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【サポート優先】大海に伸びる魔の手は何処より

#グリードオーシャン #グリモアエフェクト #新「七大海嘯」

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#新「七大海嘯」


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●七大海嘯、復活の狼煙?
「おーっほっほっほ!」
 紋切り型の甲高い笑い声を上げて少女は孤島へ上陸する。静まる浜辺には海の中からぞろぞろと溢れ湧いてくるコンキスタドールの姿。
「ここを、新たな七大海嘯となる『あのお方』の拠点と致しましょう。その為に……まずは掃除を。生物は皆殺し――さぁ、お行きなさい!」
 少女の指示でコンキスタドール、亡国の死神王女達は即座に島全域へ散っていく。それから島民も動物も、全てが駆逐されるのに一日とかからなかった。

●グリードオーシャン・13thラウンド
「新たな巨悪が動き出そうとしている……そんな感じがするんです」
 師走の忙しさもようやくの一段落か、というところへ新たな事件の報を持ち込むことになったロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は、目まぐるしい世界の変貌に身構えつつ猟兵達を前に説明を始めた。
「グリードオーシャンで起こったかつての大戦において滅んだとされる七大海嘯――ですが、『新たな七大海嘯』の配下を名乗る者がグリードオーシャンの世界に現れ始めました。その裏に控える存在は本当に新たな七大海嘯なのか、それがどういった者なのかは未だ判明していませんが、放置すればいずれは世界の平和を脅かす存在になり得る危険分子と言えそうです」
 世界がまた混沌に呑み込まれてしまう、ロザリアは事件を捨て置くことの危険性を切に訴える。
「というわけで、今まさに動き出そうとしている配下達を打ち倒し、世界の平和を守り続けていきましょう! 私がこれから案内する島には、『緑柱石収集家・ベリル』と呼ばれる強力なコンキスタドールと、その取り巻きの『亡国の死神王女』達が上陸しています。彼女達はこれから島の全域に散って殺戮を繰り広げる――その直前に皆さんが立ちはだかることになりますので、戦闘準備はしっかり整えて向かってください! 七大海嘯に関する情報は、この戦いでは得られないと思いますが……事件を解決することが一筋の光となって未来に繋がっていくはずです! 守りましょう、世界を! どうぞよろしくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 あっと言う間に年末です。お久しぶりでした。

●フラグメント詳細
 第1章: 集団戦『亡国の死神王女』
 季節的に寒そうな彼女達ですが、そんなことはお構いなしで残虐非道な行いをする予定です。
 それを食い止めて倒しましょう。現場に付いたら即戦闘なので準備運動は念入りに。

 第2章:ボス戦『緑柱石収集家・ベリル』
 新たな七大海嘯の配下らしい……ですが決して口を割らないので倒すだけです。
 皆様の年の瀬を奪っていくやつですので、ボコスカやってしまいましょう。
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第1章 集団戦 『亡国の死神王女』

POW   :    メイド・イン・ヘル
無敵の【冥府の死神】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    ウィル・デス・ユー
装備中のアイテム「【冥府のトリアイナ】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ   :    タルタロス・ラプソディ
召喚したレベル×1体の【冥府のピラニア】に【地獄の炎】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。

イラスト:ゆずもちこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミカエル・アレクセイ(サポート)
●戦神は戦の中で生きる者
●殺す者で生かす者ではない
●生かして救うことは不得手
●殺して救う事に躊躇いはなく、それこそ自分の仕事

等の思考回路

相手の勢いを使って投げ飛ばす
ユーベルコードで相手の技を反射する
等、自滅を誘う戦い方をする
自分が傷つくことは厭わず痛みは感じるがそのせいで行動が鈍るなどはない。
戦場で何千年と生きてきた為痛みとの付き合い方は心得ている。

女性は誉めるもの。
賛辞はストレートに口にするし、貶すことはあり得ない。
容姿を褒められることを苦手とする相手の場合は行動や性格に褒めるところを見つけて口にしたりする。

