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銀河帝国攻略戦⑳~白き騎士から未来を奪え

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #白騎士ディアブロ

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「銀河帝国攻略戦への参戦に感謝します。リムは現在の戦況を報告します」
 グリモアベースに集った猟塀たちの前で、リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「白騎士配下の艦隊、『白魔』艦隊並びに『白城』艦隊を突破したことによって、『白騎士ディアブロ』との直接交戦が可能となりました」
 帝国二大巨頭が一人、ウォーマシンの鎧装騎兵『白騎士ディアブロ』。その戦闘力は銀河皇帝その人を除けば、この戦争中でもトップクラスだろう。
「既に『解放軍』の艦隊は、戦力の悉くを失った白騎士に対し決戦を挑みました」
 だが――結果は失敗。スペースシップの砲撃も戦闘機の攻撃も白騎士を捉えることはできず、白騎士本人を撃ち破ることは叶わなかったのだ。

「『解放軍』はこの結果を受けて白騎士の撃破を諦め、銀河皇帝を守る艦隊へと攻撃を集中させることを決定しました。既に戦力の悉くを失った白騎士は、この戦争の作戦目標として重要ではないという判断でしょう」
 戦略的には正しい判断だが、猟兵にとってはそうともいかない。
 オブリビオン・フォーミュラである銀河皇帝を撃破しても、二大巨頭である『白騎士』『黒騎士』が逃げ延びれば、新たなオブリビオン・フォーミュラとなりうる可能性が残されてしまうのだ。
 そうでなくても、銀河皇帝撃破後、銀河帝国の残党あるいは、スペースシップワールドの不平分子等を集めて、新たなる動乱をこの宇宙に巻き起こす危険は大きい。
「銀河皇帝との決戦が最重要事項なのは事実です。ですが白騎士もまた見過ごせる脅威ではありません。リムは『白騎士ディアブロ』撃破作戦を提示します」

 繰り返しになるが、白騎士は配下の戦力を悉く失っている。つまり敵はただ一人。猟兵側は許される限りの最大戦力でこれを撃破に向かう。
 しかしこれは、白騎士が『一人の戦士』として最大の力を発揮できる状況であることも意味している。
「白騎士は限定的ながら『未来を操作する』力を持ち、何らかの有効な対策を取られない限り『全ての攻撃を逃れ』『絶対に命中する攻撃』を『最大の効果を発揮する』ように行い、確実な勝利を掴んできます」
 そして対策を行った上でも、白騎士が装備するフォースセイバーやレーザーキャノンといった兵装の威力は絶大で、生半可な防御も通用しない。
「猟兵の精鋭であっても油断すれば敗北は必至――いえ、入念な対策を取ってなお勝利は不確実な、それほどの強敵です。覚悟の上で挑んでください」

 白騎士ディアブロは強大なオブリビオンである。その数は常に一体だが、完全に力尽きるまで骸の海から蘇る力を持つ。
「猟兵が白騎士を撃破したとしても、白騎士はすぐに『骸の海』から蘇り、別の場所から再出撃してきます」
 逆に猟兵が敗北した場合、白騎士は『一旦、骸の海に撤退して、完全に回復』したうえで、別の場所に再出撃してくるだろう。
「よって白騎士を完全に撃破するには、目標が再出撃するたびに繰り返し撃破する必要があります」
 白騎士が『骸の海』から出現する場所は、破壊された白騎士配下の艦艇のどれかとなる。
「その出現ポイントの一つをリムは予知しました。皆様にはそのポイントで白騎士が出現するのを待ち伏せして、撃破を目指してください」
 同様に他のポイントで待ち伏せしている猟兵のチームと合わせた撃破数が一定に達すれば、白騎士を完全に撃破できるはずだ。

「重ねてになりますが、銀河帝国攻略戦において、白騎士ディアブロ討伐は優先度が高いとは言えません」
 彼を討伐することに躍起になるあまり攻略戦に支障が出るようなことがあれば、それは本末転倒なのかもしれない。
「ですが、彼をここで討ち漏らすことは、この世界の未来にとって大きな禍根となり得ます――目標は文字通り『未来を操る』のですから」
 "予知"という未来に触れる力を持つグリモア猟兵だからこそ感じる、その脅威。
 リミティアは真剣なまなざしで猟兵たちを見つめながら、手のひらにグリモアを浮かべる。
「どうかこの世界に憂い無き勝利を。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 本シナリオの攻略目標は『⑳白騎士ディアブロ』となります。
 困難な闘いが予想されます。以下の注意事項にも目を通したうえで、失敗も覚悟の上で挑戦してください。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 白騎士ディアブロは、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『白騎士ディアブロ』

POW   :    収束する運命の白光
【対象の未来位置に向け放たれるレーザー】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    ホワイトライト・トゥルーライト
【10秒先を見たかの様に的確な攻撃を行い、】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予想シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

日和見・カナタ
限定的な未来の操作…とても厄介な力です。
あの能力を前に私にできることは少ないですが、それでも、この宇宙のために全力を尽くしましょう!

まず、戦闘開始前に2機の【ガジェットドローン】を展開させておきます!
ドローンには「相手の攻撃を観測すること」を命令し、その達成を最優先に行動させておきますね!
ドローンの情報は【サイバーアイ】と同期して多角的に白騎士の行動を観察しますよ!

未来の行動が読まれているといっても、実際に動いているのは現在の肉体です。
私とドローンの視野で白騎士の可動範囲を読んで攻撃を回避し、生体エネルギーを加速につぎ込んだ【ヒートインパクト】を動く暇もないほどの速さで打ち込んでやります!



「私と貴様達がこうして対峙するのは、これで何度目だろうな」
 骸の海より再出現を果たした白亜のウォーマシン――白騎士は、待ち構えていた猟兵達を前に呟く。
「いや。そのような問いに意味はないな。過去を顧みることに価値はない。私はただ、全力を以って今、目の前の戦いに挑むのみ」
 "未来"を操る帝国二大巨頭が一人は、フォースセイバーとレーザーキャノンを構え宣言する。
「白騎士ディアブロ、参る」

「限定的な未来の操作……とても厄介な力です」
 待ち伏せていた猟兵の一人、日和見・カナタ(冒険少女・f01083)は苦い顔で呟きながら、拳を構える。
「私にできることは少ないですが、それでも、この宇宙のために全力を尽くしましょう!」
「来るがいい」
 気合を入れて接近する少女の未来を予測しながら、白騎士はレーザーキャノンの砲身を向ける。

 カナタは三つの視点から同時に白騎士を観察する。それは自身のサイバーアイの目と、待ち伏せの間に展開した2機のガジェットドローンのカメラアイだ。
 白騎士が照準を合わせ砲撃を放つ、その動作を多角的に見極めながら、両足の蒸気機関をフル稼働させて回避行動を取る。
 生身の部分をレーザーが掠め、肉の焦げる痛みがカナタを襲う。だが直撃は避けられた。
「避けた……いや違うな。私の攻撃範囲を読んだのか」
「ええ。未来の行動が読まれているといっても、実際に動いているのは現在のあなたの肉体でしょう」
 どんなに的確に白騎士が未来を予知したとしても。彼には人型である以上はカバー仕切れない物理的な死角が存在する。
 カナタはその死角を観測によって見出して、敵が「当てられない」僅かなスペースに滑り込んだのだ。

