銀河帝国攻略戦⑳~白き不屈の騎士を討て
白騎士ディアブロ直属『白魔』『白城』の艦隊を打ち破り、白騎士ディアブロとの直接対決の道が拓かれた。全ての兵力を迎撃に出し尽くした白騎士ディアブロの周囲にまともな戦力はなく単身である。
好機と『解放軍』艦隊はこれを包囲し攻撃する。だがその砲火は白騎士に届かない。全ての攻撃が避けられ傷一つ負わすことが出来なかった。
ならばと艦隊から武装を備えた小型艇が飛び立つ。すれ違うような近接からの射撃。だがドッグファイトを繰り返しても、ダメージを与える事は出来なかった。
あらゆる攻撃が通じず、『解放軍』艦隊は白騎士を討つ事を諦め、先へ急ぐ。戦力を失った白騎士の優先順位は低くなり、最大の標的である皇帝のすぐ近くにまで迫っているのだ。この場でまごつく暇はないと、舵を切り『解放軍』艦隊は去って行った。
「どのような危難に遭っても私の心に揺らぎはない。だがそれこそがこの苦境を呼び込んだ原因なのかもしれぬ。恐怖を克服する強さ、そういったものが私達の足りないものなのではないか」
艦隊を見送りながら白騎士は静かな声で独白する。
「今さら考えても詮なきことか。残るはこの身一つ。皇帝陛下の御為に、命尽きるまで戦うのみ」
直立不動。鋼の城のような存在感を持つ白騎士は黙し決戦の時を待つ。静寂の中に居ながらも、苛烈な戦いが間近に迫っているのを感じ取っていた。
「諸君、銀河帝国二大巨頭の一人である『白騎士ディアブロ』との決戦の時だ」
いつにも増して厳しい声でバルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が猟兵達に語りかける。
「『解放軍』は順調に進み、白騎士ディアブロに刃が届く位置にまで辿りついた。だが『解放軍』の力では白騎士を倒す事は出来ず、そのまま諦めてしまった」
解放軍にとって重要なのは皇帝を倒す事だ。放置して艦隊を進めるのも理解は出来る。
「だが我々は猟兵でありオブリビオンと戦う者だ。『白騎士』『黒騎士』のいずれかが逃げ延びれば、新たな『オブリビオン・フォーミュラ』となる可能性がある。それに皇帝を倒しても残党は出るだろう。その新たな旗頭となられても困る」
バラバラになった残党なら容易く排除できるが、トップに成れるものが居れば大きな組織として纏まりを持ってしまう。
「後顧の憂いを断つ為にも、追い詰めたこの機に倒してしまうのが最上だ」
この機を逃せば次に相まみえるのがいつになるのか分かったものではない。
「敵はたった一人、だが『白騎士ディアブロ』は強い。今まで戦ってきた帝国兵とは比べ物にならないだろう。限定的ながら『未来を操作する』能力を持ち、初見殺しとも言える先制攻撃の能力もある」
必ず先制して猟兵が使うユーベルコードと同じ能力のユーベルコードによる攻撃を行う。
「食らえば一撃で戦闘不能となるだろう強力な攻撃だ。これを如何に凌ぎ、反撃に移るか、それが白騎士攻略の重要な戦術となる」
先制攻撃への対抗策がなければ、指一本触れる事無く負けてしまうだろう。
「そして未来を操作する能力で『全ての攻撃を逃れ』『絶対に命中する攻撃』を『最大の効果を発揮する』ように行う。それに対抗する策も考えなくてはならない」
有効な対策を考えなくては、銀河帝国の技術の粋を尽くした兵装でもって返り討ちに遭ってしまうだろう。能力を知るだけでもその危険さが解かる強敵だ。
「そのような強敵だが、厄介な事に倒しても『骸の海』から蘇り、違う場所で新たに戦場に現れる力も持つ」
猟兵が勝っても負けても完全回復して新たな戦場に現れるという、反則のような能力を有している。
「完全に倒すには諸君だけでなく、他の仲間達のチームも戦いに勝利し、何度も蘇る白騎士を倒さなくてはならない。だが倒し続ければ勝利を掴めるということだ」
ならばその内の一度をここに集まった皆で掴み取らなくてならない。
「倒された白騎士は周辺の配下の艦艇のどれかに現れる。私がどの艦かを予知する事で待ち伏せして攻撃することが可能だ」
最初に戦う事になるチーム以外は、待ち伏せによってイニシアチブを取ることが可能となる。
「勝算は五分といったところか、だが元より戦場に必勝などというものはない。各々全力を尽くし生還せよ」
説明を終えたバルモアは猟兵達と視線を合わせ、頷くと戦場へのゲートを開いた。
天木一
強敵との死闘、燃える展開ですね。こんにちは天木一です。
今回は強敵中の強敵、白騎士ディアブロとの決戦となっております。
難易度が高く失敗も十分考えられる戦いです。判定も普段より厳しいので全力で挑みましょう!