冷静沈着、臨機応変

人心掌握、指揮、等が得意

無能力者故か神族であることは普段忘れている


クリム・フラム(サポート)
火炎と爆発とレーザーがメインのブックメイカーの女の子です。

口調はですます調ですが、概ね声が大きい感じです。

行動方針は主に2つで最低限の安全策を取ってから飛び込んで炎と爆破で解決しようとするスタイルと、
情報を集めて分析しながら探索や戦闘を進めていく方向です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●戦神と少女のコンビネーション
 まるで津波のような軍勢。海面を沸き立たせながら島への侵略を始めようとしているのは、ツインテールが可愛らしくも命を刈るのに適した大鎌を持つ死神王女達。
「――さぁ、お行きなさい!」
 彼女達を指揮する者が居るようだが、その者を戦いの舞台に引き摺り出すには彼女達を狩り尽くすしかない。
「ミカエルさん! わたしは準備万端です! ストレッチもちゃんとしましたし!」
「良い返事だ。それだけの元気がありゃ大抵のことは何とかなる。頼りにしてるぜ?」
 島では二人の猟兵、クリム・フラム(図書室のパイロマニア・f36977)とミカエル・アレクセイ(山猿・f21199)が軍勢を待ち構える。間もなく開戦――死神王女達が海から陸へ、浜辺の砂を巻き上げ踏み込んできた。大鎌を右へ左へと各々振り上げ、真紅の瞳には獲物を見つけた悦びを宿らせて。
「キヒヒッ! あんたら二人、どっちを先に刈ってやろうか!」
「刈られる気はねぇが、譲る気もねぇな!」
 死神王女達の上陸に呼応するようにミカエルが前に飛び出していく。その姿は無手、大鎌の群れに比べれば酷く頼りないように見えるが、ミカエルの眼光もまた鋭く尖る。死神王女達とは別次元の獲物を射抜く視線。戦いの中に己を見る獣。
 ミカエルの正面に一体、捻った体の勢いで大鎌をぶん回してくる。触れれば鋼も真っ二つに斬り裂いてしまえる程に鋭利で見た目以上に射程が長い。下手に踏み込んでいれば悠々と刈られる死神王女の一閃。ミカエルは瞬間的には視覚からその動きを読んでいたが、それ以上に野生の勘が素早く反応する。体勢を深く沈みこませて斬撃の下に潜り込み、死神王女の懐を抉る。
「取ったぜ――」
「!?」
 そして大鎌が振り切られる前にその腕を掴み、さらに足元を蹴り飛ばして死神王女を体ごと掬い上げた。天地がひっくり返って受け身も取れない死神王女を、ミカエルはお株を奪う回転から追撃の大鎌を振り上げていた別の死神王女へぶん投げる。
 刃は止まらない。大鎌はざくりと仲間を断ち、真っ二つに斬られた体がなお障害物となってぶち当たった。仰け反って砂の上に吹き飛び転げる死神王女、まずはミカエルが先手を取った。
「この……」
「詠唱完了! アンノウンワード解放です!」
 死神王女達に連携の術があるように、ミカエルにもまた連携の術がある。待ち受けるままに陣取っていたクリムが魔導書『紅炎に躍る妖精の詩』を右手に広げており、その輝きから赤熱する未知の文字群が溢れんばかりに飛び出して空へ昇る。
「あなたたちは、この質問に答えられますか!?」
 突き出す左手が合図となって、文字群はさながら隕石の如く死神王女達に降り注ぐ。密度が高く、何処へ跳んで逃げようとも赤熱する文字の網は死神王女達を捕らえて離さない。
「ぎゃああ!! あづいぃぃ!!」
 一瞬で両腕の自由を奪われて、文字は烙印となり死神王女達に灼熱を刻む。激痛と共にその文字の意味が頭の中に流れ込んできて死神王女達は更に悶える。
「言えないぃ! 言えるわけないぃぃ……!!」
「そうです! 言えるわけないんです! 『新たな七大海嘯は誰か?』なんて!」
「ははっ、そりゃそうだ、言っちまったらお前らの計画、何もかも終わりだもんなぁ! 全く、すげー頭の回転速度だ! 助かるぜクリム!」
 真実を告げなければ解除されないという、死神王女達にとっては無慈悲な呪縛。嵌まって行動不能の彼女達へミカエルは一気に間を詰めて、喉元を鷲掴みにした後、それがさも大鎌であるかのように薙ぎ払って周囲の死神王女達を殴りつけた。肉の潰れる鈍い音と狭い空洞を無理矢理震わせたような呻きがあり、殴った側と殴られた側、双方ぐったりと力を失くす。ミカエルは掴んだ首がぶちりと千切れるまで死神王女の胴体を使い倒し、最後に残る青ざめた生首も目に付いた相手に投げつけて使い切った。
 まずは上陸した者達を一掃、ミカエルとクリムが戦場の主導権を握る。
「くぅぅ……何をしていますの!? あんな猟兵如き、さっさとやっておしまいなさい!」
 怒りで気が急いた叫びが海上から轟いてきた。その姿は未だ死神王女達の壁の向こう側だが、白日の下に晒される時は確実に近づいていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です

戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります

普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)

性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります

ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


小宮・あき(サポート)
お困りの方がいる、と聞いて参りました。
スポット参戦のような形でフラリと。

◆性格・人柄
敬虔な聖職者として猟兵に目覚めた、人間の聖者。
です・ます口調の礼儀正しい少女。
ピンクの髪に、透き通る水色の瞳が特徴的。
ふふ、と微笑み愛らしい見た目で佇んでいますが、
本業は商人。ホテル経営者。冷静で非情な心も持ち合わせています。

既婚者。
神と夫に報告できない行動は、絶対に取りません。



◆戦闘
UC「神罰」
半径レベルmの【範囲攻撃】です。
強力なスポットライトのような光の【属性攻撃】で物質を透過します。
媒体は【祈り】。敬虔な聖職者の祈りは【早業】【高速詠唱】で発動。
最後衛で距離を取り戦います。

◆冒険
基本『お任せ』です。


グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)


コーデリア・リンネル(サポート)
 アリス適合者の国民的スタア×アームドヒーローの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

内気な性格のため、三点リーダーや読点多めの口調になります。
ですが人と話すのが嫌いでは無いため、
様々な登場人物とのアドリブ会話も歓迎です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●程度が知れたる死神王女
 砂塵を巻き上げて燃え盛る戦場を前に、日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)はぴゅうと口笛を鳴らす。
「到着したら即戦闘と聞いちゃいたけど、随分と派手にやってるじゃないか」
「顔を見てはっきりしたよ。時間も場所もまるで考えられない馬鹿な祭りさ」
 やれやれ、と言わんばかりにグレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)は肩を落とす。年の暮れ、用事が詰まっている者もいれば、ゆったりと新年を迎えるつもりだった者もいただろうに。
「あたしゃどうせ酒飲む程度だが、あんたらはいいのかい?」
「はい、こんな時だからこそ、手を差し伸べるのが私の務めです」
「問題、ない……です」
 大事な予定、大事な時間を犠牲にしてやってきたのではないか――グレナディンは案じていたが、小宮・あき(人間の聖者・f03848)とコーデリア・リンネル(月光の騎士・f22496)はここが自分の居場所だと主張するように言葉を返した。覚悟ある瞳、それなら何も言うことは無い、とグレナディンは戦場に向き直る。
「ま、仕事は早く終わらせるに越したことはない。じゃあ――グッドラックだ」
 示し合わせて彼方が一駆け、グレナディンが続いていく。あきとコーデリアが後方に待機し、バランスの取れた布陣だ。
「なんか増えてる……でも、あたし達の無敵の死神に勝てるわけ無いし!」
 死神王女の一体が高く大鎌を振り上げ砂の上にずんと叩きつけた。それを皮切りに他の者達も続々と大鎌を叩きつけて砂を巻き上げ壁を作る。
「目眩まし――いや」
 砂の向こうに見る気配。彼方が砂を被らぬよう停止したその先で蠢く黒き影は、全てを呑み込むかのように虚ろな死神だ。見慣れたような片刃の大鎌を、まるで大地を斬り裂くかのように振り上げて飛翔してくる。
「無敵ね……言ってくれる。だが――」
