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山賊王に俺はなる!

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●とある開拓地
「ダメだ、今日も荷馬車が来ない…また山賊の仕業か!」
「このままでは開拓も進まなし、何より、もう食料が……」
「ちくしょう!、山賊め…この肥沃の土地を放棄せねばならんのか?」
 耕しさえすれば、豊かな土壌、豊富な水源、きっと良い農地になる…冒険者によって、山には鉱脈も発見されている…こんな好条件な土地を諦めなければならないのか?
 新天地を夢見て頑張ってきた開拓者達は、歯軋りをしながら…恐らくは山賊どもが潜んでいるであろう山を睨んだ。

●グリモアベースにて
「猟兵の皆、よくぞ集まってくれたのぉ…さて、今回はアックス&ウィザーズにて山賊退治をお願いしたいのじゃ」
 御手洗・花子の話を聞いて猟兵達は静かに頷く、猟兵達は通常の犯罪などに対して出動することはないが、このアックス&ウィザーズにおいては別だ。
 この世界において、山賊を含む『盗賊』はモンスター扱いであり、オブリビオンである事は猟兵達にとって周知の事実である。

「では、説明を続けさせてもらうかのぉ、山賊退治なのじゃが、ちと、訳があってな…拠点に攻め込む前に、まずは荷馬車の護衛任務を行って貰いたい」
 この地方は、冒険者達によって豊かな資源地があると確認され、今まさに開拓が始まった地域なのだが…この地域で唯一の港町である『モジャーポート』から、各地の開拓地に物資を運ぶのに通らねばならぬ山道を、山賊達に抑えられてしまっているのだ。
「その為に、開拓地に殆どの物資が届いておらず…特に食料、これがもう底を尽きそうなのじゃ…このままでは開拓地の皆が飢え死にしてしまうのじゃ」
 例え山賊を倒せても、開拓者を飢え死にさせてしまっては仕方がない。先ずは食料と物資を無事に開拓地に送ってから山賊を退治せねばならない。

「問題の山賊どもなのじゃが…ここ最近になって急激に勢力を増しておる、何でも、新しい山賊頭が現れたらしく…そやつがどうも原因らしいのじゃ」
 物資を届けつつ、その山賊頭の情報を集め、それを成敗する…これが今回の仕事の流れだ。
「新たな土地の開拓はそのまま世界の発展と繋がるのじゃ、小さな…とは言え、アックス&ウィザーズ発展の芽を山賊風情に踏み躙られてはならぬ、皆の力を貸して欲しいのじゃ」


マカロニ男爵
 初のUDCアース以外のシナリオです。
 UDCアースでは割とグロかったりするシナリオが多かったですが、今回は初めてのアックス&ウィザーズと言うことで、分かりやすい山賊退治にしました。
 1章は護衛任務、2章は集団戦、3章はボス戦となってます、チュートリアルでよくぶっ飛ばされる山賊達がわんさかいますので、どうぞ無双しちゃってください。
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第1章 冒険 『積荷を護衛せよ!』

POW   :    護ればいいのだろう?直接護衛して何もかも吹っ飛ばせ!

SPD   :    障害は避ければいいのさ。周囲を探索して危険を避けよう!

WIZ   :    奴らの行動は読めている。対策を施して妨害を無力化せよ!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニュイ・ルミエール
WIZ
アドリブ連携自由に

お腹が減っちゃうのは悲しいの、ご飯の恨みは骨髄千倍なのっ!

にゅいが分裂してスライムの群れで護衛するよっ!
山賊さんもまさか見た目もんすたーが護衛してるって思いもよらないはずなのっ

きっと
獲物が取られちゃうって焦るか
たかがスライムって侮って出てくるはずっ

そこが狙い目

【怪力、グラップル、早業、投擲、空中戦、捨て身の一撃、学習力】
連携してスライムミサイル
尾翼で空力制御
第二、三射で精度を上げてくよっ

相手の喉元に【変装、手をつなぐ、防具改造】首輪になって
【呪詛、生命力吸収、優しさ】赤黒く変色しそのまま“きゅっ”

もしも気絶しない人いたら……【属性攻撃・炎、氷】

改心するように【祈り】


トリガー・シックス
さて、護衛と言えど相手も馬鹿ではなかろう。直接護衛を行う。
積み荷にエルーゼを紛れ込ませて手薄と思わせる。
「……なに?」
報酬……いつものように食事なのだろう。その代わり、しっかりやれよ。
そういえば、あの時なにか用があって倉庫に来たのでは……あとで聞いてみるか。大方、いい店があったとかだろうが。
新しく入手した魔刀『死鬼の爪』を使いつつ、『ジョーカー5s』による射撃も行う。
【2回攻撃】による連撃や【なぎ払い】で撃退しつつ、【見切り】からの【カウンター】などで反撃を行う。
【念動力】を用いて『死鬼の爪』をブーメランのように投げる。
手数を増やすために『幽幻なる狩人』も発動。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


エルーゼ・フーシェン
「山賊退治か、がんばらないとね」
積み荷を奪われて困ってる人が大勢いるから、何としてでも成功させないと。
「あ、報酬はちゃんと用意してよね?」
いつもなら渋ったり、はぐらかすのに……前回のことを気にしてる?
追い出されて言えなかったのも、聞いてもらわないとね。

山賊が襲ってきたら奇襲するわよ!
ストライダーを改造した双剣『ラーズグリーズ』を抜いて、応戦するわ。
数が多いなら【なぎ払い】と【衝撃波】を組み合わせた技で攻撃して、数を減らす。
あとは『トリニティ・エンハンス』で攻撃力を上げてから剣舞を繰り出すわね。
攻撃には【残像】での【フェイント】からの【カウンター】で倒す。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK



「外の護衛は…あのお嬢ちゃんのスライムだけで大丈夫なんでしょうか?」
 まだ、収入の無い開拓地故に出せる報酬も少ないにも関わらず、護衛を受けてくれた三人の冒険者、トリガーとエルーゼ・フーシェン…そして、『お嬢ちゃん』と呼ばれたニュイ・ルミエール。
 この3人には感謝をしているが、それでも…荷馬車を走らせる商人は不安だった。馬車の外回りを守るのが小さなスライムだけで大丈夫なのかと。

「こうの方がいい、山賊はかなりの数が居ると聞く…少人数で守るのならば、こちらは手薄だと思わせたほうが好都合だ…護衛の全てを見せては、それに対応すべく数を集めてくる可能性が高い」
「な、なるほど…」
 猟兵が3人も居るのならば、余程の数を集めてこない限り護衛には問題はないのだが、トリガーは敢えて、そう説明をした…
 山賊を生け捕りにしたいから誘き寄せてる…のが本音であるが、それを言うと護衛対象を餌にしてるという事になり、契約がややこしい事になるからだ。

「山賊さんたちも、まさかもんすたーが護衛してるって思いもよらないはずなのっ。きっと、獲物が取られちゃうって焦るか、たかがスライムって侮って出てくるはずっ」
 ニュイは敢えて弱そうなスライムを護衛に付けている理由を商人に説明する。
 ニュイ自身の体もスライム状ではあるが、人型になっている事と、猟兵の能力によって『可愛らしいお嬢さん』と商人には認識されている…ユーベルコード【Remplir la terre.(ウメヨフエヨチニミチヨ)】で増やしたプチスライムはスライムだと認識されているようだが…

「うん、わかったお嬢ちゃん、まだ小さいのにスライムを出せる魔法が使えるなんて凄いね」
「えへへ、ニュイ頑張るの、お腹減っちゃうのは悲しいの、ご飯の恨みは骨髄千倍なのっ!」
「「……」」
 健気なニュイに顔を綻ばせて頭を撫でる商人、そのやりとりを見ながら、トリガーとエルーゼは前の仕事の…敵であり、被害者であった不定形の少女の事を思い出し、少し悲しげな表情を浮かべる。

「うん?、トリガーとエルーゼどうしたの?、お腹すいたの?」
「あ、ううん、何でもないよニュイ、それにご飯は大丈夫、報酬を用意してもらうから!」
 しかし、彼女とニュイは関係ないし、その件は今回の仕事とも関係ないのだ…慌てて取り繕ったエルーゼの言葉に商人の顔が青くなる。

「あ、そ、その…出来る限りの報酬は払いますが、我々の懐には現在余裕が…」
「ち、違うわ、それは分かってる、分かってるわ…えっと…私がトリガーから個人的に貰う報酬の話なの!」
「いや、約束はしてないが……まぁ、いいか」
「え?」
「え?」
 商人の…開拓地の状況はエルーゼも理解しているので、勘違いされてはかなわないと、後でトリガーにねだる予定だった報酬の話を出したら、トリガーがあっさりと了承した。
 何時もならば、もっと渋々と…という感じなのにと、思わず驚くエルーぜ、そして了承したら驚かれた事に驚くトリガー。

「自分で頼んでおいて驚くやつがあるか、報酬といっても、どうせ食事なのだろう?、そのかわりしっかりやれよ」
「あ…うん、山賊退治か、頑張らないとね」
 普段と違うトリガーの対応に戸惑うエルーゼ…もしかして、前回の事を気にしているのだろうかと…少しだけ、ドギマギしてしまう。

「なる程、二人は恋人同士でしたか」
「ち、ちがっ!」
「ニュイもって思ったけど、そういう事なら邪魔はしないの」
「違うのだが…どうしてこうなった?」
 そんな二人のやりとりを見て、商人とニュイに恋人同士なのかと思われる二人…年頃の男女がその手のやりとりをしていれば、仕方がない事だ。
(もう、早く山賊出てくれないかな~?)
 勘違いされて、先程のドギマギ感が更に強くなってしまったエルーゼは山賊に救いを求める…まぁ、タイミングよく来てくれた所でボコる事には変わりないが。

「山賊が来たの!」
「え?、本当に!?」
「エルーゼは積荷に隠れて機を伺え、俺は奴らが射程内に入ったら出る…ニュイは…」
「任せて、まずは、すらいむ達でゆだんさせるのっ!」
 そして、本当に都合が良いタイミングで現れる山賊、ニヤニヤしていた商人の顔に緊張が走り、猟兵達は打ち合わせ通りの行動を開始する。

「へっへっへ、小さいスライムなんかで護衛が出来るのかよ?」
「ひゃっはー、怪我をしたくなきゃ積荷と…その嬢ちゃんも置いていけや、高値で売れそうだぜぇ」
「ひぃ、お、お嬢ちゃん、本当に大丈夫っ!?」
 刃を抜きながら、ニタニタと笑い…如何にも山賊といった格好の男達が馬車を囲む…馬車が駆け抜けられるの様に、ご丁寧に山道を瓦礫で塞いでいる。
 この状況に商人が怯え、ニュイに縋るように尋ねるが…ニュイからしてみたら、これは予定通り、むしろ上手くいったと得意げにゼリーみたいな身体をプルプルさせれいた。

「大丈夫なの、予定通りいくのーっ」
「ぐおっ、す、スライムたちが!!?、この小娘、スライム使いか!」
「スライム使いなんて職業あるんっすか!?、うぎゃーーーっ!」
「知らん、でも実際にぎょえーーー!!」
 プチスライム達は連携して自分達で自分達を投げるスライムミサイル攻撃を敢行する、見た目によらず怪力で想像以上の威力があり、しかも投げる毎に軌道修正、更には尾翼などを変形で生み出し、空力制御まで行うという恐るべき学習能力で山賊達に次々とぶつかって行く。
「お、落ち着けぇ!、頭を低くしろ、しゃがめ!」
「はいぃ…って、うぎゃーーー」
「しまった、しゃがんだら避けられなーーーい」
 一方、矢でも飛んでるかの様に頭を下げてスライムミサイルを避けようとする山賊達…彼等が単独で普通に動ける事を忘れ、しゃがんだ所で思いっきり捕まり、一人一人、きゅっと首を絞められ気絶していく…彼等はどうやら、スライム達より馬鹿なようだ。