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●特殊ルール
白騎士ディアブロは、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
●連絡
このシナリオは、白騎士へのファーストアタックを決めるシナリオとなります。
他のシナリオと違い『出現場所で待ち伏せる』のではなく、出現している白騎士に対して、突撃して戦闘する事になります。
白騎士が待ち構えている状態である為、少し難易度が高くなりますが、勝利に向けて全力を尽くしましょう。
第1章 ボス戦
『白騎士ディアブロ』
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POW : 収束する運命の白光
【対象の未来位置に向け放たれるレーザー】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : ホワイトライト・トゥルーライト
【10秒先を見たかの様に的確な攻撃を行い、】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予想シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
亜儀流野・珠
お前が白騎士ディアブロか!
白魔と白城には苦労させられたぞ…まあぶっ飛ばしてやったがな!
さあ最後の白も狩らせて貰おうか!
ドローンか。この数を操るとは流石だな…だが俺のが上だ!奥義・千珠魂!どうだ数え切れまい!
奴が何かする度こいつらの能力が発動するなら!奴と交戦せずドローンのみ一気に全滅させる!
「俺たち」よ!奴は相手せず薙刀・「狐の爪」でドローンを全て破壊してしまえ!届かなかったら狐火で撃ち落としてもいい!
そしてドローンの全滅を確認したら奴を叩く!
余ってた「俺たち」よ、囲み、纏わりつき狐火で攻めろ!
「俺」はその隙に、薙刀で【怪力】と【気合い】を全て籠めた【捨て身の】【なぎ払い】を叩き込んでやる!
●白騎士ディアブロ
朽ちた艦艇の中に、不動の白き機械仕掛けの騎士が全てを見透かすように待ち構えている。そう、そこへ猟兵達が攻撃を仕掛けてくると未来を予測していたのだ。
「来たか」
彫像のようだった白騎士が振り返る。そこには歪んだ空間から現れる人影があった。
「お前が白騎士ディアブロか! 白魔と白城には苦労させられたぞ……まあぶっ飛ばしてやったがな!」
勢いよく亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)が白騎士の前に飛び出る。
「さあ最後の白も狩らせて貰おうか!」
ビシッと珠が指さし宣言すると、応じるように白騎士は66機の動画撮影ドローンを召喚する。
「我こそは銀河帝国の二大巨頭が一人、白騎士ディアブロ。全力を以って帝国に仇なす者を葬り去ろう」
ドローンは珠の姿を映し、その挙動、癖、能力を全てデータ化して未来を予測する。
「ドローンか。この数を操るとは流石だな……だが俺のが上だ! 奥義・千珠魂! どうだ数え切れまい!」
対抗心を燃やし、珠は己の分身を115体生み出した。そして自らは飛び退いて間合いを開ける。
「『俺たち』よ!奴は相手せず薙刀・『狐の爪』でドローンを全て破壊してしまえ! 届かなかったら狐火で撃ち落としてもいい!」
そう指示を出すと一斉に分身が襲い掛かり、薙刀でドローンを撃墜していく。
「ほう、考えたものだ。だが既に勝利までの未来は成立している。ドローンが破壊される前にその予想通りに動けばいいだけのことだ」
冷静に白騎士は銃口を向けて珠を狙う。珠がそれを避けると、さらにそこに移動するのが分かっていたように銃口を向けられていた。慌てて珠は地面に伏せるように身を投げて避けた。そこにいつの間にか接近していた白騎士がフォースセイバーを振り上げていた。
「この程度で俺をやれると思うな!」
ゴロゴロと横に転がって避けようとすると、先読みされたように蹴り上げられた。だがそこで一瞬の迷いが生まれる。分身の攻撃によってドローンが全滅し、未来予想が途切れたのだ。
「余ってた『俺たち』よ、囲み、纏わりつき狐火で攻めろ!」
分身達が白騎士を囲んで小さな火を宿し、一斉に攻撃する。それに紛れて珠は身を隠す。
「数が多くとも、私を倒す火力はない」
集中砲火の威力を見切り、装甲で攻撃を弾き、白騎士がフォースセイバーを振るって火を掻き消し、分身を纏めてぶった斬った。為す術もなく分身達が消されていく。
「楽にはいかないか、なら全てを籠めた一撃をお見舞いしてやる!」
分身が全て消されてしまう前に、珠は死角から飛び込んで全力で薙刀を振り抜いた。刃は白騎士の胴を薙ぎ装甲を斬り裂いて火花を散らした。
「捨て身の一撃か。恐怖に抗いし者よ、その強さ覚えておこう」
損傷しながらも鋭い太刀筋で白騎士は分身諸共、珠を斬りつけて薙ぎ倒した。珠は腹に傷を負い地面を転がった。
苦戦
🔵🔴🔴
フロッシュ・フェローチェス
未来を操る騎士……!? いや、ならやるしかない……アタシの速さで、その未来予測をも超えてみせる!
まず未来を、先手を握られている以上、攻撃へ映す意識は全部捨てる。碧穿炉を伸縮させて盾とし最初の一手は――一瞬間だけは防御を試みるんだ。
コレは布石。……未来を見られているのなら寧ろ全力を注ぐよ。
その的確な攻撃と敏捷を利用する。
防御しながらに【選択したUC】発動だ、数発を早業で回避しバックダッシュしつつね。……激痛耐性がある、根性を見せろ、足を止めるな――!