 影には影。彼方の足元に伸びる影が急に伸び始めたかと思うと、四つ足の獣、狼が瞬時に飛び出し砂地を疾駆した。猛然と突き進む影狼の群れに容赦なく大鎌を振り下ろす死神。だが影狼達は回避も防御もせずに飛び掛かる――その結果は火を見るより明らかか。
 しかし、無敵の刃が空を切り、すり抜ける。黒牙がずむっと死神の体にめり込んで捕らえ、死神達が振りほどこうと身を捩るも影狼達は喰らいついていく。
「実体の無い相手には無敵も何もないということだよ」
「そんな――」
 彼方の言葉に創造主たる死神王女達の心が揺らぐ。無敵の死神は創造主が信じ続ける限り無敵であり――裏を返せば疑念が生まれた瞬間、夢から醒めたかのように弱体化してしまうという力。現実を以って力の隙を見せつけられた死神王女達の召喚物、死神は最早刀の錆にもならない一事象でしかなく。
「死神だか何だか知らないが、迎えられるつもりは毛頭ないよ!」
 齢三桁、四人の中で断トツに抜け出たグレナディンがフォースセイバーを唸らせる。一薙ぎで影の死神を斬り裂くと、返す刀で死神王女にまで迫り一撃で首を飛ばす。表情は無敵を破られた驚愕のまま、何が起きたかも理解できずに死神王女は消えていく。
「こっの……!」
 仲間意識よりは本能に近い闘争心を燃やして、残る死神王女達が彼方とグレナディンに殺到してくる。彼方も四本一組の短刀で応戦し斬り合いの様相。大鎌の一振りを二枚の刃で受け止め、一瞬宙に捨て去ると同時に残る二本を手に彼方は踏み込んだ。細い胴体を交差する斬撃で裂き散らして、捨てた二本を回収して最後に背後へ回り込んで項に一突きを叩き込む。白目をむいて倒れていく死神王女達に、まずまずの調理法だな、と彼方は至って冷静に評価。
 搦手は効かないと見て死神王女達は力技に出る。手にした大鎌に邪悪な力を送り込んで狂暴化、天を衝くが如く伸長した大鎌を荒れ狂う嵐のようにぶん回してきた。
「『死』を――食らいなっ!」
 彼方とグレナディン、二人を纏めて薙ぎ払う魂胆だ。それが四方八方から飛んできて二人は背中合わせになりながら行き場を失くす。
 傍から見れば絶体絶命。しかし二人は、待ってましたと言わんばかりに笑んでいて。
「止めます……」
 死神王女達が真に警戒すべきは彼方でもグレナディンでもなかった。効果、威力、射程が増幅された大鎌は突如として謎の層に阻まれ固まる。押そうが引こうが、それまで自在に動いていたはずの大鎌はびくともせず攻撃が停止された。
「……っ、何が……!?」
「知らないほうがいい、そんな幸せもあるでしょう……全ては、神の思しますままに」
 両手を胸の前で組み合わせ、あきが祈りを捧げるその横で、コーデリアが地を示すかのように両手を斜に広げて力を行使している。コーデリアの存在が全ての絡繰り、戦場全体を呑み込む透明なガラスの迷路は死神王女達の破壊力を増大させた大鎌でさえも弾くほどに強固であり、巨大化した刃は物理的に迷路に食われて死んでいた。
 それが分かったとて、迷路という存在は死神王女達を捕縛する。そして、背に壁を感じて状況が飲み込めたらしい何体かが動こうとした瞬間に、あきの双眸が見開かれていた。
 視界にとらえた罪深き者達へ、裁きの光を。天より降り注ぐ光の柱が戦場全体、ガラスの迷路を突き抜けて地上へ到達する。何もかもを巻き込んでいたが、滅すのは真に裁かれるべき者達だけ。巨大な重圧が死神王女達の上に圧し掛かって押し潰す。
「ぎゃああああ!!」
 光は海上にまで伝播する。ガラスの迷路が何処までも伸び続け、戦場へ侵入しようとしていた死神王女達の残党を悉く行動不能に陥らせる。その間に何か喚き声がして、死神王女達は陣形を変えて進軍を続けようと試みたが、彼方とグレナディンが光の柱の両端に陣取っており、逃がさない。
 四人の一気呵成の猛攻が鋭く、死神王女の群れは潮が引くように萎んでいく。ばしゃん、とグレナディンによって斬り飛ばされた死神王女の腕の着水音が鮮明に轟くほどに、軍勢は消失していた。
「きぃぃ……! こうなったら、わたくしが直々に……!」
 手勢を失い、少女然とした「その者」の顔は、苦渋と憎悪に塗れていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『緑柱石収集家・ベリル』

