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銀河帝国攻略戦⑳~ブレイキング・オブ・ザ・カルネージ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #白騎士ディアブロ #エンドレス・メモリーズ

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●白の戦慄
「お疲れ様です、皆さま」
 ユーノ・ディエール(アレキサンドライト・f06261)が挨拶する。ブリーフィングルームでは先程まで、種々の作戦報告がひっきりなしに上がり続け、俄かに慌ただしい様子だった。
「先の戦いでは、帝国大要塞『エンペラーズマインド』を制圧。現在『黒騎士アンヘル』と『ドクター・オロチ』への追撃戦、そして帝国旗艦『インペリウム』への直接攻撃も始まりました。この戦いも、遂に終局です」
 長い戦いだった。ヘロドトスの救援に始まり今迄、休み無く戦場を駆けまわる猟兵達にとっても先が見える戦いとなれば多少は心が明るい。
「そして『白魔』『白城』両艦隊を突破した『解放軍』の艦隊は『白騎士ディアブロ』との決戦に挑みました。しかし力及ばず、黒騎士同様『解放軍』の艦隊に白騎士を撃ち破る事はかないませんでした」
 スペースシップの砲撃も、戦闘機の攻撃も、『白騎士ディアブロ』を捕らえる事ができなかった。二大巨頭が内の一人、黒騎士同様相当な手練れであることが予想される。
「『解放軍』はここで白騎士の撃破を諦め、銀河皇帝を守る艦隊へと攻撃の矛先を変えます。銀河皇帝を滅ぼす今回の作戦において、『白騎士ディアブロ』は最早重要では無いからです」
 戦力の尽くを失い、単体で残っていたとして大きな脅威ではないと判断された為だ。それ自体は確かに問題ない。だが、とユーノは続ける。
「オブリビオン・フォーミュラである銀河皇帝を撃破しても、二大巨頭である『白騎士』『黒騎士』が逃げ延びれば、新たな、オブリビオン・フォーミュラとなりうる可能性が残されてしまいます」
 つまり、次の世代のオブリビオン・フォーミュラ候補である『白騎士ディアブロ』は、確実に討ち取っておきたい相手だという事。
「そうでなくても、銀河皇帝撃破後、銀河帝国の残党あるいは、スペースシップワールドの不平分子等を集めて、悪事を行う危険が大きいのです。黒騎士追撃戦の最中、大変だとは思います。ですが……」
 ユーノは集まった猟兵達の顔を見やり、強く頼んだ。
「お願いします。白騎士ディアブロを、倒して下さい」

●ホワイト・トリック
「白騎士ディアブロも戦力を悉く失っており、周囲に他の戦力は存在しません。しかし、これは、白騎士が黒騎士同様『一人の戦士』として、最大の力を発揮できる状況でもあります」
 最強の個人として猟兵と対峙する、つまり後ろも前も気にせず存分に戦うという事だろう。
「そして、白騎士は限定的ながら『未来を操作する』ユーベルコードを操る強敵です」
 この恐るべきユーベルコードも、しっかりと対応が出来なければ命を失う危険が付きまとう。
「何らかの有効な対策が無い限り、彼は『全ての攻撃を逃れ』『絶対に命中する攻撃』を『最大の効果を発揮する』ように行い、確実な勝利を掴むでしょう」
 未来予知、グリモア猟兵とも近しいが性質は大きく異なる。戦闘においてグリモア猟兵は全く無力だからだ。
「装備も銀河帝国の技術の粋を尽くしたものであり、尋常ではない地力をを確保しています。そして常に一体しかいませんが、その力が尽きるまで、骸の海から蘇る力をもっています」
 戦闘力もさることながら、力尽きるまで多くの戦場に現れる。聞けば聞くほど、迅速に倒さねば相手だと思い知らされる。
「白騎士の出現予想地点は、先の戦いで撃沈された戦艦エンドレス艦内。皆さんには会敵予想地点の艦内に直ちに向かってもらいます」
 エンドレスは白騎士配下のウォーマシン部隊の戦闘艦。旧式艦艇だが何度も改修を重ねられ前線に出てきていた歴戦の大型戦艦だった。
「厳しい戦いになるでしょう、ですが皆さんに頼る他ありません」
 よろしくお願いしますと、ユーノは深く礼をした。


ブラツ
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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 こんにちは、ブラツです。
 今回は巨大な艦内での戦闘がメインとなります。
 状況は本項下段の通りです。
 下記を必ず確認の上、プレイングに挑んでください。

 プレイングの受付は2/21迄に頂いた分から、
 順次書けるだけ書きたいと思います。
 執筆は諸事情で2/22以降となると思われますので、
 恐れ入りますがプレイングの失効期限にご注意ください。
 (2/20(水)8:30以降に頂けると幸いです)
 戦況に影響は出ない筈ですが、
 状況によっては繰り上げで作業を開始致します。

 それではよろしくお願いします。
 グッドラック、イェーガー。

(以下下段)
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 白騎士ディアブロは、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
====================
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第1章 ボス戦 『白騎士ディアブロ』

POW   :    収束する運命の白光
【対象の未来位置に向け放たれるレーザー】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    ホワイトライト・トゥルーライト
【10秒先を見たかの様に的確な攻撃を行い、】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予想シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


――戦艦エンドレス 艦内
 数多の戦果を潜り抜け、そして沈んだ栄光の大戦艦。
 既に乗員は無く、甲板上の全ての火器が蹂躙され、その威力を失っている。
 しかし艦体構造物は推進剤とコアマシンが無い事を除けば、
 かろうじでその機能を維持出来ていた。

『エンドレスか、久しいな』
 白騎士は何度目かの顕現、骸の海よりこの艦へ現れた。
 1回目と3回目と7回目の出撃はこの艦からであったか、まだ無名のウォーマシンだった頃。
『全機能解放……猟兵どもめ、余程戦い足りないとみる』
 何度やっても同じ、諦めるまで戦えば勝利するという演算結果。
 既にこの艦内へ幾人もの息吹を感じ取る。
 だが、結末は決まっているのだ。この戦が始まった時から。
『すまないなエンドレス、貴艦も最後の戦いだ』
 白騎士は上位者権限による強制アクセスを執行、エンドレスの管制AIに働きかける。
『サボり上手は戦場を生き永らえるコツだが、見つかった限りは働いて貰うぞ』
 ウォーマシンではないエンドレスは、しかしそれに応える事も無く、静かにコマンドを待つ。
『では参ろうか猟兵、己に流れる命と心にかけて』
 その宣言と共に、艦内の照明が一斉に灯る。
 残り僅かな電力がモーターを駆動して障壁が下りる。
 朽ちかけた巨艦は残る力を振り絞り、最後の戦場を演出した。
――戦艦エンドレス、艦長室

『既に、眼前に陣取るか』
 大したものだ、ならば相応の歓待をせねばならぬ。
 白騎士はゆったりとした椅子より立ち上がり、己が身の力を限界まで開放する。
 戦術パターンVer.65536、デストロイマシン正常稼働、未来予測演算システム、誤差想定範囲内。
 対軍戦略兵装システム【アーセナルバインダー】起動。
 α:完殺次元衛星砲『ヴァジュラ』
 β:全天防空殲滅装置『アンブレラ』
 γ:絶対防御障壁『グレート・ウォール』
 Δ:対軍強行偵察ドローン『スノウ・ウィンド』
 全兵装リリース、コンディション、オールグリーン。
 フォースセイバー『介錯』出力正常。
 レーザーキャノン『教導』充填率100%。
 対物震動破砕ナックル『天意』『無法』動作規定値内。
 全戦闘システム、解放完了。

『往くぞ、猟兵』
 銀河帝国最後の将が、未来を賭けて、戦場に躍り出た。
フロッシュ・フェローチェス
未来予測、か。……どう攻略するか――いや決まってるね。速さだ、兎に角神速で――打ち破る!

予測レーザーなら寧ろ好都合。けれど、恐らくUCは間に合わない。
ダッシュしながらに情報取集、そこからライフル持ち上げの予兆を見切って――一定位置に踏み込んだ瞬間に早業で反転。
衝撃波合わせて無理くり回避してやる。掠る程度で済ませろ……!
そのまま相手から目を離すな――【選択したUC】で叩き斬るんだ。

そして突撃。恐らく宣告の所為でダメージが来るだろうね。
なら跳び出す直前にアタシの武器を、ちょっと前の地面に突き刺さるように投げ、少しでも時間を稼ぐ。
そのまま武器破壊を見て残像回避で伏せて――もう一発【選択したUC】だ!



●Breaking of the Carnage

――戦艦エンドレス、艦長室前通路
「未来予測、か……どう攻略するか――いや決まってるね。速さだ、兎に角神速で――打ち破る!」
 大将首ならまずここからと、フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は白騎士を豪著だった通路で待ち受けた。
 後ろは障壁、音も気配も無い。そして艦長室の前は十分に空いている。詰めるのは一瞬、奴は必ずここから現れるだろうと。
 予測レーザーなら好都合、UCが間に合わなくともライフル持ち上げの予兆を見切る。肉を切らせて【睨砲】で叩き切る――!
 がちゃり、と艦長室の扉が開く。白い影が見えた、刹那。
 違和感が。背後より光条がフロッシュを襲った。

 その威力は障壁を突き破り、突如として現れた。対象の未来位置を予測する射撃、逃れるには未来を捨てるか、時間すら超える他無い。
『初弾、命中。行動予測――完了』
 無機質な、電子的な音声がフロッシュの耳に届く。紙一重で直撃は避けたものの、己を染める鮮血が浅くは無いダメージを物語る。
 穴の開いた障壁からは衛星砲が。確かにこれならばどんな位置にいようと、必ず攻撃を向けられる。
『警告、武装を解除せよ』
 冗談、何しにここへ来たんだっての。丁度いい、武器を身代わりに時間を稼いで――一撃を喰らわせる。
 その言に従う様に、フロッシュは身に着けている武装を、投げ捨てようとした。その時。
 白騎士の背後のバインダーから、無慈悲な閃光――いや、極小の高密度レーザー群が、手にした武装もろともフロッシュを襲った。
『警告、武装を解除せよ』
 武装を使った欺瞞攻撃は解除ではないとでも。舌打ちし、その場に己の雑多な武装を置き捨てた。

 その姿を見た白騎士は、背後のバインダーから武装を仕舞う。そして悠然と、フロッシュの背後の障壁へ向かい歩き始めた。
 ゆったりとしたその歩行、やるならば今。
 二人が交錯する刹那、まるでそこにいるかの様に、フロッシュの姿は残り、もう一人のフロッシュが白騎士の背後へ現れた。
 残像、それも刹那の神速。傍目には突然、フロッシュが増えたかの様に見える。しかし白騎士は刹那に現れたもう一人のフロッシュの頭を、胸元で組んでいた細い腕で捕まえる。
『ふむ、お前そのものが極上の武装か』
 先程の無機質な音声とは違う、厳かな声。そして背後のバインダーが再び開く。見切られていたか、距離は至近。最早逃れられる間合いではない。だが。
「そういう事だ……この白膨れ!」
 輝く翡翠の龍眼【睨砲】から放たれた熱視線が、白騎士の細腕を薙いだ。拘束を解かれたフロッシュは、しかし反撃の光群にその身を焼かれ、意識を失う。
『これは、想定外だな』
 焦げ付いた己の腕を眺めながら、白騎士は再び歩み始めた。
 全ての猟兵を、駆逐する為に。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アズール・ネペンテス
先制で全く同じ攻撃を仕掛けてくるUCを持つ敵か。
対処が必要になるがこちらの攻撃は『敵の攻撃を防ぐことで敵の技を強奪して自分の技として一度だけ借用できる』攻撃だが…
そもそもこっちも敵の攻撃に対して防御することで敵の攻撃手段を奪う訳だからお互いに攻撃を防いで強奪する技を奪い合うということになる…のか?