その連携の中で若干崩れた一発を見切り、刻天炉の銃撃で隙を作り衝撃波で突貫。ラグ無しの二回攻撃で衝角炉によるソバットを叩き込む。
吹っ飛べ白騎士……!!
才堂・紅葉
「小細工が通じない殿方は嫌いですよ」
無骨な【蒸気王(アイテム)】を操縦します。
この剛力と厚い装甲、背中の蒸気ジェットの加速力なら強引に抜ける!
訳はないので冷静に対処する。
絶対の先制を戦闘知識と野生と勘と見切りでダメコンし、それでも蒸気王が砕かれると予測。
すかさず機体を放棄して【身を軽く】し、コクピットから勢いのまま飛び出し、カウンターで腰だめのナイフ突撃で串刺しを狙う。
ヒットすれば、二回攻撃で背後に回りこみグラップルと怪力で、投げるのではなく落すスープレックスを狙う。
その際、UCは使用せずスキルでの封印解除でコードを開放し重力加重を追加したい。
「コード……ハイペリア!!」
【アドリブや連携歓迎】
●未来よりも速く
「未来を操る騎士……!? いや、ならやるしかない……アタシの速さで、その未来予測をも超えてみせる!」
覚悟を決め短刀を握ったフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は敵の視界に入る。大きな化物の右目が一瞬たりとも敵の動きを見逃すまいと凝視する。意識の全てを防御に向けてその一瞬を待ち構える。
「予測通りだ。征くぞ」
既に現れるのを知っていたように、白騎士はレーザーキャノンの銃口をフロッシュへと向けていた。放たれる光線。フロッシュは短刀の刀身を伸ばして盾にする。光線は受け止めた刀身を砕き貫通する。だが僅かに軌道を逸らし胸ではなく左腕を貫いた。
「足が無事ならどうとでもなる!」
初撃を凌ぎ自らを加速させたフロッシュは続く光線をバックダッシュしながら躱し、敵の射撃が乱れるのを待つ。
「私の予測を上回ろうというのか、面白い。試してみるがいい」
白騎士は先読みするように光線を放つ。
「根性を見せろ、足を止めるな――!」
折れた短刀を伸ばしフロッシュは光線の直撃を受け流して防ぐ。そして三連散弾銃型のガジェットを傷ついた左手で抜いて発砲した。放たれた散弾が敵のレーザーキャノンに当たり射撃を止めさせた。同時に発砲の衝撃で左腕の傷が広がり血が溢れ出る。
「痛みなんかで、止まってたまるか――!」
痛みを消し飛ばすように叫び、フロッシュはメカブーツから衝撃波を放って地面を砕きながら突貫した。
「食らえ! 」
自らを弾丸のように突っ込んだフロッシュは空中で回転しローリングソバットを叩き込む。だがギリギリで白騎士は銃身を盾にして受け止めていた。ブーツから放たれる衝撃波に姿勢を崩しながらも白騎士は防ぎきる。だがフロッシュは衝撃波の反動で逆回転し、反対の足でローリングソバットを胸部に叩き込んだ。
「吹っ飛べ白騎士……!!」
蹴りと同時に放たれる衝撃波が胸部装甲をへこませ、白騎士の身体を宙に浮かせた。さらにフロッシュは足裏から衝撃波を放って追いかけようとする。
「見事……」
しかし吹き飛びながらも白騎士は銃口を向け光線を放つ。光は防ごうとした短刀を砕きフロッシュの右太腿を撃ち抜いた。バランスを崩したフロッシュはメカブーツの制御に失敗し壁まで吹き飛んだ。
「小細工が通じない殿方は嫌いですよ」
追い打ちを掛けるように才堂・紅葉(お嬢・f08859)は、そのお嬢様然とした見た目に似合わぬ、無骨な蒸気ゴーレムを操縦して白騎士に接近する。
「この剛力と厚い装甲、背中の蒸気ジェットの加速力なら強引に抜ける! 訳はないですよね」
ゴーレムを蒸気ブースターで飛ばし敵にぶつかる針路をとる。そして破壊されるのを予測して対処できるように備えた。
「心無いただの機械は玩具に過ぎん」
背中のブースターを吹かして姿勢制御を行い着地した白騎士のレーザーキャノンが光を放ち、ゴーレムを粉砕する。そのタイミングで紅葉は機体を放棄し、軽やかにコックピットから飛び出して白騎士に飛び掛かる。その瞬間、紅葉の背筋にぞくりと寒気が走った。命の危険を感じて紅葉は空中で身を捻る。するとそこに光が走り脇腹を貫いた。
「ほう、今のを避けたか。目が良いのか、いや、勘が良いのか」
ゴーレムを放棄する事も予測して、白騎士は飛び出した位置に銃口を向けていたのだ。
「残念でしたね、次はこちらの番です」
血を滲ませながらも既に間合に入ったと、紅葉は腰だめに構えたナイフを白騎士の左肩に突き入れる。
「私に傷をつけたか。その武勇、誇るがいい」