「くそ、馬車だ!、男の方を人質にしろ!」
 ニュイには敵わないと、早くもヘタれた山賊達は馬車へと、怯えている商人へと狙いを定めた。
「射程内だ」
「え?」
「ご、ゴンザーっ!!?」
 しかし、馬車にはトリガーが控えていた、容赦なく『ジョーカー5s』を発砲し、山賊の眉間に命中…山賊ゴンザーの心拍は停止…死んだのだっ!
「よくも、ゴンザーを…」
 仲間の仇を取らんと、山賊達は刃を構えトリガーを囲むが…
「思ったより手応えがないが…こいつも使ってみるか」
 トリガーは新しく入手した魔刀『死鬼の爪』を抜き、山賊達に対峙する…剣豪であるトリガーが触れるもの全てを切り裂きそうな…恐るべき風格を纏う魔刀を構えるだけで理解できる。
(あ、これ無理、この気迫はいけない)
(あ…これは死ぬな、死んじゃうやつだ)
 猟兵達から見れば弱っちい山賊達だが、それでも危険がいっぱいなアックス&ウィザーズの世界の山の中で生き抜いてきた…故に生存本能で理解する、これ戦っちゃいけない相手だと。

「に、荷馬車を…積荷だけ持って行って逃げろぉ~!!」
「やべぇ、こいつらやべぇよっ!」
 彼我の実力差を理解した彼等は、持っていける物だけでも持って逃げようと積荷に殺到する…この欲が無く即座に逃亡すれば助かる目もあっただろう。
「よかった、出番ないかと思ったわっ!!」
「あ、新手!!?、うぎゃーーー」
「ひぃ、何でクソ強い冒険者が三人もーー!?」
 其処にはエルーゼが待機していた、愛剣『ストライダー』を改造して作った、新たなる双剣『ラーズグリーズ』から衝撃波を放ち、積荷に寄ってきた山賊達をなぎ払って一掃する。

「に、にげ…ひぃっ!?」
「逃さんよ…さあ、武器を捨てろ」
 もう、諦めて逃げようとした山賊残党もトリガーの【幽幻なる狩人】に既に囲まれていた…観念した山賊達は武器を捨て、猟兵達に縛られる。

「す、凄い…皆さん、強いですね…まさか、あの低報酬で腕利きの冒険者が雇えていたとは!」
「まぁ、この開拓地に注目してる者がいてな、報酬はそちらからも出るのさ…しかし…」
 嘘は言っていない、実際に猟兵として報酬を貰えるのだから…トリガーはその辺りの事情を説明しながらも…一つ、懸念を感じる。

「弱すぎるな…」
「それは確かに」
「一応、オブリビオンはずなのに…不思議なの」
 相対した山賊達に、手応えが無さ過ぎる…そんなに強い存在ではなくても『山賊』はこの世界におけるモンスター、即ちオブリビオンである筈なのだが、まるで手応えがない。

「くっくっく…そう強がっていられるのも今の内だ…俺達と『ノレフィ山賊団』とじゃ実力が違うぜ…」
「の、『ノレフィ山賊団』だって!?、まさか…奴らは伝説の自称海賊王『ゴーモウガ・モジャー』のよって遥か昔に退治されたはずじゃ!?」
「ふっふっふ…ノレフィ様こそ俺達、山賊の希望…虐げられてきた俺達の救世主…山賊王となる為に地獄の底から蘇ったのだ!」
「そ、そんな馬鹿な…あわわわ」
「あのー」
「ニュイ達をおいて、盛り上がらないで欲しいのっ」
「自称海賊王とか突然言われても…」
 事情が全くわからない猟兵達を置いて盛り上がる商人と山賊…彼等が説明するには『自称海賊王ゴーモウガ・モジャー』とは、港町『モジャーポート』の名前の由来となった伝説的な冒険者で、『モジャーポート』が使っている航路も彼が発見しただとか…本人は海賊を自称してたが、犯罪行為を行わなかった為『自称海賊王』であるらしい。
 そして『ノレフィ』とは、その『モジャー』の英雄譚の序盤に登場する山賊で『モジャー』によって退治された過去の存在である…即ち…

「オブリビオンか…」
「おぶ?、なんだそりゃ?」
「こっちの話だ、それで…お前達は『ノレフィ山賊団』の拠点を知っているのか?」
「いや、知らねぇ…俺達は『ノレフィ山賊団』に憧れてこの山に集まったが、馬車を襲ってハクを上げないと、入団は認めてもらえんからな…」
「なる程な…なぜお前たちはノレフィとやらを信奉する?」
 英雄譚に登場するとは言え、序盤にやられただけの存在…普通に考えたら憧れを向けるに至らない対象であろう。

「ノレフィ様は…言った、『山賊王に俺はなる』と…そして俺達山賊への差別を撤廃してくれると!」
「差別って悪い事してたら嫌われるのは当たり前じゃない?」
「違う、そうじゃない…そこは俺達だって理解してる、山賊は…いや、『賊』と呼ばれる者達は嫌われてなんぼ、恐れられてこそ華だってな…だが!」
「だが?」
 そう言えば救世主とか言っていた、どうも山賊達は『差別されている』、『迫害を受けている』と思っているらしい、そしてそれは罪を犯した事が起因…とはまた別の話だと…

「何で『海賊』だけは世間から持て囃されているんだ!!」
「「「……」」」
 確かに、自称とは言え『モジャー』も海賊を名乗り、そして持て囃されている…それは彼の功績があっての物だが、そもそも彼が海賊を好き好んで自称していたのも、そういう風潮があるからだろう。

「え…?、まさか、そんなくだらない理由で集まってるの?」
「く、くだらなくはないぞ!、同じ罪人なのに、俺達は何時も英雄譚の雑魚扱い!、なのに海賊の奴らは重要な役とか、場合によっては主役まで…」
「ノレフィ様は山賊王として名を馳せ、そんな山賊のイメージを覆してくれると言ってくれた!!」
 呆れたエルーゼに対して、拳をグッと握り締め、涙を流しながら熱く語る山賊達…そんなくだらない事に、どうやら本気で怒っているようだ。

「良い事して、色々貢献したほうがよっぽどイメージ変わると思うの」
「え?」
「でも、俺達は山賊だし?」
 そんな山賊達にニュイが建設的な提案をする…そう、海賊が持て囃される理由の一つが、航路を発見したりとか功績を上げる事があるからだろう。

「まぁ、お前達の事はお前達が決めればいいが…このまま、お前達は開拓地に連行される、そこで更生が見込まれないと判断されればな…」
「うん、確実に縛り首だろうね」
「「ま、前向きに対処させていただきまーす!」」
「頑張って立ち直るのっ、ニュイも応援するのっ」
 手応えのなさから、こいつらはまだオブリビオンになっていないかもしれない…、ニュイは彼等が更生出来るようにお祈りを捧げたが…彼らが改心するかどうかは、また別の話だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

敷島・初瀬
障害は吹き飛ばせば良いであります」
やられる前に殺るの精神でワクワクしながら仕掛けるでであります。

SPD
周囲を探索して危険を積極的に排除していくであります。

護衛対象より先行し山賊に索敵攻撃を試みます、見つからない様に街道から外れながら移動し敵の待ち伏せを発見すればロケットランチャーによる遠距離攻撃で敵をまとめて吹き飛ばすか、リーダー格がいればそれをライフルで狙撃するなどして敵戦力の削減を狙っていくであります。

可能なら攻撃前に敵の退路に成りそうな所に爆弾や火炎瓶でえげつないブービートラップ(火災を起こして退路を限定し爆弾でまとめて吹き飛ばす等)を狙っていくであります。

(アドリブ大歓迎です)



「障害は吹き飛ばせば良いであります」
「え?」
 最近、凄腕なのに格安で護衛を引き受けてくれる冒険者が現れ、開拓地にも食料が供給されるようになってきた…そう、喜んでいた開拓民の前にヤベー事を言い始める冒険者…猟兵である敷島・初瀬が現れたのだ。

「しょ、障害を吹き飛ばすって?」
「仲間の情報では山賊どもは数がいれど有象無象のカカシであります、ならば自分から攻め入って、あれやこれやと吹っ飛ばそうと思う次第であります!」
「え?、一人で!?、そ、それは流石に…」
「了解しました、この不詳敷島!、依頼者の為に山賊どもをキルゼームオールしてまいりますぞ!」
「は、話を聞いて…あ~、行っちゃった…」
 前に来てくれた冒険者にも幼い少女がいたが、この少女はやばい、アグレッシブすぎる…開拓者達が止める間もなく、敷島は山道を少し外れた山の中に入っていったのだ。

「ふっふっふ、居るでありますな、山賊どもよ…働きもせず、他人の物を盗んで暮らすリア充どもよ…そんな生活は今日が最後であります!」
 山賊は果たしてリア充なのか?…そんな疑問も敷島嬢には通用しない、倒していい奴ら思う存分倒せる機会なのだ、だったらリア充だって事にしたほうが気分が盛り上がる…戦場において、士気の向上は大事なのだ。
「う~ん、退路はこうしてっと…さて、まずは景気づけに一発と…」
 景気づけ、そんな軽い気持ちで取り出されるのは歩兵用のロケットランチャー…アックス&ウィザーズの世界的にはマジックアイテムであろうと認識されるそれを…一切の躊躇なく、街道を通る馬車を待ち構えている山賊達にぶっぱなすのだ。

「ぎゃあああああっ、な、なんだ!?、何が起きた!?」
「ひいぃぃ、ドラゴンか!?、魔法使いか!?」
「くそ、お前ら散れ!、纏めて狙い撃ちされるぞ!!」
 当然、こんなもんをぶち込まれた山賊達はたまったもんじゃない、数人が哀れ無残に爆発四散!、その威力、その光景に大混乱に陥る…そんな中、指示を出す山賊が一人…

「なる程、あやつがリーダー格でありますな」
 実際にリーダーかは分からないが、少なくともこの状況下で冷静さを保てる敵…すなわち、この山賊の部隊を立て直し得る危険分子である事は間違いない。
「One shot, One kill」
 敷島は素早くアサルトライフルを抜くと、ユーベルコードにまで昇華された【精密射撃】によって、見事にその危険分子の頭を撃ち抜いた。

「うわあああああ、け、剣とか全然使えないけど、『俺は男も女も動物さえも行ける三刀流だぜ』と豪語していたソソルデ・エロさんがぁ!!?」
「なんてこった、もう直ぐ『ノレフィ山賊団』に入れそうだった、エロさんがぁ!!、くそ、に、逃げろぉぉ!!」
 やはり、リーダー格だったのか彼が倒れたと同時に混乱は恐慌へと変わり、山賊達は我先にと、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
 …良かった、戦力的には大した問題じゃないが、こんな奴が山賊団に入ると色々ヤバい、ファンに怒られるかも…だが、その危機は敷島の活躍に未然に防がれたのだ!