 だが白騎士とてただの木偶人形ではない。自分の死角を意識しそこに入られないよう立ち回る。そうした戦士の振る舞いは彼も心得ているだろう。
 ゆえにカナタは初撃を避けた後に生まれる敵の一瞬の隙を二度とはない好機として、そこに全力を振り絞る。
「発勁用意!」
 構えた拳に高熱が宿り、両脚の機関から蒸気を噴き上げ、爆発的な速度でカナタは駆けた。
 それは自らの生体エネルギーを加速の燃料として注ぎ込んだ、捨て身の疾走。
 どれだけ未来が見えていようとも避けようがない――動く暇さえ与えないほどの速度で、白騎士に肉迫し。
「迫撃! 超熱発勁!」
 赤熱した拳の掌底が叩き込まれ、凄まじい衝撃と熱量が白騎士の装甲の一部を吹き飛ばす。

「――流石だ。どれだけ未来を紡ごうと、確実な勝利には遠いか」
 ダメージを負った白騎士は、しかしウォーマシン故にか微塵の痛痒も見せることなく武器を構えなおす。
 戦いはまだ、始まったばかりだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ゲンジロウ・ヨハンソン
○アドリブ歓迎
○他猟兵と連携OK

格上も格上、一撃決められるチャンスできりゃ十分じゃろうな。

○先制攻撃への対応
連携猟兵がいる場合も含め【挑発】し白騎士が銃を構え、
●収束する運命の白光 を放とうとする刹那に【選択したユーベルコード】を発動しよう。
白騎士がのんびりルールを告げるか、考えてるかしとる間に蒼衣の剣士に
攻撃を仕掛けてもらおう。
その未来を察知していてもええ、そちらに気をやったらわしが攻撃するだけじゃ。

○攻撃
未来を読んでるにしろ「突如現れた」に踊ってくれりゃ上出来よ。
その隙を【覚悟】決まりきったわしらが見逃すはずねぇんだよなぁ…。
蒼衣と一緒に【2回攻撃】で【捨て身の一撃】を叩き込もう。



(格上も格上、一撃決められるチャンスできりゃ十分じゃろうな)
 彼我の実力差をそう判断するゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)は、そのチャンスを作り出すために、あえて正面から白騎士と対峙する。
「よう、どうじゃ? エンペラーズマインドを落とされ、配下を失い、ここまで追い詰められた今の気分は?」
「見え透いた挑発だ。だが、乗ってやろう」
 敵の殲滅を第一義とする白騎士は、ゲンジロウの狙い通り彼に向かって収束する運命の白光を放つ。
 純白のレーザーがゲンジロウの肉体を貫き、その威力に一瞬、意識が飛びそうになる。だが歯を食いしばって耐え抜く。

「……今じゃ、蒼衣の剣士!」
 白騎士が攻撃を放った直後、ゲンジロウの呼び掛けに応じて蒼衣を纏った剣士が突如として現れる。
「貴様は……」
「俺の名は†蒼刻の騎士†。我が刻剣の冴え、見るがいい」
 ゲンジロウが白騎士の気を引いている間に剣の間合いに踏み込んでいた彼は、名乗りと共に細剣を一閃する。
 装甲に鋭い傷が走り、咄嗟に白騎士は距離を取る。

「成程。今の攻撃は予測から漏れていたな」
 未来を知り、操ると言っても、白騎士の能力はあくまで限定的なもの。戦場に突如として出現した不確定因子に対しては予測した未来がブレることもあるようだ。
 だが騎士は即座に予測を修正すると、自らの望む未来に向けた最適の一手を打つ。
「ならばこう命じよう。貴様には『剣士との対話・ジェスチャー・視線等によるコンタクトを禁ずる』」
「……ッ!」
 収束する運命の白光を受けた対象に課せられるルール。その意味するところを即座に理解したゲンジロウは歯噛みする。
 これはすなわち、ゲンジロウと蒼衣の剣士の連携を封じるルールだ。白騎士という格上と戦うなら連携は重要、だが一切の合図なしでは万全な連携は困難。
(ルールなんぞ無視して合図を送るか? だが……)
 挑発のために白騎士のレーザーの直撃を受けた傷が響いている。今のゲンジロウでは、ルール違反によるダメージを耐えられない。

 やむを得ず、十分な連携を伝えられないまま白騎士に挑みかかるゲンジロウと蒼衣の剣士。
 視線を交わすことさえ違反と看做されかねないルールは、二人の連携の大きな足枷となった。
 バラバラに振るう剣と剣では、白騎士に触れることさえできない。
「くっ……せめて、この一撃は! 蒼刻と碧刻の剣閃(ブルー・スライス・ブルー)!」
 唯一、蒼衣の剣士が放った時空を歪める光速の連撃だけは、さしもの白騎士でも完全回避は成らず、装甲を切り裂かれる。
 そこに、残された体力を振り絞ったゲンジロウが追撃を重ね、装甲のキズに大剣の一撃を叩き込む。

「縛りを課されてもここまで粘るか。やはり侮れんな、猟兵は」
 装甲に刻まれた大傷をなぞりながら感嘆の言葉を白騎士が口にするが、これ以上はゲンジロウも限界だった。
 蒼衣の剣士に肩を借り、他の猟兵たちに後を託して前線から後退していく。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

喰龍・鉋
夫の尊(f12369)と共闘
「未来が見えるならなぜそれを助ける力に使わないんだい?ボクならきっと尊とともに幸せな未来を見続けるよ」
【指定UC】を発動、選択は防御重視、僕自身のUCで身を固めて、
更に尊の【守護の結界】を頼りに一撃を耐える準備をより強固にする
相手のルールが【見てはいけない】の場合、第六感、生きる剣である大五郎がボクに居場所を伝えてくれると信じ
【二回攻撃】一発目は【鎧砕き】二発目は【怪力】を使った渾身の一撃を叩き込む
もし【会話】を禁じられた場合、尊とボクの夫婦の絆で無言でも必ず連携しきって、無言で上記の連携を食らわせる
未来は必ず変わる!
*アドリブ、別猟兵との連携大歓迎


白皇・尊
妻の鉋(f01859)と共闘

☆共闘戦術
「あらゆる未来が視える、ならば僕は白騎士の視た未来の全てで鉋を守りきりましょう」
未来を視る難敵を前に単純な2対1では勝てない、最低でも当てられても抜けない防御を鉋に付与し力を合わせなければ。
ゆえに僕はUCを使わず攻撃も捨て鉋の守りと補佐に集中。
まず即座に鉋へ【強固な守護の結界】(オーラ防御)を張り、先制を含めた敵の攻撃全てを当てられても抜かれない防御を固め鉋への結界を維持しつつ、霊符《霊子ハック》を用いて白騎士、或いは武装にハッキングを仕掛け、解析し未来予測機能を一瞬でも鈍らせて鉋にチャンスを生み出します。
「鉋、今です!」