POW   :    緑の輝きは私のために
【操る炎】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を緑柱石へと変化させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    緑柱石の守護者
200G(万円)相当の【緑の宝石】をx個消費し、ランダムな強さ・外見を持つ【緑の炎を操る精霊】族の【艶やかな少女】をx体召喚する。
WIZ   :    全ての宝は私のもの
【掲げたランタンから炎】を解放し、戦場の敵全員の【所持する宝石】を奪って不幸を与え、自身に「奪った総量に応じた幸運」を付与する。

イラスト:かわち

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は向・存です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●出世街道からの脱落
 本当は、本当ならば、こんな小島の一つくらい、自分が手を出すこともなく――ベリルの目論見は外れ、猟兵達に己の姿を曝け出さねばならなくなった。
 島を勝ち取ったとして、果たして「あのお方」はどんな反応を示すのか、それを考えることすら恐ろしい――あのお方。
 ならばせめて、最上の結果を。猟兵達を皆殺しにして、島の人間も、動物も、何から何まで殺し尽くして献上するしかない。ベリルの思考は闇の最果てまで転がり落ちていく――。
岩社・サラ(サポート)
「最優先撃破対象確認。これより戦闘に移ります」

傭兵としての戦闘技術と一族に伝わる土魔法を組み合わせて戦う冷静な性格の女性。
口調はですます調。必要以上に会話はしない。
依頼に関しては負傷を厭わず可能な限り全力を尽くすが、公序良俗に反する行為は行わない。
仲間との連携ができる場面では積極的に連携を行う。

行動
目立たないように隠れながらDMRによる狙撃。ショットガンによる接近戦。装甲目標ならミサイルランチャー。接近戦なら斧。と武器を使い分けて戦います。

敵の攻撃を防御する際はゴーレム(アイテム)を召喚し庇わせることで対処します。

ユーベルコードは選択したものを適時使用します。

書かれていない部分はおまかせします


セルジュ・フォートリエ(サポート)
竜派ドラゴニアンのマジックナイト×探索者、26歳の男です。

基本的に敬語を使って話しますが、ときおり敵を挑発するような言動をとることがあります。

魔法をまとった剣を持ち戦い、〈軽業〉〈空中戦〉等で飛び回りながら戦います。

UC「影竜の逆鱗」は、〈挑発〉して相手を苛立たせながら使う想定です。

その他UCも状況に応じて使用可能です。

アドリブ、共闘歓迎です。よろしくおねがいします。


ミーシャ・アレクセア(サポート)
『コーヒーが主食ですが、何か?』
 人間の戦場傭兵×剣豪、19歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、独り言は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