「うわぁぁ、落とし穴ぁ、し、しかも火が、ぎゃあああああああああああ」
「ま、前を走っていた奴がいきなり爆発した!?…あ…」
「うわぁ、罠だ…しかも、まだ狙われてるぞ!!?」
 山賊達の退路は既に断たれていた…落とし穴にスパイクボール、そして地雷で足止めをくらい、狙撃や火炎瓶で容赦なく殺されていく…恐慌状態の彼等に反撃の術はなく、一人残らず敷島によって始末された、これにて敷島の任務は…

「よーし、ノって来たであります、まだまだ行くでありますよ!」
 終わらないらしい、まだまだやるぞと、ウッキウキのウキで山の中を走る敷島…誰だこんな危険人物を野に放ったのは!?

「ああ、なんてこった!…別に料理は出来ないけど、サイズの合わない靴で山賊生活を続けてたら、足が酷い事になってしまった『グロ足のダイサンジ』さんがぁ!?」
「ああ、ノレフィ山賊団に入ったら、巻き爪でも大丈夫な靴を買うんだって言ってたダイサンジさんが、料理の腕も大惨事のダイサンジさんが!!」
 また一人、リーダー格が倒された後に一人ずつ狩られていく山賊達…そう、彼は料理なんてできないんです、大事な事なので覚えておいてください、料理人じゃないです。

「そ、そんな…『俺は一回刺されただけで死ぬぞ』と豪語していた…『即死の王様マソップ』さんが!、射撃だけは全然ダメなマソップさんが!」
「膝の高さから落下しただけで生死に関わるマソップさんが!、射撃がノーコン過ぎて恐れられたマソップさんがーー!!」
 また一人、リーダー格が…いや、こいつ、今までどうやって生き抜いてきたのだろう?、そんなんでも生きてこれたから尊敬されていたのか?
 まぁ、そんな事情も気にせず、敷島はニッコニコと山賊達をなぎ倒していく…余りの楽しさに情報を聞き出す目的は忘れているが、この恐ろしい幼女の噂は山賊達に流れ、この山道から逃げ出す山賊も現れだした…運送を守るといった意味では大きな戦果を挙げたのである。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「くそ、新入り希望たちに任せておいたら邪魔が入ったみたいだな」
「へい、親分…凄腕の冒険者が現れているみたいですぜ、どうします?」
「ふ…まだ、ロクに略奪もこなせない未熟な山賊達とてめぇらは違うだろ?…俺達は見せつけやらなきゃいけねぇ…いつまでも、山賊達は英雄譚のやられやくじゃねぇって事をな!」
「はい、そうです親分!…そんな親分だからこそ『山賊王』に相応しい!」
「『胸モジャのノレフィ』の恐ろしさ、奴らに見せてやるぜっ!」
「さすが親分、麦ワラみたいに剛毛な胸毛が逞しいですぜ!」
「よ~し、お前ら、親分の胸毛と『山賊王』の名に恥じないよう、気張っていくぜぇ!」
「おおう!『ノレフィ山賊団』の力と、山賊の意地ってやつを見せてやる!」
 猟兵達の活躍に業を煮やした『ノルフィ山賊団』が直接、開拓村に遅いかかってきた、村に火を放たれ、逃げまとう開拓民たち。
 幸い、まだ建物自体が余りないから被害が少なく、貴重な食料は確保しているみたいだ…、しかし、折角始まった開拓の成果を台無しにする山賊たちの暴虐は許されない…下らない理由で人に迷惑をかける山賊達をなぎ倒そう!
ニュイ・ルミエール
POW

【目立たない、変装】で透明化
【世界知識、学習力】で物陰に隠れる

UCでもう1人のにゅい、囮を通じて戦うよ

【かばう、防具改造、盾受け】で味方も守る

何度切っても同じなの
山賊さんの刃は通じないよ?

だから諦めてにゅいと良い事しよ?

種蒔とか楽しいと思うの(こくこく


腕や翼を伸ばし
【怪力、グラップル、投擲】で山賊さんをちぎっては投げるの


【早業、掃除】で胸毛もむしっちゃうの

…わざとじゃないの
にゅい毛が生えないから人間さんのファッションだと思ったの

怒ってないよ?
山賊王の意地とかくだらない事で
皆で作った町こんなにめちゃくちゃにして

うん、にゅい
全然怒ってないの(属性攻撃・炎。粘液発火でむしった胸毛を燃やす


敷島・初瀬
【WIZ】

「ヒャッハー!汚物は消毒であります!」
心の闇に届いたのか山賊の下賤の雄叫び共感してしまいテンションがいけない方向に上がってしまうであります。

「奴らを早く消毒しないと村が汚染されてしまうであります」
ロケットランチャーの弾を【属性攻撃】でナパーム弾(火属性)に変更し【範囲攻撃】でまとめて炎で浄化もとい消毒をしてみるであります。

逃げ惑う山賊には追いかけて頭に火炎瓶をぶつける等、情け容赦なく掃除をしていくであります、村が多少焼けるかもしれませんがコラテラルダメージです目的の為の、致し方ない犠牲であります。


「足りない・・もっと消毒しないと・・・」

(アドリブ大歓迎です)


エルーゼ・フーシェン
『ラーズグリーズ』を抜き、舞うように双剣を振るう。
【2回攻撃】での連続攻撃を行い、【残像】による【フェイント】で空振りを誘い、【なぎ払い】を繰り出す。

護衛のときのが残っており、変に意識してしまう。
それと同時にトリガーのことを何も知らないことを改めて知り、疑問を抱く。
(トリガーの顔、見てきたのは本当に素顔?)

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


トリガー・シックス
『ジョーカー5s』を抜き、【クイックドロウ】による素早い射撃で応戦、近接戦には【グラップル】を交えた徒手空拳や『太極刃【昂陰】』を用いて戦闘を行う。
【残像】を残した【ダッシュ】で間合いを詰めたり、【見切り】からの【カウンター】を繰り出す。

過去のことを聞かれても答えず、戦闘に集中しろと返すだけ。
覆面の下の顔は素顔なのかとエルーゼからは疑問を抱かれるが、「詮索はやめておけ」と返す

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK



「お、俺たちの村が…」
「畜生、『ノルフィ山賊団』めぇ…」
 山賊団の襲来と共に開拓地の僅かな家屋に火を放たれ、轟々と燃え上がる村を悔し涙を流しながらも、見る事しか出来ない開拓者達。

「お前達はここに避難していろ、建築物はまた立て直せばいい…今は生き残る事だけを考えろ」
「頼む…俺達の村の仇を取ってくれ」
「任せてなのっ、トリガーさん、エルーゼさん、打ち合わせ通りお願いなの」
「OKよ、ニュイ…あれ?、敷島は?」
「敷島は、また日課の山賊狩りに出掛けてるな…何、やつの事だ…山賊の気配を感じて戻ってくるだろう」
 現時点でこの村に居る猟兵はトリガー、エルーゼ、ニュイの三人のみである、村人も戦闘経験は無いため、この三人で村人を防衛せねばならない。
 なお、敷島は現在も元気に山狩りをしている、この山賊達とは関係ない方向で爆炎が上がったから、多分、今も元気の筈だ…
 トリガーは敷島の制御を既に諦めていた、あの類のハッピートリガーは下手に抑え付けるよりも、好きに暴れさせた方が戦果を上げる事を経験上知っているからだ。

「ヒャッヒャッヒャ、『ノルフィ山賊団』の恐ろしさを思い知れぇ!」
「皆殺しにして、『山賊王』の伝説の1ページにしてやらぁ!」
 家屋に火をつけて回り、残された僅かな金銭や貴重品などを略奪しながら…山賊達は笑っていた、心の底からこういった行為を楽しんでいるかの様に…
「そこまでなのっ」
「うん?、コイツは…報告にあったスライム使いの小娘か!」
「まだスライムを出してねぇぜ、召喚魔法を使われる前にやっちまえ!」
 猟兵としての能力ゆえに、『可愛らしい少女』と認識されているニュイに、山賊達は容赦なくナタを振り下ろし、その身体を叩き切る…相手が子供であろうが、良心の呵責もなしにこういう行為に及べるようだ…が――。

「ムダなのっ」
「な!?、さ、再生した!?…うぎゃっ!?」
 切り裂いたはずのニュイの体はすぐさまくっ付いて元に戻り…それに驚いた山賊を捕まえ、見た目によらぬ怪力でそのまま投げ捨てる。
「?…あれ、これ?」
「お、俺の胸毛がぁっ!?」
「て、てめっ、俺達の『誇り』をよくもっ!!」
 山賊を投げ飛ばした後に、ニュイの手には毛の様な物が残っていた…よく見れば山賊達全員が胸毛を生やしている…どうやら彼等の『誇り』らしいが…

「…わざとじゃないの」
「知るか、死ねっ!…うぎゃあっ!」
 山賊は斬りかかるが…ニュイは斬られても全くダメージを受けず、逆にまた胸毛をむしられながら、投げられてしまう。
「くそ、来るな、来るなぁっ!!、うぎゃあああ」
 他の山賊が石つぶてを投げる、ニュイの体にめり込み、破損が発生するが…すぐ戻る、投石を意に介さずニュイは山賊に近寄り、掴みかかり…また胸毛ごと、引きちぎって投げ飛ばす。
「絶対わざとだぁーーー!!」
「怒ってないよ?、山賊王の意地とかくだらない事で、皆で作った町こんなにめちゃくちゃにして…うん、にゅい…全然怒ってないの」
 明らかに怒っている、短い間とは言え…護衛をしながらこの開拓地で働く者達を見守っていたニュイ…その努力を踏み躙ったのだから、温厚な彼女であっても怒りを覚えるのであろう。
 ニュイの手に握られていた彼等の『誇り』…こんなくだらない物の為にと言わんばかりに、握られていた胸毛は彼らの目の前で燃え上がり、消し炭にされた。

「くそ、こんな奴を相手にしていられるか、村の奴を捕まえて人質にしろ!」
「そんな事、させると思うか?」
 攻撃が一切通じないニュイから逃げるように山賊達はターゲットを変えようとする、しかし、そこに立ちふさがるのはトリガー。
「てめぇ…がっ」
「ぐぎゃっ!?」
「かはっ!?」
 銃声は一回、されど三人が同時に倒れる…トリガーの『ジョーカ5s』の射撃が早すぎて三射の銃声が重なり一回だけしか聞こえなかったのだ。

「こっちもいるよ~!!」
「「「うぎゃあああああああ」」」
 雑魚だった山道の山賊の時とは違い、【トリニティ・エンハンス】を賭け攻撃力を増大させたエルーゼのなぎ払いは、複数人の山賊を天高く吹き飛ばすほどの威力を持ち、その威力で意識が飛んだ山賊達は無防備に地面へと落下し、そのまま動かなくなった。

「報告にあった、恋人同士の冒険者か!!」
「ちょ、違うわ!」
 護衛の時の勘違いが山賊達にも伝わっていたのか、あの時に感じた変な意識が蘇り、エルーゼは思わず大声で否定する、耳まで赤いの気のせいだろうか?
「だ、だって、だから…私、よく考えてみたらトリガーの事何も知らないし…ううぅ」
「おい、エルーゼ…取り敢えず、戦闘に集中しろ」
「ねぇ、トリガー…トリガーの顔、見てきたのは本当に素顔?」
「詮索はやめておけ…って、おい、後ろ!」
「い、イチャついてるんじゃねーーー!!!」
 男所帯で恋愛なんてご察しな山賊達は、若干涙目になりながらも鋭い一撃を放つ…げに恐るべきは嫉妬の力か…普段以上の斬撃がエルーゼの背後から襲いかかる。