※アドリブ歓迎
※別猟兵との連携歓迎



 退いていく猟兵に代わって前に出たのは、喰龍・鉋(楽天家の呪われた黒騎士・f01859)と白皇・尊(魔性の仙狐・f12369)の二人。
「未来が見えるならなぜそれを助ける力に使わないんだい? ボクならきっと尊とともに幸せな未来を見続けるよ」
「我が身と我が力のすべては帝国と皇帝陛下の為にある。陛下の為に力を振るうことこそ我が存在意義」
 夫である尊への愛と彼と共に歩む未来を語る鉋に対し、白騎士は冷然と答える。
「貴様達が陛下の脅威となるならば、その未来も閉ざさせて貰おう」
 構えられたレーザーキャノンから鉋目掛け、収束する運命の白光が放たれる。

「鉋!!」
 愛する妻を護るため、尊は守護法陣の霊符を彼女に向けて投げ放つ。
 放たれた霊符は鉋の周囲の空中に留まり結界を展開。それに合わせて鉋もユーベルコードを発動し、護符から生成した鎧で自らの防御を固める。
 二段構えの徹底した防御――その結果、白光の直撃を受けてなお、鉋の身にさしたる傷はない。
「あらゆる未来が視える、ならば僕は白騎士の視た未来の全てで鉋を守りきりましょう」
 霊符の結界を維持しながら、尊は力強い決意の言葉を口にする。

「なるほど。確かにその防御を打ち破る未来は、私の力を以ってしても掴み取れそうにない」
 未来演算を続ける白騎士は、尊の言葉を素直に肯定する。
「だが――貴様自身の護りまでは万全ではないようだな」
 レーザーキャノンの照準を変え、即座に発砲。放たれたのはユーベルコードではない通常のレーザー砲撃だが、白騎士の兵装はそもそもが絶大な威力を誇る。
 鉋への護りに集中していた尊の身体をレーザーが撃ち抜き、がくり、と地に倒れ伏させる。
「尊っ?!」
「女よ。貴様には『その男との対話・ジェスチャー・視線等によるコンタクトを禁ずる』」
 慌てる鉋に対しては、先程も使用した連携封じのルールを課す。
 倒れた尊はまだ意識があるようだが、彼が気絶すれば結界も維持できなくなる。そうすれば、鉋の防御も崩れる。
 それが白騎士の描いた"未来"だった。

「このっ!!」
 これ以上尊への攻撃を続けさせないためにも、鉋は黒剣・大五郎を手に白騎士に斬り掛かる。
 白騎士はその刃をフォースセイバーで受け止めながら、尚もレーザーキャノンの照準を尊に合わせる。
「やらせないっ!」
 鉋はその膂力で強引に白騎士を押し込むとキャノンの照準を逸らし、愛する人を守らんとする。
 しかし白騎士は即座に照準を修正。無常なる白光が、今度こそ尊の命を貫かんと――。

 ――そのまさに寸前、白騎士の動きが止まり、レーザーのチャージが霧散する。
「何だと……?」
 困惑する白騎士の装甲には、いつの間にか一枚の符が張り付いていた。
 それは無機物から生物まで凡ゆる存在を霊的に解析、掌握支配する《霊子ハック》の霊符。倒れながらも尊が放った切り札。
(鉋、今です)
 ルールを課されている今、会話はできない。否、そもそも今の彼には一言声を発する余力さえなかった。
 だがその意思は、想いは伝わる。愛し合う夫婦の絆を通じて。

「未来予測機能に異常発生……これは……!」
「やぁっ!!」
 尊が作り出したチャンスを無駄にしないために、裂帛の気合と共に鉋が大五郎を振るう。
 その一撃目は白騎士の装甲の損傷箇所を捉え、その部分に大きな亀裂を作る。
「クッ……!」
 動揺した白騎士が振るったフォースセイバーは、霊符の結界と鎧に阻まれる。
「ボクは死なない、あの人のくれた力が、ボクを守ってくれている限り――」
 宣言と共に振るわれる二撃目は、鉋の力と想いの全てが篭められた渾身の一撃。
「そしてボクも、あの人を死なせないっ!!!」
 その一撃は装甲を貫き、白騎士本体のボディにまで損傷を与えた。

「――愛し合う者たちの絆は強い。どうやら私は、そんな単純なことも忘れていたようだ」
 バチッ、と漏電する傷口に手を当てながら、白騎士は淡々と呟く。
「私は人の心がもたらす力を失念していた――だが、その力も時間切れのようだ」
「!!」
 鉋は気付いた。自身を護る霊符の結界が薄れつつあることに。
 はっと振り返れば、そこには血溜まりの中で動かない尊の姿がある。
「死なせないのであれば、急ぐことだな」
「く……っ!」
 歯噛みしながらも鉋は白騎士に背を向け尊に駆け寄り、その体を担ぎ上げる。
 追い討ちで放たれるレーザーを鎧で防御しながら、救護が受けられる場所まで急ぎ撤退するのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

フロッシュ・フェローチェス
質悪い奴だ……未来を見て、それを操るだって?
――ならアタシの速さで、それを全部超えて、ぶち破ってやるよ。

予測して此方に攻撃をかましてくるなら、受けるのはまだしも掠る事に対して頓着していられないね。
2、3発を砕けるのも視野に入れ変形させた散弾銃や、また伸縮させ短刀で……軌道変更分も強引に防いで「加速式」発動。回避の確立を最大限引き上げろ。
掠り当たると思っていれば、激痛耐性で強引に次の回避へつなげられる……チャンスを待て。

そのチャンスは攻撃のある一点、其処へ突っ込む。
邪魔をされたならそれをフェイントに利用するよ。アタシごと衝撃波で爆破して、その勢いをも早業で威力へ変える。
【選択したUC】だ――!!



「質悪い奴だ……未来を見て、それを操るだって?」
 撤退する猟兵に追撃を行わせないため、前に出たのはフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)。
 翠と青の眼で白騎士を睨み、手には散弾銃・刻天炉と短刀・碧穿炉を握り締め。
「――ならアタシの速さで、それを全部超えて、ぶち破ってやるよ」
 未来すら置き去りにする神速を証明すべく、彼女は地を蹴った。

「未来予測機能復旧――ホワイトライト・トゥルーライト起動」
 目にも留まらぬ速度で戦場を駆けるフロッシュに対し、白騎士は未来を見たかの如き正確無比な射撃で応戦する。
 ただ駆け回るだけでは避け切れないことはフロッシュも理解している。ゆえに散弾や伸縮する短刀の刃でレーザーの軌道を逸らし、あるいは「加速式」の概念術理を用いて強引に避ける。
 それでも時折掠める光線の痛みは耐性によって堪え、彼女は反撃のチャンスを待つ。

