りました次第でございます
果たして優勝するのはどなたなのかーーーっ?!

と、お騒がせしつつ、怪人が攻撃してきたらキャンキャン悲鳴をあげて逃げ惑います
キャンキャンッ



『ふっ、どうやらこの僕の出番のようですね』

 おや、聞きなれない声がする。司会席を見ると…んん?影が三つ?

『さあっ!優勝者は今決まるのです!』

 高らかな宣言をさらに盛り上げるようにパパンッと空に煙が咲く。
 マイクを握って立ち上がっているのはけも美少年、ルベルだ…いや、いつからいたの?

『今さっきです!』

 あっはい。
 だが、そんな風に現れたルベルはどこか不満げだ。
 何々?効果音が足りない、なるほど。もっと派手に。了解ですとも。
 テイク2いってみよー!

『さあっ!優勝者は今決まるのです!』

 ッドォーン!!!司会席背後で大きな爆煙が上がると共に荒ぶる鷹のポーズ!

『やりすぎではなくてー!?…いたっ!』

 ぺしっと何か固いものが落ちてきて見上げると、何かキラキラしたものが降ってくる。ぱらぱらと小雨のように降ってくるそれを拾い上げてみると…。

『…金平糖?』

 そう!金平糖!………えっ!?金平糖!?!
 しかもそれは会場中に降り注ぎ、まだ止む気配もない。まるで星空が降ってきたような、そんな感覚さえ感じさせる光景だ。
 キマイラの何人かは受け止めて食べている。落ちてるもの食べちゃだめですよ汚いから!ばっちぃですよ!

『金平糖をどれだけたくさん食べられるかという最終競技が今開幕と相成りました次第でございます。果たして優勝するのはどなたなのかーーーっ?!』
『参加者の方はまだ誰も食べていない…いやっ、何人か食べていますね!地面に触れる前に受け止めて食べています!スタートダッシュが早い、彼らは一足早い優勝者候補ともいえるでしょう!』
『いや競技変わってるのだわー!?これお肉の大食い大会なのだわ!!』
『はっ!そうでした忘れてました!』

 いや、忘れないでほしいです…ちなみにルベル君、ちゃっかりと司会席に座ろうとしたが、璃瑠によってあえなく追い出されてしまったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルル・アークライト
「ご馳走様でしたー、っと」
なんだか賑やかだったけど
お肉たっぷり堪能させて頂きました、っと!
優雅にハンカチで口元を拭いながらのんびり参戦
さーて、食後の運動がてら怪人クンをのしちゃいましょーかっ!

【POW】
「ママに教わらなかったの?
食べ物は粗末にしちゃいけません…ってね」

相手の攻撃を『見切り』『武器受け』で逸らして機会を伺い
隙を見つけて【星剣一閃】。
私のスターフレイムの錆にしてあげる!

怪人クンをボコボコにのした後は
テーブルの上に転がっていた金平糖を
食後のデザート代わりに頂きながらキメ顔で勝利宣言するわね
「知らなかった?女の子はね、お肉とスイーツは別腹なのよ!」

あどりぶおっけー!


アイレキア・ベルフィオーレ
【Wiz】
なぜに金平糖…。まあ、いいわ。
地面に落ちて食べられなくなった物も勿体無いので、回収致しましょう。
バケツ位あるわよね?
先程の怪人の不始末で水流したりしたでしょうし。
(バケツにお湯と回収した金平糖を入れて攪拌して溶かすけど金平糖がかなり多いので砕けるだけで溶け切ってない部分も?)

さ、怪人さん。覚悟はいい?
そぉ~れっ!(ばしゃあっ)
(バケツの砂糖水を怪人の顔面に向かってぶちまける)

程よくびしょ濡れ砂糖まみれになって頂いた所で…、
銀桜聖華爛漫!(全力魔法に二回攻撃!)

水と砂糖浴びた状態で熱せられれば…。わかるわよね?
飴状に溶けた砂糖で全身ベッタベタになって動きづらくなるかしら?