ともするならばそのスキルを敢えて盗らせて味方の時間差で間髪入れずに攻撃してもらい相手が更に強奪した所を盗み返して反撃するのが相手に予測もされない対応策になるだろう。

まぁ失敗したら失敗したで味方の突破策を生む要因にもなるだろう
(アドリブ歓迎


胡・翠蘭
「さてさて……こんなに未来志向なのに、未来を喰らう過去でしかないだなんて、皮肉よねぇ」
【WIZ】
未来予想…とはいえ、未来の可能性なんて万にも億にもあるわけで。
そのうち、進む未来はひとつ…予測出来たところでそのたった一つ、よりは66通りの予測から確率が高いものを選ぶ程度ではなくて?…勝手な予想だけど。
なら、私は67つ以上の可能性を用意しましょう
UCで67でも、100でも、あらゆる場所から快楽に呑み込みましょう
貴方の攻撃を、繰り出される数以上に妨害し防御し回避しましょう
私の第六感、野生の勘、防具改造に見切り、激痛耐性…使える力はなんでも使って、予測の可能性を増やしてさしあげるわ


※アドリブ等お任せ



――戦艦エンドレス、第一艦橋
 衝撃が艦橋を襲う。どこかの障壁が破壊されたのだろうか。
「……始まったか」
 戦の息吹を感じ取り、アズール・ネペンテス(お宝ハンター・f13453)が立ち上がった。
「さてさて……こんなに未来志向なのに、未来を喰らう過去でしかないだなんて、皮肉よねぇ」
 傍には胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)が同じく、来るべき戦を予感して、その業を開放しようと。その時。
『ようこそ、エンドレスへ』
 重苦しい開閉音と共に、白騎士が姿を現した。ウォーマシンの巨躯、その背後には無数のドローンが展開し、刻一刻と戦況を分析、最新の状況を白騎士へと送り続けていた。
「早速用心深いのね。まぁ、未来の可能性なんて万にも億にもあるわけで」
 にゅるりと、蠢く影がそこかしこから姿を現す。それは展開しているドローンをも上回る、圧倒的な数の触手たち。
「進む未来はひとつ……予測出来たところでそのたった一つ」
 この数から果たして、正解を選べるかしらと翠蘭は妖しく微笑んだ。しかし。
『解析完了』
 その姿を歯牙にもかけず、白騎士は背後のバインダーを展開する。蹂躙する触手を焼き尽くす光群。更には、その手のレーザーキャノンが、正確に翠蘭の位置を狙った。

「意外とせっかちなのね。焦る男はモテないわよ?」
 嘲る翠蘭に対し、太い光条が刻一刻とその立ち位置を詰めていく。触手は光群に焼かれ、それでも尚旺盛な再生力で何度も艦橋を埋め尽くした。
 焼かれ続きながらも、触手は白騎士のドローンを狙った。ひたり、ひたりと伸びる影がドローンを飲み込まんとするが、高空へ逃れ、壁面に隠れ、今一歩それらを蹂躙しきれない。
『何か、勘違いしているようだが』
 白騎士が一歩、また一歩と翠蘭に向けて詰め寄る。その手のレーザーは休む事無く、翠蘭の足場を焼き尽くし、光条が逃げ道を塞がんと迸る。
『私が解析しているのは、あっちの女だ』
 それはアズール、翠蘭のやや後ろよりダガーを構えて、白騎士と相対している。しかし技を放つでもなく、ただにらみ合いが続くばかり。
『お前にはこれで充分也』
 言うより早く、背後の光群がその向きを変え、今度は翠蘭へと殺到した。

(あの技をどう、奪うべきか……)
 アズールはその手にダガーを構えながら、周りを鬱陶しく飛び回るドローンを睨み、次なる一手を思考する。
 手段が無い訳ではない。だが、それは依り代に多大な負荷がかかる。最悪、命を落とすやもしれぬ。
「大丈夫よ」
 ふと、少女の声が聞こえる。アズールの依り代、不幸にも物言う兜に憑かれた少女は、世界の命運を賭けて猟兵として戦う羽目となっていた。
「いい考えがあるんでしょう。やりなさいよ」
(しかし、いいのか……)
「しくじったらどのみち終わりよ。だったらやれる事、やらないと」
 気丈にも声を震わせて、アズールを叱咤する少女。そうだ、俺達は猟兵だ。
(分かった。チャンスは一度きりだ)
 行くぞ、と少女に号令をかけ、戦士は白騎士の前へと駆け出した。
『演算完了。迎撃開始』
 その姿を見やり、白騎士は極限まで解析された結果を証明すべく、その手の巨砲を少女へ向けた。

 光条が迫る。怖い。どうしようもない。だけど、ここで逃げ出すのはもっと、怖い!
 古びたダガーを構え、それと向き合う。一撃だけならば……私達は猟兵、きっと耐えて見せる。
 刃筋で光条を受け止めようと、しかしそれごと奔流に飲み込まれ、アズールはその全身ごと吹き飛ばされた。
 背後には光群に追い詰められた翠蘭が。その距離は腕を伸ばせば、僅かに届く程の、長い距離。
 最後の力を振り絞り、吹き飛ばされたアズールは、その兜は、勢いよく翠蘭の頭部へと収まる。
「……解析完了だ。行くぞ、白いの」
 その力は【略奪者】――俺が奪った。紅い瞳が煌々と輝き、荒ぶる無数の触手が全てのドローンを叩き落とした。

『警告、演算汚染確認。解析結果の更新を提案』
『却下。ヒストリーロールバック、もう一度やり直せ』
 敵は兜、眼前の女ではなかった。何という想定外!
 高ぶる鼓動をデストロイマシンが押さえ付け、冷静に、淡々とやり直さんとする白騎士。
「所で、俺の未来は見えたか?」
 兜が問う。女達ばかり覗き見るとは、何て悪趣味な機械人形だ。
 そういう奴は、お仕置きだ。
 手にした『プレシャスフォーム』が必殺の巨砲を形成する。当たると痛ぇぞ?
 瞬間、灼熱の蒸気が艦橋を埋め尽くし、その中を古式ゆかしい実体弾が爆音を纏い、白騎士目掛けて飛翔する。
『何と、野蛮な』
 反撃のレーザーはしかし、溢れる蒸気に減衰されその威力を発揮出来ない。放物線上に飛来したそれが、白騎士の顔面を吹き飛ばすのにさほどの時間は掛からなかった。

「やったか?」
 否、今は動きを止めているだけ。しかし一矢は報いた。
 倒れた少女に改めて取り付き、アズールと翠蘭は艦橋を後にする。
 想像を超えた未来こそ勝機。
 二人の猟兵は辛くも、白騎士へ鉄槌を下す事に成功した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

萬場・了
ふひひ、オブリビオンが未来を、ね。
じゃあ今を演出する俺も、過去の力を借りるとするぜ。楽しい撮影会にしようじゃねえか…!

【強制記録媒体】でヤツに〈恐怖を与える〉。
てめえのカメラ(目)に恐怖がどう映るのかは俺の知ったことじゃねえが……いくらでも計算すりゃあいい。武器や防具がどんなに強化されようと、てめえが積み上げた過去の恐怖はてめえを縛る。
高度な計算ができても、そのシナリオ通りに行動できなきゃ意味がねえだろ?
そしてこの間にも俺のカメラは〈生命力吸収〉を続ける。俺は攻撃を〈第六感〉も使って〈見切り〉、ヤツの姿を〈追跡〉し続ける。

ああ、忘れても……過去は消えるわけじゃねえ。
物語を進めようぜ。



――戦艦エンドレス、艦橋通路
「ふひひ、オブリビオンが未来を、ね」
 萬場・了(トラッカーズハイ・f00664)はさも愉快そうに、これから対峙する脅威への思いを馳せる。
 じゃあ今を演出する俺も、過去の力を借りるとするぜ。手にした『愛用ビデオカメラ』の動作は相変わらず快調。異世界だろうと宇宙だろうと、何一つ変わらず止まらない。
 不意に第一艦橋の方から重苦しい音が響く。おいでなすったか。さあ、楽しい撮影会にしようじゃねえか……!