 実時間にすれば十秒にも満たない、濃密な超高速戦闘。
 その最中、ふとフロッシュは違和感に気付く。
(何だこいつ……さっきから攻撃の手数が減ってる……?)
 飛んでくるレーザーの数が明らかに減った。その一本一本は相変わらず正確にこちらを狙ってくるため気は抜けないが、妙である。
 その疑問に答えるかのように、白騎士が口を開いた。
「私の攻撃後の隙を狙っているのだろう」
「――! 見たのか、未来を」
「ああ。いや、"見えなかった"と言うべきだな、貴様の攻撃は」
 白騎士が予測したのは、自身の反応を超える「超高速の攻撃」によって己が吹き飛ばされる未来。
 分かっていても避けられない、反応できない類の攻撃が白騎士の弱点であることは、別の猟兵が既に証明している。
「ならば――"攻撃のチャンスを与えない"。それが貴様の攻撃に対する最も効率的な回避手段だ」
 未来予測に頼って闇雲に攻撃するのではなく、隙を見せぬよう慎重に、弾数を絞って攻撃していく。
 その上で――フロッシュに対する「最も効率的な攻撃」も、白騎士は同時に実践していた。
(っ……! こいつ、アタシの脚ばっかり狙って……!)
 機動力はフロッシュの最大の武器だ。それを生み出す脚力を削がれることは彼女が最も忌避するところ。
 狙いが分かっていても避け切れないのはフロッシュも同じ。レーザーが脚を掠めるたびに、彼女の速度は徐々に落ちていく。

(このままじゃマズい……行くしかない!)
 膠着状態に益がないことを悟ったフロッシュは、次に白騎士がレーザーを放った瞬間、強引に其処に突っ込んだ。
 光線が片脚を貫く――だが今は構わない。機械ブーツ「衝角炉」から衝撃波を発生させ、自らを吹き飛ばすことで加速。白騎士が第二射を放つよりも先に懐に飛び込む。
「――飛べ!!」
 その技の名は刹砲『トリニダード・スコーピオン』。
 変形した機械ブーツから放たれた神速の蹴撃が白騎士を捉え、弾丸のごとく吹き飛ばした。

「……これでもまだ予測を超えてくるか」
 壁面が陥没するほどの勢いで叩き付けられ、バチッとスパークを上げる白騎士は、それでも尚静かに立ち上がる。
 一方のフロッシュはここが限界だった。負傷した足での強引な刹砲の使用。これ以上無茶をすれば足が動かなくなる恐れもある。
 小さく舌打ちしながら、フロッシュは残りの脚力を振り絞り、風のように前線から後退する。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

北条・喜夏
ここで白騎士を逃して残党軍を組まれるんはぞっとせんなあ。
泥沼の掃討戦っちゅうのは悲惨なもんや。
どこに潜んでるかもわからん奴らに怯えて夜も……いや、そんな話しとる場合やないな。

ルールで縛られるんはウチの好みやない。だいいち、「喚ぶな」言われた瞬間積むしな。
かといってドローンを下手にやって奴を強化するんも悪手やね。
……おし!
いつも通りいこか!

防御は「チューすけ」、任せるで!【盾受け】で、よろしゅう!
……一発撃てりゃそれでええ。頼むわ。
ほんでこっちは――「からびん」!
『其は七発目の弾丸』。悪魔に心を喰わせとるんや。奴が「絶対に避ける」か、ウチが「絶対に中てる」か。
一発、勝負させてもらいまひょ!



 絶え間なく続く猟兵達の猛攻を、次々に退けていく白騎士ディアブロ。
 彼自身もその度に負傷を重ねつつあるものの、今だその戦闘能力――そして未来を操る能力に陰りはない。
 だが、だからと言ってここで彼の討伐を諦めるわけにはいかない。
「ここで白騎士を逃して残党軍を組まれるんはぞっとせんなあ」
 その理由を呟きながら、北条・喜夏(武装召喚JKよしかちゃんとはウチのことやで!・f13043)は鎖閂式小銃 「からびん」に銃弾を装填する。
「泥沼の掃討戦っちゅうのは悲惨なもんや。どこに潜んでるかもわからん奴らに怯えて夜も……いや、そんな話しとる場合やないな」
 そんな"未来"をコイツに作らせないために、今自分はここにいるのだから。
 小銃の照準を白騎士に合わせ。ただその一発、一撃を中てるために精神を集中していく。

 自身に狙いを付ける喜夏を見た瞬間から、白騎士は未来予測を開始する。
 そして――その"結果"を知った瞬間、その機械のボディに緊張が走った。
「……未来を見たんか? せやなら分かるやろ。これからウチが何をするか」
 にやりと笑いながら喜夏は精神を集中し続ける。まだだ。まだ足りない。
 未来を操るあの対象との"距離"は――実測の距離より遥かに遠い。もっと力を込める必要がある。

「――!!」
 だがそれを悠長に白騎士が待つはずもない。
 レーザーキャノンの砲身を向け、エネルギーをチャージ。大出力の砲撃が喜夏を襲う。
「チューすけ、任せるで!」
 その呼びかけに応じ彼女の盾となったのは、超重戦車「チューすけ」。実に190トンを誇るその質量と装甲がレーザー砲撃を受け止める。
 だが、未来を予測する白騎士の攻撃は、常に最大の効果を導き出す。レーザーはチューすけの装甲の最も薄い箇所を捉え、その威力を減じられながらも貫き、装甲の向こう側にいた喜夏をも貫いた。

「っ、ぐ……! 一発でこれとは流石やなぁ」
 装甲に大穴を開けられたチューすけに、負傷した喜夏。そのダメージはいずれも軽いものではない。
 だが喜夏は笑っていた。まだ自分の腕は銃を持てる。指先は引き金を引ける。ならば十分。
「こっちは……一発撃てりゃそれでええ。奴が『絶対に避ける』か、ウチが『絶対に中てる』か――」
 こちらの準備も整った。満を持して喜夏は引き金を引く。
「一発、勝負させてもらいまひょ!」

 ――其は七発目の弾丸。デア・フライシュッツ。
 喜夏の心を喰らった悪魔の弾丸が、白き悪魔(ディアブロ)に襲い掛かる。
 その力は"必中"。未来を操る力さえも超えて、魔弾は必ず中るという"結果"をもたらした。
「グ、ゥ……ッ!!」
 猟兵の攻撃により破損した装甲の奥の、さらに破損したボディの傷。白騎士の最も弱い部分を、魔弾は吸い込まれるように撃ち抜いた。
「やはり……こうなる未来だったか……」
 白騎士が予測したのは「あらゆる可能性において、自身に弾丸が命中する未来」。それを避けるには先制攻撃で「攻撃自体を行わせない」以外の手段はなかった。
 だが――喜夏は白騎士の攻撃に耐えた。それがこの未来に繋がった。
「ウチの勝ちやな!」
 ふらつきながらも満足げに、喜夏はそう宣言するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エウロペ・マリウス
さて
少しキミを試させてもらうよ

行動 WIZ

敵のWIZ攻撃はボクのホワイト・フライクーゲルで対応だね
少しでも先制攻撃に早く対応するために【高速詠唱】使用
【全力魔法】と【属性攻撃】で火力を強化した105本の氷の魔弾のうち、撃ち漏らす可能性も考えて【誘導弾】使用して70本で対応

残るは『未来を操作する』対策だね
まずは残った魔弾すべてを自身の身体の急所位置に配置
魔弾一個分を使用して攻撃
これで『すべての攻撃を逃れ』を潰す
『絶対に命中する攻撃』『最大の効果を発揮する』
この両方を両立するには、魔弾に囲まれた急所は避けてくれたら攻撃箇所は限定できるし致命傷にはならない
その後で、残っていた魔弾を一斉射撃だね