●意地はあれども
「炎ならわたくしも使えましてよ!」
 配下を焼かれた恨みつらみを練り込んだ火炎弾がベリルの左手より放たれる。一見ただの低級魔法――しかし身構える猟兵達の中でミーシャ・アレクセア(戦神の娘・f08032)がその本質にいち早く察知していた。
「気を付けて! あれは地形を変える炎です!」
 ユーベルコードを熟知している者であれば、その性質の意味するところは瞬時に理解できる。当たれば良し、当たらずとも地形を塗り替えて術者に利となる空間を作り上げる異能。
「警戒レベルを3に引き上げます。防御から迎撃に変更――」
 初めコンバットアックスを手にしていた岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)だが、攻撃の性質を把握して魔銃「巨像穿ち」に素早く持ち替える。ガン、と一発ぶっ放した魔弾が火炎弾に直進、両者譲らず直撃し爆散した。それで魔弾は魔力の残滓となったが、ベリルの生み出した炎はしぶとい。砂浜に根を張りにょきにょきと緑柱石を立ち上がらせて、戦場はさながらジャングルのよう。
「障害物多数。道を拓きます」
 サラはなお魔弾での射撃を敢行する。射線は通っていないが一点を撃ち続ければ必ずやベリルに届くだろう。だがベリルとて指を咥えて見ているはずもなく、緑柱石の間を抜けてくる炎が再び緑柱石を生み出し埒が明かない。
「なら、僕は空から――!」
 一進一退が繰り返される中、セルジュ・フォートリエ(魔剣使い・f39315)が宙に飛び立った。破壊されていない緑柱石を軽業で勢い良く駆け上がり、無限に広がる空へと到達する。緑柱石は点々とした足場になっており、翼でバランスを取りながら飛び継いで炎の出所を目指した。
 ベリルが放つ炎はサラに執心しており空には向かってこない。だが油断は禁物、足場は時に凶器になり得る。緑柱石を飛び渡る一駆けの間に新たな緑柱石がセルジュ目掛けて伸びてくる。
「――はぁっ!」
 それを、セルジュは手にしたルーンソードを叩きつけることで鮮やかに回避、どころか叩きつけた反動を利用してさらに加速し、ついに緑柱石のジャングルを飛び越えてベリルの姿を眼下に見た。
「小癪な……!」
 地上へ落ちた影に反応してベリルはセルジュという存在に憎々しい視線を向けながら左手に炎を溜める。迫り来る脅威として排除すべきはセルジュ――思考が支配されたままベリルは頭上へ炎を撃ち出していた。
 ほとんど真っ逆さまでベリルを急襲するセルジュ。炎の速度は倍加してセルジュに襲い掛かっていた。対し旋回して回避を試みようとするセルジュの動体視力の勝負。その差はまさに紙一重で、セルジュが際どく上回ってベリルを頭上から一閃。
「あぁっ――くぅっ!!」
 顔だけは傷つけられたくない、そんな思いからかベリルは両腕で必死に庇った。それでも、上から圧を加えられた斬撃で両腕はざくりと裂け、体が砂地に沈む。
「この――」
 ベリルは後方へ飛び抜けていくセルジュを追おうと急反転。だがその刹那に、本来正面であったはずの背後が爆破され、数多の緑柱石の屑が舞う。
「戦闘中に余所見はいけませんよ?」
 ベリルがセルジュと交戦していた隙を突いてサラが一直線に緑柱石を撃ち抜き、拓かれた道を抜けてミーシャがベリルに肉薄していた。華刃――こちらは桜吹雪の彫られた日本刀で、水平に構えた後、振り向き様のベリルとすれ違うようにして鮮やかに薙ぎ払う。胴体を抉り、ビビッドな色使いの衣服を空に散らす。華やかではあったが、桜吹雪と比べれば些か見劣りしてしまう。
「大地の力、黒の刃。斬り裂け――」
 ミーシャが越えていったその道に、サラは追撃の一手、腕に生やした黒い鉱石の刃を放つ。一枚で構わない。その一枚さえ突き抜ければ。
 腕を薙ぐ。射出された刃は狙いを寸分違うことなくベリルの元へ。
「――がふっ!?」
 斬り裂かれ、よろけたところに鉱石の刃が貫いてベリルの胴体が空虚に満ちた。バランスが酷く失われ、ベリルの精神は動転の渦中にあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