 白騎士は先程の攻撃で受けたダメージを判定。対軍強行偵察ドローンが全損、アーゼナルバインダーでの修復率は45%。現状、完全な運用に耐えられる状態ではない。
 しかし焦らず、無ければ別の手段で戦えばいいだけの事。周辺の解析を行いつつ前進し、そして違和感を覚えるのであった。
 先程の触手が、解析不能の攻撃らしき影が光学受像機に映った気がする。しかしレーダーもセンサーも何も捉えてはいない。
 これは何事かによる攻撃か。その場で一度立ち止まって、白騎士はデストロイマシンによる戦闘感覚の均衡化を試みた。

 何も、なかったのだ。白騎士が勝手に感じただけ。それが【強制記録媒体】の攻撃。対象に恐怖を与えるユーベルコードであったが、
 古いウォーマシンが備えるデストロイマシンは、そもそもそれを無効化してしまう呪いの様なもの。無い物は無いのだ、故に本当は何も起こらない。
 音も無く、カメラの呪いは最大望遠で映る白騎士の生命力を蝕む。だが、それも唐突に終わりを迎えた。

 およそ30機前後のドローンが、ふらふらと周辺の索敵を始める。そして違和感の正体を確認した時、共有された解析情報から、それを排除する選択が成された。
 先ず放たれたモノは極太の光条。正確に、その光は了が潜んでいた辺り一面を舐める様に焼き尽くす。
 続いて放たれた細長い光の束が、焼き尽くされた空間の上をなぞる様に、丁寧に抉る様に了のいる方へ迫り来る。
 カメラに映る光の束が、撮られていた映像に惨たらしい焼き付きを起こし、そして徐々に主の下へ、破壊の光が這い寄るのだ。
 じりじりと詰めていく光条からは何も獲れない。生命無き破壊の事象からは奪えない。空間ごと全てを無かった事にするそれに、僅かながらも恐怖を覚えるのに時間は掛からなかった。

 完全に整地された通路を白騎士は悠然と歩く。眼下には最早何も、残ってはいなかった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ジェット・ラトリオック
【収束する運命の白光】には鉄鉈、戦鎚、「吸血」「武器改造」で幅広く改造した黒削刃を地面へ突き立て、遮蔽物を作りレーザーを防ぐ。
どうせ避けられはしないのだ。ならばその場から動かず、陣地を作る。
仮にルールを宣告されても、「ユーベルコードを使用するな」とでも宣言されない限り、反撃へ転じる。
フック付きワイヤーで動きを制限させ、AW、或いは刀で臨機応変に攻撃しよう。

「攻撃するな」とでも宣言されれば、大人しく俺は従おう。
音の鳴らない【呪物:追跡者の呼笛】を吹き、遮蔽物を利用して攻撃を防御し続ける。
俺は攻撃しない。ただ呼び出すだけだ。後は勝手にアレがやる。

全ての覚悟は済んである。後は運に任せるだけだ。



――戦艦エンドレス、防空指揮所
 どうせ避けられはしないのだ。ならばその場から動かず、陣地を作る。
 ジェット・ラトリオック(黒玉の蛸・f01121)は前提を是としてとらえ、黙々と陣を拵える。
 『断割鉈』『Life Reverser』そして、幅広に改造した数々の『黒削刃』を己の眼前へ柵の様に突き立て、光条を防ぐ壁とする。
 正面からその一撃を受けられれば、例え当たろうとその威力を削ぎ落せる。先ずはそれで充分……そう思った刹那、突如背後に現れた衛星砲が無慈悲な一撃を放った。

 間一髪拵えた陣の影へ。しかしその間隙が命取り、ほんの僅かでも受けた直撃が、ジェットの全身から抗う力を流血に変えて辺りへ撒き散らす。
「未来位置を撃つ、か……」
 敵が正面から来ると過信していた。そしてその一撃を合図に、白い巨躯がゆらりと、狭い防空指揮所へ入ってきた。
 その巨躯、白騎士は眼下にジェットを見るや、これまで通りの一句を放つ。
『警告、武装を解除せよ』
 ふわりと、衛星砲が白騎士のバインダーへ戻り、代わりと言わんばかりに高密度レーザー群の照準がジェットを捉えた。

 確かに動くより、反撃するより、その場で武器を捨てる方がどれだけ楽な事だろうか。
「承知した……いいだろう」
 既に大半の武装は背後に、墓標の様に突き立てられている。残る己の身に仕舞う装備をがらんと、足元へ置き――口笛を吹きながら、ジェットは白騎士に問うた。
「しかし、鮮やかなもんだ。俺の身体はこうもボロボロ、挙句全ての武器をこうも取り上げられた。それで、どうするつもりだ?」
『どうする、とは?』
 何故この男は今になってそんな事を聞くのだ。よもやこの男も、先程の女みたいに全身是武装という事なのだろうか。即座に白騎士はジェットの身体を改めて精査する。
「そうさ、俺を無力化して止めでも刺そうってのか。いいぜ、来いよ」
 挑発、迎撃、罠。良いだろう、元よりそのつもりだったのだ。ゆらりと、白騎士はレーザーキャノンの砲口をジェットの方へ向けた。その時。
「俺は行かないがな、代わりにコイツが相手だ」
 来い。仕事の時間だ。瞬間、白騎士の視界が揺れる。見えない『獣らしき四つ足の生物』が、指揮所の影に紛れて、その牙を白騎士へ突き立てた。

 狙うは次元衛星砲。完全な不意打ちはバインダーに仕舞われたそれを強引に叩き付け、残った脚が側面の装甲をぼこぼこに蹴り続ける。
 確かにジェットは無防備で、いかなる武装も所持していない。それでも立ち向かうだけの覚悟があった。そもそもがそれだけで、白騎士と対峙していたのだ。
 緊急反転、白騎士は見えぬ相手を振りほどく様に辺りへ爆光を撒き散らし、今来た道へと引き返す。既に眼前の猟兵は手負い、此処で無為に追い立てる必要は無い。
 それよりも今は、不明な脅威を振り払う方が先。そのまま防空指揮所を後にした白騎士は、階下の第二艦橋へと向かって行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

シュトフテア・ラルカ
未来予測もまた、プログラムのもたらす結果であるはず…。
これでもガジェッティアの端くれでもあるので。
予め作戦前に【ハッキング】によるノイズを起こさせるツール類を【メカニック】で作成、
戦闘開始と同時に白騎士の周囲にばらまくです。
自身の持つツールと合わせて相手の予測にノイズでも出せれば重畳。
混ぜ込んでおいた偽りの虚像に惑わされてくれれば最高の滑り出し。

UCを発動しなるべく360度覆えるように展開し全てに【スナイパー】を指示操作。
りぶっとくんを付け銃剣状態にしたものの複製を数本自身の周囲に置き突っ込む。
感覚を狂わし、周囲の銃弾の雨の中ナイフと【零距離射撃】で挑むです。
さあ、勝負なのです…!



――戦艦エンドレス、第二艦橋
 衝撃が幾度となく、第二艦橋を襲った。上階の防空指揮所だろうか、激しい戦闘の残響がこの場を揺らす。
(未来予測もまた、プログラムのもたらす結果であるはず……)
 シュトフテア・ラルカ(伽藍洞の機械人形・f02512)は急ぎ、戦いへの仕込みを済ませようと尽力する。これでもガジェッティアの端くれ、解析がされるのであれば、先にそれを妨害すればいい。即席のジャマーを作成し、そこかしこへばら撒いている。
 不意に戦闘音が鳴りやんだ。ここを抜けなければ次のフロアへは辿り着けない。であれば、必ずここを通過するはず。事実、粗方の準備を終えると同時に、開いた扉から白い巨影が姿を現したのだ。

『敵性体発見、攻撃開始』
 シュトフテアを見つけると同時に、白騎士は攻撃と解析を開始する。しかしそれは上手く働かない。何かに邪魔をされている、ならばそれごと破壊し尽くそう。
 既に展開されていた高密度レーザー群を集束から拡散へ切替え、歩きながら辺りの構造物を排除する。その威力に巻き込まれ、即席のジャマーはその効力を徐々に失いつつあった。
 動きが早い、シュトフテアはひっくり返った状況を見ながら、それでも焦らずに次の一手を発動する。【殲滅コードNo.8『数撃ちゃ当たる』】――『りぶっとくん』を取り付け銃剣とした数多の銃火器を複製し、一斉に攻撃しようとした。だが。
『解析完了、迎撃開始』
 言うが早く、白騎士のレーザーの掃射がその尽くを蹂躙した。未来予知と最適行動、一手程度の先読みではその結末を覆す事は容易ではない。そして恐るべきはその速さ、全周に展開した銃剣砲台を一つ、また一つと丁寧に手折っていく。70を超える火線を放とうとも、同等以上の光群がそれらを徐々に薙ぎ払っていった。

 しかし反撃の機会が無い訳ではない。銃撃と突撃、あらゆる間合いから猛襲するシュトフテアの威力は、徐々にではあるが白騎士の歩みを緩やかなものへと変えていった。懐にさえ入ってしまえば、その威力が自身を焼く事になるだろう。そうならないのであれば、そこが唯一の勝機。撒き散らされる光群を掻い潜り、シュトフテアは白騎士の背後へと迫った。
 最適行動による解、絶対の回避はその身で躱す事だけが全てではない。不意に止んだレーザーの猛攻、その間隙を突いて奇襲したシュトフテアを阻んだのは、白騎士が放った絶対の防壁。高々と掲げられたバインダーから放たれたそれは、あらゆる火線を寸断し、近付く脅威から白騎士の身を守った。
『敵攻撃の停止を確認、迎撃を再開』
 続いて、防壁と入れ替わる様に再びの光群がシュトフテアと銃剣砲台を襲った。その威力が無残にもシュトフテアの全身を焼き焦がす。驚異の沈黙を確認した白騎士は、次のフロアへ向かって。
「この……まだ、です」
 最後の足掻き、出口付近に隠して置いた一本の銃剣砲台が、通り過ぎる白騎士を直下から斬り付けた。その刃が装甲の隙間を食い破らんとするが、空いた細腕がそれを刃ごと握り潰し、銃口をへし折った。
『敵性反応沈黙』
 しかし、その意志まで折る事は敵わず。そしてそれこそが、忘れられた秘められし感情を揺さ振るのだ。
 倒れた敵を見やり、ゆっくりと白騎士はその場を後にした。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

エレクトゥス・レヴィン
【POW重点】

装備「C型輸送ユニット」に乗り込み「騎乗1、戦闘知識1、ジャンプ1、ダッシュ1」を用いてなるべく接近。
その後「クイックドロウ9、フェイント4、見切り1」を併用して敵のUCを誘い、あえて受けた後に敵のルール宣告を聞く。