ラスベルト・ロスローリエン
未来の操作……因果の糸にすら手を掛けるとは恐れ入るね。
ならばこの手に秘めた魔法で未知なる勝利を掴み取ろう。

◇WIZ 自由描写歓迎◇
“界境の銀糸”を張り巡らし【地形の利用】で絡繰の使い魔達を銀の蔦に絡め取ろう。
残った個体は“瞑捜の御手”から放つ【念動力】で掴み相手の周囲で次々と爆発させ煙幕に用いる。

しかし使い魔に気を取られ当の白騎士から攻撃を受けては本末転倒だ。
深手を負わぬよう【見切り】で警戒しながら使い魔を排除して“弓張月”で射抜く機会を伺う。

『この一矢、いやさきといやはての狭間貫き未知の地平に至らん事を』
【高速詠唱】と【全力魔法】で引き絞った《晨明一条》を白騎士の機械仕掛けの瞳に撃ち放つ。



「未来の操作……因果の糸にすら手を掛けるとは恐れ入るね」
 大きな負傷を負いながら、今だ健在を示す白騎士に向けてそう語るのはラスベルト・ロスローリエン(灰の魔法使い・f02822)。
「ならばこの手に秘めた魔法で未知なる勝利を掴み取ろう」
 叡智の探求者は大弓「弓張月」を手に、機械の悪魔と対峙する。
 そこに並んで前に出たのはエウロペ・マリウス(揺り籠の氷姫・f11096)。
「さて、少しキミを試させてもらうよ」
 未来を操る力とはいかほどか。その周囲には105の氷の魔弾が、既に展開を終えている。

「何人でも来るがいい。私はその全員に勝利する未来を紡いでみせよう」
 白騎士はそう宣言すると、再びレーザーキャノンを発砲する。無視できないダメージを負っていながら、その攻撃の威力はむしろ戦闘が続くにつれ強化されているようにすら見える。
 ラスベルトは砲身の向きからレーザーの軌跡を見切り、エウロペは自身の身体に重なるよう配置した氷の魔弾を盾に、それぞれ急所への致命傷を避ける。
 未来を予測する白騎士の正確な射撃の前には無傷ではいられないが、それでも戦闘続行に支障はない。

 その上で二人の猟兵は白騎士から警戒を切らさないようにしつつ、戦場全体を広く観察する。
 二人の狙いは、白騎士本体とは別に、もう一つあった。
「見つけたよ」
 視界の端に捉えた"それ"を、ラスベルトは戦場を駆けながら張り巡らせた界境の銀糸で絡め取る。
「しまった……!」
 ウォーマシンの白騎士が、はっきりと分かるほどの焦りを見せる。
 銀の蔦に捕らえられたそれは、小型の動画撮影ドローンだった。

「これが僕達の戦闘を観察し、情報を白騎士に流し続けていたんだ」
 その情報を元に、白騎士は正確無比な未来予測シミュレーションを行い、自身の戦闘力を強化していく――それがこの『デストロイマシン零式』のシステムだった。
「おそらく戦闘開始時にはすでに、密かにドローンの配置を済ませていたんだろうね。とんでもない『先制攻撃』だよ」
 ラスベルトの言葉をエウロペが継ぎ、やれやれと言いたげに肩をすくめる。
 もし何時までもこれを発見できなければ、白騎士の戦闘力は際限なく高まり続け、それが紡ぎ出す"未来"から逃れる術は完全に失われていただろう。
 しかしタネを発見したからには、これ以上は監視を見逃す理由はない。
「一機だって撃ち漏らさないよ」
 ラスベルトが動きを封じたドローンを、エウロペの放つ氷の魔弾が撃ち抜いていく。

「拙い……!!」
 焦る白騎士が二人に向かってレーザーキャノンを乱射する。
 防御用に残した氷の魔弾でそれを逸らしながら、エウロペは所感を口にする。
「攻撃の精度が落ちている。やはりドローンの補助がなければ未来予測の精度は下がるみたいだ」
「なら、新しいドローンを召喚させる隙を与えず、攻め切ろう」
 ラスベルトの身を纏う深遠なる力――"瞑捜の御手"から放たれる念動力が、残りのドローンを握り潰し、爆発させる。

「クッ……!」
 爆風と爆煙が煙幕となって、僅かな間白騎士の視界を遮る。
 その隙を逃さず、二人の猟兵は自身が今使える最大の一撃を放つ。
「幸運のタネは暴かれた。幸運の白い薔薇を持たぬあなたは、ただ魔弾に貫かれるだけの運命」
 エウロペから放たれるのは残された魔弾の一斉射撃。
「この一矢、いやさきといやはての狭間貫き未知の地平に至らん事を」
 ラスベルトからは、穢れなき明星の光を束ねし矢を。
「ガ、ァッ……!!!」
 氷の弾幕が白騎士の全身を氷結させ、明星の光が機械仕掛けの瞳を貫いた。

「ッ……まだだ。たかがドローンの補助とメインカメラをやられた程度……!」
 デストロイマシン零式が失われようとも、これまでに収集した情報と未来予測データ、そして兵装強化が消えるわけではない。
 力の秘密を明らかにされた白騎士は、むしろ"決死"の覚悟を強めて猟兵たちと対峙するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリア・ティアラリード
来ると分かっていれば回避不能の攻撃も耐え切れます
【武器受け・オーラ防御・激痛耐性】!
そしてルールを守る為、何より御苑の姫騎士として
正々堂々対峙し【勇気・覚悟】で矜持を白騎士に見せつけます

そしてレーザー威力で意識を失う瞬間UC発動
「じゃ、後はお願い『亞璃亜』ちゃん…」
戦闘マシンの主人格が覚醒
跳ね上がった全身体能力で【怪力・見切り】を使い切り
ドローンを【範囲攻撃・衝撃波】で殲滅
凄まじい数の【残像・早業】から【2回攻撃】で打ち込む超多重斬撃は
未来視などお構いなく斬り刻み、極限精度の剣姫奥義は【鎧無視攻撃】か!!

無論その間も敵UCへの警戒は欠かさず
更に【一斉発射】で7本全ての光剣を打ち出し追い詰めて!


トリテレイア・ゼロナイン
白騎士ディアブロ…人々を護る紛い物の騎士として銀河皇帝に仕える騎士に勝負を挑みます!