緋月・透乃(サポート)
『今日も元気に食べて楽しく戦おうね!』
 人間で22歳の女性です。
いつも元気で、強敵との戦闘、食べる、スリルを味わうことを好みます。

基本的に自分の楽しみのために行動し、敵味方問わず他人の心情等には配慮しません。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用します。
戦闘では真っ正面からの突撃を好み、負傷は気合いで耐えれば良いと考えています。
戦闘以外のことも大体気合いと力でなんとかしようとします。
脳筋です。

武器は主に『重戦斧【緋月】』を使用しますが、他の武器の方が有効そうならそちらを使用することもあります。

クロムキャバリアでも生身で戦います。

不明な点はおまかせします。よろしくお願いします。


蒼月・暦(サポート)
 デッドマンの闇医者×グールドライバー、女の子です。

 普段の口調は「無邪気(私、アナタ、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 嘘をつく時は「分かりやすい(ワタシ、アナタ、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

無邪気で明るい性格をしていて、一般人や他猟兵に対しても友好的。
可愛い動物とか、珍しい植物が好き。
戦闘では、改造ナノブレード(医療ノコギリ)を使う事が多い。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ハロ・シエラ(サポート)
私はハロ・シエラ。
戦う事以外は不得手です。
また、オブリビオンによる問題に対しては説得などより戦いで蹴りをつけるのを好みます。

口調は(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)。
基本的には誰に対しても敬語です。
戦術としては【第六感】と【見切り】を駆使して勝機を見出し【カウンター】や【鎧無視攻撃】で敵を仕留めるスタイルです。
真面目に戦いますが、強敵が相手なら【毒使い】や【投擲】、【物を隠す】による【だまし討ち】も視野に入れましょう。