白騎士が下から突き上げるにフォースセイバーを振り上げる。それに反応して紅葉は肩に刺したナイフを蹴って乗り越え背後に回って躱す。そして腰に両腕を回して筋肉を膨らませ、白騎士の重い機械の身体を全身の力を総動員して持ち上げた。
「その細腕にこれ程の力があるとは……!」
「コード……ハイペリア!!」
驚く白騎士を後方へ投げるではなく、落とすようにスープレックスを放ち、紅葉は全ての力を込めて叩きつける。
「人とはこのように強くなれるものか。いずれは私を超えるやもしれぬ。だが今はまだ足りぬ」
投げられながらも白騎士の声音は変わらず、その腕がフォースセイバーを脇の下から背後に伸ばして紅葉の腹を抉っていた。
「全力でもまだ足りませんか……」
傷口を押さえ止血しながら紅葉は間合いを外した。起き上がった白騎士は上半身にダメージを受け、顔にひびを入れながらも、直立不動で揺るぎなく立ちはだかる。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
マハティ・キースリング
帝国の象徴
無双たる双璧、挑ませて貰う
収束する運命の白光対策
レーザーは未来位置に放たれる
その場から1歩も動かず
周囲に複数小型センサー投下
呪武具の封印を解く
超高温流体金属を活用した武器改造で手持ちのアームドフォート、戦車、近場のオブジェクトを溶かし、固め、まとめてひっくるめて自分を覆い隠すバリケードを建造
全身防具改造、流体金属&大気壁の被膜を纏い白光の軽減を試みる
準備段階でレーザーが飛んでくるならセンサーの視界情報から盾受けで弾く
アームドフォートをマグナムに変形
自分を撃ち致命傷を負う
どんなルールを課せられようが
私の意識外で動く紺碧の炎で奇襲
クラスターマインで焼夷弾による艦内無差別熱攻撃を仕掛ける
●未来を変える力
「帝国の象徴。無双たる双璧、挑ませて貰う」
かつて帝国軍に所属していたマハティ・キースリング(はぐれ砲兵・f00682)は、その武勇伝を幾つも耳にしたことがあった。そんな生ける伝説に挑むべく敵の前に姿を見せた。情報収集に小型センサーを飛ばし一歩も動かずに対峙する。
「動かぬか、懸命な判断だ。躱さずに受けるつもりのようだが、帝国技術の粋を集めたこの一撃を受けられるかな?」
レーザーキャノンが向けられ、マハティは呪武具の封印を解くと超高温流体金属を活用し、アームドフォート、戦車、近場の壊れたウォーマシンを溶かし、固めて己を覆うバリケードを建造した。
「その瓦礫諸共吹き飛ばしてやろう」
放たれる白光がバリケードに当たり、熱を持ち赤く灼熱して穴が空こうとする。マハティはその間に流体金属と大気壁の被膜を纏い全身を防御するスーツを作った。バリケードを破った光線がマハティの防ごうと上げた腕に当たる。
「ルールを宣告する『身を守る事を禁止する』」
そう告げる白騎士にマハティは余裕の笑みを返してみせた。
「残念だったな、守るのはもう終わりだ」
マハティはアームドフォートをマグナムに変形させ、自分の腹を撃ち重傷を負う。瀕死になると山羊頭を持つ歴戦のウォーマシンが召喚され、その剥き出しの殺意を白騎士に向けた。
「呼び出した以上どんなルールを課せられようが無意味だ。これは私の意識外で動く」
ウォーマシンは咆哮するようにクラスターマインを撃ち出し、分裂した焼夷弾が一面に火の海を作り出した。
「無差別燃焼攻撃だ。未来を見て回避できるか?」
マハティの挑戦的な言葉に、白騎士は怯む事無く前に出た。
「見事な戦術だ。己が戦闘不能になるのを想定しているとは。ならば私は堂々とそれを打ち破ろう」
躊躇なく火の海を進み白騎士はフォトンセイバーを構えウォーマシンに斬り掛かる。ウォーマシンは引きながらクラスターマインを撃って更に艦内を灼熱地獄に変える。だが熱でダメージを受け白い装甲を黒く焦がしながらも、白騎士は肉薄しウォーマシンを斬り捨てた。
「さらばだ」
そして白騎士は瀕死のマハティを見下ろし刃を振り上げる。
大成功
🔵🔵🔵
白金・ジュン
※合同プレイング希望です
同じPOW判定の人と協力して「収束する運命の白光」に対抗する
POW判定
・心情
未来は変わる!変えて見せる!
惨劇の決まった未来なんて
私たちの想いでいくらでも変えられるんだから
少なくとも私はそう信じている!
・行動
自身の召喚する魔法少女の信念に誓い
自らも想いを重ね一体化して疑似的な真の姿をとる
勇気、気合、祈り、自分の内にあるありったけの想いを
込めて全力で駆けずり回り
一緒に来た人たちを絶対命中の光芒から逃れさせる
自分の限界や未来の予知なんて知るもんか!
私は希望の戦士ピュア・ホワイト! みんなの明日を守ります!