相手は圧倒的格上、死力を尽くして臨みます

白光への対処
ディアブロから常に自分を「かばう」ように機械馬を遠隔「操縦」し、接近
機械馬が操作不能時は「盾受け」技能で自分の移動先で常に大盾が敵の攻撃を遮るようにしながら接近します

被弾してもダメージを無視、スラスターでの「スライディング」で接近
「怪力」を活かした「武器受け」「カウンター」重視で最期まで戦います

(ダメージにより瀕死になることでUCが発動、幻影が攻撃を仕掛けます。発動時本人は意識がありません。幻影の正体は各地で出会った人々の願いの念が魔力として本に宿ったもの)



 頭部カメラを破損し、ふらつく白騎士の前に立ちはだかったのは二人の騎士。
 アリア・ティアラリード(エトワールシュバリエ・f04271)とトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)だった。
「御苑の姫騎士として、あなたにその覚悟と矜持を見せてあげます」
 フォースセイバー「イルミネイト」を突き付けて、高らかに宣言するアリアと。
「白騎士ディアブロ……人々を護る紛い物の騎士として、銀河皇帝に仕える騎士に勝負を挑みます!」
 儀礼剣と盾を手に、決闘の如く告げるトリテレイア。

「面白い……ならば『騎士の誇りに賭けて、全ての攻撃を受け止めてみせろ』!!」
 矢継ぎ早に二条の収束する運命の白光を放ち、ルール宣言を行う白騎士。
 だがどのような縛りが来ようとも二人の選ぶ行動は最初から決まっていた。
「来ると分かっていれば、回避不能の攻撃も耐え切れます」
 標的の未来位置に襲い掛かるレーザーを、アリアはフォースセイバーと身に纏うオーラで受け止める。
 その隣ではトリテレイアが、遠隔操縦する機械馬ロシナンテⅡと重質量大型シールドでレーザーを防いでいる。
 いかに絶大な威力を誇る白騎士の武装でも、この二人の防御を一撃で突破するには至らない。

「次はこちらの番です」
 盾越しに伝わる熱と衝撃を無視して、トリテレイアはスラスターを起動し一気に白騎士に突撃する。
 それを待ち構えていたように振り下ろされる白騎士のフォースセイバー。それをトリテレイアは儀礼剣で受け止め、反撃とばかりに盾で殴りつける。
 それに続いてアリアが放つフォースセイバーの刺突。白騎士は装甲の分厚い箇所で光刃を防ぎ、レーザーキャノンで返礼する。

「貴様達の覚悟、そして信念が生み出す力は凄まじい……だが」
 白騎士もまた、ここで己の全てを出し尽くす覚悟は決めている。この身が朽ち果てようとも、皇帝と帝国のために。
「我は白騎士ディアブロ。帝国を守護する騎士である」
 白騎士の三対の腕のうち、中央の一対がアリアとトリテレイアの首に掴み掛かる。
 捕らえられ、もがく二人を凄まじい怪力で持ち上げると、残った腕に握った武器をそれぞれに向けて。
「終わりだ」
 至近距離からのレーザー砲撃がアリアを撃ち抜き、フォースセイバーの刃がトリテレイアのボディを貫く。
「ここまで、かぁ……じゃ、後はお願い『亞璃亜』ちゃん……」
「ダメージ限界量突破、機能完全停止します……」
 どさり、と倒れ伏す二人の猟兵――それは白騎士が見た未来の通りだった。

 ――だが。それが迂闊だった。敵が倒れた時点で、未来予測を中断してしまったことが。
「――御苑・亞璃亜』リブートしました」
「……未熟者め、手を貸そう」
 倒れたはずのアリアの体が光反発(フォースホロニクス)装甲に包まれ、機械のような冷徹な表情で立ち上がる。
 それと同時に、トリテレイアの懐から零れ落ちた本から、御伽噺に出てくるような騎士姿の幻影が現れる。
「何だと……?!」
 倒したはずの敵の再起動と新たな敵の出現に――自身が見なかった"未来"に驚愕する白騎士。
 その動揺の隙を突いて、二人の戦士が襲い掛かる。

 再起動したアリア、否「亞璃亜」は、再起動前から跳ね上がった身体能力でフォースセイバーを振るう。
 光刃が振るわれる度に衝撃波が戦場を吹き荒れ、白騎士の装甲の隙間を突いてダメージが蓄積されていく。
 描き出す残像と共に繰り出される超多重斬撃は、未来予測を以ってしても全てを避けられるものではなかった。
 これが本来の人格に覚醒した彼女の戦闘能力。純粋なる戦闘マシーンとしての冷徹かつ効率的な攻撃の嵐。

 そしてトリテレイアの元から現れた騎士の幻影は、優美な長剣と盾を手に白騎士に挑む。
 白騎士の繰り出すレーザーや斬撃を、鮮やかな盾捌きで受け流し。返す長剣の斬撃が白騎士の装甲を切り裂く。
 時には共に戦う「亞璃亜」への攻撃を身を挺して庇い。その振る舞いの一つ一つが騎士物語の挿絵の如く洗練されている。
 それはトリテレイアが各地で出会い、収集した物語を核として、彼が出会った人々の願いが形を成した、理想の結晶。

「目標を殲滅します」
「見せてやろう、真の騎士の力を」
 自身の周囲に展開させた七色七本のフォースセイバー――「ラ・アルカンシェル」を一斉射出する「亞璃亜」。
 同時に騎士の幻影は人々の願いの魔力をその剣に一点収束させ、解き放つ。
「ぐ……ああああああっ!!」
 七つの光刃に貫かれ、魔力の奔流に吹き飛ばされた白騎士が、苦悶の絶叫を上げる。
 着実に、確実に。猟兵たちの攻撃は白騎士を追い詰めつつあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

狼谷・賢太郎
【高速詠唱】で間断なく攻撃しつつ、ヴァナルガンドを始めとした四体の精霊達をがむしゃらに解き放つ
そして、戦闘開始から10秒きっかりのタイミングで、敢えて大きな隙を見せる!
白騎士は、その攻撃を最大の効果を発揮するように放ってくるんだよな?
なら、オレが大きな隙を見せた瞬間を狙ってくるはず

10秒を過ぎた直後――未来視の先で、実体化させたヴァナルガンドにオレの体を突き飛ばしてもらって攻撃を回避だ!
コンマ1秒の戦いになるけれど……オレはこいつは信じてる!

攻撃を回避した瞬間、展開していた他の精霊の【属性魔法】とオレの【全力魔法】で、白騎士をぶっ飛ばす!
お前の知らない未来の先――人間の可能性を、見せてやるぜ!



「損傷率70%突破……だが、まだだ」
 もはや無視できないダメージを負いながら、それでも立ち上がる白騎士。
 彼が体勢を整える前に一気に攻勢を仕掛けたのは、狼谷・賢太郎(イマチュアエレメントマスター・f09066)。
「相手は弱ってる! 行くぜみんな!」
 大狼ヴァナルガンド、水馬フリームファクシ、鷲木菟フレースヴェルグ、大蛇ヨルムンガンド。
 心を通わせた四体の精霊達の力を、白騎士目掛けてがむしゃらに解き放つ。

「侮るなよ」
 白騎士はすでにホワイトライト・トゥルーライトを起動している。
 四体の精霊が襲い掛かる方向、タイミング、攻撃のパターン。その全てを白騎士は瞬時に予測し、最適な回避パターンを導き出す。
 火も水も風も地も、白騎士の装甲に触れることさえできない。
 だが、そこまでは賢太郎も折り込み済み。当たらないことを承知で間断なく精霊達に攻撃指示を出し続け、タイミングを待つ。

(8秒……9秒……ここだ!)
 敵が未来予測を発動させてから10秒。
 そのタイミングで賢太郎は攻撃の手を緩め、敵に大きな隙を晒す。
 無論それを見逃す白騎士ではない。いや、白騎士は最初からこの瞬間を予測して、既に攻撃の準備を整えていた。
 10秒ジャストで放たれたレーザーが賢太郎を貫く――だが、その着弾よりもコンマ1秒早く。
 実体化した大狼ヴァナルガンドが真横から賢太郎の体を突き飛ばした。