「させないのっ!」
「あ、ごめんニュイ、ちょっと気が動転しちゃった」
「いいの、そういう打ち合わせだし…エルーゼさんにとっては大事な事だから仕方ないのっ!」
「いや、流石に油断のしすぎだ…こいつらは前の山賊とは手応えが違う、まともに攻撃を受けると危ないぞ」
「うん、ごめん…立て直すわ」
 咄嗟のところでニュイが庇う、相変わらずニュイには山賊の攻撃は通じない…が、トリガーもエルーゼも感じていた、斬ったとき、撃った時の感触が護衛の時とは少し違う…こいつらは完全に『山賊』…もう、オブリビオンなのだと理解した。

「くそ、このスライム使い、何やっても効かねえっ!!」
 山賊がいくら切りかかっても、石つぶてを投げかけようが…ニュイにはまるで通用しない、全てのダメージが何事も無かったかの様に戻ってしまう。
 しかも、ニュイが前衛に立ち、後ろの二人を庇うため…トリガーとエルーゼに攻撃を届かせる事が中々できない…そして、数にまかせて無理やり届かせても。

「残像だ」
「残念、残像よ」
「アイエエエエエ、残像ナンデ!?…ぎょええええええっ!!」
「この二人、動きが早すぎ…ぎゃああああああっ!!」
 残像、フェイント、ダッシュ、見切りと…回避を技能を駆使する二人の動きを捉えるのも難しく、折角の攻撃のチャンスも空振りに終わり、返す刀で切り捨てられる。
 エルーゼが『ラーズグリーズ』で舞うように剣撃を繰り出せば、まるでそれに吸い込まれるかのように山賊は斬られ、地に伏せていく。
 トリガーも徒手空拳と『太極刃【昂陰】』による剣術で近接にも隙がなく、また距離を取っても、あの驚異に早撃ちの的にされるだけ。
 集団で石つぶてを投げようとも、ニュイと言う壁がそれを防ぐ、山賊達は攻めあぐね、その数をどんどんと減らしていってしまう。

(こ、このままじゃ俺達は…うん?)
 そんな中、一人の山賊が燃え上がる炎の中に不自然な物を見つける、一部だけ炎の燃え方がおかしい…炎が、光が、屈折している…透明な『何か』がまるで其処に居るかのように…
「そ、そこだぁ!!」
「ひゃあ」
 山賊が投げた石つぶてが透明な何か…ニュイに命中すると、そっちのニュイは痛がり、ちゃんとダメージが入る。

「あーあ、見つかっちゃったの」
 それと同時に、壁役だったニュイ…正確にはニュイのユーベルコード【Fontaine d'eau de vie.(イノチノイズミノミズ)】によって作られた、無限に再生する自身の似姿が水となって溶けて消えた。
 この分身は無敵だが、操作中は自身が動けなくなるという欠点がある、その為、ニュイは透明化して姿を隠していたのだ。

「そっちが本体か、よし殺れっ!」
「させんっ!」
「ぎゃあっ、な、なんだこいつはっ!?」
 そして、動けないニュイを…透明化しているとは言え無防備のままにするほどトリガーは甘くはない、見つかった時の保険として【幽幻なる狩人(ファントムハンター)】を護衛として潜ませていた…斬りかかりに行った山賊達は、アサシンの弓矢で頭を射抜かれ地に伏せる。

「倒せたのは半数って所ね、作戦はまぁ成功かしら?」
「そうだな、透明化してたとは言え…遮蔽物の少ない割には上手くいったな」
「もう少し上手く隠れたかったけど、お家が全部焼けちゃってたから、身を隠すところが少なかったの…」
 開拓間もないこの村は建造物が少なく、また家屋が燃え上がっている為に何時かは見つかる…それを前提として出来る限りニュイを隠し通し、無敵の盾である『囮』(似姿)を利用して数を減らす作戦は上手くいったと言える…山賊達の半数はこれによって倒されたのだ。

「へっへっへ、タネさえ分かればこっちのもんよ!」
「やられた分は取り戻さねぇとなぁ…ヒヒヒ、女二人には楽しませて貰うぜぇ」
 そんな前提を知らない山賊達は、まるで、もう勝ったかの様に下賎な雄叫びをあげる…その声は山賊達に伝播し、山賊達に士気が戻り、集団が活気づく。

(ちっ、厄介だな…)
 計算通りの展開とはいえ、ここで山賊達の士気が戻るのは厄介だ…単細胞も場合によっては良い方向に働くもんだと、トリガーが眉をひそめた矢先…その下賎な叫びに共鳴する『アイツ』が現れた、現れてしまったのだ。

「ヒャッハー!汚物は消毒であります!」
「「「「え?」」」」
「あ…」
「敷島!?」
「もう帰ってきたの!?」
 盛り上がっていた山賊達の背後に『アイツ』こと敷島が現れた、山賊達の下賎な叫びに共鳴し、既にニコニコの眩しい笑顔、ウッキウキのウキの上を行く、世紀末ハイテンションでロケットランチャーを構えたままエントリー!

「奴らを早く消毒しないと村が汚染されてしまうであります」
「ぎゃあああああああああ」
「うわああああああっ、噂のデストロイヤー幼女だぁぁっ!!?」
 敷島のテンションに応じたかのように、ロケットランチャーの爆発も絶好調!、広範囲に渡っての爆撃と炎で山賊達がどんどん燃えていく…せっかく上がった山賊の士気も噂のデストロイヤーの登場によってドン底まで叩き落とされた。

「し、敷島さん、家が、家も壊れちゃうの!」
「ニュイさん、これは致し方なき犠牲、要するにコラテラルダメージと言う奴であります!」
「ニュイ、気持ちはわかるけど…もう全焼確定だから仕方がないよ」
「それより、山賊の撃ち漏らしが村人を襲わない様に動くぞ!」
 敷島の範囲攻撃は容赦がない、燃え上がっていた家屋ごと山賊達を爆砕消毒して行くのだ。
 仲間がもたらす破壊に慌てるニュイであったが…もともと、消し止める事も出来ないほど燃え上がっていたのだから気にしても仕方がない。
 大雑把な制圧は敷島に任せて、トリガー達は村人達の護衛の為に動き出す…散り散りになった山賊に村人を襲われては家屋の犠牲も無駄になる。

 そんなトリガー達を見て、敷島は考える…

『村人は彼らに任せられる』
     ↓
『山賊は自分が任された』
     ↓
『これから毎日、山賊を焼こうぜ!』

 そんな酷い三段論法が敷島の脳内に駆け巡ると同時に、結った髪がピコンと動く、いい笑顔だ、すごくいい笑顔だ、笑顔とは本来攻撃的なものだ!

「ヒャア、我慢できねぇであります!」
「ぎゃあああああっ!!」
「に、逃げろ、ほ、放火魔だ!、あれは俺達を焼く事しか考えてない放火魔の目だ!!」
 飛び交う火炎瓶、爆炎を上げるロケットランチャー…『汚物は消毒せねばならぬ』そんな、心の中の聖帝が、己が内の上官殿がそう命じるのだ…敷島は駆り立てられるかの様に山賊達を焼き払う。
「足りない・・もっと消毒しないと・・・」
 この野に放たれた山賊だけを燃やす機会…いや、山賊を燃やすだけの危険人物から逃げるように散り散りになっていく『ノルフィ山賊団』。
 ほぼ潰走したと言える彼等だが、ここにはまだ村人達がいる…逃げまとう残党に村人を襲わせない為にもきっちりと『ノルフィ山賊団』を根絶やしにしよう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
開拓村が山賊に襲撃を受けているとの連絡を受けて転移してきましたが、遠くの方でロケットランチャーの発射音が聞こえてきますね…

しかしこの炎…昔受けた任務を思い出します。リア充に敵意を向ける少女…当時を思い出すと電子頭脳にノイズが…。メタ的に言うと【サンタシップよ、くれぐれもインド人は右にまわること】…


さて、山賊達は散り散りになって逃走しているようですが彼らは極悪人、一人も逃がすつもりはありません。UCの妖精ロボに追尾させ、機械馬に騎乗し追跡。徒歩と馬との機動力の差で追い詰めます。
怪力で槍を振るい手早く片付けてしまいましょう
逃げ出しても格納銃での狙撃で仕留めます。

山賊に騎士道云々する気はありません



「山賊ですか、報告によるとかなりの極悪人のようですね…これは一人も逃せません」
 機械馬に跨り、颯爽と現れたのは巨体を誇るウォーマシンのトリテレイア・ゼロナイン…燃え上がる村を見て、極悪たる山賊達の殲滅を決意する…しかし…

「爆発が…村ごと山賊達を蹴散らす爆炎が…ううっ」
 無遠慮に村ごと山賊達に放たれるロケットランチャーを見て、トリテレイアは手を額に当てて呻く、何か電子頭脳にノイズをもたらす混沌を思い出してしまうのだ…
「あの、無遠慮でえげつない…倫理の欠片も感じられない爆炎は…まさか、彼女か?」
 嘗て共に戦った…リア充に殺意を向ける少女を連想し、トリテレイアの背筋に冷たいものが走る。
 此度の任務は山賊達は勿論の事、味方にも注意を払ったほうがいいかも知れない、何時でも【無敵城塞】を出せる心構えはしておこうとトリテレイアは誓ったのだ。

「とは言え、今回は説教はなしですかね…彼女がやらずとも村はもう…」
 ロケットランチャーは単に村が焼けるのを早めてるに過ぎない…山賊達によって建造物は既に手遅れなのだ…現場に着き、その極悪さを改めて感じたトリテレイアはユーベルコード【自律式妖精型ロボ 格納・コントロールユニット(スティールフェアリーズ・ネスト)】を発動させる。

「御伽噺の騎士に導き手の妖精はつきものです…これは偽物なのですが…それに、此度は騎士道を求めるに値しない悪党が相手、速やかに処理させて頂きましょう」
 その言葉通り、トリテレイアの『狩り』は速やかで且つ、容赦がなかった…逃げまとう山賊を妖精型の偵察ロボが見つけ出せば…
「ふぅん!」
「うぎゃあああっ!」
「じゅ、重装騎兵だと!?、くそ、くそぉ…ぎゃあああ」
 機械馬で駆けるトリテレイアに追われれば、徒歩の山賊では機動力に差がありすぎる…あっさりと追いつかれ、一人、また一人とその槍で屠られていく。
 彼等にはトリテレイアは重騎兵だと思えるだろう…アックス&ウィザーズに置いて、それは騎士団の主力とも言える戦力…その姿を見ただけで山賊は絶望を覚えるだろう…
 ましてや、トリテレイアの機械馬『ロシナンテⅡ』は巨体の主人に合わせてとても大きい、その大きさたるは乙女の夢ぶち壊しレベルである…生身の馬であっても1トンは優に超えるだろう…そんなサイズの鉄の塊が高速で追いかけてくるのだ、山賊はもう泣くしかない…しかも――

「ぎゃああっ、な、なんか飛ばしてきたぞ」
「ま、マジックアイテムまで持ってやがるのか!?」
「畜生、何でこんなチンケな村にこんな奴がぁ!?」
 銃なんて極めて希少なアックス&ウィザーズに置いて、最下層な存在である『山賊』から見れば、トリテレイアの腕や頭部に格納されている狙撃銃など、魔法の産物にしか思えないだろう…彼らからしてみれば、トリテレイアは伝説級の装備を身にまとった巨大な重騎兵…戦意など根刮ぎへし折ってくる圧倒的上位の存在だ。