 ばっしゃぁん!!という派手な水しぶき音に何事かと皆が辺りを見回した。自然と向けられたのは巨大スクリーンに映るステージだ。
 どうやら何かをかけたのはアイレキアのようで、かけた格好の手の中にはよくある青いバケツが収まっている。
 かけられた怪人は…んん?なんかきらきら光ってるぞ。

「咲き乱れし桜華よ、舞い散り銀の炎となりて彼の者を焼き尽くせ!Fiore Santo Scintillante!」

 銀の焔がごうと舞い上がって機関車怪人へと向かう。
 機関車怪人は身構え炎に備えるが、何せかけられたのは液体である。直接焼かれない分先ほどより大分マシだ。
 しかもしかも、炎の勢いは明らかに抑えられている。手加減されている。
 しかしそれはアイレキアの優しさではない。

「…なんだこれはぁ!?気持ち悪っ!?」

 彼女が何をかけたのか。彼女がかけたのは…砂糖水である。
 つまり先ほどのきらきらは砂糖、というか砕かれた金平糖が光を反射して光っていたのだ。
 尚、砂糖水を熱すると一般的には何になるか。
 
 カラメルである。

 そりゃもう見事に頭の先からべったんべったんである。
 動く度にぐちゃぐちゃと音がし、関節部にも入り込んだらしい。人で例えるなら肌の下になにか入った感じか。そりゃ気持ち悪いだろう。

「少し苦労したけどそのかいはあったわね!」
『さっきから動いてるなーとは思ってましたが…まさかこう来るとは!』

 実はバケツを拝借したアイレキアは、せっせと落ちてる金平糖を拾って集めていたのだ。そりゃもう地道に。
 それを砕いて、お湯と混ぜて…そんな行動があったのである。
 満を持しての行動の結果に何処と無く達成感と満足感が見える。
 …普通に砂糖を厨房から持ってきた方が早かったのでは?という無粋な問いはやめておこう。

 完全に馬鹿にされてると機関車怪人はいきり立ち、満身創痍だというのに怒りを原動力に立ち上がる。
 そんな怪人とアイレキアの間に立つのはアルルだ。

「ご馳走様でしたー、っと。お肉たっぷり堪能させて頂きました」

 あ、お粗末さまです?
 優雅にハンカチで口元を拭く仕草とは裏腹に、砕けた言葉は親しみを感じられる。
 ハンカチをしまい、剣を構えるその姿は姫を守護する騎士のようだ。
 そんな彼女諸共吹き飛ばそうと、機関車怪人は力を溜めて行く。周りに浮かび上がるのは時刻表、鉄道模型、鉄道写真等だ。
 それらが身体に吸い込まれると同時に機関車怪人の攻撃力が上がっていく。
 だが、アルルが臆する事は無い。

「来なさい、私のスターフレイムの錆にしてあげる!」
「…うおおおおおっ!!」

 怪人の突進は、残った力を全て込めた捨て身のもの。
 それは掠るだけで怪我を負う代物。
 しかし、アルルはその動きを瞬きせずに見つめ、機を図り、
 相手に攻撃は当たらないが、こちらにも被害はない。
 そして力を振り絞った彼には二撃目を行う余力はないわけで。

「剣よ、そして星よ…力を貸して頂戴!」

 一閃。頭から股まで炎の刃が切り裂く。

「…ニクいぞぉっ…!!」

 そう言い残し。
 真っ二つになった怪人は、ちゅどーーんっ!と爆発四散した。
 その爆風に艶やかな髪を靡かせ、金平糖を一つ、口に放り込み。

「知らなかった?女の子はね、お肉とスイーツは別腹なのよ!」

 アルルがカメラにキメると同時に、観客達のわぁああっ!という歓声が会場に響いた。


●その後
 会場は祭りの時のような興奮のまま終わった。
 目の前でヒーローショー(ではないが、怪人退治ではある)が行われたのだ、キマイラ達はわいわいと感想を言い合いながら帰っていった。

 あの後優勝者発表は有耶無耶のままに終わってしまった。
 なんとなく全て終わったような感じになってしまい、そのまま閉会へと至ったのだ。そこんとこはきっちりしてない。
 ただ、舞台裏で小さな優勝者を探す運営側のキマイラ達の姿はあった…結局見つからなかったのは、また別のお話。
 なにはともあれ、肉だらけのお祭り騒ぎは、こうして幕を閉じたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月18日


挿絵イラスト