春日・釉乃
【POW】
白騎士ディアブロ…未来を決めるのはあなたじゃない、あたしたちの手でっ!
ルールを宣告するレーザー?
なら、あたしは【破壊と創造の理】を発動
剣の悪鬼となり、超攻撃力と超耐久力を得る副作用で理性を失うの
けれど、この状況ならその副作用こそが勝機の鍵になるよ
だって…理性を失えば『宣告されたルール』の理解すらできなくなる狂戦士となるのだから!
機械鎧『鶴姫』の装甲と得られた超耐久力で白騎士の攻撃を敢えて受けきりながら、『白雲去来』による[早業][鎧無視攻撃][カウンター]と超攻撃力の斬撃で白騎士を迎え撃つよ
肉を切らせて骨を断つ――ってね!
「白騎士ディアブロ……未来を決めるのはあなたじゃない、あたしたちの手でっ!」
その予測された未来を打ち破ってみせると、武者甲冑の形をした機械鎧を纏った春日・釉乃(”CHIPIE”・f00006)が炎を太刀で切り開き戦闘に割り込む。
「未来に抗うか、破れるものなら破ってみせよ」
白騎士から白光が放たれ釉乃の胸を撃つ。
「ルールを宣告するレーザー? なら、あたしは剣の悪鬼となるよ!」
釉乃は機械鎧のリミッターを解除して剣の悪鬼と化し、戦闘力が高まるが理性を失いただ剣を振るう殺意の塊となる。だがこの副作用こそが釉乃の思いついた敵の攻撃を打ち破る方法だった。
――理性を失えば『宣告されたルール』の理解すらできなくなる狂戦士となる!
ただ動くもの全てを殺す悪鬼は、太刀を携え白騎士に向かう。
「ルールを宣告する『攻撃する事を禁止する』」
白騎士の言葉は釉乃の耳に届く。だが理性を失った釉乃は躊躇いなく太刀を振り下ろした。
「正気を失っているのか。だがルールはルールだ。罰則は受けて貰おう」
釉乃の機械鎧の胸部が穿ち血が溢れる。強化された機械鎧のお蔭で致命傷には至らないが、それでも深手だ。だがそんなものはお構いなしに、太刀筋に揺るぎなくただ敵を殺さんと刃は止まることなく振り下ろされた。
「なんと!」
白騎士は大きな右腕を上げて刃を防ぐ。だが血を吐きながら釉乃は獣の如く押し切り、右腕を断ち切った。
「剣鬼か、死なねば止まらぬな」
返す刃で斬り上げてくる釉乃に対し、白騎士はフォトンセイバーで受け止める。そして押し返して姿勢を崩すと、光の刃を振るって釉乃の右腕を斬りつけた。釉乃は避けようともせずに右腕を盾にして受け止める。そして左腕で太刀を振り下ろし、白騎士の右肩から入り胸まで達する。
「肉を切らせて骨を断つというが、腕一本犠牲にして一太刀浴びせるとは――まさに悪鬼の業よ」
白騎士はフォトンセイバーで胴を薙いで釉乃を引き剥がし、光線を放って吹き飛ばした。釉乃は壁にぶつかり力を使い切ったのか動かなくなる。
暴走していた釉乃が止まると助けようと白金・ジュン(魔法少女使い・f05521)が現れる。
「未来は変わる! 変えて見せる!」
希望の未来を信じるジュンは強敵を前にしても前向きに挑む。
「惨劇の決まった未来なんて、私たちの想いでいくらでも変えられるんだから。少なくとも私はそう信じている!」
ジュンは自身の召喚する魔法少女の信念に誓い、自らも想いを重ね一体化して疑似的に真の姿であるアイドルの姿となって敵の前に出る。
「未来は既に予測されている。運命は決まっているのだ。宇宙のように冷徹な未来が」
その言葉通り、白騎士は既にレーザーキャノンをジュンに向け出迎えるように待っていた。放たれる光線がジュンを貫こうとする。
「私は希望の戦士ピュア・ホワイト! みんなの明日を守ります!」
勇気、気合、祈り、自分の内にあるありったけの想いを胸に前に向かって駆け出す。数値では計算できない心の動き。それを基盤とした動きに心臓を狙った光は僅かにずれ、左脇に当たった。だが痛みはなく衝撃だけがあった。
「仲間を守る為に行動するか、その心掛けは立派なものだ。だがそれは己を犠牲にしてまで行えるものだろうか。ルールを宣告する『仲間を守る事を禁止する』」
ルールが定められる。破れば先に受けたレーザーがダメージを発生させる。
「どれだけ傷ついたって、みんなを守ってみせる!」
ジュンがそう宣言してマハティと釉乃を守る為に動こうとした時、左脇の肉が抉られ血を流しアイドル衣装を赤く染めた。それでもジュンは足を止めず、敵の予知を妨げるように戦場を動き回る。
「無駄なことを。既に新たなデータとして組み込んだ。何をしても未来は変わらぬ」
死刑宣告のような声と共に銃口が向けられる。
「諦めなければ、きっと未来は変わります!」
避けようとしたジュンの足を光線が当たった。
「それだけの傷を負ってもまだ仲間を守るか。計算すればその行動が無駄だと解かるはずだ。ルールを宣告する『仲間を守る事を禁止する』」