「ひぃ、ひぃい、た、助け…」
「貴方はそうやって命乞いをしたものを助けたりするのですか?」
「そ、それは……し、してる、して…」
 山賊は助かろうと思い、嘘を付こうとした…が、トリテレイアは最初から許すつもりなどない、どう答えようが、その言葉は信じるに値しないと…この地に来て、焼かれる村を見た時に断定したのだ。
 騎士道云々を引っ込め、ただ敵を排除する『機械』になったトリテレイアは悲しいほどに強い、もはや山賊達は逃げることすら出来ず、駆除されていくだけだ…残るは…。

(最後の抵抗、村人を捕まえて人質にしようとする者ですか…そちらはあの人に任せましょう)
 村人の守りは他の猟兵に任せ、トリテレイアは散り散りになった山賊達を殲滅するために駆け回るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

トール・ペルクナス
阿呆か山賊に王などいるわけがなかろう
それに開拓民に被害が出ている、これは見過ごせんな

とは言っても相手も半分素人の様なモノ
【属性攻撃:雷】で帯電させた5本の電界の剣を【電磁誘導】で操作して山賊たちの迎撃にあたるが【先制攻撃】と電流での【マヒ攻撃】を重点的に使用して行動不能を狙う
私自身はその場から動かずこちらへ向かってくる山賊の攻撃は機械籠手で【武器受け】してから雷を纏ったデコピンで痺れさせる
「貴様らには罪を償うためにも労働の人手になってもらわねばな」
その場から逃げようとする輩がいれば視界内なら【発雷】を使い文字通り雷を落とす

※アドリブ連携歓迎



「くそ、話以上に手強い冒険者だ…」
「親分が来る前に人質ぐらい確保しねぇと…」
 腕利きの冒険者…即ち猟兵達には敵わないと早期に判断して、燃える村の奥…まだ、唯一燃えてない家屋を目指して進む山賊達。
 しかし、村人達の守りを置かずに出陣するなど…猟兵達はそのような迂闊な真似はしないのだ…

「開拓民に被害が出るのは、見過ごせんな」
 守りの猟兵、トール・ペルクナスは山賊達を待ち構えながら呟く…若い見た目に反した落ち着きのある立ち振る舞い、不老の呪い故に年を取らなくなった彼は御年72歳になる。

「ち、護衛がいやがるか…だが、一人だ!」
「けっ、イケメンめ!、野郎ども一斉にかかるぞ!」
「おう、3人以上同時だ!、どんな強者も三人同時に攻撃すれば…」
 流石にいち早く状況を察して、人質を抑えに行った山賊達、他の山賊よりかは知恵が回り用心深いようだが…

「三人?、それでは足りないぞ…五人までなら同時に相手してやろう」
「え?」
 それでも足りない、トールは既にユーベルコード【電磁誘導(エレクトロニクス)】にて、五本の電界の剣…即ち『ママラガン』『トラロック』『タニラス』『インドラ』『ユピテル』を操作している状態…既にこの場はトールの間合い、待ち構えていたのだ、当然準備は既に終わっている。

「ぎゃあああああああ!」
「シビ、シビレレレ!!」
「ひぎぃ!!」
「やはり、半分素人の様なモノ…この程度か」
 最初に掛かってきた三人は『タニラス』のマヒ攻撃のみであっさりと沈む…彼我の実力差は明白、しかもトールの方が待ち構えて居た立場…万全の体制をもって相対するのだ、地の利はトールにある。
「くそ、な、舐めるなぁ!」
「男など舐めるか、気持ちが悪い」
「そういう意味じゃ…あぎゃん!」
 馬鹿にされたと憤慨して斬りかかる山賊であったが、その斬撃はあっさりと機械小手に阻まれ、反撃はなんとデコピン…しかし、雷を纏っているらしく…その一撃で山賊は気を失う。

「くっ、手加減のつもりか!?」
「そうだ…殺してしまっては償えないだろう?」
「ああんっ!?、償うだと?」
 山賊達はその言葉を聞いて、コイツは人を殺せないアマちゃんなのかと思い…其処に付け入る隙があるかもと、期待した…が、それはトールの冷たい視線に射抜かれるまでの話だった。

「これだけ村を焼かれたんだ…復興には労力が要るだろう?」
(こ、こいつ…俺達を奴隷にするつもりか!?)
「ろ、労働なんて冗談じゃねぇ!…ズラか…ぐわああああああああっ!!」
「ひ、ひぃ…に、睨んだだけで黒焦げに!!」
 トールは生かすつもりと言うより、活かすつもりなのだ…そう、この戦いの後の復興の為に…それは甘さではない、それは次の瞬間、逃げようとした山賊の一人が身を持って示してくれた。
 『労働』か『死』か…その二択なのだ、それ以外の答えなどトールは用意していない、逃げ場もない…トールの【発雷】は睨んだだけで発動し、雷を…雷速を回避するなど山賊風情に出来るはずもないのだ。

「い、命だけはお助けを…」
「うむ、心を入れ替えて、毎日労働に励むようにな」
 山賊達は恐怖に屈服した…多少の知恵が回る奴らだっただけに、理解するしかないのだ…この男には敵わないと、そして逃げ出す事も騙す事も出来ないだろうと…

「ううぅ、こうなったら親分に期待するしか…」
「わ、我らが『山賊王』なら、俺達を開放してくれる筈…」
「阿呆か山賊に王などいるわけがなかろう…山賊だろうが、海賊だろうが…賊は賊、末路はこんなものだ」
 観念し、縄に繋がれた山賊達は自分達の頭…自称『山賊王ノレフィ』に望みを託す、そんな彼らを見てトールは呆れる…罪人に王などいないと…そして、その親玉の命運も、自分達が終わらせるのだと言ってみせた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『山賊親分』

POW   :    強欲の叫び
【酒!】【金!!】【女!!!欲望に任せた叫び声をあげる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    剛斧一閃
【大斧】による素早い一撃を放つ。また、【服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    手下を呼ぶ
レベル×5体の、小型の戦闘用【山賊子分】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「くそ、先発隊もやられたか…おのれ、冒険者どもめ…だが、お前達の活躍もそこまでだ!」
 身長2mを超える大男、間違っても体がゴムだったりしない…筋肉隆々たる大男が、部下達の惨状を見て吠える。
「英雄気取りの冒険者めが!、山賊はお前達の活躍のダシじゃないぞ!、我等が山賊達の無念、積年の雪辱をこの俺…『山賊王』ノレフィが晴らしてくれよう!」
 麦わら帽子などオシャレなものではない、何かの獣の皮を被った大男は拳を天に掲げて力説する!
「親分!山賊王!、我等の希望!」
 背後の部下たちもテンションを上げて剣を掲げる、先発隊の無様な惨状を見せつけられても士気は衰えない…信じているのだ、自分達の親分を。
「よし、この俺様に付いてこい、我が名はノレフィ!、ノレフィ・チュートリアルなり!!」
 ああ、無情かな…そんな部下の信頼を裏切るフルネーム、どう足掻いても序盤で倒される雑魚ボス感が拭えない名前だ!
「山賊王に、俺はなる!!」
 そんなフラグなど気にせず、ノレフィは叫ぶ…あまり連呼をして貰いたくない決めゼリフを…その、ファンの人はごめんなさい。
 とにかく、こんなアホはとっととブチコロガシテ、この馬鹿らしいチュートリアルを終わらせよう!
ニュイ・ルミエール
真の英雄はこの何も無い土地を
命を懸けて切り開こうとしてる開拓者さん達なの!

その誇りを奪う事しか考えなかった貴方に
王様になる資格なんてないんだ!

【早業、防具改造、庇う、盾受け、激痛耐性】
刃や腕を絡め取り

【怪力、グラップル、ロープワーク、投擲】
敵を掴み投げ捨て追突させる

その
努力を踏みにじる「強欲」
自らの事しか考えない「怠惰」

にゅいが悔い改めさせるの!

【覚悟、破魔、掃除、属性攻撃・聖】

Se repentir!




村…完全に焼けちゃったの…

せめてこれだけでも

【世界知識、救助活動、優しさ、祈り】

Remplir la terre

枯れ果てた大地にスライムを浸透
汚染を排し生命力を回復
作物が実るように神様にお願い



「けっ、しけた村だぜ、何もありゃしねぇぜ!」
 燃え盛る村をのし歩きながら、ノレフィはそうぼやく…この村は獲物としてみたら美味しくない…英雄気取りのムカつく奴らが居なければ、割に合わない仕事だと言わんばかりな態度だ。
「何もねえ場所で必死こいて何やってんだか、馬鹿な奴らだよな全く、俺様みたいに賢く生きる脳が無いのかねぇ?」
 基本的にノレフィは『働いたら負けだと思ってる』タイプだ、大体の山賊がそうであるが、誰かの成果を、収穫を、稼ぎを暴力で奪う…これが賢い生き方だと思っているのだ。

「それは違うのっ!」
「けっ、出やがった英雄気取りのクソガキが、悪い子にはお仕置きしてやらねぇとなぁ~」
「それも違うのっ!、真の英雄はこの何も無い土地を命を懸けて切り開こうとしてる開拓者さん達なの!」
 ニュイはノレフィに真っ直ぐに自分の言葉をぶつけた、遥かな夢を追いかけ、努力を重ね少しずつ村を開いていく…そんな生き方も、夢を追う英雄の様に思えた、彼等のその姿を馬鹿にされたくない。

「……あん?、てめぇ馬鹿な事を…言ってんじゃねぇよっ、死ねよクソガキがぁ!!」
「ゎ!?……っ!?」
 言葉を受けたノレフィの反応は急な激昂…、怒りに任せた剛斧の一閃は、盾受けこそ間に合いはしたが、ニュイの小さな体を軽く吹き飛ばす。
「切り開く事こそ英雄だぁ!?、あのクソ野郎と…モジャーと同じ言葉を吐いたな、死ね、死ね死ねっ!」
 激昂の理由、それは嘗て自身を討伐した英雄と同じ様な事をニュイが言ったからだ…大海原で新しい海路を発見した彼もまた、新たに切り開く事に大きな価値を感じるタイプであったのだろう。

「やっぱり、貴方は山賊王なんかじゃない、王様になんてなれない」
「んだとぉ!?」
 吹っ飛ばされたとは言え、叩きつける衝撃は軟体の身体を持つニュイにはあまりダメージにはならない、すっと立ち上がったニュイは、ノレフィの『山賊王』を否定する。

「切り開く人が居るからこそ未来が拓く、多くの人に夢と誇りを『与え』られる…なのに、その誇りを奪う事しか考えなかった貴方に、王様になる資格なんてないんだ!」
「ふざけるな、俺様は『山賊王』、山賊達の夢と誇りだ!、海賊どもから…モジャーのクソ野郎から名声を『奪い』取り、地位も名誉も金も酒も女も…全て『奪う』、これこそが王の在り方よぉ!」
 正反対の主張、『未来』を開き、夢と希望を『与える』者こそ王であると言うニュイと、『過去』の名声も、全て『奪う』ものこそ王であると叫ぶノレフィ…猟兵とオブリビオン…その在り方の様に二人の考え方は相反するものである。

「ムカつくぜ…てめぇの言動は虫唾が走る…売るのは止めだ、俺の斧でグッチャグチャにしてやるから、泣いて後悔しなぁ!」
「その努力を踏みにじる「強欲」、自らの事しか考えない「怠惰」…にゅいが悔い改めさせるの!」
 その主張を、存在を赦せはしないと…怒りのままにノレフィの巨体から大斧が繰り出される、血走ったその目には理性は欠片も感じられない。
 反して、ニュイもその主張は受け入れられないが…冷静だった。
 ニュイの身体に大斧がくい込むも、切り裂かれない…相手の動きを冷静に見て、肉体の硬軟を巧みに操り、己の肉体自体で大斧を掴み取る。