宣告の後、UCの条件として「3分間、宣告されたルールを遵守する誓約」を行い、履行を試みる。

履行完了後、上昇した身体能力を用いて「属性攻撃11、捨て身の一撃10、クイックドロウ9、スナイパー9」を使用したダメージ覚悟の攻撃を行う。

「ルールを守れって?いいだろう、守ってやろうじゃねえか騎士サマよ。」

「ただし、代償としてアンタの命をもらう……覚悟しな。」



――戦艦エンドレス、連絡通路
 第二艦橋を抜け艦隊中央の連絡通路へ降り立った白騎士を、盛大な爆音が歓迎した。
 輸送に特化した装甲バイク『C型輸送ユニット』に跨ったエレクトゥス・レヴィン(誓兵・f11060)は、白い巨躯を見るなりありったけの弾薬を解き放つ。通路を噴き荒らす衝撃波に紛れて、魔法弾の洗礼と大小様々な弾頭がその白亜の鎧に穿たんと殺到。着弾の爆炎に紛れて、詰めた間合いから必殺の一撃を放たんと次なる威力を装填するが、それは側面から突如として現れた次元衛星砲に阻まれた。
『見事な奇襲だった。しかし、次はどうする?』
 吹き飛ばされたエレクトゥスを見やり、細腕を組んだままの白騎士が尋ねる。晴れた爆炎を背後に、その装甲は健在。穿たれた威力がその表面に無数の傷を形成するも、どれもがかろうじで直撃を避けている。
「流石は二大巨頭って所か……C型じゃなけりゃ全損モノだったぞ」
 側面から弾き飛ばされたC型から飛び降り、レヴィンは銃を構える。だらだらと肩口から流れる血が、次元衛星砲の威力を物語った。

『それは失敬、ならば早々に武装を解除せよ』
 そうすれば、そんな貰い事故も起こるまい、と。だがそんな事をすれば、最早この白騎士へ対抗する手段は無い。しかし。
「言う事聞けってか? いいだろう、『聞いてやろう』じゃねえか騎士サマよ」
 レヴィンはその言質を取るや、己の装備と各特殊弾頭を投棄して内蔵火器を自ら封印、システムを落とした。ぶぅんと、アクチュエータの震動が止まる音がかすかに聞こえる。
『装備のロックを確認。ではさらばだ』
 油断する事なく、それを確認した白騎士はレーザーキャノンを構える。先程の様な事にもなり得るならば、脅威は確実に排除する、と。
 光条が迸る。床を抉ってレヴィンに迫るその威力は、しかしかろうじで避けられた。僅かに変わった重量が、これまでの計算に極小の狂いを生じさせる。
『そんなもので我が演算を超えるつもりか?』
 縦から横へ、真一文字に薙ぎ払われた光条が続けて、通路を縦横に駆けるレヴィンを追い掛ける。その先端がチリチリと、レヴィンの肌を焼き始めた。
「熱いな……だけどよ、それだけじゃねえんだろ? 来いよ、全部出してみろ」
 皮一枚で光条を避けながら、挑発。敵の全力を誘発するレヴィンの秘策は余りにも無謀な賭けだった。
『ならば、確実にその息の根を止めてやろうか、猟兵』
 がちゃりと、背部のバインダーが開き、忌々しい次元衛星砲が姿を見せる。掛ったな阿呆め。

 レヴィンの『観測者』が示した時間は、残り0.5秒。ちらりと足元の見やり、己のチップを確認した。
『死ぬがよい』
「お前が、な!」
 ジャスト0秒、発動した【乙型略式履行】が増幅したその膂力で、『F型衝撃波弾頭弾』を白騎士の背後目掛けて蹴り飛ばす。
『それが策か、そんなものが』
 当たるわけがない、軌道は読み切ったのだ。そう言おうとした刹那、次元衛星砲を格納したバインダーが爆ぜた。何故だ、確実に着弾は回避した筈。
 その様子を見て『クソ野郎』の印を結ぶレヴィン。そして反撃の光条が己を吹き飛ばした。だが、これでアレは使い物になるまい。
 蹴り飛ばされた弾頭は跳弾し、次元衛星砲が格納されたバインダーを直撃したのだ。かろうじで本体の射出は間に合ったものの、もう戻る場所は無い。
 自身の戦果を確認し、倒れながらレヴィンはニヤリと口を結んだ。ざまぁみろ。

成功 🔵​🔵​🔴​

五十嵐・達也
操君(f12510)と共同で作戦に当たる
今度は白騎士、未来を操る存在か
過去にも未来にも負けはしないと示してみせよう

先手対策は、戦艦内部に存在する物品を操っての念動力だ
歴戦の大型戦艦ならば、盾にして良さそうな機械や大型の資材等が存在していると判断
今回は盾でレーザーを受け止めるのも危険であろう
まず白騎士に向けて飛ばし、攻撃を防ぐ盾とする
その上で私も移動し、複数同時に射出して、ピンボールのように弾いて予測を難しく
「予測出来るものなら、してみるがいい……!」
UCを使う時間が確保出来たら、狩人の秘薬を用い、
攻撃力を高めて念動力飛ばしと一緒に突撃、咎砕きの万力で鎧ごと押しつぶす


三千院・操
達也さん(f00485)と一緒だよ!
過去を呼び起こす黒騎士の次は、未来を操る白騎士かぁ。
そういうのちょっと困るんだけど、でも、未来はまだ決まってないし。
それに、悪魔だったらこっちの分野かも!
さぁ、どっちが強いか勝負しようよ……!

『蝿の王』を召喚。相手の動画撮影ドローンを腐敗の吐息で溶かして落とすよ。吐息は周囲に満遍なく広がるように吐いてもらおうか。
耐性を持ってたらハッキングでシミュレーションの結果を改竄する!
相手からの攻撃は呪詛による怨念の壁で防いで、その後は眷属(蟲)と一緒に破砕の呪詛をThe Healerに纏わせて叩き斬りにいくよ。

達也さんへの攻撃は葬送曲でドローンを盾にして防ぎたい!



――戦艦エンドレス、メンテナンスルーム
 鈍色に輝く様々な機材が白騎士を迎え入れた。往時はここで絶え間ない修理と補給が繰り返されていたのだろう、散乱した機材がこの船が沈んだ当時の慌ただしたを思い起こさせる。
『流石に直ぐ、どうにかなるものではないか』
 先程の戦いで破損したバインダーの修復を試みたが、それは徒労に終わった。むしろ、この艦に火が灯るだけでも奇跡に等しいのだ。
「白騎士も流石に疲弊したのか?」
 眼下の影より声が聞こえる。直ちに反撃の光群を放つが、それは当たらない。
「未来を操る存在か。だが、過去にも未来にも負けはしないと示してみせよう」
 光群が巻きあげた粉煙が晴れると、『狩人の大盾』を構えて白騎士と対峙する、五十嵐・達也(血濡れの咎狩人・f00485)の姿があった。

『そんな物で我が砲を防げるとでも?』
「無論、これだけでは……無い!」
 言うが早く、達也は散乱する機材を蹴り飛ばし、念動力で白騎士に向けて放った。そして自らの大盾をも白騎士へ投げつける。更に、飛び交う機材目掛けて次の機材を、その次の機材をとピンボールの様に当て中空を乱舞する。こうすれば何がどう動くか、早々予測は出来まい。しかし。
『目標捕捉、反撃続行』
 不意に、達也の頭上に光が――次元衛星砲が発射された。ほんの僅かの間隙、正確な場所さえ掴めれば未来予測は十全なものとなる。そして光の奔流が達也を飲み込んだ。

「未来を操る白騎士かぁ。そういうのちょっと困るんだけど、でも、未来はまだ決まってないし」
 しかし直撃はかろうじで避けられた。もう一つの黒い影が白騎士の背後より現れ、達也への攻撃を己の眷属――【蝿の王】の眷属が、体を張って防いだのだ。
『否、未来は既に確定している』
「だからさぁ……」
 中空を舞う機材と大盾を高密度レーザーで迎撃しながら、白騎士は声の方へと向き直る。
「決まってるなら、こんな所にいる場合じゃないよね」
 三千院・操(ネクロフォーミュラ・f12510)が『The Healer』を眼前の巨躯へと向けて、不敵に宣言した。
「だってお前、ここにいたら死んじゃうよ?」
『その傲慢な予測、修正してくれよう』
 そんな態度に白騎士は動じず、直ちに仕舞われたドローンを展開した。
「そこまで言うならさぁ、どっちが強いか勝負しようよ……!」
 操は再び、蠅の魔王を眼前に召喚した。

 状況、ドローン修復率70%。次元衛星砲は健在。しかし稼働限界は――
 刻々と力を削られてはいるものの、白騎士は健在。その全力を以って、前後の猟兵を駆逐せんと動き出す。
『スノウ・ウィンド全機展開、怪物の解析を開始。前方着弾確認、解析完了。行動拘束戦術を承認、直ちに武装を解除せよ』
 飛び出したドローンは、遠巻きに魔王と操の解析を開始した。この世界のモノとは根本的に異なる存在、先に戦った姿の無い獣と同種か。チカチカと明滅を繰り返す発光センサーは、しかし無慈悲な衝撃により無力化される。【物質を腐敗させる吐息】が、じわじわとそれらを溶かしていったのだ。その吐息はメンテナンスルーム全体へと広がり、雑多に散らばった機材ごと溶かしていく。
 一方達也を襲った衝撃から解析を完了した白騎士は、その動きを封じるべく高密度レーザー群の照準を向けた。
「武装を解除か……ハッ」
 しかし達也は全身に纏った赤黒い『咎狩人の戦意』を外す事は無い。
「断る、と言えば?」
 じりじりと白騎士へ近寄る黒い影。それを見やり、容赦の無い光群が達也を襲った。どれもが命中するが、強靭な覚悟と意志が、その前進を止める事は無い。
『警告、武装を解除せよ』
 再度の警告と放たれる光群。だが二度目のそれは、再び現れた魔王の眷属によって防がれた。それでも尚、眷属を貫いた輝きが達也を襲うが、不十分な威力は反撃の隙を与えるには十分なものだった。
「何度でも言ってやろう、断る」
 赤黒い闘気が肥大化――【狩人の秘薬】が達也の威力を倍加する。そして掲げた腕から放たれた念動力が、光群と拮抗した。
『それがお前の威力か、猟兵。だが』
 それだけでは足りない。手にしたレーザーキャノンが達也を襲う。だがそれは操の呪詛が壁となり、再びの直撃を許さない。
「この前のお返しだよ。行って、達也さん!」
「承知した、操君!」
 じわじわと己を焼く光条をものともせず、達也は【咎砕きの万力】を掲げて突き進む。
「工具が欲しければくれてやる」
 そして遂に懐に入った。その一撃はレーザーキャノンごと、白騎士の片腕を引き千切る。
「こっちも、行くよ!」
 操も呪詛を纏った『The Healer』を構え、白騎士の背後より駆けだした。
『成程、この場は撤退が最適か』
 彼らは私と刺し違えようと? だが私には元よりその気は無い。白騎士は己の身体を前後に開き、鈍く輝く肥大化した両腕を二人に向けた。
『爆砕』
 爆音を纏い関節の根元から飛び出した鋼鉄の腕が、二人の首を掴んで離れた壁へと叩き付け、気絶させた。だが追撃は危険、下手に目覚められては何をされるか。
 砕かれたレーザーキャノンの代わりを手に取り、白騎士はメンテナンスルームを後にした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リネットヒロコ・マギアウィゼルーク
未来を視ると~……驚いちゃいますよぉ!