白騎士は試すようにもう一度同じルールを告げた。
「自分の限界や未来の予知なんて知るもんか! 希望の戦士ピュア・ホワイトは人々に希望を届ける!」
ルールを破れば大変な目に遭う。そう分かっていても、己が信念を貫きジュンは駆ける。その瞬間、当たった白光が現実の痛みとなりジュンの足を穿った。多くの血を流しジュンは前のめりに倒れ意識を失う。
「仲間を想うその信念、しかと胸に刻んでおこう」
白騎士は倒れた猟兵達を戦力外として優先順位を落とし、新たな猟兵を迎撃すべく背を向けた。ジュンの決死の行動は白騎士に僅かばかりのエラーを与えていた。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
アシェラ・ヘリオース
「ディアブロ殿……推して参る」
二大騎士の一人を相手に油断はない。
渾身を持って相手をするのみだ。
展開されるデストロイマシンを妨げる事は出来ない。
だが、それに応じて【黒騎招来】を持って黒騎ユニットを召還する。軽薄だが頼れる部下達のAIだ。
命じるのは【66機の動画撮影ドローン】のハッキング及び破壊。黒騎ユニットの手で白騎士殿に誤った未来予想シミュレーションを伝達させつつ、手間取るならその破壊を命じる。
私は赤光の剣を抜き、白騎士殿に挑む。
黒騎達を鼓舞し、念動力と二回攻撃で攻め、外套でのオーラ防御で凌ぐ。
勝機は自身のハッキングの成果。
澄んだ殺気と共に赤光の剣を伸ばし串刺しを狙おう。
【連携、アドリブ歓迎】
スヴェトラーナ・リーフテル
現地に付いて即座に狂気を召喚します。ディアブロは未来を予測するかもしれませんが、この狂気は極めて発見され難いです。故に発見されなければ兎に角ディアブロに狂気を取り付かせ、狂わせます。一方発見された場合、ディアブロは狂気を発見してしまいました。ならば認識を介して狂気が侵入します。従って、未来を予測しようとも彼は狂います。狂った彼は冷静に未来を予測して、対処するなんてことはできないでしょう。まぁ、初撃以降の話なのですが……。初撃は仲間の守りに期待するしかありません、後は……ではなく最初は頼みましたよ!!
連携&アレンジ歓迎
ハルツ・ノウゼン
【POW】
うぅーんんん……あぁーっ!もう、悔しいなあ!ぼくには 絶対に先制攻撃してくるレーザーを避ける方法は思いつかなかったよ。だけどさ、ユーベルコードが成立するには、レーザーを当てて“ルールを伝える”必要があるんだよね?それなら……うん、決めた!レーザーは受けたって良いや!
その代わり、キミなんかに絶対ハルツを決めたりさせない!!
届けっ【グラウンドクラッシャー】!!
(スキル『怪力、鎧無視攻撃、殺気、力溜め、鎧砕き、吹き飛ばし、捨て身の一撃、勇気、激痛耐性』)
あっ、そうだ!ついでにハルツのキカイな斧の栄養分になってくれると嬉しいな!!キミならきっと斧も満足してくれるはずだから!!
セゲル・スヴェアボルグ
普通にレーザーなど受けようものなら熱であっという間にお陀仏だろうな。
ならば、武器改造と防具改造で盾を鏡面加工しておく。当然、鏡の反射率が100%であっても、熱を帯びた光線には長くは耐えられん。だが、数秒、いや一秒でもいい。少しでも長く攻撃による隙を作ることができればな。
そうすれば、盾が壊れるまでに新たな盾を具現化する時間稼ぎもできる。後はタイミングを見誤らずに、早業で盾を切り替えていく。少しずつその距離を詰めるとしよう。
もし攻撃が掠め、ルールにより奴への攻撃が制限されると厄介だが、距離さえ詰めれば、血をかけるという行為だけでいい。後はにらみつける。承従タル対者の発動にはそれで十分だ。
●不確かな未来
「普通にレーザーなど受けようものなら熱であっという間にお陀仏だろうな」
ゲートを潜る前にセゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)は丸焼きのトカゲのように黒焦げにされた姿を想像して肩を揺らす。
「ならば、武器改造と防具改造で盾を鏡面加工しておく。当然、鏡の反射率が100%であっても、熱を帯びた光線には長くは耐えられん。だが、数秒、いや一秒でもいい。少しでも長く攻撃による隙を作ることができればな」
敵の攻撃が分かっていれば対策の仕様はあると、セゲルは早速作業に取り掛かる。
「狂気によりディアブロの行動を狂わせます。まぁ、初撃以降の話なのですが……。初撃は仲間の守りに期待するしかありません、後は……ではなく最初は頼みましたよ!!」
そう作業中のセゲルにお願いしてスヴェトラーナ・リーフテル(実装者・f03738)はゲートを潜り敵と離れた位置に出る。
「Semper avarus eget」