「ば、馬鹿な俺の斧が止まる!?、なんだこの体は!?、モジャーの腕毛みたいに絡み付きやがって!!」
「むしろモジャーさんの腕毛どうなってるのっ!?」
 聖者の魂や神の血の効果でこの様な真似が出来るニュイだけに…一体、腕の毛でどうやって似たような状況を作り出したのか…と思わずツッコミを入れてしまったが、今はそれ所じゃない。

「くそ、なんて…」
「力、なのっ!」
 投げ飛ばそうとするニュイの怪力と、引き剥がそうとするノレフィの怪力は互角なのだ。
 硬直状態の中、ノレフィはただ只管に振り解こうと力を込めるのに対し、ニュイは現状を分析し、ある『覚悟』を決める。

「『悔い改めよ』その身に宿す悪の重さが罪をも重くする……あなたの言葉、にゅいも聞くから、だから……祈りをここに。Amen.」
 その覚悟とは、この距離で自身のユーベルコード【Se repentir.(クイアラタメヨ)】を発動させる事、この技は自身へ害意や悪感情を向けた者に対し、罪の大きさに応じた光の十字架を放つユーベルコードである。
 この技を使うにあたり、ノレフィは条件を『満たしすぎている』、仇敵を思い出させたニュイの言動に凄まじいまでの悪感情を向け、罪の重さも相当な物であろう…故に威力が高くなりすぎるのだ、この距離で放てば反動で自身も痛い目にあうだろう、しかし…

「この距離なら絶対に外さないのっ!」
「なっ、ぐぎゃあああああああああああああああっ!!!?」
 元々命中率の高い技であるが、斧を自身の体で掴んでいる今ならば外すなんて事はありえない…そして、ニュイが覚悟していた通りの極大の十字架がノルフィに炸裂し、その反動でニュイの体も後方へ吹き飛ばされる。

「あいたたたた…何とか勝てたの」
 軟体であっても身体が軋むように痛む、痛みに堪えながらニュイが立ち上がると、眼前には下半身だけ残されているノレフィの体が、青白い炎を上げて燃え上がっている。
「…あれ?」
 ニュイの【Se repentir.(クイアラタメヨ)】に青白く燃え上がらせるような効果はない、そして猟兵はこの場には自分だけだ…残されたノレフィの状態に疑問が残るが…
「でも、死んでるの…」
 流石に生きてはいない、青白い炎を上げながらその身体は消滅へ向かっている…初めて見る状態だが、過去から蘇った事が確定している存在だから、死ぬ時はこういう物なのかな?…と、ニュイは警戒はしながらも、取り敢えず置いておく事にした。

「村…完全に焼けちゃったの…」
 元凶は倒したが、村の被害は甚大だ…その光景に心を痛めたニュイは、【Remplir la terre.(ウメヨフエヨチニミチヨ】を発動、浄化する能力を持つプチスライム達で地を満たし、せめて作物が実るようにと、地を浄化し生命力を与え始めた。
「神様、どうかお願い……え?」
 そんなニュイの願いが神に届いたかは今は分からないが…恐らくは、その願いとは関係ない、起きて欲しくない『奇跡』が起きてしまった。

「ぬおおおお!?、死ぬかと思った、いや死んだ!?、でも俺様大復活!!」
「ええっ、何で!?」
 ノレフィが蘇ってしまった!、実際、殺しても蘇るオブリビオンは居る、居るが…それはオブリビオンフォーミュラーであった銀河皇帝とその側近ぐらい、どう考えてもノレフィにそんな『格』があるとは思えぬのに復活したのだ。

「げぇ、何かスライム出してやがる…クソ、何か体がいてぇしここは一時撤退だぜ!」
「…あ、待つのっ!」
 そして、ノレフィは逃げ出した!、ニュイはユーベルコードの連続発動による疲労で追う事が出来ず、後は他の仲間に任せるしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

敷島・初瀬
【POW】ここでさらに限界突破であります。

親分の叫びに呼応するかのよう、炎の中からどこかの初号機が暴走した時のような咆哮をあげラスボスの様に登場してみます、その際に消毒済みの山賊を引きずってるかもしれないであります。

「貴様を消毒すれば任務完了であります!」
引きずってた山賊を親分にぶつけ、全身からいけないオーラを出しながら戦闘に参加します。

【範囲攻撃】【属性攻撃】でナパーム弾にしたロケットランチャーを乱射して消毒を試みます、周囲の被害は気にしないであります。

「任務完了であります」
戦いが終わったら虚空と会話しながら見えない上司に敬礼し村から去っていくであります。

(アドリブ、絡み大歓迎です)



「よし、逃げ切った…ふっふっふ、まさか復活なんて出来るなんてな、俺様にもツキが回ってきたか?」
 一度死んでから蘇り、何とか逃げ切った所でノレフィはニヤリと笑ってそんな事を呟く…自分でも理解出来ないのに蘇った事を不安に思わない思慮のなさは、ある意味で大したものである。
「よーし、部下どもと合流して、不死身の俺様の真の力を見せてやる…そうだ、俺は…」
 一度は敗北したが、ノレフィはまだ諦めない…拳にグッと力を入れて、負け癖を振り払おうと、己の野望を、欲望を叫ぶために息を大きく吸い込み…

「山賊王に俺はなぁぁるっ!」
「あ゛りますうお゛ぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「……え?」
 合流地点には奴が居た、そう…最大の要注意人物、最凶の危険人物、敷島・初瀬が燃え盛る炎の中、乙女が出しちゃいけない声で雄叫びを上げていた。
「お、お前たちぃぃ!!?」
「お、親分…逃げ…て…ぐふっ!」
「おや、この汚物はまだ息があったでありますか…でも、これで消毒完了でありますな」
 燃え盛る炎の燃料は汚物…即ち、ノレフィの部下達であった…ノレフィが一回死んでいる間に、敷島によって既に部下は壊滅状態に陥っていたのだ。
「き、貴様、良くも俺の部下を…」
「これで貴様を消毒すれば任務完了であります!」
「どわあああー、あちっ、あちちちっ!!」
 敷島の手に握られていた何か…それは消毒中の汚物、即ち燃え盛る『山賊だったもの』だ、それを躊躇なくノレフィに投げつけた。

「し、死体を投げるな!、どんな教育を受けてきたんだこのガキ!!」
 これには山賊であるノレフィすらドン引きであった、ダメージよりも行為のヤバさにビビったのか、若干腰が引けているノレフィ……所詮、小物である。
「聖・帝(ひじりみかど)軍曹にであります!」
「どこの何もんだよ、そいつ!?」
「あ、軍曹殿…はい、汚物との会話は直ちに中止し、消毒を再開するであります!」
 敷島は虚空に向かって敬礼し、ロケットランチャーを構え…周囲の森が萌える事も気にせず、ロケットランチャーをぶっぱなす。

「待て、待て、二つの意味で待てぇぇぇ!?、森が燃えるぞ!?、それに居ないだろ!、其処に誰も居ないだろぉ!!」
「聖・帝軍曹は自分の心の中に居るであります!、ちょっと森が燃えても軍曹殿の命令なので仕方ないのであります、戦争で起きた被害は上層部の責任であります!!」
「架空の人物に責任を押し付けるな…ぐぎゃあああああああああっ!!!?」
 戦争責任とは軍を動かすお偉いさんにあり、兵士個人に責任を追及されたりはしない…故に致し方ないコラテラルダメージも、謎の上官『聖・帝軍曹』の責任であるとは、敷島の談。
 架空の人物に責任を丸投げする姿勢には、流石のノレフィもツッコミ側に回る、そして、我慢できずにツッコミを入れた瞬間、脚が止まって、ロケットランチャーの爆風に巻き込まれた。

「ふっふっふ、完璧な作戦でありましたな…さぁ、観念するがいいであります、汚物の団体様…略して『おぶつだん』!」
「ま、まだお陀仏してねぇ!…クソ、誰か…誰か居ないのか、手を貸せ!!」
「無駄無駄無駄ァ!、汚物は既に消毒済みであります!…『おぶつだん』一行はここで全滅…むむっ!!?」
 爆風でちょっと焦げて、アフロヘアになったノレフィが、苦し紛れに助けを呼ぶ…部下は既に全滅、無駄な行為の筈だった、筈だったのだが…部下が『召喚』されたのだ。

「おお、居るじゃねぇか!、お前達、あのガキを倒せ!」
「了解ですぜ、親ぶ…」
「『おぶつだん』のおかわりでありますね!、もっと消毒していいんだ、やったーであります!」
「「「え?」」」
 死んだはずの山賊が『召喚』された事、呼び出したのが殺した筈の奴だった事…そしてノレフィが『召喚』したと言う自覚を持たぬ事…常人ならば、この違和感で戸惑ったであろう、しかし敷島は敷島である、心も体も常人じゃない。
 呼び出された山賊達など、消毒タイムの延長サービスぐらいにしか感じない敷島は、一秒の戸惑いもなく、一ミリの躊躇もなく、呼び出された山賊達を纏めてロケットランチャーで吹っ飛ばした!

「お、お前達!?、た、退場が早すぎだぁぁぁっ!!」
「ヒャッハー、もっと出すであります、ジャンジャン消毒するでありますよー!!」
 呼び出した部下が秒殺されたショックでノレフィも…消毒追加で喜ぶ敷島も…彼らが一撃で倒れ、青白い炎と共に消滅すると言う違和感に言及しない。
 おかしい事に気が付いてはいるのだが、敷島にはそれ以上に消毒が楽しいので、そんな事を気にする事など優先順位が低いのだ。

「おら、もっと汚物を出すでありますよ!」
「いて、蹴るな、殴るな、何これ、新手のいじめ!?」
「もっと汚物もってるでありますよね、おら、ジャンプするであります!」
「山賊相手に幼女がカツアゲするんじゃねぇ、それに出すとか無理言うな、お前がさっき全滅させただろ!」
「うん?、また『召喚』すればいいんでありますよ?」
「あ?、『召喚』?、俺様に魔法が使えるわけが……――え?」
 魔法は使えない、ノレフィがそう言った瞬間、ハイテンションだった敷島の目が急に冷たくなる…そして次の瞬間、ノレフィの眉間に無慈悲な銃弾が撃ち込まれた。

(ふむ、やっぱりでありますか…)
 次の瞬間、ノレフィの身体がまた、青白い炎に覆われて消滅していく…ノレフィの自覚のなさを見て、敷島は理解したのだ。
(これで終わるでありますか、また復活するでありますか…)
 敷島は隠れて様子を見る…気が付いたのだ、この任務自体はノレフィを倒せば完了するが…汚物達の裏には、まだ更なる汚物が潜んでいると。

「うおお、また復活できたぜ…む?、あのガキ何処いった!?」
 また、ノレフィが復活を果たす…しかし、蘇ったノレフィの前に敷島は居ないのだ…
「よし、あんな恐ろしいガキに付き合いきれん、兎に角ズラかるぜ!……くそ、にしても、痛てぇな…なんか走りずれぇ!」
 恐ろしい鬼の居ぬ間に一目散とノレフィはその場から離れようと駆け出す、体が痛むのか…それとも……フラフラとよろけながらもダッシュでその場を離れた。

(さて、あいつ程度なら他の者が逃す筈もないであります…少し泳がせてみるでありますかね?)
 なんだかんだで、生粋の傭兵である敷島は気がついた、ノレフィは何も知らずに居る『実験体』だと…あの本人には不釣合いな蘇生能力と召喚術、そしてその異常性に気がつかない鈍感さ、アレはモルモットとして最適なのだと。

「もう少し楽しみたかったでありますけど、軍曹殿が任務の変更をなさったから仕方がないであります、始末は他に任せて黒幕の尻尾の先を探すでありますよ」
 そして、虚空に向かって謎の軍曹に話しかける、冷静さを取り戻してなおも脳はアレらしい。
「…多分、大丈夫だと思うでありますが、泳がせた汚物が被害をもたらしたら軍曹殿の責任でありますよ」
 …敷島は虚空に向かって、聖・帝軍曹に責任転嫁をしつつも、ノレフィを観測しているであろう何者かの痕跡を探るために、この場を離れていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルーゼ・フーシェン
双刀『花鳥風月』に切り替えてボスに挑むわよ。
『トリニティ・エンハンス』で攻撃力を上げて、舞うように振るうわ。
【2回攻撃】からの【なぎ払い】を繰り出して【衝撃波】を打ち出す!
攻撃が来たら【見切り】で回避して【フェイント】と【ダッシュ】で空振りを誘うわ。

「リヴェン……」
その名前に聞き覚えはあった。
初めて会ったとき、そう呼ばれたのは覚えてる。
気にはしてなかったけど、重ねて見てるのかな。
(私……勝手についてきてるし、邪魔なのかな……)
聞くのが怖い。私は……どうしたいんだろう。
【第六感】で声が。
私は私よね!私なりにトリガーのパートナーとしてがんばろ!