『魔法の鏡さん』で白騎士が思う「強者」か「同格」を味方として呼び出す作戦
出るのは「皇帝」か「黒騎士」と予想
先制攻撃は、未来に味方の姿を見て困惑したところを【逃げ足】【見切り】でかわせれば儲けもの
当たっても「スケープシープちゃん」で1度は防げます

・皇帝の場合
“銀河最強”の「フォース・インベイジョン」で動きを封殺
動けなくなったところへ「マインド・クリエイション」でトドメ

・黒騎士の場合
こちらに攻撃が来ないよう白騎士を押さえてもらい
自分は『眼魔光』で援護
黒騎士の「過去喰らいの三呪剣」が本命打

……ずるくてごめんなさいねぇ。こうでもしないと勝ち目が見えなかったんです



――戦艦エンドレス、通路
 白騎士は己の状態を改めて確認する。現時点で喪失したアーセナルバインダーの一部は修復不可、次元衛星砲の使用限界も近い。それにドローンも先程の攻撃を受けて稼働率を再び落としている。それでも尚、ここにいる猟兵達を駆逐しなければ。それがこの世界に蘇させられた己の使命。
「うふ……未来を視ると~……驚いちゃいますよぉ!」
 正面に、リネットヒロコ・マギアウィゼルーク(【本名】マギア=ウィゼルーク・リネット・博子・f01528)がふらりと。
「敵影補足、解析完了」
 先程と同様、眷属を呼ぶタイプ。ならば呼ばれる前に先手を打つ。先程拾った武骨なレーザーキャノンが、有無を言わさずヒロコへ光条を放った。
 その一撃は避けられることも無く、しかし直撃は免れた。そして。
「鏡よ鏡よ鏡さん~ あの方より強いのは誰ですか~?」
 ヒロコの【魔法の鏡さん】――相手より強いか同格の者を味方として呼び出す術。そして現れたものは、ヒロコの知らない存在だった。
『マインドか、しかし何故ここに』
 マインドと呼ばれたそれは、何の躊躇も無く手にしたレーザーキャノンを白騎士へ向けて放つ。成程、それが彼奴の術か。
 白騎士は先程のレーザーキャノンを捨てて光剣を抜刀、迅速果敢にマインドへ立ち向かった。近付けば己の攻撃は殆どが使えない。ならば己と同じマインドも、近付いてしまえば、後はそれぞれの経験次第といった所。迫る光条の尽くを予測回避し、予測防御し、その懐へ。
『実を言うと、本気で貴様と戦ってみたかったのだよ』

 己と同等の性能を持つ陛下の兵器、つまりはそれ自体が、己の存在意義を脅かす。否、陛下に限って私を見捨てようなど……
 様々な思いが交錯し、しかしもう一人の敵、ヒロコが虎視眈々とその隙を伺っていた。
「これはチャンス、かも」
 ずるくてごめんなさいねぇ。こうでもしないと勝ち目が見えなかったんです。きらりとヒロコの眼鏡が輝いた、その時。
『警告、敵性反応確認。自動反撃開始』
 ふわりと放たれたドローンがヒロコの位置を確認し、ゆらりと姿を現した次元衛星砲がその位置を狙撃した。
 白騎士はその成果報告だけを受け、眼前のマインドとの剣戟を止めない。
「私がお前ではない事を証明する為、この戦い、負けるわけにはいかないのだ」
 そしてマインドが消える。術者の戦闘不能がそのまま反映されたのだろうか。
 白騎士は己の装備を仕舞い、更に先へ進んだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ルビィ・リオネッタ
相棒にして恋人の六道紫音(f01807)と共闘

下手に身を守ろうとすれば逆に危ない
二人で未来を掴む為に、一瞬に全て賭けるわ

・戦法
この敵、未来に起こる事が分かるみたい
なら対象が急に現れて攻撃したら…?

シオンのコートの裏に【目立たない】よう隠れるわ
彼はどんな事があっても必ず白騎士に接近してくれる

その一瞬を【見切り】、【暗殺・ダッシュ】で飛び出す
動きを予測される前に敵の脚とスラスターの移動手段を『辻風斬り』で加速し続け徹底的に潰すわ
高速移動中も【視力】で敵の姿を捉え【空中戦・早業】でダガーとレイピアで装甲の間を突く【先制攻撃・2回攻撃・鎧無視攻撃】

「シオン…!トドメを!」

※荒っぽい言葉は使いません


六道・紫音
相棒にして恋人のルビィ(f01944)と共闘

・対先制攻撃
未来を視て攻撃するというなら此方は未来を越える
レーザーの発射を『第六感』と『見切り』を合わせた《先読み》で着弾点を本能的に察知し紙一重で回避、即座に『カウンター』でUC【弐之太刀《無影》】を放ち、衝撃波と並走するように『残像』を伴いながらの『ダッシュ』による縮地で白騎士の懐へ
武装から見て剣技にも秀でようが…それこそ望むところ

・攻撃策
服に隠したルビィこそ策の要、俺が接近しルビィが飛び出たら後はただ一心に、『鎧無視効果』で死角を狙い『怪力』を発揮して膂力を高め『捨て身の一撃』により全神経を集中した『早業』の一刀を見舞うのみ



――戦艦エンドレス、トレーニング室
 白騎士がふらりと入ったそこは、往時は屈強なウォーマシン達が自らを高めていた場所。何故ここへ来たかは分からない。あるいは先程の戦いで、己の原点を見直したくなったか。
 マインド、あれさえあれば私などいなくとも皇帝陛下の勝利は盤石。故にここでその有用性を証明するのだ。それが己自身の生きながらえる術でもある、これまでの様に。
「未来を視て攻撃するか。ならば」
 六道・紫音(剣聖・f01807)は既に『宝刀《皇月》』を抜き放ち、白騎士と対峙した。自身の倍近い巨躯、圧倒的な砲撃性能、その全てが不利となる。だからこそ、この死中こそ俺の求めたモノ。
「その未来を、越える!」
『剣士か……いいだろう。振り足りなかった所だ、相手をしてやる』
 この砲火を抜けられればな、と。光剣を取り出した白騎士は同時に、高密度レーザー群を容赦なく紫音へ向けて放った。殺到する猛威はしかし、神速の残像が尽くを往なしていく。これまでの戦の勘が紙一重で直撃を免れる。決死の間合いまで、あと僅か。
 あと僅か、届かない。背後より放たれた次元衛星砲が、紫音へ無慈悲な一撃を喰らわせる。その一撃を受けふらりと、体勢を崩した紫音。
『解析完了、迎撃開始』
 ギラリと白騎士の相貌が輝いたように見えた。再び、その手と背負った砲火が紫音に牙を剥く。
『武装を解除せよ』
「断る!」
 即座の返答、警告へ返す様に放たれた【弐之太刀《無影》】の衝撃波に光条が集中する。その一瞬、再びの縮地。読み切られぬ様軌道を様々に変え、残像をばら撒きながら。それでも尚、既に解析された結果は覆らない。圧倒的な火力が、その全てを同時に阻むのだ。終わる事の無い光の洗礼を受け、再びよろめく紫音。最早その一刀は届かないかに見えた。しかし。
(しかし、あと一歩……)
 最後に立つは己の気力。最早技量はこの場において、幾億の鍛錬で身に着けた鋼鉄の精神程の役には立たない。
『まだ立つか剣士よ、だが慈悲は無い』
 そう、慈悲は無い。一歩白騎士が踏み出した刹那、何者かによって己の脚を止められたのだ。

『奇襲か、一体何処から……そうか』
 あの時と、第一艦橋の時と同じ。敵は一人ではない。ルビィ・リオネッタ(小さな暗殺蝶・f01944)が紫音の懐から、その隠し剣を抜き出したのだ。
「ついてこられるかしら……!」
 幾ら未来を視られようと、その起りさえ分からなければ、反撃は不可能。あと一歩の距離の所、紫音の纏うコートからひっそりと抜け出し、白騎士の脚を、推進器を、己の暗殺剣【辻風斬り】で容赦無く斬り刻む。
『敵性対象確認、解析完了』
 自由を失ったその脚も、踏み込むくらいの事は出来る。ルビィを振りほどかんと大きく上げられ、そして地面を揺らす。ふわりと、その一撃を避けたルビィは白騎士から一時離れる。しかし、その一時で充分だった。
『安全確認、防壁起動』
 がしゃんと、背後のバインダーから光のヴェールが下りる。それは絶対防御障壁。あらゆる攻撃を防ぐ代償に、一切の反撃が止められる守りの装備。こうなれば、ルビィが侵入する隙間も無く、ダメージが回復するまでやり過ごせば、ヴェールが晴れたと同時に反撃の光が迫るのは必定。
「シオン…! トドメを!」
 ルビィが叫ぶ。云われるまでも無い、と。紫音はゆっくりと八相の構えを取る。動きを止められた今こそ、必殺の間合いに入る好機。