敵の居る艦内に転移したスヴェトラーナはすぐに狂気を召喚し、周囲を確認する。すると既にそれすら予測されていたように、周囲にドローンが飛んでスヴェトラーナの行動を観察されていた。
「これが未来を予測する能力……ですが気付いたのなら、この感情を認識し知ることになるでしょう。この感情の名は『狂気』。あなたの心を狂わせ、未来予測までも侵食することでしょう」
スヴェトラーナがドローンと視線を合わせこれから起きる事を予測したように説明する。
「そうか、だが狂気が私を狂わす前に術者が死ねば効果は解けよう」
壁が赤く熱を帯び、膨れ上がるように爆発して大穴が空く。そこにレーザーキャノンを構えた白騎士が姿を見せ、スヴェトラーナを見下ろし銃口を向けていた。
「狂気か、どのような感情なのか、興味はあったが、その可能性も今消える」
光線がスヴェトラーナの顔目掛けて放たれようとしたところで、新たな猟兵が乱入する。
「完成だ。よし、それじゃあ行ってみるか」
準備を終えたセゲルはゲートを潜り、鏡のように光を反射する大盾を構え、ちょうどピンチだったスヴェトラーナを庇うように敵の前に立った。
「盾か、それで私の一撃を防げるかどうか、試してみるがいい」
白騎士はセゲルが動かぬと予想して、銃口を真っ直ぐ向けたまま白光を放つ。光は盾に当たり拡散して眩く輝く。だが熱量が盾の限界を超え溶けて削れていく。盾を失ったが一撃を凌ぐことが出来た。
「初撃さえ避けてしまえばこちらのものです」
今が好機とスヴェトラーナは狂気を白騎士に纏わりつかせる。
「無駄な事を。私の心を乱すことは出来ん」
だが白騎士は気にも止めずに間合いを詰めてフォースセイバーを振るう。だが僅かに剣筋が揺れて刃はスヴェトラーナの首を断つはずが、右肩を斬り裂いていた。
「私の予測が乱れた? エラーが発生しているのか」
「それが狂気です。心が蝕まれていくのを感じるでしょう?」
訝しむ白騎士にスヴェトラーナが語り掛ける。
「狂気か。だが私を狂わせるにはまだ足りぬ」
白騎士はすぐに誤差を計算し、予測の不具合を調整してスヴェトラーナを斬りつけ、光の刃が腕を斬り飛ばし胴を薙ぐ。光が通り過ぎた切断面から機械が覗いた。
「これはピンチですね……」
身体機能の低下に足が動かなくなった事に気付き、スヴェトラーナは冷静に状況を判断して次の攻撃は回避不能だと悟る。
そこへまたセゲルが割り込み、新たな盾を新たな盾を構えた。
「同じ手が通じると思うのか、次は出力を上げて撃つ」
「試してみなければわからんな」
白騎士に対してセゲルは軽口を返す。ならばと次に放たれた光線は先ほどよりも太く、あっという間に盾を破壊しセゲルの胴に当たった。
「ルールを宣告する『盾を使う事を禁止する』」
「ここまで近づければ十分だ」
白騎士を前にしてセゲルは余裕の態度を崩さない。
「何か手があるのか。その未来を見せるがいい」
フォトンセイバーが横に振るわれ、セゲルの腕が斬り裂かれる。それと同時に噴き出す血が白騎士を赤く濡らした。
「掛かったな。これが俺の搦め手だ」
セゲルが睨みつけると、眼光と鮮血の条件が満たされ白騎士が突然爆発に巻き込まれる。さらに互いの間が不可視の鎖で繋がれ、それは主従として相手を服従させる効果を持つ。
「どうだ、効いてるか? 大人しくしてもらおうか」
セゲルの命令が強制力を持って鎖から伝わる。だが白騎士はそれに抗い一歩前に踏み出した。
「我が主は皇帝陛下のみ。この忠は誰にも奪えぬ。奪おうとする者は斬り捨てる!」
「効いてはいるみたいだが……精神力が効果を上回ってるってことか」
フォトンセイバーを構える白騎士から慌ててセゲルが離れる。だが白騎士の踏み込みが速くセゲルの胴を薙ぎ払われた。鎧が裂け肉が抉られる。
「これは拙い、一時撤退といこう」
セゲルは動けぬスヴェトラーナをひょいっと脇に抱えて駆け出す。
「助かりまし……危ない!」
ヴェトラーナは揺らされながら、こちらに向けて銃口を向ける白騎士を見た。
「うぅーんんん……あぁーっ! もう、悔しいなあ!」
うんうんと唸り悩んでいたハルツ・ノウゼン(ぅゎ、ドワーフっょぃ・f13678)がしかめっ面で顔を上げる。
「ぼくには 絶対に先制攻撃してくるレーザーを避ける方法は思いつかなかったよ。だけどさ、ユーベルコードが成立するには、レーザーを当てて『ルールを伝える』必要があるんだよね? それなら……うん、決めた! レーザーは受けたって良いや!」
イイ方法を思いついたと笑顔になったハルツは、自暴自棄になったかのようにゲートを潜り、敵に向かって元気に駆け出す。そこへちょうど放とうとしていた白騎士のレーザーがハルツの腹に当たった。