ユーベルコードは戦況に応じて何でも使用しますが、味方や一般人は巻き込まない様に努力します。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●生死の別無く正義を振るう
 小細工も凝った趣向も無い全力勝負。緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)が求めている戦いが其処にはあって、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)も単純明快な現状を素早く理解し二本の短剣を両手に取っていた。
「守護者達よ……邪魔者を全て消し去りなさい!」
 地形を変化させて生じさせた緑柱石は消えかけようとしていたが、ベリルは巨大な柱となっているその一つに手を添えて叫ぶ。宝石の素質を持った緑柱石はベリルの願いに応えるように光を放って崩壊し、その場に艶めく精霊の少女を召喚した。
 輝きは全て少女へと――粗暴な戦場は生まれ変わった。反撃の一矢となる緑の炎をその手に宿して。
「数が多いですね。いけますか?」
「だいじょーぶ!」
「私も頑張るの!」
 ハロの問いかけに重戦斧【緋月】をぶんと振り上げる透乃は猪突猛進で砂浜を走る。不安定な足場も何のその。重機の如き突進力を見せていく。
 他方、一旦足を止めた蒼月・暦(デッドマンの闇医者・f27221)は辺りを気にするようにきょろきょろと。そしてこくりと頷き呼び掛ける。
『ワタシの声に従い、起きなさい眠れる者よ』
 エコーの掛かったような、ふんわりとした声が周囲に響く。すると、ずずん、と地の深くが震え始め、砂浜が流れ落ちて地獄の門が口を開ける。
 何十年と眠りについていたであろう屍達が暦の呼び掛けに応えたのだ。最早朽ち果ててしまった者達もいただろうに、今この時だけ欠損部位を周りの砂で埋めてようやく人の形を保った――いわゆるゾンビ。日の光を浴びても消失しない彼らは善良な暦の協力者であり、精霊の少女達に対抗し得る戦力だ。
『ワタシの協力をお願いするわね。さぁ、行って!』
 暦が指揮すれば群れが動く。透乃とハロ、その後方にゾンビの軍勢。少女達は堪らず操る炎を矢に変えて放ってきた。少女達が生まれた緑柱石よりも澄んだ輝きの緑色の炎、しかし彼女達は誰も足を止めない。全身に炎の矢がどれだけ突き刺さろうと構い無く。
「熱い――けど、これなら何とかなるよ!」
 透乃の原動力の最たるは気合であった。戦闘も冒険も日常さえも気合があれば何でもできるの精神で炎の矢の飛ぶ中を爆走していく。止められない、止まらない。少女達が何度矢を射かけようとも。
「そりゃー!」
 そして刃をぶん回す。当たり所の良し悪しも気にすることなく、力を溜めて物理で殴る。それで腕から胴体から真っ二つになって、叩き割られた少女が緑の星屑になって消えた。
 透乃の暴風域は留まることを知らず、次から次へと少女達を巻き込んでいく。少女達にとっては恐怖映像でしかないが――恐怖は数珠繋ぎとなって現れる。
「あなた達が気にするべきはこちらですよ」
 少女達の間で不意に声がした。誰かが喋りかけているのか、だが誰が。
 暴風の透乃がいる。指揮官の暦がいる。燃え盛るハロがいる……燃え盛るのに、口を引き結んで突っ込んでくるハロが不気味過ぎた。そう感じた刹那、少女の背後をずどん、と短剣が貫く。
「夢を見ていたのでしょう。そのまま眠っていてください……永遠に」
 ハロが掻き消えて、少女が意識の途切れる間際に見たのがハロだった。何故背後に――謎は謎のまま少女は潰える。傍から見ても何処から出現したのか判然としないハロのだまし討ちが炸裂し、少女達は幻術に惑いながら消滅していく。
「ぐ……ほ、炎よ、焼き払いなさい!」
 守護者として呼び出したはずの少女達が押されに押され、ベリルも体力回復を犠牲にして参戦せざるを得なくなった。再び操る炎を飛ばす、その狙いは甘く、砂に飛び込んでいくだけに見えたが。
「地形をまた滅茶苦茶になんて――させないの!」
 暦がベリルの真の狙いを見抜いていた。外れても地形を変えてしまう能力で場を荒らし、さらに自身の能力を向上させるというベリルの思惑は、緑の炎に塗れたゾンビ達がベリルの撃ち出した炎を全てその身で受け止めるという自己犠牲の前に散った。命中してしまえば地形に影響はない。ベリルの力を逆手に取ったのだ。
 さすがのゾンビ達も二つの炎を受けては崩れ去ってしまっていたが、ベリルが生成するより早く辿り着いた者が腕を封じ、足に縋りついて動きを止める。
「今回も優秀な方々に恵まれました。さぁ……終わりにしましょう」
 ベリルの耳元に響くのはハロの声。幻術は何者も逃れられない。ゾンビの内の一体であるかのように戦場を徘徊していたハロは消え、短剣がざくりと、半分千切れていたベリルの胴体を完全に切り離してしまうまで瞬き一つする間もなく。
「一発で決めるよ! 菲刃滅墜衝!!」
 暴風のまま回転して跳び上がった透乃が渾身の一撃をベリルの頭から叩き込んだ。それで都合四つの破片に化したベリルは、悲鳴の一つも上げぬまま、パリンと砕け散ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年01月16日


挿絵イラスト