『応急処置完了、反転』
 攻撃開始と、白騎士がヴェールを解いた刹那。光よりも早く紫音の片手突きが白騎士の咢を狙った。
『あと一歩、だったな』
 死中に活、紫音の決死の一撃はしかし、白騎士の光剣によって阻まれる。弾かれた一刀は再び、諸手上段からの一撃に。その一撃を躱す白騎士の背後には、いつの間にか回り込んだルビィが。正面と背後を取られ徐々に押される白騎士であったが、それでも光剣を二刀で持ち替え、迫る猟兵に対峙する。
「そう何度も、やらせません!」
 一歩下がった白騎士の脚を再び狙うルビィ。飛び回る妖精を捉えんと光剣でその姿を払い落とそうとするが、余りのサイズ差は容易には捌けない。
「余所見を、するな!」
 合わせて紫音が、斬撃の応酬を。払い胴、引き小手、打ち落とし面、諸手突き……止まらないそれらを、片手の光剣でかろうじで往なす白騎士。
『よもや、これ程とはな』
 剣戟は予測出来る。だが余りにも確実な打ち込みの応酬は双方の決定打に欠け、更にこの男……戦いながら剣戟の速度が、尋常ではない程加速している。このままでは先程までの解析結果なぞ、直ちに使い物にならなくなるだろう。
 そして妖精への追撃は、相手の攻撃を防ぐだけで精一杯である。双方攻撃を当てられない状況。であれば、やり直す他あるまい。
『もう一度、仕切り直しを』
 再び絶対防壁のバインダーが開く。しかしそれこそがルビィの狙い。これさえ封じてしまえば、白騎士の防御手段は無くなる。
「見えたわ、そこ!」
 風の精霊の加護を解き放ち、推力を一点集中。開かれたバインダーの装甲の継ぎ目に必殺の一撃を加えた。
『警告、絶対防護障壁に異常発生』
 紫電がバインダーを覆う。急ぎ装置の露出を止め、攻撃が留守になった腰部スラスターを最大噴射。
 纏わりつく二つの影を振り払い、白騎士は強引に距離を取った。一度レーザーキャノンを構えるも、思い直してその場を後にした。
 戦いで己を高めているのは自分だけでは無い。猟兵も同じなのだと、その予測結果に戦慄して。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テン・オクトー
先制攻撃怖い。でも未来のために白騎士を倒さなくては。
WIZ
未来予測シミュに異常をきたすよう尽力。余力あれば攻撃。攻撃目標は未来予測で強化されるであろう武具、それらを持つ腕。

ドローンの召喚自体は止められないだろうから、ドローン対策にUCを使うよ。鉤爪竜巻効果でドローン撹拌、数を減らす。66機もあるから効果は限定的かもしれない。でも少しでも未来予測に支障をきたしておかないと、回避も攻撃も難しいよね。ドローン対処中は技能でひたすら耐える。連携できる方がいればドローン撲滅専念。
【技能:第六感、見切り、オーラ防御、激痛耐性】
連携アドリブ歓迎です


レナ・ヴァレンタイン
※アドリブ歓迎

事前にオーラ防御を展開しつつ初手宇宙バイクで突撃

レーザー照射の後、命令は出る
動くな、攻撃するな、攻撃を避けるな……考えられるものは正直絞れん
命令を守れば自身の攻撃で確実に屠れる、破ればその罰の攻撃で屠れる
大方はそんな命令だと推測して備える

敵の攻撃の瞬間バイクを横転させ、盾に使う
予め展開したフォースセイバーの刃も盾に使う
両手も盾に使う
ダメージ軽減に使えるものは総て使う
即死さえ免れればいい

奴は未来を読む
だが、自身が勝利した後、私を「瀕死にしなければ発生しない未来」までは読めまい?

UC発動位置は敵の死角、白騎士自身の装甲内部!
大穴狙いのデッドマネーだ
切り裂き、穿ち、死を運べワイアット!


アルル・アークライト
【POW】
私、こいつには絶対に負けたくないって思っちゃった

ちょっと未来が見えるからって、何よ!
未来はこの手で切り拓く物 …そして、掴み取る物でしょ!

【星剣一閃】で反撃
こちらに向けて放たれる
相手のレーザーそのものを狙うわ
未来を視るからこその的確な攻撃
だからこそ狙ってくる場所は『見切り』易い…はず!
レーザーを斬り割って、その隙間になんとか身体を捩じ込んで
そのまま相手に向かって『ダッシュ』!
勢いそのままに斬り付けるわ!

「宣告」?剣の纏う炎相手に何でも好きに言ってなさいな

とは言えまあ、上手く行くとは限らないけど…
上手く行かなかったら、その時はその時よ!

アドリブ歓迎だいかんげー!


クーナ・セラフィン
一応私も騎士ではあるけどね。こういう騎士は好きじゃないな。
暴力を以て民を虐げる圧政の象徴のような、そんなのはね。
どれだけ通用するかはわからないが、一太刀入れてやらないとね。

可能なら周囲の猟兵と連携。
小柄を活かして艦艇のダクト等狭い道を通るようにし遊撃。
未来が読まれてるなら逃げ場が増えても意味は薄い。
なら向こうの動きも制限されるような場所で相討ち覚悟。
ドローンを発見したらUCで攻撃。
凍結で落とし幻惑で情報を誤認させる。
予想が正確でも距離感を滅茶苦茶に狂わせれば付け入る隙もできるかな?
もし直接かかってくるなら敢えて走り、直前スライディングで懐に潜り込み至近からUC喰らわせる。

※アドリブ絡み等お任せ



――戦艦エンドレス、ブリーフィングルーム
 トレーニング室を抜けた白騎士はその足でブリーフィングルームへ向かった。バインダーの装備が大分ダメージを受けている。一旦安全かつそれなりに広い場所で、全ての装備を見直す必要があるだろう。そもそもそんな場所があれば、の話だが。
『矢張りな、ここにも居るか』
 センサーが幾つかの敵性反応を捉える。その内の一つが急速接近してきた。奴らは猟兵、その名の通り、獲物を追い立てるのは日常茶飯事なのだろう。
『いいだろう、全員纏めてかかってこい!』
 白騎士が咆える。追われているのは貴様らだと分からせる為に、この場の主が誰であるかを知らしめる為に。

 爆音が広いブリーフィングルームを一直線に駆け抜ける。レナ・ヴァレンタイン(ブラッドワンダラー・f00996)が『ハンティング・ホラー』に跨り、その手には『夜中の夜明け』――フォースセイバーが。最高速で迫るレナに対し、白騎士の一撃は、次元衛星砲の一撃は正面からそれを捉え、放たれた。
「な、速……!」
 何処にいようとその未来位置を確実に穿つ一撃。オーラ防御で幾ばくかのダメージを減らしたとして、その直撃は大きくダメージを与えた。だがマシンは止まらない。
『未だ来るか。ならば、警告』
 直ちに武装を解除せよ。それは跨ったマシンも等しく、レナの武装として。
「そう来たか……だが、断る!」
 そのままマシンをぶつける勢いで全速力で飛ばすレナ。その分かりやすい叛意に対して、容赦の無い光群の洗礼がレナを狙う。
 迫る攻撃。しかし紙一重でマシンを横転させ、それ盾にしつつ、抜き放ったセイバーの刃も盾にして、レナは前進を続けた。死ななければ、そして奴の間合いに入れば。
『警告、武装を解除せよ』
「答えは、NOだ!」
 再び光群が。今度は手にしたレーザーキャノンも合わせて、三度レナの進路を狙う。絶対予測による反撃、これを躱す事は最早出来ない。否、躱さなくて良いのだ、生きてさえいれば。
 光の洗礼がレナに殺到し、その歩みを止める。そして止めと言わんばかりに、白騎士の手にしたレーザーキャノンに光が集まった、その時。
「待ちなさいよ、アンタそれで本当に騎士なの?」
 現れたアルル・アークライト(星剣使い・f01046)は、白騎士の無慈悲な行為に激高した。

「私、アンタには絶対に負けたくないって思っちゃった」
 その暴虐を許容する事は出来ないと、その手に星剣『スターフレイム』を煌めかせ。しかし。
『敵性対象確認、攻撃開始』
 再びの次元衛星砲が今度はアルルを頭上から狙う。未来を視た一撃は容赦なく降り注ぎ、アルルの進軍を塞き止めた。
「痛た……何よ、ちょっと未来が見えるからって!」
 吹き飛ばされたアルルはしかし、気丈にも剣を構えて立ち上がる。
「未来はこの手で切り拓く物 ……そして、掴み取る物でしょ!」
 威勢よく再びの前進。だが今度こそ、本命のレーザー群がアルルに殺到した。
『警告、武装を解除せよ』
「やなこった!」
 返すアルルは【星剣一閃】――これでレーザーごと斬ってやると横一文字に刃を寝かせ、襲撃に備える。それは一部、確かにレーザーを斬り裂いた。だがその数が、高密度のレーザー群全てを斬り払う事は叶わない。そして道半ば、アルルは膝をつく。
「これで、今度は私を狙うのかしら……」
 諦めた様に白騎士を見やるアルル。その通りだ、と返す白騎士。
「だったら、私の勝ちね」
 ニヤリと、エルフの剣士は微笑んだ。

 その瞬間、天井のダクトから二つの影が白騎士の頭上を奇襲した。クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)とテン・オクトー(気弱な小さき猛獣・f03824)、それぞれが構えた『ヴァン・フルール』と『フレイル』が、剥き出しのバインダーへ大きなダメージを与えたのだ。
『小さきもの……まさか、潜んでいたとは』
「その通りよ。キミみたいな騎士はどうも、好きじゃないからね」
 どこまで通じるか分からないけど、やるだけやらせてもらうよと銀槍を構える。
『脅威度更新、ドローン全機展開』
 白騎士は眼前の伏兵どもにドローンを放つ。先程の攻撃のせいで、これ以上の回復は望めない。ならば全力を以ってこの場を切り抜ける。チカチカと明滅を繰り返すドローンに、しかし二人のケットシーは容赦なく威力を解き放つ。
「怖いけど……未来の為に、行くよ!」
 放たれた【サモニング・ガイスト】と【風花は舞い散り】は徹底してドローンを封じ込める。吹き飛ばされ、凍結され、偽りの情報で上書かれたそれらは、最早本来の役割を果たせない。
『戦術変更、全方位攻撃を開始する』
 であればドローンを使わずに、今の時点で視えた全てを、全力を以って解き放とう。残されたバインダーの高密度レーザー群が、白騎士の全周囲を焼き尽くした。予測演算は完璧ではないとしても、当てられないという訳ではない。横たわるアルルを守らんと駆け寄った二人のケットシーは、必死の形相でその光の前に立ち塞がる。
『そう幾何も持つまい、その位は貴様らを見れば分かる』
「そうかい」
 不意に白騎士の足元で、声が聞こえた。

「この距離で……私が何をするかまでは、流石に分からなかったかしら……」
 レナだった。鋒鋩の体で足を引きずり、その腕は白騎士の足首を捕まえている。
『警告、武装を』
「切り裂き、穿ち、死を運べワイアット!」
 奴の死角から、その心臓を引きずり出せ! 解き放たれた【死を運ぶ者】――レナの瀕死と引き換えに発動するそれは、ぬらりと白騎士の内側、装甲の裏からその姿を現した。その手には暴力的な銃器の数々。大穴狙いのデッドマネー、命と引き換えの大勝負は、大音響の銃声と共に幕を引いたかに見えた。
『緊急事態、装甲排除』
 ばぁんと、ワイアットが現れた装甲が排除される。その姿を晒したワイアットは白騎士に掴まれ、地面に叩きつけられた。しかし外れた装甲の中は紫電と紫煙が纏わりついて、最早尋常ではない様相を示していた。
『ここまで、やるとはな』
 想定外、これこそ私が恐れた尋常ならざる事態。デストロイマシンの効果で失った、本来あるべき感情。
『作戦変更だ、撤収させてもらう』
「待て、逃げるのか!」
『そうだ、いずれ戻る為に』
 駆けるオクトー、それらにレーザーをばら撒いて追手を振り切り、白騎士は姿を消した。
 前衛の陽動と後衛の支援、そして隠された切り札が揃わなければ、ここまでの攻撃は通じなかったろう。
 傷ついた仲間を支え、猟兵達は一時の休息を得ることにした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

死之宮・謡
アハハ、白騎士カ、アハハ、帝国ノ技術ノ結晶ダ、アハハ、誇リ高キ戦士…アハハハハッ、サァサァ、思ウ存分、殺シ合オウカ!