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


トリガー・シックス
「こいつを倒せば終わるのか」
双刀『死鬼の爪』を抜き、【2回攻撃】で連撃を繰り出し、流れる動きで二刀を振るう。
【見切り】で避けつつ【残像】を残して空振りを誘発させ、【衝撃波】で吹き飛ばす。
追撃に『ジョーカー5s』を抜き、【クイックドロウ】による早撃ちで追い撃ちを行う。

「リヴェン!」
エルーゼに咄嗟に発した言葉。
二人は似すぎていた。重ねて見たところで、別人だと分かっている。
彼女は死んだ。もういないのだと分かっていた。
ユーベルコード『最後の願望』を発動させる。
現れたのはエルーゼとよく似た顔立ちと髪の女性だった。
彼女の最後の願い、トリガーたちを護るという願いを行う。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


トリテレイア・ゼロナイン
山賊王だろうが銀河皇帝だろうが、人々を苦しめるのであれば等しく騎士の敵。ここで討たせていただきます。

…念のため「防具改造」で耐火炎処理を施しておきましょう

機械馬から降りて剣と盾をつかった接近戦を仕掛けます。
腕力に任せた我流武術、対応は難しくないはず。
攻撃を「見切り」最低限の動きで「武器受け」「盾受け」して防ぎ、ワザと隙を見せて「カウンター」、大盾の殴打を鳩尾に叩き込んであげましょう。

悶絶する山賊王を「怪力」で掴んで放り投げ、UCで形成した檻に閉じ込めます。出てこれない様防御重視でバリアを形成。天井に穴をあけてそこに「破壊工作」で作成した爆弾でも投げ込んでみますか

山賊に騎士道云々(以下略


トール・ペルクナス
まぁここまで配下に慕われているということはそれなりに頭としての才はあったのだろう
だが無辜の民を傷つけたのだから貴様は敵だ

【雷電王】を発動
その身を雷電へと変換し【電磁誘導】で電界の剣を周囲に展開、滞空
【属性攻撃:雷】を纏いバリツによるとび蹴りで【先制攻撃】
「私の一撃は痺れるぞ?」
振るわれる攻撃は電界の剣で【武器受け】し
雷電を纏ったジャブで【マヒ攻撃】動きを止めてから【力溜め】をしてストレートを顔面に放つ
UC発動のために服を脱ぐようであれば他の者は攻撃しやすいように雷電を流し動きを止める

トドメを狙えるようであれば相手の大斧を【電磁誘導】で操作
脳天からカチ割らせてもらう
「因果応報というやつだ」



「こいつを倒せば終わるのか…と、思っていたのだがな」
「強くはない…奴では骸の海から再度現れるような真似は出来ないはずだが」
「まいっちゃうわね、強くはないって言っても…何度でも復活して、逃げ出すなんて面倒な相手よ」
「ならば、逃げられぬように私が奴を『檻』に閉じ込めましょう」
 二人の猟兵から、ノレフィの復活能力に付いて聞いたトリガー、エルーゼ、トリテレイア、トールは、ノレフィを追いながらその対処に付いて話し合っていた。
 方針としては、ノレフィの動きを止めてから『檻』に閉じ込め、復活できなくなるまで何度でも殺すという事で纏まったようだ。

「見つけた!」
「げげっ、またかよ…しかも今度は4人だと!?」
「足を負傷して…いや、あれは?」
 ノレフィには直ぐに追いついた…山賊であり、山という地形に適応した者としては想定以上に足が遅い、負傷でもしているのかとノレフィの足を見ると……。

「イ゛ダイ…オノレ…」
 ノレフィの足には大きな瘤…それは脈打ち、声らしきものを上げ…人の顔のような形をしていた。

「な、なんだこりゃあああああっ!?」
「ちょ、ちょっと、アンタが驚くの!?、こっちだって何だって聞きたいのにっ!」
「うるせぇ、なんか痛い、腫れてると思ったら、いつの間にかこうなってたんだよ!」
「ここはUDCアースでは無いはずだが…まあいい、観念しろ」
「その足では逃れられませんよ、いわゆる『檻』と言うものです…閉じ込めてしまいましょう」
 得体は知れないが、ターゲットが足を痛めて逃げ足を損ねてるのならば…いきなりの好機だと言わんばかりに、トリテレイアのユーベルコード【攻勢電磁障壁発振器射出ユニット(バリアジェネレーターランチャー)】が発動、射出した杭で電磁バリアの檻を形成しようとしたが…。
「や、やべぇ!、だ、誰か助けてくれ!」
「へイ…オやブン…」
 ノレフィの自覚のない召喚魔法が、複数の『部下だったもの』を召喚し、その杭をその身で受けたり、弾いたりしてバリア展開を阻害してしまう。

「おお…お前達…って、あれ?、お前はさっき死んだよな?」
「親ブんも…何度モ、死ンでるでショ?」
「そレに、猟兵ハ殺さナいト」
「殺す殺ス殺ス…」
「猟兵?、あの冒険者の事か?…それに、なんかお前たち……」
 再度召喚された手下達は、前に召喚された者達と同一人物であるようだが…その顔が、形が…少なからず歪んでいてる。
 ある者は猫のように背骨が曲がっていて、ある者は片足だけが倍ぐらいに膨れ上がり、ある者は皮膚が脈打つように蠢いていた…そして、猟兵に対しての敵意が増している。

「ええっ?、何なのこれ!?」
「良く分からんが、恐らくは不完全な形での骸の海から再召喚か、何かであろうな」
「トール、トリテレイア…俺達が部下を処理するから、お前達はノレフィを頼む」
「了解しました、トール様は電撃での足止めをお願いいたします」
 異様な風体の部下達にノレフィは恐怖を隠せない、阿呆なノレフィでも流石に自身に起きている異常性に気がついたようで、今にも『部下だったもの』をおいて逃げ出しそうだ、四人で部下を相手していたらノレフィに逃げられてしまうだろう。

「ひいいぃぃ、お、俺は知らねぇ!」
「やはり逃げ出したか!、追えトール、トリテレイア!」
「行かセるカ…」
「お前達の相手は私たちよ!」
 トリガーが『死鬼の爪』を、エルーゼが『花鳥風月』を…サイズが違えど、同じ双刀の獲物を抜き、『部下だったもの』に斬りかかり血路を開く。
「御武運を、トリガー様、エルーゼ様!」
「ここは任せた、だが気をつけろ…そいつらもだいぶ得体が知れない!」
 僅かに開いた血路を、『脚部収納型スラスター』で加速したトリテレイアの超重量シールドバッシュで『部下だったもの』達を吹き飛ばして強引に押し通り、トールの電撃で追撃に対応しながら、二人はノレフィを追いかけに行った。

「オノれ…猟兵め」
「コロせ、殺セ、殺せ」
 吹っ飛ばされた者も、電撃で黒焦げになった者も立ち上がり、トリガーとエルーゼ…近くにいる猟兵へと殺到するように襲いかかる。
 歪んだ顔には苦痛の表情は見て取れるが、痛みよりも殺意…猟兵の敵対者『オブリビオン』としての本能が上回るようだ。
「殺意は大したものだが…動きが単調だ!」
「この程度で、私とトリガーの舞は止められないわよ!」
 トリガーとエルーゼは互いに背を預け、舞うように双剣を振るい『部下だったもの』達を切り捨てていく。
 優雅に緩やかに動いている様に見えても、二人の連携に隙はない。緩やかな動きは敵の攻撃を誘うフェイントで、二人は単調な『部下だったもの』達の動きを見切っている。
 緩やかに舞うように見えたエルーゼは、風に舞う羽根のように敵の攻撃を回避すれば、緩やかな水流の思わせるトリガーも斬ってみればそれは残像、すかさず返す刃でカウンターを受ける事となる。
「これで決める、トリガー合わせて!…【トリニティ・エンハンス】!」
「任せろ、行くぞ」
 二人の舞もそろそろ閉幕を迎える、エルーゼが【トリニティ・エンハンス】でその攻撃力を増大させた後に、周囲をなぎ払う衝撃波を双剣から放つ、その衝撃波に合わせてトリガーも同時に衝撃波を放ち、重なり合った衝撃波はその威力を増大させ、周囲の敵全てをなぎ払った。

「ふぅ、これでおしまい!」
「…いや、まて」
 全ての敵を倒した…が、死体が青白い炎を上げ消滅…と、同時にノレフィも居ないのに再召喚が始まる。
「こ、これは…?」
「トールが『不完全』だとは言っていたが、術が暴走しているようだな…来るぞ!」
 エルーゼとトールはまた、互いに背を合わせ死角を塞ぎ、再召喚によって現れるであろう敵に警戒をしていた、していたのだが…
(…え?)
 エルーゼは敵を視認した瞬間、その想像外の姿に呆然としてしまった…人の形が歪んでいる、そんな生易しいものではない、融合しているのだ…先程の『部下だったもの』達全てが。
「くそ、ここはUDCアースでは無いのだぞ!」
「………あ」
 トリガーは驚嘆するも、今までUDCアースで邪神との戦闘を経験してきたからか、敵の攻撃に遅れず回避に成功するが、エルーゼはショックで反応が遅れてしまう…
 エルーゼの反応が遅れた事をトリガーが気が付いた時には、トリガーは既に回避行動をした状態であり、かばう事も、突き飛ばす事も出来ない。

 ――また、目の前で死なせてしまう――

「リヴェン!」
 嘗ての忌まわしい記憶、凶弾に倒れた恋人とエルーゼは余りにも似ていた、故にその姿を重ねてしまい、咄嗟に叫んでしまった…嘗ての恋人の名前を。
 その名がトリガーのユーベルコード【最後の願望(サイゴノネガイ】を発動させる。