 賢太郎とヴァナルガンドからまさしく間一髪の距離を貫いていくレーザー。
 それは、敵が1度に未来予測可能な限界の10秒を逆手に取った作戦だった。
 白騎士が望みの未来を操れるのなら、その操る未来の形を誘導してやればいい。
 自分から隙を作り出せば、そのタイミングを狙って白騎士は最適な攻撃を仕掛けてくるはず。その直後、予測を超えたタイミングでヴァナルガンドを呼び出し、攻撃を回避する。
 ほんの刹那でもタイミングがズレていれば成功しなかった作戦だが、賢太郎に不安はなかった。
(オレはこいつを信じてたからな!)
 心を通わせた精霊達への信頼と絆。それが彼の最大の武器。

「いくぜ白騎士! お前の知らない未来の先――人間の可能性を、見せてやるぜ!」
 攻撃を回避した瞬間、賢太郎が放つのは展開していた精霊達と共に繰り出す全力の一撃。
 四大属性と賢太郎自身の魔力が束ねられ、白騎士目掛けて一直線に叩き込まれる。
 爆音が轟き、戦場が爆煙に包まれる。
「どうだ!」
 賢太郎が見据える先で煙が晴れ――そこから現れたのは今だ健在の白騎士。
 彼は賢太郎への攻撃が外れた瞬間にホワイトライト・トゥルーライトを再起動し、限られた時間で取り得る最適の防御で、ダメージを最小限に抑えていた。
「浅かったか……!」
「誘いではないか、という疑いはあったのでな。だが今のはこちらの運が良かった」
 白騎士にも一刹那の遅れがあれば、大打撃は免れなかっただろう。
 だが、結果として彼は今だ健在。戦いは今だ予断を許さなかった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

神元・眞白
【SPD】
終わりがないのが終わり。戦い続けるのが目的ならそれでいいけど。
まずは挨拶。ちゃんとした始まりと終わりを。

先手を打たれるなら、狙うのはカウンター。
私自身は受けて倒れる“ふり”をしながら、飛威をまず第1陣。
飛威の攻撃はできるだけ安直になる様に指示をしておくけど、第2陣
符雨の時間差攻撃が主になると見せたフェイントをかけよう。

本命は私自身とマカブルの排出のどちらか。
飛威と符雨にそれぞれの武器は借りておくけど、上手く使える…かどうか。
あとは多面的に1対2を続けながら、ローテーションを組んでぐるぐると。
足を止めさせないのが大事。未来が見えてるっていうけど、こっち3人分全部見れるもの?……楽しみ



「終わりがないのが終わり。戦い続けるのが目的ならそれでいいけど」
 そう告げて、今だ戦闘体勢を取る白騎士に一礼するのは神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)。
「はじめまして。私は眞白。この子は飛威、こっちは符雨」
「……何のつもりだ? 挨拶などし合う仲でもあるまい」
「必要だから。ちゃんとした始まりと終わりを」
 これは始まりの挨拶。そして終わらせるという宣言。
 直後、眞白の操る二人の人形が白騎士に襲い掛かる。

 白騎士の反応は素早かった。
 未来予測を起動しレーザーキャノンの照準を合わせ、発砲。狙いは人形遣い。
 光線に射抜かれて崩れ落ちる眞白――だが、人形達は止まらない。
「本体を倒しても自律行動を取るのか」
 前衛担当の戦術器「飛威」が繰り出す単調なナイフの攻撃を、白騎士は易々と避けつつ呟く。
 そこにすかさず後衛の「符雨」が、飛威の攻撃をフェイントとした符と銃弾の時間差攻撃を放つ。
 だが、それも白騎士の身体を浅く掠めるのみ。有効打とは言えない。

「何を狙っている……?」
 更なる未来予測を続ける白騎士は、倒れている眞白が不意に立ち上がり、ナイフと符を手に奇襲を仕掛ける未来を"見た"。
 二体の人形による連続攻撃は白騎士の注意を引き付ける囮。本命は眞白自身の攻撃だった。
「初撃で倒れたのは、見せ掛けだったか」
 ならばと白騎士は再びレーザーキャノンを眞白に向ける。今度こそ確実にその息の根を止めるために。
 飛威と符雨が止めようと動くが、間に合わない。光線が倒れ伏したままの眞白を再び貫く――。

 ――しかし、その一撃で眞白が傷つくことはなかった。
 オペラツィオン・マカブル。完全な脱力状態でユーベルコードを受けることでそれを無効化する、人形遣いの秘儀である。
「何……?」
 仕留め損なったことに驚く白騎士に向けて、無効化されたユーベルコードが人形から"排出"される。
 符雨の銃から放たれるのは白騎士のものと同様のレーザー。未来を予測し的確な攻撃を行うという特性もそのままに、光線は白騎士の未来予測回避を相殺してそのボディを貫いた。

「ぐ……っ!」
 ぐらり、と白騎士の身体が揺らぐ。すかさず眞白は跳ね起きて、二体の人形と共にローテーションを組んだ多面攻撃を仕掛けようと――。
「……っ」
 がくんと眞白の膝が崩れ落ちた。驚き、人形たちは彼女を守る位置へと咄嗟に配置を変える。
 倒れる"ふり"のつもりが、初撃で食らったダメージが予想以上に大きかった。白騎士の攻撃の威力を見誤ったか。
 可能であればここから白騎士に足を止めさせず一気に畳み掛けるつもりだったのだが……。
「……残念」
 一撃は入れた。それを戦果とし、ここを引き際と判断する眞白。
 決着の時は確実に近付いていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ウィルトス・ユビキタス
貴様が未来を操作する力を持つというのなら、貴様ごと未来を切り開くまでだ。

装備している『腕部装着型可変ガジェット』を展開し防御の態勢を取る。あらゆる耐性を総動員して確実に耐え抜く。
白騎士の先制攻撃、【ホワイトライト・トゥルーライト】の後に有効なガジェットを召喚してやる。
召喚されるのはどんなガジェットだろうか。ドローンかフック付きワイワーか。
白騎士が見る未来は先制攻撃をしなかった時の未来で俺のガジェットが召喚されるのは白騎士が先制攻撃をした後の今だ。
未来を操ろうというその傲慢さの代償を払わせてやるよ。



「貴様が未来を操作する力を持つというのなら、貴様ごと未来を切り開くまでだ」
 退いて行く猟兵達にかわって、信頼するガジェットの武装を携え白騎士と対峙するのはウィルトス・ユビキタス(武闘派デスクワーカー・f01772)。
「俺達の未来を、貴様ごときが決められると思うなよ」
「確かに、貴様達猟兵の未来は私の手にも余るようだ。だが"勝利"という未来を譲るつもりはない!」
 ボロボロのボディと頭脳をフル回転させ、白騎士は残された可能性から勝機を見出し続ける。
 最適効率化されたレーザーキャノンの砲撃が、ウィルトスを襲う。