WIZ

戦闘力の無いドローンか…こいつだけは、苦戦も活躍もする前に破壊し尽くせば良いよなぁ?UC【押し寄せる銀灰の波濤】…ドローン殲滅のついでに白騎士も巻き込んでやるよ…艦内なんていう閉鎖空間じゃあ逃場もねぇよなぁ?ぶっ潰れろ!
此で終るか?終らなくても、銀灰喰らった後に私と戦えるかな?まともに貴様の身体は動くかなぁ?
耐えたなら「怪力、鎧砕き、二回攻撃」で追い打ち、破壊する。

ソロソロ、壊レテクレナイカ?此以上ハ無理ダロウ?諦メルト良イ…



――戦艦エンドレス、艦底部通路
 度重なる猛攻に満身創痍となる白騎士。しかし、これで終りではない。格納庫にさえ辿り着けば未だ、勝機はある。
「アハハ、白騎士カ、アハハ、帝国ノ技術ノ結晶ダ!」
 不意に嗤い声が聞こえた。それは猟兵、死之宮・謡(狂い果てし王・情緒不安定の狂戦士・f13193)の声。
「アハハ、誇リ高キ戦士…アハハハハッ、サァサァ、思ウ存分、殺シ合オウカ!」
 ぬらりと、その背後から【押し寄せる銀灰の波濤】――灼熱の液化金属が形作る大津波が現れた。

 恐らく戦闘力の無いドローンが相手。ならばそれごと巻き込んで、全て破壊してしまえばいい。謡の判断は決して間違っていない。現に白騎士からはふわりと、思ったより数は少ないが、ドローンが姿を見せた。だがそれ自体は何の攻撃力も無く、そしてこの攻撃ならば私への解析なぞさせる暇は与えない。勢いよく押し寄せた液化金属の塊はそのまま冷え固まり、ドローンと白騎士を飲み込んだまま、その動きを止めた。艦内なんていう閉鎖空間じゃあ逃げ場も無いだろう、と。液化金属に蹂躙され尽くされた通路を見て謡は妖しく笑う。しかしそれは、謡も同じくである。

 突如、固まった金属が振動を開始した。グラグラと揺れ、亀裂が走る。そしてその中から、一対の空飛ぶ拳が謡を強襲した。その急な一撃は顔面と腹部を捉え、通路の反対側へと謡を吹き飛ばす。そして砕け散る金属――中から出て来た白騎士は、先程と姿が変わらない。よく見れば、床に大穴が開いている。外の温度で液化金属を急速冷却し、一部の固まった金属を起点に、中空の洞で己の身を守る空間を作り出していたらしい。
『解析完了、攻撃開始』
 両の巨腕を戻し、続いて手にしたレーザーキャノンが謡を襲う。この閉鎖空間の通路、遠間から狙撃されては逃げ場が無い。
「……ソロソロ、壊レテクレナイカ?」
 だが謡は諦めない。現に白騎士の装備はその殆どが、まともな状態ではない。その様子を見やり、追撃を仕掛ければ勝てると、手にした巨剣でレーザーを避けながら前進する、しかし続いて放たれる光群の圧が、それ以上先へと進ませない。
「……此以上ハ無理ダロウ?」
 だが無言で、白騎士は蹂躙を続ける。再び空飛ぶ巨腕を前へ突き出し、勢い良く放った。その二塊を今度は確実に打ち返した謡だが、その際に開いた身体にレーザーが直撃した。
『否、諦めるのは貴様よ』
 通路の壁に叩きつけた謡を見て、白騎士はその場を抜けた。
 蹂躙されたのは白騎士も同じ。もし距離を取った戦いが続いていれば、どうなったていたかは分からない。
 故に早々に立ち去る必要があったのだ。新たな装備を手に入れる為に。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

パル・オールドシェル
ミハエラ(f13828)と共闘

最悪ですね
僕の最大火力は隙が大きい
発射タイミングを見切られては対応されてしまう
連携は無しです、せめて[目立たない]ようにフルチャージまでの360秒、耐えるしかない

敵艦の甲板上で[拠点防御]に徹して[盾受け][時間稼ぎ]で攻撃を耐える
彼女と短距離通信で視覚・位置情報を共有し、動向には気をつけながら[力貯め]します
チャージ完了、あるいは彼女が倒れれば彼女の視野と位置情報を狙って即時発射
[スナイパー]のように敵艦の[傷口をえぐる][鎧無視攻撃]の[零距離射撃]で戦艦もろとも白騎士を撃ち抜きます
充填電力の半分ずつを使い、砲身が焼け落ちても構わない速射[二回攻撃]で貫く!


ミハエラ・ジェシンスカ
最悪だな
精確に先を読んでくる相手ほど私の剣と相性の悪いものはあるまい
連携は無しだ。他人を慮っている余裕はない

[念動力]で攻撃を逸らし
周囲の障害物を即席の武器や盾に[武器受け][地形の利用]
ルールを宣告される前にそれらは破棄

接敵後は悪心回路を起動
こちらの思考が変われば未来も変わろう
だが再演算の隙は与えん
隠し腕を展開[捨て身の一撃]を行う

と見せかけて敵に組み付く[だまし討ち]
[念動力]も併用、使えるものは全て使って拘束を試みる
悪いが貴様には盾になって貰う[敵を盾にする]
アイツの砲撃からのな

連携は無しと言ったがアレは嘘だ[だまし討ち]
パル(f10995)と共闘
短距離通信でお互いの視覚・位置情報を共有



――戦艦エンドレス、格納庫
「最悪だな」
 ミハエラ・ジェシンスカ(邪道の剣・f13828)は己の得物を見やり、独り言ちる。精確に先を読んでくる相手ほど私の剣と相性の悪いものはあるまい。
「最悪ですね」
 パル・オールドシェル(古き戦友・f10995)は呟いた。僕の最大火力は隙が大きい。発射タイミングを見切られては対応されてしまう。
 故に、連携は無しだ。それぞれ好きな様にやらせてもらう。そうやり取りをして、そして現れた白い影に狙いを絞る。
『ウォーマシンか、しかし迂闊だな』
 白騎士は格納庫へ現れたと同時に、ミハエラへ語る。
『貴様らがその通信でやり取りをしている事は、最上位機である私には分かるのだぞ?』
「ほざけ、覗き見とは悪趣味な大将だな」
 確かに、ウォーマシンなら通信の内容は分からなくとも、特に軍用の周波数帯であればそういったものが感じ取れてもおかしくは無い。
 ましてや相手はウォーマシンの総大将、白騎士だ。そういった事はあからさまにするべきでは無かったか。否。
「それじゃあ突破してみろよ、この先でお姫様が待ってるかもしれないぜ?」
 胸に手を『悪心回路』が発動したミハエラは、手にした『フォールンセイバー』を振るい、白騎士へ向けて吶喊した。だがその背後より、次元衛星砲がその牙を突き立てた。
『愚かな』
 避ける事もままならぬミハエラ。しかし想定外だったのは、次元衛星砲がその一撃を以って、遂にその動きを止めた事。バインダーを破壊され補給もままならなかった次元衛星砲は、ここまでだった。
「ハッ……子分はとうとうお休みか。それじゃあこっちから、行くぞ!」
『大儀であった、ヴァジュラ。そして貴様、武装を解除せよ』
 次元衛星砲は使えなくとも、それ以外の武装はかろうじで使える。背部の高密度レーザー群が、既にミハエラをその射程に捉えていた。
「誰が外すか!」
 そのまま再度の吶喊、無慈悲にも襲い来る光群がミハエラの進路を焼き尽くすが、それでも尚止まらない。否、止まるわけにはいかないのだ。
「この捨て身で、貴様ごと終わらせるッ!」
『ほざくか、雑兵風情が。だがその前に』
 白騎士は近寄るミハエラを高密度レーザー群で往なすと、格納庫外のカタパルトデッキに向けてレーザーキャノンを斉射した。

――戦艦エンドレス、カタパルトデッキ
 突然の光条にパルは少しだけ慌てた。目立たない様に格納庫を抜けて陣を構築。あと少しの時間があれば、E型装備のチャージが完了する所だった。
 だが格納庫より放たれた光条は徐々に、パルがいる位置へ向けてその牙を向けてきている。このまま居座っていては、確実にアレを喰らってしまうだろう。それでも。
「あと、10秒……」
 せめて10秒でも耐えられれば必殺の一撃を加えられるが、白騎士の猛攻は想像以上――既に防御構築した残骸は殆どが消し飛んでいる。
 甲板に突立てた『アルカディア』も果たして如何ほど持つものか……やむを得ない。これ以上のレーザー照射は自身にとって危険過ぎる。
 パルは【要塞攻略E型装備】を展開し、狙いを定めた。ターゲットは白騎士。射線は幸い、先方が自らガイドをしてくれている。
「対要塞レールキャノン"HOPE"、出力40%で……発射!」
 瞬間、舞い上がった紫電を纏い、極超音速の電磁投射が白騎士目掛けて放たれた。