「その代わり、キミなんかに絶対ハルツを決めたりさせない!! あっ、そうだ! ついでにハルツのキカイな斧の栄養分になってくれると嬉しいな!! キミならきっと斧も満足してくれるはずだから!!」
痛みのない一撃を気にせずそのまま突っ込み、敵が宣言する前に叩き伏せようとハルツはキカイの斧を勢いよく振り上げた。
「特攻兵か……ルールを宣告する『私を攻撃する事を禁止する』」
白騎士の言葉が届いたと同時に、ハルツの斧が白騎士の胸にある小さな左腕に食い込んだ。そのまま腕を切り飛ばす。だがルールに則り、先ほど腹に受けたレーザーも効果を発揮する。ハルツの腹に穴が空き、血が逆流して口から吐き出した。それでもハルツの眼は光を消さず、力を振り絞って下から斧を振り抜いた。
「げほっ……届けっグラウンドクラッシャー!!」
捨て身の一撃が白騎士の左脚に深く食い込んだ。まるで獣が食い千切ったように傷口が抉れる。
「蛮勇もまた勇気。私に二太刀も浴びせた事をあの世で誇るがいい」
白騎士は斧を引き抜き、ハルツを放り投げて銃口を向ける。だがそれを邪魔するように黒衣の騎士が立ち塞がった。
●決着
「ディアブロ殿……推して参る」
かつて銀河帝国の騎士だったアシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)は、正々堂々戦いを挑む。アシェラは相手の一挙一動を油断なく観察する。ただ対峙しているだけ、それだけで相手の存在感に肌が粟立つ。二大騎士の実力をこの場で最も理解しているのは自分である事を肌身で感じていた。
じりっとアシェラが間合いを詰める。すると66機の動画撮影ドローンが展開され、逆にアシェラの一挙一動が詳細に観察され、そのデータからこれからの戦闘がシミュレーションされて未来予測となるまで昇華される。
「こちらも軽薄だが頼れる部下達を呼ぶとしよう」
アシェラも対抗するように小型の戦闘用黒騎士ユニットを100体召還し、敵のドローンにハッキングを仕掛け、攻撃を行い妨害行動に出る。
「その程度で私の予測精度が落ちるか、試してみるがいい」
白騎士がドローンから得た情報を元に光線を放ち、黒騎士ユニットを一射で纏めて撃墜していく。無駄のない射撃に次々と黒騎士ユニットが撃墜されあっという間に数を減らしていく。
「元より小細工が効かないのは解っている。渾身を持って相手をするのみだ」
相手の注意が逸れている間にアシェラが赤光の剣を抜いて間合いを詰める。
「視えるぞ。その体が両断される未来が」
迎え撃つ白騎士はフォースセイバーを構え袈裟斬りに振り抜く。それをアシェラは念動力で逸らす。だがまだ刃は首から肩へ流れた程度だった。それを黒い外套にフォースを通して盾として防ぐ。だが白騎士の刃は盾を斬り裂き、アシェラの右肩から刃を走らせた。傷口から血が噴き出す。だが傷は致命傷には至らない。黒騎士ユニットのハッキングが間合い半歩分だけ未来予測に誤差を与えていたのだ。
「これが私の全力だ」
澄んだ殺気を放ったアシェラは真っ直ぐに赤光の剣を伸ばし、切っ先が白騎士の胸元に迫る。白騎士が万全の状態であったなら防げたかもしれない。だが腕を何本も失い、脚も傷ついている。さらには内部のデータにまで攻撃を受け、普通の人であったなら何度も死んでいるようなダメージを受けている。白騎士はレーザーキャノンで受けようとするが貫かれ、刃は胸の奥に食い込んだ。レーザーキャノンが爆発し手から零れ落ちる。
「まさに渾身の一撃。私に致命傷を与えるとは。だがただやられる訳にもいかぬ」
動きが止まる前に白騎士は残りのエネルギーをフォースセイバーに集めて巨大な刃を生み出して振り下ろす。
「受けて立とう」
逃げずにアシェラは下から赤光の剣を振るって刃を合わせた。光と光がぶつかり合い拡散する。勢いに勝ったのは白騎士。その刃がアシェラの肩から腰を裂く。だがぶつかり合った衝撃でエネルギーが散って刃が短くなり、盾となった外套も合わさって浅手で済んだ。先に次の攻撃へ切り返したのはアシェラだった。上から真っ直ぐに振り下した赤い刃が白騎士の頭を割り、先ほど穴を開けた胸にまで達した。
●骸の海
「見事だ。これが私達にはない恐怖を克服した力か。だが私は何度でも蘇り立ち上がる。帝国の勝利の為に……」
倒れる事を拒むように立ったまま白騎士の身体が薄れ消滅する。『骸の海』へ還ったのだ。すぐに何処かの戦場に復活して次の戦いが繰り広げられるのだろう。だが一先ず先勝することが出来た。幸先がいいと、猟兵達は傷ついた体を支え合い、笑顔でグリモアベースへと帰還した。
成功
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