(え?……私?)
 迫り来る肉塊がエルーゼの前で爆砕したかと思えば、眼前には自分に似ているけど、自分ではない女性、トリガーの嘗ての恋人『リヴェン』が立っていた。
 その姿、そして自分以外の名前を呼んだトリガーの声で、エルーゼは初めてであった時の事を思い出す…
(初めて出会った時、私の顔を見てさっきの名前を呼んだっけ?、彼女がリヴェン?)
 初めて出会ったとき、トリガーが驚いたのも無理がないほど自分に似ていた…エルーゼの脳裏に『重ねて見ているのかな?』と疑問、そして恐怖が同時に生まれる。
(私……勝手についてきてるし、邪魔なのかな……)
 キマイラ・フューチャーではヒーローとも呼ばれる猟兵をやりたいから、興味があったから、自分はトリガーに勝手についてきているだけだ。
 だけど、大事な人とこんなにも似ている自分がまとわりついてきて…いろいろ思い出してしまうだろう、迷惑だったかもしれない、本当は邪魔だったのかもしれない…そして、嫌われているのかもしれない…
 そう、思ってしまった…それだけで、身体が強張り声が出ない、怖くて聞けない、その答えが…と考えると何もできなくなってしまう。

 そんなエルーゼの姿に『リヴェン』…彼女が残した最後の願いは困ったような表情を浮かべる…トリガーを守るとは、物理的な話だけではない…その心をもだ。
 自分とは関係なく、彼女の存在がトリガーの心をどれだけ救っているのかを『リヴェン』は知っている…
 そして、彼がそういった事を口にしたりする事など出来ず、態度や行動で示したりもしないタイプだと…痛いほどに理解しているのだ。
 故に、嘗て『リヴェン』が持っていたサイキック能力…テレパシーを使って、エルーゼに一言だけ伝える、言葉を尽くしたいが、『リヴェン』の願いが残した影法師でしかない彼女が出来るのはそれが精一杯なのだ。

『ごめんなさいね、彼…不器用なのよ』

(あ…)
 エルーゼの直感に、その一言だけが届く…その一言だけでも理解する、何だかんだでそれなりに付き合ってきたが、確かに彼は不器用だ、冷たいようでいて、優しいのだ。
 もしも、邪魔だったら、迷惑だったのなら、彼は自身が嫌われてでも厳しく突き放すだろう…その方がお互いのためだと考えながらも、それすら口にせず…その癖、こっそり一人で引きずって堪えてる。
 そんな彼の姿、何だかんだで結構一緒に行動をしてきたエルーゼには想像ができる。
(私は私よね!私なりにトリガーのパートナーとしてがんばろ!)
 その想像が真実かは分からない、でもトリガーはそう言う男だと信じている自分を信じよう…例え重ねて見ていたって私は私、私なりのパートナーの姿をトリガーに見せてやろうと、エルーゼは立ち上がり…

「ありがとねトリガー!、それにリヴェン…もう大丈夫よ!」
 肉塊となった『部下だった者』の融合体に『花鳥風月』で颯爽と斬りかかるエルーゼ、その姿を見てリヴェンは微笑みながらスゥ…と消えていった。
「あ、いや……よし、一気に畳み掛けるぞ」
 復活したエルーゼにリヴェンの名前を呼ばれて、一瞬戸惑ったトリガーであったが…直ぐに立ち直り『死鬼の爪』を構えエルーゼに追いつく。

「あぎゃがががぐげがうごぉああぁぁぁぁぁ」
 完調に戻ったエルーゼとトリガー、二人のコンビネーションは先程よりも更にまし、『部下だったもの』達は為すすべもなく切り裂かれていく…そして、幾度も蘇る彼らにも最期の時が訪れる。

「青い炎が消えない?」
「…いや、召喚と死を繰り返しているようだ…生まれて直ぐに死んでしまうのだろう、生命体として維持できないほどに歪んでしまったようだ」
 不完全な骸の海からの帰還故に、繰り返すたびに元の形からは離れていき…遂には生まれては直ぐに死ぬ事を繰り返し、延々と青い炎が燃え上がり…やがて、炎が燃え尽きると完全に消滅をした。
「酷いね…もしかして、本体もかな?」
「同じ青い炎を出している以上、その可能性は高いな」
 ノレフィの足にも奇妙なコブがあった、蘇生を繰り返すたびに歪んでいくのは彼も同じなのかも知れない。

「畜生…部下達がどうして…くそ、どうしてこうなった!!」
「ほぉ、この期に及んでも残した部下が気になるか…まぁあそこまで配下に慕われているということはそれなりに頭としての才はあったのだろうな」
 逃げたノレフィを追い詰めたトールとトリテレイアが聞いたノレフィの言葉は、それだった。
 恐ろしくなって逃げ出してはしまったが…それでもこの場で部下を気にする言葉にトールは思わず感心した、どうしようもない悪党だが、そういった才ぐらいはあったのだなと。

「だが無辜の民を傷つけたのだから貴様は敵だ」
「山賊王だろうが銀河皇帝だろうが、人々を苦しめるのであれば等しく騎士の敵…ここで討たせていただきます」
「ち、畜生、こうなったらトコトンやってやらぁ!!」
 追い詰められたノレフィは自棄になって大斧を振り上げ、二人に襲いかかるが…
「ぬるいですよ!」
「ぐあっ!?」
 既に綻び始めているノレフィに、前ほどの怪力は既にない…トリテレイアの大盾に斧は弾かれ、逆にその大盾を鳩尾に叩き込まれ、身体がくの字に曲がってしまう。
「ゲホ、ゴホ…ま、まだ…」
「いや、遅い、もう終わりだ…今、ここに輝きはある」
「ぎゃああああああああああああ」
 それでも立ち上がったノレフィが見たのは光…ユーベルコード【雷電王(ライトニング)】により電光と化したトールの姿であった…雷速の域にまで達した『バリツ』の飛び蹴り…その威力にノレフィの巨体が浮き上がる。
 それ以上に深刻なのは電撃による麻痺だ、直撃後の悲鳴の後、麻痺で声も出せない状態にされてしまう。

「これで、先程の様に防げませんよ…今一度、『檻』に閉じ込めてあげましょう!」
 『部下だったもの』はトリガー達によって、完全に倒されたから無理ではあったが…念には念を入れて、呼べないように声すらも麻痺させてからの【攻勢電磁障壁発振器射出ユニット】の再射出、今度こそ見事に『檻』の中にノレフィを閉じ込めた。

「畜生、出せ、出しやがれっ!!」
 ノレフィが斧で檻の電磁障壁を殴るが、強度を優先して高めた『檻』はビクともしない…上部だけはバリアが展開されていないが、空を飛べないノレフィがあそこから出る事はできないだけの高さがある。
「出しませんし、これで終わりです」
「な、なんだそこれは…うぎゃああああああああああああああ」
 トリテレイアは爆弾を制作し、その空いた上部から爆弾を投げ入れる…SSWの爆弾など何だか理解できないノレフィは無謀にもそれをキャッチして、じっと見た所で、爆弾が爆発した。

「ま、まさか自分からキャッチするとは…」
 コントのようなノレフィの死に方に、トリテレイアも思わず呆れる…理解が出来なくても普通はキャッチしないだろう。
「山賊ゆえに珍しいものはとりあえず手に取ってしまったのだろう…む、まだ復活するか…」
 マジックアイテムならば高値で売れるし…山賊としてのサガがどうしてもキャッチをさせてしまったのだろうと推測するトールの眼前でノレフィが復活する。

「いぎぃ、復活する毎に身体が…」
「これは…酷いですね」
「ああ、皮膚がゲル状になっているな、辛かろう…楽にしてやる」
「ひぎぃ!」
 先程の『部下だったのも』と同じく、ノレフィも復活ごとに状態が劣化していく…ゲル状に溶け始めた皮膚は所々に目が見開き、異形とも言える姿になって来た。
 その姿を哀れんだトールは速やかに、【電磁誘導】を発動、電磁力でノレフィの大斧を操り、それを頭部に直撃させる事によって介錯をしてあげたのだが…

「そんな、まだ…」
「…流石に酷いなこれは」
 また蘇る、次は電界の剣で介錯してみたが蘇る…蘇る度に人の形を失い、ノレフィと同質量の肉塊とも言える生命体とまで成り果てた。
「どお゛じで…ごんなごどに゛…俺はだだ…モジャーをみがえじでやりだがっだだけ…なのに…」
「その嫉妬を、もっと建設的な向上心に変えられたらそうはならなかっただろうに…しかし、さて…如何に悪人であってもこれは酷い…」
 出来れば速やかに楽にしてやりたい、そう考えるトールであったが、形が歪み…急所というものが良く分からなくなってしまった、下手な攻撃は無駄に苦しめるだけだ。

「私の【超高温化学燃焼弾頭】ならば、その高火力で復活後も速やかに焼き尽くす事が可能だと思われます…ですが、威力が高すぎて…」
「この電磁バリアを破壊してしまうと…確かに高火力の炎で大規模な火災でも起きたら困るな」
 この後、開拓を再開するのだ…建材を産む森林を無闇に焼き払うわけには行かない、それでなくても小規模な火災でちょっと森が焼けてしまっているのだから…

「ん?、待てよ…そうか『電磁』バリアか…うむ、試した事はないがやってみるか」
「トール様、何を?」
「『電磁』ならば、俺の土俵…トリテレイアの電磁バリアだけでは耐えられないのなら…それを俺の『電磁力』で強化する…行け『電界の剣』!」
 五本の『電界の剣』が電磁バリアを囲うように地面に突き刺さる…トールはハッキングとメカニックとしての知識で、トリテレイアの電磁バリアを解析し、それを強化する電磁力を電界の剣を通してバリアに流し込む。
 元々強力であった電磁バリアの輝きが増し、電磁の『檻』は更に強固となる。
「す、凄い…これならば!」
 そのエネルギー値を測定したトリテレイアから驚きの声が上がる、これならば【超高温化学燃焼弾頭】を内部で炸裂させてもバリアは耐えきるであろう。

「初めての試みであったが行けるものだな、ではトリテレイア…仕上げは頼む」
「了解しました【超高温化学燃焼弾頭】を射出します」
 『檻』の内部に放たれた【超高温化学燃焼弾頭】は、眩い光を放ちながら白く燃え上がり…密室ゆえにその超高温が炉の様に内部に篭るため、通常以上の超高温でノレフィの身体を一瞬で焼き尽くした。

「まだ復活しているのか?」
「…測定できませんね、目視でもサーモでも…高温過ぎて『青い炎』は観測できません」
「仕方がない、火葬だと思って気長に待つしかないだろう」
 火力が強すぎて、中のノレフィが復活してるのかどうかもわからない…念の為に二時間ほど燃やし続け…トリテレイアの任意によって炎が消された。

「流石に復活はなしか、まだ生きてたら数万回は復活した事になるしな」
「銀河皇帝でもそれは無理ですね、不完全でもそんなに蘇生できたら恐ろしいですよ」
 『炉』と化していた『檻』を開けて、ノレフィが完全に死んだ事に安堵する二人…流石にそんな回数は復活できたら恐ろしいし、数万回も歪みを繰り返していたらどんな形になってるか想像するのも恐ろしい…UDCアースでもないのに正気は削りたくないのだ。

「流石に骨も残らんか…うん?、これは…」
「ペンダントですね…金のようですが、この高熱で残っているなんて…」
「何らかの力で守られていたという事か、これは何かの手掛かりになるかもしれん、持って帰ろう」
 こうして、『ノレフィ山賊団』は再び壊滅した、その報せを聞いた開拓民達は大いに喜んだが、猟兵達は素直に喜べない。
 明らかに異常なオブリビオンであった『ノレフィ』…彼の裏には何者かが潜んでいるのであろう事は容易に想像がつく…この開拓地には何度か赴くことになりそうだと…猟兵達は考えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月02日


挿絵イラスト