 だがその一撃は、当たる寸前で無慈悲にも防がれる。絶対防御障壁は白騎士がその場を動く事なく、パルの放ったレールキャノンを無効化した。その足元ではミハエラが倒れている。これまでのレーザー群を受け続けた結果、前へ進みながらその場で落ちた。
『貴官らの様な、勇敢なウォーマシンが我が軍にもいればな』
 白騎士は己の特性を生かし、全力で立ち向かった同族へ敬意を表した。そして絶対防御障壁を解除すると共に、今度はパルの方へと足を向ける。その時、カチリと音が聞こえた。
『貴様……生きて!?』
 白騎士の背後、ミハエラが立ち上がり、その全身を以って白騎士の動きを封じた。『悪心回路』を外し、僅かながらの気配の違いを正しく感じ取る事が出来なかった。
「そういう事だ。やれッ!」
 視界を共有しているパルへ今度こそと、砲撃の指示を出す。合わせて『隠し腕』が、邪魔な絶対防御障壁の発生装置を、今度こそ破壊した。
 その声を聞き、もう一度展開したE装備から再び、必殺の砲弾を放たんとする。
「白騎士、僕には思い通りの未来は見えない。だけど」
 こうやって、作る事は出来るんだ。ターゲットロック、照準補正誤差0.3。光学及び電磁的欺瞞装置なし、目標正面から変わらず。
「早く撃てッ! この」
 不意に甲高い炸裂音が聞こえた。その一撃は正確に白騎士の胴体を貫く所であったが、しかし。
『見事だ、それでこそウォーマシンたる戦い方!』
 己が五体の傷を顧みず、作戦遂行の為には死をも厭わない。そして。
『そして、安易な未来に踊らされない信念、これこそが私に欠けていたモノだろうか。だが』
 白騎士は最後の一撃を、手にしたフォースセイバーでミハエラを振り払い、レーザーキャノンで改めてパルを撃つ。
 その隙に、白騎士は撤退した。今度こそもう、長くは無い。
 しかし同胞だった脱走兵に死に様を晒すなど、大将として許せぬ。
 己の死に場所を求め白騎士は、更に奥へと進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イデアール・モラクス
【PPP開発室で参加】

・対先制攻撃
「銀河皇帝などに従う愚かな騎士め!」
私に防御手段はない、故に【自分を中心とした全方位に稲妻を放つ超高威力広範囲の攻撃魔法】の術式を『範囲攻撃・全力魔法・属性攻撃・高速詠唱』により一瞬で構築して放ち、白騎士の呼び出したドローンを壊滅させ敵の先制攻撃に攻撃をぶつけ相殺を狙う

・UC攻撃
「塵芥と成り果てろ!」
UC【魔導覚醒】を『高速詠唱』で行使
魔導防壁を纏いながら空を縦横無尽に飛翔し、両手から次々と『全力魔法』の力で威力を増した『属性攻撃』魔法【風の刃、聖なる光線、闇の球体、炎弾、氷の槍、足元から隆起する石の棘】を無詠唱連射、圧倒的弾幕の『範囲攻撃』と成して飽和攻撃!


フィーナ・ステラガーデン
【PPP開発室で参加】
敵が最初からドローンをすでに召還済みなら最初から
UC使用して土嚢として使うわ!
「高速詠唱」「範囲攻撃」を使い仲間達と連携して
ドローンを巻き込む形で何度も魔法を連続でうち爆発で行動を制限させるわ!
回避させる場所をあたえずあたり一面ずっと爆発させればいいじゃない精神ね!
決め手にかけるようならトドメとばかりに「全力魔法」「属性攻撃」
(許されるなら別UCである串刺ス一閃ノ槍)を打ち込むわ!
どーせその隙を予知して攻撃してくるわよねこいつ
「覚悟」「勇気」の技能を使用して攻撃を打ち込まれても痛みを凌駕してでもトドメを打ち込むわ!
未来予知だから何よ!なめんじゃないわよ!

アドリブ歓迎


響・夜姫
【PPP開発室で参加】

まずは召喚されたドローン66機、【クイックドロウ・一斉発射・範囲攻撃・誘導弾・スナイパー】で撃ち落とす。
白騎士本体への警戒も怠らない。防御は【オーラ防御・武器受け】ミレナリオリフレクション。

フィーナお姉ちゃんが倒れたら【第六感・ダッシュ・誘惑・手をつなぐ】で白騎士と物理接触。
【時間稼ぎ】で自分ごと【零距離射撃・範囲攻撃・2回攻撃・誘導弾・一斉射撃】を力の続く限り全力で継続。自分のダメージはなるべく防御。
「飽和攻撃…!」
未来予測には、予測してなお対処を要する攻撃が一番。学習した。
最低でも10秒は、私に釘付けにする。

「お姉ちゃん!イデアール!」
あとはお願い…!



――戦艦エンドレス、機関室
「だから、どうしてここな訳よ!」
 フィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)が咆える。ここは暗いし、油臭い。
「こういう時のクライマックスは大体ここか甲板なのよ!」
 イデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)が答える。つまり確実に大将首を取る為に、敢えてこの場所を選んだのだと。
「お姉ちゃん、イデアール」
 多分来た、と響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)が伝えた。その通り、機関室の入り口には、いつの間にか白い巨影が姿を現して。
『こんな所にも……紛れていたか、猟兵』
 言葉は強くとも、しかしどこか弱った様子。彼女らを見て放たれるドローンも数少なく、背部のバインダーからは煙が漏れ出ている。
「そんな物なら話は早いわ! 一気にやっつけるのよ!」
 フィーナの【炎ハ衝撃ヲモ喰ラウ】が放たれたドローンに対して炎の壁をぶつける。幾度となく放たれたそれが、無慈悲にも飛び交うドローンを焼き続けた。
『ドローン展開率30%……フハハハ、追い詰められたものだ』
 その高笑いはデストロイマシンによる精神抑止か、あるいは己の本心から来る戦への高揚か。
「白騎士、壊れた……?」
 その様子を訝しみながらも、夜姫は【ミレナリオ・リフレクション】でドローンを新たに召喚する。こちらから白騎士を解析して、倒す為に。
「フン、弱き心だな……銀河皇帝などに従う愚かな騎士め!」
 白騎士を一喝、イデアールは自分を中心とした超高威力広範囲の攻撃魔法術式を一瞬で構築、フィーナが焼いているドローンへ更なる追い打ちを掛ける。
「稲妻を以下略!」
 一瞬で構築された恐るべき魔法式が稲妻となって、今度こそ白騎士のドローンはその力を失った。
『私の力をも利用し、私の力は全て破壊したか、成程……ではこれならば』
 どうかな、と。言うと共に全方位へ煌めく高密度レーザーが、PPP開発室の面々を襲った。

「何よ、ドローンじゃなくても十分強力じゃないの!」
 炎の壁でレーザーを減衰するフィーナ。一つ一つはそれほどでは無くても、その数が圧倒的に多い。
「狼狽えるな仲間達! ここまで来れば我らの勝利はもう少し!」
 塵芥と成り果てろ! と【魔導覚醒】したイデアールが本気状態となり、先程の稲妻を纏めて白騎士の背部バインダーへ落とす。
「高い所は狙いやすいのよ! くたばれ!」
 直後、爆発四散。解析後の変容に対処出来ない白騎士は、それでも戦う事を諦めない。続いて手にしたレーザーキャノンを、イデアール目掛けて乱射する。
「ちょっと、イデアールの方がいいっての? あんな性悪より」
 こっちを見ろ木偶の坊! 炎の壁を生成して、レーザーキャノンの威力を殺す。その姿を見た白騎士はフォースセイバーを手に取り、フィーナの元へ。
「いや、別に本気でこっち来いって訳じゃあ……」
 若干引き気味のフィーナは炎の壁を何重にも展開し自分の前へ並べる。しかし白騎士はイデアールに光条を斉射しながら、もう一つの手で光剣を振るい、その壁を解体していく。
『待たせたな』
「待ってない!」
 その一言が最後、フィーナは光剣に斬られる。幸い炎の壁が最後まで光剣を抑えたおかげか致命には至らず、しかし流血がその意識を奪った。
「お姉ちゃん!」
 倒れたフィーナを見て急ぎ駆け寄る夜姫。しかし光剣を握ったまま、白騎士はその拳を夜姫へ発射した。
「邪魔……しないで」
 二丁拳銃が迫る拳を穿つも、その勢いは止まらない。ならば物理的に抑え込む。展開した五対の十字架が天地側面から空飛ぶ拳を抑え込み、地面に叩きつけた。
「そこで大人しく……!」
 不意にもう一つの拳が夜姫を襲った。弾き飛ばされ転がる夜姫、しかしその目の闘志は消えず。
「飽和攻撃……!」
 二対の十字架がふわりと夜姫の元へ戻り、その手にはマガツとダルクが。敵の威力は既に解析済み、この一斉発射で少しでも敵を削って、時間を稼いで……
「お姉ちゃん! イデアール!」
 あとは、おねがい。一対の拳は少なくとも、よるひーが止めたのよ。
「フハハハ……どうやらここまでの様だな、白騎士とやら!」
 宙を舞いレーザーを回避しながら特大の魔法式を形成していたイデアール。そして召喚した風の刃、聖なる光線、闇の球体、炎弾、氷の槍、足元から隆起する石の棘、何がどうとか、最早数える事の方がよっぽど難しい属性魔法の数々が、一斉にその牙を剥いた。

 白騎士の五体はあらゆる属性の魔法に穿たれ、その威容は最早過去のモノとなっていた。全ての兵装は粉砕され、自慢の演算も勝利への方程式は導き出せない。
『これが……猟兵……』
「その通りよ。そして貴方はこれで終りだわ」
 手にした『暴虐の杖』をその喉元につき付け、勝利を宣言するイデアール。
『ここまで……色んな奴がいたな』
 己の身を犠牲に戦うもの。仲間の為に命を賭すもの。絶対の力で屠らんとするもの。
『そのどれもが、強かった』
「そりゃそうよ、ここに集うは精鋭22騎ってね」
 誰が言ったか、イデアールはおどける。その全ての力を結集して、ようやくここまで来たのだ。
『そうだな……私は、もう』
 ここまでか。バチバチ放電するエネルギーに立ち込める煙。その声も霞掛かった様、力無く、イデアールに返す。
『だが……皇帝陛下は』
 そこまで言って、遂に白騎士は事切れた。
「皇帝陛下が、何なのよ」
 誰が相手だろうと、私達は負けないわ。
 それが猟兵、理の外から来た世界の守護者なんだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月24日


挿絵イラスト