 ウィルトスは即座に左腕に装着した可変ガジェットを展開。大盾と化したガジェットでレーザーを受け止める。
 その高熱がもたらす苦痛に耐え抜きながら、彼はガジェットショータイムを発動させた。
 ただ戦うだけでは白騎士の未来予測能力、ホワイトライト・トゥルーライトは突破できない。白騎士の見た未来には無かった要素を作り上げるのがウィルトスの対策だった。
 ガジェットショータイムで作り出されるガジェットの形状と使用法は、本人にも予測がつかない。だからこそ、白騎士のシミュレーションを乱す不確定要素と成り得る。
(どんなガジェットだろうか。ドローンかフック付きワイワーか……)
 ウィルトスの前で形作られたガジェットは、果たしてそのどちらでもなかった。
 それは、凄まじい呪力を放つ、白、黒、灰の三本の機械仕掛けの剣。
「その剣は、まさか……!」
 驚愕するのは白騎士ディアブロ。何故ならばその剣は彼が良く知る武器に余りにも酷似していたからだ。
 ――彼と並ぶ帝国二大巨頭が一人、黒騎士アンヘルが操る『過去喰らいの三呪剣』に。

「こいつは……俺に使いこなせるかは分からないな」
 だが、躊躇っている時間はない。ウィルトスはガジェットの三呪剣に手をかける。
 "未来"に対抗するは"過去"。それは間違いなく白騎士に対して最も有効な武装だろう。
「アンヘルの呪剣の模倣だと……くっ、未来予測機能に異常が……!」
 焦る白騎士がレーザーを放つと、呪剣の一振りがまるで吸い寄せられるように射線上に移動しレーザーを相殺する。
 その一撃でガジェットの呪剣が砕けて消えていくのを見たウィルトスは、残りの二本の呪剣を手に駆け出す。
「こいつの攻撃は、きっと貴様も避けられないだろう?」
「クッ……!」
 懐に飛び込んできたウィルトスに、白騎士はフォースセイバーを振り下ろす。対するウィルトスは二本目の呪剣で光刃を相殺。
 最後に残った一本の呪剣を両手で握り締め、白騎士目掛け一閃する。
「未来を操ろうというその傲慢さの代償を払わせてやるよ」
 呻りを上げるガジェットの呪剣は、呪力と蒸気を噴き上げながら白騎士のボディを斬り裂いた。
「ガ、アァァァァァァ……ッ!」
 獣のような絶叫を上げる白騎士。その姿は、もはや満身創痍であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

春日・釉乃
【POW】
白騎士ディアブロ…未来を決めるのはあなたじゃない、あたしたちの手でっ!

ルールを宣告するレーザー?
なら、あたしは【破壊と創造の理】を発動
剣の悪鬼となり、超攻撃力と超耐久力を得る副作用で理性を失うの

けれど、この状況ならその副作用こそが勝機の鍵になるよ
だって…理性を失えば『宣告されたルール』の理解すらできなくなる狂戦士となるのだから!

機械鎧『鶴姫』の装甲と得られた超耐久力で白騎士の攻撃を敢えて受けきりながら、『白雲去来』による[早業][鎧無視攻撃][カウンター]と超攻撃力の斬撃で白騎士を迎え撃つよ

肉を切らせて骨を断つ――ってね!



 満身創痍の白騎士に引導を渡すべく、前に出たのは春日・釉乃(”CHIPIE”・f00006)。
 武者の甲冑を模した機械鎧『鶴姫』でその身を鎧い、愛刀『白雲去来』を構えるその姿は、さながら剣鬼。
「白騎士ディアブロ……未来を決めるのはあなたじゃない、あたしたちの手でっ!」
 自らの手で未来を勝ち取る決意を胸に、力強く一歩踏み込む。

「……もはや敗北の未来は変えられぬか。ならば一人でも多くの敵を道連れにしてみせよう」
 ボロボロのボディから紫電を上げながら、それでも白騎士は立ち上がった。
「元より私の存在意義は唯一つ。稼働停止の瞬間まで、己が責務を全うするのみだ」
 帝国に仕える騎士として。残された命のエネルギーを振り絞り、白騎士はレーザーキャノンの砲撃を放つ。

「オン・マケイシヴァラヤ・ソワカ」
 迫り来る収束する運命の白光に対し、釉乃が発動したのは【破壊と創造の理】。
 機械鎧のリミッターが解除され、その身は真の剣鬼――剣の悪鬼へと変貌する。
 歪に変形し強化された機械鎧の装甲は、白騎士の砲撃を確りと受け止め、耐え切ってみせる。

「耐えたか。だが貴様は……」
 ルールの宣告を行おうとする白騎士は、対峙する相手の変化に気付く。
 釉乃の左目は真っ赤に輝き、その瞳から正気の光は失われ、純粋な闘争心と破壊衝動に満たされている。
 超絶な攻撃力と耐久力と引き換えに理性を失う。それが彼女のユーベルコードの代償。この状態ではどんなルールを宣告されようと、理解できない以上は意味を成さない。
 身も心も剣の悪鬼となった彼女のあり方は、皮肉にも――。
「――我らデストロイ・ウォーマシンによく似ているな」
 そう呟いた白騎士は、おもむろにレーザーキャノンを投げ捨てると、フォースセイバーを構える。
「ならば私も最後は、ただ戦う一塊の鉄刃(スティールエッジ)として――デストロイマシン、最大起動!!」
 限界を超えた力を振り絞る白騎士と、理性を捨てた釉乃が激突する。

「オオオオオオオオオオオオッ!!!!!!」
 獣の如き咆哮と共に、渾身の力で振り下ろされる白騎士のフォースセイバー。
 釉乃は避けない。機械鎧の装甲と悪鬼の耐久力を恃みに、白騎士の斬撃を敢えて受ける。
 目も眩むほどに輝く白光の刃が機械鎧を砕き、切り裂き、その中にいる釉乃の肉を断つ。
 だが――その刃はあと数ミリ、釉乃の心臓にまでは届いていない。
 彼女は耐え抜いて見せたのだ。白騎士の最後の、そして全力の一撃を。

 直後、弾かれるように釉乃の身体が動いた。
 肉を切らせて骨を断つ――この瞬間こそが彼女の待っていた好機。
「はああああああああああっ!!!!!」
 理性無き状態で裂帛の咆哮を上げ、目にも留まらぬ剣速で『白雲去来』を振るう。
 重く、そして鋭い斬撃は、白騎士の装甲をまるで無いかの如く斬り裂いていき――その中枢たるコアを真っ二つに両断した。

「損傷率100%、戦闘続行不可能――見事だ、猟兵達よ。貴様達は私の描く未来に勝利した」
 敗北し、消滅していく白騎士ディアブロは、淡々とした、しかし誇張のない賛辞を送る。
「あるいは私がオブリビオン……"過去"と成り果てた時点で、私の敗北は決まっていたのかもしれないな」
 だが、と彼は続ける。その身が砕けようとも折れぬ信念を胸に。
「帝国在る限り、私は不滅。あるいはまた、相見えることもあるだろう」
 そう告げた直後、白騎士のボディは爆発四散し――その後には、塵一つさえ残ってはいなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト